JP7127275B2 - 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の課題は、高容量であり、初期効率に優れた非水系二次電池用負極材、並びにこれを用いた非水系二次電池用負極及び非水系二次電池を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の非水系二次電池用負極材(以下において、「本発明の負極材」と称す場合がある。)は、球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化した複合黒鉛粒子(A)(以下において、「本発明の複合黒鉛粒子(A)」と称す場合がある。)と酸化珪素粒子(B)(以下において、「本発明の酸化珪素粒子(B)」と称す場合がある。)を含み、該複合黒鉛粒子(A)は水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積が0.11mL/g以下であることを特徴とする。
<複合黒鉛粒子(A)に基づく作用効果>
本発明の複合黒鉛粒子(A)は、水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積が0.11mL/g以下という、粒子内空隙の少ない緻密な複合黒鉛粒子(A)であるため、負極活物質層を高密度化した場合にも、粒子の潰れが抑制され、粒子間空隙を確保することが可能となる。
比表面積が小さく、粒子内空隙の少ない緻密な粒子である複合黒鉛粒子(A)を酸化珪素粒子(B)とブレンドすることで、複合黒鉛粒子(A)によって形成された粒子間空隙に複合黒鉛粒子(A)との接点を確保しながら酸化珪素粒子(B)充填することが可能となり、Liイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を粒子間空隙により吸収させることが可能となり、酸化珪素粒子(B)の体積変化による導電パス切れを抑制することができる。その結果、電極内の複合黒鉛粒子(A)及び酸化珪素粒子(B)の特定部位にのみ過大な電流が流れることを抑制し、高容量、且つ優れた初期効率を得ることが出来ると考えられる。
高容量の酸化珪素粒子(B)を含むことによって、高容量な負極材を得ることが可能となる。
特に、酸化珪素粒子(B)における珪素原子数(MSi)に対する酸素原子数(MO)の比(MO/MSi)が0.5~1.6であることによって、高容量であると同時に、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化量が小さく、複合黒鉛粒子(A)の体積変化量と近くなり、複合黒鉛粒子(A)との接触が損なわれることによる性能低下を低減させることが可能となる。
また、酸化珪素粒子(B)がゼロ価の珪素原子を含むことによって、Liイオンを吸蔵・放出する電位の範囲が複合黒鉛粒子(A)と近くなり、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が複合黒鉛粒子(A)と同時に起こるため、複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の界面のズレが生じにくくなり、複合黒鉛粒子(A)との接触が損なわれることによる性能低下を低減させることが可能となる。
<構成>
球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化してなる本発明の複合黒鉛粒子(A)は、例えば、球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダー(以下単に、「バインダー」ということがある)とを捏合し、捏合物の成形体を、粉砕後に黒鉛化又は黒鉛化後に粉砕又は磨砕することにより得られる。すなわち、この場合、形成された複合黒鉛粒子の構成は、炭素質粒子が焼成された黒鉛質粒子の少なくとも一部(一部又は全て)と、バインダーが焼成されたもの(これも黒鉛質である)が複合化した構造を有するものである。
(細孔容積)
本発明の複合黒鉛粒子(A)は、水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積が0.11mL/g以下であることを特徴とする。
本発明の複合黒鉛粒子(A)の平均粒子径、即ち、体積基準の粒子径分布における小粒子側から50%体積積算部の粒子径(d50)は、5μm以上30μm以下であることが好ましい。複合黒鉛粒子(A)のd50が3μm以上であると、比表面積が大きくなることによる不可逆容量の増加を防ぐことができる。また、複合黒鉛粒子(A)のd50が30μm以下であると、リチウムイオン二次電池において、電解液と負極材の粒子との接触面積が減ることによる高電流密度充放電特性の低下を防ぐことができる。複合黒鉛粒子(A)のd50はより好ましくは7~25μmであり、更に好ましくは9~20μmである。
複合黒鉛粒子(A)のd50は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。後述の球状黒鉛粒子、酸化珪素粒子(B)及び負極材の平均粒子径(d50)や酸化珪素粒子(B)のd10についても同様である。
本発明の複合黒鉛粒子(A)は、後述の実施例の項に記載の方法で測定されるフロー式粒子像分析より求められる円形度が0.88以上であることが好ましい。このように円形度が高い複合黒鉛粒子(A)を用いることで、高電流密度充放電特性を高めることができる。
本発明の複合黒鉛粒子(A)のタップ密度は、通常0.50g/cm3以上、好ましくは0.75g/cm3以上、より好ましくは0.85g/cm3以上、更に好ましくは、0.90g/cm3以上である。また、通常1.40g/cm3以下、好ましくは1.35g/cm3以下、より好ましくは1.20g/cm3以下、さらに好ましくは1.10g/cm3以下である。
タップ密度は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
本発明の複合黒鉛粒子(A)のBET法による比表面積は、通常0.5m2/g以上、好ましくは2m2/g以上、より好ましくは3m2/g以上、さらに好ましくは4m2/g以上、特に好ましくは5m2/g以上である。また通常11m2/g以下、好ましくは9m2/g以下、より好ましくは8m2/g以下、更に好ましくは7m2/g以下、特に好ましくは6.5m2/g以下である。比表面積がこの範囲を下回ると、Liが出入りする部位が少なく、リチウムイオン二次電池の高電流密度充放電特性や低温入出力特性が劣り、一方、比表面積がこの範囲を上回ると活物質の電解液に対する活性が過剰になり、電解液との副反応の増大により電池の初期充放電効率の低下やガス発生量の増大を招き、電池容量が低下する傾向がある。
BET法による比表面積は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
本発明の複合黒鉛粒子(A)は、その学振法によるX線広角回折で求めた格子面(002面)の面間隔d値(層間距離(d002))が、好ましくは0.338nm以下、より好ましくは0.337以下である。d002値が大きすぎるということは複合黒鉛粒子(A)の結晶性が低いことを示し、リチウムイオン二次電池の初期不可逆容量が増加する場合がある。一方、複合黒鉛粒子(A)の002面の面間隔の理論値は0.335nmであるため、通常0.335nm以上である。
(d002)及び(Lc)の測定方法は、以下の通りである。
試料粉末に総量の約15重量%のX線標準高純度シリコン粉末を加えて混合したものを材料とし、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法で広角X線回折曲線を測定する。学振法を用いて面間隔(d002)及び結晶子の大きさ(Lc)を求める。
ラマンR値は、ラマン分光法で求めたラマンスペクトルにおける1580cm-1付近のピークPAの強度IAと、1360cm-1付近のピークPBの強度IBとを測定したときの、その強度比R(R=IB/IA)として定義する。なお、「1580cm-1付近」とは1580~1620cm-1の範囲を、「1360cm-1付近」とは1350~1370cm-1の範囲を指す。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm-1
測定範囲 :1100cm-1~1730cm-1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
本発明の複合黒鉛粒子(A)の以下に製造方法について説明する。
本発明の複合黒鉛粒子(A)は、原料である球状黒鉛粒子、バインダー等を混合し、必要に応じて成形、脱揮発成分焼成、黒鉛化、粉砕、分級を行うことにより製造される。前述の物性を満足する本発明の複合黒鉛粒子(A)を製造するためには、以下の工夫点を組み合わせることが重要である。ここで、本明細書において、球状黒鉛粒子の「球状」とは、楕円体等の、いわゆる球形に近い形状も含む形状を意味する。
球状黒鉛粒子の主成分としては、塗工性を上げるためタップ密度の高いものを得るという観点から、球形度の高いものが好ましく、球形化天然黒鉛が特に好ましい。通常、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下を示すような結晶性の高い天然黒鉛を原料とするものが例に挙げられる。具体的には天然黒鉛若しくはこれらに機械的粉砕品を加えて円形度を向上させたものが好ましい。
「黒鉛化可能なバインダー」(以下、単に「バインダー」と記載することがある)としては、具体的には、含浸ピッチ、バインダーピッチ、コールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直留系重質油、エチレンヘビーエンドタール等の分解系重質油等の石油系重質油等が挙げられる。
充放電容量の増加とプレス性の改良のために、球状黒鉛粒子とバインダーの混合に際し、黒鉛化触媒を添加してもよい。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、ホウ素等の金属及びこれらの炭化物、酸化物、窒化物等の化合物が挙げられる。なかでも、ケイ素、ケイ素化合物、鉄、鉄化合物が好ましく、ケイ素化合物のなかでは炭化珪素、鉄化合物のなかでは酸化鉄が特に好ましい。
球状黒鉛粒子、バインダー及び所望により添加された黒鉛化触媒等の原料は、まず、加熱下で捏合される。これにより、球状黒鉛粒子及び捏合温度では溶融しない原料に液状のバインダーが添着された状態となる。この場合、捏合機に全原料を仕込んで捏合と昇温を同時に行ってもよいし、捏合機にバインダー以外の成分を仕込んで攪拌状態で加熱し、捏合温度まで温度が上がった後に常温又は加硫溶融状態のバインダーを仕込んでもよい。
得られた捏合物は、そのまま、揮発成分(以下、「VM」と略記する)の除去と炭化を目的とする脱VM焼成工程に供してもよいが、ハンドリングしやすいように、成形してから脱VM焼成工程に供することが好ましい。
得られた成形体は、球状黒鉛粒子及びバインダーの揮発成分(VM)を除去して、黒鉛化時の充填物の汚染、充填物の成形体への固着を防ぐために、脱VM焼成を行う。脱VM焼成は、通常600℃以上、好ましくは650℃以上で、通常1300℃以下、好ましくは1100℃以下の温度で、通常0.1時間~10時間行う。加熱は、酸化を防止するために、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガスの流通下又はブリーズ、パッキングコークス等の粒状炭素材料を間隙に充填した非酸化性雰囲気で行う。
脱VM焼成により得られた炭化物成形体は、次いで、高温で加熱して黒鉛化する。黒鉛化時の加熱温度は、通常2600℃以上、好ましくは2800℃以上である。ただし、この加熱温度が高過ぎると、黒鉛の昇華が顕著となるので、加熱温度は3300℃以下が好ましい。加熱時間は、バインダー及び炭素質材料が黒鉛となるまで行えばよく、通常1~24時間である。
このようにして得られた黒鉛化処理物は、通常はこのままでは本発明の要件を満たさないので、粉砕もしくは磨砕を行う。その工程は粗粉砕、中粉砕、微粉砕の3工程に大別される。
該黒鉛化処理物の粗粉砕・中粉砕において、例えば「オリエント工業社製VM-32型粉砕機」を用いる場合には、黒鉛化処理物をベルト搬送式のフィーダーにて、300kg/分のスピードで粉砕機に搬入し、粉砕羽根回転数を1000回転/分以上にて粉砕・磨砕することが好ましい。本粉砕段階で過度な粉砕・磨砕を行なうと、黒鉛化処理物の粒子表面に多くの微粉が発生し、この微粉により粉砕処理品を塗布した電極にて電池を作製した場合に初回充放電時の不可逆容量が増加する場合がある。
微粉砕においては、例えば「ターボ工業社製TB-250型粉砕機」を用いる場合には、黒鉛化処理物を定量式のスパイラルフィーダーにて、50kg/分、55kg/分又は60kg/分で搬入して粉砕する。粉砕機への黒鉛化処理物の搬入速度を高めると、粉砕羽根回転数を一定にした場合、粉砕後の黒鉛化処理物の比表面積は低下する場合がある。
得られた粉砕又は磨砕物から必要に応じ大径粒状物・小径粒状物(微紛)の除去を行ってもよい。
<構成>
前述のメカニズムの項に説明したように、本発明の酸化珪素粒子(B)における珪素原子数(MSi)に対する酸素原子数(MO)の比(MO/MSi)は0.5~1.6であることが好ましい。また、ゼロ価の珪素原子を含むことが好ましい。また、結晶化した珪素の微結晶を含むことが好ましい。
(粒子径)
本発明の酸化珪素粒子(B)の平均粒子径(d50)は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましい。酸化珪素粒子(B)のd50が上記範囲であれば、電極にした場合、複合黒鉛粒子(A)によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)が存在し、充放電によるLiイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を間隙が吸収して、体積変化による導電パス切れを抑制し、結果としてサイクル特性を向上させることができる。酸化珪素粒子(B)のd50はより好ましくは0.5~15μmであり、更に好ましくは1~10μm、特に好ましくは1.5~8μmである。
本発明の酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積は80m2/g以下であることが好ましく、60m2/g以下であることがより好ましい。また、0.5m2/g以上であることが好ましく、1m2/g以上であることがより好ましく、1.5m2/g以上であることが更に好ましい。酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積が前記範囲内であると、リチウムイオン等のアルカリイオンの入出力の効率を良好に維持でき、酸化珪素粒子(B)が好適な大きさとなるため、複合黒鉛粒子(A)によって形成された間隙に存在させることができ、複合黒鉛粒子(A)との導電パスを確保することができる。また、酸化珪素粒子(B)が好適な大きさとなるため不可逆容量の増大を抑制し、高容量を確保することができる。
BET法による比表面積は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
本発明で用いる酸化珪素粒子(B)は、通常、二酸化珪素(SiO2)を原料とし、金属珪素(Si)及び/又は炭素を用いてSiO2を熱還元させることにより得られる、SiOxのxの値が0<x<2で表される珪素酸化物からなる粒子の総称である(ただし、後述するように、珪素及び炭素以外の他の元素をドープすることも可能であり、この場合はSiOxとは異なる組成式となるが、このようなものも本発明に用いる酸化珪素粒子(B)に含まれる。)。珪素(Si)は、黒鉛と比較して理論容量が大きく、更に非晶質珪素酸化物は、リチウムイオン等のアルカリイオンの出入りがしやすく、高容量を得ることが可能となる。本発明の酸化珪素粒子(B)としては、前述の通り珪素原子数(MSi)に対する酸素原子数(MO)の比(MO/MSi)が0.5~1.6の酸化珪素粒子(B)であることが好ましい。
酸化珪素粒子(B1)は、本発明の特性を満たすものであれば、製法は問わないが、例えば特許第3952118号公報に記載されたような方法によって製造された酸化珪素粒子を使用することができる。具体的には、二酸化珪素粉末と、金属珪素粉末あるいは炭素粉末とを特定の割合で混合し、この混合物を反応器に充填した後、常圧あるいは特定の圧力に減圧し、1000℃以上に昇温し、保持してSiOxガスを発生させ、冷却析出させて、一般式SiOx(xは0.5≦x≦1.6)で示される酸化珪素粒子を得ることができる。析出物は、力学的エネルギー処理を与えることで、粒子とすることができる。
酸化珪素粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化珪素粒子(B2)を製造する方法としては特に制限はないが、酸化珪素粒子(B1)に石油系や石炭系のタールやピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、フェノール樹脂、セルロース等の樹脂を必要により溶媒等を用いて混合した後、非酸化性雰囲気で500℃~3000℃、好ましくは700℃~2000℃、より好ましくは800~1500℃で焼成することで、酸化珪素粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化珪素粒子(B2)を製造することができる。
本発明の酸化珪素粒子(B)は、上記のようにして製造された酸化珪素粒子(B1)や複合型の酸化珪素粒子(B2)を更に熱処理を施して不均化処理したものであってもよく、不均化処理を施すことで、アモルファスSiOx中にゼロ価の珪素原子がSi微細結晶として偏在する構造が形成され、このようなアモルファスSiOx中のSi微細結晶により、本発明の負極材のメカニズムの項に記載した通り、Liイオンを吸蔵・放出する電位の範囲が炭素質粒子と近くなり、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が複合黒鉛粒子(A)と同時に起こるため、複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の界面における相対位置関係が維持され、炭素質粒子との接触が損なわれることによる性能低下を低減させることが可能となる。
本発明の酸化珪素粒子(B)は、珪素の微結晶を含む酸化珪素粒子の表面を炭素でコーティングした複合型の酸化珪素粒子であってもよい。
I:一般式SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素粉末を原料として、少なくとも有機物ガス及び/又は蒸気を含む雰囲気下900~1400℃、好ましくは1000~1400℃、より好ましくは1050~1300℃、更に好ましくは1100~1200℃の温度域で熱処理することにより、原料の酸化珪素粉末を珪素と二酸化珪素の複合体に不均化すると共に、その表面を化学蒸着する方法
II:一般式SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素粉末をあらかじめ不活性ガス雰囲気下900~1400℃、好ましくは1000~1400℃、より好ましくは1100~1300℃で熱処理を施して不均化してなる珪素複合物、シリコン微粒子をゾルゲル法により二酸化珪素でコーティングした複合物、シリコン微粉末を煙霧状シリカ、沈降シリカのような微粉状シリカと水を介して凝固させたものを焼結して得られる複合物、又は珪素及びこの部分酸化物もしくは窒化物等の好ましくは0.1~50μmの粒度まで粉砕したものをあらかじめ不活性ガス気流下で800~1400℃で加熱したものを原料に、少なくとも有機物ガス及び/又は蒸気を含む雰囲気下、800~1400℃、好ましくは900~1300℃、より好ましくは1000~1200℃の温度域で熱処理して表面を化学蒸着する方法
III:一般式SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素粉末をあらかじめ500~1200℃、好ましくは500~1000℃、より好ましくは500~900℃の温度域で有機物ガス及び/又は蒸気で化学蒸着処理したものを原料として、不活性ガス雰囲気下900~1400℃、好ましくは1000~1400℃、より好ましくは1100~1300℃の温度域で熱処理を施して不均化する方法
酸化珪素粒子(B)は、珪素、酸素以外の元素がドープされていてもよい。珪素、酸素以外の元素がドープされた酸化珪素粒子(B)は、粒子内部の化学構造が安定化することにより初期充放電効率、サイクル特性の向上が見込まれる。さらに、このような酸化珪素粒子(B)は、リチウムイオン受け入れ性が向上して炭素質粒子(A)のリチウムイオン受け入れ性に近づくので、炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)を共に含む負極材を用いることで、急速充電時にも負極電極内でリチウムイオンが極端に濃縮されることがなく、金属リチウムが析出しにくい電池を作製することができる。
<複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の含有割合>
本発明の負極材は、前述の本発明に好適な粒度分布及び物性を備える複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)とを[複合黒鉛粒子(A)の重量]:[酸化珪素粒子(B)の重量]=30:70~99:1、特に40:60~97:3、とりわけ50:50~95:5の割合で含むことが好ましく、このような割合で複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)とを混合して用いることにより、複合黒鉛粒子(A)同士によって形成された間隙に、高容量かつLiイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が小さい酸化珪素粒子(B)が存在することで、複合黒鉛粒子(A)との接触が損なわれることによる性能低下が小さい、高容量な負極材を得ることが可能となる。
<平均粒子径(d50)>
本発明の負極材は平均粒子径(体積基準の粒径分布における小粒子側から50%積算部の粒子径)(d50)は3μm以上30μm以下であることが好ましい。本発明の負極材の平均粒子径(d50)が3μm以上であると、比表面積が大きくなることによる不可逆容量の増加を防ぐことができる。一方、d50が30μm以下であると、電解液と負極材の粒子との接触面積が減ることによる高電流密度充放電特性の低下を防ぐことができる。負極材のd50は好ましくは5~25μm、より好ましくは7~20μmである。
本発明の負極材のタップ密度は、好ましくは0.8~1.8g/cm3、より好ましくは0.9~1.7g/cm3、更に好ましくは1.0~1.6g・cm3である。タップ密度が上記範囲内であると、負極とした場合に、複合黒鉛粒子(A)によって形成される間隙に電解液及び酸化珪素粒子(B)を存在させることができ、高容量化、高レート特性化を実現することができる。
タップ密度は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
本発明の負極材のBET法による比表面積は、通常0.5m2/g以上、好ましくは2m2/g以上、より好ましくは3m2/g以上、さらに好ましくは4m2/g以上、特に好ましくは5m2/g以上である。また通常11m2/g以下、好ましくは9m2/g以下、より好ましくは8m2/g以下、更に好ましくは7m2/g以下、特に好ましくは6.5m2/g以下である。比表面積がこの範囲を下回ると、Liが出入りする部位が少なく、リチウムイオン二次電池の高速充放電特性出力特性や低温入出力特性が劣り、一方、比表面積がこの範囲を上回ると活物質の電解液に対する活性が過剰になり、電解液との副反応の増大により電池の初期充放電効率の低下やガス発生量の増大を招き、電池容量が低下する傾向がある。
BET法による比表面積は、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
本発明の負極材の水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した全細孔容積は、好ましくは0.1mL/g以上、より好ましくは0.2mL/g以上、更に好ましくは0.25mL/g以上、特に好ましくは0.3mL/g以上、最も好ましくは0.35mL/g以上である。また、好ましくは10mL/g以下、より好ましくは5mL/g以下、更に好ましくは2mL/g以下、特に好ましくは1mL/g以下である。
全細孔容積が上記範囲内であると、極板化時のバインダー量を過剰にする必要がなく、極板化時に増粘剤やバインダーの分散効果も得られ易くなる。
本発明の負極材の水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積は、好ましくは0.001mL/g以上、より好ましくは0.005mL/g以上、更に好ましくは0.008mL/g以上、特に好ましくは0.01mL/g以上、最も好ましくは0.015mL/g以上である。また、好ましくは0.11mL/g以下、より好ましくは0.10mL/g以下、更に好ましくは0.08mL/g以下、特に好ましくは0.05mL/g以下である。積算細孔容積が上記範囲内であると電極内での粒子の潰れが原因で生じる電解液の移動阻害を抑制し、電解液の流路となる粒子間空隙を確保することが可能となり、その結果として、高容量で高電流密度充放電特性、高温保存特性、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができると考えられる。
本発明の非水系二次電池用負極(以下、「本発明の負極」と称す場合がある。)は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が本発明の負極材を含有するものである。
本発明の非水系二次電池は、正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、負極として、本発明の負極を用いたものである。
本発明の非水系二次電池の正極の活物質となる正極材料としては、例えば、基本組成がLiCoO2で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2及びLiMn2O4で表されるリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物、並びにこれらの複合酸化物混合物等を用いればよい。更にはTiS2、FeS2、Nb3S4、Mo3S4、CoS2、V2O5、CrO3、V3O3、FeO2、GeO2及びLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiFePO4等を用いればよい。
本発明の非水系二次電池に用いる電解質は、全固体電解質であっても、電解質が非水溶媒中に含まれる電解液であってもよいが、好ましくは電解質が非水溶媒中に含まれる電解液である。
正極と負極との間に介在させるセパレータとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔性シートや不織布を用いるのが好ましい。
本発明の非水系二次電池は、負極/正極の容量比を1.01~1.5に設計することが好ましく、1.2~1.4に設計することがより好ましい。
本発明の非水系二次電池は、Liイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
[複合黒鉛粒子(A)、酸化珪素粒子(B)、負極材の物性の測定]
体積基準の粒度分布は、界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの0.2重量%水溶液(約10mL)に試料を分散させて、レーザー回折・散乱式粒度分布計LA-700(堀場製作所社製)を用いて測定した。
粉体密度測定器タップデンサーKYT-3000((株)セイシン企業社製)を用いて測定した。20ccのタップセルに試料を落下させ、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行って、そのときの密度をタップ密度とした。
マイクロメリティックス社製 トライスターII3000を用いて測定した。150℃で1時間の減圧乾燥を実施した後、窒素ガス吸着によるBET多点法(相対圧0.05~0.30の範囲において5点)により測定した。
フロー式粒子像分析装置(東亜医療電子社製FPIA-2000)を使用し、円相当径による粒径分布の測定および平均円形度の算出を行った。分散媒としてイオン交換水を使用し、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)モノラウレートを使用した。円相当径とは、撮影した粒子像と同じ投影面積を持つ円(相当円)の直径であり、円形度とは、相当円の周囲長を分子とし、撮影された粒子投影像の周囲長を分母とした比率である。測定した相当径が10~40μmの範囲の粒子の円形度を平均し、円形度とした。
水銀ポロシメーター(機種名:マイクロメリティックス社製・オートポア9520)を用い水銀圧入法により実施した。パウダー用セルに試料を0.2g前後秤量封入し、室温、真空下(50μmHg以下)にて10分間の脱気前処理を実施した後、4psiaまでステップ状に減圧し水銀を導入し、4psiaから40000psiaまでステップ状に昇圧させ、更に25psiaまで降圧させた。得られた水銀圧入曲線からWashburnの式を用い、細孔分布を算出した。なお、水銀の表面張力は485dyne/cm、接触角は140°として算出した。
<性能評価用負極の作製>
後述する複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)との混合物97.5重量%と、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1重量%及びスチレン・ブタジエンゴム(SBR)48重量%水性ディスパージョン3.1重量%(SBR:1.5重量%)とを、ハイブリダイズミキサーにて混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ20μmの銅箔上にブレード法で、目付け4~5mg/cm2となるように塗布し、乾燥させた。
上記方法で作製した評価用負極と、対極としてリチウム金属箔を直径15mmの円板状に打ち抜いたものを用いた。両極の間には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容積比=3:7)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、コイン型の性能評価用電池を作製した。
前述の方法で作製した非水系二次電池(コイン型電池)を用いて、下記の測定方法で電池充放電時の充電容量(mAh/g)と放電容量(mAh/g)を測定した。
0.05Cの電流密度でリチウム対極に対して5mVまで充電し、さらに5mVの一定電圧で電流密度が0.005Cになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.1Cの電流密度でリチウム対極に対して1.5Vまで放電を行った。
充電容量、放電容量は以下のように求めた。負極重量から負極と同面積に打ち抜いた銅箔の重量を差し引き、負極活物質とバインダーの組成比から求められる係数を乗ずることで負極活物質の重量を求め、この負極活物質の重量で1サイクル目の充電容量、放電容量を除して、重量当りの充電容量、放電容量を求めた。
このときの充電容量(mAh/g)を本負極材の1st充電容量(mAh/g)とし、放電容量(mAh/g)を1st放電容量(mAh/g)とした。
また、ここで得られた1サイクル目の放電容量(mAh/g)を充電容量(mAh/g)で除し、100倍した値を1st効率(%)とした。
<複合黒鉛粒子(A1)>
炭素材として平均粒子径(d50)12.9μmで、BET比表面積7.5m2/gの球形化天然黒鉛を用い、上記球形化天然黒鉛と残炭率が50%、軟化点が80℃であるバインダーピッチとを、100:30の重量比で140℃で30分間混合した。この混合物を、130℃でモールド成形した。得られた成形体は電気炉で室温から1000℃まで昇温、その後、この焼成体を3000℃で加熱して黒鉛化し、粗砕、微粉砕処理し、複合黒鉛粒子(A1)を得た。得られた複合黒鉛粒子(A1)の粉体物性を表-1に示す。
炭素材として平均粒子径(d50)12.9μmで、BET比表面積7.5m2/gの球形化天然黒鉛を用い、上記球形化天然黒鉛とで残炭率が50%で、軟化点が80℃であるバインダーピッチとを、100:20の重量比で170℃で10分間混合した。この混合物を、冷間等方加圧(CIP)成形した。得られた成形体は電気炉で室温から1000℃まで昇温、その後、この焼成体を3000℃で加熱して黒鉛化し、粗砕、微粉砕処理し、複合黒鉛粒子(A2)を得た。得られた複合黒鉛粒子(A2)の粉体物性を表-1に示す。
<黒鉛粒子(a1)>
黒鉛粒子として表-1に記載の粉体物性の球形化天然黒鉛を用いた。
<酸化珪素粒子(B1)>
市販の酸化珪素粒子(SiOx、x=1)(大阪チタニウムテクノロジーズ社製)を酸化珪素粒子(B1)として用いた。酸化珪素粒子(B1)は、d50が5.6μm、BET法比表面積が3.5m2/gであった。酸化珪素粒子(B1)のX線回折パターンからは、2θ=28.4°付近のSi(111)に帰属される回折線を確認することができず、酸化珪素粒子(B1)はゼロ価の珪素原子を微結晶として含まないことを確認された。
酸化珪素粒子(B1)を不活性雰囲気下において、1000℃で6時間加熱処理して酸化珪素粒子(B2)を得た。酸化珪素粒子(B2)は、d50が5.4μm、BET法比表面積が2.1m2/gであった。酸化珪素粒子(B2)のX線回折パターンからは、2θ=28.4°付近のSi(111)に帰属される回折線を確認することが可能であり、酸化珪素粒子(B2)はゼロ価の珪素原子を微結晶として含むことが確認された。なお、上記の回折線の広がりをもとに、シェーラーの式によって求めた珪素の結晶の粒子径は3.2nmであった。
黒鉛複合粒子(A1)90重量部に対して、酸化珪素粒子(B1)10重量部を乾式混合し、混合物とした。前記測定法で各項目を測定した。
黒鉛複合粒子(A2)90重量部に対して、酸化珪素粒子(B1)10重量部を乾式混合し、混合物とした。実施例1と同様の測定を行った。
黒鉛複合粒子(A1)90重量部に対して、酸化珪素粒子(B2)10重量部を乾式混合し、混合物とした。実施例1と同様の測定を行った。
黒鉛粒子(a1)90重量部に対して、酸化珪素粒子(B1)10重量部を乾式混合し、混合物とした。実施例1と同様の測定を行った。
また、実施例1~3及び比較例1で得られた混合物よりなる負極材を用いて作製した電池の評価結果を表-4にまとめて示す。
表-4より、本発明の負極材を用いた非水系二次電池は、初期効率に優れることが分かる。
Claims (11)
- 球状黒鉛粒子と黒鉛化可能なバインダーの黒鉛化物とが複合化した複合黒鉛粒子(A)と酸化珪素粒子(B)を含み、該複合黒鉛粒子(A)は水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積が0.11mL/g以下である非水系二次電池用負極材であって、
該非水系二次電池用負極材の水銀ポロシメーターで測定された細孔径0.01μm以上1μm以下の範囲の積算細孔容積が、0.001mL/g以上0.11mL/g以下であり、
以下の方法で作製した性能評価用負極を用いて以下の方法で作製した非水系二次電池について、以下の方法で求めた1st効率が73.9%以上である非水系二次電池用負極材。
<性能評価用負極の作製>
該負極材97.5重量%と、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)1重量%及びスチレン・ブタジエンゴム(SBR)48重量%水性ディスパージョン3.1重量%(SBR:1.5重量%)とを、ハイブリダイズミキサーにて混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ20μmの銅箔上にブレード法で、目付け4~5mg/cm 2 となるように塗布し、乾燥させる。
その後、負極活物質層の密度1.2~1.4g/cm 3 となるようにロールプレスして負極シートとし、この負極シートを直径12.5mmの円形状に打ち抜き、90℃で8時間、真空乾燥し、評価用の負極とする。
<非水系二次電池(コイン型電池)の作製>
上記方法で作製した評価用負極と、対極としてリチウム金属箔を直径15mmの円板状に打ち抜いたものを用い、両極の間に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容積比=3:7)に、LiPF 6 を1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、コイン型の性能評価用電池を作製する。
<1st効率の評価>
上記方法で作製した非水系二次電池(コイン型電池)のリチウム対極に対して0.05Cの電流密度で5mVまで充電し、さらに5mVの一定電圧で電流密度が0.005Cになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.1Cの電流密度でリチウム対極に対して1.5Vまで放電を行う。
負極重量から負極と同面積に打ち抜いた銅箔の重量を差し引き、負極活物質とバインダーの組成比から求められる係数を乗ずることで負極活物質の重量を求め、この負極活物質の重量で1サイクル目の充電容量、放電容量を除して、重量当りの充電容量、放電容量を求める。
このときの充電容量(mAh/g)を本負極材の1st充電容量(mAh/g)とし、放電容量(mAh/g)を1st放電容量(mAh/g)とし、1st放電容量(mAh/g)を1st充電容量(mAh/g)で除し、100倍した値を該負極材の1st効率(%)とする。 - 前記球状黒鉛粒子が、湾曲又は屈曲した複数の鱗片状又は鱗状黒鉛からなるものである、請求項1に記載の非水系二次電池用負極材。
- 複合黒鉛粒子(A)が、黒鉛化物の粉砕品及び/又は磨砕品である、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用負極材。
- 複合黒鉛粒子(A)のフロー式粒子像分析より求められる円形度が0.88以上である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)における珪素原子数(MSi)に対する酸素原子数(MO)の比(MO/MSi)が0.5~1.6である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)がゼロ価の珪素原子を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)中に珪素の結晶の粒子径が1~500nmである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)の平均粒子径(d50)が0.01μm以上20μm以下である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)の小粒子側から10%積算部の粒子径(d10)が0.001μm以上6μm以下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備える非水系二次電池用負極であって、該活物質層が請求項1乃至9のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材を含有する、非水系二次電池用負極。
- 正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、該負極が請求項10に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次電池。
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