JP5365674B2 - 炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池の負極用に好適な炭素材料の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の負極を構成する炭素材料としては、主に黒鉛質材料、中でも人造黒鉛粉末が使用されている。
リチウムイオン二次電池を高容量化するために、負極に用いる黒鉛質材料の質量当たりの容量を増大させる研究が数多くなされてきた。そのような努力の結果、現在では、黒鉛の理論容量372mAh/gに近い、360mAh/gを超える容量を示す黒鉛質材料が開発されている。従って、黒鉛質材料それ自体の容量増大はほぼ限界に達している。
このような状況において、最近ではリチウムイオン二次電池の高容量化の手法として、負極材料をより圧縮して、負極の詰め込み密度を上げることによりその容量を高める試みが行われている。負極材料を圧縮して詰め込むためには、負極材料の粒子が変形して空間を埋める必要があり、それには粒子が柔らかい方が適している。粒子が硬いと、圧縮に過度な負荷を必要とし、装置上の問題を生じる。
黒鉛質材料、特に結晶化度の高い天然黒鉛粉末、から構成された負極を有するリチウムイオン二次電池では、電池の非水電解液の分解(より詳しくは、一般に溶媒として使用される有機カーボネートの分解)が起こりやすい。その結果、電池の不可逆容量が増大し、充放電効率(充電容量に対する放電容量の比)やサイクル特性が劣化する。この電解液の分解を抑制するために、高結晶性の黒鉛質材料の粉末からなる核材の各粒子の表面を炭素質物質で被覆した炭素材料がこれまでに数多く提案されている(例、下記特許文献1〜7を参照)。被覆材料としては安価なピッチが使用されることが多い。核材の黒鉛質材料の粉末の表面をピッチで被覆した後、混合物を熱処理してピッチを炭化させると、被覆材料は炭素質物質になる。こうして、核材の黒鉛質材料の粉末が炭素質物質で被覆されてなる炭素材料が得られる。
従来提案されている炭素質物質による黒鉛質材料の表面被覆は、黒鉛質材料の電解液との反応を抑制し、それにより充放電効率やサイクル特性の向上を達成することを目的としている。電解液との反応は核材である黒鉛質材料の粒子の表面で起こることから、核材粒子の表面全体を炭素質物質で被覆して、核材表面が露出しないようにする。核材粒子の表面全体を被覆するために、ピッチ等の被覆材料を多量に用いることが多い。例えば、特許文献1では、核材である黒鉛質材料に対するピッチの重量比が5/95〜50/50となる割合で両者の粉末を混合した後、混合物を熱処理する。したがって、ピッチの割合は5〜50重量%である。
特許文献2〜7には、炭素質物質の核とその表面を被覆する炭素質物質の表層とからなる多相構造を有し、かつ特定のラマンスペクトルと場合により結晶学的もしくは他の特性とを有する二次電池用負極材料が開示されている。表層を形成する炭素質物質の微細構造がラマンスペクトルに寄与する。
特許文献2〜7に記載されている炭素質物質の核の表面を被覆するための方法は、(1)有機化合物の気相熱分解による被覆、(2)有機化合物を液相から炭素化させて被覆する方法(具体的には、実施例で採用されているように、ピッチなどの縮合多環式炭化水素材料を有機溶媒に溶解させて液相化し、この溶液(液相)中に核材を浸漬した後、熱処理してピッチを炭化させる)、及び(3)樹脂等の有機高分子物質で核材を被覆し、固相で被覆材を熱分解させる方法である。いずれの方法も核の炭素質物質の粒子の表面全体を均一に被覆することを意図している。
特許文献2〜7に記載された多相構造を有する炭素材料における表層の割合は、特許文献2では好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜60重量%であり、特許文献3、4では好ましくは2〜80重量%、より好ましくは5〜65重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは6〜40重量%であり、特許文献5では好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは7〜50重量%であり、特許文献6では好ましくは30〜70重量%、より好ましくは35〜75重量%、さらに好ましくは40〜70重量%であり、特許文献7では好ましくは10〜65重量%、より好ましくは15=60重量%、さらに好ましくは20〜55重量%である。ただし、実施例における表層の割合は、特許文献2、6では50重量%、特許文献3〜5では35重量%、特許文献7では45重量%であり、表層の割合が35重量%より少ない多相構造のものは具体的には示されていない。表層の割合をこのように多くするのは、表層の微細構造により所定のラマン構造が付与されるためであると考えられる。
特開2003−100292号公報 特開平10−321218号公報 特開平10−255851号公報 特開平05−94838号公報 特開平05−217604号公報 特開平05−307976号公報 特開平05−307977号公報
我々の研究の結果では、核材が黒鉛粉末である場合、その表面を所定のラマンスペクトルなどの物性値が現われるような量の炭素質物質によって被覆すると、炭素質物質による表面被覆の量が過剰であり、負極材料の粒子強度が高くなりすぎることが判明した。そのため、負極材料を十分に圧縮できず、電極密度が上がらない上、高い電極密度を得ようと過度に圧縮すると、表面被覆の破壊が著しく、かえって充放電効率の低下やサイクル特性の低下が大きくなる。
本発明は、非水電解液の分解を抑制することができると同時に、圧縮性に優れていて電極内で高充填が可能であり、それによって充放電効率やサイクル特性の低下を伴わずに電極密度の増大、従って電極の高容量化を達成することができる、非水系二次電池の負極材料に適した炭素材料の製造方法を提供することを目的とする。
六方晶層状結晶構造をとる黒鉛粉末は、天然黒鉛と人造黒鉛のいずれの粉末であっても、粉砕された粒子からなる。黒鉛の粉砕は、層間で剥がれるへき開と、へき開面に対して角度のある方向(典型的には略垂直方向)への割れの両方により起こる。従って、黒鉛の各粉末粒子の表面は、ベーサル面(へき開面に平行な面)とエッジ面(へき開面と角度をなす面、典型的にはへき開面に略垂直な面)とを含んでいる。ベーサル面では六方晶層状結晶構造の最外層が露出しているのに対し、エッジ面には層状結晶構造を構成する各層の端部(粉砕により各層が層内で分断された端部)が露出している。
ベーサル面が平滑な面であるのに対し、エッジ面は、凹凸が大きく、かつ反応性を有する活性な基が露出しているため、ベーサル面より著しく高い活性を示す。従って、電解液の分解による充放電効率の低下は、黒鉛粒子の表面のうち、特にエッジ面で起こる電解液の分解に主な原因があると考えられる。
そうであれば、核材である黒鉛粉末を炭素質物質で表面被覆するために用いるピッチは、黒鉛粒子のエッジ面に優先的に付着し、それによりエッジ面がピッチから形成された炭素質物質で保護されるようになれば十分である。黒鉛粒子の表面全体を被覆するように多量のピッチで黒鉛粉末を被覆すると、上述したように、強度が高くなりすぎて圧縮性能が劣り、充放電効率やサイクル特性といった電池性能をかえって低下させる。
エッジ面は、活性な反応性基が露出し、またベーサル面より粗い(凹凸が大きい)。そのため、黒鉛粉末をピッチと混合した後、加熱してピッチを溶融させると、黒鉛粒子のエッジ面が溶融ピッチで優先的に濡れる。従って、ピッチの量を黒鉛粉末の表面全体を被覆するのに必要な量より少ない量に抑えれば、黒鉛粒子のエッジ面を優先的にピッチで被覆することが可能となる。
この点に着目して検討した結果、核材である黒鉛粉末の比表面積及び平均粒径、表面被覆に用いるピッチの軟化点及び平均粒径、それらの割合、並びに処理条件を工夫することによって、高容量化のための高充填が可能な良好な圧縮性を有し、かつ充放電効率やサイクル特性の低下を生じない炭素材料が製造できることを見出した。
本発明は、下記工程を含む炭素材料の製造方法である:
平均粒径が10〜30μmで比表面積S1が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下の黒鉛粉末Aと、融点が80〜180℃で平均粒径が15〜150μmのピッチ粉末Bとを、A/Bの質量比=98/2〜95.5/4.5の割合で混合する工程(混合工程)、および
前記混合工程で得られた混合粉末に、粉末を静置した状態で不活性雰囲気下900〜1100℃において熱処理を施す工程(熱処理工程)。
熱処理工程中にピッチは溶融し、溶融ピッチが黒鉛粉末に付着し、次いで炭化して炭素となる。上記温度範囲での熱処理により生ずる炭素は、乱層構造を持った結晶化度の低い炭素であって、低温焼成炭素(または乱層構造炭素)と呼ばれる。この熱処理工程を、静置状態ではなく、撹拌または流動状態の混合粉末に対して行うと、ピッチが黒鉛粉末の粒子の表面全体に付着し易く、黒鉛粉末のエッジ面を優先的に被覆することが難しくなる。その結果、電解液の分解防止に必要なピッチの被覆量が増え、圧縮性能、従って、電池性能が低下する。
本発明に係る方法では、ピッチの使用量がごく少量で、それが凹凸の大きなエッジ面に優先的に付着し、熱処理工程中に溶融して炭化するため、得られた炭素材料の平均粒径は核材として用いた黒鉛粉末の平均粒径と実質的に同一である。
本発明に係る方法で製造された炭素材料は、その平均粒径に加え、核材である黒鉛粉末やピッチの炭化により生じた炭素で被覆された後の比表面積により特定することができ、こうして特定された炭素材料それ自体も新規である。
本発明により、比表面積S1が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下の黒鉛粉末からなる核材の表面に炭素を付着させた炭素材料であって、炭素材料の比表面積S2が1.0〜5.0m2/gで、かつ0.4≦S2/S1≦0.8を満たし、平均粒径が10〜30μmである、炭素材料が製造される。
この炭素材料において、炭素は核材である黒鉛粉末の粒子表面のエッジ面に優先的に付着して被覆している。炭素がエッジ面に優先的に付着・被覆していることは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認することができる。
本明細書において、平均粒径は、累積粒径分布において体積分率50%時の粒子径D50を意味する。比表面積は常法に従って窒素ガス吸着によりBET法で測定される値である。核材の比表面積S1は、炭素を付着させる前に測定された値である。
本発明に係る方法で製造された炭素材料は、リチウムイオン二次電池のような非水系二次電池の負極材料として適しており、特に非水電解液が溶媒として使用されうるPC(プロピレンカーボネート)を実質的に含まない非水系二次電池の負極材料として使用するのに適している。
ここで「PCを実質的に含まない」とは、非水電解液中のPC(プロピレンカーボネート)の含有量が5質量%以下であることを意味する。PCの含有量は好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。
PCを含む電解液は、PCを実質的に含まない電解液に比べて反応が激しく、PC含有電解液とリチウムイオンとが反応して溶媒和物を生ずる。この溶媒和物の分子は、黒鉛層状結晶の層間寸法よりも大きく、この大きな分子が黒鉛結晶のエッジ面から結晶の層間内に進入するため、黒鉛の粒子破壊を引き起し易いと言われている。そのような反応を防ぐには、黒鉛粒子の表面のエッジ面を実質的に完全に被覆することが一般に必要になる。エッジ面を全面的に確実に被覆するには多量のピッチの付着が必要になるが、そうすると、前述したように被覆後の炭素材料の粒子強度が高くなりすぎて、電極密度が上がらず、電極作成時のプレス圧を過度に高めるとサイクル劣化が起こるといった問題が発生する。
本発明によれば、核材である黒鉛粉末を抑制された量のピッチ粉末と混合し、その後に静置状態で熱処理を行ってピッチを炭化させることにより、黒鉛粒子のエッジ面の少なくとも一部だけが優先的に炭素で被覆された炭素材料が得られる。この炭素材料を非水系二次電池の負極材料として使用した場合、電解液の分解は顕著に抑制され、充放電効率とサイクル寿命が著しく改善される。その上、負極材料が過度に高強度化されていないため、負極を高密度化、従って、高容量化することが可能となる。
本発明に係る方法で製造された炭素材料のTEM画像である。核材の黒鉛粒子のエッジ面にピッチ由来の低温焼成炭素(図にはピッチと表示)が優先的に付着し、ベーサル面には付着が起こっていないことを示す。
本発明に係る方法で製造された炭素材料は、黒鉛粉末からなる核材の粒子表面に炭素を付着させたものであり、下記の点を特徴とする:
・核材の黒鉛粉末は、炭素を付着させる前の比表面積S1が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下であり、
・核材の黒鉛粉末に炭素を付着させた炭素材料は、比表面積S2が1.0〜5.0m2/g、かつ0.4≦S2/S1≦0.8を満たし、その平均粒径が10〜30μmである。
核材である黒鉛粉末への炭素の付着は黒鉛粉末の粒子表面のエッジ面に優先的になされている。このエッジ面への優先的な炭素の付着は、炭素の前駆体であるピッチの核材との混合量を少量に制限し、かつピッチと黒鉛粉末との混合物を静置状態で熱処理することによって達成される。
上述したように、核材の黒鉛粉末に少量の炭素が付着して得られる炭素材料の平均粒径は、核材の黒鉛粉末の平均粒径と実質的に同一である。従って、核材の黒鉛粉末は平均粒径が10〜30μmの範囲内のものを用いる。
炭素材料の平均粒径が小さすぎると、黒鉛粉末や炭素材料の取り扱い時に粉末の凝集が起こりやすく、取り扱いが困難となる。例えば、電極作製時に炭素材料をスラリー化して塗工するが、その作業が難しくなる。炭素材料の平均粒径が大き過ぎると、電極表面の凹凸が大きくなりすぎて、電池短絡を引き起こす危険性が出てくる。黒鉛粉末および炭素材料の好ましい平均粒径は12〜25μmである。
核材として用いる黒鉛粉末の比表面積S1は5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下である。黒鉛粉末の比表面積が大き過ぎると、表面被覆に必要なピッチ量が多くなる。比表面積S1はより好ましくは10m2/g以下である。黒鉛粉末の比表面積は、平均粒径に加えて、黒鉛粉末の細孔構造にも依存する。細孔のほとんどはエッジ面に開口しているため、被覆前の核材黒鉛粉末の比表面積はかなり大きい。
核材として使用する黒鉛粉末は、天然黒鉛及び人造黒鉛のいずれの粉末でもよく、両者の混合物も使用できる。天然黒鉛は、人造黒鉛より安価であるが、黒鉛化度が非常に高いため、エッジ面の反応性が高い。そのため、天然黒鉛は、電解液分解による不可逆容量が大きくなる、保存特性や安全性などの電池性能が損なわれる、といった問題があり、リチウムイオン二次電池の負極材料としてこれまではあまり使用されてこなかった。しかし、本発明では、反応性の高いエッジ面が優先的に被覆され、電解液の分解が抑えられるので、上記範囲内の平均粒径と比表面積を有するものであれば、天然黒鉛粉末も十分に使用できる。それにより、電極の製造コストを低減することが可能となる。比表面積が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下の天然黒鉛粉末として、粉砕により球形化処理された天然黒鉛粉末がある。
核材の黒鉛粉末に炭素が付着した炭素材料の比表面積S2は、1.0〜5.0m2/gの範囲であり、かつ0.4≦S2/S1≦0.8を満たす。本発明では、黒鉛粉末粒子のエッジ面に優先的に炭素が付着し、エッジ面が炭素で被覆される結果、エッジ面に開口している細孔が塞がれる。従って、黒鉛粉末粒子エッジ面に優先的に炭素が付着した後の炭素材料の比表面積S2は、未被覆の核材黒鉛粉末の比表面積S1に比べて低下する。すなわち、S2/S1の比は一般に1より小さい。このS2/S1は核材の黒鉛粉末に対するピッチの配合量に依存し、配合量が多いほど小さくなる。
S2/S1が0.4よりも小さいと、炭素による核材の表面被覆量が多すぎて、粒子は硬くなり、電極密度が上がらなくなる。また、表面被覆量が多すぎると、電池の充放電効率およびサイクル特性が低下する。S2/S1が0.8よりも大きいと、核材である黒鉛粉末の粒子のエッジ面の表面被覆が電解液の分解を抑制するのに不十分となり、電池の充放電効率やサイクル特性が低下する。S2/S1の比は好ましくは0.5〜0.7である。
黒鉛粉末に炭素が付着すると、上述したように比表面積は低下する。得られた炭素材料の比表面積S2の絶対値が5.0m2/gより大きくなると、電極作製時の炭素材料のスラリーの調製とその塗工が難しくなる。また、炭素材料の反応性が高く、電池の安全性が低下する。一方、S2が1.0m2/gより小さいと、急速充電やハイレート放電における電池性能に低下が見られる場合がある。S2の好ましい範囲は1.0〜4.0m2/gである。
次に本発明による炭素材料の製造方法について説明する。この製造方法は次の2工程を含む:
・核材の上記黒鉛粉末Aと軟化点が80〜180℃で平均粒径が15〜150μmのピッチ粉末Bとを、A/Bの質量比=98/2〜95.5/4.5の割合で混合する工程(以下、混合工程という)、及び
・混合工程で得られた混合粉末に、静置状態で不活性雰囲気下900〜1100℃において熱処理を施す工程(以下、熱処理工程という)。
混合工程で使用する黒鉛粉末は、上述した理由で、平均粒径が10〜30μmで比表面積S1が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下の黒鉛粉末である。価格面からは、球径化粉砕された天然黒鉛粉末が好ましい。
黒鉛粉末に混合するピッチ粉末は、軟化点80〜180℃、平均粒径15〜150μmのものである。ピッチ粉末は、石油系と石炭系のいずれも使用でき、両者の混合物であってもよい。
ピッチの軟化点が80℃より低いと、所定粒度のピッチ粉末を得るための粉砕時の熱でピッチが容易に溶融し、粒度のコントロールが難しく、また粉砕後のピッチ粉末の保管も難しい。ピッチの軟化点が180℃より高いと、静止状態で行われる熱処理工程において溶融したピッチが十分に広がらない。その結果、黒鉛粉末粒子の表面への溶融ピッチの付着がそのごく近傍のみとなり、周辺の黒鉛粒子への回り込みが十分に行われないため、溶融ピッチが付着しない黒鉛粉末粒子が生じやすくなる。ピッチの軟化点は、好ましくは80〜150℃の範囲である。
ピッチ粉末の平均粒径が15μm未満の微粉であると、粉末が凝集しやすく、造粒粉となって、かえって分散性が悪くなる。ピッチ粉末の平均粒径が150μmより大きいと、核材の黒鉛粉末粒子に対するピッチ粉末粒子の個数が少なくなり、熱処理工程においてピッチ粉末から離れた黒鉛粉末粒子への溶融ピッチの回り込みが十分に行われない。
黒鉛粉末Aとピッチ粉末Bとの混合比は、A/Bの質量比=98/2〜95.5/4.5となるようにする。すなわち、混合粉末中のピッチ粉末の割合は2〜4.5質量%である。ピッチ粉末の混合割合が2質量%より少ないと、ピッチ付着量が少なすぎるために、ピッチ由来の炭素が、十分に効果が得られるほど量で黒鉛粒子エッジ面に付着しない。一方、このピッチ粉末の混合割合が4.5質量%より多いと、ピッチの付着量が多すぎるため、得られた炭素材料の粒子強度が高くなりすぎて、充填密度を高くできず、電池の高容量化を実現できない。また、電極作製時の圧縮中にピッチ由来の炭素部分の破壊が原因と思われる充放電効率の低下が見られるようになる。
黒鉛粉末とピッチ粉末との固体混合は適当な乾式混合装置(ブレンダー、ミキサー等)を用いて実施することができる。固体混合条件は、黒鉛粉末とピッチ粉末の均質な混合が可能であれば特に制限されない。
得られた混合粉末を静置した状態で、不活性雰囲気下、900〜1100℃の温度で熱処理する。熱処理中にピッチは溶融して液状となり、ベーサル面より活性が高く、かつ凹凸の大きい、黒鉛粉末粒子のエッジ面が優先的に溶融ピッチで濡れる。その後、熱処理を続ける間に、溶融ピッチは熱分解して炭化して、乱層構造を持つ低温焼成炭素(乱層構造炭素とも呼ばれる)となり、核材の黒鉛粉末のエッジ面に優先的に炭素が付着した本発明の炭素材料が得られる。
この熱処理を、静置状態ではなく流動状態(例、ロータリーキルンを使用)で行うと、前述したように、溶融ピッチがエッジ面に優先的に付着することが起こりにくくなる。また、熱処理を酸化性雰囲気で行うと、ピッチと黒鉛粒子のどちらも400℃付近以上で酸化し、燃焼して消失する。不活性雰囲気のガスは、窒素でも、アルゴン等の希ガスでも、或いは両者の混合ガスでもよい。
熱処理温度が900℃より低いと、ピッチの炭化が十分に進まず、得られた炭素材料の充放電効率が低下する。熱処理温度が1100℃を超えると、設備的に高価な装置が必要となり、安価に製造することが難しくなる。好ましい熱処理温度は950〜1050℃の範囲である。熱処理時間は、ピッチが十分に炭化するように設定すればよく、熱処理温度によっても異なるが、通常は30分以上である。
熱処理後に材料が冷却してから、得られた炭素材料を回収する。場合によっては、熱処理中に溶融したピッチにより黒鉛粉末同士が合着することがあるが、結合力は弱いので、軽く解砕することにより、簡単にほぐすことができ、核材の黒鉛粉末の平均粒径と実質的に同じ平均粒径(変動幅が±5%以下)を有する炭素材料を得ることができる。
本発明に係る方法で製造された炭素材料を負極材料として用いた非水系二次電池の負極の製造や二次電池の作成は、従来公知のように実施すればよい。以下に、この点についても簡単に説明するが、この説明は例示にすぎず、他の方法や構成も可能である。
負極材料の炭素材料に適当な結着剤とその溶媒を混合し、必要に応じて導電性向上のために適当な導電剤を混合して、塗工用のスラリーを形成する。混合は、必要であれば、ホモジナイザーあるいはガラスビーズを用いて行うことができる。このスラリーを適当な集電体(例、圧延銅箔、電析銅箔など)にドクターブレード法等を用いて塗工する。塗工層を乾燥させ、ロール圧延等によって圧縮して圧密化させると、負極用の電極が得られる。圧縮の前か後に打ち抜きにより所定の電極形状とする。
本発明に係る方法で製造された炭素材料は、粒子強度が過度に高くなっていないため、圧縮性に優れ、適度な加圧力での圧密化により高充填された高容量の電極を容易に製作できる。また、加圧力を高める必要がないことがから、黒鉛に付着した低温焼成炭素が破壊されず、充放電効率やサイクル特性も良好に保持される。
結着剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂系高分子、スチレンーブタジエンゴム(SBR)等のゴム状高分子などの1種または2種以上を使用することができる。結着剤の溶媒はN−メチルピロリドン、水などでよい。導電剤としては炭素材料および金属(Ni等)が使用できる。導電剤としての炭素材料には人造黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック等が包含され、粉末または繊維状のものを使用できる。
非水系二次電池は、負極、正極、セパレーター、および非水電解液からなる基本構造を有する。正極やセパレーターの構成については特に制限されない。非水電解液は適当な支持電解質を非水溶媒に溶解した溶液である。非水系二次電池に使用される代表的な非水溶媒はアルキレンカーボネートである。本発明においては、前述したように、非水電解液がプロピレンカーボネート(PC)を実質的な量で含有しないことが好ましい。従って、非水電解液の溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やエチルメチルカーボネート(EMC)などのPC以外の1種または2種以上のアルキレンカーボネートを使用することが好ましい。電池の形状も特に制限されず、円筒型、角形、コイン型、シート型等何れでも良い。
以下の実施例及び比較例において、部とあるのは特に指定しない限り質量部である。実施例及び比較例において、平均粒径は堀場製レーザー回折/散乱式粒度分布計を使用して求めた体積分率50%時の粒子径である。比表面積は、ユアサアイオニクス社製カンタソーブを用いて窒素ガス吸着によるBET法により測定した値である。
(実施例1)
平均粒径19μm、比表面積(S1)5.5m2/gの球形化処理された天然黒鉛粉末95.5部と、平均粒径50μm、軟化点85℃の石炭系ピッチ粉末4.5部とをVブレンダーを用いて固体混合した。
得られた混合粉末を加熱炉内に静置し、窒素気流下、1000℃で1時間熱処理した後、放冷して、ピッチが炭化して生じた低温焼成炭素が黒鉛粉末の表面に付着した炭素材料を得た。黒鉛粉末の合着は起こらなかった。得られた炭素材料の平均粒径と比表面積(S2)を測定した。
(実施例2〜1、比較例1〜6)
下記の点を変更した以外は実施例1と同様にして、炭素材料を製造し、得られた炭素材料の平均粒径と比表面積を測定した。
実施例2、比較例5:軟化点が異なるピッチを使用した;
実施例3〜5、1、比較例1、4:平均粒径の異なるピッチを使用した;
実施例6、7、1、比較例2、3:黒鉛粉末とピッチとの混合比率を変更した;
実施例8、9:熱処理温度を変更した;
実施例10、1:核材の黒鉛粉末の平均粒径を変更した;
比較例6:熱処理を静置ではなくロータリーキルンを用いて流動状態で実施した。
実施例及び比較例で使用した黒鉛粉末とピッチ粉末の平均粒径、黒鉛粉末の比表面積S1、ピッチ粉末の混合量、熱処理温度、熱処理時の状態、生成した炭素材料の平均粒径と比表面積S2,S2/S1比を表1にまとめて示す。
以上の実施例及び比較例で得られた炭素材料における炭素の付着状況をTEMで調査したところ、実施例1〜1で得られた炭素材料では、核材の黒鉛粉末粒子の表面の明らかにエッジ面とベーサル面とが区別できる箇所では、エッジ面だけに乱層構造をもつ炭素(結晶構造が発達していないピッチ由来の低温焼成炭素、TEM写真には薄い部分として現れる)が優先的に付着していることが確認された。そのようなTEM写真の1例を図1に示す。
一方、特に比較例2及び6の炭素材料では、乱層構造をもった炭素がエッジ面だけに優先的に付着した構造は観察できなかった。一方、他の比較例の炭素材料では、乱層構造の炭素のエッジ面への付着が不十分であった。
以上の実施例及び比較例で得られた炭素材料の電極性能を、次のようにして調査した。
炭素材料にCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)粉末を混合した後、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)を水に分散させた液を加え、攪拌してスラリーを得た。CMCとSBRは結着剤である。配合比は炭素:CMC:SBR=97:1:2(質量比)であった。このスラリーを、厚み17μmの銅箔上にドクターブレード法により塗布した(塗布量は10〜11mg/cm2)。塗布層が乾燥した後、これを直径13mmのディスク状に打ち抜いた。打ち抜いたディスクをプレス成形機で異なる圧力で加圧して電極を作製した。
得られた電極の電極密度を、150MPaの圧力で加圧した電極を用いて、マイクロメータによる厚み測定と質量測定により求めた(予め、同直径の銅箔の厚みと質量を測定し、これを差し引くことにより、銅箔部分を除いた負極材料部分の電極密度を算出した)。
以下の電池性能の評価は電極密度1.75g/cm3の電極を用いて行った。電池性能の試験結果も表1に併せて示す。
ポリオレフィン製セパレーターを用い、その両側に上記電極と対極のLi金属箔とを配置し、電解液にはエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=1:3(体積比)の混合溶媒に支持電解質LiPF6を1M濃度で溶解した非水溶液を用いて、コイン型の非水試験セルを作製した。
この試験セルを、25mA/gの電流値で、対極に対して電位差0(ゼロ)Vになるまで定電流ドープ(電極へのリチウムイオンの挿入、リチウムイオン二次電池の充電に相当)を行い、さらに0Vを保持したまま、5μA/cm2になるまで定電圧でドープを続けた。次に、25mA/gの定電流で、電位差1.5Vになるまで脱ドープ(電極からのリチウムイオンの離脱、リチウムイオン二次電池の放電に相当)を行い、脱ドープ容量を測定した。この時の脱ドープ容量は、この電極を二次電池の負極として用いた時の放電容量に相当するので、これを放電容量とした。また、ドープ容量/脱ドープ容量の比は、二次電池の放電容量/充電容量の比に相当するので、この比を充放電効率として算出した。
サイクル特性の測定は、上記と同様に構成されたコイン型の非水試験セルを用いて行った。この試験セルを、36mA/gの定電流で、対極に対して電位差0(ゼロ)Vになるまでドープし(充電に相当)、さらに0Vを保持したまま、10μA/cm2になるまで定電圧でドープを続けた。次に、36mA/gの定電流で、電位差1.5Vになるまで脱ドープを行って(放電に相当)、脱ドープ容量を測定した。この時の脱ドープ容量を放電容量とした。
上と同じ条件でドープと脱ドープを30回繰り返し、30回目の脱ドープ時の放電容量の1回目の脱ドープ時の放電容量に対する比(容量維持率)によりサイクル特性を評価した。このサイクル特性が90%以上であれば、実用電池として良好であると見なすことができる。
表1からわかるように、本発明に係る方法に従って製造した実施例1〜1の炭素材料は、所定範囲内の比表面積およびS2/S1比を有していた。これらの炭素材料は、電極密度が高いため、十分に高い放電容量を示し、充放電効率も92%以上と高く、かつサイクル特性も30サイクル後の容量維持率が90%以上と良好であった。
これに対し、ピッチ粉末の平均粒径が大きすぎた比較例1では、炭素材料の比表面積及びS2/S1比が大きすぎ、特にサイクル特性が低下した。これは、黒鉛粉末のエッジ面が十分に被覆されず、エッジ面の保護が不十分で、充放電を繰り返す間に電解液の分解が進んだためであると考えられる。
ピッチ粉末の平均粒径が小さすぎた比較例4でも、ピッチの平均粒径が大きすぎた比較例1とほぼ同様の結果となった。これは、ピッチ粉末が小さすぎると、粉末が凝集して粗大な凝集粒子となるためである。
ピッチ粉末の配合量が多すぎた比較例2では、炭素材料の比表面積及びS2/S1比が小さすぎ、黒鉛粉末が過度に炭素で被覆された結果、粒子強度が高くなりすぎて、電極密度が著しく低くなり、放電容量が低下した。また、充放電効率とサイクル特性も低下したが、これは電極作製時の加圧で表面被覆の炭素が部分的に破壊されたためであると考えられる。
ピッチ粉末の配合量が少なすぎた比較例3では、黒鉛粉末の表面被覆が不十分で、炭素材料の比表面積及びS2/S1比が大きすぎ、充放電効率が低下し、さらにサイクル特性が大きく低下した。
ピッチ粉末の軟化点が高すぎた比較例5でもS2/S1比が大きすぎ、充放電効率が低く、サイクル特性も低下した。この比較例では付着物の回り込みが不十分で、付着物による黒鉛粒子エッジ面の保護が不十分になったためであると考えられる。
熱処理を静置状態で行わなかった比較例6では、その他の製造条件は実施例1と同じであるのに、製造された炭素材料の比表面積とS2/S1比が大きすぎ、充放電効率とサイクル特性が大きく低下した。これは、炭素が黒鉛粒子のエッジ面に効率よく優先的に付着することができなかったため、被覆によるエッジ面の保護が不十分であったためであると推測される。

Claims (2)

  1. 平均粒径が10〜30μmで比表面積S1が5.5m 2 /g以上12.5m2/g以下の黒鉛粉末Aと軟化点が80〜180℃で平均粒径が15〜150μmのピッチ粉末Bとを、A/Bの質量比=98/2〜95.5/4.5の割合で混合する工程と、
    前記工程で得られた混合粉末に、静置した状態で不活性雰囲気下900〜1100℃において熱処理を施す工程と、
    を含む、黒鉛粉末からなる核材の表面に炭素が付着した炭素材料の製造方法。
  2. 前記炭素材料の比表面積S2が1.0〜5.0m2/gで、かつ0.4≦S2/S1≦0.8を満たし、その平均粒径が10〜30μmである、請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
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