JP2015090197A - パーキングアクチュエータの制御装置 - Google Patents

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Kenichi Mori
憲一 森
金子 豊
Yutaka Kaneko
金子  豊
良平 豊田
Ryohei Toyoda
良平 豊田
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Abstract

【課題】パーク機構の位置を検出するパーク位置検出手段の初期化時間の短縮を図ることができるパーキングアクチュエータの制御装置を提供すること。
【解決手段】第1電動アクチュエータの駆動力により移動し、駆動輪の機械的停止と解除を制御すると共に、Pレンジ側限界位置とPレンジ解除側限界位置を有するパークロッドと、パークロッドの位置を検出するエンコーダの初期化時、パークロッドを現在位置からPレンジ側限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、メモリに記憶された1電動アクチュエータへの電力供給遮断直前のパークロッドの位置に基づく移動量と、を比較して両者が一致したとき、パークロッドの停止位置を、Pレンジ側限界位置としてエンコーダを初期化する初期化手段と、を備える構成とした。
【選択図】図7

Description

本発明は、パーキングアクチュエータにより移動するパーク機構の位置を検出するパーク位置検出手段の初期化制御を行うパーキングアクチュエータの制御装置に関するものである。
従来、モータの駆動力により、パーク機構をPレンジ側限界位置に突き当ててから、NotPレンジ側限界位置に突き当て、その間のエンコーダカウント値の増減量を可動範囲とし、設計値との差分を用いてパーク位置検出手段のずれ(誤差)を設定するパーキングアクチュエータの制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-23932号公報
しかしながら、従来のパーキングアクチュエータの制御装置では、パーク機構をPレンジ側限界位置とNotPレンジ側限界位置との両方に突き当ててパーク位置検出手段の誤差設定を行っている。このため、誤差設定を行うまでの時間、つまりパーク位置検出手段の初期化動作を終了するまでの時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、パーク機構の位置を検出するパーク位置検出手段の初期化時間の短縮を図ることができるパーキングアクチュエータの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のパーキングアクチュエータの制御装置は、パーク機構と、パーク位置検出手段と、メモリと、初期化手段と、を備えている。
前記パーク機構は、車両に搭載され、パーキングアクチュエータの駆動力により移動し、一方向に移動したとき駆動輪を機械的に停止し、他方向に移動したとき前記駆動輪の機械的停止を解除し、いずれの方向に移動したときにも移動限界位置を有する。
前記パーク位置検出手段は、前記パーク機構の位置を検出する。
前記メモリは、前記パーキングアクチュエータへの電力供給の遮断直前の前記パーク機構の位置を記憶する。
前記初期化手段は、前記パーキングアクチュエータへの電力供給直後の初期化時、前記パーク機構を現在位置から機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、前記メモリに記憶された位置に基づく移動量と、を比較して両者が一致したとき、前記パーク機構の停止位置を、機械的停止側の移動限界位置として前記パーク位置検出手段を初期化する。
よって、本発明のパーキングアクチュエータの制御装置では、メモリにより、パーキングアクチュエータへの電力供給の遮断直前のパーク機構の位置が記憶される。そして、パーキングアクチュエータへの電力供給直後の初期化時、初期化手段により、パーク機構を現在位置から機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、メモリに記憶された位置に基づく移動量とが比較され、両者が一致したとき、パーク機構の停止位置を機械的停止側の移動限界位置としてパーク位置検出手段が初期化される。
そのため、パーク機構を機械的停止側の移動限界位置から、機械的停止解除側の移動限界位置まで移動させる必要がなくなり、パーク位置検出手段の初期化を短時間で完了することができる。
実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置が適用された電気自動車(車両の一例)の駆動系構成と制御系構成を示す全体システム構成図である。 実施例1の変速制御系の詳細構成を示す制御ブロック図である。 実施例1のアクチュエータ連動機構を示す斜視図である。 実施例1におけるアクチュエータ連動機構のうち操作系を示す図である。 実施例1におけるアクチュエータ連動機構のうちパーク構造を示す図である。 (a)は、Pレンジ側限界位置にあるときのパークロッドを示す説明図であり、(b)は、Pレンジ解除側限界位置にあるときのパークロッドを示す説明図である。 実施例1の第1位置サーボコントローラにて実行されるエンコーダ初期化制御処理の流れを示すフローチャートである。 エンコーダ初期化制御処理時のパークロッドの移動速度差に基づいて、第1電動アクチュエータを流れる電流値を設定するマップの一例である。 エンコーダ初期化制御処理時のパークロッドの移動量に基づいて、パークロッドの目標移動速度を設定するマップの一例である。 (a)は、エンコーダ初期化時の動作を示す模式図であり、(b)は、電力OFF時にパークロッドがずれたときのエンコーダ初期化時の動作を示す模式図である。 実施例1の制御装置におけるエンコーダ初期化時のエンコーダカウント値の特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明のパーキングアクチュエータの制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1における電気自動車(車両の一例)に搭載されたパーキングアクチュエータの制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速制御系の詳細構成」、「アクチュエータ連動機構の詳細構成」、「エンコーダ初期化制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置が適用された電気自動車の駆動系構成と制御系構成を示す。以下、図1に基づき、実施例1の全体システム構成を説明する。
前記電気自動車(車両)の駆動系構成としては、図1に示すように、駆動用モータジェネレータ2と、自動変速機3と、駆動輪14と、を備えている。
前記駆動用モータジェネレータ2は、三相交流の永久磁石型同期モータであり、電気自動車の走行駆動源となる。この駆動用モータジェネレータ2は、モータコントローラ28から図示しないインバータに対し正のトルク(駆動トルク)指令が出力されている時には、強電バッテリ(不図示)からの放電電力を使って駆動トルクを発生する駆動動作をし、駆動輪14を駆動する(力行)。一方、モータコントローラ28からインバータに対し負のトルク(発電トルク)指令が出力されている時には、駆動輪14からの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電動作をし、発電した電力を強電バッテリの充電電力とする(回生)。
そして、この駆動用モータジェネレータ2のモータ軸は、自動変速機3の変速機入力軸6に接続される。
前記自動変速機3は、変速比の異なる2つのギヤ対のいずれかで動力を伝達する常時噛み合い式有段変速機であり、減速比の小さなハイギヤ段(高速段)と減速比の大きなローギヤ段(低速段)を有する2段変速としている。この自動変速機3は、駆動用モータジェネレータ2から変速機入力軸6及び変速機出力軸7を順次経てモータ動力を出力する際の変速に用いられ、低速段を実現するロー側変速機構8及び高速段を実現するハイ側変速機構9により構成される。ここで、変速機入力軸6及び変速機出力軸7は、それぞれ平行に配置される。
前記ロー側変速機構8は、上記モータ動力の出力に際し、ロー側伝動経路を選択するためのもので、変速機出力軸7上に配置している。このロー側変速機構8は、低速段ギヤ対(ギヤ8a,ギヤ8b)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機出力軸7に対するギヤ8aの噛み合い係合/開放を行う係合クラッチ(締結要素)8cにより構成する。ここで、低速段ギヤ対は、変速機出力軸7上に回転自在に支持したギヤ8aと、該ギヤ8aと噛み合い、変速機入力軸6と共に回転するギヤ8bと、から構成される。
前記ハイ側変速機構9は、上記モータ動力の出力に際し、ハイ側伝動経路を選択するためのもので、変速機入力軸6上に配置している。このハイ側変速機構9は、高速段ギヤ対(ギヤ9a,ギヤ9b)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機入力軸6に対するギヤ9aの摩擦締結/開放を行う摩擦クラッチ(締結要素)9cにより構成する。ここで、高速段ギヤ対は、変速機入力軸6上に回転自在に支持したギヤ9aと、ギヤ9aに噛み合い、変速機出力軸7と共に回転するギヤ9bと、から構成される。
前記変速機出力軸7は、ギヤ11を固定し、このギヤ11と、これに噛合するギヤ12とからなるファイナルドライブギヤ組を介して、ディファレンシャルギヤ装置13を変速機出力軸7に駆動結合する。さらに、このディファレンシャルギヤ装置13には、駆動輪14が結合されるドライブシャフト16が連結されている。これにより、変速機出力軸7に達した駆動用モータジェネレータ2のモータ動力がファイナルドライブギヤ組11,12及びディファレンシャルギヤ装置13を経て、左右のドライブシャフト16から駆動輪14(なお、図1では一方の駆動輪のみを示した)に伝達されるようにする。なお、ドライブシャフト16には、液圧ブレーキ15が設置されている。
さらに、変速機出力軸7には、ギヤ11の反対側に、パークギヤ17が固定され、このパークギヤ17と噛み合い可能に図外の変速機ケースに設けられたパーキングポール18が配置される。つまり、Pレンジ位置の選択時、パーキングポール18を、係合クラッチ8cと兼用の第1電動アクチュエータ41によりパークギヤ17に噛み合わせることで、変速機出力軸7が回転しないようにケース固定する。
前記電気自動車の制御系構成としては、図1に示すように、変速コントローラ21、車速センサ22、アクセル開度センサ23、車輪速センサ24、前後加速度センサ25、スライダ位置センサ26、スリーブ位置センサ27、モータ回転数センサ33等を備えている。これに加え、モータコントローラ28と、統合コントローラ30と、CAN通信線31と、レンジ位置スイッチ32と、を備えている。
前記変速コントローラ21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バックアップメモリ、入出力インターフェース回路を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。この変速コントローラ21では、不図示の変速マップに基づいて変速要求を出力すると共に、係合クラッチ8cが噛み合い係合で摩擦クラッチ9cが開放のローギヤ段が選択されている状態でハイギヤ段へアップシフトする際、係合クラッチ8cの開放と摩擦クラッチ9cの摩擦締結による架け替え制御を遂行する。また、係合クラッチ8cが開放で摩擦クラッチ9cが摩擦締結のハイギヤ段が選択されている状態でローギヤ段へダウンシフトする際、係合クラッチ8cの噛み合い係合と摩擦クラッチ9cの開放による架け替え制御を遂行する。
前記レンジ位置スイッチ32は、図外のセレクトレバーに対する運転者のセレクト操作により選択された自動変速機3のレンジ位置を検出するスイッチである。検出されるレンジ位置としては、Pレンジ(=パーキングレンジ、非走行レンジ、駐車レンジ)、Dレンジ(=ドライブレンジ、前進走行レンジ)、Lレンジ(=低速段レンジ)、Hレンジ(=高速段レンジ)、Rレンジ(=リバースレンジ、後退走行レンジ)等を有している。
前記モータ回転数センサ33は、駆動用モータジェネレータ2の出力回転数を検出するセンサであり、ここでは変速機入力軸6の回転数を検出する。すなわち、駆動用モータジェネレータ2の回転数(モータ回転数)は、自動変速機3への入力回転数であり、モータ回転数センサ33によってこの変速機入力回転数が検出される。
[変速制御系の詳細構成]
図2は、実施例1の変速制御系の詳細構成を示す。以下、図2に基づき、実施例1の変速制御系の詳細構成を説明する。
前記電気自動車の制御系のうち変速制御系の構成としては、図2に示すように、係合クラッチ8cと、摩擦クラッチ9cと、パークギヤ17と、駆動用モータジェネレータ2と、変速コントローラ21と、を備えている。つまり、係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cと駆動用モータジェネレータ2を制御対象とし、条件に応じて変速コントローラ21からの指令により制御する構成としている。
前記係合クラッチ8cは、シンクロ式の噛み合い係合によるクラッチであり、ギヤ8aに設けたクラッチギヤ8dと、変速機出力軸7に結合したクラッチハブ8eと、カップリングスリーブ8fと、を有する(図1を参照)。そして、第1電動アクチュエータ41によりカップリングスリーブ8fをストローク駆動させることでシンクロ締結/開放する。
この係合クラッチ8cのシンクロ締結と開放は、カップリングスリーブ8fの位置によって決まり、変速コントローラ21は、スリーブ位置センサ27の値を読み込み、カップリングスリーブ8fの位置がシンクロ締結位置又は開放位置になるように第1電動アクチュエータ41に電流を与える第1位置サーボコントローラ51(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。そして、カップリングスリーブ8fがクラッチギヤ8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の双方に噛合した図1に示す噛み合い位置にあるとき、ギヤ8aを変速機出力軸7に駆動連結する。一方、カップリングスリーブ8fが、図1に示す位置から軸線方向へ変位することでクラッチギヤ8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の一方と非噛み合い位置にあるとき、ギヤ8aを変速機出力軸7から切り離す。
前記摩擦クラッチ9cは、ギヤ9aと共に回転するドリブンプレート9dと、変速機入力軸6と共に回転するドライブプレート9eと、を有する(図1を参照)。そして、第2電動アクチュエータ42により両プレート9d,9eに押付け力を与えるスライダ9fを駆動することで摩擦締結/開放する。
この摩擦クラッチ9cの伝達トルク容量は、スライダ9fの位置によって決まり、また、スライダ9fはネジ機構となっており、第2電動アクチュエータ42の入力が0(ゼロ)のとき、位置を保持する機構となっている。
変速コントローラ21は、スライダ位置センサ26の値を読み込み、所望の伝達トルク容量が得られるスライダ位置になるように第2電動アクチュエータ42に電流を与える第2位置サーボコントローラ52(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。
そして、摩擦クラッチ9cは、変速機入力軸6と一体に回転し、クラッチ摩擦締結のときギヤ9aを変速機入力軸6に駆動連結し、クラッチ開放のとき、ギヤ9aと変速機入力軸6の駆動連結を切り離す。
前記パークギヤ17は、Pレンジ位置(非走行レンジ位置)の選択時、係合クラッチ8cの駆動アクチュエータと共用化した第1電動アクチュエータ(パーキングアクチュエータ)41によりパーキングポール18を噛み合わせることで、駆動輪14に繋がる変速機出力軸7が回転しないようにケース固定する。すなわち、第1電動アクチュエータ41は、係合クラッチ8cの噛み合い位置と、係合クラッチ8c及びパークギヤ17の非噛み合い位置と、パークギヤ17の噛み合い位置と、の3つの位置の動作を管理する。
ここで、第1電動アクチュエータ41は、ステッピングモータ等の電動モータによって構成されている。
前記駆動用モータジェネレータ2は、変速コントローラ21から出力される指令を入力するモータコントローラ28によってトルク制御又は回転数制御される。つまり、モータコントローラ28が、変速コントローラ21からのモータトルク容量指令やトルク上限値指令や入出力回転同期指令を入力すると、これらの指令に基づき、駆動用モータジェネレータ2がトルク制御又は回転数制御される。
前記変速コントローラ21は、走行中は、車速センサ22からの車速情報とアクセル開度センサ23からのアクセル開度情報と図外の変速マップとに基づき、走行中変速制御を行う。走行中変速制御は、車速VSPとアクセル開度APOによる動作点が、変速マップの1速領域と2速領域のアップ変速線を横切るとアップ変速を行い、変速マップの2速領域と1速領域のダウン変速線を横切るとダウン変速を行う。
なお、停車時における路面勾配推定は、前後加速度センサ25からの前後加速度情報に基づき取得し、走行中における路面勾配推定は、前後加速度センサ25からの前後加速度情報による推定値を、車輪速センサ24からの加減速度情報により補正することで取得する。
[アクチュエータ連動機構の詳細構成]
図3は、実施例1のアクチュエータ連動機構を示す斜視図である。図4、図5は、アクチュエータ連動機構の操作系、パーク構造を示す図である。以下、図3〜図5に基づき、実施例1のアクチュエータ連動機構の詳細構成を説明する。
上記のように、実施例1では、カップリングスリーブ8fとパーキングポール18を共に動作させる一つの第1電動アクチュエータ41を設けている。そして、第1電動アクチュエータ41とカップリングスリーブ8f及びパーキングポール18との間には、アクチュエータ連動機構61を設けている(図1、図2)。さらに、摩擦クラッチ9cのスライダ9fを動作させる第2電動アクチュエータ42を設けている。
前記アクチュエータ連動機構61は、図3に示すように、第1電動アクチュエータ41によりアクチュエータシャフト62を一方向(図3の矢印A方向)に回転動作させたときに選択されるレンジ位置が、パーキングレンジ位置P、高速段レンジ位置H(2nd)、低速段レンジ位置L(1st)、の順に切り替わる設定としている。
前記パーキングレンジ位置Pの選択時には、第1電動アクチュエータ41とアクチュエータ連動機構61により、パークギヤ17とパーキングポール18を噛み合い締結し、係合クラッチ8c(シンクロ機構)を開放する。そして、第2電動アクチュエータ42により摩擦クラッチ9cを予め摩擦締結しておく。
前記高速段レンジ位置H(2nd)の選択時には、第1電動アクチュエータ41とアクチュエータ連動機構61により、パークギヤ17とパーキングポール18と係合クラッチ8c(シンクロ機構)を共に開放する。そして、第2電動アクチュエータ42により摩擦クラッチ9cを摩擦締結する。
前記低速段レンジ位置L(1st)の選択時には、第1電動アクチュエータ41とアクチュエータ連動機構61により、パークギヤ17とパーキングポール18を開放して係合クラッチ8c(シンクロ機構)をシンクロ締結する。そして、第2電動アクチュエータ42により摩擦クラッチ9cを開放する。
前記アクチュエータ連動機構61は、操作系(図4)と、パーク構造(図5)と、シンクロ機構(図3)と、により構成される。
前記操作系は、図4に示すように、アクチュエータシャフト62と、ディテントプレート63と、パーキングプレート64と、シフトプレート65と、ディテントスプリング66と、パークロッド67と、パークサポート68と、スプリング69と、シフト動作変換プレート70と、シフトフォーク71と、を備えている。
前記アクチュエータシャフト62は、第1電動アクチュエータ41(図3参照)のモータ軸に連結されて回転する軸であり、このアクチュエータシャフト62に、ディテントプレート63、パーキングプレート64、シフトプレート65が連結されている。
前記ディテントスプリング66は、ディテントプレート63に形成された凹溝面63a,63b,63cに板バネ付勢力にて圧接する。凹溝面63aは、パーキングレンジ位置Pの回転位置を規定し、凹溝面63bは、高速段レンジ位置H(2nd)の回転位置を規定し、凹溝面63cは、低速段レンジ位置L(1st)の回転位置を規定する。
前記パークロッド67は、パーキングプレート64に一端が連結され、他端がパーキングポール18とパークサポート68との間に挟まれて配置される。パーキングポール18は、スプリング69により開放方向に付勢されている。また、パークロッド67の途中位置には、円錐面によるウエッジ部67aを有する。
ここでは、このパークロッド67が、パーク機構に相当する。つまり、このパークロッド67は、車両に搭載され、第1電動アクチュエータ(パーキングアクチュエータ)41の駆動力により移動する。そして、一方向に移動したときパークギヤ17とパーキングポール18を噛み合い締結させて駆動輪14を機械的に停止する。また、他方向に移動したときパークギヤ17とパーキングポール18の噛み合い締結を解除して駆動輪14の機械的停止を解除する。さらに、いずれの方向に移動したときにも移動限界位置を有している。
前記シフト動作変換プレート70は、一端の溝部がシフトプレート65に連結され、他端がフォークロッド72(図3参照)に固定される。このフォークロッド72はスライド移動可能であり、カップリングスリーブ8fの溝部に連結されたシフトフォーク71がシフト動作変換プレート70と共に固定されている。すなわち、アクチュエータシャフト62と共にシフトプレート65が回転すると、シフト動作変換プレート70とシフトフォーク71がフォークロッド72と一体にスライド移動する。
前記パーク構造は、図5に示すように、パーキングポール18のパークギヤ17側にパークギヤ17と噛み合う凸部18aを有する。そして、パーキングポール18のパークギヤ17と反対側にパークサポート68が配置され、パーキングポール18とパークサポート68の間にパークロッド67が配置される。すなわち、パークロッド67のウエッジ部67aの外径によりパーキングポール18をパークサポート68から引き離すようにポール軸18bを中心として回動させることでパークギヤ17と噛み合い締結させる。
そして、パーク機構であるパークロッド67を、駆動輪14を機械的に停止させる方に移動したときの移動限界位置、つまり機械的停止側の移動限界位置(以下、「Pレンジ側限界位置」という)は、図6(a)に示すように、第1電動アクチュエータ41を矢印Bで示す方向に回転駆動し、パークロッド67のウエッジ部67aをパーキングポール18とパークサポート68との差し込み、パークギヤ17にパーキングポール18を噛み合わせた状態で、パーキングポール18とウエッジ部67aが干渉することで、パークロッド67の移動が不可能になる位置である。
また、このパーク機構であるパークロッド67を、駆動輪14の機械的停止を解除させる方に移動したときの移動限界位置、つまり機械的停止解除側の移動限界位置(以下、「Pレンジ解除側限界位置」という)は、図6(b)に示すように、第1電動アクチュエータ41を矢印Jで示す方向に回転駆動し、パークロッド67のウエッジ部67aをパーキングポール18とパークサポート68との間から引き抜き、パークギヤ17からパーキングポール18が外れた状態で、パーキングプレート64が図示しない変速機ケースに干渉することで、パークロッド67が移動不可となる位置である。
そして、このパーク機構であるパークロッド67の位置は、第1位置サーボコントローラ51に内蔵されたエンコーダ51a(図2参照)により検出される第1電動アクチュエータ41の回動量に基づいて求められる。すなわち、実施例1では、エンコーダ51aと図示しない演算回路によって、パーク機構の位置を検出するパーク位置検出手段を構成している。
さらに、この第1位置サーボコントローラ51は、第1電動アクチュエータ41への電力供給が遮断される直前のエンコーダ51aの検出値を記憶するメモリ51bを有している。
前記シンクロ機構は、図3に示すように、一端の溝部70aがシフトプレート65に連結されたシフト動作変換プレート70と、カップリングスリーブ8fの溝部に連結されたシフトフォーク71と、シフト動作変換プレート70とシフトフォーク71を固定するフォークロッド72と、を有する構成である。そして、シフトプレート65とシフト動作変換プレート70とシフトフォーク71により、回転同期状態にてカップリングスリーブ8f(図1参照)をスライド移動させ、カップリングスリーブ8fの内面に形成されたスプライン歯とクラッチギヤ8dを噛み合わせることで係合クラッチ8cをシンクロ締結させる。
[エンコーダ初期化制御処理構成]
図7は、実施例1の第1位置サーボコントローラにて実行されるエンコーダ初期化制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7に基づき、実施例1のエンコーダ初期化制御処理構成をあらわす各ステップについて説明する。なお、この処理は、車両のイグニッションシステムがONされたとき、すなわち第1電動アクチュエータ41に電力が供給されたら実行される。また、この図7に示すエンコーダ初期化制御処理は、パーク位置検出手段(エンコーダ51a)の初期化を行う初期化手段に相当する。
ステップS1では、自動変速機3への入力回転数(変速機入力回転数)と、自動変速機3の出力回転数(変速機出力回転数)のいずれもが、予め設定した所定値以下であるか否かを判断する。YES(入出力回転数のいずれも所定値以下)の場合にはステップS2へ進む。NO(入出力回転数のいずれかが所定値以上)の場合にはステップS1を繰り返す。
ここで、「変速機入力回転数」は、駆動用モータジェネレータ2の出力回転数(=モータ回転数)であり、モータ回転数センサ33により検出する。また、「変速機出力回転数」は、車速であり、車速センサ22により検出する。さらに、「所定値」とは、パークギヤ17とパーキングポール18が噛み合い締結/開放した際に、ショックが発生しないと判断できる値であり、ここでは「ゼロ」とする。
ステップS2では、ステップS1での入出力回転数が所定値以下との判断に続き、第1電動アクチュエータ41によりパークロッド67を現在位置からPレンジ側限界位置方向に向けて駆動し、ステップS3へ進む。
ここで、「Pレンジ側限界位置方向」とは、図6(a)に示すように、Pレンジ選択状態でパークロッド67の移動が不可能になる位置に向かう方向である。
また、このときのパークロッド67の移動速度は、パーキングポール18とウエッジ部67aが干渉した際の衝撃を抑制できる目標移動速度に設定される。つまり、第1電動アクチュエータ41に供給される電流値は、パークロッド67の移動速度が目標移動速となるように制御される。また、この第1電動アクチュエータ41に供給される電流値は、図8に示すように、目標移動速度と実際のパークロッド67の移動速度との差に応じて増減する。つまり、目標移動速度よりも実際のパークロッド67の移動速度が早いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を低下させる。また、目標移動速度よりも実際のパークロッド67の移動速度が遅いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を増加させる。なお、パークロッド67の移動速度は、エンコーダ51aの検出地の変化速度から算出する。
さらに、目標移動速度は、図9に示すように、パークロッド67が停止している位置(初期化開始位置)からの移動量が増加するほど、つまり、エンコーダ51aの検出値が増加し、パークロッド67がPレンジ側限界位置に近づいていると推定されるほど、制限されて低減する。
ステップS3では、ステップS2でのパークロッド67の駆動に続き、パークロッド67の移動速度がゼロになった状態が所定時間継続したか否かを判断する。YES(速度ゼロ継続)の場合にはステップS4へ進む。NO(速度ゼロ継続せず)の場合にはステップS2へ戻る。
ここで、「所定時間」とは、パークロッド67の移動が停止したと判断できる時間であり、任意に設定する。
ステップS4では、ステップS3での速度ゼロ状態が所定時間継続との判断に続き、パークロッド67が停止した位置(以下、「停止位置A」という)までの、このパークロッド67の移動量と、前回終了時のパークロッド67の位置に基づいて算出された移動量と、が一致しているか否かを判断する。YES(一致)の場合にはステップS9へ進む。NO(不一致)の場合にはステップS5へ進む。
ここで、停止位置Aまでの移動量は、エンコーダ51aの検出値に基づいて算出する。また、「前回終了時のパークロッド67の位置」とは、第1電動アクチュエータ41への電力供給を遮断する直前のパークロッド67の位置であり、メモリ51bに記憶されている。
ステップS5では、ステップS4での停止位置Aまでの移動量と前回位置に基づく移動量が不一致であるとの判断に続き、車両を停車状態にしてステップS6へ進む。
ここで、「車両停車状態」とは、車両が移動しないようにすることである。ここでは、第1電動アクチュエータ41を駆動して係合クラッチ8cを締結すると共に、第2電動アクチュエータ42を駆動して摩擦クラッチ9cを締結し、自動変速機3をインターロック状態にすることで車両の停車状態を確保する。
ステップS6では、ステップS5での車両を停車状態にしたことに続き、第1電動アクチュエータ41によりパークロッド67を停止位置AからPレンジ解除側限界位置方向に向けて駆動し、ステップS7へ進む。
ここで、「Pレンジ解除側限界位置方向」とは、図6(b)に示すように、Pレンジ選択解除状態でパークロッド67の移動が不可能になる位置に向かう方向である。
また、このときのパークロッド67の移動速度は、パーキングプレート64が図示しない変速機ケースに干渉した際の衝撃を抑制できる目標移動速度に設定される。つまり、第1電動アクチュエータ41に供給される電流値は、パークロッド67の移動速度が目標移動速となるように制御される。また、この第1電動アクチュエータ41に供給される電流値は、図8に示すように、目標移動速度と実際のパークロッド67の移動速度との差に応じて増減する。つまり、目標移動速度よりも実際のパークロッド67の移動速度が早いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を低下させる。また、目標移動速度よりも実際のパークロッド67の移動速度が遅いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を増加させる。
さらに、目標移動速度は、図9に示すように、パークロッド67が停止している位置(停止位置A)からの移動量が増加するほど、つまり、エンコーダ51aの検出値が増加し、パークロッド67がPレンジ解除側限界位置に近づいていると推定されるほど、制限されて低減する。
ステップS7では、ステップS6でのパークロッド67の駆動に続き、パークロッド67の移動速度がゼロになった状態が所定時間継続したか否かを判断する。YES(速度ゼロ継続)の場合にはステップS8へ進む。NO(速度ゼロ継続せず)の場合にはステップS6へ戻る。
ここで、「所定時間」とは、パークロッド67の移動が停止したと判断できる時間であり、任意に設定する。
ステップS8では、ステップS7での速度ゼロ状態が所定時間継続との判断に続き、停止位置Aから、パークロッド67が再度停止した位置(以下、「停止位置B」という)までのこのパークロッド67の移動量と、Pレンジ側限界位置とPレンジ解除側限界位置の間の設計距離と、が一致しているか否かを判断する。YES(一致)の場合にはステップS9へ進む。NO(不一致)の場合にはステップS10へ進む。
ここで、停止位置Aから停止位置Bまでの移動量は、エンコーダ51aの検出値に基づいて算出する。また、「Pレンジ側限界位置とPレンジ解除側限界位置の間の設計距離」は、メモリ51bに記憶されている。
ステップS9では、ステップS4での停止位置Aまでの移動量と前回位置に基づく移動量が一致したとの判断、又は、ステップS8での停止位置Aから停止位置Bまでの移動量と限界位置間の設計距離が一致したとの判断のいずれかに続き、停止位置Aがパークロッド67のPレンジ側の移動限界位置であるとして、エンコーダ51aを初期化し、エンドへ進む。
ステップS10では、ステップS9での停止位置Aから停止位置Bまでの移動量と限界位置間の設計距離が不一致であるとの判断に続き、エンコーダ51aの初期化エラーとして、エラー処理を実行し、エンドへ進む。
ここで、「エラー処理」とは、第1電動アクチュエータ41によりパークロッド67を再びPレンジ側限界位置に向かって駆動すると共に、そのときの供給電流値を上限値に設定する。そして、第1電動アクチュエータ41への供給電流値を上限値に設定した状態でパークロッド67が再び停止した位置を、パークロッド67のPレンジ側の移動限界位置であるとして、エンコーダ51aを初期化する。
次に、実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置おける「エンコーダ初期化作用」を説明する。
[エンコーダ初期化作用]
図10(a),(b)は、実施例1の制御装置におけるエンコーダ初期化時の動作を示す模式図であり、図11は実施例1の制御装置におけるエンコーダ初期化時のエンコーダカウント値の特性を示すタイムチャートである。以下、図10及び図11に基づき、比較例の制御装置におけるエンコーダ初期化動作とその課題を説明する。
一般的に、パーキングポールをパークギヤに噛み合わせるため、パーキングアクチュエータによりパークロッドを駆動するとき、パーキングアクチュエータの回動量をエンコーダにより検出し、パークロッドの位置を把握している。
ここで、電源OFF操作によりパーキングアクチュエータへの電力供給が遮断されると、パーキングアクチュエータを電力遮断時の回動状態に保持する電磁力が消滅する。そのため、パーキングアクチュエータの回動量が電力遮断時の状態から変動してしまい、電力遮断中にパークロッドの位置がずれることがあった。
そして、電源OFF中にパークロッドの位置がずれると、次回の電力供給時にパーキングアクチュエータの回動状態を正確に把握できず、パークロッドの制御精度が低下してしまるという問題が生じる。これを回避するため、電力供給を行うたびにエンコーダの初期化を行い、エンコーダ基準位置をその都度設定する必要があった。
これに対し、実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置では、停車状態で第1電動アクチュエータ41に電力供給がなされると、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進み、この第1電動アクチュエータ41を駆動してパークロッド67をPレンジ側限界位置に向けて移動させる。
つまり、図10(a)に細実線矢印で示すように、パークロッド67は、初期化開始時の位置からPレンジ側限界位置へ向かって移動する。このとき、エンコーダカウント値は、図11に示すように、第1電動アクチュエータに41電源供給がなされ時刻t時点から、Pレンジ側限界位置に向けてパークロッド67を移動することで、マイナス方向に増加していく。
時刻t時点でエンコーダカウント値のマイナス方向の増加が停止すると、ステップS3へと進む。そして、時刻t時点でエンコーダカウント値の停止状態が所定時間継続したと判断したら、パークロッド67が停止している位置を停止位置Aとし、ステップS4へと進む。
これにより、初期化開始位置から停止位置Aまでのパークロッド67の移動量と、メモリ51bに記憶されていた電力遮断直前のパークロッド67の位置に基づいて算出された移動量とが比較される。そして、両者が一致した場合には、パークロッド67が停止位置Aで移動を停止したのは、Pレンジ側限界位置に達したからであると判断でき、ステップS9に進んで、この停止位置AをPレンジ側限界位置としてエンコーダ51aを初期化する。
すなわち、時刻t時点でエンコーダ51aの初期化を完了することができる。
また、第1電動アクチュエータ41への電力供給遮断中に、第1電動アクチュエータ41の回動量が電力遮断時の状態から変動し、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれた場合では、図10(b)において一点鎖線で示すように、まず初期化開始時の位置からPレンジ側限界位置に向かってパークロッド67を移動させた際、初期化開始位置から停止位置Aまでのパークロッド67の移動量と、メモリ51bに記憶されていた電力遮断直前のパークロッド67の位置に基づいて算出された移動量とが一致しない。
この場合では、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、車両の停車状態を確保した上で、第1電動アクチュエータ41を駆動してパークロッド67をPレンジ解除側限界位置に向けて移動させる。
つまり、図10(b)に細実線で示すように、パークロッド67は、停止位置AからPレンジ解除側限界位置へ向かって移動する。このとき、エンコーダカウント値は、図11に示すように、停止位置Aにおける停止判定がなされた時刻t時点から、プラス方向に増加していく。
時刻t時点でエンコーダカウント値のプラス方向の増加が停止すると、ステップS7へと進む。そして、時刻t時点でエンコーダカウント値の停止状態が所定時間継続したと判断したら、パークロッド67が停止している位置を停止位置Bとし、ステップS8へと進む。
これにより、停止位置Aから停止位置Bまでのパークロッド67の移動量と、メモリ51bに記憶されていたPレンジ側限界位置からPレンジ解除側限界位置までの設計距離とが比較される。そして、両者が一致した場合には、パークロッド67が停止位置Aで移動を停止したのは、Pレンジ側限界位置に達したからであり、パークロッド67が停止位置Bで移動を停止したのは、Pレンジ解除側限界位置に達したからであると判断できる。そのため、ステップS9に進んで、停止位置AをPレンジ側限界位置としてエンコーダ51aを初期化する。
すなわち、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれた場合では、時刻t時点でエンコーダ51aの初期化が完了する。
なお、メモリ51bを有しておらず、電力遮断直前のパークロッド67の位置を記憶していない場合では、初期化開始位置からレンジ側限界位置に向かって移動させただけでは、停止した位置(停止位置A)がPレンジ側限界位置であるか否かを判断することはできない。そのため、Pレンジ解除側限界位置に向かってパークロッド67を移動させ、再度停止した位置(停止位置B)を検出し、停止位置Aから停止位置Bまでの移動量が、Pレンジ側限界位置からPレンジ解除側限界位置までの設計距離と一致するか否かを判断する必要がある。
つまり、メモリ51bを有していないことで、エンコーダ51aの初期化完了は、常に時刻tのタイミングとなってしまう。
しかしながら、実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置では、上述のように、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれていなければ、パークロッド67をPレンジ側限界位置に向かって移動させるだけで、エンコーダ51aの初期化を完了することができる。つまり、時刻tのタイミングでエンコーダ51aの初期化を完了でき、エンコーダ51aの初期化にかかる時間を短縮することができる。
また、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれていても、Pレンジ解除側限界位置に向かってパークロッド67を移動させて停止位置Bを検出し、停止位置Aから停止位置Bまでの移動量が、Pレンジ側限界位置からPレンジ解除側限界位置までの設計距離と一致するか否かを判断することで、エンコーダ51aの初期化を適切に行うことができる。
しかも、この実施例1では、Pレンジ解除側限界位置に向かってパークロッド67を移動させるときには、車両の停車状態を確保した上で、パークロッド67の移動を行う。
このため、Pレンジ解除側限界位置に向かってパークロッド67を移動させることで、パークギヤ17からパーキングポール18が外れても、例えば下り坂での車両のずり下がりを防止することができる。
また、ここでは、自動変速機3の係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cをいずれも締結し、いわゆるインターロック状態にすることで車両の停車状態を確保する。そのため、車両の駆動系を機械的にロックすることができ、車両のずり下がりをさらに防止することができる。
そして、この実施例1では、パークロッド67を移動させるときの移動速度を、Pレンジ側限界位置やPレンジ解除側限界位置に達したときに衝撃を抑制できる目標移動速度に設定されている。その上で、図8に示すように、実際のパークロッド67の移動速度が目標移動速度よりも早いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を低下させ、実際のパークロッド67の移動速度が目標移動速度よりも遅いときには、第1電動アクチュエータ41に供給する電流値を増加させる。
これにより、パークロッド67の移動速度を適切な速度である目標移動速度に合わせることができ、両限界位置に達したときの衝撃を緩和することができる。また、パークロッド67に作用するフリクションの影響で、パークロッド67の移動が限界位置に達する前に停止してしまうことを防止できる。
また、この目標移動速度は、図9に示すように、パークロッド67が停止している位置からの移動量が増加するほど、制限されて低減する。
そのため、Pレンジ側限界位置やPレンジ解除側限界位置に近づくほど、パークロッド67の目標移動速度が遅くなり、限界位置に達したときの衝撃を緩衝することができる。また、限界位置から離れているときには、目標移動速度が比較的早いため、初期化時間のさらなる短縮を図ることができる。
そして、実施例1では、自動変速機3への入力回転数(変速機入力回転数)と、自動変速機3の出力回転数(変速機出力回転数)のいずれもが、予め設定した所定値以下のときに、エンコーダ51aの初期化を行う。
そのため、エンコーダ51aの初期化を車両停車中に限定して行うことができ、第1電動アクチュエータ41の駆動に伴うパーキング締結や係合クラッチ8cの噛み合い締結/開放によるショックの発生を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 車両に搭載され、パーキングアクチュエータ(第1電動アクチュエータ)41の駆動力により移動し、一方向に移動したとき駆動輪14を機械的に停止し、他方向に移動したとき前記駆動輪14の機械的停止を解除し、いずれの方向に移動したときにも移動限界位置(Pレンジ側限界位置、Pレンジ解除側限界位置)を有するパーク機構(パークロッド)67と、
前記パーク機構67の位置を検出するパーク位置検出手段(エンコーダ)51aと、
前記パーキングアクチュエータ41への電力供給の遮断直前の前記パーク機構67の位置を記憶するメモリ51bと、
前記パーキングアクチュエータ41への電力供給直後の初期化時、前記パーク機構67を現在位置からPレンジ側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、前記メモリ51bに記憶された位置に基づく移動量と、を比較して両者が一致したとき、前記パーク機構67の停止位置(停止位置A)を、機械的停止側の移動限界位置として前記パーク位置検出手段51aを初期化する初期化手段(図7)と、
を備える構成とした。
これにより、パークロッド67の位置を検出するエンコーダ51aの初期化時間の短縮を図ることができる。
(2) 前記初期化手段(図7)は、前記パーク機構(パークロッド)67を現在位置から機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置(停止位置A)までの移動量と、前記メモリ51bに記憶された位置に基づく移動量と、が一致しなかった場合、
前記パーク機構67を、前記パーク機構67の停止位置(停止位置A)から機械的停止解除側の移動限界位置に向けて移動させてから再度停止した位置(停止位置B)までの移動量と、機械的停止側の移動限界位置から機械的停止解除側の移動限界位置まで設計距離と、を比較して両者が一致したとき、
前記パーク機構67を機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させたときの前記パーク機構67の停止位置(停止位置A)を、機械的停止側の移動限界位置として前記パーク位置検出手段(エンコーダ)51aを初期化する構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれていても、エンコーダ51aの初期化を適切に行うことができる。
(3) 前記車両を停車させる車両停車手段を備え、
前記車両停車手段は、前記パーク機構(パークロッド)67が機械的停止側の移動限界位置に向けて移動するとき、前記車両を停車させる構成とした。
これにより、上記(2)の効果に加え、下り坂において電力遮断中にパークロッド67の位置がずれていても、エンコーダ51aの初期化中に車両のずり下がりが発生することを防止できる。
(4) 前記車両の駆動系に配置され、複数の締結要素(係合クラッチ8c,摩擦クラッチ9c)を有する変速機(自動変速機)3を備え、
前記車両停車手段は、前記複数の締結要素8c,9cを同時に締結し、変速機3をインターロック状態にすることで構成することとした。
これにより、上記(3)の効果に加え、車両の駆動系を機械的にロックすることができ、車両のずり下がりをさらに防止することができる。
(5) 前記車両の駆動系に配置された変速機(自動変速機)3を備え、
前記初期化手段(図7)は、前記変速機3への入力回転数(変速機入力回転数)及び前記変速機3の出力回転数(変速機出力回転数)が、予め設定した所定値以下のとき、前記パーク位置検出手段(エンコーダ)51aの初期化を実施する構成とした。
これにより、上記(1)から(4)のいずれかの効果に加え、エンコーダ初期化時の第1電動アクチュエータ41の駆動に伴うパーキング締結や係合クラッチ8cの噛み合い締結/開放によるショックの発生を防止することができる。
(6) 前記初期化手段(図7)は、前記パーク位置検出手段(エンコーダ)51aの初期化時の前記パーク機構(パークロッド)67の目標移動速度を設定し、前記初期化時の前記パーク機構67の実際の移動速度が前記目標移動速度よりも早いときには、前記パーキングアクチュエータ(第1電動アクチュエータ)41に供給する電流値を低下させ、前記初期化時の前記パーク機構67の実際の移動速度が前記目標移動速度よりも遅いときには、前記パーキングアクチュエータ41に供給する電流値を増加させる構成とした。
これにより、上記(1)から(5)のいずれかの効果に加え、パークロッド67が両限界位置に達したときの衝撃を緩和すると共に、パークロッド67に作用するフリクションの影響で、パークロッド67の移動が限界位置に達する前に停止してしまうことを防止できる。
(7) 前記初期化手段(図7)は、前記パーク機構(パークロッド)67が停止している位置からの移動量が増加するほど、前記パーク機構67の移動速度を低下する構成とした。
これにより、上記(1)から(6)のいずれかの効果に加え、パークロッド67が限界位置に達したときの衝撃を緩衝することができると共に、エンコーダ初期化時間のさらなる短縮を図ることができる。
以上、本発明のパーキングアクチュエータの制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、電力遮断中にパークロッド67の位置がずれたことで、エンコーダ初期化時にPレンジ解除側限界位置に向かってパークロッド67を移動させるとき、自動変速機3の係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cをいずれも締結し、いわゆるインターロック状態にすることで車両の停車状態を確保する例を示した。しかしながら、車両を停車状態にする構成はこれに限らない。例えば、摩擦ブレーキを作動させることで車輪にブレーキをかけて、車両の停車状態を確保してもよい。
また、実施例1では、パーキングアクチュエータである第1電動アクチュエータ41によって、係合クラッチ8cの締結/開放を行う例を示したがこれに限らない。係合クラッチ8cの締結/開放は、パーキングアクチュエータとは異なるアクチュエータを用いて行ってもよい。
また、自動変速機として、締結要素を摩擦クラッチのみで構成した多段変速機を適用してもよい。
さらに、実施例1のパーキングアクチュエータの制御装置では、電気自動車に適用した例を示したが、これに限らない。モータとエンジンを走行駆動源に有するハイブリッド車両や、エンジンのみを走行駆動源に有するエンジン車であっても適用することができる。
2 駆動用モータジェネレータ
3 自動変速機
6 変速機入力軸
7 変速機出力軸
8 ロー側変速機構
8c 係合クラッチ(締結要素)
9 ハイ側変速機構
9c 摩擦クラッチ(締結要素)
14 駆動輪
17 パークギヤ
18 パーキングポール
21 変速コントローラ
22 車速センサ
25 前後加速度センサ
33 モータ回転数センサ
41 第1電動アクチュエータ(パーキングアクチュエータ)
51 第1位置サーボコントローラ
61 アクチュエータ連動機構
62 アクチュエータシャフト
63 ディテントプレート
64 パーキングプレート
65 シフトプレート
66 ディテントスプリング
67 パークロッド(パーク機構)
67a ウエッジ部
68 パークサポート
69 スプリング

Claims (7)

  1. 車両に搭載され、パーキングアクチュエータの駆動力により移動し、一方向に移動したとき駆動輪を機械的に停止し、他方向に移動したとき前記駆動輪の機械的停止を解除し、いずれの方向に移動したときにも移動限界位置を有するパーク機構と、
    前記パーク機構の位置を検出するパーク位置検出手段と、
    前記パーキングアクチュエータへの電力供給の遮断直前の前記パーク機構の位置を記憶するメモリと、
    前記パーキングアクチュエータへの電力供給直後の初期化時、前記パーク機構を現在位置から機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、前記メモリに記憶された位置に基づく移動量と、を比較して両者が一致したとき、前記パーク機構の停止位置を、機械的停止側の移動限界位置として前記パーク位置検出手段を初期化する初期化手段と、
    を備えることを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  2. 請求項1に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記初期化手段は、前記パーク機構を現在位置から機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させてから停止した位置までの移動量と、前記メモリに記憶された位置に基づく移動量と、が一致しなかった場合、
    前記パーク機構を、前記パーク機構の停止位置から機械的停止解除側の移動限界位置に向けて移動させてから再度停止した位置までの移動量と、機械的停止側の移動限界位置から機械的停止解除側の移動限界位置まで設計距離と、を比較して両者が一致したとき、
    前記パーク機構を機械的停止側の移動限界位置に向けて移動させたときの前記パーク機構の停止位置を、機械的停止側の移動限界位置として前記パーク位置検出手段を初期化する
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  3. 請求項2に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記車両を停車させる車両停車手段を備え、
    前記車両停車手段は、前記パーク機構が機械的停止側の移動限界位置に向けて移動するとき、前記車両を停車させる
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  4. 請求項3に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記車両の駆動系に配置され、複数の締結要素を有する変速機を備え、
    前記車両停車手段は、前記複数の締結要素を同時に締結し、変速機をインターロック状態にすることで構成する
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記車両の駆動系に配置された変速機を備え、
    前記初期化手段は、前記変速機への入力回転数及び前記変速機の出力回転数が、予め設定した所定値以下のとき、前記パーク位置検出手段の初期化を実施する
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記初期化手段は、前記パーク位置検出手段の初期化時の前記パーク機構の目標移動速度を設定し、前記初期化時の前記パーク機構の実際の移動速度が前記目標移動速度よりも早いときには、前記パーキングアクチュエータに供給する電流値を低下させ、前記初期化時の前記パーク機構の実際の移動速度が前記目標移動速度よりも遅いときには、前記パーキングアクチュエータに供給する電流値を増加させる
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたパーキングアクチュエータの制御装置において、
    前記初期化手段は、前記パーク機構が停止している位置からの移動量が増加するほど、前記パーク機構の移動速度を低下する
    ことを特徴とするパーキングアクチュエータの制御装置。
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