JPH08120109A - 発泡体シート用塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

発泡体シート用塩化ビニル樹脂組成物

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JPH08120109A
JPH08120109A JP6256482A JP25648294A JPH08120109A JP H08120109 A JPH08120109 A JP H08120109A JP 6256482 A JP6256482 A JP 6256482A JP 25648294 A JP25648294 A JP 25648294A JP H08120109 A JPH08120109 A JP H08120109A
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JP
Japan
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vinyl chloride
parts
chloride resin
acid
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JP6256482A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Takano
和明 高野
Atsushi Kagami
淳 加々美
Michinobu Ono
理亘 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Westlake Akishima Co Ltd
Original Assignee
Akishima Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、塩化ビニル樹脂発泡体シートを製
造する際に、冷却ロールやそのドラム、ガイドロール、
プリントロールなどの表面に充填剤又は発泡剤分解物な
どの白色粉状物質が付着したり、またこれらがエンボッ
シングロールの凹部に詰まるいわゆるプレート・アウト
の問題を改善しようとするものである。 【構成】塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤2
0〜200重量部、無機充填剤20〜200重量部、有
機カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化合物
0.01〜5重量部、平均重合度10〜800のアクリ
ル酸アルキルエステルポリマー0.05〜5重量部、
4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)若しくはアゾジカルボンアミド又はこれらを組合た
発泡剤0.1〜10重量部を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡体シート用の塩化ビ
ニル樹脂組成物に関し、特に塩化ビニル樹脂発泡体シー
トの製造に際して、冷却ロール、ガイドロールに充填
剤、発泡剤分解物が付着したり、エンボッシングロール
の目詰まり、即ちプレートアウトが発生するのを改善し
た塩化ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂で、特に乳化重合法又は
マイクロサスペンジョン法から得られるペーストゾルで
製造される塩化ビニル樹脂発泡体シートは廉価で、気泡
構造も均一でしかも風合、反ぱつ弾性や耐薬品性などに
も優れている。さらにこれは難燃化処方も容易であるた
めに、家具製品、壁装飾材として広く利用されている。
これらの塩化ビニル発泡体シートの製法は、従来より塩
化ビニル樹脂のペーストレジンに可塑剤、安定剤、発泡
剤および充填剤などを配合したるプラスチゾルを用い、
これを防燃紙上に均一に塗布してゲル化溶融処理を行い
さらに必要に応じ印刷を施し、次いで200〜300℃
の高温で発泡させ、冷却しながらエンボス加工を施し、
表面が凹凸模様のある装飾された発泡体シートとする方
法が広く行われている。
【0003】しかしながら、この発泡体シートの加工で
冷却ロールやそのドラム、ガイドロール、プリントロー
ルなどの表面に充填剤又は発泡剤分解物などの白色粉状
物質が付着したり、またこれらがエンボッシングロール
の凹部に詰まるいわゆるプレート・アウトが発生し、凹
凸模様が鋭角に形成されず立体感が不足するという欠点
があった。
【0004】このプレート・アウトの解決策として、例
えば特開昭60−115635号で配合物に沸点150
℃以上の親水性溶剤を添加する方法が提案されている。
また、本出願人も、特開昭64−48841号でバリウ
ムフェノレート系に塩化亜鉛−アルコール混合物を組合
せて用いることを提案している。これらのいずれもプレ
ート・アウトの解決策としてそれなりの効果はあるが、
同時に前者は用いた溶剤の浸出といった現象を伴い、ま
た後者はさらに優れた効果が望まれるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、塩化ビニ
ル樹脂発泡体シートを製造する際に、冷却ロールやその
ドラム、ガイドロール、プリントロールなどの表面に充
填剤又は発泡剤分解物などの白色粉状物質が付着した
り、またこれらがエンボッシングロールの凹部に詰まる
いわゆるプレート・アウトの問題を改善しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、塩化ビニル
樹脂100重量部に対して可塑剤20〜200重量部、
無機充填剤20〜200重量部、有機カルボン酸又はア
ルキルフェノールの金属塩化合物0.01〜5重量部、
平均重合度10〜800のアクリル酸アルキルエステル
ポリマー0.05〜5重量部、4,4′−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)若しくはアゾジカル
ボンアミド又はこれらを組合た発泡剤0.1〜10重量
部を含む発泡シート用塩化ビニル樹脂組成物(請求項
1)及び有機カルボン酸又はアルキルフェノールの金属
塩化合物の金属が、バリウム−亜鉛、ナトリウム−亜鉛
又はカリウム−亜鉛のいずれかである請求項1記載の発
泡シート用塩化ビニル樹脂組成物(請求項2)及びアク
リル酸アルキルエステルポリマーが、アクリル酸−2−
エチルヘキシルエステルポリマーである請求項1記載の
発泡体シート用塩化ビニル樹脂組成物(請求項3)であ
る。
【0007】以下にこの発明をさらに説明する。
【0008】請求項1の発明は、塩化ビニル樹脂に、可
塑剤、充填剤、有機カルボン酸又はアルキルフェノール
の金属塩、アクリル酸アルキルエステルポリマーおよび
発泡剤の5成分を所定の割合で含有した配合物からなる
発泡体シート用塩化ビニル樹脂組成物である。
【0009】この発明で用いる可塑剤は、フタル酸エス
テル、アジピン酸エステル、ポリエステルなどであり、
これらの1種以上が用いられる。フタル酸エステルとし
てはフタル酸ブチル−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−i
−ノニル、フタル酸ブチル−ベンジルである。アジピン
酸エステルとしてはアジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸ジ−i−ノニル、アジピン酸ジアルキル
(C6 〜C10)である。
【0010】ポリエステルとしては、ポリ(プロピレン
グリコール−アジピン酸)エステル、ポリ(ブタンジオ
ール−アジピン酸)エステルであり、そして二次可塑剤
としては塩素含有量が38〜46%又は47〜64%の
塩素化パラフィン、またリン酸トリクレシル、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油などである。
【0011】これらの可塑剤の添加量は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対し、20〜200重量部、好ましく
は30〜150重量部である。これが塩化ビニル樹脂1
00重量部に対し20重量部未満であると風合いが劣
り、またこれが200重量部を超えると強度が低下する
とともに防燃性も低下する。
【0012】また充填剤は無機充填剤を用い、その配合
比は塩化ビニル樹脂100重量部に対し20〜200重
量部とする。好ましくは30〜180重量部である。こ
れが20重量部未満では増量効果が少なく、また200
重量部を超えるとプレート・アウトの発生が著しく、ま
た気泡構造が粗大化して好ましくない。この発明では、
上記の可塑剤とともにこの無機充填剤の添加量を比較的
多く配合することが出来る。
【0013】この発明で用いる無機充填剤は、例えば酸
化チタン(ルチ型又はアナターゼ型)、酸化チタン−硫
酸バリウム、酸化チタン−ケイ酸マグネシウム、酸化チ
タン−硫酸カルシウムなどの混合物、重質炭酸カルシウ
ム(白亜又は天然)、軽質炭酸カルシウム(白亜又は天
然)、硫酸バリウム、シリカなどである。
【0014】この発明では安定剤として有機カルボン酸
又はアルキルフェノールの金属塩化合物を用いる。有機
カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化合物の金
属はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム又は亜鉛である。これらの金属に結合する
有機カルボン酸としては炭素数2〜22の飽和脂肪族若
しくは不飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素数4〜10の
飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数6〜16の炭素環カル
ボン酸で、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オ
クタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、イソデカ
ン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノ
ール酸、リノール酸、イソステアリン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、安息香酸、トレイル酸、ナフトエ酸、p−t−ブチ
ル安息香酸、フタル酸、ケイ皮酸又はこれらの混合酸で
ある。
【0015】また、アルキルフェノールとしては炭素数
10〜24のアルキルフェノールで、例えばp−t−ブ
チルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ノニル
フェノール、ジノニルフェノール、デシルフェノール、
ドデシルフェノールなどである。これらのカルボン酸の
金属塩化合物およびアルキルフェノールの金属塩化合物
は、中性塩が一般であるが、金属過剰の塩基性金属塩又
は過塩基性金属塩化合物であってもよい。
【0016】これらの有機カルボン酸又はアルキルフェ
ノールの金属塩化合物の添加量は、塩化ビニル樹脂10
0重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.
1〜3重量部である。これが0,01重量部であると熱
安定性が十分でなく、またこれが5重量部を超えるとプ
レート・アウトが生じて好ましくない。
【0017】さらに、この発明では数平均重合度10〜
800のアクリル酸アルキルエステルポリマーを配合す
ることが必要である。これは例えば、アクリル酸イソブ
チルエステルポリマー(重合度18,41,150)、
アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー(重
合度15,18,37,80,150)、アクリル酸オ
クチルエステルポリマー(重合度18,40および13
0)、アクリル酸イソデシルウステルポリマー(重合度
18および36)、アクリル酸ノニルエステルポリマー
(重合度15,18および41)、アクリル酸ドデシル
エステルポリマー(重合度15,18,80)などであ
る。
【0018】この発明で添加するあるアクリル酸アルキ
ルエステルポリマーはプレートアウト防止に特に有効で
あることが本発明者によって新たに見い出されたもので
ある。アクリル酸アルキルエステルポリマーをこうした
目的,用途に用いることはこれまで知られていなかっ
た。
【0019】尤も、アクリル系ポリマー又はコポリマー
を塩化ビニル樹脂発泡体の製造時の気泡安定剤として用
いることは既に知られていた。
【0020】例えば特公昭44−8735号はアルキル
メタアクリレート単独若しくはスチレンとのコポリマー
を、特開昭52−44589号はアクリル酸アルキルエ
ステルポリマーを、特開昭54−78767号はアクリ
ル酸アルキルとアクリロニトリルとのコポリマーを、特
公昭55−42099号ではアルキルメタアクリレート
を、特公昭56−22898号ではアルキルメタアクリ
レートとアミノアルキルメタクリレートを、特公昭57
−55734号ではアルキルメタクリレートとアルキル
ベンゼンスルホン酸塩との併用を、特開昭58−214
33号では水酸基含アクリル酸アルキルエステルとイソ
シアネート系架橋剤との化合物を、そして米国特許第3
399107号および同第3417038号ではアルキ
ルメタアクリレートポリマーを塩化ビニル樹脂発泡体に
添加することをそれぞれ開示している。しかし、これら
の先行技術文献に記載されているアクリル系ポリマー又
はコポリマーは、いずれも発泡体の気泡構造の不均一
化、粗大化防止、さらには気泡の崩壊を防止する目的及
び効果を有するものである。
【0021】上記の先行技術の中に、本発明の如く充填
剤、白顔料を多量に配合し、プレートアウトが著しい有
機発泡剤である4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド)などスルホニルヒドラジド系発泡剤を
添加してなる塩化ビニル樹脂発泡体の製造時、エンボッ
シングロールその他のロールに付着するプレートアウト
を防止する技術は全く開示されていない。
【0022】これらのアクリル酸アルキルエステルポリ
マーの添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部であ
る。これが0.05重量部未満ではプレート・アウトの
防止効果が十分でなく、またこれが5重量部を超えると
熱加工時に塩化ビニル樹脂組成物がゴム状となり発泡倍
率の低下をきたし、発泡体表面の平滑性が失われる恐れ
がある。
【0023】この発明で用いる有機発泡剤は、4,4′
−オキシビス(ベンゼンスルホニル−ヒドラジド)若し
くはアゾジカルボンアミドのいずれか、又はこれらを組
合わせたものでこれを塩化ビニル樹脂100重量部に対
し0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部用
いる。発泡剤の配合比が塩化ビニル樹脂100重量部に
対し0.1重量部未満では発泡倍率が1.5以下となっ
て風合いが劣り、また発泡剤が10重量部を超えると過
発泡となりエンボス加工時に気泡の崩壊を生じるので好
ましくない。
【0024】上記の原料の他に、各種の安定化助剤、そ
の他を添加することが出来る。例えば、発泡促進剤、気
泡安定剤、安定化助剤として有機亜リン酸エステル、エ
ポキシ化合物などである。
【0025】気泡安定剤としては、例えば酸化亜鉛、塩
化亜鉛、塩化亜鉛とアルコール類との混合物、ジアルキ
ルスズジクロイド、尿素などである。また、気泡安定剤
としては界面活性剤に代表され、例えばラウリルスルホ
ン酸のナトリウム,バリウム,カルシウム塩、n−ドデ
シルベンゼンスルホン酸のナトリウム,バリウム,カル
シウム塩、ドデシルフェノキシポリオキシエチレンスル
ホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン(鎖長5〜5
5)ノニルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレ
ン(鎖長4〜10)トリデシルエーテルリン酸などであ
る。
【0026】有機亜リン酸エステルとしては、例えばト
リフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイ
ト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ポリ(ジプロ
ピレングリコール)フェニルホスファイト、4,4′−
イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12〜C15)ジ
ホスファイトである。
【0027】エポキシ化合物その他の添加剤としては、
例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキ
シ化アマニ油、エポキシステアリン酸−2−エチルヘキ
シルエステルであり、またその他の添加剤としては、例
えば過塩素酸ナトリウム、マグネシウム、バリウムのい
ずれかとエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルのいずれか一種と
の錯化合物、ハイドロタルサイト又はゼオライトなどで
ある。
【0028】本発明における塩化ビニル樹脂には、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合
体などである。そして、特に塩化ビニルホモポリマー
で、乳化重合法又はマイクロサスペンジョン法によって
得られた平均粒子径0.1〜5μmの微小粒子からなる
ペースト加工用の塩化ビニル樹脂がより好ましい。
【0029】上記の配合原料で発泡シートを得るには常
法による。例えば、塩化ビニルペーストレジンに上記の
可塑剤、無機充填剤、有機金属塩化合物、アクリル酸ア
ルキルエステルポリマー、発泡剤を添加しこれを十分に
かき混ぜて均一のコンパウンドとする。これを防燃紙上
に厚さ0.2mmとなるようにドクターナイフで均一に塗
布する。次いでこれを140〜150℃の加熱炉に入れ
短時間(例えば60秒)保持してゲル化溶融する。さら
にこのシートを240〜250℃の発泡炉に所定時間保
持して発泡を行う。その後、この発泡シートを150〜
170℃に加熱されたエンボスロールで押圧し所定の深
さを有した凹凸模様を表面に形成する。
【0030】請求項2の発明は、上記の請求項1の有機
カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化合物の金
属が、バリウム−亜鉛、ナトリウ−亜鉛、カリウム−亜
鉛のいずれかに特定したものである。これらの金属又は
金属の組合わせは、熱安定性に極めて好ましい。さらに
請求項3は、アクリル酸アルキルエステルポリマーとし
てアクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマーを
用いるものである。
【0031】
【作用】この発明は、発泡体シート用の塩化ビニル樹脂
組成物において、配合処方にアクリル酸アルキルエステ
ルポリマーを含む上記の構成としたことによって、発泡
体シートを製造する際、発泡体から移行した充填剤又は
発泡剤分解物の各種ロールへの付着防止、エンボッシン
グロール表面に発生するプレート・アウトの防止を可能
にしたものである。
【0032】以下に、本発明を実施例によりさらに説明
する。
【0033】
【実施例】
(実施例1〜6,比較例1〜5)本発明組成物による塩
化ビニル樹脂発泡体シートの加工時の発泡状態、加工性
をみるために以下のように実施した。マイクロサスペン
ジョン法により得られた塩化ビニル樹脂、平均重合度8
00のペーストレジンに、可塑剤、充填剤、発泡剤およ
び安定剤などを次のように添加して得た基本配合に、第
1表に示すようにプレート・アウト防止剤としてアクリ
ル酸アルキルエステルポリマーその他を添加して配合し
た。
【0034】 基本配合 塩化ビニル樹脂 100 重量部 ジオクチルフタレート 60 重量部 重質炭酸カルシム 110 重量部 ルチル型酸化チタン 20 重量部 ミネラルスピリット 10 重量部 4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド) 4 重量部 過塩基性バリウムオレートカーボネート錯体 0.5重量部 過塩基性バリウムドデシルフェノレートカーボネート錯体 0.5重量部 塩基性イソデカン酸亜鉛塩 0.8重量部 塩基性−m−トルイル酸亜鉛塩 0.8重量部 n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 0.3重量部 アクリル酸アルキルエステルポリマー(注−1) (第1表) 注−1 A−1:アクリル酸イソブチルエステルポリマー(重合度150) A−2:アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー(重合度18 ) A−3:アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー(重合度15 0) A−4:アクリル酸オクチルエステルポリマー(重合度130) A−5:アクリル酸イソデシルエステルポリマー(重合度36) A−6:アクリル酸ドデシルエステルポリマー(重合度80) また、比較例は以下の添加剤成分を用いた。 B−1:メタアクリル酸イソブチルエステルポリマー(重合度700) B−2:メタアクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー(重合度 450) B−3:エチレングリコール/ジプロピレングリコール2/1の重量比 B−4:トリフェニルホスファイト 上記の配合組成物をミキサーで十分に混合して均一なペ
ーストゾルコンパウンドとした。次に、このペーストゾ
ルを壁紙用基材である防燃紙上に厚さ0.2mmに設定し
ドクターナイフで均一に塗布し、これを温度180℃の
加熱炉中に水平に入れ、50秒間放置してゲル化溶融さ
せシートを作成した。これを原シートとし、以下の試験
を行った。 試験−1(発泡前の原シートのプレート・アウト試験) 原シートから30×30mmのシート片8枚を採取し、一
枚をフエロ板上に密着させ、温度110℃の加熱炉中に
入れ5分後に取り出してシートを取り除いた。次に、新
たなシート片をフエロ板上、前回の密着面と同一の位置
に密着させ同一の操作を行った。この操作をシート片8
枚について繰り返し行った。この繰り返し操作を行うこ
とでフエロ板の鏡面上に付着する白色の汚染物、すなわ
ち実際の加工時の冷却ロール、同ドラム、ガイドロール
などに発生するプレート・アウトの再現性の試験を行っ
た。
【0035】この試験においてフエロ板の鏡面上に付着
物が確認できないほど少ない場合と、白色付着が積層さ
れた場合を確認した。この結果を表1に示す。なお結果
の判定については以下の記号で示した。
【0036】◎ 優れている ○ 良い △ 白色物は少ないが確認できる × 白色物は明らかに付着している ×× 白色物が多く積層が確認できる 試験−2(発泡体の気泡など) 原シートから80×80mmのシート片を採取し、温度2
40℃に加熱した発泡炉内に50秒間、シート片を入れ
発泡させ発泡体を得た。この発泡体の気泡構造、色相、
倍率などを調べた。この結果を表1に示した。 試験−3(発泡後のプレート・アウト試験) 上記、試験−2で得られた発泡体から20×20mmの試
験片8枚を採取した。この発泡体についてプレート・ア
ウトを調べた。試験の条件、操作方法などは上記の試験
−1と同一の条件、方法で行った。この試験におけるフ
エロ板鏡面上に付着する白色の汚染物は、エンボッシン
グロール上に発生するプレート・アウトの再現性の試験
である。この結果を試験−1と同一の記号で表1に示し
た。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、この発明による
と発泡前および後のプレート・アウトはいずれも極めて
良好であることがわかる。また、気泡構造、色相ともに
良好であることがわかる。これに対し、比較例のものは
いずれもプレート・アウトがあって悪い又は良くない結
果となっている。
【0039】(実施例7〜12,比較例6〜10)この
実施例は乳化重合によって得られた塩化ビニル樹脂、平
均重合度850を用い、このペーストレジンに可塑剤、
充填剤、発泡剤及び安定剤を添加した基本配合に、表2
に示すようなプレート・アウト防止剤としてアクリル酸
アクリルエステルポリマーを添加した。
【0040】 基本配合 塩化ビニル樹脂 100 重量部 ジイソノニルフタレート 50 重量部 重質炭酸カルシウム 120 重量部 ルチル型酸化チタン 15 重量部 三酸化アンチモン 3 重量部 45%塩素化パラフイン 8 重量部 ミネラルスピリット 10 重量部 アゾジカルボンアミド 3 重量部 4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド) 2 重量部 過塩基性バリウムオレ−トカ−ボネ−ト錯体 0.5重量部 塩基性2−エチルヘキソイン酸亜鉛塩 0.5重量部 塩基性イソデカン酸亜鉛塩 0.8重量部 イソデカン酸カリウム−ナトリウム(1:1)塩 0.5重量部 アクリル酸アルキルエステルポリマー(注1,注2) (表2) 注−2 A−7;アクリル酸ノニルエステルポリマー(重合度41) また、比較例は以下の添加剤成分を用いた。 B−5;酸化亜鉛 B−6;トリデシルポリオキシエチレン(鎖長4〜10)リン酸 上記した配合組成物をミキサーで十分混合して均一なペ
ーストゾルコンパウンドとした。このペーストゾルで実
施例1と同じ方法および条件でシートを作成しこれを原
シートとして以下の試作を行った。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、この発明による
と発泡後のプレート・アウトはいずれも極めて良好であ
ることがわかる。また、気泡構造、色相ともに良好であ
ることがわかる。さらに、発泡前のプレート・アウトに
ついても良好な結果を得ている。これに対し、比較例の
ものはいずれもプレート・アウトがあって悪い又は良く
ない結果となっている。
【0043】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば塩化ビニ
ル樹脂発泡体の製造する加工工程において、発泡体から
移行した充填剤又は発泡剤分解物などが各種ロールに付
着する、いわゆるプレート・アウトの防止、エンボッシ
ングロール表面の目詰などの問題がよく解決できるよう
になったので、エンボッシングロールから付着物を除去
する作業が少なくなり生産性の向上に一段と寄与出来る
ようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/23 KHH 5/42 KHR C08L 27/04 LEV //(C08L 27/04 33:08)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部に対して可
    塑剤20〜200重量部、無機充填剤20〜200重量
    部、有機カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化
    合物0.01〜5重量部、平均重合度10〜800のア
    クリル酸アルキルエステルポリマー0.05〜5重量
    部、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
    ジド)若しくはアゾジカルボンアミド又はこれらを組合
    た発泡剤0.1〜10重量部を含む発泡体シート用塩化
    ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 有機カルボン酸又はアルキルフェノール
    の金属塩化合物の金属が、バリウム−亜鉛、ナトリウム
    −亜鉛又はカリウム−亜鉛のいずれかである請求項1記
    載の発泡体シート用塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル酸アルキルエステルポリマー
    が、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー
    である請求項1記載の発泡体シート用塩化ビニル樹脂組
    成物。
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