JP2003176121A - 焼成シリカ粒子およびその製造方法 - Google Patents

焼成シリカ粒子およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿性が低く、かつ、粒度分布が狭く、粒子
径が揃っており、粒子径が大きな凝集物が殆ど含まれな
い焼成シリカ粒子、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 加水分解が可能なシリコン化合物を、水
と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することに
よってシリカ粒子を得た後、該シリカ粒子を1000〜
1200℃の範囲内で焼成する。有機溶媒に含まれるシ
リコン化合物の濃度は0.05〜1.2モル/Lの範囲
内、水の濃度は2〜25モル/Lの範囲内、触媒の濃度
は0.8〜9.4モル/Lの範囲内であることが好まし
い。焼成シリカ粒子は、平均粒子径が0.04〜5μm
の範囲内であり、平均粒子径の標準偏差値が1.3μm
以下であり、粒子径20μm以上の凝集物の含有量が
0.02重量%以下であり、かつ30℃,90%RHの
環境下で1日間放置した後の吸湿量が0.2重量%以下
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体素
子の封止剤や歯科材料等として使用される樹脂の充填剤
(フィラー)として好適に用いることができる焼成シリ
カ粒子、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機ケイ素化合物をアルコー
ル性溶媒中で加水分解し、得られた水和物を縮合するこ
とによってシリカ粒子を得た後、該シリカ粒子を噴霧乾
燥等によって乾燥すると共に造粒し、次いで焼成、分級
することにより、所望の粒子径を有する焼成シリカ粒子
を製造する方法が知られている。上記の焼成シリカ粒子
は、例えば、半導体素子の封止剤や歯科材料等として使
用される硬化性樹脂組成物の充填剤として用いられてい
る。
【0003】焼成シリカ粒子を得る方法は、例えば、以
下に示す特許文献に開示されている(例えば、特許文献
1〜4参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−96313号公報(公開日
1987年5月2日)
【0005】
【特許文献2】特開平1−234319号公報(公開日
1989年9月19日)
【0006】
【特許文献3】特開平4−240110号公報(公開日
1992年8月27日)
【0007】
【特許文献4】特開平3−288538号公報(公開日
1991年12月18日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法で得られる焼成シリカ粒子は、その表面に親水
性基であるシラノール基〔≡SiOH,=Si(O
H)2,−Si(OH)3〕が存在するため、吸湿性が高
く、また、高温で加熱した場合には水が生成する。従っ
て、上記の焼成シリカ粒子を例えば半導体素子の封止剤
や歯科材料等として使用される硬化性樹脂組成物の充填
剤として用いると、該硬化後の樹脂組成物を劣化させる
という問題点を有している。上記問題点は、具体的に
は、上記シリカ粒子が、硬化性樹脂であるエポキシ樹脂
や不飽和ポリエステル樹脂、あるいは、良好な光重合性
を保有する硬化性アクリル樹脂をマトリクス樹脂とする
場合の充填剤として、上記の半導体素子の封止剤や歯科
材料等の各種樹脂組成物に使用されている場合に起きる
問題点である。具体的には、これらの樹脂組成物を使用
した硬化物の耐熱下の使用や、長期下の使用により、充
填剤の吸湿性、または発生する水により、硬化後の樹脂
組成物自体が劣化を起こす。従って、上記焼成シリカ粒
子を半導体素子の封止剤として使用される硬化性樹脂組
成物の充填剤として用いた場合には、硬化後の樹脂組成
物自体の劣化は致命的な欠陥となる。また、上記焼成シ
リカ粒子を歯科材料として使用される光硬化性樹脂組成
物の充填剤として用いた場合には、該樹脂組成物の充填
密度を高くすることができず、硬化後の樹脂組成物の強
度を低下させてしまい、充填した歯科材料が歯からはず
れやすい等の問題も起きる。また、吸湿性が高い充填剤
が配合されていれば、歯科治療で使用した後の硬化後の
歯科材料といえども、経時変化により硬化物が吸湿し、
上記と同様に硬化後の歯科材料が歯からはずれやすいと
いう問題もある。
【0009】さらに、水和物を縮合することによって得
られるシリカ粒子(上記特許文献1および2参照)は、
粒度分布が狭く、粒子径が揃っているものの、シリカ粒
子を乾燥させるために、乾燥装置であるスプレードライ
装置を用いているため、乾燥して得られるシリカ粒子に
は凝集した形状のシリカ粒子が含まれている。その結
果、上記特許文献に記載されているシリカ粒子を焼成す
ると、粒子同士の融着が起こって凝集物が生じる。従っ
て、上記特許文献に記載されているシリカ粒子を焼成し
た焼成シリカ粒子には粒子径が大きな凝集物(粗大凝集
粒子)が含まれるので、例えば高精度化された(高ギャ
ップ精度が要求される)アンダーフィル用半導体素子の
封止剤用や、歯科材料用の光硬化性樹脂組成物の充填剤
として用いると、封止剤として使用した後の硬化物の寿
命(信頼性)が問題となる場合もある。またこのような
焼成シリカ粒子を用いた樹脂組成物では、充填密度が十
分に高くならないという問題もある。よってこのような
焼成シリカ粒子は、狭い場所での確実な充填の要求され
る歯科材料にも適していない。
【0010】また、上記特許文献3の方法で得られるシ
リカ粒子は、粒度分布がブロードとなり、例えば、半導
体素子の封止剤等に使用される場合、充填率を上げるこ
とが困難となる。また、上記特許文献4に記載の方法で
得られる焼成シリカ粒子は、乾燥装置として真空蒸発器
を使用しているが、焼成温度を300〜800℃の範囲
として比較的低い温度で焼成を行なっているため、焼成
シリカ粒子の表面にシラノール基が多く存在してしま
う。また、焼成シリカ粒子の表面に細孔が残るため、吸
湿性が高いものとなっている。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば高精度化されたアン
ダーフィル用半導体素子の封止剤や歯科材料等として使
用される硬化性樹脂組成物の充填剤として好適に用いる
ことができる焼成シリカ粒子、即ち、吸湿性が低く、か
つ、粒度分布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大
きな凝集物が殆ど含まれない焼成シリカ粒子、および該
焼成シリカ粒子を安価に製造する方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の焼成シリカ粒子
は、上記の課題を解決するために、シリカ粒子を焼成し
てなる焼成シリカ粒子であって、平均粒子径が0.04
〜5μmの範囲内であり、平均粒子径の標準偏差値が
1.3μm以下であり、粒子径20μm以上の凝集物の
含有量が0.02重量%以下であり、かつ、30℃,9
0%RHの環境下で1日間放置した後における当該焼成
シリカ粒子の吸湿量が0.2重量%以下であることを特
徴としている。
【0013】本発明の焼成シリカ粒子は、上記の課題を
解決するために、上記シリカ粒子が、加水分解が可能な
シリコン化合物を、水と触媒とを含む有機溶媒中で加水
分解,縮合して得られるものであることを特徴としてい
る。
【0014】上記の構成によれば、焼成シリカ粒子は、
吸湿性が低く、かつ、粒度分布が狭く、粒子径が揃って
おり、粒子径が大きな凝集物が殆ど含まれない。従っ
て、上記焼成シリカ粒子を例えば歯科材料として使用さ
れる光硬化性樹脂組成物の充填剤として用いた場合に
は、該光硬化性樹脂組成物の充填密度を高くすることが
でき、かつ、光硬化性樹脂組成物の強度を向上させるこ
とができる。また、上記焼成シリカ粒子を例えば半導体
素子の封止剤として使用される硬化性樹脂組成物の充填
剤として用いた場合には、粗大凝集粒子が非常に少ない
ので該硬化性樹脂組成物を劣化させることなく、高ギャ
ップ精度を達成することができる。これにより、例えば
高精度化されたアンダーフィル用半導体素子の封止剤や
歯科材料等として使用される硬化性樹脂組成物の充填剤
として好適に用いることができる焼成シリカ粒子を提供
することができる。
【0015】なお、本発明の焼成シリカ粒子を充填剤と
して使用した硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物は、
配合している充填剤自体の吸湿性が非常に低いので、硬
化後であっても硬化物が劣化しにくい。よって高耐久
性、高寿命を有する硬化物、あるいは硬化充填物にな
る。よって、このような硬化物や硬化充填物を得ること
のできる本発明の焼成シリカ粒子を充填剤として使用し
た硬化性樹脂組成物は好ましい形態である。
【0016】本発明の焼成シリカ粒子は、上記の課題を
解決するために、加水分解が可能なシリコン化合物を、
水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合すること
によって得られるシリカ粒子を乾燥し、その後、該シリ
カ粒子を1000〜1200℃の範囲内で焼成して得ら
れたものであることを特徴としている。
【0017】本発明の焼成シリカ粒子は、上記の課題を
解決するために、有機溶媒に含まれるシリコン化合物の
濃度が0.05〜1.2モル/Lの範囲内であり、水の
濃度が2〜25モル/Lの範囲内であり、触媒の濃度が
0.8〜9.4モル/Lの範囲内であることを特徴とし
ている。
【0018】上記の構成によれば、吸湿性が低く、か
つ、粒度分布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大
きな凝集物が殆ど含まれない焼成シリカ粒子とすること
ができる。
【0019】本発明の焼成シリカ粒子は、上記の課題を
解決するために、上記シリカ粒子が、焼成前に瞬間真空
蒸発装置によって乾燥されていることを特徴としてい
る。
【0020】本発明の焼成シリカ粒子は、上記の課題を
解決するために、上記シリカ粒子が、焼成前にスプレー
ドライ方式によって乾燥された後に粉砕されたものであ
ることを特徴としている。
【0021】上記の構成によれば、吸湿性が低く、か
つ、粒度分布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大
きな凝集物が殆ど含まれない焼成シリカ粒子を、効率よ
く提供することができる。
【0022】本発明の焼成シリカ粒子の製造方法は、上
記の課題を解決するために、加水分解が可能なシリコン
化合物を、水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮
合することによってシリカ粒子を得る工程と、上記シリ
カ粒子を乾燥する乾燥工程と、乾燥することで得られた
シリカ粒子を1000〜1200℃の範囲内で焼成する
焼成工程とを含むことを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、上記範囲内でシリカ
粒子を焼成することで、吸湿し難い表面状態になった焼
成シリカ粒子を得ることができる。
【0024】本発明の硬化性樹脂組成物は、平均粒子径
が0.04〜5μmの範囲内であり、平均粒子径の標準
偏差値が1.3μm以下であり、粒子径20μm以上の
焼成シリカ粒子の凝集物の含有量が0.02重量%以下
であり、かつ、30℃,90%RHの環境下で1日放置
した後における当該焼成シリカ粒子の吸湿量が0.2重
量%以下である焼成シリカ粒子とマトリクス樹脂とを含
むことを特徴としている。
【0025】本発明の硬化性樹脂組成物は、上記マトリ
クス樹脂として、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、GMA変性アクリル樹脂のい
ずれかの樹脂を含むことを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、充填密度が良好な硬
化性樹脂組成物を、効率的に提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。本発明にかかる焼成シリ
カ粒子は、シリカ粒子を焼成してなり、平均粒子径が
0.04〜5μmの範囲内であり、平均粒子径の標準偏
差値が1.3μm以下であり、粒子径20μm以上の凝
集物の含有量が0.02重量%以下であり、かつ、30
℃,90%RHの環境下で1日間放置した後における当
該焼成シリカ粒子の吸湿量が0.2重量%以下である構
成である。また、本発明にかかる焼成シリカ粒子の製造
方法は、加水分解が可能なシリコン化合物を、水と触媒
とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによって
シリカ粒子を得た後、該シリカ粒子を1000〜120
0℃の範囲内で焼成する方法である。
【0028】本発明における「シリカ」とは、ケイ素原
子が主に酸素原子との結合を介して三次元のネットワー
クを構成してなるシリコンの含酸素化合物を示す。該シ
リコンの含酸素化合物には、例えば下記組成式 RnSiO(4-n)/2 (式中、Rはケイ素原子に直接、結合している炭素原子
を有する有機基の平均組成式を表し、nは0〜1の数値
を表す)で示されるように、ネットワークを構成する多
数のケイ素原子の一部に有機基が直接、結合している化
合物も含まれることとする。
【0029】本発明にかかる焼成シリカ粒子の原料であ
るシリコン化合物は、加水分解が可能であり、加水分解
によって水和物を形成することができる化合物(有機ケ
イ素化合物)であればよく、特に限定されるものではな
いが、下記組成式 R'mSiX4-m (式中、R' は置換基を有していてもよい炭素数1〜1
0のアルキル基、アリール基、不飽和脂肪酸残基からな
る群より選ばれる少なくとも一種の有機基を表し、Xは
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アシ
ロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の加水
分解性基を表し、mは0〜3の整数を表す)で示される
シラン化合物、およびその誘導体が、工業的に入手し易
く安価であるので特に好ましい。
【0030】但し、上記組成式中のmで表される整数が
2または3であるシラン化合物および/またはその誘導
体のみを原料として用いた場合には、三次元のネットワ
ークを構成することができないので、シリカを得ること
ができない。従って、これらシラン化合物および/また
はその誘導体を原料として用いる場合には、上記組成式
中のmで表される整数が0または1であるシラン化合物
および/またはその誘導体を併用する。
【0031】該シラン化合物としては、具体的には、テ
トラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニル
トリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニ
ルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリ
メチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等
のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエ
トキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシ
ラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセ
トキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチ
ルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラ
ン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン
化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジ
オール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;
等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アル
コキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られ
る焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれ
ることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シ
リカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有
量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されない
ことが好ましい。
【0032】上記シラン化合物以外のシリコン化合物と
しては、例えば、上記組成式中のXで表される加水分解
性基の一部が、カルボキシル基やβ−ジカルボニル基等
の、キレート構造を形成し得る基で構成された化合物
(シラン化合物の誘導体)、並びに、シラン化合物やそ
の誘導体を部分的に加水分解して得られる低縮合物が挙
げられる。シリコン化合物は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。
【0033】上記原料、即ち、シリコン化合物を水を含
む有機溶媒中で加水分解することにより水和物を形成し
た後、縮合することによって球状のシリカ粒子(微粒
子)が懸濁状態で得られる。
【0034】加水分解の具体的な方法は、具体的には、
有機溶媒にシリコン化合物(原料)を一括して添加し、
攪拌する方法;有機溶媒を攪拌しながらシリコン化合物
を数回に分けて添加する方法;有機溶媒を攪拌しながら
シリコン化合物を連続的に添加する方法;等の種々の方
法を採用することができる。また、シリコン化合物を一
部の有機溶媒に溶解させた溶液を予め調製し、該溶液を
残りの有機溶媒に上記種々の方法を採用して添加するこ
ともできる。さらに、加水分解する際に、必要に応じ
て、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド等の塩基性触媒(以
下、単に触媒と記す)を用いることもできる。上記例示
の触媒のうち、アンモニアがより好ましい。
【0035】有機溶媒は、シリコン化合物(原料)を溶
解すると共に、水および触媒(必要に応じて)を溶解す
るか、若しくは、水および触媒が会合した状態で(ミセ
ル状で)均一に分散することができる化合物であればよ
い。該有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペ
ンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチ
ル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の
(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテ
ル等の(環状)エーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素類;等が挙げられる。これら有機溶媒は、
単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して
用いてもよい。上記例示の有機溶媒のうち、アルコール
類が特に好ましい。尚、水や触媒と相溶しない有機溶媒
を用いることもできるが、この場合には、水および触媒
を均一に分散させるために界面活性剤を添加する必要が
ある。
【0036】有機溶媒に含まれるシリコン化合物の濃度
は、0.05〜1.2モル/Lの範囲内であることがよ
り好ましい。有機溶媒に含まれる水や触媒の濃度は、得
られるシリカ粒子の形状や粒子径、懸濁状態に影響を及
ぼす。従って、所望する粒子径等にもよるが、水の濃度
は、0.1〜50モル/Lの範囲内であることがより好
ましく、2〜25モル/Lの範囲内であることがさらに
好ましい。触媒の濃度(用いる場合)は、0を超え、1
0モル/L以下であることがより好ましく、0.8〜
9.4モル/Lの範囲内であることがさらに好ましい。
【0037】水や触媒を有機溶媒に添加する具体的な方
法は、例えば、始めに一括して添加する方法;数回に分
けて添加する方法;連続的に添加する方法;等の種々の
方法を採用することができる。従って、シリコン化合物
(原料)と、水や触媒とを有機溶媒に添加する際の互い
のタイミングは、適宜工夫されるものとする。
【0038】シリコン化合物を水を含む有機溶媒中で攪
拌しながら加水分解,縮合する際の反応条件は、具体的
には、反応温度は0〜100℃の範囲内がより好まし
く、0〜70℃の範囲内がさらに好ましく、0〜50℃
の範囲内が特に好ましい。反応時間は、30分間〜10
0時間程度がより好ましい。
【0039】従って、加水分解,縮合時における最も好
ましい反応条件は、有機溶媒に含まれるシリコン化合物
の濃度が0.05〜1.2モル/Lの範囲内であり、水
の濃度が2〜25モル/Lの範囲内であり、触媒の濃度
が0.8〜9.4モル/Lの範囲内であり、かつ、反応
温度が0〜50℃の範囲内である。
【0040】シリコン化合物(原料)を水を含む有機溶
媒中で加水分解,縮合することにより、球状でかつ粒度
分布が狭く、粒子径が揃っているシリカ粒子(微粒子)
を、懸濁状態で得ることができる。該シリカ粒子の平均
粒子径の標準偏差値は1.3μm以下である。具体的に
は、上記反応形態を採用することで、平均粒子径が0.
04〜4μmの範囲で、平均粒子径の標準偏差が1.3
μm以下で、粒子径20μm以上の焼成シリカ粒子の凝
集物の含有量が0.02重量%である、本発明にかかる
焼成シリカ粒子を効率よく得ることができる。
【0041】該シリカ粒子の反応液は、フィルターに通
すことで、より粗大粒子を低減することは可能である。
つまり、シリカ粒子の平均粒子径よりも1μm以上、孔
径の大きいフィルターを使用する、例えば、シリカ粒子
の平均粒子径が2μmであれば、3μmあるいはそれ以
上のフィルターに通すことにより、反応中の液界面で生
じた粗大凝集物等が除去されるため、より好ましい。上
記フィルターは、適宜設定した空隙や空隙直径を持つメ
ッシュであってもよい。
【0042】上記シリカ粒子を有機溶媒から取り出して
乾燥させた後、該シリカ粒子を焼成し、親水性基である
シラノール基〔≡SiOH,=Si(OH)2,−Si
(OH) 3〕を分解する(つまり、水酸基を分解する)と
共に、細孔を塞ぐことにより、吸湿性が低く、かつ、粒
度分布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大きな凝
集物が殆ど含まれない、非晶質の焼成シリカ粒子が得ら
れる。該焼成シリカ粒子におけるシリカの含有量は、9
9.9重量%以上であることが望ましい。シリカ粒子の
乾燥方法としては、例えば、いわゆる瞬間真空蒸発装置
等を用いた乾燥方法や、スプレードライ方式による乾燥
方式が好適である。
【0043】瞬間真空蒸発装置を用いた場合、乾燥後の
シリカ粒子の状態は単分散状態であり、そのまま、次工
程である焼成を行なった場合でも単分散性を保持でき、
融着による焼成シリカ粒子の凝集粗大物の生成が抑制さ
れる。また、乾燥方式として、スプレードライ方式も可
能である。この場合、凝集状態でシリカ粒子を乾燥させ
ることになるため、このまま焼成を行なうとシリカ粒子
の融着が進み、凝集物ができ、単分散したものが得られ
ないが、スプレードライ後、ハンマーミル等の粉砕装置
でシリカ粒子を粉砕する粉砕工程を行なうことで、上記
凝集物は粉砕されるので、シリカ粒子の焼成時に凝集が
生じるのを抑制できる。
【0044】上記スプレードライ方式による乾燥は、乾
燥後、粉砕工程が必要であり、瞬間真空蒸発装置を使用
する単分散状態での焼成シリカ粒子の乾燥と比較して、
少し工程が複雑になるが、焼成シリカ粒子の凝集物が生
じることを抑制しながら、本発明の焼成シリカ粒子を得
ることができる方法である。このようなことから、より
簡略化した本発明の焼成シリカ粒子を製造する工程とす
るには、瞬間真空蒸発装置を使用してシリカ粒子を乾燥
する乾燥工程を、シリカ粒子を焼成する焼成工程の前に
行なうことが好ましい。
【0045】また、上記の瞬間真空蒸発装置としては、
公知の瞬間真空蒸発装置を使用することができる。瞬間
真空蒸発装置として、例えば、クラックス・システム
8B型(ホソカワミクロン株式会社製)を使用すること
ができる。また上記のスプレードライ方式による乾燥に
おいては、公知のスプレードライヤーや噴霧乾燥装置を
使用することができる。上記スプレードライヤーとし
て、例えば、スプレードライヤー(ヤマト科学社製)が
挙げられる。
【0046】焼成温度は、1000〜1200℃の範囲
内であることが好ましく、1050〜1100℃の範囲
内であることがより好ましい。焼成温度が1000℃未
満であると、シラノール基が残るため、得られる焼成シ
リカ粒子の吸湿性が高くなる。焼成温度が1200℃を
超えると、シリカ粒子同士の融着が起こるため、凝集物
(二次凝集物)が生じる。即ち、得られる焼成シリカ粒
子が凝集物を含んでしまう。該凝集物は、粉砕機(解砕
機)を用いても粉砕(解砕)することが困難である。
尚、焼成時間は1時間程度で充分であるが、焼成温度や
シリカ粒子の粒子径等に応じて設定すればよい。また、
焼成は、空気中で行えばよい。
【0047】本発明にかかる吸湿量の少ない焼成シリカ
粒子を得るための好ましい形態としては、上記乾燥条件
と焼成温度条件とを採用することである。さらに好まし
くは、上記焼成条件である、焼成温度を1000〜12
00℃、より好ましくは1050〜1100℃の範囲に
して焼成を行なうことで、BET表面積が従来公知の焼
成シリカ粒子の表面積よりも小さくなる。つまり吸湿し
難い表面状態になった焼成シリカ粒子を得ることができ
る。
【0048】上記の方法によって得られる焼成シリカ粒
子の吸湿量は0.2重量%以下である。本発明の焼成シ
リカ粒子のより好ましい形態としては、焼成シリカ粒子
の吸湿量を0.1重量%以下とすることが好ましく、
0.07重量%以下とすることがより好ましく、0.0
5重量%以下とすることがさらに好ましい。
【0049】なお、ここでの焼成シリカ粒子の吸湿量
は、30℃,90%RH(相対湿度)の環境下で乾燥状
態の焼成シリカ粒子を1日間放置した後における、該焼
成シリカ粒子に含まれる水分量(重量増加分)である。
なお、吸湿量の測定は、水分量が0.5%以下の焼成シ
リカ粒子を使用して行なう。なお、後述する実施例で使
用した焼成シリカ粒子の水分量は、0.3%であった。
焼成シリカ粒子の吸湿量の測定であるが、まず、焼成シ
リカ粒子が吸湿する前(吸湿テスト前)の当該焼成シリ
カ粒子の重量を測定する。次に、直径10cmの時計皿
に、焼成シリカ粒子5gをのせ、時計皿の底を軽くたた
き均一に薄く広げる。その後、上記環境下に1日放置
し、吸湿量が一定になるまで吸湿させる(吸湿テストの
実施)。次に、当該高湿度下による、吸湿テスト後の焼
成シリカ粒子の重量測定を行なう。なお、上記吸湿テス
トを2〜3日継続しても、本発明の焼成シリカ粒子の吸
湿量は実質的に増加していかない。これも本発明の焼成
シリカ粒子が示す好ましい物性である。そして、以下の
式に基づき、焼成シリカ粒子の吸湿量を求める。
【0050】{吸湿テスト後のシリカ粒子の重量(g)
−吸湿テスト前のシリカ粒子の重量(g)}/吸湿テス
ト前のシリカ粒子の重量(g)×100=シリカ粒子の
吸湿量(重量%) 本発明では、上記時計皿を10個設け、一度に同じ条件
でシリカ粒子の吸湿量の測定を行った。そして測定数を
10として、シリカ粒子の吸湿量の平均値を求め、これ
を吸湿量とした。
【0051】なお、この吸湿テストをさらに2〜3日継
続しても、本発明の焼成シリカ粒子は、特定の焼成条件
を得て製造されているので、その表面のシラノール基が
分解されており、焼成温度が1000〜1200℃の焼
成を行なっていない焼成シリカ粒子の表面にあるシラノ
ール基の量に比べて、実質的に表面に存在するシラノー
ル基の量が少なくなっている。また、焼成温度も高いの
で細孔がふさがれており、BET表面積においても、焼
成温度が1000〜1200℃の焼成を行なっていない
焼成シリカ粒子のBET表面積に比べ、小さいことが予
測できる。この表面状態の違いにより吸湿量の差が現わ
れていると考えられる。
【0052】よって本発明の焼成シリカ粒子が示すさら
に好ましい物性としては、上記吸湿テスト1日後の吸湿
量を基準として、3日継続して上記吸湿テストを行なっ
た後の吸湿量の変化割合(通常は増加割合)が30%以
下、より好ましくは20%以下、さらには10%以下、
もっとも好ましくは5%以下である。この物性は、当該
焼成シリカ粒子への吸湿が、ほぼ1日で恒常値になると
いうことを意味する。この吸湿量が1日で恒常値にな
り、それ以降増加する割合が少ないという吸湿特性は、
本発明の焼成シリカ粒子が示す好ましい物性である。
【0053】また、該焼成シリカ粒子の平均粒子径は
0.04〜5μmの範囲内であり、平均粒子径の標準偏
差値は1.3μm以下である。さらに、焼成シリカ粒子
に含まれる粒子径20μm以上の凝集物の含有量は0.
02重量%以下である。該凝集物の含有量は、水90g
に、焼成シリカ粒子を含有量が10重量%となるように
焼成シリカ粒子を10g添加すると共に、界面活性剤を
該焼成シリカ粒子に対して2重量%の割合となるよう
に、該界面活性剤を2g加えて形成した混合物を、超音
波分散を1時間行うことによってスラリー状にした後、
該スラリーを20μmメッシュの網に通し、乾燥後、網
を通過しなかった20μm以上の粗大凝集物の重量を測
定することによって求められる。なお、上記界面活性剤
としては、ドデシルベンゼンスルホン酸を使用する。ま
た、粗大凝集物の含有量は、以下の式で求める。
【0054】(粗大凝集物の重量(g)/焼結シリカ粒
子の重量(g))×100=粗大凝集物の含有量(%) 本発明では、上記粗大凝集物の含有量は、測定数を10
としたときの平均値としている。
【0055】以上のように、本発明にかかる方法によれ
ば、焼成シリカ粒子を安価に製造することができる。該
焼成シリカ粒子は、吸湿性が低く、かつ、粒度分布が狭
く、粒子径が揃っており、粒子径が大きな焼成シリカ粒
子の凝集物が殆ど含まれない。従って、上記焼成シリカ
粒子を、例えば歯科材料として使用される光硬化性樹脂
組成物の充填剤として用いた場合には、該光硬化性樹脂
組成物の充填密度を高くすることができ、かつ、硬化後
の樹脂組成物の強度、言い換えれば、硬化物の強度を向
上させることができる。また、より細かい領域への充填
性が向上する。なお、上記光硬化性樹脂組成物である
が、充填密度が良好で、硬化後の硬化物の強度が向上す
るので、上記の歯科材料以外の用途や、歯科材料以外の
使用方法でも好ましく適応させることができる。
【0056】また、上記焼成シリカ粒子を例えば半導体
素子の封止剤として使用される硬化性樹脂組成物の充填
剤として用いた場合には、同様に充填性が向上している
ので、該硬化性樹脂組成物を劣化させることなく、高ギ
ャップ精度を達成することができる。また高充填によ
り、当該樹脂組成物硬化後の硬化物の強度も改良される
ので、より耐久性の改良された半導体の封止剤となる。
また充填性が良好であるので、金型等への充填時に、ピ
ンホールや充填不良が発生し難い硬化性樹脂組成物とな
る。なお、上記硬化性樹脂組成物であるが、充填密度が
良好であり、高充填が実現でき、その結果、硬化後の硬
化物の強度も向上するので、上記の半導体封止剤以外の
用途や、半導体封止剤以外の使用方法でも好ましく適応
させることができる。従って、本発明にかかる焼成シリ
カ粒子は、例えば高精度化されたアンダーフィル用半導
体素子の封止剤や歯科材料等として使用される樹脂組成
物の充填剤として好適に用いることができる。
【0057】また本発明にかかる焼成シリカ粒子とマト
リクス樹脂とを含む硬化性樹脂組成物を、高精度化され
た半導体封止剤として使用される硬化性樹脂組成物とし
て使用するのも、また好ましい形態となる。上記半導体
封止剤とは、具体的には、アンダーフィル用半導体素子
の封止剤である。また本発明にかかる焼成シリカ粒子と
マトリクス樹脂とを含む光硬化性樹脂組成物を、歯科材
料として使用される光硬化性樹脂組成物として使用する
方法も、また好ましい形態である。
【0058】上記硬化性樹脂組成物は、具体的には、充
填剤としての本発明にかかる焼成シリカ粒子(以下、
「本焼成シリカ粒子」という)と、マトリクス樹脂とし
て、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、GMA変性アクリル樹脂のいずれかを含む
ものである。GMA変性アクリル樹脂とは、GMA変性
化合物とGMA変性ポリマーとを含むものである。GM
A変性樹脂とは、GMAを付加させることにより、少な
くとも1つの二重結合を導入した樹脂のことである。な
お、GMAとは、グリシジル(メタ)アクリレートであ
る。上記硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物であ
ってもよい。
【0059】上記変性アクリル樹脂とは、2個以上の
(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂である。また、
上記のエポキシ樹脂は熱縮合硬化型樹脂であるが、それ
以外の樹脂は、ラジカル硬化型樹脂であり、必要に応
じ、重合性二重結合を一つ有する重合性単量体、例え
ば、スチレンや(メタ)アクリレート系単量体、あるい
は重合性二重結合を2つ以上有する架橋性単量体であ
る、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等を配合することもできる。もちろん、上記重合性単量
体と架橋性単量体を、併用することもできる。
【0060】高精度化されたアンダーフィル用半導体素
子の封止剤としての硬化性樹脂組成物を得るには、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはビニルエ
ステル樹脂を用いることが好ましい。また歯科材料とし
ての光硬化性樹脂組成物を得るには、変性アクリル樹脂
を用いることが好ましく、光硬化性樹脂を用いることも
また好ましい。
【0061】このとき、得られる樹脂組成物を100重
量部とすれば、該樹脂組成物に含まれる上記本焼成シリ
カ粒子が、10〜90重量部となるように設定すること
が好ましい。種々の目的により、本焼成シリカ粒子の使
用量は適宜工夫すればよい。
【0062】また、得られる硬化性樹脂組成物を100
重量部とすれば、該硬化性樹脂組成物に含まれるマトリ
クス樹脂が、10重量部〜90重量部となるように設定
することが好ましい。種々の目的により、マトリクス樹
脂の使用量を適宜工夫すればよい。
【0063】また、本発明の焼成シリカ粒子としては、
1種類を用いてもよく、また、平均粒子径や粒度分布の
異なる2種類以上の本焼成シリカ粒子を用いてもよい。
【0064】上記硬化性樹脂組成物が粒度分布の異なる
2種類以上の本焼成シリカ粒子を含むことで、硬化性樹
脂組成物の流動性が改善される。このような硬化性樹脂
組成物であれば、より高精度化された型や、非常に細か
く、かつ密な充填か必要な個所にも好適に使用されるた
め、好ましい。
【0065】なお、用いる2種類の本焼成シリカ粒子の
割合は、種々の目的により適宜工夫すればよいものとす
る。
【0066】さらに、上記硬化性樹脂組成物が、熱硬化
性樹脂組成物の形態となるときには、エポキシ樹脂を使
用したときにはアミン系硬化剤、また不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂、変性アクリル樹脂等のラ
ジカル硬化型樹脂を使用したときには、さらにBPO:
ベンゾイルパーオキサイドやBiC75:t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、PBZ:t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、DCP:ジクミルパーオキ
サイド等の公知のラジカル重合開始剤や、アゾ系開始剤
等のラジカル重合開始剤を配合する。
【0067】なお、ラジカル重合開始剤の配合量は、得
られる樹脂組成物を100重量部とすれば、該樹脂組成
物に含まれるラジカル重合開始剤が、0.1〜5重量部
となるように設定することが好ましい。所望の熱硬化性
樹脂を考慮して、配合量は適宜工夫すればよい。また、
必要に応じ、公知の促進剤も配合できる。
【0068】上記アミン系硬化剤としては、例えば、2
−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
類;ベンジルジメチルアミン;2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール;1,4−ジアザビシク
ロ[2.2.2.]オクタン;1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0.]−7−ウンデセン等の第3級アミン、ま
たトリフェニルホスフィン等のホスフィン類であっても
よい。上記アミン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂の
総質量に対して0.01質量%以上であることが好まし
く、また、10.00質量%以下であることが好まし
い。この範囲を外れると、良好な硬化促進効果が得られ
ないおそれがある。より好ましくは、0.1質量%以上
であり、また、5質量%以下である。
【0069】上記ラジカル重合開始剤としては、具体的
には、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有
機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサンカルボニト
リル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、ジメチル2,2´アゾビス(2−メチルプロ
ピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。これら
ラジカル重合開始剤は1種または2種以上の混合物とし
て使用することができる。
【0070】また、上記樹脂組成物が、光硬化性樹脂の
形態となるときには、さらに硬化剤としてベンゾフェノ
ン化合物等の公知の光重合開始剤を配合してもよい。ま
た、必要に応じて、さらに公知の増感剤を配合すること
もできる。
【0071】上記光重合開始剤としては公知のものを使
用でき、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそ
のアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロ
ロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルア
ントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブ
チルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のア
ントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキ
サントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチ
ルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール
類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル
−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ
−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−
1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類
等が挙げられる。これら光重合開始剤は1種または2種
以上の混合物として使用することができる。
【0072】上記光重合開始剤の含有量は、上記樹脂組
成物100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは
3〜30重量部、さらに好ましくは3〜20重量部であ
ることが好ましい。光重合開始剤が少なすぎると、光照
射時間を増やさなければならなかったり、充分な強度が
得られなかったりする。
【0073】さらに、必要に応じて、補強剤としてのガ
ラス繊維やその他の無機繊維、有機繊維、顔料、湿潤
剤、離型剤、エラストマーや本焼成シリカ粒子以外の他
の充填剤を配合してもよい。
【0074】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。シリカ粒子並びに焼成シリカ粒
子の平均粒子径、および平均粒子径の標準偏差値、およ
び吸湿量、凝集物の含有量は、下記方法によって測定し
た。
【0075】〔平均粒子径、および平均粒子径の標準偏
差値〕シラノール基を含有する通常のシリカ粒子であれ
ば、比較的溶媒への分散が良好である。そのため、シリ
カ粒子を単分散した状態として、機器を用いて粒度分
布、粒子径、標準偏差値を正確に測定することができ
る。しかしながら、本発明にかかるシリカ粒子並びに焼
成シリカ粒子は、シラノール基を含有しない(シラノー
ル基の含有率が実質0である)ため、溶媒への分散が悪
くなる。従って、上記方法では、粒度分布、粒子径、標
準偏差値を正確に測定することはできない。
【0076】そこで本実施例では、次の方法により、シ
リカ粒子(または焼成シリカ粒子)の平均粒子径、およ
び平均粒子径の標準偏差値を測定した。
【0077】任意に採取したシリカ粒子の電子顕微鏡写
真(95mm×70mm)を5ヶ所場所を変え、撮影す
る。このとき、上記電子顕微鏡写真1枚の中の粒子が5
0〜100個となるように測定倍率を設定する。具体的
には、平均粒子径1μmのシリカ粒子(または焼成シリ
カ粒子)であれば、10000倍で撮影を行なう。この
電子顕微鏡写真の全粒子をノギス測定し、シリカ粒子
(または焼成シリカ粒子)を実測した。そしてこれら実
測値から、下記式にもとづいて平均粒子径、および平均
粒子径の標準偏差値を算出した。
【0078】
【数1】
【0079】〔吸湿量〕焼成シリカ粒子の吸湿量は、3
0℃、90%RH(相対湿度)の環境下で乾燥状態の焼
成シリカ粒子を1日間放置した後における、該焼成シリ
カ粒子に含まれる水分量(重量増加分)とする。吸湿量
の測定には、水分量が0.3%以下の焼成シリカ粒子を
使用した。焼成シリカ粒子の吸湿量の測定であるが、ま
ず、焼成シリカ粒子が吸湿する前(吸湿テスト前)の当
該焼成シリカ粒子の重量を測定した。次に、直径10c
mの時計皿に、焼成シリカ粒子5gをのせ、時計皿の底
を軽くたたき均一に薄く広げた。その後、上記環境下に
1日放置し、吸湿量が一定になるまで吸湿させた(吸湿
テストの実施)。次に、当該高湿度下による、吸湿テス
ト後の焼成シリカ粒子の重量測定を行なった。そして、
以下の式に基づき、焼成シリカ粒子の吸湿量を求めた。
【0080】{吸湿テスト後のシリカ粒子の重量(g)
−吸湿テスト前のシリカ粒子の重量(g)}/吸湿テス
ト前のシリカ粒子の重量(g)×100=シリカ粒子の
吸湿量(重量%) 以下の実施例および比較例では、上記時計皿を10個設
け、一度に同じ条件でシリカ粒子の吸湿量の測定を行っ
た。そして測定数を10として、シリカ粒子の吸湿量の
平均値を求め、これを吸湿量とした。
【0081】〔凝集物の含有量〕焼成シリカ粒子に含ま
れる粒子径20μm以上の焼成シリカ粒子の凝集物の含
有量は、水90gに、焼成シリカ粒子の含有量が10重
量%となるように焼成シリカ粒子を10g添加すると共
に、ドデシルベンゼンスルホン酸(界面活性剤)を該焼
成シリカ粒子に対して2重量%の割合となるように、該
界面活性剤を2g加えて形成した混合物を、超音波分散
を1時間行うことによってスラリー状にした後、該スラ
リーを20μmメッシュの網に通し、乾燥後、網を通過
しなかった20μm以上の粗大凝集物の重量を測定する
ことによって求めた。なお、粗大凝集物の含有量は、以
下の式で求めた。
【0082】(粗大凝集物の重量(g)/焼結シリカ粒
子の重量(g))×100=粗大凝集物の含有量(%) 以下に示す実施例および比較例では、上記粗大凝集物の
含有量は、測定数を10としたときの平均値とした。
【0083】〔実施例1〕攪拌機、滴下装置および温度
計を備えた容量2Lのガラス製反応器に、有機溶媒とし
てのメチルアルコール675.4gと、28重量%アン
モニア水(水および触媒)263.3gとを仕込み、攪
拌しながら液温を20±0.5℃に調節した。一方、滴
下装置に、シリコン化合物としてのテトラメトキシシラ
ン134.5gをメチルアルコール55.9gに溶解し
てなる溶液を仕込んだ。そして、滴下装置から該溶液を
1時間かけて滴下した。
【0084】滴下終了後、さらに1時間攪拌することに
より、テトラメトキシシランの加水分解,縮合を行い、
シリカ粒子の懸濁液を得た。該シリカ粒子の平均粒子径
は0.48μmであり、平均粒子径の標準偏差値は1.
3μmであった。該懸濁液を瞬間真空蒸発装置を用いて
乾燥させることにより、粉体状のシリカ粒子(I)を取
り出した。
【0085】瞬間真空乾燥装置としては、クラックス・
システム 8B型 (ホソカワミクロン株式会社製)を
使用した。また乾燥条件として、加熱管温度175℃、
減圧度200torrを採用した。
【0086】上記の瞬間真空蒸発装置は、加熱水蒸気が
供給されるジャケットで覆われた内径8mm,長さ9m
のステンレス鋼管と、該鋼管の一端部に懸濁液を供給す
る供給部と、鋼管の他端部に接続された、粉体と蒸気と
を分離するバッグフィルタが設けられた減圧状態の粉体
捕集室とを備えている。そして、供給部から供給された
懸濁液は、鋼管内を通過する際に加熱されて粉体と蒸気
とに分離し、粉体はバッグフィルタによって捕集され、
蒸気は凝縮された後、装置外に排出される構成となって
いる。
【0087】得られたシリカ粒子(I)を坩堝に入れ、
電気炉を用いて1050℃で1時間焼成した後、冷却
し、次いで粉砕機を用いて粉砕した。これにより、焼成
シリカ粒子(1)を得た。該焼成シリカ粒子(1)の平
均粒子径は0.48μmであり、平均粒子径の標準偏差
値は1.20μmであり、また、当該焼成シリカ粒子
(1)を含む所定の超音波分散スラリーを20μmメッ
シュでろ過することにより産出した20μm以上の凝集
物の含有量は0.01重量%であり、吸湿量は0.04
重量%であった。
【0088】〔実施例2〕実施例1で得られた粉体状の
シリカ粒子(I)を坩堝に入れ、電気炉を用いて、12
00℃で1時間焼成した後、冷却し、次いで粉砕機を用
いて粉砕した。これにより、焼成シリカ粒子(2)を得
た。該焼成シリカ粒子(2)の平均粒子径は、0.49
μmであり、平均粒子径の標準偏差値は1.27μmで
あり、凝集物の含有量は0.02重量%であり、吸湿量
は0.02重量%であった。
【0089】〔実施例3〕実施例1で得られた粉体状の
シリカ粒子(I)を1000℃で1時間焼成した後、冷
却し、次いで粉砕機を用いて粉砕した。これにより、焼
成シリカ粒子(3)を得た。該焼成シリカ粒子(3)の
平均粒子径は、0.48μmであり、平均粒子径の標準
偏差値は1.20μmであり、凝集物の含有量は0.0
1重量%であり、吸湿量は0.07重量%であった。
【0090】〔実施例4〕実施例1で得られた焼成シリ
カ粒子(1)65重量部とエポキシ樹脂(エピコ−ト
YL983U、油化シェルエポキシ社製)35重量部と
を、卓上3本ロールミルにて混練し、E型粘度計(1r
pm、25℃)で粘度測定を行なった結果、14000
0cpsで、良好な流動性が認められる当該焼成シリカ
粒子を含むエポキシ樹脂組成物を得た。
【0091】〔実施例5〕実施例1で得られた焼成シリ
カ粒子(1)32.5重量部と、1050℃で焼成した
2.5μmの焼成シリカ粒子32.5重量%と、エポキ
シ樹脂(エピコート YL983U、油化シェルエポキ
シ社製)35重量部と、さらに、アミン系硬化剤とし
て、2−メチルイミダゾール5重量部とを、卓上ロール
ミルにて混練し、E型粘度計(1rpm、25℃)で粘
度測定を行なった結果、60000cpsで、実施例4
の樹脂組成物より流動性がかなり優れた当該焼成シリカ
粒子を含むエポキシ樹脂組成物を得た。なお、エポキシ
樹脂やラジカル重合開始剤の混合時には、混練性を上げ
るために、加温を行なった。
【0092】流動性が改善できた理由は、2種類の異な
る平均粒子径を持つ当該焼成シリカ粒子を混合して用い
たエポキシ樹脂組成物であるからと考えた。よって、本
発明にかかる当該焼成シリカ粒子を含む樹脂組成物の流
動性を改良するためには、2種類の異なる平均粒子径を
持つ当該焼成シリカ粒子を混合して用いることが好まし
い形態であると認識できた。
【0093】アミン系硬化剤を配合した硬化性エポキシ
樹脂組成物を予備加熱後、180℃に加温した封止剤用
金型を使用して、封止する配線をセットし上下の型を閉
じた後にプランジャーで当該型へ導入し、8分間加圧状
態を保ち硬化させた。当該エポキシ樹脂組成物は、細か
い構造部分まで隙間なく充填されていた。またピンホー
ルやエアの噛みこみによる成形品の欠陥は存在しなかっ
た。また、実施例5と同様にして、実施例5のエポキシ
樹脂を、二重結合を導入したアクリル樹脂(ビスフェノ
ールAジグリシジルメタクリレート)25重量部、トリ
エチレングリコールジメタクリレート10重量部に変更
し、さらにシランカップリング剤3重量部を加えた。ま
たアミン系硬化剤のかわりに、重合開始剤として光重合
開始剤である2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニ
ルホスフィンオキサイドを0.5重量部配合して光硬化
性の成形材料を作成した。上記成形材料を、以下に示す
「硬化テスト・研磨性の確認法」で硬化テストおよび研
磨性を確認した。成形性であるが、型の隅で充填不良や
エアの噛みこみによる充填不良もなく良好な流動性を示
し、また光硬化性も良好であった。
【0094】「硬化テスト・研磨性の確認法」下面に厚
さ0.1mmのカバーグラスを付けた内径10mm、厚
さ1mmのステンレス製金型に充填し、上面に同じカバ
ーグラスを密着させた後に、両面より可視光照射器「G
Cライト」(ジーシー(株)製)で60秒ずつ光照射を
行い成形材料の硬化物を得た。
【0095】成形材料の硬化物の一面を♯600サンド
ペーパーで前研磨した後、歯科用研磨剤「エバライト」
(ジーシー(株)製)で仕上げ、研磨面を作成した。こ
の研磨面の光沢度を測定したところ、82%の良好な値
を示した。
【0096】〔実施例6〕実施例1と同様に反応を行
い、シリカ粒子の懸濁液を得た後、該懸濁液を瞬間真空
蒸発装置で乾燥する前に、孔径3μmのカートリッジフ
ィルター(東洋濾紙製)を通した。
【0097】その後、実施例1と同様に瞬間真空蒸発装
置で乾燥シリカ粒子(III)を得た。該シリカ粒子(II
I)を坩堝に入れ、電気炉を用いて、1050℃で1時
間焼成した後、冷却し、次いで粉砕機(ハンマーミル)
を用いて粉砕した。これにより、焼成シリカ粒子(6)
を得た。該焼成シリカ粒子(6)の平均粒子径は0.5
0μmであり、平均粒子径の標準偏差値は1.18μm
であり、また当該焼成シリカ粒子(6)を含む所定の超
音波分散スラリーを20μmメッシュで濾過することに
より産出した20μm以上の凝集物の含有量は0.01
重量%であり、吸湿量は、0.03重量%であった。
【0098】〔実施例7〕実施例1における瞬間真空乾
燥装置を、スプレードライヤー(ヤマト科学社製) に変更して乾燥を行い、乾燥後、さらにハンマーミルで
粉砕し、その後でさらに焼成した以外は、実施例1と同
様にして、焼成シリカ粒子(7)を得た。得られた焼成
シリカ粒子(7)の平均粒子径は0.55μmであり、
平均粒子径の標準偏差は1.3μmであった。また、実
施例1と同様に、当該焼成シリカ粒子(7)を含む所定
の超音波スラリーを20μmメッシュでろ過することに
より産出した20μm以上の凝集物の含有量は0.01
%であり、吸湿量は0.05%であった。
【0099】〔比較例1〕実施例1と同様の反応,操作
を実施することにより、テトラメトキシシランの加水分
解,縮合を行った後、乾燥させることにより、粉体状の
シリカ粒子(2)を取り出した。
【0100】得られたシリカ粒子を坩堝に入れ、電気炉
を用いて850℃で1時間焼成した後、冷却し、次いで
粉砕機を用いて粉砕した。これにより、比較用の焼成シ
リカ粒子(4)を得た。該焼成シリカ粒子の平均粒子径
は0.48μmであり、平均粒子径の標準偏差値は1.
22μmであり、当該粒子径20μm以上の凝集物の含
有量は0.01重量%であった。しかしながら、吸湿量
は0.4重量%であり、好ましい範囲から外れていた。
【0101】〔比較例2〕実施例1と同様の反応,操作
を実施することにより、テトラメトキシシランの加水分
解,縮合を行った後、乾燥させることにより、粉体状の
シリカ粒子(II)を取り出した。
【0102】得られたシリカ粒子を坩堝に入れ、電気炉
を用いて1300℃で1時間焼成した後、冷却し、次い
で粉砕機を用いて粉砕した。これにより、比較用の焼成
シリカ粒子(5)を得た。該焼成シリカ粒子の平均粒子
径は0.62μmであり、吸湿量は0.01重量%であ
った。しかしながら、平均粒子径の標準偏差値は2.4
μmであり、当該粒子径20μm以上の凝集物の含有量
は0.53重量%であり、何れの値も好ましい範囲から
外れていた。
【0103】〔比較例3〕0.5μmのシリカ粒子(平
均粒子径の標準偏差値が3.5μm、粒子径20μm以
上の凝集物の量は1.1%である)65重量部と、エポ
キシ樹脂(エピコート YL983U、油化シェルエポ
キシ社)35重量部とを、卓上3本ロールミールにて混
練しようとしたが、粘度が異常に高くなり、常温で十分
に混練できなかった。
【0104】
【発明の効果】本発明の焼成シリカ粒子は、以上のよう
に、シリカ粒子を焼成してなる焼成シリカ粒子であっ
て、平均粒子径が0.04〜5μmの範囲内であり、平
均粒子径の標準偏差値が1.3μm以下であり、粒子径
20μm以上の凝集物の含有量が0.02重量%以下で
あり、かつ、30℃,90%RHの環境下で1日間放置
した後における当該焼成シリカ粒子の吸湿量が0.2重
量%以下である構成である。また、本発明の焼成シリカ
粒子は、以上のように、上記シリカ粒子が、加水分解が
可能なシリコン化合物を、水と触媒とを含む有機溶媒中
で加水分解,縮合して得られるものである構成である。
【0105】それゆえ、焼成シリカ粒子は、吸湿性が低
く、かつ、粒度分布が狭く、粒子径が揃っており、粒子
径が大きな凝集物が殆ど含まれない。これにより、例え
ば高精度化されたアンダーフィル用半導体素子の封止剤
や歯科材料等として使用される硬化性樹脂組成物の充填
剤として好適に用いることができる焼成シリカ粒子を提
供することができるという効果を奏する。
【0106】本発明の焼成シリカ粒子は、以上のよう
に、加水分解が可能なシリコン化合物を、水と触媒とを
含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによって得ら
れるシリカ粒子を乾燥し、その後、該シリカ粒子を10
00〜1200℃の範囲内で焼成して得られたものであ
る構成である。また、本発明の焼成シリカ粒子は、以上
のように、有機溶媒に含まれるシリコン化合物の濃度が
0.05〜1.2モル/Lの範囲内であり、水の濃度が
2〜25モル/Lの範囲内であり、触媒の濃度が0.8
〜9.4モル/Lの範囲内である構成である。
【0107】これにより、吸湿性が低く、かつ、粒度分
布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大きな凝集物
が殆ど含まれない焼成シリカ粒子とすることができると
いう効果を奏する。
【0108】また、本発明の焼成シリカ粒子は、以上の
ように、上記シリカ粒子が、焼成前に瞬間真空蒸発装置
によって乾燥されている構成である。また、本発明の焼
成シリカ粒子は、以上のように、上記シリカ粒子が、焼
成前にスプレードライ方式によって乾燥された後に粉砕
されたものであることを特徴としている。
【0109】これにより、吸湿性が低く、かつ、粒度分
布が狭く、粒子径が揃っており、粒子径が大きな凝集物
が殆ど含まれない焼成シリカ粒子を、効率よく提供する
ことができるという効果を奏する。
【0110】本発明の焼成シリカ粒子の製造方法は、以
上のように、加水分解が可能なシリコン化合物を、水と
触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによ
ってシリカ粒子を得る工程と、上記シリカ粒子を乾燥す
る乾燥工程と、乾燥することで得られたシリカ粒子を1
000〜1200℃の範囲内で焼成する焼成工程とを含
む構成である。
【0111】これにより、上記範囲内でシリカ粒子を焼
成することで、吸湿し難い表面状態になった焼成シリカ
粒子を得ることができるという効果を奏する。
【0112】本発明の硬化性樹脂組成物は、以上のよう
に、平均粒子径が0.04〜5μmの範囲内であり、平
均粒子径の標準偏差値が1.3μm以下であり、粒子径
20μm以上の焼成シリカ粒子の凝集物の含有量が0.
02重量%以下であり、かつ、30℃,90%RHの環
境下で1日放置した後における当該焼成シリカ粒子の吸
湿量が0.2重量%以下である焼成シリカ粒子とマトリ
クス樹脂とを含む構成である。また、本発明の樹脂組成
物は、以上のように、上記マトリクス樹脂として、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、GMA変性アクリル樹脂のいずれかの樹脂を含む構
成である。
【0113】これにより、充填密度が良好な硬化性樹脂
組成物を、効率的に提供することができるという効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 入口 治郎 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4G072 AA25 BB05 DD04 GG03 HH07 HH28 JJ11 KK15 LL06 LL11 LL13 MM26 MM33 RR05 TT01 TT02 UU01 UU09 UU23 4J002 AA021 CD001 CD191 CD201 CF211 DJ016 FA086 FD016 GB01 GQ05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ粒子を焼成してなる焼成シリカ粒子
    であって、平均粒子径が0.04〜5μmの範囲内であ
    り、平均粒子径の標準偏差値が1.3μm以下であり、
    粒子径20μm以上の凝集物の含有量が0.02重量%
    以下であり、かつ、30℃,90%RHの環境下で1日
    間放置した後における当該焼成シリカ粒子の吸湿量が
    0.2重量%以下であることを特徴とする焼成シリカ粒
    子。
  2. 【請求項2】上記シリカ粒子が、加水分解が可能なシリ
    コン化合物を、水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分
    解,縮合して得られるものであることを特徴とする請求
    項1記載の焼成シリカ粒子。
  3. 【請求項3】加水分解が可能なシリコン化合物を、水と
    触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによ
    って得られるシリカ粒子を乾燥し、その後、該シリカ粒
    子を1000〜1200℃の範囲内で焼成して得られた
    ものであることを特徴とする請求項1または2記載の焼
    成シリカ粒子。
  4. 【請求項4】有機溶媒に含まれるシリコン化合物の濃度
    が0.05〜1.2モル/Lの範囲内であり、水の濃度
    が2〜25モル/Lの範囲内であり、触媒の濃度が0.
    8〜9.4モル/Lの範囲内であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の焼成シリカ粒子。
  5. 【請求項5】上記シリカ粒子が、焼成前に瞬間真空蒸発
    装置によって乾燥されていることを特徴とする請求項3
    記載の焼成シリカ粒子。
  6. 【請求項6】上記シリカ粒子が、焼成前にスプレードラ
    イ方式によって乾燥された後に粉砕されたものであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の焼成シリカ粒子。
  7. 【請求項7】加水分解が可能なシリコン化合物を、水と
    触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによ
    ってシリカ粒子を得る工程と、上記シリカ粒子を乾燥す
    る乾燥工程と、乾燥することで得られたシリカ粒子を1
    000〜1200℃の範囲内で焼成する焼成工程とを含
    むことを特徴とする焼成シリカ粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】平均粒子径が0.04〜5μmの範囲内で
    あり、平均粒子径の標準偏差値が1.3μm以下であ
    り、粒子径20μm以上の焼成シリカ粒子の凝集物の含
    有量が0.02重量%以下であり、かつ、30℃,90
    %RHの環境下で1日放置した後における当該焼成シリ
    カ粒子の吸湿量が0.2重量%以下である焼成シリカ粒
    子とマトリクス樹脂とを含む硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】上記マトリクス樹脂として、エポキシ樹
    脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、G
    MA変性アクリル樹脂のいずれかの樹脂を含むことを特
    徴とする請求項8記載の硬化性樹脂組成物。
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