JP3685364B2 - 炭素被覆黒鉛粒子の製造方法及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素被覆黒鉛粒子の製造方法及び非水系二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は、黒鉛粒子上に炭素を表面に形成する方法、更に黒鉛へのリチウムの挿入−脱離可能な炭素被覆黒鉛粒子を活物質として負極に用いた非水系二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
炭素被覆黒鉛の製造方法としては、黒鉛基板に被覆する方法と粒子(粉体)に被覆する方法がある。
まず、基板に黒鉛を用いた場合、例えば、以下の炭素被覆方法が知られている。
半導体用の黒鉛基板(平板、治具等)に炭素を被覆する方法として、ガラス状炭素を黒鉛基板に被覆する方法(特開平5−262510号公報)、ガラス状炭素の前駆体を溶剤で溶解し黒鉛基板をコーティングした後、焼成する方法が知られている。また、例えば、プラズマCVD装置のカーボン電極に用いられる黒鉛基板を炭素で被覆する方法として、黒鉛基板を界面活性剤を含む熱硬化性樹脂組成物をコーティングし、ガラス状炭素化させる方法(特開平9−3651号公報)がある。
【0003】
また、黒鉛基板として炭素繊維を用いた場合、例えば、炭素繊維とメソフェーズピッチからなる易黒鉛化炭素層との界面に、難黒鉛化炭素の薄層を配して複合化する方法(特開平4−231376号公報)、炭素繊維強化炭素材を得るために、ピッチ付着剤を溶解した溶剤中にピッチ類を懸濁させた溶液を、炭素繊維の表面に付着させ、その後溶剤を除去し、加熱成形後炭化処理し、更に溶液に含浸し、炭化処理する方法により製造する方法(特開平3−197360号公報)等による炭素被覆方法が知られている。
しかし、上記の方法は成型物、あるいは炭素繊維間の空間を埋め、被覆する方法として有効であるが、粒子状の黒鉛を用いた際には、上記方法では粒子間の空間を埋めてしまうため、粒子上を炭素で被覆することは困難である。
【0004】
そこで粒子を用いた場合、例えば、不定形耐火物用表面処理黒鉛を得るために、黒鉛と樹脂(ピッチ等)とを混合して造粒等の方法で表面を樹脂コートした黒鉛に、親水性でかつ低発泡性の界面活性剤を被覆する方法(特開平4−12064号公報)、黒鉛質炭素と炭素質炭素をメソフェーズピッチ前駆体含有タール留分中に懸濁させ、不活性あるいは減圧下、350〜520℃で熱処理し、タール留分中に含有する軽質留分を留去する方法(特開昭62−123007号公報)、リチウムイオン二次電池用負極活物質を得るために、タールやピッチ等の液に黒鉛粒子を浸漬させ焼成する方法(特開平4−368778号公報及び特開平6−84516号公報)等がある。
【0005】
しかし上記の方法で炭素被覆黒鉛粒子を製造する場合、製造工程中の混合により被覆した粒子の径を揃えるための粉砕工程が必要とされ、その工程で黒鉛粒子上を被覆した炭素が剥離してしまうという問題がある。
更に、電子機器等の軽薄短小化、省電力化に伴い、あるいは電気自動車用の電源としてリチウムイオン二次電池が注目されている。リチウムイオン二次電池の負極にはリチウムの析出−溶解電位に近いリチウムの吸蔵−放出反応を起こす炭素材料が用いられており、中でも黒鉛材料は、理論的に炭素原子6個に対してリチウム原子1個の割合でその結晶格子中にリチウムを取り込むことができることから、単位重量、単位体積あたり高い容量を有する炭素材料である。黒鉛材料はリチウムの挿入−脱離の電位が平坦であり、化学的に安定であり電池のサイクル安定性にも大きく寄与するものである。
【0006】
例えば、J.Electrochem.Soc.,Vol.137,2009(1990).、特開平4−115457号公報、特開平4−115458号公報、特開平4−237971号公報等に示される黒鉛材料を負極活物質に用いるもの、また特開平4−368778号公報、特開平5−28996号公報、特開平5−114421号公報等に示される表面処理した黒鉛材料を負極活物質に用いるもの等がある。
【0007】
上記のように黒鉛材料は、エチレンカーボネート(EC)を主体とする有機電解液において、ほぼ理論容量に近い放電容量が得られ、その充放電の電位がリチウムの溶解−析出の電位よりわずかに高く、かつ非常に平坦であるため、黒鉛材料を負極活物質に用いて電池を作製した場合に、高容量かつ電池電圧の平坦性が高い二次電池が実現できる。
しかしながらその結晶性の高さゆえ、電解液の分解を引き起こすという問題点も残されている。
例えば、有機電解液用溶媒であるプロピレンカーボネート(PC)は、その電位窓の広さ、凝固点の低さ(−49℃)あるいは化学的安定性の高さから、リチウム電池用電解液溶媒として広く用いられている。
【0008】
しかしながら、黒鉛材料を負極活物質に用いた場合、PCの分解反応が顕著に起こり、10%のPCが電解液中に存在するだけで黒鉛材料からなる負極は充放電ができないということが、J.Electrochem.Soc.,Vol.142,1746(1995)で報告されている。
また、ECと低粘度溶媒との混合溶媒系電解液を使用した場合にのみ、黒鉛材料がリチウム二次電池用負極として使用できることは広く知られている。
【0009】
しかしながら、EC主体の電解液は低温でのイオン伝導度が低く、この電解液と黒鉛材料を負極に用いた二次電池を作製した場合、その電池の温度特性あるいは電流特性を電解液の選択によって改善することは、溶媒の選択肢が狭いので非常に困難である。
このような問題を解決すべく特開平4−368778号公報あるいは特開平5−121066号公報に見られるように、黒鉛粒子の表面を低結晶性炭素で被覆した炭素材料を二次電池用負極に用いることが提案されている。これらは電解液の分解を抑え放電容量の増加、サイクル特性の改善に対して有効な手段である。
【0010】
しかしながら、PCを主体とする電解液を用いて二次電池を作製した場合、その負極の製造工程において粒子径をそろえるための粉砕、あるいは電極材作製の際の混練、集電板への塗工等によって、黒鉛粒子表面を被覆した低結晶性炭素が剥離し、電解液の分解によるガス発生により電極が破壊され、電池の容量の低下、サイクル特性の劣化という問題が生じてきた。更に、粉砕等の工程が必要なことから安価な黒鉛材料を用いても製造コストが高くなるという問題があった。
【0011】
また、より低コスト化が期待される製造方法として、特開平6−84516号公報に見られるように、ピッチ等の炭素前駆体と黒鉛粒子とを混合、焼成する方法が挙げられる。しかし、この製造方法の場合、液相工程を採用しているため低結晶性炭素で被覆した黒鉛粒子同士が付着し、負極製造工程における粉砕等によって、黒鉛粒子の活性面が再び現れ、PCの分解が起こるという問題があった。
上記のように黒鉛粒子表面に低結晶性炭素を被覆した場合、その黒鉛粒子と低結晶性炭素との接着強度が弱くすぐに剥離し、電解液の分解を引き起こすという問題点が明らかになった。したがって電池の特性を劣化し、電池製造上の歩留まり低下を引き起こしてきた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、黒鉛粒子を予め界面活性剤で処理した後、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成することを特徴とする炭素被覆黒鉛粒子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記の方法で得られ、界面活性剤由来の炭素を黒鉛粒子の表面に含む炭素被覆黒鉛粒子を活物質とする負極と、リチウムを含有するカルコゲン化物を活物質とする正極と、非水系イオン伝導体とからなることを特徴とする非水系二次電池が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の発明者等は、上記の課題を改善すべく、鋭意研究を行った結果、黒鉛粒子を界面活性剤にて処理した後、炭素を表面に形成させることでより強固に炭素からなる被覆層を形成できることを見出した。
【0014】
特に、黒鉛粒子を界面活性剤にて処理した後、これを焼成することにより黒鉛粒子上に炭素を表面に形成させる方法、界面活性剤にて処理した後、これを熱処理するか又はせずして、炭化水素を気相熱分解により堆積させる、あるいは界面活性剤にて処理した後、炭素前駆体材料と混合する、あるいは炭素前駆体材料と混合した後にこれを焼成することにより黒鉛粒子上に炭素を表面に形成させる方法でより強固に形成することを見出した。
【0015】
これは、黒鉛粒子を界面活性剤で処理することにより黒鉛粒子表面に界面活性剤が吸着し、その界面活性剤を通して、そのまま熱処理すると被覆の強い炭素からなる被覆層をつくることができる。また、黒鉛粒子表面に界面活性剤が吸着し、その界面活性剤を通して、炭素前駆体材料と接合し易くなり、これを熱処理することにより界面活性剤と共に炭素前駆体材料が炭素化され、黒鉛粒子に強固に密着させることができる。同様に気相熱分解による炭素の堆積でも、界面活性剤にて処理した後に熱処理した場合でも、その界面活性剤あるいは熱処理された物質を通して炭素堆積物、あるいは炭素前駆体材料との密着性が上がり、前駆体が炭素化されて、黒鉛粒子に強固に密着させることができる。
【0016】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される黒鉛粒子は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等が好ましい。その形状は、鱗片状、繊維状、ウイスカー状、球状、破砕状等のいずれであってもよい。好ましい黒鉛粒子の物性は、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.350nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上である。また、アルゴンレーザーラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比R値が0.4以下であることが好ましい。
【0017】
非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として使用する際はリチウムを挿入−脱離可能な黒鉛粒子であることが好ましい。その物性として、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上であることが好ましく、更にd002が0.335〜0.338nmがより好ましい。更に、d002が0.335〜0.338nmであると、平均電位が低くなり、負極活物質として好ましい。
また、アルゴンレーザーラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が0.4以下であることが好ましい。
【0018】
黒鉛粒子のd002が0.340nmより大きく、Lc及びLaが10nmより小さく、アルゴンレーザーラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が0.4より大きくなると、負極活物質として高容量が達成できなくなる恐れがあるため好ましくない。
【0019】
黒鉛粒子はBET法による比表面積が、0.1〜150m2/g、平均粒径が0.1μm〜1cmであることが好ましい。非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として使用する際は、比表面積が0.1〜150m2/gであることが好ましく、0.5〜150m2/gがより好ましく、0.5〜50m2/gが更に好ましい。黒鉛粒子の比表面積が0.1m2/gより小さくなると電解液との接触面積が小さくなり電極の電流特性が低下し、150m2/gより大きくなると電解液との接触面積が大きくなりすぎ自己放電が大きくなるので好ましくない。
【0020】
平均粒径においては0.1〜80μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましく、0.7〜50μmが更に好ましい。また、黒鉛粒子の平均粒径が0.1μmより小さくなると電池のセパレーターの空孔を通して内部短絡を引き起こす可能性が高く、80μmより大きくなると電極を作製する工程上でのハンドリングが悪くなるため好ましくない。
黒鉛粒子の密度は、1.8〜2.26g/cm2であることが好ましい。非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として使用する際は、密度は1.9〜2.26g/cm2がより好ましい。密度が1.8g/cm2より小さいと体積あたりの容量が小さくなるので不利になる。2.26g/cm2より大きい場合は、理論的に困難であるので好ましくない。
【0021】
また、本発明によれば、黒鉛粒子を界面活性剤にて処理した後、表面に炭素からなる被覆層を形成することを特徴とする。
使用される界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0022】
アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩がある。具体的には、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩(好ましくは炭素数が8〜25)、ラウリル硫酸エステルナトリウム、セチル硫酸エステルナトリウム、ステアリル硫酸エステルナトリウム、オレイル硫酸エステルナトリウム等のアルコール硫酸エステル塩、ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなアルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩、ベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、テトラプロピレンベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、イゲポンT型、エアロゾルOT(スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸エステル)等のアルキルスルホコハク酸エン、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、アルコールリン酸エステル塩、アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩、ジチオリン酸エステル塩等がある。
【0023】
カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミン塩、ヤシアミン塩、ステアリルアミン塩等のアルキルアミン塩、ヒドロキシエチルステアリルアミン等のアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、ソロミンA型、サパミンA型、アーコベルA型、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のイミダゾリン型、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、サパミン型、ピリジニウム塩(セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジニウムクライド等)等の第四級アンモニウム塩等がある。
【0024】
両性イオン系界面活性剤としては、ラウリルアミノプロピオン酸メチル塩酸塩、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アルキルベタイン、ラウリルアミド酢酸ベタイン等のベタイン型両面活性剤、レシチンのようなリン酸エステル塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤等がある。
【0025】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、アルコールエチレンオキサイド付加物(ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物)、オレインアルコールエチレンオキサイド付加物、セチルアルコールエチレンオキサイド付加物等)、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物(ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ドデシルフェノールエチレンオキサイド付加物、オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物等)、脂肪酸エチレンオキサイド付加物(ステアリン酸エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールオレイン酸モノエステル、ポリエチレングリコールラウリル酸ジノエステル、ポリエチレングリコールオレイン酸ジノエステル等)、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー等のポリエチレングリコール型、グリセリンの脂肪酸エステル(ラウリル酸モノグリセライドステアリン酸トリグリセライド等)、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル(ペンタエリスリットパルミチン酸モノエステル等)、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステル、アルキルアカノールアミド等の多価アルコール型、ポリオキシエチレンアルキルアミン等がある。これらの中で、アニオン系、ノニオン系、両性イオン系界面活性剤を用いると、黒鉛基材との馴染が特によいので好ましい。更に、品種の多さ、量産性の観点からアニオン系とノニオン系の界面活性剤が好ましい。これらの中で、ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸塩(好ましくは炭素数が8〜25)、アルキルスルホコハク酸塩、ソルビタン脂肪酸エステルは、前記効果が高いのでより好ましい。
【0026】
次に、黒鉛粒子を界面活性剤で処理する。なお、この処理には、単に界面活性剤との混合も含まれる。この工程で界面活性剤は、そのまま使用してもよく、あるいは水等の溶媒と混合した溶液として用いてもよい。ここで、処理には、混合に加えて更に溶媒を除去する工程も含まれる。混合方法は限定されないが、具体的には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、万能ミキサー等の撹拌機を用いた方法が挙げられる。このとき、適便、水を加えることも可能である。
【0027】
混合温度としては、界面活性剤、必要に応じて溶媒の種類によって適宜選択されるが、10℃〜100℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは10℃〜80℃の範囲である。また、このように温度を調整することにより、黒鉛粒子との馴染がよくなる。なお、界面活性剤により異なるが、温度を高くすると馴染がよくなり、逆に温度を低くすると馴染が若干悪くなる傾向がある。また、適便水を加える場合は、水の蒸発を考慮して10℃〜80℃の範囲であることが好ましい。
【0028】
処理工程として混合の後、溶媒を除去するための乾燥処理を施してもよい。特に溶媒として水を用いたときは、次工程の熱処理又は炭化水素を気相熱分解により堆積させる工程、あるいは炭素前駆体材料を混合する工程において、水による気泡の発生、炭素前駆体材料との馴染が悪くなる等の悪影響を与えるので、水は除去することが好ましい。除去方法としては、加熱により溶媒(特に水分)を蒸発させる方法がある。乾燥温度としては20℃〜200℃が好ましく、更に70℃〜200℃が好ましい。この際、減圧下で行ってもよい。
【0029】
更に、必ずしも必要でないが、処理工程と連続的に熱処理してもよい。熱処理は、界面活性剤の種類により異なるが、100〜500℃が好ましく、更に200〜400℃がより好ましい。この熱処理により、後の焼成工程、炭化水素を気相熱分解により堆積させる工程で気泡の発生をより抑えることができる。熱処理の雰囲気は、真空、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気、空気、酸素、オゾン、一酸化炭素、イオウ酸化物等の酸化性雰囲気、水素ガスが混じった還元雰囲気で行ってもよい。
【0030】
黒鉛粒子と界面活性剤との混合比は、それぞれの種類によって異なるが、黒鉛粒子と界面活性剤の重量比で100:5〜1000が好ましい。更に100:10〜100がより好ましい。100:5より界面活性剤が少ないと、黒鉛粒子との馴染の効果が少なくなる。また、100:1000より界面活性剤が多いと、後の焼成工程、炭化水素を気相熱分解により堆積させる工程で気泡の発生等が起こるため好ましくない。100:10〜100のときは比較的、気泡の発生が少ないためより好ましい。
黒鉛粒子が凝集している場合には、処理後に、粉砕あるいは解砕を行ってもよい。
【0031】
上記のように界面活性剤で処理された黒鉛粒子(以後、処理黒鉛と記載する)は、以下に示す工程を経て炭素被覆黒鉛粒子に変換される。
(1)「処理黒鉛」を焼成し、黒鉛粒子の表面に界面活性剤由来の炭素からなる被覆層を形成する。
(2)「処理黒鉛」に炭化水素の気相熱分解により黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する。
(3)「処理黒鉛」と被覆用炭素前駆体材料を混合した後、焼成し、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する。
(4)「処理黒鉛」を焼成した後、炭化水素の気相熱分解により黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する。
(5)「処理黒鉛」を焼成した後、被覆用炭素前駆体材料を混合することにより、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する。
(6)「処理黒鉛」を焼成した後、「処理黒鉛」を焼成したものと被覆用炭素前駆体材料を混合し、さらに焼成することで、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する。
【0032】
これらの工程の内で(1)〜(4)が少ない工程数で黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成することが可能であるのでより好ましい。
焼成工程においては、界面活性剤及び/又は炭素前駆体材料を炭化させる場合は、600℃〜2000℃程度の温度で焼成することが好ましく、900℃〜1300℃で焼成することがより好ましい。黒鉛化する場合は2000℃〜3000℃程度の温度にて焼成することが好ましく、2500〜3000℃程度で焼成することがより好ましい。
【0033】
焼成の雰囲気は、水素ガス、炭化水素ガスが混じった還元雰囲気中、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、真空状態等が挙げられる。また焼成温度にかかわらず、昇温速度としては1℃/hr〜300℃/hrの範囲にて適宜選択され、焼成時間としては6時間〜1ケ月程度にて行うことができる。速い昇温速度においては量産性の向上が可能であり、遅い昇温速度では被覆層の炭素が緻密になる。
【0034】
炭化水素の気相熱分解による炭素の堆積工程では、炭化水素類をガス状にして、非酸化性雰囲気中(窒素雰囲気やアルゴン雰囲気の気流中、密閉状態中又は減圧状態中等)にて熱分解させ、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する方法である。
【0035】
ここで原料となる炭化水素とは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素のいずれであってもよく、これらは置換基(ハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、カルボキシル基等)を一部に有していてもよい。これらの具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ベンゼン、トルエン、ピリジン、アリルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、アニリン、フェノール、1,2−ジブロモエチレン、2−ブチン、アセチレン、ビフェニル、ジフェニルアセチレン、スチレン、アクリロニトリル、ピロール、チオフェン及びそれらの誘導置換体、あるいは天然ガス等が挙げられる。
【0036】
熱分解温度は、500℃〜2000℃がよく、更に700〜1300℃がより好ましい。製造温度が500℃より低い場合、製造速度が遅くなるため好ましくない。200℃より高いと経済的に好ましくない。700〜1300℃が製造速度、経済性から考えてより好ましい。
【0037】
炭素前駆体材料としては、ナフタレン、フェナントレン、アセナフチレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ペリレンデカシクレン、ゼスレンカルバゾール、アクリジン、フェナジン、テトラベンゾフェナジン、チオフェン、ジフェニルスルフィド、チアンスレン、アダマンタン、ビフェニル、テルフェニル、トリフェニルベンゼン等の炭化水素や、脂肪酸炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、更にこれらの置換体(ハロゲン原子、水酸基、スルホン酸基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、カルボキシル基等で置換)を加熱及び/又は加圧下で重縮合して得られたタールやピッチ類、あるいは、石油系や石炭系の材料等から得られ、上記炭化水素の混合物を主成分とするタール、ピッチ、アスファルト、油類が挙げられる。
黒鉛粒子と炭素前駆体材料との混合方法は特に限定されないが、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、万能ミキサー等の撹拌機を用い混合する方法が挙げられる。
【0038】
炭素前駆体材料を混合した後での焼成工程においては、前記の焼成工程と同様に、炭化する場合は600℃〜2000℃程度の温度で焼成することが可能であり、900℃〜1300℃で焼成することがより好ましい。黒鉛化する場合は2000℃〜3000℃程度の温度にて焼成することが可能であり、2500〜3000℃程度で焼成することが好ましい。焼成の雰囲気は、水素ガス、炭化水素ガス、両者が混じった還元雰囲気中、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、真空状態等が挙げられる。また焼成温度にかかわらず、昇温速度としては1℃/時〜300℃/時の範囲にて適宜選択され、焼成時間としては6時間〜1ケ月程度にて行うことができる。速い昇温速度においては量産性の向上が可能であり、遅い昇温速度では被覆層の炭素が緻密になる。
【0039】
なお、被覆層の炭素は、黒鉛粒子より通常結晶性が劣っている。具体的には、その結晶性は、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比R値が核となる黒鉛粒子の値R1より被覆層の炭素の値R2のほうが大きくなる(R1<R2)。また、炭素被覆黒鉛粒子の物性としては、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が核となる黒鉛粒子の値以上であり、好ましくは0.335〜0.350nm、である。さらに好ましくは(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上である。BET法による比表面積が0.1〜150m2/g、平均粒径が0.1μm〜1cmであることが好ましい。密度は、1.8〜2.26g/cm2であることが好ましい。
【0040】
非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として使用する際は炭素被覆黒鉛粒子の物性として、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上が好ましく、さらにd002が0.335〜0.338nm、Lcが80nm以上、Laが60nm以上がより好ましい。また、アルゴンレーザ−ラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比R値が核となる黒鉛粒子の値R1より被覆層の炭素値R2のほうが大きく(R1<R2)、0.2より大きいことが好ましい。また、より好ましくは、0.2より大きく2.0より小さく、さらに好ましくは0.4以上2.0より小さい範囲である。炭素被覆黒鉛粒子のd002が0.340nmより大きく、LcおよびLaが10nmより小さくなると、負極活物質として高容量が達成できなくなる。さらに、d002が0.335〜0.338nmであると、平均電位が低くなり、負極活物質として好ましい。アルゴンレーザ−ラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が0.2以下になると充電時に溶媒の分解が起こりやすくなり好ましくない。
【0041】
比表面積は0.1〜50m2/g、さらに、0.1〜20m2/gがより好ましい。平均粒径においては0.1〜80μm、さらに0.5〜50μmであることが好ましい。黒鉛粒子の比表面積が0.1m2/gより小さくなると電解液との接触面積が小さくなり電極の電流特性が低下し、50m2/gより大きくなると電解液との接触面積が大きくなりすぎ自己放電が大きくなるので好ましくない。また、黒鉛粒子の平均粒径が0.1μmより小さくなると電池のセパレーターの空孔を通して内部短絡を引き起こす可能性が高く、80μmより大きくなると電極を作製する工程上でのハンドリングが悪くなるため好ましくない。
密度は1.9〜2.26g/cm2がより好ましい。密度が1.9より小さいと体積あたりの容量が小さくなるので不利になり、2.26より大きくなるのは理論上困難である。。
【0042】
このようにして得られた炭素被覆黒鉛粒子をリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いた場合、電解液の有機溶媒と反応しにくいため、電解液の分解や炭素材料の破壊が起こりにくい。その結果、初回の充放電効率が遅くなり、電池を作製した場合、安全性が向上し、容量も高くなる。
【0043】
上述のようにして得られた炭素被覆黒鉛粒子をリチウムイオン二次電池用負極として用いる場合には、通常、炭素被覆黒鉛粒子と結着材とを混合して形成される。この際、導電性を向上するために導電材も混合することも可能である。
【0044】
ここで使用されうる結着材には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム類等を用いることができるが、これに限定されるものではない。黒鉛粒子と結着材との重量比は、99:1〜70:30とすることが好ましい。結着材の重量比が70:30より大きくなると、電極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり、放電容量が低くなるため実用的なリチウム二次電池が作製できない。また、結着材の重量比が99:1より小さくなると黒鉛粒子自身あるいは黒鉛粒子と集電体との結着能力が十分でなくなり、活物質の脱落や機械的強度の低下により電池の作製が困難である。
【0045】
なお、負極作製において、結着性を向上させるため及び結着材の溶剤を除去するために、溶剤の沸点以上でかつ結着剤の融点前後の温度で真空中、不活性ガス雰囲気中あるいは空気中で熱処理を行うのが好ましい。
【0046】
導電材には、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネンルブラック等)等の炭素類や、金属粉末を用いることができるが、これに限定されるものではない。黒鉛粒子と導電材の重量比は、混合しなくてもよいのだが、混合する場合は100:0〜30が好ましく、より好ましくは100:0〜10である。導電材の重量比が100:30より大きくなると、放電容量が小さくなるため実用的なリチウムイオン電池が作製できない。
【0047】
更に、負極は、集電体上に形成してもよい。集電体としては、銅、ニッケル等がある。形状は、箔の他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体等が用いられる。厚みは、1μm〜1mmのものが用いられるが、特に限定されない。
また、二次電池は、負極以外に、通常イオン伝導体及び正極を備えている。
イオン伝導体は、特に限定はされないが、例えば有機電解液(電解質塩と有機溶媒から成り立っている)、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができ、この中でも有機電解液を好適に用いることができる。
【0048】
有機溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)を必須成分とすることが好ましい。また、その他の溶媒として、ブチレンカーボネートのような環状カーボネート類と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジトメキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらをPCとECに加えることができる。より好ましい他の溶媒はジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類であり、更にエチルメチルカーボネートが好ましい。
【0049】
また、本発明で使用される有機溶媒は、PCとECとの体積比で、PC:EC=9:1〜1:9の混合溶媒と任意に他の溶媒とを組み合わせた混合溶媒である場合が好ましい。更に好ましくは、PCとECの体積比がPC:EC=9:1〜5:5の混合溶媒と任意に他の溶媒とを組み合わせた混合溶媒である。PC:EC=9:1よりもPCが多くなると、溶媒の分解が優先的に起こり実際の二次電池には使用できない。またPC:EC=1:9よりPCが少なくなると、−40℃以下での電解液の特性が低下するため、低温で二次電池が作動しないので好ましくない。PCの凝固点は、−48.8℃、ECの凝固点は、36.4℃であるため、PCとECの体積比がPC:EC=5:5よりもECの含有量が多いと電解液の特性がECに近い特性となるため、低温での二次電池の特性があまり期待できないため好ましくない。
【0050】
他の溶媒は、低粘度溶媒であることが好ましく、前記のPCとECのみの混合溶媒と低粘度溶媒との混合比は限定されない。低粘度溶媒を用いることで、PCやECの混合溶媒だけを用いた時に比べ、電解液の粘性が下がり、リチウムイオンの伝導度が高くなるため好ましい。
【0051】
ここで低粘度溶媒とはPCより粘度が低い溶媒であり、25℃では2.53cPより小さい有機溶媒である。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等である。
【0052】
電解質塩として、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、リンフッ化リチウム(LiPF6)、6フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)、6フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、トリフルオロ酢酸リウチム(LiCF3COO)、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム(LiAlCl4)等のリチウム塩が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を混合して使用される。
前記から選ばれた溶媒に電解質塩を溶解することによって電解液を調製する。電解液を調製する際に使用する溶媒、電解質塩は、上記に挙げたものに限定されない。
【0053】
無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物及び酸素酸塩等が知られている。例えば、Li3N、LiI、Li3N−LiI−LiOH、LiSiO4、LiSiO4−LiI−LiOH、Li3PO4−Li4SiO4、硫化リン化合物、Li2SiS3等がある。
【0054】
有機固体電解質では、上記の電解質と電解質の解離を行う高分子とから構成された物質、高分子にイオン解離基を持たせた物質等がある。電解質の解離を行う高分子として、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体、該誘導体を含むポリマー、リン酸エステルポリマー等がある。
【0055】
その他に上記非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電解液の混合物、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有機固体電解質を併用する方法も知られている。
【0056】
なお、イオン伝導体に有機電解液を使用した場合は、電解液を保持するためのセパレーターを正極と負極間に設けてもよい。セパレーターとしては、電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の不織物あるいは織布、アルミナ等の粉末成形体等が挙げられる。中でも合成樹脂のポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布が、品質の安定性等の点から好ましい。これら合成樹脂の不織布では電池が異常発熱した場合に、セパレーターが熱によって融解し正極と負極との極間を遮断する機能を付加したものもあり、電池の安全性の観点からもこれらを好適に使用することができる。セパレーターの厚みは特に限定されないが、必要量の電解液を保持することが可能で、かつ正極と負極との短絡を防ぐ厚さがあればよく、通常0.01〜1mm程度のものを用いることができ、好ましくは0.02〜0.05mm程度である。
【0057】
本発明の非水系二次電池の正極としては、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2や、この系列のLixM1-yNyO2(ここでMはFe、Co、Niのいずれかであり、Nは遷移金属、4B族、あるいは5B族の金属を表す)、LiMn2O4や、この系列のLiMn2―zNzO4(ここでNは遷移金属、4B族、あるいは5B族の金属を表す)等のリチウムを含有した酸化物を正極活物質として用いることができる。リチウムを含有する遷移金属カルコゲン化合物を用いると、電池が放電状態で完成されるため製造工程中の安全性を考えると好ましい。
【0058】
リチウムを含有しない酸化物としてMnO2、MoO3、V2O5、V6O13等も用いることができる。ただし、これら酸化物を使用した場合は、負極又は正極にあらかじめリチウムを含有させておく必要があり、製造工程が煩雑化するため好ましくない。
【0059】
正極は、通常、正極活物質に導電材、結着材を混合して形成される。この混合比は、正極活物質100重量部に対して、導電材を5〜50重量部、結着材を1〜30重量部とすることができる。
【0060】
導電材が5重量部より小さい、あるいは結着材が30重量部より大きいと、電極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり、電極の放電容量が低くなるため実用的なリチウム二次電池が作製できない。導電材が50重量部より多いと電極内に含まれる活物質量が相対的に減るため、正極としての放電容量が低くなる。結着材が1重量部以上ないと活物質の結着能力がなくなり、活物質の脱落や機械的強度の低下により電池の作製上困難であり、30重量部より多いと導電材の場合と同様に、電極内に含まれる活物質量が減り、更に、電極の内部抵抗あるいは分極等が大きくなり放電容量が低くなり実用的ではない。
【0061】
導電材には、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネンルブラック等)等の炭素類や、グラファイト粉末、金属粉末等を用いることができるがこれに限定されるものではない。
結着材には、ポリテトレフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム類等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、正極作製において、結着性を向上させるために各々の結着材の融点前後かつ、溶媒の沸点以上の温度で熱処理を行うことが好ましい。
【0062】
更に、正極を集電体上に形成してもよい。集電体としては、金属単体、合金等が用いられる。たとえばチタン、アルミニウムやステンレス鋼等がある。また、銅、アルミニウムやステンレス鋼の表面にチタン、銀を処理したもの、これらの材料を酸化したものが用いられる。形状は、箔の他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体等が用いられる。厚みは、1μm〜1mmのものが用いられるが特に限定されない。
電池の形状はコイン、ボタン、シート、円筒、角等いずれにも適用できる。
コインやボタン形電池のときは、正極や負極はペレット状に形成し、これを缶中に入れ、絶縁パッキンを介して蓋をかしめる方法が一般的である。
【0063】
円筒、角形電池では、主にシート電極を缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、絶縁パッキンを介して封口板を封口、あるいはハーメチックシールにより封口板と缶を絶縁して封口し電池を作る。このとき、安全素子を備えつけた安全弁を封口板として用いることができる。安全素子には、例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等がある。また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、ガスケットに亀裂を入れる方法、封口板に亀裂を入れる方法、電池缶に切り込みを入れる方法等を用いる。また、過充電や過放電対策を組み込んだ外部回路を用いてもよい。
【0064】
ペレットやシート電極はあらかじめ乾燥、脱水されていることが好ましい。乾燥、脱水方法としては、一般的な方法を利用することができる。例えば、熱風、真空、遠赤外線、電子線及び低湿風等を単独あるいは組み合わせて用いる方法がある。温度は50〜380℃の範囲が好ましい。
【0065】
【実施例】
以下、実施例により発明を具体的に説明する。なお、X線広角回折法による平均面間隔(d002)あるいは結晶子の大きさ(Lc、La)を測定する方法は、公知の方法、例えば“炭素材料実験技術1、p.55〜63、炭素材料学会編(科学技術社)”に記載された方法によって行うことができる。Lc、Laを求める形状因子Kは0.9を用いた。また、粒子の比表面積はBET法により測定し、粒径及び粒度分布はレーザー回折式粒度分布計を用い測定し、粒径は粒度分布におけるピークを平均粒径とした。R値は514.5nmのアルゴンレーザーを用いた分光測定法により観察される2本のピークより、1360cm-1付近のピーク強度I1360と1580cm-1付近のピーク強度I1580の強度比、つまりR値=I1360/I1580として求められる。
【0066】
〈実施例1〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(塊状、粒径は7.5μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.1、比表面積は11m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてアニオン系界面活性剤であるデモールEP(花王株式会社、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)を重量比100:1000で、室温にて混合した後に、450℃、2時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0067】
この処理黒鉛を窒素中、1800℃にて6時間焼成し、炭素被覆黒鉛粒子(粒径は8.3μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは96nm、R値は0.3、比表面積は9m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径及びR値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は、1つのピークが存在するのみであった。
【0068】
〈実施例2〉
黒鉛粒子に天然黒鉛(マダガスカル産、鱗片状、粒径は12μm、、d002は0.336nm、Lcは17nm、Laは27nm、R値は0.1、比表面積は7.5m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン905(花王株式会社、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、水を重量比100:200:50で、80℃にて混合した後に、150℃、10時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを350℃、2時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0069】
次に図1に示す電気炉の試料台にこの処理黒鉛1gを載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれアルゴンとベンゼンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は12cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の処理黒鉛粉末を800℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるベンゼンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。堆積時間は3時間であった。以上のごとく炭素被覆黒鉛粒子(粒径は15.2μm、d002は0.336nm、Lcは16nm、Laは27nm、R値は0.4、比表面積は12.1m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が大きくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0070】
〈実施例3〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン106(花王株式会社、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、水を重量比100:100:50で、10℃にて混合した後に、70℃にて減圧乾燥処理した。更にこれを250℃、4時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0071】
この処理黒鉛をコールタールピッチと重量比100:25の割合で250℃で混合し、得られたものを窒素雰囲気下1000℃にて1ケ月間焼成した。焼成炉から試料を取り出し乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、炭素被覆黒鉛粒子(粒径は10.1μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.5、比表面積は8m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散のあとの粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0072】
〈実施例4〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてアニオン系界面活性剤であるペレックスNBL(花王株式会社、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム)、水を重量比100:5:200で、50℃にて混合した後に、170℃にて乾燥処理した。更にこれを200℃、72時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0073】
この処理黒鉛を窒素中、600℃にて24時間焼成した後、実施例2のごとく、図1に示す電気炉の試料台に載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれアルゴンとベンゼンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は12cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の粉末を1200℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるベンゼンを熱分解することにより処理黒鉛の焼成物の表面に、気相より炭素を堆積させた。堆積時間は1時間であった。炭素被覆黒鉛粒子(粒径は10.5μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.6、比表面積は9m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が大きくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散のあとの粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0074】
〈実施例5〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン404(花王株式会社、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、水を重量比100:50:150で、70℃にて混合した後に、120℃、空気中にて乾燥処理した。更にこれを300℃、5時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0075】
この処理黒鉛を窒素中、900℃にて72時間焼成した後、実施例3のごとく、コールタールピッチと重量比100:20の割合で300℃に加熱しつつ混合し、冷却した後、得られたものを乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、炭素被覆黒鉛粒子(粒径は12.2μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は1.0、比表面積は10m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0076】
〈実施例6〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲンA−60(花王株式会社、ポリオキシエチレン誘導体)、水を重量比100:10:150で、30℃にて混合した後に、150℃にて乾燥処理した。更にこれを400℃、1時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0077】
この処理黒鉛を窒素中、1300℃にて2時間焼成した後、実施例3のごとく、コールタールピッチと重量比100:25の割合で250℃に加熱しつつ混合し、得られたものを窒素雰囲気下1000℃にて1ヶ月間焼成した。焼成炉から試料を取り出し乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、炭素被覆黒鉛粒子(粒径は11.2μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.5、比表面積は9m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0078】
〈比較例1〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
実施例2のごとく図1に示す電気炉の試料台にこの黒鉛粒子1gを載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれアルゴンとベンゼンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は12cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の処理黒鉛粉末を800℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるベンゼンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。堆積時間は3時間であった。以上のごとく炭素被覆黒鉛粒子(粒径は10.2μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.3、比表面積は10.7m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積は同等であることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は2つのピークが存在することが判明した。
【0079】
〈比較例2〉
黒鉛粒子に実施例1で用いた人造黒鉛を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
実施例3のごとく、コールタールピッチと重量比100:25の割合で250℃に加熱しつつ混合し、得られたものを窒素雰囲気下1000℃にて1ヶ月間焼成した。焼成炉から試料を取り出し乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、炭素被覆黒鉛粒子(粒径は9.7μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.3、比表面積は11.6m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積は大きくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は2つのピークが存在することが判明した。
【0080】
〈実施例7〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(塊状、粒径は16.2μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは71nm、R値は0.3、比表面積は14.4m2/g、密度は2.0g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン905(花王株式会社、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、水を重量比100:70:150で、室温にて混合した後に、150℃、10時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを300℃、2時間、空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0081】
次に、実施例2のごとく、図1に示す電気炉の試料台にこの処理黒鉛1gを載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれ窒素とプロパンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は15cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の処理黒鉛粉末を900℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるプロパンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。堆積時間は2時間であった。以上のごとく炭素被覆黒鉛粒子(粒径は17.8μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは71nm、R値は0.4、比表面積は13.1m2/g、密度は2.0g/cm3)を得た。この結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0082】
〈実施例8〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(球状、粒径は11.6μm、d002は0.338nm、Lcは83nm、Laは63nm、R値は0.4、比表面積は6.8m2/g、密度は2.0g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子を実施例7と同様にして処理黒鉛を作製し、炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
【0083】
得られた炭素被覆黒鉛粒子(粒径は13.7μm、d002は0.338nm、Lcは83nm、Laは63nm、R値は0.5、比表面積は7.5m2/g、密度は2.0g/cm3)は、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散のあとの粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0084】
〈実施例9〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(球状、粒径は18.9μm、d002は0.340nm、Lcは42nm、Laは50nm、R値は0.5、比表面積は9.2m2/g、密度は1.8g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子を実施例7と同様にして処理黒鉛を作製し、炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
【0085】
得られた炭素被覆黒鉛粒子(粒径は21.3μm、d002は0.340nm、Lcは42nm、Laは50nm、R値は0.7、比表面積は11.2m2/g、密度は1.8g/cm3)は、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が大きくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0086】
〈実施例10〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(塊状、粒径は23.8μm、d002は0.347nm、Lcは25nm、Laは15nm、R値は0.7、比表面積は13.5m2/g、密度は1.6g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子を実施例7と同様にして処理黒鉛を作製し、炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
【0087】
得られた炭素被覆黒鉛粒子(粒径は26.1μm、d002は0.347nm、Lcは25nm、Laは15nm、R値は0.8、比表面積は12.0m2/g、密度は1.6g/cm3)は、粒径は大きくなり、R値は大きくなり、比表面積が小さくなっていることがわかった。また、2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0088】
実施例1〜10、比較例1、2から炭素被覆黒鉛粒子を製造するにあたり界面活性剤を使用することは有用であることがわかる。特に、界面活性剤を使用し製造した炭素被覆黒鉛粒子、水中での超音波分散においても粒度分布(差分分布)は1つのピークしか存在しなく強固に被覆していることが判明した。また、界面活性剤の重量混合は100:5〜100:1000が可能であり、黒鉛粒子と界面活性剤の混合温度は、10℃〜100℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは10℃〜80℃の範囲であることが分かる。混合後の乾燥処理は70℃〜200℃までが可能である。
【0089】
〈実施例11〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(鱗片状、粒径は9μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.1、比表面積は14.0m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素を付着した炭素材料を作製した。
【0090】
この黒鉛粒子に界面活性剤としてアニオン系界面活性剤であるホモゲノールL−18(花王株式会社、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)、水を重量比100:30:150で、室温にて混合した後に、130℃、72時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを140℃・48時間(Alp)、200℃・24時間(A2p)、250℃・24時間(A3p)、300℃、12時間(A4p)、350℃・6時間(A5p)、400℃・2時間(A6p)、450℃・1時間(A7p)、500℃・1時間(A8p)、それぞれ空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、処理黒鉛を作製した。
【0091】
次に、実施例7のごとく、図1に示す電気炉の試料台にこれらのA1pからA8pのそれぞれの処理黒鉛を載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれ窒素とプロパンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は15cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の粉末を850℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるプロパンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。堆積時間は2時間であった。以上のごとく炭素被覆黒鉛粒子A1(粒径は16.2μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.7、比表面積は15.2m2/g、密度は2.2g/cm3)、A2(粒径は14.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は14.8m2/g、密度は2.2g/cm3)、A3(粒径は10.7μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は12.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、A4(粒径は12.9μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.4、比表面積は13.6m2/g、密度は2.2g/cm3)、A5(粒径は11.5μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.3、比表面積は10.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、A6(粒径は10.8μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は9.9m2/g、密度は2.2g/cm3)、A7(粒径は10.2μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.4、比表面積は12.3m2/g、密度は2.2g/cm3)、A8(粒径は10.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.3、比表面積は13.4m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。これらの結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなっていることがわかった。また、A1〜A8の2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
実施例11より、熱処理温度は200℃から500℃まで使用可能である。
【0092】
〈実施例12〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(鱗片状、粒径は9μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.1、比表面積は14.0m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
【0093】
この黒鉛粒子に界面活性剤としてアニオン系界面活性剤であるポイズ520(花王株式会社、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)、水を重量比100:30:150で、室温にて混合した後に、150℃、24時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを350℃・4時間空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、各々、処理黒鉛を作製した。
【0094】
次に、実施例7のごとく、図1に示す電気炉の試料台に処理黒鉛1gを載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれ窒素とプロパンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は15cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の処理黒鉛粉末を所定の温度にし、ガス導入口8より供給されるプロパンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。それぞれの所定の温度及び堆積時間は550℃・24時間(B1)、650℃・24時間(B2)、700℃・24時間(B3)、800℃・12時間(B4)、900℃・2時間(B5)、1000℃・1時間(B6)、1200℃・1時間(B7)、1300℃・1時間(B8)、1400℃・1時間(B9)である。
【0095】
以上のごとく得られた炭素被覆黒鉛粒子はB1(粒径は11.2μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.2、比表面積は10.3m2/g、密度は2.2g/cm3)、B2(粒径は10.8μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.2、比表面積は13.5m2/g、密度は2.2g/cm3)、B3(粒径は9.8μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.3、比表面積は12.6m2/g、密度は2.2g/cm3)、B4(粒径は11.6μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.3、比表面積は9.7m2/g、密度は2.2g/cm3)、B5(粒径は12.9μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は8.3m2/g、密度は2.2g/cm3)、B6(粒径は10.6μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.7、比表面積は13.8m2/g、密度は2.2g/cm3)、B7(粒径は11.3μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は14.5m2/g、密度は2.2g/cm3)、B8(粒径は9.7μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.8、比表面積は16.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、B9(粒径は10.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.7、比表面積は14.2m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。これらの結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなっていることがわかった。また、B1〜B9の2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
実施例12より、気相熱分解における製造温度は500℃から使用可能である。
【0096】
〈実施例13〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(塊状、粒径は7.5μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.1、比表面積は11.0m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
【0097】
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン705(花王株式会社、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル)、水をそれぞれ重量比100:5:150(C1p)、100:10:150(C2p)、100:50:150(C3p)、100:80:100(C4p)、100:100:100(C5p)、100:150:50(C6p)、100:200:50(C7p)で、室温にて混合した後に、150℃、3時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを350℃・3時間、それぞれ空気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、各々、処理黒鉛を作製した。
【0098】
次に、実施例3のごとく、C1pからC7pの処理黒鉛をコールタールピッチと重量比100:25の割合で250℃に加熱しつつ混合し、得られたものを窒素雰囲気下1000℃にて1週間焼成した。焼成炉から試料を取り出し乳鉢にて粉砕し、ふるいにより粒径をそろえ、それぞれ炭素被覆黒鉛粒子を得た。
【0099】
以上のごとく得られた炭素被覆黒鉛粒子はC1(粒径は9.6μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.6、比表面積は9.5m2/g、密度は2.2g/cm3)、C2(粒径は8.8μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.6、比表面積は10.2m2/g、密度は2.2g/cm3)、C3(粒径は7.9μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.5、比表面積は11.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、C4(粒径は8.9μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.6、比表面積は10.3m2/g、密度は2.2g/cm3)、C5(粒径は9.3μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは96nm、R値は0.7、比表面積は8.5m2/g、密度は2.2g/cm3)、C6(粒径は10.1μm、d002は0.336nm、Lcは100nm、Laは97nm、R値は0.6、比表面積は12.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、C7(粒径は11.9μm、d002は0.337nm、Lcは96nm、Laは95nm、R値は0.7、比表面積は11.6m2/g、密度は2.2g/cm3)である。これらの結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなっていることがわかった。また、C1〜C7の2分間の水中での超音波分散のあとの粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
【0100】
実施例1〜6と実施例13より、黒鉛と界面活性剤の混合の割合は100:5から100:1000まで使用可能である。
【0101】
〈実施例14〉
黒鉛粒子に人造黒鉛(鱗片状、粒径は9μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.1、比表面積は14.0m2/g、密度は2.2g/cm3)を用い、以下の方法により黒鉛粒子表面に非晶質炭素からなる被覆層を付着した炭素被覆黒鉛粒子を作製した。
この黒鉛粒子に界面活性剤としてノニオン系界面活性剤であるエマルゲン905(花王株式会社、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、水を重量比100:50:150で、室温にて混合した後に、150℃、24時間、空気中にて乾燥処理した。更にこれを350℃・3時間、気中にて熱処理し、冷却後、粉砕し、各々、処理黒鉛を作製した。
【0102】
次に、実施例4のごとく、この処理黒鉛を窒素中、600℃・2週間(D1p)、800℃・1週間(D2p)、900℃・1週間(D3p)、1100℃・1週間(D4p)、1200℃・5日間(D5p)、1300℃・5日間(D6p)、1400℃・5日間(D7p)焼成した後、図1に示す電気炉の試料台にこれらのD1pからD7pのそれぞれの処理黒鉛1g載せ、キャリアーガス供給ライン1及び原料ガス供給ライン2により、それぞれ窒素とプロパンとの混合ガスを石英管5内に供給した。チャンバー内のガス流速は15cm/分とした。その後、加熱炉7により試料台上の処理黒鉛粉末を850℃に加熱し、ガス導入口8より供給されるプロパンを熱分解することにより処理黒鉛の表面の炭素前駆体を炭化させると同時に、気相より表面に炭素を堆積させた。堆積時間は3時間であった。以上のごとく炭素被覆黒鉛粒子D1(粒径は11.6μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は12.5m2/g、密度は2.2g/cm3)、D2(粒径は13.8μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は11.8m2/g、密度は2.2g/cm3)、D3(粒径は12.5μm、d00 2は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は10.7m2/g、密度は2.2g/cm3)、D4(粒径は13.5μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は12.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、D5(粒径は12.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は11.1m2/g、密度は2.2g/cm3)、D6(粒径は11.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.5、比表面積は11.9m2/g、密度は2.2g/cm3)、D7(粒径は14.1μm、d002は0.337nm、Lcは100nm、Laは100nm、R値は0.6、比表面積は10.0m2/g、密度は2.2g/cm3)を得た。これらの結果より、粒径は大きくなり、R値は大きくなっていることがわかった。また、D1〜D7の2分間の水中での超音波分散後の粒度分布(差分分布)は1つのピークが存在するのみであった。
実施例14より、焼成時の温度は600℃から使用可能である。
【0103】
〈実施例15〉
・負極の作製
負極活物質に実施例7〜10(E1〜4)で作製した炭素被覆黒鉛粒子を用い、結着材であるポリフッ化ビニリデンを乳鉢で溶剤N−メチル−2−ピロリドンに溶かした溶液に分散させ、ペースト状にしたものを、20μmの銅箔に塗布し、これを60℃で仮乾燥、240℃で熱処理後プレスし、更に水分除去のために200℃で真空乾燥したものを負極として用いた。この負極は縦20mm、横20mm、厚み0.1mmである。
【0104】
・正極の作製
正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO2)を使用し、この正極活物質をアセチレンブラックと混合し、結着材であるポリフッ化ビニリデンを乳鉢で溶剤N−メチル−2−ピロリドンに溶かした溶液に分散させ、ペースト状にしたものを、アルミニウム箔集電体上に塗布した。これを60℃で仮乾燥、240℃で熱処理後プレスし、更に水分除去のために200℃で減圧乾燥したものを正極として用いた。この正極は縦20mm、横20mm、厚み0.1mmである。
【0105】
・電池の組立
上記のごとく作製した負極と正極をそれぞれセパレータ(ポリエチレン製多孔体、厚み25μm)を介して対抗させ、アルミニウム箔の入ったラミネートフィルムにて覆い、3方を熱により封止した後、PC、EC及びDECの体積比1:1:2の混合溶媒に電解質塩LiClO4を1mol/lになるように溶解した電解液を注入し、残った一方を熱により封止し電池を各々10個づつ、作製した。
【0106】
・電池の評価
作製した電池を、充放電電流1mA、充電上限電圧4.1Vに達した後4.1Vの定電圧充電を行い、充電時間を24時間とした。放電の下限電圧を2.75Vとし、放電電流を0.2mAとして、25℃にて充放電試験を行った。
【0107】
その結果は各々10個の電池が、E1が8.9〜9.1mAh、E2が8.9〜9.2mAh、E3が8.7〜9.1mAh、E4が8.8〜9.2mAhの範囲の放電容量が得られた。この時の放電曲線は、炭素負極を用いた電池に比べ、平坦的であった。また、これらの100サイクル後の放電容量は、E1が8.6〜8.9mAh、E2が8.7〜9.0mAh、E3が8.6〜8.9mAh、E4が8.5〜8.9mAhの範囲にあった。100サイクル後の試験を行なった電池のうち各々1個を分解したところ、リチウム金属のデンドライトの生成はなかった。
【0108】
〈比較例3〉
比較例1にて作製した炭素被覆黒鉛粒子を負極活物質として用い、実施例15に記載の方法で負極を作製した。また正極も実施例15のごとく作製し、電池も実施例15の方法で10個作製した。
【0109】
電池の評価も実施例15の方法で行い、その結果、4.1〜8.9mAhの範囲の放電容量が得られた。また、100サイクル後の放電容量は3.8〜8.5mAhの範囲にあった。
【0110】
実施例15と比較例3から炭素被覆黒鉛粒子を作製する際に界面活性剤を用いることにより、サイクル特性の優れた、信頼性の高い、歩留まりのよい電池ができることが判明した。
【0111】
〈実施例16〉
実施例11にて作製した炭素被覆黒鉛粒子A1〜A8を負極活物質として用い、実施例15に記載の方法で各々、負極を作製した。また正極も実施例15のごとく作製し、電池もPC、EC及びEMCの体積比1:1:2の混合溶媒に電解質塩LiClO4を1mol/lになるように溶解した電解液を注入した以外、実施例15の方法で各々、1個作製した。
各々の電池の評価も実施例15の方法で行い、その結果、乾燥処理後の熱処理温度と放電容量の関係を図2に示す。
【0112】
これよりリチウムイオン電池用の負極に本方法で製造した炭素を適用する際には、処理黒鉛を製造する前の熱処理として、200℃以上が好ましいことが分かる。また、400℃以上では性能に変化はないので、経済的に400℃以下が好ましい。
【0113】
〈実施例17〉
実施例12にて作製した炭素被覆黒鉛粒子B1〜B9を負極活物質として用い、実施例15に記載の方法で各々、負極を作製した。また正極も実施例15のごとく作製し、電池もPC、EC及びDMCの体積比1:1:2の混合溶媒に電解質塩LiClO4を1mol/lになるように溶解した電解液を注入した以外、実施例15の方法で各々、1個作製した。
各々の電池の評価も実施例15の方法で行い、その結果、CVD時の堆積温度と放電容量の関係を図3に示す。
【0114】
これよりリチウムイオン電池用の負極に本方法で製造した炭素を適用する際には、CVD時の堆積温度として、700℃以上が好ましいことが分かる。また、1300℃以上では性能に変化はないので、経済的に1300℃以下が好ましい。
【0115】
〈実施例18〉
実施例13にて作製した炭素被覆黒鉛粒子C1〜C7を負極活物質として用い、実施例15に記載の方法で各々、負極を作製した。また正極も実施例15のごとく作製し、電池もPC、EC及びDECの体積比1:9:10(C1)、2:8:10(C2)、5:5:10(C3)、7:3:10(C4)、9:1:10(C5〜C7)それぞれの混合溶媒に電解質塩LiClO4を1mol/lになるように溶解した電解液を注入した以外、実施例15の方法で各々、1個作製した。
各々の電池の評価も実施例15の方法で行い、その結果、黒鉛と界面活性剤の混合比(界面活性剤の重量/黒鉛の重量)と放電容量の関係を図4に示す。また、続いて、−20℃にて放電した以外、実施例15と同様にして評価を行った結果を図5に示す。
【0116】
これよりリチウムイオン電池用の負極に本方法で製造した炭素を適用する際には、黒鉛と界面活性剤の混合比(界面活性剤の重量/黒鉛の重量)として、100:10(界面活性剤の重量/黒鉛の重量=0.1)〜100:100(界面活性剤の重量/黒鉛の重量=1)が好ましいことが分かる。また、−20℃の結果からPC:ECの混合比が9:1〜5:5が好ましいことが分かる。
【0117】
〈実施例19〉
実施例14にて作製した炭素被覆黒鉛粒子D1〜D7を負極活物質として用い、実施例15に記載の方法で各々、負極を作製した。また正極も実施例15のごとく作製し、電池もPC、EC及びDMCの体積比1:1:2の混合溶媒に電解質塩LiPF6を1mol/lになるように溶解した電解液を注入した以外、実施例15の方法で各々、1個作製した。
各々の電池の評価も実施例15の方法で行い、その結果、処理黒鉛の焼成時の温度と放電容量の関係を図6に示す。
【0118】
これよりリチウムイオン電池用の負極に本方法で製造した炭素を適用する際には、CVD時の堆積温度として、800℃以上が好ましいことが分かる。更に好ましくは900℃以上である。また、1300℃以上では性能に変化はないので、経済的に1300℃以下が好ましい。
【0119】
実施例15〜19等により、非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として使用する際は炭素被覆黒鉛粒子の物性として以下のことがわかった。つまり、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上が好ましく、さらにd002が0.335〜0.338nm、Lcが80nm以上、(La)が60nm以上がより好ましい。また、アルゴンレーザ−ラマンによる、1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比R値が核となる黒鉛粒子の値R1より被覆層の炭素の値R2のほうが大きく(R1<R2)、0.2より大きいことが好ましい。また、より好ましくは0.4以上2.0より小さい範囲である。比表面積は0.1〜50m2/g、さらに、0.1〜20m2/gがより好ましい。平均粒径においては0.1〜80μm、さらに0.5〜50μmであることがより好ましい。密度は1.9〜2.26g/cm2がより好ましい。
【0120】
【発明の効果】
本願発明の構成を採用することにより、黒鉛粒子を界面活性剤にて処理した後、炭素を表面に形成させることでより強固に炭素からなる被覆層を形成できる。これにより、被覆した後に粒子径を揃える等のために粉砕工程が含まれても、黒鉛粒子上に被覆した粒子から被覆した炭素が剥離してしまうという問題が低減した。
【0121】
また、これをリチウムイオン二次電池の負極活物質として使用した場合、高容量かつ電池電圧の平坦性が高い二次電池が実現できた。これは、結晶性の高さゆえの電解液の分解を引き起こすという問題点が解決され、また、負極の製造工程において粒子径をそろえるための粉砕、あるいは電極材作製の際の混練、集電板への塗工等によって、黒鉛粒子表面を被覆した炭素が剥離し、電解液の分解によるガス発生により電極が破壊されるということも、強固に被覆層を形成することにより、低減し、これに伴い問題のおきていた、電池の容量の低下、サイクル特性の劣化ということが低減した。これにより、電池製造上の歩留まりは向上し、信頼性も向上するにいたった。更に、低温特性に優れたプロピレンカーボネート主体の電解液と、電位の平坦性に優れかつ低温特性に優れた黒鉛系炭素材料とを組み合わせることができ、高容量かつ電圧平坦性が高く、低温特性に優れた二次電池が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆層の製造装置の概略図である。
【図2】実施例16の乾燥処理後の熱処理温度と放電容量の関係を示すグラフである。
【図3】実施例17のCVD時の堆積温度と放電容量の関係を示すグラフである。
【図4】実施例18の黒鉛と界面活性剤の混合比(界面活性剤の重量/黒鉛の重量)と放電容量の関係を示すグラフである。
【図5】実施例18の−20℃での黒鉛と界面活性剤の混合比(界面活性剤の重量/黒鉛の重量)と放電容量の関係を示す図である。
【図6】実施例19の処理黒鉛の焼成温度と放電容量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 キャリアーガス供給ライン
2 原料ガス供給ライン
3、4 ニードル弁
5 石英管
6 試料台
7 加熱炉
8 ガス導入口
9 ガス排気口
Claims (12)
- 黒鉛粒子を予め界面活性剤で処理した後、黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成することを特徴とする炭素被覆黒鉛粒子の製造方法。
- 被覆層を構成する炭素が、
(1)界面活性剤に由来し、黒鉛粒子を界面活性剤で処理後、焼成することにより形成される、
(2)界面活性剤で処理された黒鉛粒子を炭素前駆体材料と混合した後、焼成することにより形成される、又は
(3)黒鉛粒子を界面活性剤で処理後、炭化水素の気相熱分解により形成される請求項1に記載の製造方法。 - 上記方法(1)の黒鉛粒子を焼成した後、更に
(a)炭化水素の気相熱分解により黒鉛粒子の表面に炭素からなる被覆層を形成する
(b)黒鉛粒子と炭素前駆体材料とを混合する、又は
(c)黒鉛粒子と炭素前駆体材料とを混合した後、焼成することによりその表面に炭素からなる被覆層を形成する
ことからなる請求項2に記載の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法で得られ、界面活性剤由来の炭素を黒鉛粒子の表面に含む炭素被覆黒鉛粒子を活物質とする負極と、リチウムを含有するカルコゲン化物を活物質とする正極と、非水系イオン伝導体とからなることを特徴とする非水系二次電池。
- 黒鉛粒子が、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm以上である請求項4に記載の非水系二次電池
- 黒鉛粒子が、BET法による比表面積が0.5〜150m 2/g、平均粒径が0.7〜80μmである請求項4又は5に記載の非水系二次電池。
- 非水系イオン伝導体が有機電解液からなり、有機電解液が少なくともプロピレンカーボネート(以下PC)と、エチレンカーボネート(以下EC)とを含む請求項4〜6のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
- PCとECが、体積比9:1〜1:9で含まれる請求項7に記載の非水系二次電池。
- PCとECが、体積比9:1〜5:5で含まれる請求項8に記載の非水系二次電池。
- カルコゲン化物が、リチウムを含有する金属酸化物である請求項4〜9のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
- 金属酸化物が、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2又はLiMn2O4のリチウムを含有した酸化物である請求項10に記載の非水系二次電池。
- 金属酸化物が、LixM1-yNyO2(ここでMは、Fe、Co、Niのいずれかであり、Nは遷移金属、4B族あるいは、5B族の金属を表す)又はLiMn2-zNzO4(ここでNは遷移金属、4B族、あるいは、5B族の金属を表す)で表されるリチウムを含有した酸化物である請求項10に記載の非水系二次電池。
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