WO2011128938A1 - 自動変速機のシフトレンジ切替装置 - Google Patents

自動変速機のシフトレンジ切替装置 Download PDF

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Abstract

 シフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができる自動変速機のシフトレンジ切替装置を提供する。ECUは、自動変速機が所定のシフトレンジに切り替えられている状態で(ステップS1)、アクチュエータを所定の方向に回転させた後に(ステップS2)、アクチュエータの通電をオフにし(ステップS3)、アクチュエータの通電がオフにされたときのエンコーダによって計数される計数値の変動に基づいて(ステップS4)、所定のシフトレンジに対応するアクチュエータの基準位置を検出する(ステップS5)。

Description

自動変速機のシフトレンジ切替装置
 本発明は、自動変速機のシフトレンジ切替装置に関する。
 近年、従来の自動変速機のシフトレンジ切替装置としては、ディテントレバーの駆動形態として、直接操作方式と呼ばれる形態の他に、運転者によるシフトレバーの操作をセンサやスイッチ等によって検出し、この検出した操作を表すシフトレンジ信号に応じてアクチュエータでディテントレバーを適宜に駆動する形態の所謂シフト・バイ・ワイヤ方式と呼ばれる技術が用いられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
 この特許文献1に開示された自動変速機のシフトレンジ切替装置は、アクチュエータにより回転されるシャフトと、シャフトの回転に伴って回転されるディテントプレートと、ディテントレバーの回転に伴って動作するパーキングロッドと、自動変速機の出力軸に固定されたパーキングギアと、パーキングギアをロックするためのパーキングロックポールと、ディテントレバーの回転を制限してシフトレンジを固定するディテントスプリングとを有するシフト制御機構を備えている。
 この特許文献1に開示されたシフト制御機構は、ディテントレバーの外周にパーキング状態とパーキング解除状態に対応する谷がそれぞれ形成され、一方ディテントスプリングには、ローラが設けられている。このローラが、アクチュエータの回転に連れて回転されるディテントレバーの外周に沿って移動し、何れか一方の谷に嵌ることにより、パーキング状態およびパーキング解除状態の何れか一方に切り替えるようになっている。このような構成により、特許文献1に開示された自動変速機のシフトレンジ切替装置は、少なくともパーキングレンジおよびパーキングレンジ以外のシフトレンジに切替え可能になっている。
 ここで、特許文献1に開示された自動変速機のシフトレンジ切替装置は、谷を形成する回転方向側の壁にローラが衝突しない位置を目標回転位置として設定し、アクチュエータの回転を制御することにより、シフト制御機構にかかる負荷を低減している。
 この目標回転位置は、シフトレンジ切替時にアクチュエータに回転させる目標位置であり、ローラが壁に当接する基準位置に対して、アクチュエータからディテントレバーまでのガタを考慮したマージンを以って定められる。したがって、基準位置を正確に検出しないと、目標回転位置を適切に定めることができなくなり、アクチュエータの回転動作によりシフト制御機構に負荷がかかり、シフト制御機構の耐久性が低下してしまう。
 このため、特許文献1に開示された自動変速機のシフトレンジ切替装置は、基準位置を正確に検出するために、アクチュエータによる回転力と、ディテントスプリングの復元力と、ロッドの復元力とがつり合うまで、ディテントレバーの壁にローラを押し当て、アクチュエータの印加電圧とディテントレバーの撓み量または伸び量との関係に基づいて、アクチュエータの基準位置を検出している。
特開2005-090575号公報
 しかしながら、このような従来のシフトレンジ切替装置にあっては、アクチュエータの基準位置を検出するために、アクチュエータによる回転力と、ディテントスプリングの復元力と、ロッドの復元力とがつり合うまで、ディテントレバーの壁にディテントスプリングのローラを押し当てるため、シフト制御機構に負荷をかけてしまい、シフト制御機構の耐久性を低下させてしまうといった課題があった。
 本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、シフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができる自動変速機のシフトレンジ切替装置を提供することを目的とする。
 本発明の自動変速機のシフトレンジ切替装置は、アクチュエータを用いてシフトレンジを切り替える自動変速機のシフトレンジ切替装置において、前記アクチュエータの回転に応じて計数する計数手段と、前記アクチュエータの回転を制御する回転制御手段と、所定のシフトレンジにおいて前記アクチュエータの所定の方向の回転を規制する規制手段と、前記規制手段によって規制される前記アクチュエータの基準位置を検出する基準位置検出手段と、を備え、前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に回転させた後に、前記アクチュエータの通電をオフにし、前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの前記計数手段によって計数される計数値の変動に基づいて、前記基準位置を検出するよう構成されている。
 この構成により、基準位置を検出するために、アクチュエータによる回転力と、規制手段による復元力とがつり合うまで、アクチュエータを回転させる必要がなくなるため、規制手段を構成するシフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができる。
 好ましくは、前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に1計数値分回転させるたびに、前記アクチュエータの通電をオフにし、前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転されたときの計数値の変動方向と、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの計数値の変動方向とが逆になった場合に、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転される前の計数値に基づいて前記基準位置を検出するようにしてもよい。
 この構成により、基準位置を検出するために、規制手段にかかる負荷を1計数値相当に抑えることができるため、規制手段を構成するシフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができる。
 好ましくは、前記アクチュエータが現在位置から前記所定の方向に所定計数値分回転された後に通電をオフされたときの戻り量に応じた第1の計数値と、前記基準位置から前記現在位置までの距離に応じた第2の計数値との対応を表すマップを格納するマップ格納手段を備え、前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを現在位置から前記所定の方向に前記所定計数値分回転させて、前記アクチュエータの通電をオフにし、前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値に前記マップ上で対応する第2の計数値と、前記現在位置とに基づいて前記基準位置を検出するようにしてもよい。
 この構成により、アクチュエータによる回転力と、規制手段による復元力とがつり合うまでアクチュエータを回転させない範囲で、アクチュエータを1回だけ回転させるだけで基準位置を検出することができるため、基準位置を速やかに検出することができる。
 好ましくは、前記マップを補正するマップ補正手段をさらに備え、前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に1計数値分回転させるたびに、前記アクチュエータの通電をオフにし、前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転されたときの計数値の変動方向と、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの計数値の変動方向とが逆になった場合に、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転される前の計数値に基づいて前記基準位置を検出し、前記回転制御手段は、前記基準位置が検出されると、前記アクチュエータを任意の位置から前記所定の方向に前記所定計数値分回転させて、前記アクチュエータの通電をオフにし、前記マップ補正手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値と、前記基準位置から前記任意の位置までの距離に応じた第2の計数値とによって、前記マップを補正するようにしてもよい。
 この構成により、規制手段等を構成する部材および部材間の組み付けのバラつきや経年変化に応じて、マップを最適化することができる。
 好ましくは、前記マップ補正手段は、前記アクチュエータが待機中に前記マップを補正するようにしてもよい。
 この構成により、基準位置を検出するときには、マップが確定されているため、基準位置を速やかに検出することができる。
 本発明によれば、シフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができる自動変速機のシフトレンジ切替装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両のパワートレーンの構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すシフト制御装置の斜視図である。 図2に示すディテントレバーの外観図である。 図1に示すECUによるアクチュエータの制御方法を説明するための概念図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置によるP壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置による非P壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置によって参照されるマップを示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置によるP壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置によるP壁基準位置検出用のマップ補正動作を説明するためのフローチャートである。
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
 (第1の実施の形態)
 まず、図1を参照して、本発明に係るシフトレンジ切替装置が適用される車両のパワートレーンについて説明する。
 図1は、フロントエンジン・フロントドライブ方式のパワートレーンを示している。車両1は、駆動源としてのエンジン2と、自動変速機3と、駆動輪4と、を備えている。
 エンジン2は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等によって構成され、その運転動作は後述するECU(Electronic Control Unit)5により制御される。
 自動変速機3は、主として、トルクコンバータ6、変速機構部7、油圧制御部8等を含んで構成されており、その変速動作はECU5により制御される。
 自動変速機3の変速機構部7は、主として、複数の遊星機構、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合要素、ワンウェイクラッチ等を含み、摩擦係合要素をECU5で予め規定された作動表に従い係合、解放させることにより、要求される変速段を成立させるようになっている。
 油圧制御部8には、油圧回路にマニュアルバルブが設けられ、例えばリバース(後進走行)ポジションR、ニュートラルポジションN、ドライブ(前進走行)ポジションDのそれぞれに対応するように、前述した各摩擦係合要素に対する油圧経路を確保するようになっている。具体的には、油圧制御部8は、ECU5から出力されたシフトレンジ切替要求信号に応じて図示しない駆動機構がマニュアルバルブを駆動することにより、各シフトレンジに対応した油圧経路が形成されることとなる。このように、油圧制御部8は、ECU5から出力されたシフトレンジ切替要求信号に応じて電気的に制御されるようになっている。
 なお、本実施の形態においては油圧制御部8が、マニュアルバルブを備えた構成であるが、マニュアルバルブを設けずに、油圧回路に設けられたソレノイドバルブをECU5がシフトレンジ切替要求信号に応じて制御することにより、各シフトポジションに対応するよう前述した各摩擦係合要素に対する油圧経路を確保するようにしてもよい。
 駆動輪4は、自動変速機3内に配置されるデファレンシャル19および車軸を介して前進駆動力や後進駆動力が伝達されて、回転駆動される。
 自動変速機3の変速機構部7は、後述するシフトレバーの操作に応じてパーキングレンジとパーキングレンジ以外のシフトレンジとを成立させるよう制御するシフト制御装置9を備えており、このシフト制御装置9は、ECU5から出力されたシフトレンジ切替要求信号に応じて電気的に制御されるようになっている。
 また、車両1は、検出した信号をECU5に入力する入力部としてレバーポジションセンサ12および車両電源スイッチ13を備えており、また、ECU5から出力された信号に基づいた情報を出力する出力部としての表示部18を備えている。
 次に、図2を参照して、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置について説明する。
 図2に示すように、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、シフトレバー11と、レバーポジションセンサ12と、車両電源スイッチ13と、ECU(Electronic Control Unit)5と、シフト制御装置9と、表示部18と、油圧制御部8と、を含んで構成されている。
 シフトレンジ切替装置10は、シフトレバー11の操作に応じて電気的にシフトレンジを切り替えるシフト・バイ・ワイヤ方式と呼ばれる構成になっている。具体的には、ECU5によって制御されたシフト制御装置9および油圧制御部8によってシフトポジションに対応したシフトレンジに切り替えられるようになっている。
 シフトレバー11は、パーキングレンジ(以下、「Pレンジ」という)、ドライブレンジ(以下、「Dレンジ」という)、リバースレンジ(以下、「Rレンジ」という)およびニュートラルレンジ(以下、「Nレンジ」という)のなかからシフトレンジを選択できるようになっている。具体的には、シフトレバー11は、各シフトポジションに対応した位置に案内部材によって案内されるようになっており、この案内部材によって各シフトポジションの位置でシフトレバー11の姿勢が保持されるよう構成されている。なお、以下Dレンジ、RレンジおよびNレンジなどのPレンジ以外のシフトレンジを「非Pレンジ」という。
 レバーポジションセンサ12は、図中一つのセンサによって構成されているように見えるが、実際には複数設けられ、各シフトポジションに対応した位置にそれぞれ設けられている。このため、ECU5は、各シフトポジションセンサの検出信号を取得することにより、運転者により操作されたシフトレバー11のシフトポジションを検出することが可能になっている。なお、本発明において、シフトレンジ切替装置10は、シフトレバー11およびレバーポジションセンサ12に代えて、Pスイッチおよびシフトスイッチを備えるようにしてもよい。また、シフトレンジ切替装置10は、Pレンジのみ押し釦式のスイッチによって検出してもよく、この場合、非Pレンジ以外のシフトポジションは、シフトレバー11の操作をレバーポジションセンサ12で検出するようにする。
 車両電源スイッチ13は、車両電源のオン/オフを切り替えられるようになっている。車両電源スイッチ13は、例えば、イグニッションスイッチによって構成される。シフトレンジ切替装置10は、車両電源スイッチ13がオンされることにより、バッテリから車両1の各部に電力が供給されて、起動するようになっている。
 ECU5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェースを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。このCPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って動作することにより、シフトレンジ切替装置10の各部を統括的に制御するようになっている。
 なお、本実施の形態においては、車両1は、説明の便宜上一つのECU5を備えているが、これに限らず複数のECUによって車両1を制御するようにしてもよい。この場合、車両1は、例えばエンジンを制御するエンジンECU、自動変速機を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)-ECU、シフト制御装置を制御するSBW(Shift-By-Wire)-ECUを備え、各ECUは、各種センサから取得した情報を相互にやり取りする。
 ECU5は、自動変速機3のシフトレンジをレバーポジションセンサ12によって検出されたシフトレンジに切り替える制御を行うとともに、レバーポジションセンサ12によって検出された検出結果に応じて現在のシフトレンジの状態を表示部18に表示させるようになっている。なお、本実施の形態において、ECU5は、レバーポジションセンサ12によって検出された検出結果に応じて現在のシフトレンジの状態を表示部18に表示させるようになっているが、油圧制御部8に設けられた複数の油圧センサから取得した取得結果と、予めROMに記憶された摩擦係合要素の作動表とに基づいて非Pレンジ以外のシフトレンジを判定するとともに、後述するPロック判定位置に基づいてPレンジを判定し、これを現在のシフトレンジの状態として表示部18に表示させるようにしてもよい。このようにECU5は、現在のシフトレンジの状態を表示部18に表示させる際に、実際の車両1の状態に基づいて行ってもよい。
 ECU5は、自動変速機3のシフトレンジをPレンジと非Pレンジとの間で切り替えるために、シフト制御機構17を駆動するアクチュエータ15を制御するようになっている。このように、ECU5は、アクチュエータ15の回転を制御するので、本発明に係る回転制御手段を構成している。
 そして、ECU5は、シフトレンジが非Pレンジであるときに、シフトレバー11によってPレンジが選択されると、ECU5は、アクチュエータ15を制御することにより、シフト制御機構17のシフトレンジをPレンジに切り替えるようになっている。
 一方、ECU5は、シフトレンジがPレンジであるときに、シフトレバー11によって非Pレンジが選択されると、アクチュエータ15を制御することにより、シフト制御機構17のシフトレンジを非Pレンジに切り替えるようになっている。
 さらに、ECU5は、シフトレバー11によってPレンジ以外のシフトレンジが選択されると、選択されたシフトポジションに対応するシフトレンジを形成するようマニュアルバルブを含む油圧制御部8を制御するようになっている。具体的には、ECU5は、マニュアルバルブを駆動する駆動機構を制御することにより、各シフトレンジに対応した油圧経路を確保するようマニュアルバルブを軸方向に駆動させるようになっている。
 アクチュエータ15は、スイッチドリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」という)と、サイクロイドギアを有する減速機構とによって構成され、ECU5に制御されてシフト制御機構17を駆動するようになっている。このように、シフト制御機構17は、運転者によるシフトレバー11の操作に応答して電気的に制御される。
 エンコーダ16は、SRモータの回転量を検知し、SRモータの回転量に応じて計数するようになっている。本実施の形態において、エンコーダ16は、A相、B相およびZ相の信号を出力するロータリーエンコーダによって構成される。なお、エンコーダ16は、アクチュエータ15の回転に応じて計数するので、本発明に係る計数手段を構成している。
 ECU5は、エンコーダ16によって計数された計数値を表す信号に基づいて、SRモータを駆動するための通電を制御するようになっている。
 表示部18は、ECU5の指示に基づいて、ドライバーに対する指示および警告、ならびに、車両1の機器の状態およびシフトレンジの状態などを表示するようになっている。
 図3は、シフト制御装置9の構成を示している。このシフト制御装置9は、エンコーダ16と、アクチュエータ15と、パーキング機構として機能するシフト制御機構17と含んで構成されている。
 シフト制御機構17は、アクチュエータ15により回転されるシャフト30と、シャフト30の回転に伴って回転されるディテントレバー31と、ディテントレバー31の回転に伴って変位されるパーキングロッド32と、自動変速機3の出力軸3aに一体回転可能に固定されたパーキングギア33と、パーキングギア33をロックするためのパーキングロックポール34と、ディテントレバー31の回転を制限してシフトレンジを固定するディテントスプリング35とを備えている。
 このように、シフト制御機構17は、必要に応じて自動変速機3の出力軸3aを回転不可能なロック状態や、回転可能なアンロック状態にする。なお、自動変速機3の出力軸3aとしては、例えばカウンタードライブギア等とされるが、その他の動力伝達軸とすることも可能である。
 パーキングロックポール34は、パーキングギア33の近傍に一端側を支点として動くように配置されている。このパーキングロックポール34の長手方向途中には、パーキングギア33の歯間に係入または離脱可能とされる爪34aが設けられている。
 パーキングロッド32は、ディテントレバー31による回動動作によって出力軸3aと略平行に前端側または後端側に変位されるように配置されている。
 このパーキングロッド32の前端は、ディテントレバー31に連結されていて、パーキングロッド32の後端には、パーキングロックポール34を動かすためのテーパコーン37が設けられている。
 なお、テーパコーン37は、パーキングギア33側への移動が規制されるとともに、コイルスプリング38によりパーキングギア33側へ押圧されている。このコイルスプリング38は、パーキングロッド32に取り付けられており、パーキングロッド32に固定されているスナップリングによって受け止められている。
 ディテントレバー31は、シャフト30に対して、例えばスプライン結合により一体回転可能に取り付けられている。ディテントレバー31の上端側には、二つの溝31a,31bが設けられている。このように、ディテントレバー31には、2つの溝31a,31bにより2つの谷が形成され、谷の間には山41が形成される。
 このディテントレバー31にはパーキングロッド32が連結されている。この連結の形態としては、例えばディテントレバー31の所定位置に設けられる貫通孔に、パーキングロッド32の屈曲端を挿入してから、この屈曲端に図示しないスナップリングや係止ピン等でもって抜け止め固定するようになっている。
 ディテントスプリング35は、板ばね等からなりディテントレバー31の姿勢を保持するもので、一端が自動変速機3のケース等に固定されている。このディテントスプリング35には、他端にディテントレバー31に設けられる溝31a,31bに係合されるローラ36が設けられている。このディテントスプリング35のローラ36は、パーキング解除時に溝31bに係合され、パーキング時に溝31aに係合される。
 シャフト30は、自動変速機3のケース等に回動自在に支持されており、アクチュエータ15よって正逆両方向に所定角度回転駆動されるようになっている。このアクチュエータ15は、シフトレバー11に対する人的操作に応答して、ECU5により電気的に制御されるようになっている。
 次に、シフト制御機構17の動作について説明する。
 図3は、ディテントスプリング35のローラ36が、溝31bに係止してシフトレンジが非Pレンジであるときの状態を示している。この状態では、パーキングロックポール34がパーキングギア33をロックしていないため、自動変速機3の出力軸3aの回転は妨げられない。
 この状態からアクチュエータ15によりシャフト30が矢印Aで示す方向に回転させられると、ディテントレバー31を介してパーキングロッド32が矢印Bで示す方向に押され、パーキングロッド32のテーパコーン37によりパーキングロックポール34が矢印Cで示す方向に押し上げられる。
 このとき、ディテントレバー31の回転に伴ってディテントレバー31の外周に形成された2つの谷のうちの一方、すなわち非Pレンジ位置40にあったディテントスプリング35のローラ36は、山41を乗り越えて他方の谷、すなわちPレンジ位置42に移される。
 ローラ36がPレンジ位置42に移されるまでディテントレバー31が回転されるに連れて、パーキングロックポール34は、パーキングギア33をロックする位置まで押し上げられる。これにより、自動変速機3の出力軸3aの回転が規制される。
 ここで、ECU5は、シフトレンジ切り替え時にシャフト30、ディテントレバー31、パーキングロッド32およびディテントスプリング35を含むシフト制御機構17にかかる負荷を低減するよう、ディテントスプリング35のローラ36が山41を乗り越えて谷に落ちるときの衝撃が小さくなるように、アクチュエータ15の回転量を制御するようになっている。
 同様に、ECU5は、シフトレンジ切り替え時にシフト制御機構17にかかる負荷を低減するよう、シフトレンジがPレンジから非Pレンジに切り替えられるときにも、ディテントスプリング35のローラ36が山41を乗り越えて谷に落ちるときの衝撃が小さくなるように、アクチュエータ15の回転量を制御するようになっている。
 図4は、ディテントレバー31の外観を示している。ディテントレバー31の外周に形成された各谷において、山41から離れた面をそれぞれ壁という。すなわち、各壁は、ディテントスプリング35のローラ36が山41を乗り越えて谷に落ちるときに、ローラ36が向かう位置にそれぞれ形成されている。
 以下、Pレンジ位置42における壁を「P壁」といい、非Pレンジ位置40における壁を「非P壁」という。ECU5は、ローラ36を非Pレンジ位置40からPレンジ位置42に移動させる場合には、P壁50がローラ36に衝突しないようにアクチュエータ15を制御するようになっている。
 具体的には、ECU5は、P壁50がローラ36に衝突する手前の位置でアクチュエータ15の回転を停止するようになっている。以下、この位置を「P目標回転位置」という。
 一方、ECU5は、ローラ36をPレンジ位置42から非Pレンジ位置40に移動させる場合には、非P壁51がローラ36に衝突しないようにアクチュエータ15を制御するようになっている。
 具体的には、ECU5は、非P壁51がローラ36に衝突する手前の位置でアクチュエータ15の回転を停止するようになっている。以下、この位置を「非P目標回転位置」という。
 このように、ECU5は、ディテントスプリング35のローラ36が山41を乗り越えて谷に落ちるときに、P壁50および非P壁51に衝突しないようにアクチュエータ15を制御することにより、シフト制御機構17にかかる負荷を低減している。
 図5は、ECU5によるアクチュエータ15の制御を説明するための図である。アクチュエータ15の回転に伴って、ディテントレバー31が回転し、アクチュエータ15の回転は、P壁50または非P壁51により規制される。なお、ディテントレバー31とディテントスプリング35は、協働して所定のシフトレンジにおいてアクチュエータ15の所定の方向の回転を規制するので、本発明に係る規制手段を構成する。より詳しくは、ディテントレバー31のP壁50または非P壁51は、本発明に係る規制手段の一部を構成する。
 図5において、ローラ36がP壁50に当接する位置(以下、「P壁基準位置」という)およびローラ36が非P壁51に当接する位置(以下、「非P壁基準位置」という)が概念的に示されている。
 ECU5は、エンコーダ16によって検出されたアクチュエータ15の回転位置がP壁基準位置または非P壁基準位置から所定回転量の範囲内にある場合に現在のシフトレンジを検出するようになっている。
 すなわち、ECU5は、シフトレンジの判定基準として、Pロック判定位置およびP解除判定位置を設定するようになっている。ここで、P壁基準位置からPロック判定位置までの範囲および非P壁基準位置からP解除判定位置までの範囲を、シフトレンジ判定範囲という。
 具体的には、ECU5は、エンコーダ16で検出されたアクチュエータ15の回転位置がP壁基準位置からPロック判定位置の範囲にあるときには、現在のシフトレンジがPレンジであると判定し、アクチュエータ15の回転位置が非P壁基準位置からP解除判定位置の範囲にあるときには、現在のシフトレンジが非Pレンジであると判定するようになっている。
 また、ECU5は、アクチュエータ15の回転位置がPロック判定位置からP解除判定位置の間にあるときには、現在のシフトレンジが不定またはシフトレンジが切替中であると判定するようになっている。
 ここで、ECU5は、前回の車両電源スイッチ13のオフ時におけるシフトレンジをEEPROMに記憶しておくようになっている。そして、車両電源スイッチ13がオンされるとき、ECU5は、EEPROMに記憶されていたシフトレンジを現在のシフトレンジに設定する。したがって、基準位置検出制御では、現在のシフトレンジにおける壁位置を検出する。なお、ECU5は、前回のシフトレンジが記憶されていない場合には、車両1の速度に基づいて現在のシフトレンジを設定するようになっている。具体的には、車速が3km/h以下の低速の場合には、ECU5は現在のシフトレンジをPレンジと定め、一方、車速が3km/hよりも速い中高速の場合には、現在のシフトレンジを非Pレンジと定める。なお、前回のシフトレンジが記憶されていない状態で車速が中高速にある場合とは、例えば、車両1が走行中に電源が瞬断されて、現在のシフトレンジのデータを消失したような状況に相当する。ほとんどの場合には、車両電源スイッチ13のオン時、車速が低速であることが判定され、現在のシフトレンジがPレンジと定められることとなる。
 ECU5は、P壁基準位置とPロック判定位置との間にP目標回転位置を設定するようになっている。P目標回転位置は、シフトレンジが非PレンジからPレンジに切り替えられるときに、ディテントスプリング35のローラ36にP壁50が衝突しないように、P壁基準位置から所定のマージンをもって定められる。
 このマージンは、アクチュエータ15からディテントレバー31までのガタを考慮して余裕をもって予め設定されている。このマージンより、シフトレンジが切り替えられたときのP壁50とローラ36との衝突を回避できる。
 同様に、ECU5は、非P壁基準位置とP解除判定位置との間に非P目標回転位置を設定するようになっている。非P目標回転位置は、シフトレンジがPレンジから非Pレンジに切り替えられるときに、ディテントスプリング35のローラ36に非P壁51が衝突しないように、非P壁基準位置から所定のマージンをもって定められる。
 このマージンは、アクチュエータ15からディテントレバー31までのガタを考慮して余裕をもって設定されている。このマージンより、シフトレンジが切り替えられたときの非P壁51とローラ36との衝突を回避することができる。なお、非P壁基準位置からのマージンとP壁基準位置からのマージンとは同一である必要はなく、ディテントレバー31の形状などによってそれぞれ定められていてもよい。
 このように、P壁基準位置および非P壁基準位置は、Pレンジ位置42および非Pレンジ位置40におけるシフトレンジ判定範囲および目標回転位置をそれぞれ定めるための基準位置となる。したがって、P壁基準位置および非P壁基準位置は、ECU5によって正確に検出されることが必要となる。
 次に、本発明の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置を構成するECU5の特徴的な構成について説明する。
 ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によって規制されるアクチュエータ15の基準位置を検出するようになっている。例えば、ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によってアクチュエータ15の回転が規制されるアクチュエータ15のP壁基準位置を検出するようになっている。また、ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によってアクチュエータ15の回転が規制されるアクチュエータ15の非P壁基準位置を検出するようになっている。
 具体的には、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとしてPレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15をP壁50の方向に回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動に基づいて、P壁基準位置を検出するようになっている。一方、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとして非Pレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15を非P壁51の方向に回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動に基づいて、非P壁基準位置を検出するようになっている。
 ここで、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとしてPレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15をP壁50の方向にエンコーダ16の計数値として1計数分回転させる度に、アクチュエータ15の通電をオフにする。このときECU5は、アクチュエータ15がP壁50の方向に回転させたときのエンコーダ16の計数値の変動方向と、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16の計数値の変動方向が逆になった場合に、アクチュエータ15がP壁50の方向に回転される前のエンコーダ16の計数値に基づいてP壁基準位置を検出するようになっている。
 一方、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとして非Pレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15を非P壁51の方向にエンコーダ16の計数値として1計数分回転させる度に、アクチュエータ15の通電をオフにする。このときECU5は、アクチュエータ15が非P壁51の方向に回転させたときのエンコーダ16の計数値の変動方向と、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16の計数値の変動方向が逆になった場合に、アクチュエータ15が非P壁51の方向に回転される前のエンコーダ16の計数値に基づいて非P壁基準位置を検出するようになっている。
 このように、ECU5は、アクチュエータ15の基準位置を検出するので、本発明に係る基準位置検出手段を構成している。また、本実施の形態におけるアクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動とは、計数値の変動方向が変わったことを意味する。
 なお、好ましい態様として、ECU5は、現在のシフトレンジがPレンジにある場合には、P壁基準位置を検出し、現在のシフトレンジが非Pレンジにある場合には、非P壁基準位置を検出する。
 図6は、シフトレンジ切替装置10によるP壁基準位置を検出するためのP壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明するP壁基準位置検出動作は、ECU5の起動時、瞬断時および異常検出時に実行される。
 まず、ECU5は、P壁基準位置検出モードであるか否かを判断する(ステップS1)。ここで、ECU5は、EEPROMに記憶されたシフトレンジがPレンジであるときにP壁基準位置検出モードであると判断し、EEPROMに記憶されたシフトレンジが非PレンジであるときにP壁基準位置検出モードではないと判断する。
 なお、ECU5は、EEPROMにシフトレンジが記憶されていない場合には、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジがPレンジであるときにP壁基準位置検出モードであると判断し、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジが非PレンジであるときにP壁基準位置検出モードではないと判断する。
 P壁基準位置検出モードではないと判断した場合には、ECU5は、P壁基準位置検出動作を終了する。この場合、ECU5は、シフトレンジが非PレンジからPレンジに切り替えられた場合に、P壁基準位置検出動作を実行する。ここで、ECU5は、レバーポジションセンサ12の検出結果に基づいて、シフトレンジが非PレンジからPレンジに切り替えられたか否かを判断する。
 一方、P壁基準位置検出モードであると判断した場合には、ECU5は、正転方向(図3における矢印Aで示す方向)にアクチュエータ15を1計数値分回転させる(ステップS2)。
 次に、ECU5は、アクチュエータ15の通電をオフにする(ステップS3)。ここで、ECU5は、エンコーダ16によって計数された計数値が減少したか否かを判断する(ステップS4)。エンコーダ16によって計数された計数値が減少しなかったと判断した場合には、ECU5は、P壁基準位置検出動作をステップS2から再度実行する。
 一方、エンコーダ16によって計数された計数値が減少したと判断した場合には、ECU5は、S2における回転前の位置をP壁基準位置として検出する(ステップS5)。ここで、ECU5は、S2における回転前の位置をP壁基準位置として検出しているが、ローラ36が実際にP壁50に当接してからアクチュエータ15をさらに回転させていったときにディテンススプリング35によるディテントレバー31の押し戻しが開始されるまでのアクチュエータ15の回転量に応じたエンコーダ16の計数値αをS2における回転前の位置から減算した計数値をP壁基準位置として検出するようにしてもよい。なお、計数値αは、予め実験的に定められている。
 P壁基準位置を検出すると、ECU5は、P壁基準位置から前述したマージンを減じてP目標回転位置を算出し(ステップS6)、P壁基準位置検出動作を終了する。
 図7は、シフトレンジ切替装置10による非P壁基準位置を検出するための非P壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明する非P壁基準位置検出動作は、ECU5の起動時、瞬断時および異常検出時に実行される。
 まず、ECU5は、非P壁基準位置検出モードであるか否かを判断する(ステップS11)。ここで、ECU5は、EEPROMに記憶されたシフトレンジが非Pレンジであるときに非P壁基準位置検出モードであると判断し、EEPROMに記憶されたシフトレンジがPレンジであるときに非P壁基準位置検出モードではないと判断する。
 なお、ECU5は、EEPROMにシフトレンジが記憶されていない場合には、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジがPレンジであるときにP壁基準位置検出モードであると判断し、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジが非PレンジであるときにP壁基準位置検出モードではないと判断する。
 非P壁基準位置検出モードではないと判断した場合には、ECU5は、非P壁基準位置検出動作を終了する。この場合、ECU5は、シフトレンジがPレンジから非Pレンジに切り替えられた場合に、P壁基準位置検出動作を実行する。ここで、ECU5は、レバーポジションセンサ12の検出結果に基づいて、シフトレンジがPレンジから非Pレンジに切り替えられたか否かを判断する。
 一方、非P壁基準位置検出モードであると判断した場合には、ECU5は、逆転方向(図3における矢印Aで示す方向の逆方向)にアクチュエータ15を1計数値分回転させる(ステップS12)。
 次に、ECU5は、アクチュエータ15の通電をオフにする(ステップS13)。ここで、ECU5は、エンコーダ16によって計数された計数値が増加したか否かを判断する(ステップS14)。エンコーダ16によって計数された計数値が増加しなかったと判断した場合には、ECU5は、非P壁基準位置検出動作をステップS12から再度実行する。
 一方、エンコーダ16によって計数された計数値が増加したと判断した場合には、ECU5は、S12における回転前の位置を非P壁基準位置として検出する(ステップS15)。ここで、ECU5は、S12における回転前の位置を非P壁基準位置として検出しているが、ローラ36が実際に非P壁51に当接してからアクチュエータ15をさらに回転させていったときにディテンススプリング35によるディテントレバー31の押し戻しが開始されるまでのアクチュエータ15の回転量に応じたエンコーダ16の計数値βをS12における回転前の位置から加算した計数値をP壁基準位置として検出するようにしてもよい。なお、計数値βは、予め実験的に定められている。
 非P壁基準位置を検出すると、ECU5は、非P壁基準位置に前述したマージンを加算して非P目標回転位置を算出し(ステップS16)、非P壁基準位置検出動作を終了する。
 以上のように、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、P壁50方向もしくは非P壁51方向にアクチュエータ15を1計数分駆動し、アクチュエータ15の通電オフを繰り返しながら、シフト制御機構17のガタ詰めを行って各壁位置を検出することができる。このため、従来のシフトレンジ切替装置のように、P壁基準位置および非P壁基準位置を検出するために、アクチュエータ15による回転力と、ディテントスプリング35による復元力と、パーキングロッド32の復元力とがつり合うまで、アクチュエータ15を回転させる必要がなくなるため、シフト制御機構17の耐久性を従来のものより向上させることができる。
 さらに、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、検出したP壁50の位置を基準位置として設定することにより、相対位置情報しか検出できないエンコーダ16を用いてもアクチュエータ15の回転を適切に制御することができる。したがって、ニュートラルスイッチ等を用いなくてもシフトレンジの切り変えを適切に実行することができる。
 上述した第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、アクチュエータ15を1計数値分回転させる度に通電をオフにして、各壁に対するアクチュエータ15の基準位置を検出するようにしたが、次に説明する第2の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置のように、アクチュエータ15を任意の計数値分回転させる度に通電をオフにして、各壁に対するアクチュエータ15の基準位置を検出するようにしてもよい。
 (第2の実施の形態)
 本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10に対して、ECU5のROMに記憶されるプログラムを変更することによって実現することができる。
 したがって、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置のハードウェア構成は、本発明の第1の実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10のハードウェア構成と同一であるため、本実施の形態については、図1ないし図5も参照して説明する。
 また、本発明の第1の実施の形態で説明したように、アクチュエータ15の回転方向およびエンコーダ16による計数値の変動方向を逆にとることにより、非P壁基準位置の検出動作は、P壁基準位置の検出動作に基づいて容易に想到できる。したがって、本実施の形態においては、P壁基準位置の検出動作について詳細に説明し、非P壁基準位置の検出動作については、簡潔に説明する。
 ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によって規制されるアクチュエータ15の基準位置を検出するようになっている。例えば、ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によってアクチュエータ15の回転が規制されるアクチュエータ15のP壁基準位置を検出するようになっている。また、ECU5は、ディテントレバー31およびディテントスプリング35によってアクチュエータ15の回転が規制されるアクチュエータ15の非P壁基準位置を検出するようになっている。ここで、ECU5は、現在のシフトレンジがPレンジの場合にはP壁基準位置を検出し、現在のシフトレンジが非Pレンジの場合には非P壁基準位置を検出する。
 具体的には、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとしてPレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15をP壁50の方向に所定の計数値分回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動に基づいて、P壁基準位置を検出するようになっている。一方、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとして非Pレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15を非P壁51の方向に所定の計数値分回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動に基づいて、非P壁基準位置を検出するようになっている。
 このように、ECU5は、アクチュエータ15の基準位置を検出するので、本発明に係る基準位置検出手段を構成している。また、本実施の形態におけるアクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16によって計数される計数値の変動とは、変動方向が変わったときの変動量のことを意味する。
 このECU5による基準位置の検出について詳細に説明する。まず、ECU5のEEPROMには、図8に示すように、アクチュエータ15が現在位置から正転方向に所定計数値Z分回転された後に通電をオフされたときの戻り量に応じた計数値X(第1の計数値)と、P壁基準位置から現在位置までの距離に応じた計数値Y(第2の計数値)との対応を表すP壁基準位置検出用のマップが予め格納されている。同様に、ECU5のEEPROMには、非P壁基準位置検出用のマップが予め格納されている。なお、ECU5は、所定計数値Zに対応したマップだけでなく、この所定計数値Zと異なる計数値Zxに対応したマップを設けてよい。
 具体的には、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとしてPレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15をP壁50の方向に所定計数値分回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値に前述したマップ上で対応する第2の計数値と、現在位置とに基づいて基準位置を検出するようになっている。
 同様に、ECU5は、自動変速機3が所定のシフトレンジとして非Pレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15を非P壁51の方向に所定計数値分回転させた後に、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値に前述したマップ上で対応する第2の計数値と、現在位置とに基づいて基準位置を検出するようになっている。
 このように、ECU5は、EEPROMに予め保持されたマップに基づいて基準位置を検出することができる。ここで、予め保持されたマップを次に説明するように、補正するようにしてもよい。
 ここで、ECU5は、マップを補正する際、第1の実施の形態で説明した方法で基準位置を検出し、既に基準位置が設定されている状態で行うのが望ましい。具体的には、まず、ECU5は、第1の実施の形態で説明したように、自動変速機3が所定のシフトレンジとしてPレンジに切り替えられている状態で、アクチュエータ15をP壁50の方向にエンコーダ16の計数値として1計数分回転させる度に、アクチュエータ15の通電をオフにする。このときECU5は、アクチュエータ15がP壁50の方向に回転させたときのエンコーダ16の計数値の変動方向と、アクチュエータ15の通電がオフにされたときのエンコーダ16の計数値の変動方向が逆になった場合に、アクチュエータ15がP壁50の方向に回転される前のエンコーダ16の計数値に基づいてP壁基準位置を検出するようになっている。また、ECU5は、同様にして非P壁基準位置も検出するようになっている。
 このように、ECU5は、基準位置が検出されると、アクチュエータ15を任意の位置から所定の方向に所定計数値分回転させて、アクチュエータ15の通電をオフにし、アクチュエータ15の通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値と、基準位置から任意の位置までの距離に応じた第2の計数値とによって、マップを補正する。
 ここで、前述したようにECU5は、アクチュエータ15を任意の位置から所定の方向に所定計数値分回転させてアクチュエータ15の通電オフにして補正しているが、アクチュエータ15の回転を所定計数値Zと異なる任意の計数値Zx分回転させてもよく、この場合には、それぞれの計数値分に対応したマップを補正することとなる。
 また、ECU5は、アクチュエータ15の待機中に、マップを補正するようになっている。ここで、待機中とは、シフトレンジの切り替えのための駆動をしていないときで、かつ、各壁に対するアクチュエータ15の基準位置を検出するための駆動をしていないときである。このように、ECU5は、本発明に係るマップを格納するマップ格納手段と、マップを補正するマップ補正手段とを構成する。
 図9は、シフトレンジ切替装置10によるP壁基準位置を検出するためのP壁基準位置検出動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明するP壁基準位置検出動作は、ECU5の起動時、瞬断時および異常検出時に実行される。
 まず、ECU5は、P壁基準位置検出モードであるか否かを判断する(ステップS21)。ここで、ECU5は、EEPROMに記憶されたシフトレンジがPレンジであるときにP壁基準位置検出モードであると判断し、EEPROMに記憶されたシフトレンジが非PレンジであるときにP壁基準位置検出モードではないと判断する。
 なお、ECU5は、EEPROMにシフトレンジが記憶されていない場合には、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジがPレンジであるときにP壁基準位置検出モードであると判断し、車両1の速度に基づいて設定したシフトレンジが非PレンジであるときにP壁基準位置検出モードではないと判断する。
 P壁基準位置検出モードでないと判断した場合には、ECU5は、P壁基準位置検出動作を終了する。この場合、ECU5は、シフトレンジが非PレンジからPレンジに切り替えられた場合に、P壁基準位置検出動作を実行する。ここで、ECU5は、レバーポジションセンサ12の検出結果に基づいて、シフトレンジが非PレンジからPレンジに切り替えられたか否かを判断する。
 一方、P壁基準位置検出モードであると判断した場合には、ECU5は、正転方向(図3における矢印Aで示す方向)にアクチュエータ15を所定計数値Z分回転させる(ステップS22)。
 次に、ECU5は、アクチュエータ15の通電をオフにする(ステップS23)。ここで、ECU5は、エンコーダ16によって計数された戻り量に対応する計数値XnにP壁基準位置検出用のマップ上で対応する計数値Ynを取得する(ステップS24)。
 次に、ECU5は、取得した計数値Ynと現在位置とを加算した位置をP壁基準位置として検出する(ステップS25)。P壁基準位置を検出すると、ECU5は、P壁基準位置から前述したマージンを減じてP目標回転位置を算出し(ステップS26)、P壁基準位置検出動作を終了する。
 同様に、非P壁基準位置検出動作において、まず、ECU5は、非P壁基準位置検出モードであると判断した場合には、逆転方向にアクチュエータ15を所定計数値Z分回転させ、アクチュエータ15の通電をオフにする。
 そして、ECU5は、エンコーダ16によって計数された戻り量に対応する計数値Xnに非P壁基準位置検出用のマップ上で対応する計数値Ynを取得し、取得した計数値Ynを現在位置から減算した位置を非P壁基準位置として検出し、非P壁基準位置から前述したマージンを加算して非P目標回転位置を算出し、非P壁基準位置検出動作を終了する。
 図10は、シフトレンジ切替装置10によるP壁基準位置検出用のマップ補正動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に説明するP壁基準位置検出用のマップ補正動作は、ECU5の起動時にシフトレンジがPレンジであり、アクチュエータ15が待機中であることを条件に実行される。
 まず、ECU5は、P壁基準位置を検出する(ステップS31)。ここでは、ECU5は、図6を参照して説明したP壁基準位置検出動作のステップS2ないしS5と同一な処理を実行する。
 次に、ECU5は、アクチュエータ15を任意の計数値分回転させることにより現在位置を変化させる(ステップS32)。次に、ECU5は、正転方向(図3における矢印Aで示す方向)にアクチュエータ15を所定計数値Z分回転させる(ステップS33)。
 次に、ECU5は、アクチュエータ15の通電をオフにする(ステップS34)。ここで、ECU5は、エンコーダ16によって計数された戻り量に対応する計数値Xcを取得する(ステップS35)。
 次に、ECU5は、ステップS31で検出したP壁基準位置からステップS32で変化させた現在位置までの距離に応じた計数値Ynにマップ上で対応する計数値XnをステップS35で取得した計数値Xcで補正し(ステップS36)、P壁基準位置検出用のマップ補正動作を終了する。
 なお、シフトレンジ切替装置10は、P壁基準位置検出用のマップ補正動作を上記条件が成立したときに必ずしも実行する必要はなく、走行距離が予め定められた距離を超えた場合、および、シフトレンジの切り替え回数が予め定められた回数を超えた場合などに上記条件が成立したときに実行するようにしてもよい。
 また、シフトレンジ切替装置10は、上記条件が成立したときに、ステップS32において、現在位置を変化させながら、以降のステップS33ないしS36を複数回実行するようにしてもよい。
 さらに、ECU5は、P壁基準位置から現在位置までの距離に応じた計数値Ynに対して更新日時を記憶しておき、更新日時が古い計数値Ynに対応する計数値Xnから優先的に補正するようにしてもよい。
 非P壁基準位置検出用のマップ補正動作は、シフトレンジが非Pレンジであり、アクチュエータ15が待機中であることを条件に実行される。非P壁基準位置検出用のマップ補正動作において、まず、ECU5は、非P壁基準位置を検出し(図7を参照して説明した非P壁基準位置検出動作のステップS12ないしS15と同一な処理)、アクチュエータ15を任意の計数値分回転させることにより現在位置を変化させ、逆転方向にアクチュエータ15を所定計数値Z分回転させる。
 そして、ECU5は、アクチュエータ15の通電をオフにし、エンコーダ16によって計数された戻り量に対応する計数値Xcを取得し、取得した戻り量に対応する計数値Xcで、計数値Ynにマップ上で対応する計数値Xnを計数値Xcで補正し、非P壁基準位置検出用のマップ補正動作を終了する。
 なお、シフトレンジ切替装置10は、非P壁基準位置検出用のマップ補正動作を上記条件が成立したときに必ずしも実行する必要はなく、走行距離が予め定められた距離を超えた場合、および、シフトレンジの切り替え回数が予め定められた回数を超えた場合などに上記条件が成立したときに実行するようにしてもよい。
 また、シフトレンジ切替装置10は、上記条件が成立したときに、現在位置を変化させながら、以降の処理を複数回実行するようにしてもよい。さらに、ECU5は、非P壁基準位置から現在位置までの距離に応じた計数値Ynに対して更新日時を記憶しておき、更新日時が古い計数値Ynに対応する計数値Xnから優先的に補正するようにしてもよい。
 以上のように、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、アクチュエータ15による回転力と、ディテントスプリング35による復元力と、パーキングロッド32の復元力とがつり合うまでアクチュエータ15を回転させない範囲で、アクチュエータ15を1回だけ回転させるだけでP壁基準位置または非P壁基準位置を検出することができるため、P壁基準位置および非P壁基準位置を速やかに検出することができる。
 また、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、基準位置検出用のマップを適宜補正することができるので、シフト制御機構17を構成する部材および部材間の組み付けのバラつきや経年変化に応じて、マップを最適化することができる。
 また、本実施の形態に係るシフトレンジ切替装置10は、基準位置を検出するときには、基準位置検出用のマップが確定されているため、基準位置を速やかに検出することができ、現在のシフトレンジの確定が遅れを抑制することができる。
 以上の説明においては、第1の実施の形態および第2の実施に形態に係るシフトレンジ切替装置は、クラッチ・ツゥ・クラッチにより動力伝達経路を切り替えて変速を実現する有段式の自動変速機を搭載した車両を用いて説明したが、これに限定されず、本発明に係るシフトレンジ切替装置は、無段変速機等を搭載した車両にも適用することができる。
 以上説明したように、本発明に係るシフトレンジ切替装置は、シフト制御機構の耐久性を従来のものより向上させることができるという効果を有するものであり、シフト・バイ・ワイヤ方式を採用した自動変速機のシフトレンジ切替装置全般に有用である。
 1 車両
 2 エンジン
 3 自動変速機
 4 駆動輪
 5 ECU
 6 トルクコンバータ
 7 変速機構部
 8 油圧制御部
 9 シフト制御装置
 10 シフトレンジ切替装置
 11 シフトレバー
 12 レバーポジションセンサ
 13 車両電源スイッチ
 14 ECU(回転制御手段、基準位置検出手段、マップ格納手段、マップ補正手段)
 15 アクチュエータ
 16 エンコーダ(計数手段)
 17 シフト制御機構
 18 表示部
 19 デファレンシャル
 30 シャフト
 31 ディテントレバー(規制手段)
 32 パーキングロッド
 33 パーキングギア
 34 パーキングロックポール
 35 ディテントスプリング(規制手段)
 36 ローラ
 37 テーパコーン
 38 コイルスプリング

Claims (5)

  1.  アクチュエータを用いてシフトレンジを切り替える自動変速機のシフトレンジ切替装置において、
     前記アクチュエータの回転に応じて計数する計数手段と、
     前記アクチュエータの回転を制御する回転制御手段と、
     所定のシフトレンジにおいて前記アクチュエータの所定の方向の回転を規制する規制手段と、
     前記規制手段によって規制される前記アクチュエータの基準位置を検出する基準位置検出手段と、を備え、
     前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に回転させた後に、前記アクチュエータの通電をオフにし、
     前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの前記計数手段によって計数される計数値の変動に基づいて、前記基準位置を検出することを特徴とする自動変速機のシフトレンジ切替装置。
  2.  前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に1計数値分回転させるたびに、前記アクチュエータの通電をオフにし、
     前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転されたときの計数値の変動方向と、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの計数値の変動方向とが逆になった場合に、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転される前の計数値に基づいて前記基準位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のシフトレンジ切替装置。
  3.  前記アクチュエータが現在位置から前記所定の方向に所定計数値分回転された後に通電をオフされたときの戻り量に応じた第1の計数値と、前記基準位置から前記現在位置までの距離に応じた第2の計数値との対応を表すマップを格納するマップ格納手段を備え、
     前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを現在位置から前記所定の方向に前記所定計数値分回転させて、前記アクチュエータの通電をオフにし、
     前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値に前記マップ上で対応する第2の計数値と、前記現在位置とに基づいて前記基準位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のシフトレンジ切替装置。
  4.  前記マップを補正するマップ補正手段をさらに備え、
     前記回転制御手段は、前記自動変速機が前記所定のシフトレンジに切り替えられている状態で、前記アクチュエータを前記所定の方向に1計数値分回転させるたびに、前記アクチュエータの通電をオフにし、
     前記基準位置検出手段は、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転されたときの計数値の変動方向と、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの計数値の変動方向とが逆になった場合に、前記アクチュエータが前記所定の方向に回転される前の計数値に基づいて前記基準位置を検出し、
     前記回転制御手段は、前記基準位置が検出されると、前記アクチュエータを任意の位置から前記所定の方向に前記所定計数値分回転させて、前記アクチュエータの通電をオフにし、
     前記マップ補正手段は、前記アクチュエータの通電がオフにされたときの戻り量に応じた第1の計数値と、前記基準位置から前記任意の位置までの距離に応じた第2の計数値とによって、前記マップを補正することを特徴とする請求項3に記載の自動変速機のシフトレンジ切替装置。
  5.  前記マップ補正手段は、前記アクチュエータが待機中に前記マップを補正することを特徴とする請求項4に記載の自動変速機のシフトレンジ切替装置。 
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