JP2970659B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれよりなる発泡体 - Google Patents
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれよりなる発泡体Info
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Description
の加工の中で、特にケミカルエンボス加工用として優れ
た特性を示すペースト加工用塩化ビニル系樹脂に関す
る。
樹脂を可塑剤中に分散して得られるプラスチゾルは、そ
の流動性の良さから、コーティング加工、ディッピング
加工、あるいはローテーション加工などに供され、壁
紙、床材、手袋、人形、ボールなどの製品群を与える。
このため、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、プラス
チゾルとした場合に、それぞれの加工法に対し適正な流
動特性を示すことが要求される。
加工における壁紙あるいは床材の製造分野においては、
プラスチゾル中に熱分解型の発泡剤を配合し、これを加
熱条件下で分解させることにより任意の厚みのフォーム
層を形成させる方法が一般的に用いられており、通常の
製品は、このフォーム層に、さらに様々の凹凸柄を形成
させることにより意匠性を付与し、その商品価値が高め
られている。
は、従来から種々の方法が提案され実施されているが、
その代表的な方法の一つとして、発泡剤を含むプラスチ
ゾルを基材上に塗布し発泡剤の分解温度以下で加熱する
ことにより得られる半ゲル化状態のシート(以下、原反
と称す)表面に、発泡抑制剤を含有するインクを任意の
柄で印刷し、加熱発泡後にその印刷部分の発泡を抑制す
ることによって凹凸模様を形成させるというケミカルエ
ンボス法(特公昭43−28636号公報)が一般的に
知られている。このケミカルエンボス法は、その柄の対
応力の豊かさや、印刷柄と実際の凹凸部に原理的にずれ
が生じないという特徴などから、より高品位の高級壁紙
やクッションフロアなどの加工法として広く採用されて
いる。
は、もう一方の代表的なエンボス加工法であるメカニカ
ルエンボス法に比較すると、上述のような利点はあるも
のの、エンボスのシャープ性については明瞭さに欠け、
この点を克服することがケミカルエンボス法の一つの課
題とされてきた。また、ケミカルエンボス法の原理上、
禁止剤インクの滲みや浮き上がりによる移動などによ
り、意図した柄のぼやけやずれといった問題が発生しや
すいことも知られていた。
に供されるペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、フォー
ム層強度の面からエンボスシャープ性の向上が期待で
き、禁止剤インクの浸透性が高い平均重合度1300以
上のレジンが広く使用されてきたが、このような平均重
合度を有するペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いて
製造されるケミカルエンボス発泡体は、確かにエンボス
シャープ性や柄の明瞭さは向上することが認められるも
のの、発泡体表面においては粗さが目立ち外観上好まし
くないとされてきた。しかし、最近では、壁紙・床材に
対する品質要求も一段と高くなり、ケミカルエンボス加
工製品についても、エンボスのシャープさや柄の明瞭さ
とともに、発泡表面の平滑性も同時に求められるように
なった。
平7−149915においては、塩化ビニル樹脂の重合
度を1300以下に規制したうえで、平均粒子径0.7
〜1.1μm、粒径0.2μm以下の粒子が5wt%以
下であるような粒径分布を特徴とするペースト用塩化ビ
ニル系樹脂によって、ケミカルエンボス性と発泡性を両
立させる方法を提案している。しかし、この方法では、
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を構成する基本粒子の
粒径分布が、実質上、単一の頻度極大を有する粒径分布
にならざるをえない。
脂の粒径分布は、ゾルコーティングの面から見た場合、
好適とは言い難い。特に、高充填化あるいは高速化など
の方向に対して、その傾向は一層強くなるものと思われ
る。
極大を示す粒径分布を持つ基本粒子を含有する塩化ビニ
ル系樹脂の優れたコーティング特性と発泡性を損なうこ
となく、優れたケミカルエンボス特性も兼ね備えたペー
スト加工用塩化ビニル系樹脂を提供するものである。
化ビニル系樹脂は、平均粒子径0.05〜0.2μmの
微小粒子を併用することにより、優れたコーティング特
性と発泡特性(表面平滑性、発泡セル)を実現してい
る。しかし、ケミカルエンボス性に関しては、禁止剤イ
ンクの樹脂層への浸透性が十分でなく、エンボスシャー
プ性や細かい柄の再現性について満足できる結果は得ら
れていなかった。そこで、従来のケミカルエンボス用グ
レードでは、塩化ビニル系樹脂の重合度を上昇させるこ
とにより、禁止剤の浸透性を向上させ、ケミカルエンボ
ス性の向上を図っていたが、高重合度化により発泡性が
阻害されている状況であった。
点を克服するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂の平均重
合度が1500以上で0.05〜0.2μmの平均粒径
を持つ微小粒子8〜30重量%と、塩化ビニル系樹脂の
平均重合度1000以下で0.8〜3μmの平均粒径を
持つ粒子70〜92重量%からなり、その平均重合度が
1300以下であることを特徴とするペースト加工用塩
化ビニル系樹脂である。
れの粒子の調製は、平均重合度1500以上で0.05
〜0.2μmの平均粒径を持つ微小粒子の場合、主に乳
化重合法が適用され、平均重合度1000以下で0.8
〜3μmの平均粒径を持つ粒子の場合は、通常の塩化ビ
ニル系樹脂に用いられているミクロ懸濁重合法あるいは
シード重合法が用いられる。本発明のペースト加工用塩
化ビニル系樹脂は、上記のそれぞれの重合法によって調
製される粒径と重合度の異なる水性分散体同士を、所定
の比率で混合後噴霧乾燥することにより簡単に得られる
が、一方で、モノマー分割、開始剤の分離分割、あるい
は重合温度の途中変更などの組み合わせによる多段重合
方式による一括調製も可能である。重合に使用される単
量体は、塩化ビニル単独かまたは塩化ビニルとそれに共
重合可能な他の単量体、例えば塩化ビニリデン、スチレ
ン等通常のビニル化合物、エチレン、プロピレン、n−
ブテンのようなオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安
息香酸ビニル、ステアリン酸ビニルのようなビニルエス
テル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸のような
不飽和酸またはそれらのアルキルエステル、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル、ラウリルビニルエーテルのようなビニルエーテ
ル、マレイン酸、フマル酸、あるいはこれらの無水物ま
たはエステル、芳香族ビニル、不飽和ニトリル等の単量
体が挙げられる。塩化ビニルに共重合可能な単量体は、
上述のものに限定されるものではないが、その共重合比
率は30重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲
であるのが望ましい。また、重合の際に用いられる乳化
剤については、例えば高級アルコール硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩、あるいは高級アルコールリン酸
エステル塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が
挙げられ、このうち一種または複数種の乳化剤を用いる
ことができる。また、ノニオン系の界面活性剤も必要に
応じて併用される。これらの重合法に用いられる重合開
始剤についても特に限定されるものではなく、乳化重合
系であれば、通常これらの重合に用いられる過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤、ミクロ懸
濁重合法あるいはシード重合法であればアゾビスイソブ
チロニトリル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチル
ペルオキシピバレートに代表されるアゾ化合物、ジアシ
ルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジ
カーボネート等の油溶性開始剤を挙げることができる。
に含有される粒径の異なる粒子の平均重合度は、0.0
5〜0.2μmの微小粒子の場合は1500以上であっ
て、好ましくは、1500〜5000であり、テトラヒ
ドロフラン(以下、THFという)に不溶分があっても
よく、この不溶分は80重量%以上であるとさらに好ま
しい。該微小粒子の平均重合度が1500以下である
と、原反への禁止剤塗布において、禁止剤の原反中への
浸透が十分でなく、良好なケミカルエンボス性を得るこ
とができない。なお、THF不溶分(ゲル分)がある場
合は、THF可溶分の平均重合度が1500以上という
ことである。
場合は、表面積増加によりプラスチゾル粘度の著しい上
昇が観察され好ましくない。0.2μmを越える場合
は、粒子の溶融性が低下し、良好な発泡体表面が得られ
にくい。
均重合度は1000以下であることが必要である。該粒
子において、重合度が1000以上であると、発泡表面
平滑性及び発泡セル構造が劣化することになり好ましく
ない。このましくは、平均重合度600〜1000であ
る。
おける塩化ビニル系樹脂1gにTHF 50ccを加
え、60℃にて24時間撹拌し、その後、例えば遠心沈
降させ、不溶分を沈降分離し、上澄み液を除去後、不溶
分を回収する。この不溶分を真空乾燥後、重量を測定
し、測定試料量に対する割合としてTHF不溶分(ゲル
分)を算出した。
は、プラスチゾル粘度の上昇が観察され好ましくない。
また、粒子の溶融が促進されるため禁止剤インクの浸透
性が抑制され、ケミカルエンボス性が低下する。3μm
を越える場合は、良好な発泡体表面が得られにくい。
塩化ビニル系樹脂全体の平均重合度は1300以下にな
るように両方の粒子の混合比を調整する。好ましくは全
体の重合度は800〜1300である。ペースト加工用
塩化ビニル系樹脂全体の平均重合度が1300を越える
場合は、溶融性低下により良好な発泡体が得られにく
い。
通常重合温度によって調整されるが、連鎖移動剤や架橋
剤による重合度調節も可能である。平均重合度が150
0以上であって、平均粒径が0.05〜0.2μmの微
小粒子の混合比率については、8〜30重量%である。
もし、この混合比率が8重量%未満である場合、原反中
への禁止剤の浸透が十分でないため、良好なケミカルエ
ンボス性が得られにくく、ゾル流動性においては、高ず
り速度領域における粘度上昇が観察され、コーティング
適性が不十分となる。また、該微小粒子の混合比率が3
0重量%を超える場合、低ずり速度領域における顕著な
粘度上昇が観察されるため、ゾルの取り扱いが困難にな
るうえ、発泡性についても表面平滑性の低下やセル構造
の荒れが目立つようになり好ましくない。
ル樹脂70〜90重量%に平均重合度900以下で5〜
10μmの平均粒径を持つ塩化ビニル系樹脂を10〜3
0重量%のように混合して利用しても良い。この場合、
5〜10μmの平均粒径を持つ塩化ビニル系樹脂の平均
重合度は600〜900が好ましい。
粒径の粒子を一定範囲で混合した塩化ビニル系樹脂の水
性分散体は、これを噴霧乾燥することにより、ペースト
加工用塩化ビニル系樹脂とすることができる。このペー
スト加工用塩化ビニル系樹脂は、可塑剤、安定剤及び発
泡剤等を配合することにより、コーティング性に適した
ゾル流動特性と優れたケミカルエンボス性及び発泡性を
発現することが可能なペースト加工用塩化ビニル系樹脂
組成物及び発泡体を与えることができる。
脂組成物及び発泡体を形成するために配合される可塑
剤、安定剤、及び発泡剤については、従来のペースト発
泡配合に用いられるものであるならば、特に使用の制限
はない。例えば、可塑剤については、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデ
シル等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジ−2
−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジ
ピン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エ
ステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリオク
チル、リン酸トリフェニル、リン酸オクチルジフェニル
等のリン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリ−2
−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシルなど
のトリメリット酸エステル系可塑剤、その他ポリエステ
ル系、エポキシ系の可塑剤及びこれらの混合物を用いる
ことができ、安定剤については、バリウム−亜鉛系、バ
リウム−亜鉛−錫系、亜鉛系、錫系、カルシウム−亜鉛
系及びこれらの混合物を用いることができる。また、発
泡剤についてもアゾジカルボンアミドを代表とするアゾ
系やスルホニルヒドラジド系あるいはニトロソ系の可塑
剤を好適に用いることができる。
組成物は、上記のような配合成分を含むことを特徴とす
るが、この他、充填剤、希釈剤、あるいは顔料等が配合
されることもある。ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組
成物の調製方法としては高速ミキサー、らいかい機等に
よる混練方法が通常用いられる。
するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限するも
のではない。
り測定されたものである。
回折/散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所(株)製L
A−700)を用いた。測定に際しては、測定サンプル
のレーザー透過率が75%〜85%になるように水希釈
による濃度調整を行った。
(1997年)に準じた。
特性は、高ずり速度領域において低粘度であると良いこ
とが分かっているので、この粘度を測定することとし
た。
0rpmの回転速度における粘度を測定した。
−120)を使用し、414kPa(60psi)の圧
力条件下で、直径2mmのオリフィス径を通るプラスチ
ゾルの流出量を測定し、高ずり速度領域の粘度とした。
ル系樹脂1gにTHF 50ccを加え、60℃にて2
4時間撹拌し、その後、遠心沈降機(日立05−P2
1)で4000rpm×60分処理することにより、不
溶分を沈降分離し、上澄み液を除去後、不溶分を回収し
た。この不溶分を真空乾燥後、重量を測定し、測定試料
量に対する割合としてゲル分を算出した。
水350kg、ミクロ懸濁重合によって得られたラウロ
イルパーオキサイドを重合体に対して2重量%を含有す
る平均粒径0.5μm粒子の30重量%の水性分散体4
6kg、及び緩衝液として燐酸水素ナトリウム/水酸化
ナトリウム混合液300ppmを仕込み真空脱気を行っ
た。脱気後、乳化剤としててラウリル硫酸ナトリウム3
50gを添加し15分間攪拌した後、塩化ビニル単量体
350kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了後、缶内の温
度を64℃に加温し、重合を開始させた。重合開始1時
間後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を0.
1phm/時間の速度で重合開始後8時間まで連続的に
添加した。また、アスコルビン酸水溶液を重合速度が一
定になるように断続的に添加した。重合は、缶内圧が6
570hPa(6.7kg/cm2)に達した時点で、
重合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内の未
反応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性
分散体Aを得た。得られた重合体の平均粒径は1.05
μmであり、平均重合度は845であった。また、全体
の粒径分布に対する粒子径0.2μm以下の割合は4重
量%以下であった。
造 攪拌機を備えた内容積1000lの重合缶に、脱イオン
水450kg、過硫酸カリウム90g及び緩衝液として
燐酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム混合液300p
pmを仕込み真空脱気を行った。脱気後、乳化剤として
ラウリル硫酸ナトリウム300gを添加し15分間攪拌
した後、塩化ビニル単量体300kgを缶内に仕込ん
だ。仕込み完了後、缶内の温度を48℃に加温し、重合
を開始させた。重合開始1時間後、10重量%ラウリル
硫酸ナトリウム水溶液を0.1phm/時間の速度で重
合開始後8時間まで連続的に添加した。重合は、缶内圧
が4020hPa(4.1kg/cm2)に達した時点
で、重合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内
の未反応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体
水性分散体Bを得た。得られた重合体の平均粒径は0.
15μmであり、平均重合度は1650であった。
散体を、表1に示す配合に従い、固形分重量比でA/B
=80/20の比率で混合し、その平均重合度は100
0であった。混合水性分散液は、回転円盤式のアトマイ
ザーを有するスプレードライヤー装置にて、入口温度1
90℃、出口温度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分
離型ミルにより粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビ
ニル系樹脂を得た。
い以下の配合にてその組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
粘度は5900c.p.s、Severs粘度計60p
siにおける粘度は1460c.p.sであった。
(5)ケミカルエンボス特性及び発泡性 (4)で調製したペーストゾルを、難燃紙上に150μ
mの厚みに塗布した後、145℃のオーブンで40秒加
熱し、半ゲル状態の原反を得た。次いで小型グラビア印
刷機を用いて、この原反表面の一部に図1に示す様な1
点から放射状の線がのびた柄で発泡禁止剤インクを塗布
した後、210℃のオーブンで50秒間加熱した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.563と良好であった。
て、その平滑性を目視にて次のように3段階評価を行っ
た。
られない。
められる。
り、良好な結果を得る事ができた。
断面を観察し、そのセル構造を次のように3段階評価を
行った。
これら一連の評価結果は、表1に示した。
水350kg、ミクロ懸濁重合によって得られたラウロ
イルパーオキサイドを重合体に対して2重量%を含有す
る平均粒径0.5μm粒子の30重量%の水性分散体4
0kg、及び緩衝液として燐酸水素ナトリウム/水酸化
ナトリウム混合液300ppmを仕込み真空脱気を行っ
た。脱気後、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム30
0gを添加し15分間攪拌した後、塩化ビニル単量体3
00kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了後、缶内の温度
を64℃に加温し、重合を開始させた。重合開始1時間
後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を0.1
phm/時間の速度で重合開始後8時間まで連続的に添
加した。また、アスコルビン酸水溶液を重合速度が一定
になるように断続的に添加した。缶内圧が6570hP
a(6.7kg/cm2)に達した時点で、缶内温度を
45℃まで低下させた後、塩化ビニル単量体50kgと
1重量%の過硫酸カリウム水溶液4kgを仕込み、アス
コルビン酸水溶液添加により、さらに重合を継続させ
た。2段目の重合が進行し、缶内圧が3630hPa
(3.7kg/cm2)に達した時点で、重合停止剤を
投入し終了させた。重合終了後、缶内の未反応塩化ビニ
ル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分散体Cを得
た。得られた重合体は、粒径1.15μmと粒径0.1
5μmに二つの山を持つ粒径分布を示し、その重量割合
は、87/13であった。また、GPCによる重合度分
布の測定では、平均重合度910と平均重合度1750
にピークを持つ二山の分布が得られた。また、JIS−
K6721(1997年版)による全体の平均重合度は
960であった。
体を、回転円盤式のアトマイザーを有するスプレードラ
イヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度60℃の
条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉砕・分級
を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測
定の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘
度は6300c.p.s、Severs粘度計60ps
iにおける粘度は1700c.p.sであった。
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点から5mmの範囲に限られた。ま
た、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑制比は
0.594と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造を
評価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。
これら一連の評価結果は、表1に示した。
水450kg、過硫酸カリウム90g及び緩衝液として
燐酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム混合液300p
pmを仕込み真空脱気を行った。脱気後、乳化剤として
ラウリル硫酸ナトリウム300gを添加し15分間攪拌
した後、塩化ビニル単量体300kgとトリアリルイソ
シアヌレート1.5kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了
後、缶内の温度を48℃に加温し、重合を開始させた。
重合開始1時間後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム
水溶液を0.1phm/時間の速度で重合開始後8時間
まで連続的に添加した。重合は、缶内圧が6570hP
a(6.7kg/cm2)に達した時点で、重合停止剤
を投入し終了させた。重合終了後、缶内の未反応塩化ビ
ニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分散体Dを
得た。得られた重合体の平均粒径は0.15μmであ
り、THFに不溶なゲル分は87重量%、THF可溶分
の平均重合度は1625であった。
散体を固形分重量比でA/D=80/20の比率で混合
した。混合水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを
有するスプレードライヤー装置にて、入口温度190
℃、出口温度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型
ミルにより粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル
系樹脂を得た。なお、THF可溶分の平均重合度は89
0であった。(3)ゾル調製と粘度測定 (2)で得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を実
施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを調
整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測定
の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘度
は5210c.p.s、Severs粘度計60psi
における粘度は1280c.p.sであった。 (4)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.531と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
水350kg、ミクロ懸濁重合によって得られたラウロ
イルパーオキサイドを重合体に対して2重量%を含有す
る平均粒径0.5μm粒子の30重量%の水性分散体4
6kg、及び緩衝液として燐酸水素ナトリウム/水酸化
ナトリウム混合液300ppmを仕込み真空脱気を行っ
た。脱気後、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム35
0gを添加し15分間攪拌した後、塩化ビニル単量体3
50kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了後、缶内の温度
を60℃に加温し、重合を開始させた。重合開始1時間
後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を0.1
phm/時間の速度で重合開始後8時間まで連続的に添
加した。また、アスコルビン酸水溶液を重合速度が一定
になるように断続的に添加した。重合は、缶内圧が58
80hPa(6.0kg/cm2)に達した時点で、重
合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内の未反
応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分
散体Fを得た。得られた重合体の平均粒径は1.05μ
mであり、平均重合度は950であった。(2)基本粒
径分布の調整と噴霧乾燥 上記の方法によって得られた塩ビ樹脂粒子の水性分散体
F,Bを固形分重量比でF/B=80/20の比率で混
合し、その全体の平均重合度は1090であった。混合
水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプ
レードライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度
60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉
砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得
た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は5800c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1450c.p.sで
あった。(4)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.512と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
水450kg、ラウロイルパーオキサイド240g、1
重量%ポリビニルアルコール水溶性450kg及び緩衝
液として燐酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム混合液
300ppmを仕込み真空脱気を行った。脱気後、塩化
ビニル単量体300kgを仕込み、循環型ホモジナイザ
ーにより3時間均質化処理を施した。均質化処理後、缶
内の温度を64℃に加温し、重合を開始させた。重合
は、缶内圧が5390hPa(5.5kg/cm2)に
達した時点で終了させた。重合終了後、缶内の未反応塩
化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分散体
Gを得た。得られた重合体の平均粒径は6.8μmであ
り、平均重合度は830であった。
体A,B,Gを固形分重量比でA/B/G=64/16
/20の比率で混合し、その全体の平均重合度は970
であった。混合水性分散液は、回転円盤式のアトマイザ
ーを有するスプレードライヤー装置にて、入口温度19
0℃、出口温度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離
型ミルにより粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は4800c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1150c.p.sで
あった。(4)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか5mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.571と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
体F,Dを固形分重量比でF/D=80/20の比率で
混合し、その全体の平均重合度は800であった。混合
水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプ
レードライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度
60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉
砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得
た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は5150c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1250c.p.sで
あった。(3)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.542と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
体A,D,Gを固形分重量比でA/D/G=64/16
/20の比率で混合し、その全体の平均重合度は740
であった。混合水性分散液は、回転円盤式のアトマイザ
ーを有するスプレードライヤー装置にて、入口温度19
0℃、出口温度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離
型ミルにより粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は4820c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1170c.p.sで
あった。(3)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.521と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
体A,Bを固形分重量比でA/B=90/10の比率で
混合し、その全体の平均重合度は925であった。混合
水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプ
レードライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度
60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉
砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得
た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は5750c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1510c.p.sで
あった。(3)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか5mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.578と良好であった。
性は3段階評価で○となり、良好な結果を得る事ができ
た。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造評
価の結果、本実施例の発泡体セル構造は○であった。こ
れら一連の評価結果は、表1に示した。
水450kg、過硫酸カリウム90g及び緩衝液として
燐酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム混合液300p
pmを仕込み真空脱気を行った。脱気後、乳化剤として
ラウリル硫酸ナトリウム300gを添加し15分間攪拌
した後、塩化ビニル単量体300kgを缶内に仕込ん
だ。仕込み完了後、缶内の温度を64℃に加温し、重合
を開始させた。重合開始1時間後、10重量%ラウリル
硫酸ナトリウム水溶液を0.1phm/時間の速度で重
合開始後8時間まで連続的に添加した。重合は、缶内圧
が6570hPa(6.7kg/cm2)に達した時点
で、重合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内
の未反応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体
水性分散体Eを得た。得られた重合体の平均粒径は0.
14μmであり、平均重合度は865であった。
を固形分重量比でA/E=80/20の比率で混合し、
その全体の平均重合度は850であった。混合水性分散
液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプレードラ
イヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度60℃の
条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉砕・分級
を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測
定の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘
度は6000c.p.s、Severs粘度計60ps
iにおける粘度は1520c.p.sであった。 (4)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部において不明瞭に
なっており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判
別不可能な範囲は原点から15mmの範囲に及んだ。ま
た、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑制比は
0.673と不良であった。
性については3段階評価で○であり良好であった。さら
に、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造についても
評価は○であった。これら一連の評価結果は、表2に示
した。
ザーを有するスプレードライヤー装置にて、入口温度1
90℃、出口温度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分
離型ミルにより粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビ
ニル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測
定の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘
度は5280c.p.s、Severs粘度計60ps
iにおける粘度は2970c.p.sであった。 (2)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部においてやや不明
瞭であり、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点から7mmの範囲に及んだ。また、
エンボス発泡体の抑制比は0.625であった。 ま
た、禁止剤非塗布部の発泡体表面の平滑性は3段階評価
で○であり、実施例に比べ劣る結果となった。さらに、
同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造は×であり、発
泡荒れの傾向が認められた。これら一連の評価結果は、
表2に示した。
を固形分重量比でA/B=60/40の比率で混合し、
その平均重合度は1170であった。混合水性分散液
は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプレードライ
ヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度60℃の条
件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉砕・分級を
行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測
定の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘
度は9300c.p.s、Severs粘度計60ps
iにおける粘度は1820c.p.sであった。 (3)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか4mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.5と良好であった。
滑性は3段階評価で×となり、実施例に比べ劣る結果と
なった。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構
造についても、評価が×となり、発泡特性が阻害されて
いる傾向が認められた。これら一連の評価結果は、表2
に示した。
水350kg、ミクロ懸濁重合によって得られたラウロ
イルパーオキサイドを重合体に対して2重量%を含有す
る平均粒径0.5μm粒子の30重量%の水性分散体4
6kg、及び緩衝液として燐酸水素ナトリウム/水酸化
ナトリウム混合液300ppmを仕込み真空脱気を行っ
た。脱気後、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム35
0gを添加し15分間攪拌した後、塩化ビニル単量体3
50kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了後、缶内の温度
を48℃に加温し、重合を開始させた。重合開始1時間
後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を0.1
phm/時間の速度で重合開始後8時間まで連続的に添
加した。また、アスコルビン酸水溶液を重合速度が一定
になるように断続的に添加した。重合は、缶内圧が40
20hPa(4.1kg/cm2)に達した時点で、重
合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内の未反
応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分
散体Hを得た。得られた重合体の平均粒径は1.04μ
mであり、平均重合度は1650であった。
体A,Hを固形分重量比でA/H=80/20の比率で
混合し、その平均重合度は1000であった。混合水性
分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプレー
ドライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度60
℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉砕・
分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。測
定の結果、B8H型回転式粘度計20rpmにおける粘
度は5200c.p.s、Severs粘度計60ps
iにおける粘度は2900c.p.sであった。
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部まで忠実に再現さ
れており、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点からわずか5mmの範囲に限られ
た。また、エンボス発泡体の凹凸高さの比、すなわち抑
制比は0.531と良好であった。
滑性は3段階評価で×となり、実施例に比べ劣る結果と
なった。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構
造評価についても評価が×となり、発泡特性が阻害され
ている傾向が認められた。これら一連の評価結果は、表
2に示した。
水350kg、ミクロ懸濁重合によって得られたラウロ
イルパーオキサイドを重合体に対して2重量%を含有す
る平均粒径0.5μm粒子の30重量%の水性分散体4
6kg、及び緩衝液として燐酸水素ナトリウム/水酸化
ナトリウム混合液300ppmを仕込み真空脱気を行っ
た。脱気後、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム35
0gを添加し15分間攪拌した後、塩化ビニル単量体3
50kgを缶内に仕込んだ。仕込み完了後、缶内の温度
を56℃に加温し、重合を開始させた。重合開始1時間
後、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を0.1
phm/時間の速度で重合開始後8時間まで連続的に添
加した。また、アスコルビン酸水溶液を重合速度が一定
になるように断続的に添加した。重合は、缶内圧が46
10hPa(4.7kg/cm2)に達した時点で、重
合停止剤を投入し終了させた。重合終了後、缶内の未反
応塩化ビニル単量体を回収して塩化ビニル重合体水性分
散体Jを得た。得られた重合体の平均粒径は1.06μ
mであり、平均重合度は1100であった。
体J,Bを固形分重量比でJ/B=80/20の比率で
混合し、その全体の平均重合度は1210であった。混
合水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するス
プレードライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温
度60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより
粉砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得
た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は6000c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1530c.p.sで
あった。(4)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部においてやや不明
瞭であり、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点から6mmの範囲に及んだ。また、
エンボス発泡体の抑制比は0.574であった。
性は3段階評価で×であり、実施例に比べ劣る結果とな
った。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造
は×であり、発泡荒れの傾向が認められた。これら一連
の評価結果は、表2に示した。
体A,Dを固形分重量比でA/D=60/40の比率で
混合し、その全体の平均重合度は590であった。混合
水性分散液は、回転円盤式のアトマイザーを有するスプ
レードライヤー装置にて、入口温度190℃、出口温度
60℃の条件で乾燥し、その後遠心分離型ミルにより粉
砕・分級を行いペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得
た。
実施例1と同じ配合で組成物を製造し、プラスチゾルを
調整し、25℃、2時間熟成後、粘度測定に供した。
pmにおける粘度は5600c.p.s、Severs
粘度計60psiにおける粘度は1400c.p.sで
あった。(3)ケミカルエンボス特性及び発泡性 実施例1と同様な方法によりケミカルエンボス特性及び
発泡性を評価した。
剤が塗布された放射線状の柄が中心部においてやや不明
瞭であり、放射線の原点から印刷された凹状の線が判別
不可能な範囲は原点から6mmの範囲に及んだ。また、
エンボス発泡体の抑制比は0.552であった。
性は3段階評価で×であり、実施例に比べ劣る結果とな
った。さらに、同じく、禁止剤非塗布部の断面セル構造
は×であり、発泡荒れの傾向が認められた。これら一連
の評価結果は、表2に示した。
塩化ビニル系樹脂は、これを用いた組成物から得られる
半ゲル化シートへの禁止剤の浸透性が向上するため、従
来のペースト用塩化ビニル系樹脂に比較して、発泡性と
ケミカルエンボス特性に優れた成形品を得ることができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂の平均重合度が1500
以上で0.05〜0.2μmの平均粒径を持つ微小粒子
8〜30重量%と、塩化ビニル系樹脂の平均重合度10
00以下で0.8〜3μmの平均粒径を持つ粒子70〜
92重量%からなり、その平均重合度が1300以下で
あることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹
脂。 - 【請求項2】塩化ビニル系樹脂の平均重合度1500以
上、テトラヒドロフランに不溶のゲル分が80重量%以
上で0.05〜0.2μmの平均粒径を持つ微小粒子8
〜30重量%と、塩化ビニル系樹脂の平均重合度100
0以下で0.8〜3μmの平均粒径を持つ粒子70〜9
2重量%からなり、その平均重合度が1300以下であ
ることを特徴とする請求項1に記載のペースト加工用塩
化ビニル系樹脂。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のペースト加
工用塩化ビニル樹脂を70〜90重量%と平均重合度9
00以下で5〜10μmの平均粒径を持つ塩化ビニル系
樹脂を10〜30重量%混合することを特徴とするペー
スト加工用塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項4】請求項1〜請求項3いずれか記載のペース
ト加工用塩化ビニル系樹脂と可塑剤、安定剤及び発泡剤
からなることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系
樹脂組成物。 - 【請求項5】請求項1〜請求項3いずれか記載のペース
ト加工用塩化ビニル系樹脂又は、請求項4記載のペース
ト加工用塩化ビニル系樹脂組成物を発泡させてなること
を特徴とする発泡体。
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