JP2711656B2 - 塩素含有樹脂発泡体用の液状安定剤 - Google Patents

塩素含有樹脂発泡体用の液状安定剤

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JP2711656B2
JP2711656B2 JP3058696A JP3058696A JP2711656B2 JP 2711656 B2 JP2711656 B2 JP 2711656B2 JP 3058696 A JP3058696 A JP 3058696A JP 3058696 A JP3058696 A JP 3058696A JP 2711656 B2 JP2711656 B2 JP 2711656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有樹脂発泡
体製造に用いられる液状の安定剤に関するものである。
さらにいえば、塩素含有樹脂に添加された化学的発泡剤
の分解時に、気泡を微細かつ均一化することで安定化さ
せ、得られる樹脂発泡体の表面状態を平滑にするなど、
製品の風合特性を改善する液状安定剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】塩素含有樹脂の発泡体は周知のように優
れた物性を具備している。すなわち、引張り強さ、伸
び、引裂強さ、耐圧縮性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性
などにおいて優れ、また難燃化処方も容易であることか
ら一般レザー、壁装材あるいは家具製品などの用途とし
てきわめて有用なものである。
【0003】これらの塩素含有樹脂の発泡体を得る方法
として一般に該樹脂に安定剤、発泡剤さらに必要に応じ
て可塑剤、充填剤あるいは顔料などを配合したプラスチ
ゾルを用い、これを難燃紙上に均一に塗布してゲル化溶
融処理を行いさらに必要に応じ印刷を施し、次いで20
0〜300℃の高温で該プラスチゾル中に含有する発泡
剤、例えばアゾジカルボンアミドが熱により分解しガス
を発生させ、気泡構造を有する塩素含有樹脂の発泡体を
得る方法が広く工業的に実施されている。しかして、該
樹脂発泡体を得る場合、発泡体のセル構造が均一かつ微
細であることが市場において強く求められている。
【0004】従来より、セル構造の均一微細な塩素含有
樹脂発泡体を得る目的で種々の方法が提案されている。
【0005】すなわち、(イ)米国特許第339910
7号、同3417038号、さらには特公昭55−42
099号公報および同56−22898号公報には金属
セッケンと、アクリレート若しくはメタアクリレートの
ホモポリマーまたはアクリロニトリルとのコポリマーと
を組み合わせてなる安定剤でセル構造を改善する方法を
提案している。また、(ロ)特公昭49−21419号
公報さらには同57−55734号公報などには金属セ
ッケンと界面活性剤例えばアルカンスルホン酸塩または
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩との組合
せ、さらにアクリルポリマーとの併用からなる安定剤で
セル構造の改善を図る方法を開示している。そして
(ハ)特公平7−64945号公報には充填剤を多量に
使用した配合において、ヒドロキシカルボン酸から誘導
されるポリエステル化合物を添加することによって均一
な発泡セルを有し、発泡体シートの加工の際に冷却ロー
ルやガイドロールやプリントロールなどの表面に充填剤
または発泡剤分解物などの白色粉状物質がエンボッシン
グロールの凹部に詰まるいわゆるプレートアウトを改良
する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、上記先行技術(イ)および
(ハ)の場合は、セル構造の均一性のみの改善にとどま
り微細さという点では不十分であった。また先行技術
(ロ)においては、セル構造の均一性のみならず微細さ
も少し改善されているが、プレートアウトが発生し、セ
ット性(印刷適正)を悪化させ、凹凸模様が鋭角に形成
されず立体感が不足するという欠点があった。
【0007】上記プレートアウトの解決策として、本出
願人の一人も、特公平5−12383号公報でバリウム
フェノレート系に塩化亜鉛−アルコール混合物を組合せ
て用いることを提案している。この方法はプレートアウ
トの解決策としてはそれなりの効果はあるが、同時に運
送および貯蔵時の容器、さらには加工機の一部を腐蝕さ
せるという不利益を招く場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、この発明
は、塩素含有樹脂発泡体シートを製造する際に、発泡体
のセル構造を均一かつ微細にすることで表面平滑性を改
善すると共に冷却ロールやガイドロール、プリントロー
ルなどの表面に充填剤または発泡剤分解物などの白色粉
状物質が付着したり、またこれらがエンボッシングロー
ルの凹部に詰まるいわゆるプレートアウトを発生させな
いことを目的とし、さらには加工時に樹脂、可塑剤、充
填剤、顔料および発泡剤などと安定剤をブレンドしてプ
ラスチゾルとする際に、分散性と作業の簡便性に優れた
液状安定剤を発明しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以下に規
定する(a)10〜85重量%、(b)3〜45重量
%、および(c)8〜60重量%を含有してなることを
特徴とする塩素含有樹脂発泡体用の液状安定剤を発明す
ることによって、上記課題を解決するにいたった。
【0010】ここに、(a)は、次の(a−1)または
(a−2)のいずれかによって得られるカルボン酸亜鉛
塩、塩基性カルボン酸亜鉛塩、またはカルボン酸亜鉛塩
と塩基性カルボン酸亜鉛塩との組成物を示す。ここで、
(a−1)は、フタル酸モノエステルと炭素数2〜18
のモノカルボン酸とのモル比が1:9〜9:1の範囲で
ある組成物と、酸化亜鉛とを、反応して得られる生成物
を示す。
【0011】ここで、(a−2)は、フタル酸モノエス
テルと酸化亜鉛との反応生成物と、炭素数2〜18のモ
ノカルボン酸と酸化亜鉛との反応生成物(これらの反応
生成物に用いるフタル酸モノエステルと炭素数2〜18
のモノカルボン酸とのモル比は1:9〜9:1の範囲で
ある)との混合物を示す。(b)は、次の(b−1)、
(b−2)、(b−3)、(b−4)、または(b−
5)のいずれかを示す。
【0012】ここで、(b−1)は、炭素数7〜18の
モノカルボン酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、
およびバリウム塩から選ばれる少なくとも1種以上を示
す。ここで、(b−2)は、炭素数7〜18のアルキル
フェノールのナトリウム、カリウム、カルシウム、およ
びバリウム塩から選ばれる少なくとも1種以上を示す。
【0013】ここで、(b−3)は、炭素数7〜18の
過塩基性カルボン酸カルシウム、およびバリウム塩から
選ばれる少なくとも1種以上を示す。ここで、(b−
4)は、炭素数7〜18の過塩基性アルキルフェノール
カルシウム、およびバリウム塩から選ばれる少なくとも
1種以上を示す。ここで、(b−5)は、上記に示した
(b−1)、(b−2)、(b−3)、および(b−
4)を少なくとも2種以上含有する組成物を示す。
(c)は、沸点100℃以上の炭化水素系溶剤とアルコ
ール系溶剤とからなる混合溶剤を示す。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にこの発明をさらに説明す
る。
【0015】この発明の構成成分のひとつである(a)
は、カルボン酸亜鉛塩、塩基性カルボン酸亜鉛塩、また
はカルボン酸亜鉛塩と塩基性カルボン酸亜鉛塩との組成
物である。
【0016】これらは次のいずれかの方法により製造す
ることができる。第1の方法は、フタル酸モノエステル
と炭素数2〜18のモノカルボン酸とのモル比が1:9
〜9:1の範囲である組成物を、酸化亜鉛と、反応させ
る方法によるものであり、第2の方法は、フタル酸モノ
エステルと酸化亜鉛との反応生成物と、炭素数2〜18
のモノカルボン酸と酸化亜鉛との反応生成物とを、混合
させることによる方法によるものである。第2の場合
も、これらの反応生成物を得るために使用するフタル酸
モノエステルと炭素数2〜18のモノカルボン酸とのモ
ル比は1:9〜9:1の範囲である。
【0017】さらに、詳しく説明すると、酸化亜鉛との
反応は、炭素数2〜18のモノカルボン酸2モルに対
し、酸化亜鉛1モルと反応することによって得られるカ
ルボン酸亜鉛塩と、同量のカルボン酸に対し過剰の酸化
亜鉛を反応させることによって得られる塩基性カルボン
酸亜鉛塩と、これらカルボン酸亜鉛塩と塩基性カルボン
酸亜鉛塩との組成物からなるものである。
【0018】これらを製造するために用いるフタル酸モ
ノエステルと、炭素数2〜18のモノカルボン酸とは、
モル比で1:9〜9:1、より好ましくは1:5〜5:
1で構成される。
【0019】このカルボン酸亜鉛塩の化学構造式として
は、一般式(1)
【0020】
【化1】
【0021】(式中、R1 およびR2 は、同一または異
なって、フタル酸モノエステル残基および炭素数2〜1
8のモノカルボン酸残基を示す。)と表されるが、この
記載に限るものではなくさらに複雑な構造であるものも
含まれる。また、塩基性カルボン酸亜鉛塩は、一般式
(2)
【0022】
【化2】
【0023】(式中、R3 およびR4 は、同一または異
なって、フタル酸モノエステル残基および炭素数2〜1
8のモノカルボン酸残基を示す。)と表されるが、この
記載に限るものではなくさらに複雑な構造であるものも
含まれる。
【0024】上記(a)の構成成分を製造するときに用
いるフタル酸モノエステルとは、フタル酸モノアルキル
(炭素数1〜18)エステル、フタル酸モノアリールエ
ステル、フタル酸モノアリールアルキルエステル、フタ
ル酸モノアルキルアリールエステルであって、例えばフ
タル酸モノメチルエステル、フタル酸モノエチルエステ
ル、フタル酸モノプロピルエステル、フタル酸モノブチ
ルエステル、フタル酸モノ(2−エチルヘキシル)エス
テル、フタル酸モノオクチルエステル、フタル酸モノデ
シルエステル、フタル酸モノオレイルエステル、フタル
酸モノイソステアリルエステル、フタル酸モノフェニル
エステル、フタル酸モノシクロヘキシルエステル、フタ
ル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノ(o、または
m、またはp)−t−ブチルフェニルエステルなどであ
る。
【0025】上記(a)の構成成分を製造するときに用
いる炭素数2〜18のモノカルボン酸とは、飽和脂肪族
または不飽和脂肪族モノカルボン酸や炭素環式モノカル
ボン酸であって、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エ
チルヘキサン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、オレイ
ン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、イソ
ステアリン酸、安息香酸、m−トルイル酸、p−t−ブ
チル安息香酸、またはこれらの混合カルボン酸である。
【0026】本発明の液状安定剤には、上記に示した構
成成分(a)であるモノカルボン酸の亜鉛塩、塩基性カ
ルボン酸亜鉛塩、またはモノカルボン酸亜鉛塩と塩基性
カルボン酸亜鉛塩との組成物を、10〜85重量%、好
ましくは20〜80重量%を使用する。これが10重量
%未満であると発泡が不十分で、高発泡体が得られな
い。また、これが85%を超えると、発泡は促進される
ものの、流動性のある液状安定剤が得られず、これをプ
ラスチゾルに均一混合することが困難となる。
【0027】本発明の液状安定剤の構成成分のひとつで
ある(b)は、(b−1)、(b−2)、(b−3)、
(b−4)、または(b−5)のいずれか(ここで、
(b−1)は、炭素数7〜18のモノカルボン酸のナト
リウム、カリウム、カルシウム、およびバリウム塩から
選ばれる少なくとも1種以上を示し、(b−2)は、炭
素数7〜18のアルキルフェノールのナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、およびバリウム塩から選ばれる少な
くとも1種以上を示し、(b−3)は、炭素数7〜18
の過塩基性カルボン酸カルシウム塩、およびバリウム塩
から選ばれる少なくとも1種以上を示し、(b−4)
は、炭素数7〜18の過塩基性アルキルフェノールカル
シウム塩、およびバリウム塩から選ばれる少なくとも1
種以上を示し、(b−5)は、上記に示した(b−
1)、(b−2)、(b−3)、および(b−4)を少
なくとも2種以上含有する組成物を示す。)である。
【0028】(b−1)に記載のある、炭素数7〜18
のモノカルボン酸は、飽和脂肪族および不飽和脂肪族モ
ノカルボン酸や炭素環式モノカルボン酸であって、例え
ば、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、イソデカン
酸、ネオデカン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノー
ル酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、安息香酸、m
−トルイル酸、p−t−ブチル安息香酸、p−t−オク
チル安息香酸、およびこれらの2種以上からなる混合物
などをあげることができる。
【0029】(b−2)に記載のある、炭素数7〜18
のアルキルフェノールは、該フェノールに結合するアル
キル基の位置がo、mまたはp位のいずれであってもよ
く、例えばノニルフェノール、デシルフェノール、ドデ
シルフェノールなどがあげられる。
【0030】(b−3)に記載のある、過塩基性カルボ
ン酸カルシウム塩またはバリウム塩は、カルボン酸と、
過剰当量の水酸化カルシウムまたは水酸化バリウムと
を、炭化水素系溶媒中または炭化水素−アルコールとの
混合溶媒中で反応させることにより得ることができ、米
国特許第2968642号、同第2971014号、同
第4159973号、同第4252698号公報にその
製法が開示されている。
【0031】該過塩基性カルボン酸カルシウムまたはバ
リウム塩としては、例えば、過塩基性−2−エチルヘキ
サン酸バリウム塩、過塩基性イソデカン酸バリウム塩、
過塩基性オレイン酸バリウム塩、過塩基性オレイン酸カ
ルシウム塩などをあげることができる。さらに、例え
ば、過塩基性オレイン酸バリウム塩であるプラスチスタ
ブ2116(米国オーエムグループ;商品名)や過塩基
性オレイン酸カルシウム塩であるプラスチタブ2117
(米国オーエムグループ;商品名)を用いることもでき
る。
【0032】(b−4)に記載のある、過塩基性アルキ
ルフェノールカルシウム塩およびバリウム塩は、アルキ
ルフェノールと、過剰当量の酸化カルシウムまたは水酸
化バリウムとを、炭化水素系溶媒中または炭化水素−ア
ルコールとの混合溶媒中で反応させることにより得るこ
とができる。この方法は、上記米国特許公報にその製法
が開示されている。
【0033】過塩基性アルキルフェノールカルシウム塩
およびバリウム塩としては、例えば、過塩基性バリウム
ノニルフェノキシド、過塩基性バリウムデシルフェノキ
シド、過塩基性バリウムドデシルフェノキシドなどをあ
げることができる。さらに、過塩基性バリウムドデシル
フェノキシドであるプラスチスタブ2106(米国オー
エムグループ;商品名)を用いることもできる。
【0034】本発明の液状安定剤には、上記に示した構
成成分(b)を、本発明において3〜45重量%、好ま
しくは5〜30重量%の範囲で使用する。これが3重量
%未満では熱安定性がよくなく、また45重量%を超え
ると発泡を抑制することになる。
【0035】この発明の構成成分のひとつである(c)
は、沸点100℃以上の炭化水素系溶剤とアルコール系
溶剤との混合物である。
【0036】上記(c)の構成成分のひとつである沸点
100℃以上の炭化水素系溶剤としては、キシレン、沸
点149〜343℃の無臭灯油などである。該無臭灯油
としては、例えばアルケンL、56N、ハイゾールSA
S−295、同SAS−296、または同SAS−LH
(以上、日本石油化学;商品名)、イプゾール100、
同150、IP−ソルベント1016、同1620、同
2028、または同2835(以上、出光石油化学;商
品名)、ロース(シェル化学;商品名)、エクゾールD
−40、同D−80、または同D−100(以上、エク
ソン化学;商品名)、さらに、流動性パラフィンである
流パラLP−30(中央化成品;商品名)、コスモホワ
イトP−70(コスモ石油;商品名)、クリストール−
70、同85、同90、同100、または同145(以
上、エクソン化学;商品名)をあげることができる。
【0037】上記(c)の構成成分のひとつであるアル
コール系溶剤としては、多価アルコールおよびその誘導
体があげられる。例えば、エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレンゴリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および3
−メトキシブチルアルコールなどである。
【0038】上記に示した構成成分(c)である炭化水
素系溶剤とアルコール系溶剤との混合溶剤の混合比は、
1.0:0.03〜10.0の重量比が望ましく、さら
に好ましくは1.0:0.1〜3.0である。
【0039】本発明の液状安定剤には、上記に示した構
成成分(c)を8〜60%の割合で使用する。これが8
%未満であると液状化に充分でなく、また60%を超え
ると安定剤としての効果が劣る。
【0040】以上のように、本発明の液状安定剤は、
(a)フタル酸モノエステルと炭素数2〜18のモノカ
ルボン酸との特定モル比の原料と、酸化亜鉛を用いて製
造されるカルボン酸亜鉛塩、カルボン酸塩基性亜鉛塩、
またはカルボン酸亜鉛塩とカルボン酸塩基性亜鉛塩との
組成物の特定量と、(b)炭素数7〜18の、モノカル
ボン酸、過塩基性カルボン酸金属塩、アルキルフェノー
ルのナトリウム、カリウム、カルシウムまたはバリウム
塩などからなる少なくとも1種以上、または過塩基性ア
ルキルフェノール金属塩などからなる少なくとも1種以
上の特定量と、(c)炭化水素−アルコール系の混合溶
剤の特定量でもって液状化した塩素含有樹脂発泡体用と
の組成物である。
【0041】本発明の液状安定剤には、必要に応じて他
の安定化助剤、発泡促進剤、セル調整剤、加工助剤など
を適宜添加することができる。
【0042】ここに使用される安定化助剤としては、有
機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、およびこの
金属塩をあげることができる。
【0043】有機亜リン酸エステルとしては、例えば、
トリフェニルホスファイト、トリイソオクチルホスファ
イト、トリストリデシルホスファイト、ジフェニルモノ
オクチルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファ
イト、4,4’−イソプロピリデンジフェニルアルキル
(C12〜C15)ジホスファイトなどがあげられる。
【0044】また、有機リン酸エステルおよびこの金属
塩としては、例えば、ジイソオクチルアシッドホスフェ
ート、ビストリデシルアシッドホスフェート、ジイソオ
クチルアシッドホスフェート亜鉛またはカリウム塩、ビ
ストリデシルアシッドホスフェート亜鉛またはカリウム
塩などがあげられる。
【0045】セル調整剤としては、界面活性剤およびア
クリル系ポリマーをあげることができる。界面活性剤と
しては、例えば、ラウリルアルコールスルホン酸エステ
ルのナトリウム、バリウム、カルシウム、または亜鉛
塩、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリ
ウム、バリウム、または亜鉛塩、ドデシルフェノキシポ
リオキシエチレンスルホン酸ナトリウム塩などをあげる
ことができる。また、アクリル系ポリマーとしては、重
合度100〜2000の範囲にあるメタアクリル酸ブチ
ルエステルポリマー、メタアクリル酸イソブチルエステ
ルポリマー、メタアクリル酸−t−ブチルエステルポリ
マー、メタアクリル酸イソオクチルエステルポリマー、
メタアクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマ
ー、メタアクリル酸イソデシルエステルポリマー、メタ
アクリル酸ラウリルエステルポリマーをあげることがで
きる。
【0046】加工助剤またはその他の添加剤としては、
例えば、ポリオキシエチレン(鎖長5〜55)ノニルフ
ェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(鎖長4〜
10)トリデシルエーテルリン酸、エポキシ化大豆油、
エポキシ化アマニ油などである。この他に、さらに可塑
剤、充填剤、顔料、防黴剤、プレートアウト防止剤、そ
の他の添加剤を配合することができる。
【0047】本発明の塩素系含有樹脂発泡体に用いられ
る発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、p,p´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジニト
ロソペンタメチレンテトラミンなどがあげられ、アゾ系
のアゾジカルボンアミドがより好ましい。
【0048】本発明における塩素含有樹脂としては、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体とポリ塩化ビニルとのブレンド品などである。特に、
ポリ塩化ビニルホモポリマーであって、乳化重合法また
はマイクロサスペンジョン法によって得られた、平均粒
子径が0.1〜5μmの微小な粒子を有するペースト加
工用のポリ塩化ビニルがより好ましい。
【0049】
【実施例】次に、合成例および実施例を述べ、本発明を
さらに具体的に説明する。しかしながら本発明は次に挙
げられた合成例および実施例によって限定されるもので
はない。
【0050】(合成例1〜3、比較例1〜3)ここにお
ける合成例は、本発明の(a)成分を合成するものであ
り、また比較例は、本発明の(a)成分において、フタ
ル酸モノエステルを使用しなかった場合の事例である。
【0051】第1表に示す特定量の溶剤とモノフタル酸
エステル(比較例の場合は除く。)およびモノカルボン
酸を、300ml三つ口フラスコ中に秤量し、加熱しな
がらかきまぜた。これに特定量の酸化亜鉛を加え、10
0℃にて30分間反応させた。さらに加熱させながら反
応を完結させ、120℃で減圧しながら水を十分留去し
て、透明油状のモノカルボン酸亜鉛塩および/または塩
基性モノカルボン酸亜鉛塩の混合物80gを得た。この
得られた安定剤成分(a)を第1表に示した。
【0052】
【表1】
【0053】(合成例4〜7、比較例4〜6)ここで
は、上記した合成例で合成された本発明の安定剤成分
(a)および比較例の合成品を用いて、液状安定剤を合
成した。
【0054】まず、第2表に示すように、本発明で用い
る安定剤成分(a)〜(c)の特定量をそれぞれ秤量
し、これらを100℃で30分間かきまぜ、十分に混合
して均一な油状の安定剤100gを得た。ここで得られ
た液状安定剤の組成を第2表に示した。
【0055】
【表2】
【0056】(実施例1〜4、比較例1〜3)本発明の
液状安定剤を添加した塩素含有樹脂組成物を以下のよう
にして調整し、ついで発泡体を成形した。
【0057】この実施例は、乳化重合によって得られた
ポリ塩化ビニル(平均重合度800)に可塑剤、発泡
剤、充填剤、顔料、難燃性可塑剤および希釈剤などから
なる下記基本配合に、第3表に示す液状安定剤を添加、
配合して、これをミキサーで十分混合して均一なプラス
チゾルコンパウンドとした。
【0058】基本配合 ポリ塩化ビニル 100 重量部 ジオクチルフタレート 50 重量部 アゾジカルボンアミド 5 重量部 重質炭酸カルシウム 120 重量部 ルチル型酸化チタン 17 重量部 45%塩素化パラフィン 8 重量部 ミネラルスピリット 10 重量部 液状安定剤 (第3表に記載)
【0059】上記のゾルを基材である難燃紙上に厚さ
0.2mmになるようにドクターナイフで均一に塗布し
た。これを150℃に加熱した加熱炉中に水平に入れ、
60秒間放置することによりゲル化させてシートを作成
し、これを原シートとした。
【0060】この原シートの一部を採取して試験片と
し、これを240℃に加熱した発泡炉内に所定時間入れ
て発泡させた。このときの発泡状態、特に気泡の立ち上
がり(発泡速度)、気泡の均一性および微細さ、表面平
滑性などを調べた。尚、気泡の均一性および微細さを示
す気泡の大きさは、40倍の顕微鏡を用い、発泡体の表
面および断面を観察して行った。
【0061】また、プレートアウト試験は以下の通り行
った。前記の原シートから30×30mmのシート片3
枚を採取し、一枚をフェロ板上に塗布面が接触するよう
に置き、150℃の加熱炉中に入れ5分後に取り出し、
直ぐローラーで圧着させた後シートを取り除いた。次
に、新たなシート片をフェロ板上、前回の圧着面と同じ
位置に置き同一の操作を行った。この操作を3回繰り返
した。この繰り返し操作を行うことでフェロ板の鏡面上
に付着する白色の汚染物、すなわち実際の加工時の冷却
ロール、ガイドロールおよびプリントロールなどの表面
に発生するプレートアウトの再現性の試験を行った。こ
の試験において、フェロ板の鏡面上に付着物が確認でき
ないほど少ない場合と、多く積層された場合を確認し
た。
【0062】以上の結果を第3表に示した。尚、結果の
判定は以下のように表した。
【0063】発泡速度、発泡シートの表面平滑性、プレ
ートアウトについては、極めて優れているを5、優れて
いるを4、普通を3、少し悪いを2、悪いを1、で示す
5段階評価で表した。また、気泡の大きさについては顕
微鏡で観察し、その径(μm)を測定した。気泡の径が
200μm未満で極めて優れている場合は5、200〜
250μm未満は4、250〜350μm未満は3、3
50〜500μm未満は2、そして500μm以上で悪
い場合は1、で示す5段階評価で表した。
【0064】
【表3】
【0065】第3表から明らかなように、この発明によ
ると発泡速度はいずれも改善されていることがわかる。
また、表面平滑性、気泡の大きさともに極めて優れてい
ることがわかる。さらに、プレートアウトについても良
好な結果を示している。これらに対し、比較例1〜3は
上記した4つの性能項目のいずれにおいても、本発明の
実施例1〜4より数段劣る結果となっている。
【0066】(実施例5〜6、比較例4〜5)この実施
例は毒性の極めて少ない配合剤および安定剤を組み合わ
せて添加したものである。
【0067】基本配合 ポリ塩化ビニル 100 重量部 ジイソノニルアジペート 55 重量部 アゾジカルボンアミド 5 重量部 重質炭酸カルシウム 120 重量部 ルチル型酸化チタン 17 重量部 ミネラルスピリット 10 重量部 液状安定剤 (第3表に記載)
【0068】上記した配合組成物をミキサーで十分混合
して、均一なプラスチゾルコンパウンドとした。このゾ
ルで前述した実施例1〜4および比較例1〜3と同じ方
法および条件で以下の試験を行った。また、判定方法も
前記した第3表の実施例1〜4および比較例1〜3と同
様に行った。その結果を第4表に示した。
【0069】
【表4】
【0070】但し、上記第4表の※印の化合物は、公知
の気泡構造調整剤である。
【0071】第4表から明らかなように、この発明によ
ると発泡速度は改善され、表面平滑性および気泡の大き
さについては極めて優れていることがわかる。また、プ
レートアウトについても極めて優秀な結果を示してい
る。これらに対し、比較例4、5は上記した4つの性能
項目のいずれにおいても、本発明の実施例5、6より数
段劣る結果となっている。
【0072】
【発明の効果】上記の第3表および第4表から明らかな
ように、本発明の液状安定剤を添加したポリ塩化ビニル
樹脂組成物は、比較例との対比からも明らかなように、
発泡速度に優れ、気泡構造も均一で大きくても200μ
m未満である。また、この発泡体の加工過程においても
プレートアウトはほとんど見られなかった。これに対し
て、比較例1〜5は、請求項1の(a)成分にモノフタ
ル酸エステルの亜鉛塩を含まないため、いずれも発泡速
度が不十分であり、気泡構造が不均一で、かつ微細な気
泡が得られず、発泡体表面にも凹凸が発生していた。さ
らに公知の気泡構造調整剤(第4表に記載)を添加して
も、本発明の実施例1〜6より数段劣る結果となってい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝山 和樹 東京都文京区湯島一丁目6番7号 吉富 製薬株式会社化成品事業部内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に規定する(a)10〜85重量
    %、(b)3〜45重量%、および(c)8〜60重量
    %を含有してなることを特徴とする塩素含有樹脂発泡体
    用の液状安定剤。(a)は、次の(a−1)または(a
    −2)のいずれかによって得られるカルボン酸亜鉛塩、
    塩基性カルボン酸亜鉛塩、またはカルボン酸亜鉛塩と塩
    基性カルボン酸亜鉛塩との組成物を示す。ここで、(a
    −1)は、フタル酸モノエステルと炭素数2〜18のモ
    ノカルボン酸とのモル比が1:9〜9:1の範囲である
    組成物と、酸化亜鉛とを、反応して得られる生成物を示
    す。ここで、(a−2)は、フタル酸モノエステルと酸
    化亜鉛との反応生成物と、炭素数2〜18のモノカルボ
    ン酸と酸化亜鉛との反応生成物(これらの反応生成物に
    用いるフタル酸モノエステルと炭素数2〜18のモノカ
    ルボン酸とのモル比は1:9〜9:1の範囲である)と
    の混合物を示す。(b)は、次の(b−1)、(b−
    2)、(b−3)、(b−4)、または(b−5)のい
    ずれかを示す。ここで、(b−1)は、炭素数7〜18
    のモノカルボン酸のナトリウム、カリウム、カルシウ
    ム、およびバリウム塩から選ばれる少なくとも1種以上
    を示す。ここで、(b−2)は、炭素数7〜18のアル
    キルフェノールのナトリウム、カリウム、カルシウム、
    およびバリウム塩から選ばれる少なくとも1種以上を示
    す。ここで、(b−3)は、炭素数7〜18の過塩基性
    カルボン酸カルシウム、およびバリウム塩から選ばれる
    少なくとも1種以上を示す。ここで、(b−4)は、炭
    素数7〜18の過塩基性アルキルフェノールカルシウ
    ム、およびバリウム塩から選ばれる少なくとも1種以上
    を示す。ここで、(b−5)は、上記に示した(b−
    1)、(b−2)、(b−3)、および(b−4)を少
    なくとも2種以上含有する組成物を示す。(c)は、沸
    点100℃以上の炭化水素系溶剤とアルコール系溶剤と
    からなる混合溶剤を示す。
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