JP2003330228A - マイクロカプセル含有トナー粒子とそれを用いたカラー画像形成方法及び装置 - Google Patents

マイクロカプセル含有トナー粒子とそれを用いたカラー画像形成方法及び装置

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JP2003330228A
JP2003330228A JP2002137194A JP2002137194A JP2003330228A JP 2003330228 A JP2003330228 A JP 2003330228A JP 2002137194 A JP2002137194 A JP 2002137194A JP 2002137194 A JP2002137194 A JP 2002137194A JP 2003330228 A JP2003330228 A JP 2003330228A
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color
toner particles
microcapsule
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JP2002137194A
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Yasuo Kamoshita
康夫 鴨下
Yoichi Tamagawa
洋一 玉川
Tomofumi Sano
智文 佐野
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Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消耗品の管理も煩雑とならずにカラー画像形
成を得ることが可能なマイクロカプセルを複数含有させ
たトナー粒子とそれを用いたカラー画像形成方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 光応答性が各々異なる光異性化物質を各
カプセル壁に有するマイクロカプセルMCy,MCm,M
Ccの各内相には、発色能が各々異なる染料前駆体10
a,10b,10c及び補助物質9を配してあり、これ
らマイクロカプセルMCy,MCm,MCcと顕色剤3及
び補助物質4等をトナー樹脂2中に分散混合し、フルカ
ラー粒子FMCTを構成してある。感光体21上に形成
した静電潜像をこのフルカラー粒子FMCTを用いて現
像後、発色光書込みヘッド27a,27b,27cによ
り、3種類の光異性化物質を夫々光異性化可能な第1の
光R1a,R1b,R1cを、フルカラー記録データに応じて
夫々照射する。このフルカラー粒子FMCTを用紙に転
写後、加熱定着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部刺激を受けて
構造の変化するマイクロカプセルを用いた画像形成方法
に関し、より詳細には、外部刺激により色変化するマイ
クロカプセルを含有させたトナー粒子とそれを用いたカ
ラー画像形成方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラープリントと言えば銀塩写真が挙げ
られる程、その技術が長い間主流であったが、近年で
は、カラー画像形成方法及び装置として種々の方式が提
案され、中でも、電子写真方式、熱転写方式、インクジ
ェット方式が著しい進歩を遂げ、解像度の点でも銀塩写
真方式に匹敵し、これにとって変わる勢いで汎用される
ようになってきた。これら三方式はいずれも、普通紙に
も画像形成可能な点で優れるものであるが、色別に複数
(少なくとも3種類)のインクやトナーが必要なことか
ら、消耗品管理が煩雑である。
【0003】これに対し、上記銀塩写真方式に類似する
が新規な方式のものとして、光や熱といった外部刺激に
応答性のマイクロカプセルを含有するインク層を予めコ
ーティングした専用の記録紙を用い、これに画像情報に
対応した光や熱を付与して画像形成を行う方式の装置も
提案されている。例えば、図6〜図10は、そのような
光応答性マイクロカプセル含有記録紙を用いて光記録を
行う方法の一例を示すものであり、特許第297915
8号に記載されるものである。
【0004】これを簡単に説明すると、この方式では、
まず、図6に示すように、支持シート101の表面に、
マイクロカプセル含有剤CCを塗着した光記録紙Pを用
いる。ここで、マイクロカプセル含有剤CCは、結着樹
脂102中に、マイクロカプセルMCと、互いに混合さ
れて発色反応を起こす反応性物質の一方である顕色剤1
03、及びその補助物質104を、分散混合して成る。
結着樹脂102は、マイクロカプセルMCや顕色剤10
3及び補助物質104を支持シート101上に保持する
為の材料であり、常温下でゲル状態となるように相転移
温度(Tc)の低い材料を用いている。
【0005】そして、図7の拡大図に示すように、マイ
クロカプセルMCのカプセル壁Cfは微細孔106を多
数有する多孔質材料から成っている。また、カプセル壁
Cfを構成する壁材105の材料には合成高分子材料を
用い、多孔質なスポンジ状に形成されている。更に、壁
材105の微細孔106内には、オスファチジルエタノ
ールアミン脂質、レシチン等の両親媒性化合物から成る
2分子累積膜107が埋め込んである。この2分子累積
膜107は、図示するような多層構造のラメラ層をなし
ており、常温下で所定の流動性をもった液晶状態となる
ように、液晶状態と結晶状態間の相転移温度を低く設定
してある。このように、2分子累積膜107でマイクロ
カプセルMCの微細孔106を被閉すると、分子量の低
い物質に対しても高い透過バリアー性を持たせることが
できる。
【0006】そして、図示するように、2分子累積膜1
07中には、光異性化物質108を分散会合させてあ
る。この光異性化物質108は、特定の波長の光を吸収
して分子内の結合様式或いは電子状態に変化が生じ、こ
の変化から例えば立体構造や双極子モーメント或いは電
荷状態等の分子物性の変化が引き起こされる性質を備え
ている。光異性化反応としては、トランス−シス異性化
反応、双極イオン生成反応、開環−閉環反応、イオン対
生成反応、酸化還元反応との複合反応、水素移動反応及
び酸素付加反応等が知られているが、例えば、“トラン
ス−シス異性化反応”は分子のコンホメーション変化が
大きいので、有効に用いられる。トランス−シス異性化
反応が起きる光異性化物質としては、アゾベンゼン及び
その誘導体、スチルベン、イソスチルベンとその誘導
体、スピロベンゾピランとその誘導体等があるが、アゾ
ベンゼンが好適とされる。そこで、以下アゾベンゼンの
トランス−シス異性化反応に沿って説明する。
【0007】アゾベンゼンは、トランス体からシス体へ
異性化すると、図8に示すように直線状の分子形態から
屈曲した分子形態へ変化し、ベンゼン環108aとベン
ゼン環108bとの距離が9.0オングストロームから
5.5オングストロームに短くなることが知られてい
る。図9に示すように、2分子累積膜107の中に分散
させた光異性化物質108は、ラメラ層を成す2分子累
積膜107の規則正しい分子配列状態の影響を受けてト
ランス状態で会合し、図7の〔a〕に示すように微細孔
106内は全体として密な層構造をなしている。
【0008】図6において、マイクロカプセルMC内に
は、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の他
方としての染料前駆体109が内蔵されている。染料前
駆体109は、通常は無色であるが、酸性物質と反応し
て発色する性質をもつ色素である。一方、カプセル内相
には、他に、染料前駆体109の化学的性質を調整する
為の各種の補助物質110も混合されている。また、マ
イクロカプセルMCの外相となる結着樹脂102中に分
散させてある顕色剤103は、発色反応を起こす反応性
物質の一方であり、反応性物質の他方であるカプセル内
相の染料前駆体109と混合されて発色する。染料前駆
体109がロイコ染料である場合、顕色剤103として
は、αナフトール、βナフトール、ビスフェノールA等
のフェノール類、サリチル酸亜鉛誘導体、芳香族カルボ
ン酸金属塩等の酸性物質が使用できる。又、補助物質1
04は、カプセル内相の補助物質110と同様に顕色剤
103の物性を調整する為の各種物質である。
【0009】このように構成した光記録紙Pにおいて、
常温下における初期状態では、支持シート101上に被
着してあるマイクロカプセル含有剤CCは熱的に安定し
た状態にある。即ち、図7の〔a〕に示すように、2分
子累積膜107に分散会合させてある光異性化物質10
8が、2分子累積膜107の表面圧を緩和するような分
子形態で安定している。即ち、2分子累積膜107は液
晶状態をなしているから表面圧が比較的低く、且つ、光
異性化物質108のアゾベンゼン誘導体がトランス状態
にあるから、図示するように2分子累積膜107中のど
の場所も緻密な膜構造をなしている。従って、初期状態
における2分子累積膜107の物質透過性は低い。又、
このとき、カプセル内相の染料前駆体109と外相(結
着樹脂102中)の顕色剤103はカプセル壁Cfを介
して隔離されているから発色せず、マイクロカプセル含
有剤CC全体が透明をなしている。
【0010】被着されたマイクロカプセル含有剤CCが
このような初期状態に在る光記録紙Pに対し、図10に
示すように、記録情報に対応させて第1の光R1を照射
し、光記録を行なう。すなわち、第1の光R1は、波長
がν1のスペクトル成分光を含む光であり、図示するよ
うに、画像形成装置の光記録ヘッド111から、記録紙
搬送路112に沿って搬送される光記録紙に向けて照射
される。この第1の光R1の照射により、図7におい
て、その波長がν1の成分光を光異性化物質108が吸
収して分子の立体構造をトランス状態からシス状態へ変
化させる。その結果、光異性化物質108が2分子累積
膜107中において占有するスペースが増し、付近の分
子層が圧縮されて2分子累積膜107の表面圧が上昇す
る。
【0011】なお、光異性化物質108としてアゾベン
ゼン誘導体を用いる場合、波長ν1に相当する光は紫外
領域光となる。従って、図10に示す光記録ヘッド11
1として、レーザー記録ヘッドを用いる場合は、紫外線
レーザーを第1の光R1として照射する。このような紫
外領域光を成分とする第1の光R1を照射すると、図9
に示すように、アゾベンゼン誘導体108のアゾベンゼ
ン結合部位が、直線状の分子形態をとるトランス状態か
ら屈曲型の分子形態をとるシス状態に異性化する。アゾ
ベンゼン誘導体108はトランス体よりシス体の方が大
きいスペースを占有するので、アゾベンゼン誘導体10
8のシス状態への異性化により2分子累積膜107の表
面圧が上昇し、膜構造がアゾベンゼン誘導体108の周
辺で大きく乱れた形態となる。
【0012】第1の光R1の照射強度を制御することに
より、2分子累積膜107中に含まれる全ての光異性化
物質分子の内で実際に光異性化を起こす分子の量を制御
することができる。即ち、光照射の強度を制御すること
により、2分子累積膜107の乱れの度合いを制御し、
2分子累積膜107の物質透過性を自在に制御できる。
これにより、単なる光の点滅制御による単一濃度の記録
画像だけでなく、濃度階調性を備えた記録画像も容易に
得ることができる。
【0013】光記録後、適長時間の緩和過程を経て光記
録紙Pを加熱する。光記録紙Pを加熱すると、カプセル
外相物質の顕色剤103とマイクロカプセルMCに内蔵
してある各染料前駆体109が各カプセル壁Cfを介し
て相互に拡散を開始する。その結果、染料前駆体109
と顕色剤103が化学反応を起こし色素が形成される。
即ち、潜像が視認可能なカラー顕像に現像され始める。
加熱現像工程を実施する手段としては、ヒートローラ1
14を光記録ヘッド111の下流側に配設してある。
【0014】加熱され記録画像が顕像化した光記録紙P
は、次に、光定着器115による光照射による定着作用
を受ける。発色反応が進行し所望の発色濃度が得られた
光記録紙Pに対し、波長がν2の成分光を含む第2の光
R2を照射する。これにより、カプセル壁Cfの光異性化
物質が波長ν2の成分光を吸収し、元の分子構造(第1
の光R1を照射する前の)に戻る。光異性化物質がアゾ
ベンゼン誘導体の場合、可視領域光が波長ν2の光に相
当する。従って、可視領域光を第2の光R2として所望
の発色濃度が得られた光記録紙Pに照射すれば、アゾベ
ンゼン結合部位がシス状態からトランス状態に逆変化
し、分子形態が屈曲型から直線型に復帰する。これによ
り、図7の〔a〕に示すように、分子累積膜107も元
の整然として緻密な膜構造に戻り、物質透過性が初期状
態と同程度に低くなる。光定着を終え記録画像が完成し
た光記録紙は、この後機外に排出される。よって、この
ような専用の光記録紙Pを用意すれば銀塩写真方式に類
似するカラープリントを簡単な装置で容易に形成でき
る、というものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子写真方式等の前者方式では、普通紙を使えるものの色
別に複数(少なくとも3種類)のインクやトナーが必要
なため、消耗品管理が煩雑であった。一方、後者の場
合、基本的に記録紙全面にインク塗布することからコス
ト高が避けられず、普通紙を使えないデメリットがあっ
た。従って、これら従来の装置には一長一短があり、更
なる方法/装置が望まれていた。
【0016】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
みなされたものであって、簡単な装置で良好なフルカラ
ー画像形成を消耗品の管理も煩雑となることなく得るこ
とが可能な色変化マイクロカプセルを含有させたトナー
粒子とそれを用いたカラー画像形成方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の発明者らが鋭意検討した結果、上記色変化
マイクロカプセルを所謂電子写真方式のトナー粒子と同
様に挙動できるよう、トナー樹脂成分に含有させるとと
もに、従来の電子写真プロセスに改良を加えることによ
り、上記種々の問題を解決できることを知見し、本発明
を完成したものである。
【0018】本発明のマイクロカプセル含有トナー粒子
は、請求項1記載のように、外部刺激を受けて物質透過
性が変化するカプセル壁を有する複数のマイクロカプセ
ルをトナー樹脂中に分散混合して成ることを前提とす
る。そして、上記トナー樹脂中に互いに混合されて発色
反応を起こす反応性物質の一方を分散すると共に、上記
マイクロカプセル内に上記反応性物質の他方を内蔵し、
上記外部刺激により上記カプセル壁の物質透過性が増大
し上記反応性物質が互いに拡散混合して発色反応が生ず
るべく構成される。
【0019】ここで、上記外部刺激は、請求項2記載の
ように、特定波長の光の照射であり、上記カプセル壁が
特定波長の光を受けて異性化する光異性化物質を含む2
分子膜を有し、上記特定波長の光の照射により、上記光
異性化物質が分子立体構造を変化させて上記カプセル壁
の物質透過性が増大し上記反応性物質が互いに拡散混合
して発色反応が起きるよう構成される。
【0020】また、本発明のマイクロカプセル含有トナ
ー粒子は、請求項3記載のように、上記発色反応が起き
る以前では実質的に透明であることが好ましい。
【0021】本発明のカラー画像形成方法は、互いに混
合されて発色反応を起こす反応性物質の一方と、外部刺
激を受けて物質透過性が変化するカプセル壁を備え上記
反応性物質の他方を内蔵する複数のマイクロカプセルと
を、トナー樹脂中に分散して成るマイクロカプセル含有
トナー粒子を用いることを前提とする。
【0022】そして、請求項4記載のように、像担持体
上を所定電位に帯電する帯電工程と、該帯電工程により
帯電された上記像担持体上に画像情報に応じた電位パタ
ーンの静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、上記像
担持体上に形成された静電潜像に上記マイクロカプセル
含有トナー粒子を付与する現像工程と、該現像工程によ
り上記像担持体上に付与された上記マイクロカプセル含
有トナー粒子に、上記画像情報中の色成分情報に対応し
た外部刺激を与えて上記カプセル壁の物質透過性を増大
させて上記反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を
起こさせる発色工程と、該発色工程を経た上記像担持体
上のマイクロカプセル含有トナー粒子を用紙上に転写す
る転写工程と、該転写工程により上記用紙上に転写され
た上記マイクロカプセル含有トナー粒子を上記用紙上に
定着する熱定着工程と、を順次行って上記用紙上に発色
したトナー粒子に基づくカラー画像を形成することを特
徴としている。
【0023】また、請求項5記載のように、像担持体上
を所定電位に帯電する帯電工程と、該帯電工程により帯
電された上記像担持体上に画像情報に応じた電位パター
ンの静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、上記像担
持体上に形成された静電潜像に上記マイクロカプセル含
有トナー粒子を付与する現像工程と、該現像工程により
上記像担持体上に付与された上記マイクロカプセル含有
トナー粒子を用紙上に転写する転写工程と、該転写工程
により上記用紙上に転写された上記マイクロカプセル含
有トナー粒子に、上記画像情報中の色成分情報に対応し
た外部刺激を与えて上記カプセル壁の物質透過性を増大
させて上記反応性物質が互いに拡散混合して発色反応を
起こさせる発色工程と、該発色工程を経た上記マイクロ
カプセル含有トナー粒子を上記用紙上に定着する熱定着
工程と、を順次行って上記用紙上に発色したトナー粒子
に基づくカラー画像を形成するようにすることもでき
る。
【0024】更に、請求項6記載のように、像担持体上
を所定電位に帯電する帯電工程と、該帯電工程により帯
電された上記像担持体上に画像情報に応じた電位パター
ンの静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、上記像担
持体上に形成された静電潜像に上記マイクロカプセル含
有トナー粒子を付与する現像工程と、該現像工程により
上記像担持体上に付与された上記マイクロカプセル含有
トナー粒子を用紙上に転写する転写工程と、該転写工程
により上記用紙上に転写された上記マイクロカプセル含
有トナー粒子を上記用紙上に定着する熱定着工程と、該
熱定着工程により上記用紙上に定着された上記マイクロ
カプセル含有トナー粒子に、上記画像情報中の色成分情
報に対応した外部刺激を与えて上記カプセル壁の物質透
過性を増大させて上記反応性物質が互いに拡散混合して
発色反応を起こさせる発色工程と、を順次行って上記用
紙上に発色したトナー粒子に基づくカラー画像を形成す
るようにすることもできる。
【0025】そして、本発明のカラー画像形成方法にお
いては、請求項7記載のように、上記外部刺激が特定波
長の光の照射であり、上記カプセル壁が特定波長の光を
受けて異性化する光異性化物質を含む2分子膜を有し、
上記特定波長の光の照射により、上記光異性化物質が分
子立体構造を変化させて上記カプセル壁の物質透過性が
増大し上記反応性物質が互いに拡散混合して発色反応が
起きるよう構成される。
【0026】また、請求項8記載のように、上記熱定着
工程の後に、上記マイクロカプセル含有トナー粒子に上
記発色反応の進行を停止させる発色反応停止光を照射す
る工程を更に行うことが好ましく、更に、本発明のカラ
ー画像形成方法において用いられるマイクロカプセル含
有トナー粒子は、請求項9記載のように、上記発色反応
が起きる以前では実質的に透明である。
【0027】本発明のカラー画像形成装置は、互いに混
合されて発色反応を起こす反応性物質の一方と、外部刺
激を受けて物質透過性が変化するカプセル壁を備え上記
反応性物質の他方を内蔵する複数のマイクロカプセルと
を、トナー樹脂中に分散して成るマイクロカプセル含有
トナー粒子を用いることを前提とし、請求項10に記載
のように、像担持体上を所定電位に帯電する帯電手段
と、該帯電手段により帯電された上記像担持体上に画像
情報に応じた電位パターンの静電潜像を形成する静電潜
像形成手段と、上記像担持体上に形成された静電潜像に
上記マイクロカプセル含有トナー粒子を付与する現像手
段と、該現像手段により上記像担持体上に付与された上
記マイクロカプセル含有トナー粒子を用紙上に転写する
転写手段と、該転写手段により上記用紙上に転写された
上記マイクロカプセル含有トナー粒子を上記用紙上に定
着する熱定着手段と、上記現像手段による現像工程と上
記転写手段による転写工程の間、上記転写工程と上記熱
定着手段による熱定着工程の間あるいは上記熱定着工程
の後であって、上記マイクロカプセル含有トナー粒子
に、上記画像情報中の色成分情報に対応した外部刺激を
与えて上記カプセル壁の物質透過性を増大させて上記反
応性物質が互いに拡散混合して発色反応を起こさせる発
色手段と、を備える構成である。
【0028】そして、請求項11記載のように、上記発
色手段が上記外部刺激として特定波長の光を照射する特
定波長光照射手段であり、上記カプセル壁が特定波長の
光を受けて異性化する光異性化物質を含む2分子膜を有
し、上記特定波長の光の照射により、上記光異性化物質
が分子立体構造を変化させて上記カプセル壁の物質透過
性が増大し上記反応性物質が互いに拡散混合して発色反
応が起きることを特徴としている。
【0029】また、請求項12記載のように、上記熱定
着工程の後に、上記マイクロカプセル含有トナー粒子に
上記発色反応の進行を停止させる発色反応停止光を照射
する発色反応停止光照射手段を更に備えることが好まし
い。
【0030】更に、請求項13記載のように、上記発色
反応が起きる以前では上記マイクロカプセル含有トナー
粒子が実質的に透明である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示
し、本発明をより具体的に説明する。 <第1の実施形態>図1には、本発明のマイクロカプセ
ル含有トナー粒子の一実施形態であるモノカラー粒子M
MCTの構成が模式的に示されている。モノカラー粒子
MMCTは、トナー樹脂2中にマイクロカプセルMC
と、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質の一
方である顕色剤3及び補助物質4を分散混合してなる。
【0032】トナー樹脂2は、マイクロカプセルMCや
顕色剤3及び補助物質4を用紙上に定着させる為の材料
であり、常温下でゲル状態となるように相転移温度(T
c)の低い材料を用いている。そして、詳しくは後述す
るが、電子写真方式と同様に、帯電された像担持体へ静
電付着できるトナー粒子を構成するものである。このよ
うに、マイクロカプセルMCをトナー粒子中に含有させ
てカラー粒子を構成する点が本発明の特徴である。
【0033】マイクロカプセルMC自体は、上述の従来
技術で説明したのと同様(図7参照)、カプセル壁Cf
が多孔質材料から成り、微細孔106を多数有してい
る。本例では、壁材105の材料としてポリアミド、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリウレア、ポリスチレン、ポリビニールアルコー
ル等の一般的な高分子材料を用い、多孔質なスポンジ状
の壁材105を形成している。壁材105の膜厚は、数
十ミクロン(μm)〜数十ナノメートル(nm)程度に
設定してある。また、壁材105の微細孔106内に
は、両親媒性化合物から成る2分子累積膜107を埋め
込んであり、多層構造のラメラ層をなしている。又、2
分子累積膜107は、常温下である程度の流動性をもっ
た液晶状態となるように、液晶状態と結晶状態間の相転
移温度を低く設定してある。
【0034】2分子累積膜107を構成する分子として
は、オスファチジルエタノールアミン脂質、レシチン等
の両親媒性化合物を使用できる。また、2分子累積膜1
07中には、光異性化物質108を分散会合させてあ
り、トランス−シス異性化反応が起きるアゾベンゼン誘
導体を用いている。尚、光異性化物質として利用可能な
物質は上記アゾベンゼン誘導体に限るものではないこと
は言うまでもない。
【0035】さて、図1に戻り、マイクロカプセルMC
内には、互いに混合されて発色反応を起こす反応性物質
の他方としての染料前駆体10を内蔵してある。染料前
駆体10は、通常は無色であるが、酸性物質と反応して
発色する性質をもつ色素である。このような物質として
は、ロイコ染料が広く知られており、その内の一般的な
フタリド系、フルオラン系、トリフェニルメタン系、フ
ェノチアジン系、スピロピラン系を好適に用いることが
できる。具体的には、一般的な感圧紙や感熱紙等に広く
用いられている、クリスタルバイオレットラクトン、カ
ルバゾリルブルー、インドリルレッド、ピリジンブル
ー、ローダミンBラクタム、マラカイトグリーン、3−
ジアルキルアミノ−7−ジアルキルアミノフルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、等が挙げられる。
【0036】カプセル内相には、他に、染料前駆体10
の化学的性質を調整する為の各種の補助物質9も混合し
てある。例えば、染料前駆体10がロイコ染料の場合、
補助物質9として、ロイコ染料を溶解・分散させる為の
溶媒である蒸留水やベンゼン、トルエン、アルキルナフ
タレン、ビフェニル類、パラフィン類等の有機溶剤が使
用できる。更に、カプセル内相の溶液に適切な粘性を付
与する為、市販の各種ワックスや樹脂ポリマーを混入し
てある。
【0037】以上のように、カプセル内相には、染料前
駆体10とその補助物質9及びその他の物質を混合・分
散させて封入してある。
【0038】つぎに、マイクロカプセルMCの製造方法
について説明する。先ず、殻状をなす壁材内にターゲッ
ト物質を含むカプセル内相物質を内包したマイクロカプ
セル中間体を製造する。この中間体製造方法としては、
界面重合法、コア・セルベーション法等が利用できる。
【0039】次に、2分子累積膜材料の両親媒性化合物
と光異性化物質を溶かしたアルカン溶液を加熱し、この
溶液中に上述のマイクロカプセル中間体を投入する。数
分間放置して自然冷却させると、壁材内の水相と壁材外
のアルカン相との界面に2分子膜が析出し、壁材の微細
孔部に累積した2分子膜が埋め込まれ、マイクロカプセ
ルが出来上がる。尚、壁材中の微細孔に予め両親媒性化
合物で2分子累積膜を形成しておき、これに光異性化物
質を吸着させる方法によっても、マイクロカプセルを製
造可能である。
【0040】図1に戻り、マイクロカプセルMCの外相
となるトナー樹脂2中に分散混合させてある顕色剤3
は、発色反応を起こす反応性物質の一方であり、反応性
物質の他方であるカプセル内相の染料前駆体10と混合
されて発色する。染料前駆体10がロイコ染料である場
合、顕色剤3としては、αナフトール、βナフトール、
ビスフェノールA等のフェノール類、サリチル酸亜鉛誘
導体、芳香族カルボン酸金属塩等の酸性物質が使用でき
る。
【0041】又、補助物質4は、カプセル内相の補助物
質9と同様に顕色剤3の物性を調整する為の各種物質で
あり、例えば顕色剤3を溶解・分散させる為の溶媒とな
る蒸留水やベンゼン、トルエン等の有機溶媒等がこれに
あたる。本例では、前述したように常温下でゲル化して
いるトナー樹脂2中に顕色剤3及び補助物質4を分散さ
せてある。
【0042】上述のように構成したモノカラー粒子MM
CTを用いるカラー画像形成方法について、以下に説明
する。図2は、モノカラー粒子MMCTにおける物質拡
散動作を示す模式的説明図で、図3は本例のカラー画像
形成方法を実施する為のカラー画像形成装置の概略構成
を示す構成説明図である。
【0043】図3において、カラー画像形成は、まず第
1ステップとして、像担持体としての感光体21を帯電
器22を用いて一様に帯電させる。次に、静電潜像形成
ヘッド26によって感光体21上に静電潜像を形成す
る。そして、現像器23内に投入されているモノカラー
粒子MMCTを用いて感光体21上に静電潜像を現像す
る。この結果、画像部に対応してモノカラー粒子MMC
Tが感光体21上に付着し、非画像部にはモノカラー粒
子MMCTが付着しない。
【0044】図2(a)は、常温下におけるモノカラー
粒子MMCTの初期状態を示し、図3における現像工程
後の状態でもある。この状態では、感光体21上に付着
したモノカラー粒子MMCTは熱的に安定した状態にあ
る。即ち、上述の図7の〔a〕に示したように、2分子
累積膜107に分散会合させてある光異性化物質108
が、2分子累積膜107の表面圧を緩和するような分子
形態で安定している。本例では光異性化物質108とし
てアゾベンゼン誘導体を用いており、このアゾベンゼン
誘導体は、初期状態では直線状分子形態のトランス状態
で安定している。即ち、2分子累積膜107は液晶状態
をなしているから表面圧が比較的低く、且つ、光異性化
物質108のアゾベンゼン誘導体がトランス状態にある
から、図示するように2分子累積膜107中のどの場所
も緻密な膜構造をなしている。従って、初期状態におけ
る2分子累積膜107の物質透過性は低い。従って、図
2(a)において、カプセル内相の染料前駆体10と外
相(トナー樹脂2中)の顕色剤3はカプセル壁(不図
示)を介して隔離されているから発色せず、モノカラー
粒子MMCT全体が透明をなしている。
【0045】又、2分子累積膜(不図示)は、一般に温
度の上昇と共に結晶(ゲル)状態から液晶状態に相転移
する特性を有しており、相転移温度Tc以下の結晶状態
においてより高い物質透過に対するバリアー性を示す。
本例では、2分子累積膜が常温環境下において液晶状態
をなすように、2分子累積膜の材料として、その相転移
温度Tcが常温より低い材料を選定してある。従って、
2分子累積膜は、常温の環境温度の下では、液晶状態に
在って物質透過に対するバリアー性が低い為、光を照射
しない初期状態においても小さい物質透過性を示す。但
し本例では、カプセル外相全体がゲル化したトナー樹脂
2により非流動状態に保持されているから、内相の染料
前駆体10と外相の顕色剤3が2分子累積膜107を通
じて相互に拡散する現象(物質の相互拡散)が殆ど発生
しない。尚、両親媒性化合物から成る2分子累積膜の相
転移温度Tcは、材料の選定等により15℃から60℃
の間の範囲に設定可能である。
【0046】次に、上述の初期状態に在るモノカラー粒
子MMCTに対し、図2(b)に示すように、記録情報
に対応させて第1の光R1を照射し、光記録を行なう。
第1の光R1は、波長がν1のスペクトル成分光を含む光
であり、図3に示すように、発色光書込みヘッド27か
ら、感光体21上に付着したモノカラー粒子MMCTに
向けて照射される。この第1の光R1の照射により、上
述の図7の〔b〕に示したように、その波長がν1の成
分光を光異性化物質108が吸収して分子の立体構造を
トランス状態からシス状態へ変化させる。その結果、光
異性化物質108が2分子累積膜107中において占有
するスペースが増し、付近の分子層が圧縮されて2分子
累積膜107の表面圧が上昇する。
【0047】本例のように光異性化物質108としてア
ゾベンゼン誘導体を用いる場合、波長ν1に相当する光
は紫外領域光となる。従って、図3に示す発色光書込み
ヘッド27として、レーザー記録ヘッドを用い、紫外線
レーザーを第1の光R1として照射している。このよう
な紫外領域光を成分とする第1の光R1を照射すると、
図8に示したように、アゾベンゼン誘導体108のアゾ
ベンゼン結合部位が、直線状の分子形態をとるトランス
状態から屈曲型の分子形態をとるシス状態に異性化す
る。アゾベンゼン誘導体108はトランス体よりシス体
の方が大きいスペースを占有するので、アゾベンゼン誘
導体108のシス状態への異性化により2分子累積膜1
07の表面圧が上昇し、膜構造がアゾベンゼン誘導体1
08の周辺で大きく乱れた形態となる。その結果、2分
子累積膜107のカプセル内外相の物質分子に対する透
過性が増大する。これは、物質分子が膜構造の乱れた部
分、即ちアゾベンゼン誘導体108の周辺を通過し易く
なる為と考えられている。
【0048】アゾベンゼン結合部位のトランス−シス異
性化は、所要時間が10のマイナス7乗からマイナス8
乗sec程度と極めて短かく高速度で進行するが、この
後、分子鎖全体が屈曲したり周囲の2分子累積膜107
の層を圧縮したりする緩和過程が比較的ゆっくり進むの
で、2分子累積膜107の物質透過性の変化には、約1
0のマイナス3乗sec程度の応答時間が必要となる。
しかし、緩和過程は光を照射しなくても進行するから、
2分子累積膜107の物質透過性は、照射時間が非常に
短く上述した光異性化所要時間程度であるパルス光に対
しても充分正確に応答して変化する。従って、高速度光
記録にも充分対応できる。
【0049】又、第1の光R1の照射強度を制御するこ
とにより、2分子累積膜107中に含まれる全ての光異
性化物質分子の内で実際に光異性化を起こす分子の量を
制御することができる。即ち、光照射の強度を制御する
ことにより、2分子累積膜107の乱れの度合いを制御
し、2分子累積膜107の物質透過性を自在に制御でき
る。これにより、単なる光の点滅制御による単一濃度の
記録画像だけでなく、次に述べるように、濃度階調性を
備えたモノカラー記録画像も容易に得ることができる。
尚、波長がν1の成分光を含まない光が照射されても上
述の光異性化は進行しないから、波長がν1の成分光を
含まない光の照明の下で、上述の光照射による物質透過
制御、即ち光記録を、容易且つ正確に実施できる。
【0050】図2(b)に示した光記録段階では、4ビ
ットの記録データに対応した4ドットを形成する状態を
示しており、各ドットに夫々1個のマイクロカプセルM
C1〜MC4を模式的に対応させてある。この場合、マイ
クロカプセルMC1に対応するドットを形成する第1の
光(ドット光)R1の強度が最も大きく、マイクロカプ
セルMC2、MC3の各対応ドットになるに従い各ドット
光R1の照射強度を小さくしている。マイクロカプセル
MC4に対応するドットは白ドットで、従って対応ドッ
ト光が照射されていない。対応ドット光R1の照射強度
が最も大きいマイクロカプセルMC1のカプセル膜Cfの
乱れ度合いが最も大きく、物質透過性が最も増加し、ド
ット光R1の照射強度の低下に応じてマイクロカプセル
MC2,MC3の物質透過性の増加度合いも小さくなって
いる。マイクロカプセルMC4は、ドット光R1が照射さ
れていないから初期状態(図2(a))と同様で物質透
過性が殆ど無い状態のままである。
【0051】上述のように各マイクロカプセルMC1〜
MC4の物質透過性が変化しても、カプセル外相(トナ
ー樹脂2)がゲル状態となっているから、内相の染料前
駆体10と外相の顕色剤3の2分子累積膜を介した相互
拡散は開始されない。即ち、図2(b)の状態は、表面
上は視認できない記録データに応じた潜像が形成された
状態と見做せる。
【0052】光記録後、モノカラー粒子MMCTを用紙
に転写し、定着器25によりモノカラー粒子MMCTを
用紙に定着する。その際、モノカラー粒子MMCTはカ
プセル外相の顕色剤3が拡散移動できる程度にトナー樹
脂2が加熱により低粘度になる。このようにモノカラー
粒子を加熱すると、カプセル外相物質の顕色剤3とマイ
クロカプセルMC1〜MC3に内蔵してある各染料前駆体
10が各カプセル壁Cfを介して相互に拡散を開始する
(図2(c))。その結果、染料前駆体10と顕色剤3
が化学反を起こし色素が形成される。即ち、潜像が視認
可能なモノカラー顕像にカラー画像形成される。
【0053】ところで、光記録段階(図2(b))にお
いてシス状態に異性化した光異性化物質のアゾベンゼン
誘導体は、長期的には2分子累積膜の表面圧を緩和する
ようにトランス状態へ復帰するが、短時間では安定して
シス状態を保っている。即ち、光を照射しない(無照
射)条件下でも、2分子累積膜はアゾベンゼン誘導体が
シス化した乱れた膜構造を保持して大きい物質透過性を
維持している。従って、加熱による現像を実施する間、
時間の経過と共にカプセル外相の顕色剤3がカプセル内
相へ拡散する量が多くなり、この内相に拡散した顕色剤
3が既存の染料前駆体9と発色化学反応を起こして色素
13を生成するから、マイクロカプセルMC1〜MC3が
次第に発色濃度を増していく。又、カプセル内相に在っ
た染料前駆体9も外相へ拡散し、外相に在る顕色剤3と
発色化学反応を起こして同様の色素を生成するが、カプ
セル内相物質より粘度の高いトナー樹脂2により生成色
素13の拡散距離が制限される。その結果、発色領域
は、マイクロカプセルMC1〜MC3とその周辺に限定さ
れ、各ドットが明瞭に形成されて記録画像の解像度が向
上する。
【0054】ここで、染料前駆体9や顕色剤3等のカプ
セル内、外相の各物質分子の拡散量は、2分子累積膜7
を透過する分子のサイズやカプセル内外の圧力値等によ
っても異なるが、2分子累積膜7の乱れの度合いによっ
て大きく異なる。従って、前述したように、2分子累積
膜の乱れ度合いが最も大きいのは、第1の光R1を最も
強く照射したドットに対応するマイクロカプセルMC1
であるから、このマイクロカプセルMC1に係わる物質
の相互拡散が最も活発に行なわれ、発色濃度が最も高
い。そして、第1の光R1の照射強度の順にマイクロカ
プセルMC2,MC3と段階的に発色濃度が低下する。こ
のようにして、濃度階調性を備えたモノカラー記録画像
が得られる。
【0055】図2において、加熱され記録画像が顕像化
したモノカラー粒子MMCTは、次に、光照射による定
着作用を受ける。図2(e)に示すように発色反応が進
行し所望の発色濃度が得られたモノカラー粒子MMCT
に対し、波長がν2の成分光を含む第2の光R2を照射す
る。これにより、カプセル膜Cf1〜Cf3の光異性化物質
が波長ν2の成分光を吸収し、元の分子構造(第1の光
R1を照射する前の)に戻る。
【0056】光異性化物質がアゾベンゼン誘導体の場
合、可視領域光が波長ν2の光に相当する。従って、可
視領域光を第2の光R2として所望の発色濃度が得られ
たモノカラー粒子MMCTに照射すれば、アゾベンゼン
結合部位がシス状態からトランス状態に逆変化し、分子
形態が屈曲型から直線型に復帰する。これにより、図7
の〔a〕に示したように、分子累積膜107も元の整然
として緻密な膜構造に戻り、物質透過性が初期状態と同
程度に低くなる。本例では、図3に示すように可視光を
照射するランプを内蔵した光定着ヘッド28を加熱現像
手段である定着ローラ25の下流側に配設してある。こ
の場合、2分子累積膜の乱れ度合いの大きいマイクロカ
プセル程、元の分子形態に戻す為に第2の光R2を強く
照射する必要がある。従って、各ドットに対する第2の
光R2の照射強度を少なくとも第1の光の照射強度に対
応させる必要がある。しかし、第2の光R2を過剰に照
射しても画像定着上で支障はないから、実用上は一律に
第2の光R2を適度に過剰な強度で照射する仕様とすれ
ばよい。これにより、光定着ヘッド28が簡単な装置で
済む。
【0057】光定着を終え記録画像が完成した用紙は、
この後機外に排出される。尚、第1の光R1の照射(発
色光書込みヘッド27による光記録段階)から光定着ヘ
ッド28による第2の光R2の照射までの時間によって
物質分子の総拡散量が決まるから、この間隔時間、即ち
光定着ヘッド28の配設位置や用紙の搬送速度を変える
ことによっても、モノカラー粒子MMCTの発色濃度を
制御することができる。
【0058】<第2の実施形態>本例では、マイクロカ
プセルを含有したフルカラー粒子FMCTを用いてカラ
ー画像形成を行なうものである。図4には、本発明のマ
イクロカプセル含有トナー粒子の一実施形態としてのフ
ルカラー粒子FMCTの構成と物質拡散動作を段階的に
示している。本実施形態では、図示するように、3原色
に対応させて3種類のマイクロカプセルMCy,MCm,
MCcを使用する。これら3種類のマイクロカプセルM
Cy,MCm,MCcは、夫々、各カプセル壁Cfの光応答
性に係わる構成が異なっている。即ち、各カプセル壁C
fに夫々埋め込んだ2分子累積膜(不図示)には、夫
々、応答する光の波長が各々異なる光異性化物質(不図
示)を分散会合させてある。そして、マイクロカプセル
MCy,MCm,MCcの各内相には、夫々、発色能が各
々異なる染料前駆体10a,10b,10c及び同一の
補助物質9を配してある。即ち、染料前駆体10aはイ
エロー、染料前駆体10bはマゼンタ、染料前駆体10
cはシアン、に夫々発色する能を有している。そして、
これらマイクロカプセルMCy,MCm,MCcと顕色剤
3及び補助物質4等をトナー樹脂2中に分散混合し、本
例のフルカラー粒子FMCTを構成してある。顕色剤と
しては、各カプセル内相に配した3種類の染料前駆体1
0a,10b,10c全てに対して均一に良好な発色能
を有するものを選定する。尚、上述した2分子累積膜、
光異性化物質、染料前駆体10、内相の補助物質、顕色
剤及び外相の補助物質に用いる各具体的物質としては、
第1の実施形態で挙げた物質で好適なものを選定して用
いることができる。
【0059】上述のような構成のフルカラー粒子FCM
Cを図5に示すカラー画像形成装置で用い、フルカラー
記録画像を得る。なお、図5において、図3にて示した
カラー画像形成装置と同一の部材には同一番号を付与し
て示してある。このフルカラー画像形成装置でも、ま
ず、感光体21を帯電器22を用いて一ように帯電させ
る。次に、静電潜像形成ヘッド26によって感光体21
上に静電潜像を形成する。そして、現像器23内に投入
されているフルカラー粒子FMCTを用いて感光体21
上に静電潜像を現像する。
【0060】このフルカラー画像形成装置では、第1光
源である3基の発色光書込みヘッド27a,27b,2
7cを設置してある。これら発色光書込みヘッド27
a,27b,27cは、3種類の光異性化物質を夫々光
異性化可能な波長ν1a,ν1b,ν1cの各成分光を含む第
1の光R1a,R1b,R1cを、フルカラー記録データに応
じて夫々照射する。本例では、第1の光R1aをイエロー
画素に、R1bをマゼンタ画素に、R1cをシアン画素に、
夫々対応させてある。尚、発色光書込みヘッドは上記第
1の光R1a,R1b,R1cを照射できれば1基で構成して
も良いことは勿論である。
【0061】又、加熱現像手段としての定着ローラ25
の下流側に、光定着手段として、第2光源(不図示)を
備えた光定着ヘッド28を設置してある。この光定着ヘ
ッド28内の第2光源は、3種類の光異性化物質を夫々
第1の光R1とは逆に光異性化する(元の構造に戻す)
波長ν2a,ν2b,ν2cの各成分光を全て含む可視光の第
2の光R2を照射する。その他の構成は、図3に示すモ
ノカラー画像形成装置と同様である。
【0062】次に、上述のように構成したフルカラー粒
子FMCTとフルカラー画像形成装置を用いるフルカラ
ー画像形成方法について説明する。本例の方法も、第1
の実施形態(図3参照)と同様、熱的に安定な初期段
階、第1の光照射による光記録段階、加熱現像開始段
階、現像進行段階及び第2の光照射による光定着段階の
5段階からなる。図4は、その内の光記録段階から加熱
現像段階に至るフルカラー粒子FMCTの状態変化を示
す模式的説明図である。
【0063】初期段階におけるマイクロカプセル含有剤
の状態は、第1の実施形態の場合と同様の状態であり、
3種類のマイクロカプセルMCy,MCm,MCc(図4
(a)参照)の各2分子累積膜は液晶状態となってい
る。
【0064】次いで、図5に示すように、フルカラー記
録データに応じ3種類の第1の光R1a,R1b,R1cをフ
ルカラー粒子FMCTに照射して光記録を行なう。この
とき、カプセル外相は第1の実施形態と同様にゲル状態
となっている為、光記録を行なってもマイクロカプセル
MCy,MCm,MCcの各カプセル壁における2分子累
積膜が選択的に乱されるだけで、染料前駆体10a,1
0b,10cと顕色剤3の相互拡散は開始されない。
【0065】光記録を行なった後、加熱による現像を実
施する。これにより、図4の(b)に示すように、第1
の光R1aの照射では、緩和過程を経てマイクロカプセル
MCyの2分子累積膜が選択的に乱されて物質透過性が
大きくなり、そのカプセル内相の染料前駆体10aと外
相の顕色剤3が2分子累積膜を透過して互いに拡散し始
める。その結果、染料前駆体10aと顕色剤3とが発色
反応を起こし、イエロー色素20aが生成する。同様
に、第1の光R1bの照射ではマゼンタ色素20bが生成
する。この場合、カプセル外相にもそれら2種類の色素
が生成されるが、第1の実施形態の場合と同様に各染料
前駆体10a,10b,10cの拡散がトナー樹脂2に
より制約される為、各色素20a,20b,20cはそ
の素となる染料前駆体10a,10bが元々存在してい
たマイクロカプセル近傍にのみ生成する。
【0066】図4の(c)は2種類の第1の光R1a、R
1bを重ねて照射した状態を示したもので、マイクロカプ
セルMCy,MCmの各カプセル壁が乱されて各内相の染
料前駆体10a、10bと顕色剤13の相互拡散が進行
し、2種類の色素(3原色の内の、イエロー色、マゼン
タ色)20a、20bが生成して全体として赤色粒子が
形成されている。このように、発色書き込みヘッドの3
種類の第1の光R1a〜R1cの種類と強度をフルカラー画
像データに応じて選択制御しつつ多色多重照射すること
により、フルカラー粒子FMCTはそのデータに従った
色となる。以上のようにして、所望の色彩と色濃度を備
えたフルカラー記録画像が得られる。
【0067】図5において、現像工程を経たフルカラー
粒子FMCTは用紙に転写されて第1の実施形態と同様
に、光定着を終えた後機外に排出される。
【0068】以上、この発明を詳細に説明したが、この
発明は、これらの特定の実施形態に限定されるものでは
なく、この発明の技術的範囲において種々の変形が可能
であることは勿論である。例えば、マイクロカプセル含
有トナー粒子のカプセル内相に染料前駆体、カプセル外
相に顕色剤を配したが、逆に、カプセル内相に顕色剤、
カプセル外相に染料前駆体を配してもよい。
【0069】また、発色反応のために、マイクロカプセ
ルのカプセル壁を外部刺激としての特定波長の光で異性
化する物質を含む2分子膜で構成しているが、マイクロ
カプセルの構成はこれに限らず、要は外部刺激により破
壊されて発色するような構成であれば良い。そのような
ものとして、例えば、マイクロカプセルの共振周波数の
超音波を外部刺激としてマイクロカプセルに照射し、マ
イクロカプセルを振動させて破壊する、というような実
施形態も取り得る。
【0070】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、トナー粒子中に複数の色変化マイクロカプセルを含
有させる構成であり、このようなトナー粒子を独自の電
子写真プロセスに適用するようにしたから、消耗品の管
理も煩雑となることなく、簡単な装置で良好なフルカラ
ー画像形成を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロカプセル含有トナー粒子の一
実施形態としてのモノカラー粒子MMCTの構成を示す
模式的断面図である。
【図2】上記モノカラー粒子MMCTにおける物質拡散
動作を(a)〜(e)に段階的に示す模式的説明図であ
る。
【図3】上記モノカラー粒子MMCTを用いて本発明の
カラー画像形成方法を実施する為のカラー画像形成装置
の概略構成を示す構成説明図である。
【図4】本発明のマイクロカプセル含有トナー粒子の一
実施形態としてのフルカラー粒子FMCTの構成と物質
拡散動作を(a)〜(c)に段階的に示す模式的説明図
である。
【図5】上記フルカラー粒子FMCTを用いて本発明の
カラー画像形成方法を実施する為のカラー画像形成装置
の概略構成を示す構成説明図である。
【図6】従来の光記録方法に用いるモノカラー光記録紙
の構成を示す模式的断面図である。
【図7】光応答性マイクロカプセル含有剤におけるカプ
セル膜の詳細構成を示す模式的断面図である。
【図8】カプセル膜中の光異性化物質の異性化反応を示
す説明図である。
【図9】異性化物質を含む2分子累積膜の異性化構造を
示す説明図である。
【図10】従来のモノカラー光記録紙を用いた光記録方
法を実施する光記録装置の概略構成を示す模式的説明図
である。
【符号の説明】
2 トナー樹脂 3 顕色剤 4 補助物質(外相) 9 補助物質(内相) 10,10a,10b,10c 染料前駆体 20a イエロー色素 20b マゼンタ色素 20c シアン色素 21 感光体 22 帯電器 23 現像器 24 転写装置 25 定着ローラ 26 静電潜像形成ヘッド 27,27a,27b,27c 発色光書込みヘッド 28 光定着ヘッド 101 基材紙 102 結着樹脂 103 顕色剤 104,110 補助物質 105 壁材 106 微細孔 107 2分子累積膜 108 光異性化物質 109 染料前駆体 111 光記録ヘッド 112 記録紙搬送経路 114 ヒートローラ 115 光定着器 CC マイクロカプセル含有剤 Cf カプセル壁 MC マイクロカプセル MC1,MC2,MC3 マイクロカプセル(モノカラ
ー) MCy,MCm,MCc マイクロカプセル(フルカラ
ー) P 光記録紙 R1,R1a,R1b,R1c 第1の光 R2 第2の光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 15/08 507L 9/08 361 (72)発明者 玉川 洋一 埼玉県入間市宮寺4084番地 カシオ電子工 業株式会社内 (72)発明者 佐野 智文 埼玉県入間市宮寺4084番地 カシオ電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA11 AA21 AA27 CA30 2H077 AD06 EA11 GA13 GA15 2H300 EB02 EB08 EB12 EF08 EH16 EH22 EJ02 EJ03 EJ08 EJ18 EJ42 EJ46 EJ47 EJ50 EK01 EK03 EK07 FF05 FF08 GG02 GG34 KK03 KK05 KK13 MM10 MM11 MM13 MM30 TT02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部刺激を受けて物質透過性が変化する
    カプセル壁を有する複数のマイクロカプセルをトナー樹
    脂中に分散混合して成る粒子であって、 前記トナー樹脂中に互いに混合されて発色反応を起こす
    反応性物質の一方を分散すると共に、前記マイクロカプ
    セル内に前記反応性物質の他方を内蔵し、前記外部刺激
    により前記カプセル壁の物質透過性が増大し前記反応性
    物質が互いに拡散混合して発色反応が生ずるべく構成さ
    れたことを特徴とするマイクロカプセル含有トナー粒
    子。
  2. 【請求項2】 前記外部刺激が特定波長の光の照射であ
    り、前記カプセル壁が特定波長の光を受けて異性化する
    光異性化物質を含む2分子膜を有し、前記特定波長の光
    の照射により、前記光異性化物質が分子立体構造を変化
    させて前記カプセル壁の物質透過性が増大し前記反応性
    物質が互いに拡散混合して発色反応が起きることを特徴
    とする請求項1記載のマイクロカプセル含有トナー粒
    子。
  3. 【請求項3】 前記発色反応が起きる以前では実質的に
    透明であることを特徴とする請求項1又は2記載のマイ
    クロカプセル含有トナー粒子。
  4. 【請求項4】 互いに混合されて発色反応を起こす反応
    性物質の一方と、外部刺激を受けて物質透過性が変化す
    るカプセル壁を備え前記反応性物質の他方を内蔵する複
    数のマイクロカプセルとを、トナー樹脂中に分散して成
    るマイクロカプセル含有トナー粒子を用いる画像形成方
    法であって、 像担持体上を所定電位に帯電する帯電工程と、 該帯電工程により帯電された前記像担持体上に画像情報
    に応じた電位パターンの静電潜像を形成する静電潜像形
    成工程と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に前記マイクロカ
    プセル含有トナー粒子を付与する現像工程と、 該現像工程により前記像担持体上に付与された前記マイ
    クロカプセル含有トナー粒子に、前記画像情報中の色成
    分情報に対応した外部刺激を与えて前記カプセル壁の物
    質透過性を増大させて前記反応性物質が互いに拡散混合
    して発色反応を起こさせる発色工程と、 該発色工程を経た前記像担持体上のマイクロカプセル含
    有トナー粒子を用紙上に転写する転写工程と、 該転写工程により前記用紙上に転写された前記マイクロ
    カプセル含有トナー粒子を前記用紙上に定着する熱定着
    工程と、を順次行って前記用紙上に発色したトナー粒子
    に基づくカラー画像を形成することを特徴とするカラー
    画像形成方法。
  5. 【請求項5】 互いに混合されて発色反応を起こす反応
    性物質の一方と、外部刺激を受けて物質透過性が変化す
    るカプセル壁を備え前記反応性物質の他方を内蔵する複
    数のマイクロカプセルとを、トナー樹脂中に分散して成
    るマイクロカプセル含有トナー粒子を用いる画像形成方
    法であって、 像担持体上を所定電位に帯電する帯電工程と、 該帯電工程により帯電された前記像担持体上に画像情報
    に応じた電位パターンの静電潜像を形成する静電潜像形
    成工程と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に前記マイクロカ
    プセル含有トナー粒子を付与する現像工程と、 該現像工程により前記像担持体上に付与された前記マイ
    クロカプセル含有トナー粒子を用紙上に転写する転写工
    程と、 該転写工程により前記用紙上に転写された前記マイクロ
    カプセル含有トナー粒子に、前記画像情報中の色成分情
    報に対応した外部刺激を与えて前記カプセル壁の物質透
    過性を増大させて前記反応性物質が互いに拡散混合して
    発色反応を起こさせる発色工程と、 該発色工程を経た前記マイクロカプセル含有トナー粒子
    を前記用紙上に定着する熱定着工程と、を順次行って前
    記用紙上に発色したトナー粒子に基づくカラー画像を形
    成することを特徴とするカラー画像形成方法。
  6. 【請求項6】 互いに混合されて発色反応を起こす反応
    性物質の一方と、外部刺激を受けて物質透過性が変化す
    るカプセル壁を備え前記反応性物質の他方を内蔵する複
    数のマイクロカプセルとを、トナー樹脂中に分散して成
    るマイクロカプセル含有トナー粒子を用いる画像形成方
    法であって、 像担持体上を所定電位に帯電する帯電工程と、 該帯電工程により帯電された前記像担持体上に画像情報
    に応じた電位パターンの静電潜像を形成する静電潜像形
    成工程と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に前記マイクロカ
    プセル含有トナー粒子を付与する現像工程と、 該現像工程により前記像担持体上に付与された前記マイ
    クロカプセル含有トナー粒子を用紙上に転写する転写工
    程と、 該転写工程により前記用紙上に転写された前記マイクロ
    カプセル含有トナー粒子を前記用紙上に定着する熱定着
    工程と、 該熱定着工程により前記用紙上に定着された前記マイク
    ロカプセル含有トナー粒子に、前記画像情報中の色成分
    情報に対応した外部刺激を与えて前記カプセル壁の物質
    透過性を増大させて前記反応性物質が互いに拡散混合し
    て発色反応を起こさせる発色工程と、を順次行って前記
    用紙上に発色したトナー粒子に基づくカラー画像を形成
    することを特徴とするカラー画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記外部刺激が特定波長の光の照射であ
    り、前記カプセル壁が特定波長の光を受けて異性化する
    光異性化物質を含む2分子膜を有し、前記特定波長の光
    の照射により、前記光異性化物質が分子立体構造を変化
    させて前記カプセル壁の物質透過性が増大し前記反応性
    物質が互いに拡散混合して発色反応が起きることを特徴
    とする請求項4、5又は6記載のカラー画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記熱定着工程の後に、前記マイクロカ
    プセル含有トナー粒子に前記発色反応の進行を停止させ
    る発色反応停止光を照射する工程を更に行うことを特徴
    とする請求項7記載のカラー画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記発色反応が起きる以前では前記マイ
    クロカプセル含有トナー粒子が実質的に透明であること
    を特徴とする請求項項4、5、6、7又は8記載のカラ
    ー画像形成方法。
  10. 【請求項10】 互いに混合されて発色反応を起こす反
    応性物質の一方と、外部刺激を受けて物質透過性が変化
    するカプセル壁を備え前記反応性物質の他方を内蔵する
    複数のマイクロカプセルとを、トナー樹脂中に分散して
    成るマイクロカプセル含有トナー粒子を用いる画像形成
    装置であって、 像担持体上を所定電位に帯電する帯電手段と、 該帯電手段により帯電された前記像担持体上に画像情報
    に応じた電位パターンの静電潜像を形成する静電潜像形
    成手段と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に前記マイクロカ
    プセル含有トナー粒子を付与する現像手段と、 該現像手段により前記像担持体上に付与された前記マイ
    クロカプセル含有トナー粒子を用紙上に転写する転写手
    段と、 該転写手段により前記用紙上に転写された前記マイクロ
    カプセル含有トナー粒子を前記用紙上に定着する熱定着
    手段と、 前記現像手段による現像工程と前記転写手段による転写
    工程の間、前記転写工程と前記熱定着手段による熱定着
    工程の間あるいは前記熱定着工程の後であって、前記マ
    イクロカプセル含有トナー粒子に、前記画像情報中の色
    成分情報に対応した外部刺激を与えて前記カプセル壁の
    物質透過性を増大させて前記反応性物質が互いに拡散混
    合して発色反応を起こさせる発色手段と、を備え、前記
    用紙上に発色したトナー粒子に基づくカラー画像を形成
    することを特徴とするカラー画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記発色手段が前記外部刺激として特
    定波長の光を照射する特定波長光照射手段であり、前記
    カプセル壁が特定波長の光を受けて異性化する光異性化
    物質を含む2分子膜を有し、前記特定波長の光の照射に
    より、前記光異性化物質が分子立体構造を変化させて前
    記カプセル壁の物質透過性が増大し前記反応性物質が互
    いに拡散混合して発色反応が起きることを特徴とする請
    求項10記載のカラー画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記熱定着工程の後に、前記マイクロ
    カプセル含有トナー粒子に前記発色反応の進行を停止さ
    せる発色反応停止光を照射する発色反応停止光照射手段
    を更に備えることを特徴とする請求項11記載のカラー
    画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記発色反応が起きる以前では前記マ
    イクロカプセル含有トナー粒子が実質的に透明であるこ
    とを特徴とする請求項10、11又は12記載のカラー
    画像形成装置。
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