JP2004109281A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面、又は、トナー粒子の表面に無機質微粒子の付着により形成された被覆層に、平均粒径0.、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなる静電荷像現像用トナー、及び、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し、攪拌、混合した後、平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子を添加し、攪拌、混合する静電荷像現像用トナーの製造方法。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関し、更に詳しくは、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置における現像装置に用いられ、長時間の現像処理においても、現像ローラ等現像装置からの脱落、漏れをなくし、画像形成装置内の汚染を抑制できると共に、画像濃度ムラのない高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による可視画像の形成は、先ず感光体ドラム上に静電潜像を形成させ、次いでこれをトナーにより現像した後、転写紙等に転写させ、熱等により定着させて可視画像を形成させることによりなされ、その際の静電荷像現像用トナーとしては、結着樹脂及び着色剤に、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次いで粉砕、分級する、いわゆる溶融混練粉砕法により得られたトナー粒子を、流動性等の各種性能を付与することを目的として、例えばシリカ等の微粒子で外添処理し、その表面にシリカ等の微粒子を付着させた形態で用いられいる。
【0003】
ところが、一般に複写機やプリンター等が具備すべき性能として、高画質化があり、それを達成するためには、前記トナー粒子として平均粒径が3〜8μm程度と小さく、且つ粒度分布が狭いことが必要であるとされているのに対して、前記溶融混練粉砕法においては、粉砕によりトナー粒子の粒径を制御することが難しく、平均粒径が3〜8μmの範囲の粒径の小さいトナー粒子を得んとすると、必然的に所望粒径以下の微粉が多量に副生され、これを分級工程で分別することは困難であるという問題点があった。
【0004】
溶融混練粉砕法の上記問題点を改善する方法として、水系媒体中に重合性単量体、重合開始剤、及び着色剤等を懸濁分散させた後に重合させてトナー粒子を製造する懸濁重合法、及び、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化させ、攪拌下に重合性単量体を重合させて得られた重合体一次粒子エマルジョンに、着色剤並びに適宜に帯電制御剤等を添加し前記重合体一次粒子を凝集させて得られた凝集粒子を、さらに熟成させてトナー粒子を製造する乳化重合凝集法等が提案されている。これらの重合法と呼ばれる製造方法においては、粒径の制御が容易であるので、小粒径で粒度分布が狭く、高画質性に優れたトナー粒子を得ることができ、又、粉砕工程がないので、結着樹脂として低軟化点の重合体を使用することができ、低温定着性も改善することができる。
【0005】
一方、近年におけるこれらの画像形成装置の普及に伴い、画像品質への要求も益々高度化しており、それに応えるべく、例えば、現像性に優れ、画像を多数枚出力しても高解像度の画像を維持しうる耐久性に優れたトナーを提供すること等を目的として、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に、リン酸三カルシウム等のリン酸系無機化合物微粒子を外添処理した静電荷像現像用トナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−206731号公報。
【0007】
ところが、本発明者の検討によると、そこに開示される静電荷像現像用トナーは、トナーとしての各種性能を一応満足するものの、現像装置における現像ローラ上に供給されたトナーが帯電不足であるとローラの回動と共に脱落し易く、画像形成装置内を汚染すると共に、画像濃度ムラ等の画像欠陥が生じるという問題を内在し、特に、その問題は、現像ローラと一体化したトナーカートリッジとして、現像ローラ上に供給されたトナーを層厚規制ブレードによってトナー層厚を規制すると共に、硬質素材で構成された現像ローラ及び該ローラ上に供給されたトナーを軟質素材で構成されたブレードと接触させてトナーを帯電させる、いわゆるコンタクトブレード方式で用いた場合に、現像装置からのトナー漏れとして顕著に顕れることが判明した。
【0008】
これに対して、本発明者は、これらの内在する問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の外添剤の組合せによって外添処理されたトナーが、前記問題を解決できることを見出し、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径0.01〜2μmの樹脂微粒子が付着してなる静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を発明し、本願出願人により先に特許出願した(特願2002−138829号)が、本発明者は、引き続いて、このリン酸カルシウム系化合物微粒子と樹脂微粒子の併用系につき検討を重ねた結果、長時間の現像処理において、往々にして前記問題を解決し得ない場合があることが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、長時間の現像処理においても、現像ローラ等現像装置からの脱落、漏れをなくし、画像形成装置内の汚染を抑制できると共に、画像濃度ムラのない高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、リン酸カルシウム系化合物微粒子と特定の樹脂微粒子との組合せによって外添処理されたトナーが、前記目的を達成できることを見出し本発明を完成したもので、即ち、本発明の要旨は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなる静電荷像現像用トナー、及び、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、シリカ、チタニア、及びアルミナからなる群より選択されたいずれかの無機質微粒子の付着による被覆層が形成され、その被覆層に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなる静電荷像現像用トナー、に存する。
【0011】
又、本発明の要旨は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し、攪拌、混合した後、平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子を添加し、攪拌、混合する静電荷像現像用トナーの製造方法、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明におけるトナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するものであるが、その結着樹脂としては、トナー粒子として有用な粒子が得られる限り特に限定されるものではなく、従来公知の、例えば、スチレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。)、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルピロリドン等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、及び、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられるが、これらの中で、本発明においては、スチレン系単量体の単独重合体、又はスチレン系単量体同士、スチレン系単量体と他単量体との共重合体等のスチレン系樹脂、及び、アクリル系単量体の単独重合体、又はアクリル系単量体同士、アクリル系単量体と他単量体との共重合体等のアクリル系樹脂が好ましい。
【0013】
その好ましいとするスチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換アルキルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換スチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等が挙げられ、又、アクリル系樹脂を構成するアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸の、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数3〜8のアルキルエステル等の単官能(メタ)アクリレート類、及び、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、等が挙げられる。
【0014】
又、本発明における結着樹脂としては、カルボキシル基、ホルミル基、スルホン基、リン酸基等の酸性、アミノ基等の塩基性、ヒドロキシル基、アミド基、シアノ基等の中性のいずれかの極性基を有するものであるのが好ましく、その点から、前記スチレン系樹脂としては前記スチレン系単量体に加えて、又、前記アクリル系樹脂としては前記アクリル系単量体に加えて、更に、例えば、カルボキシル基を有する単量体として、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、けい皮酸等のカルボン酸類、ホルミル基を有する単量体として、ぎ酸ビニル等の他単量体類、スルホン基を有する単量体として、スルホン化エチレン或いはそのナトリウム塩、アリルスルホこはく酸等の他単量体類、リン酸基を有する単量体として、リン酸ビニル等の他単量体類、アミノ基を有する単量体として、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル或いはその4級アンモニウム塩、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル或いはその4級アンモニウム塩等のアクリル系単量体類、及び、N,N−ジアリルメチルアミン、N,N−ジアリルエチルアミン、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド等の他単量体類、ヒドロキシル基を有する単量体として、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル系単量体類、アミド基を有する単量体として、(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド等のアクリル系単量体類、シアノ基を有する単量体として、(メタ)アクリロニトリル等のアクリル系単量体類、等が共重合されているのが好ましく、これらの極性基を有する単量体の共重合割合は、前記スチレン系樹脂、又はアクリル系樹脂中、10〜40モル%であるのが好ましい。
【0015】
又、その着色剤としても、特に限定されるものではなく、この種トナーの着色剤として一般に用いられている各種の無機系及び有機系の染顔料等が用いられ、具体的には、例えば、鉄粉、銅粉等の金属粉系、マグネタイト、フェライト、ベンガラ等の金属酸化物系、ファーネスブラック、ランプブラック等のカーボンブラックに代表されるカーボン系、等の無機系顔料、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ等のアゾ系、キノリンイエロー、アシッドグリーン、アルカリブルー等の染料の沈殿剤による沈殿物やローダミン、マゼンタ、マカライトグリーン等の染料のタンニン酸、リンモリブデン酸等による沈殿物等の酸性染料系や塩基性染料系、ヒドロキシアントラキノン類の金属塩等の媒染染料系、フタロシアニンブルー、スルホン酸銅フタロシアニン等のフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット等のキナクリドン系やジオキサン系、等の有機系顔料、アニリン黒、アゾ染料、ナフトキノン染料、インジゴ染料、ニグロシン染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、ジ及びトリアリルメタン染料、等の合成染料、等が挙げられる。
【0016】
又、着色剤が磁性を有していてもよく、その磁性着色剤としては、複写機等の使用環境温度である0〜60℃付近において、フェリ磁性或いはフェロ磁性を示す強磁性物質、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe3 O4 )、マグヘマタイト(γ−Fe2 O3 )、マグネタイトとマグヘマタイトの中間体、フェライト(Mx Fe3−x O4 ;式中、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd等)等のスピネルフェライト、BaO・6Fe2 O3 、SrO・6Fe2 O3 等の6方晶フェライト、Y3 Fe5 O12、Sm3 Fe5 O12等のガーネット型酸化物、CrO2 等のルチル型酸化物、及び、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属或いはそれらの強磁性合金等のうち、0〜60℃付近においてフェリ磁性或いはフェロ磁性を示すものが挙げられ、中で、マグネタイト、マグヘマタイト、又はマグネタイトとマグヘマタイトの中間体が好ましい。
【0017】
尚、トナー粒子における前記着色剤の含有割合は、前記結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部であるのが好ましく、2〜15重量部であるのが更に好ましい。
【0018】
又、本発明におけるトナー粒子は、帯電制御剤を含有しているのが好ましく、その帯電制御剤としても、従来公知の、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン系樹脂等の正荷電性帯電制御剤、又は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩や金属錯体、ベンジル酸の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等の負荷電性帯電制御剤等が挙げられる。
【0019】
尚、トナー粒子における前記帯電制御剤の含有割合は、前記結着樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましく、0.1〜5重量部であるのが更に好ましい。
【0020】
又、本発明において、トナー粒子は、更に、転写材への定着時の離型性等の改良のために離型剤を含有しているのが好ましく、その離型剤としては、従来公知の、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ワックス、低分子量ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系ワックス、パラフィン系ワックス、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ヒマシ油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、ペンタエリスリトール等と長鎖脂肪酸との(部分)エステル体、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等のワックス類が挙げられる。尚、本発明におけるこれらの離型剤としては、融点が50〜100℃であるのが好ましい。
【0021】
又、トナー粒子における前記離型剤の含有割合は、前記結着樹脂100重量部に対して0.1〜25重量部であるのが好ましく、5〜15重量部であるのが更に好ましい。
【0022】
更に、本発明において、トナー粒子としては、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために公知の各種内添剤、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス等を含有していてもよい。
【0023】
本発明における前記トナー粒子の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、前記結着樹脂、前記着色剤、並びに、前記帯電制御剤、前記離型剤等を、例えば、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により均一に混合した後、一軸又は二軸以上の押出機等の混練機により溶融混練してトナー粒子用樹脂組成物となし、該樹脂組成物を、例えば、ジョークラッシャー、ジャイレートリークラッシャー、ロールミル、ハンマーミル、フェザーミル等により粗粉砕或いは更に中粉砕して、平均粒径を通常約50〜3,000μm、好ましくは約50〜500μm程度の粗粒子とした後、該粗粒子を、例えば、ロールミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル等により数10μm以下程度の粉体に微粉砕し、得られた粉体を、例えば、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式のミクロプレックス、DSセパレータ等の分級機により分級して規定粒度のトナーとした後、必要に応じてメカノフュージョン法やサーフュージョン法等の球形化手段を施す溶融混練粉砕法、或いは、前記結着樹脂成分を構成する重合性単量体を、前記着色剤、並びに、前記帯電制御剤、前記離型剤等の存在下に懸濁重合させる懸濁重合法、前記結着樹脂成分を構成する重合性単量体を乳化重合させた重合体一次粒子のエマルジョンを、前記着色剤、並びに、前記帯電制御剤、前記離型剤等の存在下に攪拌、混合して、その一次粒子を凝集体となし、更に加熱して凝集体中の一次粒子同士を融着させて熟成させる乳化重合凝集法等を挙げることができる。
【0024】
これらの中で、本発明におけるトナー粒子の製造方法としては、懸濁重合法、及び乳化重合凝集法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。その懸濁重合法は、水系媒体中に重合性単量体、重合開始剤、及び着色剤等を、ディスパーザー等の分散機を用いて適当な粒径に懸濁分散させた後、該重合性単量体を重合させてトナー粒子を製造する。
【0025】
その懸濁重合法における重合性単量体としては、例えば、前記結着樹脂において好適なものとしたスチレン系樹脂やアクリル系樹脂を構成する重合性単量体として挙げた前記スチレン系単量体、前記アクリル系単量体、及び前記他単量体等の一種或いは二種以上が用いられ、又、重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類、及びレドックス系開始剤等の一種或いは二種以上が、通常、重合性単量体100重量部に対して0.1〜3重量部の量で用いられる。中で、重合開始剤としては、アゾ系化合物類が好ましい。又、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の一種或いは二種以上の懸濁安定剤を、重合性単量体100重量部に対して通常1〜10重量部の量で用いるのが好ましい。
【0026】
又、その乳化重合凝集法は、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化させ、攪拌下に重合性単量体を重合させて、先ず、重合体一次粒子エマルジョンを製造し、次いで、得られた重合体一次粒子エマルジョンに、着色剤並びに適宜に帯電制御剤等を添加し前記重合体一次粒子を凝集させて一次粒子の凝集体となし、更に加熱して凝集体中の一次粒子同士を融着させ熟成させてトナー粒子を製造する。
【0027】
その乳化重合凝集法における重合性単量体としても、例えば、前記結着樹脂において好適なものとしたスチレン系樹脂やアクリル系樹脂を構成する重合性単量体として挙げた前記スチレン系単量体、前記アクリル系単量体、及び前記他単量体等の一種或いは二種以上が用いられ、又、重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類、過酸化水素等の無機過酸化物類等の一種或いは二種以上が、通常、重合性単量体100重量部に対して0.05〜2重量部の量で用いられる。中で、重合開始剤としては、無機過酸化物類が好ましい。又、これらの重合開始剤に、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸等の還元性有機化合物類、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物類等の還元剤の一種或いは二種以上を併用したレドックス系開始剤とすることもできる。
【0028】
又、乳化剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性の界面活性剤のいずれでもよい。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル類等が、又、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類等が、又、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類等が、又、両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン類等が挙げられ、これらの一種或いは二種以上が用いられる。これらの中で、非イオン性界面活性剤、及びアニオン系界面活性剤が好ましい。乳化剤としての使用量は、通常、重合性単量体100重量部に対して1〜10重量部とされ、又、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
【0029】
尚、乳化重合における前記反応性単量体の反応系への添加は、一括添加、或いは連続添加若しくは間欠添加のいずれであってもよいが、反応制御の点からは連続添加によるのが好ましい。又、前記乳化剤の反応系への添加についても、一括添加、或いは連続添加若しくは間欠添加のいずれであってもよいが、連続若しくは間欠添加によるのが好ましい。又、反応系には、前記乳化剤、前記重合開始剤の他に、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
【0030】
乳化重合凝集法によるトナー粒子の製造は、前記で得られた重合体の一次粒子のエマルジョンに、前記着色剤、必要に応じて更に、前記帯電制御剤、前記離型剤等の他添加剤を添加し、次いで、ディスパーザー、ミキサー等で攪拌、混合しつつ、例えば、加熱、pH調整、塩添加、或いは硬化剤添加等、エマルジョンとしての重合体一次粒子の安定性を低下させ、一次粒子同士を強制的に凝集させる処理を施し、重合体一次粒子を凝集させて凝集体となし、引き続いて、加熱処理により、凝集体における一次粒子同士を融着させ熟成させて安定化する。
【0031】
凝集体における一次粒子同士を融着させて安定化するにおける加熱温度は、得られた重合体のガラス転移温度以上、ガラス転移温度より80℃高い温度以下の範囲とするのが好ましく、ガラス転移温度より5℃高い温度以上、ガラス転移温度より50℃高い温度以下の範囲とするのが更に好ましい。又、加熱時間は1〜6時間とするのが好ましい。この加熱処理により、凝集体における一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。得られるトナー粒子の平均粒径は3〜15μmの範囲であるのが好ましい。
【0032】
尚、以上の乳化重合凝集法においては、前記離型剤としてのワックス類の微粒子を、前記重合性単量体の乳化重合におけるシードとして用いてシード重合して、前記離型剤を含有するトナー粒子を製造することもできる。
【0033】
又、以上の乳化重合凝集法により得られた凝集・熟成体としてのトナー粒子の表面に、例えば、スプレードライ法、in−situ法、或いは液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分とする外層を、好ましくは0.01〜0.5μmの厚みで形成させることによって、カブセル化トナー粒子とすることもできる。
【0034】
そのスプレードライ法においては、例えば、前記で得られた凝集・熟成体としての重合体粒子のエマルルジョンに、外層形成用の重合体微粒子エマルジョンを加えて両者を混合し、そのエマルジョン混合液をスプレー噴出し、乾燥させることによって、又、in−situ法においては、例えば、前記で得られた凝集・熟成体としての重合体粒子のエマルルジョンに、外層形成用の重合体を構成する重合性単量体及び重合開始剤を添加して、凝集・熟成体粒子表面に吸着させ、加熱して重合性単量体を重合させることによって、又、液中粒子被覆法においては、例えば、前記で得られた凝集・熟成体としての重合体粒子のエマルルジョンに、外層形成用の重合体微粒子エマルジョンを加えて両者を攪拌、混合して、反応或いは結合させることによって、それぞれ、凝集・熟成体としてのトナー粒子の表面に、重合体を主成分とする外層を形成させることができる。その際、外層を形成する重合体微粒子は、前記と同様の乳化重合凝集法で製造されたものであるのが好ましい。
【0035】
又、これらのカプセル化トナー粒子における前記外層重合体のガラス転移温度は、70〜110℃であるのが好ましく、又、前記凝集・熟成体粒子を構成する重合体のガラス転移温度より高いのが好ましい。
【0036】
以上の溶融混練粉砕法、或いは懸濁重合法、或いは乳化重合凝集法等で得られる本発明におけるトナー粒子は、下記式により求められる形状係数の平均値が110〜170のものであるのが好ましく、120〜150であるのが更に好ましく、130〜145であるのが特に好ましい。
形状係数=[{(粒子の最大長さ)2 ×π}/{4×(粒子の投影面積)}]×100
【0037】
尚、前記トナー粒子は、静電荷像現像用トナーとして用いられる際の流動性を付与すること等を目的として、通常、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物・水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物等の無機質微粒子を外添剤として添加し、例えばヘンシェルミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合し、トナー粒子の表面にこれら微粒子を付着させて被覆層を形成せることにより用いられる。その際の無機質微粒子としては、シリカ、チタニア、或いはアルミナが好ましく、又、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものが好ましい。
【0038】
又、前記無機質微粒子は、平均粒径が0.007〜0.05μmのものであるのが好ましく、又、トナー粒子表面における付着量は、トナー粒子100重量部に対して0.5〜7.0重量部とするのが好ましく、1.0〜5.0重量部とするのが好ましい。
【0039】
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記トナー粒子の表面、又は、前記トナー粒子の表面に前記無機質微粒子の付着により形成された被覆層に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなるものである。
【0040】
ここで、本発明で用いられるリン酸カルシウム系化合物微粒子におけるリン酸カルシウム系化合物としては、いわゆるリン酸三カルシウムの外、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、及び、リン酸イオンの一部が水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン等の陰イオンによって置換された置換リン酸カルシウム等も対象とし得る。これらの中で、本発明においては、リン酸三カルシウムが好ましい。
【0041】
又、前記リン酸カルシウム系化合物の微粒子は、平均粒径が0.3〜3.0μmである必要があり、0.4〜2.0μmであるのが好ましい。平均粒径が前記範囲未満では、静電荷像現像用トナーとして用いたときに、得られる画像にカブリ等が発生し易いこととなり、一方、前記範囲超過では、リン酸カルシウム系化合物微粒子を核としたトナー凝集物が生じ、その凝集物が帯電ブレードにつまって得られる画像にスジ等が発生し易いこととなる。尚、これらのリン酸カルシウム系化合物微粒子は、得られる効果を安定化させるために、その表面を脂肪酸等で疎水化処理されたものであるのが好ましい。
【0042】
又、本発明で用いられるメラミン系樹脂微粒子におけるメラミン系樹脂としては、いわゆるメラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂の外、メラミンを主成分とする限り、メラミン・ユリア・ホルムアルデヒド共縮合樹脂、メラミン・ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド共縮合樹脂等も対象とし得る。これらの中で、本発明においては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂が好ましい。
【0043】
又、前記メラミン系樹脂の微粒子は、平均粒径が1.0μm以下である必要があり、0.01〜1.0μmであるのが好ましく、0.05〜0.7μmであるのが更に好ましく、0.1〜0.5μmであるのが特に好ましい。平均粒径が前記範囲超過では、静電荷像現像用トナーとして用いたときに、メラミン系樹脂微粒子を核としたトナー凝集物が生じ、その凝集物が帯電ブレードにつまって得られる画像にスジ等が発生し易いこととなり、一方、前記範囲未満では、トナーとしての帯電量が不足する傾向となる。尚、これらのメラミン系樹脂微粒子は、得られる効果を安定化させるために、その表面をシリコーンオイル、変性シリコールオイル、シランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等で疎水化処理されたものであるのが好ましい。
【0044】
尚、本発明の静電荷像現像用トナーにおける前記トナー粒子表面、又は、前記トナー粒子表面の前記無機質微粒子の被覆層に、付着する前記リン酸カルシウム系化合物微粒子の量は、トナー粒子100重量部に対して0.01〜2.0重量部であるのが好ましく、又、付着する前記メラミン系樹脂微粒子の量は、トナー粒子100重量部に対して0.01〜1.0重量部であるのが好ましい。
【0045】
前記トナー粒子表面、又は、前記トナー粒子表面の前記無機質微粒子の被覆層の前記リン酸カルシウム系化合物微粒子の付着量が前記範囲未満では、静電荷像現像用トナーとして用いたときに、長時間の現像処理において、現像ローラ等現像装置からの脱落、漏れが発生し、画像形成装置内の汚染、及び、得られる画像に濃度ムラ等が生じることとなり、一方、前記範囲超過では、高画質の画像を得ることが困難となる。又、前記メラミン系樹脂微粒子の付着量が前記範囲未満でも、静電荷像現像用トナーとして用いたときに、長時間の現像処理において、現像ローラ等現像装置からの脱落、漏れが発生し、画像形成装置内の汚染、及び、得られる画像に濃度ムラ等が生じることとなり、一方、前記範囲超過では、高画質の画像を得ることが困難となる。
【0046】
尚、本発明の静電荷像現像用トナーにおける前記トナー粒子表面、又は、前記トナー粒子表面の前記無機質微粒子の被覆層における、前記リン酸カルシウム系化合物微粒子の付着量と、前記メラミン系樹脂微粒子の付着量とは、本発明の効果を安定して発現させるためには、前者付着量(A)に対する後者付着量(B)の比(B/A)として、0.05〜10の範囲にあるのが好ましく、0.1〜5であるのが更に好ましく、0.2〜0.9であるのが特に好ましい。
【0047】
本発明において、前記トナー粒子の表面、又は、前記トナー粒子の表面の前記無機質微粒子の被覆層に、前記リン酸カルシウム系化合物微粒子及び前記メラミン系樹脂微粒子を付着させるには、前記トナー粒子、又は、表面に前記無機質微粒子の被覆層が形成されたトナー粒子に、前記リン酸カルシウム系化合物及び前記メラミン系樹脂微粒子を外添剤として添加し、例えばヘンシェルミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合することによりなされる。その際、本発明の効果を安定して発現させるためには、リン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し、攪拌、混合した後、メラミン系樹脂微粒子を添加し、攪拌、混合するのが好ましい。
【0048】
尚、本発明の静電荷像現像用トナーとしては、トナーを磁力により静電潜像部に搬送するためのキャリアとしてのフェライト、マグネタイト等の磁性粉を共存させる磁性二成分用、又は、それらの磁性粉をトナー中に含有させた磁性一成分用、或いは、トナーに磁性粉を用いない非磁性一成分用のいずれでもよいが、非磁性一成分用であるのが好ましい。尚、キャリアとしての磁性粉は、例えばポリ弗化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素樹脂等で表面処理されたものが好ましい。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例で用いたリン酸カルシウム微粒子及び樹脂微粒子を以下に示す。
【0050】
<リン酸カルシウム微粒子>
(1)表面を疎水化処理した平均粒径0.5μmのリン酸三カルシウム。
<樹脂微粒子>
(1)平均粒径0.2μmのメラミン樹脂微粒子(日本触媒社製「エポスターS」)
(2)平均粒径0.4μmのメラミン樹脂微粒子(日本触媒社製「エポスターS6」)
(3)平均粒径1.5μmのメラミン樹脂微粒子(日本触媒社製「エポスターS12」)
(4)平均粒径0.15μmのポリメチルメタクリレート樹脂微粒子(綜研化学社製「MP1451」)
(5)平均粒径0.08μmのアクリル系樹脂微粒子(日本ペイント社製「FS−101」)
(6)平均粒径0.07μmのスチレン−アクリル系樹脂微粒子(日本ペイント社製「FS−401」)
(7)平均粒径0.08μmのスチレン−アクリル系樹脂微粒子(日本ペイント社製「FS−102」)
(8)平均粒径0.1μmのフッ素系アクリル系樹脂微粒子(日本ペイント社製「FS−701」)
【0051】
実施例1
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・添加剤仕込み装置を備えた反応器に、以下のワックスエマルジョン、及び脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
ベヘン酸ベヘニルエマルジョン(平均粒径0.4μm) 21.3重量部(固形分として)
脱イオン水(ワックスエマルジョン中の水分を含む) 404.9重量部
【0052】
次いで、以下の重合性単量体、乳化剤水溶液、及び重合開始剤等を加え、5時間かけて、前記エステルワックス微粒子をシードとして乳化共重合させ、冷却することにより、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸系共重合体の一次粒子エマルジョンを得た。得られた重合体は、重量平均分子量150,000、ガラス転移温度65℃で、その一次粒子の平均粒径は、0.26μmであった。
スチレン 64 重量部
アクリル酸ブチル 36 重量部
アクリル酸 3 重量部
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1 重量部
トリクロロブロモメタン(連鎖移動剤) 1.3重量部
乳化剤水溶液 12 重量部
2%過酸化水素水溶液 43 重量部
2%アスコルビン酸水溶液 43 重量部
【0053】
次いで、前記で得られた重合体一次粒子エマルジョンに以下の着色剤を加え、ディスパーザーで分散攪拌しながら、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.5重量部)を滴下し、攪拌下に30分かけて50℃に昇温して1時間保持し、更に、攪拌下に52℃に昇温し、一次粒子凝集体としての平均粒径が7.1μmとなった時点で、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(固形分として3重量部)を添加し、攪拌下に50分かけて97℃に昇温して1.5時間保持し、冷却、濾過、水洗、乾燥することにより、一次粒子凝集・熟成体としてのトナー粒子を得た。
重合体一次粒子エマルジョン 100 重量部(固形分として)
フタロシアニンブルー水分散液 5.8重量部(固形分として)
【0054】
得られたトナー粒子について、以下に示す方法により形状係数を測定したところ、136であった。
<形状係数>
トナー粒子の電子顕微鏡写真から、トナー粒子219個について最大長さ及び粒子の投影面積を画像解析装置(ニコレ社製「Luzex−F」を用いて解析することにより、各トナー粒子について下記式により形状係数を求め、その平均値として求めた。
形状係数=[{(粒子の最大長さ)2 ×π}/{4×(粒子の投影面積)}]×100
【0055】
更に、得られたトナー粒子100重量部に対して、表面を疎水化処理した平均粒径0.03μmのシリカ微粒子1.5重量部と、表面を疎水化処理した平均粒径0.007μmのシリカ微粒子1.2重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌、混合することにより、トナー粒子表面にシリカ微粒子の付着による被覆層を形成した。
【0056】
引き続いて、シリカ微粒子被覆トナー粒子に、トナー粒子100重量部に対して、前記リン酸カルシウム微粒子(1)0.2重量部を添加してヘンシェルミキサーで攪拌、混合した後、更に、前記メラミン樹脂微粒子(1)0.05重量部を添加してヘンシェルミキサーで攪拌、混合することにより、静電荷現像用トナーを製造した。得られたトナーにつき、トナー粒子の表面にシリカの付着により形成された被覆層における、前記リン酸カルシウム系化合物微粒子及び前記メラミン系樹脂微粒子の各付着量を、電子顕微鏡により確認したところ、いずれも添加したほぼ全量が付着していることが確認された。
【0057】
得られたトナーにつき、以下に示す方法で、現像装置からのトナー漏れを評価し、結果を表1に示した。
<現像装置からのトナー漏れ>
アルミニウム製現像ロールとポリウレタン製ブレードを有する非磁性一成分方式の現像装置にトナー65gを充填し、印字・トナー消費を行わずに連続駆動させる連続空転試験を実施し、その際、現像装置からトナー漏れが発生する時間を観察し、以下の基準で評価した。
○:2時間超過でもトナー漏れなし。
△:10分〜2時間の間でトナー漏れ発生。
×:10分未満でトナー漏れ発生。
【0058】
又、前記現像装置をプリンタに搭載し、以下に示す方法で、得られる画像の画質を評価し、結果を表1に示した。
<画質>
ベタ画像を出力し、その画質を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:連続空転前後でベタ画像に濃度ムラがなく均一。
△:連続空転後にベタ画像に濃度ムラあり。
−:連続空転初期からトナー漏れ発生のため評価せず。
【0059】
実施例2〜4、比較例1〜9
シリカ微粒子被覆トナー粒子に添加するリン酸三カルシウム微粒子、及び樹脂微粒子を表1に示すように変えた他は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、現像装置からトナー漏れが発生する時間、及び、出力したベタ画像の画質を評価し、結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、長時間の現像処理においても、現像ローラ等現像装置からの脱落、漏れをなくし、画像形成装置内の汚染を抑制できると共に、画像濃度ムラのない高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することができる。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子の表面に、シリカ、チタニア、及びアルミナからなる群より選択されたいずれかの無機質微粒子の付着による被覆層が形成され、その被覆層に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子及び平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子が付着してなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- トナー粒子が、下記式により求められる形状係数の平均値が110〜170のものである請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
形状係数=[{(粒子の最大長さ)2 ×π}/{4×(粒子の投影面積)}]×100 - トナー粒子におけるリン酸カルシウム系化合物微粒子の付着量が、トナー粒子100重量部に対して0.01〜2.0重量部である請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- トナー粒子におけるメラミン系樹脂微粒子の付着量が、トナー粒子100重量部に対して0.01〜1.0重量部である請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 非磁性一成分系トナーである請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に、平均粒径0.3〜3.0μmのリン酸カルシウム系化合物微粒子を添加し、攪拌、混合した後、平均粒径1.0μm以下のメラミン系樹脂微粒子を添加し、攪拌、混合することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010097219A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Xerox Corp | 一成分トナー及びその製造方法 |
JP2013257404A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Konica Minolta Inc | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
JP2015034976A (ja) * | 2013-07-11 | 2015-02-19 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナー |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002269416A patent/JP2004109281A/ja active Pending
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