JP3437881B2 - 硬化性組成物、複合充填材、及び歯科用修復材料 - Google Patents

硬化性組成物、複合充填材、及び歯科用修復材料

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JP3437881B2
JP3437881B2 JP11502295A JP11502295A JP3437881B2 JP 3437881 B2 JP3437881 B2 JP 3437881B2 JP 11502295 A JP11502295 A JP 11502295A JP 11502295 A JP11502295 A JP 11502295A JP 3437881 B2 JP3437881 B2 JP 3437881B2
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昭 柳ヶ瀬
仁 位下
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昭史 上田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性組成物に関し、
より詳しくは歯科用修復材料として好適な硬化性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物に無機物を配合、複合化すること
により両者の特徴を損なうことなく高性能化を図ろうと
する複合材料の研究が、歯科材料分野等の種々の工業分
野で試みられている。それらの技術の目的は、有機物と
無機物との接合界面を制御することにより、いかに無機
物を有機物中に均一、かつ安定に分散させるかであり、
具体的には無機物の表面をシランカップリング処理やグ
ラフト化する等の手法が提案されている。しかしなが
ら、透明性に優れた無機・有機複合材料を得ようとすれ
ば、無機物と有機物の屈折率を合わせる必要があった
り、ナノメートル(nm)単位の無機微粒子を有機物中
に均一、安定に分散させようとすれば、無機微粒子の高
次凝集によって複合材料の流動性が著しく低下(チキソ
トロピー性)するため、無機微粒子を高濃度で複合材料
中に充填できないなど問題点を有している。
【0003】一方、無機充填材の存在下、ラジカル発生
剤を用い3官能以上の(メタ)アクリレートを予備硬化
し、粉砕することにより複合充填材を製造する方法が特
公昭61−52863号公報に提案されている。しかし
ながら、この方法においては、無機充填材を有機物中に
高濃度で充填しようとしても、無機充填材の凝集によっ
て混合物の粘度が著しく上昇し、高充填化が達成できな
いものであった。特に、これらの複合充填材を歯科用複
合材料として用いた場合、その耐磨耗性が不十分である
ばかりでなく透明性にも劣り、実用性のないものであっ
た。また、近年、これらの技術課題を解決することを目
的に、コロイダルシリカをシラン化合物を用いてメチル
メタアクリレート中に均一分散させることにより、透明
性と剛性に優れた硬化性組成物が得られることが特開平
5−209027号公報に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ここで
使用されているシラン化合物では、有機物マトリックス
中に無機微粒子を高濃度に安定して、均一に分散するこ
と、重合収縮率が小さいこと、得られた硬化物の耐磨耗
性、透明性等の優れた物性が発現し得ることの全てを十
分に満足できるものではなかった。本発明の目的は、ナ
ノメートル(nm)単位の球形微粒子であるコロイダル
シリカを、特定の多官能(メタ)アクリレート及び特定
のシラン化合物を用いることにより、多官能(メタ)ア
クリレート中に凝集することなく、均一に分散でき、か
つ重合収縮が小さく、耐磨耗性、透明性に優れた硬化物
を形成し得る可能な硬化性組成物を提供することにあ
る。さらにこの高充填化された硬化性組成物を重合硬化
させることにより、表面硬度、耐磨耗性等に優れた歯科
用修復材料に好適な硬化物を提供できる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、特定の多官能
(メタ)アクリレート、及び特定のシラン化合物を用い
ることにより、上記の目的が達成できることを見いだし
本発明を完成した。すなわち、本発明は、(a)下記一
般式(I)、(II)、(III)又は(IV)
【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、a,bは
1〜5の整数を表す。R2,R3は水素原子又はメチル基
より選ばれた基を、Xは分岐又は未分岐の炭素数1〜1
5のアルキレン基、2価の環脂肪族および芳香族基から
選ばれた基を表す。R4は水素原子又はメチル基を表
し、Yは
【化5】 およびその誘導体、R5は水素原子又はメチル基を表
す。R6は主鎖にエーテル結合を含むことがある炭素数
4〜15の炭化水素残基で、置換基として水酸基を有す
ることがある基を表す。R7は水素原子又はメチル基を
表す。)で示される多官能(メタ)アクリレートから選
ばれる少なくとも1種95〜20重量%と、(b)平均
粒子径が1〜100nmであるコロイダルシリカの存在
下で、下記一般式(V)、(VI)または(VII)
【化6】 (式中、Rは水素原子又はメチル基、R9は炭素数1
〜3のアルキル基又はフェニル基、R10は水素原子又は
炭素数1〜10の炭化水素残基、pは0〜2の整数を表
す。R11は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基、
12は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基、q
は0〜2の整数を表す。R13は水素原子又はメチル基、
14は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基、R15
は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基、mは1
〜6の整数、nは0〜2の整数を表す。)で示されるシ
ラン化合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解、縮
重合させて得られるシリカ系縮重合体5〜80重量%と
を含む混合物、および、(c)重合開始剤を(a)成分
100重量部に対して0.01〜10重量部を含有して
なる硬化性組成物にある。
【0006】また他の目的は、この硬化性組成物を予備
硬化し、粉砕して得られる複合充填材、及びこの硬化性
組成物又は複合充填材を含有する歯科用修復材料にあ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いられる成分(a)である特定の多官能(メ
タ)アクリレートは、一般式(I)、(II)、(III)
又は(IV)で示される。
【0008】下記一般式(I)
【化7】 (式中、R1、a、bは前記に同じ。)で示される多官
能(メタ)アクリレートは、ビスフェノールAから誘導
される疎水性の高いジ(メタ)アクリレートである。
【0009】上記一般式(I)のジ(メタ)アクリレー
トにおける疎水性は、エチレンオキシ基の数に依存し、
より疎水性であるといった点では、一般式(I)中の
a,bは、1又は2であることが好ましい。特に2,2
−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパ
ンが好適に用いられる。また、目的に応じて、使用する
シラン化合物の極性に併せて、この極性値との差を著し
く高めない範囲で他の多官能(メタ)アクリレートと混
合して用いることもできる。具体的には、ウレタン系等
が例示でき、中でもジ(メタクリロキシエチル)トリメ
チルヘキサメチレンジウレタンが物性バランスの点から
好ましい。
【0010】ここで言う「極性を高めない範囲」とは、
混合する他の多官能(メタ)アクリレート種の極性に依
存するために一概に特定できないが、2,2−ビス(4
−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパンに対して
ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレン
ジウレタンを混合する場合には、6対4程度までが好ま
しい範囲である。さらにメチルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート等の単官能(メタ)アクリ
レートと混合して用いることもできるが、架橋密度を著
しく低下させない範囲で使用することが好ましい。
【0011】下記一般式(II)
【化8】 (式中、R2、3、Xは前記に同じ。)で表される多官
能(メタ)アクリレートは、ジイソシアネート化合物に
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが付加したウ
レタン系ジ(メタ)アクリレートであり、具体例として
は以下に示すものが挙げられる。
【0012】
【化9】 これらの中でも、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチ
ルヘキサメチレンジウレタンが、得られた硬化物の物性
バランス上から特に好ましい。
【0013】下記一般式(III)
【化10】 (式中、R、Y、R5は前記に同じ。)で示される多
官能(メタ)アクリレートは、両末端にヒドロキシル基
を有する化合物にグリシジル(メタ)アクリレートが付
加した構造のものであり、構造上、親水・疎水の極性の
バランスが保たれている化合物である。この具体例とし
て以下に示すものが挙げられる。
【0014】
【化11】 これらの中でも、2,2−ビス[4−(3−メタクリロ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン
が、得られた硬化物の物性バランス上から特に好まし
い。
【0015】下記一般式(IV)
【化12】 (式中、R6、7は前記に同じ。)で示される3官能
(メタ)アクリレートとしては、R6が置換基として水
酸基を有するものが好適に用いられる。この具体例とし
ては、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールブタントリ(メタ)アクリレート等
が挙げられ、これらの中でもトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレートが好ましく、生体に対する刺激
性を考慮すると、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートが特に好ましい。
【0016】また、目的に応じて、一般式(II)、(III)
及び(IV)で示される多官能(メタ)アクリレートに対し
ては、極性を変えない範囲で他の多官能(メタ)アクリ
レートを混合して用いることもできる。
【0017】具体例としては、希釈モノマーとしてアル
カンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート等が例示でき、中でも極性がほぼ同
程度といった点でトリエチレングリコールジメタクリレ
ートが好ましく用いられる。さらにメチル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートと混合し
て用いることもできるが、得られた硬化物の架橋密度を
著しく低下させない範囲で使用することが好ましい。
【0018】本発明において用いられる成分(b)であ
るシリカ系縮重合体は、平均粒子径が1〜100nmで
あるコロイダルシリカの存在下で、下記一般式(V)、
(VI)または(VII)で表されるシラン化合物から選ばれる
少なくとも1種を加水分解、縮重合させて得られたもの
である。
【化13】 このシリカ系縮重合体(b)は、成分(a)の多官能
(メタ)アクリレート中に極めて均一に含有させること
ができるため、本発明の硬化性組成物からは、硬度、耐
磨耗性、透明性に優れた複合材料を得ることができる。
【0019】ここで、「加水分解、縮重合させて得られ
るシリカ系縮重合体」とは、コロイダルシリカ表面の一
部または全部にシラン化合物の加水分解物が保持された
状態にあるものを指し、その表面特性が疎水性に改質さ
れていることを意味する。本発明におけるこの表面改質
は、代表的にはコロイダルシリカ存在下にシラン化合物
の加水分解と縮重合反応とを行わせしめることにより、
容易に行うことができる。
【0020】本発明で用いるコロイダルシリカとして
は、平均粒子径が1〜100nmのものを用いることが
でき、ここで言うコロイド状とは、シリカ微粒子が分散
媒中に5〜70重量%の範囲で均一に安定分散している
ものを意味する。その分散媒は特に限定されないが、通
常、水、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、
セロソルブ類、ジメチルアセトアミド、キシレンなどが
使用される。特に好ましい分散媒は、アルコール類、セ
ロソルブ類、及び水である。本発明で用いられる一般式
(V)または(VI)で表されるフェニルシラン化合物の具
体例としては、p−ビニルフェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。こ
れらのフェニルシラン化合物は、単独または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0021】さらに目的に応じて、使用する一般式
(V)または(VI)で表されるシラン化合物の極性に合
わせて、この極性値との差を著しく高めない範囲で他の
シラン化合物と混合して用いることもできる。具体的に
は、(メタ)アクリルシラン化合物などが例示でき、中
でもγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ランが物性バランスの点から好ましい。特に一般式(VI)
で表される非反応性のフェニルシラン化合物を用いる場
合、反応性のγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランを併用すると、得られる硬化物の物性の発
現性の点で効果的である。
【0022】ここで言う「極性を著しく高めない範囲」
とは、混合する他のシラン化合物の極性に依存するため
に一概には特定できないが、例えばフェニルトリメトキ
シシランに対してγ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランを併用する場合には、6対4程度まで
が好ましい範囲である。また、成分(a)のうち前記一
般式(I)で表される多官能(メタ)アクリレートに対
して極性が著しく高いシラン化合物を用いた場合には、
コロイダルシリカが凝集してしまい、1次粒子の状態で
均一分散できなくなる傾向にある。そのため、粘度が増
大してゲル化したり、ヘイズがかかって不透明な組成物
となり、透明性、流動性が損なわれる傾向にある。すな
わち、一般式(I)で表される多官能(メタ)アクリレ
ートに対しては、コロイダルシリカの均一分散の点か
ら、シラン化合物の極性を考慮して選択することが好ま
しい。
【0023】本発明に用いられる一般式(VII)で表され
る(メタ)アクリルシラン化合物としては、具体的には
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β−アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシ
シラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジメチルメト
キシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジ
メチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。中で
もγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキ
シシラン等が、極性を考慮した場合に特に好ましい。こ
れらの(メタ)アクリルシラン化合物は、単独又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】さらに目的に応じて、使用する一般式(VI
I)で表される(メタ)アクリルシラン化合物の極性に
合わせて、この極性値との差を著しく変えない範囲で他
のシラン化合物と混合して用いることもできる。具体的
には、非反応性のフェニルシラン化合物、アルキルシラ
ン化合物等が例示できる。
【0025】ここでいう「極性を著しく変えない範囲」
とは、混合する他のシラン化合物の極性に依存するため
に一概には特定できないが、例えばγ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシランに対して、フェニル
トリメトキシシランを併用する場合には、6対4程度ま
でが好ましい範囲である。また、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシランを用いる場合、ト
リメチルメトキシシランを組み合わせることが保存安定
性の点から好ましい。
【0026】成分(b)を得るためのシラン化合物とシ
リカ微粒子との配合比は特に限定されないが、コロイダ
ルシリカの固形分100重量部に対して、シラン化合物
の総量として1〜200重量部の範囲が好ましく、さら
に好ましくは5〜100重量部の範囲である。次に本発
明で用いられる成分(b)の製造法について説明する。
一般的には、シラン化合物をコロイダルシリカ分散液中
に混合して、反応系中の水又は新たに加える水により加
水分解すれば、この加水分解、縮合反応物でシリカ表面
が改質された成分(b)が得られる。2種以上のシラン
化合物を用いる場合には、一括に混合してもよいし、分
割して段階的に混合してもよい。
【0027】反応系中における水の存在割合がこの反応
速度に及ぼす影響は特に著しいものではないが、極端に
水の存在割合が少ない場合には加水分解が緩慢すぎてシ
リカ系縮重合体(b)が得られにくくなるため、用いる
シラン化合物の種類にもよるが、シラン化合物と同量の
モル数以上の水が存在することが好ましい。
【0028】シラン化合物の加水分解、縮重合反応を行
う触媒としては、無機酸又は有機酸を使用することが可
能である。無機酸としては、例えば塩酸、フッ化水素
酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や、硫酸、硝酸、
リン酸等が用いられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、
シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0029】シラン化合物の加水分解反応系には、反応
を穏和にかつ均一に行うために溶媒を用いることができ
る。この溶媒としては、反応物であるシラン化合物と
水、触媒を相溶させ得るものが望ましい。この具体例と
しては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル類などを挙げることが
できる。また、これらの溶媒として、前述したコロイダ
ルシリカの分散媒をそのまま用いてもよいし、新たに必
要量加えてもよい。溶媒の使用量は、反応物を均一に溶
解できる量であれば特に制限はないが、反応物の濃度が
希薄になり過ぎると反応速度が著しく遅くなる傾向があ
る。
【0030】シラン化合物の加水分解反応と縮重合反応
は、室温〜120℃程度の温度で30分〜24時間程度
の条件下で、好ましくは室温〜溶媒の沸点程度の温度で
1〜10時間程度の条件下で行われる。シラン化合物の
加水分解、縮重合反応物で表面が改質された平均粒子径
が1〜100nmのコロイダルシリカからなるシリカ系
縮重合体(b)を、多官能(メタ)アクリレート(a)
に均一分散させる方法は、特に限定されるものではない
が、例えばコロイダルシイカの分散液にシラン化合物及
び必要ならば水や触媒を混合し、前述した反応条件で反
応させて、シリカ系縮重合体(b)を含む溶液を作り、
この反応後の液中に多官能(メタ)アクリレート(a)
を混合し、次いでコロイダルシリカの分散媒及びシラン
化合物の加水分解反応で生成した揮発分を除去する方法
が特に好ましい。
【0031】本発明の成分(c)として用いられる重合
開始剤は、本発明の硬化性組成物の使用目的に適した重
合形式に応じて任意に選択される。熱重合の場合には各
種の熱重合触媒、例えば酸化物、アゾ化合物などを用い
て塊状重合、懸濁重合に供することができる。特に懸濁
重合においては、コロイダルシリカが均一に分散した透
明なポリマービーズを得ることができる。また、可視光
線や紫外線による光重合の場合には、ベンゾフェノン
類、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン
類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサイド
類、及びα−ジケトン類などを用いることができる。ま
た、光重合の場合には、第3級アミンなどの還元剤を併
用してもよい。さらに過酸化物などの酸化剤とアミンな
どの還元剤とを別々に配合して、使用時に混合してレド
ックス重合を行わせてもよい。
【0032】多官能(メタ)アクリレート(a)に分散
されるシリカ系縮重合体(b)の量は、目的に応じて選
択され特に限定されるものではないが、コロイダルシリ
カの分散効果が発現し、かつ組成物の粘度が極端に高く
ならない範囲という観点から、(a)成分と(b)成分
の合計量100重量部のうち、(a)成分を20〜95
重量%、(b)成分を5〜80重量%の範囲とするのが
特に好ましい。
【0033】重合開始剤(c)の通常の添加量は、成分
(a)100重量部に対して、0.01〜10重量部、
特に好ましくは0.01〜5重量部の範囲が好ましい。
【0034】また、本発明の硬化性組成物においては、
(a)成分と(b)成分の極性、相溶性を考慮すると、
(a)成分が一般式(I)で示される多官能(メタ)
アクリレートを用いる場合には、(b)成分は一般式
(V)又は(VI)で示されるフェニルシラン化合物から
選ばれる少なくとも1種を用いる組み合わせ、又は
(a)成分が一般式(II)、(III)又は(IV)で示さ
れる多官能(メタ)アクリレートから選ばれる少なくと
も1種を用いる場合には、(b)成分は一般式(VII)
で示される(メタ)アクリルシラン化合物から選ばれる
少なくとも1種を用いる組み合わせが特に好ましい。
【0035】さらに、本発明の硬化性組成物及びそれを
用いた複合充填材においては、材料としての目的に応じ
て無機フィラー(平均粒子径100nmを越えるシリカ
粉、石英粉、ガラスビーズなど)や、(メタ)アクリル
酸エステル系ポリマー(例えばポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、及び(メタ)アクリル
酸エステルを主成分とする共重合体等)等の有機充填材
を配合することもできる。これらの充填材の配合量は、
成分(a)100重量部に対して5〜100重量部の範
囲が好ましい。
【0036】また必要に応じて、ゴム、顔料(例えば酸
化チタン、酸化鉄など)、溶剤(例えばエタノール、酢
酸エチル等)、重合禁止剤(例えばハイドロキノン、フ
ェノール類等)、着色材、熱安定剤、紫外線吸収剤、離
型剤、酸化安定剤等の添加剤を添加することもできる。
【0037】本発明の硬化性組成物は、用途に応じては
予備硬化、粉砕して、例えば歯科用修復材料などの複合
充填材として用いることもできる。この粉砕方法は、特
に限定されるものではないが、ボールミル等を用いて所
望の粒子径にすればよい。また、本発明の硬化性組成物
又は複合充填材を歯科用修復材料として用いる場合に
は、これらを単独、もしくは、歯科用に適した性能を付
与するため前記した各種添加剤を適宜選択し併用するこ
とができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に何ら限定
されるものではない。例中の「部」は、「重量部」を示
す。
【0039】[実施例1]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、平均粒子
径約15nm、触媒化成工業(株)製:商品名OSCA
L−1432)100部に、p−ビニルフェニルトリメ
トキシシラン11.2部、0.01規定の塩酸水溶液3
部を加え、40℃で1時間撹拌した。その後、2,2−
ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン
100部を加え、減圧下で揮発分をすべて留去してシリ
カ分散液(A)を得た。このシリカ分散液(A)は、コ
ロイダルシリカが1次粒子の状態で系中に均一分散して
おり、透明性に優れかつ流動性を有していた。
【0040】次に、撹拌器、窒素導入管及び熱電対を備
えた500ml三つ口フラスコに、ポリビニルアルコー
ル(分子量9000〜1万、ケン化度80)30部を脱
イオン水500部に溶解させたものを水相として仕込
み、上記のシリカ分散液(A)50部に重合開始剤とし
て、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部
を溶解したものを油相として仕込んだ。その後、撹拌回
転数を800rpm、反応温度を65℃に加温して懸濁
重合を開始し、2時間後に85℃に昇温して、さらに2
時間重合した。得られた懸濁重合物を冷却後、ろ過、乾
燥して、透明で真球状の平均粒子径が50μmのコロイ
ダルシリカ含有ポリマービーズを48部得た。焼成法に
より測定したこのシリカ灰分は、25重量%であった。
【0041】次に、上記シリカ分散液(A)10部に、
光重合開始剤としてカンファーキノン0.05部、還元
剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を
加えて溶解させて硬化性組成物を得た。この硬化性組成
物を、下面に厚さ0.1mmのカバーガラスを付けた内
径10mm、厚さ1mmのステンレス製金型に充填し、
上面に下面と同じカバーガラスを密着させた後に、両面
より可視光線照射器(ジーシー(株)製:商品名GCラ
イト)で60秒ずつ光照射を行い、硬化物を得た。この
硬化物の全光線透過率(ASTM D1003に準拠し
て測定した。)は73%を示し、透明性に優れていた。
また、この硬化物の一面を600番のサンドペーパーで
前研磨した後、歯科用研磨剤「エバライト」(ジーシー
(株)製)で仕上げ、研磨面を作製した。この研磨面の
光沢度をASTM D523−62Tに準拠して測定し
たところ、82%と良好な値を示した。さらに、この硬
化物について、歯科材料の評価として通常行われている
ブラシ磨耗性試験(条件:ブラシは「プロスペック」
(ジーシー(株)製)を用い、荷重100grで、水中
5万回ストロークさせる。)を実施し、磨耗深さを測定
したところ、4μmの良好な耐磨耗性を示した。
【0042】[実施例2]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン3.1部、0.01規定の塩酸水溶液1部を
加えて40℃で1時間撹拌した。さらにフェニルトリメ
トキシシラン8.1部、0.01規定の塩酸水溶液2部
を加えて40℃で1時間撹拌した。2,2−ビス(4−
メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン140部
と、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチ
レンジウレタン60部とを加え、減圧下で揮発分をすべ
て留去して、シリカ分散液(B)を得た。このシリカ分
散液(B)は、コロイダルシリカが1次粒子の状態で系
中に均一分散しており、透明性に優れ、かつ流動性を有
していた。
【0043】次に、上記シリカ分散液(B)10部に、
光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド0.1部を加えて溶解
させて、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物につい
て、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬化物を得
た。この硬化物について、その特性値を実施例1と同様
な方法にて測定したところ、全光線透過率69%、光沢
度84%、磨耗深さ5μmと良好な値を示した。また、
このシリカ分散液(B)10部に、石英微粉(平均粒子
径1.2μm、龍森(株)製、商品名クリスタライト5
X)10部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン0.3部を加えて乳鉢で混合したものを
配合したところ、良好な粘度を有するペースト状組成物
が得られた。
【0044】[実施例3]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン6.
1部、フェニルトリメトキシシラン5.1部、0.01
規定の塩酸水溶液3部を加え、50℃で1時間撹拌し
た。その後、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキ
シフェニル)プロパン30部とベンジルメタクリレート
3部とを加え、減圧下で揮発分をすべて留去してシリカ
分散液(C)を得た。このシリカ分散液(C)は、実施
例1のシリカ分散液(A)に比べて粘度は上昇してはい
るものの、コロイダルシリカが1次粒子の状態で系中に
均一分散しており、透明性に優れかつ流動性を有してい
た。
【0045】次に、このシリカ分散液(C)10部に、
光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド0.2部を加えて溶解
させて、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物につい
て、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬化物を得
た。得られた硬化物の全光線透過率は65%、光沢度は
80%、磨耗深さは3μmと良好な値を示した。
【0046】[実施例4]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン11.2部、0.01規定の塩酸水溶液3部
を加え、40℃で1時間撹拌した。その後、ジ(メタク
リロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン
100部を加え、減圧下で揮発分をすべて留去してシリ
カ分散液(D)を得た。このシリカ分散液(D)は、コ
ロイダルシリカが1次粒子の状態で系中に均一分散して
おり、透明性に優れかつ流動性を有していた。次に、シ
リカ分散液(D)を用いる以外は実施例1と同様な方法
で懸濁重合を行い、透明で真球状の平均粒子径が52μ
mのコロイダルシリカ含有ポリマービーズを45部得
た。これを焼成法により測定したシリカ灰分は、29重
量%を示した。
【0047】次に、上記シリカ分散液(D)10部に、
光重合開始剤としてカンファーキノン0.05部、還元
剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を
加えて溶解させて硬化性組成物を得た。この硬化性組成
物について、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬
化物を得た。この硬化物について、その特性値を実施例
1と同様な試験方法にて測定したところ、全光線透過率
75%、光沢度80%、磨耗深さ5μmと良好な値を示
した。
【0048】[実施例5]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン11.2部、0.01規定の塩酸水溶液3部
を加え、40℃で1時間撹拌した。その後、2,2−ビ
ス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル]プロパン100部を加え、減圧下で揮
発分をすべて留去してシリカ分散液(E)を得た。この
シリカ分散液(E)は、コロイダルシリカが1次粒子の
状態で系中に均一分散しており、透明性に優れかつ流動
性を有していた。次に、シリカ分散液(E)を用いる以
外は、実施例1と同様な方法で懸濁重合を行い、透明で
真球状の平均粒子径が53μmのコロイダルシリカ含有
ポリマービーズを44部得た。焼成法により測定したこ
のシリカ灰分は、28重量%を示した。
【0049】次に、上記シリカ分散液(E)10部に、
光重合開始剤としてカンファーキノン0.05部、還元
剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を
加えて溶解させて硬化性組成物を得た。この硬化性組成
物について、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬
化物を得た。この硬化物について、その特性値を実施例
1と同様な試験方法にて測定したところ、全光線透過率
76%、光沢度79%、磨耗深さ4μmと良好な値を示
した。
【0050】[実施例6]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン8.1部、0.01規定の塩酸水溶液2部を
加えて40℃で1時間撹拌した。さらにフェニルトリメ
トキシシラン3.1部、0.01規定の塩酸水溶液1部
を加えて40℃で1時間撹拌した。ジ(メタクリロキシ
エチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン140部
とトリエチレングリコールジメタクリレート60部とを
加え、減圧下で揮発分をすべて留去して、シリカ分散液
(F)を得た。このシリカ分散液(F)は、コロイダル
シリカが1次粒子の状態で系中に均一分散しており、透
明性に優れかつ流動性を有していた。
【0051】次に、上記シリカ分散液(F)10部に、
光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド0.1部を加えて溶解
させて、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物につい
て、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬化物を得
た。この硬化物について、その特性値を実施例1と同様
な試験方法にて測定したところ、全光線透過率70%、
光沢度78%、磨耗深さ4μmと良好な値を示した。ま
た、このシリカ分散液(F)10部に、石英微粉(商品
名クリスタライト5X)10部にγ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン0.3部を加えて乳鉢
で混合したものを配合したところ、良好な粘度を有する
ペースト状組成物が得られた。
【0052】[実施例7]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン8.1部、0.01規定の塩酸水溶液2部を
加えて40℃で1時間撹拌した。さらにフェニルトリメ
トキシシラン3.1部、0.01規定の塩酸水溶液1部
を加えて40℃で1時間撹拌した。その後、2,2−ビ
ス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル]プロパン140部とトリエチレングリ
コールジメタクリレート60部とを加えて、減圧下で揮
発分をすべて留去して、シリカ分散液(G)を得た。こ
のシリカ分散液(G) は、コロイダルシリカが1次粒
子の状態で系中に均一分散しており、透明性に優れかつ
流動性を有していた。
【0053】次に、上記シリカ分散液(G)10部に、
光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド0.1部を加えて溶解
させて、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物につい
て、実施例1と同様な方法で重合硬化させて硬化物を得
た。この硬化物について、その特性値を実施例1と同様
な試験方法にて測定したところ、全光線透過率69%、
光沢度75%、磨耗深さ5μmと良好な値を示した。ま
た、このシリカ分散液(G)10部に、石英微粉(商品
名クリスタライト5X)10部にγ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン0.3部を加えて乳鉢
で混合したものを配合したところ、良好な粘度を有する
ペースト状組成物が得られた。
【0054】[実施例8]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン11.2部、0.01規定の塩酸水溶液3部
を加え、50℃で1時間撹拌した。その後、ジ(メタク
リロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン
30部とベンジルメタクリレート3部とを加え、減圧下
で揮発分をすべて留去してシリカ分散液(H)を得た。
このシリカ分散液(H)は、実施例4のシリカ分散液
(D)に比べて粘度は上昇してはいるものの、コロイダ
ルシリカが1次粒子の状態で系中に均一分散しており、
透明性に優れかつ流動性を有していた。
【0055】[実施例9]イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)1
00部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン11.2部、0.01規定の塩酸水溶液3部
を加え、50℃で1時間撹拌した。その後、2,2−ビ
ス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)フェニル]プロパン30部とベンジルメタクリレ
ート3部とを加え、減圧下で揮発分をすべて留去してシ
リカ分散液(I)を得た。このシリカ分散液(I)は、
実施例5のシリカ分散液(E)に比べて粘度は上昇して
はいるものの、コロイダルシリカが1次粒子の状態で系
中に均一分散しており、透明性に優れかつ流動性を有し
ていた。
【0056】[実施例10]イソプロピルアルコール分
散型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)
100部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン11.6部、0.01規定の塩酸水溶
液3.5部を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、
トリメチロールプロパントリメタクリレート34.9部
に、光重合開始剤としてカンファーキノン0.2部、還
元剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.75
部を溶解したものを加え撹拌混合し、さらに減圧下40
℃で揮発分をすべて留去し硬化性組成物(K−1)を得
た。この硬化性組成物(K−1)は、コロイダルシリカ
が1次粒子の状態で系中に均一分散しており、透明性に
優れかつ流動性を有していた。焼成法により測定したこ
のシリカ灰分は、43重量%であった。次に、この硬化
性組成物(K−1)について、実施例1と同様な方法で
重合硬化させて硬化物を得た。この硬化物について、そ
の特性値を実施例1と同様な試験方法にて測定したとこ
ろ、全光線透過率85%、光沢度79%、磨耗深さ5μ
mと良好な値を示した。
【0057】[実施例11]イソプロピルアルコール分
散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、平均粒
子径15nm、日産化学工業(株)製:商品名スノーテ
ックスIPA−ST)100部に、γ−メタクリロイル
オキシプロピルメチルジメトキシシラン9.3部、0.
01規定の塩酸水溶液3.5部を加え、70℃で1時間
撹拌した後、さらにトリメチルメトキシシラン1.0部
を加え、50℃で1時間反応を行った。その後、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート21.1部に重合
開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)0.042部を溶解したものを加え撹拌
混合し、さらに減圧下40℃で揮発分をすべて留去し硬
化性組成物(K−2)を得た。この硬化性組成物(K−
2)は、コロイダルシリカが1次粒子の状態で系中に均
一分散しており、透明性に優れ、かつ流動性を有してい
た。焼成法により測定したシリカ灰分は、52重量%を
示した。
【0058】次に、この硬化性組成物(K−2)を、ガ
スケット及び2枚の強化ガラス(100mm×100m
m)を用いてあらかじめ厚さ3mmになるように設定さ
れたセル中に注いだ。その後、65℃で2時間、さらに
130℃で2時間重合を行い硬化物を得た。この硬化物
について、その特性値を実施例1と同様な試験方法にて
測定したところ、全光線透過率85%、光沢度80%、
磨耗深さ4μmと良好な値を示した。
【0059】[実施例12]イソプロピルアルコール分
散型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)
200部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン17.4部、0.01規定の塩酸水溶
液5.0部を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、
トリメチロールプロパントリメタクリレート7.0部に
重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.07部を溶解し
たものを加え撹拌混合し、さらに減圧下40℃で揮発分
をすべて留去し、硬化性組成物(K−3)を得た。この
硬化性組成物(K−3)は、実施例10の硬化性組成物
(K−1)に比べて粘度は上昇しているものの、コロイ
ダルシリカが1次粒子の状態で系中に均一に分散してお
り、透明性に優れかつ良好なペースト状であった。次
に、この硬化性組成物(K−3)を、温度110℃、圧
力150〜200kg/cm2の条件で10分間プレス
成形して重合硬化物を得た。さらに、この硬化物をボー
ルミル粉砕機にて粉砕し、平均粒子径約15μmの複合
充填材(F−1)を得た。この複合充填材(F−1)に
ついて、焼成法により測定したシリカ灰分は、73重量
%を示した。
【0060】次に、上記複合充填材(F−1)10部、
2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)フェニル]プロパン1.5部、トリエ
チレングリコールジメタクリレート3.5部、光重合開
始剤としてカンファーキノン0.05部、還元剤として
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を配合し
て、ペースト状組成物(P−1)を得た。このペースト
状組成物(P−19について、実施例1と同様な方法で
重合硬化させて硬化物を得た。この硬化物について、そ
の特性値を実施例1と同様な試験方法にて測定したとこ
ろ、光沢度68%、磨耗深さ6μmと良好な値を示し
た。
【0061】[実施例13]イソプロピルアルコール分
散型コロイダルシリカ(商品名OSCAL−1432)
100部に、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン12.4部、0.01規定の塩酸水溶
液3.0部を加え、70℃で1時間撹拌した。その後、
トリメチロールプロパントリメタクリレート40.0
部、2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン19.2部
に、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)0.07部を溶解したものを加
え撹拌混合し、さらに減圧下40℃で揮発分をすべて留
去し、硬化性組成物(K−4)を得た。この硬化物(K
−4)」は、コロイダルシリカが1次粒子の状態で系中
に均一分散しており、透明性に優れかつ流動性を有して
いた。次に、この硬化性組成物(K−4)を、ガスケッ
ト及び2枚の強化ガラス(100mm×100mm)を
用いてあらかじめ厚さ3mmになるように設定されたセ
ル中に注いだ。その後、65℃で2時間、さらに130
℃で2時間重合を行い硬化物を得た。さらにこの硬化物
をボールミル粉砕機にて粉砕し、平均粒子径12μmの
複合充填材(F−2)を得た。この複合充填材(F−
2)について、焼成法により測定したシリカ灰分は31
重量%であった。
【0062】次に、上記複合充填材(F−2)10部、
2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)フェニル]プロパン1.5部、トリエ
チレングリコールジメタクリレート3.5部、光重合開
始剤としてカンファーキノン0.05部、還元剤として
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を配合し
て、ペースト状組成物(P−2)を得た。このペースト
状組成物(P−2)について、実施例1と同様な方法で
重合硬化させて硬化物を得た。この硬化物について、そ
の特性値を実施例1と同様な試験方法にて測定したとこ
ろ、光沢度72%、磨耗深さ8μmと良好な値を市絵m
した。また、上記硬化性組成物(K−4)10部に、シ
リカ微粉(粒子径1〜5nm、日本アエロジル(株)
製、商品名アエロジルR−972)4.0部を配合し乳
鉢で混合したところ、良好な粘度を有するペースト状組
成物が得られた。この組成物は、硬化性も良好であり、
得られた硬化物の耐磨耗性、光沢度も良好であった。
【0063】[比較例1]シリカ微粉(平均粒子径40
nm、日本アエロジル(株)製:商品名アエロジルOX
−50)30部に、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン3.1部、フェニルトリメトキシシ
ラン8.1部を加えて乳鉢で混合した。その後、2,
2’−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プ
ロパン140部とジ(メタクリロキシエチル)トリメチ
ルヘキサメチレンジウレタン60部との混合物に、光重
合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイド2部を溶解したものを配合
して、さらに乳鉢で混合撹拌し硬化性組成物を得た。こ
の硬化性組成物は、シリカ微粉が高次凝集しているため
に系の分散性が不均一であり、実施例2の硬化性組成物
に比べて不透明で、しかも流動性を失っていた。この硬
化性組成物を用いて、実施例1と同様の方法で重合硬化
させて、硬化物を得た。この硬化物の全光線透過率は4
7%、光沢度は57%、磨耗深さは12μmであり、ま
た、得られた硬化物についてシリカ微粉の分散状態を確
認するために透過型電子顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、数μm程度のシリカ微粉の高次凝集が観察された。
【0064】次に、この硬化性組成物10部に、石英微
粉(平均粒子径約1.2μm、龍森(株)製:商品名ク
リスタライト5X)10部に、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン0.3部を加えて乳鉢で
混合したものの配合を試みたが、すべてを充填配合する
ことはできなかった。
【0065】[比較例2]シリカ微粉(商品名アエロジ
ルOX−50)30部に、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン8.1部、フェニルトリメト
キシシラン3.1部を加えて、乳鉢で混合した。その
後、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチ
レンジウレタン140部とトリエチレングリコールジメ
タクリレート60部との混合物に、光重合開始剤として
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド2部を溶解したものを配合して、さらに乳
鉢で混合撹拌し硬化性組成物を得た。この硬化性組成物
は、シリカ微粉が高次凝集しているために系の分散性が
不均一であり、実施例6の硬化性組成物に比べて不透明
でしかも流動性を失っていた。この硬化性組成物を用い
て、実施例1と同様な方法で重合硬化させて、硬化物を
得た。この得られた硬化物の全光線透過率は45%、光
沢度は58%、磨耗深さは13μmであり、また、この
得られた硬化物についてシリカ微粉の分散状態を確認す
るために透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、数
μm程度のシリカ微粉の高次凝集体が観察された。
【0066】次にこの硬化性組成物10部に、石英微粉
(商品名クリスタライト5X)10部にγ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン0.3部を加え
て乳鉢で混合したものの配合を試みたが、すべてを充填
配合することはできなかった。
【0067】[比較例3]シリカ微粉(商品名アエロジ
ルOX−50)30部に、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン8.1部、フェニルトリメト
キシシラン3.1部を加えて乳鉢で混合した。その後、
2,2’−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒド
ロキシプロポキシ)フェニル]プロパン140部とトリ
エチレングリコールジメタクリレート60部との混合物
に、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキサイド2部を溶解したも
のを配合して、さらに乳鉢で混合撹拌し硬化性組成物を
得た。この硬化性組成物は、シリカ微粉が高次凝集して
いるために系の分散性が不均一であり、実施例7の硬化
性組成物に比べて不透明でしかも流動性を失っていた。
この硬化性組成物を用いて、実施例1と同様な方法で重
合硬化させて硬化物を得た。この硬化物の全光線透過率
は44%、光沢度は59%、磨耗深さは14μmであっ
た。また、この得られた硬化物について、シリカ微粉の
分散状態を確認するために透過型電子顕微鏡を用いて観
察したところ、数μm程度のシリカ微粉の高次凝集体が
観察された。
【0068】次に、この硬化性組成物10部に、石英微
粉(商品名クリスタライト5X)10部にγ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン0.3部を加
えて乳鉢で混合したものの配合を試みたが、すべてを充
填配合することはできなかった。
【0069】[比較例4]シリカ微粉(商品名アエロジ
ルOX−50)30部に、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン11.6部を加えて乳鉢で混
合し、70℃で24時間熱処理を行った。得られたシリ
カ微粉を、トリメチロールプロパントリメタクリレート
34.9部に光重合開始剤としてカンファーキノン0.
2部、還元剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチル
0.75部を溶解した溶液に乳鉢で混合し、硬化性組成
物(K−5)を得た。この硬化性組成物(K−5)は、
シリカ微粉が高次凝集しているために系の分散性が不均
一であり、実施例10の硬化性組成物(K−1)に比べ
て不透明でしかも流動性を失っていた。焼成法により測
定したこのシリカ灰分は、42重量%を示した。次に、
この硬化性組成物(K−5)について、実施例1と同様
な方法で重合硬化させて硬化物を得た。この硬化物につ
いて、その特性値を実施例1と同様な試験方法にて測定
したところ、全光線透過率45%、光沢度48%、磨耗
深さ13μmと悪い値を示した。
【0070】[比較例5]トリメチロールプロパントリ
メタクリレート7.0部に、重合開始剤として過酸化ベ
ンゾイル0.07部を溶解した溶液を乳鉢に入れ、これ
にシリカ微粉(粒子径1〜5μm、日本アエロジル
(株)製:商品名アエロジルR−972)を少量ずつ加
えて混合した。粘度は次第に増大し流動性が全くなくな
ったが、さらにシリカ微粉を断続的に添加し最終的なシ
リカ微粉の添加量を7.0部とし、硬化性組成物(K−
6)を得た。この硬化性組成物(K−6)は、シリカ微
粉が高次凝集しているために、系の分散性が不均一であ
り、不透明でかつ流動性は全く示さず、実施例12のペ
ースト状の硬化性組成物(K−3)に比べて粉体状の混
合物となった。次に、この硬化性組成物(K−6)を、
温度110℃、圧力150〜200kg/cm2の条件
で10分間プレス成形して重合硬化物を得た。さらに、
この硬化物をボールミル粉砕器にて粉砕し、平均粒子径
約15μmの複合充填材(F−3)を得た。この複合充
填材(F−3)について、焼成法により測定したシリカ
灰分は50重量%を示した。
【0071】次に、上記複合充填材(F−3)10部、
2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)フェニル]プロパン1.5部、トリエ
チレングリコールジメタクリレート3.5部、光重合開
始剤としてカンファーキノン0.05部、還元剤として
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.2部を配合して
ペースト状組成物(P−3)を得た。このペースト状組
成物(P−3)について、実施例1と同様な方法で重合
硬化させて硬化物を得た。この硬化物について、その特
性値を実施例1と同様な方法にて測定したところ、光沢
度45%、磨耗深さ15μmと悪い値を示した。
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、球状微粒子で
あるコロイダルシリカが多官能(メタ)アクリレート中
に凝集することなく均一分散されており、透明性に優れ
かつ流動性が良好な硬化性組成物である。このため、本
発明の硬化性組成物は、透明性、光沢度、及び耐磨耗性
等に優れた硬化物を提供できる。このような特性から本
発明の硬化性組成物は、種々の用途、例えばコンポジッ
トレジン、歯冠用レジン、硬質レジン、人工歯等の歯科
用修復材料として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 30/08 C08F 30/08 299/02 299/02 (72)発明者 渡辺 幸夫 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (72)発明者 松村 宏子 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−291817(JP,A) 特開 平8−217615(JP,A) 特開 平8−12305(JP,A) 特開 平7−173410(JP,A) 特開 昭57−185207(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 A61K 6/083 A61K 6/093 C08F 20/00 - 20/70 C08F 220/00 - 220/70 C08F 30/08 C08F 230/08 C08F 299/00 - 299/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記一般式(I)、(II)、(III)
    又は(IV) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、a,bは
    1〜5の整数を表す。R2,R3は水素原子又はメチル基
    より選ばれた基を、Xは分岐又は未分岐の炭素数1〜1
    5のアルキレン基、2価の環脂肪族および芳香族基から
    選ばれた基を表す。R4は水素原子又はメチル基を表
    し、Yは 【化2】 およびその誘導体、R5は水素原子又はメチル基を表
    す。R6は主鎖にエーテル結合を含むことがある炭素数
    4〜15の炭化水素残基で、置換基として水酸基を有す
    ことがある基を表す。R7は水素原子又はメチル基を表
    す。)で示される多官能(メタ)アクリレートから選ば
    れる少なくとも1種95〜20重量%と、(b)平均粒
    子径が1〜100nmであるコロイダルシリカの存在下
    で、下記一般式(V)、(VI)または(VII) 【化3】 (式中、R8は水素原子又はメチル基、R9は炭素数1〜
    3のアルキル基又はフェニル基、R10は水素原子又は炭
    素数1〜10の炭化水素残基、pは0〜2の整数を表
    す。R11は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基、
    12は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基、q
    は0〜2の整数を表す。R13は水素原子又はメチル基、
    14は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基、R15
    は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基、mは1
    〜6の整数、nは0〜2の整数を表す。)で示されるシ
    ラン化合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解、縮
    重合させて得られるシリカ系縮重合体5〜80重量%と
    を含む混合物、および、(c)重合開始剤を(a)成分
    100重量部に対して0.01〜10重量部を含有して
    なる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物に、さらに無機フィ
    ラーを配合した請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の硬化性組成物を予
    備硬化し、粉砕して得られる複合充填材。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の硬化性組成物
    又は複合充填材を含有してなる歯科用修復材料。
  5. 【請求項5】(a)一般式(I)で示される多官能(メ
    タ)アクリレート95〜20重量%と、 【化14】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、a,bは
    1〜5の整数を表す。) (b)平均粒子径が1〜100nmであるコロイダルシ
    リカの存在下で、下記一般式(V)または(VI) 【化15】 (式中、R8は水素原子又はメチル基、R9は炭素数1〜
    3のアルキル基又はフェニル基、R10は水素原子又は炭
    素数1〜10の炭化水素残基、pは0〜2の整数を表
    す。R11は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基、
    12は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基、q
    は0〜2の整数を表す。)で示されるフェニルシラン化
    合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解、縮重合反
    応させて得られるシリカ系重合体5〜80重量%とを含
    む混合物、および、 (c)重合開始剤を(a)成分100重量部に対して
    0.01〜10重量部を含有してなる硬化性組成物。
  6. 【請求項6】(a)下記一般式(II)、(III)又は(I
    V) 【化16】 (式中、R2,R3は水素原子又はメチル基より選ばれた
    基を、Xは分岐又は未分岐の炭素数1〜15のアルキレ
    ン基、2価の環脂肪族および芳香族基から選ばれた基を
    表す。R4は水素原子又はメチル基を表し、Yは 【化17】 およびその誘導体、R5は水素原子又はメチル基を表
    す。R6は主鎖にエーテル結合を含むことがある炭素数
    4〜15の炭化水素残基で、置換基として水酸基を有す
    ことがある基を表す。R7は水素原子又はメチル基を表
    す。)で示される多官能(メタ)アクリレートから選ば
    れる少なくとも1種95〜20重量%と、 (b)平均粒子径が1〜100nmであるコロイダルシ
    リカの存在下で、下記一般式(VII) 【化18】 (式中、R13は水素原子又はメチル基、R14は炭素数1
    〜3のアルキル基又はフェニル基、R15は水素原子又は
    炭素数1〜10の炭化水素残基、mは1〜6の整数、n
    は0〜2の整数を表す。)で示される(メタ)アクリル
    シラン化合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解、
    縮重合反応させて得られるシリカ系重合体5〜80重量
    %とを含む混合物、および、 (c)重合開始剤を(a)成分100重量部に対して
    0.01〜10重量部を含有してなる硬化性組成物。
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