JP2004079344A - 非水電解質二次電池用負極材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期充放電効率や可逆電池容量が高く、サイクル寿命の長い非水電解質二次電池用負極材料を提供すること。
【解決手段】機械粉砕、分級して得られた下記(1) 〜(5) の特性を有する黒鉛粒子を核とし、核の表面が炭素前駆体で被着された後に不活性雰囲気下800 〜2800℃の温度で熱処理して形成した炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなる非水電解質二次電池用負極材料。
(1) 平均粒子径が10〜40μm 、比表面積が102/g 以下
(2) X線回折法による黒鉛結晶子の(002) 面の面間隔d002 が0.337nm 未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm 以上
(3) 真比重が2.18〜2.25
(4) タッピング比重が1.0 〜1.3
(5) アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5 超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
【選択図】 なし
【解決手段】機械粉砕、分級して得られた下記(1) 〜(5) の特性を有する黒鉛粒子を核とし、核の表面が炭素前駆体で被着された後に不活性雰囲気下800 〜2800℃の温度で熱処理して形成した炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなる非水電解質二次電池用負極材料。
(1) 平均粒子径が10〜40μm 、比表面積が102/g 以下
(2) X線回折法による黒鉛結晶子の(002) 面の面間隔d002 が0.337nm 未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm 以上
(3) 真比重が2.18〜2.25
(4) タッピング比重が1.0 〜1.3
(5) アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5 超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池等の非水電解質二次電池において、リチウム担持体となる負極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解質二次電池としてリチウム塩の有機電解液を用いたリチウム二次電池は軽量でエネルギー密度が高く、小型電子機器の電源あるいは電力貯蔵用の電池等として期待されている。当初、リチウム二次電池の負極材としては金属リチウムが用いられていたが、金属リチウムは放電時にリチウムイオンとして電解液中に溶出し、充電時にはリチウムイオンは金属リチウムとして負極表面に析出する際に、平滑で元の状態に析出させることが難しく、デンドライト状に析出し易い。このデンドライトは活性が極めて強いため電解液を分解するので電池性能が低下し、充放電のサイクル寿命が短くなる欠点がある。更に、デンドライトが成長して正極に達して、両極が短絡する危険もある。
【0003】
この欠点を改善するために、金属リチウムに代えて炭素材を用いることが提案されてきた。炭素材はリチウムイオンの吸蔵、放出に際しデンドライト状に析出する問題がないため、負極材として好適である。すなわち、黒鉛材はリチウムイオンの吸蔵・放出性が高く、速やかに吸蔵・放出反応が行われるために充放電の効率が高く、理論容量も372mAh/gであり、更に、充放電時の電位も金属リチウムとほぼ等しく、高電圧の電池が得られる等の利点がある。
【0004】
しかしながら、黒鉛化度が高く、六角網面構造が高度に発達している黒鉛材の場合、電解液との反応が起こり易く、電池性能が損なわれて、例えば初期充放電効率が低下する等の難点がある。そこで、黒鉛材を中心とする炭素材の性状を改良して、例えば、黒鉛化度の高い黒鉛材の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆した複層構造の炭素材により、これらの難点を解消する試みが盛んに行われており、数多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、特開平4−368778号公報には活物質となる炭素の電解液と接する表面が非晶質炭素により覆われている二次電池用炭素負極、及び、非晶質炭素が乱層構造であり、C軸方向の平均面間隔が0.337〜0.360nm、アルゴンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1に対する1360cm−1のピーク強度比が0.4〜1.0の二次電池用炭素負極が提案されている。
【0006】
特開平4−370662号公報には多相構造を有し、下記(1)及び(2)を満足する炭素質物を主成分とする担持体に、活物質であるアルカリ金属を担持させた二次電池用電極が提案されている。
(1)真密度が1.80g/cm3 以上、(2)アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm−1の範囲にピークPA 、1350〜1370cm−1の範囲にピークPB を有し、PA の強度IA に対するPB の強度IB の比R=IB /IA が0.4以上。
【0007】
また、特開平6−267531号公報には、下記(1)の条件を満たす炭素質物(A)の粒子と、下記(2)の条件を満たす有機化合物(B)の粒子を混合した後、加熱して(B)を炭素化することにより、(A)の粒子を、下記(3)の条件を満たす炭素質物(C)で被覆した多層構造とした電極材料が提案されている。
(1)X線広角回折におけるd002が3.37オングストローム以下、真密度が2.10g/cm3 以上、体積平均粒径が5μm以上であること。
(2)体積平均粒径が炭素質物(A)より小さいこと。
(3)X線広角回折におけるd002が3.38オングストローム以上、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm−1の範囲にピークPA 、1350〜1370cm−1の範囲にピークPB を有し、上記PA の強度IA に対するPB の強度IB の比R=IB /IA が0.2以上であること。
【0008】
しかしながら、黒鉛は鱗片状、鱗状、板状等の粒子形状であるため、例えば、電極板作製時に粒子の配列化が起こりリチウムイオンの移動が妨げられるので、特に電池の急速充放電性が低下し、また充放電容量も低く、改良の必要性が認められた。
【0009】
この粒子形状に起因する問題を解決するために粉砕等の力学的エネルギー処理を行って、鱗片状や鱗状の黒鉛粒子の角を取ることが提案されている。例えば、特開平10−334915号公報の請求項1には、処理前後の見かけ密度比を1.1以上、処理前後のメジアン径比が1以下となるように力学的エネルギー処理を行った炭素質あるいは黒鉛質粒子を含むことを特徴とする非水系二次電池用電極が、同請求項2には、処理前の炭素質あるいは黒鉛質粒子の層間距離d002が0.34nm以下、結晶子サイズLcが30nm以上、真密度が2.25g/cc以上である請求項1の非水系二次電池用電極が、同請求項3には、処理後の炭素質あるいは黒鉛質粒子のメジアン径が5〜50μmであり、BET法比表面積が25m2 /g以下、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.5以下で、かつ1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1以下、見かけ密度が0.5g/cc以上である請求項1、2の非水系二次電池用電極が、同請求項4には、処理後の炭素質あるいは黒鉛質粒子を有機化合物と混合した後に、該有機化合物を炭素化した複層構造炭素材料を含む非水系二次電池用電極が、開示されている。
【0010】
更に、特開平11−54123号公報にはリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池の負極材料として、以下の特性を示す塊状の黒鉛粉末を核とし、その核の表面に炭素前駆体を被覆後、不活性ガス雰囲気下で700〜2800℃の温度範囲で焼成し、炭素質物の表層を形成させた複層構造の炭素質粉末を用いた非水電解質二次電池が開示されている。
(1)広角X線回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37オングストローム未満でかつC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が少なくとも1000オングストローム以上、
(2)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.3以下で、かつ1580cm−1ピークの半値幅が24cm−1以下、
(3)平均粒径が10〜30μmでかつ一番薄い部分の厚さの平均値が少なくとも3μm以上平均粒径以下、
(4)BET法による比表面積が3.5m2 /g以上10.0m2 /g以下、
(5)タッピング密度が0.5g/cc以上1.0g/cc以下、
(6)広角X線回折法による(110)/(004)のX線回折ピーク強度比が0.015以上、
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、リチウム二次電池用炭素質負極材は、ラマンスペクトルの1580
cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるRの値が大きく、1580cm−1ピークの半値幅が小さいほど電池容量が高くなる傾向にあり容量の観点からは黒鉛化度が高く、表面にエッジの出たものが望ましいとされている。
【0012】
しかしながら、黒鉛粒子の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆して2層構造とする場合、黒鉛粒子の黒鉛化度が高いと黒鉛粒子表面の活性サイトが少ないために炭素前駆体となる樹脂溶液等との濡れ性が低下し、均一に炭素前駆体を被着することが困難となる。その結果、黒鉛粒子表面に炭素質物を均一かつ強固に被覆することができず、炭素質物の被膜が充放電を繰り返すうちに剥離してサイクル寿命が短くなる問題が生ずる。
【0013】
そこで、本発明者は黒鉛粒子の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆した2層構造の負極材料として好適な黒鉛粒子の諸性状について多角的に研究を行った結果、黒鉛粒子表面の黒鉛結晶構造にある程度の乱れがある方が、すなわち、ある程度黒鉛化度が低い方が、炭素質物を均一、強固に、かつ、薄く被覆させることができ、電池の可逆容量の増大やサイクル特性の向上等に有効であることを確認した。
【0014】
すなわち、本発明は、上記の知見に基づいて開発されたもので、その目的はリチウムイオン電池等の非水電解質二次電池の初期充放電効率や可逆電池容量が高く、サイクル寿命の長い負極材料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料は、機械粉砕、分級して得られた下記(1)〜(5)の特性を有する黒鉛粒子を核とし、核の表面が炭素前駆体で被着された後に不活性雰囲気下800〜2800℃の温度で熱処理して形成した炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなることを構成上の特徴とする。
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上
(3)真比重が2.18〜2.25
(4)タッピング比重が1.0〜1.3
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、黒鉛粒子を核としてその表面が黒鉛化度の低い炭素質物により被覆された2層構造からなるものである。黒鉛はコークスを非酸化性雰囲気下で2500℃以上の温度で熱処理する、あるいはコークスとバインダーピッチとを混練、成形、焼成したのち2500℃以上の温度で熱処理し粉砕する、などの常法により得られたものが用いられる。
【0017】
この黒鉛の特性としては平均粒子径10〜50μm、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rが0.3以下、1580cm−1ピークの半値幅が24cm−1以下であることが好ましい。
【0018】
核となる黒鉛粒子は、この黒鉛を機械粉砕、分級して、下記(1)〜(5)
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上
(3)真比重が2.18〜2.25
(4)タッピング比重が1.0〜1.3
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
の特性を有するものが使用される。
【0019】
機械粉砕は、鱗片状黒鉛粒子の角を取り、丸みを帯びさせる等の形状を改善するとともに、黒鉛粒子表面の黒鉛結晶面を一部破壊して、炭素前駆体との濡れ性が大きく、化学的活性の高い非晶質面を露出させるために行うものである。この粉砕装置としては、例えば、(株)徳寿工作所製のシータ・コンポーサ、ホソカワミクロン(株)製のメカノフュージョンシステム等が好適に適用される。
【0020】
機械粉砕した黒鉛粒子中に微粉が存在すると、樹脂溶液等の炭素前駆体を被覆する際に凝集塊を生じ易く、解砕などの後処理が必要となるため、機械粉砕後、微粉を除去するために分級処理される。この場合、粒径5μm以下の微粉含有量を3Vol%以下に分級することが好ましい。
【0021】
このようにして、核となる黒鉛粒子が調製されるが、本発明は、その特性として上記(1)〜(5)の特性を有するものが選択、使用される。
【0022】
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下の粒子性状の黒鉛粒子を用いる理由は、平均粒子径が10μmより小さい場合には表面を炭素前駆体で均一に被覆することが難しく、また微細な粒子の存在確率も高くなり、比表面積が増大して電解液との反応性が大きくなるからである。一方、平均粒子径が大きくなり、40μmを越えると粗大粒子の存在確率が高くなり、粗大粒子により均一な厚みの電極を作製することが困難となるためである。また比表面積が10m2 /gを越えると電解液との反応性が大きくなるためである。
【0023】
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上の黒鉛粒子を用いる理由は、d002が0.337μm以上、Lcが100nm未満の場合には、黒鉛結晶構造の発達が低く、結晶子の大きさも小さいために、単位重量あるいは単位体積当たりの可逆電気容量が低下するからである。
【0024】
(3)真比重を2.18〜2.25の範囲に特定するのは、真比重が2.18を下回る場合には、黒鉛化度が低いために単位重量当たりの可逆電気容量が小さくなり、また充電時に黒鉛層間に挿入されるリチウムイオンによる膨張の緩和機能も小さくなる。一方、真比重が2.25を越えると黒鉛粒子内部に微細なクラックが生じ易くなり、単位体積当たりの可逆電気容量が低下する。
【0025】
(4)タッピング比重を1.0〜1.3の範囲に特定するのは、タッピング比重が1.0を下回ると、単位重量あるいは単位体積当たりの可逆電気容量が低くなり、一方、1.3を上回るとサイクル特性が悪化するためである。
【0026】
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値、および、1580cm−1ピークの半値幅は、黒鉛粒子の黒鉛化度を示すものであり、黒鉛化度が高いほど電池容量は大きくなる。本発明において、ピーク強度比Rの値を0.5超に、半値幅を26cm−1超に特定するのは、黒鉛化度を相対的に低位に設定するものであるから、可逆電池容量を大きくする点からは不利となる。
【0027】
しかしながら、この黒鉛粒子を核として、その表面に例えば樹脂溶液の炭素前駆体を被着する場合に、黒鉛粒子との界面濡れ性の向上を図ることは均一、強固に、薄く炭素質物を形成、被覆する観点から極めて重要である。そこで、本発明は黒鉛粒子表面の黒鉛結晶構造を一部破壊して、黒鉛化度を低位に調整し、樹脂溶液との濡れ性を向上させるとにより、均一、強固に、薄く炭素質物を被覆するものである。
【0028】
その結果、充放電の繰り返しによる黒鉛層間に吸蔵・放出されるリチウムイオンにより、黒鉛は膨張・収縮を繰り返すが、炭素質物は黒鉛粒子表面に強固に結合、被覆されているので、剥離が抑制され、電池のサイクル特性の向上が図られることになる。すなわち、黒鉛化度の低位化に伴う可逆電池容量の低下を抑制しつつ、サイクル特性の向上を図ることが可能となる。
【0029】
なお、これらの特性は下記の方法により測定された値である。
▲1▼平均粒子径;
レーザー回折式の粒度分布測定装置、島津製作所製SALD2000にて測定し、体積を基準にしたメディアン径(μm)で示した。
▲2▼比表面積;
島津製作所製GEMINI2375により、窒素を吸着ガスとして測定。
【0030】
▲3▼面間隔d002、結晶子の大きさLc;
グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線をもちい、反射式ディフラクトメーター法によって、広角X線回折曲線を測定し、学振法を用いて測定。
【0031】
▲4▼真比重;
マイクロメリティックス社製オートピクノメーター1320を用いて、ヘリウム置換法により測定。
【0032】
▲5▼タッピング比重;
筒井理化学器械(株)製かさ密度測定機TPM−1型にて測定、1000回タッピングした時の比重で示した。
【0033】
▲6▼ラマンスペクトル;
JobinYvon 社製T64000を用いて、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1360±100cm−1のバンド域に現出するスペクトル強度と、1580±100cm−1のバンド域に現出するスペクトル強度を測定して、その相対強度比Rを求めた。また、1580±100cm−1のスペクトル強度の1/2の値を示すスペクトル幅(半値幅)を測定した。
【0034】
この黒鉛粒子を核として、その表面に被着する炭素前駆体としては熱処理により炭素化する種々の有機物、例えば、液相で炭素化するコールタールピッチや石炭系・石油系重質油、固相で炭素化するフルフリルアルコール樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に用いられる。なお、被着する際に、これらの有機物をアルコールやエーテルなどの適宜な溶媒で希釈して低粘度化して用いることが好ましい。
【0035】
炭素前駆体の被着は、黒鉛粒子を、例えば、熱硬化性樹脂をアルコールなどの溶媒に溶解した樹脂液中に入れて攪拌混合したのち固液分離し、次いで100〜250℃程度に加熱して溶媒を揮散除去するなどの方法で行うことができる。このようにして、黒鉛粒子表面に被着された炭素前駆体は、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性雰囲気下800〜2800℃の温度で熱処理して炭素質物に転化する。熱処理温度が800℃未満では炭素化が十分でなく、また2800℃を越える温度では黒鉛結晶化が過度に進行するためである。
【0036】
本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、黒鉛粒子を核として、その表面が黒鉛化度の低い炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなるものであり、炭素質物の被覆後、必要に応じて粉砕、分級処理などをして適度の粒度に調整することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例に制約されるものではない。
【0038】
実施例1
平均粒子径20μm、比表面積6m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.23、タッピング比重0.72の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径18μm、比表面積6.2m2 /g、タッピング比重1.12、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.52、1580cm−1ピークの半値幅が28.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0039】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0040】
実施例2
実施例1と同じ方法で調製した黒鉛粒子25kgと軟化温度90℃のピッチ8kgを、150℃に加熱しながらニーダーにて混合した。得られたピッチ被着黒鉛粒子を解砕した後、窒素ガス雰囲気下2000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0041】
実施例3
平均粒子径15μm、比表面積9m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.21、タッピング比重0.68の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径14μm、比表面積8.8m2 /g、タッピング比重1.06、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.51、1580cm−1ピークの半値幅が27.5cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0042】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去することによりフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0043】
実施例4
実施例2と同じ方法で調製した黒鉛粒子25kgと軟化温度90℃のピッチ8kgを、150℃に加熱しながらニーダーにて混合した。得られたピッチ被着黒鉛粒子を解砕した後、窒素ガス雰囲気下2000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0044】
比較例1
実施例1と同一の人造黒鉛粉を用いて、ホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムの粉砕条件を調整することにより、平均粒子径19μm、比表面積6.1m2 /g、タッピング比重1.00、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.32、1580cm−1ピークの半値幅が22.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0045】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去することにより、フェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0046】
比較例2
平均粒子径18μm、比表面積4m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.335nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.25、タッピング比重0.63の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径17μm、比表面積4.1m2 /g、タッピング比重0.92、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.21、1580cm−1ピークの半値幅が21.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0047】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0048】
比較例3
平均粒子径8μm、比表面積14m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.22、タッピング比重0.58の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径7μm、比表面積13m2 /g、タッピング比重0.88、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.50、1580cm−1ピークの半値幅が27.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0049】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0050】
比較例4
平均粒子径20μm、比表面積5m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.337nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.17、タッピング比重0.98の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径18μm、比表面積4.7m2 /g、タッピング比重1.21、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.60、1580cm−1ピークの半値幅が29.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0051】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0052】
これらの炭素材を用いて、下記の方法で電池特性を評価した。
▲1▼初期充放電効率、可逆容量
金属リチウムを負極、参照極とし、各黒鉛粉を正極とする三極式のテストセルを作製し、リチウム参照極に対して0.002Vまで一定電流で充電(黒鉛へLiを挿入)した後、1.2Vまで一定電流で放電(黒鉛からLiが脱離)させ、初回の充電電気量に対する放電電気量の比率を初期充放電効率とした。さらに同条件で充放電を繰り返し、10サイクル目に放電(黒鉛からLiが脱離)できた電気量から、黒鉛1g当たりの可逆容量を算出した。また、これにタッピング比重を掛けて、黒鉛1cm3 当たりの可逆容量を算出した。
【0053】
▲2▼容量維持率
図1に示したコイン型電池を作製し、定電流−定電圧方式により、上限電圧4.2V、下限電圧3.1Vで繰り返し充放電を200サイクル行い、5サイクル目の容量に対する200サイクル目の容量の比率(容量維持率)を算出して、サイクル特性の評価を行った。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例1〜4では、平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下、X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重が2.18〜2.25、タッピング比重が1.0〜1.3、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5を超え、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1を超える黒鉛粒子を核とし、フェノール樹脂でその表面を被着した後に窒素ガス雰囲気中で800から2800℃の温度で熱処理した2層構造の炭素材をリチウム電池の負極材とすることにより、初期充放電効率が93%以上、単位重量当たりの可逆容量が340mAh/g以上、単位体積当たりの可逆容量が400mAh/cm3 以上、容量維持率が83%以上の電池性能を示し、リチウムイオン電池として重要な特性が極めて高位にバランスしていることが分かる。
【0056】
これに対して、ピーク強度比R値が0.5未満であり、半値幅が26cm−1未満の比較例1では、炭素質物の被覆強度が小さく、充放電サイクルの繰り返しにより炭素質物が剥がれる結果、容量維持率が低位となっている。
【0057】
また、黒鉛粒子のタッピング比重の小さい比較例2では単位体積当たりの可逆容量が低く、ピーク強度比R値および半値幅も小さいため黒鉛粒子表面の黒鉛結晶製が高く、被覆した炭素質物の密着強度が低いため充放電サイクルの繰り返しにより炭素質物が剥がれる結果、容量維持率が低位となっている。
【0058】
比較例3は平均粒子径が10μm未満、比表面積が10m2 /gを越える黒鉛粒子を核とした結果、微細な粒子の割合が多くなることによって電解液との反応性が高くなり、初期充放電効率が低位となっている。また、微細な粒子の存在によりタッピング比重も低く、単位体積当たりの可逆容量も低くなることが認められる。
【0059】
また、比較例4はX線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002およびC軸方向の結晶子の大きさLcが小さく、黒鉛化度の低い黒鉛粒子を核とした結果、単位体積当たりの可逆容量が低位にあることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、粉砕、分級した黒鉛粒子を核として、その表面を炭素質物で被覆した2層構造の炭素材から構成され、黒鉛粒子表面の黒鉛化度が低い点を特徴とするものであり、炭素質物に転化する炭素前駆体を黒鉛粒子表面に薄く、均一に、かつ強固に被着させることができる。その結果、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池の初期充放電効率や可逆電池容量が高く、サイクル寿命の長い負極材料を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、電池の容量維持率を測定するために用いたコイン型電池の断面図である。
【符号の説明】
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 負極缶
5 正極缶
6 ガスケット
7 電解液
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池等の非水電解質二次電池において、リチウム担持体となる負極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解質二次電池としてリチウム塩の有機電解液を用いたリチウム二次電池は軽量でエネルギー密度が高く、小型電子機器の電源あるいは電力貯蔵用の電池等として期待されている。当初、リチウム二次電池の負極材としては金属リチウムが用いられていたが、金属リチウムは放電時にリチウムイオンとして電解液中に溶出し、充電時にはリチウムイオンは金属リチウムとして負極表面に析出する際に、平滑で元の状態に析出させることが難しく、デンドライト状に析出し易い。このデンドライトは活性が極めて強いため電解液を分解するので電池性能が低下し、充放電のサイクル寿命が短くなる欠点がある。更に、デンドライトが成長して正極に達して、両極が短絡する危険もある。
【0003】
この欠点を改善するために、金属リチウムに代えて炭素材を用いることが提案されてきた。炭素材はリチウムイオンの吸蔵、放出に際しデンドライト状に析出する問題がないため、負極材として好適である。すなわち、黒鉛材はリチウムイオンの吸蔵・放出性が高く、速やかに吸蔵・放出反応が行われるために充放電の効率が高く、理論容量も372mAh/gであり、更に、充放電時の電位も金属リチウムとほぼ等しく、高電圧の電池が得られる等の利点がある。
【0004】
しかしながら、黒鉛化度が高く、六角網面構造が高度に発達している黒鉛材の場合、電解液との反応が起こり易く、電池性能が損なわれて、例えば初期充放電効率が低下する等の難点がある。そこで、黒鉛材を中心とする炭素材の性状を改良して、例えば、黒鉛化度の高い黒鉛材の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆した複層構造の炭素材により、これらの難点を解消する試みが盛んに行われており、数多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、特開平4−368778号公報には活物質となる炭素の電解液と接する表面が非晶質炭素により覆われている二次電池用炭素負極、及び、非晶質炭素が乱層構造であり、C軸方向の平均面間隔が0.337〜0.360nm、アルゴンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1に対する1360cm−1のピーク強度比が0.4〜1.0の二次電池用炭素負極が提案されている。
【0006】
特開平4−370662号公報には多相構造を有し、下記(1)及び(2)を満足する炭素質物を主成分とする担持体に、活物質であるアルカリ金属を担持させた二次電池用電極が提案されている。
(1)真密度が1.80g/cm3 以上、(2)アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm−1の範囲にピークPA 、1350〜1370cm−1の範囲にピークPB を有し、PA の強度IA に対するPB の強度IB の比R=IB /IA が0.4以上。
【0007】
また、特開平6−267531号公報には、下記(1)の条件を満たす炭素質物(A)の粒子と、下記(2)の条件を満たす有機化合物(B)の粒子を混合した後、加熱して(B)を炭素化することにより、(A)の粒子を、下記(3)の条件を満たす炭素質物(C)で被覆した多層構造とした電極材料が提案されている。
(1)X線広角回折におけるd002が3.37オングストローム以下、真密度が2.10g/cm3 以上、体積平均粒径が5μm以上であること。
(2)体積平均粒径が炭素質物(A)より小さいこと。
(3)X線広角回折におけるd002が3.38オングストローム以上、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm−1の範囲にピークPA 、1350〜1370cm−1の範囲にピークPB を有し、上記PA の強度IA に対するPB の強度IB の比R=IB /IA が0.2以上であること。
【0008】
しかしながら、黒鉛は鱗片状、鱗状、板状等の粒子形状であるため、例えば、電極板作製時に粒子の配列化が起こりリチウムイオンの移動が妨げられるので、特に電池の急速充放電性が低下し、また充放電容量も低く、改良の必要性が認められた。
【0009】
この粒子形状に起因する問題を解決するために粉砕等の力学的エネルギー処理を行って、鱗片状や鱗状の黒鉛粒子の角を取ることが提案されている。例えば、特開平10−334915号公報の請求項1には、処理前後の見かけ密度比を1.1以上、処理前後のメジアン径比が1以下となるように力学的エネルギー処理を行った炭素質あるいは黒鉛質粒子を含むことを特徴とする非水系二次電池用電極が、同請求項2には、処理前の炭素質あるいは黒鉛質粒子の層間距離d002が0.34nm以下、結晶子サイズLcが30nm以上、真密度が2.25g/cc以上である請求項1の非水系二次電池用電極が、同請求項3には、処理後の炭素質あるいは黒鉛質粒子のメジアン径が5〜50μmであり、BET法比表面積が25m2 /g以下、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.5以下で、かつ1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1以下、見かけ密度が0.5g/cc以上である請求項1、2の非水系二次電池用電極が、同請求項4には、処理後の炭素質あるいは黒鉛質粒子を有機化合物と混合した後に、該有機化合物を炭素化した複層構造炭素材料を含む非水系二次電池用電極が、開示されている。
【0010】
更に、特開平11−54123号公報にはリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池の負極材料として、以下の特性を示す塊状の黒鉛粉末を核とし、その核の表面に炭素前駆体を被覆後、不活性ガス雰囲気下で700〜2800℃の温度範囲で焼成し、炭素質物の表層を形成させた複層構造の炭素質粉末を用いた非水電解質二次電池が開示されている。
(1)広角X線回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37オングストローム未満でかつC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が少なくとも1000オングストローム以上、
(2)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.3以下で、かつ1580cm−1ピークの半値幅が24cm−1以下、
(3)平均粒径が10〜30μmでかつ一番薄い部分の厚さの平均値が少なくとも3μm以上平均粒径以下、
(4)BET法による比表面積が3.5m2 /g以上10.0m2 /g以下、
(5)タッピング密度が0.5g/cc以上1.0g/cc以下、
(6)広角X線回折法による(110)/(004)のX線回折ピーク強度比が0.015以上、
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、リチウム二次電池用炭素質負極材は、ラマンスペクトルの1580
cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるRの値が大きく、1580cm−1ピークの半値幅が小さいほど電池容量が高くなる傾向にあり容量の観点からは黒鉛化度が高く、表面にエッジの出たものが望ましいとされている。
【0012】
しかしながら、黒鉛粒子の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆して2層構造とする場合、黒鉛粒子の黒鉛化度が高いと黒鉛粒子表面の活性サイトが少ないために炭素前駆体となる樹脂溶液等との濡れ性が低下し、均一に炭素前駆体を被着することが困難となる。その結果、黒鉛粒子表面に炭素質物を均一かつ強固に被覆することができず、炭素質物の被膜が充放電を繰り返すうちに剥離してサイクル寿命が短くなる問題が生ずる。
【0013】
そこで、本発明者は黒鉛粒子の表面を黒鉛化度の低い炭素質物で被覆した2層構造の負極材料として好適な黒鉛粒子の諸性状について多角的に研究を行った結果、黒鉛粒子表面の黒鉛結晶構造にある程度の乱れがある方が、すなわち、ある程度黒鉛化度が低い方が、炭素質物を均一、強固に、かつ、薄く被覆させることができ、電池の可逆容量の増大やサイクル特性の向上等に有効であることを確認した。
【0014】
すなわち、本発明は、上記の知見に基づいて開発されたもので、その目的はリチウムイオン電池等の非水電解質二次電池の初期充放電効率や可逆電池容量が高く、サイクル寿命の長い負極材料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料は、機械粉砕、分級して得られた下記(1)〜(5)の特性を有する黒鉛粒子を核とし、核の表面が炭素前駆体で被着された後に不活性雰囲気下800〜2800℃の温度で熱処理して形成した炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなることを構成上の特徴とする。
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上
(3)真比重が2.18〜2.25
(4)タッピング比重が1.0〜1.3
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、黒鉛粒子を核としてその表面が黒鉛化度の低い炭素質物により被覆された2層構造からなるものである。黒鉛はコークスを非酸化性雰囲気下で2500℃以上の温度で熱処理する、あるいはコークスとバインダーピッチとを混練、成形、焼成したのち2500℃以上の温度で熱処理し粉砕する、などの常法により得られたものが用いられる。
【0017】
この黒鉛の特性としては平均粒子径10〜50μm、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rが0.3以下、1580cm−1ピークの半値幅が24cm−1以下であることが好ましい。
【0018】
核となる黒鉛粒子は、この黒鉛を機械粉砕、分級して、下記(1)〜(5)
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上
(3)真比重が2.18〜2.25
(4)タッピング比重が1.0〜1.3
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
の特性を有するものが使用される。
【0019】
機械粉砕は、鱗片状黒鉛粒子の角を取り、丸みを帯びさせる等の形状を改善するとともに、黒鉛粒子表面の黒鉛結晶面を一部破壊して、炭素前駆体との濡れ性が大きく、化学的活性の高い非晶質面を露出させるために行うものである。この粉砕装置としては、例えば、(株)徳寿工作所製のシータ・コンポーサ、ホソカワミクロン(株)製のメカノフュージョンシステム等が好適に適用される。
【0020】
機械粉砕した黒鉛粒子中に微粉が存在すると、樹脂溶液等の炭素前駆体を被覆する際に凝集塊を生じ易く、解砕などの後処理が必要となるため、機械粉砕後、微粉を除去するために分級処理される。この場合、粒径5μm以下の微粉含有量を3Vol%以下に分級することが好ましい。
【0021】
このようにして、核となる黒鉛粒子が調製されるが、本発明は、その特性として上記(1)〜(5)の特性を有するものが選択、使用される。
【0022】
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下の粒子性状の黒鉛粒子を用いる理由は、平均粒子径が10μmより小さい場合には表面を炭素前駆体で均一に被覆することが難しく、また微細な粒子の存在確率も高くなり、比表面積が増大して電解液との反応性が大きくなるからである。一方、平均粒子径が大きくなり、40μmを越えると粗大粒子の存在確率が高くなり、粗大粒子により均一な厚みの電極を作製することが困難となるためである。また比表面積が10m2 /gを越えると電解液との反応性が大きくなるためである。
【0023】
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上の黒鉛粒子を用いる理由は、d002が0.337μm以上、Lcが100nm未満の場合には、黒鉛結晶構造の発達が低く、結晶子の大きさも小さいために、単位重量あるいは単位体積当たりの可逆電気容量が低下するからである。
【0024】
(3)真比重を2.18〜2.25の範囲に特定するのは、真比重が2.18を下回る場合には、黒鉛化度が低いために単位重量当たりの可逆電気容量が小さくなり、また充電時に黒鉛層間に挿入されるリチウムイオンによる膨張の緩和機能も小さくなる。一方、真比重が2.25を越えると黒鉛粒子内部に微細なクラックが生じ易くなり、単位体積当たりの可逆電気容量が低下する。
【0025】
(4)タッピング比重を1.0〜1.3の範囲に特定するのは、タッピング比重が1.0を下回ると、単位重量あるいは単位体積当たりの可逆電気容量が低くなり、一方、1.3を上回るとサイクル特性が悪化するためである。
【0026】
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値、および、1580cm−1ピークの半値幅は、黒鉛粒子の黒鉛化度を示すものであり、黒鉛化度が高いほど電池容量は大きくなる。本発明において、ピーク強度比Rの値を0.5超に、半値幅を26cm−1超に特定するのは、黒鉛化度を相対的に低位に設定するものであるから、可逆電池容量を大きくする点からは不利となる。
【0027】
しかしながら、この黒鉛粒子を核として、その表面に例えば樹脂溶液の炭素前駆体を被着する場合に、黒鉛粒子との界面濡れ性の向上を図ることは均一、強固に、薄く炭素質物を形成、被覆する観点から極めて重要である。そこで、本発明は黒鉛粒子表面の黒鉛結晶構造を一部破壊して、黒鉛化度を低位に調整し、樹脂溶液との濡れ性を向上させるとにより、均一、強固に、薄く炭素質物を被覆するものである。
【0028】
その結果、充放電の繰り返しによる黒鉛層間に吸蔵・放出されるリチウムイオンにより、黒鉛は膨張・収縮を繰り返すが、炭素質物は黒鉛粒子表面に強固に結合、被覆されているので、剥離が抑制され、電池のサイクル特性の向上が図られることになる。すなわち、黒鉛化度の低位化に伴う可逆電池容量の低下を抑制しつつ、サイクル特性の向上を図ることが可能となる。
【0029】
なお、これらの特性は下記の方法により測定された値である。
▲1▼平均粒子径;
レーザー回折式の粒度分布測定装置、島津製作所製SALD2000にて測定し、体積を基準にしたメディアン径(μm)で示した。
▲2▼比表面積;
島津製作所製GEMINI2375により、窒素を吸着ガスとして測定。
【0030】
▲3▼面間隔d002、結晶子の大きさLc;
グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線をもちい、反射式ディフラクトメーター法によって、広角X線回折曲線を測定し、学振法を用いて測定。
【0031】
▲4▼真比重;
マイクロメリティックス社製オートピクノメーター1320を用いて、ヘリウム置換法により測定。
【0032】
▲5▼タッピング比重;
筒井理化学器械(株)製かさ密度測定機TPM−1型にて測定、1000回タッピングした時の比重で示した。
【0033】
▲6▼ラマンスペクトル;
JobinYvon 社製T64000を用いて、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1360±100cm−1のバンド域に現出するスペクトル強度と、1580±100cm−1のバンド域に現出するスペクトル強度を測定して、その相対強度比Rを求めた。また、1580±100cm−1のスペクトル強度の1/2の値を示すスペクトル幅(半値幅)を測定した。
【0034】
この黒鉛粒子を核として、その表面に被着する炭素前駆体としては熱処理により炭素化する種々の有機物、例えば、液相で炭素化するコールタールピッチや石炭系・石油系重質油、固相で炭素化するフルフリルアルコール樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に用いられる。なお、被着する際に、これらの有機物をアルコールやエーテルなどの適宜な溶媒で希釈して低粘度化して用いることが好ましい。
【0035】
炭素前駆体の被着は、黒鉛粒子を、例えば、熱硬化性樹脂をアルコールなどの溶媒に溶解した樹脂液中に入れて攪拌混合したのち固液分離し、次いで100〜250℃程度に加熱して溶媒を揮散除去するなどの方法で行うことができる。このようにして、黒鉛粒子表面に被着された炭素前駆体は、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性雰囲気下800〜2800℃の温度で熱処理して炭素質物に転化する。熱処理温度が800℃未満では炭素化が十分でなく、また2800℃を越える温度では黒鉛結晶化が過度に進行するためである。
【0036】
本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、黒鉛粒子を核として、その表面が黒鉛化度の低い炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなるものであり、炭素質物の被覆後、必要に応じて粉砕、分級処理などをして適度の粒度に調整することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例に制約されるものではない。
【0038】
実施例1
平均粒子径20μm、比表面積6m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.23、タッピング比重0.72の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径18μm、比表面積6.2m2 /g、タッピング比重1.12、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.52、1580cm−1ピークの半値幅が28.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0039】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0040】
実施例2
実施例1と同じ方法で調製した黒鉛粒子25kgと軟化温度90℃のピッチ8kgを、150℃に加熱しながらニーダーにて混合した。得られたピッチ被着黒鉛粒子を解砕した後、窒素ガス雰囲気下2000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0041】
実施例3
平均粒子径15μm、比表面積9m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.21、タッピング比重0.68の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径14μm、比表面積8.8m2 /g、タッピング比重1.06、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.51、1580cm−1ピークの半値幅が27.5cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0042】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去することによりフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0043】
実施例4
実施例2と同じ方法で調製した黒鉛粒子25kgと軟化温度90℃のピッチ8kgを、150℃に加熱しながらニーダーにて混合した。得られたピッチ被着黒鉛粒子を解砕した後、窒素ガス雰囲気下2000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0044】
比較例1
実施例1と同一の人造黒鉛粉を用いて、ホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムの粉砕条件を調整することにより、平均粒子径19μm、比表面積6.1m2 /g、タッピング比重1.00、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.32、1580cm−1ピークの半値幅が22.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0045】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去することにより、フェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0046】
比較例2
平均粒子径18μm、比表面積4m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.335nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.25、タッピング比重0.63の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径17μm、比表面積4.1m2 /g、タッピング比重0.92、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.21、1580cm−1ピークの半値幅が21.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0047】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0048】
比較例3
平均粒子径8μm、比表面積14m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.336nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.22、タッピング比重0.58の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径7μm、比表面積13m2 /g、タッピング比重0.88、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.50、1580cm−1ピークの半値幅が27.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0049】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0050】
比較例4
平均粒子径20μm、比表面積5m2 /g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.337nm、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重2.17、タッピング比重0.98の人造黒鉛粉をホソカワミクロン社製メカノフュージョンシステムにより粉砕して、平均粒子径18μm、比表面積4.7m2 /g、タッピング比重1.21、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比R値が0.60、1580cm−1ピークの半値幅が29.0cm−1の黒鉛粒子を得た。なお、真比重およびd002、Lcは粉砕による変化は認められなかった。
【0051】
この黒鉛粒子5kgと、液状のレゾール系フェノール樹脂(住友ベークライト社製PR50001、不揮発分70%)をエタノールで希釈して樹脂濃度を10wt%に調整した溶液20kgとを容器に入れ、30分間室温にて攪拌処理を行った。その後、濾紙を用いて固液分離を行い、得られた黒鉛粒子を150℃に加熱してエタノールと樹脂の揮発成分を除去してフェノール樹脂が被着した黒鉛粒子を得た。これを解砕した後、窒素ガス雰囲気下1000℃の温度で熱処理して炭化し、黒鉛粒子表面が炭素質物で被覆された2層構造の炭素材を得た。
【0052】
これらの炭素材を用いて、下記の方法で電池特性を評価した。
▲1▼初期充放電効率、可逆容量
金属リチウムを負極、参照極とし、各黒鉛粉を正極とする三極式のテストセルを作製し、リチウム参照極に対して0.002Vまで一定電流で充電(黒鉛へLiを挿入)した後、1.2Vまで一定電流で放電(黒鉛からLiが脱離)させ、初回の充電電気量に対する放電電気量の比率を初期充放電効率とした。さらに同条件で充放電を繰り返し、10サイクル目に放電(黒鉛からLiが脱離)できた電気量から、黒鉛1g当たりの可逆容量を算出した。また、これにタッピング比重を掛けて、黒鉛1cm3 当たりの可逆容量を算出した。
【0053】
▲2▼容量維持率
図1に示したコイン型電池を作製し、定電流−定電圧方式により、上限電圧4.2V、下限電圧3.1Vで繰り返し充放電を200サイクル行い、5サイクル目の容量に対する200サイクル目の容量の比率(容量維持率)を算出して、サイクル特性の評価を行った。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例1〜4では、平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下、X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上、真比重が2.18〜2.25、タッピング比重が1.0〜1.3、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5を超え、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1を超える黒鉛粒子を核とし、フェノール樹脂でその表面を被着した後に窒素ガス雰囲気中で800から2800℃の温度で熱処理した2層構造の炭素材をリチウム電池の負極材とすることにより、初期充放電効率が93%以上、単位重量当たりの可逆容量が340mAh/g以上、単位体積当たりの可逆容量が400mAh/cm3 以上、容量維持率が83%以上の電池性能を示し、リチウムイオン電池として重要な特性が極めて高位にバランスしていることが分かる。
【0056】
これに対して、ピーク強度比R値が0.5未満であり、半値幅が26cm−1未満の比較例1では、炭素質物の被覆強度が小さく、充放電サイクルの繰り返しにより炭素質物が剥がれる結果、容量維持率が低位となっている。
【0057】
また、黒鉛粒子のタッピング比重の小さい比較例2では単位体積当たりの可逆容量が低く、ピーク強度比R値および半値幅も小さいため黒鉛粒子表面の黒鉛結晶製が高く、被覆した炭素質物の密着強度が低いため充放電サイクルの繰り返しにより炭素質物が剥がれる結果、容量維持率が低位となっている。
【0058】
比較例3は平均粒子径が10μm未満、比表面積が10m2 /gを越える黒鉛粒子を核とした結果、微細な粒子の割合が多くなることによって電解液との反応性が高くなり、初期充放電効率が低位となっている。また、微細な粒子の存在によりタッピング比重も低く、単位体積当たりの可逆容量も低くなることが認められる。
【0059】
また、比較例4はX線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002およびC軸方向の結晶子の大きさLcが小さく、黒鉛化度の低い黒鉛粒子を核とした結果、単位体積当たりの可逆容量が低位にあることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、粉砕、分級した黒鉛粒子を核として、その表面を炭素質物で被覆した2層構造の炭素材から構成され、黒鉛粒子表面の黒鉛化度が低い点を特徴とするものであり、炭素質物に転化する炭素前駆体を黒鉛粒子表面に薄く、均一に、かつ強固に被着させることができる。その結果、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池の初期充放電効率や可逆電池容量が高く、サイクル寿命の長い負極材料を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、電池の容量維持率を測定するために用いたコイン型電池の断面図である。
【符号の説明】
1 負極
2 正極
3 セパレータ
4 負極缶
5 正極缶
6 ガスケット
7 電解液
Claims (1)
- 機械粉砕、分級して得られた下記(1)〜(5)の特性を有する黒鉛粒子を核とし、核の表面が炭素前駆体で被着された後に不活性雰囲気下800〜2800℃の温度で熱処理して形成した炭素質物により被覆された2層構造の炭素材からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極材料。
(1)平均粒子径が10〜40μm、比表面積が10m2 /g以下
(2)X線回折法による黒鉛結晶子の(002)面の面間隔d002が0.337nm未満、C軸方向の結晶子の大きさLcが100nm以上
(3)真比重が2.18〜2.25
(4)タッピング比重が1.0〜1.3
(5)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比Rの値が0.5超、かつ、1580cm−1ピークの半値幅が26cm−1超
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