JP2005069295A - シフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 レンジ切換え装置のディテントプレート1については、パーキングレンジPに対応するディテント溝1−Pと、ディテント溝1−Pに隣接するディテント溝1−Rとの間における山1cを従来のものより高く形成するとともに、パーキングレンジ以外のレンジからパーキングレンジへ切換えを実行する、もしくはパーキングレンジからパーキングレンジ以外のレンジへ切換えを実行する場合には、高トルク特性のサブモータ16を作動させ、パーキングレンジ以外のレンジ同士の間で切換えを実行する場合には、高回転特性のメインモータ15を作動させる。
【選択図】 図1
Description
そして通常時には、コントロールユニットがメインモータを動作させて当該自動変速機の全レンジ間でのレンジ切換えを行い、メインモータの失陥時にはコントロールユニットが、サブモータを動作させて当該自動変速機の全レンジ間でのレンジ切換えを行うものである。
つまり、常用のメインモータの故障でメインモータを用いたレンジ切換え制御からサブモータを用いたレンジ切換え制御に切り替わるまでに、ノイズによる誤作動防止等のために設定した待ち時間などの影響で一定のモータ切換応答遅れ時間が発生する。
ところで、メインモータが上記したごとく高トルク型であることから、ドライブ(D)レンジからパーキング(P)レンジに向けて作動する時に自動変速機のパークロック操作系から負荷抵抗を受けても、ほとんど速度低下することなくパーキング(P)レンジに向かう。
このため、上記のモータ切換応答遅れ時間をかけてメインモータからサブモータに切り替わる前にPレンジに切換わってしまうおそれがあり、変速機出力軸とともに回転しているパーキングギアがパーキングポールを連続的に跳ね上げて不快な騒音が発生したり、パークロック機構が破損する懸念があった。
電気的な目標レンジ信号に応動して目標レンジへの切換えを実行するアクチュエータとして、低トルク用に有利な低トルク型アクチュエータと、高トルク用に有利な高トルク型アクチュエータとを具え、これらを以下のように使い分ける。
つまり、パーキングレンジ以外のレンジからパーキングレンジへの、もしくはパーキングレンジからパーキングレンジ以外のレンジへのレンジ切換え(パーキングレンジに係わるレンジ切換え)を実行する場合、高トルク型アクチュエータを作動させて当該レンジ切換えを行うようにし、
パーキングレンジ以外のレンジ間でのレンジ切換え(パーキングレンジに無関係なレンジ切換え)を実行する場合、低トルク型アクチュエータを作動させて当該レンジ切換を行うようにする。
図1は本発明の構成になるシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置を模式的に例示する全体構成図である。
ディテントプレート1の遊端面1bには図2に明示するように、自動変速機に順次設定されたパーキング(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進自動変速(D)レンジ、2速(II)レンジ、1速(I)レンジにそれぞれ対応したディテント溝1−P,1−R,1−N,1−D,1−II,1−Iを相互に隣り合わせて形成する。
ディテントスプリング4は、遊端のディテントピン5をディテントプレート1の遊端面1bに押し付ける板バネ形式のものとし、これにより、ディテントプレート1の回動時にディテントピン5が順次ディテント溝1−P,1−R,1−N,1−D,1−II,1−I内に陥入するようになし、また、ディテントピン5がディテント溝1−P,1−R,1−N,1−D,1−II,1−I間で往来する間にこれらディテント溝間の山を乗り越えることで適度の負荷抵抗をディテントプレート1の回動に対して付与するようになす。
しかして本実施例では図2に明示するように、ディテント溝1−Pおよび1−R間における山1cを、一般的には破線で示すごときものであったが、他のディテント溝1−R,1−N,1−D,1−II,1−I間における山よりも高くし、これにより、ディテントピン5がディテント溝1−P,1−R間を往来する時の負荷抵抗を、ディテント溝1−R,1−N,1−D,1−II,1−I間を往来する時の負荷抵抗よりも大きくする。
ディテントプレート1の遊端部には更にパークロッド7を連結し、このパークロッド7を、ディテントプレート1の回動につれてストローク可能とする。
パークロッド7上には、円錐形状のパーキングカム8を摺動自在に嵌合して設け、このカム8をバネ9によりストローク方向所定位置に弾支する。
このパークロック装置は以下のように作用して、自動変速機をパークロック状態となす。
ディテントプレート1のPレンジ方向への回動によりパークロッド7を矢印方向にストロークさせると、バネ9を介してカム8が同方向に変位される。
これによりカム8の円錐先細端がパーキングポール11の下にもぐり込んでパーキングポール11を図1の上方に回動させ、その爪11aがパーキングギア10の外周歯溝に進入することで、パーキングギア10(変速機出力軸)を回転止めしたパークロック状態を得ることができる。
レンジセレクタ18は、中心にセレクト摘み18aを具え、運転者がこのセレクト摘み18aを回転操作して、自分が希望するレンジに対応した位置P,R,N,R,II,Iをセレクト摘み18aが指示するようにするとき、レンジセレクタ18は希望するレンジに対応した目標レンジ信号Srを出力するものとする。
ここで、低トルク型メインモータ15または高トルク型サブモータ16をの何れを用いて上記のレンジ選択を行うかは、図3の制御プログラムによりこれを決定することとする。
先ずステップS1において、選択レンジ信号Spをもとに現在選択中のレンジがPレンジか否かを、つまり、今回のレンジセレクト操作がPレンジからのレンジ切換え指令であるのか否かを判定する。
今回のレンジセレクト操作がPレンジからのレンジ切換え指令でなければ、ステップS2において、目標レンジ信号Srをもとに指令中の目標レンジがPレンジか否かを、つまり、今回のレンジセレクト操作がPレンジへのレンジ切換え指令であるのか否かを判定する。
しかし、ステップS1でPレンジからPレンジ以外のレンジへのレンジ切換え指令であると判定された場合や、ステップS2でPレンジ以外のレンジからPレンジへのレンジ切換え指令であると判定された場合、つまり、Pレンジに係わるレンジ切換え指令であると判定された場合、ステップS4において、高トルク型のサブモータ16を作動させて対応するレンジ切換えを実行する。
かかるディテントプレート1の回動により、マニュアルシャフト6が図示せざるマニュアル弁をストロークさせ、ディテントプレート1の回動位置信号である選択レンジ信号Spが目標レンジ信号Srに一致したところで、ディテントプレート1を回動させていたメインモータ15またはサブモータ16の停止させる。
かくてマニュアル弁も目標レンジ信号Srに対応した位置にストロークしたところで停止し、自動変速機を目標レンジ信号Srに対応したレンジが選択された状態にすることができる。
一方、ディテントプレート1の回動による上記レンジ切換えに伴い、ディテントピン5がディテントプレート外周面のディテント溝1−P,1−R,1−N,1−D,1−II,1−Iのうち、目標レンジに対応したディテント溝内に陥入してディテントプレート1を目標レンジに対応した回動位置に保持し、目標レンジが選択された状態を保つことができる。
しかして、このフェール検知がノイズによる誤検知かもしれないことから、誤検知防止用の所定時間Δtだけ待機し、フェール検知時t1からこの所定時間Δtが経過した時刻t2に至っても未だマニュアルシャフト6が目標レンジ位置であるNレンジ位置から遠ざかっている状態をもって上記のフェール状態が確実なものであるとし、時刻t2にフェール発生との判定を下す。
なお、当該モータブレーキのみではメインモータ15の速度低下不足からマニュアルシャフト1をPレンジ位置への移動前にを完全に停止させることができないといった状況も懸念されるため、図2につき前述したごとくディテントプレート1のディテント溝1−Pおよび1−R間における山1cを他のディテント溝間における山よりも高くする。
なお以後、コントローラ17は故障したメインモータ15を用いず、正常なサブモータ16の作動により全てのレンジ間での切換えを行わせる。
このため、メインモータ15は低トルク型とはいえども、上記した構成のもと全てのレンジ間での切換えを行わせ得る程度のトルクを発生するものあることは言うまでもない。
低トルク型アクチュエータ(メインモータ15)が失陥した後、高トルク型アクチュエータ(サブモータ16)への切り換えが完了する前に、低トルク型アクチュエータ(メインモータ15)が失陥によりPレンジ方向へ作動し続けた場合であっても、低トルク型アクチュエータ(メインモータ15)がその低トルク故に、Pレンジ位置の手前で前記モータブレーキや、図2における山1cに伴う負荷抵抗や、パークロック装置の動作に伴う負荷抵抗などを受けて確実に速度低下され、失陥した低トルク型アクチュエータ(メインモータ15)から正常な高トルク型アクチュエータ(サブモータ16)に切り替わる前にPレンジに切換わってしまうのを防止でき、パーキングギア10から不快な騒音が発生したり、パークロック機構が破損する懸念を払拭することができる。
坂道にてPレンジ停車中、レンジ切換え操作をして発進する際に、パーキングギア10からパーキングポール11を抜くのに大きな力が必要であるといえども、難なくパーキングギア10からパーキングポール11を抜いて当該発進時のレンジ切換えを迅速、且つ、確実に行わせることができる。
この代わりに図5に示すごとく、山1cの高さは図2に破線で示す一般的な山の高さと同じ程度にし、図2におけるディテント溝1−R,1−N,1−D,1−II,1−I間における他の山をなくして、Pレンジに無関係なレンジ切換えを実行する間は負荷抵抗を発生することのないようにすることで、Pレンジに係わるレンジ切換えを実行する時、Pレンジに無関係なレンジ切換えを実行する場合よりも大きな負荷抵抗を付与するディティント手段となすことができる。
これら3者のうちの任意の2つのみ、若しくは1つのみで、故障中のメインモータ15を減速させるようにしてもよい。
特にパークロック装置の作動負荷は、何れにしても存在しているため、これのみにより故障中のメインモータ15を減速させるようにすれば、他の2者が不要となってコスト上大いに有利である。
2 軸
3 中心歯車
4 ディテントスプリング
5 ディテントピン
6 マニュアルシャフト
7 パークロッド
8 パーキングカム
9 バネ
10 パーキングギア
11 パーキングポール
13,14 ピニオン
15 メインモータ
16 サブモータ
17 コントローラ
18 レンジセレクタ
19 選択レンジセンサ
Claims (4)
- 電気的な目標レンジ信号に応動するアクチュエータにより、目標レンジへの切換えを実行するシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置において、
前記アクチュエータとして、低トルク用に有利な低トルク型アクチュエータと、高トルク用に有利な高トルク型アクチュエータとを具え、
パーキングレンジ以外のレンジからパーキングレンジへの、もしくはパーキングレンジからパーキングレンジ以外のレンジへの、パーキングレンジに係わるレンジ切換えを実行する場合には、前記高トルク型アクチュエータを作動させて該レンジ切換えを行い、
パーキングレンジ以外のレンジ間での、パーキングレンジに無関係なレンジ切換えを実行する場合には前記低トルク型アクチュエータを作動させて該レンジ切換を行うよう構成したことを特徴とするシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置。 - 請求項1に記載のシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置において、
前記パーキングレンジに係わるレンジ切換えを実行する時、前記パーキングレンジに無関係なレンジ切換えを実行する場合よりも大きな負荷抵抗をレンジ切換え装置に付与するディテント手段を設けたことを特徴とするシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置。 - 請求項2に記載のシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置において、
前記ディテント手段は、前記パーキングレンジに無関係なレンジ切換えを実行する間レンジ切換え装置に負荷抵抗を与えないよう構成したことを特徴とするシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載のシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置において、
一方のアクチュエータが失陥した場合には、他方のアクチュエータを用いて、前レンジ間でのレンジ切換えを実行するよう構成したことを特徴とするシフトバイワイヤ式自動変速機のレンジ切換え装置。
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