JP2000256525A - 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2000256525A
JP2000256525A JP11065033A JP6503399A JP2000256525A JP 2000256525 A JP2000256525 A JP 2000256525A JP 11065033 A JP11065033 A JP 11065033A JP 6503399 A JP6503399 A JP 6503399A JP 2000256525 A JP2000256525 A JP 2000256525A
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vinyl chloride
chloride resin
resin composition
parts
powder molding
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JP11065033A
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Kiyoshi Endo
清 遠藤
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐アミン性に優れ、肉厚が均一でアミン化合
物による劣化、変質が著しく低減された成形品を得る。
耐アミン性に優れると共に、他部材と擦れた時の軋み音
の少ない成形品を得る。 【解決手段】 可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル
系樹脂を含む粉体成形用の樹脂組成物。耐アミン性向上
のために、該組成物中に過塩素酸処理型ハイドロタルサ
イトと、ゼオライト結晶構造を有するアルカリ金属アル
ミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属アルミノシ
リケートとを含む。また、偏肉性改善のためにヒドロキ
システアリン酸、或いはヒドロキシ脂肪酸オリゴエステ
ル及び/又はその金属塩を含む。或いは、軋み音解消の
ために脂肪酸アマイドを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転成形、粉体ス
ラッシュ成形等の粉体成形に用いられる粉体成形用塩化
ビニル系樹脂組成物に係り、特に、耐アミン性に優れる
と共に、肉厚が均一な成形品を得ることができる粉体成
形用塩化ビニル系樹脂組成物、或いは、耐アミン性に優
れると共に、軋み音の少ない成形品を得ることができる
粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転成形や粉体スラッシュ成形等
の粉体成形に用いられている塩化ビニル系樹脂組成物
は、懸濁重合法等によって得られる粉体状塩化ビニル系
樹脂に可塑剤をドライブレンドしたものを主成分とし、
使用目的に応じて、更に、安定剤、顔料、滑剤、充填剤
等の各種添加剤が配合されたものである。
【0003】このような粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物の主な用途は自動車内装材用成形品である。この自
動車内装材用塩化ビニル系樹脂成形品は、多くの場合、
ウレタン樹脂を注入発泡し、積層体として内装材に用い
られる。
【0004】塩化ビニル系樹脂成形品にウレタン樹脂を
注入発泡する場合、発泡ウレタン樹脂中のアミン系化合
物によって、塩化ビニル系樹脂成形品に劣化、変質とい
った不具合な現象が生じる。特に、この現象は、熱及び
光の存在下において著しく促進される。従来、このアミ
ン系化合物による成形品の劣化、変質を防ぐ目的で、す
なわち耐アミン対策として、塩化ビニル系樹脂組成物に
過塩素酸金属塩を配合する方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過塩素酸金属
塩を配合しても、その耐アミン性の向上効果は十分では
ない。
【0006】特に、成形品に偏肉が見られる場合、肉厚
の薄い部分でアミン化合物による劣化、変質が発生し易
いことから、肉厚が均一な成形品を得ることが望まれる
が、従来において、この肉厚の均一化に有効な手段は見
出されていない。
【0007】また、塩化ビニル系樹脂の粉体成形品の自
動車内装材としての用途において、自動車室内居住性の
観点から塩化ビニル系樹脂成形品と接触する他の内装材
とが互いに擦れた時に発生する軋み音の解消が望まれる
が、従来において、この軋み音の防止に有効な手段は見
出されていない。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
であって、その第1の目的は、耐アミン性に優れ、肉厚
が均一でアミン化合物による劣化、変質が著しく低減さ
れた成形品を得ることができる粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明の第2の目的は、耐アミン性
に優れると共に、他部材と擦れた時の軋み音の少ない成
形品を得ることができる粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の粉体成形用塩
化ビニル系樹脂組成物は、可塑剤をドライブレンドした
塩化ビニル系樹脂を含む粉体成形用の樹脂組成物におい
て、該組成物中に過塩素酸処理型ハイドロタルサイト
と、ゼオライト結晶構造を有するアルカリ金属アルミノ
シリケート及び/又はアルカリ土類金属アルミノシリケ
ートと、ヒドロキシステアリン酸とを含むことを特徴と
する。
【0011】請求項1の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物であれば、塩化ビニル系樹脂に過塩素酸処理型ハイ
ドロタルサイトとゼオライト結晶構造を有するアルカリ
金属アルミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属ア
ルミノシリケートとの併用で、耐アミン性の向上を図る
ことができる。また、ヒドロキシステアリン酸を配合す
ることで、肉厚の均一性に優れ、肉厚変動の少ない成形
品を得ることができる。
【0012】請求項3の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物は、可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル系樹脂
を含む粉体成形用の樹脂組成物において、該組成物中に
過塩素酸処理型ハイドロタルサイトと、ゼオライト結晶
構造を有するアルカリ金属アルミノシリケート及び/又
はアルカリ土類金属アルミノシリケートと、ヒドロキシ
脂肪酸オリゴエステル及び/又はその金属塩とを含むこ
とを特徴とする。
【0013】請求項3の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物であれば、塩化ビニル系樹脂に過塩素酸処理型ハイ
ドロタルサイトとゼオライト結晶構造を有するアルカリ
金属アルミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属ア
ルミノシリケートとの併用で、耐アミン性の向上を図る
ことができる。また、ヒドロキシ脂肪酸オリゴエステル
及び/又はその金属塩を配合することで、肉厚の均一性
に優れ、肉厚変動の少ない成形品を得ることができる。
【0014】請求項5の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物は、可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル系樹脂
を含む粉体成形用の樹脂組成物において、該組成物中に
過塩素酸処理型ハイドロタルサイトと、ゼオライト結晶
構造を有するアルカリ金属アルミノシリケート及び/又
はアルカリ土類金属アルミノシリケートと、脂肪酸アマ
イドとを含むことを特徴とする。
【0015】請求項5の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物であれば、塩化ビニル系樹脂に過塩素酸処理型ハイ
ドロタルサイトとゼオライト結晶構造を有するアルカリ
金属アルミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属ア
ルミノシリケートとの併用で、耐アミン性の向上を図る
ことができる。また、脂肪酸アマイドを配合すること
で、他部材と擦れたときの軋み音の少ない成形品を得る
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0017】まず、本発明の粉体成形用塩化ビニル系樹
脂組成物の配合成分について説明する。
【0018】本発明の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
物の樹脂成分である塩化ビニル系樹脂としては、一般に
市販されている塩化ビニル系樹脂粉体をそのまま使用で
きる。具体的には、懸濁重合法によって製造された塩化
ビニル単独重合体、或いは、主要成分としての塩化ビニ
ルモノマーとエチレン、酢酸ビニル等の他の共重合成分
との共重合体を、目的に応じて適宜用いることができ
る。これらの塩化ビニル系樹脂はポーラスであって、可
塑剤を混合したときに可塑剤を吸収する、いわゆるドラ
イブレンドが可能な樹脂である。
【0019】可塑剤としては、アルキル基の炭素数が9
〜11のジアルキルフタレート等のフタル酸エステル
類、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテート、トリデシルトリメリテー
ト等のアルキル基の炭素数が7〜11のトリアルキルト
リメリテートなどのトリメリット酸エステル類や、ポリ
エステル系可塑剤を用いることができる。
【0020】このような可塑剤の配合量は、配合効果を
得ることができる量以上であって、塩化ビニル系樹脂粉
体に可塑剤を混合した時、塩化ビニル系樹脂が粉体状を
維持し得る量以下とされ、通常、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して20〜100重量部、特に50〜80
重量部とするのが好適である。
【0021】耐アミン性向上のための配合成分である過
塩素酸処理型ハイドロタルサイトは、ハイドロタルサイ
トを過塩素酸の希釈水溶液中に加えて攪拌するか、或い
はハイドロタルサイトに過塩素酸の濃厚水溶液を加えて
攪拌し、その後必要に応じて濾過、脱水又は乾燥するこ
とによって調製される。なお、ハイドロタルサイトに
は、ハイドロタルサイト(My1・AlX・(OH)2
(CO3x/2・mH2O)や、亜鉛変成ハイドロタルサ
イト(My1・Zny2・AlX・(OH)2・(CO3x/2
・mH2O)などがあるが、本発明ではいずれのものを
過塩素酸処理して用いても良く、これらを2種以上併用
してもよい。
【0022】過塩素酸処理型ハイドロタルサイトの配合
量は、特に制限されるものではないが、少な過ぎると添
加による耐アミン性の向上効果が十分でなく、多過ぎる
と他の特性を損なうことから、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して0.5〜15重量部、特に1〜7重量
部、とりわけ2〜5重量部とするのが好ましい。
【0023】また、ゼオライト結晶構造を有するアルカ
リ金属アルミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属
アルミノシリケートは、熱安定剤として作用し、過塩素
酸処理型ハイドロタルサイトとの併用で耐アミン性の向
上効果を示す、独特の三次元のゼオライト結晶構造を有
するアルミノケイ酸塩であり、その代表例としては、A
型、X型、Y型及びP型ゼオライト、モノデナイト、ア
ナルナイト、ソーダライト族アルミノケイ酸塩、クロノ
ブチロライド、エリオナイト及びチャバサイトなどを挙
げることができ、これらのゼオライト化合物の結晶水を
有する含水物又は結晶水を除去した無水物のいずれでも
よく、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用し
てもよい。
【0024】このようなゼオライト化合物の配合量は、
特に制限されるものではないが、少な過ぎると添加によ
る耐アミン性の向上効果が十分でなく、多過ぎると発泡
することから、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
1〜10重量部、特に2〜8重量部、とりわけ3〜6重
量部とするのが好ましい。
【0025】請求項1の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物においては、更にヒドロキシステアリン酸を配合す
ることにより、製品肉厚均一性に優れた成形品を得るこ
とを特徴とする。
【0026】ここで、ヒドロキシステアリン酸の配合量
は、特に制限されるものではないが、少な過ぎると添加
による製品肉厚均一性の向上効果が十分でなく、多過ぎ
ると他の特性を損なうことから、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して0.1〜3重量部、特に0.2〜2重
量部、とりわけ0.3〜1重量部とするのが好ましい。
【0027】請求項3の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物においては、更にヒドロキシ脂肪酸オリゴエステル
及び/又はその金属塩を配合することにより、製品肉厚
均一性に優れた成形品を得ることを特徴とする。
【0028】このヒドロキシ脂肪酸オリゴエステル又は
その金属塩は、下記一般式(I)で表されるヒドロキシ
カルボン酸又は、このヒドロキシカルボン酸とヒドロキ
シ基を有しないカルボン酸との混合物から誘導される一
種のポリエステル又はそのナトリウム塩、カリウム塩等
の金属塩を包含する。
【0029】
【化1】
【0030】このヒドロキシ脂肪酸オリゴエステル及び
/又はその金属塩の配合量は、特に制限されるものでは
ないが、少な過ぎると添加による製品肉厚均一性の向上
効果が十分でなく、多過ぎると他の特性を損なうことか
ら、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜5
重量部、特に0.2〜2重量部、とりわけ0.2〜0.
6重量部とするのが好ましい。
【0031】請求項5の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組
成物においては、更に脂肪酸アマイドを配合することに
より、軋み音の低減を図る。
【0032】ここで、脂肪酸アマイドとしては、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミドなどを挙げることができる。
【0033】これらの脂肪酸アマイドの配合量は、特に
制限されるものではないが、少な過ぎると添加による軋
み音の低減効果が十分でなく、多過ぎると吹き出して白
化することから、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て0.1〜5重量部、特に0.5〜3重量部、とりわけ
1〜2重量部とするのが好ましい。
【0034】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、ま
た、使用目的により必要に応じて周知の各種添加剤、例
えば滑剤、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、着色剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等を、得られる組成物の
物性が低下しない範囲で添加することができる。
【0035】本発明の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
物は、常法に従って、塩化ビニル系樹脂粉体、可塑剤、
上記耐アミン性、偏肉性、軋み音改善のための添加剤、
並びに必要に応じて上記の各種添加剤を混合し、100
〜140℃の加熱下にドライブレンドして可塑剤を塩化
ビニル系樹脂粉体に完全に吸収させることによって調製
することができる。これら配合成分を均一に混合、ドラ
イブレンドするには、例えば、ヘンシェルミキサー、リ
ボンブレンダー、プラネタリーミキサー等の混合機に投
入して充分に攪拌すればよい。
【0036】このようにして得られた塩化ビニル系樹脂
組成物には、その粉体流動性を改良する目的で粉体流動
性改良剤を添加するのが望ましい。この粉体流動性改良
剤としては、例えば、乳化重合法又は微細懸濁重合法に
よって製造された平均粒径10μm以下、好ましくは5
μm以下の塩化ビニル系樹脂、いわゆる塩化ビニルペー
ストレジンや、平均粒径5μm以下の微細炭酸カルシウ
ム等の微細無機充填剤を用いることができ、これらの粉
体流動性改良剤は1種を単独で用いても、2種以上を併
用しても良い。
【0037】粉体流動性改良剤の配合量は特に限定され
ないが、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して5〜3
0重量部の範囲、特に8〜15重量部とするのが好まし
い。粉体流動性改良剤は、ドライブレンド時に添加する
と組成物の流動性改良の効果が充分に発揮されないこと
から、可塑剤をドライブレンドして得られた塩化ビニル
系樹脂組成物に添加することが必要である。
【0038】このような本発明の粉体成形用塩化ビニル
系樹脂組成物は、粉体回転成形法、粉体スラッシュ成形
法によって、所望の形状に成形される。
【0039】特に、本発明の粉体成形用塩化ビニル系樹
脂組成物は、例えば、クラッシュパッド、ドアトリム、
ヘッドレスト、アームレスト、コンソールボックス等の
自動車内装材の成形材料として工業的に極めて有用であ
る。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0041】[請求項1の粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物の実施例及び比較例] 実施例1〜3、比較例1,2 スーパーミキサーに、懸濁重合法によって製造された平
均重合度900の塩化ビニル系樹脂100重量部、トリ
オクチルトリメリテート75重量部、エポキシ化亜麻仁
油5重量部、テトラ(炭素数12〜15の混合アルキ
ル)ビスフェノールAジホスファイト1重量部、ステア
リン酸0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部及
び表1に示す量(重量部)の過塩素酸処理型ハイドロタ
ルサイト(My1・AlX・(OH)2・(CO3x/2・m
2O)、ゼオライト化合物(具体的にはミズカライザ
ーDS:水沢化学工業(株)製を用いた。)、ヒドロキ
システアリン酸を添加してドライブレンドを実施した。
【0042】組成物の温度が125℃に達した時点で冷
却を開始し、50℃まで冷却した後、平均重合度150
0、平均粒径2μmの塩化ビニルペーストレジン15重
量部を均一に分散せしめて粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物を調製した。
【0043】このようにして製造した粉体成形用塩化ビ
ニル系樹脂組成物0.2kgを240℃に加熱された金
型に投入して30秒間静置し、次いで未溶融の余剰組成
物を排出した後、再度240℃の温度で180秒間加熱
溶融させた。金型温度が50℃になった時点で金型から
成形品を剥がし取った。
【0044】得られた成形品について、特性の評価を次
の通り行い、結果を表1に示した。
【0045】[耐アミン性]成形品から長さ700mm、
幅300cm、厚み0.8mmのシートを切り出し、こ
のシートを、内法寸法一辺800mmの方形、深さ10
mmのウレタン発泡用アルミニウム製型に、シートの金
型面がアルミニウム製型に接するように置いた。該型に
ポリオール100重量部に対してイソシアネート54重
量部の割合からなる発泡性ウレタンを10秒間高速攪拌
した後注入して型締めをし、成形品シートの裏面にウレ
タンフォームを定着させた。このウレタン貼合シートか
ら長さ150mm、幅70mmの寸法に裁断した試料を
110℃雰囲気のギヤーオーブン式加熱炉に1000時
間及び2400時間放置した。試料からウレタンフォー
ムを除去したシートをJIS K6301に準拠して伸
び率を測定した。
【0046】[成形品偏肉性]金型から剥がし取った成形
品について、目視により裏面平滑性を調べると共に、成
形品重量、厚みを測定した。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、過塩素酸処理型
ハイドロタルサイトとゼオライト化合物とヒドロキシス
テアリン酸との併用で、成形品偏肉性が良好で耐アミン
特性に優れた成形品が得られる。
【0049】[請求項3の粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物の実施例及び比較例] 実施例4〜6、比較例3,4 スーパーミキサーに、懸濁重合法によって製造された平
均重合度900の塩化ビニル系樹脂100重量部、トリ
オクチルトリメリテート75重量部、エポキシ化亜麻仁
油5重量部、テトラ(炭素数12〜15の混合アルキ
ル)ビスフェノールAジホスファイト1重量部、ステア
リン酸0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部及
び表2に示す量(重量部)の過塩素酸処理型ハイドロタ
ルサイト、ゼオライト化合物(具体的にはミズカライザ
ーDS:水沢化学工業(株)製を用いた。)、下記構造
式(II)で表されるヒドロキシ脂肪酸オリゴエステルを
添加してドライブレンドを実施した。
【0050】
【化2】
【0051】組成物の温度が125℃に達した時点で冷
却を開始し、50℃まで冷却した後、平均重合度150
0、平均粒径2μmの塩化ビニルペーストレジン15重
量部を均一に分散せしめて粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物を調製した。
【0052】このようにして製造した粉体成形用塩化ビ
ニル系樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして成形品
を得、得られた成形品について同様に耐アミン性及び成
形品偏肉性の評価を行って、結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】表2から明らかなように、過塩素酸処理型
ハイドロタルサイトとゼオライト化合物とヒドロキシ脂
肪酸オリゴエステルとの併用で、成形品偏肉性が良好で
耐アミン特性に優れた成形品が得られる。
【0055】[請求項5の粉体成形用塩化ビニル系樹脂
組成物の実施例及び比較例] 実施例7〜9、比較例5,6 スーパーミキサーに、懸濁重合法によって製造された平
均重合度900の塩化ビニル系樹脂100重量部、トリ
オクチルトリメリテート75重量部、エポキシ化亜麻仁
油5重量部、テトラ(C12〜15の混合アルキル)ビ
スフェノールAジホスファイト1重量部、ステアリン酸
0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部及び表3
に示す量(重量部)の過塩素酸処理型ハイドロタルサイ
ト、ゼオライト化合物(具体的にはミズカライザーD
S:水沢化学工業(株)製を用いた。)、脂肪酸アマイ
ド(具体的にはアーモスリツプCP:ライオンアクゾ
(株)製を用いた。)を添加してドライブレンドを実施
した。
【0056】組成物の温度が125℃に達した時点で冷
却を開始し、50℃まで冷却した後、平均重合度150
0、平均粒径5μm以下の塩化ビニルペーストレジン1
5重量部を均一に分散せしめて粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物を調製した。
【0057】このようにして製造した粉体成形用塩化ビ
ニル系樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして成形品
を得、得られた成形品について同様に耐アミン性の評価
を行うと共に、次の方法で軋み音性を評価して結果を表
3に示した。
【0058】[軋み音性]金型から剥がし取った成形品と
ポリプロピレン成形板を一定圧で擦った時の軋み音の差
異を確認した。
【0059】
【表3】
【0060】表3から明らかなように、過塩素酸処理型
ハイドロタルサイトとゼオライト化合物と脂肪酸アマイ
ドとの併用で、軋み音性がなく耐アミン特性が優れた成
形品が得られる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1,3の粉体
成形用塩化ビニル系樹脂組成物によれば、耐アミン性に
優れ、肉厚が均一な成形品を得ることができるため、ア
ミン化合物による劣化、変質が著しく低減される。
【0062】また、請求項5の粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物によれば、耐アミン性に優れると共に、他部
材と擦れた時の軋み音の少ない成形品を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/12 C08K 5/12 5/20 5/20 9/02 9/02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル
    系樹脂を含む粉体成形用の樹脂組成物において、該組成
    物中に過塩素酸処理型ハイドロタルサイトと、ゼオライ
    ト結晶構造を有するアルカリ金属アルミノシリケート及
    び/又はアルカリ土類金属アルミノシリケートと、ヒド
    ロキシステアリン酸とを含むことを特徴とする粉体成形
    用塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシステアリン酸の含有量が塩化
    ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜3重量部であ
    る請求項1に記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル
    系樹脂を含む粉体成形用の樹脂組成物において、該組成
    物中に過塩素酸処理型ハイドロタルサイトと、ゼオライ
    ト結晶構造を有するアルカリ金属アルミノシリケート及
    び/又はアルカリ土類金属アルミノシリケートと、ヒド
    ロキシ脂肪酸オリゴエステル及び/又はその金属塩とを
    含むことを特徴とする粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシ脂肪酸オリゴエステル及び/
    又はその金属塩の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量
    部当たり0.1〜5重量部である請求項3に記載の粉体
    成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 可塑剤をドライブレンドした塩化ビニル
    系樹脂を含む粉体成形用の樹脂組成物において、該組成
    物中に過塩素酸処理型ハイドロタルサイトと、ゼオライ
    ト結晶構造を有するアルカリ金属アルミノシリケート及
    び/又はアルカリ土類金属アルミノシリケートと、脂肪
    酸アマイドとを含むことを特徴とする粉体成形用塩化ビ
    ニル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 脂肪酸アマイドの含有量が塩化ビニル系
    樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部である請求項
    5に記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 可塑剤が、フタル酸エステル類、トリメ
    リット酸エステル類及びポリエステル系可塑剤よりなる
    群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粉体成形用
    塩化ビニル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 過塩素酸処理型ハイドロタルサイトの含
    有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.5〜1
    5重量部である請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ゼオライト結晶構造を有するアルカリ金
    属アルミノシリケート及び/又はアルカリ土類金属アル
    ミノシリケートの含有量が塩化ビニル系樹脂100重量
    部当たり1〜10重量部である請求項1ないし8のいず
    れか1項に記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 更に、塩化ビニル系樹脂100重量部
    当たり粉体流動性改良剤5〜30重量部を含む請求項1
    ないし9のいずれか1項に記載の粉体成形用塩化ビニル
    系樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 粉体流動性改良剤が、乳化重合法又は
    微細懸濁重合法によって製造された平均粒径10μm以
    下の塩化ビニル系樹脂である請求項10に記載の粉体成
    形用塩化ビニル系樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 粉体流動性改良剤が無機充填剤である
    請求項10に記載の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成
    物。
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