JP2004071580A - リチウム二次電池用負極材料および、それを用いた二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の解決手段は、炭素材料周囲の表面がピッチで覆われており、癒着、凝集することなく炭化あるいは黒鉛化焼成された炭素材料であり、ピッチ成分の皮膜の膜厚が0.01〜5μmであることを特徴とするの二次電池用炭素材料である。
Description
極中の活物質密度を上げることができないため、重量あたりの特性が優れた材料であっても、高容量の電池を得ることは困難である。 被覆炭素材料の粒径は、0.1〜150μmの範囲に粒度分布を有するものが好ましく、さらにこの粒度分布において1μm以下の粒子が体積基準で10%以下であることがより好ましい。粒径が1μm以下の粒子が体積基準で10%を超える場合には、比表面積の増大により、電池特性が低下するので、好ましくない。 本発明で得られた被覆炭素材料は、粉末の状態で金型充填し、加圧成型した後、焼成することにより、均一な組成を有する炭素ブロック或いは黒鉛ブロックを得ることも、可能である。 被覆形成用炭素材料用原料としては、ナフタレン、フェナントレン、アセナフチレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの芳香族炭化水素、これらを加熱加圧下で重縮合して得られたタール或いはピッチ類、あるいはこれらの芳香族炭化水素の混合物を主成分とするタール、ピッチ、アスファルト、油類があげられ、その由来は、石油系および石炭系を問わない。本明細書においては、これらの被覆形成用炭素材料用原料を単に「(石油系或いは石炭系)重質油など」ということがある。また、コスト的には不利となるが、各種の熱硬化性樹脂を被覆形成用原料として用いることも、可能である。 石炭系重質油を使用する場合には、原料中に存在する一次QIの少なくとも一部を除去し、残存する一次QIを3%以下(好ましくは1%以下)としたタールまたはピッチを用いることが好ましい。ここで一次QIとは、コールタールに元来含まれているフリーカーボンを意味する。原料中に一次QIが存在すると、焼成の際に炭素化を阻害したり、また1μm程度の球状の炭素粒として最終生成物中に混入したりするなど、電極の製造工程上問題を引き起こしたり、あるいは電極とした際の特性の低下を招く場合がある。 通常、重質油は、常温で固体であるが、加熱することにより、軟化溶融する。この軟化し始める温度を軟化点(SP)という。また、重質油の品質を規定するには、通常トルエンにより溶媒分別した場合のトルエン不溶分が用いられる。これらが重質油を規定する代表的な方法であるが、本発明では、重質油の品質を規定するに当たって、任意の方法を適宜選択することができる。 本発明においては、上記の芯材となる炭素材料と重質油などとを混合し、攪拌処理する。撹拌方法としては、特に限定されす、例えば、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、万能ミキサーなどを使用する機械的攪拌方法が挙げられる。 撹拌処理条件(温度および時間)は、原料(芯材と被覆用重質油)の成分、混合物の粘度などに応じて適宜選択されるが、通常10〜300℃程度であり、50〜200℃程度の範囲とすること、或いは混合物の粘度が5000Pa・s以下になるように時間をも併せて調整することが、より好ましい。この様に、攪拌時の処理温度と時間とを調整することにより、被覆形成用原料の被覆層(単に、被覆層ともいう)の厚さをコントロールすることが可能である。すなわち、温度を高くすることおよび/または時間を短くすることにより、被覆層の厚さを小さくすることができ、逆に温度を低くすることにより、被覆層の厚さはを大きくすることができる。撹拌が十分でないと被覆層が均一にならないので、好ましくない。攪拌時間は、一般に製品の性状には悪影響を及ぼさないものの、長すぎる場合には、実用的には量産性が低くなり、好ましくないので、適宜選択すればよい。 また、撹拌時の雰囲気としては、大気圧下、加圧下、減圧下のいずれであってもよいが、減圧下で撹拌する場合には、芯材と重質油とのなじみが向上するので、好ましい。 本発明においては、芯材と被覆層とのなじみを改善する、被覆層の厚さを均一とする、被覆層の厚さを大きくするなどのために、必要ならば、上記の混合攪拌工程を複数回繰り返すことも可能である。また、引き続く洗浄工程に先立って、被覆された芯材を一旦分離した後、洗浄工程に供しても良い。 次いで、上記の様にして得られた重質油などで覆われた被覆炭素材料は、洗浄工程に供される。洗浄に用いる有機溶媒としては、トルエン、キノリン、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、メチルナフタレン、アルコール類、石炭系油、石油系油などが挙げられる。これらの中では、トルエン、キノリン、アセトン、ベンゼン、キシレン、メタノール、石炭系軽油・中油、石油系軽油・中油などがより好ましい。これらの有機溶媒を適宜選択する場合には、洗浄溶媒中の不溶分を新たに被覆層に付与することができるので、被覆層の重質油成分をコントロールすることも、可能である。 洗浄温度は、最終的に得られる被覆炭素材料、特にその表面被覆層の性状などを考慮して定めればよく、特に限定されないが、10〜300℃程度が好ましい。 洗浄の際の固形物{=芯材+被覆層乃至含浸層(以下単に被覆層とする)}と有機溶剤との割合は、重量比で1:0.1〜10の範囲であることが好ましい。 なお洗浄工程においては、溶媒の種類、洗浄時間、洗浄温度などを選択することにより、被覆層の厚み、残存する重質油成分などを調整することが、可能である。例えば、洗浄力の強い溶媒を用いる、洗浄温度を高くするなどの条件を適宜を組み合わせる場合には、被覆層の厚さは薄くなるのに対し、洗浄力の弱い溶媒を用いる、洗浄温度を低くするなどの条件を適宜組み合わせる場合には、被覆層の厚さを厚くすることが可能となる。洗浄時間は、上記の各条件を考慮して、適宜選択すればよい。 次いで、被覆炭素材料と有機溶媒との分離工程は、遠心分離、圧搾濾過、重力沈降などの手法により行われる。分離する際の温度は、通常10〜300℃程度の範囲にある。 分離された被覆炭素材料の乾燥は、通常100〜400℃の範囲で行われる。 このようにして得られた乾燥被覆炭素材料は、炭化処理、さらには黒鉛化処理を行っても、芯材粒子周囲のピッチ成分は維持され、粒子同士が融着乃至凝集することはない。 次いで、上記で乾燥された被覆炭素材料は、焼成される。被覆炭素材料を炭化する場合には、600〜2000℃程度の温度において焼成することが可能であり、900〜1300℃程度の温度で焼成することがより好ましい。また黒鉛化する場合には、2000〜3000℃程度の温度において、焼成することが可能であり。2500〜3000℃程度の温度で焼成することがより好ましい。 炭化或いは黒鉛化条件における高温で焼成しつつ低結晶性を保つために、被覆炭素材料の焼成に先立ち、被覆した重質油層に対し、低温度域(50〜400℃程度)で酸素、オゾン、一酸化炭素、イオウ酸化物などの酸化性ガスで難黒鉛化処理を行い、その後高温で焼成することも可能である。例えば、高結晶性の芯材に高結晶性の被覆層を形成させた後、酸化処理を行うことにより、被覆層を低結晶性炭素に変換することも可能である。逆に、この様な酸化処理を行わない場合には、被覆層を高結晶性の状態に維持することも可能である。この様な酸化処理は、被覆炭素材料の炭化焼成に先立って行う。この場合に得られる炭素材料は、リチウム二次電池負極材として有用である。 被覆炭素材料の焼成時の雰囲気としては、還元雰囲気中、不活性ガス気流中、不活性ガスの密閉状態、真空状態などの非酸化性雰囲気が挙げられる。焼成温度にかかわらず、昇温速度は、1〜300℃/hr程度の範囲から適宜選択され、焼成時間は、6時間〜1ケ月程度である。昇温は、被覆層の厚みなどに応じて、段階的に行うことも可能である。 真空炭化を行う場合には、常温から最高到達温度まで減圧状態を継続するか、適当な温度域(好ましくは、500℃以上)で減圧状態とすることが好ましい。真空炭化は、被覆炭素材料の表面官能基を除去する効果があり、電池の不可逆容量を低減することができる。 一般に、速い昇温速度においては量産性の向上が期待できるのに対し、遅い昇温速度(10℃/hr以下)においては緻密な被覆層の形成が期待できる。また昇温時および焼成時の温度プロファイルとしては、直線的な昇温、一定間隔で温度をホールドする段階的な昇温などの様々な形態をとることが可能である。 このようして得られた周囲が被覆形成用炭素材料で覆われている炭素材料をリチウム二次電池負極として用いる場合には、電解液の有機溶媒との反応性が低いので、電解液の分解や炭素材料の破壊などが起こりにくい。その結果、電池の充放電効率が向上し、またその安全性が改善されるという利点を有している。一般に、黒鉛系の材料は、活性な結晶子の端面(edge plane)が外側に配向しているため、電解液と反応しやすい。本発明においては、炭素の縮合多環網目である基底面(basal plane)が外側に配向しているピッチ成分がこの活性な結晶子端面を覆っているので、電解液の有機溶媒との反応が制御されるものと考えられる。 本発明によれば、芯材である炭素材料を重質油などに浸漬する温度と時間、或いは被覆された炭素材料を洗浄する際の有機溶媒の種類と洗浄条件(時間、温度)などを調整することにより、炭素材料周囲の被覆重質油の量乃至被覆層の厚さを制御できるので、炭素の縮合多環網目である基底面が炭素材料の表面方向に配向しているピッチ成分により、表面を覆われた炭素材料を製造することができる。 また、これらの炭素材料を炭化或いはさらには黒鉛化しても、芯材表面の被覆においては、基底面が炭素材料の表面方向に配向した状態が、維持される。従って、この炭素材料をリチウム二次電池負極に用いる場合には、電解液の有機溶媒と反応しにくいので、電解液の分解や炭素材料の破壊は、起こらない。その結果、電池の充放電効率が高い値となり、電池の安全性にも優れているという顕著な効果が得られる。 本願発明によるリチウム二次電池を作製する場合には、上述の様にして得られた被覆炭素材料を必要ならば分散、解砕、分級などの処理に供した後、適当な粒度に調整し、電極材料とする。 電極は、公知のバインダーなどと混合した後 集電体上に活物質層を形成する。バインダーとしては、特に限定されず、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマー;合成ゴム類などを用いることができる。この場合のバインダーの量としては、活物質100重量部に対して、通常3〜50重量部程度の範囲であり、より好ましくは5〜20重量部程度であり、さらに好ましくは5〜15重量部程度である。バインダーの量が多すぎると、電極中の活物質の密度が低下するため、好ましくない。また、バインダーが少なすぎると、電極中の活物質を保持する能力が十分得られず、電極の安定性が低下するため、好ましくない。また、電極を形成する方法としては、活物質とバインダーとを混合したペーストを作製し、ドクターブレード、バーコーターなどにより集電体上に活物質層を形成する方法、或いは活物質とバインダーとを混合したものを成型器などに入れ、プレスなどにより成形体とする方法などが挙げられる。 また、本願発明によるリチウム二次電池の電解質としては、公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質などを用いることができる。 これらの中でも、イオン伝導度の観点から、有機電解液が特に好ましい。有機電解液用の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランなどの置換テトラヒドロフラン;ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどが例示され、これらを単独でまたは混合して使用することができる。また電解質としては、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、6フッ化燐酸リチウム、6フッ化砒酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウムなどのリチウム塩などが例示され、これらの1種或いは2種以上を使用することができる。有機電解液は、上記の溶媒に電解質を溶解することにより、調製される。なお、電解液を調製
する際に使用する溶媒および電解質は、上記に掲げたものに限定されないことはいうまでもない。 無機固体電解質としては、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩、硫化リン化合物などが挙げられ、より具体的には、Li3N、LiI、Li3N-LiI-LiOH、LiSiO4、LiSiO4-LiI-LiOH、Li3PO4-Li4SiO4、Li2SiS3などが例示される。 有機固体電解質には、上記の電解質と電解質の解離を行う高分子とから構成された物質、高分子にイオン解離基を持たせた物質などがある。電解質の解離を行う高分子としては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体および該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体および該誘導体を含むポリマー、リン酸エステルポリマーなどがある。上記の非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性極性溶媒との混合物、電解液にポリアクリロニトリルを添加した材料も、使用可能である。さらに、無機固体電解質と有機固体電解質とを併用することも、可能である。 本発明のリチウム二次電池における正極としては、常法に従って、例えばリチウムを含有する酸化物を正極活物質として用いることができる。正極活物質の具体的な例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2、これらの類縁化合物であるLixMyNzO2(ここでMはFe、Co、NiおよびMnのいずれかであり、Nは遷移金属、4B族金属或いは5B族金属を表す)、LiMn2O4、その類縁化合物であるLiMn2-xNYO4(ここでNは遷移金属、4B族金属或いは5B族金属を表す)、LiVO2などが挙げられ、これに導電材、バインダーおよび場合によっては、固体電解質などを混合して、正極が形成される。これら各材料の混合比は、活物質100重量部に対して、導電材5〜50重量部程度、バインダー1〜30重量部程度とすることができる。この様な導電材としては、特に制限されず、公知のカーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックなど)などの炭素類、グラファイト粉末、金属粉末などを用いることができ。また、バインダーとしても、特に限定されず、公知のポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマー;合成ゴム類などを用いることができる。導電材の配合量が5重量部より小さいか、或いはバインダーの配合量が30重量部より大きい場合には、電極の抵抗あるいは分極などが大きくなり、放電容量が小さくなるため、実用的なリチウム二次電池が作製できない。導電材が50重量部より多い(混合する導電材の種類により、その相対的な割合は変わる)場合には、電極内に含まれる活物質量が減るため、正極としての放電容量が小さくなる。バインダーは、1重量部より小さいと結着能力がなくなってしまうのに対し、30重量部より大きいと、導電材の場合と同様に、電極内に含まれる活物質量が減り、さらに、上記に記載のごとく、電極の抵抗あるいは分極などが大きくなり、放電容量が小さくなるため、実用的ではない。正極の作製に際しては、結着性を上げるために、それぞれのバインダーの融点近傍の温度で熱処理を行うことが好ましい。 また電解液を保持するためのセパレーターとしては、公知の電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維などの不織布あるいは織布、アルミナなどの粉末の成形体などが挙げられる。これらの中でも、合成樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレンなどの不織布が品質の安定性などの点から好ましい。これら合成樹脂の不織布には、電池が異常発熱した場合に、セパレーターが熱により溶解して、正極と負極との間を遮断する機能を付加したものがあり、安全性の観点から、これらも好適に使用することができる。セパレーターの厚みは、特に限定されず、必要量の電解液を保持することが可能であり、かつ正極と負極との短絡を防ぐことができればよく、通常0.01〜1mm程度であり、好ましくは0.02〜0.05mm程度である。 集電体としては、公知の銅、ニッケル、ステンレス、アルミ、チタンなどの金属の箔状、メッシュ、多孔質体などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
1.粒径の測定 日機装株式会社製「FRA9220マイクロトラック」を用いて、粒子の中心粒径および粒度分布を測定した。
2.被覆比および被覆厚さの測定 焼成前の芯材周囲を覆っている重質油由来の炭素成分については、JIS K2425に規定されている方法に準じて溶剤分析を行って、キノリン不溶分(%)を測定し、「100-(キノリン不溶分)」によりキノリン可溶分(%)を算出した。このキノリン可溶分の量が、被覆形成用炭素材料の量である。 被覆形成用炭素材料/(芯材炭素材料+被覆形成用炭素材料)の重量比(先に定義した被覆比)は、前述の方法で算出した。
3.比表面積の測定 マイクロメリテックス社製「ASAP2400/窒素吸着BET比表面積測定装置」を用いて比表面積を測定した。
4.真比重の測定 JIS R7212に規定されている方法に準じて、真比重を測定した。
5.X線広角回折法による結晶子の大きさの測定 X線広角回折法による結晶子の大きさ(Lc、La)の測定は、公知の方法、すなわち”炭素材料実験技術1 pp55〜63 炭素材料学会編(科学技術社)”に記載された方法によって行った。結晶子の大きさを求める形状因子Kは、0.9を用いた。
6.ラマン分光測定 さらに、炭素材料の表面物性として、514.5nmのアルゴンレーザーを用いたラマン分光測定により観察される2本のピークより、R値を1360cm-1/1580cm-1のピーク強度比として求めた。
7.電解液に負極を浸し、高温で保持した際のガス発生量の測定 ピッチ被覆炭素材料(ピッチ被覆黒鉛)を窒素雰囲気中2800℃で1時間焼成することにより、黒鉛化した。黒鉛化ピッチ被覆黒鉛95重量部とディスパージョンタイプのPTFE(ダイキン工業株式会社製「D-1」)5重量部とを混合し、液相で均一に攪拌した後、乾燥させ、ペースト状とした。この負極用物質0.25gをプレス機により成型し、直径2cmの負極体を作製した後、200℃で6時間真空乾燥した。 次いで、この負極を電解液中で電位が0Vになるまで充電し、充電状態の負極を電解液25mlの入ったビーカーセルに入れ、60℃で6時間加熱して黒鉛化ピッチ被覆黒鉛1gあたりのガス発生量を測定した。 なお、電解液としては、1moldm-3のLiClO4を溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとメチルプロピオネートの混合溶媒(体積比で3:3:4)を用いた。
8.非水系電池の作製及び電池特性の測定 正極は、一般的には正極材料と導電材およびバインダーとを混合することにより作製される。この場合、導電材としては、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料類または金属粉末、金属ウールなどの金属材料などが適宜使用される。バインダーは、粉末のまま混合することもできるが、分散性をより高め、結着性を向上するために、溶液に分散させたものや、溶解したものを混合する場合もある。また、このようにして溶液に分散或いは溶解したものを用いた場合には、真空処理あるいは熱処理などの手段によって溶液を取り除く必要がある。さらにバインダーの種類によっては、融点付近の温度で熱処理することにより、さらに結着性を高めることも可能である。 本願実施例では、正極材料にLiCoO2100重量部を用い、導電材としてのアセチレンブラックを10重量部およびバインダーとしてPTFE粉末を10重量部混合したものを直径10mmの電極に成形し、正極体を得た。 負極体は、本願実施例では、次の様にして作製した。 まず、ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中1000℃で1時間焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆黒鉛95重量部とディスパージョンタイプのPTFE(ダイキン工業株式会社製「D-1」)5重量部とを混合し、液相で均一に攪拌した後、乾燥させ、ペースト状とした。さらに、この負極用物質30mgをプレス機により成型し、直径10mmの負極体を作製した後、200℃で6時間真空乾燥した。 また、ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中2800℃で1時間焼成し、黒鉛化した。この黒鉛化ピッチ被覆黒鉛95重量部とディスパージョンタイプのPTFE(ダイキン工業株式会社製「D-1」)5重量部とを混合し、液相で均一に攪拌した後、乾燥させ、ペースト状とした。この負極用物質30mgをプレス機により成型し、直径10mmの負極体を作製した後、200℃で6時間真空乾燥した。 セパレーターとしては、ポリプロピレン不繊布を用いた。 電解液は、負極体として炭化ピッチ被覆黒鉛を用いる場合には、1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いた。また、黒鉛化ピッチ被覆黒鉛を用いる場合には、1moldm-3のLiClO4を溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとメチルプロピオネートの混合溶媒(体積比で3:3:4)を用いた。 上記のようにして得られた正極体、負極体、セパレーターおよび電解液を用いて作製したコイン型リチウム二次電池の放電特性を測定した。測定は1mA/cm2の定電流充放電下で実施し、放電容量は電池電圧が1.2Vに低下するまでの容量とした。
9.固体電解質電池の作製および電池特性の測定
非水系電池の作製の項(上記8.)と同様にして作製したペースト状負極物質を厚さ0.02mmの銅箔の両面に塗着し、乾燥し、圧延して、厚さ0.10mm、幅55mm、長さ90mmの負極板とした。 ポリエチレンオキシド(分子量60万)とLiClO4とをアセトニトリルに溶解させ、この溶液をアルゴン雰囲気のグローブボックス中でPTFE膜(デュポン社製「テフロン(登録商標)」)上にキャスティングした後、グローブボックス中25℃で放置して溶媒を蒸発させ、さらに乾燥して固体電解質の(PFO)8・LiClO4を調製した。 上記で得られた負極体としての炭化ピッチ被覆黒鉛または黒鉛化ピッチ被覆黒鉛、固体電解質および正極体としてのLiCoO2を用い、固体電解質としての(PFO)8・LiClO4を用いてフィルム型リチウム二次電池を作製した。 上記で得られたリチウム二次電池の放電特性を測定した。測定は、1mA/cm2の定電流充放電下で実施し、放電容量は電池電圧が1.2Vに低下するまでの容量とした。
c=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重=2.25g/cm3)50gとあらかじめ一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを500mlのセパレルフラスコにいれ、200℃にて2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。 得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してタール中油1部を加え、撹拌下に20℃で1時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.6μmであった。芯材の黒鉛の中心粒径D50は7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.05μmである。 この精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の値が、8.8%であることから、この精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比は、0.088である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に併せて示す。この黒鉛化ピッチ被覆黒鉛の粒度分布測定の結果、芯材と同様に0.1〜150μmに分布を有することが確認され、また、X線回折測定結果も、芯材と同様であった。さらに、芯材と黒鉛化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆層を形成する黒鉛化ピッチは、芯材よりも結晶化度が低いことが判った。さらに、SEM観測の結果、芯材である人造黒鉛は、被覆層を形成する黒鉛化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に併せて示す。実施例11 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布=0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重=2.25g/cm3)50gとあらかじめ一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)200gとを1000mlのセパレルフラスコにいれ、200℃にて2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。 得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン1部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ7.9μmであった。芯材の黒鉛の中心粒径D50は7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 この精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の値が17.3%であることから、その被覆比は、0.173である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に併せて示す。この炭化ピッチ被覆黒鉛の粒度分布測定の結果、芯材と同様に0.1〜150μmに分布を有することが確認され、また、X線回折測定結果も、芯材と同様であった。さらに、芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆層を形成する炭化ピッチは、芯材よりも結晶化度が低いことが判った。さらに、SEM観測の結果、芯材である人造黒鉛は、被覆層を形成する炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に併せて示す。実施例12 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布=0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重=2,25g/cm3)50gと一次QIを除去していない軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分3.9%、トルエン不溶分34%)100gとを500mlのセパレルフラスコにいれ、常圧下200℃にて2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。 得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン1部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ7.9μmであった。芯材の黒鉛の中心粒径D50は7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 この精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積、および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の値が7.5%であることから、被覆比は、0.075である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に併せて示す。この炭化ピッチ被覆黒鉛の粒度分布測定の結果、芯材と同様に0.1〜150μmに分布を有することが確認され、また、X線回折測定結果も、芯材と同様であった。さらに、芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆層を形成する炭化ピッチは、芯材よりも結晶化度が低いことが判った。さらに、SEM観測の結果、芯材である人造黒鉛は、被覆層を形成する炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に併せて示す。実施例13 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布=0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重=2.25g/cm3)50gとあらかじめ一次QIを除去した軟化点10℃のコールタール(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分8%)100gとを500mlのセパレルフラスコにいれ、常圧下200℃にて2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。 得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン1部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.6μmであった。芯材の黒鉛の中心粒径D50が7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは、0.05μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に併せて示す。キノリン可溶分の測定値が7.8%であることから、この精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比は、0.078である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に併せて示す。この炭化ピッチ被覆黒鉛の粒度分布測定の結果、芯材と同様に0.1〜150μmに分布を有することが確認され、また、X線回折測定結果も、芯材と同様であった。さらに、芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆層を形成する炭化ピッチは、芯材よりも結晶化度が低いことが判った。さらに、SEM観測の結果、芯材である人造黒鉛は、被覆層を形成する炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に併せて示す。 また、炭化ピッチ被覆黒鉛を用いて負極を作製し、次いで固体電解質リチウム二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表3に併せて示す。実施例14 球状のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品(大阪ガス(株)製「MCMB-6-28」、中心粒径D50=6.0mm、粒度分布=0.1〜50μm、d002=0.336nm、Lc=50nm、La=90nm、比表面積=3.0m2/g、R値=0.42、真比重=2.20g/cm3)50gとあらかじめ一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを500mlのセパレルフラスコにいれ、常圧下200℃にて2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を得た。 得られた粗製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品1部に対してトルエン1部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を得た。この精製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品の中心粒径D50を測定したところ、6.2μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は6.0μmであったので、ピッチ層の厚みは0.1μmである。 この精製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の値が9.8%であることから、被覆比は、0.098である。 この精製ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。この炭化ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に併せて示す。この炭化ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品の粒度分布測定の結果、芯材と同様に0.1〜50μmに分布を有することが確認された。さらに、芯材と炭化ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品のR値の比較により、被覆層を形成する炭化ピッチは、芯材よりも結晶化度が低いことが判った。 この炭化ピッチ被覆メソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品を用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例15 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=16.2μm、粒度分布0.1〜120μm、d002=0.337nm、Lc=100nm、La=71nm、比表面積=14.4m2/g、R値=0.31、真比重1.96g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で5時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。 得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン3部を加え、撹拌下に50℃で5時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、16.6μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、16.2μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積、および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が11.3%であることから、被覆形成用炭素材料の被覆比は0.113である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値及び1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜120μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例16 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=16.2μm、粒度分布1〜80μm、d002=0.338nm、Lc=83nm、La=63nm、比表面積=6.8m2/g、R値=0.38、真比重2.02g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で5時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン3部を加え、撹拌下に50℃で5時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、12.0μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、11.6μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積、および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が12,3%であることから、被覆比は0.123である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇
温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値及び1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、1〜80μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例17 鱗片状の人造黒鉛(中心粒径D50=18.9μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.340nm、Lc=42nm、La=50nm、比表面積=9.2m2/g、R値=0.49、真比重1.82g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で5時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン3部を加え、撹拌下に50℃で5時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、19.3μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、18.9μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積、および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が10.6%であることから、被覆比は0.106である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値及び1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例18 ウイスカー状の人造黒鉛(中心粒径D50=23.8μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.347nm、Lc=25nm、La=15nm、比表面積=13.5m2/g、R値=0.68、真比重1.60g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で5時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン3部を加え、撹拌下に50℃で5時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、24.2μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、23.8μmであったので、ピッチ層の厚みは0.2μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積、および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が13.1%であることから、被覆形成用炭素材料の被覆比は0.131である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値及び1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例19 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを500mlのセパレルフラスコに入れ、300℃常圧で1時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してキノリン0.1部を加え、撹拌下に150℃で10時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、8.1μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.3μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が29.0%であることから、被覆比は0.290である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度100℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例20 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)25gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)50gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、30℃常圧で3時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してアセトン10部を加え、撹拌下に30℃で5時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.8μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.15μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が15.0%であることから、被覆比は0.150である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例21 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点10℃のコールタール(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分8%)50gとを500mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で3時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してタール中油10部を加え、撹拌下に200℃で1時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.5μmであった。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が2.0%であることから、被覆比は0.020である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例22 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、250℃常圧で3時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン4部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理した後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.6μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.05μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が8.2%であることから、被覆比は0.082である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、700℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。実施例23 実施例22と同様にして得られた精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1500℃で2時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電
特性測定結果を表2に示す。実施例24 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)50gと予め一次QI量を調整した軟化点10℃のコールタール(キノリン不溶分2.9%、トルエン不溶分7.8%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、200℃常圧で2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛1部に対してトルエン4部を加え、撹拌下に80℃で1時間洗浄処理をした後、濾過して、精製ピッチ被覆黒鉛を得た。この精製ピッチ被覆黒鉛の中心粒径D50を測定したところ、7.6μmであった。芯材としての黒鉛の中心粒径D50は、7.5μmであったので、ピッチ層の厚みは0.05μmである。 得られた精製ピッチ被覆黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。キノリン可溶分の測定値が8.7%であることから、被覆比は0.087である。 この精製ピッチ被覆黒鉛を窒素雰囲気中、1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。得られた炭化ピッチ被覆黒鉛の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。また、粒度分布測定の結果、0.1〜150μmに分布を有するものであり、X線回折測定結果は芯材と同様であった。芯材と炭化ピッチ被覆黒鉛のR値の比較により、被覆形成用炭素材料である炭化ピッチは芯材より結晶化度の低いことがわかった。さらに、SEM観察の結果、芯材の人造黒鉛は被覆形成用炭素材料である炭化ピッチにより被覆され、エッジ部分が丸くなっていることが確認された。 この炭化ピッチ被覆黒鉛を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。比較例1 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)をそのまま用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。 しかしながら、この電池は、電解液の分解により充放電がほとんどできなかった。 なお、使用した人工黒鉛の被覆比、比表面積および真比重を表1に示す。比較例2 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)をそのまま用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとメチルプロピオネートの混合溶媒(3:3:4)を用いて、非水系二次電池を作製した。また、この黒鉛の電解液中でのガス発生量を測定した。充放電特性測定結果とガス発生量を表2に併せて示す。比較例3 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)をそのまま用いて負極を作製し、固体電解質リチウム二次電池を作製した。その充放電特性測定結果とガス発生量を表2に併せて示す。比較例4 球状のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品(大阪ガス(株)製「MCMB-6-28」、中心粒径D50=6.0μm、粒度分布0.1〜50μm、d002=0.336nm、Lc=50nm、La=90nm、比表面積=3.0m2/g、R値=0.42、真比重2.20g/cm3)をそのまま用いて負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとメチルプロピオネートの混合溶媒(3:3:4)を用いて、非水系二次電池を作製した。充放電特性測定結果を表2に示す。比較例5 塊状の人造黒鉛(中心粒径D50=7.5μm、粒度分布0.1〜150μm、d002=0.336nm、Lc=100nm、La=97nm、比表面積=10.8m2/g、R値=0.26、真比重2.25g/cm3)50gと予め一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)100gとを1000mlのセパレルフラスコに入れ、200℃常圧で2時間撹拌混合し、粗製ピッチ被覆黒鉛を得た。得られた粗製ピッチ被覆黒鉛を有機溶剤で洗浄することなく、窒素雰囲気中1000℃で1時間(昇温速度25℃/hr)焼成し、炭化した。焼成後、試料を取り出したところ、人造黒鉛粉末は塊となっていた。得られた炭素材料の塊をコーヒーミルで粉砕し、粉末状の炭素材料を得た。得られた炭素材料の比表面積、真比重、R値および1μm以下の粒子の体積基準積算値を表1に示す。R値が小さいこと、さらにSEM観察の結果、本願発明の製造法にて得られた炭素材料に比較し、角の多い形状をしていることがわかったが、これは粉砕により、黒鉛の面があらたに露出したことに起因するものと思われる。 この炭素材料を使用して、負極を作製し、電解液として1moldm-3のLiClO4を溶解させたプロピレンカーボネートを用いて、非水系二次電池を作製した。その充放電特性測定結果を表2に示す。
Claims (11)
- 二次電池用の炭素材料であって、芯材黒鉛材料の結晶のエッジ部分の一部または全部が、有機溶媒によって洗浄された石炭系あるいは石油系のタールまたはピッチを焼成した被覆形成用炭素材料により被覆されており、粉砕面を有しないことを特徴とする焼成した二層炭素材料。
- BET法により測定される比表面積が、5m2/g以下である請求項1に記載の焼成した二層炭素材料。
- 芯材炭素材料に比して、被覆炭素材料の結晶化度が低い請求項1または2に
記載の焼成した二層炭素材料。 - 芯材炭素材料が結晶性の高い炭素材料であって、(002)面の平均面間隔(d002
)が0.335〜0.340nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の
結晶子厚み(La)が10nm以上である請求項1〜3に記載の焼成した二層炭素材料。 - 炭素材料全体の真比重が、1.50〜2.26g/cm3である請求項1〜4に記載の焼成した二層炭素材料。
- 粒度分布測定において、体積基準の積算値で、1μm以下の粒子が全体の10%
以下である請求項1〜5のいずれかに記載の焼成した二層炭素材料。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の焼成した二層炭素材料を構成要素とすることを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の焼成した二層炭素材料からなる負極材料とすることを特徴とするリチウム二次電池。
- リチウム二次電池が非水系リチウム二次電池であることを特徴とする請求項7または8に記載のリチウム二次電池。
- リチウム二次電池が固体電解質リチウム二次電池であることを特徴とする請求項7または8に記載のリチウム二次電池。
- リチウム二次電池の固体電解質が有機電解液であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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