JP6699087B2 - リチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、体積が小さく、質量容量密度が大きく、高電圧を取り出すことができるため、小型機器用の電源として広く採用されている。例えば、携帯電話、ノート型パソコンなどのモバイル機器用の電源として用いられている。また、近年では、小型のモバイル機器用途以外にも、環境問題に対する配慮と省エネルギー化に対する意識の向上から、電気自動車(EV)や電力貯蔵分野などの大容量で長寿命が要求される大型二次電池への応用が期待されている。
現在市販されているリチウムイオン二次電池では、正極活物質として層状構造のLiMO(MはCo、Ni、及びMnのうち少なくとも1種)またはスピネル構造のLiMnをベースとしたものが一般的に用いられている。このような正極活物質を有するリチウムイオン二次電池は、主に4.2V以下の充放電領域を用いている(以下、リチウム金属に対して4.2V以下の動作電位を有する正極を「4V級正極」と記載することもある。)。また、負極活物質としては黒鉛などの炭素材料が用いられている。
一方、LiMnのMnの一部をNiなどで置換した材料は、リチウム金属に対して4.5〜4.8Vと高い充放電領域を示すことが知られている。具体的には、LiNi0.5Mn1.5等のスピネル化合物はMn3+とMn4+の酸化還元ではなく、MnはMn4+の状態で存在しNi2+とNi4+の酸化還元を利用するため、4.5V以上の高い動作電圧を示す。このような材料は5V級活物質(5V級正極)と呼ばれ、高電圧化によりエネルギー密度の向上を図ることが可能であることから、有望な正極材料として期待されている。
しかしながら、正極の電位が高くなると、電解液が酸化分解されてガスが発生したり、電解液の分解に伴う副生成物が発生したり、正極活物質中のMnやNiなどの金属イオンが溶出して負極上に析出するなどして、特に40℃以上の高温下において充放電サイクルによる容量低下や多量のガス発生を引き起こすといった課題があり、実用化への課題となっている。
特許文献1〜7には、正極活物質や結着剤等に関する技術が開示されている。
特開2006−269386号公報 特開2014−011002号公報 特許第5126802号公報 特開2005−332743号公報 特開平11−67216号公報 特開2013−30447号公報 特開2013−179024号公報
しかしながら、特許文献1〜7に記載された二次電池では、充放電サイクルにおける容量維持率が不十分であり、またガス発生量が多いため、更なる改良が望まれている。
本実施形態では、充放電サイクルにおける容量維持率が高く、かつガス発生量が少ないリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極は、下記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、アクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、炭素と、を含む正極活物質層を正極集電体の少なくとも一方の表面上に備え、前記炭素がカーボンブラックを含み、前記正極活物質層1gに含まれる前記カーボンブラックの総表面積が3.3m 以下である
Li(MMn2−x−y)(O4−w) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、前記リチウムイオン二次電池用正極を含む。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、下記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、アクリル系樹脂を含む粒子を含むアクリル系樹脂エマルジョンと、水溶性高分子と、炭素と、水と、を含む正極スラリーを調製する工程と、
前記正極スラリーを正極集電体上に付与し、乾燥して、正極集電体上に正極活物質層を形成する工程と、を含み、
前記炭素がカーボンブラックを含み、前記正極活物質層1gに含まれる前記カーボンブラックの総表面積を3.3m 以下とする
Li(MMn2−x−y)(O4−w) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
本実施形態によれば、充放電サイクルにおける容量維持率が高く、かつガス発生量が少ないリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の一例を示す断面図である。
[リチウムイオン二次電池用正極]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極(以下、正極とも示す)は、下記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、正極導電材としての炭素と、を含む。
Li(MMn2−x−y)(O4−w) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)。
本実施形態によれば、正極被覆剤として働く水溶性高分子が、5V級正極である前記式(1)で表される化合物を被覆することで、電解液との反応性を抑制する。また、正極結着剤としてアクリル系樹脂を含む粒子を用いることで、その被覆効果を妨げず、電極密着強度を維持することができるため、ガス発生量の低減とサイクル特性の向上を図ることができる。
(正極活物質)
本実施形態に係る正極は、前記式(1)で表される化合物を含む正極活物質を含む。該化合物は、スピネル構造を有し、リチウム金属に対して4.5V以上に動作電位を有する正極活物質(5V級正極)である。すなわち、該正極活物質は、リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する。
前記式(1)において、Mは、Ni、またはNiと、Co及びFeの少なくとも一方とを含むことが好ましい。Aは任意元素であるが、B、Mg、AlおよびTiの少なくとも一種であることが好ましい。Zは任意元素であるが、Fであることが好ましい。このような置換元素は結晶構造を安定化させ、正極活物質の劣化を抑制することができる。
前記式(1)において、xは、0.42≦x≦1.0を満たすことが好ましく、0.45≦x≦0.8を満たすことがより好ましく、0.47≦x≦0.6を満たすことがさらに好ましい。yは、0≦y≦0.5を満たすことが好ましく、0≦y≦0.2を満たすことがより好ましく、0≦y≦0.1を満たすことがさらに好ましい。なお、x+y<2である。aは、0.2≦a≦1.15を満たすことが好ましく、0.5≦a≦1.1を満たすことがより好ましく、0.8≦a≦1.05を満たすことがさらに好ましい。wは、0≦w≦0.5を満たすことが好ましく、0≦w≦0.2を満たすことがより好ましく、0≦w≦0.1を満たすことがさらに好ましい。
前記正極活物質は、前記式(1)で表される化合物を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。また、前記正極活物質は、前記式(1)で表される化合物からなってもよい。
前記正極活物質は、前記式(1)で表される化合物以外の5V級正極を含んでもよい。例えば、LiMPO(0≦x≦2、0≦y≦1、MはCo及びNiの少なくとも一種である。)で表されるオリビン系の複合酸化物;LiMSiO(0≦x≦2、MはMn、Fe及びCoの少なくとも一種である。)で表されるSi含有複合酸化物;Li[LiMn1−a−b]O(0≦x≦1、0.02≦a≦0.3、0.1<b<0.7、MはNi、Co、Fe及びCrの少なくとも一種である。)で表される層状系複合酸化物等を使用することができる。これらの正極活物質は、一種を単独で用いてもよく、また二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記正極活物質は4V級正極を含んでもよい。
正極活物質の平均粒径(D50)は、1〜50μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。なお、正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー回折散乱法(マイクロトラック法)により測定した値である。
前記正極活物質のpHは7.0以上、10.8以下であることが好ましく、7.5以上、10.6以下であることがより好ましく、8.0以上、10.4以下であることがさらに好ましい。リチウム複合酸化物は炭酸リチウムや水酸化リチウムなどから合成されるため、アルカリ性を呈する。正極集電体として一般的に用いられるアルミニウム箔は、アルカリ水溶液と反応して水素を発生するため、正極活物質を含む正極スラリーのpHが高いと正極集電体が腐食され、正極の製造が困難である。前記正極活物質のpHが10.8以下であることにより、正極集電体の腐食が抑制され、正極を容易に製造することができる。前記式(1)で表される化合物は、前記pHの範囲を満たすことができる。なお、正極活物質のpHは水酸化リチウムや炭酸リチウム等の残留リチウムの量に依存し、製造方法によっても変化するが、一般に層状系複合酸化物はpHが比較的高い。一方、オリビン型正極活物質はpHが比較的低い。正極活物質のpHは、正極活物質を純水に3質量%添加し、30分間撹拌した後のpHを、室温下でpHメーターを用いて測定した値である。
(正極結着剤)
本実施形態に係る正極は、正極結着剤として、アクリル系樹脂を含む粒子を含む。アクリル系樹脂を含む粒子は耐酸化性に優れ、かつ電解液に対する膨潤性が低い。アクリル系樹脂としては、例えば、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルの重合体及び共重合体等が挙げられる。該共重合体において共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。該アクリル系樹脂の重量平均分子量は、10〜10が好ましい。なお、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。該粒子は、アクリル系樹脂を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましい。また、該粒子は、アクリル系樹脂からなってもよい。
アクリル系樹脂を含む粒子の原料としては、水中にアクリル系樹脂を含む粒子が分散したアクリル系樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。該粒子の平均粒子径は、70〜300nmが好ましく、100〜200nmがより好ましい。該粒子の平均粒子径が70nm以上であることにより、分散安定性が向上するため凝集を防ぐことができる。また、正極中の該粒子の分布を均一にすることができる。一方、該粒子の平均粒子径が300nm以下であることにより、単位質量当りの粒子数が多くなるため、正極内において正極活物質や正極集電体と正極結着剤との接触点が増加し、正極の密着性が向上する。なお、該粒子の平均粒子径はレーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により測定される値である。
正極中の正極結着剤の含有量は、正極活物質、正極結着剤、正極導電材および水溶性高分子の合計を100質量部とするとき、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.3〜3.0質量部がより好ましく、0.5〜2.0質量部がさらに好ましい。
(水溶性高分子)
本実施形態に係る正極は、水溶性高分子を含む。該水溶性高分子は正極被覆剤として機能し、正極活物質の表面を被覆することで、被覆層を形成する。該被覆層は正極活物質と電解液との間に位置し、正極活物質と電解液との直接的な接触を低減するため、電解液の分解を抑制できると考えられる。正極活物質である前記式(1)で表される化合物の表面は親水性を有するため、親水性である水溶性高分子との親和性が高く、水溶性高分子により均一に正極活物質の表面を被覆することができる。
水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩、ポリビニルアルコール、アクリル酸系ポリマーなどのカルボン酸系ポリマーなどが挙げられる。ここで、カルボン酸系ポリマーとは、ポリマー主鎖にカルボキシル基を含む官能基が側鎖として結合した構造を有するものを称する。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、容量維持率が高く、ガス発生量を低減できる観点から、水溶性高分子としてはカルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩の少なくとも一方が好ましい。カルボキシメチルセルロースの塩としては、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC−Na)、アンモニウム塩(CMC−NH4)等が挙げられる。なお、水溶性高分子は、増粘剤としても作用することができるが、本実施形態における水溶性高分子の主目的は正極活物質の被覆であり、増粘作用は副次的な効果である。
正極中の水溶性高分子の含有量は、正極活物質、正極結着剤、正極導電材および水溶性高分子の合計を100質量部とするとき、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.3〜3.0質量部がより好ましく、0.5〜2.0質量部がさらに好ましい。
(正極導電材)
本実施形態に係る正極は、正極導電材として炭素を含む。該炭素としては、例えば、カーボンブラック、粒状黒鉛、燐片状黒鉛、炭素繊維などが挙げられる。これらの中でも、電子伝導性や保液性の観点から、該炭素としてはカーボンブラックが好ましく、結晶性の低いカーボンブラックがより好ましい。
正極中の正極導電材の含有量は、正極活物質、正極結着剤、正極導電材および水溶性高分子の合計を100質量部とするとき、2.0〜10.0質量部が好ましく、2.5〜9.0質量部がより好ましく、3.0〜8.0質量部がさらに好ましい。該含有量が2.0質量部以上であることにより、正極活物質間の導電パスが十分に形成される。
一方、正極導電材としてカーボンブラックを使用する場合には、一般にカーボンブラックは比表面積が大きく、正極活物質層中の含有量が多いと電解液との反応表面積が増えるため、ガス発生量が増加する場合がある。該反応表面積はカーボンブラックの比表面積と正極活物質層中の含有量に依存する。すなわち、正極活物質層中のカーボンブラックの総表面積を一定値以下にすることが好ましい。具体的には、正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの総表面積が3.3m以下であることが好ましく、3.0m以下であることがより好ましく、2.5m以下であることがさらに好ましい。なお、正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの総表面積は、正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの量と、カーボンブラックのBET比表面積との積から算出される値である。
(リチウムイオン二次電池用正極の構成および製造方法)
本実施形態に係る正極は、前記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、正極導電材としての炭素と、を含めばその構成は特に限定されない。正極は、例えば、正極集電体の少なくとも一方の表面上に正極活物質層を備えることができる。該正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。該正極活物質層は、前記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、正極導電材としての炭素と、を含むことができる。
正極は、例えば、正極集電体の少なくとも一方の表面上に、前記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、正極導電材としての炭素と、を所定の配合量でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水等の溶媒中に分散混練して得られる正極スラリーを塗布し、乾燥することで得ることができる。正極スラリーの溶媒としては、水を用いることが低コストで高性能な正極が得られる観点から好ましい。得られた正極は、ロールプレス等の方法により圧縮して、適当な密度に調整することもできる。
特に、本実施形態に係る正極は、前記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂を含む粒子を含むアクリル系樹脂エマルジョンと、水溶性高分子と、正極導電材としての炭素と、溶媒としての水と、を含む正極スラリーを調製する工程と、前記正極スラリーを正極集電体上に付与し、乾燥する工程と、を含む方法により製造されることが好ましい。
[リチウムイオン二次電池]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、二次電池とも示す)は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極を含む。該二次電池の構成は、特に制限されるものではなく、例えば、本実施形態に係る正極および負極がセパレータを介して対向配置された電極素子と、電解液とが外装体に内包されている構成とすることができる。二次電池の形状は、特に制限されるものではないが、例えば、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型、積層ラミネート型等が挙げられる。
図1に本実施形態に係る二次電池の一例として、積層ラミネート型二次電池を示す。図1に示される二次電池は、正極活物質層1と正極集電体3とからなる正極と、負極活物質層2と負極集電体4とからなる負極との間に、セパレータ5が挟まれている。負極活物質層2は負極活物質、負極結着剤、負極導電材等を含むことができる。正極集電体3は正極タブ8と接続され、負極集電体4は負極タブ7と接続されている。外装体にはラミネート外装体6が用いられ、二次電池内部は電解液で満たされている。
(負極活物質)
負極活物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、黒鉛や非晶質炭素等の炭素材料を用いることができる。負極活物質としては、エネルギー密度の観点から、黒鉛を用いることが好ましい。黒鉛は人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素を被覆した黒鉛などを用いることができる。負極活物質として、炭素材料以外にも、例えば、Si、Sn、Al等のLiと合金を形成する材料、Si酸化物、SiとSi以外の他金属元素を含むSi複合酸化物、Sn酸化物、SnとSn以外の他金属元素を含むSn複合酸化物、LiTi12、これらの材料にカーボンを被覆した複合材料等を用いることもできる。負極活物質は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(負極結着剤)
負極結着剤としては、特に限定されないが、PVDF、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリレート系ポリマー等を用いることができる。PVDFは、溶剤系バインダーとして用いることができる。スチレンブタジエンゴム(SBR)およびアクリレート系ポリマーは、これらが水に分散されたエマルジョンを含む水系バインダーとして用いることができる。水系バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)、そのナトリウム塩(CMC−Na)等の増粘剤と併用することができる。負極中の負極結着剤の含有量は、負極活物質、負極結着剤および負極導電材の合計を100質量部とする場合、溶剤系バインダーでは、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。水系バインダーでは、該含有量は、0.5〜5質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。水系バインダーに併用される増粘剤の含有量は、0.2〜3質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
(負極導電材)
負極導電材としては、例えば、カーボンブラック、粒状黒鉛、燐片状黒鉛、炭素繊維などの炭素材料を用いることができる。
(負極集電体)
負極集電体としては、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。
(電解液)
電解液としては、例えばリチウム塩を非水溶媒に溶解した非水電解液を用いることができる。
リチウム塩としては、LiPF、リチウムイミド塩、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF等が挙げられる。リチウムイミド塩としては、LiN(C2k+1SO)(C2m+1SO)(kおよびmは、それぞれ独立して1または2である)が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。リチウム塩の電解液中の濃度は、0.5〜1.5mol/Lであることが好ましく、0.7〜1.2mol/Lであることがより好ましい。リチウム塩の濃度をこの範囲とすることにより、密度や粘度、電気伝導率等を適切な範囲に調整し易い。
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、γ−ラクトン、環状エーテルおよび鎖状エーテルからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を用いることができる。環状カーボネートとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。脂肪族カルボン酸エステルとしては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。γ−ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンおよびその誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびその誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。鎖状エーテルとしては、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、エチルエーテル、ジエチルエーテル、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。非水溶媒としては、これら以外にも、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)を用いることもできる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
これらの中でも非水溶媒としては、誘電率が高く電解質の溶解性に優れる観点から環状カーボネートが好ましく、エチレンカーボネート(EC)又はプロピレンカーボネート(PC)がより好ましい。電解液溶媒中の環状カーボネートの体積比率は10〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましい。PCはECよりも低温特性が良好であるが、黒鉛と反応しやすい傾向があるため、電解液溶媒中のPCの体積比率は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
電解液は、フッ素化エーテル、フッ素化リン酸エステルおよびスルホン化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが、容量維持率の向上およびガス発生量の低減の観点から好ましい。
前記フッ素化エーテルとしては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006699087
(式(2)中、R101及びR102は、それぞれ独立してアルキル基又はフッ化アルキル基を示し、R101及びR102の少なくとも一つはフッ化アルキル基である)。
101およびR102の炭素数の合計は10以下であることが好ましい。なお、前記式(2)において、アルキル基およびフッ化アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のものを含む。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。フッ化アルキル基としては、前記アルキル基の水素の一部がフッ素で置換された基が挙げられる。なお、フッ化アルキル基とは、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基である。
前記フッ化アルキル基におけるフッ素原子の含有率は、フッ素原子と水素原子の合計に対して50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。フッ素原子の含有率が多いと、耐電圧性がより向上し、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質を用いた場合でもサイクル後における電池容量の低下をより有効に低減することが可能である。
前記フッ素化エーテルとしては、下記式(2−1)で表されるフッ素化エーテルがより好ましい。
−(CX−O−(CX−X (2−1)
(式(2−1)中、n、mは、それぞれ独立して1〜8である。X〜Xは、それぞれ独立して、フッ素原子または水素原子である。ただし、X〜Xの少なくとも1つはフッ素原子である。また、nが2以上のとき、複数個存在するXおよびXは互いに独立であり、mが2以上のとき、複数個存在するXおよびXは互いに独立である。)。
前記フッ素化エーテルとしては、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(2−2)で表される化合物であることがより好ましい。
−(CX−CHO−CX−CX−X (2−2)
(式(2−2)中、nは1〜7であり、X〜Xは、それぞれ独立して、フッ素原子または水素原子である。ただし、X〜Xの少なくとも1つはフッ素原子であり、X〜Xの少なくとも1つはフッ素原子である。)。
前記式(2−2)において、nが2以上のとき、複数個存在するXは互いに同一であっても異なっていてもよく、複数個存在するXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記フッ素化エーテルとしては、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(2−3)で表される化合物であることがより好ましい。
H−(CY−CY−CHO−CY−CY−H (2−3)
(式(2−3)において、nは1、2、3または4である。Y〜Yは、それぞれ独立して、フッ素原子または水素原子である。ただし、Y〜Yの少なくとも1つはフッ素原子であり、Y〜Yの少なくとも1つはフッ素原子である。)。
式(2−3)において、nが2以上のとき、複数個存在するY〜Yは互いに同一であっても異なっていてもよい。
フッ素化エーテルとしては、具体的には、CFOCH、CFOC、F(CFOCH、F(CFOC、CF(CF)CHO(CF)CF、F(CFOCH、F(CFOC、F(CFOCH、F(CFOC、F(CFOCH、F(CFOC、F(CFOCH、F(CFOC、F(CFOCH、CFCHOCH、CFCHOCHF、CFCFCHOCH、CFCFCHOCHF、CFCFCHO(CFH、CFCFCHO(CFF、HCFCHOCH、(CF)(CF)CHO(CFH、H(CFOCHCH、H(CFOCHCF、H(CFCHOCHF、H(CFCHO(CFH、H(CFCHO(CFH、H(CFCHO(CFH、H(CHF)CHO(CFH、(CFCHOCH、(CFCHCFOCH、CFCHFCFOCH、CFCHFCFOCHCH、CFCHFCFCHOCHF、CFCHFCFOCH(CFF、CFCHFCFOCHCFCFH、H(CFCHO(CFH、CHCHO(CFF、F(CFCHO(CFHなどが挙げられる。これらの中でも、フッ素化エーテルとしては、H(CFCHO(CFHが好ましい。これらのフッ素化エーテルは、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
フッ素化エーテルは、耐酸化性に優れており、溶媒粘度が低く、5V級正極の電解液溶媒として好ましい。電解液溶媒中のフッ素化エーテルの濃度は20〜70体積%が好ましく、30〜60体積%がより好ましい。
前記フッ素化リン酸エステルとしては、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006699087
(式(3)中、R、R、Rは、それぞれ独立して、アルキル基またはフッ化アルキル基を示し、これらのうち少なくとも1つがフッ化アルキル基である。)。
前記式(3)において、フッ化アルキル基とは、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基である。前記式(3)において、R、RおよびRの炭素数は、それぞれ独立して、1〜3であることが好ましい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。フッ化アルキル基としては、前記アルキル基の水素の一部がフッ素で置換された基が挙げられる。R、RおよびRの少なくとも1つは、対応する無置換のアルキル基が有する水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基であることが好ましい。また、R、RおよびRの全てがフッ化アルキル基であり、該R、RおよびRが対応する無置換のアルキル基の水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基であることがより好ましい。フッ素原子の含有率が多いと、耐電圧性がより向上し、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質を用いた場合でも、サイクル後における電池容量の低下をより低減することできる。また、フッ化アルキル基における水素原子とフッ素原子の数の合計に対するフッ素原子の数の比率は55%以上がより好ましい。
フッ素化リン酸エステルとしては、具体的には、Tris(trifluoromethyl)phosphate、Tris(pentafluoroethyl)phosphate、Tris(2,2,2−trifluoroethyl)phosphate(TTFP)、Tris(2,2,3,3−tetrafluoropropyl)phosphate、Tris(3,3,3−trifluoropropyl)phosphate、Tris(2,2,3,3,3−pentafluoropropyl)phosphate等のフッ素化アルキルリン酸エステルが挙げられる。これらの中でも、フッ素化リン酸エステルとしては、Tris(2,2,2−trifluoroethyl)phosphate(TTFP)が好ましい。これらのフッ素化リン酸エステルは、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
フッ素化リン酸エステルは、耐酸化性に優れており、リチウム塩の溶解性が高く、5V級正極の電解液溶媒として好ましい。電解液溶媒中のフッ素化リン酸エステルの濃度は5〜90体積%が好ましく、10〜80体積%がより好ましい。
前記スルホン化合物としては、下記式(4)又は下記式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006699087
(式(4)中、R及びRは、それぞれ独立して、置換または無置換のアルキル基を示す。)。
前記式(4)において、Rの炭素数n、Rの炭素数nはそれぞれ1≦n≦12、1≦n≦12であることが好ましく、1≦n≦6、1≦n≦6であることがより好ましく、1≦n≦3、1≦n≦3であることが更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
及びRの置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
前記式(4)で表される化合物としては、例えば、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン等が挙げられる。これらのうち、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホンが好ましく、ジメチルスルホンがより好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
Figure 0006699087
(式(5)中、Rは、置換または無置換のアルキレン基を示す。)。
前記式(5)において、Rのアルキレン基の炭素数は4〜9であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
の置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
前記式(5)で表される化合物のうち、下記式(5−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006699087
(式(5−1)中、mは1〜6の整数である。)。
前記式(5−1)において、mは1〜6の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
前記式(5)で表される化合物としては、例えば、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ペンタメチレンスルホン、ヘキサメチレンスルホン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が好ましく、スルホランがより好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
スルホン化合物は、耐酸化性に優れており、誘電率が高いためリチウム塩の溶解性が高く、5V級正極の電解液溶媒として好ましい。電解液溶媒中のスルホン化合物の濃度は10〜40体積%が好ましく、15〜30体積%がより好ましい。鎖状スルホン化合物の方が環状スルホン化合物よりも粘度は低いものの耐酸化性はやや低くなるため、5V級正極に対しては環状スルホン化合物の方が好ましい。
スルホン化合物は耐酸化性に優れ、誘電率が高く、リチウム塩の溶解性に優れる。また、フッ素化リン酸エステルとフッ素化エーテルはどちらも耐酸化性に優れる。しかし、フッ素化リン酸エステルは粘度が高いもののリチウム塩の溶解が良く、フッ素化エーテルは粘度が低いもののリチウム塩の溶解性が低い。したがって、フッ素化リン酸エステルとフッ素化エーテルとを混合することで、バランスの良い電解液を得ることができる。さらに、スルホン化合物、フッ素化リン酸エステルおよびフッ素化エーテルを混合することで、より好適な電解液を得ることができる。
電解液には、さらに添加剤を加えることができる。添加剤としては、活物質にSEI(Solid Electrolyte Interface)皮膜を形成できる添加剤が好ましい。SEI皮膜は活物質と電解液との副反応を抑制し、サイクル特性を向上させる働きをする。
(セパレータ)
セパレータとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンやフッ素樹脂等からなる多孔性フィルム、セルロースやガラスなどからなる無機セパレータ等を用いることができる。
(外装体)
外装体としては、例えば、コイン型、角型、円筒型等の缶や、ラミネート外装体を用いることができるが、軽量化が可能であり電池エネルギー密度の向上を図る観点から、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可撓性フィルムを用いたラミネート外装体が好ましい。ラミネート外装体を備える二次電池は、放熱性にも優れているため、電気自動車などの車載用電池として好適である。
ラミネート外装体としては、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、SUS製ラミネートフィルム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムなどを用いることができる。特に、体積膨張を抑制する観点やコストの観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いることが好ましい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
本実施形態に係る二次電池の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下に示す方法が挙げられる。本実施形態に係る正極および負極にそれぞれ正極集電体及び負極集電体を介して正極タブ、負極タブを接続する。前記正極と前記負極とを前記セパレータを挟んで対向配置させ、積層させた電極素子を作製する。該電極素子を外装体内に収容し、電解液に浸す。正極タブ、負極タブの一部を外部に突出するようにして外装体を封止することで、二次電池を作製する。
以下、本実施形態の実施例について詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例で使用した化合物の略号について説明する。
EC:エチレンカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
FE1:H(CFCHOCFCF
FE2:CHCHO(CF
FE3:CFCHFCFOCH(CF
FP1:O=P(OCHCF
FP2:リン酸トリス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)
FP3:リン酸トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)
SL:CSOで表されるスルホラン
DMS:ジメチルスルホン
EMS:エチルメチルスルホン。
[実施例1]
(負極の作製)
負極活物質としての天然黒鉛粉末(平均粒径(D50):20μm、比表面積:1m/g)と、負極結着剤としてのPVDFとを、質量比95:5でNMP中に均一に分散させて、負極スラリーを作製した。この負極スラリーを負極集電体となる厚み15μmの銅箔の両面に塗布して125℃にて10分間乾燥させてNMPを蒸発させることにより、負極活物質層を形成し、さらにプレスすることによって負極を作製した。なお、乾燥後の単位面積当たりの負極活物質層の質量を0.013g/cmとした。
(正極の作製)
正極活物質としてのLiNi0.5Mn1.5粉末(平均粒径(D50):10μm、比表面積:0.5m/g)、正極結着剤としてのアクリル系樹脂粒子を含むアクリル系樹脂エマルジョン(商品名:AE980、イーテック社製、粒径:0.1〜0.2μm)、水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC−Na)、正極導電材としてのカーボンブラック(BET比表面積65m/g、以下CB−1とも示す)を用意した。正極活物質と正極導電材と正極結着剤(アクリル系樹脂粒子)と水溶性高分子とを質量比95:3:1:1で水を適宜加えながら混練分散させて、水系の正極スラリーを作製した。この正極スラリーを正極集電体となる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗布後、50℃で10分間、120℃で10分間乾燥させて水を蒸発させることにより、正極を作製した。なお、乾燥後の単位面積当たりの正極活物質層の質量を0.035g/cmとした。また、LiNi0.5Mn1.5粉末のpHは10.2であった。該pHは、LiNi0.5Mn1.5粉末を純水に3質量%添加し、30分間撹拌した後のpHを、室温下でpHメーターを用いて測定した値である。また、該正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの総表面積は2.0mであった。
(非水電解液)
ECとDECとを、EC:DEC=30:70(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。
(リチウムイオン二次電池の作製)
前記正極と前記負極を1.5cm×3cmの大きさに切り出した。得られた正極4枚と負極5枚とを、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接し、更にその溶接箇所にアルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極素子を得た。該電極素子を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルムで包み、内部に前記非水電解液を注液した後、減圧しつつ封止することで、リチウムイオン二次電池を作製した。
(初回充放電)
上記のように作製したリチウムイオン二次電池を、20℃にて5時間率(0.2C)相当の16mAの定電流で4.75Vまで充電した後、合計で8時間の4.75V定電圧充電を行った。その後、1時間率(1C)相当の80mAで3.0Vまで定電流放電した。
(サイクル試験)
前記初回充放電が終了したリチウムイオン二次電池を、1Cで4.75Vまで充電した後、合計で2.5時間の4.75V定電圧充電を行い、その後1Cで3.0Vまで定電流放電した。この充放電サイクルを、45℃で100回繰り返した。初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比率を容量維持率(%)として算出した。また、初回充放電後と100サイクル後のセル体積を求め、セル体積の増加率(体積増加率(%))を算出した。セル体積は水中と空気中での質量差からアルキメデス法を用いて測定した。体積増加率は電池内部でのガス発生量を反映しており、値が小さいほど好ましい。結果を表1に示す。
[実施例2]
水溶性高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
水溶性高分子として、カルボン酸系ポリマー(商品名:アクアリック AS、日本触媒製)を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
正極結着剤としてPVDFを用い、水溶性高分子を用いずに、正極活物質と正極導電材と正極結着剤とを質量比94:3:3でNMPを適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。この正極スラリーを正極集電体となる厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗布後、125℃にて10分間乾燥させてNMPを蒸発させることにより、正極を作製した。なお、乾燥後の単位面積当たりの正極活物質層の質量を0.035g/cmとした。該正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの総表面積は2.0mであった。該正極を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
正極結着剤(水溶性高分子)としてポリビニルアルコール(PVA)を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤(水溶性高分子)とを質量比94:3:3で水を適宜加えながら混練分散させて、水系の正極スラリーを作製した。それ以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
正極結着剤(水溶性高分子)としてカルボン酸系ポリマー(商品名:アクアリック AS、日本触媒製)を用いた以外は、比較例2と同様の方法で二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
正極結着剤の原料として、PVDF系エマルジョン(粒径:0.1〜0.2μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006699087
表1より、実施例1〜3では容量維持率、体積増加率ともに優れていた。正極被覆材としての水溶性高分子と、正極結着剤としてのアクリル系樹脂とを併用することで、水溶性高分子が正極活物質を被覆して電解液の分解を抑制し、且つアクリル系樹脂により電極の結着性を十分に維持することができ、サイクル特性が向上したと考えられる。
[比較例5]
正極活物質として、層状の三元系正極であるLiNi0.5Co0.2Mn0.3を用いた以外は、実施例1と同様に正極を作製した。しかし、正極スラリーを正極集電体となるアルミニウム箔に塗布した際、アルミニウム箔が腐食し、リチウムイオン二次電池に使用できる正極を得ることができなかった。該正極活物質のpHは11.0であり、pHが高いため、アルミニウムを腐食したと考えられる。
[比較例6]
正極活物質として、層状のNi系正極であるLiNiOを用いた以外は、実施例1と同様に正極を作製した。しかし、正極スラリーを正極集電体となるアルミニウム箔に塗布した際、アルミニウム箔が腐食し、リチウムイオン二次電池に使用できる正極を得ることができなかった。該正極活物質のpHは11.7であり、pHが高いため、アルミニウムを腐食したと考えられる。
[実施例4]
ECとDECとSLとを、EC:DEC:SL=20:60:20(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例5]
ECとDECとFP1とを、EC:DEC:FP1=20:50:30(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例6]
ECとDECとFE1とを、EC:DEC:FE1=20:50:30(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例7]
ECとSLとFP1とを、EC:SL:FP1=20:20:60(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例8]
ECとSLとFE1とを、EC:SL:FE1=20:20:60(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例9]
ECとFP1とFE1とを、EC:FP1:FE1=20:50:30(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例10]
ECとSLとFP1とFE1とを、EC:SL:FP1:FE1=20:10:50:20(体積比)の比率で混合した。この混合溶液に、電解質として1.0mol/Lの濃度のLiPFを溶解させることで、非水電解液を調製した。該非水電解液を用いた以外は実施例1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006699087
表2より、DECの代わりに、それぞれSLを20体積%、FP1を30体積%、FE1を30体積%加えた実施例4〜6では、容量維持率が80%以上で、体積増加率が2.5%以下であり、実施例1の場合よりも体積増加率が抑えられた。SL、FP1およびFE1のうちの2種を混合した実施例7〜9では、体積増加率が2%以下とさらに抑制された。SL、FP1およびFE1の3種を混合した実施例10では、容量維持率、体積増加率ともに最も良好な値を示した。
[実施例11]
FP1の代わりにFP2を用いた以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例12]
FP1の代わりにFP3を用いた以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例13]
FE1の代わりにFE2を用いた以外は実施例12と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例14]
FE1の代わりにFE3を用いた以外は実施例12と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例15]
SLの代わりにDMSを用いた以外は実施例14と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例16]
SLの代わりにEMSを用いた以外は実施例14と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006699087
表3より、実施例11〜16では容量維持率は82%以上、体積増加率は2%以下であり、いずれも良好な値を示した。
[実施例17]
正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比92:5:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例18]
正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比90:7:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例19]
正極導電材として、カーボンブラック(BET比表面積45m/g、以下CB−2とも示す)を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比95:3:1:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例20]
正極導電材としてCB−2を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比92:5:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例21]
正極導電材としてCB−2を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比90:7:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例22]
正極導電材として、カーボンブラック(BET比表面積120m/g、以下CB−3とも示す)を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比95:3:1:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例23]
正極導電材としてCB−3を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比92:5:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[実施例24]
正極導電材としてCB−3を用い、正極活物質と正極導電材と正極結着剤と水溶性高分子とを質量比90:7:2:1で水を適宜加えながら混練分散させて、正極スラリーを作製した。それ以外は実施例10と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006699087
表4より、カーボンブラックの添加量が多いほど、またカーボンブラックの比表面積が大きいほどガス発生量が増える傾向があり、正極活物質層1gに含まれるカーボンブラックの総表面積が3.3mより大きくなると、体積増加率が特に高くなった。この明確な理由は不明だが、水溶性高分子は正極活物質以外にも正極導電材も被覆していると考えられ、該総表面積が3.3mより大きくなると水溶性高分子で被覆されない面が現れ、その露出面での電解液の分解によりガス発生量が増加すると推定される。



1 正極活物質層
2 負極活物質層
3 正極集電体
4 負極集電体
5 セパレータ
6 ラミネート外装体
7 負極タブ
8 正極タブ

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、アクリル系樹脂を含む粒子と、水溶性高分子と、炭素と、を含む正極活物質層を正極集電体の少なくとも一方の表面上に備え、前記炭素がカーボンブラックを含み、前記正極活物質層1gに含まれる前記カーボンブラックの総表面積が3.3m 以下であるリチウムイオン二次電池用正極。
    Li(MMn2−x−y)(O4−w) (1)
    (式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
  2. 前記正極活物質のpHが7.0以上、10.8以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  3. 前記水溶性高分子がカルボキシメチルセルロースおよびその塩の少なくとも一方である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極を含むリチウムイオン二次電池。
  5. フッ素化エーテル、フッ素化リン酸エステルおよびスルホン化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含む電解液を備える請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 下記式(1)で表される化合物を含む正極活物質と、アクリル系樹脂を含む粒子を含むアクリル系樹脂エマルジョンと、水溶性高分子と、炭素と、水と、を含む正極スラリーを調製する工程と、
    前記正極スラリーを正極集電体上に付与し、乾燥して、正極集電体上に正極活物質層を形成する工程と、を含み、
    前記炭素がカーボンブラックを含み、前記正極活物質層1gに含まれる前記カーボンブラックの総表面積を3.3m 以下とする、
    リチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
    Li(MMn2−x−y)(O4−w) (1)
    (式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
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