JP2013225501A - 非水系二次電池用複合炭素材、負極及び、非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用複合炭素材、負極及び、非水系二次電池 Download PDF

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Abstract


【課題】初期効率に優れるだけではなく、サイクル維持率が高く且つ保存ガス発生量が低い非水系二次電池用複合炭素材を提供する。
【解決手段】等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物が複合化した非水系二次電池用複合炭素材を製造することにより課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系二次電池に用いる非水系二次電池用複合炭素材と、その材を用いて形成された負極と、その負極を有する非水系二次電池に関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池に対する需要が高まってきている。特に、ニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高く、大電流充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池が注目されてきている。
リチウムイオン二次電池の負極材としては、コストと耐久性の面で、黒鉛材料や非晶質炭素が使用されることが多い。しかしながら、非晶質炭素材は、実用化可能な材料範囲での可逆容量の小ささ故、また黒鉛材料は、高容量化のために負極材料を含む活物質層を高密度化すると、材料破壊により初期サイクル時の充放電不可逆容量が増え、結果として、高容量化に至らないといった問題点があった。
上記問題点を解決するため、例えば、特許文献1には、リチウム二次電池負極材に用いる黒鉛を被覆した黒鉛質粉末が開示されている。この黒鉛質粉末は、黒鉛粉末の表面に黒鉛で被覆することにより、リチウムイオンを脱着する実質的な表面積が増大させ、高容量でサイクル特性が向上できると考えられる。
また、特許文献2では、球形化黒鉛を等方的に加圧し、高密度化された等方性の高い黒鉛を含有するリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法が開示されている。
また、特許文献3では、天然黒鉛球状化粒子および/または天然黒鉛塊状化粒子が加圧処理された加圧黒鉛粒子の表面に炭化物からなる被覆層が形成されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用黒鉛材料が開示されている。
特許第3054379号公報 特開2005−50807号公報 特開2011−060465号公報
しかしながら本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の技術では、黒鉛を被覆した黒鉛が開示されているが、この黒鉛はリチウム二次電池の高容量で容量ロスの少ない黒鉛質粉末であって、初期効率やサイクル維持率は向上するものの、特に保存ガスの発生の低減には至らなかった。
一方、球形化黒鉛を等方的に加圧することによって黒鉛を高密度化し、負荷特性、サイクル特性などに優れるリチウムイオン二次電池についての記載があるが、この方法では黒鉛の表面構造が破壊されるという問題があり、保存ガスの発生の低減には至らなかった。
特許文献3には、天然黒鉛球状化粒子および/または天然黒鉛塊状化粒子が加圧処理された加圧黒鉛粒子の表面に炭化物からなる被覆層が形成されているリチウムイオン二次電池用黒鉛材料が開示されているが、このような炭素材料では、市場の要求性能を満足できるものではない。
そこで、本発明はかかる背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は市場要求に適応するため、初期効率やサイクル維持率の向上を維持したまま、更に保存ガスの発生の低減が改善されたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物とが複合化した非水系二次電池用複合炭素材を負極に適用することで、初期効率やサイクル維持率の向上を維持したまま、更に保存ガスの発生の低減が改善されたリチウムイオン二次電池が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の趣旨は、等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物が複合化した非水系二次電池用複合炭素材に存する。
本発明の等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物とが複合化した非水系二次電池用複合炭素材は、それを非水系二次電池用複合炭素材として用いることにより、より電解液との反応が抑制され、サイクル時の劣化が少ないだけでなく、電極の膨張やガス発生が少ない高容量な非水系二次電池を得ることができる。
ここで前記効果のメカニズムの詳細は不明であるが、発明者らの検討の結果、全く効果が異なる技術である等方的加圧処理技術と黒鉛質物を複合化する技術を組み合わせることによって、驚くべきことに電解液との副反応を格段に抑制できるようになり、その結果、初期不可逆容量の低減、そして、ガス発生の抑制が可能になったと考えられる。
以下、本発明の内容を詳細に述べる。なお、以下に記載する発明構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨をこえない限り、これらの形態に特定されるものではない。
<非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材>
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材は、一例として下記に示すが、特に制限されない。なお、原料である炭素材とは、等方的加圧処理する前の炭素材をいう。
・炭素材の種類
炭素材の例としては、黒鉛から非晶質のものにいたるまで種々の黒鉛化度の炭素材が挙げられる。
また、商業的にも容易に入手可能であるという点で、黒鉛又は黒鉛化度の小さい炭素材が特に好ましい。このような黒鉛を炭素材として用いると、他の負極活物質を用いた場合よりも、高電流密度での充放電特性の改善効果が著しく大きいので好ましい。
黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛の何れを用いてもよい。黒鉛としては、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
天然黒鉛の具体例としては、天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては、ピッチ原料を高温熱処理して製造した、コークス、ニードルコークス、高密度炭素材料等の黒鉛質粒子が挙げられる。好ましくは、低コストと電極作製のし易さの点で、球形化した天然黒鉛である
人造黒鉛の具体例としては、コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサイルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などの有機物を、通常2500℃以上、通常3200℃以下の範囲の温度で焼成し、黒鉛化したものが挙げられる。
炭素材は、炭素材に金属粒子、及び金属酸化物粒子等の粒子を任意の組み合わせで適宜混合して用いても良い。また、個々の粒子中に複数の材料が混在するものであってもよい
。例えば、黒鉛の表面を黒鉛化度の小さい炭素材で被覆した構造の炭素質粒子や、炭素材を適当な有機物で集合させ再黒鉛化した粒子でも良い。更に、前記複合粒子中にSn、Si、Al、BiなどLiと合金化可能な金属を含んでいても良い。
・炭素材の物性
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材は以下の物性を示すものである。なお、本発明における測定方法は特に制限はないが、特段の事情がない限り実施例に記載の測定方法に準じる。なお、以下に示す原料である炭素材の物性等は、等方的加圧処理をする前の物性を示す。
(1)炭素材のd002
学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)は、通常0.335nm以上、0.340nm未満である。ここで、d値は好ましくは0.339nm以下、更に好ましくは0.337nm以下である。d値が大きすぎると結晶性が低下し、初期不可逆容量が増加する場合がある。一方0.335nmは黒鉛の理論値である。
(2)炭素材の表面官能基量
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材は、下記式1で表される、表面官能基量O/C値が通常1%以上4以%下であり、2%以上3.6%以下で好ましく、2.6%以上3%以下であるとより好ましい。この表面官能基量O/C値が小さすぎると、バインダとの親和性が低下し、負極表面と被覆材の相互作用が弱くなり、被覆材がはがれやすくなる傾向があり、表面官能基量O/C値が大きすぎるとO/C値の調整が困難となり、製造処理を強く長時間行う必要が生じたり、工程数を増加させる必要が生じたりする傾向があり、生産性の低下、コストの上昇を招く虞がある。
式1
O/C値(%)=X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度 × 100
本発明における表面官能基量はX線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
表面官能基量O/C値は、X線光電子分光法測定としてX線光電子分光器を用い、測定対象を表面が平坦になるように試料台に載せ、アルミニウムのKα線をX線源とし、マルチプレックス測定により、C1s(280〜300eV)とO1s(525〜545eV)のスペクトルを測定する。得られたC1sのピークトップを284.3eVとして帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、更に装置感度係数を掛けて、CとOの表面原子濃度をそれぞれ算出する。得られたそのOとCの原子濃度比O/C(O原子濃度/C原子濃度)を炭素材の表面官能基量O/C値と定義する。
(3)炭素材の粒径(d50)
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材の粒径については特に制限が無いが、使用される範囲として、 d50が通常50μm以下、好ましくは30μm以下
、更に好ましくは25μm以下である。また、通常1μm以上、好ましくは4μm以上、更に好ましくは10μm以上である。この粒径が大きすぎると極板化した際に、筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向があり、また、粒径が小さすぎると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
なお粒径の測定方法は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、炭素材0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折
/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、本発明におけるd50と定義する。
(4)炭素材のBET比表面積(SA)
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材のBET法で測定した比表面積については、通常4m/g以上、好ましくは5m/g以上である。また、通常11m/g以下、好ましくは9m/g以下、より好ましくは8m/g以下である。比表面積が小さすぎると、Liが出入りする部位が少なく、高速充放電特性出力特性に劣り、一方、比表面積が大きすぎると、活物質の電解液に対する活性が過剰になり、初期不可逆容量が大きくなるため、高容量電池を製造できない傾向がある。
なおBET比表面積の測定方法は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。
(5)炭素材のX線構造解析(XRD)
炭素材のX線構造解析(XRD)から得られる、Rhombohedral(菱面体晶)
に対するHexagonal(六方体晶)の結晶の存在比(3R/2H)は通常0.2
0以上、0.25以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。3R/2Hが小さすぎると、高速充放電特性の低下を招く傾向がある。
なお、X線構造解析(XRD)の測定方法は、0.2mmの試料板に炭素材を配向しないように充填し、X線回折装置で、CuKα線にて出力30kV、200mAで測定する。得られた43.4°付近の3R(101)、及び44.5°付近の2H(101)の両ピークからバックグラウンドを差し引いた後、強度比3R(101)/2H(101)を算出できる。
(6)炭素材のタップ密度
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材のタップ密度は、通常0.7g/cm以上、0.8g/cm以上が好ましく、1g/cm以上がより好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、炭素材を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(7)炭素材のラマンスペクトル(Raman)スペクトル
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。その値は通常0.15以上であり、0.4以下であることが好ましく、0.3以下ではより好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶が乱れ、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル
内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :532nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(8)炭素材の全細孔容積
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材の全細孔容積は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値であり、通常0.4mL/g以上、好ましくは0.5mL/g以上、より好ましくは0.55mL/g以上、更に好ましくは0.58mL/g以上、特に好ましくは0.6mL/g以上であり、また、通常0.95mL/g以下であり、好ましくは0.93mL/g以下、更に好ましくは0.9mL/g以下である。
全細孔容積が上記範囲を下回ると、非水系電解液の浸入可能な空隙が少なくなり易く、急速充放電をさせた時にリチウムイオンの挿入脱離が間に合わなくなり、それに伴いリチウム金属が析出しサイクル特性が悪化する傾向がある。一方、上記範囲を上回ると、極板作製時にバインダが空隙に吸収され易くなり、それに伴い極板強度の低下や初期効率の低下を招く傾向がある。
(9)炭素材の10nm〜1000nmの範囲の細孔容積
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材の10nm〜1000nmの範囲の細孔容積は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値であり、通常0.05mL/g以上、好ましくは0.07mL/g以上、更に好ましくは0.1mL/g以上であり、また、通常0.3mL/g以下であり、好ましくは0.28mL/g以下、更に好ましくは0.25mL/g以下である。
10nm〜1000nmの範囲の細孔容積が上記範囲を下回ると、非水系電解液の浸入可能な空隙が少なくなる為、急速充放電をさせた時にリチウムイオンの挿入脱離が間に合わなくなり、それに伴いリチウム金属が析出しサイクル特性が悪化する傾向がある。一方、上記範囲を上回ると、極板作製時にバインダが空隙に吸収され易くなり、それに伴い極板強度の低下や初期効率の低下を招く傾向がある。
(10)炭素材の製造方法
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料である炭素材は、特に限定はないが、上述したように天然黒鉛、人造黒鉛、並びにコークス粉、ニードルコークス粉、樹脂の黒鉛化物の粉体等を用いることができる。これらのうち、天然黒鉛が好ましく、中でも球形化処理を施した球形化天然黒鉛が特に好ましい。以下に、一例として球形化天然黒鉛の製造方法を記載する。
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の原料として用いる炭素材は、上記の表面処理による球形化工程を施すことにより、鱗片状の天然黒鉛が折りたたまれる、もしくは周囲エッジ部分が球形粉砕されることにより球状とされた母体粒子に、粉砕により生じた主に5μm以下の微粉が付着してなり、表面処理後の炭素材の表面官能基量O/C値が通常1%以上、4%以下となる条件で、球形化処理を行うことにより製造する。この際には、機械処理のエネルギーにより黒鉛表面の酸化反応を進行させ、黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で行うことが好ましい。球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的
作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。
具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された炭素材に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。また、炭素材を循環させることによって機械的作用を繰り返して与える機構を有するものであるのが好ましい。好ましい装置として、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロン(アーステクニカ社製)、CFミル(宇部興産社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)等が挙げられる。これらの中で、奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
例えば前述の装置を用いて処理する場合は、回転するローターの周速度を通常30〜100m/秒とし、40〜100m/秒にすることが好ましく、50〜100m/秒にすることがより好ましい。また、処理は、単に炭素質物を通過させるだけでも可能であるが、通常30秒以上装置内を循環又は滞留させて処理し、1分以上装置内を循環又は滞留させて処理することが好ましい。
<非水系二次電池用複合炭素材の原料である有機化合物>
本発明の非水系二次電池用複合炭素材のもう一方の原料である有機化合物は、下記に示す物性を満たすことが好ましい。
本発明における有機化合物とは、焼成を行うことによって黒鉛質物となる原料である。ここでいう、黒鉛質物とはd値が0.340nm未満の黒鉛のことである。
・有機化合物の種類
有機化合物として、以下の(a)又は(b)に記載の化合物が好ましい。
(a)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれた炭素化又は黒鉛化可能な易黒鉛化性有機物。
(b)炭素化又は黒鉛化可能な易黒鉛化性有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの。
前記石炭系重質油としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ、乾留液化油等が好ましく、前記直流系重質油としては、常圧残油、減圧残油等が好ましく、前記分解系石油重質油としては、原油、ナフサ等の熱分解時に副生するエチレンタール等が好ましく、前記芳香族炭化水素としては、アセナフチレン、デカシクレン、アントラセン、フェナントレン等が好ましく、前記N環化合物としては、フェナジン、アクリジン等が好ましく、前記S環化合物としては、チオフェン、ビチオフェン等が好ましく、前記ポリフェニレンとしては、ビフェニル、テルフェニル等が好ましく、前記有機合成高分子としては、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、これらのものの不溶化処理品、ポリアクリロニトリル、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリスチレン等が好ましく、前記天然高分子としては、セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン酸、キトサン、サッカロース等の多糖類等が好ましく、前記熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等が好ましく、前記熱硬化性樹脂としては、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等が好ましい。これらの中でも黒鉛粒子表面に細かな凹凸を形成しやすいという点で石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油が好ましい。
・有機化合物の物性
(1)X線パラメータ(d002値)
有機化合物のみを黒鉛化処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が通常0.3357nm以上、好ましくは0.3358nm以上、よ
り好ましくは0.3359nm以上である。また、通常0.340nm以下、好ましくは0.338nm以下、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が大きすぎるということは結晶性が低いことを示し、非水系二次電池用複合炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する場合があり、d002が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の虞がある。
(2)結晶子サイズ(Lc(004))
有機化合物を黒鉛化処理して得られた炭素粉末の学振法によるX線回折で求めた炭素材料の結晶子サイズ(Lc(004))が、通常10nm以上、好ましくは30nm以上、より好ましくは50nm以上である。また通常500nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。結晶子サイズが大きすぎると、非水系二次電池用複合炭素材が結晶性の低い粒子となって充放電容量が低下する傾向があり、結晶子サイズが小さすぎると、充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。
(3)軟化点
有機化合物の軟化点が通常300℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。軟化点が高すぎると、炭素材と混合・捏合する際に、均一に混合することが困難になり、且つ高温でとり行う必要が生じるため生産性に欠ける場合がある。下限は特に制限されないが、通常40℃以上である。
(4)キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)
有機化合物のキノリン不溶分が、通常0.6%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは6%以上、特に好ましくは8%以上である。また通常30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下、特に好ましくは12%以下である。
トルエン不溶分が通常16%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上である。また通常60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。キノリン不溶分やトルエン不溶分がこの範囲内であると、非水系二次電池用炭素材の結晶性が好ましい範囲となることで充放電反応性が好ましい範囲となるため、充放電容量の向上、高温保存時のガス発生量の低減、大電流充放電特性の向上、サイクル特性の向上の傾向がある。
なお、キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)の測定方法は、実施例に記載の方法に準じるものとする。
(5)残炭率
有機化合物の残炭率は、特に制限されないが、通常1質量%以上、好ましくは10質量
%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60質量%以下である。上記範囲内であれば、均一な複合黒鉛粒子となり易く、且つ生産性に優れているため好ましい。ここで残炭率とは有機化合物の、焼成前後の収率から求めた値で、例えばJIS K2270記載の方法で求めることが出来る。
(6)水素原素比(H/C)
有機化合物の水素原素比(H/C)が通常0.03以上、好ましくは0.035以上、より好ましくは0.04以上であり、また、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.06以下、特に好ましくは0.043以下である。水素原素比が大きすぎると、サイクル初期の不可逆容量が増大してしまう可能性があり、水素原素比が小さすぎると、充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。なお、水素原素比(H/C)の測定方法は、実施例に記載
の方法に準じるものとする。
<非水系二次電池用複合炭素材の製造方法>
非水系二次電池用複合炭素材の製造方法は、等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物とが複合化していれば特に制限はないが、例えば、炭素材を等方的加圧処理した後、有機化合物を混合し、焼成処理してもよいし、上述した炭素材と黒鉛質物部分を得るための有機化合物とを混合し、得られた混合物に対して焼成処理を行うに際し、炭素材を加圧により等方的加圧処理した後解砕し、有機化合物と混合し、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行ってもよいし、又は上述した炭素材と黒鉛質物部分を得るための有機化合物とを混合し、得られた混合物に対して焼成処理を行うに際し、炭素材を有機化合物と混合し加圧により等方的加圧処理した後、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行うことで本発明に用いられる非水系二次電池用複合炭素材を製造することができる。本発明の製造方法においては、好ましい態様としては、有機化合物と炭素材を混合(以下、混合物ともいう)した後に、混合物に対して等方的加圧処理を行うことである。
上述した製造方法にて、等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物とが複合化した非水系二次電池用複合炭素材が製造されるが、「黒鉛質物とが複合化した炭素材」とは、例えば「表面の少なくとも一部に黒鉛質物層を備えた炭素材」が挙げられる。具体的には黒鉛質物層が炭素材粒子の表面の一部又は全部を層状に覆う形態のみならず、黒鉛質物層が表面の一部又は全部に付着・添着する形態をも包含する。黒鉛質物層は、表面の全部を被覆するように備えていてもよく、一部を被覆あるいは付着・添着していてもよい。
以下に好ましい態様である、有機化合物と炭素材を混合した後に、混合物に対して等方的加圧処理を行う製造方法について具体的に記載する。
・有機化合物と原料である炭素材を混合する工程
炭素材と有機化合物との混合は常法により行うことができる。混合温度は通常は常温〜150℃であり、50〜150℃がより好ましく、100〜130℃の加温状態で混合するのが更に好ましい。
炭素材に対する有機化合物の混合量は、炭素材に対し有機化合物が通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上となるように仕込み量を調整して混合する。その上限としては、この比率が通常60質量%以下、好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下となる量である。有機化合物の混合量が多すぎると、充放電容量が低下し、集電体に塗布された活物質層を高密度に圧延する際に必要なプレス荷重が高くなり、結果として非水系二次電池の高容量化が困難となる場合がある。一方、有機化合物の混合量が少なすぎると、集電体に塗布された活物質層を高密度に圧延した際に粒子が破壊・変形し、良好な大電流充放電特性が得られない場合がある。
炭素材と混合する際に、有機化合物は有機溶媒によって希釈することが好ましい。希釈する理由としては、有機溶媒で希釈することで混合する有機化合物の粘度を下げ、より均一で効率良く炭素材を被覆できるからである。
有機溶媒の種類としては、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、アミルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル等のエーテル、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸イソアミル、酢酸メトキシブチル、酢酸シクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸イソアミル等のエステル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、テトラアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルトルエ
ン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素等があるが、これらに限定されるものではない。また、これらを2種以上混合したものでもよい。この中でも、ベンゼン、トルエン、キシレンが比較的沸点が高く粘度の低い有機溶媒であり、揮発による濃度変化等が起こり難く、有機化合物の粘度を下げられる点で特に好ましい。
また、希釈倍率は、有機溶媒と有機化合物の合計の質量に対して、有機化合物が、通常5質量%以上、好ましくは25質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。この希釈倍率が大きすぎると有機化合物の濃度が低下し、効率的に炭素材を被覆することができない傾向があり、希釈倍率が小さすぎると有機化合物濃度が充分に低下せず効率的に炭素材を被覆することができない傾向がある。
混合は通常は常圧下で行うが、所望ならば、減圧下又は加圧下に行うこともできる。混合は回分方式及び連続方式のいずれで行うこともできる。いずれの場合でも、粗混合に適した装置及び精密混合に適した装置を組合せて用いることにより、混合効率を向上させることができる。
回分方式の混合装置としては、2本の枠型が自転しつつ公転する構造の混合機、高速高剪断ミキサーであるディゾルバーや高粘度用のバタフライミキサーの様な、一枚のブレートがタンク内で撹拌・分散を行う構造の装置、半円筒状混合槽の側面に沿ってシグマ型などの撹拌翼が回転する構造を有する、いわゆるニーダー形式の装置、撹拌翼を3軸にしたトリミックスタイプの装置、容器内に回転ディスクと分散媒体を有するいわゆるビーズミル型式の装置などが用いられる。
またシャフトによって回転されるパドルが内装された容器を有し、容器内壁面はパドルの回転の最外線に実質的に沿って、好ましくは長い双胴型に形成され、パドルは互いに対向する側面を摺動可能に咬合するようにシャフトの軸方向に多数対配列された構造の装置(例えば栗本鉄工所製のKRCリアクタ、SCプロセッサ、東芝機械セルマック社製のTEM、日本製鋼所製のTEX−Kなど)、更には内部一本のシャフトとシャフトに固定された複数のすき状又は鋸歯状のパドルが位相を変えて複数配置された容器を有し、その内壁面はパドルの回転の最外線に実質的に沿って、好ましくは円筒型に形成された構造の(外熱式)装置(例えばレーディゲ社製のレディゲミキサー、大平洋機工社製のフローシェアーミキサー、月島機械社製のDTドライヤーなど)を用いることもできる。
連続方式で混合を行うには、パイプラインミキサーや連続式ビーズミルなどを用いればよい。
本工程で得られた混合物の粘度は、通常100cP以下、好ましくは70cP以下、より好ましくは50cP以下である。また通常1cP以上、好ましくは10cP以上である。粘度が高すぎると、サイクル時の劣化が起こり易く、サイクル特性が悪くなる傾向がある。
・炭素材と有機化合物の混合物を等方的加圧処理する工程
炭素材と有機化合物を少なくとも含む混合物を等方的加圧処理しないで製造した黒鉛複合炭素材では粒子内部の細孔が非常に少なくなるのに対し、炭素材と有機化合物を少なくとも含む混合物を等方的加圧処理して製造した黒鉛複合炭素材では粒子内部の細孔を適度に有する。この結果、充放電の際に非水系電解液が適度に浸入できるようになるため、大電流充放電特性向上、サイクル特性向上の傾向があり好ましい。粒子内部の細孔を好ましい範囲で有する詳細な理由は明らかではないが、炭素材の内部空隙に有機化合物が吸われた状態で等方的加圧処理されることにより空隙開口部が適度に閉塞し、後工程の焼成処理において有機化合物より発生するガス成分が適度に炭素材の内部空隙外へ抜けにくくなり
、その結果、粒子内に細孔が導入されたものと考えられる。
加圧成型する方法は、特に限定されず、ロールコンパクター、ロールプレス、プリケット機、CIP、一軸成型機及びタブレット機などを用いることができる。
また、必要があればロールに彫り込まれたパターンどおりに炭素材を加圧と同時に成形することも可能である。また、炭素材粒子間に存在する空気を排気し、真空プレスする方法も適用できる。
なお、等方的加圧処理は、粒子の扁平化が起こり難く、球形を保つことができ、塗料化した際の流動性の低下も防げるので好ましい。
炭素材を加圧する圧力は、特に限定されるものではないが、通常50kgf/cm以上、好ましくは100kgf/cm以上、より好ましくは300kgf/cm以上、最も好ましくは1000kgf/cm以上である。また、等方的加圧処理の上限は特に限定されないが、通常2000kgf/cm以下、好ましくは1500kgf/cm以下である。圧力が低すぎると、強固な造粒が達成されず内部空隙が減少しない傾向があり、圧力が高すぎると工程上のコストの増加につながる傾向がある。
加圧する時間は、通常0.1秒以上、好ましくは3秒以上、より好ましくは1分以上である。また、通常30分以下、好ましくは10分以下、より好ましくは3分以下である。時間が長すぎると、製造工程に悪影響を及ぼす。また、時間が短すぎると強固な造粒が達成されず内部空隙が減少しない傾向がある。
等方的加圧処理することにより得られた炭素材は、以下のような物性を示すことが好ましい。
・混合物を焼成する工程
具体的には、混合物を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素、アルゴン、二酸化炭素などの流通下に加熱して、有機化合物を黒鉛化させ非水系二次電池用複合炭素材を製造する工程(黒鉛化処理ともいう)である。
焼成温度は混合物の調製に用いた有機化合物により異なるが、黒鉛質物が複合化された非水系二次電池用複合炭素材を得る場合、有機化合物が黒鉛化する温度又はそれ以上であればよく、具体的には、通常は2000℃以上、好ましくは2500℃以上、より好ましくは2700℃以上に加熱して十分に黒鉛化させる。加熱温度が高過ぎると、黒鉛の昇華が顕著となるので、過熱温度の上限は、通常3300℃以下、好ましくは3100℃以下、3000℃以下がより好ましい。なお、黒鉛化処理をする前に1000℃で一度脱VM焼成処理を行ってもよい。
焼成処理条件において、熱履歴温度条件、昇温速度、冷却速度、熱処理時間等は、適宜設定する。また、比較的低温領域で熱処理した後、所定の温度に昇温することもできる。なお、本工程に用いる反応機は回分式でも連続式でも、また一基でも複数基でもよい。
焼成に使用する炉は上記要件を満たせば特に、制約はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、タンマン炉、アチソン炉、加熱方式も、高周波誘導加熱炉、直接式抵抗加熱、間接式抵抗加熱、直接燃焼加熱、輻射熱加熱等を用いることができる。処理時には、必要に応じて攪拌を行なってもよい。
上記工程を経た複合炭素材は、必要に応じて、再度粉砕、解砕、分級処理等の粉体加工し、非水系二次電池用複合炭素材を得る。
粉砕や解砕に用いる装置に特に制限はないが、例えば、粗粉砕機としてはせん断式ミル、ジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、ハンマーミル等が挙げられ、微粉砕機としてはボール
ミル、振動ミル、ピンミル、攪拌ミル、ジェットミル等が挙げられる。
分級処理に用いる装置としては特に制限はないが、例えば、乾式篩い分けの場合は、回転式篩い、動揺式篩い、旋動式篩い、振動式篩い等を用いることができ、乾式気流式分級の場合は、重力式分級機、慣性力式分級機、遠心力式分級機(クラシファイア、サイクロン等)を用いることができ、また、湿式篩い分け、機械的湿式分級機、水力分級機、沈降分級機、遠心式湿式分級機等を用いることができる。
<非水系二次電池用複合炭素材>
上記製造方法で得られた非水系二次電池用複合炭素材は、以下のような特性を持つ。
(1)002面の面間隔(d002)
非水系二次電池用複合炭素材のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は、通常3.37Å以下、Lcが通常900Å以上である。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることは、非水系二次電池用複合炭素材の粒子の表面を除く大部分の結晶性が高いということであり、非晶質炭素材に見られるような不可逆容量が大きいことによる低容量化を生じない高容量電極となる複合炭素材であることを示す。
(2)タップ密度
非水系二次電池用複合炭素材のタップ密度(Tap密度)は、通常0.8g/cm以上であり、好ましくは0.85g/cm以上、より好ましくは1g/cm以上、更に好ましくは1.1g/cm以上である。
非水系二次電池用複合炭素材のタップ密度が0.8g/cm以上であるということは、非水系二次電池用複合炭素材が球状を呈していることを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cmより小さい場合、非水系二次電池用複合炭素材の原料である球形炭素材が充分な球形粒子となっていないことを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cmより小さいと、電極内で充分な連続空隙が確保されず、空隙に保持ざれた電解液内のLiイオンの移動性が落ちることで、急速充放電特性が低下する傾向がある。
(3)ラマンR値
非水系二次電池用複合炭素材のアルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピーク強度に対する1360cm−1付近のピーク強度比であるラマンR値は、通常0.45以下、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下であり、通常0.20以上、好ましくは0.23以上、より好ましくは0.25以上である。ラマン値がこの範囲であれば、負極活物質表面の結晶性が適度な範囲にあるため、高出力を得やすく好ましい。
(4)BET法による比表面積
非水系二次電池用複合炭素材のBET法による比表面積は、通常15m/g以下、好ましくは7m/g以下、より好ましくは6.5m/g以下、更に好ましくは5m/g以下、特に好ましくは4.3m/g以下であり、通常0.1m/g以上、好ましくは0.7m/g以上、より好ましくは1m/g以上である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
(5)全細孔容積
非水系二次電池用複合炭素材の全細孔容積は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値であり、通常0.3mL/g以上、好ましくは0.4mL/g以上、更に好ましくは0.46mL/g以上、特に好ましくは0.55mL/g以上であり、また、
通常1mL/g以下であり、好ましくは0.8mL/g以下、より好ましくは0.6mL/g以下である。
全細孔容積が上記範囲を下回ると、非水系電解液の浸入可能な空隙が少なくなり易く、急速充放電をさせた時にリチウムイオンの挿入脱離が間に合わなくなり、それに伴いリチウム金属が析出しサイクル特性が悪化する傾向がある。一方、上記範囲を上回ると、極板作製時にバインダが空隙に吸収され易くなり、それに伴い極板強度の低下や初期効率の低下を招く傾向がある。
(6)10nm〜1000nmの範囲の細孔容積
非水系二次電池用複合炭素材の10nm〜1000nmの範囲の細孔容量は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値であり、通常0.031mL/g以上、好ましくは0.04mL/g以上、更に好ましくは0.07mL/g以上であり、また、通常0.3mL/g以下であり、好ましくは0.11mL/g以下である。10nm〜1000nmの範囲の細孔容積が上記範囲を下回ると、非水系電解液の浸入可能な空隙が少なくなる為、急速充放電をさせた時にリチウムイオンの挿入脱離が間に合わなくなり、それに伴いリチウム金属が析出しサイクル特性が悪化する傾向がある。一方、上記範囲を上回ると、極板作製時にバインダが空隙に吸収され易くなり、それに伴い極板強度の低下や初期効率の低下を招く傾向がある。
(6)体積基準平均粒径(d50)
非水系二次電池用複合炭素材の体積基準平均粒径は、通常50μm以下、好ましくは、40μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下であり、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは16μm以上、更に好ましくは16.9μm以上である。平均粒径が大きすぎるとバインダを多量に必要とする傾向があり、平均粒径が小さすぎると高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。
(7)被覆率
本発明の非水系二次電池用複合炭素材は、黒鉛質物で被覆されていることが好ましい。この被覆率は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは11%以上であり、また通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは19質量%以下、更に好ましくは17質量%以下である。この含有率が大きすぎると、電極にした時に充填密度が上がり難くため、過大なプレス荷重を必要とする傾向があり、また負極材の低結晶性部分が多くなるため、電池を組んだ際の可逆容量が小さくなる傾向がある。小さすぎると、鱗片黒鉛に対して黒鉛質物が均一にコートされないとともに強固な造粒がなされず、焼成後に粉砕した際、粒径が小さくなる傾向がある。なお、最終的に得られる電極用炭素材料の有機化合物由来の黒鉛質物の含有率(被覆率)は、用いる炭素材の量と、有機化合物の量及びそのJIS K 2270のミクロ法により測定される残炭率により、下記式で算出することができる。
有機化合物由来の黒鉛質物の被覆率(%)=(有機化合物の質量×残炭率×100)/(炭素材の質量+有機化合物の質量×残炭率)
(8)粒子内空隙率
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の粒子内空隙率は、通常30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下であり、通常5%以上、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上である。粒子内空隙率が大きすぎると混合する有機化合物が炭素材の内部空隙に無駄に吸われることになり、効率的に炭素材を被覆することができない傾向があり、粒子内空隙率が小さすぎると混合する有機化合物が過剰に存在することになり、炭素材同士を凝集させてしまい効率的に炭素材を被覆することができない傾向がある。
なお、粒子内空隙率の測定方法は、実施例の測定方法に準じる。
(9)配向比(110/004)
本発明の非水系二次電池用複合炭素材の粉体の配向比は、通常0.1以上、好ましくは0.27以上、より好ましくは0.29以上、更に好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.4以上であり、また、通常0.7以下、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下である。配向比が上記範囲を下回ると、高密度充放電特性が低下する傾向場合がある。なお、上記範囲の通常の上限は、炭素質材料の配向比の理論上限値である。
配向比は、試料を加圧成型してからX線回折により測定する。試料0.47gを直径17mmの成型機に充填し58.8MN・m−2で圧縮して得た成型体を、粘土を用いて測定用試料ホルダーの面と同一面になるようにセットしてX線回折を測定する。得られた炭素の(110)回折と(004)回折のピーク強度から、(110)回折ピーク強度/(004)回折ピーク強度で表わされる比を算出する。該測定で算出される配向比を、本発明の負極材の配向比と定義する。
<その他の材料との混合>
本発明の非水系二次電池用複合炭素材料は、以下で規定されるその他の材料を含んでいてもよい。非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料の組合せは、それぞれを一種、又は二種以上を任意の組成及び組み合わせで併用して、リチウムイオン二次電池の負極材料として好適に使用することができる。
上述の非水系二次電池用複合炭素材にその他の材料を混合する場合、非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料の総量に対する非水系二次電池用複合炭素材の混合割合は、特に制限はないが、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、また、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下の範囲である。その他の材料の混合割合が、前記範囲を下回ると、添加した効果が現れ難い傾向がある。一方、前記範囲を上回ると、非水系二次電池用複合炭素材の特性が現れ難い傾向がある。
<その他の材料>
その他の材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、加圧処理されていない炭素材を非晶質炭素又は黒鉛質物で被覆した被覆黒鉛、非晶質炭素、金属粒子、金属化合物の中から選ばれる材料を用いる。これらの材料は、何れかを一種を単独で用いても良く、二種以上を任意の組み合わせ及び組成で併用しても良い。
天然黒鉛としては、例えば、高純度化した炭素材や球形化した天然黒鉛を用いることができる。本発明でいう高純度化とは、通常、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸などの酸中で処理する、若しくは複数の酸処理工程を組み合わせて行なうことにより、低純度天然黒鉛中に含まれる灰分や金属等を溶解除去する操作のことを意味し、通常、酸処理工程の後に水洗処理等を行ない高純度化処理工程で用いた酸分の除去をする。また、酸処理工程の代わりに2000℃以上の高温で処理することにより、灰分や金属等を蒸発、除去しても構わない。また、高温熱処理時に塩素ガス等ハロゲンガス雰囲気で処理することにより灰分や金属等を除去しても構わない。更にまた、これらの手法を任意に組み合わせて用いても良い。
天然黒鉛の体積基準平均粒径は、通常8μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
天然黒鉛のBET比表面積は、通常3.5m/g以上、好ましくは、4.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、天然黒鉛のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
人造黒鉛としては、炭素材を黒鉛化した粒子等が挙げられ、例えば、単一の黒鉛前駆体粒子を粉状のまま焼成、黒鉛化した粒子や、複数の黒鉛前駆体粒子を成形し焼成、黒鉛化し解砕した造粒粒子などを用いることができる。
人造黒鉛の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm、更に好ましくは30μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
人造黒鉛のBET比表面積は、通常0.5m/g以上、好ましくは、1.0m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下、更に好ましくは4m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、人造黒鉛のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.5g/cm以下、1.4g/cm以下が好ましく、1.3g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
加圧処理されていない炭素材を非晶質炭素又は黒鉛質物で被覆した被覆黒鉛としては、例えば、加圧処理されていない天然黒鉛や人造黒鉛に非晶質前駆体を被覆、焼成及び/又は黒鉛化した粒子や、加圧処理されていない天然黒鉛や人造黒鉛に非晶質をCVDにより被覆した粒子を用いることができる。
被覆黒鉛の体積基準平均粒径は、通常8μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
被覆黒鉛のBET比表面積は、通常1m/g以上、好ましくは、2m/g以上、更に好ましくは2.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下、更に好ましくは4m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質と
して用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、被覆黒鉛のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
非晶質炭素としては、例えば、バルクメソフェーズを焼成した粒子や、易黒鉛化性有機化合物を不融化処理し、焼成した粒子を用いることができる。
非晶質炭素の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
非晶質炭素のBET比表面積は、通常1m/g以上、好ましくは、2m/g以上、更に好ましくは2.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下、更に好ましくは4m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、非晶質炭素のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
金属粒子としては、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Ag、Si、Sn、Al、Zr、Cr、P、S、V、Mn、Nb、Mo、Cu、Zn、Ge、In、Ti等からなる群から選ばれる金属又はその化合物が好ましい。また、2種以上の金属からなる合金を使用しても良く、金属粒子が、2種以上の金属元素により形成された合金粒子であってもよい。これらの中でも、Si、Sn、As、Sb、Al、Zn及びWからなる群から選ばれる金属又はその化合物が好ましい。
金属粒子の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
金属粒子のBET比表面積は、通常1m/g以上、好ましくは、2m/g以上、更に好ましくは2.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以
下、更に好ましくは4m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、金属粒子のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内金属密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
金属化合物としては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等が挙げられる。また、2種以上の金属からなる合金を使用しても良い。
この中でも、Si又はSi化合物が高容量化の点で、好ましい。Si化合物としては、具体的には、SiOx,SiNx,SiCx、SiZxOy(Z=C、N)などが挙げられ、好ましくは、一般式で表すとSiOxである。この一般式SiOxは、二酸化Si(SiO)と金属Si(Si)とを原料として得られるが、そのxの値は通常0≦x<2である。SiOxは、黒鉛と比較して理論容量が大きく、更に非晶質SiあるいはナノサイズのSi結晶は、リチウムイオン等のアルカリイオンの出入りがしやすく、高容量を得ることが可能となる。
具体的には、SiOxと表されるものであり、xは通常0≦x<2であり、より好ましくは、0.2以上、1.8以下、更に好ましくは、0.4以上、1.6以下、特に好ましくは、0.6以上、1,4以下である。この範囲であれば、高容量であると同時に、Li
と酸素との結合による不可逆容量を低減させることが可能となる。
金属化合物の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは12μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
金属化合物のBET比表面積は、通常1m/g以上、好ましくは、2m/g以上、更に好ましくは2.5m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下、更に好ましくは4m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、金属化合物のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.3g/cm以下、1.2g/cm以下が好ましく、1.1g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内金属密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
<非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料の混合>
非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合に用いる装置としては、特に制限
はないが、例えば、回転型混合機の場合:円筒型混合機、双子円筒型混合機、二重円錐型混合機、正立方型混合機、鍬形混合機、固定型混合機の場合:螺旋型混合機、リボン型混合機、Muller型混合機、Helical Flight型混合機、Pugmill
型混合機、流動化型混合機等を用いることができる。
<非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合材>
非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合材の物性は以下のような物性であることが好ましい。
本発明の非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合材の体積基準平均粒径は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出る傾向や、充放電負荷特性が低下する傾向がある。また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
本発明の非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合材のBET比表面積は、通常1.5m/g以上、好ましくは、2.0m/g以上、また、通常8m/g以下、好ましくは6m/g以下の範囲である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、充放電効率の低下や、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向があり、比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
また、本発明の非水系二次電池用複合炭素材とその他の材料との混合材のタップ密度は、通常0.6g/cm以上、0.7g/cm以上が好ましく、0.8g/cm以上がより好ましく、0.85g/cm以上が更に好ましい。また、通常1.4g/cm以下、1.3g/cm以下が好ましく、1.2g/cm以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
<非水系二次電池用負極>
本発明の非水系二次電池用負極(以下適宜「電極シート」ともいう。)は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備えると共に、活物質層は少なくとも本発明の非水系二次電池用複合炭素材とを含有することを特徴とする。更に好ましくはバインダを含有する。
バインダとしては、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものを用いる。その種類は特に制限されないが、具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダと、前述の活物質とを組み合わせて用いることにより、負極板の強度を高くすることができる。負極の強度が高いと、充放電による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命を長くすることができる。また、本発明に係る負極では、活物質層と集電体との接着強度が高いので、活物質層中のバインダの含有量を低減させても、負極を捲回して電池を製造する際に、集電体から活物質層が剥離するという課題も起こらないと推察される。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダとしては、その分子量が大きいもの
か、或いは、不飽和結合の割合が大きいものが望ましい。具体的に、分子量が大きいバインダの場合には、その重量平均分子量が通常1万以上、好ましくは5万以上、また、通常100万以下、好ましくは30万以下の範囲にあるものが望ましい。また、不飽和結合の割合が大きいバインダの場合には、全バインダの1g当たりのオレフィン性不飽和結合のモル数が、通常2.5×10−7モル以上、好ましくは8×10−7モル以上、また、通常1×10−6モル以下、好ましくは5×10−6モル以下の範囲にあるものが望ましい。バインダとしては、これらの分子量に関する規定と不飽和結合の割合に関する規定のうち、少なくとも何れか一方を満たしていればよいが、両方の規定を同時に満たすものがより好ましい。オレフィン性不飽和結合を有するバインダの分子量が小さ過ぎると機械的強度に劣り、大き過ぎると可撓性に劣る。また、バインダ中のオレフィン性不飽和結合の割合が小さ過ぎると強度向上効果が薄れ、大き過ぎると可撓性に劣る。
また、オレフィン性不飽和結合を有するバインダは、その不飽和度が、通常15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、また、通常90%以下、好ましくは80%以下の範囲にあるものが望ましい。なお、不飽和度とは、ポリマーの繰り返し単位に対する二重結合の割合(%)を表す。
本発明においては、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、本発明の効果が失われない範囲において、上述のオレフィン性不飽和結合を有するバインダと併用することができる。オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、通常150質量%以下、好ましくは120質量%以下の範囲である。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダを併用することにより、塗布性を向上することができるが、併用量が多すぎると活物質層の強度が低下する。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸、或いはこれらポリマーの金属塩、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー及びこれらの共重合体などが挙げられる。
本発明の炭素材は、上述のオレフィン性不飽和結合を有するバインダとを組み合わせて用いた場合、活物質層に用いるバインダの比率を従来に比べて低減することができる。具体的に、本発明の負極材料と、バインダ(これは場合によっては、上述のように不飽和結合を有するバインダと、不飽和結合を有さないバインダとの混合物であってもよい。)との質量比率は、それぞれの乾燥質量比で、通常90/10以上、好ましくは95/5以上であり、通常99.9/0.1以下、好ましくは99.5/0.5以下の範囲である。バインダの割合が高過ぎると容量の減少や、抵抗増大を招きやすく、バインダの割合が少な過ぎると極板強度が劣る。
本発明の負極は、上述の本発明の負極材料とバインダとを分散媒に分散させてスラリーとし、これを集電体に塗布することにより形成される。分散媒としては、アルコールなどの有機溶媒や、水を用いることができる。このスラリーには更に、所望により導電剤を加えてもよい。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などが挙げられる。導電剤の添加量は、本発明の負極材料に対して通常10質量%以下程度である。
スラリーを塗布する集電体としては、従来公知のものを用いることができる。具体的に
は、圧延銅箔、電解銅箔、ステンレス箔等の金属薄膜が挙げられる。集電体の厚さは、通常4μm以上、好ましくは6μm以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
このスラリーを、集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極材料が14.5±0.3mg/cm付着するように、ドクターブレードを用いて幅5cmに塗布し、室温で風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径20cmのローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度が1.70±0.03g/cmになるよう調整し電極シートを得た。
スラリーを集電体上に塗布した後、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは195℃以下の温度で、乾燥空気又は不活性雰囲気下で乾燥し、活物性層を形成する。
スラリーを塗布、乾燥して得られる活物質層の厚さは、通常5μm以上、好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、また、通常200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。活物質層が薄すぎると、活物質の粒径との兼ね合いから負極としての実用性に欠け、厚すぎると、高密度の電流値に対する十分なLiの吸蔵・放出の機能が得られにくい。
活物質層における非水系二次電池用複合炭素材の密度は、用途により異なるが、容量を重視する用途では、通常1.55g/cm3以上、好ましくは1.6g/cm3以上、より好ましくは1.65g/cm3以上、更に好ましくは1.7g/cm3以上である。密度が低すぎると、単位体積あたりの電池の容量が必ずしも充分ではない。また、密度が高すぎるとレート特性が低下するので、通常1.9g/cm以下である。
以上説明した本発明の非水系二次電池用複合炭素材を用いて非水系二次電池用負極を作製する場合、その手法や他の材料の選択については、特に制限されない。また、この負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製する場合も、リチウムイオン二次電池を構成する正極、電解液等の電池構成上必要な部材の選択については特に制限されない。以下、本発明の負極材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池の詳細を例示するが、使用し得る材料や作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
<非水系二次電池>
本発明の非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様であり、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える。負極としては、上述した本発明の負極を用いる。
正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
正極活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物などが挙げられる。金属カルコゲン化合物としては、バナジウムの酸化物、モリブデンの酸化物、マンガンの酸化物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、タングステンの酸化物などの遷移金属酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの硫化物、チタンの硫化物、CuSなどの遷移金属硫化物、NiPS、FePS等の遷移金属のリン−硫黄化合物、VSe、NbSeなどの遷移金属のセレン化合物、Fe0.250.75、Na0.1CrSなどの遷移金属の複合酸化物、LiCoS、LiNiSなどの遷移金属の複合硫化物等が挙げられる。
これらの中でも、V、V13、VO、Cr、MnO、TiO、MoV、LiCoO、LiNiO、LiMn、TiS、V、C
0.250.75、Cr0.50.5などが好ましく、特に好ましいのはLiCoO、LiNiO、LiMnや、これらの遷移金属の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物である。これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。
正極活物質を結着するバインダとしては、公知のものを任意に選択して用いることができる。例としては、シリケート、水ガラス等の無機化合物や、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン等の不飽和結合を有さない樹脂などが挙げられる。これらの中でも好ましいのは、不飽和結合を有さない樹脂である。正極活物質を結着する樹脂として不飽和結合を有する樹脂を用いると酸化反応時に分解される恐れがある。これらの樹脂の重量平均分子量は通常1万以上、好ましくは10万以上、また、通常300万以下、好ましくは100万以下の範囲である。
正極活物質層中には、電極の導電性を向上させるために、導電材を含有させてもよい。導電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
正極板は、前記したような負極の製造と同様の手法で、正極活物質やバインダを溶剤でスラリー化し、集電体上に塗布、乾燥することにより形成する。正極の集電体としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール(SUS)などが用いられるが、何ら限定されない。
電解質としては、非水系溶媒にリチウム塩を溶解させた非水系電解液や、この非水系電解液を有機高分子化合物等によりゲル状、ゴム状、固体シート状にしたものなどが用いられる。
非水系電解液に使用される非水系溶媒は特に制限されず、従来から非水系電解液の溶媒として提案されている公知の非水系溶媒の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類などが挙げられる。
これらの非水系溶媒は、何れか一種を単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。混合溶媒の場合は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含む混合溶媒の組合せが好ましく、環状カーボネートが、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶媒であることが、低温でも高いイオン電導度を発現でき、低温充電不可特性が向上するという点で特に好ましい。中でもプロピレンカーボネートが非水系溶媒全体に対し、2質量%以上80質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上70質量%以下の範囲がより好ましく、10質量%以上60質量%以下の範囲がさらに好ましい。プロピレンカーボネートの割合が上記より低いと低温でのイオン電導度が低下し、プロピレンカーボネートの割合が上記より高いと、黒鉛系電極を用いた場合にはリチウムイオンに溶媒和したプロピレンカーボネートが黒鉛相間へ共挿入することにより黒鉛系負極活物質の層間剥離劣化がおこり、十分な容量が得られなくなる問題がある。
非水系電解液に使用されるリチウム塩も特に制限されず、この用途に用い得ることが知られている公知のリチウム塩の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、LiCl、LiBrなどのハロゲン化物、LiClO、LiBrO、LiClOなどの過ハロゲン酸塩、LiPF、LiBF、LiAsFなどの無機フッ化物塩などの無
機リチウム塩、LiCFSO、LiCSOなどのパーフルオロアルカンスルホン酸塩、Liトリフルオロスルフォンイミド((CFSONLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸イミド塩などの含フッ素有機リチウム塩などが挙げられ、この中でもLiClO、LiPF、LiBFが好ましい。
リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、通常0.5mol/L以上、2.0mol/L以下の範囲である。
また、上述の非水系電解液に有機高分子化合物を含ませ、ゲル状、ゴム状、或いは固体シート状にして使用する場合、有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
上述の非水系電解液は、更に被膜形成剤を含んでいても良い。被膜形成剤の具体例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチルカーボネート、メチルフェニルカーボネートなどのカーボネート化合物、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイドなどのアルケンサルファイド;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン化合物;マレイン酸無水物、コハク酸無水物などの酸無水物などが挙げられる。更に、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていても良い。上記添加剤を用いる場合、その含有量は通常10質量%以下、中でも8質量%以下、更には5質量%以下、特に2質量%以下の範囲が好ましい。上記添加剤の含有量が多過ぎると、初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、電解質として、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。高分子固体電解質としては、前述のポリエーテル系高分子化合物にリチウムの塩を溶解させたものや、ポリエーテルの末端水酸基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げられる。
正極と負極との間には通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させる。この場合、非水系電解液は、多孔性のセパレータに含浸させて用いる。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルスルホンなどが用いられ、好ましくはポリオレフィンである。
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は特に制限されない。例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。また、これらの形態の電池を任意の外装ケースに収めることにより、コイン型、円筒型、角型等の任意の形状にして用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池を組み立てる手順も特に制限されず、電池の構造に応じて適切な手順で組み立てればよいが、例を挙げると、外装ケース上に負極を乗せ、その上に電解液とセパレータを設け、更に負極と対向するように正極を乗せて、ガスケット、封口板と共にかしめて電池にすることができる。
<電池の性能>
上述のように作製した電池は以下の様な性能を示すものである。
出力は、通常1.0W以上、好ましくは1.5W以上、より好ましくは1.8W以上である。出力が低すぎると、電気自動車用電源としてリチウムイオン二次電池を使用する場合に発進、加速時に大きなエネルギーを取り出せず、また、減速時に発生する大きなエネルギーを効率よく回生することができない。
サイクル維持率は、通常70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。サイクル維持率が低すぎると、充放電を繰り返し、長い期間使用するような用途へ適さない。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(測定方法)
(1)粒径
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの2(容量)%水溶液約1mlに、炭素粉末約20mgを加え、これをイオン交換水約200mlに分散させたものを、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所製 LA−920)を用いて体積基準粒度分布を測定し、50%積算粒子径のd50を求めた。測定条件は超音波分散1分間、超音波強度2、循環速度2、相対屈折率1.50である。
(2)タップ密度
タップ密度は、粉体密度測定器である(株)セイシン企業社製「タップデンサーKYT−4000」を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、炭素材を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(3)BET比表面積(SA)
BET比表面積の測定方法は、例えば大倉理研社製比表面積測定装置「AMS8000」を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。具体的には、試料(炭素材)0.4gをセルに充填し、350℃に加熱して前処理を行った後、液体窒素温度まで冷却して、窒素30%、He70%のガスを飽和吸着させ、その後室温まで加熱して脱着したガス量を計測し、得られた結果から、通常のBET法により比表面積を算出した。
(4)配向比
試料を加圧成型してからX線回折により測定した。試料0.47gを直径17mmの成型機に充填し58.8MN・m−2で圧縮して得た成型体を、粘土を用いて測定用試料ホルダーの面と同一面になるようにセットしてX線回折を測定する。得られた炭素の(110)回折と(004)回折のピーク強度から、(110)回折ピーク強度/(004)回折ピーク強度で表わされる比を算出する。該測定で算出した。
(5)細孔容積
水銀圧入法の測定としては、水銀ポロシメーター(マイクロメリテックス社製のオートポア9520)を用いて、パウダー用セルに試料(負極材)を0.2g前後秤量封入し、室温、真空下(50μmHg以下)にて10分間の脱気前処理を実施した後、4psiaまでステップ状に減圧し水銀を導入し、4psiaから40000psiaまでステップ状に昇圧させ、更に25psiaまで降圧させた。得られた水銀圧入曲線からWashburnの式を用い、細孔分布を算出した。なお、水銀の表面張力は485dyne/cm
、接触角は140°として算出した。
ここで、10nm〜1000nmの範囲の細孔容積は黒鉛粒子の内部空隙量を主に反映していると考えられ、10nm〜1000nmの範囲の細孔容積が大きいほど粒子内部に空隙が多いと推定される。
(6)軟化点、キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)
有機化合物の軟化点、キノリン不溶分(QI)、トルエン不溶分(TI)はJIS K
2425の規定に準拠して測定した。
(7)残炭率
有機化合物の残炭率はJIS K2270の規定に準拠して測定した。
(8)水素原素比(H/C)
元素分析装置(CHN計)で測定した水素量と炭素量から求められる原子比(H/C)を算出した。
実施例1
炭素材として下記表1中の比較例2に記載された球形化天然黒鉛を用い、上記球形化天然黒鉛と有機化合物とを、100:20の質量比で混合し、ニーダーに投入して20分間捏合した。この捏合物を、CIP成型機を用いて1000kgf/cmで2分間、等方的加圧処理を行うことで成型体として、電気炉で室温から1000 ℃ まで昇温し、さらに1000℃で保持することにより脱VM焼成を行った。その後、この焼成体を3000℃で加熱して黒鉛化処理をした。得られた成形体を粗砕、微粉砕処理し、球形化天然黒鉛粒子の表面に黒鉛質物が被覆された負極材1を得た。
焼成収率から、得られた複合炭素材粉末(負極材1)は、10質量%の黒鉛質物で被覆されていることが確認された。
なお、有機化合物としては、残炭率が50%、キノリン不溶分が10%、トルエン不溶分が30%、H/Cが0.041、軟化点が80℃であり、また黒鉛化後、粉砕処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が0.3360nm、Lc(004)が67nmである重質油を用いた。
複合炭素材と天然黒鉛の粉体物性を表1に、電池評価結果を表2に示す。
・正極、負極、電解液及び電池の作製
負極の作製
実施例1の負極材1を負極活物質とし、この負極活物質98質量%に、増粘剤、バインダとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウム1質量%、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度40質量%)1質量%を加え、2軸混練で混合してスラリー化した。得られたスラリーを18μmの圧延銅箔に片面塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、活物質層のサイズとして幅32mm、長さ42mm及び集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出し、負極とした。この時の負極の活物質の密度は1.8g/cmであった。
正極の作製
正極活物質は、以下に示す方法で合成したリチウム遷移金属複合酸化物であり、組成式LiMn0.33Ni0.33Co0.33で表される。マンガン原料としてMn、ニッケル原料としてNiO、及びコバルト原料としてCo(OH)を、Mn:Ni:Co=1:1:1のモル比となるように秤量し、これに純水を加えてスラリーとし、攪拌しながら、循環式媒体攪拌方湿式ビーズミルを用いて、スラリー中の固形分を、メジアン径0.2μmになるように湿式粉砕した。
得られたスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、マンガン原料、ニッケル原
料、コバルト原料のみからなる、粒径約5μmのほぼ球状の造粒粒子を得た。得られた造粒粒子に、平均粒径(d50)3μmのLiOH粉末を、Mn、Ni、及びCoの合計モル数に対するLiのモル数の比が1.05となるように添加し、ハイスピードミキサーにて混合して、ニッケル原料、コバルト原料、マンガン原料の造粒粒子とリチウム原料との混合粉を得た。この混合粉を空気流通下、950℃で12時間焼成(昇降温度5℃/min)した後、解砕し、目開き45μmの篩を通し、正極活物質を得た。この正極活物質のBET比表面積は1m/g、平均一次粒子径は1μm、平均粒径(d50)は8μm、タップ密度は1.7g/cmであった。
上述の正極活物質を90質量%と、導電材としてのアセチレンブラック7質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した。得られたスラリーを15μmのアルミ箔に塗布して乾燥し、プレス機で厚さ100μmに圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出し正極とした。正極活物質層の密度は2.6g/cmであった。
電解液の作製
不活性雰囲気下でエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の混合物(体積比3:7)に、1mol/Lの濃度で、十分に乾燥したヘキサフルオロ
リン酸リチウム(LiPF)を溶解させた。さらに、その電解液にビニレンカーボネート(VC)を1質量%添加したものを用いた。
電池の作製
正極1枚と負極1枚は活物質面が対抗するように配置し、電極の間に多孔製ポリエチレンシートのセパレータ(25μm)が挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質面内から外れないよう対面させた。この正極と負極それぞれについての未塗工部に集電タブを溶接し、電極体としたものをポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用い、内面側にポリプロピレンフィルムがくるようにしてラミネートシートではさみ、電解液を注入するための一片を除いて、電極のない領域をヒートシールした。
その後、活物質層に非水電解液を200μL注入して、電極に充分浸透させ、密閉して、ラミネートセルを作製した。この電池の定格容量は、40mAhである。
サイクル維持率測定
25℃環境下で、電圧範囲4.2〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて初期コンディショニングを行った。さらに、エージングを行った後、サイクル試験を行った。1サイクル目の放電容量を基準とし、200サイクル目の放電容量から次式にしたがってサイクル維持率を算出した。
サイクル維持率=200サイクル目の放電容量÷1サイクル目の放電容量×100
高温保存特性の評価(保存ガス量)
25℃環境下で、0.2Cの定電流で充電した後、これを85℃で24時間保存し、電池を室温まで冷却させた後、エタノール浴中に浸して体積を測定し、高温保存前後の体積変化から発生したガス量を求めた。
プレス荷重
負極活物質層の密度が1.8g/cmになるよう圧延するのに必要な線圧(kg/5cm)とした。
実施例2
実施例1において、100:30の質量比で混合した以外は、実施例1と同様に負極材2を得た。得られた複合炭素材粉末(負極材1)は、15質量%の黒鉛質物で被覆されていることが確認された。
得られた複合炭素材の粉体物性を表1に、電池評価結果を表2に示す。
比較例1
炭素材として下記表1中の比較例2に記載された球形化天然黒鉛を用い、上記球形化天然黒鉛と有機化合物とを、100:30の質量比で混合し、ニーダーに投入して20分間捏合した。この捏合物を、モールドプレス成型機を用いて2kgf/cm(0.20MPa)で1分間、異方的加圧処理を行うことで成型体として、電気炉で室温から1000
℃まで昇温し脱VM処理を行った。焼成体を実施例1と同様に3000℃にて黒鉛化処
理を行い、負極材3を得た。得られた複合炭素材の粉体物性を表1に、電池評価結果を表2に示す。
なお、なお、有機化合物としては、残炭率が50%、キノリン不溶分≦0.5%、トルエン不溶分が16%、H/Cが0.044、軟化点80℃であり、黒鉛化後、粉砕処理して得られた炭素粉末のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が0.3356nm、Lc(004)が>100nm(参考値550nm)である重質油を用いた。得られた複合炭素材粉末(負極材3)は、15質量%の黒鉛質物で被覆されていることが確認された。
比較例2
表1に示す球形化黒鉛をそのまま負極材4として用いた。電池評価結果を表2に示す。
Figure 2013225501
Figure 2013225501
以上の結果より、実施例1及び2の複合炭素材である負極材1及び2は従来の負極材である負極材3と比較して、サイクル維持率及び保存ガス発生量がともに優れていることがわかった。また負極材4は実施例1及び2と比較して初期効率が悪かった。
本発明の複合炭素材は、非水系二次電池用の負極材として用いることにより、初期効率に優れるだけではなく、サイクル維持率が高く且つ保存ガス発生量が低い非水系二次電池用複合炭素材を提供することができる。

Claims (9)

  1. 等方的加圧処理された炭素材と黒鉛質物が複合化した非水系二次電池用複合炭素材。
  2. 炭素材が天然黒鉛である請求項1に記載の非水系二次電池用複合炭素材。
  3. 炭素材が球形化処理を施されたものである請求項1又は2に記載の非水系二次電池用複合炭素材。
  4. 複合炭素材の体積基準平均粒径(d50)が16.9μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用複合炭素材。
  5. 複合炭素材の比表面積が0.1m/g以上、15m/g以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用複合炭素材。
  6. 複合炭素材の配向比(110/004)が0.29以上0.7以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用複合炭素材。
  7. 黒鉛化物の被覆率が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系二次電池用複合炭素材料。
  8. 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えると共に、該活物質層が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系二次電池複合炭素材を含有することを特徴とする、非水系二次電池用負極。
  9. 正極及び負極、並びに、電解質を備えると共に、該負極が、請求項8に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池。
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