JP6759527B2 - リチウムイオン2次電池用負極活物質およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン2次電池用負極活物質およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン2次電池用負極活物質およびその製造方法に関するものである。
スマートフォン、タブレット型端末などモバイル機器の高性能化や、EV、PHEVなどリチウムイオン2次電池を搭載した車両の普及に伴い、リチウムイオン2次電池の高容量化の要求が高まっている。現在、リチウムイオン2次電池の負極材には主に黒鉛が用いられているが、さらなる高容量化のため、理論容量が高く、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な元素であるシリコンやスズ等の金属、もしくは他の元素との合金を用いた負極材の開発が活発化している。
一方、これらのリチウムイオンを吸蔵・放出可能な金属材料からなる活物質は、充電によってリチウムと合金化した際に、著しく体積膨張することが知られている。そのため、活物質が割れて微細化し、さらにこれらを用いた負極も構造が破壊されて導電性が切断される。従って、これらの金属材料を用いた負極はサイクル経過によって容量が著しく低下することが課題となっている。
この課題に対し、これらの金属材料を微粒子化し、炭素質物や黒鉛などで複合化する手法が提案されている。このような複合粒子は、これらの金属材料がリチウムと合金化し、微細化しても炭素質物や黒鉛によって導電性が確保されるため、これらの材料を単独で負極材として用いるよりもサイクル特性が著しく向上することが知られている。例えば、特許文献1には、負極の活物質は炭素質物層が表面に形成された微粒子を含み、該微粒子はMg、Al、Si、Ca、SnおよびPbから選ばれる少なくとも一種の元素からなると共に、平均粒径が1〜500nmであり、かつ前記活物質中の微粒子の原子比率は15重量%以上であることが開示されている。
また、特許文献2には、金属粒子が複数相の炭素中に埋設され、該炭素は黒鉛および非晶質炭素を含むものである金属炭素複合体粒子が開示され、前記金属粒子について、Mg、Al、Si、Zn、Ge、Bi、In、Pd、Ptのいずれかからなり、平均粒子径は0.1〜20μmが好ましいと記載されている。また、特許文献3には、負極活物質が、黒鉛コア粒子と、該黒鉛コア粒子を被覆する炭素被膜(シェル)と、該炭素被膜内部に分散して位置する金属粒子とを含む、いわゆるコアシェル構造であり、前記黒鉛コア粒子の平均粒径は1〜20μm、前記炭素被膜のコーティング厚さは1〜4μm、前記リチウムと合金化する金属としては、Cr、Sn、Si、Al、Mn、Ni、Zn、Co、In、Cd、Bi、Pb、Vからなる群から選択される少なくともいずれか1つの物質を含み、平均粒径は0.01〜1.0μmが好ましいと開示されている。
さらに、特許文献4には、BET比表面積30m/g以上の膨張黒鉛または薄片状黒鉛と、リチウムイオンと化合可能な電池活物質とを混合して混合物を得る混合工程と、該混合物に球形化処理を施し、黒鉛およびリチウムイオンと化合可能な電池活物質を含有する略球状のリチウム2次電池用複合活物質を製造する球形化工程とを有する、リチウム2次電池用複合活物質の製造方法が開示され、前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質について、Si、Sn、Al、Sb、Inから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、平均粒子径は1μm以下が好ましいと記載されている。
上記複合粒子を用いる方法では、複合粒子を負極薄膜中に密に充填するほど負極のエネルギー密度が高くなり、電池としての性能が向上する。また、複合粒子を均一に、かつなるべく等方的に充填することにより、リチウムの脱挿入が均一に行われ、局所的な負極の劣化を避けることができ、サイクル寿命が向上する。例えば、特許文献5には、鱗片状の天然黒鉛粒子に由来する球状黒鉛粒子を含むリチウム2次電池用負極材が開示されており、その円形度は0.85以上が好ましいと記載されている。
特開平10−3920号公報 特開2000−272911号公報 特開2010−129545号公報 特許第5227483号公報 特開2012−221951号公報
本発明は、SiまたはSi合金(以下、併せて「Si化合物」という)と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを含んで複合化したリチウムイオン2次電池用負極活物質に関するものであり、優れたエネルギー密度とサイクル寿命を有するリチウムイオン2次電池を与える負極活物質およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、Si化合物と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを、含んでなるリチウムイオン2次電池用負極活物質において、該複合材料の粒子サイズ、および形状を制御することにより、高いエネルギー密度とサイクル寿命を有するリチウムイオン2次電池を与える負極活物質が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、SiまたはSi合金と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを、含んでなるリチウムイオン2次電池用負極活物質において、該負極活物質の平均粒径(D50)が1〜40μmであり、かつ平均円形度が0.7〜1.0の略球状の複合粒子であることを特徴とするリチウムイオン2次電池用負極活物質である。
以下、本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質について詳細に説明する。
本発明でいうSiとは、純度が98重量%程度の汎用グレードの金属シリコン、純度が2〜4Nのケミカルグレードの金属シリコン、塩素化して蒸留精製した4Nより高純度のポリシリコン、単結晶成長法による析出工程を経た超高純度の単結晶シリコン、もしくはそれらに周期表13族もしくは15族元素をドーピングして、p型またはn型としたもの、半導体製造プロセスで発生したウエハの研磨や切断の屑、プロセスで不良となった廃棄ウエハなど、汎用グレードの金属シリコン以上の純度のものであれば特に限定されない。
本発明でいうSi合金とは、Siが主成分の合金である。前記Si合金において、Si以外に含まれる元素としては、周期表2〜15族の元素の一つ以上が好ましく、合金に含まれる相の融点が900℃以上となる元素の選択および/または添加量が好ましい。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質において、Si化合物の平均粒径(D50)は0.01〜5μmが好ましく、さらに好ましくは0.01〜1μmであり、特に好ましくは0.05〜0.6μmである。0.01μmより小さいと、表面酸化による容量や初期効率の低下が激しく、5μmより大きいと、リチウム挿入による膨張で割れが激しく生じ、サイクル劣化が激しくなりやすい。なお、平均粒径(D50)はレーザー粒度分布計で測定した体積平均の粒子径である。
Si化合物の含有量は10〜80重量%が好ましく、15〜50重量%が特に好ましい。Si化合物の含有量が10重量%未満の場合、従来の黒鉛に比べて十分に大きい容量が得られず、80重量%より大きい場合、サイクル劣化が激しくなりやすい。
本発明でいう炭素質物とは、非晶質もしくは微結晶の炭素物質であり、2000℃を超
える熱処理で黒鉛化する易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)と、黒鉛化しにくい難黒鉛化炭
素(ハードカーボン)がある。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質において、炭素質物が含まれる場合、炭素質物の含有量は90〜20重量%が好ましく、40〜20重量%が特に好ましい。炭素質物の含有量が20重量%未満の場合、炭素質物がSi化合物を覆うことができず、導電パスが不十分となって容量劣化が激しく起こりやすく、90重量%より大きい場合、容量が十分に得られない。
本発明でいう黒鉛とは、グラフェン層がc軸に平行な結晶であり、鉱石を精製した天然黒鉛、石油や石炭のピッチを黒鉛化した人造黒鉛等があり、原料の形状としては鱗片状、小判状もしくは球状、円柱状もしくはファイバー状等がある。また、それらの黒鉛を酸処理、酸化処理した後、熱処理することにより膨張させ、黒鉛層間の一部が剥離してアコーディオン状となった膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物、または超音波等により層間剥離させたグラフェン等も用いることができる。本発明の負極活物質に含まれる黒鉛の粒子サイズは、負極活物質粒子のサイズより小さければ特に限定はなく、黒鉛粒子の厚みは活物質の平均粒径(D50)の1/5以下であることが好ましい。黒鉛の添加により活物質粒子の導電性および強度が高まり、充放電のレート特性およびサイクル特性が向上する。黒鉛粒子のX線回折で測定される(002)面の面間隔d002は0.338nm以下であることが好ましく、これは高度に黒鉛化が進んだ黒鉛を意味している。d002がこの値を超える場合、黒鉛による導電性向上効果が小さくなる。
また、本発明でいう、黒鉛は、純度99.9重量%以上、若しくは不純物量1000ppm以下であり、S量が0.3重量%以下及び/又はBET比表面積が40m/g以下であることが好ましい。純度が99.9重量%よりも少なく、若しくは不純物量が1000ppmよりも多いと、不純物由来のSEI形成による不可逆容量が多くなるため、初回の充電容量に対する放電容量である初回充放電効率が低くなる傾向がある。また、S量が0.3重量%よりも高くなると同様に不可逆容量が高くなるため、初回充放電効率が低くなる。さらに好ましくは、S量が0.1重量%以下が好ましい。黒鉛のBET比表面積が40m/gよりも高いと、電解液との反応する面積が多くなるため、初回充放電効率が低くなると思われる。
不純物は、ICP発光分光分析法により、以下の26元素(Al、Ca、Cr、Fe、K、Mg、Mn、Na、Ni、V、Zn、Zr、Ag、As、Ba、Be、Cd、Co、Cu、Mo、Pb、Sb、Se、Th、Tl、U)の不純物半定量値により測定する。また、S量の測定は、酸素フラスコ燃焼法で燃焼吸収処理した後、フィルター濾過してイオンクロマトグラフィー(IC)測定により行う。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質において、炭素質物と黒鉛が含まれる場合、各々の含有量は5〜40重量%と20〜80重量%の割合が好ましく、8〜30重量%と40〜70重量%の割合が特に好ましい。炭素質物の含有量が5重量%未満の場合、炭素質物がSi化合物および黒鉛を覆うことができず、Si化合物と黒鉛との接着が不十分となり、活物質粒子の形成が困難となりやすい。また、40重量%より大きい場合、導電性が炭素質物より高い黒鉛の効果が十分に引き出されない。一方、黒鉛の含有量が20重量%未満の場合、炭素質物より高い導電性を有する黒鉛の効果が十分でなく、80重量%より多い場合、従来の黒鉛に比べて十分に大きい容量が得られない。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質は、略球状の複合粒子であり、その平均粒径(D50)が1〜40μmであり、好ましくは2〜30μmであり、特に好ましくは2〜20μmである。平均粒径(D50)が1μm未満の場合、かさ高くなって高密度の電極が作製しにくくなり、40μmを超える場合、塗布した電極の凹凸が激しくなって均一な電極が作製しにくくなる。また、前記Si化合物の平均粒径が該負極活物質の平均粒径の1/5以下であり、前記炭素質物が、少なくとも活物質表面を覆っていることが好ましい。
略球状の複合粒子とは、粉砕等により生成した粒子の角が取れているもの、球状もしくは回転楕円体形状、円板もしくは小判形状で厚みを有して角が丸いもの、またはそれらが変形したもので角が丸いものなどを含み、その円形度は0.7〜1.0である。なお、円形度は走査型電子顕微鏡で撮影した粒子像を画像解析して測定した。すなわち、粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を写真から測定し、等しい周囲長(PM)を持つ真円の面積を(B)とした時に、円形度はA/Bで定義される。前記真円の半径をrとした時、PM=2πr、及びB=πrが成り立つので、これより円形度A/B=A×4π/(PM)で算出される。これにより任意の100個以上の複合粒子のうち、短軸長さが1μm未満の扁平状微粒子を除いた略球状粒子の平均値を複合粒子の平均円形度とした。また扁平状微粒子とは、粉砕等により生成した粒子の角が取れているもの、円板もしくは小判型形状で厚みを有して角が丸いもの、またはそれらが変形したもので角が丸いものなどを含み、走査型電子顕微鏡で撮影した粒子像の短軸長が1μm未満のものとした。この扁平状微粒子の含有率は扁平微粒子の投影面積合計を全粒子の投影面積合計で除したものと定義した。形状が丸みを帯びることにより複合粒子のかさ密度が高まり、負極にした時の充填密度が高まる。また、前記炭素質物が、少なくとも活物質表面を覆っていることにより、充放電の過程で電解液に溶媒和したリチウムイオンが、前記炭素質物の表面で溶媒から離れて、リチウムイオンのみがSi化合物および/または黒鉛と反応するため、溶媒の分解生成物が生成しにくくなり、充放電の効率が高まる。
略球状の複合粒子の平均円形度が低下すると、かさ密度が低下し、負極にした時の充填密度が低下し、また複合粒子同士の接触点及び領域が減少するため、充放電時の複合粒子の体積膨張伸縮により、電気的導通が絶たれる確率が増え、サイクル容量維持率が低下する傾向にある。複合粒子が略球状粒と扁平状の複合微粒子から構成される場合は、扁平状微粒子の含有量増加に伴い、扁平状微粒子が略球状粒子間の間隙を埋める形となるため、充放電時の体積膨張収縮においても電気的導通が維持される。平均粒径(D50)が1〜10μmであり、SEM像観察により計測された短軸長1μm未満の扁平状微粒子を1重量%以上80重量%以下含む場合、該負極活物質は優れたサイクル容量維持率を示す。扁平状微粒子の含有率が1重量%未満の場合及び/又は略球状粒子の円形度が0.7未満の場合はサイクル容量維持率の改善効果は認められない。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質においては、前記Si化合物が、前記炭素質物と共に0.2μm以下の厚みの黒鉛薄層の間に挟まった構造であり、その構造が積層および/または網目状に広がっており、該黒鉛薄層が活物質粒子の表面付近で湾曲して活物質粒子を覆っており、さらに、最外層の表面を前記炭素質物が覆っていることが好ましい。
本発明でいう黒鉛薄層とは、先に述べた黒鉛を酸処理、酸化処理した後、熱処理することにより膨張させて黒鉛層間の一部が剥離してアコーディオン状となった膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物、超音波等により層間剥離させたグラフェン等、またはこれらが圧縮力を受けることで生成した、グラフェン1層(厚み0.0003μm)〜数百層(厚み〜0.2μm)からなる黒鉛薄層である。黒鉛薄層の厚みは薄い方が、黒鉛薄層間に挟まれたSi化合物と、炭素質物の層が薄くなって、Si化合物への電子の伝達が良くなり、厚みが0.2μmを超えると黒鉛薄層の電子伝達効果が薄まる。黒鉛薄層を断面で見て線状の場合、その長さは負極活物質粒子のサイズの半分以上あることが電子伝達に好ましく、負極活物質粒子のサイズと同等程度であることがさらに好ましい。黒鉛薄層が網目状の場合、黒鉛薄層の網が負極活物質粒子のサイズの半分以上に渡って繋がっていることが電子伝達に好ましく、負極活物質粒子のサイズと同等程度であることがさらに好ましい。
本発明においては、黒鉛薄層が活物質粒子の表面付近で湾曲して活物質粒子を覆うことが好ましい。そのような形状にすることで、黒鉛薄層端面から電解液が侵入して、Si化合物や黒鉛薄層端面と電解液が直接接して、充放電時に反応物が形成され、効率が下がるというリスクが低減する。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質においては、前記Si化合物の含有量が10〜80重量%、前記炭素質物の含有量が90〜20重量%であることが好ましい。
また、本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質においては、前記Si化合物の含有量が10〜60重量%、前記炭素質物の含有量が5〜40重量%、前記黒鉛の含有量が20〜80重量%であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン2次電池負極活物質では、BET比表面積が0.5〜80m/gであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質において、前記炭素質物は、後述する炭素前駆体が負極活物質内部で炭化し、炭素物質を形成したものである。そのため、充放電の過程で電解液に溶媒和したリチウムイオンが、直接Si化合物及び/又は黒鉛に接触しにくい構造となっており、BET比表面積が0.5〜60m/gであることにより、表面での炭素質物と電解液の反応も少なく保たれるため、充放電の効率がより高まる。
次に、本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法について説明する。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法は、Si化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛を混合する工程と、造粒・厚密化する工程と、粉砕して複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程を含むものである。
原料であるSi化合物は、平均粒径(D50)が0.01〜5μmの粉末を使用することが好ましい。所定の粒子径のSi化合物を得るためには、上述のSi化合物の原料(インゴット、ウエハ、粉末などの状態)を粉砕機で粉砕し、場合によっては分級機を用いる。インゴット、ウエハなどの塊の場合、最初はジョークラッシャー等の粗粉砕機を用いて粉末化することができる。その後、例えば、ボール、ビーズなどの粉砕媒体を運動させ、その運動エネルギーによる衝撃力や摩擦力、圧縮力を利用して被砕物を粉砕するボールミル、媒体撹拌ミルや、ローラによる圧縮力を利用して粉砕を行うローラミルや、被砕物を高速で内張材に衝突もしくは粒子相互に衝突させ、その衝撃による衝撃力によって粉砕を行うジェットミルや、ハンマー、ブレード、ピンなどを固設したローターの回転による衝撃力を利用して被砕物を粉砕するハンマーミル、ピンミル、ディスクミルや、剪断力を利用するコロイドミルや高圧湿式対向衝突式分散機「アルティマイザー」などを用いて微粉砕することができる。
粉砕は、湿式、乾式共に用いることができる。さらに微粉砕するには、例えば、湿式のビーズミルを用い、ビーズの径を段階的に小さくすること等により非常に細かい粒子を得ることができる。また、粉砕後に粒度分布を整えるため、乾式分級や湿式分級もしくはふるい分け分級を用いることができる。乾式分級は、主として気流を用い、分散、分離(細粒子と粗粒子の分離)、捕集(固体と気体の分離)、排出のプロセスが逐次もしくは同時に行われ、粒子相互間の干渉、粒子の形状、気流の乱れ、速度分布、静電気の影響などで分級効率を低下させないように、分級をする前に前処理(水分、分散性、湿度などの調整)を行うか、使用される気流の水分や酸素濃度を調整して行う。乾式で分級機が一体となっているタイプでは、一度に粉砕、分級が行われ、所望の粒度分布とすることが可能となる。
別の所定の粒子径のSi化合物を得る方法としては、プラズマやレーザー等でSi化合物を加熱して蒸発させ、不活性ガス中で凝固させて得る方法、ガス原料を用いてCVDやプラズマCVD等で得る方法があり、これらの方法は0.1μm以下の超微粒子を得るのに適している。
原料の炭素前駆体としては、炭素を主体とする炭素系化合物で、不活性ガス雰囲気中での熱処理により炭素質物になるものであれば特に限定はなく、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、合成ピッチ、タール類、セルロース、スクロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフリルアルコール、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が使用できる。さらに、後述する複合粒子を形成する工程において、粉砕された粒子が再結着して略球状の複合粒子を形成することができる点で、強い結着力を有する炭素前駆体を用いることが好ましい。特に、前記炭素前駆体が炭素系化合物であり、その重量平均分子量(Mw)が1000以下である場合に強い結着力を発現するため好ましい。
原料である黒鉛は、天然黒鉛、石油や石炭のピッチを黒鉛化した人造黒鉛等が利用でき、鱗片状、小判状もしくは球状、円柱状もしくはファイバー状等が用いられる。また、それらの黒鉛を酸処理、酸化処理した後、熱処理することにより膨張させて黒鉛層間の一部が剥離してアコーディオン状となった膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物、または超音波等により層間剥離させたグラフェン等も用いることができる。膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物はその他の黒鉛に比べて可とう性に優れており、後述する複合粒子を形成する工程において、粉砕された粒子が再結着して略球状の複合粒子を容易に形成することができる。上記の点で、膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物を用いることが好ましい。原料の黒鉛は予め混合工程で使用可能な大きさに整えて使用し、混合前の粒子サイズとしては天然黒鉛や人造黒鉛では1〜100μm、膨張黒鉛もしくは膨張黒鉛の粉砕物、グラフェンでは5μm〜5mm程度である。
これらのSi化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛との混合は、炭素前駆体が加熱により軟化、液状化するものである場合は、加熱下でSi化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛を混練することによって行うことができる。また、炭素前駆体が溶媒に溶解するものである場合には、溶媒にSi化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛を投入し、炭素前駆体が溶解した溶液中でSi化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛を分散、混合し、次いで溶媒を除去することで行うことができる。用いる溶媒は、炭素前駆体を溶解できるものであれば特に制限なく使用できる。例えば、炭素前駆体としてピッチ、タール類を用いる場合には、キノリン、ピリジン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、クレオソート油等が使用でき、ポリ塩化ビニルを用いる場合には、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ニトロベンゼン等が使用でき、フェノール樹脂、フラン樹脂を用いる場合には、エタノール、メタノール等が使用できる。
混合方法としては、炭素前駆体を加熱軟化させる場合は、混練機(ニーダー)を用いることができる。溶媒を用いる場合は、上述の混練機の他、ナウターミキサー、レーディゲミキサー、ヘンシェルミキサ、ハイスピードミキサー、ホモミキサー等を用いることができる。また、これらの装置でジャケット加熱したり、その後、振動乾燥機、パドルドライヤーなどで溶媒を除去する。
これらの装置で、炭素前駆体を固化、または、溶媒除去の過程における撹拌をある程度の時間続けることで、Si化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛との混合物は造粒・圧密化される。また、炭素前駆体を固化、または溶媒除去後の混合物をローラーコンパクタ等の圧縮機によって圧縮し、解砕機で粗粉砕することにより、造粒・圧密化することができる。これらの造粒・圧密化物の大きさは、その後の粉砕工程での取り扱いの容易さから0.1〜5mmが好ましい。
造粒・圧密化物の粉砕方法は、圧縮力を利用して被砕物を粉砕するボールミル、媒体撹拌ミルや、ローラによる圧縮力を利用して粉砕を行うローラミルや、被砕物を高速で内張材に衝突もしくは粒子相互に衝突させ、その衝撃による衝撃力によって粉砕を行うジェットミルや、ハンマー、ブレード、ピンなどを固設したローターの回転による衝撃力を利用して被砕物を粉砕するハンマーミル、ピンミル、ディスクミル等の乾式の粉砕方法が好ましい。また、粉砕後に粒度分布を整えるため、風力分級、ふるい分け等の乾式分級が用いられる。粉砕機と分級機が一体となっているタイプでは、一度に粉砕、分級が行われ、所望の粒度分布とすることが可能となる。
粉砕して得られた複合粒子は、アルゴンガスや窒素ガス気流中、もしくは真空など不活性雰囲気中で焼成する。焼成温度は600〜1200℃とすることが好ましい。焼成温度が600℃未満であると、炭素前駆体由来の非晶質炭素の不可逆容量が大きく、またサイクル特性が悪いため、電池の特性が低下する傾向にある。一方、焼成温度が1200℃を超える場合、Si化合物と炭素前駆体由来の非晶質炭素や黒鉛との反応が起こる可能性が強くなり、放電容量の低下が発生する傾向にある。
本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法は、Si化合物、炭素前駆体、さらに必要に応じて黒鉛を、該炭素前駆体が溶解する溶媒に混合分散する工程と、造粒・厚密化する工程と、粉砕および球形化処理して形状が丸みを帯びた複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程を含むことが好ましい。
造粒・圧密化物を粉砕して球形化処理を施す方法としては、上述の粉砕方法により粉砕して粒度を整えた後、専用の球形化装置を通す方法と、上述のジェットミルやローターの回転による衝撃力を利用して被砕物を粉砕する方法を繰り返す、もしくは処理時間を延長することで球形化する方法がある。専用の球形化装置としては、ホソカワミクロン社のファカルティ(登録商標)、ノビルタ(登録商標)、メカノフュージョン(登録商標)、日本コークス工業社のCOMPOSI、奈良機械製作所社のハイブリダイゼーションシステム、アーステクニカ社のクリプトロンオーブ、クリプトロンエディ等が挙げられる。
また、本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法は、Si化合物、炭素前駆体、膨張黒鉛または薄片状黒鉛を、該炭素前駆体が溶解する溶媒に混合分散する工程と、造粒・厚密化する工程と、粉砕および球形化処理して略球状の複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程を含むことが好ましい。
膨張黒鉛や薄片状黒鉛は、天然黒鉛や人造黒鉛を酸処理、酸化処理した酸処理黒鉛を原料とする。膨張黒鉛は、酸処理黒鉛を熱処理することにより膨張させて黒鉛層間の一部が剥離してアコーディオン状となったものである。また、膨張黒鉛の粉砕物、もしくは超音波等により層間剥離させたグラフェンが薄片状黒鉛である。膨張黒鉛においては、酸処理を十分に行い、熱処理の温度勾配を大きくすることで大きく膨張させることが可能であり、混合分散を十分に行うことで出来上がった負極活物質の黒鉛薄層の厚みを薄くできるため、良好な電気伝導性、サイクル特性を得ることができる。
このようにして得られる本発明のリチウムイオン2次電池用負極活物質は、リチウム2次電池の負極材料として用いることができる。
本発明の負極活物質は、例えば、有機系結着剤、導電助剤および溶剤と混練して、シート状、ペレット状等の形状に成形するか、または集電体に塗布し、該集電体と一体化してリチウム2次電池用負極とされる。
有機系結着剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンポリマー、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イオン導電性の大きな高分子化合物が使用できる。イオン導電率の大きな高分子化合物としては、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロロヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド等が使用できる。有機系結着剤の含有量は、負極材全体に対して3〜20重量%含有させることが好ましい。また、有機系結着剤の他に粘度調整剤として、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、その他のアクリル系ポリマー、または脂肪酸エステル等を添加しても良い。
導電助剤の種類は特に限定はなく、構成された電池において、分解や変質を起こさない電子伝導性の材料であれば良く、具体的にはAl,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Ag,Sn,Si等の金属粉末や金属繊維、または天然黒鉛、人造黒鉛、各種のコークス粉末、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、各種の樹脂焼成体等の黒鉛などを用いることができる。導電助剤の添加量は、負極材全体中に対して0〜20重量%であり、さらには1〜10重量%が好ましい。導電助剤量が少ないと、負極材の導電性に乏しい場合があり、初期抵抗が高くなる傾向がある。一方、導電助剤量の増加は電池容量の低下につながるおそれがある。
前記溶剤としては特に制限はなく、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、純水等が挙げられ、その量に特に制限はない。集電体としては、例えばニッケル、銅等の箔、メッシュなどが使用できる。一体化は、例えばロール、プレス等の成形法で行うことができる。
このようにして得られた負極は、セパレータを介して正極を対向して配置し、電解液を注入することにより、従来のシリコンを負極材料に用いたリチウム2次電池と比較して、サイクル特性に優れ、高容量、高初期効率という優れた特性を有するリチウム2次電池を作製することができる。
正極に用いられる材料については、例えばLiNiO、LiCoO、LiMn、LiNiMnCo1−x−y、LiFePO、Li0.5Ni0.5Mn1.5、LiMnO−LiMO(M=Co,Ni,Mn)等を単独または混合して使用することができる。
電解液としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSOCF等のリチウム塩を、例えばエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート等の非水系溶剤に溶解させた、いわゆる有機電解液を使用することができる。さらには、イミダゾリウム、アンモニウム、およびピリジニウム型のカチオンを用いたイオン液体を使用することができる。対アニオンは特に限定はなく、BF 、PF 、(CFSO等が挙げられる。イオン液体は前述の有機電解液溶媒と混合して使用することが可能である。電解液には、ビニレンカーボネートやフロロエチレンカーボネートの様なSEI(固体電解質界面層)形成剤を添加することもできる。
また、上記塩類をポリエチレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド等やこれらの誘導体、混合物、複合体等に混合された固体電解質を用いることもできる。この場合、固体電解質はセパレータも兼ねることができ、セパレータは不要となる、セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムまたはこれらを組み合わせたものを使用することができる。
本発明によれば、複合粒子を、高いかさ密度を有する略球形状粒子にすることにより、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性を有する負極形成に適した負極活物質が得られる。また、微粒子のシリコンによる粒子当たりの膨張体積の低減と、炭素質物の複合化によって、電解液とシリコンの反応を抑えることにより優れたサイクル特性と高い初期効率が得られる。
実施例1で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 実施例1で得られた負極活物質粒子断面のFE−SEMによる2次電子像である。 実施例2で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 実施例3で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 実施例3で得られた負極活物質粒子断面のFE−SEMによる2次電子像である。 実施例4で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 実施例5で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 実施例6で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 比較例1で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 比較例2で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。 比較例3で得られた負極活物質粒子のSEMによる2次電子像である。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに25重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)が0.3μm、乾燥時のBET比表面積が60m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.5mm((200)面方向の幅)、厚み0.02mmの天然黒鉛を、濃硫酸に硝酸ナトリウム1重量%、過マンガン酸カリウム7重量%を添加した液に24時間浸漬し、その後、水洗して乾燥し、酸処理黒鉛を得た。この酸処理黒鉛を振動粉末供給器に入れ、10L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径11mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.5mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは4mmと200倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを24g、上記膨張黒鉛を12g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=460)を5g、エタノール1.6Lを撹拌容器に入れて、15分間の超音波処理後、ホモミキサーで30分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で65℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに2日間乾燥して、20gの混合乾燥物(軽装かさ密度67g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、粒度2mm、軽装かさ密度385g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度650g/Lの球形化粉末を得た。得られた粉末をアルミナボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成した。その後、目開き45μmのメッシュを通し、平均粒径(D50)が19μm、軽装かさ密度が761g/Lの負極活物質を得た。
図1に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球形状となっており、その平均円形度は0.74であり、扁平状微粒子の含有率は0重量%であった。
図2に、得られた負極活物質粒子をイオンビームで切断した断面のFE−SEMによる2次電子像を示す。負極活物質粒子は略球状となっており、負極活物質粒子内部は0.05〜0.2μmの長さのSiの微粒子が炭素質物と共に0.02〜0.2μmの厚みの黒鉛薄層(11)の間(13)(隙間は0.05〜1μm)に挟まった構造が網目状に広がり、積層していた。炭素質物はSiの微粒子に密着して覆っていた。また、活物質粒子の表面付近では、黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆っていた。
窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は50m/gであった。粉末X線回折では黒鉛の(002)面に対応する回折線が見られ、d002は0.336nmであった。また、その付近に炭素質物の非晶質炭素化に由来する非常にブロードな回折線が観察された。Siの(100)面に対応する回折線が見られ、d002は0.314nmであった。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.2重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.6重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.6重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.6重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が3.5mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが29μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒を使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
「評価条件」
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
実施例2
実施例1と同様に製造した超微粒子Siスラリーを36g、膨張黒鉛を18g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=490)を7.5g、エタノール2.4Lを撹拌容器に入れて、15分間の超音波処理を行った。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で50℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに2日間乾燥して、32gの混合乾燥物(軽装かさ密度66g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、粒度2mm、軽装かさ密度340g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度490g/Lの球形化粉末を得た。
得られた粉末をアルミナボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成した。その後、目開き45μmのメッシュを通し、平均粒径(D50)が9μm、軽装かさ密度567g/Lの負極活物質を得た。
図3に、得られた負極活物質のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球形状となっており、その平均円形度は0.77であり、扁平状微粒子の含有率は0重量%であった
窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は47m/gであった。粉末X線回折では黒鉛の(002)面に対応する回折線が見られ、d002は0.336nmであった。また、その付近に炭素質物の非晶質炭素化に由来する非常にブロードな回折線が観察された。Siの(100)面に対応する回折線が見られ、d002は0.314nmであった。
得られた負極活物質を用いたリチウムイオン2次電池を以下のようにして作製した。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を90.9重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.4重量%と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)8.7重量%、NMPとを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が1.8mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが17μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、16mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒を使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置に接続した。
「評価条件」
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、1.4mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、1.4mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
実施例3
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに21重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)0.3μm、乾燥時のBET比表面積が100m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.3mm((200)面方向の幅)、厚み10μmの酸処理した天然黒鉛を振動粉末供給器に入れ、12L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径20mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.3mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは2.4mmと240倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを95.7g、上記膨張黒鉛を37.5g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=370)を23.5g、エタノール5Lを撹拌容器に入れ、ホモミキサーで60分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で60℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに1日間乾燥して、80gの混合乾燥物(軽装かさ密度87g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密度528g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度633g/L、得られた粉末を石英
ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成した。その後、目開き45μmのメッシュを通し、平均粒径(D50)が17.5μm、軽装かさ密度が807g/Lの複合粒子を得た。
この複合粒子を風力分級装置(ホソカワミクロン製 ATP−20)に投入し、分級機回転速度60,000rpm、風量8m/mにて分級し、集塵バグフィルターで微粒粉を捕捉し、平均粒径(D50)が4.8μm、軽装かさ密度が204g/Lの負極活物質を得た。図4に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状粒子の他に扁平状微粒子が含まれており、平均円形度は0.75であり、扁平状微粒子の含有率は77.9重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は56m/gであった。
図5に、得られた負極活物質粒子をイオンビームで切断した断面のFE−SEMによる2次電子像を示す。負極活物質粒子は略球状粒子と扁平状微粒子から構成されており、略球状粒子内部はSiの微粒子が炭素質物と共に黒鉛薄層に挟まった構造が網目状に広がり、積層していた。炭素質物はSiの微粒子に密着して覆っていた。また、活物質粒子の表面付近では、黒鉛薄層が湾曲して活物質粒子を覆っていた。扁平状微粒子は積層数は少ないが上記略球状粒子と同様な構造であり、その表面は黒鉛薄層もしくは炭素物質に覆われている。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.4重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.6重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が1.5mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが16μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、にFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPFを1.2vol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
実施例4
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに24重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)0.3μm、乾燥時のBET比表面積が100m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.3mm((200)面方向の幅)、厚み10μmの酸処理した天然黒鉛を振動粉末供給器に入れ、12L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径20mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.3mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは2.4mmと240倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを98.8g、上記膨張黒鉛を48.0g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=370)を20.0g、エタノール5.9Lを撹拌容器に入れ、ホモミキサーで90分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で60℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに1日間乾燥して、86gの混合乾燥物(軽装かさ密度77g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密度303g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度478g/Lの球形化粉末を得た。得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成した。その後、目開き45μmのメッシュを通し、平均粒径(D50)が16.5μm、軽装かさ密度が573g/Lの複合粒子を得た。
この複合粒子を風力分級装置(ホソカワミクロン製 ATP−50)に投入し、分級機回転速度18、000rpm、風量1.6m/min、サイクロン捕集機にて微粒粉を捕捉し、それぞれ、平均粒径(D50)が5.9μm、軽装かさ密度が293g/L及びの負極活物質を得た。図6に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状粒子の他に扁平状微粒子が含まれており、平均円形度は0.74であり,扁平状微粒子の含有率は1.8重量%であった。
窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は30m/gであった。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.6重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.4重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が2.5mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが21μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加材にFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPFを1.2vol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
実施例5
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに25重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)0.4μm、乾燥時のBET比表面積が60m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.15mm((200)面方向の幅)、厚み10μm、純度99.9重量%以上であり、S量が0.3重量%以下の酸処理した高純度天然黒鉛を振動粉末供給器に入れ、12L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径11mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.15mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは0.4mmと40倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを466.4g、上記膨張黒鉛を426.2g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=460)を86.5g、エタノール6.4Lを撹拌容器に入れ、インラインミキサーで26分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で60℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに1日間乾燥して、588gの混合乾燥物(軽装かさ密度170g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密308g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度437g/Lの球形化粉末を得た。
得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成し、軽装かさ密度が549g/Lの複合粒子を得た。この複合粒子を風力分級装置(ホソカワミクロン製 ATP−50)に投入し、分級機回転速度5000rpm、風量1.6m/min、サイクロン捕集機にて微粒粉を捕捉し、平均粒径(D50)が10.0μm、軽装かさ密度が558g/Lの負極活物質を得た。図7に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状粒子の他に扁平状微粒子が含まれており、平均円形度は0.70であり、扁平状微粒子の含有率は1.2重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は29.0m/gであった。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.4重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.6重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が3.0mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが22μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加材にFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPFを1.2mol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
実施例6
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに25重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)0.4μm、乾燥時のBET比表面積が60m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.15mm((200)面方向の幅)、厚み10μm、純度99.9重量%以上であり、S量が0.3重量%以下の酸処理した高純度天然黒鉛を振動粉末供給器に入れ、12L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径11mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.15mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは0.4mmと40倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを145.7g、上記膨張黒鉛を133.2g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=460)を27g、エタノール2Lを撹拌容器に入れ、インラインミキサーで8.25分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で60℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに1日間乾燥して、188gの混合乾燥物(軽装かさ密度132g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密235g/Lに造粒・圧密化した。
次に、この造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで900秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度476g/Lの球形化粉末を得た。
得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成し、軽装かさ密度が641g/Lの複合粒子を得た。その後、目開き45μmのメッシュを通し、平均粒径(D50)が17.6μm、軽装かさ密度が629g/Lの負極活物質を得た。図8に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状粒子の他に扁平状微粒子が含まれており、平均円形度は0.72であり、扁平状微粒子の含有率は1.1重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は37m/gであった。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.4重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.6重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が3.6mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが36μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加材にFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPFを1.2mol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
比較例1
混合工程において、超微粒子Siスラリーを36g、膨張黒鉛を18g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=3.6×10)を7.5g、エタノール2.4Lを撹拌容器に入れて、工程を実施した以外は実施例2と同様の方法で平均粒径(D50)が4.2μm、軽装かさ密度250g/Lの球形化粉末を得た。
この球形化粉末から実施例2と同様の方法で負極活物質、負極、評価用セルの順に作製し、セル評価した。
図9に、得られた負極活物質のSEM像を示す。粒子は略球状にはならず、微細な粉末と扁平状粒子となっており、その平均円形度は0.65であり、扁平状微粒子の含有率は0.3重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は33m/gであった。
得られた負極活物質を用いたリチウムイオン2次電池を以下のようにして作製した。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を90.8重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてPVDF8.7重量%、NMPとを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が2.2mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが17μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、16mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒を使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置に接続した。
「評価条件」
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、1.4mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、1.4mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
比較例2
平均粒径(D50)が7μmのケミカルグレードの金属Si(純度3N)をエタノールに23重量%混合し、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた微粉砕湿式ビーズミルを6時間行い、平均粒径(D50)0.3μm、乾燥時のBET比表面積が100m/gの超微粒子Siスラリーを得た。
粒子径0.3mm((200)面方向の幅)、厚み10μmの酸処理した天然黒鉛を振動粉末供給器に入れ、12L/分の流量の窒素ガスに乗せて電気ヒーターで850℃に加熱した長さ1m、内径20mmのムライト管に通し、端面から大気に放出し、亜硫酸等のガスを上部に排気、下部に膨張黒鉛をステンレス容器で捕集した。膨張黒鉛の(200)面方向の幅は0.3mmで元の黒鉛の値を保っていたが、厚みは2.4mmと240倍に膨張し、外観はコイル状であり、SEM観察で黒鉛層が剥離し、アコーディオン状であることが確認された。
上記超微粒子Siスラリーを102.6g、上記膨張黒鉛を48.0g、レゾール型のフェノール樹脂(重量平均分子量(Mw)=370)を20.0g、エタノール5.9Lを撹拌容器に入れ、ホモミキサーで90分混合撹拌した。その後、混合液をロータリーエバポレーターに移し、回転しながら温浴で60℃に加熱し、アスピレータで真空に引き、溶媒を除去した。その後、ドラフト中でバットに広げて排気しながら2時間乾燥し、目開き2mmのメッシュを通し、さらに1日間乾燥して、86gの混合乾燥物(軽装かさ密度66g/L)を得た。
この混合乾燥物を3本ロールミルに2回通し、目開き1mmの篩を通し、軽装かさ密度287g/Lに造粒・圧密化した後、大気中150℃の温度で2時間の加熱処理を行った。
次に、この加熱処理した造粒・圧密化物をニューパワーミルに入れて水冷しながら、21000rpmで300秒粉砕し、同時に球形化し、軽装かさ密度225g/Lの球形化粉末を得た。得られた粉末を石英ボートに入れて、管状炉で窒素ガスを流しながら、最高温度900℃で1時間焼成した後、目開き45μmのメッシュを通して複合粒子を得た。
この複合粒子を風力分級装置(ホソカワミクロン製 ATP−50)に投入し、分級機回転速度18、000rpm、風量1.6m/min、サイクロン捕集機にて微粒粉を捕捉し、それぞれ、平均粒径(D50)が4.3μm、軽装かさ密度が270g/L及びの負極活物質を得た。図10に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状粒子の他に扁平状微粒子が含まれており、平均円形度は0.56であり、扁平状微粒子の含有率は30.9重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は47m/gであった。
「リチウムイオン2次電池用負極の作製」
得られた負極活物質を95.5重量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)に対して、導電助剤としてアセチレンブラック0.5重量%と、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.5重量%とスチレンブタジエンゴム(SBR)2.5重量%、水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が3.1mg/cmになるように厚みが18μmの銅箔に塗布し、110℃で真空乾燥機にて0.5時間乾燥した。乾燥後、14mmφの円形に打ち抜き、圧力0.6t/cmの条件で一軸プレスし、さらに真空下、110℃で3時間熱処理して、厚みが28μmの負極合剤層を形成したリチウムイオン2次電池用負極を得た。
「評価用セルの作製」
評価用セルは、グローブボックス中でスクリューセルに上記負極、24mmφのポリプロピレン製セパレータ、21mmφのガラスフィルター、18mmφで厚み0.2mmの金属リチウムおよびその基材のステンレス箔を、各々、電解液にディップしたのち、この順に積層し、最後に蓋をねじ込み作製した。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1の混合溶媒とし、添加材にFEC(フルオロエチレンカーボネイト)とし、LiPFを1.2vol/Lの濃度になるように溶解させたものを使用した。評価用セルは、さらにシリカゲルを入れた密閉ガラス容器に入れて、シリコンゴムの蓋を通した電極を充放電装置(北斗電工製SM−8)に接続した。
評価用セルは25℃の恒温室にて、サイクル試験した。充電は、2.2mAの定電流で0.01Vまで充電後、0.01Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2.2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。初回放電容量と初期充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル特性は、前記充放電条件にて30回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量と比較し、その容量維持率として評価した。
比較例3
実施例3で得られた焼成粉を目開き45μmの篩をかけた際に、得られた45μm以上の粒子を、目開き53μmのメッシュを通し、平均粒径が(D50)が54.8μm、軽装かさ密度935g/Lの複合粒子を得た。図11に、得られた負極活物質粒子のSEM像を示す。負極活物質粒子黒鉛薄層(12)が湾曲して活物質粒子を覆った略球状形状となっており、その平均円形度は0.73であり、扁平状微粒子の含有量は0重量%であった。窒素ガスを用いたBET法によるBET比表面積は92m/gであった。
実施例1〜6の結果と比較例1〜3の結果を表1に示す。
Figure 0006759527
表1から明らかなように、実施例1〜2のリチウムイオン2次電池は、高容量で、初期充放電効率が高く、充放電サイクル特性が良好である。
実施例3〜6の扁平状微粒を子1%以上80%以下含む負極活物質を使用した、リチウムイオン二次電池は、実施例1〜2よりさらに充放電サイクル特性は良好である。また実施例5及び6では高純度黒鉛をその原料として使用しているため、初期充放電効率がさらに高い値となっている。
これに対し、比較例1のリチウムイオン2次電池は、平均円形度が低いため、そのサイクル維持率は実施例1〜6より劣る。比較例2のリチウムイオン2次電池は適当量の扁平状微粒子を含んでいるが、平均円形度が低いため、充放電サイクル特性が同じ扁平状粒子を特定量含む実施例3〜5より劣る。また比較例3は複合粒子の粒径が大きすぎるため、電極形成が出来ず、評価不可能であった。
本発明であるリチウムイオン2次電池負極活物質およびその製造方法は、高容量で長寿命が必要とされるリチウムイオン2次電池に利用することができる。
11 負極活物質内部の黒鉛薄層
12 負極活物質表面付近の黒鉛薄層
13 Si微粒子と炭素質物の層

Claims (13)

  1. 平均粒径(D50)が0.01〜5μmであるSiまたはSi合金10〜80重量%と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを、含んでなるリチウムイオン2次電池用負極活物質において、
    該負極活物質の平均粒径(D50)が1〜10μmであり、
    かつSEM像観察により計測された短軸長1μm未満の扁平状微粒子を除いた平均円形度が0.7〜1.0であり、SiまたはSi合金と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを、含んでなる略球状の複合粒子と、SEM像観察により計測された短軸長1μm未満の複合粒子であり、SiまたはSi合金と、炭素質物または炭素質物と黒鉛とを、含んでなる扁平状微粒子を1重量%以上、80重量%以下含む複合粒子である該負極活物質であり、
    略球状の複合粒子内部はSiまたはSi合金の微粒子が炭素質物と共に黒鉛の薄層に挟まった構造が網目状に広がり、積層しており、その炭素質物はSiまたはSi合金の微粒子に密着して覆ってい
    ことを特徴とするリチウムイオン2次電池用負極活物質
  2. 前記SiまたはSi合金の平均粒径(D50)が0.01〜1μmであり、炭素質物が少なくとも活物質表面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質。
  3. 該黒鉛は、ICP発光分光分析法による26元素(Al、Ca、Cr、Fe、K、Mg、Mn、Na、Ni、V、Zn、Zr、Ag、As、Ba、Be、Cd、Co、Cu、Mo、Pb、Sb、Se、Th、Tl、U)の不純物半定量値より求めた純度が99.9重量%以上、若しくは不純物量1000ppm以下で酸素フラスコ燃焼法によるイオンクロマトグラフィー(IC)測定法によるS量が0.3重量%以下、及び/又はBET比表面積40m /g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質。
  4. 前記SiまたはSi合金の含有量が10〜80重量%、前記炭素質物の含有量が90〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質。
  5. 前記SiまたはSi合金の含有量が10〜60重量%、前記炭素質物の含有量が5〜40重量%、前記黒鉛の含有量が20〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質。
  6. BET比表面積が0.5〜80m /gであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質。
  7. SiまたはSi合金、炭素前駆体、および黒鉛を混合する工程と、造粒・圧密化する工程と、混合物を粉砕および球形化処理して略球状の複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性ガス雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  8. 球形化処理において、粉砕された粒子を再結着させて略球状の複合粒子を形成することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  9. SiまたはSi合金、炭素前駆体、および黒鉛を混合する工程と、造粒・圧密化する工程と、混合物を粉砕および球形化処理して略球状の複合粒子を形成する工程と、該複合粒子を不活性ガス雰囲気中で焼成する工程と、粉砕および球形処理した粉体、もしくは焼成粉を風力分級する工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  10. 球形化処理において、粉砕された粒子を再結着させて略球状の複合粒子と扁平状微粒子を形成することもしくは略球状複合粒子と扁平状微粒子を混合、撹拌、分級することを特徴とする請求項9に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  11. 炭素前駆体が、重量平均分子量(Mw)1000以下の炭素系化合物であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  12. 黒鉛が、膨張黒鉛または薄片状黒鉛であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
  13. 複合粒子を不活性雰囲気中で焼成する工程の温度が、600〜1200℃であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン2次電池用負極活物質の製造方法。
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