JP2008300274A - 複合負極活物質および非水電解質二次電池 - Google Patents

複合負極活物質および非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008300274A
JP2008300274A JP2007146764A JP2007146764A JP2008300274A JP 2008300274 A JP2008300274 A JP 2008300274A JP 2007146764 A JP2007146764 A JP 2007146764A JP 2007146764 A JP2007146764 A JP 2007146764A JP 2008300274 A JP2008300274 A JP 2008300274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
negative electrode
electrode active
active material
low crystalline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007146764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5623686B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Ozaki
義幸 尾崎
Hiroyuki Fujimoto
宏之 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Corp
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Osaka Gas Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007146764A priority Critical patent/JP5623686B2/ja
Priority to CN2008800184794A priority patent/CN101682030B/zh
Priority to US12/602,560 priority patent/US8399131B2/en
Priority to KR1020097025176A priority patent/KR101190368B1/ko
Priority to PCT/JP2008/001387 priority patent/WO2008149539A1/ja
Publication of JP2008300274A publication Critical patent/JP2008300274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5623686B2 publication Critical patent/JP5623686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/583Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • H01M4/587Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx for inserting or intercalating light metals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/583Carbonaceous material, e.g. graphite-intercalation compounds or CFx
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】負極活物質の改良により、高温から低温までの全ての環境において、長期にわたって高エネルギー密度および高出入力性能を示す非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】黒鉛および易黒鉛化性炭素材料を含有する黒鉛化炭素材料10と、低結晶性炭素材料の前駆体11を炭素化してなる低結晶性炭素材料12とを含む複合負極活物質1を用いて負極を作製し、この負極を非水電解質二次電池に用いる。低結晶性炭素材料の黒鉛化炭素材料への被覆が、黒鉛化炭素材料表面に低結晶性炭素材料の前駆体を被覆した後、該前駆体を炭素化することにより行われるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合負極活物質および非水電解質二次電池に関する。
従来から、小型二次電池としては、たとえば、リチウムイオン二次電池、充電式ニッケル−カドミウム電池、ニッケル水素電池、小型シール鉛蓄電池などが知られている。これらの中でも、リチウムイオン二次電池は、作動電圧、容量およびエネルギー密度が高いことから、主に、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカムコーダー、デジタルスチルカメラなどの携帯可能な電子機器の駆動用電源として実用化され、その需要は増加の一途をたどっている。
リチウムイオン二次電池において、正極活物質には、主に、六方晶構造を有するLiCoO2、LiNiO2、スピネル構造を有するLiMn24などのリチウム含有複合酸化物が用いられている。リチウム含有複合酸化物を用いると、4V級の高電圧を有するリチウムイオン二次電池が得られる。特にLiCoO2を用いると、リチウムイオン二次電池の作動電圧およびエネルギー密度が一層向上するので、LiCoO2が正極活物質の主流になっている。また、負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料が用いられているが、その中でも、放電電位がフラットで高容量密度を有するリチウムイオン二次電池を得るのに適している黒鉛材料が負極活物質の主流になっている。したがって、LiCoO2と黒鉛材料とを組み合わせて用いることにより、高容量および高エネルギー密度を併せ持ち、小型民生用途の好適に使用できるリチウムイオン二次電池が得られる。
最近では、リチウムイオン二次電池を小型民生用途だけでなく、電力貯蔵用、電気自動車用などに応用する技術展開が加速してきている。特に、ハイブリッド電気自動車(以下「HEV」とする)の分野では、ガソリンエンジンとニッケル水素電池とを駆動源とする量産型の実用車両が開発され、市販されるまでに至っている。HEVは、地球温暖化の主原因である二酸化炭素の排出量の削減を目的として開発されたものである。この目的を高い水準で達成し、さらにHEVの動力性能および安全性能を向上させるために、駆動源の一つである二次電池には、より一層の性能向上が求められている。このような観点から、ニッケル水素電池の代替品として、HEV用リチウムイオン二次電池の開発が急速に進められており、一部実用化されつつある。また、将来的には燃料電池からの出力によって電動機を駆動させる燃料電池自動車の普及が予想されている。燃料電池自動車においても、燃料電池を補助する高出入力で長寿命な二次電池が必要であり、リチウムイオン二次電池が有望視されている。
HEV、燃料電池自動車などの電気自動車において、駆動源になる電池は、一定の容量でガソリンエンジンまたは電動機の駆動補助(出力)と回生(入力)とを瞬時に行う必要がある。したがって、リチウムイオン二次電池をこの用途に使用する場合には、小型民生用途とは比べものにならないほどの高出入力化が求められている。電池の高出入力化には、電池の内部抵抗を低減化することが有効であり、電極構造、電池構成部品、電極活物質、電解液などについて種々の検討がなされている。たとえば、電極の集電構造の改良、電極の薄型長尺化による電極反応面積の増加、電池構成部品の抵抗の少ない材料での作製などが、電池の内部抵抗の低減化に有効である。また、低温環境下におけるリチウムイオン二次電池の出入力性能の向上には、電極活物質の選定および改質が有効である。中でも、負極活物質として用いる炭素材料は、負極のリチウム吸蔵および放出能力ひいては電池の出入力性能に大きな影響を及ぼす。すなわち、リチウム吸蔵および放出能力の高い炭素材料を負極活物質として用いれば、高出入力性能を有するリチウムイオン二次電池が得られることを意味している。
ところで、小型民生用途に用いられる場合、リチウムイオン二次電池に要求されるのは、高容量および高エネルギー密度である。したがって、容量とエネルギー密度とを重視したLiCoO2(正極活物質)と黒鉛材料(負極活物質)との組み合わせは、特に黒鉛材料の出入力性能が十分ではないため、高出入力化が必要な電気自動車用途などでは主流にはなり得ない。特に、負極活物質である炭素材料については、高結晶性の黒鉛材料ではなく、黒鉛化が十分に進んでいない炭素材料を用いると、電池の容量は幾分低下するものの、高出入力性能が得られる。このような炭素材料については、種々の提案がなされている。
たとえば、CuKα線を用いて測定される広角X線回折パターンにおいて、(101)面に帰属するピークの強度I101と、(100)面に帰属するピークの強度I100との比(I101/I100)が0を超え、1.0未満である易黒鉛化性炭素材料が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の炭素材料は、コークス材料を1800℃〜2200℃程度で熱処理して部分黒鉛化したものであり、結晶子の粒度が比較的小さく、その結晶構造中に黒鉛化部分と非黒鉛化部分とが入り混じった乱層構造を多く有している。このため、リチウムイオンの吸蔵および放出が容易であり、リチウムイオンの拡散も速いので、出入力性能を優れている。しかしながら、低温域における充放電に際しては、出入力性能の一層の向上が望まれている。
また、芯材である黒鉛粉末と、芯材表面に設けられて低結晶性炭素からなる被覆層とを含む複層構造の負極活物質が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。被覆層は、黒鉛粉末の表面に炭素前駆体を被覆し、これを不活性ガス雰囲気下で700〜2800℃で熱処理し、炭素前駆体を炭化することにより形成される。ここで、炭素前駆体とは、特許文献2の段落[0018]に記載されているように、コールタールピッチ、各種重質油、熱処理ピッチ、ビニル系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、芳香族炭化水素、窒素含有複素環化合物、硫黄含有複素環化合物などである。炭素前駆体を炭化することによって、炭素前駆体は低結晶性炭素に変換される。特許文献2の負極活物質は複層構造を有するものの、その大部分が黒鉛材料である。黒鉛材料を用いればエネルギー密度を確保するのは容易であるが、黒鉛材料は結晶子ひいては異方性が大きいため、リチウムイオンを高速で吸蔵および放出するのには適さない。したがって、特許文献2の負極活物質についても、出入力性能の一層の向上が望まれている。
また、核材である黒鉛とハードカーボンとの複合体と、核材表面に設けられて低結晶性炭素からなる被覆層とを含む複層構造の負極活物質が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。ここで、ハードカーボンとは難黒鉛化性炭素であり、炭素繊維の製造過程の中間生成物である不融化糸を1000〜1400℃で炭素化するかまたは有機原料の150〜300℃での空気酸化物を1000〜1400℃で炭素化することにより製造されている。有機原料とは、石炭系および石油系の等方性ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などである。特許文献3の負極活物質も黒鉛を含むことから、黒鉛の結晶構造に基因して、リチウムイオンの吸蔵および放出反応が低温域で律速になる。したがって、特許文献3の負極活物質は、低温域での出入力性能が十分満足できる水準にはない。
特に0℃以下の低温域におけるリチウムイオンの吸蔵および放出反応を促進するには、結晶構造に占める乱層構造の割合が大きい低結晶性の易黒鉛化性炭素を用いることが望ましい。しかしながら、低結晶性の易黒鉛化性炭素はその容量密度が200Ah/kg以下であり、初期効率も90%以下と低いことから、高エネルギー密度化が困難であり、リチウムイオン電池の負極活物質としては好適ではない。
特開2004−335132号公報 特許第3193342号公報 特開平11−246209号公報
本発明の目的は、低温から高温までの温度環境において、長期にわたって電池を高エネルギー密度化および高出入力化できる負極活物質および該負極活物質を含み、電気自動車などの電源として使用できる非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、易黒鉛化性炭素材料の部分黒鉛化物である黒鉛化炭素材料と、低結晶性炭素材料とを併用する場合には、実用上十分な容量密度を確保した上で、リチウムイオンの吸蔵および放出性能の低下が起こり易い低温環境でも高出入力特性が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、黒鉛および易黒鉛化性炭素材料を含有する黒鉛化炭素材料と、低結晶性炭素材料とを含む複合負極活物質に係る。
好ましい形態では、黒鉛化炭素材料表面に低結晶性炭素材料が被覆されている。
低結晶性炭素材料の黒鉛化炭素材料への被覆は、黒鉛化炭素材料表面に低結晶性炭素材料の前駆体を被覆した後、該前駆体を炭素化することにより行われるのが好ましい。
低結晶性炭素材料の前駆体の炭素化は、該前駆体を600〜1500℃で熱処理することにより行われるのが好ましい。
低結晶性炭素材料の前駆体はコークス類であることが好ましい。
別の好ましい形態では、黒鉛化炭素材料の少なくとも一部と低結晶性炭素材料の少なくとも一部とが融合している。
また、黒鉛化炭素材料は易黒鉛化性炭素材料を熱処理することにより得られるものであることが好ましい。
易黒鉛化性炭素材料はコークス類であり、かつ熱処理温度は1800℃〜2200℃であることがさらに好ましい。
また、本発明は、正極と、本発明の複合負極活物質を含有する負極と、セパレータと、非水電解質とを含む非水電解質二次電池に係る。
本発明の複合負極活物質は実用上十分に高い容量密度を有し、かつリチウムイオンの吸蔵および放出反応の反応速度が低温域、特に0℃以下の低温域でも低下することがなく、しかもこれらの好ましい特性を長期間に亘って安定的に発揮することができる。このため、本発明の複合負極活物質を負極中に含有する本発明の非水電解質二次電池は、高エネルギー密度を有するとともに、高温から低温までの幅広い温度域で高い出入力性能を示し、耐用寿命が長い。本発明の非水電解質二次電池は、従来の非水電解質二次電池と同様の用途に使用できるとともに、電力貯蔵用システム、HEV、燃料電池自動車などの電気自動車などの電源としても好適に使用できる。
本発明の複合負極活物質は、黒鉛化炭素材料と、低結晶性炭素材料とを含むことを特徴とする。
黒鉛化炭素材料は、黒鉛および易黒鉛化性炭素材料を含有する。さらに具体的には、黒鉛化炭素材料は、その結晶構造中に黒鉛の六角網平面構造および黒鉛と易黒鉛化性炭素材料とが入り混じって存在する乱層構造を含有する。黒鉛化炭素材料は、黒鉛と同様にインターカレーション反応主体でリチウムイオンの吸蔵および放出を行う。このような炭素材料は、黒鉛化途上の易黒鉛化性炭素材料とも呼ばれる。
黒鉛化炭素材料は、乱層構造を有するが故に、リチウムイオンの吸蔵および放出が容易である。また、乱層構造が、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う膨張および収縮、面内配置の相変化などによって発生する応力を吸収し、黒鉛に比べて発生応力を緩和するので、より大電流でのパルス充放電に対して高い耐久性を有する。したがって、黒鉛化炭素材料は出入力性能が高く、耐用寿命が長いという特性を示す。また、黒鉛化炭素材料は、黒鉛を含むことによって、黒鉛材料ほどではないが実用上十分な容量密度を有する。
しかしながら、このような黒鉛化炭素材料でも、低温域、特に0℃以下の低温環境ではリチウムイオンの吸蔵および放出反応(以下単に「吸蔵放出反応」とする)の反応速度が低下し、十分満足できる程度の出入力性能を得ることは困難である。低温環境における吸蔵放出反応の反応速度を高めるためには、粒子表面の結晶構造の依存度が大きく、より乱層構造の大きな炭素質構造が求められる。本発明者らは、黒鉛化炭素材料の表面に、黒鉛化炭素材料よりも乱層構造の含有割合が高い低結晶性炭素材料を存在させる場合には、低結晶性炭素材料が、その乱層構造故にリチウムの吸蔵放出サイト、拡散経路をより多くランダムに有し、リチウムイオンの移動時間を短縮化し得る拡散経路として機能し、吸蔵放出反応の反応速度が向上することを見出した。さらに、低結晶性炭素材料の機能が0℃以下の低温環境でもほとんど低下しないことを見出した。したがって、黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料とを併用することによって、低温域での吸蔵放出反応の反応速度の低下が抑制され、低温域でも優れた出入力性能を有する負極活物質が得られる。このような効果は、黒鉛化炭素材料の表面に低結晶性炭素材料を存在させる場合にのみ、初めて達成されるものである。
なお、乱層構造の含有割合が低結晶性炭素材料よりも高い、極端な乱層構造炭素である難黒鉛化性炭素材料などを用いても、本発明のような顕著な効果は得られない。これは、主に、黒鉛化炭素材料と難黒鉛化性炭素材料とでは充放電機構が異なることによるものと考えられる。黒鉛化炭素材料および低結晶性炭素材料では、層間へのインターカレーション反応により充放電が行われる。一方、難黒鉛化性炭素などでは、炭素空隙部分や乱層構造部分へのリチウムの格納または吸蔵と言った複雑な機構により充放電が行われる。このため、低温域における吸蔵放出反応の反応速度は十分ではない。また、大電流によるパルス充放電には限界がある。また、難黒鉛化性炭素などは不可逆容量密度が大きく、電池容量が低下し易いという問題もある。
本発明において使用する黒鉛化炭素材料は、たとえば、易黒鉛化性炭素材料に熱処理を施して部分的に黒鉛化することにより製造できる。
このとき、黒鉛化炭素材料の黒鉛化度は特に制限されないが、CuKα線を用いて測定される広角X線回折パターンにおいて、0<I101/I100<1.0であることが好ましく、0.5<I101/I100<1.0であることがさらに好ましい。ここで、I100は2θ=42度付近に認められる(100)回折ピークの強度である。また、I101は2θ=44度付近に見られる(101)回折ピークの強度である。すなわち、I101/I100は回折ピークの強度比であり、黒鉛化度の指標になる数値である。なお、黒鉛材料のI101/I100は一般に1.5以上である。
易黒鉛化性炭素材料としては公知のものを使用でき、たとえば、石油コークス、石炭ピッチコークスなどのコークス類、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)などが挙げられる。また、易黒鉛化性炭素材料は、たとえば、易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物を熱処理することにより合成することができる。
易黒鉛化性炭素材料の前駆体としては公知のものを使用でき、その中でも求電子的置換反応が可能な芳香族化合物を含むものが好ましく、たとえば、縮合多環炭化水素化合物、縮合複素環化合物、環結合化合物、芳香族系油、ピッチなどが挙げられる。縮合多環炭化水素化合物の具体例としては、たとえば、ナフタレン、アズレン、インダセン、フルオレン、フェネントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセンなどの2環以上の縮合多環炭化水素が挙げられる。縮合複素環化合物の具体例としては、たとえば、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントロジンなどの3員環以上の複素環と芳香族炭化水素とが縮合した縮合複素環化合物が挙げられる。環結合化合物の具体例としては、たとえば、ビフェニル、ビナフタレンなどの芳香族炭化水素が単結合により結合した化合物が挙げられる。芳香族系油の具体例としては、たとえば、アントラセン油、脱晶アントラセン油、ナフタレン油、メチルナフタレン油、タール、クレオソート油、エチレンボトム油、カルボル油、ソルベントナフサなどが挙げられる。ピッチの具体例としては、たとえば、石油系ピッチ、石炭系ピッチなどが挙げられる。これらの化合物は、後述する易黒鉛化性炭素材料の前駆体の架橋反応に悪影響を及ぼさない置換基を有していてもよい。このような置換基としては、たとえば、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基などが挙げられる。前駆体は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前駆体架橋物は、易黒鉛化性炭素材料の前駆体を架橋させることにより得られる。この架橋反応は、好ましくは架橋剤の存在下に行われ、さらに好ましくは架橋剤と酸触媒との存在下に行われる。易黒鉛化性炭素材料の前駆体を架橋させることによって、該前駆体よりも分子量の大きい前駆体架橋物が生成し、この前駆体架橋物を加熱処理することによって、得られる易黒鉛化性炭素材料の炭素化収率を向上させることができる。
架橋剤としては、易黒鉛化性炭素材料の前駆体を架橋し得る化合物であれば特に制限されないが、その中でも、2官能性化合物が好ましい。具体的には、キシレンジクロライドなどの芳香族ジメチレンハライド類、キシレングリコールなどの芳香族ジメタノール類、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、フタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなどの芳香族ジカルボニルハライド類、ベンズアルデヒト、p−ヒドロキシベンズアルデヒト、p−メトキシベンズアルデヒト、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドジメチルアセタノール、テレフタルアレデヒド、イソフタルアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類などが挙げられる。架橋剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
架橋剤の使用量は、架橋しようとする易黒鉛化性炭素材料の前駆体の種類、架橋剤そのものの種類などに応じて広い範囲から適宜選択できる。たとえば、易黒鉛化性炭素材料の前駆体が縮合多環炭化水素化合物および/または縮合複素環化合物である場合は、架橋剤の使用量は、易黒鉛化性炭素材料の前駆体1モルに対して好ましくは0.1〜5モル程度、さらに好ましくは0.5〜3モル程度である。また、易黒鉛化性炭素材料の前駆体がピッチ類のような芳香族系化合物の混合物である場合は、架橋剤の使用量は、易黒鉛化性炭素材料の前駆体の平均分子量に対して好ましくは0.01〜5モル、さらに好ましくは0.05〜3モルである。
酸触媒としては、たとえば、ルイス酸、ブレンステッド酸などの慣用の酸を使用できる。ルイス酸としては、たとえば、ZnCl2、BF3、AlCl3、SnCl4、TiCl4などが挙げられる。また、ブレンステッド酸としては、たとえば、p−トルエンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有機酸、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸が挙げられる。これらの中でも、ブレンステッド酸が好ましい。酸触媒の使用量は、反応条件、易黒鉛化性炭素材料の前駆体および架橋剤の種類、酸触媒そのものの種類などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは架橋剤に対して0.01〜10モル当量、さらに架橋剤に対して好ましくは0.5〜3モル当量である。
架橋反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができるが、溶媒の不存在下で行うのが好ましい。架橋反応は、好ましくは80〜400℃、さらに好ましくは100〜350℃の温度下に行われ、0.1〜3時間程度で終了する。架橋反応は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中または空気、酸素など酸化性雰囲気中のいずれでも実施可能である。架橋反応終了後の反応混合物を室温まで冷却することによって、前駆体架橋物を固体状の樹脂状物として回収できる。
易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物の熱処理は、好ましくは、黒鉛化触媒の存在下に行われる。黒鉛化触媒としては、公知のホウ素原子含有化合物を使用でき、たとえば、ホウ素単体、ホウ酸、酸化ホウ素、炭化ホウ素、塩化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸銅、ホウ酸ニッケルなどが挙げられる。黒鉛化触媒は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。黒鉛化触媒の使用量は、反応条件(加熱温度など)、易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物の種類、使用量などに応じて広い範囲から適宜選択できる。たとえば、易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物の使用量全量の0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。
易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物の熱処理は、たとえば、攪拌混合工程と、炭素化工程と、粉砕工程とを含む方法により行われる。
攪拌混合工程では、易黒鉛化性炭素材料の前駆体または前駆体架橋物と黒鉛化触媒とを均一に攪拌混合し、混合物を得る。攪拌混合は、たとえば、250〜400℃程度の温度下に、1分以上、好ましくは5分以上行えばよい。
炭素化工程では、攪拌混合工程で得られる混合物に炭素化処理を施す。炭素化処理は、たとえば、700〜1100℃程度の温度下に行われ、0.1〜5時間程度で終了する。
粉砕工程では、炭素化工程で得られる炭素化物(易黒鉛化性炭素材料)に粉砕処理を施す。粉砕処理は、たとえば、体積平均粒子径が3〜25μm程度になるように行われる。なお、炭素化工程で得られる炭素化物が所定の粒径を有する粒状物として得られる場合は、粉砕工程を実施しなくてもよい。
易黒鉛化性炭素材料の熱処理は、易黒鉛化性炭素材料の種類に応じて、熱処理温度を適宜選択して行われる。好ましくは、I101/I100が前記範囲になるように、熱処理温度および熱処理時間が選択される。
たとえば、易黒鉛化性炭素材料がコークス類である場合、熱処理は1800℃〜2200℃の温度下に行われ、0.1〜5時間程度で終了する。熱処理温度が1800℃未満では、易黒鉛化性炭素材料の部分黒鉛化が適切に進行せず、容量密度が170Ah/kg以下になり、本発明で使用するのに適した黒鉛化炭素材料を得られないおそれがある。熱処理温度が2200℃を超えると、易黒鉛化性炭素材料の黒鉛化がほぼ完全に進行し、黒鉛化炭素材料ではなく黒鉛材料が得られるおそれがある。黒鉛材料は、前記したように、容量密度が300Ah/kg以上と高いものの、リチウムイオンの拡散性が悪く、低結晶性炭素材料を存在させても、特に低温環境での吸蔵放出反応の反応速度を高めることができない。
コークス類を原料として得られる黒鉛化炭素材料は黒鉛の六角網平面構造と乱層構造とを含み、黒鉛の層構造が発達途上である。このため、その容量密度は黒鉛の理論容量密度である372Ah/kgよりは低いものの、170〜280Ah/kgであり、実用上問題のない程度の高容量密度を有している。また、CuKα線を用いて測定される広角X線回折パターンにおいて、黒鉛構造の(002)面の面間隔d(002)は0.338nm〜0.342nmである。面間隔d(002)も黒鉛化度の指標になる。また、比表面積値も特に制限されないが、好ましくは1.0m2/g〜5.0m2/g、さらに好ましくは1.5m2/g〜3.0m2/gである。また、粒子形状は球状、楕円体状もしくは塊状の粒子形態を有していることが好ましく、その体積平均粒径は、好ましくは5μm〜15μm程度である。また、最大粒径は30μm以下であることが望ましい。
低結晶性炭素材料は、たとえば、低結晶性炭素材料の前駆体を炭素化することにより得ることができる。低結晶性炭素材料の前駆体としては、易黒鉛化性炭素材料およびその前駆体と同様のものを使用できる。炭素化は、たとえば、低結晶性炭素材料の前駆体を600〜1500℃の温度下、好ましくは1000〜1400℃の温度下で熱処理することにより行われる。熱処理時間は特に制限されないが、好ましくは0.1〜5時間程度である。また、炭素化は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で実施可能である。熱処理温度が600℃未満では炭素化が不十分になり、低結晶性炭素材料の前駆体である有機物成分の残渣を不純物として含有する炭素材料が生成するおそれがある。このような炭素材料を負極活物質として用いる電池では、初期効率が著しく低下するおそれがある。一方、熱処理温度が1500℃を超えると、部分的に黒鉛化が進行し、黒鉛をほとんど含まない低結晶性炭素材料が得られないおそれがある。黒鉛を含む低結晶性炭素材料は、低温環境での吸蔵放出反応の反応速度が十分ではないため、出入力性能の向上効果が十分に得られないおそれがある。
特に、1000〜1400℃で炭素化することにより得られる低結晶性炭素材料は、その結晶構造の大部分が乱層構造であり、黒鉛のみからなる黒鉛層構造をほとんど有していない。粉末X線回折においても(101)回折ピークは認められず黒鉛六角網面の存在確率は小さい。また、その容量密度は200Ah/kg未満である。低結晶性炭素材料には、リチウムイオンの吸蔵および放出部位が無数にある。したがって、低結晶性炭素材料の粒子内へのリチウムイオンの拡散が早く、吸蔵放出反応の反応速度が低下する低温環境においても、高速な充放電反応に追随でき得る。このような低結晶性炭素材料が反応律速である黒鉛化炭素材料の粒子表面に存在することから、負極活物質全体としての出入力性能は低温環境でも大きく低下することはなく、高出入力かつ高容量の負極活物質ひいては負極を得ることが可能となる。
本発明の複合負極活物質は、芯材である黒鉛化炭素材料と、黒鉛化炭素材料表面に設けられて低結晶性炭素材料を含有する被覆層とを含む形態であることが好ましい。この形態の複合負極活物質は、たとえば、黒鉛化炭素材料の表面に低結晶性炭素材料の前駆体を被覆し、該前駆体を炭素化することにより製造できる。より具体的には、図1に示す製造法により、この形態の複合負極活物質を得ることができる。図1は、複合負極活物質1の製造法を概略的に示す縦断面図である。図1に示す製造法は、被覆工程と、炭素化工程とを含む。被覆工程では、黒鉛化炭素材料10と低結晶性炭素材料の前駆体11とを混合することにより、黒鉛化炭素材料10の表面を低結晶性炭素材料の前駆体11により被覆し、被覆物を得る。炭素化工程では、被覆工程で得られる被覆物に含まれる低結晶性炭素材料の前駆体11を炭素化する。この炭素化は、前記した低結晶性炭素材料の前駆体の炭素化と同様に行われる。これにより、黒鉛化炭素材料10の表面に、低結晶性炭素材料12を含む被覆層が設けられた複合負極活物質1を得ることができる。
この形態の複合負極活物質において、この場合、黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料との含有割合は特に制限されず、複合負極活物質が用いられる電池の種類、形態、用途などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、低結晶性炭素材料を2〜15質量%含み、残部が黒鉛化炭素材料であることが好ましい。また、低結晶性炭素材料を5〜10質量%含み、残部が黒鉛化炭素材料であることがさらに好ましい。低結晶性炭素材料の含有量が2質量%未満では、低温環境における吸蔵放出反応の反応速度が十分に向上しないおそれがある。一方、低結晶性炭素材料の含有量が15質量%を超えると、容量密度および耐用性を低下させるおそれがある。
また、本発明の複合負極活物質は、黒鉛化炭素材料の少なくとも一部と低結晶性炭素材料の少なくとも一部とが融合している形態であることが好ましい。本明細書において、「融合」とは、溶融した2つの炭素材料が混じり合って固化した状態を意味する。この形態の複合負極活物質は、実用上十分な容量密度を有し、吸蔵放出反応性に富み、低温環境でも吸蔵放出反応の反応速度が高いだけでなく、2つの炭素材料が部分的に融合状態にあることによって、機械的強度が高く、一層優れた耐用性を有している。この形態の複合負極活物質は、たとえば、図2に示す製造法により製造できる。図2は、複合負極活物質2の製造法を概略的に示す縦断面図である。図2に示す製造法は、混合工程と融合工程とを含む。
混合工程では、黒鉛化炭素材料10に低結晶性炭素材料12を添加混合し、これらの混合物13を得る。この混合物13中では、黒鉛化炭素材料10の少なくとも一部と低結晶性炭素材料12の少なくとも一部とが接触状態にある。黒鉛化炭素材料10および低結晶性炭素材料12は、両者の合計量の10〜20質量%を低結晶性炭素材料12とし、残部が黒鉛化炭素材料10になるように使用するのがよい。低結晶性炭素材料12の使用量が10質量%未満では、融合部分が減少し、融合による効果が十分に得られないおそれがある。低結晶性炭素材料12の使用量が20質量%を超えると、得られる複合負極活物質2の容量密度、充放電効率などが低下するおそれがある。黒鉛化炭素材料10と低結晶性炭素材料12との混合物13に、溶融ピッチなどの炭素前駆体を添加混合してもよい。炭素前駆体の添加量は、得られる複合負極活物質の好ましい特性を損なわない範囲から適宜選択すればよい。
融合工程では、混合工程で得られる混合物13に熱処理を施すことにより、黒鉛化炭素材料10および低結晶性炭素材料12を溶融させ、両者を融着させる。その後、冷却することにより、黒鉛化炭素材料10の少なくとも一部と低結晶性炭素材料12の少なくとも一部とが融合状態にある複合負極活物質2を製造できる。熱処理は、好ましくは600〜1500℃、さらに好ましくは1000〜1300℃の温度下に行われ、好ましくは0.1〜5時間、さらに好ましくは0.5〜2時間で終了する。このようにして得られる複合負極活物質2は、必要に応じて、粉砕される。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、本発明の複合負極活物質を含有する負極と、セパレータと、非水電解質とを含む。
正極は、正極芯材と、正極合剤層とを含む。正極芯材には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムなどの金属材料からなる多孔性または無孔の導電性基板が挙げられる。導電性基板の形状は、シート状、フィルム状、箔状などである。
正極合剤層は、正極芯材の厚み方向のいずれか一方の面または両方の面に、好ましくは両方の面に接するように設けられて、正極活物質を含む。さらに正極合剤層は正極活物質とともに、導電剤、結着剤などを含んでもよい。
正極活物質としては、非水電解質二次電池の種類、形態などに応じて、この分野で常用されるものを適宜選択して使用できる。たとえば、非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池である場合は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な一般的な正極活物質を使用できる。その中でも、リチウム含有複合酸化物が好ましい。リチウム含有複合酸化物としては公知のものを使用でき、たとえば、LiNiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiCoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、スピネル構造を有するLiMn24などのリチウムマンガン複合酸化物などが挙げられる。また、リチウム含有複合酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換したものも正極活物質として使用できる。たとえば、LiNiO2のNi元素の一部をCoや他の元素(Al、Mn、Tiなど)で置換した複合酸化物が好ましい。リチウム含有複合酸化物の使用により、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命特性などを向上させることができる。リチウム含有複合酸化物は、公知の方法に従って製造できる。たとえば、リチウム以外の金属を含む複合金属水酸化物を、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤を用いる共沈法によって調製し、この複合金属水酸化物と水酸化リチウムなどのリチウム化合物とを混合し、得られる混合物に熱処理を施すことにより、リチウム含有複合金属酸化物が得られる。正極活物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。なお、正極製造時にはリチウムを有しないが、その後のリチウムを吸蔵させる処理によって、リチウム含有複合酸化物になる材料を用いて正極合剤層を形成してもよい。このような材料としては、リチウムを含有せずかつリチウムを吸蔵可能な各種酸化物が挙げられる。また、リチウムを吸蔵させる処理としては公知の方法を採用でき、化学的吸蔵法、電気化学的吸蔵法などが挙げられる。
導電剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。導電剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
結着剤としても、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンなどから選ばれる2種以上のモノマー化合物の共重合体を用いてもよい。結着剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
正極合剤層は、たとえば、正極活物質を含み、必要に応じて導電剤、結着剤などを含むことがある正極合剤スラリーを正極芯材表面に塗布し、乾燥させることにより形成できる。正極合剤スラリーは、正極活物質および必要に応じて導電剤、結着剤などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。有機溶媒としては、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミン、アセトン、シクロヘキサノンなどを使用できる。正極合剤層の厚みは特に制限されないが、たとえば、正極合剤層を正極芯材の両面に設けた場合は、正極合剤層の合計厚みは50〜100μm程度が好ましい。
負極は、負極芯材と、負極活物質層とを含む。負極は、負極活物質層がセパレータを介して正極の正極活物質層と対向するように設けられる。負極芯材には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ステンレス鋼、ニッケル、銅などの金属材料からなる多孔性または無孔の導電性基板が挙げられる。導電性基板の形状は、シート状、フィルム状、箔状などである。負極活物質層は、本発明の複合負極活物質を含む。また、本発明の複合負極活物質の好ましい特性を損なわない範囲で、公知の負極活物質の1種または2種以上を含むことができる。さらに、負極活物質層は、本発明の複合負極活物質とともに、導電剤、結着剤などを含むことができる。ここで、公知の負極活物質としては、たとえば、金属、金属繊維、本発明の複合負極活物質以外の炭素材料、酸化物、窒化物、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物、各種合金材料などが挙げられる。導電剤および結着剤としては、正極合剤層に含まれることがある導電剤および結着剤と同じものを使用できる。
負極合剤層は、たとえば、複合負極活物質を含み、必要に応じて公知の負極活物質、導電剤、結着剤などを含むことがある負極合剤スラリーを負極芯材表面に塗布し、乾燥させることにより形成できる。負極合剤スラリーは、複合負極活物質および必要に応じて公知の負極活物質、導電剤、結着剤などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。有機溶媒としては、正極合剤スラリーの調製に用いたものと同じものを使用できる。負極合剤層の厚みは特に制限されないが、たとえば、負極合剤層を負極芯材の両面に設けた場合は、負極合剤層の合計厚みは60〜130μm程度が好ましい。
セパレータは、正極と負極との間に介在するように設けられる。セパレータとしては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、合成樹脂材料からなる多孔性シート状物が挙げられる。合成樹脂材料としては特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。多孔性シート状物とは、具体的には、たとえば、多孔質膜、織布、不織布などである。セパレータの厚さは特に制限されず、10〜300μm程度の範囲から、非水電解質二次電池の種類、形態、用途などに応じて適宜選択すればよい。
非水電解質としては、たとえば、液状非水電解質、ゲル状非水電解質、固体状電解質(たとえば高分子固体電解質)などが挙げられる。
液状非水電解質は、溶質(支持塩)と非水溶媒とを含み、さらに必要に応じて各種添加剤を含む。溶質は通常非水溶媒中に溶解する。液状非水電解質は、たとえば、セパレータに含浸される。
溶質としては、この分野で常用されるものの中から、非水電解質二次電池の種類、形態、用途などに応じて適宜選択すればよい。たとえば、非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池である場合は、たとえば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、イミド塩類などを使用できる。ホウ酸塩類としては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウムなどが挙げられる。イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO2)(C49SO2)NLi)、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C25SO22NLi)などが挙げられる。溶質は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
非水溶媒としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。環状炭酸エステルとしては、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネートなどが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、たとえば、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルプロピオネートなどが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、たとえば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。また、4V級の耐酸化還元電位を有する非水溶媒を用いることもできる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、たとえば、充放電効率を向上させる材料、電池を不活性化させる材料などが挙げられる。充放電効率を向上させる材料は、たとえば、負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を向上させる。このような材料の具体例としては、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
固体状電解質は、溶質(支持塩)と高分子材料とを含む。溶質は前記で例示したものと同様のものを使用できる。高分子材料としては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などが挙げられる。
本発明の非水電解質二次電池は、たとえば、正極と負極とをセパレータを介して巻回するかまたは積層してなる電極群を、非水電解質とともに電池ケース内に封入することによって製造できる。電池の形状としては、円筒形電池であっても角形電池であってもよい。角形電池の場合、電極群は楕円体状に捲回し中央部を圧縮した扁平型の電極群としても良いが、複数の正極板、負極板をセパレータを介して積層した平板状の電極群とすることもできる。
以下、本発明のより具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[正極活物質の製造]
正極活物質には組成式LiNi0.8Co0.15Al0.052で表されるリチウムニッケル複合酸化物を用いた。
硫酸ニッケル水溶液に、所定比率の硫酸コバルトおよび硫酸アルミニウムを加え、飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液に、攪拌下に水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し中和することによって、3元系の水酸化ニッケルNi0.8Co0.15Al0.05(OH)2を沈殿物として析出させた。この沈殿物をろ取および水洗し、80℃で乾燥した。この水酸化ニッケルは体積平均粒径が約10μmであった。
次に、3元系の水酸化ニッケルに対して、Ni、Co、Alの原子数の和とLiの原子数の比が1:1.03になるように水酸化リチウム・1水和物を加えて混合した。この混合物を、酸素雰囲気中800℃で10時間の熱処理し、リチウムニッケル複合酸化物(組成式:LiNi0.8Co0.15Al0.052)を得た。このリチウムニッケル複合酸化物は粉末X線回折により単一相の六方晶層状構造であると共に、CoおよびAlが固溶していることが確認された。そして粉砕および分級を行い、体積平均粒径約9μmの正極活物質粉末とした。
[正極の作製]
この正極活物質100質量部に導電剤であるアセチレンブラック5質量部を加えた。この混合物と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(以下「PVdF」とする)のN−メチルピロリドン(NMP)溶液とを混練してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。なお、PVdFの使用量が正極活物質100質量部に対して5質量部となるように調整した。次いで、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗工し、乾燥後、圧延して厚み0.075mm、正極合剤層の幅100mm、長さ3400mmの正極板とした。正極合剤層の両面の合計厚みは55μmであった。
[複合負極活物質の製造]
ピッチ(品種AR24Z、軟化点293.9℃、三菱ガス化学(株)製)100質量部に、パラキシレングリコール5質量部およびホウ酸3質量部を添加し、常圧下に300℃まで昇温し、溶融後2時間保持した。得られた重合ピッチをアルゴン雰囲気中、800℃にて1時間熱処理してコークスを調製した。このコークスを中心粒径が約10μmとなるように粉砕し、次いでアルゴン雰囲気中2000℃で熱処理し、部分的に黒鉛化された黒鉛化炭素材料を製造した。得られた黒鉛化炭素材料の黒鉛化度を粉末X線回折により調べたところ、d(002)は0.340nmであり、I101/I100は0.70であった。比表面積は2.0m2/gであった。
この黒鉛化炭素材料100質量部に、等方性ピッチ(低結晶性炭素材料の前駆体、軟化点280℃、大阪ガスケミカル(株)製)5質量部を添加混合し、得られた混合物をアルゴン雰囲気中1200℃で熱処理した。このようにして、黒鉛化炭素材料粒子表層に、低結晶性炭素材料を含む被覆層を設けた複合負極活物質を製造した。解砕および分級することにより、体積平均粒径約9μmの複合負極活物質とした。
[負極板の作製]
複合負極活物質100質量部と、PVdFのN−メチルピロリドン溶液とを混練してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。なお、PVdFの使用量が複合負極活物質100質量部に対して8質量部となるように調整した。次いで、この負極合剤スラリーを厚み10μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥後、圧延して厚み0.078mm、負極合剤層の幅105mm、長さ3510mmの負極板とした。負極合剤層の両面の合計厚みは68μmであった。
[非水電解質二次電池の作製]
前記で得られた正極板および負極板を、厚み0.020mm、幅108mmのポリエチレン製多孔質膜(セパレータ)を介して渦巻状に捲回し、円筒形の電極群を作製した。この電極群を直径32mm、高さ120mmの電池ケースに収納し、非水電解液40gを注液し、電池ケースを封口して本発明の非水電解質二次電池を作製した。この電池では、満充電状態における負極の容量密度が約200Ah/kgになるような設計した。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で混合した溶媒に、支持塩として1モル/リットルの割合でLiPF6を溶解したものを用いた。
(実施例2)
以下のようにして製造される複合負極活物質を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、本発明の非水電解質二次電池を作製した。
[複合負極活物質の製造]
黒鉛化炭素材料90質量部と低結晶性炭素材料10質量部とを乾式混合した。この混合物100質量部に等方性ピッチ(軟化点280℃、大阪ガスケミカル(株)製)3質量部を添加混合し、アルゴン雰囲気中1000℃で熱処理した。このようにして黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料とが粒子レベルで融合した複合負極活物質を製造した。得られた複合負極活物質を解砕および分級することにより、体積平均粒径約9μmの複合負極活物質とした。
なお、黒鉛化炭素材料には、実施例1と同様に操作して製造したものを用いた。低結晶性炭素材料は、次のようにして製造した。ピッチ(品種AR24Z、軟化点293.9℃、三菱ガス化学(株)製)100質量部に、パラキシレングリコール5質量部およびホウ酸3質量部を添加し、常圧下に300℃まで昇温し、溶融後2時間保持した。得られた重合ピッチをアルゴン雰囲気中、800℃にて1時間熱処理してコークスを調製した。その後、得られたコークスを中心粒径が約10μmとなるように粉砕し、次いでアルゴン雰囲気中1200℃で熱処理し、低結晶性炭素材料を製造した。得られた低結晶性炭素材料の黒鉛化度を粉末X線回折により調べたところ、d(002)は0.350nmであり、(101)回折を示すピークは認められず、黒鉛層構造をほとんど有していないことが確認された。比表面積は3.5m2/gであった。
(比較例1)
実施例1において、黒鉛化炭素材料の表面に低結晶性炭素材料の被覆層を設けた複合負極活物質に代えて、黒鉛化炭素材料をそのまま負極活物質として使用する以外は、実施例1と同様に操作し、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
実施例2において、黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料とが融合した複合負極活物質に代えて、黒鉛化炭素材料をそのまま負極活物質として使用する以外は、実施例2と同様に操作し、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
実施例1において、黒鉛化炭素材料の表面に低結晶性炭素材料の被覆層を設けた複合負極活物質に代えて、黒鉛化炭素材料と難黒鉛化性炭素材料(商品名:カーボトロンP、平均粒径10μm、比表面積6.1m2/g、呉羽化学工業(株)製)とを質量比90:10で乾式混合して得られる複合負極活物質を用いる以外は、実施例1と同様に操作し、比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
実施例1において、黒鉛化炭素材料の表面に低結晶性炭素材料の被覆層を設けた複合負極活物質に代えて、次のようにして製造される複合負極活物質を用いる以外は、実施例1と同様に操作し、比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
黒鉛材料(商品名:MAG−10、平均粒径10μm、比表面積3.0m2/g、日立化成工業(株)製)100質量部と、等方性ピッチ(軟化点280℃、大阪ガスケミカル(株)製)5質量部とを混合した。この混合物をアルゴン雰囲気中1200℃で熱処理し、黒鉛粒子表層に低結晶性炭素材料からなる被覆層を設けた複合負極活物質を製造した。
(試験例1)
実施例1〜2および比較例1〜4の非水電解質二次電池を、25℃環境下において、2.7Aの定電流で充電上限電圧4.1V、放電下限電圧2.5Vの条件下で充放電を3サイクル繰り返した。その3サイクル目の放電容量を初期容量とした。そしてこれらの電池の出力を測定するために以下の手順に従い電流―電圧特性試験を行った。
まず、それぞれの電池を25℃環境下において50%の充電状態(SOC)となるように定電流にて充電を行い、1Cから最大10Cまでの放電パルスと充電パルスを各10秒間繰り返し、各放電パルス印可後の10秒目の電圧を測定し、電流値に対してプロットした。各電圧プロットを最小二乗法を用いて直線近似し、放電下限電圧である2.5Vまで外挿したときの予測電流値(A)と2.5(V)を乗ずることで出力(W)を算出した。結果を図3に示す。結果を図3に示す。図3は実施例1〜2および比較例1〜4の非水電解質二次電池における放電電流(C)/Aと10秒目電圧/Vとの関係を示すグラフである。続いて、環境温度を−10℃に設定しこれらの電池を6時間冷却した。電池表面温度が環境温度と同等にまで冷却されたことを確認し再び電流―電圧特性試験を行い出力(W)を算出した。初期容量と出力の結果を表1に示す。
Figure 2008300274
表1より、実施例1および実施例2の電池では初期容量が比較的大きく、出力についても25℃、−10℃といった低温環境下においても高出力が得られることが判る。これは、負極活物質として、黒鉛化炭素材料の表面に更に低結晶性炭素材料を被覆または融合することよって、リチウムイオンの吸蔵放出反応が促進されることに起因する。
比較例1の電池では、初期容量および25℃環境下での出力は実施例の電池と同等であるが、−10℃環境下での出力が低下することがわかる。これは、低温環境においては、黒鉛化炭素材料の粒子表面近傍でリチウムイオンの吸蔵放出反応の反応速度が低下し、十分な出力が得られないことによるものである。
また、比較例2の電池は、初期容量および出力が共に劣っている。これは、低結晶性炭素材料は可逆容量密度が小さく、さらに不可逆容量密度が大きいために正極容量が消費され、電池としての容量が極端に低下したことによるものである。容量が低下するため、出力も低下する傾向にあり、十分満足できる性能を有していない。
また、比較例3の電池では、初期容量が若干低下した。これは、難黒鉛化性炭素材料の不可逆容量密度が大きいことに起因するものと考えられる。出力も、実施例の電池より低かった。これは、難黒鉛化性炭素材料を単に混合しただけでは、リチウムイオンの吸蔵放出反応の反応速度を高めることはできず、逆に難黒鉛化性炭素のリチウムイオンの吸蔵放出機構はインターカレーション反応ではなく複雑な機構をとるために、乱層構造を含んでいても高出力化にはほとんど寄与しないものと考えられる。
また、比較例4の電池では、初期容量は大きな値が得られた。これは、黒鉛が高容量密度かつ低不可逆容量密度であるために、電池として高容量が得られることによるものである。しかしながら、出力は特に低温域では小さくなった。高結晶性の層状構造を有する黒鉛材料は、リチウムイオンを吸蔵および放出する拡散経路が限られており、さらに配向性が高いために大電流の充放電特性に劣る傾向がある。したがって、低結晶性炭素材料の被覆層を設けても、常温域では低結晶性炭素材料の効果が十分に発揮され、高出力性能を得ることが可能であるが、低温域では低結晶性炭素材料のみでは十分な効果は得られない。
以上の結果から、本発明の複合負極活物質を用いることにより、低温域においても高出力性能を有する非水電解質二次電池を提供することが可能となる。
(実施例3)
次のようにして作製された正極板および負極板を用いる以外は、実施例1と同様に操作して、本発明の非水電解質二次電池A〜Jを作製した。
[正極活物質の製造および正極板の作製]
正極活物質には組成式LiNi0.4Co0.3Mn0.32で表されるリチウムニッケル複合酸化物を用いた。
硫酸ニッケル水溶液に、所定比率の硫酸コバルトおよび硫酸マンガンを加え、飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液に、攪拌下に水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し中和することによって、3元系の水酸化ニッケルNi0.4Co0.3Mn0.3(OH)2を沈殿物として析出させた。この沈殿物をろ過および水洗し、80℃で乾燥した。
次に、3元系の水酸化ニッケルに対して、Ni、Co、Mnの原子数の和とLiの原子数の比が1:1.03になるように水酸化リチウム1水和物を加えて混合した。この混合物を、乾燥空気中850℃で10時間の熱処理し、リチウムニッケル複合酸化物(組成式:LiNi0.4Co0.3Mn0.32)を得た。このリチウムニッケル複合酸化物は粉末X線回折により単一相の六方晶層状構造であると共に、CoおよびMnが固溶していることを確認した。そして粉砕および分級を行い、体積平均粒径約10μmの正極活物質粉末とした。この正極活物質を用いる以外は、実施例1と同様に操作して正極板を作製した。
[負極活物質の製造および負極板の作製]
ピッチ(品種AR24Z、軟化点293.9℃、三菱ガス化学(株)製)100質量部に、パラキシレングリコール5質量部およびホウ酸5質量部を添加し、常圧下に300℃まで昇温し、溶融後2時間保持した。得られた重合ピッチをアルゴン雰囲気中、800℃にて1時間熱処理して易黒鉛化性炭素材料を調製した。この易黒鉛化性炭素材料を体積平均粒径が約10μmとなるように粉砕し、次いでアルゴン雰囲気中表2に示す温度で熱処理し、部分的に黒鉛化された黒鉛化炭素材料を製造した。
また、前記と同様にして調製された易黒鉛化性炭素材料をアルゴン雰囲気中表2に示す温度で熱処理し、低結晶性炭素材料を製造した。
次に、黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料とを質量比85:15の割合で乾式混合した。この混合物100質量部に、等方性ピッチ(軟化点280℃、大阪ガスケミカル(株)製)3質量部を添加混合し、アルゴン雰囲気中900℃で熱処理した。これにより、黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料とが粒子レベルで融合した複合負極活物質を製造した。この複合負極活物質を粉砕および分級し、体積平均粒径約11μmの複合負極活物質とした。この複合負極活物質を用いる以外は、実施例1と同様に操作して負極板を作製した。
表2に、非水電解質二次電池A〜Jの初期容量および−10℃環境下での出力を示す。


Figure 2008300274
表2より、黒鉛化炭素材料の熱処理温度が高い程、初期容量が向上することがわかる。黒鉛化炭素材料の熱処理温度が1700℃と最も低い電池Aおよび電池Bは初期容量が6Ah未満であり、他の電池に比べて初期容量が小さい。これは、黒鉛化炭素材料中の黒鉛構造が十分に発達していないために、容量密度が小さく、かつ不可逆容量密度が大きくひいては正極容量の損失が大きいことに起因すると考えられる。熱処理温度が1800℃以上では6.3Ah以上の初期容量が確保できていることから、本発明で使用するのに適する黒鉛化炭素材料を得るためには、熱処理温度は1800℃以上が好ましい。一方、出力特性を見ると、2200℃程度までは比較的良好な低温高出力特性が得られているが、2300℃以上である電池Iおよび電池Jでは急激に出力が低下することがわかる。これは、黒鉛化炭素材料の黒鉛化が進み過ぎたために、リチウムの吸蔵および放出能力が低下したことによるものと考えられる。
一方、低結晶性炭素材料を得るための熱処理温度については、熱処理温度が概ね1000℃〜1400℃の温度範囲である低結晶性炭素材料を用いた電池では、低温域で高出力特性が得られていることがわかる。熱処理温度が1500℃である電池Gでは、1400℃である電池Fに比べ出力低下が著しい。特に低温域での出力性能は、黒鉛化炭素材料の粒子表面の結晶性、リチウムイオンの拡散経路の状態などに大きく依存する。すなわち、熱処理温度が1500℃では、炭素材料の結晶化が進み、リチウムイオンの拡散経路が減少することによって、リチウムイオンの拡散速度が低下するものと考えられる。逆に、熱処理温度が900℃と低い電池Cでは、結晶化がほとんど進まないことから、リチウムイオンの拡散経路が十分に形成されていないものと考えられる。
以上の結果から、黒鉛化炭素材料を得るための熱処理温度としては1800℃〜2200℃、融合すべき低結晶性炭素材料を得るための熱処理温度としては1000℃〜1400℃が好ましいことがわかる。
本発明の複合負極活物質を用いた非水電解質二次電池は、特に低温環境においても出入力性能が高くかつ長寿命であり、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などにおいて電気モーターを補助する二次電池として好適に利用できる。また、電動工具、掃除機、ロボットなどの駆動用電源、大型の電力貯蔵用電源としても利用可能である。また、今後の成長分野として期待される、一定距離は完全に電池電力による電気モーターのみで走行し、所定容量以下になるとガソリンエンジンを併用するHEVモードに移行するといったいわゆるプラグインHEVの動力源としても利用が可能である。
複合負極活物質の製造法を概略的に示す縦断面図である。 複合負極活物質の製造法を概略的に示す縦断面図である。 実施例1〜2および比較例1〜4の非水電解質二次電池における放電電流と10秒目電圧との関係を示すグラフである。
符号の説明
1,2 複合負極活物質
10 黒鉛化炭素材料
11 低結晶性炭素材料の前駆体
12 低結晶性炭素材料
13 黒鉛化炭素材料と低結晶性炭素材料との混合物

Claims (9)

  1. 黒鉛および易黒鉛化性炭素材料を含有する黒鉛化炭素材料と、低結晶性炭素材料とを含む複合負極活物質。
  2. 黒鉛化炭素材料表面に低結晶性炭素材料が被覆されている請求項1記載の複合負極活物質。
  3. 低結晶性炭素材料の黒鉛化炭素材料への被覆が、黒鉛化炭素材料表面に低結晶性炭素材料の前駆体を被覆した後、該前駆体を炭素化することにより行われる請求項2記載の複合負極活物質。
  4. 低結晶性炭素材料の前駆体の炭素化が、該前駆体を600〜1500℃で熱処理することにより行われる請求項3記載の複合負極活物質。
  5. 低結晶性炭素材料の前駆体がコークス類である請求項2または3記載の複合負極活物質。
  6. 黒鉛化炭素材料の少なくとも一部と低結晶性炭素材料の少なくとも一部とが融合している請求項1記載の複合負極活物質。
  7. 黒鉛化炭素材料が易黒鉛化性炭素材料を熱処理することにより得られる請求項1〜6のいずれか1つに記載の複合負極活物質。
  8. 易黒鉛化性炭素材料がコークス類であり、かつ熱処理温度が1800℃〜2200℃である請求項7記載の複合負極活物質。
  9. 正極と、請求項1〜8のいずれか1つに記載の複合負極活物質を含有する負極と、セパレータと、非水電解質とを含む非水電解質二次電池。
JP2007146764A 2007-06-01 2007-06-01 複合負極活物質および非水電解質二次電池 Active JP5623686B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007146764A JP5623686B2 (ja) 2007-06-01 2007-06-01 複合負極活物質および非水電解質二次電池
CN2008800184794A CN101682030B (zh) 2007-06-01 2008-06-02 复合负极活性物质以及非水电解质二次电池
US12/602,560 US8399131B2 (en) 2007-06-01 2008-06-02 Composite negative electrode active material and non-aqueous electrolyte secondary battery
KR1020097025176A KR101190368B1 (ko) 2007-06-01 2008-06-02 복합 음극 활물질 및 비수 전해질 이차전지
PCT/JP2008/001387 WO2008149539A1 (ja) 2007-06-01 2008-06-02 複合負極活物質および非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007146764A JP5623686B2 (ja) 2007-06-01 2007-06-01 複合負極活物質および非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008300274A true JP2008300274A (ja) 2008-12-11
JP5623686B2 JP5623686B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=40093371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007146764A Active JP5623686B2 (ja) 2007-06-01 2007-06-01 複合負極活物質および非水電解質二次電池

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8399131B2 (ja)
JP (1) JP5623686B2 (ja)
KR (1) KR101190368B1 (ja)
CN (1) CN101682030B (ja)
WO (1) WO2008149539A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011105444A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 日立化成工業株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP2011210666A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系二次電池電極用の樹脂被覆活物質
JP2013171798A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナトリウム二次電池用負極材料及びその製造方法、並びにナトリウム二次電池用負極、ナトリウム二次電池及びこれを用いた電気機器
WO2013146144A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 日本電気株式会社 二次電池用負極材料、および二次電池
WO2014057690A1 (ja) * 2012-10-12 2014-04-17 昭和電工株式会社 複合炭素粒子およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2017525083A (ja) * 2014-06-13 2017-08-31 エルジー・ケム・リミテッド 負極活物質及びその製造方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4934704B2 (ja) * 2009-07-27 2012-05-16 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池用過充電抑制剤
US20130130114A1 (en) * 2010-07-30 2013-05-23 Hitachi Vehicle Energy, Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
KR101310430B1 (ko) * 2010-11-15 2013-09-24 삼성전기주식회사 음극 활물질 및 그를 구비하는 리튬 이차전지, 그리고 상기 리튬 이차전지의 제조 방법
EP2698851B1 (en) * 2011-04-13 2018-12-12 Sei Corporation Electrode material for lithium secondary battery and lithium secondary battery
WO2014034689A1 (ja) * 2012-08-29 2014-03-06 日本コークス工業株式会社 負極炭素材料製造装置及び該装置を用いる負極炭素材料の製造方法
CN103500815B (zh) * 2013-09-26 2016-09-28 深圳市贝特瑞新能源材料股份有限公司 锂离子电池软碳复合负极材料及其制备方法
CN104681786A (zh) * 2015-03-04 2015-06-03 深圳市贝特瑞新能源材料股份有限公司 一种煤基负极材料、制备方法及锂离子电池
CN105470460B (zh) * 2015-03-12 2019-02-01 万向一二三股份公司 一种锂离子电池负极片及其制作方法
CN108093156B (zh) * 2016-11-23 2020-11-13 汤长春 图像拍摄装置
US20180337424A1 (en) * 2017-05-16 2018-11-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Negative-electrode active material for non-aqueous secondary battery and non-aqueous secondary battery
CN110085863B (zh) * 2019-04-26 2024-03-12 桑顿新能源科技有限公司 石墨负极材料及其制备方法、电池
KR20230091444A (ko) * 2021-12-16 2023-06-23 포스코홀딩스 주식회사 음극 활물질 전구체, 이를 포함하는 음극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
CN116344888A (zh) * 2023-05-31 2023-06-27 深圳大学 一种负极浆料及其制备方法和半固态悬浮液流电池

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071580A (ja) * 1995-11-14 2004-03-04 Osaka Gas Co Ltd リチウム二次電池用負極材料および、それを用いた二次電池
JP2005142004A (ja) * 2003-11-06 2005-06-02 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2006294476A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Jfe Chemical Corp 金属−黒鉛質系粒子およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2007103246A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Matsushita Battery Industrial Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2008047768A1 (fr) * 2006-10-16 2008-04-24 Panasonic Corporation Matériau composite à activité négative pour batterie secondaire à électrolyte non aqueux, procédé de fabrication associé, et batterie secondaire à électrolyte non aqueux utilisant ce matériau

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5153082A (en) 1990-09-04 1992-10-06 Bridgestone Corporation Nonaqueous electrolyte secondary battery
DE69422854T2 (de) 1993-06-03 2000-10-19 Sony Corp Sekundärbatterie mit flüssigem nicht-wässerigen Elektrolyten
JPH07326343A (ja) 1994-05-30 1995-12-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池の負極材料およびその製造法
JP3262704B2 (ja) 1995-04-24 2002-03-04 シャープ株式会社 非水系二次電池用炭素電極、その製造方法及びそれを用いた非水系二次電池
US20040151837A1 (en) * 1995-11-14 2004-08-05 Koichi Morita Material for negative electrode of lithium secondary battery, method for production thereof and lithium secondary battery using the same
JP2976299B2 (ja) 1995-11-14 1999-11-10 大阪瓦斯株式会社 リチウム二次電池用負極材料
JP3304267B2 (ja) 1996-05-23 2002-07-22 シャープ株式会社 非水系二次電池及び負極活物質の製造方法
CA2205767C (en) 1996-05-23 2001-04-03 Sharp Kabushiki Kaisha Nonaqueous secondary battery and a method of manufacturing a negative electrode active material
JP3456363B2 (ja) 1997-04-24 2003-10-14 新神戸電機株式会社 リチウム二次電池用負極およびそれを用いたリチウム二次電池
JP3193342B2 (ja) 1997-05-30 2001-07-30 松下電器産業株式会社 非水電解質二次電池
JP4081621B2 (ja) 1998-03-05 2008-04-30 大阪瓦斯株式会社 リチウム二次電池用負極炭素材およびリチウム二次電池
CN1276531C (zh) 1998-05-21 2006-09-20 三星电管株式会社 锂二次电池用的负极活性材料和用该料的锂二次电池
JP2000123835A (ja) 1998-10-19 2000-04-28 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池用負極活物質材料およびこれを負極活物質として用いたリチウム二次電池
JP4429411B2 (ja) * 1999-01-07 2010-03-10 三星エスディアイ株式会社 リチウムイオン二次電池用の炭素材料の製造方法
JP2003031218A (ja) 2001-07-11 2003-01-31 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池用負極活物質材料およびその製造方法
JP4336087B2 (ja) * 2002-09-19 2009-09-30 シャープ株式会社 リチウムポリマー電池及びその製造方法
JP4729716B2 (ja) * 2003-02-20 2011-07-20 三菱化学株式会社 リチウム二次電池負極及びリチウム二次電池
US7374842B2 (en) * 2003-04-30 2008-05-20 Matsushita Battery Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP4215202B2 (ja) 2003-07-07 2009-01-28 パナソニック株式会社 非水電解液二次電池
JP4435498B2 (ja) 2003-04-30 2010-03-17 パナソニック株式会社 非水電解液二次電池
JP3995050B2 (ja) 2003-09-26 2007-10-24 Jfeケミカル株式会社 リチウムイオン二次電池負極材料用複合粒子およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極材料および負極、ならびにリチウムイオン二次電池
WO2005031898A1 (ja) 2003-09-26 2005-04-07 Jfe Chemical Corporation 複合粒子、およびこれを用いたリチウムイオン二次電池の負極材料、負極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2005200276A (ja) 2004-01-16 2005-07-28 Hitachi Chem Co Ltd 黒鉛−非晶質炭素複合材料の製造法、黒鉛−非晶質炭素複合材料、電池用負極及び電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071580A (ja) * 1995-11-14 2004-03-04 Osaka Gas Co Ltd リチウム二次電池用負極材料および、それを用いた二次電池
JP2005142004A (ja) * 2003-11-06 2005-06-02 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2006294476A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Jfe Chemical Corp 金属−黒鉛質系粒子およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2007103246A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Matsushita Battery Industrial Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2008047768A1 (fr) * 2006-10-16 2008-04-24 Panasonic Corporation Matériau composite à activité négative pour batterie secondaire à électrolyte non aqueux, procédé de fabrication associé, et batterie secondaire à électrolyte non aqueux utilisant ce matériau

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011105444A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 日立化成工業株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP5811999B2 (ja) * 2010-02-25 2015-11-11 日立化成株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP2011210666A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系二次電池電極用の樹脂被覆活物質
JP2013171798A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナトリウム二次電池用負極材料及びその製造方法、並びにナトリウム二次電池用負極、ナトリウム二次電池及びこれを用いた電気機器
WO2013146144A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 日本電気株式会社 二次電池用負極材料、および二次電池
US9748556B2 (en) 2012-03-30 2017-08-29 Nec Corporation Negative electrode material for secondary battery, and secondary battery
WO2014057690A1 (ja) * 2012-10-12 2014-04-17 昭和電工株式会社 複合炭素粒子およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP5567232B1 (ja) * 2012-10-12 2014-08-06 昭和電工株式会社 複合炭素粒子およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
KR20150043384A (ko) * 2012-10-12 2015-04-22 쇼와 덴코 가부시키가이샤 복합 탄소 입자 및 그것을 사용한 리튬 이온 2차 전지
KR101635491B1 (ko) 2012-10-12 2016-07-01 쇼와 덴코 가부시키가이샤 복합 탄소 입자 및 그것을 사용한 리튬 이온 2차 전지
US9614218B2 (en) 2012-10-12 2017-04-04 Showa Denko K.K. Composite carbon particle and lithium-ion secondary cell using same
JP2017525083A (ja) * 2014-06-13 2017-08-31 エルジー・ケム・リミテッド 負極活物質及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8399131B2 (en) 2013-03-19
JP5623686B2 (ja) 2014-11-12
CN101682030A (zh) 2010-03-24
KR20100008788A (ko) 2010-01-26
WO2008149539A1 (ja) 2008-12-11
KR101190368B1 (ko) 2012-10-11
CN101682030B (zh) 2012-10-10
US20100178563A1 (en) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5623686B2 (ja) 複合負極活物質および非水電解質二次電池
JP5431729B2 (ja) 非水電解質二次電池用複合負極活物質およびその製造法、ならびにそれを用いた非水電解質二次電池
KR101055158B1 (ko) 전극 및 이를 사용하는 전지
US20020076605A1 (en) Secondary battery
KR102519441B1 (ko) 리튬 이차전지용 음극활물질, 이를 포함한 음극, 및 리튬 이차전지
JP2002280079A (ja) 電 池
JP2002280063A (ja) 電解質および電池
JP2004103476A (ja) 非水電解質電池
JP2017520892A (ja) リチウム電池用正極
JP2004103475A (ja) 電池
JP3965567B2 (ja) 電池
JP2005005117A (ja) 電池
JP2003157900A (ja) 電 池
JP4150202B2 (ja) 電池
JP2002270230A (ja) 電 池
JP2002270159A (ja) 電 池
JP4192574B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
US20230387384A1 (en) Method for Manufacturing Positive Electrode for Lithium Secondary Battery and Positive Electrode for Lithium Secondary Battery Manufactured Thereby
JP2004363076A (ja) 電池
JP2005005118A (ja) 電池
JP2002280080A (ja) 二次電池の充電方法
JP2002270231A (ja) 電 池
JP2002279995A (ja) 電 池
JP2003151627A (ja) 電 池
JP2002270233A (ja) 電 池

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20081107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131025

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131113

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20131227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5623686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350