JP3859737B2 - 歯科用複合材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は歯科用複合材料に関し、より詳しくは剛性および耐摩耗性に優れ、義歯床用レジン、人工歯等に有用な歯科用複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、(メタ)アクリレート系の材料はその優れた透明性、表面光沢および成形加工性に優れていることから歯科材料として広く用いられている。しかし、機械的強度に劣るため、例えば義歯床とした場合、床の厚みを薄くすることが出来ず、口腔内への装着時に異物感があるという問題があった。また、耐摩耗性に劣るため、摩耗により経時的に材料の寸法安定性が劣ってくるという問題があった。さらに、(メタ)アクリレート系材料は、例えばメチルメタクリレートでは重合収縮率が21%と大きく成形時の寸法安定性に劣っていた。
【0003】
このような点を克服する試みの一つとして、無機物との複合化がこれまで多く検討されている。例えば、特開昭60−11505号公報においては、ビニルモノマーに特定の粒子径を有する球状の無機酸化物を配合させた後、重合させることにより耐摩耗性に優れた歯科用修復剤が得られることを開示している。しかし、この方法において用いる無機酸化物の粒子径が0.1〜10μmであるために耐摩耗性は十分満足いくものではなく、摩耗面も粒子径に依存し粗造となってくるという問題があった。また、この方法によれば、無機酸化物の粒子径が0.1μmより小さい場合にはモノマーと混合した際に粘度上昇が著しく、その硬化物は実用に供する材料となり得るものではなく、そのため無機酸化物の配合割合を高くできないという問題があった。
【0004】
一方、コロイダルシリカを、シラン化合物を用いてラジカル重合性ビニル化合物に均一に分散させることにより、透明性と剛性に優れた複合体組成物が得られることが特開平5−209027号公報に開示されている。しかし、この方法はアクリル系樹脂に剛性および耐熱性を付与したシート材に関するものであり、具体的に、歯科材料にこれを用いることについては何ら開示されていない。また耐摩耗性に関しても何ら言及されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した如き現状に鑑み、(メタ)アクリレート系材料が本来有する優れた透明性、表面光沢、成形加工性を損なうことなく、剛性および耐摩耗性が付与された(メタ)アクリレート系歯科用複合材料を得るべく鋭意検討した結果、単官能(メタ)アクリレートに、特定の粒子径を有するコロイダルシリカを分散させた複合体が所期の目的を達成し得ることを見い出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(a)単官能(メタ)アクリレート100重量部に、(b)平均粒子径が1〜100nmであるコロイダルシリカの存在下で下記一般式(I)
SiR1 a R2 b (OR3 )c (I)
(式中、R1 ,R2 は、エーテル結合、エステル結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、R3 は、水素原子またはエーテル結合、エステル結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、a,bは0〜3の整数、cは4−a−bであって、1〜4の整数を表わす。)で表わされる少なくとも1種のシラン化合物を加水分解、縮重合させて得られるシリカ系縮重合体1〜300重量部を分散し、さらに、(c)重合開始剤を配合した組成物を重合せしめてなる歯科用複合材料にある。
【0006】
本発明の特徴は、コロイダルシリカを用いることによって従来困難とされていた平均粒子径が0.1μmより小さい領域にシリカを分散させることが可能となり、その結果、微粒子のシリカを配合することによる(メタ)アクリレート系材料への剛性および耐摩耗性の付与を可能とならしめたことにある。さらに、本発明の他の特徴は、コロイダルシリカの平均粒子径が1〜100nmと極微粒子であるため(メタ)アクリレート系材料の有する優れた透明性、表面光沢をも発現せしめることができた点にある。
【0007】
以下、本発明の歯科用複合材料に関して詳細に説明する。
【0008】
本発明に用いられる単官能(メタ)アクリレート(a)としては、公知の単官能(メタ)アクリレートが使用される。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が例示できる。これらは1種または2種以上を用いて使用することができる。好ましくは、メチルメタクリレートを50重量%以上含有する単官能(メタ)アクリレート混合物である。さらに、メチルメタクリレートを70重量%以上含有する場合には、得られた歯科用複合材料が破損などした場合に(メタ)アクリレート系の歯科用修復剤での修復が容易にできるために特に好ましい。
【0009】
また、本発明においては単官能(メタ)アクリレート(a)に、単官能(メタ)アクリレートと共重合可能な多官能(メタ)アクリレートを必要に応じて配合することもできる。好ましくは一般に歯科材料として用いられる多官能(メタ)アクリレートが配合できる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールユニットが2〜20のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、下記一般式(II)で示される化合物(以下、NF−201と略称する)。下記一般式(III) で示される化合物(以下、Bis−GMAと略称する。)、下記一般式(IV)で示される化合物(以下、Bis−MEPPと略称する。)等を好ましい多官能(メタ)アクリレートとして例示できる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
多官能(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレート100重量部に対して、0〜40重量部の範囲で配合でき、好ましくは0〜25重量部の範囲である。多官能(メタ)アクリレートが40重量部より多いと、重合した際の重合収縮率が大きくなり、重合前後での重合物の寸法安定性が劣ってくるという問題が生じる。
【0014】
本発明に用いられるシリカ系縮重合体(b)は、コロイダルシリカ分散系中で下記一般式(I)
SiR1 a R2 b (OR3 )c (I)
(式中、R1 ,R2 は、エーテル結合、エステル結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、R3 は、水素原子またはエーテル結合、エステル結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、a,bは0〜3の整数、cは4−a−bであって、1〜4の整数を表わす。)
で表わされるシラン化合物の1種以上を、そのOR3 基の大部分を加水分解、縮重合させて得られる縮重合体であり、その外表面にはOR3 基、またはOR3 基とOH基とが存在する。したがって単官能(メタ)アクリレート中に分散する。
【0015】
かかるシリカ系縮重合体(b)は、コロイダルシリカのみを単官能(メタ)アクリレート(a)に分散させようとした場合にゲル化してしまうようなシリカ濃度においても、(メタ)アクリレート中に均一に分散することが可能となり、歯科用複合材料に目的とする物性を付与することが可能になる。
【0016】
本発明において使用されるコロイダルシリカは、各種の市販品が使用できる。コロイダルシリカの好ましい粒子径は1〜100nmである。コロイダルシリカの分散媒は特に限定されないが、通常、水、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、セロソルブ類、ジメチルアセトアミド等が使用される。特に好ましい分散媒は、アルコール類、セロソルブ類および水である。
【0017】
本発明で用いる前記一般式(I)で表されるシラン化合物の中でも、下記一般式(I−1)〜(I−6)で表わされるシラン化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0018】
【化4】
【0019】
(式中、R4 ,R5 はエーテル結合またはエステル結合を有してもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、R6 は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基、R7 は水素原子またはメチル基、R8 は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基、a,bは0〜3の整数、cは4−a−bであって、1〜4の整数、nは0〜2の整数、pは1〜6の整数を表わす。)
【0020】
前記一般式(I−1)で表わされるシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シランおよびこれらの部分加水分解物が挙げられる。中でもテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランが好ましい。
【0021】
前記一般式(I−2)で表わされるシラン化合物としては、例えばテトラキス(アクリロキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロキシエトキシ)シラン、メチルトリス(アクリロキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロキシエトキシ)シランが挙げられる。中でもテトラキス(アクリロキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロキシエトキシ)シランが好ましく、これらは例えばテトラクロルシランと3−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレートから合成される。
【0022】
前記一般式(I−3)で表わされるシラン化合物としては、例えばβ−アクリロキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0023】
前記一般式(I−4)で表わされるシラン化合物としては、例えばビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
【0024】
前記一般式(I−5)で表わされる化合物としては、例えばγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0025】
前記一般式(I−6)で表わされる化合物としては、例えばp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシランが挙げられる。
【0026】
本発明において、前記一般式(I−1)〜(I−6)で表わされるシラン化合物の好ましい使用方法として、以下の5態様が例示される。
【0027】
第1の態様は、前記一般式(I−1)で表わされるシラン化合物の1種以上を用いる態様である。前記一般式(I−1)において、R4 ,R5 ,R6 の炭素数が1〜4の炭化水素残基であるシラン化合物を用いるのが好ましい。R4 ,R5 ,R6 の炭素数が4以下の炭化水素残基であると、立体的な障害が小さいため、加水分解、縮重合速度が速くなり、コロイダルシリカ粒子同士を結合させ、シリカ骨格を形成させることが容易となる。
【0028】
第2の態様は、前記一般式(I−2)で表わされるシラン化合物の1種以上を用いる態様である。一般式(I−2)で表わされるシラン化合物を加水分解、縮重合した際、加水分解されずにシリカ系縮重合体(b)中に残ったアクリロキシエトキシ基またはメタクリロキシエトキシ基は、重合時に単官能(メタ)アクリレート(a)と共重合し、化学的に結合する。このため単官能(メタ)アクリレート(a)の重合体とシリカ系縮重合体(b)との界面の補強に寄与することとなる。
また、加水分解されずに残ったアクリロキシエトキシ基またはメタクリロキシエトキシ基が単官能(メタ)アクリレート(a)との重合の際に、さらに縮重合のために脱離した場合でも、脱離基は単官能(メタ)アクリレート(a)と共重合するので揮発分とはならず、得られる複合材料は発泡、クラック、割れを生じない。
【0029】
第3の態様は、前記一般式(I−1)で表わされるシラン化合物の1種以上と前記一般式(I−2)で表わされるシラン化合物の1種以上とを併用する態様である。これら2種のシラン化合物を併用した場合には、前述のそれぞれのシラン化合物を単独で使用した場合の効果に加え、一般式(I−2)で表わされるシラン化合物が、そのケイ素原子の周りが立体的に込み合っているので加水分解されにくく、シリカ系縮重合体(b)を後述する重合操作まで安定に保つという効果が発揮される。
【0030】
第4の態様は前記一般式(I−3)〜(I−6)で表わされるシラン化合物の1種以上を用いる態様である。これらシラン化合物およびその加水分解生成物は、単官能(メタ)アクリレート(a)の重合時に共重合性単量体あるいは連鎖移動剤としても働くので、単官能(メタ)アクリレート(a)の重合体とシリカ系縮重合体(b)との界面の補強に寄与し、本発明の複合材料の物性を良好なものにする。
【0031】
第5の態様は、前記一般式(I−1)で表わされるシラン化合物の1種以上と前記一般式(I−3)〜(I−6)で表わされるシラン化合物の1種以上とを併用する態様である。これら2種のシラン化合物を併用した場合には、第1の態様で説明した一般式(I−1)で表わされるシラン化合物から生成するシリカ骨格中に一般式 (I−3)〜(I−6)で表わされるシラン化合物が共に組み込まれる形となるので、単官能(メタ)アクリレート(a)の重合体とシリカ系縮重合体(b)との間に強固な縮合を生じさせ、得られる複合材料の物性を良好なものにする。
【0032】
シラン化合物の加水分解、縮重合反応に際しては、反応系中に水を存在させることが必要である。反応系中における水の存在割合が反応速度に及ぼす影響は特に著しいものではないが、極端に少ない場合には加水分解が緩慢すぎて縮重合体が得られない。
【0033】
シラン化合物の加水分解を行う際の触媒として、無機酸または有機酸を使用することが可能である。無機酸としては、例えば塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等が用いられる。有機酸としてはギ酸、酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0034】
シラン化合物の加水分解反応系には、反応を温和に、かつ、均一に行うために溶媒を用いることができる。溶媒としては、反応物であるシランアルコキシドと水、触媒を相溶させ得るものが望ましい。かかる溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。これら溶媒は、前述したコロイダルシリカの分散媒をそのまま用いてもよいし、新たに必要量加えてもよい。溶媒の使用量は反応物を均一に溶解できる量であれば特に制限はないが、反応物の濃度が希薄になりすぎると、反応速度が著しく遅くなるおそれがある。シラン化合物の加水分解と縮重合反応は、室温〜120℃程度の温度で30分〜24時間の条件下で、好ましくは室温溶媒の沸点程度で1〜10時間程度の条件下で行われる。
【0035】
シリカ縮重合体(b)中のコロイダルシリカと、一般式(1)で表されるシラン化合物の配合量は特に限定されないが、コロイダルシリカ固形分100重量部に対し、シラン化合物0.1〜200重量部が好ましく、1〜100重量部がより好ましい。
【0036】
シラン化合物として一般式(I−1)で表わされる化合物の1種以上を用いる場合には、コロイダルシリカ固形分100重量部に対して、シラン化合物1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましい。
【0037】
シラン化合物として一般式(I−2)で表わされる化合物の1種以上を用いる場合には、コロイダルシリカ固形分100重量部に対して、シラン化合物1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましい。
【0038】
シラン化合物として一般式(I−1)で表わされる化合物の1種以上と一般式(I−2)で表わされる化合物の1種以上とを併用する場合には、コロイダルシリカ固形分100重量部に対し、一般式(I−1)で表わされるシラン化合物は1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましく、一般式(I−2)で表わされるシラン化合物は0.1〜200重量部が好ましく、1〜100重量部がより好ましい。
【0039】
シラン化合物として一般式(I−3)〜(I−6)で表わされる化合物の1種以上を用いる場合には、コロイダルシリカ固形分100重量部に対し、シラン化合物1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましい。
【0040】
シラン化合物として一般式(I−1)で表わされる化合物の1種以上と一般式(I−3)〜(I−6)で表わされる化合物の1種以上とを併用する場合には、コロイダルシリカ固形分100重量部に対し、一般式(I−1)で表わされるシラン化合物は1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましく、一般式(I−3)〜(I−6)で表わされるシラン化合物は0.1〜200重量部が好ましく、1〜100重量部がより好ましい。
【0041】
本発明の歯科用複合材料は、コロイダルシリカの分散系中でシラン化合物を加水分解、縮重合させて得られたシリカ系縮重合体(b)と単官能(メタ)アクリレート(a)の重合体を配合している。単官能(メタ)アクリレート(a)とシリカ系縮重合体(b)との配合比率は、(a)100重量部に対し、(b)1〜300重量部の範囲内で用いることが好ましく、さらには(a)100重量部に対し、(b)5〜200重量部の範囲で用いることがより好ましい。シリカ系縮重合体(b)が5〜200重量部の場合に、本発明の目的とする物性が十分発現する。
【0042】
シリカ系縮重合体(b)を単官能(メタ)アクリレート(a)に分散させる方法は、特に限定されるものではないが、例えば、コロイダルシリカの分散液にシラン化合物および必要ならば水や触媒を混合し、前述した反応条件で反応させ、この反応後の液中に単官能(メタ)アクリレート(a)を混合し、次いでコロイダルシリカの分散媒およびシラン化合物の加水分解反応で生成した揮発分を除去する方法が特に好ましい。
【0043】
本発明の成分(c)として用いられる重合開始剤は、歯科用複合部材としての目的に適した重合形式に応じて任意に選択される。熱重合の場合には、各種の過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等のアゾ化合物等を用いて鋳込み重合法等の塊状重合や懸濁重合に供することができる。特に懸濁重合では、コロイダルシリカが均一に分散したポリマービーズが得られる。可視光や紫外線による光重合の場合には、ベンゾフェノン類、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサイド類およびα−ジケトン類等を用いることができる。また、光重合の場合には、第3級アミン等の還元剤を併用してもよい。重合開始剤(c)の通常の添加量は、成分(a)100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
【0044】
本発明の複合材料は、前述の単官能(メタ)アクリレート(a)とシリカ系縮重合体(b)と重合開始剤(c)とを所望の状態に混合して同時に重合させることにより複合化することが好ましい。その際に前述の(a)〜(c)成分に、さらに(d)成分として(メタ)アクリレート系(共)重合体を配合したものを重合して目的とする複合材料を得ることも好ましい。(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)の配合割合は(メタ)アクリレート系(共)重合体の組成等により適宜選択され、(a)〜(c)成分の混合物100重量部に対し、(d)成分を1〜400重量部の割合で配合できる。この(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)を配合することによって、重合前後の重合収縮率をさらに低減することが可能となる。
【0045】
本発明に用いられる(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)は、公知の(メタ)アクリレート系単量体を重合することによって得られる。
重合する方法は特に限定されないが、各種過酸化物、アゾ化合物を用いた懸濁重合や塊状重合等がある。これら(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)は平均粒子径1〜500μmの粉体であることが好ましく、(a)〜(c)成分への配合性の点から10〜200μmが最適である。特に塊状重合により得られた重合体は粉砕機により必要な粒子径に粉砕して用いるのが好ましい。
【0046】
(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)は、目的の複合材料に応じて適宜選択される。すなわち、本発明に用いられる(メタ)アクリレート系(共)重合体(d)は、その1成分が(メタ)アクリロキシ基を分子中に1個を有する単官能(メタ)アクリレートである共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリロキシ基を分子内に1個を有する単官能(メタ)アクリレートとして、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が例示できる。好ましくはメチルメタクリレート単位を50重量%以上有する共重合体であり、さらに好ましくはメチルメタクリレート単位を70重量%以上有する共重合体である。前記1成分と組み合わせて用いられる共重合可能な不飽和モノマーとしては、単官能不飽和モノマーおよび多官能不飽和モノマーである。単官能不飽和モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を例示できるが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを好ましいモノマーの例として挙げることができる。
【0047】
多官能不飽和モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールユニットが2〜20のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、NF−201,Bis−GMA,Bis−MEPPを具体的に好ましいものとして示すことができる。
【0048】
また、本発明の複合材料は、前述の単官能(メタ)アクリレート(a)とシリカ系縮重合体(b)と重合開始剤(c)とを所望の状態に混合して同時に重合させて得られるが、その際にこれら混合物の一部が部分的に重合しているものを製造し、次いで、それを重合させて複合材料を得る方法も好ましい。部分重合体は(a)〜(c)成分からなる組成物の1〜80重量%の割合で組成物中に含まれる。混合物の一部が部分的に重合していることにより、混合物の粘度が上昇する。これにより成形型への充填に際する混合物の取扱いが容易となる。また、部分重合しているため、その後の重合を行った際に重合前後の重合収縮率がさらに低く抑えられる。
【0049】
(a)〜(c)成分の混合物の一部が部分的に重合している混合物を得る方法はとくに限定されないが、単官能(メタ)アクリレート(a)を構成する成分の1成分あるいは複数成分の部分重合体と残る(a)成分と(b)および(c)成分を混合する方法、(a)および(b)成分の混合物を沸点熟成等の方法で重合させた後、さらに(c)成分の混合物を条件選択することにより所望の重合率で反応を停止させ、部分的に重合した混合物を得る方法等が挙げられる。
【0050】
さらに、本発明の歯科複合材料においては、材料としての目的に応じて無機フィラーを配合することもできる。また、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で顔料、着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤等の添加剤を混合して用いることもできる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。例中の「部」は「重量部」を示す。
【0052】
参考例1 シリカ分散溶液の製造;
イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、平均粒子径15nm,触媒化成工業(株)製、商品名OSCAL−1432)200部にトリメチルメトキシシラン5.2部、0.01規定の塩酸水溶液5.0部を加え、50℃に昇温した。1時間後、メチルメタクリレート(以下、MMAと略記する。)を加え、ロータリエバポレーターで減圧下40℃で揮発分を留去しながらMMAを揮発分の留去と同じ速度で加え、最後に溶媒をMMAで完全に置換し、濃縮し全量を120部としてシリカ分散溶液(以下SM−1と略記する。)を得た。これをるつぼで焼成した後の灰分から算出した固形分(SiO2 分)は50重量%であった。
【0053】
参考例2 シリカ分散溶液の製造;
水分散型コロイダルシリカ(シリカ含有20重量%、日産化学工業(株)製、平均粒子径45nm、商品名スノーテックス−0)300部にイソプロピルアルコール300部を加えた。ロータリーエバポレーターで減圧下50℃で揮発分を留去しながらイソプロピルアルコールを揮発分の留去と同じ速度で加え、最後の溶媒をイソプロピルアルコールで完全に置換し、濃縮して全量を200部とした。γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.0部、0.01規定塩酸水溶液2・5部を加え、ロータリーエバポレーターで減圧下40℃で揮発分を留去しながらMMAを揮発分の留去と同じ速度で加え、最後に溶媒をMMAで完全に置換し、全量を200部とした。さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部を添加し、シリカ分散溶液(以下、SM−2と略記する。)を得た。これをるつぼ中で焼成した後の灰分から算出した固形分(SiO2分)は28重量%であった。
【0054】
実施例1
FRPフラスコの中央部に石膏製の73mm×50mm×4mmの直方体の陰型を置き成形型とした。参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1 30部に重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.03部を溶解したものを成形型に充填し、50℃温水中、4kg/cm2 加圧下で1時間予備重合を行い、その後100℃に保たれた温水中で1時間重合した。次いで20分間空冷した後、重合硬化物を取り出して70mm×12mm×3mmの大きさに切断、研磨した。透明性を積分球式ヘイズメーター(日本精密光学製、SEP−H−SS)を使用してASTMD1003に準じて測定したところ、全光線透過率は93%であった。また、ASTMD790に準じて曲げ試験を行った結果、曲げ弾性係数は72000kg/cm2 であった。
さらに重合硬化物について、歯科で汎用な評価方法である歯ブラシ摩耗試験(条件:ブラシは「プロスペック」(ジーシー(株)製)、荷重100gr、水中5万回ストローク)を実施し、摩耗深さを測定したところ5μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度(村上色彩技術研究所製、デジタル光度計GM−3Dを用い、ハロゲン光源(6V,20W)、測定角度60°で測定した。)は67%の良好な値を示した。
【0055】
実施例2
参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1にかえて参考例2で得られたシリカ分散溶液SM−2 15部を用いた以外は実施例1と同様に重合を行い、重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は93%であり、曲げ弾性係数は50100kg/cm2 であった。 さらに重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、8μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度を測定したところ、60%の良好な値を示した。
【0056】
実施例3
FRPフラスコの中央部に石膏製の73mm×50mm×4mmの直方体の陰型を置き成形型とした。参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1 9部、MMA6部とPMMA粒子(三菱レイヨン(株)製、商品名;アクリコンAC、平均粒子径70μm、過酸化ベンゾイル1重量%含有、以下、F−1と略記する。)15部を混合し、餅状になったものを陰型中に隙間ができないように充填した。このフラスコを70℃に保たれた蒸気乾燥機中に入れ30分間予備重合を行い、その後100℃に保たれた蒸気乾燥機中で1時間重合した。次いで20分間空冷した後、重合硬化物を取り出して70mm×12mm×4mmの大きさに切断、研磨した。硬化物の全光線透過率は92%であり、曲げ弾性係数は38600kg/cm2であった。
さらに重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、8μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度を測定したところ、58%であった。
【0057】
実施例4〜12
シリカ分散溶液SM−1とMMAの混合溶液にさらに表1に示した多官能(メタ)アクリレートを種々の割合で混合して用いた以外は実施例3と同様に重合を行い、重合硬化物を得た。組成および評価結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例13
PMMA粒子F−1にかえてメタクリレート系共重合体(三菱レイヨン(株)製、商品名VHSK、平均粒子径120μm)15部を用い、さらに重合開始剤として過酸化ベンゾイル(以下、BPOと略記する。)0.1部を用いた以外は実施例3と同様に重合を行い、重合硬化物を得た。硬化物の全光線透過率は92%であり、曲げ弾性係数は38500kg/cm2 であった。さらに重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、8μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度は60%であった。
【0060】
実施例14
PMMA粒子F−1にかえてメタクリレート系共重合体(三菱レイヨン(株)製、商品名BR−568、平均粒子径130μm)15部を用い、さらにBPO0.1部を用いた以外は実施例3と同様に重合を行い、重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は91%であり、曲げ弾性係数は37900kg/cm2 であった。さらにこの重合硬化物について歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ9μmの耐摩耗性を示し、摩耗面の光沢度は59%であった。
【0061】
実施例15
参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1 100部に2,2’−アゾビス−(2,4ジメチルバレロニトリル)0.1部を溶解させた後、65℃において2時間、次いで130℃において2時間加熱しシリカ分散溶液を重合硬化させた。25℃における重合前の組成物の比重および重合硬化物の比重から求めた重合による体積収縮率は7.4%であった。
また、得られた重合硬化物を凍結粉砕機により粉砕し、平均粒子径100μmのシリカの分散した重合体粉(以下、F−2と略記する。)を得た。
さらにPMMA粒子F−1にかえてこの得られたシリカの分散した重合体粉F−2 15部とBPO 0.1部を用いた以外は実施例3と同様に重合を行い、重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は89%であり、曲げ弾性係数は60000kg/cm2 であった。さらにこの重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、6μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度は60%であった。
【0062】
実施例16
参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1 100部、MMA150部、BPO 0.5部を500mlのセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、撹拌数100rpm、内温65℃として重合を行った。30分後、氷冷により内温を下げ重合を停止させた。これによりMMA換算の重合率が20重量%の部分重合体を得た。この部分重合体50部にPBO 0.25部を溶解した後、減圧にして溶存空気を除去した。実施例1と同様にこの溶液をFRPフラスコに充填、重合し硬化物を得た。この重合硬化物の全光線透過率は90%であり、曲げ弾性係数は43000kg/cm2 であった。
さらに重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、7μmの耐摩耗性を示した。またこの摩耗面の光沢度は63%であった。 また、得られた溶液を実施例15と同様の方法で重合硬化させて体積収縮率を測定したところ体積収縮率は11.5%であった。
【0063】
実施例17
参考例1で得られたシリカ分散溶液SM−1 100部に、予め予備重合を行い重合率20重量%としたMMAの部分重合体100部を混合し、部分重合体を10重量%含有した溶液を得た。この部分重合体50部にPBO 0.25部を溶解した後、減圧にして溶存空気を除去した。実施例1と同様にこの溶液をFRPフラスコに充填、重合し重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は、90%であり、曲げ弾性係数は45000kg/cm2 であった。さらにこの重合硬化物について歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、8mmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度は60%であった。
また得られた溶液を実施例15と同様の方法で重合硬化させて体積収縮率を測定したところ体積収縮率は11%であった。
【0064】
実施例18
参考例1で得られたシリカ分散液SM−1 30部に2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド0.3部を溶解させた後、溶存空気を除去し、ガスケットおよび2枚の強化ガラス(130mm×130mm)により形成され、予め厚さ3mmになるよう設定されたセル中に注いだ。その後、光重合装置(ウシオ電気(株)製、500W超高圧水銀ランプ)により、60分間光照射を行い、重合硬化物を得た。得られた重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ、11μmの耐摩耗性を示した。
また摩耗面の光沢度を測定したところ、53%であった。
【0065】
比較例1
MMA15部とPMMA粒子F−1 15部を用いた以外は実施例1と同様にFRPフラスコに充填、重合し重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は93%であり、曲げ弾性係数は32500kg/cm2 であった。さらに重合硬化物について歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ23μmの耐摩耗性を示した。また摩耗面の光沢度は63%であった。
【0066】
比較例2
シリカ分散溶液SM−1にかえて、MMA100部を用いた以外は実施例15と同様の重合を行った。重合における体積収縮率は21.0%であった。
【0067】
比較例3
シリカ微粉(平均粒子径40nm、日本アエロジル(株)製、商品名アエロジルOX−50)60部にトリメチルメトキシシラン5.2部を加えて乳鉢で混合した。その後、MMA140部を配合して、さらに乳鉢で混合撹拌し、シリカ分散溶液を得た。得られた溶液はシリカ微粉が高次凝集しているため分散性が不均質であった。
このシリカ溶液15部とPMMA粒子F−1 15部を用いた以外は実施例3と同様にFPRフラスコに充填、重合し重合硬化物を得た。重合硬化物の全光線透過率は45%であり、曲げ弾性係数は36500kg/cm2 であった。さらに重合硬化物について、歯ブラシ摩耗試験を実施し、摩耗深さを測定したところ15μmの耐摩耗性を示し、摩耗面の光沢度は51%であった。
【0068】
【発明の効果】
以上述べた如き構成からなる本発明の歯科用複合材料は、優れた透明性、剛性および耐摩耗性を有し、例えば義歯床用レジン、人工歯等に極めて有用である。
Claims (4)
- (a)単官能(メタ)アクリレート100重量部に、(b)平均粒子径が1〜100nmであるコロイダルシリカの存在下で下記一般式(I)
SiR1 a R2 b (OR3 )c (I)
(式中、R1 ,R2 は、エーテル結合、エステル結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、R3 は、水素原子またはエーテル結合、エステル結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基、a,bは0〜3の整数、cは4−a−bであって、1〜4の整数を表わす。)で表わされる少なくとも1種のシラン化合物を加水分解、縮重合させて得られるシリカ系縮重合体1〜300重量部を分散し、さらに、(c)重合開始剤を配合した組成物を重合せしめてなる歯科用複合材料。 - 単官能(メタ)アクリレート(a)がメチルメタクリレートである請求項1記載の歯科用複合材料。
- (a)成分、(b)成分および(c)成分からなる組成物100重量部に、さらに(d)成分として(メタ)アクリレート系(共)重合体が1〜400重量部配合されてなる請求項1記載の歯科用複合材料。
- (a)成分、(b)成分および(c)成分からなる組成物の1〜80重量%が部分的に重合しており、さらにそれらを重合させることにより得られる請求項1記載の歯科用複合材料。
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