JP2004063133A - 薄型二次電池 - Google Patents

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Koichi Kawamura
川村 公一
Yasutake Kurata
倉田 健剛
Hiroshi Shimoyamada
下山田 啓
Fumimasa Yamamoto
山本 文将
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

【課題】電池外部での短絡時、外部リード端子からの発熱による電池の発火や破裂を防止でき、電池の落下衝撃時においても、外部リード端子の破断を防止でき、かつ電池パック実装時における外部リード端子の折り曲げ加工で発生するスプリングバックを抑制でき、繰り返し曲げ加工を実施しても破断し難く、加工性が良好な薄型二次電池を提供する。
【解決手段】熱融着性フィルム20cを含む外装材20と、正極11および負極12と、セパレータ13、電解質層とからなる発電要素と、外部リード端子14,15とを具備し、外装材の周辺部を熱融着することで封口される薄型二次電池において、少なくとも負極用の外部リード端子15が、純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合された純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネートフィルム等から成る外装材で発電要素を封止した構造を有する薄型二次電池に係り、特に短絡時に外部リード端子からの発熱による電池の発火や破裂を防止でき電池の安全性を高めることが可能であり、また落下衝撃時においても外部リード端子の破断を防止でき電池の信頼性および耐久性を高めることができ、かつ電池パック実装時に外部リード端子のスプリングバックが抑制でき、外部リード端子に繰り返して曲げ加工を実施した場合においても破断が発生しにくく、加工性が良好な薄型二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やノート型パソコンなど電子機器の急速な進歩に伴い、その駆動電源となる二次電池には、小型化,軽量化,大容量化,高性能化,コストダウンが絶えずに求められてきた。これら携帯用電子機器内に装着される電源用の二次電池としては、従来からニッケルカドミウム電池やニッケル水素二次電池が広く用いられており、近年ではさらに高エネルギー密度化を図ったリチウムイオン二次電池の需要が急速に拡大している。
【0003】
また、電池形状についても従来の円筒型,ボタン型の二次電池と比較して、電子機器本体への収納時の体積効率がより優れた角型電池,長円形電池に対する技術的要望が高まると共に、高容量化,高エネルギー密度化に伴って、正極活物質や負極活物質など電極材料をよりエネルギー密度の高い材料に変更したり、セパレータをより薄く形成したり、電池外装缶の構成材をステンレス,鉄からアルミニウム合金に代えたりするなどの改善が試行されてきた。
【0004】
しかし、これら改善を実施しても未だ十分な技術水準には到達しておらず、更なる小型化,軽量化,薄型化,大容量化,コストダウンが絶えず要請されている。最近では液状電解質,ゲル状電解質,または固体高分子電解質等を発電要素中に含有させる一方、アルミニウム合金箔をバリア層として中間に挟んだプラスチックラミネートフィルムからなる外装材で上記発電要素を封止することにより、厚さが1〜5mm程度と薄型であり,かつ小型化,軽量化を図った薄型二次電池が普及し始めている。
【0005】
このようなラミネートフィルム外装材により封止された薄型二次電池として、例えば図7および図8に示すような構造を有するラミネート外装薄型二次電池が実用化されている。このラミネート外装薄型二次電池30は、正極活物質11aを正極集電体11bに塗工した正極11と、負極活物質12aを負極集電体12bに塗工した負極12と、正負極11,12間に介在させたセパレータ13と、正負極集電体11b、12bの未塗工部分11c,12cにそれぞれ接続させた外部リード端子14,15とから成る発電要素10を有する。
【0006】
そしてラミネートフィルムから成り、張り出し加工または深絞り加工によって凹部21を形成したラミネート外装材20の凹部21に上記発電要素10が収納され、上記ラミネート外装材20の開放された周縁部22a,22b,22cがヒートシールによって封止される構造を有している。
【0007】
上記ラミネート外装材20は、例えば、バリアとしての純アルミニウムまたはアルミニウム合金箔等の両面に薄いポリマーフィルムを貼り合わせたものから構成される。比重が小さく薄い純アルミニウムまたはアルミニウム合金箔は、電解液やガスの透過を防止することが可能でありバリア材20bとして機能する。また上記外装材20の表面側には、機械的構造特性を発現するポリマーフィルム20aが配置される一方、外装材20の内面側または裏面には、ヒートシール性を有するフィルム(シーラントフィルム)20cが一体に貼り合わされている。
【0008】
前記外部リード端子14,15の他端は電池外部に延出される。また封止される外装材の周縁部分22aには、ヒートシール時に前記外部リード端子14,15と接着して近傍の空隙を埋めるとともに、前記ラミネート外装材20の端部と前記外部リード端子14,15との短絡を防止するための絶縁フィルム16が配置され、前記外部リード端子の延出部22aは気密絶縁封止されている。前記ラミネート外装材の凹部21には、非水電解液(図示せず)が注入され発電要素10に含浸される。また凹部周縁22b,22c、22dがヒートシールにより気密封止された構造を有する。
【0009】
上記のような構造によって構成されるラミネート外装薄型二次電池は、図9,図10,図11および図12に示すように、一般的に使用機器専用の電池パックとしてパック内に実装して使用される。すなわち図12に示すような電池パック40への加工は、図9に示すようにラミネート外装薄型二次電池30の外部に延出された外部リード端子14,15に、二次電池の過充電,過放電等を保護する電子回路(モジュール)42と、使用機器や充電機との電気的接続を可能にする端子台43とが超音波溶接または抵抗溶接等により電気的に接続される。
【0010】
図11および図12に示すように、上記電池パック40の外装ケース41a,41bは、一般的に樹脂等により形成された2分割の容器により構成され、二次電池30,電子回路42,端子台43等が所定位置に位置決め配置されるように凸形状のリブが形成されている。上記電子回路42と端子台43とが接続されたラミネート外装薄型二次電池30は、電池パック40の外装ケース41a、41bに挿入可能な形状にするため、図9に示す状態から図10に示す状態に変化するように、外部リード端子14,15に折り曲げ加工が施される。しかる後に、図11および図12に示すように、二次電池30が一方の外装ケース41aに挿入され、さらに両面テープや接着剤(図示せず)等で外装ケース内面に固定される。次いで、二次電池30,電子回路42,端子台43等が固定された一方の外装ケース41aに、他方の外装ケース41bを接合,封止することにより、図12に示すような電池パック40が組み立てられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薄型二次電池の高容量化,高機能化がさらに進展するにともなって、上記従来の二次電池に大きな電気的負荷が作用したり、電池外部での短絡等により過大電流が流れたりした場合に、電気抵抗による電流ロスにより熱を発生し電池の安全性が低下してしまう問題点があった。
【0012】
また、ラミネート外装薄型二次電池の場合には、その構造上、外部に延出する外部リード端子は効果的に気密絶縁封止させる為に可及的に薄く形成することが望ましいとされていた。その結果、リード端子としての電気抵抗を高くしてしまう傾向にあり、通電容量が十分に確保できず、高出力化、高容量化に十分対応できないという問題点もあった。特に電解液に対する耐食性を確保するために負極リード端子材として従来使用していたニッケルまたはニッケル系合金材の場合、体積比抵抗率が高いことから、リード端子材の発熱が顕著であった。そのため高容量の二次電池が外部で短絡した場合、リード端子材が発熱で赤熱状態となり、ラミネート外装薄型二次電池の気密絶縁封止部の樹脂を溶解させたり、電池内部の非水電解液に引火したりして、電池の発火や破裂に繋がる危険性も多分に存在した。
【0013】
また、電池パックの実装時に、外部リード端子を電子回路(モジュール)および端子台へ電気的に接続した後に折り曲げ加工を必要としているため、外部リード端子を構成する材料の調質が硬質材である場合、曲げ加工時の形状が材料のスプリングバックによって安定せず、加工性が悪いという問題点もあった。また、所定の曲げ加工形状とするために過度の曲げ加工を施したり、何らかの問題で曲げ加工を実施し直したりすると、材料の加工硬化によって外部リード端子がすぐに破断してしまい、電池の製造歩留りが低下する問題点もあった。
【0014】
また、前述したラミネート外装薄型二次電池を実装した電池パックを実使用時に誤って落下させてしまった場合、落下する方向によっては外部リード端子に引張り方向の落下衝撃が加わることがある。そのような落下衝撃が作用した場合、薄型二次電池と電子回路,端子台間の外部リード端子が容易に破断したり、外部リード端子の絶縁封止部より電池内部の部分で外部リード端子が破断したりして、電池パックとしての機能が喪失するという問題点もあった。
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、二次電池の外部に取り出される外部リード端子を構成する材料として、純ニッケルまたはニッケル合金層の間に純銅または銅合金層を配置した積層体の完全焼鈍材を用いることにより、電池外部での短絡時においても、外部リード端子からの発熱による電池の発火や破裂を防止でき安全性を高めることが可能であるとともに、電池の落下衝撃時においても、外部リード端子の破断を防止でき信頼性を高めることが可能であり、かつ電池パック実装時における外部リード端子の折り曲げ加工で発生するスプリングバックを抑制でき、繰り返し曲げ加工を実施しても破断し難く、加工性が良好な薄型二次電池を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る薄型二次電池は、熱融着性フィルムを含む外装材と、この外装材に挿入される正極および負極と、これら正負極間に介在されたセパレータ或いは電解質層とからなる発電要素と、前記正極および負極のそれぞれに一端が電気的に接続され、他端が前記外装材の周辺部を通して外部に延出された外部リード端子とを具備し、上記外装材の周辺部を熱融着することで封口される薄型二次電池において、少なくとも負極用の外部リード端子が、純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合された純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、本発明に係る二次電池に使用される外部リード端子は、3層構造の積層体から成り、この積層体は純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合された純ニッケルまたはニッケル合金で形成された外層とから形成されることを特徴とする。
【0018】
外部リード端子の中間層として用いられる銅または銅合金は電気伝導性や加工性等の特性に優れているが、外部リード用端子として単体で使用する場合、常用時には電解液に対する耐食性に問題はないが、過放電時の電食による銅の溶解や封止樹脂への銅害の点で問題があった。
【0019】
本発明に係る二次電池で使用する外部リード端子は、芯材となる中間層を高い電気伝導性を持つ銅または銅合金で形成する一方、この中間層の両面に配置される合せ材としての外層を耐食性に優れたニッケルまたはニッケル合金で形成した3層構造の積層体とした。従って、外部リード端子全体の化学的特性が良好で、大電流を通した場合でも電気抵抗による発熱が少なく、エネルギーロスも効果的に防止することができる。
【0020】
また、上記外部リード端子を構成する積層体が、中間層と外層とを圧延により一体化したクラッド材で形成することにより、中間層と外層との接合強度を高めることができ、さらに圧延製造時におけるばりやまくれの発生を抑制することができる。このため、外部リード端子の電気伝導度の低下や電池内部の構成部品の損傷や気密絶縁封止部での短絡を起こすことが少なく、二次電池の特性劣化が効果的に防止できる。
【0021】
従って、外部リード端子を小型化および薄型化することが可能であり、ラミネート電池等を、より高性能化および小型化して高エネルギー密度化することが可能である。
【0022】
また、本発明で使用する外部リード端子において、芯材としての中間層を構成する銅を主成分とする合金の銅含有量が99質量%以上であることが好ましい。
【0023】
外部リード端子の中間層は、純銅または銅を主成分とする合金を使用することが可能である。純銅としては、例えば、JIS−H−3100,C1020R等で規定される無酸素銅を使用することが可能であり、また、銅を主成分とする合金としては、銅含有量が99質量%以上である合金であることが好ましく、例えばジルコニウムあるいはクロムなどを添加したCr−Zr含有銅合金など公知の銅合金を使用することが可能である。
【0024】
さらに、本発明で使用される外部リード端子において、合せ材としての前記外層を構成するニッケルを主成分とする合金のニッケル含有量が99質量%以上であることが好ましい。
【0025】
前記中間層の両面には、純ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成された外層をそれぞれ積層して一体に構成する。純ニッケルとしては、例えば、JIS−H−4551,NW2200等に規定される各種純ニッケルを使用することが可能であり、また、ニッケルを主成分とする合金としては、ニッケル含有量が99質量%以上であることが好ましく、例えばCuを含有したCu含有ニッケル合金を使用することが可能である。
【0026】
本発明で使用される外部リード端子として3層構造の積層体を使用することにより、ニッケルが発揮する耐食性と、銅が発揮する電気伝導性とを共に活用することが可能である。従って、中間層に使用される銅および外層に使用されるニッケルはどちらもそれぞれ純金属に近い組成を有することが好ましい。
【0027】
銅およびニッケルの純度は、現在の金属精製技術およびコストから、部材の製造コストおよび電極リード用部材としての性能をともに満足する純度として、外層としての合せ材はニッケル純度を99質量%以上とし、中間層としての芯材は銅純度を99質量%以上としたものである。
【0028】
また上記薄型二次電池において、前記外部リード端子を構成する積層体の全体の厚さに対する純銅または銅合金から成る中間層の厚さの比率が25%以上であり、かつ純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層の厚さが片側で5μm以上であることが好ましい。
【0029】
本発明者らの知見によると、外部リード端子の全体厚さに対する中間層の平均厚さの割合を25%以上とした外部リード端子は、高い電気伝導性を保持しつつ、ばりおよびまくれの発生を抑制する効果が高く、電気特性を劣化させるセパレータの損傷や気密絶縁封止部での短絡等の発生を効果的に防止することが可能である。
【0030】
さらに、本発明に係る二次電池に使用される外部リード端子においては、合せ材としての外層の厚さは片側でそれぞれ5μm以上とすることが好ましい。上記外層を構成するニッケル層は主に耐食性を要求されるものであるため、一定以上の厚さを保持する必要がある。本発明者らの研究によれば、外層厚さを5μm以上とすることにより、十分な耐食性を備えた外部リード端子を提供することが可能である。
【0031】
さらに、本発明に係る二次電池で使用される外部リード端子において、外部リード端子全体の板厚は0.5mm以下であることが好ましい。二次電池のラミネートシートの封止部は、外部リード端子を封止樹脂で被覆して両面からラミネートシートを熱融着やヒートシールなどで圧着する構成としてあるため、外部リード端子はラミネートシートの封止部の封止性を保持するため、なるべく薄く形成することが好ましい。本発明者らの知見によれば、外部リード端子の板厚を0.5mm以下とすることにより、ラミネートシートによる封止性の低下を効果的に防止することが可能である。
【0032】
さらに上記薄型二次電池において、前記外部リード端子全体の平均体積比抵抗率が純ニッケルの体積比抵抗率よりも小さく、かつ純銅の体積比抵抗率よりも大きいことが好ましい。
【0033】
すなわち、外部リード端子を、純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合された純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成しているため、上記外部リード端子全体の平均体積比抵抗率が純ニッケルの体積比抵抗率よりも小さく、かつ純銅の体積比抵抗率よりも大きくなり、ニッケルのみからなる従来の外部リード端子と比較して通電容量を大幅に増加させることが可能になる。
【0034】
なお、上記外部リード端子全体の平均体積比抵抗率は、銅系材料からなる中間層とニッケル系材料からなる外層とのそれぞれの抵抗率の体積比に応じた加重平均値として測定される。
【0035】
また上記薄型二次電池において、外部リード端子を構成する積層体を変態点温度以上に加熱した後に徐冷して完全焼鈍材とすることが好ましい。すなわち、リード端子材のように薄板や箔への圧延加工等により組成歪みを生じた結晶組織を、歪みのない組織に再結晶させるように加熱、保持、徐冷することにより得られる、残留応力が除去された軟質材とすることが好ましい。そして、三層構造に形成した積層体について上記焼きなまし処理等を実施することによって完全焼鈍材とすることにより、外部リード端子の金属組織を軟化させ割れにくく、内部応力が除去された軟質材とすることができる上に、被削性や冷間加工性を改善することが可能になる。
【0036】
さらに上記薄型二次電池において、上記外部リード端子を構成する積層体の引張り強度が350N/mm以下であることが好ましい。この外部リード端子を構成する積層体の引張り強度が350N/mmを超える場合には、外部リード端子の硬度が大きくなり、折り曲げ加工時に破断しやすく、組立て加工時の電池の製造歩留りが低下しやすくなる。
【0037】
上記構成に係る薄型二次電池によれば、外部リード端子が、高い電気伝導性を有する純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合され、高い耐食性を有する純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成されているため、耐食性を維持しつつ、従来以上に大きな電流を通電することが可能である。また、外部リード端子のばりやまくれを防止して電気特性の劣化や発熱を防止できる。その結果、より小型で高性能な高エネルギー密度の電池を提供することが可能になる。
【0038】
また電池の外部で短絡した場合においても、外部リード端子からの発熱による電池の発火や破裂を防止でき、電池の安全性を高めることができ、落下衝撃時における外部リード端子の破断が防止されるため、電池の信頼性が高まり、かつ、電池パック実装時における外部リード端子の折り曲げ加工によるスプリングバックが抑制され、繰り返して曲げ加工を行なった場合においても破断し難く、加工性が良好な薄型二次電池が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る薄型二次電池の一実施例として、ラミネートフィルムを外装材とした薄型リチウムイオン二次電池を例にとり、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明に係る薄型二次電池の斜視図,図2はその展開斜視図,図3はその断面模式図,図4は外部リード端子の部分断面図,図5は外部リード端子を折り曲げ加工している状態を示す断面図,図6は外部リード端子の繰り返し折り曲げ回数限界を測定する方法を示す断面図,図9は外部リード端子と電子回路と端子台との接合状態を示す斜視図,図10は外部リード端子を折り曲げた状態を示す斜視図、図11は折り曲げ加工した電池パックを外装ケースに収容する状態を示す分解斜視図である。
【0041】
(実施例1)
<正極の作製>
活物質として組成式がLiCoOで表されるリチウムコバルト複合酸化物と、導電材と、結着材とを混合してペースト状活物質を調製した。次に、図3に示すように、外形寸法が49mm×560mm×厚さ30μmのアルミニウム箔から成る正極集電体11b上に、片側のエッジ部分が30mmの未塗工部分11cと、他方の未塗工部(図示せず)とを残して両面に上記ペースト状活物質を塗布し、乾燥,加圧プレスした後、前記未塗工部分11cに厚さ0.1mm×幅4mm×長さ57mmのアルミニウム製の正極外部リード端子14を溶接により取り付けた。
【0042】
この正極外部リード端子14としては、厚さ0.1mm×幅4mm×長さ60mmの純アルミニウム系合金条(JIS H 4160 A1N30)の完全焼鈍材(調質:O)を使用した。この材料の引張り強度を測定したところ、70N/mmであり、体積比抵抗率を測定したところ、3.0×10−8Ω・mであった。
【0043】
<負極の作製>
活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維を粉砕した後に熱処理した粉末と、結着材とを混合しペースト状活物質を調製した。次に、図3に示すように、外形寸法が50.5mm×570mm×厚さ15μmの銅箔からなる負極集電体12b上に、片側のエッジ部分が55mmの未塗工部分12cと、他方の未塗工部(図示せず)とを残して両面に上記ペースト状活物質を塗布し、さらに乾燥,加圧プレスした。
【0044】
しかる後に、上記未塗工部分12cに厚さ0.1mm×幅4mm×長さ56mmの寸法を有する三層構造の積層体を負極外部リード端子15として溶接により取り付けた。この負極外部リード端子15は、図4に示すように、外層としてのニッケル層15a,15cの間に中間層としての純銅層15bを配置した三層構造を有する。具体的には、この負極外部リード端子15としては、厚さ0.1mm×幅4mm×長さ60mmの寸法を有し、純ニッケル25:純銅50:純ニッケル25の構成比率(%)となるように、圧延ロールを使用したクラッド法により形成された完全焼鈍材(調質:O)を使用した。この負極外部リード端子15の引張り強度を測定したところ、300N/mmであり、平均体積比抵抗率を測定したところ、3.1×10−8Ω・mであった。
【0045】
<発電要素の形成>
次に図3に示すように、前記正極外部リード端子14が溶接された前記帯状正極11と、負極外部リード端子15が溶接された前記帯状負極12とを、厚さ25μm×幅54mm×長さ620mmのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ13を介して、正極/セパレータ/負極/セパレータの順に積層し、扁平状の巻芯で渦巻き状に捲回し、更に油圧式プレスで圧縮することにより、図2に示すような、外部リード端子を除く外形寸法が高さ54mm×幅38mm×厚さ4.5mmの扁平状の発電要素10を作製した。
【0046】
<外装材の作製>
一方、厚さ25μmの延伸ナイロンフィルムと厚さ40μmのアルミニウム合金箔(JIS H 4160 A8079材)と厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレン(シーラントフィルム)とを、この順序でウレタン系接着材を介して積層接着することによりラミネート外装フィルムを作製した。このラミネート外装フィルムを、外形寸法が170mm×130mmとなるように切り出し、シーラントフィルム側から張り出し加工または深絞り加工をして、長さ54mm×幅38mm×深さ4.5mmである前記発電要素10を収容するための凹部21を、図3に示すように形成した。
【0047】
上記凹部21の周縁には、図2に示すように、陵部から水平方向に延出された幅5mmの3箇所の周縁部22a,22b,22cと、幅60mmの1箇所の周縁部22dを配置した。
【0048】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比で1:1の割合で混合した非水溶媒に電解質としてのLiPF6をその濃度が1mol/lになるように溶解させて非水電解液を調製した。
【0049】
<薄型二次電池の作製>
図1〜図3に示すように、前記発電要素10を前記ラミネート外装材20の凹部21に収納すると共に、前記外部リード端子14,15をラミネート外装材の幅5mmの周縁部22aを通して外部に延出した。上記外部リード端子14,15を延出した周縁部22aと反対側の幅60mmの周縁部22dを180°折り返し、上記外部リード端子14,15を延出した側の周縁部22aに重ね合わせた。前記外部リード端子14,15を電池外部に延出し、封止される周縁部分22aは、ヒートシール時に前記外部リード端子14,15と接着して近傍の空隙を埋めるとともに、前記ラミネート外装材20の端部と前記外部リード端子14,15の短絡を防止する絶縁フィルム16を配置する。
【0050】
このような構成とした外部リード端子延出部22aについて、外部リード端子を挟みながら、180°折り返した幅60mmの周縁部22dとの重なり部分(以下トップシール部という)24をヒートシールした。ここで外部リード端子14,15の延出量は、トップシール端部から8mmとしている。次に前記トップシール部24と垂直方向に配置される一方の幅5mmの周縁部(以下サイドシール部という)25aをヒートシールし、2箇所のヒートシール部と、1箇所の折り返し部23(図2)、1箇所の未シール周縁部を形成した。
【0051】
続いて開口している上記1箇所の未シール周縁部を通して、前記非水電解液(図示せず)を前記ラミネート外装材の凹部21に注入することにより、内部に収納されている前記発電要素10に前記非水電解液(図示せず)を含浸させた。
【0052】
続いて、図1に示すように、前記ラミネート外装材の開口周縁部をヒートシールして、もう一方のサイドシール部25bとした。前記トップシール部24に対して直角方向に配置された2つのサイドシール部25a,25bを、幅3mmを残して切断した。次に、図5に示すように、残ったサイドシール部を凹部外側に折り曲げることにより、外形寸法が40mm×60mm×5mmであり、放電容量が1000mAhである実施例1に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池30aを作製した。
【0053】
(実施例2)
上記実施例1に記載したラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の構成の内、負極外部リード端子材15として、純ニッケル17:純銅66:純ニッケル17の構成比率(厚さ比率)でクラッド法により形成された3層構造の積層体の完全焼鈍材(調質:O)を使用した点以外は実施例1と同様に処理して実施例2に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0054】
上記負極外部リード端子15の引張り強度を測定したところ、230N/mmであり、また平均体積比抵抗率を測定したところ、2.6×10−8Ω・mであった。
【0055】
(実施例3)
上記実施例1に記載したラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の構成の内、負極外部リード端子材15として、純ニッケル33:純銅33:純ニッケル33の構成比率(厚さ比率)でクラッド法により形成された3層構造の積層体の完全焼鈍材(調質:O)を使用した点以外は実施例1と同様に処理して実施例3に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0056】
上記負極外部リード端子15の引張り強度を測定したところ、320N/mmであり、また平均体積比抵抗率を測定したところ、4.7×10−8Ω・mであった。
【0057】
(比較例1)
上記実施例1に記述したラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の構成の内、負極外部リード端子材15として、純ニッケル25:純銅50:純ニッケル25の構成比率でクラッド法により形成された3層構造の積層体の硬質材(調質:H)を使用した点以外は実施例1と同様に処理して比較例1に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0058】
上記負極外部リード端子15の引張り強度を測定したところ、490N/mmであり、また平均体積比抵抗率を測定したところ、3.1×10−8Ω・mであった。
【0059】
(比較例2)
上記実施例1に記述したラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の構成の内、負極外部リード端子材15として、電子管用ニッケル条(JIS H 4501 VNiR)の完全焼鈍材(調質:O)を使用した点以外は実施例1と同様に処理して比較例2に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0060】
上記負極外部リード端子15の引張り強度を測定した結果が430N/mmであり、また体積比抵抗率を測定したところ、9.4×10−8Ω・mであった。
【0061】
(比較例3)
上記実施例1に記述したラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の構成の内、負極外部リード端子材15として、電子管用ニッケル条(JIS H 4501 VNiR)の硬質材(調質:H)を使用した点以外は実施例1と同様に処理して比較例3に係るラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0062】
上記負極外部リード端子15の。この材料は、引張り強度を測定したところ、610N/mmであり、また体積比抵抗率を測定したところ、9.4×10−8Ω・mであった。
【0063】
以上のように調製した実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2および比較例3に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池の仕様および比較パラメーターを下記表1にまとめて示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004063133
【0065】
上記のよう調製した各実施例および比較例に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池について、以下の項目について比較を行なった。
【0066】
<外部短絡時の発熱挙動比較>
各実施例および比較例に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池について、トップシール部24から延出している正極外部リード端子14と負極外部リード端子15とに対して、シャント抵抗器を鰐口クリップで接続し、配線系の総抵抗値を15mΩとした状態で短絡させた。
【0067】
そして、短絡後の負極外部リード端子の状態およびラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池が発熱のみで収束するか、または発火や破裂に至るかの挙動を観察比較した。なお、観察比較は実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2および比較例3について、各5個ずつの試料数(n=5)で実施した。
【0068】
<端子折り曲げ加工時のスプリングバック量比較>
また各実施例および比較例に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池について、トップシール部24から延出している正極および負極の外部リード端子14、15に対して、図5に示すような折り曲げ加工試験を実施し、その時のスプリングバック量を測定した。正極および負極の外部リード端子14、15には、電子回路(モジュール)42および端子台43が取り付けられている。
【0069】
折り曲げ加工条件は、トップシール部24の端部から外部リード端子が延出する根元から2mmの位置を曲げ起点とし、曲げ起点より先端側の負極外部リード端子15がトップシール部に接触するまで所定の冶具にて押圧して折り曲げた。曲げ起点部の曲げ半径Rは0.2〜0.5mmの範囲でのばらつきの発生は許容するものとした。
【0070】
スプリングバック量の測定は、押圧冶具を開放したときの負極外部リード端子の曲げ起点を中心とする角度で測定した。なお、上記比較評価は実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2および比較例3について、各5個ずつの試料数(n=5)で実施し、それぞれの平均値で表した。
【0071】
<端子折り曲げ回数限界(破断耐力)比較>
さらに各実施例および比較例に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池について、トップシール部24から延出している負極外部リード端子15に対して、図6に示すような繰り返しの折り曲げ加工試験を実施し、端子折り曲げ回数限界(破断耐力)を測定した。繰り返しの折り曲げ条件は、トップシール部24の端部から負極外部リード端子15が延出する根元から2mmの位置を曲げ起点とし、曲げ起点部の曲げ半径Rは0.2〜0.5mmの範囲のばらつき発生は許容するものとした。
【0072】
上記端子折り曲げ回数限界(破断耐力)は、曲げ起点より先端側の負極外部リード端子15をトップシール部に対して垂直となるように、図6において上方の側に90°折り曲げることで1回,その後、曲げ戻してトップシール部15と水平となるように戻して2回,さらに反対側(図6において下方)に90°折り曲げることで3回,再び水平となるように戻して4回と、曲げ角度が90°の曲げ加工を実施する毎に1回の曲げ回数とした。この曲げ加工試験を繰り返し、負極外部リード端子15が曲げ起点で破断するまでの回数を折り曲げ回数限界(破断耐力)とした。なお、この比較評価試験は実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2および比較例3について、それぞれ5個ずつの試料数(n=5)で実施し、それぞれの平均値で比較評価した。
【0073】
<落下耐力比較試験>
また各実施例および比較例に係る各ラミネート外装薄型リチウムイオン二次電池を実装した電池パックを高さ1.5mから樫の木上に落下させ、落下衝撃による外部リード端子14,15の破断耐力を比較評価した。二次電池の落下条件は下記のとおりである。すなわち、二次電池の落下する方向は、外部リード端子に引張り方向の落下衝撃が加わるように電池の縦方向の落下とし、上下方向の繰り返しを1サイクルを1回として100回まで実施した。10回毎に外部リード端子の破断が発生していないか電池パックの外部接続端子の電圧を測定して確認した。なお、この比較評価試験は実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2および比較例3について、それぞれ5個ずつの試料数(n=5)で実施し、それぞれの平均値で比較評価した。
【0074】
上記各種の比較評価試験結果を下記表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 2004063133
【0076】
上記表2に示す結果から明らかなように、高い電気伝導性を有する銅から成る中間層の両面に、高い耐食性を有するニッケルから成る外層を一体に接合した積層体で構成された外部リード端子を備える各実施例に係る薄型二次電池においては、耐食性を維持しつつ、比抵抗率が小さくなるため、短絡等で過大な電流が流れた場合においても、発熱、引火、発火の恐れが少なく、電池の安全性を高めることができる。
【0077】
また外部リード端子の加工性が優れ、曲げ加工によるスプリングバック量が小さいため、再加工による端子の破断が少なく、二次電池を安定した形状で量産することができる。
【0078】
さらに、外部リード端子の加工性が優れ、折り曲げ回数限界が大きいため、繰り返して曲げ加工を実施した場合においても、破断し難く、加工性が良好な薄型二次電池が得られる。
【0079】
また、外部リード端子の耐衝撃性が優れているため、落下試験を100サイクル以上実施しても、全試料において破断は発生せず、電池の落下衝撃時における外部リード端子の破断が効果的に防止されるため、電池の信頼性を高めることができる。
【0080】
一方、クラッド材ではあるが、硬質材料からなる外部リード端子を使用した比較例1に係る二次電池においては、体積抵抗率は小さく、通電容量を増大化することが可能であるが、曲げ加工性や耐久性に乏しく、折り曲げ回数限界は低い値にとどまった。また、落下試験を40サイクル実施した段階で1個の試料の外部リード端子が破断し、70サイクル実施した段階で3個の試料の外部リード端子が破断した。
【0081】
また、純ニッケル材の完全焼鈍材のみからなる外部リード端子を使用した比較例2に係る二次電池においては、落下試験においては優れた耐久性を示す一方、外部短絡試験を実施した場合には、端子が発熱して発火に至った試料が5試料中3個であった。
【0082】
さらに硬質の純ニッケル材のみからなる外部リード端子を使用した比較例3に係る二次電池においては、スプリングバック量が小さいものの、折り曲げ回数限界は低い値にとどまった。また、落下試験を50サイクル実施した段階で2個の試料の外部リード端子が破断し、80サイクル実施した段階でも2個の試料の外部リード端子が破断した。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る薄型二次電池によれば、外部リード端子が、高い電気伝導性を有する純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合され、高い耐食性を有する純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成されているため、耐食性を維持しつつ、従来以上に大きな電流を通電することが可能である。また、外部リード端子のばりやまくれを防止して電気特性の劣化や発熱を防止できる。その結果、より小型で高性能な高エネルギー密度の電池を提供することが可能になる。
【0084】
また電池の外部で短絡した場合においても、外部リード端子からの発熱による電池の発火や破裂を防止でき、電池の安全性を高めることができ、落下衝撃時における外部リード端子の破断が防止されるため、電池の信頼性が高まり、かつ、電池パック実装時における外部リード端子の折り曲げ加工によるスプリングバックが抑制され、繰り返して曲げ加工を行なった場合においても破断し難く、加工性が良好な薄型二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄型二次電池の全体構成を示す斜視図。
【図2】本発明に係る薄型二次電池のラミネート外装材を開いた状態を示す展開斜視図。
【図3】本発明に係る薄型二次電池の端子部の構成を拡大して示す部分断面図。
【図4】本発明に係る薄型二次電池で使用する外部リード端子の層構成を示す断面図。
【図5】外部リード端子の折り曲げ加工試験方法を示す断面図。
【図6】外部リード端子の繰り返し折り曲げ回数限界試験方法を示す断面図。
【図7】従来の薄型二次電池のラミネート外装材を開いた状態を示す展開斜視図。
【図8】従来の薄型二次電池の端子部の構成を拡大して示す部分断面図。
【図9】外部リード端子と電子回路と端子台との接合状態を示す斜視図。
【図10】外部リード端子の折り曲げ状態を示す斜視図。
【図11】外部リード端子を折り曲げ加工した電池を外装ケース内に収容して電池パックを組み立てる状態を示す分解斜視図。
【図12】組み立てた電池パックの外形を示す斜視図。
【符号の説明】
10…発電要素、11…正極、11a…正極活物質、11b…正極集電体、11c…正極未塗工部分、12…負極、12a…負極活物質、12b…負極集電体、12c…負極未塗工部分、13…セパレータ、14…正極外部リード端子、15…負極外部リード端子、15a…ニッケル層、15b…銅層、15c…ニッケル層、16…絶縁フィルム、20…ラミネート外装材、20a…表面側樹脂フィルム、20b…バリア材、20c…シーラントフィルム、21…凹部、22a…周縁部、22b…周縁部、22c…周縁部、22d…周縁部、23…折り返し部、24…トップシール部、25a…サイドシール部、25b…サイドシール部、30…薄型二次電池、40…電池パック、41a…外装ケース、41b…外装ケース、42…電子回路…(モジュール)、43…端子台。

Claims (6)

  1. 熱融着性フィルムを含む外装材と、この外装材に挿入される正極および負極と、これら正負極間に介在されたセパレータ或いは電解質層とからなる発電要素と、前記正極および負極のそれぞれに一端が電気的に接続され、他端が前記外装材の周辺部を通して外部に延出された外部リード端子とを具備し、上記外装材の周辺部を熱融着することで封口される薄型二次電池において、少なくとも負極用の外部リード端子が、純銅または銅合金から成る中間層と、この中間層の両面に一体に接合された純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層との積層体で構成されていることを特徴とする薄型二次電池。
  2. 前記外部リード端子を構成する積層体の全体の厚さに対する純銅または銅合金から成る中間層の厚さの比率が25%以上であり、かつ純ニッケルまたはニッケル合金から成る外層の厚さが片側で5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の薄型二次電池。
  3. 前記外部リード端子全体の平均体積比抵抗率が純ニッケルの体積比抵抗率よりも小さく、かつ純銅の体積比抵抗率よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の薄型二次電池。
  4. 前記外部リード端子を構成する積層体が、中間層と外層とを圧延により一体化したクラッド材であることを特徴とする請求項1記載の薄型二次電池。
  5. 前記外部リード端子を構成する積層体が完全焼鈍材であることを特徴とする請求項1記載の薄型二次電池。
  6. 前記外部リード端子を構成する積層体の引張り強度が350N/mm以下であることを特徴とする請求項1記載の薄型二次電池。
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