JP5615634B2 - 水性エマルジョン - Google Patents
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Description
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
なお、粘度平均重合度は、単に重合度と呼ぶことがある。
(1)エマルジョンの濃度
エマルジョンを1g程度アルミパンに採取し、90℃で水分の揮発による質量の減少がなくなるまで乾燥させ、エマルジョンの濃度を次式により求めた。
エマルジョンの濃度(%)={(Ws−We)/(Wt−We)}×100
Wt:アルミパンおよび採取したエマルジョンの質量(g)
Ws:乾燥後のアルミパンおよび残った固形分の質量(g)
We:アルミパンの質量(g)
エマルジョンまたは塗工液を容器に500g程度採取し、25℃の恒温槽中でB型粘度計(B8H型:TOKIMEC社製)を用いて粘度を測定した。
エマルジョンをセル(内寸法:10.5mm×10.5mm×40.5mm高)中で基準散乱強度値が8000〜12000の範囲になるような濃度に希釈して、動的光散乱法粒径測定装置(Photal:OTSUKA ELECTRONICS社製)を用いて重合体の平均粒子径を測定した。
マロン式機械的安定性測定装置を用いて、JIS K−6828に準拠して、試料50g、荷重20kg、10分間の条件で試験したのち、試験液を80メッシュの金網でろ過し、金網上の凝固物の量を測定して、次式により凝固率を求め、機械的安定性の指標とした。凝固率の数値の少ないほうが安定性のよいことを示す。
凝固率(%)=[凝固物の乾燥質量(g)/(50×エマルジョンの固形分濃度)]×100
エマルジョン50gを密封容器に分けとり、温度60℃の恒温槽に5日間放置後、3時間放冷し、外観の状態を観察し、下記の基準に従って評価した。
優 :外観、粘度の変化がない。
良 :わずかに増粘傾向がある。
可 :流動性はあるが、増粘傾向が大きい。
不可:凝固物が発生する。
エマルジョン50gを密封容器に分けとり、−15℃の温度で16時間保持して凍結させ、さらに30℃で1時間保持して融解させた後、外観の状態を観察し、上記(5)と同様に評価した。
分光光度計「UV2100」(島津製作所製)を用いて、フィルムの波長500nmにおける透過率(%)を測定した。
インクジェットプリンター「PM2000C」(セイコーエプソン(株)社製)を用いて、フィルムのインク受理層にブラックのインクをベタ刷りし、JIS Z−8714の方法(入射角60度の鏡面光沢度)に従って、グロスメーター(日本電色工業社製)で光沢度を測定し、5回の測定値を平均した。
(PVA−1の製造)
メタノール400gおよびホスフィン酸ナトリウム・一水和物3.4gを反応器に仕込み、ホスフィン酸ナトリウム・一水和物のメタノール溶液を調整した。次いで、酢酸ビニル1200gを反応器に仕込み、窒素ガスのバブリングにより反応器内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを反応器に添加して重合を開始した。重合中は重合温度を60℃に維持した。4時間後に重合率が50%に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を得た。40%に調整したPVAc溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中の酢酸ビニル単位のモル数)が0.008となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん化した。アルカリ溶液を添加後、約20分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール4000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してPVA−1を得た。この重合体の粘度平均重合度は550、けん化度は88モル%であった。
一般式(I)で表される基の変性量(モル%)={(ピーク面積β)/((ピーク面積α)/2+(ピーク面積β))}×100
酢酸ビニル、メタノールおよびホスフィン酸ナトリウム・一水和物の仕込み量、けん化時における酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を変更した以外は、製造例1と同様にしてPVA−2〜PVA−4を得た。結果を表1に示す。
(水性エマルジョンの合成)
還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素吹込口を備えた2リットルガラス製重合容器に、製造例1で得られたPVA−1の4.4%水溶液747.6g、硫酸鉄(II)0.0032gを仕込み、希硫酸でpHを2.8に調整した。次いで窒素を流し(以下、重合中は窒素を流し続ける)、70℃に昇温しながら、1時間攪拌を行った。予め混合しておいた混合モノマー(メタクリル酸メチル(MMA)/アクリル酸n−ブチル(BA)=1/1、重量比)53.3gを仕込んだ後、濃度0.6%の過酸化水素水溶液105gを用いて、初期重合反応を1時間行った。次いで、残りの混合モノマー479.36gを、容器に4時間に渡って滴下して、濃度0.6%の過酸化水素水溶液210gを、さらに加えながら滴下し、重合を進行させた。滴下終了後に、濃度0.6%の過酸化水素水溶液32gを加え、70℃で1時間熟成させ、重合率が99.5%となったところで冷却した。生成したエマルジョンをpH7.4に調整後、100メッシュの金網でろ過したが、凝固物は全く認められなかった。得られたエマルジョンの粒子径は190nm、固形分濃度は45.3%、粘度は123mPa・sであった。このエマルジョンの物性について評価した結果を表2に示す。
得られたエマルジョンを26.5g、「PVA135H」(株式会社クラレ製)の8%水溶液を350g、無機微粒子「アエロジルA−300」(粒子径90nm、日本アエロジル株式会社製)の20%分散液を1000g、および、水35.3gを混合し、固形分濃度17%の塗工液を調製した。この塗工液を、PETフィルム上に流延して液膜を形成し、熱風乾燥機にて100℃、3分間乾燥してフィルムを得た。得られたフィルムを用いて評価を行った。結果を表3に示す。
PVA−1の代わりにPVA−2を使用した以外は実施例1と同様にしてエマルジョンを得て評価した。結果を表2に示す。また、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表3に示す。
使用するPVAの種類および仕込み量、並びに、混合モノマーの種類を表2のように変更した以外は実施例1と同様にしてエマルジョンを得て評価した。結果を表2に示す。また、「PVA135H」の代わりに「PVA235」(株式会社クラレ製)を、「アエロジルA−300」の代わりに「酸化アルミニウムC」(粒子径95nm、日本アエロジル株式会社製)を、それぞれ使用した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表3に示す。
PVA−1の代わりに「PVA205」(株式会社クラレ製)を使用した以外は実施例1と同様にして重合を開始したが、重合開始から30分後、重合率15%の時点で数mm大の粗粒が発生し、重合の継続が困難となったため、重合を打ち切った。
PVA−1の代わりにPVA−4を、混合モノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)/アクリル酸n−ブチル(BA)=1/1(重量比)の代わりにメタクリル酸メチル(MMA)/アクリル酸2−エチルヘキシル(2−EHA)=44/56(重量比)を、それぞれ使用した以外は実施例1と同様にしてエマルジョンを得て評価した。結果を表2に示す。また、エマルジョンを19.9g、「PVA135H」の8%水溶液を262g、それぞれ使用した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表3に示す。
PVA−1の4.4%水溶液747.6gの代わりに、イオン交換水725.6gおよびノニオン性界面活性剤「NL−450」(第一工業製薬株式会社製)5.3gを使用した以外は実施例1と同様にしてエマルジョンを得て評価した。結果を表2に示す。また、得られたエマルジョンを用いて、実施例3と同様にしてフィルムの作成を試みたが、塗工液中に「酸化アルミニウムC」の凝集が発生したため、作成を断念した。
「NL−450」の代わりに、カチオン性界面活性剤「コータミン24P」(花王株式会社製)5.3gを使用した以外は比較例3と同様にしてエマルジョンを得て評価した。結果を表2に示す。また、エマルジョンを26.3g、「PVA135H」の8%水溶液を262g、「酸化アルミニウムC」の20%分散液を1000g、それぞれ使用した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成したところ、得られたフィルムに欠陥(ひび割れ)が発生したため、以後の評価を行わなかった。
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