JP2003241422A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー及びその製造方法Info
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Abstract
染が少なく、それにより画像濃度のむらが少ない高画質
の画像が得られ、トナー消費量を少なく抑えることがで
きる静電荷像現像用トナーを提供する。 【解決手段】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有するト
ナー粒子からなり、該トナー粒子の表面に平均粒径0.
3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子が付
着している静電荷像現像用トナー。
Description
ナー及びその製造方法に関する。詳しくは本発明は、電
子写真方式の複写機及びプリンターに用いられる静電荷
像現像用トナーに関する。さらに詳しくは、本発明は帯
電特性に優れると共に、感光体ドラムの汚染が少なく、
それにより画像濃度のむらが少ない高画質の画像が得ら
れ、連続印字においてトナー消費量を少なく抑えること
のできる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関す
る。
には、まず感光体ドラム上に静電潜像を形成させ、次い
でこれをトナーにより現像した後、転写紙などに転写さ
せ、熱等により定着させて可視画像を形成させる。従
来、一般的に用いられているトナーは、種々の方法で製
造された樹脂及び着色剤に、必要に応じて帯電制御剤、
磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次
いで粉砕、分級することによりトナーを得る方法、いわ
ゆる溶融混練粉砕法によって製造されている。
能として、高画質化があり、それを達成するためには、
トナーの平均粒子径が3〜8μm程度と小さく、かつ粒
度分布が狭いことが必要であるとされる。溶融混練粉砕
法で得られたトナーにおいては、製造時にトナーの粒径
を制御することが難しく、平均粒径が3〜8μmの範囲
の粒子径の小さいトナーを製造すると、必然的に所望粒
径以下の微粉が多量に副生成され、これを分級工程で排
除することは困難であるという問題点があった。
法として、水系媒体に重合性単量体、着色剤、重合開始
剤等の混合液を懸濁分散させた後に重合させてトナー粒
子を得る懸濁重合法(特公昭51−14895号公報
等)が、また、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒
体中に重合性単量体を分散させ、攪拌下に重合性単量体
を重合させて得られた重合体エマルジョンに、着色剤並
びに随意に帯電制御剤を添加し凝集させて得られた凝集
粒子を、さらに熟成させてトナー粒子を形成する乳化重
合法(特開昭63−186253号公報等)が、提案さ
れている。これらの重合法と呼ばれる製造方法でトナー
を得る場合には、粒子径の制御が容易であるので、小粒
子径で粒度分布の狭いトナーが得られ、高画質性に優れ
たトナーを得ることができる。また、粉砕工程がないの
で、低軟化点の樹脂を使用することができ、低温定着性
も改善することができる。
れたトナーでは低温定着が可能であるが、他方でトナー
貯蔵時にブロッキングが生じ易いという問題点もある。
この問題点を解決するために、懸濁重合法により軟化点
が低い微小粒子を製造し、この表面に高軟化点の樹脂を
水媒体中で付着させて製造されたカプセル化トナー(特
開昭63−93346号公報等)、或いは、乳化重合法
により製造された会合粒子の表面に重合体の外層を形成
させたカプセル化トナー(特開平10−123748号
公報)が、提案されている。
ナー粒子に対して、種々の性質を改善するために、目的
に応じて帯電制御剤、流動化剤等の各種添加剤を添加し
混合してトナー粒子の表面に付着させることが知られて
おり、一般に外添処理と呼ばれている。特開2000−
206731号公報は、結着樹脂及び着色剤を含有する
トナー粒子とリン酸系無機化合物の微粒子とを含有して
いる外添処理されたトナーを開示しており、現像性に優
れ、複写画像を多数枚出力しても高解像度の画像を維持
しうる耐久性に優れたトナーを提供しうるとされてい
る。
合物の微粒子で外添処理されたトナーは一般に良好な性
能を示している。しかしながら、本発明者らの検討によ
れば、上記トナーにつき帯電量を向上させようとすると
感光体カブリが生じ、そのまま印字を続けるとトナーが
感光体非画像部に付着して消費されるため単位枚数印字
あたりのトナー消費量が著しく増加することが判明し
た。
点を解決する方法を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、
外添処理に使用する添加剤(外添剤)を特定のものとす
ることにより、上記問題点を解決し得ることを見出し、
この知見に基づいて本発明に到達した。即ち本発明の要
旨は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子
からなり、該トナー粒子の表面に平均粒径0.3〜3.
0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子が付着してい
ることを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
及び着色剤を含有するトナー粒子に、平均粒径0.3〜
3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し
混合することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造
方法、に存する。
詳細に説明する。本発明の静電荷像現像用トナーは、少
なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に
特定平均粒径のリン酸カルシウム系化合物微粒子が付着
している外添処理トナー粒子からなるものである。
ナー粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するが、
その製造法は限定されず、溶融混練粉砕法で製造して
も、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法によって製造し
てもよい。一般的には、これら各種の製造法の内で重合
法による方が好ましく、また重合法の内では乳化重合法
による方が好ましい。
一般にトナーを製造する際に結着樹脂として用いられる
ものであればよく、特に限定されないが、例えば、ポリ
スチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、これらの樹脂の混合
物等が挙げられる。好ましくはポリスチレン系共重合体
樹脂及びポリ(メタ)アクリル酸系樹脂が使用され、よ
り好ましくはポリスチレン系共重合体樹脂である。
レン系単量体を主成分とする共重合体であり、該スチレ
ン系単量体の例としては、スチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン等が挙げられ、特に好ましくは
スチレンである。上記ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は
1種若しくはそれ以上の(メタ)アクリル酸系単量体を
主成分とする(共)重合体であり、該樹脂を形成する単
量体の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n
−ブチル、メタアクリル酸n−オクチルを挙げることが
できる。好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは3
〜8の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
を1種又は2種以上組み合わせて用いる。
い。極性基としてはカルボキシル基、スルホン基、リン
酸基、ホルミル基等の酸性極性基、アミノ基等の塩基性
極性基、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基等の中性
極性基等が挙げられる。上記極性基は極性基を有する単
量体の共重合、縮合重合、付加重合等により樹脂中に導
入することができる。上記極性基を有する単量体は樹脂
中に好ましくは10〜40%の範囲で使用される。極性
基を有する単量体の量が多すぎると高湿度条件下での帯
電性が低下する傾向がある。
を有する単量体としては、例えば、カルボキシル基を有
するα、β−エチレン性不飽和化合物及びスルホン基を
有するα,β−エチレン性不飽和化合物等を挙げること
ができる。上記カルボキシル基を有するα,β−エチレ
ン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、フマル酸、マレイン酸、ケイ皮酸等を挙げる
ことができる。
性不飽和化合物としては例えば、スルホン化エチレン、
そのナトリウム塩、アリルスルホコハク酸を挙げること
ができる。上記極性基を有する単量体中、塩基性極性基
を有する単量体としては、例えば、アミノ基、アミノ基
の塩又は4級アンモニウム基を有する脂肪族アルコール
の(メタ)アクリル酸エステル、窒素含有複素環基で置
換されたビニル化合物及びN,N−ジアリルアルキルア
ミン又はその4級アンモニウム塩を挙げることができ
る。好ましくは、アミノ基、アミノ基の塩あるいは4級
アンモニウム基を有する脂肪族アルコ−ルの(メタ)ア
クリル酸エステルが用いられる。
モニウム基を有する脂肪族アルコ−ルの(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、例えば、ジメチルアミノエチル
アクリレ−ト、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、
ジエチルアミノエチルアクリレ−ト、ジエチルアミノエ
チルメタクリレ−ト、これらの4級塩等を挙げることが
できる。
化合物としては、例えば、ビニルピリジン、ビニルピロ
リドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニ
ルN−エチルピリジニウムクロリド等を挙げることがで
きる。上記N,N−ジアリルアルキルアミンの4級アン
モニウム塩としては、例えば、N,N−ジアリルメチル
アンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモ
ニウムクロリド等を挙げることができる。
を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
アミドあるいは窒素原子上で置換された(メタ)アクリ
ル酸アミド、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル、シアノ基を有する(メタ)アクリロニトリルが挙げ
られる。上記(メタ)アクリル酸アミドあるいは窒素原
子上で置換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、
例えば、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、
N,N−ジブチルアクリルアミド等を挙げることができ
る。
ステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル等を挙げることができる。前記縮合重合或
いは付加重合に使用されるカルボキシル基を極性基とし
て有する単量体としては、例えば、無水フタル酸、ベン
ゼン−1,2,4−トリカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、無
水マレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式カルボン酸及び
それらの無水物等があげられる。
アミノ基を極性基として有する単量体としては、例え
ば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の鎖状
脂肪族アミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン等の芳香族アミン等が挙げられる。前記縮
合重合或いは付加重合に使用される水酸基を極性基とし
て有する単量体としては、例えば、水、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリエタノールアミン等
の脂肪族ジオール等が挙げられる。
砕法で製造しても、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法
によって製造してもよい。溶融混練粉砕法においては、
種々の方法で製造された樹脂及び着色剤、並びに必要に
応じて帯電制御剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機
等で溶融混練し、次いで粉砕し、目的に応じて分級する
ことにより、トナー粒子が得られる。
性単量体、着色剤、重合開始剤等を、ディスパーザー等
の分散機を用いて適当な粒径に懸濁分散させ、その状態
で重合させてトナー粒子を得る。懸濁安定剤を用いる場
合には、重合後に酸洗浄することにより容易に除去でき
る、水中で中性又はアルカリ性を示すものを選ぶことが
好ましい。さらに、粒度分布の狭いトナーが得られるも
のを選ぶことが好ましい。これらを満足する懸濁安定剤
としては、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。これ
らの懸濁安定剤は、重合性単量体100重量部に対して
通常1〜10重量部使用する。
合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用すること
ができる。例えば、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、
ラウロイルペルオキシド、又はレドックス系開始剤など
を使用することができる。これらの内ではアゾ系開始剤
が好ましい。
化剤を含有する水性媒体中に重合性単量体を分散させ、
攪拌下に重合性単量体を重合させて、先ず重合体一次粒
子を製造する。上記乳化重合に際して乳化剤として使用
される界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン
性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性
剤のいずれでもよいが、非イオン性界面活性剤及びアニ
オン性界面活性剤が好ましい。
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン
アルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレー
ト等のソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることがで
きる。
ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂
肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の
アルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリ
ウム等のアルキル硫酸エステル塩類等を挙げることがで
きる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリ
ルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルト
リメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩
等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例え
ば、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙げ
ることができる。
は適宜組合せて使用することができる。また、これらの
界面活性剤は、全単量体の合計重量に基いて、好ましく
は約1〜10重量%の範囲で使用する。上記乳化重合に
際して利用し得る保護コロイドの例としては、部分ケン
化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコ
ール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体などが挙げられる。これ
らは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。
重合開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどの過硫酸塩類;t−ブチルヒドロペルオ
キシド、クメンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒド
ロペルオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素など
が挙げられる。これらも単独で又は複数種併用のいずれ
の態様でも利用できる。その使用量は適宜選択できる
が、使用する単量体の合計重量に基づいて、例えば約
0.05〜2重量%の範囲で使用される。
併用することができる。その例としては、アスコルビン
酸、酒石酸、クエン酸などの還元性有機化合物;チオ硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウムなどの還元性無機化合物が挙げられる。上記乳化
重合反応の実施に際しては、予め所定の界面活性剤の全
量を反応系に添加しておくこともできるが、予め一部を
反応系に添加した状態で反応を開始し、残部を反応中に
連続的にまたは間隔をおいて添加することもでき、一般
にはその方が好ましい。また、単量体、更には、所望に
より他の変性用共単量体についても、一括添加、或いは
分割添加若しくは連続添加を行うことができるが、反応
制御の観点からは連続添加するのが好ましい。また乳化
重合中に、上記の界面活性剤、重合開始剤以外に、pH
調整剤、重合度調節剤、消泡剤などを適宜添加すること
ができる。
の分散液、例えば重合体エマルジョン及び着色剤、並び
に必要により帯電制御剤、磁性体微粒子、離型剤等を含
有する水性分散液に対して凝集処理を行って重合体一次
粒子を凝集させることにより、凝集粒子が得られる。凝
集処理としては、重合体一次粒子の分散液の安定性を低
下させる方法、重合体一次粒子等の粒子同士を強制的に
結合させる方法等の各種方法が使用され、その手段とし
ては、例えば加熱、pH調整、塩添加、硬化剤添加等の
処理が挙げられる。
有機顔料及び合成染料を挙げることができ、無機顔料ま
たは有機顔料が好ましく用いられる。一種若しくは二種
以上の顔料及び/または一種若しくは二種以上の染料を
組み合わせて用いることもできる。上記無機顔料として
は、例えば、金属粉系顔料、金属酸化物系顔料、カ−ボ
ン系顔料を挙げることができる。
粉等を挙げることができる。金属酸化物系顔料として
は、例えば、マグネタイト、フェライト、ベンガラ等を
挙げることができる。上記カ−ボン系顔料としては、例
えば、カ−ボンブラック、ファ−ネスブラック等を挙げ
ることができる。また、上記有機顔料としては、アゾ系
顔料、酸性染料系顔料及び塩基性染料系顔料、媒染染料
系顔料、フタロシアニン系顔料、並びにキナクドリン系
顔料及びジオキサン系顔料等を挙げることができる。
ジンイエロ−、ベンジジンオレンジ等を挙げることがで
きる。上記酸性染料系顔料及び塩基性染料系顔料として
は、例えば、キノリンイエロ−、アシッドグリ−ン、ア
ルカリブル−等の染料を沈澱剤で沈澱させたもの、ある
いはロ−ダミン、マゼンタ、マカライトグリ−ン等の染
料をタンニン酸、リンモリブデン酸などで沈澱させたも
の等を挙げることができる。上記媒染染料系顔料として
は、例えば、ヒドロキシアントラキノン類の金属塩類等
を挙げることができる。上記フタロシアニン系顔料とし
ては、例えば、フタロシアニンブル−、スルホン化銅フ
タロシアニン等を挙げることができる。上記キナクリド
ン系顔料及びジオキサン系顔料としては、例えば、キナ
クリドンレッド、キナクリドンバイオレット等を挙げる
ことができる。
黒、アゾ染料、ナフトキノン染料、インジゴ染料、ニグ
ロシン染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、ト
リ及びジアリルメタン染料等を挙げることができるが、
好ましくは、アニリン黒、ニグロシン染料、アゾ染料が
用いられ、さらに好適なものとしては、アゾ染料のうち
分子中にサリチル酸、ナフトエ酸または8−オキシキノ
リン残基を有し、クロム、銅、コバルト、鉄、アルミニ
ウム等の金属と錯塩を形成するものが用いられる。
シン系の電子供与性染料、ナフテン酸または高級脂肪酸
の金属塩4級アンモニウム塩、キレ−ト顔料、電子受容
性の有機錯体、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエ
ステル等を挙げることができる。磁性体微粒子は、強磁
性体の金属、金属酸化物等種々のものが用いられるが、
特に限定されるものではない。好ましくは、マグネタイ
ト、フェライトなどが用いられる。
酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩等の高級脂肪酸金
属塩や天然及び合成のパラフィン類及び脂肪酸エステル
類またはその部分鹸化物類等があり、これらの化合物の
一種または二種以上を適宜組み合わせたものが用いられ
る。上記凝集処理を行って得られた凝集粒子に対して熟
成処理を行うことにより凝集粒子のさらなる凝集を起こ
させて熟成粒子が得られる。熟成処理は基本的に前記凝
集処理と同種の処理であるが、その際の処理条件をより
強くする、処理時間をより長くする等の調節を行うこと
により凝集粒子同士をさらに凝集させる。
次粒子および/又は凝集粒子間の接触部分の少なくとも
一部が造膜融着しているのが好ましく、更に好ましくは
重合体一次粒子および凝集粒子間の接触部分の大半が造
膜融着し、実質的に一体化しているのが好ましい。この
ような方法で得られた熟成粒子はその粒子径が3〜15
μmの範囲であるのが好ましい。
を水性媒体中で熟成させることによって得られた熟成粒
子は、一般に不定形の凹凸の激しい形状である。これは
目的に応じてそのまま用いることも出来る。他方、この
熟成粒子の水性分散液を、更に、やや高温度で、好まし
くは重合体のガラス転移温度〜(ガラス転移温度+80
℃)の範囲の温度で攪拌を続けると、重合体一次粒子お
よび/又は凝集粒子間の接触部分が造膜融着し、個々の
粒子の融着一体化が進む一方、形状も不定形の凸凹の状
態から表面が次第に滑らかとなり、球形に徐々に近くな
る。この造膜融着処理は通常1〜6時間、好ましくは2
〜4時間程度行うことができる。このようにして造膜融
着処理された熟成粒子は、滑らかな表面を有しており、
例えばその表面に外層を形成させてカプセル化トナー粒
子を製造する等の目的のためには特に好適である。
て説明する。上記熟成粒子からなる内層の表面に重合体
を主成分とする外層を形成させることによってカプセル
化トナー粒子が得られる。この際の外層の厚さは0.0
1〜0.5μmの範囲であるのが好ましい。外層を内層
の表面に形成させる方法としては、特に制限はないが、
例えば、スプレードライ法、in−situ重合法、液
中粒子被覆法等が挙げられる。
表面に形成させる方法としては、例えば、内層を形成す
る熟成粒子と外層を形成する重合体粒子とを水媒体中に
分散して分散液を作製し、分散液をスプレー噴出し、乾
燥することによって、内層を形成する熟成粒子上に外層
を形成する重合体粒子を被覆することができる。上記i
n−situ重合法により外層を内層の表面に形成させ
る方法としては、例えば、熟成粒子を水中に分散させ、
単量体及び重合開始剤を添加して、熟成粒子表面に吸着
させ、加熱して、単量体を重合させて、内層である熟成
粒子表面に外層を形成させることができる。
面に形成させる方法としては、内層を形成する熟成粒子
と外層を形成する重合体粒子とを、水媒体中で反応ある
いは結合させ、内層を形成する熟成粒子の表面に外層を
形成させることができる。外層を形成させる場合に用い
る重合体粒子は、重合体で構成された粒子であれば特に
制限はないが、外層の厚みがコントロールできるという
観点から、重合体一次粒子の凝集粒子もしくは熟成粒子
であることが好ましい。上記外層を構成する重合体一次
粒子、凝集粒子及び熟成粒子は、内層に使用する熟成粒
子における重合体一次粒子、凝集粒子及び熟成粒子と同
様の重合体を使用し、同様の製造方法で製造することが
できる。
脂のガラス転移点(Tg)は、好ましくは70〜110
℃である。Tgが低すぎると、一般環境での保存が困難
であり、また高すぎては充分な溶融性が得られないので
好ましくない。また、外層の重合体のガラス転移温度
が、内層の重合体一次粒子を構成する重合体のガラス転
移温度よりも高いのが好ましい。従って、例えば重合度
は、内層と外層の樹脂が同一組成であるならば、外層の
重合度を上げることが好ましい。
で内層の表面に外層を形成させて製造する場合には、該
カプセル化トナー粒子の水性分散液を脱水し、乾燥して
粉体状のカプセル化トナー粒子を得ることができる。上
記各種の方法で製造された、少なくとも樹脂及び着色剤
を含有するトナー粒子に、平均粒径0.3〜3.0μm
のリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し混合して
(即ち外添処理して)、トナー粒子の表面に該リン酸カ
ルシウム系化合物微粒子を付着させることによって、本
発明の静電荷像現像用トナーが製造される。
成するリン酸カルシウム系化合物としては、リン酸カル
シウム(又は第三リン酸カルシウム)の外、リン酸イオ
ンの一部が水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸
イオン等の陰イオンによって置換された置換リン酸カル
シウムが挙げられる。上記リン酸カルシウム系化合物微
粒子が疎水化処理されたものであると、湿度が変化する
環境下でも安定した効果が得られるという点で好まし
い。リン酸カルシウム系化合物微粒子の表面の疎水化処
理は、例えばその表面を脂肪酸で処理することによって
行うことが出来る。
されるリン酸カルシウム系化合物微粒子の粒径が重要で
あり、リン酸カルシウム系化合物微粒子の平均粒径は
0.3〜3.0μmでなければならない。該平均粒径が
0.3μm未満であると感光体カブリを抑える効果が小
さくなり、一方、3.0μmを越えるとリン酸カルシウ
ムを核とし、トナーの凝集物が発生することがあり、帯
電ブレードで凝集物がつまって画像にスジが発生するこ
とがある。該平均粒径は好ましくは0.35〜2.5μ
mであり、より好ましくは0.4〜2.0μmである。
トナー粒子100重量部当たり、0.01〜2重量部の
範囲で使用するのが好ましい。なお、本発明のリン酸カ
ルシウムの粒径は湿式のレーザー回折散乱法の粒径分布
測定装置(日機装株式会社製マイクロトラックFRA)
で測定した。上記トナー粒子に対して、リン酸カルシウ
ム系化合物微粒子以外の無機微粒子による外添処理を行
うこともできる。該無機微粒子としては、トナー粒子へ
の添加剤(外添剤)として一般的に使用される帯電制御
剤、流動化剤等を使用することが出来る。例えば流動化
剤としては特に制限はなく、例えば、シリカ、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム等の微粉末を挙げることができ
る。これらの流動化剤の内では後述する通りシリカを用
いるのが好ましい。このような流動化剤は、トナー10
0重量部に対して0.5〜7重量部添加することが好ま
しく、1.0〜5重量部がより好ましい。
平均粒径は好ましくは7〜50nmである。かかる粒径
のシリカ微粒子で外添処理を行う場合、その処理順序を
特定のものとすることにより、より優れた効果を達成す
ることが出来る。特に好適な外添処理の順序は次の通り
である。 (a)トナー粒子に、平均粒径7〜50nmのシリカ微
粒子を添加し混合した後に、平均粒径0.3〜3.0μ
mのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し混合す
る。 (b)トナー粒子に、平均粒径20〜50nmのシリカ
微粒子を添加し混合し、次いで平均粒径7〜20nmの
シリカ微粒子を添加し混合した後に、平均粒径0.3〜
3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し
混合する。 (c)トナー粒子に、平均粒径20〜50nmのシリカ
微粒子を添加し混合した後に、平均粒径7〜20nmの
シリカ微粒子及び平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸
カルシウム系化合物微粒子を添加し混合する。
(b)及び(c)の方法が好ましい。これらの方法を用
いる場合には、流動化効果が特に高く、トナー粒子表面
の凹凸形状に基づく欠点もある程度補われる。従ってこ
れらの方法を、かかる欠点を有する溶融混練粉砕法によ
って製造されたトナー粒子に適用すると、特に大きな改
善効果が得られる。
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以
下の実施例によって限定されるものではない。なお、
「部」は特記する以外は「重量部」を表す。 実施例1〜9及び比較例1 [重合体一次粒子の製造]攪拌装置、加熱冷却装置、濃
縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えたガラス製
反応器に下記のワックスエマルション及び脱塩水を仕込
み、窒素気流下で90℃に昇温した。
添加し、5時間乳化重合を行った。
ルションを得た。(以下、樹脂エマルションAとい
う。) 得られたエマルションの平均粒子径は257nm、重合
体の重量平均分子量は150000、Tgは65℃であ
った。
Aの調製)]
ナトリウム水溶液(固形分として9部)を加え、20℃
で1.5時間保持した。その後、更に攪拌しながら60
℃まで昇温し、凝集粒子の平均粒径が7μmになったこ
とを確認した。
ルアクリレート重合体微粒子(Tg80℃、平均粒径
0.1μm)を5部添加した。塩化ナトリウムを1部添
加して30分保持した後、pHを7に調整し、95℃ま
で昇温して3時間保持した。冷却後、桐山ロートで濾
過、水洗し、乾燥することによりカプセルトナー母粒子
Aを得た。
プセルトナー母粒子Aに対して、ヘンシェルミキサーを
用いて表−1に示した外添剤処方、及び表−2に示した
外添条件で外添処理を行った。その際、ヘンシェルミキ
サーのジャケット部に温度をコントロールした温水を流
し、ジャケット温度を目的の温度に調整した。また、ミ
キサー内のトナーの温度はデフレクター先端の熱電対を
用いて測定した。
理に関しては表−3に記載した。上記外添処理の後、混
合物を目開き75μmの篩を通してトナー粒子を得た。 [評価]評価のうち、画像濃度及びトナー消費量の実写
評価は、非磁性一成分現像方式を使用するプリンタを用
いて行った。実写評価は初期的な画像を確認した後に、
印字率5%でA4紙に連続印字を繰り返すことにより行
った。
た。プリンタの現像器にトナーを充填し、連続印字を行
う前に白紙イメージの印刷途中でプリンタを止め、感光
体上にメンディングテープ(住友スリーエム株式会社
製)を貼り、感光体上に付着しているトナーを取り、白
紙に張り付け、何もついていないメンディングテープを
貼り付けたものとの色差(ΔE)を測定し、感光体カブ
リとした。
9のいずれのトナーに関しても初期的には画像ムラのな
い良好な画像が得られ、連続印字に関しては充分な画像
濃度を保ちながら印字1000枚あたりのトナー消費量
を低く抑えることができた。他方、比較例1のトナーで
は連続実写でトナー消費が多く、そのため評価途中でト
ナーがなくなり、目標枚数まで印字することができなか
った。
特性に優れると共に、感光体ドラムの汚染が少なく、そ
れにより画像濃度のむらが少ない高画質の画像が得ら
れ、連続実写でトナー消費量を少なく抑えるという効果
を有する。
Claims (14)
- 【請求項1】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有するト
ナー粒子からなり、該トナー粒子の表面に平均粒径0.
3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子が付
着していることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 【請求項2】 リン酸カルシウム系化合物微粒子が疎水
化処理されたものである、請求項1に記載の静電荷像現
像用トナー。 - 【請求項3】 リン酸カルシウム系化合物微粒子がその
表面を脂肪酸で処理することによって疎水化処理された
ものである、請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項4】 平均粒径7〜50nmのシリカ微粒子を
含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現
像用トナー。 - 【請求項5】 トナー粒子が重合法によって製造された
ものである、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像
現像用トナー。 - 【請求項6】 トナー粒子が乳化重合法によって製造さ
れたものである、請求項5に記載の静電荷像現像用トナ
ー。 - 【請求項7】 トナー粒子が、少なくとも樹脂及び着色
剤を含有する、重合法によって製造された内層と重合体
を主成分とする外層とからなるカプセル化トナー粒子で
ある、請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項8】 外層を構成する重合体のガラス転移点
(Tg)が、70〜110℃である、請求項7に記載の
静電荷像現像用トナー。 - 【請求項9】 トナー粒子100重量部当たり、平均粒
径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒
子を0.01〜2重量部含有する、請求項1〜8のいず
れかに記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項10】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する
トナー粒子に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カ
ルシウム系化合物微粒子を添加し混合することを特徴と
する静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項11】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する
トナー粒子に、平均粒径7〜50nmのシリカ微粒子を
添加し混合した後に、平均粒径0.3〜3.0μmのリ
ン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し混合することを
特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項12】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する
トナー粒子に、平均粒径20〜50nmのシリカ微粒子
を添加し混合し、次いで平均粒径7〜20nmのシリカ
微粒子を添加し混合した後に、平均粒径0.3〜3.0
μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し混合す
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項13】 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する
トナー粒子に、平均粒径20〜50nmのシリカ微粒子
を添加し混合した後に、平均粒径7〜20nmのシリカ
微粒子及び平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシ
ウム系化合物微粒子を添加し混合することを特徴とする
静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 【請求項14】 トナー粒子が溶融混練粉砕法によって
製造されたものである、請求項12又は13に記載の静
電荷像現像用トナーの製造方法。
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