JP2004052100A - 電池用外装材 - Google Patents

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Yukiteru Inada
稲田 幸輝
Atsushi Nakatsuka
中塚 淳
Shuji Nagasaki
長崎 修司
Masuhiro Fukaya
深谷 益啓
Hiroki Kobayashi
小林 浩樹
Atsuhiko Imai
今井 篤比古
Kazutoshi Iwami
岩見 和俊
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Abstract

【課題】小型、軽量化が求められる電池に適用し得ることのできる、薄くて丈夫なステンレス系の電池外装材用材料、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途、具体的には該材料を用いた電池用外装材、該外装材を組み合わせた電池ケース、および該ケースを使用した電池を提供する。
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼箔を圧延後、希ガスあるいは非酸化性ガス雰囲気で焼鈍を行い、かつ該焼鈍炉の雰囲気ガスとシールガスが実質的に窒素を含まないことにより、ステンレス鋼箔の焼鈍時の窒化を抑止する。
【効果】ステンレス鋼箔の表層酸化皮膜中の窒素濃度およびバルクの窒素濃度増加を抑制することにより、箔材の硬質化が回避され、プレス成形性が著しく向上する。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なステンレス鋼箔、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途であるところの、電池用外装材、電池ケースおよび電池に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、工業的に製造可能な新規なステンレス鋼箔、およびその製造方法、並びにこれらを用いた用途、具体的には、工業的に大量に製造可能であって、単位容積あたりのエネルギー密度が高く、かつ安全性が高い電池および該電池の外装材ないしケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、高エネルギー密度を有するため、移動体通信機器用電源、携帯用情報端末用電源などとして利用され、端末の普及とともにその市場が急速に伸びている。しかし端末機器の特徴である容積の大きな部分を占める電池に対し更なる小型、軽量化へ向けた性能改善が進められている。
【0003】
従来、こうした端末機器向けの薄型電池では、電池容量、収納容積効率などの観点から、丸型では収納容積効率が悪いため、薄い角型形状のものが主に採用されている。こうした薄い角型形状にした電池では、継ぎ目を無くして電池の膨れや溶接部の劣化による液漏れを防止するために、ステンレス薄板やアルミニウム薄板を用い、これを深絞り加工した電池ケースが用いられている。しかしながら、深絞り加工は、複数の金型が必要であり、作成が困難であり、生産コストが高くなる傾向がある。また、一度に大量生産することが難しく、量産性にも劣る問題がある。また、深絞り加工に使われるアルミニウム薄板(板厚0.5〜0.1mm程度)は、軟らかい(硬度が低く、伸びか大きい)ので加工性に優れているものの、電池ケースに求められる強度を確保するには、一定の厚さを持たせる必要があり、軽量化が困難であり、ステンレス鋼に比べて材料コストが高いという問題があった。
【0004】
一方、深絞り加工に使われるステンレス薄板(板厚0.3〜0.1mm程度)は、コストはアルミニウムに比べて安価であり、強度も高いので、アルミニウムよりも薄くできるものの、その強度が災いし、加工しにくいという問題がある。
【0005】
そこで、アルミニウム箔のようなガスバリアフィルムを中間に挟んだ積層フィルムからなる外装材で、セパレータを挟んで正負極を配置した電極を収納した構造の二次電池、例えば、ポリマー電池はサイズが自由に選択できる等の特徴を有するために注目されている。
【0006】
ところで、従来の非水電解液二次電池は例えばアルミニウム箔を中間に挟んだ積層フィルムからなるカップを有する外装材を用意し、この外装材のカップ内に正極及び負極をセパレータを介して捲回・扁平化した電極と電解液とを収納し、一端が前記正負極にそれぞれ接続された外部リードを外装部の外部に延出させ、折り曲げ部を除く3辺を熱シールして密閉したものが知られている。
【0007】
また、電池ケース用ステンレス鋼板あるいはステンレス鋼箔の製造性に関する先行技術としては、以下のものがある。低接触抵抗が要求される電気部品、電子部品、例えば、電池ケース用に使用されるステンレス鋼板として、1.0質量%以上のCuを含有し、かつCuリッチ相の析出または表層のCu濃化により接触抵抗を下げる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。電池ケース内に油脂やゴミが付着して起こるケースと電極材料との接触不良の発生を抑制するために、片面が表面粗さ(Rmax)0.008μm以下の平滑な面、他面が表面粗さ(Rmax)が1.00〜10.00μmの粗い面とする、板厚が0.05〜0.5mmのボタン型電池ケース用ステンレス鋼板が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、ステンレス箔の製造方法に係わる技術としては、冷間圧延した0.04〜0.30mm板厚のバネ用オーステナイト系ステンレス鋼板を窒素濃度10vol%以下の非酸化性ガス雰囲気で光輝焼鈍し、箔表面の侵入窒素量を抑制することによりバネ形状を向上する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。これらの先行技術には、本発明が課題とする電池ケース用のステンレス箔材に要求される加工性に関する技術の開示はない。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−234296号公報
【特許文献2】
特開平5−325918号公報
【特許文献3】
特開平8−165519号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリマー電池に多く見られる前記の構造では、外装材、即ちアルミニウム箔を中間に挟んだ積層フィルムの厚さは100μm(0.1mm)以下に薄くすることは困難であり、薄くすれば以下に述べる強度不足により安全性が低下する。また、電池の安全性確認のために実施される釘刺し試験において、外装材の強度不足により貫通強度が低いということも課題となっている。
【0010】
そのため、こうした積層フィルムを外装材に用いる電池では、得られた電池をさらに樹脂製の電池ケースに収納する構成をとることで、上記のような問題点を克服しようとしている。しかしながら、電池用外装材と電池ケースの2重構造とすることより、小型、軽量化に反するばかりか、部品点数の増大、組立て工数の増加、ひいてはコストアップにつながるという別の問題を生ずるものである。
【0011】
さらに、ポリマー電池に多く見られる前記の構造では、外装材による完全密閉構造となっており、電池内部の発熱など何らかの不具合が発生した場合に、外装材内部に電解液から発生したガスが溜まり、外装材の膨れや破裂または爆発の恐れがある。また、深絞り加工されたアルミニウム電池ケースは、電池の蓋となる部分に、電池内部が設定圧力以上になった場合にガスを逃がすための圧力弁の構造を持っているが、面積が小さいために加工が難しく、コストアップの一因になっている。
【0012】
そこで、本発明の目的は、このような問題を解決し、小型、軽量化が求められる電池に適用し得ることのできる、薄くて丈夫な(形状を保つ強度を有し、プレス成形してもシワやひび割れ、クラックなどを極力生じさせない展延性を併せ持つ)新規なステンレス系の電池外装材用材料、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途、具体的には該材料を用いた電池用外装材、該外装材を組み合わせた電池ケース、および該ケースを使用した電池を提供するものである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、小型、軽量化が求められる電池に適用し得ることのできる、薄くて丈夫な電池用外装材を組み合わせ、かつ安全性を向上させるための圧力解放機構を持つ電池ケース、および該ケースを使用した電池を提供するものである。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、小型、軽量化が求められる電池に適用し得ることができるものであって、工業的に大量で安価に製造可能で、かつ安全性に優れてなる、新規な電池外装材用材料、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途の、具体的には、工業的に大量に製造可能であって、単位容積あたりのエネルギー密度が高く、かつ安全性が高い電池および該電池の外装材ないしケースを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電池外装材用材料としてステンレス鋼箔を使用することによって、より薄くすることを可能にするものである。また、強度が高いステンレス系の電池外装材用材料を使用することにより、安全性を向上させるものである。同時に、電池用外装材や電池ケースへのプレス成形性の顕著な向上を可能にするものである。さらに、強度が高い電池外装材用材料を使用し、かつ圧力解放機構を設置することで、安全性をより一層向上させるものである。
【0016】
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(26)に記載のステンレス鋼箔、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途であるところの、電池用外装材、電池ケースおよび電池により達成されるものである。
【0017】
(1) プレス加工性のよいステンレス鋼箔。
【0018】
(2) 厚さが、110μm以下であることを特徴とする上記(1)に記載のステンレス鋼箔。
【0019】
(3) 厚さが、10〜60μmの範囲であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のステンレス鋼箔。
【0020】
(4) 材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延、焼鈍を行って得られたものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のステンレス鋼箔。
【0021】
(5) 電池外装材用の材料として用いられることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のステンレス鋼箔。
【0022】
(6) 厚さが110μm以下10μm以上、
ステンレス鋼箔表層の最大窒素濃度が3質量%以下、
であることを特徴とするプレス成形性に優れた電池外装材用ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔。
【0023】
(7) バルク成分が、
C:0.003〜0.12質量%、
Si:0.05〜2.5質量%、
Mn:0.05〜5.0質量%、
Cr:15〜26質量%、
Ni:5〜15質量%、
Mo:0.05〜5.0質量%、
Cu:0.05〜5.0質量%、
N:0.005〜0.06質量%、
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のプレス成形性に優れた電池外装材ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔。
【0024】
(8) 引張強さが700N/mm以下またはビッカース硬さ(HV)が180以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のプレス成形性に優れた電池外装材ないし電池ケース用のステンレス鋼箔ないしオーステナイト系ステンレス鋼箔。
【0025】
(9) ステンレス薄板を圧延し、その後、希ガスないし非酸化性ガス雰囲気中で焼鈍を行い、かつ該焼鈍炉の雰囲気ガスとシールガスが実質的に窒素を含まないことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のステンレス鋼箔の製造方法。
【0026】
(10) 前記焼鈍が、1000〜1200℃に加熱し、冷却するものであることを特徴とする上記(9)に記載のステンレス鋼箔の製造方法。
【0027】
(11) 圧延後の前記焼鈍は1000℃〜1200℃に加熱し、1秒以上60秒以下保持し、その後冷却することを特徴とする上記(9)または(10)に記載のステンレス鋼箔の製造方法。
【0028】
(12) 上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のステンレス鋼箔または上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載の製造方法によって得られたステンレス鋼箔を用いてなることを特徴とする電池用外装材。
【0029】
(13) 内表面に耐食性被覆層が形成されていることを特徴とする上記(12)に記載の電池用外装材。
【0030】
(14) 表面に絶縁被覆層が形成されていることを特徴とする上記(10)または(13)に記載の電池用外装材。
【0031】
(15) 上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載の電池用外装材をプレス成形したものが、少なくとも1枚使われていることを特徴とする電池ケース。
【0032】
(16) 上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載の電池用外装材を2枚組み合わせて接合してなる電池ケースであって、
凹型にプレス成形したもの同士、又は該凹型にプレス成形したものと、平板状のものとを組み合わせて接合してなることを特徴とする電池ケース。
【0033】
(17) 上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載の電池用外装材を用いてなる電池ケースであって、
凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材を溶接することによる電池ケースにおいて、凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材の一方に、電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に、亀裂を生じるような圧力解放機構として溝部を設けてなることを特徴とする電池ケース。
【0034】
(18) 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、断面V形および/または断面U形の溝からなることを特徴とする上記(17)に記載の電池ケース。
【0035】
(19) 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、複数存在することを特徴とする上記(17)に記載の電池ケース。
【0036】
(20) 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、電池の電極取り出し用のタブが出ていない部分に設置されていることを特徴とする上記(17)に記載の電池ケース。
【0037】
(21) 電池ケースに使用するステンレス箔の厚さtと該ステンレス箔中の溝部の最も薄い部分の厚さhとの関係が、下記式を満足することを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の電池ケース。
【0038】
【数2】
Figure 2004052100
【0039】
(22) 電池用外装材の少なくとも1枚にビードを形成してなることを特徴とする上記(15)〜(21)のいずれか1つに記載の電池ケース。
【0040】
(23) 前記接合が、シーム溶接によるものであることを特徴とする上記(15)〜(22)のいずれか1つに記載の電池ケース。
【0041】
(24) 上記(17)〜(21)のいずれか1つに記載の圧力解放機構を、電池ケースのプレス成形時に同時に作製することを特徴とする上記(17)〜(23)のいずれか1つに記載の電池ケースの製造方法。
【0042】
(25) 上記(15)〜(23)のいずれか1つに記載の電池ケースを使用してなることを特徴とする電池。
【0043】
(26) 電池ケースから取り出される電極端子が一本化されてなることを特徴とする上記(25)に記載の電池。
【0044】
(27) 負極の端部が電池ケース内面に電気的に接続されており、該電池ケース自体が負極端子として使用されていることを特徴とする上記(25)または(26)に記載の電池。
【0045】
(28) 電池ケースが負極端子として使用される個所以外は、電池ケースに用いる電池外装材表面に絶縁被覆層が形成されていることを特徴とする上記(27)に記載の電池。
【0046】
(29) 電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材が用いれらており、
接合する前のシール材に、端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分に切り欠き部分が形成されていることを特徴とする上記(25)〜(28)のいずれか1つに記載の電池。
【0047】
(30) 小型機器向けの角形タイプであることを特徴とする上記(25)〜(29)のいずれか1つに記載の電池。
【0048】
(31) リチウムイオン二次電池であることを特徴とする上記(25)〜(30)のいずれか1つに記載の電池。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の目的は、小型、軽量化が求められる小型機器用の電池に適用し得ることのできる、薄くて丈夫な新規な電池外装材用材料として、プレス加工性のよいステンレス鋼箔を提供するものである。従来のステンレス鋼箔は、所定の厚さに圧延後、圧延油などを脱脂して、アンモニア分解ガス(75%水素−25%窒素)を雰囲気とする連続焼鈍炉で光輝焼鈍を行う。これらの焼鈍炉では、炉の入側と出側を通常窒素ガスでシールしている。かかる焼鈍炉でステンレス鋼を焼鈍すると雰囲気ガスやシールガス中の窒素が鋼板表面に侵入する。特にオーステナイト系ステンレス鋼では焼鈍温度が1000℃以上と高いため、窒素の侵入量は多くなる。薄板の場合はこの影響は比較的少ないが、厚さの小さいステンレス鋼箔ではこの窒素の影響が大きく、特にプレス成形性などの加工性を悪化させることが判明した。
【0050】
そこで、本発明者らは、ステンレス鋼箔の製造方法を種々検討した結果、かかるプレス加工性のよいステンレス鋼箔を製造するには、焼鈍炉の焼鈍雰囲気とシールガスから窒素を排除して、焼鈍雰囲気には水素ガスを使用し、シールガスにはアルゴンを使用することが必要であることを知見した。かくして熱処理されたステンレス鋼箔では、その表面付近の窒素量が従来のステンレス鋼箔よりも格段に少ないことが判明した。かかるステンレス鋼箔では、従来の電池外装材用材料が持ち合わせていない特性、すなわち形状を保つ強度を有し、さらにプレス成形してもシワや割れ、クラックなどを極力生じさせない展延性を併せ持つため、小型、軽量化が求められる電池に好適に適用することができるものである。また、プレス成形では、連続して大量に生産可能であるため、従来の深絞り加工に比して、生産コストを大幅に低減することができる点でも優れている。また、既存のラミネートフィルム外装材よりも薄くでき、釘刺し試験では釘が貫通することのない高い強度を付与できるため安全性を格段に向上させることができる。また、ラミネートフィルム外装材(いわば、電池内ケース)を樹脂製の電池外ケースに収納した2重構造の電池に対しても、単独で電池用外装材や電池ケースに用いることができるものであり、部品点数の低減、組立て工数の低減を図ることができ、大幅に生産性を高めることができ、ひいては製品コストの低減を図ることもできる。また、2重構造の電池では、小型、軽量化が困難であり、特に電池ケースの占める厚みおよび重さが大きくならざるを得ないのに対し、電池用外装材として本発明のプレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いることで、0.1mmでも薄く、0.1gでも軽くあって欲しいという携帯機器の利用者(顧客)及びメーカーの要望に適う電池及びその部品の提供に大いに貢献し得るものである。
【0051】
なお、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔と、既存のステンレス鋼箔とは、以下に示す各物性値により判別可能であるほか、かかる箔をプレス成形することで、良好にプレス成形できたか、あるいはシワやひび割れ、クラックが生じたか否かを観察することでも判別可能といえる。
【0052】
以下、本発明に係るプレス加工性の良いステンレス鋼箔について説明する。
【0053】
本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔は、展延性に優れ、プレス加工性に優れた強度であって、プレス加工後の形状を保つ強度を有し、さらに針刺し試験では針が貫通することのない強度(硬度)を有していることが望ましく、ビッカース硬さ(HV)が180以下、引張強さが700N/mm以下、伸びが30%以上であることが望ましい。ステンレス鋼箔のビッカース硬さ(HV)が180を超えたり、引張強さが700N/mmを超え、また伸びが30%未満では、プレス成形の過程で表面ワレからクラックに発展したり、またシワが出たりして、プレス加工性が十分でなくなるおそれがある。なお、一般に市販されているステンレス鋼箔のビッカース硬さ(HV)は、通常200以上程度である。また、ステンレス鋼箔のビッカース硬さ(HV)の測定方法は、箔材を樹脂に埋め込み、断面研磨した後、マイクロビッカース硬度計により測定することができる。また、一般に市販されているSUS316のステンレス鋼箔の伸びは、通常30%未満であり、引張強さが700N/mmを超えている。
【0054】
本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔では、さらに、プレス成形してもシワやひび割れ(クラック)などを生じさせないために、ステンレス鋼箔全体(バルク)での窒素元素の含有量が、0.06質量%以下であることが望ましい。また、同時にステンレス箔表層の最大窒素濃度が3質量%以下であることが望ましい。ここで、ステンレス鋼箔表層とは、焼鈍処理により表面に形成された酸化皮膜のことを意味する。図11に酸化皮膜構造の一例を示す。図11のサンプルである焼鈍処理により表面に酸化皮膜の形成されたステンレス鋼箔は、後述する実施例3のステンレス箔C(比較例)と同様にして得たものである。一般的に、酸化皮膜は、最表層より、酸素濃度のピークから50%になるまでの深さの部分を指す。ステンレス鋼箔の窒素含有量が0.06質量%を超える場合には、ステンレス鋼箔が硬くなるため、プレス成形の際に割れやすく、クラックが生じ易くなるおそれがある。これは、通常のステンレス薄板や圧延しただけのステンレス鋼箔では、窒素分が著しく増加することはないが、本発明のステンレス鋼箔においては、後述するように製造段階で焼鈍を行った際に、雰囲気中のNガスがステンレス鋼箔に取り込まれ、顕著な窒化が生じる。そのため、バルクの窒素含有量が増加すると同時に、表層の酸化皮膜中の窒素含有量も著しく増加する。表層部の窒素含有量はバルク内部に対して相対的に増加するので、バルク内部よりもさらに高硬度化する。その結果、プレス成形の際に表層部に浅いクラックが生じ、厚さ方向に進行してひび割れにつながるものと言える。
【0055】
本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔では、より薄く、軽いものが望まれる電池に適用し得るべく、ステンレス鋼箔の厚さは、110μm以下、好ましくは10〜110μm、より好ましくは10〜60μmの範囲であることが望ましい。ステンレス鋼箔の厚さが110μmを超える場合には、重量が増加し、箔が肉厚化することで、薄型化、軽量化を達成するのが困難となるため、小型、軽量化を指向する利用者やメーカーの要望に十分に応えることができなくなるおそれがある。一方、ステンレス鋼箔の厚さは薄ければ薄いほど望ましいが、10μm未満の場合には、プレス成形性が低下するおそれがあるほか、成形後の強度が十分でなくなるおそれがある。また、圧延によりステンレス薄板をかかる厚さの箔にまで引き伸ばすのが極めて困難となりはじめる領域でもある。
【0056】
本発明に係るプレス成形性のよいステンレス鋼箔では、その材質は、例えば、JISステンレス鋼で分類される各種オーステナイト系ステンレス鋼、具体的には、SUSシリーズでは、SUS304、SUS304L、SUS304J1(Cu添加)、SUS304J2(17Cr−7Ni−4Mn−2Cu)、SUS316(Mo添加)、SUS316L(Mo添加)、SUS305、SUSXM7(Cu添加)、SUS317、SUS317L、SUS309Sなど、新日本製鉄株式会社独自鋼種のYUSシリーズでは、YUS304UL、YUS316UL(Mo添加)、YUS27A(Cu添加)、YUS11OM(Cu、Si、Mo添加)などのステンレス鋼を原板とし、その後に圧延、焼鈍を行って得られたものが使用可能であるが、これらに制限されるものではない。ステンレス鋼として最も広く使用されており、圧延処理に用いるステンレス薄板として既に安定かつ安価に市販されており、圧延によるステンレス鋼箔への加工技術が確立されており、さらに焼鈍処理にも適してなる上記のSUS316系やSUS304系などのステンレス鋼を原板とし、その後に圧延、焼鈍を行って得られたものがより望ましいと言える。なかでも、SUS304J1(17Cr−7Ni−2Cu)およびSUS304J2(17Cr−7Ni−4Mn−2Cu)を原板としたものは、C、N低下とCu添加で成形性向上と時期割れ性改善効果が大きく、プレス成形性は上記に例示したものの中でも最高である。また、SUS316やSUS305のようなオーステナイト安定系を原板としたものは、加工誘起マルテンサイトの生成がなく、時間割れの危険性がない。なお、Ti添加鋼のSUS316Ti、SUS321、高Ni鋼のSUS310S(25Cr−20Ni)、SUS317J5L(21Cr−24Ni−4.5Mo−1.5Cu−低C)、SUS384(16Cr−18Ni)、SUSXM15J1(18Cr−13Ni−4Si)などは以下に示す本発明が対象とするステンレス鋼の各成分範囲を外れるが、プレス成形性(加工性)用途に使用することができる。
【0057】
なお、本発明が対象とするステンレス鋼の各成分範囲の限定理由は次のとうりである。
【0058】
C:Cはオーステナイト安定化元素であり、0.003質量%以上必要であるが、多すぎると溶接した時にCr炭化物を析出し、耐食性を損なうため、上限を0.12質量%とした。好ましい範囲は、0.004〜0.07質量%で、さらに好ましくは0.004〜0.01質量%である。
【0059】
Si:Siは脱酸に0.05質量%以上必要である。また、耐酸化性には有効に働くが、強力なフェライト形成元素であり、2.5質量%を越えると加工性を損なうと同時に熱延時のデスケーリングが困難になるため、上限を2.5質量%とした。好ましい範囲は、0.3〜0.6質量%である。
【0060】
Mn:Mnはオーステナイト安定化元素として有効であると同時に、Sを固定して熱間加工性を向上させるために添加される。しかしながら、含有量が0.05質量%に満たないとその効果に乏しく、一方5.0質量%を越えると熱延時のデスケーリングが極めて困難になるので、0.05〜5.0質量%の範囲で含有させることが望ましい。
【0061】
Cr:Crはステンレス鋼の基本成分であり、優れた耐食性を得るには最低15質量%を必要とする。一方、26質量%を越えると鋼が脆化し、加工性が劣化するので、上限を26質量%とした。好ましい範囲は17〜19質量%である。
【0062】
Ni:Niはオーステナイトステンレス鋼の基本成分の一つである。加工性、耐食性に有効な元素であり、5質量%以上添加される。しかしながら、15質量%以上を越えて添加してもこれらの効果は飽和に達するので、5〜15質量%の範囲とする事が望ましい。
【0063】
Mo:Moは耐食性を向上させる元素であり、0.05質量%以上添加される。しかしながら、含有量が5.0質量%を越えると鋼が脆化しやすくなるので、0.05〜5.0質量%の範囲で含有させることが好ましい。
【0064】
Cu:Cuはオーステナイトを安定化するとともに、加工性、耐食性を向上させる元素であり、0.05質量%以上添加される。しかしながら、含有量が5.0質量%を越えて添加してもその効果は飽和に達するので、0.05〜5.0質量%の範囲で含有させることが望ましい。
【0065】
N:Nは強力なオーステナイト安定化元素であると同時に、耐食性を向上させる元素であり、0.005質量%以上添加される。しかしながら、光輝焼鈍後に0.06質量%を越えて含有すると、その後の箔材のプレス加工性が劣化し、割れやクラックが発生しやすくなるので、上限を0.06質量%とした。好ましい範囲は、0.007〜0.04質量%である。
【0066】
さらに、本発明が対象とするステンレス鋼には、添加微量元素として、Ti、Caなどを含有していてもよい。
【0067】
本発明が対象とするステンレス鋼は、上記各成分(上記添加微量元素を含む)を上記範囲(上記添加微量元素の量は、使用目的に応じて適量(通常、Ti:0.2質量%以下、Ca:0.0050質量%以下)含有されていればよく、特に制限されるものではない)にて含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなるものである。不可避的不純物元素としては、P、S、Al、Oなどが挙げられる。不可避的不純物の量は、通常、P:0.045質量%以下、Al:0.05質量%以下、S:0.030質量%以下、O:0.01質量%以下である。
【0068】
特に、プレス成形性に優れた電池外装材ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔とする場合において、ステンレス鋼箔のバルク成分が上記各成分範囲であるものが好適である。
【0069】
また、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔の用途としては、上述したように電池、特に小型機器向けの電池の外装材用材料として極めて有用であるが、かかる用途に制限されるべきものではなく、上記特性を有効に活用し得る技術分野、即ち、現在アルミニウム薄板やステンレス薄板のプレス成形品や深絞り加工品が用いられている各種分野において幅広く適用することができるものである。
【0070】
次に、本発明の第2の目的は、ステンレス薄板を圧延し、その後、希ガス(不活性ガス)ないし非酸化性ガス(水素ガスなど)雰囲気で焼鈍を行うことを特徴とする、上記に説明したところの本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔の製造方法を提供するものである。かかる製造方法では、ステンレス鋼の持つ優れた硬度(強度)に加えて、新たにプレス成形の際に加わる応力に対して、最適な伸び(展延性)を発現することができるようになるために、プレス加工性のよいステンレス鋼箔を提供することができるものである。ただし、必要に応じて、ロール巻き取り後に焼鈍を行ってもよい。また、焼鈍は、バッチ式でもよいし、連続式焼鈍でもよい。
【0071】
なお、圧延に用いることのできるステンレス薄板の材質は、上記ステンレス鋼箔の材質と同様のものを用いることができる。
【0072】
ステンレス薄板の圧延条件は、所望の厚さのステンレス鋼箔を形成することができるものであればよく、特に制限されるべきものではない。
【0073】
また、ステンレス鋼箔の焼鈍では、上述したようにステンレス鋼箔の表層部に窒素ガスが取り込まれることがないように、焼鈍雰囲気としては、水素ガスのみ、水素ガスと不活性ガスの混合ガス、または不活性ガスのみを用いると良い。
【0074】
上記不活性ガスは、周期表第0族の元素、すなわちヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンをいう。これらは常温でガスであり、焼鈍の温度条件下でも気体として存在する。安全性、調達コストなどの点から、アルゴンガスが望ましい。なお、焼鈍の際に排出される熱やガスは、有効に熱循環システム等を利用して、資源の有効利用(再利用を含む)を図るのが望ましい。
【0075】
圧延後のステンレス鋼箔の焼鈍条件としては、まず、所定の温度まで加熱する。具体的には1000〜1200℃、好ましくは1050〜1150℃の範囲に加熱する。ここで、加熱温度が1000℃未満の場合には、焼鈍が不十分になり、展延性を十分に増すことができず、所望の伸び(例えば、30%以上)を発現する事が困難な場合がある。また、加熱温度が1200℃を超える場合には、結晶粒が粗大化するおそれがあるほか、高温になりすぎ溶融軟化するおそれがある。
【0076】
また、連続焼鈍炉で焼鈍する場合の保持時間は、1秒以上60秒以下であることが望ましい。1秒未満では焼鈍が不十分になるおそれがある。60秒を超える場合には、焼鈍が十分になされるので、その効果は飽和に達する。より好ましくは、生産性を考慮すると、10秒以下である。
【0077】
以上が、本発明に係るステンレス鋼箔の製造方法についての説明であるが、本発明に係るステンレス鋼箔は、かかる製造方法によって得られるものに何ら制限されるべきものではなく、上記特性を有するステンレス鋼箔であれば、他の製造方法によって得られたものであってもよく、本発明の技術範囲に含まれるものであることは言うまでもない。
【0078】
次に、本発明の第3の目的は、新規な電池用外装材、とりわけ小型、軽量化が求められる小型機器用の電池に適用し得ることのできる薄くて丈夫な新規な電池用外装材として、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いてなることを特徴とするものである。かかるプレス加工性のよいステンレス鋼箔を電池用外装材に用いることで、従来の電池用外装材が持ち合わせていない特性、すなわち形状を保つ強度を有し、さらにプレス成形してもシワやひび割れ、クラックなどを生じさせない展延性を併せ持つため、小型、軽量化が求められる電池に好適に適用することができるものである。また、プレス成形では、連続して大量に生産可能であるため、従来の深絞り加工に比して、生産コストを大幅に低減することができる点でも優れている。また、既存のラミネートフィルム外装材よりも薄くでき、釘刺し試験では釘が貫通することのない高い強度を付与できるため安全性の格段に向上することができる。また、ラミネートフィルム外装材(いわば、電池内ケース)を樹脂製の電池外ケースに収納した2重構造の電池に対しても、単独で電池用外装材や電池ケースに用いることができるものであり、部品点数の低減、組立て工数の低減を図ることができ、大幅に生産性を高めることができ、ひいては製品コストの低減を図ることもできる。また、2重構造の電池では、小型、軽量化が困難であり、特に電池ケースの占める厚みおよび重さが大きくならざるを得ないのに対し、電池用外装材として本発明のプレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いることで、0.1mmでも薄く、0.1gでも軽くあって欲しいという携帯機器の利用者(顧客)及びメーカーの要望に適う電池及びその部品の提供に大いに貢献し得るものである。さらにラミネートフィルム外装材では、該ラミネートフィルムの樹脂と電極端子との金属−樹脂接合部は、熱融着によりラミネートフィルムの樹脂を金属端子と接着しているが、接着強度が十分でなく液漏れなどを生ずるおそれがあるという問題があるが、本発明のステンレス鋼箔を用いた外装材では、電極端子を含めてシーム溶接することにより、強固に金属−金属接合(溶接)できるため、液漏れなどの問題が解消できる点でも有利である。
【0079】
以下、本発明に係る電池用外装材につき説明する。
【0080】
本発明に係る電池用外装材は、十分な硬度(強度)及び伸びを有し、プレス成形に適していることは既に上述した通りであるが、さらに用いるステンレス鋼箔の組成を適当に選択することにより、十分な耐食性や絶縁性など電池用外装材に求められる他の特性を付与することができるものである。よって、他の材料をコーテングして被膜を形成しなくてもよいメリットがある。ただし、こうした他の材料をコーティングして被膜を形成したものを排除するものではなく、使用目的に応じて、より最適な組み合わせの電池用外装材が形成できるような場合には、他の材料をコーテングして被膜を形成してもよい。
【0081】
したがって、本発明の電池用外装材には、必要に応じて、内表面、好ましくは溶接箇所を除く内表面に、耐食性被覆層が成されていてもよい。ここで、耐食性被覆層は、主に電池内部の物質(電解液ないし電解質、あるいは電池の充放電反応により生成する分解生成物など)に対して、より高い耐食性を付与することができるものであればよく、耐食性の樹脂組成物あるいは塗料組成物をコーティングして樹脂膜または塗膜することにより形成することができる。かかる耐食性の樹脂組成物あるいは塗料組成物としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
【0082】
上記耐食性被覆層の厚さは、薄型、軽量化の観点から、通常0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmの範囲である。耐食性被覆層の厚さが0.1μm未満の場合には、十分な耐食性を長期間保持できないおそれがある。一方、20μmを超える場合には、十分な耐食性を長期間保持できるが、薄型、軽量化に反することにもなる。
【0083】
また、本発明の電池用外装材には、必要に応じて、表面に絶縁被覆層が形成されていてもよい。ここで、絶縁被覆層は、電池の外表面に形成してもよいし、内表面に形成してもよい。電池の外表面に絶縁被覆層を形成するのは、主に電池を収納する小型機器が高密度化、高集積化されており、殆ど隙間なく数多くの部品が集積されているため、電池にも高絶縁性が求められる場合があるためである。特に携帯用小型機器では、振動衝撃、静電気、浸水などに対して、より高い絶縁性を付与することが望まれるためである。同様に電池の内表面に絶縁被覆層を形成するのは、電池内部の構成部材も、より高容積化、高密度化されてきており、電池内部短絡防止の観点から求められているものである。こうした絶縁被覆層は、周辺機器や電池内部の構成部材に対する電池用外装材の絶縁性を保持することができるものであればよく、絶縁性の樹脂組成物あるいは塗料組成物をコーティングして樹脂膜または塗膜することにより形成することができる。かかる絶縁性の樹脂組成物あるいは塗料組成物としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
【0084】
上記絶縁被覆層の厚さは、外表面および内表面のいずれにおいても、薄型、軽量化の観点から、通常0.1〜5.0μm、好ましくは0.3〜3.0μm、より好ましくは0.5〜2.0μmの範囲である。絶縁被覆層の厚さが0.1μm未満の場合には、初期の絶縁性が劣る可能性があるほか、十分な絶縁性を長期間保持できないおそれがある。一方、5.0μmを超える場合には、絶縁被膜のヒビワレなどの不具合が生じ易くなる他、十分な絶縁性を長期間保持できたとしても、薄型、軽量化に反することにもなる。
【0085】
本発明の第4の目的は、電池ケース、とりわけ小型、軽量化が求められる小型機器用の電池ケースとして、本発明に係る電池用外装材をプレス成形したものが、少なくとも1枚使われていることを特徴とするものである。より詳しくは、電池用外装材を2枚以上組み合わせて接合してなるものであって、該電池用外装材の少なくとも1枚が、本発明に係る電池用外装材をプレス成形したものであることを特徴とするものである。本発明に係る電池ケースでは、プレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いた電池用外装材をプレス成形して用いるものであり、従来の電池用外装材が持ち合わせていない特性、すなわち形状を保つ強度を有し、さらにプレス成形してもシワやひび割れ、クラックなどを生じさせない展延性を併せ持つため、小型、軽量化が求められる電池ケースに好適に適用することができるものである。また、プレス成形では、一度のプレスで多くの電池ケース枠を成形できるなど連続して大量に生産可能であるため、従来の深絞り加工に比して、生産コストを大幅に低減することができる点でも優れている。また、既存のラミネートフィルム外装材よりも薄くでき、釘刺し試験では釘が貫通することのない高い強度を付与できるため安全性の格段に向上することができる。また、ラミネートフィルム外装材(いわば、電池内ケース)を樹脂製の電池外ケースに収納した2重構造の電池ケースに対しても、単独で電池ケースに用いることができる(いわば一体化した効果がある)ものであり、部品点数の低減、組立て工数の低減を図ることができ、大幅に生産性を高めることができ、ひいては製品コストの低減を図ることもできる。また、2重構造の電池ケースでは、小型、軽量化が困難であり、電池ケースの占める厚みおよび重さが大きくならざるを得ないのに対し、電池用外装材として本発明のプレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いた電池ケースでは、携帯機器の利用者(顧客)及びメーカーの要望に適う薄型で軽量な電池及びその部品の提供に大いに貢献し得るものである。
【0086】
本発明に係る電池ケースでは、上述したように、少なくとも一枚が本発明の電池用外装材をプレス成形したものを用いればよく、例えば、プレス成形しないで用いる電池用外装材には、プレス加工性のよいステンレス鋼箔を用いなくともよく、従来公知のステンレス鋼箔を用いてもよいし、アルミニウム薄板やステンレス薄板を利用してもよい。好ましくは、部品点数を少なくし、より薄型で軽量化を図る観点から、本発明に係る電池用外装材を2枚組み合わせて接合してなるものであって、凹型にプレス成形したものと、平板状のものとを組み合わせて接合してなるものが望ましい。
【0087】
また、発明に係る電池ケースでは、安全性を向上する手段として、既存のラミネートフィルム外装材では加工が困難である圧力解放弁などの既存の圧力解放機構を設けてもよい。既存のラミネートフィルム外装材を用いた電池ケースに比べても安全性を格段に向上することができる点で有利である。
【0088】
さらに、小型、軽量化が求められる小型機器用の電池に適用し得ることのできる、薄くて丈夫な新規な電池外装材を使用した電池ケースにおいて、より安全性を向上する手段として、凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材を溶接することによる電池ケースにおいては、凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材の一方に、電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に、亀裂を生じるような圧力解放機構として溝部(厚みのより薄い部分)を設けるのが望ましい。これは、電池ケースのプレス成形時に使用する金型に、予め圧力解放機構を電池ケース側に形成するのに必要な構造を設置しておけば、連続して大量に生産可能であるため、圧力解放弁を設ける場合に比して、生産コストを大幅に低減することができる点で優れている。
【0089】
ここで、電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に、亀裂を生じるような圧力解放機構として溝部(厚みのより薄い部分)を設けるには、電池ケースのプレス面(凹部をプレス成形した電池用外装材;図1〜9、13〜16の符号1参照のこと)または背面(平板の電池用外装材;図1〜9、13〜16の符号2参照のこと)に、断面V型および/または断面U型の溝を、例えば、十字形または円形または矩形(の平面形状となるよう)に配置することによる(図13〜16参照のこと)。背面の場合には、溝加工のみを単独で行うことになるが、プレス面に溝加工を行う場合には、電池ケースのプレス加工と同時に行うことが出来、より生産コストを低減することが可能となる。溝の深さは、電池ケースに使用するステンレス箔の材質、厚さ、強度によって異なるが、設定する圧力と溝の最薄部の厚さとの関係は、実験によって求められる。通常、図15(b)及び図16(b)に示すように、溝部の溝深さhと電池ケースに使用するステンレス箔の厚さt(溝部は除く。)との関係は、0.9t≧h≧0.5tを満足することが望ましいものである。言い換えれば、電池ケースに使用するステンレス箔の厚さtと該箔中の溝の溝部の最も薄い部分(最薄部)の厚さhとの関係は、0.1t≦h≦0.5tを満足することが望ましいものであるが、決してこの範囲に制限されるべきものではない。なお、溝深さは、電池ケースに使用するステンレス箔の厚さなどによって異なり、おおよそ3〜20μm程度であるが、決してこの範囲に制限されるべきものではない。
【0090】
以下、上記圧力解放機構として溝部を有してなる電池ケースにつき説明する。
【0091】
本発明に係る電池ケースでは、十分な硬度(強度)及び伸びを有し、プレス成形に適しているステンレス箔を電池用外装材として使用しプレス成形したものが少なくとも1枚使われている電池ケースにおいて、そのステンレス箔面に、設定値以上の内圧がかかったときに亀裂を生じるような圧力解放機構として溝部をもつことを特徴とするものである。
【0092】
より詳しくは、当該圧力解放機構(である溝部)が、断面V形および/または断面U形の溝からなるものである。断面V形および/または断面U形の溝をプレス成型によって形成することで圧力解放弁の役割を果たし、何らかの原因で電池内部にガスが発生した場合に亀裂を生じて内部のガスを逃がし、電池の膨れや破裂もしくは爆発を防ぐ安全装置として働くものである。電池ケースのプレス成形時に使用する金型に、予め溝加工部分を設置しておけば、連続して大量に生産可能であるため、従来の圧力解放弁に比して、生産コストを大幅に低減することができる点で優れている。ただし、本発明では、これらの断面形状に限定されるべきものではない。
【0093】
また、当該圧力解放機構(である溝部)を複数配置することで、プレス加工による溝部の厚さがばらつきを生じた場合でも、電池内圧が高まったときに最も薄い箇所が亀裂を生じることで、電池の安全性を保つことが出来る。
【0094】
さらには、当該圧力解放機構(である溝部)を底部、すなわち電極取り出し用タブが出ていない部分に設置することで、亀裂から逃げたガスが電極取り出し用タブ側、即ち電池の制御回路がある側に直接噴出しないようにすることが可能となる。
【0095】
上記圧力解放機構の溝部は、電池ケースのプレス成形時に同時に作製することが望ましい。
【0096】
さらに、発明に係る電池ケースでは、電池用外装材の少なくとも1枚にビードを形成してなるものが好ましい。これにより、ステンレス鋼箔のように極めて薄い電池用外装材の変形を防止し、その強度を補強することができるものである。なお、該ビードは、上記プレス成形した電池用外装材に形成してもよいし、あるいは平板状の電池用外装材に形成してもよいなど、特に制限されるものではないが、好ましくは、ステンレス鋼箔を用いてなる全ての電池用外装材に形成するのが望ましい。
【0097】
また、上記ビードの形状としては、例えば、図10(a)〜(c)に示すようなものなどが例示できるが、これらに制限されるべきものではなく、上記目的を達成することができるものであればよく、任意の形状を取りうるものである。
【0098】
また、該ビードは、上記プレス成形した電池用外装材に形成する場合には、該プレス成形と同時に形成してもよいし、別途、形成してもよい。別途、形成する場合、あるいは平板状の電池用外装材に形成する場合には、該ビードの形成方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の形成法を利用できるものであり、例えば、プレス成形法、ビード金属板の溶接などが挙げられるが、好ましくは生産性の観点からプレス成形法が有利である。
【0099】
また、本発明に係る電池ケースでは、(電解液ないし電解質を含む電池素子を内部に収納した後に)電池用外装材を組み合わせて接合するものであるが、かかる接合方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の金属−金属間の接合技術を利用できるものであり、例えば、シーム溶接、金属用接着剤、レーザー溶接などが挙げられるが、好ましくは、接合がきれいで液漏れ防止効果に優れ、生産性に優れる点からは、シーム溶接によるものが好ましい。
【0100】
なお、本発明に係る電池ケースでは、電池素子を構成する正極および負極タブの取り出し部(取り出し部を有する1辺)に対応する部分の電池用外装材の内側(接合面側)には、熱融着によりシールすることのできる熱可塑性樹脂層をコーティングなどにより形成しておき、熱融着により接着(接合)するようにしてもよい。なお、該熱可塑性樹脂層は、電池素子を構成する正極および負極タブの取り出し部表面にも形成してもよい。
【0101】
該熱可塑性樹脂層の形成に用いられる熱可塑性樹脂としては、熱融着によりシールすることのできる耐熱性を有するものであればよく、例えば、従来のラミネートフィルムに用いられているような、熱融着絶縁性フィルムであるポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムなどを単独で形成してもよいし、あるいはステンレス鋼箔の接合部分にポリエチレンテレフタレートフィルムを接合し、さらに該フィルム上にポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムなどの熱融着絶縁性フィルムを積層して形成するようにしてもよいなど、特に制限されるべきものではない。また、これらが耐食性を有する場合には、電池用外装材の内側全面に熱可塑性樹脂層を形成してもよい。
【0102】
本発明の第5の目的は、電池、とりわけ小型、軽量化が求められる小型機器向けの角形タイプの電池として、上記した本発明に係る電池ケースを使用してなることを特徴とするものである。これにより、上述したように電池ケースが抱えていた従来の問題点を解消することができ、薄型、軽量でかつ安全性の高い電池を提供することができるものである。
【0103】
さらに、本発明の電池では、電池ケースから取り出される電極端子(電極タブともいう)が一本化されてなるものであってもよい。具体的には、負極の(銅箔)端部が電池ケース内面に電気的に接続されており、該電池ケース自体が負極端子(負極タブ)として使用されるものであっても良い。すなわち電池ケースから取り出されていた電極タブの1つである負極タブが電池ケースと兼用(省略)され、正極端子(正極タブ:アルミニウム)に一本化されるものである。これにより、電池ケースから取り出される負極タブとして、高価なニッケルタブを省略できると共に、負極端部の銅箔とニッケルタブの溶接に必要な溶接装置、絶縁シールテープ張り付け装置が要らなくなる。また、溶接、絶縁処理と合わせて、コストダウンへの寄与は大きい。ただし、本発明では、正極タブを電池ケースと兼用(省略)し、負極端子に一本化してもよいことは言うまでもない。また、電極端部の材料や電極端子の材料は、上記に挙げたものに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができるものである。
【0104】
負極の端部を電池ケースに電気的に接続する方法としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、シーム溶接やハンダ溶接などのなどの溶接技術を用いて行うことができる。
【0105】
電池ケースから取り出される電極端子(電極タブともいう)が、電池ケースと接触して短絡しないように、(1)電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合に絶縁性シール材を用いてもよいし(図18(a)参照のこと)、(2)電極端子を取り出す部分の電池ケース内面に絶縁被覆層を形成してもよいし、(3)電池ケースから取り出される部分の電極端子表面(全周囲)に絶縁被覆層を形成してもよい。
【0106】
上記電池ケースが負極端子(または正極端子)として使用される個所以外は、電池ケースに用いる電池外装材表面に絶縁被覆層が形成されていることが望ましい。電池ケース全体を負極端子(または正極端子)として用いても良いが、該電池ケースを用いてなる電池は、通常携帯電話などの小型電子機器内部に他の電子部品と一緒に緻密に(ぎゅうぎゅうに)収納されており、他の電子部品との間隔は狭くなる傾向にあるため、使用環境によっては接触することもあり得るため、こうした際においても電気的障害を生ずるのが望ましいためである。
【0107】
また、本発明の電池では、電池ケースの端子(タブ)取り出し部を有する辺(図19の例では1辺))の接合にシール材が用いれらており、
該端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分のシール材に切り欠きが設けられていることが望ましい。これにより、切り欠き部分まで隣接する辺の溶接(接合)ができるため、その後に該シール材を熱シールすると溶融により、溶接端部まで確実にシールできる。なお、電池ケースの端子(タブ)取り出し部を除く辺(図19の例では3辺)の接合はシーム溶接などの溶接技術により接合されていればよい。
【0108】
上記切り欠き形状は、特に制限されるものではなく、例えば、V字型(図19参照のこと)やU字型などが挙げられる。また、切り欠き部の大きさなどは、電池の大きさなどに応じて、シール効果が高められるように適宜最適な大きさとすればよい。
【0109】
また、シール材としては、特に制限されるべきものではないが、熱シールし得るものが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂製の熱シールテープなどを用いることができる。
【0110】
本発明に係る電池の種類としては、特に制限されるべきものではなく、1次電池および2次電池のいずれにも適用できるものであり、具体的には、マンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、リチウム1次電池(リチウムマンガン電池、リチウムフッ化黒鉛電池、リチウム塩化チオニル電池等)などの1次電池、鉛電池、ニッケルカドミウム(ニカド)電池、ニッケル水素電池、金属リチウム電池(例えば、バナジウムリチウム電池)、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)などの二次電池が挙げられる。好ましくは、上述したように小型、軽量化が求められる小型機器向けの電池である、リチウム1次電池などの1次電池;ニッケルカドミウム(ニカド)電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などの二次電池であり、なかでも単位容積あたりのエネルギー密度が高く、かつ長期的に高い安全性が求められてなるリチウムイオン二次電池が特に望ましいものである。なお、電池の種類では、上記に記載した区別の仕方以外にも、例えば、リチウムポリマー二次電池、非水電解質二次電池(固体電解質電池またはゲル状電解質電池など)のように電解質等によって区別する仕方などがあるが、本発明の電池では、こうした名称に拘泥されるべきものではなく、こうした電池も全て含むものである。
【0111】
本発明に係る電池の形状としては、特に制限されるべきものではなく、上記電池の種類によっても異なるが、本発明の特徴であるプレス成形した電池ケースを採用する上では、丸形電池よりも角形電池やボタン型電池の方がよいといえる。
【0112】
本発明に係る電池の構成に関しては、本発明に係る電池ケースを用いていればよく、その他の構成に関しては何ら制限されるべきものではなく、従来公知の各種構成をとることができるものである。特に、電池素子である、正極、負極、セパレータ(固体電解質やゲル状電解質がセパレータの機能を兼ね備えている場合には省略可能である)、電解液ないし電解質(固体電解質、ゲル状電解質を含む)に関しては、各電池ごとに既に数多くの技術が確立されており、さらに多くの改良技術が提案されているが、こうしたもの全てに対して、本発明に係る電池ケースを採用することができるものであれば、本発明の電池の技術範囲(権利範囲)に含まれるものであることはいうまでもない。
【0113】
本発明の好適な電池の1種であるリチウムイオン二次電池において、正極の活物質層と負極の活物質層との間に固体電解質またはゲル状電解質を配設してなる電池素子を用いる場合を例にとり、具体的に説明するが、本発明の電池がこれらに何ら制限されるべきものでないことはいうまでもない。
【0114】
上記正極の活物質層または負極の活物質層に積層されている固体電解質またはゲル状電解質は、高分子化合物と電解質塩と溶媒(ゲル電解質の場合は、さらに可塑剤)からなる溶液を正極の活物質層または負極の活物質層に含浸させ、溶媒を除去し固体化したものである。正極の活物質層または負極の活物質層に積層された固体電解質またはゲル状電解質は、その一部が正極の活物質層または負極の活物質層に含浸されて固体化されている。架橋系の場合は、その後、光または熱で架橋して固体化される。
【0115】
ゲル状電解質は、リチウム塩を含む可塑剤と2〜30質量%のマトリクス高分子からなる。このとき、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類などを単独または可塑剤の一成分として用いることができる。
【0116】
ゲル状電解質を調整するにあたり、このような炭酸エステル類をゲル化するマトリクス高分子としては、ゲル状電解質を構成するのに使用されている種々の高分子が利用できる。酸化還元安定性から、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子を用いることが望ましい。
【0117】
高分子固体電解質は、リチウム塩とそれを溶解する高分子化合物からなり、高分子化合物としては、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系、アクリレート系、ポリ(ビニリデンフルオロライド)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子などを単独または混合して用いることができる。酸化還元安定性から、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子を用いることが望ましい。
【0118】
なお、固体電解質電池またはゲル状電解質電池を考えた場合、高分子固体電解質に使用する高分子材料としては、例えば、シリコンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリフォスファゼン変成ポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド及びこれらの複合ポリマーや架橋ポリマー、変成ポリマーなどもしくはフッ素系ポリマーとして、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−トリフルオロエチレン)などおよびこれらの混合物が各種使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0119】
このようなゲル状電解質または高分子固体電解質に含有させるリチウム塩として通常の電池電解液(例えば、非水系電解質など)に用いられるリチウム塩を使用することができ、リチウム化合物(塩)としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0120】
例えば、塩化リチウム臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、臭素酸リチウム、ヨウ素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロほう酸リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、酢酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドリチウム、LiAsF、LiCFSO、LiC(SOCF、LiAlCl、LiSiF等を挙げることができる。
【0121】
これらリチウム化合物は、単独で用いても複数を混合して用いてもよいが、これらの中でLiPF、LiBFが酸化安定性の点から望ましい。
【0122】
リチウム塩を溶解する濃度として、ゲル状電解質なら、可塑剤中に0.1〜3.0モル/リットルで実施できるが、好ましくは0.5〜2.0モル/リットルで用いることができる。
【0123】
なお、上記非水系電解質(例えば、有機溶媒系電解質)における有機溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、ジメチルサルファイト等の単独もしくは2種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0124】
上記非水系電解質の電解質としては、従来より公知のものを何れも使用することができ、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiB(C)、LiCl、LiBr、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CFSOC、Li(CFCHOSON、Li(CFCFCHOSON、Li(HCFCFCHOSON、Li((CFCHOSON、LiB[C(CF、等の1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
【0125】
上記電池素子の具体例では、上記のような炭酸エステルを含むゲル状電解質もしくは固体電解質を使用する以外は、従来のリチウムイオン電池と同様に構成することができる。
【0126】
すなわち、リチウムイオン電池を構成する場合の負極材料としては、リチウムをドープ、脱ドープできる材料を使用することができる。このような負極の構成材料、例えば、難黒鉛化炭素系材料や黒鉛系材料の炭素材料を使用することができる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。このほか、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO等の酸化物を使用することもできる。このような材料から負極を形成するに際しては、公知の結着剤等を添加することができる。例えば、黒鉛等の炭素材料にポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂粉末あるいはカルボキシルメチルセルロース等の水溶性粘結剤をバインダーにして、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミドあるいは水、アルコール等の溶媒を用いて混合することによりスラリーを作成し、集電体上に塗布、乾燥する事により成型することもできる。
【0127】
また、リチウムイオン電池を構成する場合の正極材料としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子を正極活物質として用いて構成することができる。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合、正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物LiM(1)(式中、xは0≦x≦1の範囲の数値であり、式中、M(1)は遷移金属を表し、Co、Ni、Mn、Ti、Cr、V、Fe、Zn、Al、SnまたはInの少なくとも1種類からなる)、或いはLiM(1)M(2)2−y(式中、yは0≦y≦1の範囲の数値であり、式中、M(1)、M(2)は遷移金属を表し、Co、Ni、Mn、Ti、Cr、V、Fe、Zn、Al、SnまたはInの少なくとも1種類からなる)を主体とするリチウム複合酸化物、遷移金属カルコゲン化物(TiS、MoS、NbSe、等)、バナジウム酸化物(V、V13、V、V、等)及びそのリチウム化合物、一般式MMoCh8−y(式中、xは0≦x≦4、yは0≦y≦1の範囲の数値であり、式中、Mは遷移金属をはじめとする金属、Chはカルコゲン元素を表す)で表されるシュブレル相化合物、或いは活性炭、活性炭素繊維、等を用いることができる。上記リチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。正極には、これらの正極活物質の複数種をあわせて使用してもよい。また、以上のような正極活物質を使用して正極を形成するに際して、公知の導電剤や結着剤等を添加することができる。
【0128】
なお、本発明の電池の用途としては、各種機器の電源に利用することができるものであるが、好ましくは小型機器用電源として用いるのが望ましい。該小型機器としては、例えば、携帯電話、無線機、トランシーバなどの通信機器用電源;ノートパソコン、携帯端末(PDA)、ハンディコピー、ハンディターミナル、電子ブックプレーヤ、プリンタなどの情報機器用電源;カムコーダ、ポータブルMDプレーヤ、ポータブルCDプレーヤ、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、コンパクトカメラなどのAV機器用電源;その他、携帯用計測機器用電源、無線会議システム用電源、携帯ゲーム機用電源などが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
【0129】
以下に、本発明に係る電池の好適な1種である非水電解液タイプのリチウム二次電池を、図1〜図9及び図13〜図19を参照して詳細に説明する。
【0130】
図1は、本発明に係るリチウム二次電池の構成を模式的に表わす斜視図である。図2は、図1をA−A線に沿って横から見た断面図である。図3は、図1をB−B線に沿って横から見た断面図である。
【0131】
電池用外装材1は、厚さ20〜100μmの本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔を電池内容部(=電池素子;電解液を含む)が入るように凹型にプレス成形したものである。電池用外装材2は、厚さ20〜100μmのステンレス鋼箔である。かかる電池用外装材2には、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔ではなく、より高い硬度を有する既存のステンレス鋼箔の例である。
【0132】
また、電池用外装材1と電池用外装材2を組み合わせて接合された内側には、正極3及び負極4をセパレータ5を介して捲回・扁平化した電池素子6がある。また、電池用外装材1と電池用外装材2の内側は、電解液7で満たされており、正極3、負極4、セパレータ5も電解液7を含浸した状態になっている。
【0133】
ただし、リチウムポリマー電池の場合には、前述の電池素子のセパレータに変えてゲル電解質(ないし固体電解質)が用いられ、正極活物質ないし負極活物質表面に塗布されている。
【0134】
電池用外装材1と電池用外装材2は、正極の端子部(正極タブ)及び負極の端子部(負極タブ)の取り出し部10(図2参照のこと)を除く3辺が、例えば、シーム溶接などの溶接技術により接合されており、電極タブ(正極の端子部(正極タブ)及び負極の端子部(負極タブ))の取り出し部10は、熱可塑性樹脂製のシール材11を超音波溶着等により熱融着させることによりシール(接合)されている。
【0135】
図4は、図1と電池素子を構成する正極、負極およびセパレータの捲回方向が異なる本発明に係るリチウムポリマー電池の他の構成を模式的に表わす斜視図である。図5は、図4をC−C線に沿って横から見た断面図である。図6は、図4をD−D線に沿って横から見た断面図である。
【0136】
電池用外装材1は、厚さ20〜100μmの本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔を電池内容部(=電池素子;電解液を含む)が入るように凹型にプレス成形したものである。電池用外装材2は、厚さ20〜100μmのステンレス鋼箔である。かかる電池用外装材2には、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔ではなく、より高い硬度を有する既存のステンレス鋼箔の例である。
【0137】
また、電池用外装材1と電池用外装材2を組み合わせて接合された内側には、正極3及び負極4をセパレータ5を介して捲回・扁平化した電池素子6がある。また、電池用外装材1と電池用外装材2の内側は、電解液7で満たされており、正極3、負極4、セパレータ5も電解液7を含浸した状態になっている。
【0138】
ただし、リチウムポリマー電池の場合には、前述の電池素子のセパレータに変えてゲル電解質(ないし固体電解質)が用いられ、正極活物質ないし負極活物質表面に塗布されている。
【0139】
電池用外装材1と電池用外装材2は、電極タブ(正極の端子部(正極タブ)8及び負極の端子部(負極タブ)9)の取り出し部10(図6参照のこと)を除く3辺が、例えば、シーム溶接などの溶接技術により接合されており、電極タブ(正極タブ8及び負極タブ9)の取り出し部10は、熱可塑性樹脂製のシール材11を超音波溶着等により熱融着させることによりシール(接合)されている。
【0140】
図7は、図1および4と電池素子を構成する正極、負極およびセパレータの捲回方向が異なる本発明に係るリチウムポリマー電池の他の構成を模式的に表わす斜視図である。図7は、図8をE−E線に沿って横から見た断面図である。図9は、図7をF−F線に沿って横から見た断面図である。
【0141】
電池用外装材1は、厚さ20〜100μmの本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔を電池内容部(=電池素子;電解液を含む)が入るように凹型にプレス成形したものである。電池用外装材2は、厚さ20〜100μmのステンレス鋼箔である。かかる電池用外装材2には、本発明に係るプレス加工性のよいステンレス鋼箔ではなく、より高い硬度を有する既存のステンレス鋼箔の例である。
【0142】
また、電池用外装材1と電池用外装材2を組み合わせて接合された内側には、正極3及び負極4をセパレータ5を介して捲回・扁平化した電池素子6がある。また、電池用外装材1と電池用外装材2の内側は、電解液7で満たされており、正極3、負極4、セパレータ5も電解液7を含浸した状態になっている。
【0143】
ただし、リチウムポリマー電池の場合には、前述の電池素子のセパレータに変えてゲル電解質(ないし固体電解質)が用いられ、正極活物質ないし負極活物質表面に塗布されている。
【0144】
電池用外装材1と電池用外装材2は、電極タブ(正極の端子部(正極タブ)8及び負極の端子部(負極タブ)9)の取り出し部10(図8参照のこと)を除く3辺が、例えば、シーム溶接などの溶接技術により接合されており、電極タブ(正極タブ8及び負極タブ9)の取り出し部10は、熱可塑性樹脂製のシール材11を超音波溶着等により熱融着させることによりシール(接合)されている。
【0145】
次に、図13及び図14は、圧力解放機構として溝部を有する電池ケースを用いてなる、本発明に係るリチウム二次電池の斜視図である。図15及び図16は、図13及び図14を断面Aで切断したときの溝部分の断面形状である。電池内部(電池素子)の構成などは図1〜3と同様である。
【0146】
図13及び図14の電池ケースは、厚さ20〜100μmのプレス加工性のよいステンレス箔を電池内容部(=電池素子;電解液を含む)が入るように凹型にプレス成形したもの(電池用外装材1)と、厚さ20〜100μmの平板のステンレス箔(電池用外装材2)を溶接および熱シールしたものである。接合された内側には、正極3及び負極4をセパレータ5を介して捲回・扁平化した電池素子6がある。また、電池ケースの内側は、電解液7で満たされており、正極3、負極4、セパレータ5も電解液7を含浸した状態になっている。
【0147】
ただし、リチウムポリマー電池の場合には、前述の電池素子のセパレータに変えてゲル電解質(ないし固体電解質)が用いられ、正極活物質ないし負極活物質表面に塗布されている。
【0148】
電池ケースは、正極の端子部(正極タブ8)及び負極の端子部(負極タブ9)の取り出し部を除く3辺が、例えば、シーム溶接などの溶接技術により接合されており(図中の符号13)、電極タブ(正極の端子部(正極タブ8)及び負極の端子部(負極タブ9))の取り出し部は、熱可塑性樹脂製のシール材11を超音波溶着等により熱融着させることによりシール(接合)されている(図中の符号12)。
【0149】
電池ケースに設けられた圧力解放機構(である溝部)は、図中の符号14で表される溝からなる。圧力解放機構(である溝部)の溝の平面形状は、図13のような十字形でも、図14のような円形でも良い。その他、四角形(角形ないし矩形)、くさび形などでも良いことは明白である。
【0150】
また、図13及び図14では、圧力解放機構(である溝部)14の溝を2ヶ所配置しているが、3ヶ所以上でも良い。さらには、溝深さのばらつきが小さければ1ヶ所でも構わない。
【0151】
図15及び図16は、図13及び図14の断面Aで切断したときの溝部分の断面形状を示し、溝の断面形状は図15のようなV形溝15または図16のようなU形溝16が好ましい。
【0152】
図17は、負極の端部が電池ケース内面に電気的に接続されており、該電池ケース自体が負極端子として使用されている、本発明に係るリチウムポリマー電池の外観構成を模式的に表わす斜視図である。電池内部(電池素子)の構成などは図7〜9と同様である。
【0153】
図17に示す電池では、電池ケースから取り出される電極端子が一本化されてなるものであって、負極タブが電池ケースと兼用(省略)され、正極タブ8(アルミニウム)に一本化されるものである。
【0154】
詳しくは、図18(b)に示すように、負極の銅箔端部が電池ケースを構成する電池外装材2の内面に接続用リード線17を用いて、例えば、シーム溶接などの溶接により電気的に接続されている。これにより、電池ケース自体が負極タブ(9)としても使用されるものである。なお、図18(b)では、負極の端部を電池ケースを構成する背面の電池外装材2の内面に電気的に接続するようにしたが、プレス面の電池外装材1の内面に電気的に接続しても良い。なお、図18(a)に示す正極タブ8を含む断面構造は図8と同じである。
【0155】
次に、図19は、電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材が用いれらており、該端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分のシール材に切り欠きが設けられている、本発明に係るリチウムポリマー電池の他の外観構成を模式的に表わす斜視図(拡大図)である。
【0156】
図19(b)に示す電池では、電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材11が用いれらており、かつ接合する前のシール材11には、端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分に切り欠き部分19が形成されているものである。そのため、電池ケースを構成する電池外装材1と電池外装材2とを接合する際に、まず電池ケースの端子取り出し部を有する辺以外の辺をシーム溶接などにより接合する。この際、シール材(熱シールテープ)11の2箇所の切り欠き部分19まで隣接する辺の溶接ができ、溶接部分18が形成される。さらに、その後に、電池ケースの端子取り出し部を有する辺のシール材11を超音波溶着等により熱融着させることにより熱シール(接合)する。この際、切り欠き部分19の周辺のシール材11が溶融して、該切り欠き部分19を満たして(埋めて)接合(熱融着)される。そのため、図19に示すように、切り欠き部分19では、溶接部分18の端部までシール材11による熱融着(網掛け部分)が行われるため、極めて強固かつ確実にシールできる。
【0157】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示す。
【0158】
実施例1
まず、厚さ0.3mmのSUS304のステンレス薄板を圧延機により50μmに圧延した。その後、焼鈍炉の雰囲気ガスおよびシールガスには実質的に窒素を含まないアルゴンを使用し、アルゴン雰囲気中で1150℃に加熱し、焼鈍処理を行った。これにより、圧延による加工硬化が緩和され、プレス加工性のよい、所望のステンレス鋼箔(1)を得た。
【0159】
得られたステンレス鋼箔(1)のビッカース硬さ(HV)、伸び、窒素含有量につき、下記に示す測定方法に従って測定を行った。得られた結果を下記表1に示す。
【0160】
次に、電池内容物として、正極、負極、セパレータ及び電解液を構成要素として含む電池素子が入るように設計した金型を使用して、プレス機によってプレスを行った。
【0161】
上記のようにして作製した電池用外装材は、角部の割れや亀裂がなく、平板状のステンレス鋼箔とのシーム溶接を行った結果、溶接性にも問題がなかった。
【0162】
実施例2
実施例1で圧延した後、焼鈍処理して得られた本発明の厚さ50μmのステンレス鋼箔(1)の強度を測定したところ、690N/mmであった。これに対してアルミニウム箔を中間に挟んだ厚さ50μmのラミネートフィルム外装材(例えば、東洋アルミ株式会社製のスーパーホイル)の強度を測定したところ、50〜100N/mmであった。
【0163】
なお、ステンレス鋼箔(1)及びラミネートフィルム外装材の強度は、JIS13号B試験片の大きさのステンレス鋼箔のサンプルを用いて測定した。
【0164】
比較例1
厚さ0.3mmのSUS304のステンレス薄板を圧延機により厚さ50μmに圧延し、雰囲気ガスにアンモニア分解ガス(75%水素−25%窒素)、そしてシールガスに窒素ガスを用いて焼鈍し、比較用ステンレス鋼箔(1)を得た。
【0165】
得られた比較用ステンレス鋼箔(1)のビッカース硬さ(HV)、伸び、窒素含有量につき、下記に示す測定方法に従って測定を行った。得られた結果を下記表1に示す。
【0166】
次に、電池内容物として、正極、負極、セパレータ及び電解液を構成要素として含む電池素子が入るように設計した金型(実施例1と同様のものを用いた)を使用して、プレス機によってプレスを行った。上記のようにして作製した電池用外装材は、加工硬化のために伸びが悪くなっており、角部に割れが発生し、プレス成形が必要な電池用外装材として使用不可能なものであった。
【0167】
【表1】
Figure 2004052100
【0168】
上記表1のビッカース硬さ(HV)は、10×20mmの大きさのステンレス鋼箔のサンプルを用いて、樹脂に埋め込んで研磨した後、マイクロビッカース硬度計を用いて50gの荷重で測定した。
【0169】
上記表1の伸びは、JIS13号B試験片の大きさのステンレス鋼箔のサンプルを用いて測定した。
【0170】
上記表1の窒素含有量も伸びを測定したものと同じ大きさのステンレス鋼箔のサンプルを用いて測定した。
【0171】
実施例3
【0172】
【表2】
Figure 2004052100
【0173】
まず、表2に示す成分組成の厚さ0.3mmのSUS316のステンレス薄板を圧延機により50μmに圧延した。その後、焼鈍炉の雰囲気ガスには実質的に窒素を含まない水素を使用し、シールガスにはアルゴンを使用して、1150℃に加熱し、43m/min(在炉時間4秒)および22m/min(在炉時間8秒)のライン速度(通箔速度)の連続焼鈍炉で焼鈍処理を行った。これにより、圧延による加工硬化が緩和され、プレス加工性のよい、所望のステンレス箔AおよびBを得た。また、焼鈍雰囲気の比較として、雰囲気ガスにアンモニア分解ガス(75%水素−25%窒素)、シールガスに窒素ガスを用いて焼鈍を行い、ステンレス箔Cを得た。さらに、ライン速度の比較として、65m/min(在炉時間2.7秒)で実質的に窒素を含有しない上記条件雰囲気で焼鈍処理を行って、ステンレス箔Dを得た。
【0174】
得られたステンレス箔のビッカース硬さ(HV)、伸び、引張強さ、表層の窒素濃度につき、下記に示す測定方法に従って測定を行った。得られた結果を表3および図12に示す。本発明例のバルクの窒素濃度は0.06質量%以下かつ表層皮膜中の窒素含有量は3質量%以下であり、ビッカース硬さ(HV)が180以下、伸び30%以上、引張強さ700N/mm以下で、さらに角筒絞りによるプレス試験においても限界絞り深さが5%程度大きかった。
【0175】
次に、電池内容物として、正極、負極、セパレータ及び電解液を構成要素として含む電池素子が入るように設計した金型を使用して、プレス機によってプレスを行った。プレスされたステンレス箔は35mm×55mmの角筒で3mm深さである。
【0176】
上記のようにして作製した本発明例の電池用外装材は、角部の割れや亀裂がなく、平板状のステンレス箔とのシーム溶接を行った結果、溶接性にも問題がなかった。一方、比較例の電池用外装材においては、加工硬化のために伸びが悪くなっており、角部に割れが発生し、プレス成形が必要な電池用外装材として使用不可能なものであった。
【0177】
【表3】
Figure 2004052100
【0178】
*:NHは、アンモニア分解ガス(75%水素−25%窒素)を示す。
【0179】
**:限界深さの比は、比較例Cを基準の1として表示した。
【0180】
上記表2および表3のバルク成分濃度の測定は、C、S、N、Oについてはガス分析法(N、Oは不活性ガス溶融−熱伝導測定法で、C、Sは酸素気流中燃焼−赤外線吸収法)で、その他の元素については蛍光X線分析装置(SHIMADZU、MXF−2100)で実施した。
【0181】
上記表3の表層の窒素含有量(皮膜窒素濃度)は、GDS(グロー放電発光分光分析法)を使用した。装置はJOBIN YVON社製(仏)JY5000RF−PSS型で、測定領域は4mmφである。スパッタ速度は、日本鉄鋼標準試料JSS652−13を25秒間放電した後の深さで求めた。校正試料は、日本鉄鋼標準試料JSS652−13等の4種類を用いた。6mm×6mmのステンレス箔をBrass(50mmφ×高さ5mm)上のインジウム(10mmφ)にプレスで埋め込んで測定に供した。
【0182】
上記表3のビッカース硬さ(HV)は、10×20mmの大きさのステンレス箔のサンプルを用いて、樹脂に埋め込んで研磨した後、マイクロビッカース硬度計を用いて50gの荷重で測定した。C断面(圧延方向に垂直の方向)で測定した。
【0183】
上記表3の伸びおよび引張強さはJIS13号B試験片の大きさのステンレス箔のサンプルを用いて、L方向(圧延方向に平行)のデータを測定した。
【0184】
上記表3の限界絞り深さ比は、角筒絞りによるプレス試験で求めた各々の限界絞り深さを比較例Cを基準の1として表した数値である。角筒絞りのプレス試験は以下の条件にて実施した。ダイス42mm×42mmでコーナー部径4mm、ポンチ40mm×40mmでコーナー部径4mm、しわ押さえ力6トン、潤滑剤はJohnsonWAX122:マシン油=1:1、プレス速度60mm/minおよびブランクサイズ(供試材)100mm×100mmである。
【0185】
実施例4
実施例3で圧延した後、焼鈍処理して得られた本発明の厚さ50μmのステンレス箔Aの引張強さは、表3に示すように693N/mmであった。これに対し、アルミニウム箔を中間に挟んだ厚さ50μmのラミネートフィルム外装材(例えば、東洋アルミ株式会社製のスーパーホイル)の強度を測定したところ、50〜100N/mmであった。
【0186】
なお、ステンレス箔Aおよびラミネートフィルム外装材の引張強さは、JIS13号B試験片の大きさのステンレス箔のサンプルを用いて測定した。
【0187】
【発明の効果】
本発明の連続焼鈍時の窒化を防止したステンレス鋼箔、およびその製造方法、並びにこれを用いた用途であるところの、電池用外装材、電池ケースおよび電池は、新規なプレス加工性に優れたステンレス鋼箔を電池外装材用として採用することで、従来の電池用外装材よりも薄く、また強度が高いものとすることができる。従って、本発明のステンレス鋼箔を電池用外装材として使用することにより、より薄く安全性が高い電池ケース及びこれを用いた電池を製造することができる。特に、本発明のステンレス鋼箔、電池用外装材、電池ケースおよび電池は、工業的に大量に製造可能であって、単位容積あたりのエネルギー密度が高く、かつ高い安全性が求められる小型機器向けの角形タイプのリチウム二次電池に好適に採用することができるものである。
【0188】
また、本発明の圧力解放機構を配置した電池ケースおよび電池は、新規なプレス加工性によいステンレス箔を電池外装材用の材料として採用することで、従来の電池用外装材よりも薄く、また強度が高いだけでなく、より安全性が高い電池を製造することができる。特に、本発明の圧力解放機構は、電池用ケースのプレス加工時に同時に製造が可能であり、ほとんどコストアップすることなしに、安全性を向上できるものである。したがって、単位容積あたりのエネルギー密度が高く、かつ高い安全性が求められる小型機器向けの角形タイプのリチウム二次電池に好適に採用することができるものである。
【0189】
また、本発明の取出す端子を一本化した電池では、高価なニッケルタブ等を省略できると共に、省略した電極側の端部とニッケルタブ等の溶接に必要な溶接装置、絶縁シールテープ張り付け装置が要らなくなる。また、溶接、絶縁処理と合わせて、コストダウンへの寄与は大きい。
【0190】
さらに、本発明のシール材に切り欠きを設けた電池では、切り欠き部分まで隣接する辺の溶接(接合)ができるため、その後に該シール材を熱シールすると溶融により、溶接端部まで確実にシールできる。そのため、たとえ電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合でも、溶接端部とシール材の融着部との境界部からの液漏れなどはなく、極めて高い安全性(品質)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1と電池素子を構成する正極、負極およびセパレータの捲回方向が異なる本発明に係るリチウムポリマー電池の他の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図5】図4のC−C線に沿う断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿う断面図である。
【図7】図1及び4と電池素子を構成する正極、負極およびセパレータの捲回方向が異なる本発明に係るリチウムポリマー電池の他の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図8】図7のE−E線に沿う断面図である。
【図9】図7のF−F線に沿う断面図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、いずれも本発明の係る電池ケースの電池用外装材に形成されるビードの異なる3つの形状を模式的に表わす概略平面図である。図10(d)は、図10(a)のG−G線に沿う断面図である。図10(e)は、図10(a)のH−H線に沿う断面図である。
【図11】ステンレス箔表層の酸化皮膜構造の一例を示す図である。なお、図11及び図12中の窒素濃度の単位である「mass%」は「質量%」と同義であり、「mpm」は、連続焼鈍ラインでの通箔速度を表わす単位であり、「m/min」と同義である。図中に四角い括弧で囲った「50μm」は使用したステンレス箔の厚さを表わす。
【図12】本発明例と比較例のステンレス箔表層の窒素濃度分布を示す図である。
【図13】圧力解放機構(である溝部)として平面形状が十字形の溝部を有する電池ケースを用いてなる、図1と電池素子が同じである本発明に係るリチウム二次電池の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図14】圧力解放機構(である溝部)として平面形状が円形の溝部を有する電池ケースを用いてなる、図1と電池素子が同じである本発明に係るリチウム二次電池の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図15】図15(a)は、図13を断面Aで切断したときの断面図であり、図15(b)は、図13を断面Jで切断したときの溝形状を表す部分断面図(拡大図)である。
【図16】図16(a)は、図14を断面Aで切断したときの断面図であり、図16(b)は、図14を断面Kで切断したときの溝形状を表す部分断面図(拡大図)である。
【図17】負極の端部が電池ケース内面に電気的に接続されており、該電池ケース自体が負極端子として使用されている、図7と電池素子が同じである本発明に係るリチウムポリマー電池の他の外観構成を模式的に表わす斜視図である。
【図18】図18(a)は、図17のL−L線に沿う断面図であり、図18(b)は、図7のF−F線に沿う断面図である。
【図19】図19(a)は、電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材が用いれらており、該端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分のシール材に切り欠きが設けられている、本発明に係るリチウムポリマー電池の他の外観構成を模式的に表わす斜視図であり、図19(b)は、図19(a)の電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材が用いれらており、該端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分のシール材に切り欠きが設けられている部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…ステンレス鋼箔をプレス成形した電池用外装材、
2…平板状のステンレス鋼箔からなる電池用外装材、
3…正極、
4…負極、
5…セパレータ、
6…電池素子、
7…電解液、
8…正極タブ、
9…負極タブ、
10…電極タブの取り出し部、
11…熱可塑性樹脂製のシール材、
12…熱シール部、
13…溶接部、
14…圧力解放機構(である溝部)、
15…V形溝、
16…U形溝、
17…接続用リード線、
18…溶接部分、
19…切り欠き部分、
h…溝深さ、
…電池ケースに使用するステンレス箔中の溝の溝部の最も薄い部分の厚さ、
t…電池ケースに使用するステンレス箔の厚さ。

Claims (31)

  1. プレス加工性のよいステンレス鋼箔。
  2. 厚さが、110μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼箔。
  3. 厚さが、10〜60μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のステンレス鋼箔。
  4. 材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延、焼鈍を行って得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステンレス鋼箔。
  5. 電池外装材用の材料として用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステンレス鋼箔。
  6. 厚さが110μm以下10μm以上、
    ステンレス鋼箔表層の最大窒素濃度が3質量%以下、
    であることを特徴とするプレス成形性に優れた電池外装材用ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔。
  7. バルク成分が、
    C:0.003〜0.12質量%、
    Si:0.05〜2.5質量%、
    Mn:0.05〜5.0質量%、
    Cr:15〜26質量%、
    Ni:5〜15質量%、
    Mo:0.05〜5.0質量%、
    Cu:0.05〜5.0質量%、
    N:0.005〜0.06質量%、
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレス成形性に優れた電池外装材ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔。
  8. 引張強さが700N/mm以下またはビッカース硬さ(HV)が180以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプレス成形性に優れた電池外装材ないし電池ケース用オーステナイト系ステンレス鋼箔。
  9. ステンレス鋼薄板を圧延後、希ガスないし非酸化性ガス雰囲気中で焼鈍を行い、かつ該焼鈍炉の雰囲気ガスとシールガスが実質的に窒素を含まないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のステンレス鋼箔の製造方法。
  10. 前記焼鈍が、1000〜1200℃に加熱し、冷却するものであることを特徴とする請求項9に記載のステンレス鋼箔の製造方法。
  11. 圧延後の前記焼鈍は1000℃〜1200℃に加熱し、1秒以上60秒以下保持し、その後冷却することを特徴とする請求項9または10に記載のステンレス鋼箔の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のステンレス鋼箔または請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法によって得られたステンレス鋼箔を用いてなることを特徴とする電池用外装材。
  13. 内表面に耐食性被覆層が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の電池用外装材。
  14. 表面に絶縁被覆層が形成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の電池用外装材。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の電池用外装材をプレス成形したものが、少なくとも1枚使われていることを特徴とする電池ケース。
  16. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の電池用外装材を2枚組み合わせて接合してなる電池ケースであって、
    凹型にプレス成形したもの同士、又は該凹型にプレス成形したものと、平板状のものとを組み合わせて接合してなることを特徴とする電池ケース。
  17. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の電池用外装材を用いてなる電池ケースであって、
    凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材を溶接することによる電池ケースにおいて、凹部をプレス成形した電池用外装材または平板の電池用外装材の一方に、電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に、亀裂を生じるような圧力解放機構として溝部を設けてなることを特徴とする電池ケース。
  18. 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、断面V形および/または断面U形の溝からなることを特徴とする請求項17に記載の電池ケース。
  19. 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、複数存在することを特徴とする請求項17に記載の電池ケース。
  20. 電池内部にあらかじめ設定した以上の圧力が掛かった場合に亀裂を生じるような圧力解放機構が、電池の電極取り出し用のタブが出ていない部分に設置されていることを特徴とする請求項17に記載の電池ケース。
  21. 電池ケースに使用するステンレス箔の厚さtと該ステンレス箔中の溝部の最も薄い部分の厚さhとの関係が、下記式を満足することを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の電池ケース。
    Figure 2004052100
  22. 電池用外装材の少なくとも1枚にビードを形成してなることを特徴とする請求項15〜21のいずれか1項に記載の電池ケース。
  23. 前記接合が、シーム溶接によるものであることを特徴とする請求項15〜22のいずれか1項に記載の電池ケース。
  24. 請求項17〜21のいずれか1項に記載の圧力解放機構を、電池ケースのプレス成形時に同時に作製することを特徴とする請求項17〜23のいずれか1項に記載の電池ケースの製造方法。
  25. 請求項15〜23のいずれか1項に記載の電池ケースを使用してなることを特徴とする電池。
  26. 電池ケースから取り出される電極端子が一本化されてなることを特徴とする請求項25に記載の電池。
  27. 負極の端部が電池ケース内面に電気的に接続されており、該電池ケース自体が負極端子として使用されていることを特徴とする請求項25または26に記載の電池。
  28. 電池ケースの負極端子として使用される個所以外は、電池ケースに用いる電池外装材表面に絶縁被覆層が形成されていることを特徴とする請求項27に記載の電池。
  29. 電池ケースの端子取り出し部を有する辺の接合にシール材が用いれらており、
    接合する前のシール材に、端子取り出し部を有する辺とこれに隣接する辺とが交差する部分に切り欠き部分が形成されていることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項に記載の電池。
  30. 小型機器向けの角形タイプであることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の電池。
  31. リチウムイオン電池であることを特徴とする請求項25〜30のいずれか1項に記載の電池。
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