JPWO2020251021A1 - バルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、質量当たりの放電容量が高く、連続充放電時の電極膨張率が低いリチウムイオン二次電池用負極材料が得られるバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法を提供する。本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法は、一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有する。
Description
本発明は、バルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化あるいは高性能化に伴い、電池のエネルギー密度を高める要望がますます高まっている。特にリチウムイオン二次電池は、他の二次電池に比べて高電圧化が可能なので、高いエネルギー密度が達成できるため注目されている。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極および電解液(非水電解質)を主たる構成要素とする。リチウムイオンは電解液を介して、放電過程および充電過程で負極と正極との間を移動し二次電池となる。負極は、一般に、銅箔からなる集電材とバインダーによって結着された負極材料(活物質)から構成されている。通常、負極材料には炭素材料が使用される。このような炭素材料として、充放電特性に優れ、高い放電容量と電位平坦性とを示す黒鉛が汎用されている。
最近の携帯用電子機器に搭載されるリチウムイオン二次電池には、優れた急速充電性、 急速放電性が要求されるとともに、充放電を繰返しても電極の膨張率を低く抑えることが求められている。
一般的にリチウムイオン二次電池の充電時における膨張の原因は、電極作製時に黒鉛が配向してしまうことや黒鉛エッジ面で電解液が反応してガスが発生することと考えられており、いずれも結晶性が高く扁平な形状となりやすい天然黒鉛には避けがたい問題である。
一方、球晶やバルクメソフェーズのような人造黒鉛は、結晶子が微細かつランダム配向であるため、膨張低減に有利と考えられる。
バルクメソフェーズ黒鉛系負極材料の代表例には下記のものがある。
粉砕したバルクメソフェーズピッチを空気中で熱処理し表層のみを酸化処理した後、不活性雰囲気下で熱処理して得られる球状黒鉛粉末(特許文献1)。
バルクメソフェーズ黒鉛系負極材料の代表例には下記のものがある。
粉砕したバルクメソフェーズピッチを空気中で熱処理し表層のみを酸化処理した後、不活性雰囲気下で熱処理して得られる球状黒鉛粉末(特許文献1)。
しかしながら、リチウムイオン二次電池の高容量化への要求が高まっており、上記のバルクメソフェーズ系球晶黒鉛はメソフェーズ系球晶黒鉛と比べて一次QI(キノリン不溶分)の割合が高く、結晶性が低いため容量が比較的低いことが課題の1つに挙げられる。
これを解決する手法の1つが一次QI(キノリン不溶分)の含有率が低いピッチを原料に使用する方法で、このピッチを原料とするバルクメソフェーズ球晶の代表例は下記のものがある。
一次QI(キノリン不溶分)が0.3質量%以下のタールまたはピッチを熱処理して得たバルクメソフェーズカーボンを黒鉛化して得られる黒鉛粉末(特許文献2)。
一次QI(キノリン不溶分)が0.3質量%以下のタールまたはピッチを熱処理して得たバルクメソフェーズカーボンを黒鉛化して得られる黒鉛粉末(特許文献2)。
しかしながら、一般的に容量を上げるとリチウムイオン二次電池負極材料の膨張率は高くなると考えられ、容量アップと膨張率低減の両立は困難な課題と考えられる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、質量当たりの放電容量が高く、連続充放電時の電極膨張率が低いリチウムイオン二次電池用負極材料が得られるバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、
前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、
前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、
前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有するバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
[2]前記黒鉛化触媒が、Fe2O3のみ又はAl2O3のみである、[1]に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
[3]前記黒鉛化触媒の添加量が、金属元素または半金属元素として、0.5〜30質量%である、[1]または[2]に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
[1]一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、
前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、
前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、
前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有するバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
[2]前記黒鉛化触媒が、Fe2O3のみ又はAl2O3のみである、[1]に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
[3]前記黒鉛化触媒の添加量が、金属元素または半金属元素として、0.5〜30質量%である、[1]または[2]に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
本発明によれば、質量当たりの放電容量が高く、連続充放電時の電極膨張率が低いリチウムイオン二次電池用負極材料が得られる、バルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法を提供することができる。
本発明において、範囲を「〜」を用いて表示した場合、その範囲には「〜」の両端を含むものとする。例えば、A〜Bという範囲には、AおよびBを含む。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔バルクメソフェーズ黒鉛化物〕
本発明の方法で得られるバルクメソフェーズ黒鉛化物は、粒子内部が緻密な人造黒鉛粒子である。バルクメソフェーズ黒鉛化物の平均粒子径(体積換算で)は特に限定されないが、2〜20μmであることが好ましく、より好ましくは10〜20μm、さらに好ましくは15〜20μmである。2μm未満の場合は、初期充放電効率の低下が生じることがある。20μm超の場合は、連続膨張率が大きくなる。
本発明の方法で得られるバルクメソフェーズ黒鉛化物は、粒子内部が緻密な人造黒鉛粒子である。バルクメソフェーズ黒鉛化物の平均粒子径(体積換算で)は特に限定されないが、2〜20μmであることが好ましく、より好ましくは10〜20μm、さらに好ましくは15〜20μmである。2μm未満の場合は、初期充放電効率の低下が生じることがある。20μm超の場合は、連続膨張率が大きくなる。
バルクメソフェーズ黒鉛化物は高い結晶性を有することが好ましく、平均格子面間隔d002が0.3360nm未満が好ましく、0.3359nm以下であることがより好ましく、0.3358nm以下であることが最も好ましい。
バルクメソフェーズ黒鉛化物の比表面積は2.0〜10.0m2/gが好ましく、5.0〜10.0m2/gがより好ましく、6.5〜10.0m2/gがさらに好ましく、7.0〜10.0m2/gが最も好ましい。
バルクメソフェーズ黒鉛化物のアスペクト比はできるだけ1.0に近く、すなわち球状に近いものが好ましい。
[バルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法]
本発明の難黒鉛化性炭素材料の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう。)は、一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有する。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明の難黒鉛化性炭素材料の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう。)は、一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有する。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
〔熱処理工程〕
熱処理工程では、一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る。
熱処理工程では、一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る。
タールおよび/またはピッチを熱処理すると芳香族成分が縮合し、これらの縮合物がスタッキングして、メソフェーズ小球体と呼ばれる球状となる。さらに加熱するとメソフェーズ小球体同士が合体して行き、バルクメソフェーズとなる。バルクメソフェーズは、結晶構造がランダムであり、粉砕後のアスペクト比を小さくするのに有効である。
原料であるタールおよび/またはピッチの一次QI(キノリン不溶分)は、石炭を乾留する際に生成する気相生成炭素であるフリーカーボン(粒径1μm以下程度)である。
原料であるタールおよび/またはピッチの一次QI(キノリン不溶分)含有量を1質量%以下にする理由は、原料中の一次QI(キノリン不溶分)は、黒鉛結晶成長の阻害要因となり、容量低下を招くため、それを防ぐためである。
一次QI(キノリン不溶分)の含有量の測定方法は、JIS K 2425:2006(クレオソート油、加工タール及びタールピッチ試験方法)の15.1(ろ過法)がより好ましい。
原料であるタールおよび/またはピッチの一次QI(キノリン不溶分)含有量を1質量%以下にする理由は、原料中の一次QI(キノリン不溶分)は、黒鉛結晶成長の阻害要因となり、容量低下を招くため、それを防ぐためである。
一次QI(キノリン不溶分)の含有量の測定方法は、JIS K 2425:2006(クレオソート油、加工タール及びタールピッチ試験方法)の15.1(ろ過法)がより好ましい。
(タール、ピッチ)
原料であるタールおよび/またはピッチとしては、石炭系のタールおよび/またはピッチが用いられる。原料としては、タールおよびピッチのうち一方を単独で使用してもよく、両者を併用してもよい。
原料であるタールおよび/またはピッチとしては、石炭系のタールおよび/またはピッチが用いられる。原料としては、タールおよびピッチのうち一方を単独で使用してもよく、両者を併用してもよい。
(熱処理雰囲気)
熱処理の際の雰囲気(熱処理雰囲気)は、特に限定されず、非酸化性雰囲気(不活性雰囲気および還元性雰囲気を含む。)または酸化性雰囲気のいずれであってもよいが、非酸化性雰囲気または若干の酸化性雰囲気が好ましい。
熱処理の際の雰囲気(熱処理雰囲気)は、特に限定されず、非酸化性雰囲気(不活性雰囲気および還元性雰囲気を含む。)または酸化性雰囲気のいずれであってもよいが、非酸化性雰囲気または若干の酸化性雰囲気が好ましい。
(熱処理圧力)
熱処理の際の圧力(熱処理圧力)は、特に限定されず、減圧、常圧または加圧のいずれでもよい。
熱処理の際の圧力(熱処理圧力)は、特に限定されず、減圧、常圧または加圧のいずれでもよい。
(熱処理温度)
熱処理の際の温度(熱処理温度)は、特に限定されないが、好ましくは250〜400℃である。熱処理温度が250℃以上であると、芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が迅速に進行し、メソフェーズ小球体の生成に長時間を要しないため、現実的である。また、熱処理温度が400℃以下であると、芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が速くなりすぎず、工業的には、メソフェーズ小球体の生成を制御することが容易となる。また、熱処理温度が250〜400℃だとメソフェーズ小球体の生成速度とその生成の制御のし易さとのバランスが優れる。
熱処理の際の温度(熱処理温度)は、特に限定されないが、好ましくは250〜400℃である。熱処理温度が250℃以上であると、芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が迅速に進行し、メソフェーズ小球体の生成に長時間を要しないため、現実的である。また、熱処理温度が400℃以下であると、芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が速くなりすぎず、工業的には、メソフェーズ小球体の生成を制御することが容易となる。また、熱処理温度が250〜400℃だとメソフェーズ小球体の生成速度とその生成の制御のし易さとのバランスが優れる。
(熱処理時間)
熱処理の際の時間(熱処理時間)は、バルクメソフェーズが生成されるまでであり、特に限定されない。なお、熱処理工程中で、熱処理を複数回に分割して行ってもよい。熱処理を複数回に分割して行う場合は、熱処理時間は分割した熱処理のそれぞれの処理時間の合計である。
熱処理の際の時間(熱処理時間)は、バルクメソフェーズが生成されるまでであり、特に限定されない。なお、熱処理工程中で、熱処理を複数回に分割して行ってもよい。熱処理を複数回に分割して行う場合は、熱処理時間は分割した熱処理のそれぞれの処理時間の合計である。
〔不融化工程〕
不融化工程では、熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る。
熱処理工程で得られたバルクメソフェーズは溶融性が残存しているため、アトマイザー等を用いて粉砕し、プレスにより平均粒子径2〜25μmの塊状に賦形した後、空気中で275〜500℃、好ましくは280〜450℃で加熱して粒子表面を酸化させて不融化する。
不融化工程では、熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る。
熱処理工程で得られたバルクメソフェーズは溶融性が残存しているため、アトマイザー等を用いて粉砕し、プレスにより平均粒子径2〜25μmの塊状に賦形した後、空気中で275〜500℃、好ましくは280〜450℃で加熱して粒子表面を酸化させて不融化する。
〔焼成工程〕
焼成工程では、不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る。
焼成工程では、不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る。
黒鉛化触媒としては、例えば、Na,Kなどのアルカリ金属、Mg,Caなどのアルカリ土類金属、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Ptなどの遷移金属、Al,Geなどの金属、B,Siなどの半金属を用いることができ、これらは酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、塩化物、硫化物などの化合物であってもよい。このような金属、金属化合物は単独で用いてもよく、2以上を混合して用いてもよい。また、金属と金属化合物を混合して用いてもよい。これらの中でも酸化鉄(ヘマタイト、Fe2O3)、ケイ素鉄(フェロシリコン)、ホウ素、ケイ素、Alの酸化物(Al2O3)などが好ましい。
バルクメソフェーズ不融化処理品に添加する黒鉛化触媒は、バルクメソフェーズ不融化処理品と同程度のサイズであることが好ましい。バルクメソフェーズ不融化処理品は平均粒子径が2〜25μmであるため、黒鉛化触媒もこれと同程度のサイズであることが好ましい。
黒鉛化触媒の添加量が、金属元素または半金属元素として、0.5〜30質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1.0〜25質量%、さらに好ましくは4.0〜15質量%であり、最も好ましくは4.0〜13.5質量%である。
黒鉛化触媒の添加量が、金属元素または半金属元素として、0.5〜30質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1.0〜25質量%、さらに好ましくは4.0〜15質量%であり、最も好ましくは4.0〜13.5質量%である。
バルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加して、機械的に攪拌する、超音波などの振動を与える、またはガスを流通させることで、バルクメソフェーズ不融化処理品に動きを与え、バルクメソフェーズ不融化処理品の外表面に黒鉛化触媒を分散して付着させることが好ましい。
(焼成処理雰囲気)
焼成処理の際の雰囲気(焼成処理雰囲気)は非酸化性雰囲気である。非酸化性雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスによる不活性雰囲気や水素等による還元性雰囲気を利用することができる。空気(大気)等の酸化性雰囲気でバルクメソフェーズを焼成処理した場合、炭素は燃えて灰になってしまう。
焼成処理の際の雰囲気(焼成処理雰囲気)は非酸化性雰囲気である。非酸化性雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスによる不活性雰囲気や水素等による還元性雰囲気を利用することができる。空気(大気)等の酸化性雰囲気でバルクメソフェーズを焼成処理した場合、炭素は燃えて灰になってしまう。
(焼成処理温度)
焼成処理の際の温度(焼成処理温度)は500〜1300℃である。焼成処理温度が500℃未満では炭素化が遅く、場合によっては十分に炭素化することができない。焼成処理温度が1300℃超では、添加した黒鉛化触媒が揮発してしまうおそれがあり触媒を添加する効果が少なくなる。
焼成処理の際の温度(焼成処理温度)は500〜1300℃である。焼成処理温度が500℃未満では炭素化が遅く、場合によっては十分に炭素化することができない。焼成処理温度が1300℃超では、添加した黒鉛化触媒が揮発してしまうおそれがあり触媒を添加する効果が少なくなる。
(焼成処理時間)
焼成処理の際の時間(焼成処理時間)は、バルクメソフェーズが炭化されるまでであり、特に限定されない。
焼成処理の際の時間(焼成処理時間)は、バルクメソフェーズが炭化されるまでであり、特に限定されない。
〔黒鉛化工程〕
黒鉛化工程では、焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る。
ここでいう黒鉛化とは、バルクメソフェーズ焼成品が黒鉛構造を形成するように加熱処理する操作をいい、到達温度1500〜3300℃の範囲で加熱させるものである。黒鉛化する方法としては、アチェソン炉などの公知の高温炉を用いることができる。この際には、非酸化性雰囲気で黒鉛化を行うことが好ましい。非酸化性雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスによる不活性雰囲気や水素等による還元性雰囲気を利用することができる。なお、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは2800℃以上で黒鉛化する。
黒鉛化工程では、焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る。
ここでいう黒鉛化とは、バルクメソフェーズ焼成品が黒鉛構造を形成するように加熱処理する操作をいい、到達温度1500〜3300℃の範囲で加熱させるものである。黒鉛化する方法としては、アチェソン炉などの公知の高温炉を用いることができる。この際には、非酸化性雰囲気で黒鉛化を行うことが好ましい。非酸化性雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスによる不活性雰囲気や水素等による還元性雰囲気を利用することができる。なお、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは2800℃以上で黒鉛化する。
焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品が融着していた場合、アトマイザー等を用いて粉砕し、プレスにより平均粒子径2〜25μmの塊状に賦形した後で黒鉛化を行う。
次に、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物を用いた負極材料として用いたリチウムイオン二次電池(以下、「本発明のリチウムイオン二次電池」ともいう。)について説明する。
[リチウムイオン二次電池]
リチウムイオン二次電池は、一般的な二次電池の要素に準じる。すなわち、電解液、負極および正極を主たる電池構成要素とし、これら要素が、例えば電池缶内に封入されている。そして負極および正極はそれぞれリチウムイオンの担持体として作用し、充電時には負極からリチウムイオンが離脱する。
リチウムイオン二次電池は、一般的な二次電池の要素に準じる。すなわち、電解液、負極および正極を主たる電池構成要素とし、これら要素が、例えば電池缶内に封入されている。そして負極および正極はそれぞれリチウムイオンの担持体として作用し、充電時には負極からリチウムイオンが離脱する。
〔負極〕
負極の作製は、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物を負極材料として用いる限り、通常の負極の作製方法に準じて行うことができるが、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができる作製方法であれば何ら制限されない。
負極の作製は、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物を負極材料として用いる限り、通常の負極の作製方法に準じて行うことができるが、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができる作製方法であれば何ら制限されない。
負極の作製には、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物に結合剤を加えた負極合剤を用いることができる。結合剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものを用いることが好ましく、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴム、さらにはカルボキシメチルセルロース等が用いられる。これらを併用することもできる。結合剤は、通常、負極合剤の全量中1〜20質量%の割合であることが好ましい。
負極の作製には、負極作製用の通常の溶媒であるN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコール等を用いることができる。
負極は、例えば、負極合剤を溶媒に分散させ、ペースト状の負極合剤を調製した後、該負極合剤を集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して作製される。これにより、負極合剤層(活物質層)が均一かつ強固に集電体に接着した負極が得られる。
より具体的には、例えば、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物、フッ素系樹脂粉末またはスチレンブタジエンゴムの水分散剤と溶媒を混合してスラリーとした後、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合して、負極合剤ペーストを調製する。これを集電体に塗布、乾燥すれば、負極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着する。負極合剤層の膜厚は10〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
より具体的には、例えば、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物、フッ素系樹脂粉末またはスチレンブタジエンゴムの水分散剤と溶媒を混合してスラリーとした後、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合して、負極合剤ペーストを調製する。これを集電体に塗布、乾燥すれば、負極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着する。負極合剤層の膜厚は10〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
また、負極合剤層は、本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物と、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等の樹脂粉末とを乾式混合し、金型内でホットプレス成形して作製することもできる。ただし、乾式混合では、十分な負極の強度を得るために多くの結合剤を必要とし、結合剤が過多の場合は、放電容量や急速充放電効率が低下することがある。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行うと、負極合剤層と集電体との接着強度をさらに高めることができる。
負極合剤層の密度は、負極の体積容量を高めることから、1.60g/cm3以上、特に1.70g/cm3以上であることが好ましい。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧などの圧着を行うと、負極合剤層と集電体との接着強度をさらに高めることができる。
負極合剤層の密度は、負極の体積容量を高めることから、1.60g/cm3以上、特に1.70g/cm3以上であることが好ましい。
負極に用いる集電体の形状は特に限定されないが、箔状、メッシュ、エキスパンドメタル等の網状物等が好ましい。集電体の材質としては、銅、ステンレス、ニッケル等が好ましい。集電体の厚みは、箔状の場合、好ましくは5〜20μmである。
(負極の配向度)
負極の配向度は、X線回折によって定量的に評価することができ、以下にその測定方法を説明する。
負極合剤層の密度を1.60〜1.80g/cm3に調整した負極を、2cm2の円盤状に打ち抜き、これを硝子板の上に負極合剤層が上向きとなるように貼りつける。この試料にX線を照射し、回折させると、黒鉛の結晶面に対応した回折ピークが現れる。複数の回折ピークのうち、(004)面に由来する2θ=54.6°付近のピーク強度I004と(110)面に由来する2θ=77.4°付近のピーク強度I110の比I004/I110を配向度の指標とすることができる。負極の配向度が低いほど、充電時の負極の膨張率が小さく、また、電解液の浸透性や流動性にも優れ、リチウムイオン二次電池の急速充電性、急速放電性、サイクル特性等が良好となる。
負極の配向度は、X線回折によって定量的に評価することができ、以下にその測定方法を説明する。
負極合剤層の密度を1.60〜1.80g/cm3に調整した負極を、2cm2の円盤状に打ち抜き、これを硝子板の上に負極合剤層が上向きとなるように貼りつける。この試料にX線を照射し、回折させると、黒鉛の結晶面に対応した回折ピークが現れる。複数の回折ピークのうち、(004)面に由来する2θ=54.6°付近のピーク強度I004と(110)面に由来する2θ=77.4°付近のピーク強度I110の比I004/I110を配向度の指標とすることができる。負極の配向度が低いほど、充電時の負極の膨張率が小さく、また、電解液の浸透性や流動性にも優れ、リチウムイオン二次電池の急速充電性、急速放電性、サイクル特性等が良好となる。
負極の配向度(I004/I110)は、負極合剤層の密度が1.60〜1.80g/cm3において、好ましくは10以下である。
〔正極〕
正極は、例えば正極材料と結合剤および導電材よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極の材料(正極活物質)としては、リチウム化合物が用いられるが、充分な量のリチウムを吸蔵/脱離し得るものを 選択するのが好ましい。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物、その他のリチウム化合物、化学式MXMo6OS8-Y(式中Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、Mは少なくとも一種の遷移金属元素である)で表されるシュブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維等を用いることができる。バナジウム酸化物はV2O5、V6O13、V2O4、V3O8等である。
正極は、例えば正極材料と結合剤および導電材よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極の材料(正極活物質)としては、リチウム化合物が用いられるが、充分な量のリチウムを吸蔵/脱離し得るものを 選択するのが好ましい。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物、その他のリチウム化合物、化学式MXMo6OS8-Y(式中Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、Mは少なくとも一種の遷移金属元素である)で表されるシュブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維等を用いることができる。バナジウム酸化物はV2O5、V6O13、V2O4、V3O8等である。
リチウム含有遷移金属合酸化物は、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。複合酸化物は単独でも、2種類以上組合せて用いてもよい。リチウム含有遷移金属合酸化物は、具体的には、LiM11-XM2XO2(式中Xは0≦X≦1の範囲の数値であり、M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素である)またはLiM11-YM2YO4(式中Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、M1、M2は少なくとも一種の遷移金属元素である)で示される。M1、M2で示される遷移金属元素は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Sn等であり、好ましいのはCo、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Al等である。好ましい具体例は、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9 Co0.1O2、LiNi0.5Co0.5O2等である。
リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウム、遷移金属の酸化物、水酸化物、塩類等を出発原料とし、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。
正極活物質は、リチウム化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。また、正極中に炭酸リチウム等のアルカリ炭酸塩を添加することができる。
正極は、例えば、リチウム化合物、結合剤、および正極に導電性を付与するための導電材よりなる正極合剤を、集電体の片面または両面に塗布して正極合剤層を形成して作製される。結合剤としては、負極の作製に使用されるものと同じものが使用可能である。導電材としては、黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料が使用される。
正極も負極と同様に、正極合剤を溶媒に分散させ、ペースト状にした正極合剤を集電体に塗布、乾燥して正極合剤層を形成してもよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧等の圧着を行ってもよい。これにより正極合剤層が均一且つ強固に集電材に接着される。
集電体の形状は特に限定されないが、箔状、メッシュ、エキスパンドメタル等の網状等のものが好ましい。集電体の材質は、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等である。その厚さは、箔状の場合、10〜40μmが好適である。
〔非水電解質〕
非水電解質(電解液)は、通常の非水電解液に使用される電解質塩である。電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF2OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN[(CF3)2CHOSO2]2、LiB[C6H3(CF3)2]4、LiAlCl4、LiSiF5等のリチウム塩を用いることができる。特にLiPF6、LiBF4が酸化安定性の点から好ましい。
非水電解質(電解液)は、通常の非水電解液に使用される電解質塩である。電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3CH2OSO2)2、LiN(CF3CF2OSO2)2、LiN(HCF2CF2CH2OSO2)2、LiN[(CF3)2CHOSO2]2、LiB[C6H3(CF3)2]4、LiAlCl4、LiSiF5等のリチウム塩を用いることができる。特にLiPF6、LiBF4が酸化安定性の点から好ましい。
非水電解質(電解液)の電解質塩濃度は0.1〜5mol/Lが好ましく、0.5〜3mol/Lがより好ましい。
非水電解質は液状としてもよく、固体、ゲル状等の高分子電解質としてもよい。
非水電解質(電解液)を構成する溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート、1,1−または1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル等のエーテル、スルホラン、メチルスルホラン等のチオエーテル、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリル等のニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、ジメチルサルファイト等の非プロトン性有機溶媒等を用いることができる。
高分子電解質を用いる場合には、可塑剤(非水電解液)でゲル化された高分子化合物をマトリックスとして使用することが好ましい。マトリクスを構成する高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体等のエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系高分子化合物等を単独または混合して用いることができる。ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系高分子化合物を用いることが特に好ましい。
高分子固体電解質または高分子ゲル電解質には、可塑剤(非水電解液)が配合されるが、可塑剤(非水電解液)を構成する電解質塩や溶媒としては、非水電解質(電解液)に使用できるものを使用できる。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤(非水電解液)中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/Lが好ましく、0.5〜2mol/Lがより好ましい。
高分子固体電解質の作製方法は特に限定されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および可塑剤(非水電解液)を混合し、加熱して高分子化合物を溶融する方法、混合用有機溶媒に高分子化合物、リチウム塩、および可塑剤(非水電解液)を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および可塑剤(非水電解液)を混合し、混合物に紫外線、電子線、分子線等を照射して、重合性モノマーを重合させ、高分子化合物を得る方法などを挙げることができる。
高分子固体電解質中の可塑剤(非水電解液)の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%未満であると導電率が低くなり、90質量%を超えると機械的強度が弱くなり、製膜しにくくなる。
リチウムイオン二次電池においては、セパレータを使用することもできる。
セパレータの材質は特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等である。
セパレータの材質は特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等である。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極および非水電解質を、例えば、負極、非水電解質、正極の順に積層し、電池の外装材内に収容することで作製される。
さらに、負極と正極の外側に非水電解質を配するようにしてもよい。
さらに、負極と正極の外側に非水電解質を配するようにしてもよい。
リチウムイオン二次電池の構造は特に限定されず、その形状、形態についても特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量等に応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等の中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが好ましい。高分子電解質電池の場合には、ラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例においては、図1に示すような構成の評価用のボタン型二次電池を作製して評価した。該電池は、本発明の目的に基づき、公知の方法に準拠して作製することができる。
一次QI(キノリン不溶分)含有量、平均粒子径、比表面積、格子面間隔d002、は以下の方法で測定した。
・一次QI(キノリン不溶分)含有量:JIS K2425の15.1(ろ過法)に準じて測定した。
・平均粒子径:レーザー回折式粒度分布計(LMS2000e,株式会社セイシン企業製)により測定した粒度分布の累積度数が、体積百分率で50%となる粒子径である。
・比表面積:50℃で予備乾燥し、更に30分間窒素ガスを流したのち、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定した(MONOSORB,カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)。詳細には、JISZ8830:2013ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法によって測定したBET比表面積である。
・格子面間隔d002:CuKα線をX線源、高純度シリコンを標準物質に使用して、被覆黒鉛粒子に対し(002)面の回折ピークを測定し、そのピーク位置より算出する。算出方法は学振法に従うものであり、具体的な方法はJIS R7651:2007「炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」に記載されている。
一次QI(キノリン不溶分)含有量、平均粒子径、比表面積、格子面間隔d002、は以下の方法で測定した。
・一次QI(キノリン不溶分)含有量:JIS K2425の15.1(ろ過法)に準じて測定した。
・平均粒子径:レーザー回折式粒度分布計(LMS2000e,株式会社セイシン企業製)により測定した粒度分布の累積度数が、体積百分率で50%となる粒子径である。
・比表面積:50℃で予備乾燥し、更に30分間窒素ガスを流したのち、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定した(MONOSORB,カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)。詳細には、JISZ8830:2013ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法によって測定したBET比表面積である。
・格子面間隔d002:CuKα線をX線源、高純度シリコンを標準物質に使用して、被覆黒鉛粒子に対し(002)面の回折ピークを測定し、そのピーク位置より算出する。算出方法は学振法に従うものであり、具体的な方法はJIS R7651:2007「炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」に記載されている。
(実施例1)
〔バルクメソフェーズ黒鉛化物の調製〕
(熱処理工程)
コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中で12時間かけて400℃に昇温し熱処理したのち、不活性雰囲気中で常温まで自然冷却してバルクメソフェーズを得た。
(不融化工程)
得られたバルクメソフェーズをアトマイザーを用いて粉砕し、プレスにより平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
次いで、空気中280℃で15分熱処理して表面を酸化させ、不融化処理を行い、不融化物(不融化処理品)を得た。
(焼成工程)
不融化物(不融化処理品)に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、不融化物(不融化処理品)の外表面にヘマタイトを分散して付着させた。
次に窒素ガス雰囲気下、1000℃で焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得た。焼成時に融着したものについては、再度粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
(黒鉛化工程)
バルクメソフェーズ焼成品を、非酸化性雰囲気中で3150℃で黒鉛化処理を行い、バルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。
〔バルクメソフェーズ黒鉛化物の調製〕
(熱処理工程)
コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中で12時間かけて400℃に昇温し熱処理したのち、不活性雰囲気中で常温まで自然冷却してバルクメソフェーズを得た。
(不融化工程)
得られたバルクメソフェーズをアトマイザーを用いて粉砕し、プレスにより平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
次いで、空気中280℃で15分熱処理して表面を酸化させ、不融化処理を行い、不融化物(不融化処理品)を得た。
(焼成工程)
不融化物(不融化処理品)に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、不融化物(不融化処理品)の外表面にヘマタイトを分散して付着させた。
次に窒素ガス雰囲気下、1000℃で焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得た。焼成時に融着したものについては、再度粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
(黒鉛化工程)
バルクメソフェーズ焼成品を、非酸化性雰囲気中で3150℃で黒鉛化処理を行い、バルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。
[負極合剤の調製]
負極材料として、上記の手順で得られたバルクメソフェーズ黒鉛化物98質量部、結合剤として、カルボキシメチルセルロース1質量部およびスチレンブタジエンゴム1質量部を水に入れ、攪拌して負極合剤ペーストを調製した。
負極材料として、上記の手順で得られたバルクメソフェーズ黒鉛化物98質量部、結合剤として、カルボキシメチルセルロース1質量部およびスチレンブタジエンゴム1質量部を水に入れ、攪拌して負極合剤ペーストを調製した。
[作用電極(負極)の作製]
上記の手順で得られた負極合剤ペーストを、厚さ16μmの銅箔上に均一な厚さで塗布し、さらに真空中90℃で分散媒の水を蒸発させて乾燥した。次に、この銅箔上に塗布された負極合剤をハンドプレスによって12kN/cm2(120MPa)で加圧し、さらに直径15.5mmの円形状に打抜くことで、銅箔に密着した負極合剤層(厚み60μm)を有する作用電極(負極)を作製した。負極合剤層の密度は1.6g/cm3であった。作用電極には伸び、変形がなく、断面から見た集電体に凹みがなかった。
上記の手順で得られた負極合剤ペーストを、厚さ16μmの銅箔上に均一な厚さで塗布し、さらに真空中90℃で分散媒の水を蒸発させて乾燥した。次に、この銅箔上に塗布された負極合剤をハンドプレスによって12kN/cm2(120MPa)で加圧し、さらに直径15.5mmの円形状に打抜くことで、銅箔に密着した負極合剤層(厚み60μm)を有する作用電極(負極)を作製した。負極合剤層の密度は1.6g/cm3であった。作用電極には伸び、変形がなく、断面から見た集電体に凹みがなかった。
[対極(正極)の作製]
リチウム金属箔を、ニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いて、ニッケルネットからなる集電体と、該集電体に密着したリチウム金属箔(厚さ0.5mm)からなる対極(正極)を作製した。
リチウム金属箔を、ニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円形状に打抜いて、ニッケルネットからなる集電体と、該集電体に密着したリチウム金属箔(厚さ0.5mm)からなる対極(正極)を作製した。
[電解液・セパレータ]
エチレンカーボネート33vol%−メチルエチルカーボネート67vol%の混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体(厚さ20μm)に含浸させ、非水電解液が含浸されたセパレータを作製した。
エチレンカーボネート33vol%−メチルエチルカーボネート67vol%の混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体(厚さ20μm)に含浸させ、非水電解液が含浸されたセパレータを作製した。
[評価電池の作製]
評価電池として図1に示すボタン型二次電池を作製した。
外装カップ1と外装缶3は、その周縁部において絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉した。その内部に外装缶3の内面から順に、ニッケルネットからなる集電体7a、リチウム箔よりなる円筒状の対極(正極)4、電解液が含浸したセパレータ5、負極合剤からなる円盤状の作用電極(負極)2および銅箔からなる集電体7bが積層された電池である。
評価電池は、電解液が含浸したセパレータ5を、集電体7bに密着した作用電極2と、集電材7aに密着した対極4との間に挟んで積層した後、作用電極2を外装カップ1内に、対極4を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせ、さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉して作製した。
評価電池は、実電池において、負極活物質として使用可能なバルクメソフェーズ黒鉛化物を含有する作用電極2と、リチウム金属箔とからなる対極4とから構成される電池である。
評価電池として図1に示すボタン型二次電池を作製した。
外装カップ1と外装缶3は、その周縁部において絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉した。その内部に外装缶3の内面から順に、ニッケルネットからなる集電体7a、リチウム箔よりなる円筒状の対極(正極)4、電解液が含浸したセパレータ5、負極合剤からなる円盤状の作用電極(負極)2および銅箔からなる集電体7bが積層された電池である。
評価電池は、電解液が含浸したセパレータ5を、集電体7bに密着した作用電極2と、集電材7aに密着した対極4との間に挟んで積層した後、作用電極2を外装カップ1内に、対極4を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせ、さらに、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密閉して作製した。
評価電池は、実電池において、負極活物質として使用可能なバルクメソフェーズ黒鉛化物を含有する作用電極2と、リチウム金属箔とからなる対極4とから構成される電池である。
(充放電試験)
作製した評価電池について、25℃の温度下で下記のような充放電試験を行い、質量当たりの放電容量、初期充放電効率、急速充電率、急速放電率および電極の連続膨張率を評価した。評価結果を表1に示す。
作製した評価電池について、25℃の温度下で下記のような充放電試験を行い、質量当たりの放電容量、初期充放電効率、急速充電率、急速放電率および電極の連続膨張率を評価した。評価結果を表1に示す。
[質量当たりの放電容量]
回路電圧が0mVに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から質量当たりの充電容量を求めた。その後、120分間休止した。次に0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から質量当たりの放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。第1サイクルにおける充電容量と放電容量から、次式により初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
なおこの試験では、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電、負極材料から離脱する過程を放電とした。
回路電圧が0mVに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた。その間の通電量から質量当たりの充電容量を求めた。その後、120分間休止した。次に0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から質量当たりの放電容量を求めた。これを第1サイクルとした。第1サイクルにおける充電容量と放電容量から、次式により初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
なおこの試験では、リチウムイオンを負極材料に吸蔵する過程を充電、負極材料から離脱する過程を放電とした。
[急速充電率]
第1サイクルに引続き、第2サイクルにて急速充電を行なった。
回路電圧が0mVに達するまで、電流値を第1サイクルの5倍の4.5mAとして、定電流充電を行い、定電流充電容量を求め、次式から急速充電率を計算した。
急速充電率(%)=(第2サイクルにおける定電流充電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
第1サイクルに引続き、第2サイクルにて急速充電を行なった。
回路電圧が0mVに達するまで、電流値を第1サイクルの5倍の4.5mAとして、定電流充電を行い、定電流充電容量を求め、次式から急速充電率を計算した。
急速充電率(%)=(第2サイクルにおける定電流充電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
[急速放電率]
別の評価電池を用い、第1サイクルに引続き、第2サイクルにて急速放電を行なった。前記同様に、第1サイクルを行った後、第1サイクルと同様に充電し、次いで、電流値を第1サイクルの20倍の18mAとして、回路電圧が1.5Vに達するまで、定電流放電を行った。この間の通電量から質量当たりの放電容量を求め、次式により急速放電率を計算した。
急速放電率(%)=(第2サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
別の評価電池を用い、第1サイクルに引続き、第2サイクルにて急速放電を行なった。前記同様に、第1サイクルを行った後、第1サイクルと同様に充電し、次いで、電流値を第1サイクルの20倍の18mAとして、回路電圧が1.5Vに達するまで、定電流放電を行った。この間の通電量から質量当たりの放電容量を求め、次式により急速放電率を計算した。
急速放電率(%)=(第2サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)×100
[電極膨張率]
質量当たりの放電容量、急速充電率、急速放電率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価を行なった。
回路電圧が4.2Vに達するまで0.1Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.1Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。続いて電圧が4.2Vに達するまで0.2Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.2Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。続いて電圧が4.2Vに達するまで0.5Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.5Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。これを計10サイクル繰り返し、得られた膨張厚みから、次式を用いて膨張率を計算した。
電極膨張率(%)={(12サイクル充電時における電極厚み)−(初期サイクル開始時における電極厚み)}/(初期サイクル開始時における電極厚み)×100
質量当たりの放電容量、急速充電率、急速放電率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価を行なった。
回路電圧が4.2Vに達するまで0.1Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.1Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。続いて電圧が4.2Vに達するまで0.2Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.2Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。続いて電圧が4.2Vに達するまで0.5Cの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続けた後、10分間休止した。次に0.5Cの電流値で、回路電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。これを計10サイクル繰り返し、得られた膨張厚みから、次式を用いて膨張率を計算した。
電極膨張率(%)={(12サイクル充電時における電極厚み)−(初期サイクル開始時における電極厚み)}/(初期サイクル開始時における電極厚み)×100
[配向度]
評価電池に供した作用電極(負極)と同じものをX線回折分析し、(004)面に由来する2θ=54.6°付近のピーク強度I004と(110)面に由来する2θ=77.4°付近のピーク強度I110の比I004/I110を配向度として測定した。
評価電池に供した作用電極(負極)と同じものをX線回折分析し、(004)面に由来する2θ=54.6°付近のピーク強度I004と(110)面に由来する2θ=77.4°付近のピーク強度I110の比I004/I110を配向度として測定した。
表1に示すように、作用電極に実施例1の負極材料を用いて得られた評価電池は、高い質量当たりの放電容量を示す。
(実施例2)
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト5質量%(Fe換算で3.5質量%)を添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト5質量%(Fe換算で3.5質量%)を添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト20質量%(Fe換算で14.0質量%)を添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト20質量%(Fe換算で14.0質量%)を添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。
(実施例4)
実施例1において、3150℃で黒鉛化する替わりに、3000℃で黒鉛化した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、3150℃で黒鉛化する替わりに、3000℃で黒鉛化した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、Siを10質量%添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、Siを10質量%添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト5質量%(Fe換算で3.5質量%)およびSiを5質量%添加(Fe換算とSiの合計量が7.5質量%)した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、ヘマタイト5質量%(Fe換算で3.5質量%)およびSiを5質量%添加(Fe換算とSiの合計量が7.5質量%)した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、Al2O3を10質量%(Al換算で7.16質量%)添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、ヘマタイト10質量%添加する替わりに、Al2O3を10質量%(Al換算で7.16質量%)添加した以外は、実施例1と同様にバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
〔バルクメソフェーズ黒鉛化物の調製〕
実施例1において、黒鉛化触媒を使用せずにバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。すなわち、コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中で12時間かけて400℃に昇温し熱処理したのち、不活性雰囲気中で常温まで自然冷却してバルクメソフェーズを得た。
得られたバルクメソフェーズをアトマイザーを用いて粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
次いで、空気中280℃で15分熱処理して表面を酸化させ、不融化処理を行い、不融化物(不融化処理品)を得た。
不融化物(不融化処理品)を窒素ガス雰囲気下、1000℃で焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得た。焼成時に融着したものについては、再度粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
バルクメソフェーズ焼成品を、非酸化性雰囲気中で3100℃以上の高温で黒鉛化処理を行い、バルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。
[評価]
実施例1と同様にして負極合剤層の密度を1.6g/cm3に調整して作用電極を作製し、評価電池を作製した。実施例1と同様の充放電試験を行い、電池特性の評価結果を表1に示す。
〔バルクメソフェーズ黒鉛化物の調製〕
実施例1において、黒鉛化触媒を使用せずにバルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。すなわち、コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中で12時間かけて400℃に昇温し熱処理したのち、不活性雰囲気中で常温まで自然冷却してバルクメソフェーズを得た。
得られたバルクメソフェーズをアトマイザーを用いて粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
次いで、空気中280℃で15分熱処理して表面を酸化させ、不融化処理を行い、不融化物(不融化処理品)を得た。
不融化物(不融化処理品)を窒素ガス雰囲気下、1000℃で焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得た。焼成時に融着したものについては、再度粉砕し、平均粒子径15μmの塊状に賦形した。
バルクメソフェーズ焼成品を、非酸化性雰囲気中で3100℃以上の高温で黒鉛化処理を行い、バルクメソフェーズ黒鉛化物を調製した。
[評価]
実施例1と同様にして負極合剤層の密度を1.6g/cm3に調整して作用電極を作製し、評価電池を作製した。実施例1と同様の充放電試験を行い、電池特性の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、 コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、黒鉛化処理の温度を3150℃の替わりに3000℃とした以外は、比較例1と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1において、 コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、黒鉛化処理の温度を3150℃の替わりに3000℃とした以外は、比較例1と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、 コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、黒鉛化処理の温度を3150℃の替わりに3000℃とした以外は、実施例1と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、 コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、黒鉛化処理の温度を3150℃の替わりに3000℃とした以外は、実施例1と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
〔メソフェーズ小球体黒鉛化物の調製〕
コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中450℃で90分間加熱処理し、メソフェーズ小球体をピッチマトリックス中に35質量%生成させた。その後、タール中油を用いて、メソフェーズ小球体を溶解抽出し、濾過によって分離し、得られたメソフェーズ小球体を窒素雰囲気中120℃で乾燥した。
これを窒素雰囲気中600℃で3時間加熱処理して、メソフェーズ小球体焼成物を調製した。この焼成物を粉砕し、黒鉛るつぼに充填して、非酸化性雰囲気下、3150℃で黒鉛化して、メソフェーズ小球体黒鉛化物を得た。
[評価]
実施例1と同様にして負極合剤層の密度を1.6g/cm3に調整して作用電極を作製し、評価電池を作製した。実施例1と同様の充放電試験を行い、電池特性の評価結果を表1に示す。
〔メソフェーズ小球体黒鉛化物の調製〕
コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)を不活性雰囲気中450℃で90分間加熱処理し、メソフェーズ小球体をピッチマトリックス中に35質量%生成させた。その後、タール中油を用いて、メソフェーズ小球体を溶解抽出し、濾過によって分離し、得られたメソフェーズ小球体を窒素雰囲気中120℃で乾燥した。
これを窒素雰囲気中600℃で3時間加熱処理して、メソフェーズ小球体焼成物を調製した。この焼成物を粉砕し、黒鉛るつぼに充填して、非酸化性雰囲気下、3150℃で黒鉛化して、メソフェーズ小球体黒鉛化物を得た。
[評価]
実施例1と同様にして負極合剤層の密度を1.6g/cm3に調整して作用電極を作製し、評価電池を作製した。実施例1と同様の充放電試験を行い、電池特性の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例4において、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物の外表面にヘマタイトを分散して付着させて黒鉛化した以外は、比較例4と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4において、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物の外表面にヘマタイトを分散して付着させて黒鉛化した以外は、比較例4と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
比較例4において、コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物の外表面にヘマタイトを分散して付着させて黒鉛化した以外は、比較例4と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4において、コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は0.01質量%未満)の替わりに コールタールピッチ(一次QI(キノリン不溶分)含有量は7質量%)を用い、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物に黒鉛化触媒としてヘマタイトを10質量%(Fe換算で7質量%)添加し、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)により、メソフェーズ小球体焼成物の粉砕物の外表面にヘマタイトを分散して付着させて黒鉛化した以外は、比較例4と同様にしてメソフェーズ小球体黒鉛化物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
上記表1に示す結果から明らかなように、原料として、一次QI(キノリン不溶分)含有量が1質量%未満コールタールピッチを使用し、黒鉛化触媒を添加後に焼成し、黒鉛化して得られたバルクメソフェーズ黒鉛化物を負極材料として使用した実施例は、リチウムイオン二次電池の重量当たりの放電容量が高く、連続充放電時の電極膨張率が低かった。
黒鉛化触媒を添加せずに焼成し、黒鉛化して得られたバルクメソフェーズ黒鉛化物を負極材料として使用した比較例1は、リチウムイオン二次電池の質量当たりの放電容量が低かった。
一次QIの高い原材料を用い、かつ黒鉛化触媒を用いなかった比較例2は放電容量と急速充電率、急速放電率が低かった。
一次QIの高い原材料を用いた比較例3は放電容量、放電容量と急速充電率、急速放電率が低かった。
メソフェーズ小球体黒鉛化物を負極材料として使用した比較例4は、リチウムイオン二次電池の質量当たりの放電容量が低かった。
黒鉛化触媒を用いて黒鉛化したメソフェーズ小球体黒鉛化物を使用した比較例5は急速充電率が低かった。
一次QIが1質量%超のピッチを原料として用い、かつ黒鉛化触媒を用いて黒鉛化したメソフェーズ小球体黒鉛化物を使用した比較例6は、放電容量と急速充電率が低かった。
黒鉛化触媒を添加せずに焼成し、黒鉛化して得られたバルクメソフェーズ黒鉛化物を負極材料として使用した比較例1は、リチウムイオン二次電池の質量当たりの放電容量が低かった。
一次QIの高い原材料を用い、かつ黒鉛化触媒を用いなかった比較例2は放電容量と急速充電率、急速放電率が低かった。
一次QIの高い原材料を用いた比較例3は放電容量、放電容量と急速充電率、急速放電率が低かった。
メソフェーズ小球体黒鉛化物を負極材料として使用した比較例4は、リチウムイオン二次電池の質量当たりの放電容量が低かった。
黒鉛化触媒を用いて黒鉛化したメソフェーズ小球体黒鉛化物を使用した比較例5は急速充電率が低かった。
一次QIが1質量%超のピッチを原料として用い、かつ黒鉛化触媒を用いて黒鉛化したメソフェーズ小球体黒鉛化物を使用した比較例6は、放電容量と急速充電率が低かった。
本発明のバルクメソフェーズ黒鉛化物によれば、質量当たりの放電容量が高く、連続充放電時の電極膨張率が低いリチウムイオン二次電池用負極材料が得られる。これは、搭載する機器の小型化および高性能化に有効に寄与するリチウムイオン二次電池の負極材料に用いることができる。
1 外装カップ
2 作用電極(負極)
3 外装缶
4 対極(正極)
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体
2 作用電極(負極)
3 外装缶
4 対極(正極)
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電体
Claims (3)
- 一次QI(キノリン不溶分)の含有量が1質量%以下のタールおよび/またはピッチを熱処理してバルクメソフェーズを得る熱処理工程と、
前記熱処理工程で得られたバルクメソフェーズを不融化してバルクメソフェーズ不融化処理品を得る不融化工程と、
前記不融化工程で得られたバルクメソフェーズ不融化処理品に黒鉛化触媒を添加後、焼成してバルクメソフェーズ焼成品を得る焼成工程と、
前記焼成工程で得られたバルクメソフェーズ焼成品を黒鉛化してバルクメソフェーズ黒鉛化物を得る黒鉛化工程とを有するバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。 - 前記黒鉛化触媒が、Fe2O3のみ又はAl2O3のみである、請求項1に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
- 前記黒鉛化触媒の添加量が、金属元素または半金属元素として、0.5〜30質量%である、請求項1または2に記載のバルクメソフェーズ黒鉛化物の製造方法。
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