JP6572591B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明を詳細に説明する。
増粘率(%)=100×(粘度(B)−粘度(A))/粘度(A)
なお、表面処理炭酸カルシウムとしては、例えば脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩を含む表面処理剤等で表面処理した炭酸カルシウムを挙げることができ、市販品としては、例えば(商品名)Viscolite−OS(白石カルシウム株式会社製)を挙げることができる。また、希釈剤としては、例えばノルマルパラフィン系炭化水素系溶剤、イソパラフィン系炭化水素溶剤、ナフテン系炭化水素溶剤、芳香族系炭化水素溶剤等を挙げることができ、市販品としては、例えば(商品名)Exxsol D40(東燃ゼネラル石油株式会社製)を挙げることができる。
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部、フタル酸ジイソノニル100重量部(株式会社ジェイプラス製)、脂肪酸塩表面処理炭酸カルシウム((商品名)Viscolite−OS 白石工業株式会社製)70重量部、ナフテン系炭化水素溶剤((商品名)Exxsol D40 東燃ゼネラル石油株式会社製)15重量部からなるペースト塩ビゾルの23℃にて保管した際の、混練2時間後のB8H型回転粘度計で20rpm条件にて測定した粘度をAとし、該ゾルを2時間後の測定後に40℃にて保管し混練から7日間経過後に40℃下にて測定した粘度をBとした際に、下記式にて求めた。
増粘率(%)=100×(B−A)/A
<引張強度の測定方法>
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部、フタル酸ジイソノニル60重量部(株式会社ジェイプラス製)、Ca/Zn系安定剤2重量部((商品名)SC32 ADEKA社製)からなるペースト塩ビゾルを脱泡した後、0.5mm厚に塗布し、140℃×1分間加熱して得られたシートから、JIS3号ダンベルで作製された試験片を23℃条件で200mm/minの条件で測定した。
JIS−K6721に準拠し求めた。
ペースト塩ビ中に含有する酢酸ビニル残基重量%(VAc含量)は、ペースト塩ビ100mgと臭化カリウム10mgを混合し、すりつぶして成形した測定サンプルを、赤外分光光度計(島津社製、(商品名)FTIR−8100A)を使用して、赤外吸収スペクトル測定し、下記式より算出した。
ペースト塩ビ中に含有する酢酸ビニル残基重量%(VAc含量)
=(3.73×B/A+0.024)×1.04
A:1430cm−1付近のC−H面内変角による吸収ピークトップのAbs.値。
B:1740cm−1付近のC=O伸縮による吸収ピークトップのAbs.値。
1m3オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化ビニル単量体300kg、過酸化ラウロイル6kg及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kgを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて2時間循環し、均質化処理後、温度を45℃に上げて、重合を進めた。45℃における塩化ビニルの飽和蒸気圧より0.2MPa圧力が低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた開始剤等含有シードラテックス(以下、シード1と略記する)の平均粒子径は0.60μm、固形分濃度は32%であった。
1m3オートクレーブ中に脱イオン水325kg、1段目仕込み単量体として塩化ビニル単量体を109kg(混合単量体の全仕込み量に対して27重量%)と酢酸ビニル単量体を36kg(混合単量体の全仕込み量に対して9重量%)、ラウリル硫酸ナトリウムを1000ppm(混合単量体100重量部に対して)、シード1を63kg、ジアリルフタレートを500ppm、硫酸銅を5ppm仕込み、その後、この反応混合物の温度を45℃に上げて1段目重合を開始するとともに、0.2重量%アスコルビン酸水溶液を全重合時間を通じて、重合温度を維持するように連続的に添加した。重合転化率が85%となったところで、2段目仕込み単量体として、塩化ビニル単量体109kg(混合単量体の全仕込み量に対して27重量%)を15分間で1m3オートクレーブに仕込み、重合温度42.5℃にて2段目重合を継続した。更に、1段目仕込み単量体と2段目仕込み単量体の合計に対して重合転化率が87%となったところで、3段目仕込み単量体として、塩化ビニル単量体146kg(混合単量体の全仕込み量に対して37重量%)を15分間で1m3オートクレーブに仕込み、重合温度40℃にて3段目重合を継続し、混合単量体の合計に対して重合転化率が90%となったところで重合を終了した。
ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液1000ppmの代わりにノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液500ppmとした以外は、実施例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液1000ppmの代わりにノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液2000ppmとしたこと以外は、実施例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
重合を開始してから重合終了までの間に添加するラウリル硫酸ナトリウムの添加量6000ppmの代わりに3000ppmとしたこと以外は、実施例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量9重量%の代わりに7.5重量%とした以外は、実施例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量9重量%、1段目の重合温度45℃、2段目の重合温度42.5℃、3段目の重合温度40℃の代わりに酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量11.0重量%、1段目の重合温度40℃、2段目の重合温度37.5℃、3段目の重合温度35℃とした以外は、実施例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
ジアリルフタレートを500ppmを仕込まなかったこと以外は、実施例5と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。
ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液1000ppmの代わりにノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液5000ppmとした以外は、実施例1と同様の方法によりペースト塩化ビニル系樹脂の製造を試みたが、重合時間が20時間以上となったため、重合を中断した。ペースト加工用塩化ビニル系樹脂が得ることは出来なかった。
重合を開始してから重合終了までの間に添加するラウリル硫酸ナトリウムの添加量6000ppmの代わりに15000ppmとした以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量9重量%の代わりに5重量%とした以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量9重量%の代わりに15重量%とした以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル樹脂を得た。
ラウリル硫酸ナトリウムの代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
酢酸ビニル単量体の混合単量体に対する仕込み量9重量%、1段目仕込み塩化ビニル単量体27重量%、2段目仕込みの塩化ビニル単量体27重量%、3段目仕込みの塩化ビニル単量体37重量%、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりに、酢酸ビニル単量体の混合単量体の全仕込み量に対して6重量%、1段目仕込みの塩化ビニル単量体30重量%、2段目仕込みの塩化ビニル単量体34重量%、3段目仕込みの塩化ビニル単量体を30重量%とし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとし、ジアリルフタレートを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
重合前に仕込むラウリル硫酸ナトリウム1000ppm、シード1を63kgの代わりに、重合前にラウリル硫酸ナトリウム857ppmとノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩水溶液143ppm、シード1を50kgとし、塩化ビニル単量体364kg(混合単量体の全仕込み量に対して91重量%)を重合前に一括して仕込んだこと、ジアリルフタレートを添加しなかったこと、反応混合物の温度を48℃に上げて重合を開始したこと以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
1段目、2段目、3段目の重合温度を54℃としたこと以外は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂を得た。
Claims (7)
- 平均重合度が1500を越えて2500以下、酢酸ビニル残基単位を6〜10重量%有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、下記一般式(I)で表される化合物100〜3000ppm及びアルキル硫酸エステル塩2000〜10000ppmを含有することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
(式中、R1は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を示し、R2は水素又は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基若しくはアラルキル基を示し、R3は水素又はプロペニル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは1〜200の整数を示し、Mはアルカリ金属、アンモニウムイオン又はアルカノールアミン残基を示す。) - 一般式(I)で表される化合物が、ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、オクチルジプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩及びオクチルジプロペニルフェノールエチレンオキシド100モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩からなる群より選択される化合物であることを特徴とする請求項1記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
- アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムからなる群より選択されるアルキル硫酸エステル塩であることを特徴とする請求項1又は2記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
- 下記方法による引張強度が9.0MPa以上となるペースト加工用塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂。引張強度の測定方法;ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル60重量部、Ca/Zn系安定剤である塩化ビニル樹脂用安定剤2重量部を配合し、ペースト塩ビゾルを調製し、0.5mm厚に塗布したシートから、JIS3号ダンベル試験片を用い、23℃、200mm/minの条件で測定し、引張強度を求める。
- 塩化ビニル単量体/酢酸ビニル単量体=92.5/7.5〜90/10(重量%)よりなる混合単量体を、重合開始剤の存在下において水性媒体中で重合を行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を製造するに際し、重合開始前に1段目仕込みとして、酢酸ビニル単量体全量と塩化ビニル単量体うちの15〜45重量%とを仕込み、重合開始し、残りの塩化ビニル単量体を2段階以上に分割して追加仕込みし、それぞれの追加仕込みは、それまでに仕込まれた単量体の重合転化率が80重量%を越えて95重量%に達する前の期間に開始し、かつ重合開始前又は重合開始後に前記一般式(I)で示される化合物及びアルキル硫酸エステル塩を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 塩化ビニル単量体の2段階以上の分割追加仕込みに合わせて、重合温度の低下を行うことを特徴とする請求項5記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 前記一般式(I)で示される化合物及びアルキル硫酸エステル塩を重合開始から終了まで連続的に添加することを特徴とする請求項5又は6に記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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