JP2016033373A - 車両用自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カップリングスリーブの移動によりロー変速段を選択する変速機構63と、パーキングポールをパークギヤに噛み合い締結して駆動輪への回転系を固定するパーク機構64を、第1電動アクチュエータによって動作させる車両用自動変速機において、選択変速段位置を保持するための第2,第3凹溝面66b,66c及びパーキングポール噛み合い位置を保持するための第1凹溝面66aが設けられた一部品からなるディテント部65aと、第1,第2,第3凹溝面66a,66b,66cのいずれか一つに係合するディテントスプリング65bと、を有する位置保持機構65を備える構成とした。
【選択図】図4
Description
そのため、振動や大きな外力が入力する等の影響によって、例えばパーク機構が締結しているにも拘らず、解放中のクラッチ機構が締結してしまい、パーク機構とクラッチ機構が同時締結することが考えられる。すなわち、パーク機構が完全に解放される前にクラッチ機構が噛み合い状態になってしまったり、クラッチ機構が完全に解放される前にパーク機構が噛み合い状態になったりするという問題が生じることがある。
前記変速機構は、カップリングスリーブの移動により係合クラッチを噛み合い締結/解放し、所定の変速段を選択する。
前記パーク機構は、パーキングポールをパークギヤに噛み合い締結し、駆動輪への回転系を変速機ケースに固定する。
前記アクチュエータは、前記カップリングスリーブと前記パーキングポールを共に動作させる。
前記位置保持機構は、前記アクチュエータによって動作すると共に、前記変速機構により選択された変速段位置を保持するための変速位置保持部、及び、前記パーク機構による前記パーキングポールの噛み合い位置を保持するためのパーク位置保持部が設けられた一部品からなる第1位置保持部材と、前記変速位置保持部又は前記パーク位置保持部のいずれか一つに係合する第2位置保持部材と、を有する。
そのため、第2位置保持部材が、変速位置保持部又はパーク位置保持部のいずれか一つに係合することで、アクチュエータの動きが規制され、変速段位置やパーキングポールの噛み合い位置が保持される。これにより、振動や大きな外力の入力等が生じても、カップリングスリーブの位置やパーキングポールの位置が変動することを防止できる。
しかも、変速位置保持部とパーク位置保持部が設けられた第1位置保持部材が一部品であるため、変速位置保持部とパーク位置保持部をそれぞれ別部品に形成した場合と比べて、変速位置保持部とパーク位置保持部との間の寸法精度を向上することができる。この結果、変速段位置(変速機構の作動位置)やパーキングポールの噛み合い位置(パーク機構の作動位置)を精度よく保持することができ、係合クラッチとパーキングポールを同時に締結しにくくすることができる。
まず、構成を説明する。
実施例1における電気自動車(車両の一例)に搭載された車両用自動変速機の構成を、「全体システム構成」、「変速制御系の詳細構成」、「アクチュエータ連動機構の詳細構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の車両用自動変速機が適用された電気自動車の駆動系構成と制御系構成を示す。以下、図1に基づき、実施例1の全体システム構成を説明する。
そして、この駆動用モータジェネレータ2のモータ軸は、自動変速機3の変速機入力軸6に接続される。
さらに、この変速コントローラ21では、自動変速機3のレンジ位置に応じて、パーク機構の噛み合い締結/解放を制御する。
図2は、実施例1の変速制御系の詳細構成を示す。以下、図2に基づき、実施例1の変速制御系の詳細構成を説明する。
この係合クラッチ8cの噛み合い締結と解放は、カップリングスリーブ8fの位置によって決まる。ここで、変速コントローラ21は、スリーブ位置センサ27の値を読み込み、カップリングスリーブ8fの位置が噛み合い締結位置又は解放位置になるように第1電動アクチュエータ41に電流を与える第1位置サーボコントローラ51(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。そして、カップリングスリーブ8fがクラッチギヤ8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の双方に噛合した図1に示す噛み合い位置にあるとき、ギヤ8aを変速機出力軸7に駆動連結し、ローギヤ段を選択する。一方、カップリングスリーブ8fが、図1に示す位置から軸線方向へ変位することでクラッチギヤ8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の一方と非噛み合い位置にあるとき、ギヤ8aを変速機出力軸7から切り離し、ローギヤ段の選択を解除する。
この摩擦クラッチ9cの伝達トルク容量は、スライダ9fの位置によって決まり、また、スライダ9fはネジ機構となっており、第2電動アクチュエータ42の入力が0(ゼロ)のとき、位置を保持する機構となっている。ここで、変速コントローラ21は、スライダ位置センサ26の値を読み込み、所望の伝達トルク容量が得られるスライダ位置になるように第2電動アクチュエータ42に電流を与える第2位置サーボコントローラ52(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。そして、摩擦クラッチ9cは、変速機入力軸6と一体に回転し、クラッチ摩擦締結のときギヤ9aを変速機入力軸6に駆動連結し、ハイギヤ段を選択する。一方、クラッチ解放のとき、ギヤ9aと変速機入力軸6の駆動連結を切り離し、ハイギヤ段の選択を解除する。
図3は、レンジ位置と各機構の締結/解放状態の関係及びレンジ位置と第1電動アクチュエータによる回転動作位置の関係を示し、図4〜図6は、アクチュエータ連動機構の操作系、パーキング系、係合クラッチ系をそれぞれ示す。図7は、実施例1のシフトプレートを示す拡大斜視図である。以下、図3〜図7に基づき、実施例1のアクチュエータ連動機構の詳細構成を説明する。
そして、Nレンジ選択時には、第2電動アクチュエータ42により摩擦クラッチ9cを解放する。また、ハイギヤ段選択時には、第2電動アクチュエータ42により摩擦クラッチ9cを摩擦締結する。
ここで、変速機構63は、シフトプレート63aと、ブラケットプレート63b(ブラケット)と、シフトフォーク63cを設けたフォークロッド63dと、を有している。また、パーク機構64は、パーキングプレート64aと、パークロッド64bと、パークサポート64cと、スプリング64dと、を有している。さらに、位置保持機構65は、ディテント部65a(第1位置保持部材)と、ディテントスプリング65b(第2位置保持部材)と、を有している。
そして、シフトプレート63aは、マニュアルシャフト62の回転運動により回転することで、ブラケットプレート63bを並進運動させる。つまり、このシフトプレート63aにより、マニュアルシャフト62の回転運動が並進運動に変換される。
また、このブラケットプレート63bの他端は、フォークロッド63dに連結されている。これにより、シフトプレート63aの動作に対し、ブラケットプレート63bと、フォークロッド63dと、シフトフォーク63cは、一体的にスライド移動可能となっている。
つまり、第1凹溝面66aは、パーキングポール18の噛み合い位置を保持するためのパーク位置保持部であり、第2凹溝面66bは、ニュートラル位置又はハイギヤ段位置を保持するための変速位置保持部であり、第3凹溝面66cは、ローギヤ段位置を保持するための変速位置保持部である。
すなわち、パークロッド64bのウエッジ部64eの外径によりパーキングポール18をパークサポート64cから引き離すようにポール軸18bを中心として回動させることで、パーキングポール18とパークギヤ17を噛み合い締結させる。
この係合クラッチ系では、マニュアルシャフト62が回転すると、シフトプレート63aが回転し、ブラケットプレート63bとフォークロッド63dとシフトフォーク63cを、フォークロッド63dの軸方向に一体的にスライド移動させる。そして、シフトフォーク63cが移動することで、カップリングスリーブ8fのクラッチギヤ8dに対する位置を変動させ、カップリングスリーブ8fがクラッチギヤ8dに噛み合うことで係合クラッチ8cを噛み合い締結させる。
図8は、アクチュエータ連動機構を示す斜視図である。図9は、アクチュエータ連動機構を示す図8とは異なる角度から見たときの斜視図である。図10は、アクチュエータ連動機構を示す平面図である。図11は、アクチュエータ連動機構を示す側面図である。以下、図8〜図11に基づき、実施例1のアクチュエータ連動機構の配置構成を説明する。
すなわち、マニュアルシャフト62は、第1電動アクチュエータ41から車両下方に延在されると共に、変速機出力軸7に対し直角に交差する方向に沿って延びている。
すなわち、変速機出力軸7に設けられた係合クラッチ8cの配置位置αとパークギヤ17の配置位置βの間の領域に、変速機構63とパーク機構64が配置される。
つまり、フォークロッド63dとブラケットプレート63bとの連結部63gを、シフトフォーク63cを挟んで、パークギヤ17が配置された側に設ける。
つまり、シフトプレート63aとフォークロッド63dを連結するブラケットプレート63bは、マニュアルシャフト62及びフォークロッド63dに対し、直交する方向に延びている。
(Pレンジ選択時)
図12は、Pレンジ選択時の第1電動アクチュエータによる動作説明を示す説明図である。以下、図12に基づき、実施例1のPレンジ選択時における第1電動アクチュエータ駆動作用を説明する。
これにより、マニュアルシャフト62の回転動作が規制され、Pレンジ選択状態の第1電動アクチュエータ41の回転位置が保持される。すなわち、パーク機構64によるパーキングポール18の噛み合い位置が保持される。このため、例えば振動や外力の入力が発生しても、マニュアルシャフト62が容易に回転することが防止される。
図13は、ローギヤ段選択時の第1電動アクチュエータによる動作説明を示す説明図である。以下、図13に基づき、実施例1のローギヤ段選択時における第1電動アクチュエータ駆動作用を説明する。
これにより、マニュアルシャフト62の回転動作が規制され、ローギヤ段選択状態の第1電動アクチュエータ41の回転位置が保持される。すなわち、変速機構63によって選択された変速段位置(ローギヤ段位置)が保持される。このため、例えば振動や外力の入力が発生しても、マニュアルシャフト62が容易に回転することが防止される。
図14は、Nレンジ又はハイギヤ段選択時の第1電動アクチュエータによる動作説明を示す説明図である。以下、図14に基づき、実施例1のNレンジ又はハイギヤ段選択時における第1電動アクチュエータ駆動作用を説明する。
また、Nレンジ又はハイギヤ段選択前にローギヤ段選択状態(図13の状態)であれば、マニュアルシャフト62を矢印Fとは反対の方向に回す。これにより、シフトプレート63a及びパーキングプレート64aが矢印Fと反対方向に回転する。
また、Nレンジ又はハイギヤ段選択前にローギヤ段選択状態(図13の状態)であれば、シフトプレート63aのシフト部63eは、矢印Iとは反対の方向に移動する。そして、これにより、ブラケットプレート63bとフォークロッド63d、シフトフォーク63cが一体にスライド移動させられ、このとき、カップリングスリーブ8fは矢印Iと反対方向がスライド移動させられる。このため、係合クラッチ系において、カップリングスリーブ8fとクラッチギヤ8dが離れ、係合クラッチ8cは解放状態になる。
また、Nレンジ又はハイギヤ段選択前にローギヤ段選択状態(図13の状態)であれば、パーキングプレート64aに一端が連結されたパークロッド64bがパーキングポール18に近接する方向に移動する。しかし、ウエッジ部64eの外径にパーキングポール18が接触する移動量ではないため、パーキングポール18とパークサポート64cの隙間は保持された状態を維持する。このため、パーキング系において、パーキングポール18は回動せず、パーキングポール18の凸部18aとパークギヤ17との噛み合いは解除状態(解放)を維持する。
これにより、マニュアルシャフト62の回転動作が規制され、Nレンジ又はハイギヤ段選択状態の第1電動アクチュエータ41の回転位置が保持される。すなわち、変速機構63によって選択された変速段位置(ニュートラル又はハイギヤ段位置)が保持される。このため、例えば振動や外力の入力が発生しても、マニュアルシャフト62が容易に回転することが防止される。
そのため、各凹溝面66a,66b,66cの間の間隔寸法が固定し、パーク位置保持部である第1凹溝面66aと、変速位置保持部である第2凹溝面66b,第3凹溝面66cとを別部品に設ける場合と比べて、各凹溝面66a,66b,66cの間の寸法精度を向上することができる。この結果、選択した変速段位置やパーキングポール18の噛み合い位置をそれぞれ精度よく保持することができ、係合クラッチ8cとパーキングポール18が同時締結することを防止できる。
そのため、ディテントスプリング65bの係合凸部66dが第1凹溝面66aの斜面を乗り越えるために必要な第1電動アクチュエータ41の駆動力は、この係合凸部66dが第2凹溝面66bや第3凹溝面66cの斜面を乗り越えるために必要な駆動力よりも大きくなる。つまり、第1凹溝面66aによる位置保持力は、第2凹溝面66bや第3凹溝面66cによる位置保持力よりも高い。
そのため、ディテントスプリング65bの係合凸部66dが第2凹溝面66bの第1凹溝面66a側の斜面を乗り越えるために必要な第1電動アクチュエータ41の駆動力は、この係合凸部66dが第3凹溝面66cの斜面を乗り越えるために必要な駆動力よりも大きくなる。
つまり、シフトプレート63aの動作方向に沿って配列された第1,第2,第3凹溝面66a,66b,66cのうち、中間部に配置された第2凹溝面66bによる位置保持力は、端部に配置された第3凹溝面66cによる位置保持力よりも高い。
すなわち、ローギヤ段を選択している状態からハイギヤ段を選択する際、変速機構63による変速段選択位置がオーバーシュートし、適切に位置保持できないことが考えられる。
つまり、係合クラッチ8cの噛み合い締結/解放させるカップリングスリーブ8fの位置は、シフト部63eの位置と、係合クラッチ8cの噛み合い締結位置や解放位置を保持する第2,第3凹溝面66b,66cと、によって決まる。そのため、このシフト部63eと第2,第3凹溝面66b,66cの間の寸法精度は重要である。これに対し、ここでは、シフト部63eと第2,第3凹溝面66b,66cを同一部品に設けたため、シフト部63eと第2,第3凹溝面66b,66cの間の間隔寸法が固定され、例えば別部品に設けた場合と比較して、寸法精度を向上することができる。
この結果、係合クラッチ8cが噛み合い締結しているときの噛み合い深さを十分保つことができ、係合クラッチ8cとパーキングポール18が同時に噛み合い締結することをさらに効果的に防止できる。
そのため、第1電動アクチュエータ41に誤作動等でマニュアルシャフト62の回転過多等が生じた際、変速機構63やパーク機構64の構成部品に作用する荷重を抑えることができ、部品負担を抑制することができる。
実施例1のアクチュエータ連動機構61では、第1電動アクチュエータ41によって回転駆動するマニュアルシャフト62に、変速機構63のシフトプレート63aと、パーク機構64のパーキングプレート64aを設けている。ここで、マニュアルシャフト62の一端に第1電動アクチュエータ41が設けられ、シフトプレート63aとパーキングプレート64aは、マニュアルシャフト62の延在方向に沿って配列されているが、シフトプレート63aの配置位置が、パーキングプレート64aの配置位置よりも、第1電動アクチュエータ41に近接している。
そして、マニュアルシャフト62に設けたシフトプレート63aのマニュアルシャフト軸方向位置に対し、フォークロッド63dを同一の軸方向位置に配置している。
この結果、ブラケットプレート63bの長さを短縮化し、たわみ量を抑制して、変速機構63による変速段選択精度を向上することができる。
実施例1の車両用自動変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
パーキングポール18をパークギヤ17に噛み合い締結し、駆動輪14への回転系を変速機ケースに固定するパーク機構64と、
前記カップリングスリーブ8fと前記パーキングポール18を共に動作させる一つのアクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)と、
前記アクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)によって動作されると共に、前記変速機構63により選択された変速段位置を保持するための変速位置保持部(第2,第3凹溝面66b,66c)、及び、前記パーク機構64による前記パーキングポール18の噛み合い位置を保持するためのパーク位置保持部(第1凹溝面66a)が設けられた一部品からなる第1位置保持部材(ディテント部65a)と、前記変速位置保持部(第2,第3凹溝面66b,66c)又は前記パーク位置保持部(第1凹溝面66a)のいずれか一つに係合する第2位置保持部材(ディテントスプリング65b)と、を有する位置保持機構65と、
を備える構成とした。
これにより、変速機構63とパーク機構64を一つのアクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)によって動作させる際、選択された変速段位置とパーキングポール18の噛み合い位置をそれぞれ精度よく保持することができる。
これにより、(1)の効果に加え、アクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)による変速機構63やパーク機構64の位置設定がオーバーシュートしにくくすることができ、誤締結や誤解放、不要な同時締結等を防止することができる。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、パーキングポール18がパークギヤ17に噛み合った状態が、容易に解除されてしまうことを防止し、停車中に意図せずにパーキングポール18が解除されることを防止できる。
前記変速機構63の配置位置を、前記パーク機構64の配置位置よりも前記アクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)に近接する構成とした。
これにより、(1)〜(3)のいずれかの効果に加え、変速機構63は、パーク機構64よりも、マニュアルシャフト62のねじれの影響を受けにくくなり、変速段の選択精度を向上することができる。
前記シフトプレート63aを設けたマニュアルシャフト軸方向位置に対し、前記フォークロッド63dを、同一の軸方向位置に配置する構成とした。
これにより、(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、ブラケットプレート63bの長さを短縮化してたわみ量を抑制して、変速機構63による変速段選択精度を向上することができる。
前記変速機構63は、前記マニュアルシャフト62に設けられて前記アクチュエータ(第1電動アクチュエータ41)の作動に連動すると共に、前記マニュアルシャフト62の回転運動を並進運動に変換して前記カップリングスリーブ8fに伝達するシフトプレート63aを有し、
前記位置保持機構65は、前記第1位置保持部材を前記シフトプレート63aによって構成し、前記第2位置保持部材を前記変速位置保持部(第2,第3凹溝面66b,66c)又は前記パーク位置保持部(第1凹溝面66a)のいずれか一つに板バネ付勢力にて圧接されるディテントスプリング65bによって構成する。
これにより、(1)〜(5)のいずれかの効果に加え、シフト部63eの位置によって決まる変速機構63の変速段選択精度と、変速位置保持部(第2,第3凹溝面66b,66c)の位置によって決まる位置保持機構65の位置保持精度とを向上し、係合クラッチ8cとパーキングポール18が同時に噛み合い締結することをさらに効果的に防止できる。
例えば、図15及び図16に示すように、変速機構63のシフトフォーク63cをスライド移動させるフォークロッド63dに、第1,第2,第3凹溝面67a,67b,67cを有するディテント部67を形成し、フォークロッド63dを位置保持機構における第1位置保持部材としてもよい。この場合では、第2位置保持部材として、フォークロッド63dの上方位置に、第1,第2,第3凹溝面67a,67b,67cのいずれかに嵌合するチェックボール67dを設ける。
これにより、シフトフォーク63cの動きをリンク部材等を介することなく規制することができ、係合クラッチ8cの位置保持精度を向上することができる。
そのため、チェックボール67dがこの第1凹溝面67aを乗り越えるために必要な第1電動アクチュエータ41の駆動力は、チェックボール67dが第2凹溝面67bや第3凹溝面67cの斜面を乗り越えるために必要な駆動力よりも大きくなる。つまり、第1凹溝面67aによる位置保持力は、第2凹溝面67bや第3凹溝面67cによる位置保持力よりも高くなっている。
これにより、パーキングポール18がパークギヤ17に噛み合った状態が、容易に解除されてしまうことを防止することができる。
これにより、第2凹溝面67bにおける位置保持力は、第3凹溝面67cにおける位置保持力よりも高くなっている。
このため、第2凹溝面67bによって位置保持する際に、オーバーシュートすることを防止し、適切に位置保持することができる。
そのため、カップリングスリーブ8fを動作してロー変速段を選択/解除する際の第1電動アクチュエータ41の動作量よりも、パーキングポール18を動作してパークギヤ17に噛み合わせる際の第1電動アクチュエータ41の動作量が大きくなるように設定される。つまり、変速機構63によって係合クラッチ8cを噛み合い締結/解放させるときのマニュアルシャフト62の回転角度は、パーク機構64によってパーキングポール18をパークギヤ17に噛み合わせるときのマニュアルシャフト62の回転角度に比べて小さい。
6 変速機入力軸
7 変速機出力軸(駆動力伝達軸)
8 ロー側変速機構
8c 係合クラッチ
8d クラッチギヤ
8e クラッチハブ
8f カップリングスリーブ
9 ハイ側変速機構
17 パークギヤ
18 パーキングポール
21 変速コントローラ
41 第1電動アクチュエータ(アクチュエータ)
61 アクチュエータ連動機構
62 マニュアルシャフト
63 変速機構
63a シフトプレート
63b ブラケットプレート(ブラケット)
63c シフトフォーク
63d フォークロッド
64 パーク機構
64a パーキングプレート
64b パークロッド
64c パークサポート
65 位置保持機構
65a ディテント部(第1位置保持部材)
65b ディテントスプリング(第2位置保持部材)
66a 第1凹溝面(パーク位置保持部)
66b 第2凹溝面(変速位置保持部)
66c 第3凹溝面(変速位置保持部)
66d 係合凸部
Claims (8)
- カップリングスリーブの移動により係合クラッチを噛み合い締結/解放し、所定の変速段を選択する変速機構と、
パーキングポールをパークギヤに噛み合い締結し、駆動輪への回転系を変速機ケースに固定するパーク機構と、
前記カップリングスリーブと前記パーキングポールを共に動作させる一つのアクチュエータと、
前記アクチュエータによって動作されると共に、前記変速機構により選択された変速段位置を保持するための変速位置保持部、及び、前記パーク機構による前記パーキングポールの噛み合い位置を保持するためのパーク位置保持部が設けられた一部品からなる第1位置保持部材と、前記変速位置保持部又は前記パーク位置保持部のいずれか一つに係合する第2位置保持部材と、を有する位置保持機構と、
を備えたことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1に記載された車両用自動変速機において、
前記位置保持機構は、前記変速位置保持部及び前記パーク位置保持部を前記アクチュエータによる前記第1位置保持部材の動作方向に沿って配列し、配列方向の端部に配置したいずれかの位置保持部による位置保持力よりも、配列方向の中間部に配置したいずれかの位置保持部による位置保持力を高く設定した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両用自動変速機において、
前記位置保持機構は、前記変速位置保持部による位置保持力よりも、前記パーク位置保持部の位置保持力を高く設定した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された車両用自動変速機において、
前記カップリングスリーブを動作して所定の変速段を選択する際の前記アクチュエータの動作量よりも、前記パーキングポールを動作して前記駆動輪への回転系を前記変速機ケースに固定する際の前記アクチュエータの動作量を大きく設定した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された車両用自動変速機において、
前記アクチュエータによって回転駆動すると共に、延在方向に沿って前記変速機構と前記パーク機構を設けたマニュアルシャフトを設け、
前記変速機構の配置位置を、前記パーク機構の配置位置よりも前記アクチュエータに近接した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された車両用自動変速機において、
前記変速機構は、前記アクチュエータによって回転駆動するマニュアルシャフトに設けたシフトプレートと、前記カップリングスリーブを移動させるシフトフォークを設けたフォークロッドと、前記シフトプレートと前記フォークロッドを連結するブラケットと、を有し、
前記シフトプレートのマニュアルシャフト軸方向位置に対し、前記フォークロッドを、同一の軸方向位置に配置した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された車両用自動変速機において、
前記アクチュエータによって、回転駆動するマニュアルシャフトを有し、
前記変速機構は、前記マニュアルシャフトに設けられて前記アクチュエータの作動に連動すると共に、前記マニュアルシャフトの回転運動を並進運動に変換して前記カップリングスリーブに伝達するシフトプレートを有し、
前記位置保持機構は、前記第1位置保持部材を前記シフトプレートによって構成し、前記第2位置保持部材を前記変速位置保持部又は前記パーク位置保持部のいずれか一つに板バネ付勢力にて圧接されるディテントスプリングによって構成した
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された車両用自動変速機において、
前記変速機構は、前記カップリングスリーブに連結し、前記アクチュエータの作動に連動するフォークロッドを有し、
前記位置保持機構は、前記第1位置保持部材を前記フォークロッドによって構成し、前記第2位置保持部材を前記変速位置保持部又は前記パーク位置保持部のいずれか一つにバネ付勢力にて圧接されるチェックボールによって構成した
ことを特徴とする車両用自動変速機。
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