JP2003506639A - 自動車用の切り替え変速機 - Google Patents

自動車用の切り替え変速機

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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 自動車用の切り替え変速機であって、少なくとも１つの駆動軸並びに被駆動軸と軸に配置された多数の歯車とを備え、これらの歯車はアクチュエータによって係合せしめられかつ係合を外されるようになっており、被駆動軸をブロックするための、アクチュエータにより操作可能な駐車時係止装置が設けられているものが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、請求項１の上位概念に記載した、自動車用の切り替え変速機であっ
て、少なくとも１つの駆動軸並びに１つの被駆動軸を備えている形式のものに関
する。
【０００２】 自動車用の変速機は既に種々の構造のものが公知になっている。運転者が変速
段交換を行う手動切り替え変速機は価格が安価であるために、このような手動切
り替え変速機は依然として広く使用されている。そのほかに自動変速機も公知に
なっており、この自動変速機は乗用自動車の範囲においては完全自動的な切り替
え変速機であって、流体トルクコンバータとその後方に接続された遊星歯車構造
の変速機とを有している。このような変速機においては、流体トルクコンバータ
があるために、自動車から制動力を有する機関への直接的な結合がなく、したが
ってこのような自動変速機はしばしば駐車時係止機構を備えており、これにより
自動車が意図せずに転がり運動をすることを防止することができる。これらの公
知の自動変速機においては、係止過程は自動車の運転者により行われ、その場合
運転者は選択レバーを駐車位置Ｐに調節し、このことは例えば引きロッド又は押
しロッドの形の操作機構を介して変速機の被駆動軸のブロックを生ぜしめる。
【０００３】 しかし、手動切り替え変速機の前述の価格の利点及びそれにもかかわらず自動
車の快適性を増大させる傾向があることによって、例えば１つの電気モータある
いは２つの電気モータの形のアクチュエータが運転者の操作を軽減させる自動化
された切り替え変速機も公知になっている。自動化された切り替え変速機を有す
る自動車においても、自動車が意図せずに転がり運動をすることを防止すること
が、それに事故の危険が結びついているために、望ましい。
【０００４】 したがって本発明の根底をなす課題は、自動車用の切り替え変速機が自動車の
意図せざる転がり運動を確実に阻止するようにすることである。
【０００５】 本発明によればこの課題を解決するために、請求項１の特徴を備えた切り替え
変速機が設けられている。この切り替え変速機の有利な実施の形態は従属請求項
に記載されている。
【０００６】 本発明によれば、自動車用の切り替え変速機であって、少なくとも１つの駆動
軸並びに少なくとも１つの被駆動軸と、軸に配置された多数の歯車とを備え、こ
れらの歯車はアクチュエータによって係合せしめられかつ係合を外されるように
なっており、アクチュエータは変速機の被駆動軸をブロックするためにも使用さ
れる切り替え変速機が設けられている。このことを言い換えると、変速段の選択
過程及び切り替え過程が例えば１つ又は２つの電気モータの形のアクチュエータ
を介して行われる本発明による切り替え変速機においては、変速機の被駆動軸を
ブロックするための駐車時係止装置が設けられており、この駐車時係止装置も切
り替え変速機、要するに例えば変速機調節器、のアクチュエータによって操作さ
れて、駐車時係止位置にもたらされ、かつこの駐車時係止位置から再び外される
ことができる。アクチュエータはこの場合駐車時係止装置を例えば、駐車時係止
装置とアクチュエータとの間に設けられている操作機構を介して操作することが
できる。
【０００７】 駐車時係止装置はこの場合、変速機軸に回動不能に配置された駐車時係止歯車
と、この駐車時係止歯車と係合可能な係止つめとであることができ、係止つめは
プレストレス可能なばねエレメントを介して駐車時係止歯車と解離可能に係合さ
せることができる。アクチュエータにより負荷されるプレストレス可能なばねエ
レメントは、自動車の停止の際に丁度歯と歯が向き合っている位置が存在してい
る場合、つまり自動車の停止の際に係止つめが駐車時係止歯車に係合せしめられ
ていない場合においても、係止つめと駐車時係止歯車とを介して変速機を駐車時
係止位置にもたらすことができるようにする。この場合自動車が単にわずかに動
いただけで、駐車時係止歯車が、プレストレスをかけられているばねエレメント
により負荷されている係止つめに対して相対的に回動せしめられ、したがって係
止つめの歯はこの短い相対運動の後に駐車時係止歯車の歯の間に係合し、これに
より本発明による切り替え変速機の駐車時係止位置が生ぜしめられる。
【０００８】 別の実施形によれば、駐車時係止装置は、プレストレス可能なばねエレメント
を介して負荷可能な形状結合の切り替えクラッチであることもでき、この切り替
えクラッチは自動車のドライブトレイン内に設けられていて、この切り替えクラ
ッチによって、変速機被駆動軸と連結されるドライブトレインの被駆動側の部分
をブロック可能である。切り替えクラッチは、変速機の後方に接続されたドライ
ブトレインの被駆動側の部分内に配置しておくことができる。このような構成は
例えば、切り替え変速機がハイブリッド変速機として構成されていて、内燃機関
に対して付加的に存在している電気モータと作用結合していて、この電気モータ
が発電機として働き、これによりスタータ発電機機能を行う場合に、有利である
。このような電気モータはその場合内燃機関の始動にも使用され、その際この目
的のために切り替えクラッチを介して変速機被駆動軸の後方でドライブトレイン
を切り離さなければならない。電気モータはドライブトレインにトルクを与える
ために、あるいは自動車の制動の際のレキュペレーションのために使用すること
ができる。ドライブトレインを切り離すためにこの場合、駐車時係止機能を行う
切り替えクラッチのほかに単数又は複数の切り替えクラッチをドライブトレイン
内に設けておくことができる。駐車時係止切り替えクラッチをドライブトレイン
の切り離し及び接続のために使用することもでき、したがって両方の機能、すな
わち駐車時係止機能と、ドライブトレインの切り離し及び接続の機能とを単に１
つの切り替えクラッチにより行う。この場合アクチュエータは変速機内の切り替
え過程のため、並びに駐車時係止切り替えクラッチの操作のために使用され、単
数又は複数の付加的な切り替えクラッチが設けられている場合には、これらのク
ラッチの操作のためにも使用され、したがって単に１つのアクチュエータしか必
要でない。
【０００９】 ところで、駐車時係止機能を生ぜしめるために、切り替え変速機に設けられて
いるアクチュエータはばねエレメントを負荷することができ、このばねエレメン
ト自体は切り替えクラッチを負荷し、この切り替えクラッチは自動車のドライブ
トレインを切り離すためにドライブトレイン内に設けられており、かつこの切り
替えクラッチによって、変速機被駆動軸に連結されているドライブトレインの被
駆動側の部分をブロックすることができ、その場合切り替えクラッチは例えばド
ライブトレインの被駆動側の部分を変速機ケーシングに対してブロックする。
【００１０】 係止つめが駐車時係止歯車に対して、あるいはまた両方の形状結合の切り替え
クラッチ半部が、前述の歯と歯が互いに向き合う位置にある場合に係止つめと駐
車時係止歯車との、あるいは両方の切り替えクラッチ半部の、確実な係合位置が
生ぜしめられるようにするために、本発明によれば、アクチュエータ及び又は操
作機構がばねエレメントをプレストレスし得る位置に固定可能である。アクチュ
エータが例えば電気モータの形で設けられている場合、電気モータは自動車の搭
載回路網を保護するために、自動車の停止後はもはや電流を供給されず、したが
って電気モータはばねエレメントをそれ以上能動的に負荷しない。しかし、アク
チュエータがばねエレメントをプレストレスする位置において固定されることに
よって、ばねエレメントのプレストレス力はアクチュエータを、切り替え変速機
の駐車時係止位置に相応するその位置から押し出すことはない。この目的のため
にアクチュエータはばねエレメント例えば自己ロック性の伝動機構、例えばウォ
ーム伝動装置、を介して負荷することができ、しかしその際アクチュエータ及び
又は操作機構は係止装置によってばねエレメントをプレストレスし得る位置に固
定することができる。この係止装置は例えば中央の切り替え軸の係止装置と類似
して構成することができる。また、アクチュエータ及び又は操作機構が負荷モー
メント係止機構によってばねエレメントをプレストレスし得る位置に固定される
ようにすることもできる。ばねエレメントがそのプレストレスされた位置にある
場合においても、アクチュエータは自動車のドライブトレイン及び又は変速機内
でなお調節過程を行うことができる。
【００１１】 この場合本発明によれば、切り替え変速機は自動化された切り替え変速機ある
いは負荷切り替えクラッチを備えた引き力中断機構なしの切り替え可能な変速機
あるいは既に述べたようなハイブリッド変速機である。
【００１２】 １つの実施の形態によれば、変速機は、変速機の全ての切り替えロッド又は操
作エレメントが中立位置にある場合にだけ駐車時係止位置に切り替え可能である
。これによって、変速機が例えば前進位置の第１変速段にありかつアクチュエー
タが係止つめあるいは切り替えクラッチを操作するという矛盾状態が生じないこ
とが保証される。このような矛盾状態が生じると、自動車の運転者が第１変速段
での走行を見込んでいるにもかかわらず、変速機被駆動軸が突然停止することに
なる。
【００１３】 また、変速機は、駐車時係止位置に達した後に、中立位置に切り替え可能であ
る。中立位置は付加的な中立路によって形成することもできる。このために例え
ば幅広い切り替えフォーク部材を設けておくことができ、したがって、中央の切
り替え軸を有する変速機の場合に切り替えフィンガが切り替えロッドの切り替え
フォーク部材内に係合し、したがって変速機の駐車時係止位置が生ぜしめられ、
次いで切り替えフィンガがこの幅広い切り替えフォーク部材から出され、その際
駐車時係止位置が解除されることはない。このことは例えば、自動車の内燃機関
が単に中立位置においてだけ始動せしめることができ、中立位置以外では内燃機
関の始動のために自動車の運転ブレーキを操作しなければならない場合に、有利
である。
【００１４】 また、変速機は、駐車時係止位置に達した後に、前進位置又は後退位置に切り
替え可能である。駐車時係止位置が生ぜしめられている状態で前進位置に、要す
るに例えば第１変速段に切り替えることは例えば次の場合に行われる。すなわち
自動車が上向き勾配の大きい走行路上で短時間停止する際に変速機の駐車時係止
機構によって後ろ下がりを防止され、かつ自動車の引き続く登り走行のために既
に第１変速段に入れられる場合である。この場合発進クラッチは開かれている。
再発進の場合、アクチュエータが駐車時係止位置を解除し、かつ同時に発進クラ
ッチが閉じられ、したがって登り発進が自動車の後退なしに可能である。
【００１５】 本発明によれば、変速機の切り替え過程を行うために存在しているアクチュエ
ータ、要するに例えば変速機調節器、は自動車のドライブトレイン内に設けられ
ている単数又は複数のクラッチの操作のためにも使用される。このことは例えば
次の場合に有利である。すなわち、内燃機関のほかに電気モータが設けられてい
て、内燃機関の始動に使用され、かつ自動車の搭載回路網に電圧を供給するため
の発電機としても使用され、自動車の制動の際にレキュペレーションのために使
用され、かつまたトルクを自動車のドライブトレインに供給することのできるハ
イブリッド駆動装置が使用される場合に有利である。この配置においては電気モ
ータは変速機入力軸、要するに駆動軸にも、また変速機出力軸にも作用し、した
がって２つのクラッチが設けられていて、これらのクラッチは、例えばアクチュ
エータにより操作される形状結合の切り替えクラッチであることができる。これ
らの付加的な切り替えクラッチがアクチュエータにより操作機構を介して操作さ
れる場合、操作機構は切り替えクラッチの閉じられた位置あるいは開かれた位置
において固定することができる。アクチュエータは閉じられた位置あるいは開か
れた位置において、例えばドライブトレイン内に存在する別の切り替えクラッチ
の操作のような別の調節過程を行うことができ、あるいはまた切り替え変速機内
の切り替え過程を行うことができる。切り替えクラッチのための操作機構は駐車
時係止装置の操作機構と同じように、例えば自己ロック性の伝動機構、係止装置
あるいは負荷モーメント係止機構を介して固定することができる。アクチュエー
タはしたがって切り替え変速機内の調節過程のために、駐車時係止装置の操作の
ために、及び又は自動車のドライブトレイン内の単数又は複数の切り替えクラッ
チのために使用される。
【００１６】 本発明は以下において図面によって詳細に説明する。
【００１７】 図１は、概略的に示した駐車時係止機構を有する本発明による切り替え変速機
の一部を全く概略的に示す。
【００１８】 単に部分的に示した変速機ケーシング１に係止つめ２が旋回可能に取り付けら
れていて、その係止つめ歯３を介して、部分的に示した駐車時係止歯車５の対応
する歯４と解離可能に係合させることができる。
【００１９】 この場合駐車時係止歯車５は軸方向で不動にかつ回動不能に、図示していない
変速機の被駆動軸に固定されており、したがって係止つめ歯３が駐車時係止歯車
５と係合しているときに、変速機の被駆動軸はブロックされている。
【００２０】 係止つめ歯３を歯４との係合位置にもたらすために、アクタ装置が設けられて
おり、このアクタ装置により係止つめ歯３と駐車時係止歯車５の歯４との間の係
合位置を生ぜしめ、かつ再び解除することができる。この目的のために、例えば
電気的な、空気力式のあるいは液力式の駆動装置の形の、図１において詳細に図
示していないアクチュエータを設けておくことができ、このアクチュエータは切
り替え変速機における変速段交換過程の自動化のためにも使用することができる
。アクチュエータはこの場合係合位置を生ぜしめかつ解離するためのロッド６に
引き力及び押し力を作用させることができる。このロッド６は例えば変速機ケー
シング内に配置された切り替えロッドであることができ、この切り替えロッドに
は切り替えフォーク部材が固定されていて、この切り替えフォーク部材は中央の
切り替え軸の切り替えフィンガを介して操作することができる。
【００２１】 図１に示した駐車時係止機構の実施形では、アクチュエータにより係合位置を
生ぜしめるために、ＦＢｅｓｔａｅｔｉｇｕｎｇで示した力が作用せしめられ、
この力はロッド６，ばねエレメント７、及び変速機ケーシング１に支承されてい
る対向ローラ９に支えられているローラ８を介して係止つめ２に伝達される。と
ころで、係止つめ歯３と駐車時係止歯車５の歯４とが互いに向き合っている位置
を占め、したがって係止つめ歯３が駐車時係止歯車５の歯４の間に係合し得ない
場合が考えられる。この場合図平面で左に向かうロッド６の運動はばねエレメン
ト７のプレストレス力を生ぜしめ、したがって自動車がわずかに運動して変速機
の被駆動軸が回動せしめられると、係止つめ歯３が駐車時係止歯車５の歯４に対
して相対回動せしめられ、これにより歯が互いに係合し、これによって変速機の
被駆動軸がブロックされる。ばねエレメント７のプレストレス力が操作力ＦＢｅ ｓｔａｅｔｉｇｕｎｇ に対して逆向きにロッド６を運動させないようにするため
に、かつ例えば電気モータとして構成されているアクチュエータに自動車の停止
後に引き続き電圧を供給しなくてもよいようにするために、係止機構１０が設け
られており、この係止機構はロッド６に係合して、これによりロッド６の押し戻
しを阻止する。
【００２２】 図２は、ハイブリッド駆動装置と形状結合の切り替えクラッチの形の駐車時係
止機構とを有する自動車のドライブトレインを概略的に示す。
【００２３】 内燃機関１１は発進クラッチ１２を介して切り替え変速機１３に作用し、この
切り替え変速機の後方には電気モータ１４が接続されており、この電気モータは
スタータ発電機として作用することができ、かつ付加的な走行電気モータとして
駆動トルクをドライブトレインに供給することができる。
【００２４】 図２に示したドライブトレインにおいては電気モータ１４の後方に、ドライブ
トレインの切り離しのための形状結合の切り替えクラッチ１５及び駐車時係止機
構として作用する形状結合の切り替えクラッチ１６がある。この場合両方の切り
替えクラッチの機能は１つの切り替えクラッチにまとめることができ、それもし
ゅう動スリーブ１７の相応する運動を介してまとめることができる。更に切り替
えクラッチ１５，１６の後方には、概略的に示したディファレンシャルギア１８
及び自動車の駆動車輪１９が配置されている。
【００２５】 通常の走行運転においては内燃機関１１は駆動トルクを切り替え変速機１３に
入力トルクとして作用させることができ、この入力トルクは単に概略的に示した
歯車対を介して変換せしめられて、出力トルクとして切り替え変速機１３の被駆
動軸を介して作用することができる。付加的に電気モータ１４は例えば自動車の
一層強い加速のために駆動トルクを駆動車輪１９に供給すること、あるいは発電
機として作用することもできる。通常の走行運転ではこのために形状結合の切り
替えクラッチ１５は閉じられている。自動車を停止させる場合及び駐車係止機構
１６が自動車の意図せざる転がり運動を阻止するようにする場合、切り替え変速
機１３の、選択過程及び切り替え過程を行うアクチュエータを介して、しゅう動
スリーブ１７が図平面で見て右に向かってしゅう動せしめられ、したがって切り
替え変速機１３の後方に接続される被駆動側のドライブトレインがブロックされ
、その場合しゅう動スリーブ１７の内歯が、例えば変速機ケーシングに固定され
ている切り替えクラッチ１６の軸方向に不動かつ回動不能の外歯と係合せしめら
れる。自動車の転がり運動はこの形式で阻止される。内燃機関を始動させる場合
には、形状結合の切り替えクラッチ１５が切り替え変速機１３のアクチュエータ
を介して開かれる。同時に切り替え変速機のアクチュエータは例えば切り替え変
速機１３の第１変速段の形状結合の切り替えクラッチを閉じることができ、した
がって電気モータ１４によりドライブトレインの被駆動側の部分に及ぼされるト
ルクが切り替え変速機１３及び発進クラッチ１２を介して内燃機関１１に作用し
、内燃機関はこれにより始動せしめることができる。内燃機関の始動後に切り替
え変速機１３のアクチュエータによりしゅう動スリーブ１７が相応に運動せしめ
られて、形状結合の切り替えクラッチ１５が閉じられると同時に、駐車時係止機
構の切り替えクラッチ１６が開かれ、したがって内燃機関１１は駆動トルクを駆
動車輪１９に作用させることができる。
【００２６】 図３は駐車時係止機構を操作するための変速機内部のアクタ装置を概略的に示
す。
【００２７】 図３に示した実施例では、選択過程のためのアクチュエータ２０及び切り替え
過程のためのアクチュエータ２１が設けられている。アクチュエータ２０及び２
１は中央の切り替え軸２２を操作し、この切り替え軸はケーシング２３の貫通部
内で回動可能かつ軸方向に運動可能に受容されている。アクチュエータ２０，２
１はこの場合その回転運動をそれぞれ伝動機構を介して中央の切り替え軸２２に
伝達する。伝動機構２４，２５はこの場合自己ロック性に構成しておくことがで
き、これにより中央の切り替え軸２２に作用する力、すなわち駐車時係止装置の
プレストレスされたばねエレメント７に由来する力が中央の切り替え軸２２のコ
ントロール不能な運動を生ぜしめることはない。
【００２８】 中央の切り替え軸２２には、アクタ装置２０，２１とは逆の方の端部に２つの
切り替えフィンガ２６，２７が設けられており、これらの切り替えフィンガは切
り替えフォーク部材２８，２９内に係合することができる。切り替えフォーク部
材２９はこの場合変速機ケーシング１内に支承されている切り替えロッド３０に
固定されており、この切り替えロッドを介して切り替え変速機の個々の変速段を
切り替えることができる。
【００２９】 切り替えフィンガ２６は切り替えフォーク部材２８に係合するもので、この切
り替えフォーク部材は切り替えロッド３１に固定されており、その際切り替えロ
ッド３１を介して例えば駐車時係止機構を操作するためのロッド６（図１）を負
荷することができる。ところで切り替え変速機の駐車時係止機構を作動させる場
合には、アクチュエータ２０及び自己ロック性の伝動機構２４を介して中央の切
り替え軸２２が軸方向に移動せしめられ、したがって切り替えフィンガ２６が切
り替えフォーク部材２８に係合する。アクチュエータ２１に電流が供給されると
、伝動部材２５を介して中央の切り替え軸２２が回動せしめられ、これにより切
り替えロッド３１が軸方向にしゅう動せしめられ、かつこれによりロッド６が操
作力ＦＢｅｓｔａｅｔｉｇｕｎｇで操作され、ひいては駐車時係止機構が閉じら
れる。
【００３０】 同じような形式で、複数の、あるいは選択過程及び切り替え過程のために単に
１つのアクチュエータが使用される場合には単数のアクチュエータを介して、切
り替え可能なつめクラッチの形の駐車時係止機構１６を操作することもできる。
例えば、切り替えロッド３１を介して図２に示したハイブリッド駆動装置のしゅ
う動スリーブ１７を操作すること、換言すれば切り替え変速機の変速段交換過程
のためのアクチュエータを、変速機の後方に接続されるドライブトレインの切り
離し及び接続のためにも、また切り替え可能なつめクラッチの形の駐車時係止機
構１６の開閉のためにも、使用することが可能である。
【００３１】 図３に示した構造はつめクラッチの形の駐車時係止機構１６の操作に使用する
ことができるにもかかわらず、図４には、切り替え可能なつめクラッチ１６を操
作するための、変化せしめられた中央の切り替え軸３２が示されている。図４に
示した操作アクタ装置の構造は図３に示した操作アクタ装置の構造に対して、大
体において、変化せしめられた中央の切り替え軸３２によって異なっている。図
４によって容易に分かるように、切り替え軸３２は、変速段交換過程のために切
り替えフォーク部材２９及び駐車時係止機構の操作のための切り替えフォーク部
材２８を操作する単に１つの切り替えフィンガを有しているに過ぎない。
【００３２】 図４には切り替え線図が示されており、この切り替え線図は６つの変速段、す
なわち前進位置のための５つの変速段と後進位置のための１つの変速段を示して
おり、この切り替え線図から分かるように、Ｐで示した駐車時係止機構はＮで示
した中立路を介してのみ、作動させることができ、したがって要するに切り替え
られている変速段と作動すべき駐車係止機構との間には矛盾が生じることはない
。駐車時係止装置を備えた切り替え変速機を有している自動車の運転者が自動車
を少なくとも一時的に停止させて、駐車時係止機構を作動させる場合、運転者は
このために自動車内部に配置された選択レバーを切り替え線図に相応する位置Ｐ
に動かすことができ、これによりアクチュエータ２０が中央の切り替え軸３２を
下降させ、切り替えフィンガ２７が中立路に沿って切り替えフォーク部材２８内
に達する。次いでアクチュエータ２１に相応して電流が供給されることにより、
中央の切り替え軸３２が回動せしめられ、これにより切り替えロッド３１がしゅ
う動せしめられ、切り替えロッド３１はロッド６（図１）を負荷するか、あるい
はまたしゅう動スリーブ１７をＰ（図２）で示した駐車時係止位置の方向にしゅ
う動させる。
【００３３】 ところで例えば図２に示したドライブトレインの場合に、例えば形状結合の切
り替えクラッチ１５が開かれている状態でかつ変速機１３において１つの変速段
が接続されている状態で電気モータ１４を介して内燃機関１１を始動させ、それ
にもかかわらずこの場合切り替え可能なつめクラッチの形あるいはまた係止つめ
及び駐車時係止歯車の形の駐車時係止機構を閉じたままにしておいて自動車の転
がり運動が防止されているときに、切り替えロッド３０の１つを、１つの変速段
の切り替えのために駐車時係止機構が作動せしめられている状態でしゅう動させ
なければならないことがあるので、駐車時係止機構を閉じたままにしておいて、
同時に切り替え過程を行うことが必要である。この目的のために例えば図４に示
した切り替えフォーク口３３を幅広く構成して、したがって中央の切り替え軸３
２の駐車時係止位置を生ぜしめる回動運動とは逆向きの回動が切り替えフォーク
部材２８の操作を生ぜしめないようにして、次いでアクチュエータ２０によって
選択過程、換言すれば図示の実施例における中央の切り替え軸３２の行程運動が
行われ、したがって駐車時係止機構の駐車時係止位置が変化せしめられないいよ
うにすることができる。これに対して代替的に、図４に示した実施例において示
されているように、切り替えフォーク部材２８とその上方に配置されている切り
替えフォーク部材２９との間隔を広げることによって、付加的な中立路を形成す
ることも可能であり、この場合には、切り替えフォーク口３３を広げることなし
に、中央の切り替え軸３２を回動させて、切り替えフォーク部材２８を操作した
後に、アクチュエータ２０に電流を供給して、切り替えフィンガ２７を切り替え
フォーク口３３から上方に向かって引き出すことができる。
【００３４】 次いでアクチュエータ２１に相応して電流を供給して、わずかに持ち上げられ
ている中央の切り替え軸３２を回動させ、次いで切り替えフィンガ２７を個々の
変速段１〜６の中立路内で動かすことができる。駐車時係止機構はこの場合依然
としてその閉じられた位置にあり、しかしそれにもかかわらず例えば第１の変速
段を入れることが可能であり、したがって電気モータ１４、切り替え変速機１３
及び閉じられている発進クラッチ１２を介して内燃機関１１を始動させることが
でき、その際この始動過程中は形状結合の切り替えクラッチ１５は開かれている
。始動過程後に、次いで、発進クラッチ１２が開かれ、形状結合の切り替えクラ
ッチ１５が閉じられ、駐車時係止機構１６がその解除された位置にもたらされ、
したがってドライブトレインは内燃機関１１から駆動車輪１９にトルクを伝達し
得る状態になる。
【００３５】 したがって本発明によれば、例えば自動化された切り替え変速機、負荷切り換
え変速機あるいはハイブリッド変速機の形の切り替え変速機において、変速機の
アクチュエータあるいは変速機調節器により操作される駐車時係止機構が設けら
れている。駐車時係止機構を操作するほかに、変速機調節器は、例えば変速機被
駆動軸を切り離すために使用される付加的な切り替えクラッチを操作するために
も使用することができる。駐車時係止機構の操作アクタ装置内に設けられている
プレストレスされたばねは、駐車時係止構造部分が歯と歯で向き合っている場合
でも、自動車ひいては変速機被駆動軸あるいは被駆動側のドライブトレインのわ
ずかな相対運動の際に、形状結合が強制的に生ぜしめられるようにする。図示の
実施例においては、切り替え変速機の１つの中央の切り替え軸について説明をし
たが、変速機内の相応する調節運動は順次に続く運動として構成することもでき
、その際この目的のために例えば切り替えロールを設けて、その操作のためにた
だ１つのアクチュエータを必要とするようにすることもできる。
【００３６】 この出願の特許請求の範囲は充分な特許保護が得られるように作成したもので
ある。本出願人は、明細書及び又は図面においてしか開示していない別の特徴組
み合わせについて特許を請求する権利を留保するものである。
【００３７】 従属請求項は独立請求項の実施の形態を表したものである。しかし、従属請求
項は独立した権利の請求を断念するものではない。
【００３８】 従属請求項の特徴は優先権主張時における背景技術に対して固有のかつ独立し
た発明を形成することができるので、本出願人は、従属請求項を独立請求項にし
たり、分割する権利を留保するものである。更に従属請求項はそれが引用してい
る先行の請求項とは異なった独立した発明を有することができるものである。
【００３９】 実施例は本発明を限定するものではない。むしろ本開示の範囲内で、多数の変
化形が可能であり、特に、例えば明細書の一般的な部分、実施例並びに特許請求
の範囲に記載されかつ図面に図示されている特徴若しくはエレメントあるいは方
法段階の組み合わせあるいは展開によって当業者が課題の解決に関して取り出す
ことが可能である多数の変化形が可能である。また組み合わされた特徴によって
新しい装置あるいは新しい方法段階、それも製作法、検査法及び作業法の方法段
階を導くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 駐車時係止機構を有する切り替え変速機の一部分の概略図を示す。
【図２】 形状結合の切り替えクラッチの形の駐車時係止機構を有する自動車のドライブ
トレインの概略図を示す。
【図３】 切り替え変速機の個々の変速段及び駐車時係止機構のための操作アクタ装置の
概略図を示す。
【図４】 変化せしめられた中央の切り替え軸を有する、図３のアクタ装置と類似したア
クタ装置の概略図を示す。
【符号の説明】
１ 変速機ケーシング、 ２ 係止つめ、 ３ 係止つめ歯、 ４ 歯、 ５
駐車時係止歯車、 ６ ロッド、 ７ ばねエレメント、 ８ ローラ、 ９
対向ローラ、 １０ 係止機構、 １１ 内燃機関、 １２ 発進クラッチ、
１３ 切り替え変速機、 １４ 電気モータ、 １５ 切り替えクラッチ、
１６ 切り替えクラッチ、駐車時係止機構、つめクラッチ、 １７ しゅう動ス
リーブ、 １８ ディファレンシャルギア、 １９ 駆動車輪、 ２０ アクチ
ュエータ、 ２１ アクチュエータ、 ２２ 切り替え軸、 ２３ ケーシング
、 ２４ 伝動機構、 ２５ 伝動機構、 ２６ 切り替えフィンガ、 ２７
切り替えフィンガ、 ２８ 切り替えフォーク部材、 ２９ 切り替えフォーク
部材、 ３０ 切り替えロッド、 ３１ 切り替えロッド、 ３２ 切り替え軸
、 ３３ 切り替えフォーク口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3J067 AB11 AB13 BA02 BA56 DA52 DB03 EA35 EA65 EA81 FA04 FA05 FA57 FA63 FA64 FA67 FA82 GA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自動車用の切り替え変速機であって、少なくとも１つの駆動
    軸並びに少なくとも１つの被駆動軸と、軸に配置された多数の歯車とを備え、こ
    れらの歯車はアクチュエータによって係合せしめられかつ係合を外されるように
    なっている形式のものにおいて、被駆動軸をブロックするための、該アクチュエ
    ータにより操作可能な駐車時係止装置を特徴とする、自動車用の切り替え変速機
    。
  2. 【請求項２】 駐車時係止装置が、変速機軸に回動不能に配置された駐車時
    係止歯車と、この駐車時係止歯車と係合可能な係止つめとであり、係止つめはプ
    レストレス可能なばねエレメントを介して駐車時係止歯車と解離可能に係合させ
    ることができることを特徴とする、特に請求項１記載の切り替え変速機。
  3. 【請求項３】 駐車時係止装置が、プレストレス可能なばねエレメントを介
    して負荷可能な形状結合の切り替えクラッチであり、この切り替えクラッチは自
    動車のドライブトレイン内に設けられていて、この切り替えクラッチによって、
    変速機被駆動軸と連結されるドライブトレインの被駆動側の部分をブロック可能
    であることを特徴とする、特に請求項１記載の切り替え変速機。
  4. 【請求項４】 アクチュエータ及び又は操作機構がばねエレメントをプレス
    トレスし得る位置に固定可能であることを特徴とする、特に請求項２又は３記載
    の切り替え変速機。
  5. 【請求項５】 アクチュエータが、ばねエレメントのプレストレスされた位
    置を維持してドライブトレイン及び又は変速機内の調節過程を行うように構成さ
    れていることを特徴とする、特に請求項１から４までのいずれか１項記載の切り
    替え変速機。
  6. 【請求項６】 アクチュエータが、自己ロック性の伝動機構を介してばねエ
    レメントを負荷することを特徴とする、特に請求項４記載の切り替え変速機。
  7. 【請求項７】 アクチュエータ及び又は操作機構が係止機構によって固定可
    能であることを特徴とする、特に請求項４記載の切り替え変速機。
  8. 【請求項８】 アクチュエータ及び又は操作機構が負荷モーメント係止機構
    によって固定可能であることを特徴とする、特に請求項４記載の切り替え変速機
    。
  9. 【請求項９】 切り替え変速機が自動化された切り替え変速機あるいは負荷
    切り替えクラッチを備えた引き力中断機構なしの切り替え可能な変速機あるいは
    ハイブリッド変速機であることを特徴とする、特に請求項１から８までのいずれ
    か１項記載の切り替え変速機。
  10. 【請求項１０】 変速機が、変速機の全ての切り替えロッド又は操作エレメ
    ントが中立位置にある場合にだけ駐車時係止位置に切り替え可能であることを特
    徴とする、特に請求項１から９までのいずれか１項記載の切り替え変速機。
  11. 【請求項１１】 変速機が、駐車時係止位置に達した後に、中立位置に切り
    替え可能であることを特徴とする、特に請求項１から１０までのいずれか１項記
    載の切り替え変速機。
  12. 【請求項１２】 変速機が、駐車時係止位置に達した後に、前進位置又は後
    退位置に切り替え可能であることを特徴とする、特に請求項１から１１までのい
    ずれか１項記載の切り替え変速機。
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