JP6115361B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池において、特定のリチウム複合酸化物を含む正極合剤層の上に、正極活物質を含む別の正極合剤層を備えた多層構造をもつ正極が知られている。この多層構造では過充電時に下の正極合剤層が抵抗上昇して安全化することができる(例えば、特許文献1,2)。このような技術において、下の正極合剤層は、リチウム複合酸化物およびその他の添加剤(例えば、バインダー樹脂など)を有機溶媒に分散または溶解させてなるペーストを正極用集電体に塗布し、乾燥させプレスすることにより形成されている。
特に特許文献2において、下の正極合剤層はLiFePOを含有し、過充電特性を向上させるために下の正極合剤層の導電助剤の含有量を少なくしている。この文献には、通常の充放電反応を円滑に進めるためには、下の正極合剤層の厚みをできる限り薄くすることが望ましいとの記載がある。LiFePOは過充電時における抵抗増加率が高い正極活物質である。
特開2009−4289号公報 特開2007−26676号公報
しかしながら、下の正極合剤層の厚みを単に薄くしても良好な高率放電性能が得られないことがあった。また、下の正極合剤層の厚みを薄くすると、その正極合剤層による抵抗上昇が働かないことがあった。
本発明は、過充電に対する安全性に優れるとともに、高率放電性能の低下が十分に抑制される非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極集電体、第一の正極合剤層、および前記正極集電体と前記第一の正極合剤層との間に形成される第二の正極合剤層を含む正極を有し、前記第一の正極合剤層が、LiCoO 、LiNiO 、LiMnO 、LiCoNiO 、LiCoMO およびLiNiMO (Mは共通してNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBのうち少なくとも1つ)、およびこれら正極活物質の一部元素が異種元素で置換されたもの、ならびにCo、NiおよびMnの三成分系の層状酸化物からなる群から選択される活物質粒子を含み、前記第二の正極合剤層がスピネル型マンガン酸リチウム粒子を含み、前記第二の正極合剤層の平均厚みtおよび前記スピネル型マンガン酸リチウム粒子の平均粒径dLが以下の関係式(I)を満たす非水電解質二次電池である。
1.1≦t/dL≦1.8 (I)
本発明の非水電解質二次電池は、前記リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLが1μmから15μmの範囲が好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記第一の正極合剤層が活物質粒子を含み、前記リチウム複合酸化物粒子の平均粒径dLと前記活物質粒子の平均粒径dAとの比率(dL/dA)が0.1〜6の範囲であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、過充電に対する安全性に優れるとともに、高率放電性能の低下が十分に抑制される。
本発明の正極の一実施態様を説明するための概略拡大断面を示す概念図である。 第二の正極合剤層の厚み等の測定方法を説明するための正極の概略拡大断面を示す概念図であって、第一の正極合剤層を省略した図である。 本発明の一実施態様である角型の非水電解質二次電池の概略断面図である。 実施例および比較例で製造された電池におけるt/dLと放電容量比率1C/0.2Cとの関係を示すグラフである。 実施例および比較例で製造された電池における平均厚みtと放電容量比率1C/0.2Cとの関係を示すグラフである。
以下に本発明の非水電解質二次電池の一実施態様について説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
(正極)
本発明の非水電解質二次電池の正極は正極集電体、第一の正極合剤層、および前記正極集電体と前記第一の正極合剤層との間に形成される第二の正極合剤層を含むものである。本発明の正極の一実施態様を示す概略拡大断面図を図1に示す。図1は正極集電体に対して垂直な概略拡大断面図であり、図1において、1は正極集電体、2は第二の正極合剤層、3は第一の正極合剤層を示す。
本発明において、第二の正極合剤層2の平均厚みtおよび該層に含まれるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLが、以下の関係式(I)を満たしている。
1.1≦t/dL≦1.8 (I)
第二の正極合剤層2のt/dLを上記範囲内にすることにより、非水電解質二次電池において、過充電時の安全性が優れるとともに、高率放電性能の低下が十分に抑制される。このような効果が得られる詳細は明らかではないが、以下のメカニズムに基づくものと推測される。第二の正極合剤層2のリチウム複合酸化物粒子20どうしの隙間に第一の正極合剤層3の活物質粒子30が多く入り込むと、第一の正極合剤層3の活物質粒子30と正極集電体とが接するようになるため、過充電時の抵抗増大が有効に働かなくなる。一方、リチウム複合酸化物粒子20の粒径に対して第二の正極合剤層2が厚すぎると、正極合剤層全体としての抵抗が増大し、高率放電性能が低下する。本発明においては第二の正極合剤層2のt/dLを上記範囲内にすることにより、リチウム複合酸化物粒子20どうしの隙間への活物質粒子30の入り込みを抑制するとともに、リチウム複合酸化物粒子20の粒径に比べ第二の正極合剤層2の厚みの過度な増大を抑制することができる。これらの結果、過充電に対する安全性が優れるとともに、高率放電性能の低下が十分に防止されるものと考えられる。
第二の正極合剤層2のt/dLが1.1未満の範囲であると、過充電に対する安全性が低下する。第二の正極合剤層2のt/dLが1.8超の範囲であると、非水電解質二次電池の高率放電性能が低下する。
第二の正極合剤層2のt/dLは、1.1から1.5の範囲が好ましい。第二の正極合剤層2のt/dLを1.1から1.5の範囲とすることで、充放電時の第二の正極活物質層2の抵抗を小さくすることができる。
図1において、第二の正極合剤層2および第一の正極合剤層3は正極集電体1の片面のみに形成されているが、これに限定されるものではなく、正極集電体1の両面に形成されていてもよい。第二の正極合剤層2および第一の正極合剤層3が正極集電体1の両面に形成される場合、少なくとも一方の面における第二の正極合剤層2のt/dLが上記範囲内であればよく、好ましくは両面における第二の正極合剤層2のt/dLがそれぞれ独立して上記範囲内である。
第二の正極合剤層2の平均厚みtは以下の方法により測定することができる。
断面のSEM顕微鏡写真を撮影する。得られた写真において、まず、図2に示すように、いくつかのリチウム複合酸化物粒子20を無作為に選択する。正極集電体1の表面を基準線Laとし、当該基準線Laに対して平行な線Lbであって、かつ、当該基準線Laからの距離が最大となる、リチウム複合酸化物粒子20の輪郭線上の点Pを通る平行線Lbを選択した各粒子に引く。そして、これらの線LaおよびLb間の距離を厚みt1、t2、t3と測定し、平均厚みtを算出する。図2は、正極集電体に対して垂直な正極の概略拡大断面図であって、第一の正極合剤層3を省略した図である。
第二の正極合剤層2に含まれるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは以下の方法により測定することができる。
リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは、上記のSEM写真において、リチウム複合酸化物粒子20について、各粒子の粒径の平均値を求めた値である。粒径は、SEM写真における、最長粒径と最短粒径との平均値である。
第二の正極合剤層2に含まれるリチウム複合酸化物粒子20または第一の正極合剤層3に含まれる正極活物質粒子30の大きさについて、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には、粒径は二次粒子の粒径をいう。一次粒子が凝集して二次粒子を形成していない場合には、粒径は一次粒子の粒径をいう。
第二の正極合剤層2は正極集電体1表面に形成されたリチウム複合酸化物粒子20を含む層であり、第一の正極合剤層3は第二の正極合剤層2表面に形成された活物質粒子30を含む層である。第二の正極合剤層2と正極合剤層3との境界は、図1に示すように、厳密には規定できるものではないが、第二の正極合剤層2とは正極集電体1に対して垂直な断面においてリチウム複合酸化物粒子20が主として存在する正極集電体1表面上の領域を意味し、第一の正極合剤層3とは同断面において活物質粒子30が主として存在する第二の正極合剤層2上の領域を意味するものとする。
第二の正極合剤層2においてリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは、好ましくは1〜15μm、より好ましくは4〜14μm、さらに好ましくは3〜10μmである。リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLが15μm以下の範囲であれば、過充電性に対する安全性を確保しながら、第一の正極合剤層3の平均厚みtを薄くすることができるので、上記範囲がエネルギー密度の観点から好ましい。例えば、リチウム複合酸化物20の平均粒径dLが10μmの場合に、関係式(I)によると、第二の正極合剤層2の平均厚みtが11μm以上の範囲であれば、過充電に対する安全性を確保できる。リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLが10μm以下の範囲であれば、第二の正極合剤層2の平均厚みtを11μm以下に薄くすることができ、第一の正極合剤層3の厚みを厚くすることができる。また、リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLが1μm以上の範囲であれば、平均厚みtの広い範囲で、過充電に対する安全性および高率放電性能が両立できる。平均粒径dLが3μm以上の範囲であれば、平均厚みtの範囲をさらに広くすることができる。
第一の正極合剤層3において活物質粒子30の平均粒径dAは通常、0.5〜60μmであり、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜8μmである。第一の正極合剤層3の活物質粒子30の平均粒径dAは、測定対象を活物質粒子とすること以外、リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLと同様に、断面SEM顕微鏡写真を用いて測定することができる。
リチウム複合酸化物粒子20と活物質粒子30とは、EDXの元素組成分析を用いることで判別する。従って、リチウム複合酸化物粒子20および活物質粒子30の平均粒径は、EDXの元素組成分析により各粒子の種類・組成を判別しながら、上記したようにSEM画像上において最長粒径と最短粒径との平均値を求めることにより測定することができる。リチウム複合酸化物粒子20は、第一の正極合剤層の活物質粒子30に比べ、マンガンもしくはリンの元素のモル比の含有割合が大きい粒子であることが好ましい。
本発明においてリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLと活物質粒子30の平均粒径dAとの比率(dL/dA)は過充電に対する安全性および高率放電性能の観点から好ましくは0.1〜6、より好ましくは0.5〜4、さらに好ましくは1〜2である。dL/dAの値が4以下の範囲であると、過充電に対する安全性をさらに高めることができる。dL/dAの値が2以下の範囲であると、正極集電体1と接触する活物質粒子30の入り込みを抑制できると考えられ、過充電に対する安全性をさらに高めることができる。dL/dAの値が0.1以上であると、活物質粒子30が正極集電体1に接触することができると考えられるため、高率放電特性の観点から有利である。dL/dAの値が0.5以上の範囲が高率放電特性の観点からさらに有利である。
本発明において第二の正極合剤層2は、第二の正極合剤層用ペーストを正極集電体1の表面に特定の厚みで塗布し、乾燥することにより作製することができる。第二の正極合剤層用ペーストは、少なくともリチウム複合酸化物粒子20およびバインダーを水に分散または溶解させてなり、必要に応じて、増粘剤および導電助剤等を含んでもよい。
リチウム複合酸化物粒子20は、過充電時に酸化物内部からリチウムが引き抜かれることによって、抵抗増加するという電気化学挙動を示す。当該抵抗増加が後述する第一の正極合剤層3に主として含まれる活物質粒子30よりも大きい。
リチウム複合酸化物粒子20は、好ましくはスピネル構造またはオリビン構造を有する。
スピネル型リチウム複合酸化物粒子の具体例として、一般式:
Li 4−q
で表される化合物粒子が挙げられる。
式中、Mは1種以上の遷移金属を含む1種以上の金属であり、好ましくは長周期型周期表における原子番号が21から29までの遷移金属からなる群から選択される1種以上の金属であり、より好ましくはMn、Niからなる群から選択される1種以上の金属である。
xは0<x≦2であり、好ましくは0.8≦x≦1.2である。
pは1.8≦p≦2.2である。
qは0≦q≦0.5である。
オリビン型リチウム複合酸化物粒子の具体例として、一般式:
Li PO4−q
で表される化合物粒子が挙げられる。
式中、Mは1種以上の遷移金属を含む1種以上の金属であり、好ましくは長周期型周期表における原子番号が21から29までの遷移金属からなる群から選択される1種以上の金属であり、より好ましくはFe、Co、Mn、Niからなる群から選択される1種以上の金属である。
xは0<x≦2であり、好ましくは0.8≦x≦1.2である。
rは0.8≦r≦1.2である。
qは0≦q≦0.5である。
リチウム複合酸化物粒子20はAl、Zn、Cr、Ti、P、Bなどの元素を本発明の効果を奏しうる範囲の量で含んでもよい。第二の正極合剤層2は組成の異なる2種以上のリチウム複合酸化物粒子20を含んでもよい。
本発明においては、リチウム複合酸化物粒子20は、上記したリチウム複合酸化物粒子の中でも、ペーストの塗工性の観点から、スピネル型リチウム複合酸化物粒子、特にスピネル型マンガン酸リチウム粒子を含むことがより好ましい。オリビン型リン酸鉄リチウムのようなオリビン型リチウム複合酸化物粒子に比べ、スピネル型リチウム複合酸化物粒子、特にスピネル型マンガン酸リチウム粒子は比表面積が小さいので、ペーストの溶媒の蒸発を抑制することができる。
スピネル型マンガン酸リチウム粒子の具体例として、一般式:
LiMn 4−q
で表される化合物粒子が挙げられる。
式中、Mは1種以上の遷移金属を含む1種以上の金属(Mn以外)であり、好ましくは長周期型周期表における原子番号が21から29までの遷移金属からなる群から選択される1種以上の金属であり、より好ましくはNiである。
xは0<x≦2であり、好ましくは0.8≦x≦1.2である。
tは0≦t≦0.5であり、好ましくは0である。
sは1.8−t≦s≦2.2−tである。
qは0≦q≦0.5である。
第二の正極合剤層用バインダーとしては、アクリル系ポリマー、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、フッ素系ポリマーなどの水分散体を用いることができる。ポリマーの水分散体とは、ポリマー粒子が水に乳化分散されたものであり、必要に応じて乳化剤として界面活性剤を含有してもよい。また有機溶媒を用いた場合に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いることができる。
第二の正極合剤層用増粘剤としては、アクリル系やセルロース系などの水溶性高分子を用いることができる。分散性と増粘性の観点からはセルロース系増粘剤が好ましい。セルロース系増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等を挙げることができるが、その中でも特にCMCが好ましい。
第二の正極合剤層用導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維、金属粉末などを用いることができる。導電助剤は、第二の正極合剤層中、粒状で存在する。粒径がリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径に比べ極めて小さいので、第二の正極合剤層2のリチウム複合酸化物粒子20とも、第一の正極合剤層3の活物質粒子30とも、明確に区別できるものである。
第二の正極合剤層用導電助剤の添加量は、過充電に対する安全性および高率放電特性のさらなる向上の観点から、通常、リチウム複合酸化物粒子100重量部に対して、0.1〜4.0質量部であり、好ましくは0.6〜2.0質量部である。
第二の正極合剤層2の平均厚みtは好ましくは4〜20μmであり、より好ましくは5〜10μmである。第二の正極合剤層の平均厚みtが大きすぎると、第一の正極合剤層の厚みが制限されるためエネルギー密度が低くなってしまう。第二の正極合剤層の厚みtは、プレス工程を経た第二の正極合剤層2の厚みである。第二の正極合剤層の厚みtは、アプリケーターを用いて塗布する場合、当該アプリケーターの隙間および固形分濃度を選択または調整することにより制御することができる。第二の正極合剤層2のt/dLは、リチウム複合酸化物20の平均粒径dLに対して、第二の正極合剤層の厚みtを制御することにより、調整できる。
正極集電体1は例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる箔などを用いることができる。正極集電体1の厚みは通常、5〜30μmである。
第一の正極合剤層3は、第一の正極合剤層用ペーストを第二の正極合剤層2上に塗布し、乾燥することにより作製することができる。その後、プレスして所定の密度にすることにより正極板を作製することができる。
第一の正極合剤層用ペーストは少なくとも正極活物質およびバインダーを溶媒に分散または溶解させてなり、必要に応じて、増粘剤および導電助剤等を含んでもよい。
第一の正極合剤層3の活物質粒子30としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNiO、LiCoMO、LiNiMO(本段落においてMは共通してNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBのうち少なくとも1つ)が挙げられる。さらには、これら正極活物質の一部元素が異種元素で置換されたものであってもよい。エネルギー密度の観点から、Co、NiおよびMnの三成分系の層状酸化物が好ましい。
第一の正極合剤層用バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン,ポリテトラフルオロエチレン,アクリル系ポリマー、スチレンブタジエンゴム,カルボキシメチルセルロース(CMC)などを用いることができる。
第一の正極合剤層用増粘剤としては、水系のバインダを用いた場合に第二の正極合剤層用ペーストに用いられる増粘剤と同様の化合物を用いることができる。増粘性の観点からはセルロース系増粘剤が好ましい。
第一の正極合剤層用導電助剤としては、第二の正極合剤層用ペーストに用いられる導電助剤と同様の材料を用いることができる。第一の正極合剤層用導電助剤の添加量は、充放電効率の観点から、通常、正極活物質粒子100重量部に対して、0.5〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。
第一の正極合剤層用ペーストの溶媒は特に制限されず、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒、水、およびそれらの混合物が挙げられる。
第二の正極合剤層2の平均厚みtに対する第一の正極合剤層3の厚みの比率は、電池のエネルギー密度向上の観点から、3以上20以下が好ましい。第一の正極合剤層3の厚みは、プレス工程を経た第一の正極合剤層3の厚みであって、第二の正極合剤層2の厚みを含まない。
第一の正極合剤層3の厚みは、第二の正極合剤層2の平均厚みtの測定方法において、無作為に選択されたいくつかのリチウム複合酸化物粒子20について最大厚みt1、t2、t3等を測定するとき、当該最大厚みの直上の第一の正極合剤層3の厚みの平均値である。
(負極)
負極は負極集電体およびその片面または両面に形成された負極合剤層を含むものである。負極は、負極用ペーストを、銅または銅合金からなる負極集電体の表面に塗布し、乾燥させた後、形成した負極合剤層をプレスして所定の密度にすることにより作製することができる。負極用ペーストは、負極活物質およびバインダーを含み、さらに必要に応じて増粘剤、導電助剤等を含んでもよい。
負極活物質としては、例えば、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等の炭素質材料、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物等を、単独または複数組み合わせて用いることができる。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いることができる。増粘剤としては、正極の第二の正極合剤層用ペーストに用いることができる増粘剤と同様の化合物を用いることができる。
(非水電解質)
非水電解質は有機溶媒に電解質塩を溶解してなる溶液である。非水電解質を構成する有機溶媒としては、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に限定されない。具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートの単独あるいはそれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
非水電解質を構成する電解質塩としては、非水電解質二次電池に使用されるものであれば特に限定されない。具体例としては、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)、(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO等を単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、微多孔性膜や不織布等を、単独あるいは併用して用いることができる。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を挙げることができるが、オレフィン系樹脂が好ましい。
(非水電解質二次電池)
本発明の非水電解質二次電池が有する構成は、前記した正極を有する限り特に制限されるものではなく、通常は前記正極とともに、上記のような負極、非水電解質およびセパレータをさらに備えている。
以下、本発明の一実施形態である角型の非水電解質二次電池について図3を用いて簡単に説明する。
非水電解質二次電池50は、ケース蓋57で密閉された電池ケース56内に、電極群52及び非水電解質を収容して構成されている。ケース蓋57は、安全弁58及び負極端子59を有しており、電池ケース56の開口部にレーザー溶接により接合されている。電極群52は、負極53と正極54とセパレータ55とを有しており、詳しくは負極53と正極54を、セパレータ55を介して積層および巻回することで作製される。この場合、正極54は正極集電体の両面に第二の正極合剤層2および第一の正極合剤層3が形成された本発明の前記正極である。また負極53は負極集電体の両面に負極合剤層が形成された前記負極である。負極端子59は負極リード60を介して負極53と接続されており、正極54は、電池ケース56の内面と接続されている。
(1)正極板の作製方法
(実施例1)
正極板は次のようにして製作した。
リチウム複合酸化物として100質量部のLiMn、1.1質量部のアセチレンブラック(AB)、2.6質量部(固形分換算)のアクリル系バインダーの水分散体および1.6質量部のカルボキシメチルセルロース(CMC)を純水中で分散させることにより、固形分濃度50質量%のペーストIを製作した。このペーストIを、隙間20μmのアプリケーターにより、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布した。つぎに、塗布されたAl箔を100℃で乾燥することにより純水を蒸発させ、第二の正極合剤層2を備えたAl箔を作製した。
活物質粒子として三成分系のリチウム層状酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)100質量部、4.3質量部のAB、および4.3質量部のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で溶解させることにより、固形分濃度64質量%のペーストIIを製作した。このペーストIIを、前記Al箔の第二の正極合剤層2上に塗布し、120℃で乾燥することによりNMPを蒸発させ、第一の正極合剤層3を形成した。
以上の操作をAl箔の片面に行った後、ロールプレスで圧縮成型し、正極板A1を得た。
下記の方法により測定したところ、第二の正極合剤層2の平均厚みtは15.2μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは13.4μmであり、t/dLは1.1であった。第一の正極合剤層3の厚みは、SEMの断面写真で測定したところ65μmであった。
本発明の実施例および比較例において、第一の正極合剤層3における正極活物質粒子30の平均粒径dは2.6μmであった。正極活物質粒子30の平均粒径dを表1に示した。
Figure 0006115361
(実施例2)
第二の正極合剤層2の形成に際し、隙間80μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板A2を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは19.6μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは13.5μmであり、t/dLは1.5であった。
(実施例3)
第二の正極合剤層2の形成に際し、隙間100μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板A3を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは21.0μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは13.4μmであり、t/dLは1.6であった。
(実施例4)
第二の正極合剤層2の形成に際し、実施例1より小さい平均粒径を有するLiMnを用いたこと、および隙間40μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板A4を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは7.9μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは5.0μmであり、t/dLは1.8であった。
(比較例1)
第二の正極合剤層2の形成に際し、隙間40μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板B1を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは13.6μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは13.4μmであり、t/dLは1.0であった。
(比較例2)
第二の正極合剤層2の形成に際し、実施例1より小さい平均粒径を有するLiMnを用いたこと、および隙間50μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板B2を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは10.4μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは5.1μmであり、t/dLは2.1であった。
(比較例3)
第二の正極合剤層2の形成に際し、実施例1より小さい平均粒径を有するLiMnを用いたこと、隙間70μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板B3を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは14.2μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは5.2μmであり、t/dLは2.8であった。
(比較例4)
第二の正極合剤層2の形成に際し、実施例1より小さい平均粒径を有するLiMnを用いたこと、隙間80μmのアプリケーターを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板B4を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは15.1μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは4.9μmであり、t/dLは3.1であった。
(実施例5)
第二の正極合剤層2の形成に際し、アプリケーターの代わりにコンマリバースをもちいてギャップ61μmで塗工したこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板A5を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは15.0μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは13.3μmであり、t/dLは1.1であった。
(実施例6)
第二の正極合剤層2の形成に際し、実施例1より小さい平均粒径を有するLiMnを用いたことおよびアプリケーターの代わりにコンマリバースをもちいてギャップ45μmで塗工したこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板A6を得た。第二の正極合剤層2の平均厚みtは8.0μm、第二の正極合剤層2におけるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは5.1μmであり、t/dLは1.8であった。
(比較例5)
第二の正極合剤層2を形成しなかったこと以外、実施例1と同様の方法により、正極板B5を得た。
(2)負極板の作製方法
負極板は次のようにして製作した。
グラファイト、SBR、およびCMCを純水中で分散させることにより、ペーストを製作した。このペーストを厚さ15μmの銅箔上に塗布し、次に100℃で乾燥することにより純水を蒸発させ、負極合剤層を形成した。
以上の操作を銅箔の片面に行った後、ロールプレスで圧縮成型し、負極板を得た。
(3)試験電池の作製方法
トムセル(有限会社日本トムセル社製)、上記した正極版および負極版、ならびに下蓋、セパレータ、円盤、板ばねおよび上蓋を用いて試験電池を作製した。セパレータには厚さ30μmポリエチレン製微多孔膜を用いた。非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)を体積比30:35:35の割合で混合した1MのLiPF6塩を使用した。
電池の詳しい作製方法を次に示す。
Al製の下蓋の上のパッキンの内側に、事前に電解液に浸漬した正極板(直径約1.4 cmの円形)、セパレータ(直径1.6cmの円形)および負極板(直径1.5cmの円形)を、正極板と負極板の各活物質塗布面が向き合うようにのせた。その後、正極板と負極板を均一に圧迫するためにSUS製の円盤と板ばねをのせ、最後にSUS製の上蓋をのせたのちにナットをもちいて均等に締めた。
(4)平均厚みtならびに平均粒径dLおよびdA
第二の正極合剤層2の平均厚みtは、以下の方法により測定した。
正極にエポキシ樹脂を含浸させ、1日間乾燥させて固化させた後、正極集電体に対して垂直な正極断面が見られるように、正極断面を研磨した。研磨した断面のSEM顕微鏡写真を測定倍率500倍で、無作為に20枚撮影した。得られた各写真において、まず、図2に示すように、正極集電体1の表面に対して平行方向に30μmごとにリチウム複合酸化物粒子20を選択し、計100個の粒子を抽出した。そして、正極集電体1の表面を基準線Laとし、当該基準線Laに対して平行な線Lbであって、かつ、当該基準線Laからの距離が最大となる、リチウム複合酸化物粒子20の輪郭線上の点Pを通る平行線Lbを選択した各粒子に引いた。これらの線LaおよびLb間の距離を厚みt1、t2、t3とした。平均厚みtは、当該SEM写真において100個の測定値のうち、最大値および最小値から20個ずつの値を除外した合計60個の測定値の平均値を用いた。正極集電体の表面に凹凸がある場合、基準線Laは当該凹凸を均した表面を示す線とした。正極集電体の表面が全体として湾曲している場合、厚みtは、当該SEM写真における正極集電体湾曲表面の接線を基準線としたときの厚みとした。
第二の正極合剤層2に含まれるリチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLおよび第一の正極合剤層3に含まれる活物質粒子30の平均粒径dAは、EDXの元素組成分析により各粒子の種類・組成を判別しながら、SEM画像において以下の方法により測定した。
リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLは、上記のSEM写真において、図2に示すように、粒径の平均値を求めた。粒径は、最長粒径d1と最短粒径d2との平均値である。SEM写真において粒子の輪郭上で最も離れた2点の中点を中心点Mとした。その輪郭上の最も離れた2点を結んだ直線における2点間の長さを最長粒径d1とした。中心点Mを通る直線であって、当該直線と粒子の輪郭とが交わる2点間の長さが最も短い直線における当該2点間の長さを最短粒径d2とした。リチウム複合酸化物粒子20について、作為的な選択を防ぐために、第二の正極合剤層2における互いに隣接する100個のリチウム複合酸化物粒子20を対象とした。隣接する粒子が存在しない場合は、最も近い粒子を対象とした。なお、粒径の平均値は、各粒子の値を大きさの順に最大値から最小値まで並べたとき、これらの値のうち、最大値から20個の値および最小値から20個の値を除外した合計60個の値の平均値を用いた。
活物質粒子30の平均粒径dAは、測定対象を活物質粒子とすること以外、リチウム複合酸化物粒子20の平均粒径dLと同様の方法により、断面SEM顕微鏡写真を用いて測定した。
(5)充放電試験
充放電試験は以下の方法により行った。
電池の設計容量の0.2倍量の充電電流値(電流密度約0.5mA/cm)で、上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電を室温下で8時間行った。その後、設計容量の0.2倍量の電流値で2.75Vまで放電し、0.2C容量を測定した。つぎに同様の方法で充電し、設計容量の1倍量の電流値で2.75Vまで放電し、1C容量を測定した。
各電池の放電レート特性を1C容量/0.2C容量として算出した。当該比率が大きいと高率放電特性が良好であることを意味する。
(6)正極板の抵抗測定
作製した正極板の抵抗値の測定は以下の方法により行った。
正極板を金属製の治具(直径1.0cmの円形)で挟み、0.18kg/cm2の加重で圧迫し、直流抵抗計により抵抗を測定した。
(7)過充電試験
過充電試験は以下の方法により行った。
電池の設計容量の2倍量の充電電流値電流密度約5mA/cmで、上限電圧8.4Vの定電流定電圧充電を室温下で1.5時間行った。6.5Vに到達したときのSOC(充電状態)(%)を算出した。6.5Vに到達したときのSOCが小さいほど、安全性が高いことを意味する。過充電時に電圧が6.5Vに到達した電池は,第二の正極合剤層2が高抵抗化していることを示しており,過充電時の電流を遮断することができる。本試験では放熱性が高い電池を用いたため,セパレータのシャットダウンによる電圧上昇はおこらない。
A1からA6およびB1からB4の放電レート特性、過充電試験の6.5V到達時のSOCおよび安全性を表1に示す。
Figure 0006115361
(評価)
A3の正極板に比べB2の正極板は第二の正極合剤層2の平均厚みtが薄いにもかかわらず、放電レート特性がよくなかった。第二の正極合剤層2のt/dLを1.8以下の範囲としたA4の電極板では、良好な放電レート特性が得られた。
各電池におけるt/dLと放電レート特性(1C/0.2C)との関係をプロットしたところ(図4)、これらの間に相関関係が見られた。詳しくは、t/dLが1.8以下のとき、放電レート特性が良好で、比較的高率の放電性能を維持するが、t/dLが約2.1以上では高率放電性能が顕著に低下した
各電池における平均厚みtと放電レート特性(1C/0.2C)との関係をプロットしたところ(図5)、これらの間に相関関係は見られなかった。
電解液の分解電位以上の6.5 Vに到達した電池は過充電時の安全性を○とし,到達しないものを×とした。A4の正極板に比べB1の正極板は第二の正極合剤層2の平均厚みtが厚いにもかかわらず、過充電試験において電圧が6.5Vに到達していなかった。第二の正極合剤層2のt/dLを1.1以上の範囲としたA1の正極板は、過充電に対する安全性が向上した。第二の正極合剤層2のt/dLを1.5以上の範囲としたA2の正極板は、過充電に対する安全性がさらに向上した。
他の塗工方式を用いて作製したA5およびA6の正極板も、第二正極合剤層2のt/dLを1.1以上1.8以下の範囲とした電池では、過充電に対する安全性に優れ、放電レート特性が良好であった。
1:正極集電体
2:第二の正極合剤層
3:第一の正極合剤層
20:リチウム複合酸化物粒子
30:活物質粒子
50:非水電解質二次電池
52:電極群
53:負極
54:正極
55:セパレータ
56:電池ケース
57:ケース蓋
58:安全弁
59:負極端子
60:負極リード

Claims (3)

  1. 正極集電体、第一の正極合剤層、および前記正極集電体と前記第一の正極合剤層との間に形成される第二の正極合剤層を含む正極を有し、
    前記第一の正極合剤層が、LiCoO 、LiNiO 、LiMnO 、LiCoNiO 、LiCoMO およびLiNiMO (Mは共通してNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBのうち少なくとも1つ)、およびこれら正極活物質の一部元素が異種元素で置換されたもの、ならびにCo、NiおよびMnの三成分系の層状酸化物からなる群から選択される活物質粒子を含み、
    前記第二の正極合剤層がスピネル型マンガン酸リチウム粒子を含み、
    前記第二の正極合剤層の平均厚みtおよび前記スピネル型マンガン酸リチウム粒子の平均粒径dLが以下の関係式(I)を満たす非水電解質二次電池。
    1.1≦t/dL≦1.8 (I)
  2. 前記スピネル型マンガン酸リチウム粒子の平均粒径dLが1μmから15μmの範囲である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第一の正極合剤層が活物質粒子を含み、前記スピネル型マンガン酸リチウム粒子の平均粒径dLと前記活物質粒子の平均粒径dAとの比率(dL/dA)が0.1〜6の範囲である請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
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