JP4067699B2 - 発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物 - Google Patents

発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発泡用塩化ビニル樹脂組成物に関する、詳しくは,無機充填剤を多量に含む配合で、表面が平滑でセルが緻密な塩化ビニル樹脂発泡成形体を与えることのできる塩化ビニルプラスチゾル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニルプラスチゾルは、可塑剤、粗粒レジン、架橋剤などを配合することにより、硬質から軟質まで幅広く加工・成形ができ、発泡体も容易に得られるので床材、壁装材、レザーなどに広く利用されている。
塩化ビニルプラスチゾルを用いて発泡体を得る方法としては、シリコンオイルなどの整泡剤を含有する塩化ビニルプラスチゾルを激しく撹拌して泡を生じせしめ、加熱、ゲル化させ、発泡体とする機械発泡法と、アゾジカルボンアミドなどの熱分解型発泡剤を添加したプラスチゾルを、発泡剤分解温度未満の温度に一旦加熱してセミゲル化させ、更に分解温度以上の温度に加熱して発泡剤を分解させて発泡体を得る化学発泡法がある。壁装材など意匠性の高い成形品の製法としては、ゲル化させた後、印刷などが容易な化学発泡法が主に用いられている。
しかるに、化学発泡法は、特に、コストダウンのため炭酸カルシウムのような無機充填剤を多量に、殊に塩化ビニル樹脂重量程度以上に配合した場合に、表面が平滑でセルが緻密な発泡体が得られにくいという欠点を有していた。そのため、成形後にこの欠点が目立たないエンボスをかけるなどの配慮が必要だった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、無機充填剤を多量含有する配合における上記の欠点を改良すべく鋭意検討した結果、特定の塩化ビニル樹脂と特定の化合物とを配合した化学発泡用のプラスチゾルを用いることにより、十分な発泡倍率を有し、表面が平滑で、かつ、セルが緻密な発泡体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、アルキルアリールスルフォン酸塩を含有する塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤30〜120重量部、熱分解型発泡剤0.1〜10重量部、無機充填剤80〜220重量部およびエチレングリコール、プロピレングリコール、それらの二量体、三量体、またはそれらのアルキルエーテルもしくはアルキルエステル0.01〜10重量部を含有してなる発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物を用いることによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニルを主としこれと共重合可能な単量体との共重合体である。アルキルアリールスルフォン酸塩を含有する塩化ビニル樹脂の製造法の第1の例は、アルキルアリールスルフォン酸塩を塩化ビニル樹脂の重合反応用副資材として用いることである。また第2の例は、塩化ビニル樹脂の重合反応後の添加剤として用いることである。これらの方法により、特定量のアルキルアリールスルフォン酸塩を付着させた塩化ビニル樹脂を得ることができる。
塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、酢酸ビニル、カプロン酸ビニルなどの炭素数2〜18のビニルエステル類;アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類;メタアクリル酸メチル、マレイン酸モノメチルなどの不飽和カルボン酸エステル類;エチレン、1−ペンテンなどのオレフィン類;アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタアクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;イソブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルニトリル;塩化ビニリデンなどが挙げられる。共重合体にあっては、塩化ビニルは50重量%以上含有されることが好ましい。
本発明におけるアルキルアリールスルフォン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、パルミチルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキル基を有するベンゼンスルフォン酸塩;ドデシルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、パルミチルナフタレンスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキル基を有するナフタレンスルフォン酸塩などが挙げられる。通常、カチオン種はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属である。これらの内1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0006】
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共重合可能な不飽和単量体とからなる単量体混合物を、乳化重合(播種乳化重合を含む)または微細懸濁重合(播種微細懸濁重合を含む)することによって得られるペースト加工用の塩化ビニル樹脂である。
乳化重合は、水を媒体とし、アニオン性界面活性剤、水溶性の重合開始剤を用い、塩化ビニルなどの単量体を可溶化したアニオン界面活性剤ミセル内で重合を進め、粒径0.05〜0.5μmの範囲内のシャープなモードを有する粒径分布の微小球形重合体粒子のラテックスを得る重合法である。
播種乳化重合法は、乳化重合により得られた重合体を種子として、水媒体中でこれに単量体を被覆重合して肥大化させる重合法で、重合体粒子を安定化するためのアニオン性界面活性剤を、重合体粒子表面を覆うに必要な量以上とならないように重合反応の進行に調和させて添加しつつ水溶性の重合開始剤で重合反応を行う方法である。通常、一次粒子の粒径は、0.9〜1.3μmの肥大化された主たる粒子群と、0.1〜0.3μmの少量の副生粒子群とからなる2つのモードを有する重合体を含有するラテックスが得られる。
【0007】
微細懸濁重合は、水媒体中で単量体を油溶性重合開始剤の存在下、アニオン性界面活性剤を乳化剤として用いてホモジナイザにより均質化し、単量体の乳化液滴を比較的緩かな撹拌下で重合して重合体に転化せしめるもので、通常、一次粒子は0.05〜約5μmのブロードな山形の粒径分布を持つ球形の重合体粒子を含有するラテックスが得られる。
前記乳化重合または微細懸濁重合において、粒子の安定化や粒径調整のために、アニオン性界面活性剤の他に、高級アルコール、ソルビタンステアリルエステルなどの親油性の補助乳化剤を添加することも可能である。
【0008】
本発明のアルキルアリールスルフォン酸塩を含有する塩化ビニル樹脂の製法例の第1は、重合反応用副資材としてアルキルアリールスルフォン酸塩を用いることである。即ち、前記の乳化重合、播種乳化重合および微細懸濁重合などにおけるアニオン性界面活性剤としてアルキルアリールスルフォン酸塩を使用するのである。本発明のアルキルアリールスルフォン酸塩を含有する塩化ビニル樹脂の製法例の第2は、重合反応後の重合体ラテックスにアルキルアリールスルフォン酸塩を添加することである。この場合は重合反応の副資材としてのアニオン性界面活性剤は、例えばラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどで、必ずしもアルキルアリールスルフォン酸塩でなくても良いが、重合後に添加されるアルキルアリールスルフォン酸塩の量が、添加後に存在する全アニオン性界面活性剤の50重量%以上、好ましくは70重量%以上の割合となるようにする。本発明のアルキルアリールスルフォン酸塩を含有する塩化ビニル樹脂におけるアルキルアリールスルフォン酸塩の量は、塩化ビニル樹脂100重量部あたり0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜1重量部が更に好ましい。アルキルアリールスルフォン酸塩の量が0.05重量部より少ないと発泡成形品の表面が平滑になりにくく、また、発泡セルが均一になりがたい。一方、アルキルアリールスルフォン酸塩の使用量が5重量部より多いと発泡成形時に吸湿によるセル荒れを起したり、成形品表面に乳化剤が析出して白化したりする傾向がある。
【0009】
アルキルアリールスルフォン酸塩が添加されている塩化ビニル樹脂のラテックスは、通常、噴霧乾燥により、または凝固、脱水して、乾燥されて樹脂粉末とされる。
そのほか、市販のペースト加工用塩化ビニル樹脂を水にリスラリーしてからアルキルアリールスルフォン酸塩を添加、混合後、乾燥して樹脂粉末を得ても良い。
【0010】
本発明に用いられる可塑剤は、塩化ビニルプラスチゾルに使用される可塑剤であればいずれでもよく、特に制限なく使用される。具体的には、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエートなどのマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体;トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレートなどのクエン酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネートなどのイタコン酸誘導体;ブチルオレエート、グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノオレエートなどのオレイン酸誘導体;グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸誘導体;グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘導体;トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤;ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重合性可塑剤などが挙げられるが、これらの中でフタル酸エステル系のものが好適である。これらの可塑剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり、30〜120重量部の範囲で選ばれ、50〜90重量部が好ましい。可塑剤が30重量部より少ないとプラスチゾルの粘度が高くなり、加工が困難になる可能性があり、逆に120重量部より多いと成型品が柔らかくなり、形状が安定しなくなる虞がある。
【0011】
本発明に用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N−ジニトロソ−N,N−ジメチルフタルアミドなどのニトロソ化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などのスルホニルヒドラジド化合物などが挙げられる。使用量は塩化ビニル樹脂100重量部あたり0.1〜10重量部であり、0.5〜5重量部が好ましい。0.1重量部より少ないと発泡体の得られない可能性があり、一方、10重量部より多いと均一な発泡セルや平滑な表面を有する発泡体が得られない虞がある。
【0012】
本発明で用いられる無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、クレイ、ケイソウ土、マイカ、水酸化アルミニウム、アルミナなどが挙げられるが、、更に、チタン白(酸化チタン)、カドミウムイエロー(硫化カドミウム)、クロムイエロー(クロム酸鉛)、チモノックス(三酸化アンチモン)、ホワイト鉛(塩基性炭酸鉛)、ベンガラ(三ニ酸化鉄)などの無機顔料;三酸化アンチモンなどの無機難燃化剤;珪酸カルシウム、シリカアエロジルなどの無機ゲル化剤;酸化亜鉛などの無機キッカーなども本発明においては無機充填剤に含まれる。かかる無機充填剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して80〜220重量部使用され、好ましくは100重量部より多く200重量部より少ない量使用され、更に好ましくは150重量部より多く180重量部より少ない量使用される。無機充填剤の配合量が80重量部以上であるのは、本発明のプラスチゾル組成物が無機充填剤を多量に含有される塩化ビニルプラスチゾル発泡体の成形不良を解決するための組成物であるからであり、一方、無機充填剤の配合量が220重量部以下であるのは、それより多いと発泡体の強度が低下して破損しやすくなる可能性があるからである。
【0013】
本発明組成物にはエチレングリコール、プロピレングリコールまたはそれらの誘導体が添加される。前記誘導体としては、エチレングリコールまたはプロピレングリコールの二量体、三量体、;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキルエーテル;エチレングリコールモノアセタート、ジエチレングリコールジアセタートなどのアルキルエステルなどが挙げられる。
グリコール化合物の使用量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部、更に好ましくは0.3〜1重量部である。0.01重量部より少ないとセルが荒れる虞があり、逆に10重量部より多いと組成物が吸湿性になって水分による発泡セルの荒れが生ずる可能性がある。
【0014】
本発明の塩化ビニルプラスチゾル組成物には、上記の各成分に加えて熱安定剤、紫外線吸収剤、セル調節剤、着色剤など必要に応じて添加することができる。安定剤としては亜鉛、錫、バリウムなどの金属塩の公知のものが使用できる。
本発明の塩化ビニルプラスチゾル組成物は、通常、紙、布、グラスウールなどの基材上に、厚さ0.05から2ミリメートルに塗布し、熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度に加熱させてセミゲル化させ、必要に応じて印刷などの意匠を施した後、発泡剤の分解温度以上に加熱させて発泡体に成形される。更に必要ならば得られた発泡体に対して、エンボス処理が施される。
また、本発明の塩化ビニルプラスチゾル組成物は、例えばロールなどで厚さ0.05〜2ミリメートルのシート状に塗布してから、必要に応じて印刷などの意匠を施した後、一段で発泡剤分解温度以上の温度に加熱して発泡体とすることができる。また、シート状のプラスチゾル塗布層を紙、布、グラスウールなどの基材上にラミネートし、必要に応じて印刷などの意匠を施した後、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡体を得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例中の部は重量基準である。
塩化ビニル樹脂製造例1
ステンレス製の攪拌機及びジャケット付耐圧反応器に、脱イオン水120部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.7部、ラウリルアルコール0.5部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.07部を仕込んで窒素置換、減圧脱気を2回くり返した。その後塩化ビニル100部を仕込み、攪拌、混合した。この混合物をホモジナイザーで均質化した後、別の脱気された耐圧反応器に移し、ジャケットより加温し、47℃に昇温して重合を開始した。かくして重合転化率が90%に達した後、未反応単量体を除去した。得られた塩化ビニル重合体ラテックスには、一次粒子の平均粒径が1.1μmの塩化ビニル重合体粒子が40重量%含有されていた。このラテックスを噴霧乾燥して塩化ビニル樹脂1を得た。
なお、一次粒子の平均粒径は、ラテックス試料を水に分散し、発振周波数50kHzの超音波振盪器に1分間かけ、3分間静置した後、件駄句液を採取して遠心沈降濁度法により積分粒径分布を求め、積分値50%となる粒径をもって表す。
そして、上記の塩化ビニル樹脂1の製造では、界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムのみを使用しており、他のアニオン性界面活性剤は使用していないので、全アニオン性界面活性剤中のアルキルアリールスルフォン酸塩の使用量は、100重量%である。
【0016】
塩化ビニル樹脂製造例2
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムをラウリル硫酸ナトリウムに代えたほかは塩化ビニル樹脂製造例1と同様に行い、一次粒子の平均粒径が1.0μmの塩化ビニル重合体粒子が40重量%含有されたラテックスが得られ、これを噴霧乾燥して塩化ビニル樹脂2を得た。
【0017】
実施例1〜7,比較例1〜4
表1に示す種類と量の配合物を撹拌機で均一になるまで撹拌し、プラスチゾルを得る。このプラスチゾルを厚さ0.1mmの壁紙用の紙製基材上に0.15mmの厚さで塗工し、150℃に設定した熱風オーブンで、約30秒間、加熱してセミゲル化させる。次ぎに、セミゲル化シート付き塗工紙を220℃に設定した熱風オーブンで約30秒間加熱して発泡体を得る。この発泡体の発泡倍率、表面状態および発泡セル状態につき以下の方法で評価する。結果を表1に示す。
【0018】
(1)発泡体の発泡倍率
発泡前のセミゲル化シートの厚みに対する発泡体の厚みの比として求める。
(2)発泡体の表面状態の評価
発泡体の表面を目視で観察し以下の基準で評価する。
○ :表面が平滑で凹凸がほとんどない。
△ :表面にやや凹凸見られる。
× :表面に凹凸がはっきり観察される。
(3)発泡体のセル状態の評価
発泡体の剃刀による切断断面をは以下の通りである。
○ :セルが緻密で均一である。
△ :セルがある程度揃って緻密である。
× :セルが緻密でなく、不均一である。
【0019】
【表1】
Figure 0004067699
【0020】
注 *1 ジオクチルフタレート
*2 バリウム−亜鉛系熱安定剤
本発明の要件を備えた発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して無機充填剤を炭酸カルシウムと酸化チタンの合計で160重量部の多量を含有するが、いずれも発泡倍率が十分大きく、表面状態およびセル状態の良好な発泡体を与えた(実施例1〜7)。
一方、本発明組成物からグリコール化合物を除いた配合で成形された発泡体は、発泡倍率が小さく、表面状態は凹凸があり、セル状態は荒れて不均一であった(比較例1)。グリコール化合物の代わりに高級アルコールを用いた組成物は発泡倍率がやや小さく、セル状態がやや荒れた発泡体を与えた(比較例2)。また、アルキルアリールスルフォン酸塩の代わりにアルキル硫酸塩を含有する塩化ビニル樹脂を用いると、ポリエチレングリコールを添加しても、ポリプロピレングリコールを添加しても、得られる発泡体は発泡倍率、表面上体およびセル状態のいずれも劣るものであった(比較例3,4)。
【0021】
【発明の効果】
本発明の塩化ビニルプラスチゾル組成物によれば、無機充填剤を多量に含む配合であっても、発泡倍率が大きく、表面が平滑で、セルが緻密で均一な発泡体を得ることができる。

Claims (1)

  1. アルキルアリールスルフォン酸塩を含むアニオン性界面活性剤を含有する塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤30〜120重量部、熱分解型発泡剤0.1〜10重量部、無機充填剤80〜220重量部およびエチレングリコール、プロピレングリコールまたはそれらの誘導体0.01〜10重量部を含有してなる発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物において、下記の要件を満たすことを特徴とする発泡用塩化ビニルプラスチゾル組成物。
    (要件1)
    アルキルアリールスルフォン酸塩の使用量は、全アニオン性界面活性剤中のアルキルアリールスルフォン酸塩含量50重量%以上である。
    (要件2)
    エチレングリコール、プロピレングリコールまたはそれらの誘導体が、エチレングリコール、プロピレングリコール、それらの二量体、三量体、またはそれらのアルキルエーテルもしくはアルキルエステルである。
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