JP2015056311A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Masanori Kitayoshi
雅則 北吉
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Abstract

【課題】低コストに、電池容量を効果的に増大することが可能な非水電解質二次電池用の製造方法を提供する。
【解決手段】電極活物質と分散剤とカーボネート溶媒を冷却および粉砕して得られた少なくとも1種のカーボネート粉末とを含み、カーボネート粉末の濃度の異なる複数種のペーストを用い、集電体側から表面側に向けて厚み方向に、カーボネート粉末の濃度が順次大きくなるように複数の層を積層して、電極21を製造する工程(A)と、電極と外装体とを含む電池セルを製造する工程(B)と、電池セル内に非水電解液を注入する工程(C)と、熱処理により、カーボネート粉末を非水電解液中に溶出させる工程(D)とを順次実施する。
【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、プラグインハイブリッド車(PHV)あるいは電気自動車(EV)等の用途に利用されている。
非水電解質二次電池は、一対の電極である正極および負極と、これらの間を絶縁するセパレータと、非水電解質とを備える。
非水電解質二次電池用の電極(正極または負極)の構造としては、集電体とその上に形成された電極活物質層(正極活物質層または負極活物質層)とを含む積層構造が知られている。
容積当たりのエネルギー密度を向上させることを考慮すれば、電極活物質層は厚い方が好ましい。しかしながら、例えば厚みが70〜90μmである厚膜の電極活物質層では、活物質とLiイオン等の伝導イオンとの反応は、活物質と非水電解質とが接触しやすい電極活物質層の表層で集中的に起こる。集電体側の活物質は伝導イオンとは接触しがたく、有効に活用されないため、電極活物質層の厚みに見合った電池容量の向上を得ることが難しい。
また、電極活物質層の表層で反応が集中する結果、電池容量が低下する恐れもある。例えば正極の場合、放電時において、正極活物質層の表層で反応が集中し、その部分で塩濃度が低下して反応抵抗が上昇し、放電容量が低下する恐れがある。
特許文献1には、活物質層における導電助剤の密度が集電体側から電解質層側に向かうに従って漸減しており、活物質層における空隙率が集電体側から電解質層側に向かうに従って漸増しており、活物資層におけるバインダの濃度が電解質層側から集電体側に向かうに従って増加しない電池用電極が開示されている(請求項1)。
活物質層において、電解液側の領域の空隙率を大きくしておくことにより、活物質層の全体に電解液が浸透しやすくなる。
特開2013-016515号公報
特許文献1では、厚み方向に空隙率を変化させるために、かさ密度の異なる複数種の導電助剤を用いている([実施例]の項を参照)。そのため、用いる材料の種類が多くなり、高コストになる。また、入手可能な導電助剤のかさ密度は限られるため、空隙率の厚み方向の変化を自由に設計することも難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、用いる材料の種類を多くすることなく、低コストに、電池容量を効果的に増大することが可能な非水電解質二次電池用の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、
集電体と、当該集電体上に形成され、当該集電体側から表面側に向けて厚み方向に、空隙率が段階的または連続的に大きく変化した電極活物質層とを備えた、正極または負極である電極と、
非水電解質および少なくとも1種のカーボネート溶媒を含む非水電解液と、
外装体とを備えた、
非水電解質二次電池の製造方法であって、
電極活物質と分散剤とカーボネート溶媒を冷却および粉砕して得られた少なくとも1種のカーボネート粉末とを含み、前記カーボネート粉末の濃度の異なる複数種のペーストを用い、
前記集電体側から前記表面側に向けて厚み方向に、前記カーボネート粉末の濃度が順次大きくなるように複数の層を積層して、前記電極を製造する工程(A)と、
前記電極と前記外装体とを含む電池セルを製造する工程(B)と、
前記電池セル内に前記非水電解液を注入する工程(C)と、
熱処理により、前記カーボネート粉末を前記非水電解液中に溶出させる工程(D)とを有するものである。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法において、1種のペーストはカーボネート粉末を含まないものであってもよい。
前記電極活物質層の空隙率の厚み方向の傾斜度合は、3.5〜4.0%/10μmであることが好ましい。
本明細書において、「空隙率の厚み方向の傾斜度合」は、集電体側から表面側に向けて、10μmおきの空隙率の増加量を示したものである。
集電体側から表面側に向かう厚み方向の位置をx(μm)で表し、厚み方向の位置x(μm)における空隙率をy(%)で表すとする。任意の位置x1(μm)における空隙率をy1(%)とし、x1+10(μm)の位置における空隙率をy1+α(%)としたとき、本発明の非水電解質二次電池用の電極活物質層では、α(%)が3.5〜4.0%の範囲内にある。
本発明によれば、用いる材料の種類を多くすることなく、低コストに、電池容量を効果的に増大することが可能な非水電解質二次電池用の製造方法を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の非水電解質二次電池の構成を示す模式全体図である。 図1の非水電解質二次電池における電極積層体の模式断面図である。 図1の非水電解質二次電池における電極の構造を示す模式断面図である。 実施例1で得られたEC粉末の粒径分布である。
「非水電解質二次電池」
図1及び図2に、本発明に係る一実施形態の非水電解質二次電池の構成を示す。図1は模式全体図、図2は電極積層体の模式断面図である。
図1に示す非水電解質二次電池1は、外装体(電池容器)11内に、電極積層体20と非水電解液(符号略)とが収容されたものである。非水電解液は、非水電解質および少なくとも1種のカーボネート溶媒を含む。
図2に示すように、電極積層体20は、正極21と負極22とがこれらを絶縁するセパレータ23を介して積層されたものである。
外装体11の外面には、外部接続用の2個の外部端子(プラス端子及びマイナス端子)12が設けられている。
図3に示すように、正極21および/または負極22は、集電体110と、集電体110上に形成され、集電体110側から表面S側に向けて厚み方向に、空隙率が段階的または連続的に大きく変化した電極活物質層120とを備える。
電極活物質層120は、空隙率の異なる複数層の積層構造を有している。図示例では、電極活物質層120は、集電体110側から第1層121〜第9層129の積層構造を有している。電極活物質層120の積層数は適宜設計できる。
上記構成を有する電極活物質層120では、例えば総厚が70〜90μmである厚膜であっても、非水電解液が表面側から集電体側の全体に渡って電極活物質層内に浸透しやすい。そのため、表面側から集電体側の全体に渡って、活物質が伝導イオンと良好に接触し、電極活物質層の厚みに見合った電池容量を得ることができる。
本実施形態は、総厚が70〜90μmである厚膜の電極活物質層を有する非水電解質二次電池に好ましく適用でき、電極活物質層の厚膜化による電池容量の向上効果が得られる。
正極活物質層であれば、放電時において、正極活物質層の表層での反応集中による表層での塩濃度の低下と反応抵抗の上昇が抑制され、放電容量の向上効果が得られる。
負極活物質層であれば、放電容量の向上効果が得られる。
電極活物質層120は、空隙率の厚み方向の傾斜度合が3.5〜4.0%/10μmを充足することが好ましい。
例えば、第1層121〜第9層129がいずれも10μm厚である場合、層122〜129の空隙率はいずれも直下層の空隙率より3.5〜4.0%小さく設計される。
層121〜129の厚みは、任意に設計される。層121〜129の厚み方向中心の位置x(μm)とその位置における空隙率y(%)とをプロットしたとき、空隙率yの変化が3.5〜4.0%/10μmになるよう、厚み方向の空隙率の変化が設計される。
電極活物質層120全体の厚み方向中心の空隙率(図3の例では、第5層125の空隙率)は、特に空隙率に傾斜を持たせない従来の電極活物質層の空隙率と同様に設計される。
電極活物質層120全体の厚み方向中心の空隙率は、28〜32%が好ましい。
電極活物質層120全体の厚み方向中心の空隙率を従来同様として空隙率に傾斜を持たせた場合、空隙率の厚み方向の傾斜度合が3.5%/10μmより小さいと、表層部分の空隙率が充分に大きくならず、この部分で塩濃度が低下して反応抵抗が上昇し、電池容量が低下する恐れがある。また、空隙率の厚み方向の傾斜度合が4.0%/10μmより大きいと、集電体側の空隙率を充分に大きくできず、この部分で塩濃度が低下して反応抵抗が上昇し、電池容量が低下する恐れがある。
空隙率の厚み方向の傾斜度合を好ましくは3.5〜4.0%/10μmとすることで、集電体側から表面側の全体に渡って空隙率が充分に確保され、電極活物質層の厚みに見合った電池容量を得ることができる。
非水電解質二次電池としては、リチウムイオン二次電池等が挙げられる。
以下、リチウムイオン二次電池を例として、主な構成要素について説明する。
(正極)
正極は、公知の方法により、アルミニウム箔などの正極集電体に正極活物質を塗布して、製造することができる。
公知の正極活物質としては特に制限なく、例えば、LiCoO、LiMnO、LiMn、LiNiO、LiNiCo(1−x)、およびLiNiCoMn(1−x−y)等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる(式中、0<x<1、0<y<1)。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の分散剤を用い、上記の正極活物質と、炭素粉末等の導電助剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤とを混合および混練して、ペーストを得、このペーストをアルミニウム箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、正極活物質層を形成することができる。
(負極)
負極活物質としては特に制限なく、Li/Li+基準で2.0V以下にリチウム吸蔵能力を持つものが好ましく用いられる。負極活物質としては、黒鉛等の炭素、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物/遷移金属窒化物/遷移金属硫化物、及び、これらの組合わせ等が挙げられる。
負極は例えば、公知の方法により、銅箔などの負極集電体に負極活物質を塗布して、製造することができる。
例えば、水等の分散剤を用い、負極活物質と、変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の結着剤と、必要に応じてカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)等の増粘剤とを混合して、ペーストを得、このペーストを銅箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、負極を得ることができる。
(空隙率の傾斜方法)
詳細については後述するが、本発明では、正極および/または負極の製造において、複数種のペーストを用いて積層構造の電極活物質層を形成する。この際、ペーストにカーボネート粉末を添加する。また、複数種のペースト中のカーボネート粉末の濃度を変更することで、最終的に得られる各層の空隙率を変化させる。
(非水電解液)
非水電解質としては公知のものが使用できる。
少なくとも1種のカーボネ−ト溶媒にリチウム含有電解質を溶解した非水電解液が好ましく用いられる。
より好ましくは、プロピレンカーボネ−トあるいはエチレンカーボネ−ト等の高誘電率カーボネート溶媒と、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジメチルカーボネート等の低粘度カーボネート溶媒との混合溶媒に、リチウム含有電解質を溶解した非水電解液が用いられる。
混合溶媒としては例えば、エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)、及びエチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)等の混合溶媒が好ましく用いられる。
リチウム含有電解質としては例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF{C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)等のリチウム塩、およびこれらの組合わせが挙げられる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜であればよく、多孔質高分子フィルムが好ましく使用される。
セパレータとしては例えば、PP(ポリプロピレン)製多孔質フィルム、PE(ポリエチレン)製多孔質フィルム、あるいは、PP(ポリプロピレン)−PE(ポリエチレン)の積層型多孔質フィルム等のポリオレフィン製多孔質フィルムが好ましく用いられる。
(外装体(電池容器))
外装体としては公知のものが使用できる。
二次電池の型としては、円筒型、コイン型、角型、あるいはフィルム型(ラミネート型)等があり、所望の型に合わせて外装体を選定することができる。
(非水電解質二次電池の製造方法)
以下、非水電解質二次電池1の製造方法について説明する。
<工程(A)>
電極活物質と分散剤とカーボネート溶媒を冷却および粉砕して得られた少なくとも1種のカーボネート粉末とを含み、カーボネート粉末の濃度の異なる複数種のペーストを用意する。
ただし、1種のペーストはカーボネート粉末を含まないものであってもよい。
複数種のペーストを用いることで、集電体110側から表面S側に向けて厚み方向に、カーボネート粉末の濃度が順次大きくなるように複数の層121〜129を積層して、正極21または負極22を製造する。
例えば、各層形成用のペーストでは、カーボネート粉末以外の成分の配合比を固定し、カーボネート粉末の配合比を変更する。
この工程においては、集電体110上へのペーストの塗布と乾燥をペーストの種類を変えて複数回繰り返して、複数の層121〜129を積層することが好ましい。
ペーストに用いるカーボネート粉末としては、エチレンカーボネート(EC)粉末等が好ましい。
ECの場合、35.5℃以下に冷却することで固化するので、この温度以下で粉砕することで、EC粉末が得られる。
集電体上に塗布したペーストの乾燥温度は、例えば140〜190℃が好ましい。
正極21または負極22を製造においては、各層を形成するごとに、または複数層を形成した後まとめて、プレス加工を行うことが好ましい。各層のプレス圧は同条件でもよく、層ごとにプレス圧条件を変えてもよい。
<工程(B)>
公知方法により、正極21と負極22とセパレータ23とからなる電極積層体20、および外装体11を含む電池セルを製造する。
<工程(C)>
上記電池セル内に非水電解液を注入する。
工程(C)を実施した後、後の工程(D)を実施する前に、ガス抜きのために初期充電を実施してもよい。
<工程(D)>
熱処理(エージング処理)により、ペーストに用いたカーボネート粉末を非水電解液中に溶出させる。
工程(D)においては、電極活物質層中のカーボネート粉末が非水電解液中に溶出し、電極活物質層内に空隙が形成される。カーボネート粉末量が多い程、空隙率が高くなるので、カーボネート粉末量に応じて空隙率の異なる第1層121〜第9層129が形成される。
この方法では、複数種のペーストにおけるカーボネート粉末の濃度を変えるだけで、容易に、空隙率を厚み方向に変化させることができる。また、積層数と空隙率の傾斜度合は、用意するペーストの種類の数と各ペースト中のカーボネート粉末の濃度によって、自由に設計できる。
工程(D)の熱処理温度はカーボネート粉末が溶出できればよく、例えば50〜60℃が好ましい。
工程(D)の熱処理時間はカーボネート粉末が溶出できればよく、例えば0.5〜1.0時間が好ましい。
以上のようにして、非水電解質二次電池1は製造される。
本発明によれば、用いる材料の種類を多くすることなく、低コストに、電池容量を効果的に増大することが可能な非水電解質二次電池用の製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
(比較例1、実施例1)
比較例1および実施例1では、正極の製造条件を変更する以外は同一条件として、リチウムイオン二次電池を製造した。
<EC粉末の作製>
電解液に用いられる溶媒のエチレンカーボネート(EC)を10℃に冷却しながら乳鉢を用いて粉砕して、平均粒径D50が2μm以下の粒径分布を有するEC粉末を得た。粒径分布の測定結果を図4に示す。
EC粉末の比重は、1.32g/ccであった。
<正極>
正極活物質として、下記式で表される3元系のリチウム複合酸化物を用意した。
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
導電助剤として、アセチレンブラック(電気化学工業(株)社製HS−100)を用意した。
結着剤として、PVDF((株)クレハ社製KFポリマー♯1120)を用意した。
分散剤として、N−メチル−2−ピロリドン((株)和光純薬工業社製)を用意した。
用意した原料をプラネタリミキサーを用いて混合および混練して、ペーストを得た。まず、活物質と導電助剤とを混合した後、結着剤を加えて混練し、最後に分散剤、または分散剤および上記EC粉末を加えて混練した。
上記ペーストを集電体であるアルミニウム箔上にコンマコーターを用いて0.8m/minの条件で塗布した。これを140〜190℃で5分間乾燥して、第1層を形成した。
ペースト塗布量は、乾燥およびプレス加工後に厚みが10μmとなる量とした。
ペーストの塗布および乾燥の工程を複数回繰り返し、計9層の積層構造からなる電極活物質層(集電体側から第1層〜第9層)を形成した。
第1層〜第9層を積層した後、プレス機を用いてプレス加工した。各層の厚みはいずれも10μmとし、総厚は90μmとした。プレス圧を調整して、各層の密度を2.8〜3.0g/ccに調整した。
比較例1については、ペースト組成を特に変えず、第1層〜第9層を同一条件で形成した。比較例1についてはEC粉末を使用せず、原料比は以下の通りとした。
活物質/導電助剤/結着剤/分散剤=91/6/3/72.4(質量比)
実施例1についてはEC粉末を用い、かつ、第1層から第9層に向けて、順次ペースト中のEC粉末の濃度を大きくした。実施例1においては、活物質/導電助剤/結着剤/分散剤の配合比を比較例1と同条件としつつ、第1層から第9層におけるEC粉末の配合比を変化させた。なお、第1層は、EC粉末の濃度を0質量%とした。
各例における、第1層から第9層のペースト中のEC粉末の濃度を表1に示す。
<負極>
負極活物質として、黒鉛を用いた。
分散剤として水を用い、上記の負極活物質と、結着剤である変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)とを混合および混練して、ペーストを得た。
上記ペーストを集電体である銅箔上に塗布し、140℃で5分間乾燥し、プレス機を用いてプレス加工して、負極を得た。
<セパレータ>
PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)の3層積層構造を有する多孔質フィルムからなる市販のセパレータを用意した。
<非水電解液>
エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=1/1(体積比)を溶媒とし、電解質としてリチウム塩であるLiPFを1mol/Lの濃度で溶解して、非水電解液を調製した。
<リチウムイオン二次電池の製造>
上記の正極と負極とセパレータと角型電池容器とを用い、公知方法により、電池セルを製造した。その後、電池セル内に非水電解液を注入して、リチウムイオン二次電池を製造した。
得られたリチウムイオン二次電池を、充電圧4.1V、CC−CV充電、電流密度1/3Cの条件で初期充電した。
初期充電後、60℃で12時間エージング処理を行った。
<空隙率>
各例においては、電池を分解し、電解液を除去し、電極活物質層の第1層〜第9層の空隙率を測定した。
実施例1では、エージング処理の工程において、活物質層中のEC粉末が電解液中に溶出し、活物質層内に空隙が形成された。EC粉末量が多い程、空隙率が高くなるので、EC粉末量に応じて空隙率の異なる第1層〜第9層が形成された。すなわち、実施例1では、複数種のペースト中のEC粉末の濃度を変えるだけで、容易に、空隙率を厚み方向に変化させることができた。
なお、実施例1では、中心の第5層の空隙率と第1層〜第9層の平均空隙率が比較例1とほぼ一致するように、各層のEC粉末量を調整した。
比較例1および実施例1における、第1層〜第9層の空隙率、総厚、平均空隙率、および空隙率の傾斜度合を表2に示す。
<充放電試験>
比較例1および実施例1において得られたリチウムイオン二次電池について、充放電試験を実施した。
25℃で、4.1V(vs.Li/Li+)まで充電した後、電流密度8Cの条件で3Vまで放電したときの放電容量を求めた。
比較例1の放電容量を100%としたときの、実施例1の放電容量の向上率を求めた。
評価結果を表2に示す。
集電体側から表面側に向けて厚み方向に空隙率を段階的に大きく変化させた実施例1では、空隙率に変化を持たせなかった比較例1に対して、大きな放電容量の向上効果が見られた。
Figure 2015056311
Figure 2015056311
本発明の非水電解質二次電池用の負極は、プラグインハイブリッド車(PHV)あるいは電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン二次電池等に好ましく適用できる。
1 非水電解質二次電池
11 外装体(電池容器)
12 外部端子
20 電極積層体
21 正極
22 負極
23 セパレータ
110 集電体
120 電極活物質層
121〜129 電極活物質層の各層

Claims (5)

  1. 集電体と、当該集電体上に形成され、当該集電体側から表面側に向けて厚み方向に、空隙率が段階的または連続的に大きく変化した電極活物質層とを備えた、正極または負極である電極と、
    非水電解質および少なくとも1種のカーボネート溶媒を含む非水電解液と、
    外装体とを備えた、
    非水電解質二次電池の製造方法であって、
    電極活物質と分散剤とカーボネート溶媒を冷却および粉砕して得られた少なくとも1種のカーボネート粉末とを含み、前記カーボネート粉末の濃度の異なる複数種のペーストを用い、
    前記集電体側から前記表面側に向けて厚み方向に、前記カーボネート粉末の濃度が順次大きくなるように複数の層を積層して、前記電極を製造する工程(A)と、
    前記電極と前記外装体とを含む電池セルを製造する工程(B)と、
    前記電池セル内に前記非水電解液を注入する工程(C)と、
    熱処理により、前記カーボネート粉末を前記非水電解液中に溶出させる工程(D)とを有する、非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 工程(A)においては、前記集電体上への前記ペーストの塗布と乾燥を前記ペーストの種類を変えて複数回繰り返す、請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 前記カーボネート粉末としてエチレンカーボネートを用いる、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 前記電極活物質層の空隙率の厚み方向の傾斜度合が3.5〜4.0%/10μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 前記電極活物質層の総厚が70〜90μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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