JP7484108B2 - 蓄電デバイス用電極 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイス用電極に関する。
リチウムイオン二次電池は、そのエネルギー密度の高さから軽量、かつ占有面積の少なさに優位性を持ち、ニッケル-カドミウム電池やニッケル-水素電池に比べてメモリー効果(完全放電させずに継ぎ足し充電をして使用した場合、残量が継ぎ足し充電時の容量にさしかかると一時的な電圧降下を起こす現象)の少ない利点を備える。そのため、リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノートパソコンなどのポータブルデバイスに幅広く用いられている。また、近年では環境に対する影響から、これまで自動車に用いられてきた石油などの化石燃料に代わるエネルギー源としても用いられることが多くなってきた。さらに、最近では家庭への電力供給の一部を担う定置型蓄電池としての期待も高い。
一般的に用いられているリチウムイオン二次電池の構成部材は、集電体(基材を兼ねる)、集電体上の電極、電解液、セパレーター、外装体から成り、さらに電極は一般的には正極活物質又は負極活物質、導電助剤、結着剤で構成されている。(以降、これらの構成材料を所定の混合比率で混合したものを総じて正極材料及び負極材料と呼称し、正極材料と負極材料を総じて電極材料と呼称する)。
活物質はリチウムイオン二次電池の正極及び負極においてリチウムイオンの挿入脱離が可能な材料であり、挿入脱離の際に電子の授受を伴うことで電流を流す役割を担う。導電助剤は活物質・活物質間及び活物質・集電体間の電子移動を円滑に進める為に電極内部に含まれる。結着剤は活物質、導電助剤及び集電体の密着を高める為に電極内部に混合される。
リチウムイオン二次電池用電極は、例えば、上述の材料を用いて混練・塗工・スリット・プレスの4つの製造工程によって製造される。混練工程では正極材料または負極材料を溶媒を用いて均一に混練した塗液を作製し(以降、この塗液をスラリーと呼称する)、塗工工程では、スラリーを長尺状の集電体上に均一に塗布した後溶媒を乾燥させ、電極層を形成する。スリット工程では集電体上に塗布された電極層を所定の幅に切断し(以降、切断後の電極層を適宜、単に電極と呼称する)、プレス工程で電極材料の密度を向上することで、電極内の導電性向上及び集電体への密着性向上を図る。
前記のように、携帯電話や車載、定置用途に用いられるリチウムイオン二次電池は近年、さらなる小型・軽量化が求められており、電極材料もエネルギー密度が高い材料への移行がなされてきている。例えば、ニッケルを多く含んだ組成の正極活物質、ケイ素を含んだ負極活物質等が求められている。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンが正極電極と負極電極の間を行き来することで充電放電が行われる。正極電極及び負極電極にリチウムイオンが出入りすることで電極の体積は膨張収縮を繰り返す。
前記のような、ニッケルを多く含んだ組成の正極活物質の場合、得られた正極電極は脆くなり、少しの体積変化で電極が崩壊する可能性が高まる。また、ケイ素を含んだ負極活物質からなる負極電極はリチウムとケイ素との合金化、脱合金化が生じ、大きく体積が変化する。そこで、活物質を微粉化し、体積変化を生じにくくすることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第6477760号公報
特許文献1に記載の技術では、充電放電による電極の体積変化を抑制するために活物質の微粉化を行っている。しかしながら、その技術を用いても、充電放電の繰り返しにより電極が膨張して崩壊することがあった。その結果、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスのサイクル特性が低下することがあった。
上記事情を踏まえ、本発明は、充電放電の繰り返しにより電極が膨張した場合であっても、電極の崩壊(破壊)を低減し、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスのサイクル特性を維持することが可能な蓄電デバイス用電極を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る蓄電デバイス用電極は、金属箔の表裏面に活物質、導電助剤、及び結着剤を含む電極層を備え、前記電極層は、体積変化吸収亀裂部を有する。
本発明の一態様に係る蓄電デバイス用電極であれば、充電放電の繰り返しにより電極が膨張した場合であっても、電極の崩壊(破壊)を低減し、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスのサイクル特性を維持することが可能となる。
また、本発明の一態様において、体積変化吸収亀裂部の長さは1mm以上10mm以下であることが好ましい。これにより、電極の体積変化率抑制と、放電容量値とを維持し易くなる。
また、体積変化吸収亀裂部を10cm四方の面積内に1個以上10個以下の範囲内で設けることが好ましい。これにより、電極の体積変化率抑制と、放電容量値とを維持し易くなる。
また、本発明の一態様において、体積変化吸収亀裂部では、金属箔が露出していないことが好ましい。これにより、電極層と集電体(金属箔)との密着力を維持し易くなる。
また、本発明の一態様において、活物質の平均粒径は1μm以上20μm以下であることが好ましい。これにより、活物質の凝集を抑制し易くなるとともに、電極の体積変化率を抑制し易くなる。
本発明の一実施形態に係る蓄電デバイス用電極の構成を模式的に示す断面図である。
<蓄電デバイス用電極>
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用電極(以下、単に「電極」と称する。)1を示す断面図である。
本実施形態の電極は、金属箔の表裏面に活物質、導電助剤、及び結着剤を含む電極層を備えており、電極層には体積変化吸収亀裂部を備えている。すなわち、図1に示すように、本実施形態の電極1は、集電機能を発揮する金属箔11と、金属箔11の表裏に形成された電極層12及び電極層12に形成された体積変化吸収亀裂部13を備えている。
[金属箔]
金属箔11としては、導電性を有する長尺上の材料を使用する。金属箔11に用いる材料としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅合金等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、箔状のアルミニウム合金や銅合金(以降、アルミニウム箔及び銅箔という)が好適である。アルミニウム箔や銅箔は一般的にリチウムイオン二次電池の正極または負極の集電体に用いられる材料であり、安価で、且つアルミニウム箔であれば正極の電位においてリチウムと合金化せず、銅箔であれば一般的に用いられる黒鉛負極内へのリチウムイオン挿入電位においてリチウムと合金化しない。各々の電極の電位においてリチウムと合金化する材料では、リチウムイオンが挿入脱離する充放電に伴い集電体が脆化する為、電池の充放電サイクル特性が著しく低下する。
金属箔11の厚みは特に限定されないが、金属箔11を用いて電池を製造する際に、電池の重量及び体積当りのエネルギー密度を高める為に電池製造工程中の集電体にかかる負荷に耐え得る強度を維持する範囲で、より薄い方が好ましい。一般的なリチウムイオン二次電池の集電体に用いられるアルミニウム箔や銅箔の厚みは8μmから20μm程度である。
[電極層]
電極層12は、リチウムイオン二次電池において、リチウムイオンが挿入脱離(合金化、脱合金化を含む)することで充電放電を行う役割を果たす。充電時は正極電極からリチウムイオンが脱離し、負極電極に挿入する。放電時は負極電極からリチウムイオンが脱離し、正極電極に挿入される。リチウムイオンの挿入脱離により、電子の授受が行われ、充電放電が成される。
電極層12は、リチウムイオンの挿入脱離を行う活物質、電極層12に電子伝導性を付与する導電助剤、活物質と導電助剤とを金属箔11に結着させる結着剤等を含む。
正極活物質は、例えばLiCoO、LiNiO、LiMn、LiFePO、LiMnPO、LiCo(1-x)(M:Mn、Niなどの遷移金属、0<x<1)、LiNiCoMn(1-x-y)(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)などが、選択される活物質として挙げられ、電池に求める電圧及び容量特性に応じて適宜選択することができる。これらの材料は単独で用いてもよいし、必要に応じて組合せ複合してもよい。
負極活物質は、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、Si、SiO、Sn、LiTi12、TiNbなどが挙げられ、電池に求める電圧及び容量特性に応じて適宜選択することができ、正極同様、単独で用いても、必要に応じて組合せ複合してもよい。
上述した活物質の平均粒径は1μm以上20μm以下の範囲内が好ましく、2μm以上20μm以下の範囲内がより好ましい。活物質の平均粒径が1μm以上であれば、塗料化の際に活物質が凝集しにくい。活物質の平均粒径が20μm以下であれば、電極の体積変化率を抑制しやすい。
活物質の平均粒径は、例えばレーザー回折・散乱法により測定される。また、活物質の平均粒径とは、得られた粒度分布におけるD50の時の粒径のことである。
導電助剤には、例えば非晶性炭素材料、結晶性炭素材料、金属粒子、金属化合物粒子などの高導電性材料を適宜選択することができ、単独で用いてもよいし、必要に応じて組合せ複合してもよい。
結着剤には、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、芳香族ポリアミド、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレングリコール、ブタジエンラバー、スチレンブタジエンラバー、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどが選択でき、単独で使用してもよいし、必要に応じて組合せ複合してもよい。
電極層12を形成する活物質の配合比率は60wt%以上98wt%以下の範囲内が好ましい。放電容量を向上させる目的では活物質比率は大きい方が好ましいが、導電助剤や結着剤の比率が小さくなると、電子伝導性の欠如や結着力不足による電極の崩壊が生じることがある。そのため、求められる電子伝導性と結着性を確保した上での活物質比率の向上が求められる。
電極層12の厚さは、蓄電デバイスの用途にもよるが、片面で10μm以上80μm以下の範囲内が好ましい。電動工具等の出力密度が求められる用途の場合、電極層12は薄い方が好まれるが、電気自動車等のエネルギー密度が求められる用途の場合、電極層12は厚い方が好まれる。つまり、各電極層12の厚さが10μm以上80μm以下の範囲内であれば、蓄電デバイスの用途において、汎用性が高まる。
電極層12は体積変化吸収亀裂部13を備える。体積変化吸収亀裂部13は充電放電によるリチウムイオンの挿入脱離で生じる電極層12の体積変化を吸収する役割を果たす。
ここで、「体積変化吸収亀裂部」とは、電極層12の表面に形成された溝状構造を備えた部分(領域)をいう。体積変化吸収亀裂部13は、電極層12の表面における開口幅が最も広く、電極層12の厚さ方向に向かってその開口幅が徐々に狭くなる構造であってもよい。
体積変化吸収亀裂部13の長さは、1mm以上10mm以下の範囲内が好ましい。体積変化吸収亀裂部13の長さが1mm以上10mm以下の範囲内であれば、放電容量を維持しつつ、体積変化吸収効果を発現できる。なお、「体積変化吸収亀裂部13の長さ」とは、平面視で、体積変化吸収亀裂部13における亀裂上を沿うようにして測った長さをいう。
体積変化吸収亀裂部13は電極層12の10cm四方の面積内に1個~10個あることが好ましい。体積変化吸収亀裂部13が電極層12の10cm四方の面積内に1個~10個あれば、放電容量を維持しつつ、体積変化吸収効果を発現できる。
なお、体積変化吸収亀裂部13は、直線的に形成されていてもよいし、湾曲して形成されていてもよい。この場合であっても、放電容量を維持しつつ、体積変化吸収効果を発現できる。
また、複数形成された体積変化吸収亀裂部13のうち、第1の体積変化吸収亀裂部13における亀裂は電極層12の表面上において仮想的に規定した第1の方向に沿って直線的に延びており、第2の体積変化吸収亀裂部13における亀裂は上述した第1の方向と交差する方向、例えば直交する方向に沿って直線的に延びていてもよい。この場合であっても、放電容量を維持しつつ、体積変化吸収効果を発現できる。
また、体積変化吸収亀裂部13は、その亀裂方向が電極層12の表面上において仮想的に規定した第1の方向に対して±15°の範囲内に収まっていてもよい。この場合であっても、放電容量を維持しつつ、体積変化吸収効果を発現できる。
体積変化吸収亀裂部13は金属箔11が露出していないことが好ましい。体積変化吸収亀裂部13において、金属箔11が露出していなければ、金属箔11と電極層12の密着力を維持し易い。
体積変化吸収亀裂部13における亀裂の幅は、0.05mm以上1mm以下の範囲内が好ましい。体積変化吸収亀裂部13の幅が0.05mm未満の場合には、体積変化吸収効果を得にくい。また、体積変化吸収亀裂部13の幅が1mmを超える場合には、金属箔11と電極層12の密着力を維持しにくい。
体積変化吸収亀裂部13における亀裂の深さは、電極層12の厚さの5%以上90%以下の範囲内が好ましく、10%以上70%以下の範囲内がより好ましい。体積変化吸収亀裂部13の深さが電極層12の厚さの5%未満の場合には、体積変化吸収効果を得にくい。また、体積変化吸収亀裂部13の深さが電極層12の厚さの90%を超える場合には、金属箔11と電極層12の密着力を維持しにくい。
<蓄電デバイス用電極の製造方法>
以下、本実施形態の電極1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)~(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、電極1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程1:混練装置にて、活物質、導電助剤、結着剤、溶媒を混練し、電極層12を形成するためのスラリーを形成する工程。
工程2:金属箔11の両面に、体積変化吸収亀裂部13を有する電極層12を形成する工程。
工程3:プレス装置にて、金属箔11と電極層12を備えた積層体を加圧プレスする工程。
(工程1)
活物質、導電助剤、結着剤、溶媒を混練し、電極層12を形成するためのスラリーを形成する。活物質としては、前記したLiFePO、LiNiCoMn(1-x-y)等からなる正極活物質や、黒鉛、Si、SiO、Sn、LiTi12、TiNb等からなる負極活物質が挙げられる。導電助剤としては、前記した非晶性炭素、結晶性炭素等からなる材料が挙げられる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンラバー、ポリイミド、セルロース等からなる材料が挙げられる。これらの材料を混練して、スラリーを得るために、適宜、N-メチル-2-ピロリドン、水等からなる溶媒を添加してもよい。溶媒の添加量は、スラリーの粘度、固形分等から、適宜、決めてもよい。混練は、ビーズミル、攪拌機、混練機等の各種装置、方法を採用できる。
(工程2)
金属箔11の両面に、工程1で得たスラリーを塗布し、これを乾燥して電極層12を形成する。塗布方法は特に限定されず、例えば、ダイコート、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば100℃~150℃でスラリー中の溶媒成分を蒸発させることで電極層12を得る。尚、塗布は表裏面を一括処理してもよく、片面塗布して、乾燥し、他面を塗布して乾燥してもよい。
(工程3)
金属箔11と電極層12とを備えた積層体をプレスして高密度の電極層12を形成する。プレス工程は、電極層12の高密度化、及び、金属箔11と電極層12の密着力向上を目的とする。プレス方法は特に限定されず、例えば、ロールプレス、平板プレス等、各種方法を採用できる。
以上説明した工程(1)~(3)により、電極1が得られる。尚、電極層12に体積変化吸収亀裂部13を形成する方法は、例えば、スラリー塗布後の乾燥条件変更が挙げられる。乾燥炉の温度設定等を乾燥前半と後半で変更できるのであれば、前半と後半の温度設定を変更することで、体積変化吸収亀裂部13を形成できる。例えば、乾燥前半の温度と乾燥後半の温度との差を20℃以上とすることが好ましい。
また、前半と後半の乾燥時間を変更することで、体積変化吸収亀裂部13を形成できる。例えば、前半の乾燥時間を後半の乾燥時間よりも短くすることが好ましい。
[実施例]
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
[使用材料]
実施例及び比較例の電極の作製に使用した材料、及び作製条件を以下に示す。
(活物質)
活物質A-1:LiFePO(正極活物質)
活物質A-2:LiNi0.8Co0.1Mn0.1(正極活物質)
活物質A-3:黒鉛:Si(9:1)(負極活物質)
活物質A-4:黒鉛:SiO(9:1)(負極活物質)
(導電助剤)
導電助剤B-1:非晶性炭素材料(アセチレンブラック)
(結着剤)
結着剤C-1:ポリフッ化ビニリデン
結着剤C-2:ポリアクリル酸エステル
(金属箔)
金属箔D-1:硬質アルミニウム箔1N30材(厚さ15μm)
金属箔D-2:電解銅箔(厚さ15μm)
(乾燥条件)
乾燥条件E-1:乾燥炉前半温度90℃(1分)、乾燥炉後半温度120℃(2分)
乾燥条件E-2:乾燥炉前半温度90℃(1分)、乾燥炉後半温度110℃(2分)
乾燥条件E-3:乾燥炉前半温度120℃(1分)、乾燥炉後半温度100℃(2分)
乾燥条件E-4:乾燥炉前半温度100℃(1分)、乾燥炉後半温度120℃(2分)
乾燥条件E-5:乾燥炉前半温度100℃(1分)、乾燥炉後半温度110℃(2分)
(電極の作製)
活物質A、導電助剤B、結着剤C、溶媒をプラネタリーミキサーで混練し、スラリーを得た。金属箔Dの両面に得られたスラリーをダイコートにて塗布し、乾燥することで電極層を形成した。その後、ロールプレスにて、電極層を圧縮し、高密度の電極体を得た。
体積変化吸収亀裂部については、乾燥条件をEとした際の電極層中の亀裂の数をカウントした。亀裂のカウント方法は、1m四方分の電極を観察し、長さ1mm~10mmの亀裂の数を目視にてカウントし、10cm四方分あたりの平均個数とした。また、亀裂部における金属箔Dの露出の有無を目視にて確認した。
表1に各材料、乾燥条件における亀裂の発生数、金属箔露出の有無を示す。実施例1~16は、塗布後の乾燥条件E-1~E-4で得た。一方で、比較例1~4は、塗布後の乾燥条件E-5で得た。
Figure 0007484108000001
[電池の作製]
実施例及び比較例で作製したそれぞれの電極を電池セルに必要なサイズに切り出した。対極にはリチウム箔を用い、作製した電極と対極リチウム箔の間にセパレーターを挟んで積層した。電解液としては、1mol/Lの六フッ化燐酸リチウムを含有し且つ重量比が1対1となるような割合でエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとが混合された溶媒を用いて、ラミネート型電池を作製した。
[電池の評価]
得られたラミネート型電池の初期容量とサイクル特性とを評価した。サイクル特性は100サイクル後の放電容量を測定し、初期容量との比較による容量維持率で評価した。充電放電環境は測定温度を25℃として、充電放電レートは0.5Cとした。評価は以下の基準に従って行った。
[初期容量評価基準]
「A」:理論容量との差が理論容量の±2%以内。
「B」:理論容量との差が理論容量の±2%より大きく、±5%より小さい。
「C」:理論容量との差が理論容量の±5%以上。
なお、本評価では、「A」及び「B」を合格とした。
[サイクル特性評価基準評価]
「A」:100サイクル後の容量維持率が90%以上。
「B」:100サイクル後の容量維持率が80%以上、90%より小さい。
「C」:100サイクル後の容量維持率が80%より小さい。
なお、本評価では、「A」及び「B」を合格とした。
Figure 0007484108000002
本発明の構成を有する実施例では、充電放電による電極層の体積変化を抑制することで電極の崩壊(破壊)を低減し、サイクル特性に優れた蓄電デバイス用電極を提供することができた。
1…蓄電デバイス用電極、11…金属箔、12…電極層、13…体積変化吸収亀裂部

Claims (8)

  1. 金属箔の表裏面に活物質、導電助剤、及び結着剤を含む電極層を備え、
    前記電極層は、体積変化吸収亀裂部を10cm四方の面積内に1個以上10個以下の範囲内で有し、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の長さは、1mm以上10mm以下の範囲内であり、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の幅は、0.05mm以上1mm以下の範囲内であり、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の深さは、前記電極層の厚さの5%以上90%以下の範囲内であり、
    前記活物質は、正極活物質として、LiNi 0.8 Co 0.1 Mn 0.1 を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極。
  2. 金属箔の表裏面に活物質、導電助剤、及び結着剤を含む電極層を備え、
    前記電極層は、体積変化吸収亀裂部を10cm四方の面積内に1個以上10個以下の範囲内で有し、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の長さは、1mm以上10mm以下の範囲内であり、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の幅は、0.05mm以上1mm以下の範囲内であり、
    前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の深さは、前記電極層の厚さの5%以上90%以下の範囲内であり、
    前記活物質は、負極活物質として、Sn、Li Ti 12 、及びTiNb の少なくとも1種を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極。
  3. 前記電極層の厚さは、10μm以上80μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイス用電極。
  4. 前記体積変化吸収亀裂部において、前記金属箔が露出していないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
  5. 前記電極層の前記活物質の平均粒径が1μm以上20μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
  6. 前記体積変化吸収亀裂部は、第1の体積変化吸収亀裂部と、第2の体積変化吸収亀裂部とを含み、
    前記第1の体積変化吸収亀裂部における亀裂は、前記電極層の表面上において第1の方向に沿って直線的に延びており、
    前記第2の体積変化吸収亀裂部における亀裂は、前記電極層の表面上において前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って直線的に延びており、
    前記電極層の表面上における、前記第1の方向と前記第2の方向との交差角度は、±15°の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
  7. 前記結着剤は、ポリアクリル酸エステルを含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
  8. 前記体積変化吸収亀裂部における亀裂の幅は、前記電極層の表面における幅が最も広く、前記電極層の厚さ方向に向かってその幅が徐々に狭くなることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
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