JP5064728B2 - 非水系二次電池用黒鉛質複合粒子、それを含有する負極活物質材料、負極及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
(1)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに粒子10mgを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後に測定した体積基準メジアン径をDLμmとし、走査型電子顕微鏡観察において、輪郭が他の粒子の輪郭と重なっていない粒子を100個選択し、そのそれぞれの測定面積Sから、2×(S/3.14)0.5により求めた円相当粒子径について、該100個の粒子の平均値を求め、それを平均円相当粒子径DSμmとしたとき、DL/DSが、1より大きく、2以下、
(2)ラマンスペクトルにおいて、1580cm−1付近の最大ピークの強度IAと、1360cm−1付近の最大ピークの強度IBの強度比IB/IAをラマンR値としたとき、ラマンR値が、0.04以上、0.14以下、
を満たすことを特徴とする非水系二次電池用黒鉛質複合粒子を提供するものである。
(A)黒鉛質複合粒子の構成
本発明の負極活物質材料は、本発明の黒鉛質複合粒子を主成分とする。そして本発明の黒鉛質複合粒子は、例えば、炭素質粒子と黒鉛化可能なバインダー(以下単に、「バインダー」ということがある)とを捏合し、捏合物の成形体を、粉砕後に黒鉛化又は黒鉛化後に粉砕することにより得られる。すなわち、この場合、形成された黒鉛質複合粒子の構成は、炭素質粒子が焼成された黒鉛質粒子の少なくとも一部(一部又は全て)に、バインダーが焼成されたもの(これも黒鉛質である)が結合した構造を有するものである。また、本発明の黒鉛質複合粒子は、バインダーが焼成されたものにより、黒鉛質粒子同士がある程度の割合で結合しているものも含む(以下これらも含めて、「本発明の黒鉛質複合粒子」という)。
本発明の黒鉛質複合粒子は、少なくとも以下の要件(1)及び要件(2)を満たすものである。
(a)要件(1)
(イ)レーザー散乱式粒度分布測定により求めた体積基準メジアン径の定義
界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例として、ツィーン20(登録商標))の0.2質量%水溶液10mLに、黒鉛質複合粒子10mgを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例として、ホリバ製作所製LA−920)に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準メジアン径として測定したものを、本発明における体積基準メジアン径DLμmと定義する。
SEM観察において、輪郭が他の粒子の輪郭と重なっていない黒鉛質複合粒子を100個選択し、そのそれぞれの測定面積Sから、2×(S/3.14)0.5により求めた円相当粒子径について、該100個の粒子の平均値を求め、それを本発明における平均円相当粒子径DSμmと定義する。粒子の輪郭が他の粒子の輪郭と重なっているものの中には、2個以上の炭素質粒子が結合して黒鉛化可能なバインダーと共に焼成され、1個の黒鉛質複合粒子を形成している場合もあるので、それらは上記100個として選択されない。すなわち、上記100個は全て1個の炭素質粒子がバインダーと共に焼成されたものである。このような黒鉛質複合粒子100個の選択は無作為に行われる。また、測定面積Sは、SEM観察において真上から黒鉛質複合粒子を観察した時の粒子の輪郭で囲まれた部分の面積である。
本発明においては、DL/DSの上限は2以下であることが必須である。好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.4以下、更に好ましくは1.3以下である。DL/DSがこの上限を上回ると、負極活物質材料として用いた場合、活物質層塗工時に、すじひきが発生しやすくなり、負極作成時の歩留まりが悪くなる場合がある。
(イ)ラマンR値の定義
後述するようなラマン測定において得られたラマンスペクトルにおいて、1580cm−1付近の最大ピークの強度IAと、1360cm−1付近の最大ピークの強度IBの強度比IB/IAをラマンR値と定義する。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :514.5nm
試料上のレーザーパワー :15〜25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理
(単純平均、コンボリューション5ポイント)
本発明においては、ラマンR値は0.14以下が必須である。好ましくは0.13以下、特に好ましくは0.12以下である。ラマンR値がこの上限を上回ると、初期サイクルにおける充放電不可逆容量が大きくなる場合がある。また、ラマンR値は0.04以上が必須である。性能上は、ラマンR値は低い方が好ましいが、ラマンR値0.04未満のものを得ようとすると歩留まりが悪化し、著しく生産性が悪くなる場合がある。
(イ)平均円形度の定義
平均円形度は、測定対象(黒鉛質複合粒子)0.2gを界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの0.2体積%水溶液50mLに混合し、フロー式粒子像分析装置(例えば、シスメックスインダストリアル社製「FPIA−2000」)を用い、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、検出範囲を0.6μm〜400μmに指定し、粒径10μm〜40μmの範囲の粒子について測定した下記式で与えられる値として定義される。
平均円形度=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の周長
本発明においては、平均円形度は特に制限されないが、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.9以上である。また、好ましくは0.98以下、特に好ましくは0.95以下である。平均円形度がこの範囲を下回ると、粒子間の空隙が小さくなり、負荷特性が低下する場合がある。一方、平均円形度がこの範囲を上回る値とするためには、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、剪断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える球形化処理を強く又は長時間行なう必要性があり、球形化時に副生する微粉を多く取り除かなければならず、製造コストが高くなる場合もある。
(イ)タップ密度の定義
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器((株)セイシン企業社製「タップデンサーKYT−4000」)を用い、直径1.6cm、体積容量20cm3の円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、黒鉛質複合粒子を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行って、その時のタップ密度を測定した値として定義される。
本発明の黒鉛質複合粒子のタップ密度は特に限定はないが、0.7g/cm3以上が好ましく、0.75g/cm3以上が特に好ましく、0.8g/cm3以上が更に好ましく、更に特に0.9g/cm3以上であればより好ましい。また、1.5g/cm3以下が好ましく、1.3g/cm3以下が特に好ましい。タップ密度が低すぎると、負極の製造に際して集電体に塗布する負極活物質材料のスラリー濃度を低下させる必要があり、塗膜の密度が小さくなり、プレスしたとき黒鉛質複合粒子が破壊されやすく、電池性能が低下する場合がある。逆に、タップ密度が高すぎると、塗工性が悪化するため黒鉛質複合粒子の形状と粒径分布の調整に更なる工程が必要で、収率が低下し、かつコストが上昇する場合がある。
本発明の黒鉛質複合粒子のBET法で測定した比表面積については特に限定はないが、通常0.2m2/g以上、好ましくは0.3m2/g以上である。また、通常8m2/g以下、好ましくは6m2/g以下、特に好ましくは4m2/g以下である。比表面積がこの範囲を下回ると、出力特性が低下する場合がある。一方、比表面積がこの範囲を上回ると、初期不可逆容量が大きくなり、サイクル特性が悪化する場合がある。
本発明の黒鉛質複合粒子を用いて、下記の極板作製方法Aにより作製された所定極板について、下記の方法で測定した極板上黒鉛結晶配向比I110/I004については特に限定はないが、通常0.08以上、好ましくは0.09以上、特に好ましくは0.10以上、また、通常0.20以下、好ましくは0.18以下、特に好ましくは0.16以下である。配向比I110/I004が上記範囲を下回ると、電池を作製したときの電池充電時の電極膨張が大きくなり、電極の単位体積当たりの電池容量を大きくし難く、更にはサイクル試験中に膨張収縮により活物質の脱落等によりサイクル特性が低下しやすい。一方、配向比I110/I004が上記範囲を上回ると、プレス後の電極の充填密度を上げ難くなる場合もある。
黒鉛質複合粒子100重量部に、スチレンブタジエンゴムの水性ディスパージョンを固形分として2重量部、カルボキシメチルセルロース(重量平均分子量25万〜30万)水溶液を固形分として1重量部加えてスラリーとし、このスラリーを厚さ18μmの銅箔よりなる集電体上に乾燥後重量として10±0.1mg/cm2付着するようにドクターブレードを用いて塗布して乾燥させた後に、ロールプレス(カレンダー)を用いて、活物質層が1.73±0.03g/cm3になるようにプレス荷重を調整し、1回のプレスで圧密する。
上記極板作製方法Aで調製した極板について、X線回折により極板上の黒鉛の(110)面と(004)面とのチャートを測定し、測定したチャートについて、プロファイル関数として非対称ピアソンVIIを用いて、フィッティングすることによりピーク分離を行ない、(110)面と(004)面のピークの積分強度を算出する。得られた積分強度から、「(110)面積分強度/(004)面積分強度」で表わされる比率を算出し、極板上黒鉛結晶配向比と定義する。
ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
スリット :発散スリット=1度、受光スリット=0.1mm、散乱スリット=1度
測定範囲及びステップ角度/計測時間:
(110)面:76.5度≦2θ≦78.5度 0.01度/3秒
(004)面:53.5度≦2θ≦56.0度 0.01度/3秒
試料調製 :ガラス板に0.1mm厚さの両面テープで所定極板を固定
前記の極板作製方法Aにより、活物質層の密度が1.73±0.03g/cm3である極板を作製する際に必要とされるプレス荷重の範囲については特に限定はないが、長さ5cmあたりに換算して、好ましくは200kgf/5cm以上、特に好ましくは250kgf/5cm以上、更に好ましくは300kgf/5cm以上であり、また、通常1200kgf/5cm以下、好ましくは1000kgf/5cm以下、特に好ましくは850kgf/5cm以下であるような黒鉛質複合粒子が望ましい。すなわち、上記範囲のプレス荷重に調整することにより、活物質層の密度が1.73±0.03g/cm3の極板を作製できるような黒鉛質複合粒子が、本発明の黒鉛質複合粒子として好ましい。
原料としての一次粒子である炭素質粒子の主成分としては、塗工性を上げるためタップ密度の高いものを得るという観点から、球形度の高いものが好ましく、球形化天然黒鉛が特に好ましい。通常、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下を示すような結晶性の高い天然黒鉛を原料とするものが例に挙げられる。具体的には天然黒鉛若しくはこれらに機械的粉砕品を加えて円形度を向上させたもの、及び/又はこれらを1000℃以上で熱処理したものが好ましい。
バインダーとしては、具体的には、含浸ピッチ、バインダーピッチ、コールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直留系重質油、エチレンヘビーエンドタール等の分解系重質油等の石油系重質油等が挙げられる。
充放電容量の増加とプレス性の改良のために、炭素質粒子とバインダーの混合に際し、黒鉛化触媒を添加しても良い。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、ホウ素等の金属及びこれらの炭化物、酸化物、窒化物等の化合物が挙げられる。なかでも、ケイ素、ケイ素化合物、鉄、鉄化合物が好ましく、ケイ素化合物のなかでは炭化珪素、鉄化合物のなかでは酸化鉄が特に好ましい。
度化するのが困難となる場合もある。更に、黒鉛質複合粒子内に適量の細孔が存在しないためか、粒子の強度が高くなりすぎ、集電体に塗布された活物質層を所定の嵩密度にプレス成形するときに高圧力を必要とし、負極活物質層を高密度化するのが困難となる場合がある。
炭素質粒子、バインダー及び所望により添加された黒鉛化触媒等の原料は、まず、加熱下で捏合される。これにより、炭素質粒子及び捏合温度では溶融しない原料に液状のバインダーが添着された状態となる。この場合、捏合機に全原料を仕込んで捏合と昇温を同時に行っても良いし、捏合機にバインダー以外の成分を仕込んで攪拌状態で加熱し、捏合温度まで温度が上がった後に常温又は加硫溶融状態のバインダーを仕込んでも良い。
得られた捏合物は、そのまま、揮発成分(以下、「VM」と略記する)の除去と炭化を目的とする脱VM焼成工程に供してもよいが、ハンドリングしやすいように、成形してから脱VM焼成工程に供することが好ましい。
得られた成形体は、炭素質粒子及びバインダーの揮発成分(VM)を除去して、黒鉛化時の充填物の汚染、充填物の成形体への固着を防ぐために、脱VM焼成を行う。脱VM焼成は、通常600℃以上、好ましくは650℃以上で、通常1300℃以下、好ましくは1100℃以下の温度で、通常0.1時間〜10時間行う。加熱は、酸化を防止するために、通常、窒素、アルゴン等不活性ガスの流通下又はブリーズ、パッキングコークス等の粒状炭素材料を間隙に充填した非酸化性雰囲気で行う。
低速であることが望ましく、通常、低沸分の揮発が始まる200℃付近から水素の発生のみとなる700℃近傍までを、3〜100℃/hrで昇温する。
脱VM焼成により得られた炭化物成形体は、次いで、高温で加熱して黒鉛化する。黒鉛化時の加熱温度は、通常2600℃以上、好ましくは2800℃以上で加熱する。また、加熱温度が高過ぎると、黒鉛の昇華が顕著となるので、3300℃以下が好ましい。加熱時間は、バインダー及び炭素質粒子が黒鉛となるまで行えばよく、通常1〜24時間である。
容範囲で任意に設定することができる。
このようにして得られた黒鉛化処理物は、通常はこのままでは本発明の要件(1)を満たさないので、粉砕及び/又は大径粒状物・小径粒状物除去を行う。
得られた粉砕物から必要に応じ大径粒状物・小径粒状物(微紛)除去を行っても良い。大径粒状物を除去することにより、DL/DSが下がり、小径粒状物を除去することにより、DL/DSが上がる。
篩い目の目開きのサイズは、80μm以下、30μm以上のものであれば使用可能であり、除去する粒状物の生成状況(特に量及び粒径)と、黒鉛質複合粒子の粒度分布及び平均粒径の調整要求に合わせ適宜選択し使用する。該サイズが80μmを越えると、該粒状物の除去が不充分となり、30μm未満の場合、黒鉛質複合粒子を過剰に除去することにつながり、製品ロスが多く生じるとともに、粒度分布の調整も困難になる場合がある。なお、汎用のサイズとして市販されている目開きが45μm、38μmの篩い目が好ましく使用できる。
本発明の黒鉛質複合粒子は、非水系二次電池、特にリチウム二次電池の負極活物質材料として好適に用いることができる。また前記したように、本発明の黒鉛質複合粒子(A)と炭素質活物質粒子(B)とを配合したものも、負極活物質材料として好適に用いることができる。
本発明の黒鉛質複合粒子、本発明の負極活物質材料を用いて製造された本発明の非水系二次電池用負極は、特にリチウム二次電池等の非水系二次電池の負極として極めて有用である。
有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布、乾燥することにより得られる。
平均粒径61μmの黒鉛を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型を用いてロータ周速度70m/秒で5分間の球形化処理を行い、表1に示す粉体物性を持つ球形化黒鉛を得た。この球形化黒鉛と、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチとを、100:30の重量比で混合し、予め128℃に加熱されたマチスケータ型撹拌翼を持つニーダーに投入して20分間捏合した。
この黒鉛質複合粒子を負極活物質材料として用い、前述の方法により、密度1.73±0.03g/cm3の活物質層を有する極板を作製した。すなわち具体的には、上記負極活物質材料10g、カルボキシメチルセルロース水溶液を固形分換算で0.1g、及び重量平均分子量27万のスチレンブタジエンゴム水性ディスパージョンを固形分換算で0.2gをキーエンス製ハイブリッドミキサーで3分間撹拌してスラリーを得た。このスラリーを集電体である厚さ18μmの銅箔上に、負極活物質材料が10±0.1mg/cm2付着するように、ドクターブレード法で、幅5cmに塗布し、室温で風乾を行った。更に110℃で30分乾燥後、直径20cmのローラを用いてロールプレスして、活物質層の密度を1.73±0.03g/cm3になるよう調整し負極シートを得た。この時、ロールプレスをする際のプレス荷重を測定した。結果を表2に併せて示す。
上記方法で作製した負極シートを直径12.5mmの円盤状に打ち抜き負極とし、リチウム金属箔を直径12.5mmの円板状に打ち抜き対極とした。負極と正極の間には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容量比=1:1)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータ(多孔性ポリエチレンフィルム製)を置き、2016コイン型電池を作製した。
上記した方法で作製した2016コイン型電池を、24時間放置した後、電流密度0.16mA/cm2で、両電極間の電位差が0Vになるまで充電を行い、その後1.5Vになるまで0.33mA/cm2で放電を行った。基準充放電試験を実施し、1サイクル目の放電容量の平均値を初期充放電容量とした。また、1サイクル目で発生する不可逆容量(初回充電容量−初回放電容量)を初期充放電不可逆容量とした。コイン型電池3個について、それぞれ初期充放電不可逆容量を測定し平均値を求めた。
平均粒径61μmの黒鉛を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型を用いてロータ周速度65m/秒で4分間球形化処理を行い、表1に示す粉体物性を持つ球形化黒鉛を得た。この球形化黒鉛を用い、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチを用い、バインダー量、粉砕時の粉砕羽根回転数を表1に示したように代えた以外は実施例1と同様にして黒鉛質複合粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、プレス荷重、初期充放電不可逆容量を測定した。結果を表2及び表3に示す。
平均粒径61μmの黒鉛を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型を用いてロータ周速度60m/秒で3分間球形化処理を行い、表1に示す粉体物性を持つ球形化黒鉛を得た。この球形化黒鉛を用い、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチを用い、バインダー量、粉砕時の粉砕羽根回転数を表1に示したように代えた以外は実施例1と同様にして黒鉛質複合粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、プレス荷重、初期充放電不可逆容量を測定した。結果を表2及び表3に示す。
平均粒径61μmの黒鉛を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型を用いてロータ周速度65m/秒で5分間球形化処理を行い、表1に示す粉体物性を持つ球形化黒鉛を得た。この球形化黒鉛を用い、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチを用い、バインダー量、粉砕時の粉砕羽根回転数を表1に示したように代えた以外は実施例1と同様にして黒鉛質複合粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、プレス荷重、初期充放電不可逆容量を測定した。結果を表2及び表3に示す。
原料である炭素質粒子として、表1に示す粉体物性を持つリン片黒鉛を用い、黒鉛化可能なバインダーとして軟化点88℃のバインダーピッチを用い、バインダー量、粉砕時の粉砕羽根回転数を表1に示したように代えた以外は実施例1と同様にして黒鉛質複合粒子を得、上記物性を測定し、次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、プレス荷重、初期充放電不可逆容量を測定した。結果を表2及び表3に示す。
実施例1記載の方法によって得られた黒鉛質複合粒子60部と、平均粒径61μmの黒鉛を奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムNHS−3型を用いてロータ周速度60m/秒で3分間球形化処理を行って得られた球形化黒鉛40部とを混合し、表1に示す粉体物性を持つ球形化黒鉛を得た。次いで実施例1と同様にして、極板(負極シート)、非水系二次電池を作製し、プレス荷重、初期充放電不可逆容量を測定した。結果を表2及び表3に示す。なお、表2において実施例4の負極活物質のラマンR値は0.18であるが、黒鉛質複合粒子のラマンR値は0.12であり、本発明の範囲を満たす。
Claims (10)
- 要件(1)及び(2)
(1)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに粒子10mgを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後に測定した体積基準メジアン径をDLμmとし、走査型電子顕微鏡観察において、輪郭が他の粒子の輪郭と重なっていない粒子を100個選択し、そのそれぞれの測定面積Sから、2×(S/3.14)0.5により求めた円相当粒子径について、該100個の粒子の平均値を求め、それを平均円相当粒子径DSμmとしたとき、DL/DSが、1より大きく、2以下、
(2)ラマンスペクトルにおいて、1580cm−1付近の最大ピークの強度IAと、1360cm−1付近の最大ピークの強度IBの強度比IB/IAをラマンR値としたとき、ラマンR値が、0.04以上、0.14以下、
を満たし、炭素質粒子と黒鉛化可能なバインダーとを捏合し、捏合物の成形体を、粉砕後に黒鉛化又は黒鉛化後に粉砕することにより製造され得るものであることを特徴とする非水系二次電池用黒鉛質複合粒子。 - 平均円形度が、0.8以上、0.95以下のものである請求項1記載の非水系二次電池用黒鉛質複合粒子。
- タップ密度が、0.7g/cm3以上、1.5g/cm3以下のものである請求項1又は請求項2記載の非水系二次電池用黒鉛質複合粒子。
- 黒鉛質複合粒子が、炭素質粒子が焼成された黒鉛質粒子の少なくとも一部に、バインダーが焼成されたものが結合した構造を有するものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の非水系二次電池用黒鉛質複合粒子。
- 炭素質粒子が、球形化黒鉛である請求項4記載の非水系二次電池用黒鉛質複合粒子。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の非水系二次電池用黒鉛質複合粒子を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極活物質材料。
- 更に、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質被覆黒鉛、樹脂被覆黒鉛及び非晶質炭素よりなる群から選ばれる1種以上の炭素質活物質粒子を含有する請求項6記載の非水系二次電池用負極活物質材料。
- 負極活物質材料を100重量部、スチレンブタジエンゴムの水分散液を固形分として2重量部及び重量平均分子量25万〜30万のカルボキシメチルセルロースの水溶液を固形分として1重量部を配合して水系スラリーとし、この水系スラリーを厚さ18μmの銅箔上に、乾燥膜厚10±0.1mg/cm2となるようドクターブレードを用いて塗布して乾燥させた後に、直径20cmのローラを有するロールプレスを用いて、1回のプレスで、密度1.73±0.03g/cm3となるようプレス荷重を調整して幅5cmの活物質層を形成させるときの該プレス荷重が、200kgf/5cm以上、1200kgf/5cm以下である請求項6又は請求項7記載の非水系二次電池用負極活物質材料。
- 集電体及びその上に形成された活物質層を有する負極であって、該活物質層が、少なくとも請求項6ないし請求項8の何れかの請求項記載の非水系二次電池用負極活物質材料を用いて形成されていることを特徴とする非水系二次電池用負極。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を有する非水系二次電池であって、該負極が、請求項9記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする非水系二次電池。
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