JP2003511106A - 使い切り注入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、保護キャップ（３）によって保護される注射針（２）を支えるフロントノーズ（１ａ）を備える事前充填注射器（１）と、前記注射器を収納する注射器本体（７）とを含む、使い切り注入装置に関するものである。本発明によると、この注入装置は、半径方向に伸張可能な脚を少なくとも２つ含む、グリップ式止め栓と呼ばれる止め栓（３２）を含み、該脚は、保護キャップ（３）に被さるように適合され、また前記キャップの内部把持グリップを少なくとも一つ備えている。さらに、注射器本体（７）は、分割可能な前部円筒部分（８ｂ）を含み、それは、縁取りされた領域（１４）によって画定され、また、グリップ式止め栓（３２）の脚を強く締めるように適合されたカラー（５０）を含み、該脚が保護キャップ（３）を確実に把持するようになっており、前記分割可能な円筒部分（８ｂ）とグリップ式止め栓（３２）は、それらを平行運動および回転において相対的に停止させる共役れ手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、使い切り注入装置に関するものであって、該注入装置は、一つの保
護キャップによって保護される注射針を備えているフロントノーズを一つ備えた
事前充填注射器と、前記注射器を収納し、注射器の回転および平行運動における
停止手段を備えた注射器本体とを備える。

【０００２】 現時点では、安全性として、上記のタイプの特定の注入装置は、保護キャップ
の取り外しを容易にする働きも持つキャップを保護する止め栓を一つ有する。

【０００３】 注射器本体の前部端に嵌まり合うことになるように一般的に適合したこれらの
保護止め栓は、さらに、中央スリーブを一つ有し、該中央スリーブは、保護キャ
ップにかぶさるように適合し、また、前記キャップの後方に留められるようにな
る把持グリップが備わる。

【０００４】 このような保護止め栓の実践において目指す目的を満たすことが可能にはなる
が、しかしながら、該保護止め栓には重大な不都合が一つがあって、それは、中
央スリーブが、保護キャップに力ずくで嵌め込まれ、また、この嵌め込みの際に
、従来の注射器のフロントノーズが従来通りに備わる水密性カラーの通過時に前
記キャップを押し返すことを目的としていることに起因している。

【０００５】 ところが、このようにキャップを押し返す事実によって、２つの残念な結果が
生まれる可能性がある。すなわち、まず初めに、該事実は、従来通りキャップ内
にある注射済の針の先端の損傷を導く可能性がある。さらに、この水密性カラー
のところで、保護キャップと注射器のノーズの間に、水密性の破壊を招く可能性
がある。

【０００６】 本発明は、これらの不都合を克服することを目指し、また、保護キャップの容
易な取外しを可能にし、かつ針を損傷したり水密性に悪影響を及ぼす可能性のな
い、保護キャップの安全保護システムを備えた注入装置を提供することを主要な
目的とする。

【０００７】 このため、本発明は、上記序文で説明されたような注入装置を目指し、以下を
特徴とする： −該注入装置は、グリップ式止め栓と呼ばれる止め栓を一つ有し、該止め栓は、
正面壁面と、正面壁面に対して縦に伸びる半径方向に伸張可能な少なくとも２つ
の脚とを有し、これらは、保護キャップにかぶさるのに適していて、前記キャッ
プの内部把持グリップを少なくとも一つ備え、 −注射器本体には、注射器の挿入を可能にするのに適した開かれた後部正面と、
反対側にある、縁取りされた領域によって画定される分割可能な前部円筒部分と
があり、該縁取りされた領域は、前記注射器本体に収納される注射器のほぼフロ
ントノーズのところに位置決めされるように配設され、前記分割可能な円筒部分
は、グリップ式止め栓の脚を強く締めるように適合したカラーを一つ有し、脚が
保護キャップを確実に把持するようにし、 −前記分割可能な円筒部分および前記グリップ式止め栓であって、これらを平行
運動および回転において相対的に停止する共役手段を備えている。

【０００８】 本発明によると、そしてまず初めに、グリップ式止め栓は、注射器が注射器本
体に挿入される前に保護キャップ上に簡単に位置決めされ、分割可能な円筒部分
が備わるカラーのところで脚が半径方向に変形することによって、前記キャップ
に実際に強く締まるようになる。

【０００９】 この解決法は、グリップ式止め栓の脚の半径方向の変形によって保護キャップ
を締め付けることにあって、針の損傷および水密性の破壊の危険を取り除くこと
を導く。

【００１０】 しかしながら、危険がないこの状態を保証するために、および好ましい方法で
は、グリップ式止め栓の各把持グリップは、水密性カラーのほぼ下方にある保護
キャップを確実に把持するように位置決めされる。

【００１１】 本発明によると、そのうえ、分割可能な円筒部分は、保護の安全性および不可
侵性に関して、明白な利点を呈する保護要素を構成する。さらに、この分割可能
な円筒部分およびグリップ式止め栓の回転および平行運動の相対的な停止により
、縁取りされた領域の切断は、前記分割可能な円筒部分と前記グリップ式止め栓
、およびそこに締め付けられる保護キャップを同時に取外すことを可能にし、そ
うすることにより、注射針を完全に解放することを導く。

【００１２】 そのうえ、留意すべきは、縁取りされた領域の切断は、従来通り、分割可能な
円筒部分へ回転の動きを伝えることによって得られるが、保護キャップも、この
切断の際に回転するように仕向けられ、そうすることによって、それを剥がすこ
とが大いに容易になる。

【００１３】 一つの有利な実施態様によると、グリップ式止め栓および分割可能な円筒部分
の、回転および平行運動における相対的停止手段は以下を備える： −グリップ止め栓の脚の少なくとも一つに配設された複数の縦ノッチであって、
注射器が注射器本体に収納される際、注射器本体の分割可能な円筒部分のカラー
の下方に位置決めされるようになる縦ノッチ、 −分割可能な円筒部分のそのカラーの下方に配設された複数の縦ノッチであって
、前記カラーが、グリップ式止め栓の平行運動において歯止めとなる肩状部を形
成するようにする縦ノッチ。

【００１４】 さらに、有利は仕方では、分割可能な円筒部分に配設された縦ノッチは、前記
分割可能な円筒部分の内部面の周全体に分散され、グリップ式止め栓と分割可能
な円筒部分の相対的な角度の位置決めを変動させる必要を免れるようにする。

【００１５】 しかも、カラーを越えることを容易にするために、および有利な方法では、グ
リップ式止め栓の各脚の縦ノッチは、カラーの通過を容易にするように適合した
傾斜路を形成する傾斜した前部部分を備えるボスに配設される。

【００１６】 同様の目的において、および有利な方法では、分割可能な円筒部分のカラーは
、アクセスの傾斜路を形成する傾斜した後部部分を備える一つの内部ボスから成
る。

【００１７】 しかも、保護キャップの良好な締付けを保証するために、カラーは、有利には
、グリップ式止め栓の把持グリップのところに位置するように配設される。

【００１８】 有利な一つの実施態様によると、グリップ式止め栓は、正面壁面の軸に対して
一様に分散される４つの縦方向の脚を有し、前記脚のうち直径方向に向かい合う
２つは、ボスを一つを有し、把持脚と呼ばれる他の２つの脚は、把持グリップを
少なくとも一つ備える。

【００１９】 さらに、有利な方法では、把持脚は、それぞれ、側面の把持グリップを２つ備
える。

【００２０】 本発明の他の特徴、目的および利点は、好ましい実施態様を非制限的例として
示す、付属の図面を参照にして、以降に続く詳細な説明から明らかになるであろ
う。図の説明は以下の通りである： −図１は、本発明に合致した注入装置の、軸に沿った平面による縦断面図であり
、使用前を示す、 −図２は、この注入装置の保護鞘の斜視図である、 −図３は、この保護鞘の、Ａ軸に沿った平面による縦断面図である、 −図４は、この保護鞘の、Ｂ軸に沿った平面による縦断面図である、 −図５は、この保護鞘の、平面Ｃによる横断面図である、 −図６は、この保護鞘の、平面Ｄによる横断面図である、 −図７は、この注入装置のロックリングの、Ｅ軸に沿った平面による縦断面図で
ある、 −図８は、このロックリングの斜視図である、 −図９は、この注入装置のグリップ式止め栓の、Ｆ軸に沿った平面による縦断面
図である、 −図１０は、このグリップ式止め栓の斜視図である、 −図１１ａから１１ｆは、この注入装置の製造の連続した過程を示す断面図であ
る、 −図１２は、この注入装置の軸に沿った平面による縦断面図であって、前記注入
装置の使用のために、保護キャップを取り外す最初の段階を示す、 −図１３は、軸に沿った平面による縦断面図であって、注射終了時の注入装置を
示す、 −図１４は、軸に沿った平面による縦断面図であって、使用後のその保護位置に
おける注入装置を示す。

【００２１】 図１に示された本発明による注入装置は、初めに、例えばガラスで製作される
ような、従来タイプの事前充填注射器１を有し、従来どおりに針２が取り付けら
れるフロントノーズ１ａと、その後部端のところにつば１ｂとを備える。

【００２２】 この注射器１は、針２の一つの保護キャップ３も従来どおり含み、このキャッ
プは、前記注射器のフロントノーズ１ａに水密の手法で取り付けられるように適
合されている。

【００２３】 この注射器は、ピストン４も従来どおり含み、このピストンは、ある用量の液
体が充填される室を画定し、ねじ立てされた片方だけの中刳り加工で穴があけら
れ、そこでは、ピストン・ロッド５のねじ切りされた端５ａがねじ留めされるよ
うになっていて、該ピストン・ロッドの反対側の端のところには一つの押しボタ
ン６が備わっている。

【００２４】 本発明によると、この押しボタン６は、カップの形の外観を呈して、斜めの輪
郭の縁６ａを有しており、後にその目的は明確にされる。

【００２５】 本発明に係る注入装置には、注射器１の保護セットも含まれるが、このセット
は、最初に前もって充填される前記注射器が前記保護セット内に設置される前に
、あらかじめ完全に組合わせられるように適合している。

【００２６】 この保護セットは、まず初めに図２から６に示される保護鞘７を有し、該保護
鞘は、延長部分において互いに嵌め込み合うようになるように適合した２つのボ
デー、円筒状フロントボデー８と円筒状リヤボデー９から成る。

【００２７】 フロントボデー８は、注射器１の外部直径と一体となった内部直径と、保護キ
ャップ３を備える針２を収納するように適合し、注射器１の長さのほぼ８０％で
ある長さとをもつ。

【００２８】 このフロントボデー８は、その後部端のところに、ほぼ卵形の外部形状で、外
部直径が前記フロントボデーの外部直径の長さを上回る後部円筒部分８ａを有し
、該後部円筒部分は、内部で刳り貫かれており、このフロントボデー８の内部直
径の長さと同一の内部直径を規定する１０のような内部縦リブを備えるようにな
っている。

【００２９】 リブ１０のそれぞれには、そのうえ、一つの肩上部１０ａがあり、該肩状部は
、注射器１の直径をかなり上回る内部直径をもつ後部端部分を画定する。

【００３０】 外側には、この後部円筒部分８ａは、後部留め輪１２によって画定される環状
溝１１を含む。さらに、図５に示されるように、この溝１１は、直径方向に向か
う１３のような突起２つによって中断されるが、該突起は、留め輪１２に対して
半径方向に突き出ている。

【００３１】 フロントボデー８は、その前部端のところで、縁取りされた環状領域１４によ
って画定される、分割可能な前部円筒部分８ｂを含み、該縁取りされた環状領域
は、一旦注射器１が設置されると、該注射器のほぼフロントノーズ１ａのところ
になるように位置決めされる。

【００３２】 この分割可能な円筒部分８ｂには、その後部端のところで、内側に、斜めの輪
郭１５があり、該斜めの輪郭は、カラー５０を構成する後部部分を画定する傾斜
路を形成し、該カラーは、フロントボデー８の内部直径の長さをかなり下回る直
径である。

【００３３】 この後部部分の前部に、分割可能な円筒部分８ｂは、さらに、１６のような複
数の縦ノッチを含むが、該縦ノッチは、前記分割可能な円筒部分の内部面の周に
分散されて、前記後部部分の内部直径と同一の内部直径を画定し、その結果、前
記縦ノッチの底部は、この後部部分の前部端とともに肩状部１７を規定する。

【００３４】 最後に、この分割可能の円筒部分８ｂについては、ノッチ１６の前に位置する
分割可能な円筒部分の前部部分は、ノッチの底部の間の直径と同一の内部直径を
もつ。

【００３５】 リヤボデー９それ自体は、フロントボデー８の後部円筒部分８ａの形状と一体
となったほぼ卵形の形状であり、該形状は、前記後部円筒部分８ａで互いに嵌め
込み合うようになるように適合されている。

【００３６】 このために、このリヤボデー９は、まず初めに、留め輪１２を収納するために
案配される内部環状溝１８を含む。リヤボデーは、そのうえ、１９のような内部
縦溝を２つ含み、該内部縦溝は、直径方向に向かい合い、それぞれ一つの突起１
３を収納するのに適していて、２つのボデー８，９の回転の停止を確実に行うよ
うにするようにするが、前記溝は、このリヤボデー９の後部端から僅かな距離の
ところで中断され、リヤボデーがこれらの溝１９の端と同じ高さに一つの内部肩
状部２０を呈するようにする。

【００３７】 図７に示されるように、溝１９は、リヤボデー９の最も大きな直径に従って設
けられ、前記リヤボデーの壁面の厚さを最小にするようにする。

【００３８】 リヤボデー９には、そのうえ、２１のような２つの変形可能な舌状部品があり
、該２つの舌状部品は、それぞれ、溝１９内の後部端のところに設けられ、また
、それぞれ、前記リヤボデーの壁面に設けられるＵ字型の切抜きにより形成され
る。

【００３９】 これらの舌状部品２１のそれぞれは、その後部端のところに、リヤボデー９の
内側に突き出る横フック２２を含む。これらフックのそれぞれは、ほぼ半径方向
の復帰防止後部面２２ａと、傾斜路を形成する斜めの前部面２２ｂとを備えてい
る。

【００４０】 最後に、リヤボデー９は、従来の指支持の外部つば２３を一つ含む。

【００４１】 保護セットは、第２に、リヤボデー９内に組み込まれるようになるように適合
される形状のロックリング２４を含み、該ロックリングは、リヤボデーの前部面
に向かい合って当てがわれる。

【００４２】 リヤボデー９内に挿入されるように適合された長さのこのロックリング２４は
、円筒形スリーブ２５の外観を呈しており、該円筒形スリーブは、円筒形区域の
形で直径方向に向かい合う２６のような２つの脚によって後に延長される。

【００４３】 これらの２つの脚２６のそれぞれには、まず初めに、後部端面２６ａがあり、
該後部端面は、ピストン・ロッド５の押しボタン６の切断面６ａの輪郭と相補的
な斜めの輪郭をもつ。

【００４４】 これらの脚２６のそれぞれは、そのうえ、ほぼ中間の長さのところに外部横リ
ブ２７を含み、該外部横リブは、リヤボデー９の溝１０のうちの一つにスライド
することができるように適合している。

【００４５】 このロックリング２４の円筒形スリーブ２５は、それ自体、横リブ２７と同じ
母線上に据えられた、２８のような２つの横リブを含み、該２つの横リブも、リ
ヤボデー９の溝１０にスライドするように適合され、前記スリーブの前部端のと
ころに配置される。

【００４６】 この円筒形スリーブ２５は、上述のリブ２７，２８のほぼ中間の長さのところ
、またそれらと軸に沿って同一線上のところに、２９のような２つの内部リブも
含み、該内部リブは、それぞれ下方で直径方向に向かい合い、それらの前記スリ
ーブの周壁面は、逆抜き勾配の型からの取り出しを可能にする３０のような開口
部によって穴があいている。

【００４７】 これらの内部リブ２９のそれぞれには、傾斜路を形成する斜めの輪郭の後部面
２９ａと、復帰防止の半径方向に停止する前部面２９ｂとがある。

【００４８】 最後に、円筒形スリーブ２５は、開口部３０の下方に、および注射器１のつば
１ｂの厚さと一体となった内部リブ２９から一定の距離のところに、内部環状肩
状部３１を含む。

【００４９】 本発明による注入装置は、要は、図９および１０に示されるグリップ式止め栓
３２を有し、該グリップ式止め栓は、保護キャップ３にかぶさるようになること
、また、保護鞘７のフロントボデー８の縁取りされた領域１４の切断のあとに、
保護キャップの取外しをもたらすこととを目的とする。

【００５０】 このグリップ式止め栓３２には、分割可能な円筒部分８ｂ内に入り込むように
適合された直径の、円筒形正面壁面３３があり、その周には、前記壁面の軸に対
して一様に分散されるはっきり異なる４つの縦脚３４，３５，３６，３７がほぼ
垂直に伸びる： −直径方向に向かい合う２つの脚３４，３５であって、それらの自由端のところ
に、保護キャップ３内に入り込むことができるように適合された３８，３９のよ
うな２つの側面グリップがそれぞれ備わる脚、 −直径方向に向かい合う他の２つの脚３６，３７であって、それぞれ、それらの
長さの中間位置に、分割可能の円筒部分８ｂのノッチ１６と一体となった４１の
ような縦ノッチを備えた外部面をもつ４０のような外部ボスがある。さらに、各
ボス４０には、傾斜路を形成する傾斜前部部分４０ｂの後に置かれた円筒形後部
部分４０ａがある。

【００５１】 そのうえ、留意されるべきは、図９に示されるように、成型の際、脚３４―３
７は、ほぼ「開かれた」位置で製作される、つまり、正面壁面３３の軸に対して
外に向かって傾斜しているということである。

【００５２】 上記の注入装置の製造の説明は、構成要素の様々な機構の相互結合と同様に、
図１１ａから１１ｆを参照して、以下に明らかにされている。

【００５３】 第１の過程は、保護鞘７のリヤボデー９の内側にロックリング２４を挿入する
ことにあり、前記リヤボデーの前部面に向かい合うように該ロックリングを当て
がいながら、リブ２７が肩状部２０に接触して歯止めされるようになるまで導く
（図１１ａ）。留意すべきは、この設置は、舌状部品２１の弾性によって、およ
び、リブ２２を越えることを可能にする傾斜路を形成している、前記リブの前部
面２２ｂの形状によって可能となることである。

【００５４】 同じく留意すべきは、溝１９内のリブ２７の位置決めにより、ロックリング２
４が、一旦設置されると、リヤボデー９に対して回転が停止されることである。

【００５５】 第２の過程は、コイルばね４２をロックリング２４の内側に部分的に挿入する
ことにあって、コイルばねを前記リングの前部面と向かい合うように当てがいな
がら、それらの端の一つが肩状部３１に接触して歯止めされるようになるまで導
く（図１１ｂ）。

【００５６】 第３の過程は、留め輪１２と溝１８との協働によって、リヤボデーにフロント
ボデー８を嵌め込むようにすることにある（図１１ｃ）。この作業の間、ばね４
２は、リブ１０の肩状部１０ａと肩状部３１との間で自動的に圧縮された状態と
なる。さらに、溝１９内の突起１３の位置決めにより、フロントボデー８とリヤ
ボデーは、相対的な回転が停止された状態となる。

【００５７】 容易にオートメーション化できるこれらの３つの作業の終わりに、完全に前も
って組合わせされた保護セットが得られ、ついで、その内側に、以下に明確に述
べられるような事前充填注射器１が挿入されることができる。

【００５８】 この挿入に先立って、また、図１１ｄに示されるように、グリップ式止め栓３
２は、注射器１の保護キャップ３の上に位置決めされるが、この段階では、ピス
トン・ロッド５はない。この位置決めの際、グリップ式止め栓３２の脚３４―３
７は、保護キャップ３の周りに位置づけられるようになるだけであって、保護キ
ャップを壊したり針２を傷つけたり、および／または水密性を損ねる危険はない
。

【００５９】 ついで、グリップ式止め栓３２を備えた注射器１は、保護鞘７のリヤボデー９
内に挿入されて、つば１ｂがリブ２９と肩状部３１の間で動かなくなるまで導く
（図１１ｅ）。留意すべきは、この挿入は、リブ２９の変形する特性によって、
また、つば１ｂがリブを越えることを可能にする、これらリブ２９の後部面２９
ａの傾斜路の形状によって可能となることである。

【００６０】 さらに、この挿入の際、グリップ式止め栓３２は、保護キャップがボス４０を
通過する際、分割可能な円筒部分８ｂとカラー５０との傾斜路１５のところで、
保護キャップ３の上に強く締められるようになるまで導かれるが、該通過は、前
記ボスの前部部分４０ｂの傾斜路の形状によってさらに容易になる。

【００６１】 そのうえ、留意すべきは、図１に示されるように、この強く締める際、グリッ
プ３８，３９は、従来の注射器１のフロントノーズが従来どおり備わっているガ
ラス製の円錐の下方で保護キャップ３内に入り込むようになり、水密性を保証す
るようになっていることである。このように、保護キャップ３の破壊、したがっ
て針２の損傷、および／または水密性の損害、の一切の危険が取り除かれた状態
となる。

【００６２】 一旦この過程が実現されると、グリップ式止め栓３２および保護鞘７は、それ
らのそれぞれのノッチ１６，４１の協働により、相対的な回転が停止された状態
にあることを留意する必要がある。さらに、一方では、保護キャップ３は、グリ
ップ３８，３９が保護キャップ内に挿入されることから、グリップ式止め栓３２
に対して回転が停止される状態となり、他方では、このグリップ式止め栓３２、
保護鞘７およびロックリング２４も、既に明確に述べられているように、相対的
な回転が停止された状態である。

【００６３】 図１１ｆに示される最後の過程は、要は、ピストン・ロッド５をピストン４に
従来の方式で連結させることにある。そのとき、使用準備の整った注入装置が得
られるが、その活用は、図１２から１４を参照にして以下に説明される。

【００６４】 まず初めに、図１２に示されるように、最初の過程は、縁取りされた領域１４
を断ち切ることにあり、分割可能な円筒部分８に従来の方式で回転運動を受けさ
せて、それを外す。運動の際、要素のセット（保護キャップ３，保護鞘７，ロッ
クリング２４）は回転において相対的に停止されているが、まず初めに、保護キ
ャップ３が、回転するように導かれ、それによって、保護キャップが剥がれるこ
とが容易となり、ついで、グリップ式止め栓３２は、肩状部１７に対するボス４
０の歯止めによって、分割可能な円筒部分８ｂに対して平行運動が停止されて、
その結果、保護キャップ３は、グリップ式止め栓３２および前記分割可能な円筒
部分と同時にに外される。

【００６５】 そのとき、注入は、従来どおりの方式で押しボタン６と指支持のつば２３への
対抗する行為によって、実現される。注入の終わりに、図１３に示されるように
、押しボタン６の斜めの縁６ａは、ロックリング２４の脚２６の斜めの縁２６ａ
と協働するようになり、それが、前記脚２６を内側に向かって半径方向に変形さ
せるように導き、リブ２７の解放をもたらす。

【００６６】 そのうえ、留意すべきは、リブ２７は、脚２６上での中間位置に配置され、そ
れに伴い、前記リブに後部傾斜路をもち、該後部傾斜路は、注射器１の製造の誤
差を吸収し、液体の全用量の解放を保証することを可能にしていることである。

【００６７】 図１４に示されるように、一旦注入が完了し、また押しボタン６への応力が取
り除かれると、ばね４２によって働きかけられたロックリング２４は、注射器１
を連動させる保護鞘７の内側に押し返されて、リブ２８は、リブ２２の傾斜路２
２ｂを越えて、かつ前記リブ２２と肩状部２０の間で停止されるようになるまで
になり、それによって、注入装置の後の使用を禁止することとなる。

【００６８】 最後に、そして有利な方式としては、保護鞘７のフロントボデー８は、半透明
の材料で製作され、注射器１が目に見えることが可能となるようにする。この保
護鞘のリヤボデー９それ自体は、不透明の材料で製作され、使用者および患者の
視界から、作動のメカニズムを覆い隠すようにする。

【００６９】 ロックリング２４それ自体は、リヤボデー９の材料とは異なる色の材料で製作
され、既に使用済みの注入装置を直ちに識別することができるようにする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ， ＺＡ，ＺＷ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】使い切り注入装置であって、一つの保護キャップ（３）によっ
   て保護される注射針（２）を備えているフロントノーズ（１ａ）を一つ備えた事
   前充填注射器（１）と、前記注射器を収納し、注射器の回転および平行運動にお
   ける停止手段（２４）を備えた注射器本体（７）とを備えており、以下を特徴と
   する注入装置： −該注入装置は、グリップ式止め栓と呼ばれる止め栓を（３２）一つ有し、該止
   め栓は、正面壁面（３３）と、正面壁面（３３）に対して縦に伸びる半径方向に
   伸張可能な少なくとも２つの脚（３４―３７）とを有し、これらは、保護キャッ
   プ（３）にかぶさるように適合され、前記キャップの内部把持グリップ（３８，
   ３９）を少なくとも一つ備え、 −注射器本体（７）には、注射器（１）の挿入を可能にするのに適した開かれた
   後部正面と、反対側にある分割可能な前部円筒部分（８ｂ）とがあり、前記分割
   可能な円筒部分は、前記注射器本体に収納される注射器（１）のほぼフロントノ
   ーズ（１ａ）のところに位置決めされるように配設された縁取りされた領域（１
   ４）によって画定され、グリップ式止め栓（３２）の脚（３４―３７）を強く締
   めるように適合したカラー（５０）を一つ有し、脚が保護キャップ（３）を確実
   に把持するようにし、 −前記分割可能な円筒部分（８ｂ）および前記グリップ式止め栓（３２）であっ
   て、これらを平行運動および回転において相対的に停止する共役手段（１６，１
   ７，４０，４１）を備えている。
2. 【請求項２】グリップ式止め栓（３２）および分割可能な円筒部分（８ｂ）
   の、回転および平行運動における相対的停止手段であって、以下を備えることを
   特徴とする、請求項１に記載の注入装置： −グリップ止め栓（３２）の脚（３６，３７）の少なくとも一つに配設された複
   数の縦ノッチ（４１）であって、注射器（１）が注射器本体に収納される際、注
   射器本体（７）の分割可能な円筒部分（８ｂ）のカラー（５０）の下方に位置決
   めされるようになる縦ノッチ、 −分割可能な円筒部分（８ｂ）のそのカラー（５０）の下方に配設された複数の
   縦ノッチ（１６）であって、前記カラーが、グリップ式止め栓（３２）の平行運
   動において歯止めとなる肩状部（１７）を形成するようにする縦ノッチ。
3. 【請求項３】分割可能な円筒部分（８ｂ）に配設された縦ノッチ（１６）が
   、前記分割可能な円筒部分の内部面の周全体に分散されることを特徴とする、請
   求項２に記載の注入装置。
4. 【請求項４】グリップ式止め栓（３２）の各脚（３６，３７）の縦ノッチ（
   ４１）が、カラー（５０）の通過を容易にするように適合した傾斜路を形成する
   傾斜した前部部分（４０ｂ）を備えるボス（４０）に配設されることを特徴とす
   る、請求項２または３に記載の注入装置。
5. 【請求項５】内部で、注射器（１）のフロントノーズ（１ａ）が水密性の外
   部カラーを有する注入装置であって、グリップ式止め栓（３２）の各把持グリッ
   プ（３８，３９）が、水密性の前記カラーのほぼ下方にある保護キャップ（３）
   を確実に把持するように位置決めされることを特徴とする、請求項１から４のい
   ずれか一つに記載の注入装置。
6. 【請求項６】分割可能な円筒部分（８ｂ）のカラー（５０）が、グリップ式
   止め栓（３２）の把持グリップ（３８，３９）のところに位置するように配設さ
   れることを特徴とする、請求項１から５に記載の注入装置。
7. 【請求項７】分割可能な円筒部分（８ｂ）のカラー（５０）が、アクセスの
   傾斜路を形成する傾斜した後部部分（１５）を備える一つの内部ボスから成るこ
   とを特徴とする、請求項１から６のいずれか１つに記載の注入装置。
8. 【請求項８】グリップ式止め栓（３２）は、正面壁面（３３）の軸に対して
   一様に分散される４つの縦方向の脚（３４―３７）を有し、前記脚のうち直径方
   向に向かい合う２つ（３６，３７）は、ボス（４０）を一つを有し、把持脚と呼
   ばれる他の２つの脚（３４，３５）は、把持グリップ（３８，３９）を少なくと
   も一つ備えることを特徴とする、請求項４に記載の注入装置。
9. 【請求項９】把持脚（３４，３５）が、それぞれ、側面の把持グリップ（３
   ８，３９）を２つ備えることを特徴とする、請求項８に記載の注入装置。