JP2015185443A - 非水系二次電池用炭素材、及び、非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素材(a)と黒鉛質物が複合化された複合炭素材(A)と、炭素材(b)と炭素質物が複合化された複合炭素材(B)を少なくとも含む非水系二次電池用炭素材であって、該複合炭素材(B)のアスペクト比が4以上であることを特徴とする非水系二次電池用炭素材料。
【選択図】なし
Description
リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極及び負極、並びにLiPF6やLiBF4などのリチウム塩を溶解させた非水電解液からなる非水系リチウム二次電池が開発され、実用に供されている。この電池の負極材料としては種々のものが提案されているが、高容量であること及び放電電位の平坦性に優れていることなどから、天然黒鉛、コークス等の黒鉛化で得られる人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズピッチの黒鉛質の炭素材料が用いられている。例えば、特許文献1では球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダの黒鉛化物とが複合化した複合黒鉛粒子を負極活物質として用いることによって高サイクル特性を示す負極材が提案されている。
電動工具、電気自動車向けなど、急速充放電性と高サイクル特性を併せ持つ非水系リチウム二次電池が望まれている。
例えば、特許文献3では、表面が非晶質炭素で被覆されていない黒鉛粒子と高出力用途向けに表面が非晶質炭素で被覆された被覆黒鉛粒子とが混合された負極材が高容量・高出力用途として提案されている。
性を有するものの、Liの受け入れ性が悪いため、高出力特性に改善が必要であった。特許文献2に記載の技術では、プレス時に被覆された非晶質炭素が割れて比表面積が増大し、不可逆容量が増加することが確認された。
特許文献3に記載の技術では、球状の粒子同士を混合するため、粒子間の導電パスの確保が不十分であり、高サイクル特性を満足する負極材料には至っていないことがわかった。特許文献4に記載の技術では、鱗片状黒鉛粒子に対して、非晶質が複合化されていないため、副反応により、サイクル特性が悪化する傾向が確認された。また、高密度において、鱗片状黒鉛粒子が変形して粒子間を埋め、極板内の液拡散が悪化する傾向が確認された。
<1>炭素材(a)と黒鉛質物が複合化された複合炭素材(A)と、炭素材(b)と炭素質物が複合化された複合炭素材(B)を少なくとも含む非水系二次電池用炭素材であって、該複合炭素材(B)のアスペクト比が4以上であることを特徴とする非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<2>前記複合炭素材(B)の短径の長さが10μm以下であることを特徴とする<1>に記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<3>前記複合炭素材(B)のタップ密度が0.2g/cm3以上1.0g/cm3以下であることを特徴とする<1>または<2>に記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<4>更に、炭素材(c)に炭素質物が被覆されたものであってアスペクト比が4未満である複合炭素材(C)を含むことを特徴とする<1>乃至<3>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<5>前記複合炭素材(A)乃至(C)の平均粒径(d50)が3μm以上60μm以下であることを特徴とする<1>乃至<4>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<6>前記複合炭素材(A)乃至(C)の比表面積が0.1m2/g以上15m2/g以下であることを特徴とする<1>乃至<5>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<7>少なくとも炭素材(a)または炭素材(c)のどちらか一方が球状天然黒鉛であることを特徴とする<1>乃至<6>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<8>少なくとも炭素材(a)または炭素材(c)のどちらか一方が加圧処理されたものであることを特徴とする<1>乃至<7>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<9>前記加圧処理が等方的加圧処理であることを特徴とする<8>に記載の非水系二次電池用炭素材料、に存し、
<10>正極及び負極、並びに、電解液を備える非水系二次電池であって、前記負極が、集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを備えるものであり、前記活物質層が、<1>乃至<9>の何れか1つに記載の非水系二次電池用炭素材料を含有するものであることを特徴とする非水系二次電池、に存する。
本発明の複合炭素材(A)・(C)の原料である炭素材(a)・(c)に関して、一例として下記に示すが、特に制限されない。複合炭素材(A)・(C)の原料である炭素材(a)・(c)は、同一のものであってもよいし、種類や物性が異なっていてもよい。
炭素材の例としては、黒鉛から非晶質のものにいたるまで種々の黒鉛化度の炭素材が挙げられる。また、商業的にも容易に入手可能であるという点で、黒鉛又は黒鉛化度の小さい炭素(非晶質炭素)材が特に好ましい。非晶質炭素を炭素材として用いると、他の負極活物質を用いた場合よりも、高電流密度での充放電特性の改善効果が著しく大きいので好ましい。
天然黒鉛の具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛、球状黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては、ピッチ原料を高温熱処理して製造した、コークス、ニードルコークス、高密度炭素材料等の黒鉛質粒子が挙げられる。好ましくは、低コストと電極作製のし易さの点で、球状天然黒鉛である。また、安全性の観点から、不純物が少なく、高純度化された炭素材や球状天然黒鉛が好ましい。高純度化を行なった天然黒鉛の純度は、通常
98.0質量%以上、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.6質量%以上である。純度がこの範囲であれば、負極材料として用いた場合、電池容量が高くなるのでより好ましい。
本発明における炭素材は以下の物性を示すものである。なお、本発明における測定方法は特に制限はないが、特段の事情がない限り実施例に記載の測定方法に準じる。
炭素材(a)・(c)の学振法によるX線回折で求めた格子面(002)のd値(層間距離)は、通常0.335nm以上である。ここで、d値は好ましくは0.340nm未満、より好ましくは0.339nm以下、更に好ましくは0.337nm以下である。d値が上記範囲内であると、結晶性の低下を抑制できるため、初期不可逆容量が増加を抑える傾向にある。一方、下限値である0.335nmは黒鉛の理論値である。
炭素材(a)・(c)は、表面官能基量O/C値が通常0.01%以上4%以下であり、1%以上3%以下が好ましく、2%以上3%以下であるとより好ましい。このO/C値が上記範囲内であると、バインダとの親和性の低下を抑制し、負極表面と被覆材の相互作用の低下を抑え、被覆材をはがれ難くすることが出来る。
て帯電補正し、C1sとO1sのスペクトルのピーク面積を求め、式(A)から算出する。
O/C値(%)={X線光電子分光法(XPS)分析におけるO1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたO原子濃度/XPS分析におけるC1sのスペクトルのピーク面積に基づいて求めたC原子濃度}×100
炭素材(a)・(c)の粒径については特に制限が無いが、使用される範囲として、体積基準平均粒径(d50)が好ましくは60μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは25μm以下である。また、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上、特に好ましくは10μm以上である。d50が上記範囲内であると、極板化した際に筋引きなどの工程上の不都合が出にくくなり、また、適度な表面積を提供するため、電解液に対する活性を抑制することができる。
炭素材(a)・(c)のBET法で測定した比表面積については、好ましくは4m2/g以上、より好ましくは5m2/g以上である。また、好ましくは11m2/g以下、より好ましくは9m2/g以下、更に好ましくは8m2/g以下である。
比表面積が上記範囲内であると、Liが出入りする部位を好適に確保できるため高速充放電特性及び出力特性に優れ、活物質の電解液に対する活性も抑制でき、初期不可逆容量の増加を抑えることができるため、より高容量電池を提供することができる。
なおBET比表面積の測定方法は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。
炭素材(a)・(c)のX線回折構造解析(XRD)から得られる、Rhombohedral(菱面体晶)に対するHexagonal(六方晶)の結晶の存在比(3R/2H)は好ましくは0.20以上、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.30以上である。3R/2Hが上記範囲内であると、高速充放電特性に優れる傾向にある。
炭素材(a)・(c)のタップ密度は、好ましくは0.7g/cm3以上、より好ましくは0.8g/cm3以上、更に好ましくは1g/cm3以上である。また、好ましくは1.3g/cm3以下、より好ましくは1.2g/cm3以下、更に好ましくは1.1g/cm3以下である。タップ密度が上記範囲内であると、高速充放電特性に優れ、また好
適な粒子内炭素密度を提供するため、圧延性に優れ、高密度の負極シートを形成することができる。
炭素材(a)・(c)のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPAの強度IAと、1360cm−1付近のピークPBの強度IBとを測定し、その強度比R(R=IB/IA)を算出して定義する。その値は好ましくは0.15以上、、より好ましくは0.4以下、更に好ましくは0.3以下である。ラマンR値が上記範囲内であると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎず、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し難くなり、負荷特性の低下を抑制する傾向にある。また、電解液との反応性も抑制でき、充放電効率の低下やガス発生の増加を抑制する傾向にある。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1 ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
炭素材(a)・(c)の内部空隙率は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、更に好ましく5%以上、特に好ましくは7%以上である。また、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは23%未満である。内部空隙率が上記範囲内であると、粒子内の液量が適量となり電解液の拡散が十分となるため、充放電特性に優れる傾向にある。
内部空隙率(%)=[粒子内細孔量/{粒子内細孔量+(1/黒鉛の真密度)}]×100
本発明の炭素材のアスペクト比は、好ましくは1以上であり、また好ましくは4未満、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下である。アスペクト比が上記範囲内であると、極板内の電解液の拡散性に優れる。
本発明において、アスペクト比は、粒子の短径に対する長径の長さの比であり、最小値
は1となるので、アスペクト比の下限は通常1である。なお、アスペクト比の測定は以下のように行った。炭素材を電子顕微鏡で写真撮影し、任意選んだ領域内の20個の粒子について、それぞれの粒子の最長径をα(μm)、最短径をβ(μm)としてα/βを求め、α/βの20個の粒子の平均値をアスペクト比とする。
本発明の炭素材は、その原料として、黒鉛化されている炭素粒子であれば特に限定はないが、上述したように天然黒鉛、人造黒鉛、並びにコークス粉、ニードルコークス粉、及び樹脂等の黒鉛化物の粉体等を用いることができる。これらのうち、天然黒鉛が好ましく、中でも球状天然黒鉛が高密度においても、液拡散を阻害しない点から特に好ましい。以下に、一例として球状天然黒鉛の製造方法を記載する。
球形化処理には、例えば、衝撃力を主体として粒子の相互作用も含め圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し炭素粒子に与え、球形化を行う装置を用いることができる。具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された炭素材に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。
表面処理後の炭素材のO/C値が通常1%以上4%以下となる条件で、球形化処理を行うことにより製造することが好ましい。この際には、機械処理のエネルギーにより黒鉛表面の酸化反応を進行させ、黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の複合炭素材(B)の原料である炭素材(b)に関して、一例として下記に示すが、特に制限されない。
炭素材(b)は、アスペクト比が4以上である鱗片状黒鉛であり、天然黒鉛、人造黒鉛の何れを用いてもよいが、黒鉛としては、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
天然黒鉛の具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては、ピッチ原料を高温熱処理して製造した、コークス、ニードルコークス、高密度炭素材等の黒鉛質粒子が挙げられる。また、安全性の観点から、不純物が少なく、高純度化された炭素材が好ましい。高純度化を行なった天然黒鉛の純度は、通常98.0質量%以上、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.6質量%以上である。純度がこの範囲であれば、負極材料として用いた場合、電池容量が高くなるのでより好ましい。
本発明における炭素材は以下の物性を示すものである。なお、本発明における測定方法は特に制限はないが、特段の事情がない限り実施例に記載の測定方法に準じる。
(1)炭素材(b)の格子面(002)のd値
炭素材(b)の学振法によるX線回折で求めた格子面(002)のd値(層間距離)の好適な範囲は、上記した炭素材(a)・(c)の場合と同じである。
炭素材(b)の表面官能基量O/Cの好適は範囲は、炭素材(a)・(c)の場合と同じである。
(3)炭素材(b)の体積基準平均粒径(d50)
炭素材(b)のd50の好適な範囲は、炭素材(a)・(c)の場合と同じである。
炭素材(b)のBET法で測定した比表面積については、好ましくは0.5m2/g以上、より好ましくは1m2/g以上である。また、好ましくは20m2/g以下、より好ましくは15m2/g以下、更に好ましくは10m2/g以下である。
比表面積が高すぎるということは、アスペクト比が4以上である炭素材(b)が微粉として存在していることを意味し、導電パスの確保に寄与しないことを意味する、一方、比表面積が低すぎるということは炭素材(b)が非常に長い鱗片状であることを意味し、電極塗布時のスジ引きといった工程性の悪化を引き起こす傾向がある。
炭素材(b)のタップ密度は、通常0.2g/cm3以上、0.25g/cm3以上が好ましい。また、通常0.8g/cm3以下、0.7g/cm3以下が好ましい。炭素材(b)のタップ密度が上記範囲内であると、黒鉛質物と複合した複合炭素材(B)を混合した炭素材料の電極の強度が弱くなり難い。また、充放電での粒子の膨張収縮が大きくなり難く、粒子間の接触を保つことができる。
鱗片状黒鉛であるということは、球形化処理を受けてないということで、ラマンR値は小さい値となる。球形化処理は鱗片状黒鉛に機械的処理を与えることで、該鱗片状黒鉛が折り曲げ、角削り、粒子巻き込み、結合等により球形化される。そのため、球形化黒鉛粒子全体は鱗片状黒鉛由来の高結晶性を維持しているが、球形化黒鉛粒子の表面は結晶性が乱れその結果、粒子の表面から10nm程度の深さまでの結晶性を表すラマンR値は大きな値となる。すなわちラマンR値が小さいということは、球形化処理を受けていない、板
状を呈した鱗片状黒鉛であることを示している。ラマンR値は好ましくは0.21以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.14以下、より更に好ましくは0.13以下、特に好ましくは0.1以下、最も好ましくは0.09以下である。完全結晶黒鉛のラマンR値は理論的に0なので、ラマンR値の下限は0以上であり、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上である。
炭素材(b)のアスペクト比は、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上である。また、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは20以下である。アスペクト比が上記範囲内であると、粒子間の接点を効果的にとることができる。
炭素材(b)は、前述の性状であれば、どのような製法で作製しても問題なく、前述の特許第3534391号公報(特許文献1)で提案されている方法を用いても製造できる。例えば、天然で産出される鱗片、鱗状、板状、塊状の黒鉛、或いは、例えば石油コークス、石炭ピッチコークス、石炭ニードルコークス、メソフェーズピッチなどを2500℃以上に加熱して製造した人造黒鉛を、必要により、不純物除去、粉砕、篩い分けや分級処理を行うことで得ることができる。
本発明の複合炭素材(A)・(B)・(C)のもう一方の原料である被覆用の炭素質物又は黒鉛質物の前駆体である有機化合物は、一例として下記に示すが、特に制限されない。複合炭素材(A)・(B)・(C)の原料である有機化合物は、同一のものであってもよいし、種類や物性が異なっていてもよい。また、下記に示す物性を満たすことが好ましい。
本発明における有機化合物とは、焼成を行うことによって炭素質物又は黒鉛質物となる原料である。ここで、炭素質物とはd値が通常0.340nm以上の炭素のことであり、炭素質物と非晶質炭素質物とは同義である。一方、黒鉛質物とはd値が0.340nm未満の黒鉛のことである。
(1)格子面(002)のd値
<有機化合物を焼成した炭素質物における物性>
有機化合物のみを焼成処理して得られた炭素質物粉末の学振法によるX線回折で求めた格子面(002)のd値(層間距離)の好適な範囲は、好ましくは0.340nm以上、より好ましくは0.342nm以上である。また、好ましくは0.380nm未満、より好ましくは0.370nm以下、更に好ましくは0.360nm以下である。d値が上記範囲内であると、例えば、複合炭素材(B)・(C)が適度な結晶性を有する粒子となり不可逆容量の増加を抑制する傾向にある。また、炭素質物を複合化させた効果をより顕著に得ることができる。
有機化合物のみを黒鉛化処理して得られた黒鉛質物粉末の学振法によるX線回折で求めた格子面(002)のd値(層間距離)の好適な範囲は、好ましくは0.3354nm以上、より好ましくは0.3357nm以上、更に好ましくは0.3359nm以上である。また、通常0.340nm未満、好ましくは0.338nm以下、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が上記範囲内であると、例えば、複合炭素材(A)が適度な結晶性を有する粒子となり黒鉛質物を複合化させた効果をより顕著に得ることができ、また充放電反応性の低下を抑制し、高温保存時のガス発生増加や大電流充放電特性低下を抑制することができる。
<有機化合物を焼成した炭素質物における物性>
有機化合物を焼成処理して得られた炭素質物粉末の学振法によるX線回折法で求めた炭素材料の結晶子サイズ(Lc(002))は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上である。また好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下である。結晶子サイズが上記範囲内であると、例えば、複合炭素材(B)・(C)の不可逆容量が増加を抑制することができ、炭素質物を複合化させた効果をより顕著に得ることができる。
有機化合物を黒鉛化処理して得られた黒鉛質物粉末の学振法によるX線回折法で求めた炭素材料の結晶子サイズ(Lc(002))は、通常300nm以上、好ましくは400nm以上、より好ましくは500nm以上である。また通常1000nm以下、好ましくは800nm以下、より好ましくは600nm以下である。結晶子サイズが上記範囲内であると、例えば、複合炭素材(A)が適度な結晶性を有する粒子となり黒鉛質物を複合化させた効果をより顕著に得ることができ、また充放電反応性の低下を抑制し、高温保存時のガス発生増加や大電流充放電特性低下を抑制することができる。
有機化合物の軟化点が通常400℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。軟化点が上記範囲内であると、炭素材と混合又は捏合する際に、均一に混合又は捏合することが容易となる。下限は特に制限されないが、好ましくは40℃以上である。
有機化合物のキノリン不溶分(QI)が、通常0%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは6%以上、特に好ましくは8%以上である。また好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下、最も好ましくは12%以下である。
なお、QIとは、コールタール中に微量に含まれるサブミクロンの炭素粒子や極微小なスラッジ等であり、上記範囲内であると黒鉛化過程での結晶性向上に効果的に寄与し、黒鉛化後の放電容量の低下を抑制することができる。
上、高温保存時のガス発生量の低減、大電流充放電特性の向上、サイクル特性の向上の傾向がある。なお、QI、TIの測定方法は、例えばJIS K2425に規定された方法
を用いることができる。
充放電容量の増加とプレス性の改良のために、炭素質粒子と有機化合物の混合に際し、黒鉛化触媒を添加しても良い。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、ホウ素等の金属及びこれらの炭化物、酸化物、窒化物等の化合物が挙げられる。なかでも、ケイ素、ケイ素化合物、鉄、鉄化合物が好ましく、ケイ素化合物のなかでは炭化珪素、鉄化合物のなかでは酸化鉄が特に好ましい。これらの黒鉛化触媒の添加量は、原料としての炭素質一次粒子に対して好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量% 以下、
更に好ましくは10質量% 以下、特に好ましくは5質量%以下である。
また、黒鉛質複合粒子内に細孔を生成させるためか、粒子の強度が低下し、その結果極板作製時のプレス工程において表面が平滑化し、イオンの移動を阻害する場合もある。一方、黒鉛化触媒が少なすぎると、黒鉛化が不十分で非水系二次電池にした時の充放電容量の低下の問題があり、また、極板作製時のプレス工程において高圧力を必要とし高密度化するのが困難となる場合もある。更に、黒鉛質複合粒子内に適量の細孔が存在しないためか、粒子の強度が高くなりすぎ、集電体に塗布された活物質層を所定の嵩密度にプレス成形するときに高圧力を必要とし、負極活物質層を高密度化するのが困難となる場合がある。
複合炭素材(A)の製造方法は、炭素材(a)に黒鉛質物が被覆された複合炭素材であれば、特に制限はない。例えば、炭素材(a)に対して、上述した炭素材と炭素質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行う工程にて本発明に用いられる炭素材を炭素質物で被覆した複合炭素材(A)を製造することができる。なお、原料である炭素材(a)に加圧処理を施してもよい。加圧処理を行った炭素材(a)に対して、上述の方法で複合炭素材(A)を製造することができる。さらには、炭素材(a)と炭素質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、加圧処理した後、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行う工程にて本発明に用いられる炭素材を炭素質物で被覆した複合炭素材(A)を製造する方法が、粉砕工程数が少ないという点からより好ましい。
炭素材と有機化合物との混合は常法により行うことができる。混合温度は通常は常温〜150℃であり、50〜150℃がより好ましく、100〜130℃が炭素材と有機化合物が均一に混合し易い点から更に好ましい。
炭素材と混合する際に、有機化合物は有機溶媒によって希釈することが好ましい。希釈する理由としては、有機溶媒で希釈することで混合する有機化合物の粘度を下げ、より効率良く、均一に炭素材を被覆できるからである。
メトキシブチル、酢酸シクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸イソアミル等のエステル;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、テトラアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルトルエン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素等があるが、これらに限定されるものではない。
また、有機溶媒による希釈倍率は、有機溶媒の質量に対して、有機化合物が、通常5%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であり、通常90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下である。この希釈倍率が大きすぎると有機化合物の濃度が低下し、効率的に炭素材を被覆することができない傾向がある。希釈倍率が小さすぎると有機化合物濃度が充分に低下せず効率的に炭素材を被覆することができない傾向がある。
本発明における複合炭素材(A)に使用する炭素材(a)は加圧処理をした材を使用することができる、また有機化合物と炭素材(a)を混合する後に、炭素材に対して加圧処理を行うこともできる。
加圧及び成型する方法は特に限定されず、ロールコンパクター、ロールプレス、プリケ
ット機、冷間等方圧加圧装置(CIP)、一軸成形機及びタブレット機などを用いることができる。炭素材を加圧することにより炭素材の内部空隙が圧縮される。その結果、加圧処理をした後に解砕した炭素材の密度が増加する。
また、必要があればロールに彫り込まれたパターンどおりに炭素材を加圧と同時に成形することも可能である。また、炭素材粒子間に存在する空気を排気し、真空プレスする方法も適用できる。
炭素材を加圧する圧力は、特に限定されるものではないが、通常50kgf/cm2以上、好ましくは100kgf/cm2以上である。また、加圧処理の上限は特に限定されないが、通常2000kgf/cm2以下、好ましくは1500kgf/cm2以下である。圧力が低すぎると、強固な造粒が達成されず内部空隙が減少しない傾向があり、圧力が高すぎると工程上のコストの増加につながる傾向がある。特に、圧力が高すぎると、粒子内空隙率は減少する一方、成型体の解砕時に大きなエネルギーを必要とし、比表面積の増加に繋がる。上記より、低圧での加圧処理により粒子内空隙率の減少と、比表面積の増加抑制の両方が両立可能であると考えられる。
加圧処理することにより得られた炭素材は、以下のような物性を示すことが好ましい。
具体的には、混合物を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素、アルゴン、二酸化炭素などの流通下に加熱して、有機化合物を黒鉛化させ複合炭素材を製造する工程である。
焼成温度は混合物の調製に用いた有機化合物により異なるが、黒鉛質物が複合化された複合炭素材を得る場合、有機化合物が黒鉛化する温度又はそれ以上であればよく、具体的には、通常は2000℃以上、好ましくは2500℃以上、より好ましくは2700℃以上に加熱して十分に炭化させる。加熱温度の上限は有機化合物の炭化物が、混合物中の炭素材の結晶構造と同等の結晶構造に達しない温度であり、通常は3300℃以下、好ましくは3100℃以下、3000℃以下がより好ましい。
焼成に使用する炉は上記要件を満たせば特に、制約はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、タンマン炉、アチソン炉、加熱方式も、高周波誘導加熱炉、直接式抵抗加熱、間接式抵抗加熱、直接燃焼加熱、輻射熱加熱等を用いることができる。処理時には、必要に応じて攪拌を行なってもよい。
粉砕や解砕に用いる装置に特に制限はないが、例えば、粗粉砕機としてはせん断式ミル、ジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、ハンマーミル等が挙げられ、微粉砕機としてはボールミル、振動ミル、ピンミル、攪拌ミル、ジェットミル等が挙げられる。
上記製造方法で得られた複合炭素材(A)は、以下のような特性を持つことが好ましい。
(1)複合炭素材(A)格子面(002)のd値
複合炭素材(A)の学振法によるX線回折で求めた002面の面間隔(d002)は、通常0.337nm以下、好ましくは0.3365nm以下、より好ましくは0.336nm以下、Lcが90nm以上であることが好ましい。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が0.337nm以下、Lcが90nm以上であることは、複合炭素材(B)の粒子の表面を除く大部分の結晶性が高いということであり、非晶質炭素材料に見られるような不可逆容量が大きいことによる低容量化を生じない高容量電極となる炭素材料であることを示す。
複合炭素材(A)のタップ密度は、通常0.7g/cm3以上であり、1.50g/cm3以下が好ましい。
タップ密度が小さすぎると、特に高密度に圧延された電極内で充分な連続空隙が確保されず、空隙に保持ざれた電解液内のLiイオンの移動性が落ちることで、大電流充放電特性が低下する傾向がある。タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
複合炭素材(A)のアルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピーク強度に対する1360cm−1付近のピーク強度比であるラマンR値は通常0.01以上、好ましくは0.05以上であり、また通常0.3以下、好ましくは、0.25以下、より好ましくは0.2以下である。ラマンR値が大きすぎると、粒子表面の結晶が乱れ、電解液との反応性が増し、効率の低下を招く傾向があり、ラマン値が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。
複合炭素材(A)のBET法による比表面積は通常0.5m2/g以上、好ましくは1.0m2/g以上、好ましくは、8m2/g以下、より好ましくは7m2/g以下である。比表面積が大きすぎると電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く虞があり、比表面積が小さすぎると充放電反応性が低下して、高温保存時のガス発生増加、大電流充放電特性低下の傾向がある。
複合炭素材(A)の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、通常5ml/g以下、好ましくは、3ml/g以下、より好ましくは2ml/g以下であ
り、通常、0.01ml/g以上、好ましくは、0.05ml/g以上、より好ましくは0.1ml/g以上であり、250〜2500nmの範囲の細孔容積は、通常、0.001
ml/g以上、好ましくは0.002ml/g以上、より好ましくは0.005ml/g以
上であり、通常1ml/g以下、好ましくは0.9ml/g以下、より好ましくは、0.7
ml/g以下である。細孔量が大きすぎると、細孔に起因した比表面積が増加し、電解液
との反応が過剰に発生して、不可逆容量が増加する傾向があり、少なすぎると、大電流充放電特性が低下する傾向がある。
複合炭素材(A)の粒径において、通常d50は40μm以下、好ましくは、30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、通常、3μm以上、好ましくは、4μm以上、より好ましくは5μm以上である。平均粒径が大きすぎるとこの粒径範囲を超えると極板化した際に、筋引きなどの工程上の不都合が出ることが多く、また、この粒径範囲を下回ると、表面積が大きくなりすぎ電解液との活性を抑制することが難しくなる傾向がある。
複合炭素材(A)の表面層のO/C値は、通常0.1%以上、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上である。また通常3%以下、好ましくは2.5%以下、より好ましく、2%以下である。O/C値が小さすぎると、負極活物質表面におけるLiイオンと電解液溶媒の脱溶媒和反応性が低下し、大電流充放電特性が低下する虞があり、大きすぎると、電解液との反応性が増し、充放電効率の低下を招く虞がある。
広角X線回折測定により得られる、複合炭素材(B)の格子面(110)と(004)に対応するピークの強度比R(=I(110)/I(004))が通常0.50以下、好ましくは、0.40以下、より好ましくは0.30以下であり、通常、0.05以上、好ましくは、0.10以上、より好ましくは0.15以上である。粉体配向比が上記範囲を下回ると、電池充電時の電極の膨張が大きくなり、サイクル試験中の膨張収縮に起因する活物質の脱落等によりサイクル特性が低下しやすくなる傾向がある。一方、粉体配向比が上記範囲を上回ると、プレスにより電極の活物質充填密度を上げ難くなる場合がある。
複合炭素材(A)のアスペクト比は好ましくは1以上4未満、より好ましくは3未満、さらに好ましくは2未満である。アスペクト比が小さいものに関しては問題ないが、大きすぎる場合は粒子が扁平であることを示し、極板内の液の拡散が悪くなる。
(10)被覆率
複合炭素材(A)は、黒鉛質物で被覆されている。この被覆率は、通常1%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、更に好ましくは11%以上であり、また通常20%以下、好ましくは19%以下、より好ましくは17%以下である。この含有率が大きすぎると負極材の低結晶性部分が多くなり、電池を組んだ際の可逆容量が小さくなる傾向があり、小さすぎると、鱗片黒鉛に対して低結晶部位が均一にコートされないとともに強固な造粒がなされず、焼成後に粉砕した際、粒径が小さくなる傾向がある。なお、最終的に得られる複合炭素材(A)の有機化合物由来の炭化物の含有率(被覆率)は、用いる炭素材の量と、有機化合物の量及びそのJIS K 2270のミクロ法により測定される残炭率により、下記式で算出することができる。
複合炭素材(B)・(C)の製造方法は、炭素材(b)・(c)に炭素質物が被覆され
た複合炭素材であれば、特に制限はない。例えば、炭素材(b)・(c)に対して、上述した炭素材と炭素質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行う工程にて本発明に用いられる炭素材を炭素質物で被覆した複合炭素材(B)・(C)を製造することができる。なお、原料である炭素材(b)・(c)の少なくとも1つに加圧処理を施してもよい。加圧処理を行った炭素材(b)・(c)に対して、
上述の方法で複合炭素材(B)・(C)を製造することができる。また、炭素材(b)・(c)の少なくとも1つと炭素質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、加圧処理した後、得られた混合物を焼成、粉砕処理を行う工程にて本発明に用いられる炭素材を炭素質物で被覆した複合炭素材(B)・(C)を製造する方法が、粉砕工程数が少ないという点からより好ましい。
炭素材(b)・(c)と有機化合物とを混合する工程・加圧処理する工程は複合炭素材(A)の製造方法と同様の様式にて行うことができる。
得られた混合物を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素、アルゴン、二酸化炭素などの流通下で加熱することにより、加圧処理された炭素材を被覆した有機化合物を炭化又は黒鉛化させ、複合炭素材(B)・(C)を製造する。
焼成温度は混合物の調製に用いた有機化合物により異なるが、(非晶質)炭素質物又は黒鉛質物が被覆された複合炭素材(B)・(C)を得る場合、通常は500℃以上、好ましくは800℃以上、より好ましくは900℃以上に加熱して有機化合物を十分に炭化させる。加熱温度の上限は有機化合物の炭化物が、混合物中の炭素材の結晶構造と同等の結晶構造に達しない温度であり、通常は高くても3000℃以下、好ましくは2000℃以下、1500℃以下がより好ましい。
焼成に使用する炉は上記要件を満たせば特に制約はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、タンマン炉、アチソン炉、高周波誘導加熱炉などを用いることができ、加熱方式も、直接式抵抗加熱、間接式抵抗加熱、直接燃焼加熱、輻射熱加熱等を用いることができる。熱処理時には、必要に応じて攪拌を行なってもよい。
上記工程を経た複合炭素材は、必要に応じて、再度粉砕、解砕、分級処理等の粉体加工をすることが可能であり、複合炭素材(A)の製造方法と同様の様式にて行うことができる
上述の製造方法により得られた複合炭素材(B)は、炭素材に炭素質物が被覆してなる複合炭素材となる。炭素質物は、好ましくは非晶質炭素であることが好ましく、この態様は下記に示す物性やSEM写真等で確認することができる。
複合炭素材(B)のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)は3.37Å以下、結晶子サイズLcが900Å以上である。X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることは、複合炭素材(B)の粒子の表面を除く大部分の結晶性が高いということであり、非水系二次電池の負極材に用いた場合に、非晶質炭素材に見られるような不可逆容量の大きさゆえの低容量化を生じない、高容量電極となる複合炭素材であることを示す。
複合炭素材(B)のタップ密度は、通常0.8g/cm3以下であり、0.75g/cm3以下が好ましい。 複合炭素材(B)のタップ密度が0.8g/cm3以下であるということは、複合炭素材(B)が鱗片状を呈していることを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cm3より小さいというのは、複合炭素材(B)の原料である球形炭素材が充分な球形粒子となっていないことを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cm3より大きいと、粒子間の接触面積を向上させることができず、サイクル特性が悪化する傾向がある。
複合炭素材(B)のアルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピーク強度に対する1360cm−1付近のピーク強度比であるラマンR値は通常0.45以下、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下であり、通常0.20以上、好ましくは0.23以上、より好ましくは0.25以上である。ラマン値がこの範囲であれば、負極活物質表面の結晶性が適度な範囲にあるため、高出力を得やすいことから好ましい。
複合炭素材(B)のBET法による比表面積は通常10m2/g以下、好ましくは8m2/g以下、より好ましくは6m2/g以下であり、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.7m2/g以上、より好ましくは1m2/g以上である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、ガス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向がある。比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムイオンの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
複合炭素材(B)の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、通常1.2mL/g以下、好ましくは、0.8mL/g以下、より好ましくは0.6mL/g以下であり、通常、0.01mL/g以上、好ましくは、0.05mL/g以上、より好ましくは0.1mL/g以上である。細孔容積が大きすぎると極板化時にバインダを多量に必要とする傾向があり、細孔容積が小さすぎると高電流密度充放電特性が低下し、かつ充放電時の電極の膨張収縮の緩和効果が得られなくなる傾向がある。
複合炭素材(A)の粒径において、通常d50は50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下であり、通常、1μm以上、好ましくは、4μm以上、より好ましくは10μm以上である。平均粒径が大きすぎると炭素1粒子あたりが必要とするバインダが多量となる傾向があり、平均粒径が小さすぎると高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。
本発明の複合炭素材(B)は、炭素質物又は黒鉛質物で被覆されている。この中でも非晶質炭素質物で被覆されていることがリチウムイオンの受入性の点から好ましく、この被覆率は、通常0.5%以上10.0%以下、好ましくは1.0%以上9.0%以下、より好ましくは、2.0%以上8.0%以下である。この含有率が大きすぎると負極材の非晶質炭素部分が多くなり、電池を組んだ際の可逆容量が小さくなる傾向がある。含有率が小さすぎると、炭素材(b)に対して非晶質炭素部位が均一にコートされないとともに強固な造粒がなされず、焼成後に粉砕した際、粒径が小さくなりすぎる傾向がある。
複合炭素材(B)の内部空隙率は通常1%以上、好ましくは3%以上、より好ましく5%以上、更に好ましくは7%以上である。また40%未満、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは25%以下である。この内部空隙率が小さすぎると粒子内の液量が少なくなり、充放電特性が悪化する傾向があり、内部空隙率が大きすぎると、電極にした場合に粒子間空隙が少なく、電解液の拡散が不十分になる傾向がある。
複合炭素材(B)のアスペクト比は好ましくは4以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上である。また、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは20以下である。アスペクト比が小さすぎる場合は、粒子間の接点が取れず、大きすぎる場合は粒子が扁平であることを示し、スラリーを塗布する際、電極にスジを引くことがある。
複合炭素材(C)は、炭素材に炭素質物が被覆してなる複合炭素材となる。炭素質物は、好ましくは非晶質炭素であることが好ましく、この態様は下記に示す物性やSEM写真等で確認することができる。
複合炭素材(C)のX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)は3.37Å以下、結晶子サイズLcが900Å以上である。X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることは、複合炭素材(C)の粒子の表面を除く大部分の結晶性が高いということであり、非水系二次電池の負極材に用いた場合に、非晶質炭素材に見られるような不可逆容量の大きさゆえの低容量化を生じない、高容量電極となる複合炭素材であることを示す。
複合炭素材(C)のタップ密度は、通常0.8g/cm3以上であり、0.85g/cm3以上が好ましい。 複合炭素材(C)のタップ密度が0.8g/cm3以上であるということは、複合炭素材(C)が球状を呈していることを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cm3より小さいというのは、複合炭素材(B)の原料である球形炭素材が充分な球形粒子となっていないことを示す指標の一つである。タップ密度が0.8g/cm3より小さいと、電極内で充分な連続空隙が確保されず、空隙に保持された電解液内のLiイオンの移動性が落ちることで、急速充放電特性が低下する傾向がある。
複合炭素材(C)のアルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピーク強度に対する1360cm−1付近のピーク強度比であるラマンR値は通常0.45以下、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下であり、通常0.20以上、好ましくは0.23以上、より好ましくは0.25以上である。ラマン値がこの範囲であれば、負極活物質表面の結晶性が適度な範囲にあるため、高出力を得やすいことから好ましい。
複合炭素材(C)のBET法による比表面積は通常10m2/g以下、好ましくは3m2/g以下、より好ましくは1.5m2/g以下であり、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.7m2/g以上、より好ましくは1m2/g以上である。比表面積が大きすぎると負極活物質として用いた時に電解液に露出した部分と電解液との反応性が増加し、ガ
ス発生が多くなりやすく、好ましい電池が得られにくい傾向がある。比表面積が小さすぎると負極活物質として用いた場合の充電時にリチウムイオンの受け入れ性が悪くなる傾向がある。
複合炭素材(C)の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、通常0.6mL/g以下、好ましくは、0.4mL/g以下、より好ましくは0.3mL/g以下であり、通常、0.01mL/g以上、好ましくは、0.05mL/g以上、より好ましくは0.1mL/g以上である。細孔容積が大きすぎると極板化時にバインダを多量に必要とする傾向があり、細孔容積が小さすぎると高電流密度充放電特性が低下し、かつ充放電時の電極の膨張収縮の緩和効果が得られなくなる傾向がある。
複合炭素材(C)の粒径において、通常d50は50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下であり、通常、1μm以上、好ましくは、4μm以上、より好ましくは10μm以上である。平均粒径が大きすぎると炭素1粒子あたりが必要とするバインダが多量となる傾向があり、平均粒径が小さすぎると高電流密度充放電特性が低下する傾向がある。
本発明の複合炭素材(C)は、炭素質物又は黒鉛質物で被覆されている。この中でも非晶質炭素質物で被覆されていることがリチウムイオンの受入性の点から好ましく、この被覆率は、通常0.5%以上10.0%以下、好ましくは1.0%以上9.0%以下、より好ましくは、2.0%以上8.0%以下である。この含有率が大きすぎると負極材の非晶質炭素部分が多くなり、電池を組んだ際の可逆容量が小さくなる傾向がある。含有率が小さすぎると、炭素材(c)に対して非晶質炭素部位が均一にコートされないとともに強固な造粒がなされず、焼成後に粉砕した際、粒径が小さくなりすぎる傾向がある。
複合炭素材(C)の内部空隙率は通常1%以上、好ましくは3%以上、より好ましく5%以上、更に好ましくは7%以上である。また40%未満、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは25%以下である。この内部空隙率が小さすぎると粒子内の液量が少なくなり、充放電特性が悪化する傾向があり、内部空隙率が大きすぎると、電極にした場合に粒子間空隙が少なく、電解液の拡散が不十分になる傾向がある。
複合炭素材(C)のアスペクト比は好ましくは1以上4未満、より好ましくは3未満、さらに好ましくは2未満である。アスペクト比が小さいものに関しては問題ないが、大きすぎる場合は粒子が扁平であることを示し、極板内の液の拡散が悪くなる。
<複合炭素材(A)と複合炭素材(B)との混合>
本発明の非水系二次電池用負極材料は、少なくとも上述した複合炭素材(A)と複合炭素材(B)とを含むことを特徴としている。
くなる傾向がある。
(B)の混合割合が前記範囲を下回ると、負極を形成する(特に電極密度を所定の値にする)工程の際に、優れた出力特性が得られ難い傾向がある。一方、前記範囲を上回ると、複合炭素材(A)の特性が現れ難く、複合炭素材(B)が変形・破壊され、不可逆容量が大きくなる傾向がある。
複合炭素材(A)と複合炭素材(B)との混合物(非水系二次電池用負極材)の物性は以下のような物性であることが好ましい。なお、本負極材には複合炭素材(C)が含まれていてもよい。 本発明の非水系二次電池用負極材の体積基準平均粒径d50は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは40μm以下の範囲である。上記範囲内であれば複合炭素材(A)を含む効果を得易い点から好ましい。
また、本発明の非水系二次電池用負極材のタップ密度は、通常0.6g/cm3以上、0.7g/cm3以上が好ましく、0.8g/cm3以上がより好ましく、0.85g/cm3以上が更に好ましい。また、通常1.4g/cm3以下、1.3g/cm3以下が好ましく、1.2g/cm3以下がより好ましい。タップ密度が低すぎると、高速充放電特性に劣り、タップ密度が高すぎると、粒子内炭素密度が上昇し、圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
複合炭素材(A)と複合炭素材(B)、および複合炭素材(C)以外に、公知の炭素材を本発明の効果を損なわない範囲であれば、混合させてもよい。
本発明の非水系二次電池用負極(以下適宜「電極シート」ともいう。)は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備え、当該活物質層は少なくとも本発明にかかる非水系二次電池用複合炭素材を含有することを特徴とする。更に好ましくは、当該活物質層にはバインダを含有する。
レン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などが挙げられる。このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダとしては、その分子量が大きいものか、或いは、不飽和結合の割合が高いものが望ましい。
本発明においては、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、本発明の効果が失われない範囲において、上述のオレフィン性不飽和結合を有するバインダと併用することができる。オレフィン性不飽和結合を有するバインダ量に対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、通常150質量%以下、好ましくは120質量%以下の範囲である。
オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉等の多糖類;カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸、或いはこれらポリマーの金属塩;ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー及びこれらの共重合体などが挙げられる。
不飽和結合を有さないバインダとの混合物であってもよい。)との質量比率(負極材料/バインダ)は、それぞれの乾燥質量比で、通常90/10以上、好ましくは95/5以上であり、通常99.9/0.1以下、好ましくは99.5/0.5以下の範囲である。
バインダの割合が高過ぎると容量の減少や、抵抗増大を招きやすく、バインダの割合が少な過ぎると負極板強度が劣る。
このスラリーを、集電体である銅箔上に、負極材料が5〜15mg/cm2付着するように、ドクターブレードを用いて幅5cmに塗布し、室温で風乾を行う。更に110℃で30分乾燥後、ロールプレスで、活物質層の密度が1.7g/cm3になるよう調整することにより、好ましい電極シートを得ることができる。
スラリーを塗布、乾燥して得られる活物質層の厚さは、ロールプレスを行った後の状態において、通常5μm以上、好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、また、通常200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。活物質層が薄すぎると、活物質の粒径との兼ね合いから負極としての実用性に欠け、厚すぎると、高密度の電流値に対する十分なLiイオンの吸蔵・放出の機能が得られにくい。
以下、本発明の負極材料を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池の詳細を例示するが、使用し得る材料や作製の方法等は以下の具体例に限定されるものではない。
本発明の非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様であり、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び
負極、並びに電解質を備える。負極としては、上述した本発明の負極を用いる。
正極は、正極活物質及びバインダを含有する正極活物質層を、集電体上に形成したものである。
正極板は、前記したような負極の製造と同様の手法で、正極活物質やバインダを溶剤でスラリー化し、集電体上に塗布、乾燥することにより形成する。正極の集電体としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール(SUS)などが用いられるが、何ら限定されない。
非水系電解液に使用される非水系溶媒は特に制限されず、従来から非水系電解液の溶媒として提案されている公知の非水系溶媒の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類などが挙げられる。
も良い。混合溶媒の場合は、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含む混合溶媒の組合せが好ましく、環状カーボネートが、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶媒であることが、低温でも高いイオン電導度を発現でき、低温充電負荷特性が向上するという点で特に好ましい。
リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、通常0.5mol/L以上、2.0mol/L以下の範囲である。
分子化合物にLiの塩を溶解させたものや、ポリエーテルの末端水酸基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げられる。
正極と負極との間には通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させる。この場合、非水系電解液は、多孔性のセパレータに含浸させて用いる。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエーテルスルホンなどが用いられ、好ましくはポリオレフィンである。
上述のように作製した電池は以下の様な性能を示すものである。
出力は、通常1.0W以上、好ましくは1.5W以上、より好ましくは1.8W以上である。出力が低すぎると、電気自動車用電源としてリチウムイオン二次電池を使用する場合に発進、加速時に大きなエネルギーを取り出せず、また、減速時に発生する大きなエネルギーを効率よく回生することができない。
サイクル維持率は、通常70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。サイクル維持率が低すぎると、充放電を繰り返し、長い期間使用するような用途へ適さない。ここでサイクル維持率とは、1サイクル目の放電容量に対する、200サイクル目の放電容量のことを表す。
(1)体積基準平均粒径(d50)
粒径の測定方法は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、炭素材0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「HORIBA製LA−920」に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、本発明における体積基準平均粒径d50と定義する。
BET比表面積の測定方法は、例えば大倉理研社製比表面積測定装置「AMS8000」を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET1点法にて測定する。具体的には、試料(炭素材)0.4gをセルに充填し、350℃に加熱して前処理を行った後、液体窒素温度まで冷却して、窒素30%、He70%のガスを飽和吸着させ、その後室温まで加熱して脱着したガス量を計測し、得られた結果から、通常のBET法により比表面積を算出した。
炭素材料を電子顕微鏡で写真撮影し、任意選んだ領域内の20個の粒子について、それぞれの粒子の最長径をα(μm)、最短径をβ(μm)としてα/βを求め、α/βの20個の粒子の平均値をアスペクト比とした。
炭素材として平均粒径(d50)とBET比表面積が表1に記載の球状天然黒鉛を用い、上記球状天然黒鉛とバインダーピッチとを、100:20の質量比で混合し、ニーダーに投入して20分間捏合した。この捏合物を、CIP成型機を用いて100kgf/cm2で2分間、等方的加圧処理を行うことで成型体として、電気炉で室温から1000 ℃ まで昇温、その後、この焼成体を3000℃で加熱して黒鉛化した。得られた成形体を粗砕、微粉砕処理し、複合炭素材(A1)を得た。得られた負極材料の粉体物性を表1に示す。
(負極の作製)
実施例1の負極材料に導電助剤10%を添加したものを負極活物質とし、この負極活物質98質量%に、増粘剤、バインダーとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウム1質量%、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度40質量%)1質量%を加え、2軸混練で混合してスラリー化した。得られたスラリーを18μmの圧延銅箔に片面塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、活物質層のサイズとして幅32mm、長さ42mm及び集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出し、負極とした。この時の負極の活物質の密度は1.6g/cm3であった。
正極活物質は、以下に示す方法で合成したリチウム遷移金属複合酸化物であり、組成式LiMn0.33Ni0.33Co0.33O2で表される。マンガン原料としてMn3O4、ニッケル原料としてNiO、及びコバルト原料としてCo(OH)2を、Mn:Ni:Co=1:1:1のモル比となるように秤量し、これに純水を加えてスラリーとし、攪拌しながら、循環式媒体攪拌湿式ビーズミルを用いて、スラリー中の固形分を、体積基
準平均粒径d50が0.2μmになるように湿式粉砕した。
不活性雰囲気下でエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合物(体積比3:7)に、1mol/Lの濃度で、十分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた。さらに、その電解液にビニレンカーボネート(VC)を1質量%添加したものを用いた。
正極1枚と負極1枚は活物質面が対峙するように配置し、電極の間に多孔性ポリエチレンシートのセパレータ(厚さ25μm)が挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質面内から外れないよう対面させた。この正極と負極それぞれについての未塗工部に集電タブを溶接し、電極体としたものをポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用い、内面側にポリプロピレンフィルムがくるようにしてラミネートシートではさみ、電解液を注入するための一片を除いて、電極のない領域をヒートシールした。その後、活物質層に前記非水電解液を200μL注入して、電極に充分浸透させ、密閉して、ラミネートセルを作製した。この電池の定格容量は、40mAhである。
後述の方法で作製した非水系二次電池(2016コイン型電池)を用いて、下記の測定方法で電池充放電時の容量を測定した。0.16mA/cm2の電流密度リチウム対極に対して5mVまで充電し、さらにmVの一定電圧で電圧がmVになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.33mA/cm2の電流密度でリチウム対極に対して1.5Vまで放電を行った。このときの放電容量を本炭素材の容量とした。
上述の方法で作製した非水系二次電池(ラミネート型電池)を用いて、下記の測定方法で電池充放電時のサイクル容量維持率を測定した。
この電池を再度45℃の恒温槽に写し、1時間後に2Cの定電流にて4.1Vまで充電し、その後、定電流にて3.0Vまで放電する繰り返し充放電を200回繰り返した。(200サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100をサイクル容量維持率とした。得られた結果を表2に示す。
複合炭素材(B1)の製造工程において、鱗片状天然黒鉛とバインダーピッチとを、100:5の割合で混合する以外は同じ方法で複合炭素材(B2)を得た。複合炭素材(A1):複合炭素材(B2):複合炭素材(C1)=45:10:45となるように秤量し、双子円筒型混合機を用いて20分間混合し負極材料を得た。得られた負極材料の粉体物性・サイクル維持率を表2に示す。
複合炭素材(A1):複合炭素材(C1)=50:50となるように混合した以外は実施例1と同様の方法で負極材料を得た。得られた負極材料の粉体物性・サイクル維持率を表2に示す。
複合炭素材(A1)に対して、加圧処理を行わない以外は同様の方法で複合炭素材(A2)を得た。得られた負極材料の粉体物性を表1に示す。また、複合炭素材(C1)に対して、加圧処理を行わない以外は同様の方法で複合炭素材(C2)を得た。得られた負極材量の粉体物性を表1に示す。
複合炭素材(A2):複合炭素材(C2)=50:50となるように混合し、負極材料を得た。得られた負極材料の粉体物性・サイクル維持率を表2に示す。
Claims (10)
- 炭素材(a)と黒鉛質物が複合化された複合炭素材(A)と、炭素材(b)と炭素質物が複合化された複合炭素材(B)を少なくとも含む非水系二次電池用炭素材であって、該複合炭素材(B)のアスペクト比が4以上であることを特徴とする非水系二次電池用炭素材料。
- 前記複合炭素材(B)の短径の長さが10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 前記複合炭素材(B)のタップ密度が0.2g/cm3以上1.0g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 更に、炭素材(c)に炭素質物が被覆されたものであってアスペクト比が4未満である複合炭素材(C)を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 前記複合炭素材(A)乃至(C)の平均粒径(d50)が3μm以上60μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 前記複合炭素材(A)乃至(C)の比表面積が0.1m2/g以上15m2/g以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 少なくとも炭素材(a)または炭素材(c)のどちらか一方が球状天然黒鉛であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 少なくとも炭素材(a)または炭素材(c)のどちらか一方が加圧処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 前記加圧処理が等方的加圧処理であることを特徴とする請求項8に記載の非水系二次電池用炭素材料。
- 正極及び負極、並びに、電解液を備える非水系二次電池であって、前記負極が、集電体と、前記集電体上に形成された活物質層とを備えるものであり、前記活物質層が、請求項1乃至9の何れか1項に記載の非水系二次電池用炭素材料を含有するものであることを特徴とする非水系二次電池。
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