JP4608256B2 - 固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板およびその製造方法ならびにこれを用いた固体高分子型燃料電池セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池を小型化・低廉化するのに必要となるステンレスセパレータ材の作製を可能とするための技術を提供するものである。
従来の固体高分子型燃料電池において、セパレータ材としてカーボンを切削したものを用いる例が多いが、薄肉化、低コスト化の点で課題があるため、燃料電池本体の小型化、低廉化の大きな障害となっていた。一方、セパレータ材として薄肉の金属材料を用いる方法があり、耐食性や接触電気抵の観点から検討されている。
例えば、接触抵抗低減のために金属表面に炭化物や硼化物を析出させる方法(例えば、特許文献1参照)や、鋼成分に接触抵抗を低下させる効果を持つAgを添加し、鋼板表面に凹凸を付与して接触抵抗と耐食性の両特性を満足させる方法(例えば、特許文献2参照)がある。これらは、接触抵抗低減のため、母材中に何らかの導電物質を分散させたステンレス鋼であるが、この措置を行ったが故に母材の加工性は低下してしまい、結果として燃料電池性能向上のためのセパレータ形状のファインピッチ化には阻害要因となっている。まだ、導電性と耐食性を向上させる表面処理法が提案されていて(例えば、特許文献3、4参照)、この表面処理法では、必ずしも母材に導電性物質を分散させなくてもよい。つまり、燃料電池の効率および経済性を考慮した場合、セパレータの形状としては、凹凸のピッチが狭く、溝が深い方が適している。このためにはセパレータ素材の金属材料として塑性加工性または塑性変形能が必要である。実際にセパレータを金属材料の成形加工でつくる場合、成形時に割れや反りが生じる場合が多く、これまで安定して素材を製造することが困難であった。
特開2003−193206号公報 特開2003−223904号公報 特開2001−307747号公報 特開2002−063914号公報
本発明は、固体高分子型燃料電池セパレータ材として必要な成形加工性を有したオーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法を提供するものである。
本発明者は、セパレータ特有の成形方法に必要な材料特性を調査し、さらに加工性に及ぼす成分および製造方法の詳細な検討を行い、成分および組織を最適化することで固体高分子型燃料電池セパレータに好適なオーステナイト系ステンレス鋼板および製造方法の発明に至った。
発明の要旨は下記のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.07%以下、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.04%以下、S:0.005%以下、Al:0.2%以下、N:0.050%以下、Cr:16.0〜18.5%、Ni:6.0〜15.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼板の板厚が0.05mm以上、0.25mm以下であり、鋼板の平均結晶粒径が10〜25μmの範囲にあり、板厚の中央部におけるビッカース硬度Hcと表層から1/8t(tは板厚)におけるビッカース硬度Hsの差が20以下であり、鋼板の板面内で圧延方向と垂直な方向の延性が65%以上であることを特徴とする、固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
(2) さらに、質量%で、Cu:0.50〜2.50%を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
(3) 前記Al成分が、質量%で、Al:0.012%未満であり、さらに、質量%で、Mo:1.5〜3.5%を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の成分からなる鋼を、溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、熱処理などの工程で薄鋼板を製造するに際し、冷間圧延途中の熱処理および最終冷間圧延後の熱処理を、炉内雰囲気が窒素濃度1.0%未満の水素雰囲気とし、鋼材温度1050〜1100℃で、1分以内に保持した後、冷却することを特徴とする、鋼板の板厚が0.05mm以上、0.25mm以下であり、鋼板の平均結晶粒径が10〜25μmの範囲にあり、板厚の中央部におけるビッカース硬度Hcと表層から1/8t(tは板厚)におけるビッカース硬度Hsの差が20以下であり、鋼板の板面内で圧延方向と垂直な方向の延性が65%以上である固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板の製造方法。
(5) 上記(1)ないし()のいずれか1項に記載のステンレス鋼板を用いて作製した固体高分子型燃料電池セパレータ。
本発明により、固体高分子型燃料電池用セパレータの薄肉化、低コスト化を達成できるような成形加工できるステンレス鋼板の提供が可能となり、固体高分子型燃料電池の小型化・低廉化の達成に大きく寄与し、産業上価値の高いものである。
本発明者は、オーステナイト系ステンレス鋼板を用いて、成形加工性に及ぼす成分や金属組織の影響を調査した。その結果、下記のことが判明した。本発明は、このような知見を基に成されたものである。
(1) セパレータは凹部と凸部が交互に並ぶが、図1のように、セパレータ四周平坦部5に燃料ガスが流入1、酸素(空気)流入孔2、燃料ガス流出口3及び酸素(空気)流出口4を備えたセパレータにおいて、凹部または凸部が鋼板の圧延方向と平行になるような形状に板取りをして成形すること考えた場合、加工時の割れ発生率は、素材のC方向(板面内において圧延方向に垂直な方向)の延性が高いほど低下する。
(2) 素材の結晶粒径に適正値が存在し、結晶粒径が大きすぎても小さすぎてもC方向の延性は低下する。
(3) 最終焼鈍時の炉内雰囲気に窒素が多く含まれていると延性は低下する。これは、炉内雰囲気に窒素が多く含まれている場合には鋼板表層が窒化されて硬化するためである。
次に化学成分を規定した理由を述べる。なお、以下成分量を表す単位は、質量%である。
Cは、0.07%超を含有すると延性が低下するため、上限を0.07%以下とした。下限は特に規定しないが、脱炭に要するコストを考慮した場合、0.003%とすることが好ましい。
Siは、2.0%超を添加すると延性を低下させるため、上限を2.0%以下とする必要がある。一方、0.1%未満では脱酸効果を期待できないため、0.1%以上の添加が必要である。
Mnは、Sを固定し、熱間加工性を改善するため、0.1%以上添加する。一方、2.0%超を添加すると耐食性や伸びを低下させるため、上限を2.0%以下とした。
Pは、延性や耐食性を劣化させる場合があるため、上限を0.04%以下とした。
Sは、熱間加工性を低下させたり、耐孔食性を低下させたりするため、低いほうが好ましく、上限を0.005%とした。
Alは、脱酸をSiで行う場合は必ずしも添加する必要はないため、下限は特に規定しないが、Alにも脱酸効果を期待する場合は0.005%以上添加する必要がある。一方、0.2%超添加すると介在物を増大させ加工性を著しく損なうため、上限は0.2%以下とする必要がある。
NもC同様多量に添加すると、延性を低下させるため、上限を0.050%とした。下限は特に規定しないが、窒素を低減するのに要するコストを考慮した場合、0.008%とすることが好ましい。
Crは、不動態皮膜を生成し耐食性を向上させる元素であり、また、Niとの共存でオーステナイト相を安定化するため、Ni量とのバランス上、16.0%以上が必要である。しかし、18.5%を超えると材料を硬化させ、延性を低下させるため、18.5%を上限とした。
Niは、耐食性を向上させ、また、オーステナイト相を安定化するため、6.0%以上の添加が必要である。しかし、多量に添加すると材料の延性を低下するため、上限を15.0%とする。
下記の元素は選択的に添加できる。
Cuは、プレス成形時の加工性を向上させる元素であり、セパレータの形状によって成形が厳しい場合には添加しても良い。0.50%以上の添加で効果が発揮されるため、これを下限とした。また、2.50%超添加すると逆に加工性を低下させるため、2.50%を上限とした。
Moは、不動態皮膜を補修し、耐食性を向上させる効果を有するため、セパレータセル内の温度や環境によっては耐食性向上のために添加しても良い。しかし、1.5%未満ではその効果が小さい。一方、Moは3.5%を超えて添加すると、凝固偏析によるスラブ割れを生じやすくなったり、延性を低下したりする。そこで、Moの添加量を1.5〜3.5%の範囲とした。なお、Alは、通常、脱酸元素として利用されるが、Moを添加したオーステナイト系ステンレス鋼板においては延性を低下させるため、その上限を0.012%未満とする必要がある。Alを、脱酸元素として用いる場合は、この上限を満足することは困難である場合が多いので、Mo添加鋼においては、脱酸は他の方法で行う必要がある。
延性は、凹部または凸部が鋼板の圧延方向と平行になるように成形加工することを考えた場合、C方向(鋼板の板面内において圧延方向に垂直な方向)の延性が65%以上必要である。65%未満であると成形時に割れを発生する頻度が高くなるためである。延性は高いほうが成形加工をするうえで好ましく、70%以上であることが望ましい。上限は特に規定するものではないが、現状の設備や製造工程においては73%が上限と考えられる。
本発明における延性の測定方法は下記の方法で行う。本発明者らの検討によれば、本発明のような板厚0.25mm以下の薄い鋼板を用いる場合、JIS Z 2241の金属材料引張試験の記載されている範囲の規定では、測定されたC方向伸びが最大10%程度ばらつくことがあることが判明した。このばらつきを軽減するために、引張試験方法をさらに厳密に規定する必要があり、下記のような条件を満たすようにしてを行った。
・使用機器:最大荷重19.6〜98kN(2〜10ton)の引張試験機
・試験片形状:JIS Z 2201記載のJIS13号B引張試験片
・試験片加工方法:打ち抜きまたは切削加工のいずれか
・n数:3本以上とし、平均値を持って引張特性値とする。ただし、他の2本以上の引張特性値と大きく異なる場合は、特性値の異なる1本の特性値を除いた他の特性値の平均値から求める。
・試験方法:JIS Z 2241記載の金属引張試験方法に準拠
・試験温度:23±5℃
・評点間距離測定:試験片平行部に標点間距離をあらわす標点を2箇所マーキングし、その標点間距離をノギスで0.01mm単位まで測定する。
・クロスヘッドスピード:20mm/minとして破断まで試験を続行する。
・伸びの測定法:破断後の試験片を試験機からはずし、マーキングした標点間の距離をノギスで0.01mm単位まで測定し、JIS Z 2241に準拠して求める。
上記のような条件、方法でC方向伸びを測定すれば、ばらつきが極めて小さい値が得られる。
板厚は、セパレータの薄肉化により固体高分子型燃料電池の小型化・軽量化を図るために0.25mm以下とする。薄いほうが、当然軽量化に望ましく、0.12mm以下であることがさらに望ましい。板厚の下限は特に規定するものではないが、C方向の延性を65%以上とするためには、0.05mm以上の板厚が必要であるため、これを下限とすることが好ましい。板厚の測定に際しては、片球面マイクロメータ(片側半球面の先端φ6.35mm、片側平面)を用いる。測定値はμm(=0.001mm)単位まで読み、また、同一部位に対して3箇所以上測定し、その平均値を求めて板厚とする。
板厚が厚ければ、一般には結晶粒径が大きい程延性が高くなるが、セパレータ用極薄板の場合、板厚との相対関係で結晶粒径が大きくなると加工時の転位の動きを制約する結晶粒界が少なくなり、伸びが出なくなってしまう。また、平均結晶粒径が25μmを超えると、燃料電池セパレータとして成形加工した後に表面粗度が大きくなったり、凹凸周期が大きくなって燃料電池セパレータとして必要な寸法加工精度を保てなくなったりすることがある。これらを鑑み、延性最大化のための措置を工夫し、最適化した点が、本発明のポイントである。これらの検討結果を総合して、結晶粒径は、25μm以下とすることが好ましく、また10μm以上とすることが好ましい。これは10μm未満であると母材が硬質化し、延性が低下するためである。
平均結晶粒径の測定は、圧延方向の板厚断面を鏡面研磨、エッチングし、JIS G 0552に準拠して、切断法で行えば良い。また、圧延方向から45°の方向(D方向という)および圧延方向と90°の方向(C方向という)の断面においても結晶粒径を測定し、3方向の平均値とすることが好ましい。
次に、硬度についてであるが、板厚中央と表層近傍で硬度の差が小さいことが重要である。板厚の薄いオーステナイト系ステンレス鋼板では表層において硬度上昇が生じやすいため、これを抑制するための製造条件制御が重要である。したがって最終焼鈍における炉内雰囲気の制御等により、板厚中央と表層近傍の硬度差をなくす必要がある。板厚の中央におけるビッカース硬度(Hv)をHc、表層から1/8t(tは板厚)位置におけるビッカース硬度をHsとしたときに両者の硬度差(ΔHv=Hs−Hc)を20以下とする必要がある。20超であると、素材のC方向の延性が65%に達しない。硬度の測定は、JIS Z 2244記載のビッカース硬さ試験方法に準拠して求めればよい。試験荷重は1.02mN(10gf)とすることが好ましい。n数は3以上とし、平均値をもって硬度とする。
次に、製造方法について述べる。本発明のステンレス鋼板の製造方法は、溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、熱処理を実施する工程で製造される。冷間圧延途中および最終冷間圧延後の熱処理において熱処理炉内の雰囲気を窒素濃度が1.0%未満の水素雰囲気とする。窒素濃度が1.0%以上であると侵窒により鋼板表面が硬化して延性を劣化させることがあったためである。実操業においては窒素を含有する雰囲気で焼鈍を行うことが多いため、炉内をアルゴンで置換した後、水素をいれて窒素を希釈し窒素濃度が1.0%未満の水素雰囲気することが好ましい。アルゴン置換は1回以上行う必要があり、2回以上がさらに望ましい。このような手順を踏むことにより、炉内の雰囲気の窒素濃度を低下せしめることが出来る。また焼鈍条件としては、1050〜1100℃で1分以内保持後、冷却する。1050℃未満であると未再結晶組織となったり、結晶粒が細かくなったりして製品で目標とする延性が得られないためである。また、1100℃超であると結晶粒径が粗大化して製品の延性が低下するためである。保持時間は1分超であると結晶粒径が粗大化しすぎる場合があるためこれを上限とした。冷却は、空冷や水冷などのいずれの方法でも良く、冷却速度は特に規定しない。熱間加工後に熱処理を行ってもよい。また冷間圧延途中に熱処理は2回以上行うことが好ましい。これは本発明における製品の厚みを得るには冷延率を高くするので、このために冷間圧延途中で軟質化が必要なためである。
最終の熱処理後には、形状矯正や表面形態制御のためのスキンパス圧延を実施しても良い。ただし、スキンパス圧延の伸び率が大きすぎると延性を低下するため、1.0%未満とすることが好ましい。このようにして得られたステンレス鋼板を用いて、固体高分子型燃料電池セパレータを製造する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
表1に示した比較鋼および本発明鋼を用いて溶解、鋳造および熱延を実施し、冷延と熱処理の組み合わせにより板厚0.10mmの冷延板を作製した。冷延板を窒素濃度1.0%未満の水素雰囲気、焼鈍温度1080℃で保持時間30秒の熱処理を行って製品板を作製した。製品板の結晶粒径を評価するとともに、板厚中心および1/8t厚におけるビッカース硬度を測定した。また、製品板よりC方向にJIS13号B引張試験片を3本ずつ採取し、JIS Z 2241に準拠した方法で引張試験を実施し、延性を評価した。
結果を表2に示す。本発明鋼においては延性が65%以上を示すが、比較鋼では延性が低い。
Figure 0004608256
Figure 0004608256
表1に示した本発明鋼のうち、鋼B、鋼J、鋼Mおよび鋼Pにおいて溶解、鋳造および熱延を実施し、冷延と熱処理の組み合わせにより板厚0.11mmの冷延板を作製した。冷延板を種々の雰囲気、温度条件で熱処理して製品板を作製した。熱処理時の炉内雰囲気は窒素を水素、アルゴン等で希釈することにより調整した。製品板の結晶粒径を評価するとともに、板厚中心および1/8t厚におけるビッカース硬度を測定した。また製品板よりC方向にJIS13号B引張試験片を3本ずつ採取し、JIS Z 2241に準拠した方法で引張試験を実施し、延性を評価した。
結果を表3に示す。本発明法における延性は65%以上であるが、比較法では延性が65%に達していない。
Figure 0004608256
表1の鋼J、鋼Mおよび鋼Pを溶解、鋳造、熱延を実施し、冷延と熱処理の組み合わせにより板厚0.10mmの冷延板を作製した。冷延途中および最終の熱処理における炉内雰囲気を窒素濃度0.01%未満、水素濃度99.99%の実質的純水素雰囲気で、1080℃で焼鈍を施し、冷却した。このようにして製造された鋼板を用いて幅150mm、長さ100mm、凹凸ピッチ2.0mm以下、凹凸高さ1.0mm以下の固体高分子型燃料電池用のセパレータに成形加工したところ、割れなく成形できた。
本発明に係るセパレータの形状と素材の圧延方向の関係を模式的に示す図である。
符号の説明
1 燃料ガス流入孔
2 酸素(空気)流入孔
3 燃料ガス流出孔
4 酸素(空気)流出孔
5 セパレータ四周平坦部

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.07%以下、
    Si:0.1〜2.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P :0.04%以下、
    S :0.005%以下、
    Al:0.2%以下、
    N :0.050%以下、
    Cr:16.0〜18.5%、
    Ni:6.0〜15.0%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼板の板厚が0.05mm以上、0.25mm以下であり、鋼板の平均結晶粒径が10〜25μmの範囲にあり、板厚の中央部におけるビッカース硬度Hcと表層から1/8t(tは板厚)におけるビッカース硬度Hsの差が20以下であり、鋼板の板面内で圧延方向と垂直な方向の延性が65%以上であることを特徴とする、固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
  2. さらに、質量%で、
    Cu:0.50〜2.50%
    を含有することを特徴とする、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
  3. 前記Al成分が、質量%で、
    Al:0.012%未満
    であり、さらに、質量%で、
    Mo:1.5〜3.5%
    を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の成分からなる鋼を、溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、熱処理などの工程で薄鋼板を製造するに際し、冷間圧延途中の熱処理および最終冷間圧延後の熱処理を、炉内雰囲気が窒素濃度1.0%未満の水素雰囲気とし、鋼材温度1050〜1100℃で、1分以内に保持した後、冷却することを特徴とする、鋼板の板厚が0.05mm以上、0.25mm以下であり、鋼板の平均結晶粒径が10〜25μmの範囲にあり、板厚の中央部におけるビッカース硬度Hcと表層から1/8t(tは板厚)におけるビッカース硬度Hsの差が20以下であり、鋼板の板面内で圧延方向と垂直な方向の延性が65%以上である固体高分子型燃料電池セパレータ用ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のステンレス鋼板を用いて作製した固体高分子型燃料電池セパレータ。
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