JP2002287414A - トナー用流動性改良剤及びそれを含有してなる現像剤 - Google Patents

トナー用流動性改良剤及びそれを含有してなる現像剤

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JP2002287414A JP2001091963A JP2001091963A JP2002287414A JP 2002287414 A JP2002287414 A JP 2002287414A JP 2001091963 A JP2001091963 A JP 2001091963A JP 2001091963 A JP2001091963 A JP 2001091963A JP 2002287414 A JP2002287414 A JP 2002287414A
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Shigeo Takiyama
成生 瀧山
Seiya Shimizu
清也 清水
Hiroshi Shibata
洋志 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤の流動性が改善され、カブリのない優
れた画像が得られるトナー用流動性改良剤を提供する。 【解決手段】 花弁状多孔質構造を有し、Ca/P の原子
比が1.67以上16.7以下の燐酸カルシウム系化合物からな
り、特定の範囲の平均粒子径、分散係数、粒度のシャー
プネス、比表面積を持つ粒子からなる分散性改良剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー用流動性改
良剤及びそれを用いた現像剤に関する。更に詳細には、
無機粉体の粒径、比表面積、疎水性等の物性を厳しく制
御した粒子を流動性改良剤として現像剤に使用した場合
に、現像剤に好適な流動性と電気特性を付与する流動性
改良剤及びそれを用いた現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は複写機、ファクシミリ、
プリンターに幅広く使用され、現在のオフィスを取り巻
く環境に必要不可欠の技術となっている。該技術は、原
稿読み取り工程、露光(書込み)工程、現像工程、転写
工程からなり、現象・転写工程でトナーを現像剤として
用いることにより画像を作成しており、その画像は、現
像剤の物性によって品質が大きく左右される。現像剤
は、その主成分が粉末状の乾式トナーと液体状の湿式ト
ナーに大別されるが、現在、使用されているトナーの殆
どは乾式で、5〜15μmの平均粒径を有している。
【0003】乾式トナーは、トナーそのものが現像剤で
ある一成分現像剤と、キャリアーと称されるトナーより
も大粒径の帯電付与機能を有する粒子とトナーを混合し
て得る二成分現像剤に大別される。一成分現像剤は、現
像器中の現像ローラーと接触するブレード等を通過する
際に、現像ローラー上でトナーを薄層化すると同時に所
定の帯電を与え、その帯電によってトナーを感光体に搬
送して感光体上の潜像に現像を行う。二成分現像剤は、
トナーに混合するキャリアーに帯電を行い、その帯電に
より感光体に搬送して感光体上の潜像に現像を行う。湿
式現像剤は、分散性・帯電制御性・定着性等を有する樹
脂成分を吸着させた微粒子からなるトナー粒子を、高絶
縁性の分散媒中に分散させ、そのトナー粒子を帯電させ
ることによって感光体まで電気泳動することにより現像
に寄与している。
【0004】画像性能の向上を目的としてトナーの小粒
径化や、トナー中に離型材料を配合すること等がこれま
で検討されてきたが、その反面、それらが原因で現像剤
の流動性が低下する問題が発生している。それ故、トナ
ーの表面に疎水性シリカ・酸化チタン・アルミナ・酸化
セリウム等の無機微粉末や、脂肪酸金属塩・ポリフッ化
ビニリデン・ポリエチレン等の微粉末を付着させて流動
性を向上させることが行われており、更に上記の各種微
粉末は、流動性向上の他にクリーニング性や帯電性に影
響を与えることが明らかになっている。
【0005】乾式現像剤を使用する複写機やプリンター
場合、感光体を帯電させた後に露光を行う。これまでの
帯電は、現像時の画像性能から低速から高速までの全て
コロナ帯電方式が主流であった。しかし、現在最も多く
使用されている(有機)感光体が、構成上、負帯電極性
が主流であるため、コロナ放電によるオゾンの発生量の
多いことが問題になっている。高級機である中高速複写
機はオゾンフィルターを装着して対処しているが、ロー
エンドのプリンター・複写機・ファクシミリ等は、オゾ
ンフィルターの装着がコスト高になるため、オゾン発生
量の少ないローラ帯電方式やブラシ帯電方式等の接触帯
電方式が主流になっている。しかし、接触帯電方式は感
光体への帯電に均一性が得にくいこと、デバイスの環境
依存性が大きく帯電性の環境変動が大きいこと、更に流
動性改良剤として使用されている上記の疎水性シリカ等
の帯電性が、粒子種だけでなく、それらの生成条件によ
って変動することから、帯電性能の偏りやバラツキ等の
問題が生じており、その解決が望まれている。
【0006】上記の流動性と帯電性の問題解決を目的と
して、トナーやキャリアー等として使用する各種粉末に
対して様々な検討がなされてきた。例えば特許第270478
4 号では、構成成分がジオール成分とジカルボン酸成分
を主成分とし、かつ-COOH 基の少なくとも一部がNを含
む官能基に置換されたポリエステル樹脂に、正摩擦帯電
性部位及び負摩擦帯電性部位を有するシランカップリン
グ剤で処理した上に、シリコーンオイルで表面処理した
疎水性シリカを使用することを提案している。
【0007】また、例えば特開平04-93953号公報では、
構成成分がジオール成分とジカルボン酸成分を主成分と
し、酸価が特定値以下の負帯電性ポリエステル樹脂に、
飽和含水量とBET法による比表面積を厳しく規定した
アルミナ粒子を流動性改良剤として使用することを提案
している。
【0008】更に、例えば特開平05-61260号公報では、
キャリアと流動性改良剤との相関に着目し、酸化チタン
やアルミナにシリコンオイルやシリコンワニスで表面処
理を行うことにより、キャリアに対するトリボ性を厳し
く規定することを提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昨今の高度か
つ急速な技術進歩と、その恩恵を享受する消費者の要望
により、画像の更なる向上が望まれており、更に、上記
の提案は何れも特定のトナーやキャリアーと、流動性改
良剤の組み合わせで使用されるため、汎用性について制
限があり、この点についての改良が望まれていた。ま
た、高価なシランカップリング剤を、流動性改良剤であ
るシリカや酸化チタンに表面処理剤として使用すること
や、粒度特性を厳しく制限した高価なアルミナ粒子を、
流動性改良剤として使用することは経済的にも好ましく
なく、環境への負荷の点でも改良が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、特定の範囲の平均粒子
径、分散係数、粒度のシャープネス、比表面積を持つ粒
子からなる流動性改良剤が上記問題を解決し得ることを
見出し、更に該流動性改良剤を使用することにより、こ
れまでの問題点を解決し得る現像剤を提供できることを
見出し本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明の第一(請求項1)は、花
弁状多孔質構造を有し、Ca/P の原子比が1.67以上16.7
以下の燐酸カルシウム系化合物からなり、下記の式
(a)〜(e)を満足する粒子に、脂肪酸・脂環族カル
ボン酸・芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂
酸ならびにそれらの金属塩・アンモニウム塩・エステ
ル、カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィンよ
り選択された少なくとも1種の表面処理剤で表面処理し
たことを特徴とするトナー用流動性改良剤を内容とす
る。 (a)0.1 ≦dx1≦5(μm) (b)1≦α≦5 但し α=d50/dx1 (c)0≦β≦2 但し β=(d90−d10)/d50 (d)0.01≦dx2≦1(μm) (e)15≦Sw≦200 (m2 /g) 但し、 dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子
径(μm)。 α :分散係数 d50 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。 β :シャープネス。 d90 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μ
m)。 d10 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μ
m)。 dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布から求めた
平均細孔径(μm) Sw :窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)
【0012】好ましい態様としての請求項2は、表面処
理剤の表面処理剤量Z(重量%)が下記式(f)を満足
することを特徴とする請求項1記載のトナー用流動性改
良剤である。 (f)1≦Z≦50(重量%)
【0013】本発明の第二(請求項3)は、請求項1又
は2記載の流動性改良剤を用いたことを特徴とする現像
剤を内容とする。
【0014】好ましい態様としての請求項4は、流動性
改良剤の量が0.01〜5重量%であることを特徴とす
る請求項3記載の現像剤である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第一である流動性改良剤
の特徴は粒子形状にあり、単なる燐酸カルシウム系化合
物でなく、花弁状多孔質構造を有する多孔質燐酸カルシ
ウム系化合物で構成されていることにある。すなわち、
本発明の流動性改良剤である燐酸カルシウム系化合物粒
子は、花弁状構造であることから高い比表面積を有し、
表面活性が大きいため帯電面での効果が高いだけでな
く、粒子径が均一であり分散性に優れていることから現
像剤の流動性を妨げることがなく、表面活性と分散性の
相反する作用効果を同時に発揮することが可能である。
【0016】この様な特性は、小判状の形状の0.1 μm
程度の微細な通常のアパタイトでは得ることが出来ず、
本発明の流動性改良剤が、燐酸類と炭酸カルシウムを反
応させて、燐酸カルシウム系化合物と炭酸カルシウムの
複合体、または燐酸カルシウム系化合物を得ていること
に起因するものと考えられる。
【0017】本発明の流動性改良剤を構成する花弁状多
孔質燐酸カルシウム系化合物としては特に制限はない
が、非晶質燐酸カルシウム[ 略号ACP :Ca3(PO4)2 ・ nH
2O] 、フッ素アパタイト[ 略号FCP :Ca10(PO4)6F2] 、
塩素アパタイト[ 略号FCP :Ca 10(PO4)6Cl2]、ヒドロキ
シアパタイト[ 略号HAP :Ca10(PO4)6(OH)2]、燐酸八カ
ルシウム[ 略号OCP :Ca8(PO4)2 ・5H2O]、燐酸三カルシ
ウム[ 略号TCP :Ca3(PO 4)2]、燐酸水素カルシウム[ 略
号DCP :Ca8HPO4] 、燐酸水素カルシウム二水和物[ 略
号DCPD:Ca8HPO4 ・2H2O]等が例示できる。これらは単
独、または2種以上の混合物でもよく、中でも組成物の
安定性の点からHAP ・OCP ・TCP ・DCP が好ましく、特
にHAP が好ましい。また、安定性が最も高いHAP の含有
率は、全燐酸カルシウム系化合物に対して10重量%以上
が好ましく、50重量%以上がより好ましく、90重量%が
最も好ましい。
【0018】本発明の流動性改良剤である燐酸カルシウ
ム系化合物粒子中のCa/P の原子比は、粒子自体の分散
性と安定性の点から、1.67≦Ca/P ≦16.7である必要が
あり、1.67≦Ca/P ≦5.56が好ましく、1.67≦Ca/P ≦
3.33がより好ましく、1.67≦Ca/P ≦1.85が最も好まし
い。Ca/P が16.7を超えると粒子の分散性が低下し、一
方、1.67未満だと燐酸カルシウム系化合物粒子の安定性
が乏しくなる。
【0019】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子の平均粒子径dx1は、0.1 ≦dx
1≦5(μm)である必要があり、0.2 ≦dx1≦3
(μm)が好ましく、0.3 ≦dx1≦1.5 (μm)が更
に好ましい。dx1が0.1 μm未満の場合は粒子の凝集
が多くなり、現像剤中での流動性改良剤の機能を妨げ
る。また、dx1が5μmを超えると、流動性改良剤と
しての添加量に対して決定的な個数不足になり、現像剤
中の帯電量をコントロールする機能が失われる。
【0020】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子の分散性α、及びシャープネスβ
は、各々1≦α≦5,0≦β≦2である必要があり、1
≦α≦1.5 ,0≦β≦1が好ましい。αが5を超えると
粗大な粒子の凝集が多くなり、現像剤中での流動性改良
剤としての機能を妨げ、また、αが1未満の場合は、微
小な粒子の凝集体が多くなり、結果的に帯電量コントロ
ールに必要な粒子の個数が得られない。一方、βが2を
超えると粗大な粒子の凝集が多くなり、現像剤中での流
動性改良剤としての機能を妨げる。なお、βが0より小
さい値を示すことはありえない。
【0021】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子の平均細孔径dx2は、0.01≦dx
2≦1(μm)である必要があり、0.01≦dx2≦0.5
(μm)が好ましい。dx2が0.01μm未満の場合は、
本発明の帯電コントロールに必要以上の比表面積を有す
ることになるため、水分の吸着や環境からの帯電を受け
やすくなり、それが最終的な製品である現像剤に悪影響
を及ぼす。また、dx2が1μmを超える場合は、細孔
が大きくなり過ぎ十分な比表面積が得られず、帯電量コ
ントロールが不可能になる。
【0022】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子の窒素吸着法によるBET比表面積
Swは、15≦Sw≦200 (m2 /g)である必要があ
り、15≦Sw≦100 (m2 /g)が好ましく、15≦Sw
≦50(m2 /g)が更に好ましい。Swが15m2 /g未
満の場合は、十分な比表面積が得られず、帯電量コント
ロールが不可能になる。また、Swが200 m2 /gを超
える場合は、本発明の帯電コントロールに必要以上の比
表面積を有することになるため、水分の吸着や環境から
の帯電を受けやすくなり、それが最終的な製品である現
像剤に悪影響を及ぼす。
【0023】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子の調製方法には特別な制限はない
が、例えば、炭酸カルシウムを分散した水系に、水可溶
性燐酸または水可溶性燐酸塩を徐々に加えて炭酸カルシ
ウムと反応させ、核剤となる炭酸カルシウム表面に花弁
状燐酸カルシウム系化合物を生成させることにより調製
される。
【0024】具体的には、核剤となる特定の炭酸カルシ
ウムの水懸濁液と、燐酸の希釈水溶液及び/または特定
の燐酸水素カルシウム2水塩を特定の割合で、特定の混
合条件において混合し、特定の熟成条件で熟成する方法
が例示される。本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カ
ルシウム系化合物粒子は、例えば国際公開番号WO97/031
19、WO98/29490等に記載の方法で製造することが出来、
該方法によると燐酸カルシウム系化合物粒子は水懸濁液
の状態で得られるが、常法に従い脱水・乾燥・粉砕によ
り得られる乾粉を本発明の流動性改良剤として使用する
ことが出来る。
【0025】国際公開番号WO97/03119号及び国際公開番
号WO98/29490号の粒子は、下記の反応条件の範囲で調製
される。例えば、基体としての炭酸カルシウムの水懸濁
液とリン酸の希釈水溶液をCa/Pの原子比率が33.
3以下となる割合で水中で下記の混合条件で混合反応さ
せた後、更に下記の熟成条件で熟成してリン酸カルシウ
ム系化合物の水スラリーを得、脱水を行うか又は脱水せ
ずに700℃以下の乾燥雰囲気下で乾燥後、解砕仕上げ
を行うことにより製造することができる。 混合条件 炭酸カルシウムの水懸濁液固形分濃度 1〜15重量% 燐酸の希釈水溶液濃度 1〜50重量% 混合攪拌羽根の周速 0.5〜50m/秒 混合時間 0.1〜150時間 混合系水懸濁液温度 0〜80℃ 混合系の水懸濁液pH 5〜9 熟成条件 熟成系のCa濃度 0.4〜5重量% 熟成時間 0.1〜100時間 熟成系水懸濁液温度 20〜80℃ 熟成系水懸濁液pH 6〜9 攪拌羽根の周速 0.5〜50m/秒 なお、水懸濁液の状態から乾粉を得る工程において、必
要に応じて脱水・希釈を繰り返して燐酸カルシウム系化
合物粒子の洗浄を行い、系内に溶存する不純物を除去す
ることも可能である。
【0026】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子は、粒子の安定性、分散性、疎水
性、帯電特性付与を目的として、脂肪酸・脂環族カルボ
ン酸・芳香族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸
ならびにそれらの金属塩・アンモニウム塩・エステル、
カップリング剤、シリコーンオイル、パラフィンより選
択された少なくとも1種の表面処理剤で表面処理する必
要がある。なお、上記の表面処理剤で燐酸カルシウム系
化合物粒子の表面処理を行わない場合は、粒子の安定
性、分散性、疎水性、帯電特性等が十分でなく、例えば
現像剤に用いられた場合は十分な機能が得られないだけ
でなく、燐酸カルシウム系化合物粒子の表面を疎水化出
来ない。上記の表面処理剤について、粒子の安定性、分
散性、疎水性、帯電特性等の特性や、環境への影響、ハ
ンドリング性、コストの観点から脂肪酸の金属塩が好ま
しく用いられる。
【0027】本発明に使用する脂肪酸・脂環族カルボン
酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸として例えば、カプロン
酸・カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸・ミリスチン
酸・パルミチン酸・ステアリン酸・アラキジン酸・ベヘ
ニン酸・リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸・
エライジン酸・パルミトレイン酸・オレイン酸・リノー
ル酸・リノレン酸・セトレイン酸・エルカ酸・リシノー
ル酸等の不飽和脂肪酸、シクロペンタン環やシクロヘキ
サン環を持つナフテン酸等の脂環族カルボン酸・酢酸・
酪酸、安息香酸・フタル酸等に代表されるベンゼンカル
ボン酸類・ナフトエ酸やナフタル酸等のナフタレンのカ
ルボン酸等の芳香族カルボン酸、アビエチン酸・ピマル
酸・パラストリン酸・ネオアビエチン酸等の樹脂酸が挙
げられ、中でも燐酸カルシウムとの反応性や、流動性改
良剤として現像剤に添加された場合の粒子の安定性、分
散性、疎水性、帯電特性付与の点でミリスチン酸ないし
ラウリン酸の使用が好ましい。
【0028】脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボ
ン酸・樹脂酸の金属塩・アミン塩として例えば、ラウリ
ン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カ
リウム・ナトリウム、ステアリン酸バリウム・カルシウ
ム・亜鉛・カリウム・コバルト(II)・錫(IV)・ナトリウ
ム・鉛(II)等の飽和脂肪酸塩、オレイン酸亜鉛・カリウ
ム・コバルト(II)・ナトリウム・カリウムジエタノール
アミン塩等の不飽和脂肪酸塩、ナフテン酸鉛、シクロヘ
キシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩、安息香酸ナトリ
ウムやサリチル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸塩が
挙げられる。
【0029】また、本発明の燐酸カルシウム系化合物粒
子の表面処理時または以前に、既述の脂肪酸・脂環族カ
ルボン酸・芳香族カルボン酸・樹脂酸にリチウム・ナト
リウム・カリウム・ルビジウム・ベリリウム・マグネシ
ウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウム・亜鉛・
アルミニウム・鉛・コバルト・錫・アシル基を持つ化合
物を混合・反応させて脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香
族カルボン酸・樹脂酸の金属塩・アミン塩を適宜作成し
てもよい。
【0030】以上の脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族
カルボン酸・樹脂酸の金属塩の中でも燐酸カルシウムと
の反応性や、流動性改良剤として現像剤に添加された場
合の粒子の安定性、分散性、疎水性、帯電特性付与の点
でミリスチン酸カリウムないしラウリン酸カリウムの使
用が好ましい。
【0031】脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボ
ン酸・樹脂酸のエステルとして例えば、カプロン酸エチ
ル・ビニル、アジピン酸ジイソプロピル、カプリル酸エ
チル、カプリン酸アリル・エチル・ビニル、セバシン酸
ジエチル・ジイソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジ
メチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル
・ブチル・ラウリル、ミリスチン酸メチル・イソプロピ
ル・セチル・ミリスチル・イソセチル・オクチルドデシ
ル・イソトリデシル、パルミチン酸メチル・イソプロピ
ル・オクチル・セチル・イソステアリル、ステアリン酸
メチル・ブチル・オクチル・ステアリル・コレステリ
ル、イソステアリン酸イソセチル、ベヘニン酸メチル・
ベヘニル等の飽和脂肪酸エステル、オレイン酸メチル、
リノール酸エチル・イソプロピル、オリーブオレイン酸
エチル、エルカ酸メチル等の不飽和脂肪酸エステル、そ
の他、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ネオペンチ
ルポリオール(長鎖・中鎖を含む)脂肪酸系エステルお
よび部分エステル化合物、ジペンタエリスリトール長鎖
脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル、
12- ステアロイルステアリン酸イソセチル・イソステア
リル・ステアリル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、多価
アルコール脂肪酸エステル/アルキルグリセリルエーテ
ルの脂肪酸エステル等の耐熱性特殊脂肪酸エステル、安
息香酸エステル系に代表される芳香族エステルが挙げら
れ、中でも燐酸カルシウムとの反応性や、流動性改良剤
として現像剤に添加された場合の粒子の安定性、分散
性、疎水性、帯電特性付与の点で多価アルコール脂肪酸
エステルの多価アルコールステアリン酸またはパルミチ
ン酸ないし、ステアリン酸ステアリルの使用が好まし
い。
【0032】脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボ
ン酸のスルホン酸の例として、スルホ琥珀酸・ジオクチ
ルスルホ琥珀酸・ラウリルスルホ酢酸・テトラデセンス
ルホン酸等のスルホン酸、ラウリル・ミリスチル・パル
ミチン・ステアリン・オレイン・セチル等のアルキル基
からなるアルキル硫酸、ポリオキシエチレン(2) ラウリ
ルエーテル硫酸・ポリオキシエチレン(3) ラウリルエー
テル硫酸・ポリオキシエチレン(4) ラウリルエーテル硫
酸・ポリオキシエチレン(3) アルキルエーテル硫酸・ポ
リオキシエチレン(4) ノニルフェニルエーテル硫酸等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、直鎖(C10,C
12,C14) アルキルベンゼンスルホン酸・分岐アルキルベ
ンゼンスルホン酸・ナフタレンスルホン酸・ドデシルベ
ンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸等が挙げられ、
中でも燐酸カルシウムとの反応性や、流動性改良剤とし
て現像剤に添加された場合の粒子の安定性、分散性、疎
水性、帯電特性付与の点でドデシルベンゼンスルホン酸
の使用が好ましい。
【0033】脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カルボ
ン酸のスルホン酸の金属塩の例として、上記の脂肪族・
脂環族・芳香族のスルホン酸のナトリウム塩が一般的で
あるが、本発明の炭酸カルシウムの表面処理時または以
前に、既述の脂肪族・脂環族・芳香族スルホン酸にリチ
ウム・ナトリウム・カリウム・ルビジウム・ベリリウム
・マグネシウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウ
ム・亜鉛・アルミニウム・鉛・コバルト・錫・各種アミ
ン等の化合物を混合・反応させて脂肪族・脂環族・芳香
族の金属塩を適宜作成しても良いが、中でも燐酸カルシ
ウムとの反応性や、流動性改良剤として現像剤に添加さ
れた場合の粒子の安定性、分散性、疎水性、帯電特性付
与の点でドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用
が好ましい。
【0034】カップリング剤の例として、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリテトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエ
トキシシラン等が挙げられ、燐酸カルシウム粒子自体の
疎水性・帯電特性・流動性付与の点で、ビニルトリメト
キシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランの使用が好ましい。
【0035】本発明の好ましい態様として、脂肪酸・脂
環族カルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸ならびに
それらの金属塩・アンモニウム塩・エステルに、トルエ
ン・ミネラルターペン・メタノール・エタノールのアル
コール類、パラフィン類、ジオクチルフタレート・ジブ
チルフタレート等の可塑剤や、トルエン・キシレン等の
芳香族炭化水素、ガソリン・軽油等の石油系溶剤、アセ
トン・メチルエチルケトン等のケトン類、セロソルブア
セテート等のエーテル・エステル溶剤、シリコーンオイ
ル・脂肪酸エステル変性シリコーンオイル等のパラフィ
ンとして総称される添加剤等を1種ないし2種以上を選
択して添加する事が挙げられ、中でも表面処理後の燐酸
カルシウム化合物粒子自体の流動性及び疎水性向上の点
でミネラルターペンないし、流動性パラフィンが好まし
い。これらの添加量は表面処理剤に対して5重量%程度
以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量
%以上が好ましい。これらの添加量が100 重量%を超え
るとコスト的に不利であり、また1重量%未満では添加
効果が小さく好ましくない。
【0036】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子に表面処理を行う表面処理剤量Z
(重量%)は、粒子自体の分散性・安定性、現像剤に使
用される場合の疎水性や帯電性の点から、燐酸カルシウ
ム系化合物粒子に対して1≦Z≦50(重量%)が好まし
く、5≦Z≦40(重量%)がより好ましく、10≦Z≦30
(重量%)が更に好ましい。Zが1重量%未満である
と、粒子自体の分散性・安定性、現像剤に使用される場
合の疎水性付与や帯電性を十分に付与することが出来ず
好ましくない。また、Zが50重量%を超えると、流動性
改良剤を構成する燐酸カルシウム系化合物粒子と化学的
・物理的に反応して該粒子の表面に処理されない遊離し
た処理剤が生じ、それらが最終的な製品である現像剤の
効能に悪影響を与えるため好ましくない。
【0037】本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カル
シウム系化合物粒子に対する表面処理剤の表面処理方法
は、湿式方法と乾式方法が挙げられる。本発明の流動性
改良剤を構成する燐酸カルシウム系化合物粒子が、水懸
濁液の状態で生成されるため、水溶性ないし界面活性剤
等で乳化が可能な表面処理剤の場合は、それらを燐酸カ
ルシウム系化合物粒子の水懸濁液に添加して表面処理す
る湿式方法が使用される。しかし、非水溶性または乳化
が不可能な条件にある表面処理剤の場合は、燐酸カルシ
ウム粒子の水懸濁液を濃縮・乾燥・粉砕後に、ヘンシェ
ルミキサー等の乾式表面処理機を用いて表面処理する乾
式方法が使用できる。上記の表面処理方法は、得られる
流動性改良剤の物性は当然であるが、ハンドリング・コ
スト・排水等によって生じる環境への負荷等を考慮の上
で選択されるが、脂肪酸の金属塩を表面処理剤に用いて
湿式法で表面処理する方法が好ましく用いられる。
【0038】本発明の第二は、本発明の第一で得られた
流動性改良剤を用いた現像剤に関する。本発明で得られ
た流動性改良剤は、現像剤の環境安定性を改善し、良好
な流動性と現像・転写性能を現像剤に付与する。中でも
乾式現像剤に特に有効であり、一成分系・二成分系の何
れにも効能を発揮する。本発明の現像剤は、結着樹脂・
着色剤・帯電制御剤・離型剤・表面処理剤(一成分系の
場合は磁性体微粒子が加わる場合もある)等で構成され
るトナー材料を、熱ロール・ニーダー・エクストルーダ
ー等の熱混練機で混練した後に、機械的な粉砕・分級を
重ねる粉砕トナー、あるいは、結着樹脂溶液中に各種構
成材料を分散し噴霧乾燥する懸濁重合トナー、あるい
は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定の構成材料を混
合した後に、得られた乳化懸濁液を重合する乳化重合ト
ナー、あるいは、結着樹脂のモノマーと重合開始剤を、
分散剤を含む非水系の分散媒に溶解させ、重合と共に粒
子を析出させる析出重合トナーの何れを原料としても良
いが、得られるトナーの粒度分布・平均粒径の点で、現
在の技術では粉砕トナーが好ましい。なお、二成分系の
現像剤を得る場合は、本発明の流動性改良剤を添加・混
合して得られたトナーにキャリアーを添加し、ユニバー
サルミキサー等の混合機を用いて作成する。
【0039】本発明に使用されるトナーは、平均粒径が
5〜10μmで、粒度分布が可能な限りシャープであるこ
とが望ましい。その理由としては、5μm程度のトナー
粒子のみが、感光体上に形成された潜像を忠実に再現す
ることが可能であり、網点やデジタル画像の様な微小な
ドット潜像の再現性に優れ、特にハイライト部の階調性
及び解像性の優れた画像を与えることが挙げられる。更
に、コピーまたはプリントアウトを連続した場合でも高
画質を保持し、高濃度の画像の場合でも従来より少ない
トナー消費量で良好な現像が可能であり、経済性と複写
機またはプリンターの小型化に寄与することが可能であ
る。しかし、例えば平均粒径が3μm程度の5μm未満
のトナー粒子は、帯電量のコントロールが困難で、トナ
ーとしての流動性も損ないやすく、更にトナー飛散を起
こして装置本体を汚す原因になりやすく、加えて画像の
カブリを生じる成分になりやすく好ましくない。また、
平均粒径が10μmを超えるトナーは、網点やデジタル画
像の様な微小なドット潜像の再現性に劣り、特にハイラ
イト部の階調性及び解像性の優れた画像を与えることが
困難であることが挙げられる。
【0040】本発明の流動性改良剤の添加量は、現像剤
中の割合が通常0.01≦X≦5(重量%)、好ましくは0.
05≦X≦2(重量%)の範囲である。添加量Xが0.01重
量%未満の場合、流動性改良剤の効能が発揮されず、現
像剤自体に有効な流動性を付与できず、更に環境安定性
もなく好ましくない。一方、添加量Xが5重量%を超え
ると、現像剤が本来要求される現像・転写性が低下し、
要求される高レベルの画像が得られなくなり好ましくな
い。
【0041】なお、本発明の流動性改良剤は、現在使用
されている疎水性シリカ・アルミナ・酸化チタン・酸化
セリウム・酸化ジルコニウム・窒化硼素・炭化珪素等の
無機微粉末や、脂肪酸金属塩・ポリフッ化ビニリデン・
ポリエチレン等の微粉末を、本発明の効能に悪影響を与
えない範囲で共用しても差し支えない。
【0042】本発明の第一の流動性改良剤が現像剤の流
動性改良に上述の如き効果をもたらす理由は、必ずしも
明らかでない。しかし、特定の形状・Ca/P比、粒度分
布・平均粒径・細孔径・比表面積を持つ燐酸カルシウム
系化合物粒子に、脂肪酸・脂環族カルボン酸・芳香族カ
ルボン酸、それらのスルホン酸、樹脂酸ならびにそれら
の金属塩・アンモニウム塩・エステル、カップリング
剤、シリコーンオイル、パラフィンより選択された少な
くとも1種の表面処理剤で表面処理することにより、特
異な帯電性能を表面処理燐酸カルシウム系化合物粒子へ
付与することが可能となり、更に該表面処理燐酸カルシ
ウム系化合物粒子を流動性改良剤として現像剤に配合す
ることにより、これまで帯電量のコントロールが困難で
あった5μm程度のトナー粒子の帯電量のコントロール
が可能になり、その結果、現像剤の流動性が改善され、
カブリのない優れた画像が得られるものと思われる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらになんら限定される
ものではない。本発明の流動性改良剤及びそれを含有し
た現像剤の実施例、比較例を以下に示す。
【0044】<燐酸カルシウム粒子(種粒子)の作成>
本発明の流動性改良剤を構成する燐酸カルシウム粒子の
作成を目的に、基材となる燐酸カルシウム粒子を国際公
開番号WO97/03119 号及びWO98/29490 号記載の方法に
従い、炭酸カルシウムの水懸濁液とリン酸の希釈水溶液
を表1記載の処方・方法で混合・熟成等を行い、燐酸カ
ルシウムの水懸濁液P1〜P7を作成した。また、市販
のヒドロキシアパタイト(商品名:燐酸三カルシウム;
米山化学工業(株)製)の水懸濁液をP8とした。該燐
酸カルシウム粒子の水懸濁液P1〜P8の物性を表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜11、14、15、比較例1〜
6 国際公開番号 WO 00/50510号公報に記載の方法に従い、
P1〜P4の水懸濁液の何れかを原料として用い、表2
記載の炭酸カルシウム水懸濁液、及び水溶性リン酸塩を
別々に滴下混合し、表2に記載の熟成を行い、P1〜P
4の燐酸カルシウム粒子(種粒子)に反応生成物である
燐酸カルシウムを担持させた。その後、該懸濁液に表2
記載の処方で水溶性表面処理剤、ないし界面活性剤によ
り乳化した表面処理剤で湿式表面処理を行い、脱水・水
洗後、700 ℃以下の乾燥雰囲気下で乾燥し、解砕仕上げ
を行い流動性改良剤である燐酸カルシウムの乾粉を得
た。得られた表面処理燐酸カルシウムの物性を表2に示
す。
【0047】実施例12 表面処理剤に非水溶性表面処理剤であるステアリン酸を
選択し、脱水・水洗・乾燥後に燐酸カルシウムに対して
28重量%の添加量で乾式表面処理を行う以外は、実施例
2と同じ処方で流動性改良剤である表面処理燐酸カルシ
ウムの乾粉を得た。得られた表面処理燐酸カルシウムの
物性を表2に示す。
【0048】実施例13 水懸濁液P4に、ラウリン酸カリウムを表面処理剤とし
て選択し、燐酸カルシウムに対して2重量%の添加量で
湿式表面処理を行い、脱水・水洗後、700 ℃以下の乾燥
雰囲気下で乾燥し、解砕仕上げを行い流動性改良剤であ
る燐酸カルシウムの乾粉を得た。得られた表面処理燐酸
カルシウムの物性を表2に示す。
【0049】比較例7 市販のヒドロキシアパタイト(商品名:燐酸三カルシウ
ム;米山化学工業製)を表2記載の処方で湿式表面処理
を行い、脱水・水洗後、700 ℃以下の乾燥雰囲気下で乾
燥し、解砕仕上げを行い流動性改良剤である燐酸カルシ
ウムの乾粉を得た。得られた表面処理燐酸カルシウムの
物性を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表2】つづき1
【0052】実施例16〜30、比較例8〜14 下記処方の原料をヘンシェルミキサーで予備混合後、12
0 ℃に設定した二軸混練機で溶融混練し、ジェット粉砕
・気流分級で平均粒径5.2 μmのトナー粒子を得た。次
に、得られたトナー粒子に実施例1 〜15、比較例1 〜7
で得た流動性改良剤を目的とする現像剤中の割合が1.55
重量%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合
して負帯電性磁性現像剤を得た。
【0053】 (原料ならびに組成) スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂 100重量部 (商品名:P-511 積水化学工業(株)製) 磁性粉 70重量部 (飽和磁化66 emu/g (1 kOe)チタン工業(株)製) クロム合金染料 2重量部 (商品名:ボントロンS34 オリエント化学工業(株)製) 天然ガス系フィッシャートロプワックス 5重量部 (商品名:FT-100 シェルMSD 製)
【0054】比較例15 乾式法で作成したBET比表面積が約140 m2/gの親水性
シリカにシリコンオイル処理を行い、気流式粉砕機で解
砕・回収を繰り返して体積基準粒径で5.04μm以下の粒
子の割合が67.2体積%、同20.2μm以下の粒子の割合が
95.1体積%の疎水性シリカを得た。該疎水性シリカを流
動性改良剤として実施例1 〜15、比較例1 〜7 で得た流
動性改良剤と同様に、現像剤中の割合が1.55重量%とな
るように添加し、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電
性磁性現像剤を得た。
【0055】上記の実施例16〜30、比較例8 〜15で得ら
れた磁性現像剤を負帯電磁性一成分トナーとして使用
し、耐電装置・有機感光体・ウレタンゴムによるブレー
ドクリーニング方式を有する、電子写真方式で画像を出
力する普通紙を用いたプロセス70mm/sのファクシミリ装
置(市販のPPF)を用いて、以下の印字・耐刷テスト
を行った。結果を表3 に示す。
【0056】(1)画像濃度 N/N環境下(20 ℃・50%RH) 、H/H環境下(35 ℃・
80%RH)、およびL/L環境下(10 ℃・20%RH)で印刷
を2000枚行い、印刷1枚目と2000枚目の定着画像の画像
濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD-914、A divisi
on KollmorgenCorp. 製)で測定した。また、非画像部
のかぶりを白色度計(商品名:ハンター白色度計、日本
電色工業社製)で測定した。
【0057】(2)フィルミングならびに定着画像の評
価 各条件での感光体の状態を目視確認し、フィルミングの
発生の有無を確認した。同時に定着画像の状態を目視確
認し、画像黒部の白抜けの発生を確認した。
【0058】
【表3】
【0059】
【表3】つづき1
【0060】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明のトナー用流動性
改良剤は、現像剤に配合することにより、現像剤の流動
性が改善され、カブリのない優れた画像を得ることがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 柴田 洋志 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カ ルシウム株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA12 CA14 CA25 CA26 CB08 EA05 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 花弁状多孔質構造を有し、Ca/P の原子
    比が1.67以上16.7以下の燐酸カルシウム系化合物からな
    り、下記の式(a)〜(e)を満足する粒子に、脂肪酸
    ・脂環族カルボン酸・芳香族カルボン酸、それらのスル
    ホン酸、樹脂酸ならびにそれらの金属塩・アンモニウム
    塩・エステル、カップリング剤、シリコーンオイル、パ
    ラフィンより選択された少なくとも1種の表面処理剤で
    表面処理したことを特徴とするトナー用流動性改良剤。 (a)0.1 ≦dx1≦5(μm) (b)1≦α≦5 但し α=d50/dx1 (c)0≦β≦2 但し β=(d90−d10)/d50 (d)0.01≦dx2≦1(μm) (e)15≦Sw≦200 (m2 /g) 但し、 dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子
    径(μm)。 α :分散係数 d50 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
    により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。 β :シャープネス。 d90 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
    により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μ
    m)。 d10 :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
    により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μ
    m)。 dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布から求めた
    平均細孔径(μm) Sw :窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)
  2. 【請求項2】 表面処理剤の表面処理剤量Zが、下記式
    (f)を満足することを特徴とする流動性改良剤。 (f)1≦Z≦50(重量%)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の流動性改良剤を用
    いたことを特徴とする現像剤。
  4. 【請求項4】 流動性改良剤の量が0.01〜5重量%
    であることを特徴とする請求項3記載の現像剤。
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