JP2018170247A - リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)二次電池複合活物質において、該活物質を大気雰囲気下で昇温速度5℃/minで昇温した時の熱分解開始温度が530℃以上であり、平均細孔径10〜40nm、開気孔体積0.06cm3/g以下であることを特徴とするリチウム二次電池用複合活物質。
(2)前記活物質において、大気雰囲気下で1000℃までの昇温時における前記活物質の熱分解反応が発熱反応であり、且つその時の最大重量減少が50%以上であることを特徴とする(1)に記載のリチウム二次電池用複合活物質。
(3)前記活物質の熱分解反応において発熱ピークの温度差が150℃以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のリチウム二次電池用複合活物質。
(4)前記活物質のD50が1〜40μm、BET法によるBET比表面積が0.5〜20m2/gであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質。
(5)前記活物質のラマン分光における結晶性炭素由来のGバンドとアモルファス炭素由来のDバンドとの比率であるD/Gが1.0以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質。
(6)SiまたはSi合金、炭素前駆体、必要に応じて黒鉛成分を混合する工程と、造粒・圧密化する工程と、混合物を粉砕および球形化処理して略球状の複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程と炭素前駆体と該複合粒子もしくは焼成粒子とを混合する工程及びその混合物を不活性ガス雰囲気中で加熱することで炭素被覆した焼成粉もしくは炭素被覆した複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(7)(6)で得られた炭素被覆した複合粒子、球形化した複合粒子もしくは焼成粉と炭素前駆体とを不活性雰囲気中で焼成し炭素膜を複合粒子もしくは焼成粒子の内外に被覆する工程を行うことを特徴とする(6)に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウム二次電池複合活物質を含むリチウム二次電池。
法)を用いて測定したものである。
(正極)
上記リチウム二次電池用複合活物質を使用して得られる負極を有するリチウム二次電池に使用される正極としては、公知の正極材料を使用した正極を使用することができる。
(電解液)
上記リチウム二次電池用複合活物質を使用して得られる負極を有するリチウム二次電池に使用される電解液としては、公知の電解液を使用することができる。
(セパレータ)
上記リチウム二次電池用複合活物質を使用して得られる負極を有するリチウム二次電池に使用されるセパレータとしては、公知の材料を使用できる。例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが例示される。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、膜厚、膜強度、膜抵抗などの点から好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
<実施例1>
(膨張黒鉛の調製)
平均粒子径1mmの鱗片状天然黒鉛を硫酸9質量部、硝酸1質量部の混酸に室温で1時間浸漬後、No3ガラスフィルターで混酸を除去して酸処理黒鉛を得た。さらに酸処理黒鉛を水洗後、乾燥した。乾燥した酸処理黒鉛5gを蒸留水100g中で攪拌し、1時間後にpHを測定したところ、pHは6.7であった。乾燥した酸処理黒鉛を850℃に設定した窒素雰囲気下の縦型電気炉に投入し、膨張黒鉛を得た。膨張黒鉛の嵩密度は0.002g/cm3、比表面積は45m2/gであった。
D50が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに21重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕を6時間行い、D50が0.3μm、乾燥時のBET比表面積が100m2/gの超微粒子Siスラリーを得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密度391g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで300秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度452g/Lの略球状複合粉末を得た。
得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成する事でフェノール樹脂の炭化を同時に行った。これにより、黒鉛成分の含有量60質量部、Si含有量30質量部、炭素質物10質量部(フェノール樹脂由来のハードカーボン含有量)からなる略球状焼成粉を得た。
得られた略球状焼成粉150gとコールタールピッチ118gをボールミルにより混合した後、キノリン150gを加え、10分間撹拌した後、以下の方法を用い焼成を行い、被覆を行った。
窒素を流しながら(4L/min)、昇温速度を5℃/minとし、混合物を600℃で2時間加熱することで、コールタールピッチをソフトカーボンへ変性させた。これにより、黒鉛成分の含有量60質量部、Si含有量30質量部、炭素質物40質量部(フェノール樹脂由来のハードカーボンの含有量10質量部、コールタールピッチ由来のソフトカーボンの含有量30質量部)からなるシリコン系リチウム二次電池用複合活物質を得た。
得られたシリコン系リチウム二次電池用複合活物質をスタンプミルにて解砕した後にボールミルによって粉砕し、目開き45μmのメッシュを通し、軽装かさ密度405g/L、D50が15.9μmの粉砕粉を得た。
コールタールピッチによる炭素被覆された粉砕粉100gを高砂工業製バッチ式ロータリーキルンTRB−0−1Eに投入し、昇温速度は200℃/hr、エチレン2L/min、窒素8L/minを流しながら900℃1時間の加熱によるCVD炭素被覆を行った。CVD炭素被覆による重量増加量は同一バッチ内3か所測定して平均17%、標準偏差4.0であった。これにより、黒鉛成分の含有量60質量部、Si含有量30質量部、炭素質物59質量部(フェノール樹脂由来のハードカーボンの含有量10質量部、コールタールピッチ由来のソフトカーボンの含有量32質量部、CVD炭素被膜17質量部)からなるシリコン系リチウム二次電池用複合活物質を得た。
得られたシリコン系リチウム二次電池用複合活物質95.5重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてTimcal製スーパーC65を0.5重量%と、バインダとして和光純薬工業製CLPを4重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加剤はFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPF6を1.2vol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置に接続した。
<参考例1>
(膨張黒鉛の調製)
実施例1と同様の方法に膨張黒鉛を調製した。
(混合工程)
D50が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに21重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕を6時間行い、D50が0.3μm、乾燥時のBET比表面積が100m2/gの超微粒子Siスラリーを得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密度467g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで300秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度422g/Lの略球状複合粉末を得た。
得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成する事でフェノール樹脂の炭化を同時に行った。これにより、黒鉛成分の含有量60質量部、Si含有量30質量部、炭素質物10質量部(フェノール樹脂由来のハードカーボン含有量)からなる略球状焼成粉を得た。
(コールタールピッチによる炭素被覆)
得られた略球状焼成粉150gとコールタールピッチ118gをボールミルにより混合した後、キノリン150gを加え、10分間撹拌した後、以下の方法を用い焼成を行い、被覆を行った。
窒素を流しながら(4L/min)、昇温速度を5℃/minとし、混合物を600℃で2時間加熱することで、コールタールピッチをソフトカーボンへ変性させた。これにより、黒鉛成分の含有量60質量部、Si含有量30質量部、炭素質物40質量部(フェノール樹脂由来のハードカーボンの含有量10質量部、コールタールピッチ由来のソフトカーボンの含有量30質量部)からなるシリコン系リチウム二次電池用複合活物質を得た。
得られたシリコン系リチウム二次電池用複合活物質をスタンプミルにて解砕した後にボールミルによって粉砕し、目開き45μmのメッシュを通し、軽装かさ密度462g/L、D50が15.9μmの粉砕粉を得た。
得られたシリコン系リチウム二次電池用複合活物質95.5重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてTimcal製スーパーC65を0.5重量%と、バインダとして和光純薬工業製CLPを4重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加剤はFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPF6を1.2vol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置に接続した。
Claims (8)
- 次電池複合活物質において、該活物質を大気雰囲気下で昇温速度5℃/minで昇温した時の熱分解開始温度が530℃以上であり、平均細孔径10〜40nm、開気孔体積0.06cm3/g以下であることを特徴とするリチウム二次電池用複合活物質。
- 前記活物質が大気雰囲気下で1000℃までの昇温時における前記活物質の熱分解反応が発熱反応であり、且つその時の最大重量減少が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用複合活物質。
- 前記活物質の熱分解反応において発熱ピークの温度差が150℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池用複合活物質。
- 前記活物質のD50が1〜40μm、BET法によるBET比表面積が0.5〜20m2/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質。
- 前記活物質のラマン分光における結晶性炭素由来のGバンドが2つ以上の以上からなり、且つアモルファス炭素由来のDバンドとの比率であるD/Gが1.0以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質。
- SiまたはSi合金、炭素前駆体、必要に応じて黒鉛成分を混合する工程と、造粒・圧密化する工程と、混合物を粉砕および球形化処理して略球状の複合粒子を
形成する工程と、該複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程と炭素前駆体と該複合粒子もしくは焼成粒子とを混合する工程及びその混合物を不活性雰囲気中で加熱することで炭素被覆した焼成粉もしくは炭素被覆した複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。 - 請求項6で得られた炭素被覆した複合粒子、球形化した複合粒子もしくは焼成粉と炭素前駆体とを不活性雰囲気中で焼成し炭素膜を複合粒子もしくは焼成粒子の内外に被覆する工程を行うことを特徴とする請求項6に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池複合活物質を含むリチウム二次電池。
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