JP2003301385A - 壁 紙 - Google Patents

壁 紙

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JP2003301385A JP2002103775A JP2002103775A JP2003301385A JP 2003301385 A JP2003301385 A JP 2003301385A JP 2002103775 A JP2002103775 A JP 2002103775A JP 2002103775 A JP2002103775 A JP 2002103775A JP 2003301385 A JP2003301385 A JP 2003301385A
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Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
Teru Nagata
輝 永田
Yoshiaki Hirai
芳章 平井
Masao Sasaki
正雄 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶剤を含有しない発泡ポリ塩化ビニル層を
有する壁紙及びその製造方法を提供する。 【解決手段】ポリ塩化ビニル100重量部に対し、フタ
ル酸エステル系可塑剤を30〜100重量部、金属石ケ
ンを1〜6重量部、充填剤を40〜150重量部、酸化
チタンを5〜50重量部、発泡剤を1〜7重量部、セル
調整剤として数平均重合度10〜800の(メタ)アク
リル酸エステルポリマーの適量を含有し、且つ溶剤を含
有しない組成物をカレンダー成形して得たポリ塩化ビニ
ル発泡樹脂層を具備した壁紙である。この発泡樹脂層に
用いるシートは、フタル酸エステル系可塑剤30〜10
0重量部に金属石ケン1〜6重量部、発泡セル調整剤と
して数平均重合度10〜800の(メタ)アクリル酸エ
ステルポリマーの適量を混合、攪拌して混合物をつく
り、この混合物をポリ塩化ビニル100重量部に添加
し、更に充填剤40〜150重量部、酸化チタン5〜5
0重量部、発泡剤1〜7重量部を添加して混練し、この
混練物をカレンダーでシートに成形して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤を含有しな
く、したがって室内の空気を汚染することのない壁紙に
関する。
【0002】
【従来技術】近年、建材から発生するホルムアルデヒド
や溶剤などによる室内の空気汚染が問題視されている。
壁紙においても、印刷インキから発生する溶剤が空気を
汚染するという理由で、インキの無溶剤化が進められて
いる。ところで、従来の壁紙は次の二種に大別される。
その一つは、基材の紙の裏面に裏打紙を貼着した紙単体
からなる壁紙である。もう一つは、発泡ポリ塩化ビニル
シートと裏打紙とからなる壁紙である。そして、後者に
ついては、ポリ塩化ビニルの発泡性ペーストゾルをコー
ティングする方法とカレンダー成形して得た発泡ポリ塩
化ビニルシートを貼着する方法とがある。
【0003】そして、発泡性ポリ塩化ビニルシートをカ
レンダー成形で製造するときには、ポリ塩化ビニルに安
定剤として金属石ケンとそれ以外の微量の配合物、例え
ばエポキシ化合物、ホスファイト、ハイドロタルサイ
ト、ゼオライト、β−ジケトン、多価アルコールなどの
配合物とを配合しているが、これらの微量の配合物はポ
リ塩化ビニルに直接配合すると均一に分散し難い。そこ
で、従来は、混合を良くし、またポリ塩化ビニルに均一
に良く分散するように、これらの微量の配合物を他の安
定剤と混合しキシレンなどの炭化水素系の有機溶剤に溶
解していわゆる安定剤混合パックの形態にしてからポリ
塩化ビニルに配合している。しかして、ここで用いた有
機溶剤は壁紙の製造時に殆ど揮発するが、微量残留し、
これが壁紙として使用中に揮発し、室内の空気を汚染す
る原因になることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みなされたもので、有機溶剤を含有しない発泡ポリ
塩化ビニル層を有する壁紙及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、炭化水素系
等の有機溶剤を使用することなく壁紙用発泡ポリ塩化ビ
ニルシートを得る方法について種々検討した結果、配合
物として特定の化合物を用いることによって、従来の有
機溶剤を使用いた安定剤混合パックを使用しなくても、
充分な性能を有する壁紙用ポリ塩化ビニル系発泡樹脂シ
ートが得られることを知見し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリ塩化ビニル系発
泡樹脂層を有する壁紙において、該発泡樹脂層が、ポリ
塩化ビニル100重量部に対し、フタル酸エステル系可
塑剤を30〜100重量部、金属石ケンを1〜6重量
部、充填剤を40〜150重量部、酸化チタンを5〜5
0重量部、発泡剤を1〜7重量部、セル調整剤として数
平均重合度10〜800の(メタ)アクリル酸エステル
ポリマーを適量を含有し、且つ溶剤を含有しない組成物
をカレンダー成形して得た発泡樹脂層であることを特徴
とする壁紙である。上記の金属石ケンは、ポリ塩化ビニ
ル100重量部に対し、脂肪酸亜鉛0.5〜3.0重量
部、並びに脂肪酸バリウム、脂肪酸カルシウム及び脂肪
酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の脂肪酸塩
0.5〜3.0重量部からなるものが好ましい。
【0007】また、本発明は、フタル酸エステル系可塑
剤30〜100重量部に、金属石ケン1〜6重量部、発
泡セル調整剤として数平均重合度10〜800の(メ
タ)アクリル酸エステルポリマーの適量を混合、攪拌し
て混合物をつくり、この混合物をポリ塩化ビニル100
重量部に添加し、更に充填剤40〜150重量部、酸化
チタン5〜50重量部、発泡剤1〜7重量部を添加して
混練し、この混練物をカレンダー成形によりシートに成
形することを特徴とする壁紙用発泡性ポリ塩化ビニル樹
脂シートの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の壁紙の発泡樹脂層に用い
るポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの単独重合体、或いは
塩化ビニルと少量の他のビニル化合物との共重合体であ
る。本発明において、フタル酸エステルは可塑剤として
用いるが、安定剤である金属石ケンや発泡セル調整剤で
ある(メタ)アクリル酸エステルポリマーの分散助剤の
作用もする。フタル酸エステルはフタル酸ジブチル、フ
タル酸ジカブリル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
イオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ブチル−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシルなどである。これは、ポリ塩化ビ
ニル100重量部に対し30〜100重量部用いる。
【0009】金属石ケンは安定剤として用いる。この金
属石ケンとしては、脂肪族カルボン酸の金属塩で、脂肪
酸亜鉛、脂肪酸マグネシウム塩、脂肪酸カルシウム塩又
は脂肪酸バリウム塩、或いはこれらの組合せが好ましく
用いられ、ポリ塩化ビニル100重量部に対し1〜6重
量部用いる。特に、脂肪酸亜鉛と、脂肪酸バリウム、脂
肪酸カルシウム及び脂肪酸マグネシウムから選ばれた少
なくとも1種の脂肪酸塩との組合せが好ましい。特に、
ポリ塩化ビニル100重量部に対し、脂肪酸亜鉛0.5
〜3.0重量部、並びに脂肪酸バリウム、脂肪酸カルシ
ウム及び脂肪酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1
種の脂肪酸塩0.5〜3.0重量部からなるものが好ま
しい。
【0010】充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、カオリンクレー、マイカ、合成珪酸、珪石粉、硫酸
バリウムなどが用いられる。炭酸カルシウムが好まし
い。これらの充填剤はポリ塩化ビニル100重量部に対
し40〜150重量部を用いる。また、酸化チタンは白
色の着色剤であり、隠蔽性が良い。そのため光による変
色を防ぐとともに、変色してもその変色を分かりにくく
するために用いる。酸化チタンはポリ塩化ビニル100
重量部に対し5〜50重量部用いる。また、必要に応じ
て、着色のために他の顔料を適宜の量で併用してもよ
い。
【0011】発泡剤はアゾジカルボン酸アミド(ADC
A)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,
p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OB
SH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DP
T)など、或いはこれらの混合物であり、その配合量は
ポリ塩化ビニル100重量部に対し1〜7重量部であ
る。発泡セル調整剤は発泡セルの細かさ、均一さを調整
するもので、本発明では、数平均重合度で10〜800
の(メタ)アクリル酸エステルポリマーを用いる。この
(メタ)アクリル酸エステルポリマーは、例えばアクリ
ル酸イソブチルエステルポリマー、アクリル酸−2−エ
チルヘキシルエステルポリマー、アクリル酸イソデシル
エステルポリマー、アクリル酸ノニルエステルポリマ
ー、アクリル酸ドデシルエステルポリマー、メタクリル
酸イソブチルエステルポリマー、メタクリル酸−2−エ
チルヘキシルエステルポリマー、メタクリル酸イソデシ
ルエステルポリマー、メタクリル酸ノニルエステルポリ
マー、メタクリル酸ドデシルエステルポリマーなどであ
る。この発泡セル調整剤は、ポリ塩化ビニル100部に
対して0.6〜1.5重量部用いる。
【0012】次に、本発明の壁紙用発泡性ポリ塩化ビニ
ルシートの製造方法を説明する。従来、発泡性ポリ塩化
ビニルシートをカレンダー成形で製造するときには、ポ
リ塩化ビニルに安定剤として金属石ケンとそれ以外の微
量成分、例えばエポキシ化合物、ホスファイト、ハイド
ロタルサイト、ゼオライト、β−ジケトン、多価アルコ
ールなどの微量成分を配合しているが、微量成分の使用
に当たっては、混合を良くし、またポリ塩化ビニルに均
一に良く分散させるために、これらの配合物をキシレン
などの炭化水素系の有機溶剤に溶解していわゆる安定剤
混合パックにして使用している。本発明では、有機溶剤
を使用することなく、性能の良い壁紙用発泡性ポリ塩化
ビニルシートを製造できるようにした。
【0013】すなわち、本発明においては、可塑剤とし
てのフタル酸エステル30〜100重量部に、安定剤と
しての金属石ケン1〜6重量部、発泡セル調整剤として
の数平均重合度10〜800の(メタ)アクリル酸エス
テルポリマーの適量を添加して良く攪拌する。これによ
って、キシレン等の有機溶剤を用いなくても、完全には
溶解しないものの攪拌後しばらくは沈降することのな
い、またゆっくりした攪拌を続けると沈降を生じない可
塑剤、安定剤及び発泡セル調製剤の混合物(混合パッ
ク)を得ることができる。そのため、この混合パックの
ポリ塩化ビニルへの配合作業は支障なく行うことができ
る。また、混合パックをポリ塩化ビニルに添加して混練
することにより、可塑剤、安定剤及び発泡セル調製剤を
均一にポリ塩化ビニル中に分散させることができる。
【0014】ポリ塩化ビニル100重量部に、上記の混
合パック添加し、更に充填剤40〜150重量部、酸化
チタン5〜50重量部、発泡剤1〜7重量部、必要に応
じ着色顔料の適量を添加して混練する。この混練物をカ
レンダー成形して、壁紙用発泡性ポリ塩化ビニルシート
を得る。この本発明のシートには、従来のエポキシ化合
物、ホスファイト、ハイドロタルサイト、ゼオライト、
β−ジケトン、多価アルコールなどの微量成分が配合さ
れなくても壁紙に要求される耐候性を満足し、壁紙用発
泡性ポリ塩化ビニルシートとしてなんら差し支えなく使
用できる。また、有機溶剤を使用しないので、使用後に
室内空気汚染を生じることがない。上記の壁紙用発泡性
ポリ塩化ビニルシートに壁紙用の紙を積層し、加熱して
発泡剤を発泡させ、必要に応じエンボス処理などを施
し、壁紙を製造する。
【0015】実施例1〜15、比較例1〜3 表1に示す組成の発泡性ポリ塩化ビニルシートを製造し
た。その製造方法を実施例1について説明するが、他の
実施例、比較例も同様にした。まず、ジイソノニルフタ
レート(可塑剤)50重量部に、バリウムステアレート
(金属石ケン)1重量部、ジンクステアレート(金属石
ケン)1重量部及びアクリル系セル調整剤(昭島化学工
業社製300J)1重量部を添加し、良く攪拌して混合
パックを作成した。この混合パックは、完全には溶解し
なかったが、攪拌後3分間は沈降が見られなかった。ま
た、ゆっくり攪拌しているといつまでも沈降しなかっ
た。
【0016】重合度800のポリ塩化ビニル100重量
部に、上記の混合パック、炭酸カルシウム(充填剤:日
東粉化工業社製 NS#100)63重量部、二酸化チ
タン14重量部、及び発泡剤(アゾジカルボンアミドと
4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジンと
の1:1混合物)4重量部を添加し、良く混練した。こ
の混練物カレンダー成形して厚さ0.13mmの発泡性
ポリ塩化ビニルシートを成形した。カレンダー成形に
は、ロール温度160℃の4本カレンダーを用いた。上
記の発泡性ポリ塩化ビニルシートに壁紙用の紙を積層し
て、エンボスローラーとゴムローラー間を200℃で通
して発泡剤を発泡させるとともにエンボスを施して壁紙
を製造した。カレンダー加工性と耐光性を調べた。その
結果を併せて表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】・カレンダー加工性の評価:上記各配合物
をテストロール(ロールギャップ0.3mm、150
℃)で40分混練し、ロール剥離性、ブレードアウト
性、変色を調べた。これら性質全てについて問題がない
場合(すなわち、ロール剥離性が良好で、ブレード性が
なく、変色しない場合)は○、これら性質のうち何れか
一つ又は二つ以上に問題がある場合は×に評価した。 ・耐光性:JIS A6921の退色試験法(2001
年改正)による。4以上が合格である。○は4級以上、
×は4級未満を示す。
【0019】
【発明の効果】本発明の壁紙は、有機溶剤を含んでいな
いので、使用時に室内の空気汚染を発生することがな
い。また本発明方法によると、有機溶剤を使用すること
なく、配合物が均一に分散した発泡性ポリ塩化ビニルシ
ートをカレンダー成形によって製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/09 C08K 5/09 5/12 5/12 C08L 27/06 C08L 27/06 E04F 13/00 E04F 13/00 B // B29K 27:00 B29K 27:00 105:04 105:04 (72)発明者 平井 芳章 静岡県榛原郡吉田町神戸1番地 オカモト 株式会社静岡工場内 (72)発明者 佐々木 正雄 静岡県榛原郡吉田町神戸1番地 オカモト 株式会社静岡工場内 Fターム(参考) 4F055 AA17 BA12 CA06 CA16 DA03 EA02 EA26 FA08 FA38 FA39 FA40 GA20 GA26 GA32 4F074 AA35 AA36 AC17 AC26 AD10 AD11 AG01 AG02 BA13 BA19 BA95 BC15 CA21 CD20 DA20 DA24 DA52 4F100 AA21A AH08A AK15A AK25A BA02 BA07 CA01A CA04A CA13A CA23A CA30A DG10B DJ01 EH01 GB90 JL09 YY00A 4F204 AA15 AB02 AB07 AB11 AB16 AB20 AG01 AG03 AG05 AG20 AH43 FA06 FA07 FB02 FE30 FF21 4J002 BD041 BD051 BG042 BG052 DE138 DE238 DG048 DJ008 DJ038 DJ048 DJ058 EG037 EG047 EH146 EQ019 EQ029 ES009 FD018 FD026 FD202 FD329 GK00 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル系発泡樹脂層を有する壁紙
    において、該発泡樹脂層が、ポリ塩化ビニル100重量
    部に対し、フタル酸エステル系可塑剤を30〜100重
    量部、金属石ケンを1〜6重量部、充填剤を40〜15
    0重量部、酸化チタンを5〜50重量部、発泡剤を1〜
    7重量%、発泡セル調整剤として数平均重合度10〜8
    00の(メタ)アクリル酸エステルポリマーを適量を含
    有しており、且つ溶剤を含有しないポリ塩化ビニル組成
    物をカレンダー成形して得た発泡樹脂層であることを特
    徴とする壁紙。
  2. 【請求項2】金属石ケンが、ポリ塩化ビニル100重量
    部に対し、脂肪酸亜鉛0.5〜3.0重量部、並びに脂
    肪酸バリウム、脂肪酸カルシウム及び脂肪酸マグネシウ
    ムから選ばれた少なくとも1種の脂肪酸塩0.5〜3.
    0重量部からなる請求項1記載の壁紙。
  3. 【請求項3】フタル酸エステル系可塑剤30〜100重
    量部に金属石ケン1〜6重量部及び発泡セル調整剤とし
    て数平均重合度10〜800の(メタ)アクリル酸エス
    テルポリマーの適量を混合し、攪拌して混合物をつく
    り、この混合物をポリ塩化ビニル100重量部に添加
    し、更に充填剤40〜150重量部、酸化チタン5〜5
    0重量部、発泡剤1〜7重量%を添加して混練し、この
    混練物をカレンダー成形によりシートに成形することを
    特徴とする壁紙用発泡性ポリ塩化ビニル樹脂シートの製
    造方法。
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