JP5903959B2 - 非水系二次電池用炭素材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用炭素材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、小粒径で比表面積が大きく、しかもタッピング密度が高く、高出力・高極板強度を達成できる負極を製造可能な非水系二次電池用炭素材、当該炭素材を用いて得られた非水系二次電池用負極、及び当該負極を有する非水系二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池に対する需要が高まってきている。特に、ニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高く、大電流充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池等の非水系二次電池が注目されてきている。
非水系二次電池の炭素材として黒鉛を使用することが知られている。特に、黒鉛化度の大きい黒鉛を非水系二次電池用の炭素材として用いると、黒鉛のリチウム吸蔵の理論容量である372mAh/gに近い容量が得られ、さらに、このような炭素材はコスト・耐久性にも優れることから、負極用活物質として好ましいことが知られている。
この黒鉛について従来、その粒径を小さくすれば黒鉛粒子の比表面積が大きくなるので、得られる非水系二次電池が高出力になることが知られている。
しかしながら、従来の技術では、小粒径にすると比表面積が大きくなるが、その一方で炭素材のタッピング密度が上がらなくなってしまい(例えば特許文献1の表4)、そのような炭素材を含むスラリーを集電体である極板に塗布できない、又は仮に極板に塗布できたとしても極板密度が低くなってしまい、出力及び強度が不十分な二次電池となってしまう。すなわち、タッピング密度を維持したまま炭素材を小粒径にすることができないため、従来、黒鉛を小粒径にして比表面積を高くすることによる非水系二次電池の出力の向上効果というものは、さして大きなものではなく、また電池の強度の点からも問題があった。
このため小粒径の黒鉛含有炭素材に関して、その商業化は困難であると考えられていた。また、小粒径にしても、製造方法によっては高い比表面積を達成することができないこともある(特許文献2)。
特許第3534391号公報 特表2008−542981号公報
そこで本発明は、小粒径で比表面積が大きいにも関わらず、高いタッピング密度を同時に達成した非水系二次電池用炭素材、当該炭素材を用いて製造される非水系二次電池用負極、並びに当該負極を有する高出力かつ高極板強度の非水系二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、黒鉛を特定の操作により小粒径化することによって、タッピング密度及び比表面積が高く且つ小粒径の黒鉛を含む非水系二次電池用炭素材を開発することに成功した。
即ち本発明の要旨は、
レーザー回折式粒度分布計を用いて測定された平均粒径(d50)が1μm以上9μm以下であり、タッピング密度が0.9g/cm以上1.3g/cm以下であり、BET法により測定した比表面積(SA)が8m2/g以上60m2/g以下である黒鉛を含む非水系二次電池用炭素材
に存する。
本発明によれば、従来望まれていた高出力・高極板強度という効果を併せ持つ非水系二次電池を提供することのできる非水系二次電池用炭素材、当該炭素材を用いて得られる非水系二次電池用負極、並びに当該負極を有する非水系二次電池が提供される。
比較例1で使用した球形化天然黒鉛(A)のSEM写真を示す。 実施例1で調製した球形化天然黒鉛(B)のSEM写真を示す。 比較例2で使用した鱗片状天然黒鉛(C)のSEM写真を示す。 実施例における、実施例1の黒鉛を使用して作製された負極のSEM写真を示す。 実施例における、比較例1の黒鉛を使用して作製された負極のSEM写真を示す。
以下、本発明の内容を詳細に述べる。なお、以下に記載する発明の構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨をこえない限り、これらの形態に特定されるものではない。
[非水系二次電池用炭素材]
本発明の非水系二次電池用炭素材(以下単に「本発明の炭素材」ともいう。)は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定された平均粒径(d50)、タッピング密度及びBET法により測定した比表面積(SA)が特定の範囲にある黒鉛を含むことを特徴としている。以下前記黒鉛に関するこれらの特性について順に説明する。
<黒鉛の種類>
黒鉛の形状は特に制限されず、球状、薄片状、繊維状、不定形粒子などから適宜選択して用いることができるが、好ましくは球状である。
黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛の何れを用いてもよい。黒鉛としては、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
前記天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。前記人造黒鉛としては、ピッチ原料を高温熱処理して製造した、コークス、ニードルコークス、高密度炭素材料等の黒鉛質粒子が挙げられる。好ましくは、低コストと電極作製のし易さの点で、天然黒鉛である。
天然黒鉛の中でも、本発明の効果を発揮する観点から、好ましくは球形化黒鉛であり、より好ましくは球形化天然黒鉛、更に具体的には、鱗片状黒鉛に球形化処理を施した球形化天然黒鉛であり、高純度化する工程を含むことが好ましい。球形化処理の方法等に関しては後述する。
<平均粒径(d50)>
本発明の炭素材を構成する黒鉛は、そのレーザー回折式粒度分布計を用いて測定された体積基準の平均粒径(d50)が1m以上9μm以下である。レーザー回折式粒度分布計による粒径の測定方法の詳細は、後述の実施例において述べる。
前記黒鉛はd50がこのように小さい範囲にあるため、比表面積が高く、なおかつ小粒径であるにもかかわらずタッピング密度が高いので、本発明の炭素材を使用して得られる非水系二次電池において、優れた極板強度及び炭素材の高い比表面積に基づく高出力が達成される。
なお、d50が1μm未満の黒鉛の製造は極めて困難であり、一方d50が9μmを超えると、電池において高出力特性が得られない。これらの観点から、d50は好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは6μm以上である。一方、好ましくは8.5μm以下、より好ましくは8μm以下である。
<タッピング密度>
本発明の炭素材を構成する黒鉛のタッピング密度は、0.9g/cm以上1.3g/cm以下と、前述の通り黒鉛のd50が高いにもかかわらず、高い数値を維持している。このため本発明の炭素材を使用して、極板強度及び出力に優れる非水系二次電池を得ることができる。なお、タッピング密度の測定方法については、後述の実施例において詳細に説明する。
前記黒鉛のタッピング密度が0.9g/cm未満であると、十分な極板強度及び出力が得られず、一方タッピング密度が1.3g/cmを超えると、本発明の炭素材の工業的生産性が低くなり、その生産コストが高くなってしまう。これらの観点から、タッピング密度は好ましくは、1.2g/cm以下、より好ましくは1.1g/cm以下である。
<BET法比表面積(SA)>
本発明の炭素材を構成する黒鉛のBET法により測定した比表面積(SA)は、8m2/g以上60m2/g以下と高く、前記炭素材から高出力の非水系二次電池が得られる。なお、BET法による比表面積の測定方法の詳細は、後述の実施例において述べる。
なお、前記SAが8m2/g未満であると、電池において高出力特性が得られにくく、一方60m2/gを超えると、不可逆容量が大きくなり、電池容量が減少する懸念がある。これらの観点から、前記黒鉛のSAは好ましくは9m/g以上、より好ましくは10m2/g以上、好ましくは30m/g以下、より好ましくは20m/g以下、更に好ましくは18m2/g以下である。
さらに本発明の炭素材を構成する黒鉛は、以下の特性のいずれか1つ以上を満たしていることが好ましい。
<X線パラメータ>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の、学振法によるX線広角回折測定で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)は、通常0.337nm以下である。d002値が大きすぎるということは結晶性が低いことを示し、非水系二次電池とした場合に初期不可逆容量が増加する場合がある。一方黒鉛の002面の面間隔の理論値は0.335nmであるため、前記d値は通常0.335nm以上である。
また、学振法によるX線広角回折測定で求めた前記黒鉛の結晶子サイズ(Lc)は、本発明の効果を得るためには、100nm以上である。この範囲を下回ると、結晶性が低い粒子となり、非水系二次電池とした場合に可逆容量が減少してしまう可能性がある。
<粒径d10>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の粒径の、小粒子側からの10%積算部に相当する粒径(d10)は、通常8μm以下、好ましくは6μm以下であり、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上である。
d10が小さすぎると、粒子の凝集傾向が強くなり、スラリー粘度上昇などの工程不都合の発生、非水系二次電池における極板強度の低下や初期充放電効率の低下を招く場合がある。一方d10が大きすぎると高電流密度充放電特性の低下、低温入出力特性の低下を招く場合がある。
<粒径d90>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定した体積基準の粒径の、小粒子側からの90%積算部に相当する粒径(d90)は、通常15μm以下、好ましくは12μm以下、より好ましくは11μm以下であり、通常3μm以上、好ましくは6μm以上、より好ましくは8μm以上である。
d90が小さすぎると、非水系二次電池における極板強度の低下や初期充放電効率の低下を招く場合があり、一方大きすぎるとスラリーの塗布時の筋引きなどの工程不都合の発生、高電流密度充放電特性の低下、低温入出力特性の低下を招く場合がある。
<d90/d10の比>
本発明の炭素材を構成する黒鉛のd90/d10の比は、好ましくは1以上より好ましくは1.5以上、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。
d90/d10が1以上4以下ということは、前記黒鉛の粒度分布がシャープであるということであり、これによりスラリーの塗布密度が向上して、電極作製におけるプレス時の炭素材へのダメージが軽減でき、本発明による高入出力の効果が得やすい。一方d90/d10が4を超えると、微粉等の凝集による塗布時のすじ引きが起こる場合がある。
<灰分>
本発明の炭素材を構成する黒鉛に含まれる灰分は、黒鉛の全質量に対して、通常1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であり、0.1質量%以下であることがより好ましい。また、灰分の下限は1ppmであることが好ましい。
灰分が前記の範囲を上回ると、非水系二次電池とした場合に、充放電時の炭素材と電解液との反応による電池性能の劣化が無視できなくなる場合がある。一方前記の範囲を下回ると、炭素材の製造に多大な時間とエネルギーと汚染防止のための設備とを必要とし、製造コストが上昇する場合がある。
<配向比>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の配向比は、通常0.05以上、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.15以上であり、また上限は0.67である。
配向比の上限は理論値である。一方前記の範囲を下回ると、本発明の炭素材を用いて電極を作製した時に活物質が配列し、高出力が得られない場合がある。
<DBP吸油量>
本発明の炭素材を構成する黒鉛のDBP(フタル酸ジブチル)吸油量は、通常70ml/100g以下、好ましくは65ml/100g以下、より好ましくは60ml/100g以下、更に好ましくは55ml/100g以下である。また、DBP吸油量は通常20ml/100g以上、好ましくは30ml/100g以上である。
DBP吸油量が大きすぎると、前記黒鉛の球形化の進み具合が十分ではなく、該黒鉛を含む本発明の炭素材を含むスラリー(負極形成材料)の塗布時にスジ引きなどを引き起こしやすい傾向があり、小さすぎると、粒子内の細孔構造が殆ど存在していない可能性があり、反応面が少なくなる傾向がある。なお、DBP吸油量の測定方法の詳細は、後述の実施例で述べる。
<細孔分布>
本発明の炭素材を構成する黒鉛において、水銀ポロシメトリー(水銀圧入法)により求められる、直径0.01μm以上1μm以下に相当する粒子内の空隙、粒子表面のステップによる凹凸の量は、通常0.01mL/g以上、好ましくは0.05mL/g以上、より好ましくは0.1mL/g以上である。また前記量は通常0.6mL/g以下、好ましくは0.4mL/g以下、より好ましくは0.3mL/g以下である。
凹凸の量が多すぎると、負極を形成する際の極板化時にバインダが多量に必要となる場合がある。一方凹凸の量が少なすぎると、非水系二次電池の高電流密度充放電特性が低下し、且つ充放電時の電極の膨張収縮の緩和効果が得られない傾向がある。
また、前記黒鉛の全細孔容積は、通常0.1mL/g以上、好ましくは0.2mL/g以上、より好ましくは0.25mL/g以上である。また全細孔容積は通常10mL/g以下、好ましくは5mL/g以下、より好ましくは2mL/g以下である。
全細孔容積が大きすぎると、極板化時にバインダが多量に必要となる傾向がある。一方全細孔容積が小さすぎると、極板化時に増粘剤やバインダの分散効果が得られない傾向がある。
また、前記黒鉛の平均細孔径は、通常0.03μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.5μm以上である。前記平均細孔径は通常80μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。
平均細孔径が大きすぎると、極板化時にバインダが多量に必要となる傾向があり、また平均細孔径が小さすぎると、非水系二次電池の高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。
上記水銀ポロシメトリー用の装置として、水銀ポロシメータ(オートポア9520:マイクロメリテックス社製)を用いることができる。試料(黒鉛)を0.2g前後の値となるように秤量し、パウダー用セルに封入し、室温、真空下(50μmHg以下)にて10分間脱気して前処理を実施する。
引き続き、4psia(約28kPa)に減圧して前記セルに水銀を導入し、圧力を4psia(約28kPa)から40000psia(約280MPa)までステップ状に昇圧させた後、25psia(約170kPa)まで降圧させる。
昇圧時のステップ数は80点以上とし、各ステップでは10秒の平衡時間の後、水銀圧入量を測定する。こうして得られた水銀圧入曲線からWashburnの式を用い、細孔分布を算出する。
なお、水銀の表面張力(γ)は485dyne/cm、接触角(ψ)は140°として算出する。平均細孔径は、累計細孔体積が50%となるときの細孔径として定義する。
<円形度>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の円形度は、通常0.85以上、より好ましくは0.87以上、更に好ましくは0.88以上である。また、円形度は通常1以下、好ましくは0.98以下、より好ましくは0.97以下である。円形度が小さすぎると、非水系二次電池の高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。なお、円形度は以下の式で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
円形度
=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)
円形度の値としては、例えば、フロー式粒子像分析装置(例えば、シスメックスインダストリアル社製FPIA)を用い、試料(黒鉛)約0.2gを、界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液(約50mL)に分散させ、分散液に28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、検出範囲を0.6〜400μmに指定し、粒径が1.5〜40μmの範囲の粒子について測定した値を用いる。
円形度を向上させる方法は特に限定されないが、球形化処理を施して球形にしたものが、負極としたときの粒子間空隙の形状が整うので好ましい。球形化処理の例としては、せん断力、圧縮力を与えることによって機械的に球形に近づける方法、複数の黒鉛微粒子を、バインダもしくは粒子自身の有する付着力によって造粒する機械的・物理的処理方法等が挙げられる。
<真密度>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の真密度は、通常1.9g/cm3以上、好ましくは2g/cm3以上、より好ましくは2.1g/cm3以上、更に好ましくは2.2g/cm3以上であり、上限は2.26g/cm3である。上限は黒鉛の理論値である。この範囲を下回ると炭素の結晶性が低すぎて、非水系二次電池とした場合の、その初期不可逆容量が増大する場合がある。
<アスペクト比>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の粉末状態でのアスペクト比は、理論上1以上であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上である。またアスペクト比は通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは5以下である。
アスペクト比が大きすぎると、極板化時に炭素材を含むスラリー(負極形成材料)のスジ引きが起こったり、あるいは均一な塗布面が得られず、非水系二次電池の高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。
アスペクト比は、3次元的に観察したときの黒鉛粒子の最長となる径Aと、それと直交する径のうち最短となる径Bとしたとき、A/Bであらわされる。前記黒鉛粒子の観察は、拡大観察ができる走査型電子顕微鏡で行う。厚さ50ミクロン以下の金属の端面に固定した任意の50個の黒鉛粒子を選択し、それぞれについて試料が固定されているステージを回転、傾斜させて、A、Bを測定し、A/Bの平均値を求める。
<最大粒径dmax>
本発明の炭素材を構成する黒鉛の最大粒径dmaxは、通常100μm以下、好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下である。dmaxが大きすぎると筋引きなどの工程不都合の発生を招く傾向がある。
また、最大粒径は、平均粒径d50の測定の際に得られた粒度分布において、粒子が測定された最も大きい粒径の値として定義される。
<ラマンR値>
本発明の炭素材を構成する黒鉛のラマンR値は、その値は通常0.1以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.20以上である。また、ラマンR値は通常0.6以下、好ましくは0.55以下、より好ましくは0.5以下である。
なお、前記ラマンR値は、ラマン分光法で求めたラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比(I/I)として算出されたものと定義する。
なお、本明細書において「1580cm−1付近」とは1580〜1620cm-1の範囲を、「1360cm−1付近」とは1350〜1370cm-1の範囲を指す。
ラマンR値が小さすぎると、黒鉛粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に負極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性が低下する傾向がある。一方、ラマンR値が大きすぎると、粒子表面の結晶が乱れ、負極の電解液との反応性が増し、非水系二次電池の充放電効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
前記ラマンスペクトルは、ラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。測定条件は以下の通りである。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
〔その他の成分〕
本発明の炭素材は以上説明した黒鉛のみで構成されていてもよいが、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、上記で黒鉛について説明した平均粒径(d50)、タッピング密度及び比表面積(SA)のいずれか1つ以上の条件を満たさない種々の公知の黒鉛が挙げられ、これらの公知の黒鉛は、本発明の効果を妨げない限り特に制限なく用いることができる。
〔非水系二次電池用炭素材〕
本発明の非水系二次電池用炭素材は、以上説明した黒鉛を含み、さらに必要に応じて前記その他の成分を含む。
本発明の炭素材の、上記黒鉛について説明した種々のパラメータは、黒鉛のパラメータと実質的に同一の範囲にある。従って本発明の炭素材の、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定された平均粒径(d50)は1μm以上9μm以下であり、タッピング密度は0.9g/cm以上1.3g/cm以下であり、BET法により測定した比表面積(SA)は8m2/g以上60m2/g以下である。その他のパラメータについても、上述した黒鉛について説明したものと同様である。
そのため、前記その他の成分の使用量も、本発明の炭素材が、上述した黒鉛について説明したパラメータを満たす範囲内とされる。
〔黒鉛の製造方法〕
以上説明した本発明の炭素材を構成する黒鉛は、例えば、任意の天然黒鉛に対して以下に説明する特定の球形化処理を施すことによって得ることができる。
天然黒鉛は、その性状によって、鱗片状黒鉛(Flake Graphite)、鱗状黒鉛(Crystalline(Vein) Graphite)、土壌黒鉛(Amorphousu Graphite)に分類される(「粉粒体プロセス技術集成」((株)産業技術センター、昭和49年発行)の黒鉛の項、および「HANDBOOKOF CARBON,GRAPHITE,DIAMOND AND FULLERENES」(NoyesPublications発行)参照)。黒鉛化度は、鱗状黒鉛が100%で最も高く、これに次いで鱗片状黒鉛が99.9%で高いが、土壌黒鉛は28%と低い。
天然黒鉛である鱗片状黒鉛の産地は、マダガスカル、中国、ブラジル、ウクライナ、カナダ等であり、鱗状黒鉛の産地は、主にスリランカである。土壌黒鉛の主な産地は、朝鮮半島、中国、メキシコ等である。
これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
天然黒鉛の球形化処理に用いる装置は、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された天然黒鉛原料に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置である。なお、球形化処理に付する天然黒鉛は、すでに従来法の条件で一定の球形化処理を受けたものであってもよい。
また、原料を循環ないしは、前記の工程を複数回経ることによって機械的作用を繰り返して与える機構を有する装置が好ましい。好ましい装置として、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、CFミル(宇部興産社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)等が挙げられる。これらの中で、奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
このような装置を使用して球形化処理を行うが、この処理の際には、ローターの回転数を5000〜7000rpm、好ましくは5500〜6500rpmとして、30〜60分、高速回転・長時間の球形化処理を行う。
そして得られた粒子に対しては通常1回の分級処理を行うが、本発明の規定の物性範囲にない場合には、繰り返し(通常2〜10回、好ましくは2〜5回)分級処理することによって、平均粒径(d50)が1μm以上9μm以下であり、タッピング密度が0.9g/cm以上1.3g/cm以下であり、BET法により測定した比表面積(SA)が8m2/g以上60m2/g以下である小粒径球形化天然黒鉛を得ることが容易になる。分級には、乾式(気力分級、篩)、湿式分級等が挙げられるが、乾式分級、特に気力分級がコストや生産性の面から好ましい。
[背景技術]において説明したように、炭素材を小粒径にすると比表面積が大きくなり、電池が高出力になると期待されるが、その一方で炭素材のタッピング密度が上がらなくなってしまい、炭素材を含むスラリーを集電体である極板に塗布できない、又は仮に極板に塗布できたとしても極板密度が低くなってしまい、出力及び強度が不十分な二次電池となってしまうという問題があった。
このような従来の技術常識からすれば、高速回転・長時間の球形化処理を採用することはあり得ないが、今般本発明者は、上記の高速回転・長時間の球形化処理、そして好ましくは繰り返しの分級処理を組み合わせることにより、小粒径で高い比表面積を達成しながら、タッピング密度も高い黒鉛が得られることを見出した。特に、本発明の効果を発揮する観点から、本発明に使用する黒鉛としては、以上説明した、天然黒鉛(好ましくは鱗状黒鉛又は鱗片状黒鉛であって、すでに一定の球形化処理を受けたものを含む)を球形化処理して得られる、球形化天然黒鉛が好ましい。
なお、ローターの回転数が5000rpm未満では球状になる処理が弱く、タッピング密度が十分に上昇しない可能性があり、一方7000rpmを超えると球状になる処理よりも粉砕される効果が強くなり、粒子が崩壊してタッピング密度が低下してしまう可能性がある。さらに球形化処理が30分未満では粒径を十分に小さくしつつ、かつ高いタッピング密度を達成することができず、一方60分を超えると、黒鉛が粉々になってしまい、本発明の目的を達成できない可能性がある。
<被覆処理>
以上のようにして本発明に使用される黒鉛が得られるが、当該黒鉛は、炭素質物でその表面の少なくとも一部が被覆されていてもよい。この被覆の態様はSEM写真等で確認することができる。
(炭素質物)
なお、前記炭素質物としては、後述するその製造方法における加熱の温度の相違によって、非晶質炭素及び黒鉛化物が挙げられる。
具体的には、前記炭素質物は、その炭素前駆体を後述するように加熱処理することで得ることができる。前記炭素前駆体として、以下の(a)又は(b)に記載の炭素材が好ましい。
(a)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれた炭化可能な有機物
(b)炭化可能な有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの
(被覆処理)
被覆処理においては、上述した黒鉛を核黒鉛とし、炭素質物を得るための炭素前駆体を被覆原料として用い、これらを混合、焼成することで、被覆黒鉛が得られる。
焼成温度を、通常600℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは900℃以上、通常2000℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下とすると炭素質物として非晶質炭素が得られ、通常2000℃以上、好ましくは2500℃以上、通常3200℃以下で熱処理を行うと炭素質物として黒鉛化物が得られる。前記非晶質炭素とは結晶性の低い炭素であり、前記黒鉛化物とは結晶性の高い炭素である。
〔非水系二次電池用炭素材の製造方法〕
本発明の非水系二次電池用炭素材は、以上説明した(被覆)黒鉛単独で構成されていてもよいが、上述の通りその他の成分を含んでもよい。
その他の成分を含む場合には、これと(被覆)黒鉛とを公知の方法により混合することによって、本発明の炭素材を得ることができる。
[非水系二次電池用負極]
本発明の非水系二次電池用負極は、本発明の炭素材に結着樹脂を配合したものを水性または有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥して前記集電体上に活物質層を形成することで得ることができる。
前記結着樹脂としては、非水系電解液に対して安定で、かつ非水溶性のものを用いることが好ましい。例えば、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴムおよびエチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよび芳香族ポリアミド等の合成樹脂;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体やその水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン、スチレン共重合体、スチレン・イソプレンおよびスチレンブロック共重合体並びにその水素化物等の熱可塑性エラストマー;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリペンタフルオロプロピレンおよびポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素化高分子などを用いることができる。
また、前記有機系媒体としては、例えば、N−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドを挙げることができる。
結着樹脂は、本発明の炭素材100質量部に対して通常は0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上用いる。結着樹脂の割合を前記炭素材100質量部に対して0.1質量部以上とすることで、炭素材相互間や炭素材と集電体との結着力が十分となり、負極から炭素材が剥離することによる電池容量の減少およびリサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
また、結着樹脂は本発明の炭素材100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましく、7質量部以下とするのがより好ましい。結着樹脂の割合を前記炭素材100質量部に対して10質量部以下とすることにより、負極の容量の減少を防ぎ、かつリチウムイオンの炭素材への出入が妨げられるなどの問題を防ぐことができる。
上記スラリーに添加する増粘材としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース類及びこれらの塩、ポリビニルアルコール並びにポリエチレングリコール等が挙げられる。なかでも好ましいのはカルボキシメチルセルロースである。前記増粘材は本発明の炭素材100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜7質量部となるように用いるのが好ましい。
上記負極集電体としては、従来この用途に用い得ることが知られている、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンおよび炭素などを用いることができる。前記集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネットおよびパンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
前記集電体に本発明の炭素材と結着樹脂とのスラリーを塗布・乾燥した後は、加圧して集電体上に形成された負極の密度を大きくし、それにより負極層単位体積当たりの電池容量を大きくすることが好ましい。負極の密度は1.2〜1.8g/cmの範囲にあることが好ましく、1.3〜1.6g/cmであることがより好ましい。
前記負極の密度を1.2g/cm以上とすることで、負極の厚みの増大に伴う電池の容量の低下を防ぐことができる。また、負極密度を1.8g/cm以下とすることで、負極内の粒子間空隙の減少に伴い空隙に保持される電解液量が減り、リチウムイオンの移動性が小さくなって急速充放電性が小さくなることを防ぐことができる。
[非水系二次電池]
以下、本発明の炭素材を含む本発明の非水系二次電池用負極を用いた非水系二次電池に関する部材の詳細を例示するが、使用し得る材料やそれらの作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
本発明の非水系二次電池の基本的構成は、従来公知の非水系二次電池と同様であり、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる正極及び負極、並びに非水系電解液(電解質を含む)等を備え、前記負極は本発明の非水系二次電池用負極である。以下、これらの各構成要素等について説明する。
<正極>
前記正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
・正極活物質
以下に正極に使用される前記正極活物質(リチウム遷移金属系化合物)について述べる。
・リチウム遷移金属系化合物
前記リチウム遷移金属系化合物とは、Liイオンを脱離、挿入することが可能な構造を有する化合物であり、例えば、硫化物やリン酸塩化合物、リチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられる。
前記硫化物としては、TiSやMoSなどの二次元層状構造をもつ化合物や、一般式MeMo(MeはPb,Ag,Cuをはじめとする各種遷移金属)で表される強固な三次元骨格構造を有するシュブレル化合物などが挙げられる。
前記リン酸塩化合物としては、オリビン構造に属するものが挙げられ、一般的にはLiMePO(Meは少なくとも1種の遷移金属)で表され、具体的にはLiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPOなどが挙げられる。
前記リチウム遷移金属複合酸化物としては、三次元的拡散が可能なスピネル構造や、リチウムイオンの二次元的拡散を可能にする層状構造に属するものが挙げられる。スピネル構造を有するものは、一般的にLiMe(Meは少なくとも1種の遷移金属)と表され、具体的にはLiMn、LiCoMnO、LiNi0.5Mn1.5、LiCoVOなどが挙げられる。層状構造を有するものは、一般的にLiMeO(Meは少なくとも1種の遷移金属)と表される。具体的にはLiCoO、LiNiO、LiNi1−xCo、LiNi1−x−yCoMn、LiNi0.5Mn0.5、Li1.2Cr0.4Mn0.4、Li1.2Cr0.4Ti0.4、LiMnOなどが挙げられる。
・組成
また、前記リチウム遷移金属系化合物としては、例えば、下記組成式(A)または(B)で示されるリチウム遷移金属系化合物が挙げられる。
1)下記組成式(A)で示されるリチウム遷移金属系化合物である場合
Li1+xMO …(A)
ただし、xは通常0以上、0.5以下である。Mは、Ni及びMn、或いは、Ni、Mn及びCoから構成される元素であり、Mn/Niモル比は通常0.1以上、5以下である。Ni/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。Co/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。なお、xで表されるLiのリッチ分は、遷移金属サイトMに置換している場合もある。
なお、上記組成式(A)においては、酸素量の原子比は便宜上2と記載しているが、多少の不定比性があってもよい。また、上記組成式中のxは、リチウム遷移金属系化合物の製造段階での仕込み組成である。通常、市場に出回る電池は、電池を組み立てた後に、エージングを行っている。そのため、充放電に伴い、正極のリチウム量は欠損している場合がある。その場合、組成分析上、3Vまで放電した場合のxが−0.65以上、1以下に測定されることがある。
また、リチウム遷移金属系化合物としては、正極活物質の結晶性を高めるために酸素含有ガス雰囲気下で高温焼成を行って焼成されたものが電池特性に優れる。
さらに、組成式(A)で示されるリチウム遷移金属系化合物は、以下の一般式(A’)のとおり、213層と呼ばれるLiMOとの固溶体であってもよい。
αLiMO・(1−α)LiM’O・・・(A’)
一般式中、αは、0<α<1を満たす数である。
Mは、平均酸化数が4である少なくとも一種の金属元素であり、具体的には、Mn、Zr、Ti、Ru、Re及びPtからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素である。
M’は、平均酸化数が3である少なくとも一種の金属元素であり、好ましくは、V、Mn、Fe、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素であり、より好ましくは、Mn、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素である。
2)下記組成式(B)で表されるリチウム遷移金属系化合物である場合。
Li[LiaMn2−b−a]O4+δ・・・(B)
ただし、Mは、Ni、Cr、Fe、Co、Cu、Zr、AlおよびMgから選ばれる遷移金属のうちの少なくとも1種から構成される元素である。
bの値は通常0.4以上、好ましくは0.6以下である。
bの値がこの範囲であれば、リチウム遷移金属系化合物における単位質量当たりのエネルギー密度が高い。
また、aの値は通常0以上、好ましくは0.3以下である。また、上記組成式中のaは、リチウム遷移金属系化合物の製造段階での仕込み組成である。通常、市場に出回る電池は、電池を組み立てた後に、エージングを行っている。そのため、充放電に伴い、正極のLi量は欠損している場合がある。その場合、組成分析上、3Vまで放電した場合のaが−0.65以上、1以下に測定されることがある。
aの値がこの範囲であれば、リチウム遷移金属系化合物における単位質量当たりのエネルギー密度を大きく損なわず、かつ、良好な負荷特性が得られる。
さらに、δの値は通常−0.5〜0.5の範囲である。
δの値がこの範囲であれば、結晶構造としての安定性が高く、このリチウム遷移金属系化合物を用いて作製した電極を有する電池のサイクル特性や高温保存が良好である。
ここでリチウム遷移金属系化合物の組成であるリチウムニッケルマンガン系複合酸化物におけるリチウム組成の化学的な意味について、以下により詳細に説明する。
上記リチウム遷移金属系化合物の組成式のa,bを求めるには、各遷移金属とリチウムを誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)で分析して、Li/Ni/Mnの比を求める事で計算される。
構造的視点では、aに係るリチウムは、同じ遷移金属サイトに置換されて入っていると考えられる。ここで、aに係るリチウムによって、電荷中性の原理によりMとマンガンの平均価数が3.5価より大きくなる。
また、上記リチウム遷移金属系化合物は、フッ素置換されていてもよく、LiMn4‐x2xと表記される。
・ブレンド
上記の組成のリチウム遷移金属系化合物の具体例としては、例えば、Li1+xNi0.5Mn0.5、Li1+xNi0.85Co0.10Al0.05、Li1+xNi0.33Mn0.33Co0.33、Li1+xNi0.45Mn0.45Co0.1、Li1+xMn1.8Al0.2、Li1+xMn1.5Ni0.5等が挙げられる(xの値は上述の通りである)。これらのリチウム遷移金属系化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上をブレンドして用いてもよい。
・異元素導入
また、リチウム遷移金属系化合物には、異元素が導入されてもよい。異元素としては、B,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Sr,Y,Zr,Nb,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sb,Te,Ba,Ta,Mo,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Bi,N,F,S,Cl,Br,I,As,Ge,P,Pb,Sb,SiおよびSnの何れか1種以上の中から選択される。これらの異元素は、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれていてもよく、あるいは、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれず、その粒子表面や結晶粒界などに単体もしくは化合物として偏在していてもよい。
・非水系二次電池用正極
非水系二次電池用正極は、上述の非水系二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体及び結着材(バインダ)を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。
正極活物質層は、通常、正極材料と結着材と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘材等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてスラリー状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作成される。
正極集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。また、前記集電体の形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル形状等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱形状等が挙げられる。なお、前記金属薄膜及び炭素薄膜は適宜メッシュ状に形成してもよい。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、100mm以下の範囲が好適である。上記範囲よりも薄いと、集電体として必要な強度が不足する可能性がある一方で、上記範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる可能性がある。
また、集電体と活物質層の厚さの比は特には限定されないが、(電解液注液直前の片面の活物質層の厚さ)/(集電体の厚さ)の値が150以下、好ましくは20以下、より好ましくは10以下であり、下限は0.1以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは1以上の範囲である。この範囲を上回ると、高電流密度充放電時に集電体がジュール熱による発熱を生じる場合がある。一方この範囲を下回ると、炭素材に対する集電体の体積比が増加し、電池の容量が減少する場合がある。
正極活物質層の製造に用いる結着材としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して安定な材料であればよいが、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレンスチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の結着材の割合は、通常0.1質量%以上、80質量%以下である。結着材の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう可能性がある一方で、高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる可能性がある。
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。その種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などを挙げることができる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01質量%以上、50質量%以下である。導電材の割合が低すぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下することがある。
上記正極活物質層を形成するためのスラリーを形成するための液体媒体としては、正極材料であるリチウム遷移金属系化合物粉体、結着材、並びに必要に応じて使用される導電材及び増粘材を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。特に水系溶媒を用いる場合、増粘材に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてスラリー化することが好ましい。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質層中の正極材料としてのリチウム遷移金属系化合物粉体の含有割合は、通常10質量%以上、99.9質量%以下である。正極活物質層中のリチウム遷移金属系化合物粉体の割合が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
また、正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
正極のプレス後の電極密度は、通常、2.2g/cm以上、4.2g/cm以下である。
なお、塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
かくして、非水系二次電池用正極が調製できる。
<電解質>
本発明の非水系二次電池における非水系電解液に用いられる電解質には制限はなく、電解質として用いられる公知のものを任意に採用して含有させることができる。電解質としてはリチウム塩が好ましい。電解質の具体例としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート、フルオロスルホン酸リチウム等が挙げられる。これらの電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム塩の非水系電解液中の濃度は任意であるが、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.6mol/L以上、より好ましくは0.8mol/L以上、また、通常3mol/L以下、好ましくは2mol/L以下、より好ましくは1.5mol/L以下の範囲である。リチウム塩の総モル濃度が上記範囲内にあることにより、非水系電解液の電気伝導率が十分となり、一方、粘度上昇による電気伝導度の低下、電池性能の低下を防ぐことができる。
<非水系溶媒>
非水系電解液が含有する非水系溶媒は、電池として使用した際に、電池特性に対して悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されないが、通常使用される非水系溶媒の例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、メタンスルホン酸メチル、スルホラン、ジメチルスルホン等の含硫黄化合物等が挙げられ、これら化合物は、水素原子が一部ハロゲン原子で置換されていてもよい。
これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよいが、2種以上の化合物を併用することが好ましい。例えば、環状カーボネートや環状カルボン酸エステル等の高誘電率溶媒と、鎖状カーボネートや鎖状カルボン酸エステル等の低粘度溶媒とを併用することが好ましい。
ここで、高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及び、それらの水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置換した化合物が、電解液中に含まれることが好ましい。高誘電率溶媒の非水系電解液に占める割合は、好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上である。高誘電率溶媒の含有量が上記範囲よりも少ないと、所望の電池特性が得られない場合がある。
<助剤>
非水系電解液には、上述の電解質、非水系溶媒以外に、目的に応じて適宜助剤を配合してもよい。負極表面に皮膜を形成するため、電池の寿命を向上させる効果を有する助剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート、フルオロエチレンカーボネート等のフッ素原子を有する環状カーボネート、4−フルオロビニレンカーボネート等のフッ素化不飽和環状カーボネート等が挙げられる。
電池が過充電等の状態になった際に電池の破裂・発火を効果的に抑制する過充電防止剤として、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、t−ブチルベンゼン、t−ペンチルベンゼン、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート等の芳香族化合物等が挙げられる。
電池のサイクル特性や低温放電特性を向上させる助剤として、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート等のリチウム塩等が挙げられる。
高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる助剤として、エチレンサルファイト、プロパンスルトン、プロペンスルトン等の含硫黄化合物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のカルボン酸無水物、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等のニトリル化合物が挙げられる。
これら助剤の配合量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
<セパレータ>
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、以上説明した非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態の物等を用いるのが好ましい。
樹脂、ガラス繊維セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がさらに好ましく、また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
さらに、セパレータとして多孔性シートや不織布等の多孔質のものを用いる場合、セパレータの空孔率は任意であるが、通常20%以上であり、35%以上が好ましく、45%以上がさらに好ましく、また、通常90%以下であり、85%以下が好ましく、75%以下がさらに好ましい。空孔率が、上記範囲より小さ過ぎると、膜抵抗が大きくなってレート特性が悪化する傾向がある。また、上記範囲より大き過ぎると、セパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
また、セパレータの平均孔径も任意であるが、通常0.5μm以下であり、0.2μm以下が好ましく、また、通常0.05μm以上である。平均孔径が、上記範囲を上回ると、短絡が生じ易くなる。また、上記範囲を下回ると、膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。
セパレータにおけるこれらの材料の形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状が挙げられる。薄膜形状では、孔径が0.01〜1μm、厚さが5〜50μmのものが好適に用いられる。上記の独立した薄膜形状以外に、樹脂製の結着材を用いて上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。そのようなセパレータとして例えば、フッ素樹脂を結着材として、90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子からなる多孔層を正極の両面に形成させたセパレータが挙げられる。
セパレータの非水系二次電池における特性を、ガーレ値で把握することができる。ガーレ値とは、フィルム厚さ方向の空気の通り抜け難さを示し、100mlの空気が該フィルムを通過するのに必要な秒数で表されるため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚さ方向の連通性がよいことを意味し、その数値が大きい方がフィルムの厚さ方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは、フィルム厚さ方向の孔のつながり度合いである。セパレータのガーレ値が低ければ、様々な用途に使用することが出来る。例えば非水系二次電池のセパレータとして使用した場合、ガーレ値が低いということは、リチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。
セパレータのガーレ値は、任意ではあるが、好ましくは10〜1000秒/100mlであり、より好ましくは15〜800秒/100mlであり、更に好ましくは20〜500秒/100mlである。ガーレ値が1000秒/100ml以下であれば、実質的には電気抵抗が低く、セパレータとしては好ましい。
<電池設計>
・電極群
電極群は、上記の正極と負極とを上記のセパレータを介してなる積層構造のもの、及び上記の正極と負極とを上記のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましく、また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
電極群占有率が、上記範囲を下回ると、電池容量が小さくなる。また、上記範囲を上回ると空隙スペースが少なく、電池が高温になることによって部材が膨張したり電解質の液成分の蒸気圧が高くなったりして内部圧力が上昇し、電池としての充放電繰り返し性能や高温保存等の諸特性を低下させたり、さらには、内部圧力を外に逃がすガス放出弁が作動する場合がある。
<外装ケース>
外装ケースの材質は用いられる非水系電解液に対して安定な物質であれば特に制限されない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属類、又は、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
金属類を用いる外装ケースでは、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接により金属同士を溶着して封止密閉構造とするもの、若しくは、樹脂製ガスケットを介して上記金属類を用いてかしめ構造とするものが挙げられる。上記ラミネートフィルムを用いる外装ケースでは、樹脂層同士を熱融着することにより封止密閉構造とするもの等が挙げられる。シール性を上げるために、上記樹脂層の間にラミネートフィルムに用いられる樹脂と異なる樹脂を介在させてもよい。特に、集電端子を介して樹脂層を熱融着して密閉構造とする場合には、金属と樹脂との接合になるので、介在する樹脂として極性基を有する樹脂や極性基を導入した変性樹脂が好適に用いられる。
<保護素子>
保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター、温度ヒューズ、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等を使用することができる。上記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、本実施例において粒径、タッピング密度、BET法比表面積(SA)、X線広角回折測定、配向比及びDBP吸油量の測定は、以下に説明する方法により行った。
<粒径>
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、炭素材料0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準粒度分布を測定した。
粒度分布の測定結果から、平均粒径(d50)、10%積算部のd10粒径、90%積算部のd90粒径、dmaxを求めた。なお、測定条件は超音波分散1分間、超音波強度2、循環速度2、相対屈折率1.50である。
<タッピング密度>
タッピング密度は、粉体密度測定器(パウダーテスターPT−N ホソカワミクロン社製)を用い、直径5cm、体積容量100cmの円筒状タップセルにキャップを装着し、篩を通して試料を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長18mmのタップを500回行なった。
前記円筒状タップセルからキャップを外して、セルの体積容量100cmの上の部分に盛り上がっている試料をすり切った。このときの体積と試料の重量から求めた密度をタッピング密度として定義する。
<BET法比表面積(SA)>
Micromeritics社製 Gemini2360を用いた。窒素流通下で、10分間350℃で試料を予備乾燥し、更に5分間窒素ガスを流したのち、窒素ガス吸着によるBET6点法により前記試料の比表面積を測定した。
<X線広角回折測定>
試料に約15%のX線標準高純度シリコン粉末を加えて混合したものをサンプルとし、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法で前記サンプルの広角X線回折曲線を測定し、学振法を用いて試料の面間隔(d002)及び結晶子サイズ(Lc)を求めた。
<配向比>
配向比は、試料を加圧成型してからX線回折により測定した。試料0.47gを直径17mmの成型機に充填し58.8MN・m−2で圧縮して得た成型体を、粘土を用いて測定用試料ホルダーの面と同一面になるようにセットしてX線回折を測定した。得られた炭素の(110)回折と(004)回折のピーク強度から、(110)回折ピーク強度/(004)回折ピーク強度で表わされる比を算出した。該測定で算出される配向比を、本発明の炭素材の配向比と定義する。
X線回折測定条件は次の通りである。なお、「2θ」は回折角を示す。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :
発散スリット=0.5度
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5度
・測定範囲及びステップ角度/計測時間:
(110)面:75度≦2θ≦80度 1度/60秒
(004)面:52度≦2θ≦57度 1度/60秒
<DBP吸油量>
本発明におけるDBP吸油量は、JIS6217に準拠し、測定試料を30g投入(鱗片状天然黒鉛(C)のみ嵩密度が低いため20gにて測定を実施した)し、DBP(ジブチルフタレート)の滴下速度4ml/min、回転数125rpmとして測定した。測定値は、ピークトルク値の70%となるトルクとなった吸油量によって定義される。測定には、株式会社あさひ総研社製 S410型を用いた。
[比較例1]
平均粒径11.4μm、BET法比表面積8.2m/g、タッピング密度0.84g/cmの中国産の球形化天然黒鉛(A)をそのまま用いて以下に示す方法により非水系二次電池を作製し、評価を行った。球形化天然黒鉛(A)のSEM写真を図1に示す。
[実施例1]
(球形化天然黒鉛(B)の作製)
比較例1の中国産の球形化天然黒鉛(A)150gを、(株)奈良機械製作所製社製ハイブリダイゼーションシステム(NHS−1型)を用いて、回転数6000rpm、40分の条件で処理することで黒鉛粒子表面にダメージを与えながら高度な球形化処理を行い、その後更に分級処理により微粉の除去を繰り返し(5回)行った。
得られた球形化天然黒鉛(B)は、X線広角回折測定による002面の面間隔(d002)が3.36Åで結晶子サイズ(Lc)が100nm以上、タッピング密度が0.94g/cm、平均粒径6.9μm、BET法比表面積15.2m/g、配向比は0.18であった。
この球形化天然黒鉛(B)を用いて以下に示す方法により非水系二次電池を作製し、評価を行った。球形化天然黒鉛(B)のSEM写真を図2に示す。
[比較例2]
平均5.1μm、BET法比表面積15.3m/g、タッピング密度0.43g/cmの中国産の鱗片状天然黒鉛(C)をそのまま用いて非水系二次電池の作製を試みた。鱗片状天然黒鉛(C)のSEM写真を図3に示す。
〔・非水系二次電池の作製〕
(《負極の作製》)
実施例又は比較例の天然黒鉛97.7質量部に、増粘材、バインダとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン(カルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度1質量%)130質量部、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度40質量%)2.5質量部を加え、自転・公転ミキサーで混合してスラリー化した。
得られたスラリーを10μmの圧延銅箔の両面に塗布して乾燥し、プレス機で75μmに圧延したものを、活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mmおよび集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出し、負極とした。このときの負極の活物質の密度は1.35g/cm3であった。
このとき、比較例2の鱗片状天然黒鉛(C)は、スラリー塗布面に粒状の凝集が多量に発生し、また負極活物質と集電体の結着強度が低い為に剥離して、負極を作成することができなかった。また、実施例1及び比較例1の黒鉛を使用して作製された負極のSEM写真をそれぞれ図4及び5に示す。
(《正極の作製》)
正極活物質は、以下に示す方法で合成したリチウム遷移金属複合酸化物であり、組成式LiMn0.33Ni0.33Co0.33で表される。
マンガン原料としてMn、ニッケル原料としてNiO、及びコバルト原料としてCo(OH)を、Mn:Ni:Co=1:1:1のモル比となるように秤量し、これに純水を加えてスラリーとし、攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式ビーズミルを用いて、スラリー中の固形分を、平均粒径(d50)が0.2μmになるように湿式粉砕した。
スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、マンガン原料、ニッケル原料、コバルト原料のみからなる、平均粒径約5μmのほぼ球状の造粒粒子を得た。
得られた造粒粒子に、平均粒径3μmのLiOH粉末を、Mn、Ni、及びCoの合計モル数に対するLiのモル数の比が1.05となるように添加し、ハイスピードミキサーにて混合して、ニッケル原料、コバルト原料、マンガン原料の造粒粒子とリチウム原料との混合粉を得た。
この混合粉を空気流通下、950℃で12時間焼成(昇降温速度5℃/min)した後、解砕し、目開き45μmの篩を通し、正極活物質を得た。この正極活物質のBET法比表面積は1.2m2/g、平均一次粒子径は0.8μm、平均粒径は4.4μm、タッピング密度は1.6g/cm3であった。
この正極活物質を90質量%と、導電材としてのアセチレンブラック5質量%と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した。
得られたスラリーを厚み15μmのアルミ箔(集電体)に塗布して乾燥し、プレス機で厚さ81μmに圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出し正極とした。
正極活物質層の密度は2.35g/cmであり、(片面の正極活物質層の厚さ)/(集電体の厚さ)は2.2であった。
(《非水電解液の作製》)
不活性雰囲気下でエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合物(体積比3:3:4)に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させ、非水電解液を得た。
(《非水系二次電池の作製》)
正極1枚と負極1枚を、それぞれの活物質面が対向するように配置し、電極の間に多孔性ポリエチレンシートのセパレータ(25μm)が挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質炭素材面から外れないよう対向させた。
この正極と負極それぞれについての未塗工部に集電タブを溶接し、電極体としたものを、ポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用いて、電極体に接する側に前記ポリプロピレンフィルムがくるようにしてラミネートシートではさんだ。電解液を注入するための一片を除いて、電極のない領域をヒートシールした。
その後、活物質層に非水電解液を200μL注入して電極に充分浸透させ、ラミネートを密閉して、ラミネートセルを作製した。この電池の定格容量は、20mAhである。
《・極板強度の測定方法》
負極の作製にて作製した圧延前の負極電極を幅20mmに切断し、試験用SUS板に両面テープで貼付(活物質層側を両面テープで添付)して、水平方向に固定し、負極電極の端部を万能試験機の挟持部に挟んだ。この状態で万能試験機の負極電極の端部を垂直方向に下降させ、負極電極を両面テープから90度の角度を維持して引っ張ることにより剥離した。この際に、負極電極と両面テープの間に掛かった荷重の平均値を測定し、負極電極サンプル幅(20mm)で割った値を極板強度(mN/mm)とした。
《・電池の評価》
(容量測定)
充放電サイクルを経ていない、上記で作製した非水系二次電池に対して、25℃で電圧範囲4.1V〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて2サイクル初期充放電を行った。
このとき充電時には4.1Vにて定電圧充電を2.5時間実施した。更に4.1Vまで0.2Cにて充電し、4.1Vで2.5時間定電圧充電をした後に、電流値0.33Cにて3.0Vまで放電した。ついで出力測定を実施した。
(出力測定)
25℃環境下で、0.2Cの定電流により150分間充電を行ない、その後−30℃の恒温槽に非水系二次電池を3時間以上保管した後に、各々0.25C、0.50C、0.75C、1.00C、1.25C、1.50C、1.75C、2.00Cで2秒間放電させ、その2秒の時点での電圧を測定した。
この測定結果から、電流−電圧直線と下限電圧(3V)とで囲まれる3角形の面積を出力(W)とした。
以上の評価結果及び実施例及び比較例で使用した天然黒鉛(A)〜(C)の物性を下記表1〜2に示す。

Claims (6)

  1. レーザー回折式粒度分布計を用いて測定された平均粒径(d50)が1μm以上9μm以下であり、タッピング密度が0.9g/cm以上1.3g/cm以下であり、BET法により測定した比表面積(SA)が8m2/g以上60m2/g以下である黒鉛を含み、前記黒鉛のd90/d10の比が1以上4以下である、非水系二次電池用炭素材(ただし、前記d90は、前記黒鉛のレーザー回折式粒度分布計により測定された小粒子側からの90%積算部の粒径であり、前記d10は、前記黒鉛のレーザー回折式粒度分布計により測定された小粒子側からの10%積算部の粒径である。)
  2. 前記黒鉛の学振法によるX線広角回折測定で求めた結晶子サイズ(Lc)が100nm以上である請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材。
  3. 前記黒鉛の平均粒径(d50)が3μm以上8.5μm以下である請求項1又は2に記載の非水系二次電池用炭素材。
  4. 前記黒鉛が、球形化天然黒鉛である請求項1〜のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材。
  5. 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水系二次電池用炭素材を含むことを特徴とする、非水系二次電池用負極。
  6. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、
    前記負極が、請求項に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池。
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