JPH08259415A - 重合可能な歯科材料 - Google Patents

重合可能な歯科材料

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JPH08259415A
JPH08259415A JP8052064A JP5206496A JPH08259415A JP H08259415 A JPH08259415 A JP H08259415A JP 8052064 A JP8052064 A JP 8052064A JP 5206496 A JP5206496 A JP 5206496A JP H08259415 A JPH08259415 A JP H08259415A
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JP
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dental material
filler
particle size
dental
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JP8052064A
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English (en)
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Harald Dr Rentsch
レンチュ ハーラルト
Wilhelm Mackert
マッケルト ヴィルヘルム
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Evonik Operations GmbH
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Degussa GmbH
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 重合可能な有機結合剤を基礎とする歯科材料は、タイプ
A)のSiO2を基礎とする球状充填剤とタイプB)の
断片化された球状充填剤との十分に平均化された割合に
よって特徴付けられており、この場合充填剤A)+B)
の量は、1ないし95重量%であり、かつ球状粒子は、
十分に重合された歯科材料中に離散して存在する。タイ
プA)の充填剤は、A1)1.50未満の屈折率を有す
る純粋なSiO2粒子、A2)無機酸化物で被覆された
SiO2粒子、及び/又はA3)A1)又はA2)に記
載の粒子であり、この場合重合可能な有機結合剤の被覆
は、マトリックス中への配合の際に既に重合されていて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明には、不定に調節可能
な透明度、良好な研磨可能性及び強度を有する改善され
た重合可能な歯科材料が記載されている。本発明は、殊
に結合剤としての重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ー、低温重合、熱重合及び/又は光重合のための触媒及
び無機充填剤を基礎とし、 A)SiO2を基礎とする球状粒子、 B)1.50ないし1.58の屈折率及び0.5ないし
5.0μmの平均粒径を有する石英、ガラスセラミック
及び/又はガラスの破砕された球状粉末の混合物から形
成されている歯科材料に関する。
【0002】
【従来の技術】次の刊行物は、公知技術文献として挙げ
られている: (1)ドイツ連邦共和国特許出願公開第3247800
号明細書 (2)ドイツ連邦共和国特許出願公開第3903407
号明細書 (3)欧州特許出願公開第0238025号明細書 (4)米国特許第4503169号明細書又は欧州特許
出願公開第0159887号明細書 (5)欧州特許出願公開第0530926号明細書 (6)ドイツ連邦共和国特許出願公開第4029230
号明細書 (1)は、無定形の球状粒子、その製造法及びこの球状
粒子の歯科材料への使用に関する。0.1ないし1.0
μmの粒径を有する無機化合物が開示されており、この
化合物は、二酸化珪素と結合しうる、周期律表の第I
族、第II族、第III族及び第IV族の少なくとも1
つの金属の酸化物、ならびに二酸化珪素を主成分として
含有する。無定形粒子は、例えば溶融液から製造される
か、またはゾル−ゲル法によって製造される。この場合
には、混合酸化物が生じ、この混合酸化物の屈折率は、
1.35ないし1.70の範囲内にある。場合によって
は高分子量充填剤と混合されたかかる充填剤を含有する
歯科材料の場合には、この粒子は、凝集体ではないと云
われ、その結果、得られる歯科複合材料の充填の割合な
らびに機械的強度及び表面積は、増大する。付加的に、
歯科材料の透明性及び表面光沢は、改善されていると云
われている。このような歯科材料は、幾つかの工業的な
進歩性の性質に関連して満足なものであることができる
が、この歯科材料の機械的強度は、なお改善を必要とす
る。
【0003】(2)からは、有機的に変性されたシリカ
化合物が歯科用充填剤として知られている。この歯科用
充填剤は、無機−有機ポリマーであり、これは、“オル
モセル(ORMOCER)”又は“オルモシル(ORM
OSIL)”と呼ばれている。シリコーンを思い出させ
るようなこのポリマーは、酸性又は塩基性触媒の存在で
のゾル−ゲル法によって製造される。オルモセル(OR
MOCER)充填剤は、歯科用充填材料のゾル充填剤と
して適しているか、または例えばシラン化された二酸化
珪素、珪酸硼素ガラス及び珪酸バリウムガラス、珪酸ア
ルミニウム又はガラスセラミック充填剤のような他の成
分との組合せ物に適している。このオルモセル(ORM
OCER)充填剤は、10ないし50m2/gの表面積
によって特徴付けられているが、しかし、粒径又は屈折
率に関連しての特性決定は、実施されていなかった。オ
ルモセル(ORMOCER)構造の珪素原子の一部は、
チタン原子又はジルコニウム原子によって代替されてい
てもよい。オルモセル(ORMOCER)は、新しい種
類の複合材料であり、オルモセル(ORMOCER)の
名称は、有機的に変性されたセラミック(ORganically
MOdified CERamics)を省略したものである。オルモセ
ル(ORMOCER)は、原子状セラミックのプラスチ
ック網状組織から形成されており、このプラスチック網
状組織は、相互に結合しかつ侵入している。
【0004】しかし、歯科材料に充填剤混合物中のオル
モセル(ORMOCER)又はオルモシル(ORMOS
IL)を使用することの欠点は、記載されたオルモシル
(ORMOSIL)が透明な材料を生じず、このオルモ
シル(ORMOSIL)の適性が要するに疑わしいと思
われることにある。
【0005】(3)は、X線により不透明で重合可能な
歯科組成物を提供し、この歯科組成物は、1つ又はそれ
以上の重合可能なエチレン性不飽和のモノマー及び/又
はポリマーならびに場合によっては常用の充填剤、含量
及び他の助剤以外に僅かに可溶性の錯体重金属弗化物を
含有する。完全に重合された組成物の透明度は、充填剤
及び高分子量マトリックスの屈折率の割合に著しく依存
していることが指摘されており、この場合ポリマーの屈
折率とモノマーの屈折率との差は、この差が1.45な
いし1.6の範囲内にある場合には、少ないものと見な
されている。(3)から公知の全ての充填剤は、球状断
片の形で存在し、この事実により、(3)に開示された
歯科組成物を使用する場合には、完全に硬化された組成
物の研磨可能性が不適切であることが生じる。
【0006】(4)によれば、一定の非ガラス状微粒子
を充填剤として含有する複合体が公知であり、この非ガ
ラス状微粒子は、本質的に不透明の混在物を含有してい
ない。この非ガラス状微粒子は、有利に50μm未満の
直径を有するSiO2/ZrO2充填剤である。この微粒
子は、多数重なった無定形微細帯域及び結晶性微細帯域
を有し、この場合無定形帯域は、二酸化珪素を含有し、
かつ結晶性帯域は、放射線により不透明のセラミック金
属酸化物を含有する。適当な材料は、例えば周期律表の
第2主族ないし第5主族の元素の酸化物及び周期律表の
第3副族ないし第5副族の元素の酸化物ならびにランタ
ニド系列の酸化物である。好ましいセラミック金属酸化
物は、HfO2、La23、SrO及びZrO2である。
微粒子は、有利にゾル−ゲル法によって得られる。可視
光線によって硬化しうる組成物の場合には、充填剤の屈
折率と複合体プラスチックの屈折率とは、相応してい
る。この点については、0.05又は0.005の偏差
が目的に適っている。微粒子の屈折率は、二酸化珪素と
セラミック金属酸化物との割合を変えることによって調
節することができる。(4)に記載の充填剤は、例えば
エーロジル(AEROSIL)としての微細充填剤と一緒にし
て使用することができる。(4)の記載から、一面で確
かに充填剤の屈折率と複合体プラスチックの屈折率とを
適合させることは重要なことであるが、しかし、同時に
よく知られているように凝集する無定形珪酸は、所謂微
細充填剤として比較的に大量に添加される。
【0007】(5)には、1.0ないし5.0μmの平
均粒径を有する球状の無機酸化物粒子20〜80重量%
及び少なくとも0.05μmと1.0μm未満との範囲
内の粒径を有する球状の無機酸化物粒子80ないし20
重量%を含有する、重合可能なモノマーと無機充填剤と
の歯科用組成物が開示されており、この場合最後に記載
した成分少なくとも5重量%は、0.05ないし0.2
μmの範囲内にある。無機粒子は、専ら珪素、ジルコニ
ウム、アルミニウム及びチタンの無機酸化物又は周期律
表の第I主族ないし第IV主族からの金属と珪素との混
合酸化物の球状粒子である。球状の粒子は、例えばアル
コキシシランの加水分解による重合によって製造され、
かつ例えばγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シランで表面処理されていてもよい。
【0008】球状の粒子だけを有する充填剤の欠点は、
まさに(1)の場合と同様に、生じる歯科材料の強度が
不適当なことにある。
【0009】(6)からは、結合剤としての重合可能な
エチレン性不飽和モノマー及び低温重合、熱重合及び/
又は光重合のための触媒を基礎とする改善された歯科材
料が公知であり、この歯科材料は、無機充填剤として (A)1.50ないし1.58の屈折率及び0.1ない
し1.0μmの平均一次粒径を有する、二酸化珪素なら
びに20モル%までの周期律表の第I族、第II族、第
III族及び第IV族の少なくとも1つの元素の酸化物
の無定形の球状粒子と、B)1.50ないし1.58の
屈折率及び0.5ないし5.0μmの平均一次粒径を有
する石英、ガラスセラミックもしくはガラス粉末又はこ
れらの混合物との混合物20ないし90重量%ならびに
不透明度を高めるため及び粘度を調節するための場合に
よっては少量の他の充填剤を含有する。
【0010】(6)による歯科材料は、良好な透明度及
び研磨可能性ならびに他の良好な材料特性の性質、例え
ば圧縮強さ、耐摩耗性及び曲げ強さを有するものと云わ
れているけれども、引続く後処理の間に開示されたSi
2粒子の混合酸化物は、高価な製造過程を必要とし、
かつ指摘された歯科材料の圧縮強さは、なお定められた
要件に適合することができないことが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本明細書中で引用され
かつ論議された公知技術に関連して、透明度、研磨可能
性、圧縮強さ、吸水性、耐摩耗性、曲げ強さ、X線不透
明度等の点で現在の歯科材料に対して定められた全ての
要件を満たし、簡単に製造することができ、かつ一定の
特殊な要件に簡単に適合することができるような改善さ
れた歯科材料を指摘することが本発明の課題であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題は、請求項1の
特徴部の特徴を有する冒頭に記載された種類の歯科材料
によって達成される。
【0013】適当な実施態様は、従属請求項で保護され
ている。
【0014】
【発明の実施の形態】充填剤の量が歯科材料に対して1
ないし95重量%であり、かつ完成され完全に重合され
た歯科材料中の成分A)として A1)約1.38ないし1.50未満の間の屈折率及び
約0.04μmないし1.5μmの平均一次粒径を有す
るSiO2、 A2)その被覆された粒子が1.45ないし1.62の
屈折率及び0.04ないし1.5μmの平均一次粒径を
有し、かつその被覆の厚さが約15ないし40nmの間
にある、周期律表の第I族、第II族、第III族及び
第IV族の少なくとも1つの元素の酸化物で被覆されて
いるSiO2芯粒子、及び/又は A3)被覆層の層厚は、5nmないし50nmの範囲内
にあるけれども、重合可能な結合剤層を備えている粒子
の一次粒径が約0.04ないし1.5μmの間にあり、
かつ被覆された粒子の屈折率が1.40ないし1.52
の範囲内にある、一官能価又は多官能価(メト)アクリ
レート及び/又はイソシアネートとOH基を有するメト
アクリレートとの反応生成物を基礎とする重合可能な有
機結合剤の1つの層で付加的に被覆されているA1)ま
たはA2)に記載の粒子の中の別々の粒子を有している
という事実により、不定に調節可能な透明度、良好な研
磨可能性及び強度を有する重合可能な歯科材料を提供す
ることが可能であり、即ち一次粒子の凝集の回避がA
1)ないしA3)に記載の評価材料によって可能である
ことは、全く驚異的なことであった。殊に、よりいっそ
う小さい球状粒子が凝集せず、したがってよりいっそう
大きい粒子との間の寸法を有する粒子であっても最大限
に満足なものであるので、SiO2を基礎とする離散し
た球状粒子と不規則な形状の断片化された粒子との本発
明による充填剤組合せ物によって高度に空間を充填する
ことが可能になる。従って、この所謂窓小間のような空
間が個々の球体で最適に充填され、それによって凝集の
ために生じる圧縮強さの損失は、回避される。このこと
は、公知技術(刊行物6)による完全に重合された歯科
材料中の混合された酸化物/SiO2の球状の一次粒子
が分離されずに一緒に粘着して比較的に大きい凝集体を
形成させ、したがって粒子の一次粒径が、完成された歯
科材料中の実際の粒径には対応していないので、よりい
っそう驚異的なことであった。この事実は、例えば走査
電子顕微鏡写真により証明することができ、特に公知技
術による歯科材料中の圧縮強さの強度値が減少をまねく
ことは明らかである。
【0015】本発明の範囲内での“歯科材料”は、歯の
充填、インレーもしくはアンレー、歯牙用セメント、歯
冠およびブリッジのための化粧張り材料、人工歯牙用材
料又は歯科補綴学、歯科保存学及び予防歯科学のための
他の材料を意味する。また、歯科材料の用語に含められ
るものは、歯科の目的と歯科技工の目的との複合体、シ
ーラント材料、自己硬化性複合体、コーブ形成材料、化
粧張りプラスチック、高度に充填されたデュアルセメン
ト及び標準に充填されたデュアルセメントならびに標準
に充填された弗化物含有の歯牙用バーニッシュである。
【0016】前記目的のために当業者に熟知されている
重合可能なエチレン性不飽和モノマーを基礎とするよう
な全ての結合剤は、歯科材料のための結合剤として可能
のものである。首尾よく使用されうる重合可能なモノマ
ーは、有利にアクリル基及び/又はメトアクリル基を有
するものを包含する。
【0017】殊に、前記モノマーは、数ある中で、α−
シアノアクリル酸、(メト)アクリル酸、ウレタン(メ
ト)アクリル酸、クロトン酸、肉桂酸、ソルビン酸又は
マレイン酸と一価もしくは二価アルコールとのエステ
ル;(メト)アクリルアミド、例えばN−イソブチルア
クリルアミド;カルボン酸のビニルエステル、例えばビ
ニルアセテート;ビニルエーテル、例えばブチルビニル
エーテル;モノ−N−ビニル化合物、例えばN−ビニル
ピロリドン;ならびにスチレン及びその誘導体である。
最も好ましいものは、下記の一価及び多価の(メト)ア
クリル酸エステル及びウレタン(メト)アクリル酸エス
テルである。
【0018】(a)多価(メト)アクリレート メチル(メト)アクリレート、n−プロピルもしくはイ
ソプロピル(メト)アクリレート、n−ブチル、イソブ
チルもしくは第三ブチル(メト)アクリレート及び2−
ヒドロキシエチル(メト)アクリレート。
【0019】(b)二価(メト)アクリレート 一般式:
【0020】
【化1】
【0021】〔式中、Rは水素又はメチルであり、nは
3ないし20の間のプラスの整数である〕の化合物、例
えばプロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオ
ール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオ
ール及びエイコサンジオールのジ(メト)アクリレー
ト、一般式:
【0022】
【化2】
【0023】〔式中、Rは水素又はメチルであり、nは
1ないし14の間のプラスの整数である〕の化合物、例
えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ドデ
カエチレングリコール、テトラデカエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジメチルプロピレングリコ
ール及びテトラデカプロピレングリコールのジ(メト)
アクリレート;グリセロールジ(メト)アクリレート、
2,2´−ビス[p−(γ−メトアクリルオキシ−β−
ヒドロキシプロポキシ)フェニルプロパン]又はビス
(GMA)、ビスフェノールAジメトアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メト)アクリレート、1分子
当たり2ないし10個のエトキシ基を有する2,2´−
ジ(4−メトアクリルオキシポリエトキシフェニル)プ
ロパン及び1,2−ビス(3−メトアクリルオキシ−2
−ヒドロキシプロポキシ)ブタン。
【0024】(c)三価又は多価(メト)アクリレート トリメチロールプロパントリ(メト)アクリレート及び
ペンタエリトリトールテトラ(メト)アクリレート。
【0025】(d)ウレタン(メト)アクリレート 2モルのヒドロキシ基含有(メト)アクリレートモノマ
ーと1モルのジイソシアネートとの反応生成物及び2個
のNCO末端基を有するウレタンプレポリマーと1個の
ヒドロキシ基を有するメトアクリル酸モノマーとの反応
生成物、例えば次の一般式
【0026】
【化3】
【0027】〔式中、Rは水素又はメチル基を表わし、
2はアルキレン基を表わし、R3は有機基を表わす〕に
よって表わされるもの。
【0028】前記モノマーは、単独で使用されるか又は
幾つかのモノマーの混合物の形で使用される。
【0029】本発明による歯科材料に殊に有利に使用さ
れるモノマーは、上記の全てのものを包含する:2,2
−ビス−4−(3−メトアクリルオキシ−2−ヒドロキ
シプロポキシ)フェニルプロパン(ビス(GMA))、
3,6−ジメチルオキサオクタメチレンジメトアクリレ
ート(TEDMA)及び/又は7,7,9−トリメチル
−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12
−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシジメタクリ
レート(UDMA)。
【0030】使用される触媒の種類により、歯科材料
は、熱重合可能であるか、低温重合可能であるか、又は
光重合可能である。熱重合のための触媒として使用可能
なのは、公知の過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル、
過酸化ジラウロイル、第三ブチルペルオクタノエート又
は第三ブチルペルベンゾエートであるが、しかし、α,
α´−アゾビス(イソブチロエチルエステル)、ベンズ
ピナコール及び2,2´−ジメチルベンズピナコールを
使用することもできる。
【0031】光重合のための触媒としては、例えばベン
ゾフェノン及びその誘導体ならびにベンゾイン及びその
誘導体を使用することができる。他の好ましい光増感剤
は、α−ジケトン、例えば9,10−フェナントレンキ
ノン、ジアセチル、フリル、アニシル、4,4´−ジク
ロロベンジル及び4,4´−ジアルコキシベンジル;カ
ンフルキノンは、最も有利に使用される。還元剤と一緒
の光増感剤の使用は、好ましい。還元剤の例は、アミ
ン、例えばシアンエチルメチルアニリン、ジメチルアミ
ノエチルメトアクリレート、トリエチルアミン、トリエ
タノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチ
ルジフェニルアミン、N,N−ジメチル−sym−キシ
リデン及びN,N−3,5−テトラメチルアニリンなら
びにエチル4−ジメチルアミノベンゾエートである。
【0032】低温重合のための触媒としては、ラジカル
発生系、例えばアミンと一緒の過酸化ベンゾイル又は過
酸化ラウリル、例えばN,N−ジメチル−sym−キシ
リデン又はN,N−ジメチル−p−トルイジンが使用さ
れる。また、触媒反応のためのデュアル硬化系、例えば
アミン及び過酸化物を有する光開始剤を使用することも
できる。UV線内及び可視光線範囲内で硬化する触媒混
合物も光触媒として可能である。
【0033】歯科材料中での前記触媒の量は、通常、
0.01ないし5重量%の間にある。
【0034】本発明による歯科材料は、歯牙用充填材料
として有利に使用される。また、歯牙用充填材料は、二
成分系材料として調製され、これは、混合後に低温硬化
する。この二成分系材料の組成は、光硬化材料の場合と
同様であるが、しかし、例えば過酸化ベンゾイルだけ
は、光触媒の代わりに1つのペースト及びN,N−ジメ
チル−p−トルイジン、例えば他のペースト中に配合さ
れる。ほぼ等しい分量の2つのペーストを混合すること
によって、数分間で硬化する歯牙用充填材料が得られ
る。
【0035】アミンが数分間で硬化する材料から省略さ
れかつ例えば過酸化ベンゾイルだけが触媒として使用さ
れる場合には、インレー又は人工歯牙の調製に使用する
ことができる熱硬化歯科材料が得られる。インレーの調
製のためには、患者の口腔内の窩洞で印象が取られ、石
膏型が作製される。ペーストは、石膏型の凹所中に導入
され、この石膏型の全体は、圧力容器中での熱によって
重合される。インレーは、除去され、処置され、次いで
患者の口腔内の窩洞中にセメントが流し込まれる。
【0036】本発明による歯科材料の優れた性質は、使
用される充填剤A)の性質ならびに球状充填剤A)と断
片化された充填剤粒子B)との割合の十分に平均化され
た適合性に帰因している。これに関連して、A)とB)
との割合は、数ある中で、十分に重合された歯科材料の
強度のために重要なことである。
【0037】可能な充填剤A)は、変形A1)ないしA
3)であるか又はこれらの種類の混合物である。
【0038】これに関連して、成分A1)ないしA3)
は、それぞれ別個に本発明の基本的な目的をいずれにせ
よ達成する。それというのも、これらの成分A1)ない
しA3)は、通常殊に、全てのタイプがSiO2を基礎
としているか又は専らSiO2からなり、さらに全ての
成分A1)ないしA3)が凝集体として十分に重合され
た歯科材料中に存在せず、離散した粒子として存在する
からである。
【0039】本発明によれば、1.38ないし1.50
未満の屈折率を有し、約0.04μmないし約1.5μ
mの平均一次粒径を有するA1)SiO2 粒子は、成分
A)として使用されることができる。
【0040】意外なことに、純粋なSiO2粒子を使用
することによって、刊行物(6、参照)で一般的な見解
とは異なり、顕著に歯牙様の透明度を満たすための歯科
材料を得ることが可能であった。光散乱は、埋設された
粒子の寸法に依存するので、この場合には、有利に凝集
しないnm範囲内の直径を有する最も小さい粒径を使用
することにより、粒子の分布が達成され、したがって光
散乱は、透明材料が得られたような程度に僅かである。
【0041】本発明による好ましい実施態様の場合に
は、純粋なSiO2粒子は、約0.04μmないし約
0.25μmの平均粒径を有する。この粒径は、殊に充
填材料、化粧張り材料又は人工歯牙に使用される歯科材
料の場合に特に好適である。
【0042】また、殊にこの目的のために、純粋なSi
2粒子の平均粒径が全体的に0.1μmを超えないこ
とは、特に好適である。
【0043】材料の透明度があまり重要でない場合(例
えば、折れた歯の根のための再構成材料、アタッチメン
トのためのセメント、シール材料及び類似物の場合)に
は、0.25μmないし1.5μmの粒径も好ましい。
更に、特に好適には、粒子は、0.25ないし1.0μ
mの寸法を有する。
【0044】本発明により使用すべき純粋なSiO2
子は、有利に単分散で非多孔質で本質的に球状である。
原理的に、全ての酸化物粒子が適しており、これは、適
当な元素のアルコラート化合物からの加水分解による重
縮合によって得ることができ、かつこの処理において単
分散の圧縮球状粒子の形で蓄積する。加水分解による重
縮合によってSiO2粒子を製造するための基本的な反
応条件は、例えばシュトーバー(W. Stoeber)他、ジャ
ーナル・オブ・コロイド・アンド・インターフェイス・
サイエンス(J. Colloid and Interface Science)2
6、62(1968)及び同30、568(1969)
ならびに米国特許第3,634,588号明細書の刊行
物から認めることができる。
【0045】5%以下の標準の偏差を有する、高度に単
分散で非多孔質の球状SiO2粒子を製造するために
は、加水分解による重縮合に基づく適度に調整された製
造法が開示されている欧州特許第0216278号明細
書を参照されたい。本発明によるSiO2粒子の製造に
とって好ましいこの欧州特許明細書に記載の方法の核心
は、2工程法にある。この方法の場合には、まずゾル、
即ち一次粒子の懸濁液は、アンモニアアルカリ性の水性
媒体中でのテトラアルコキシシランの加水分解による重
縮合によって形成され、かつこれに続いて、テトラアル
コキシシランをさらに計量添加することによって必要と
される最終寸法にもたらされる。
【0046】狭い粒径分布を有する球状粒子の形で種々
の金属酸化物を製造するための類似の方法は、同様に欧
州特許第0275688号明細書から認めることができ
る。
【0047】本発明の範囲内で、タイプA2)の充填剤
は、SiO2芯材を有する層状粒子であり、これは、周
期律表の第I群、第II群、第III群及び第IV群の
少なくとも1つの元素の酸化物で被覆されている。
【0048】この場合には、芯材として使用されるSi
2粒子は、原理的にA1)に記載された純粋なSiO2
粒子と同一であることができるが、しかし、出発生成物
としては概して被覆の厚さが減少した粒径を有してい
る。本発明によれば、タイプA2)の粒子が混合酸化物
粒子として存在するのではなく、むしろSiO2芯材
が、周期律表の第I群ないし第IV群の少なくとも1つ
の元素の適当な他の酸化物によって包囲されていること
を強調することは、重要なことである。意外なことに、
混合酸化物とは異なり、被覆された粒子は、概して離散
して存在し、殊に十分に重合された歯科材料中で凝集さ
れていないことが判明した。タイプ2の被覆された粒子
は、原理的にA1)で本明細書中で記載された2工程法
と同様に製造されることができる。そのようにして行な
った場合には、アンモニアアルカリ性の水性媒体中での
テトラアルコキシシランの加水分解による重縮合でゾ
ル、即ち一次粒子の懸濁液は、形成され、かつこれに続
いて、別のテトラアルコキシシランを計量添加すること
によって必要とされる最終寸法にもたらされる。従っ
て、それ故に一次粒子は、1つの酸化物から形成され、
次いで別の酸化物又は1つの酸化物混合物が成長工程で
沈積される。このようにして、生じる屈折率は、有利に
変動しうる。成長工程で形成される酸化物の量が完成粒
子中で主要量を占めるようになりうる場合には、このこ
とは、生じる屈折率にとって本質的に重要なことであ
る。SiO2芯材上に析出された周期律表の第I群ない
し第IV群の最も好ましい酸化物化合物は、数ある中で
TiO2、ZrO2、Al23及び/又はV25を包含す
る。これに関連して、TiO2は殊に好ましいが、この
場合には、TiO2は完全に結合されることに注意しな
ければならない。それというのも、さもなければ歯科材
料の黄変が恐らく起こりうるからである。周期律表の第
I群ないし第IV群からの好ましい化合物以外に、他の
化合物も使用することができる。即ち、Nb25又は周
期律表の第I群ないし第IV群からの上記酸化物との混
合系もSiO2 一次粒子上に十分に沈積されうる。
【0049】A1)ないしA2)に記載の粒子は、本発
明によれば、付加的に一官能価又は多官能価のメトアク
リレート及び/又はイソシアネート及びOH含有メトア
クリレートからの反応生成物を基礎とする重合可能な有
機結合剤(A3))の層で被覆されることができる。そ
れによって、特殊な目的のために粒子の予想される有利
な有機表面の変性が可能である。このことは、クロマト
グラフィー吸収剤として常用のシリカゲルを製造するた
めに知られているような方法と全く同様にして実施する
ことができる。これに関連して、常用の変性剤は、有機
トリアルコキシシラン、例えばメチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシ
シラン、オクタデシルトリエトキシシラン、モノ−もし
くはポリフルオロアルキルエトキシシランであり、ま
た、公知方法で共有結合によりその後の後変性を可能に
する、官能化された有機基を有するシランである。この
官能化された有機基を有するシランの場合には、ポリマ
ー系又は重合可能な系中での充填剤としての粒子の本発
明による使用に関連して、ポリマー材料中に共有結合を
包含させることができるような官能基を有する有機トリ
アルコキシシランは、好ましい。この有機トリアルコキ
シシランの例は、トリメトキシビニルシラン、トリエト
キシビニルシラン及び3−グリシドオキシプロピルトリ
メトキシシラン、ならびにヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、エポキシ基及びカルボン酸エステル基を有する無
機基含有シランである。このように歯科材料中で変性さ
れたA3)に記載の粒子は、こうして粒子を歯科材料中
に配合させ、かつその後に歯科材料の実際の硬化の間に
重合させることによって包含される。
【0050】前記方法に対して選択的には、A1)又は
A2)に記載の表面変性された粒子を歯科材料への実際
の配合前に重合させることも可能である。このことは、
例えばジャーナル・オブ・コロイド・アンド・インター
フェイス・サイエンス(Journal of Colloid and Inter
face Science)160、298〜303(1993)に
記載されている1つの方法により行なうことができる。
そのつど、全ての歯科材料の屈折率の微細な度合い及び
制御は、歯科材料のポリマーマトリックスを形成させる
モノマー又はモノマー混合物に表面変性のために使用さ
れるモノマーを適当に適合させることによって達成させ
ることができる。
【0051】充填剤混合物の無機充填剤(B)は、石英
粉末、ガラスセラミック粉末又はガラス粉末である。好
ましくは、ガラスが使用される。屈折率は、1.50な
いし1.58の間、殊に1.52ないし1.56の間の
値を有するけれども、無機充填剤(B)の平均一次粒径
は、0.5ないし5.0μmの間、殊に1.0ないし
2.0μmの間、最も有利に1.0ないし1.5μmの
間にある。充填剤混合物を使用してもよい。
【0052】好ましくは、1.1ないし1.3μmの範
囲内の平均粒径を有するBa珪酸塩ガラスならびに1.
1ないし1.3μmの範囲内の平均粒径を有するSr珪
酸塩ガラス、ならびに1.0ないし1.6μmの平均粒
径を有するLi/Al珪酸塩ガラスが本発明により使用
される。このような粉末は、例えば常用の超微粉砕機を
用いて微粉砕することによって得ることができる。
【0053】また、タイプ(B)の断片化された充填剤
として可能であるものは、アルミニウムを含有し、かつ
【0054】
【化4】
【0055】の単位及び式
【0056】
【化5】
【0057】〔式中、R1はアクリレート又はメトアク
リレート基と結合した1ないし6個のC原子を有する線
状又は分枝鎖状アルキル基、又は2ないし8個のC原子
を有する1つのオレフィン系不飽和の線状又は分枝鎖状
炭化水素基又は5ないし8個の炭素原子を有する1つの
オレフィン系不飽和の環式炭化水素基又は1ないし8個
のC原子を有する線状又は分枝鎖状アルキル基、5ない
し8個のC原子を有するシクロアルキレン基、フェニル
基又はアルキルアリール基を表わす〕の単位、及び/又
は式
【0058】
【化6】
【0059】〔式中、R2はメチル基、エチル基、プロ
ピル基又はフェニル基を表わす〕の単位からなるポリシ
ロキサン充填剤であり、かつそれぞれの組成物におい
て、式
【0060】
【化7】
【0061】〔式中、R3は1ないし5個のC原子を有
する線状又は分枝鎖状アルキル基又はフェニル基であ
る〕の単位が存在し、単位(I)、(II)及び/又は
(III)ならびに(IV)の場合に珪素及びアルミニ
ウム原子に結合した酸素原子の遊離原子価は、ヘテロシ
ロキサン構造体の場合のように同一か又は異なる単位の
珪素原子によって飽和されているか、或いはアルミニウ
ム原子によって飽和されており、この場合式(I)の単
位の珪素原子と単位(II)及び(III)の珪素原子
の合計との比は、3:1ないし100:1であり、かつ
単位(I)、(II)及び(III)の珪素原子の合計
と単位(IV)のアルミニウム原子との比は、2:1な
いし200:1である。
【0062】更に、ポリシロキサン充填剤中のアルミニ
ウムは、場合によっては別の金属によって代替されてい
てもよい。
【0063】更に、なおその平均一次粒径が5.0μm
を超えない充填剤は、場合によっては高められたX線不
透明度を得るために使用されてもよい。このような充填
剤は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第3502
594号明細書に記載されている。
【0064】粘度を調節するためには、少量ではある
が、歯科材料に対して5重量%以下の熱分解法又は湿式
沈降法による微細なシリカを場合によっては歯科材料に
配合することができる。
【0065】本発明による1つの好ましい特殊な実施態
様の場合には、歯科材料は、充填剤(A)の重量比が1
ないし60重量%であり、かつ充填剤(B)の重量比が
15ないし85重量%であることで特徴付けられてお
り、この場合双方の重量%のデーターは、歯科材料の全
体重量に対するものである。充填剤の量を前記範囲内で
選択することによって、タイプBの断片化された成分と
タイプAの離散した球状粒子との比を最適化すること
は、特に有利である。
【0066】更に、充填剤(A)の凝集が回避されるよ
うな程度に完成歯科材料中の充填剤A)と充填剤B)と
の比を調節することは、有利である。このことは、当業
者によれば、経験的に適当な実験によって定めることが
できる。
【0067】1つの特に好ましい特殊な実施態様の場合
には、充填剤の成分(A)と充填剤(B)との比は、生
じる歯科材料の強度がその圧縮強さに対して320MP
aを上廻り約480MPaまでの範囲内にあるような程
度に1:85ないし4:1(そのつど重量%に対して)
の範囲内に調節されている。これに関連して、充填剤
A)と充填剤B)との比は、1以上対10(そのつど重
量%に対して)であるのが特に有利であることが証明さ
れた。
【0068】更に、本発明を実施例及び比較例により詳
説する。
【0069】
【実施例】グリーサー社(Grieser company)の市販の
混練機を下記に記載のペーストの製造のために使用し
た。この混練機は、出発材料の特に強力な混合及び均質
な分布が可能であるように変形されていた。モノマー混
合物を普通に三本ロール練り機を用いて均質化した。
【0070】光硬化系の場合、硬化時間は、市販のラン
プ(デグッサ社(Degussa Company)のデグラックス(D
egulux(登録商標)))を用いて40秒であった。
【0071】方法の記載: 透明度:透明度を厚さd=3±0.1mm及び直径20
±0.1mmの試験試料について測定する。この試料の
調製のために、同一寸法の鋼製金型に充填された複合材
料のペーストを30秒間4000kpで負荷し、その後
に相対的単位少なくとも250の光度の歯科用ランプを
用いて2分間硬化させる。硬化過程の間、複合材料の表
面を透明のポリエステルフィルムによって空中酸素から
遮蔽させる。透明度をUV/VIS分光光度計PU88
00(Philips社)を用いて透過モードで測定する。
【0072】圧縮強さ:複合材料を相対的単位少なくと
も250の光度の歯科用ランプを用いて高さh=9mm
及び直径d=4mmのデュラン(Duran)ガラス管中で
40秒間気泡がないように硬化させる。金型からの取り
出し後、試験試料をダイヤモンド鋸を用いて6.0mm
に切断する。圧縮強さをフランク社(Frank Company)
の万能材料試験機(Universal Test Machine)を用いて
測定する。数値データーは、7つの個々の被検体からの
平均値に対するものである。
【0073】次の実施例において、充填剤A1、A2及
びA3は、次のものとして使用されている:A1:80
ないし1000nmの直径を有する無定形SiO2
子、屈折率約1.4;A2:TiO2の層厚500nm
+30nmを有するSiO2芯材、屈折率1.49;A
3:ビス(GMA)の層厚500nm+50nmを有す
るSiO2芯材、屈折率1.47。
【0074】実施例1:ビス(GMA)45部、UDM
A20部及びTEDMA35部からなるモノマー混合物
22.86g、シラン化された珪酸バリウムガラス7
1.14g、アエロジル(Aerosil)5g及び材料中、
球状で単分散で凝集しておらずかつ500nmの粒径を
有する充填剤A1 1g中にカンフルキノン0.038
重量%を配合する。形成されたペーストを光(デグラッ
クス(Degulux(登録商標))で硬化させた。
【0075】透明度:21.7% 。
【0076】実施例2:実施例1と同様であるが、しか
し、充填剤A1の粒径は、100nmである。
【0077】透明度:33.4% 。
【0078】実施例3:実施例1と同様のモノマー混合
物21g中にシラン化された珪酸バリウムガラス65
g、アエロジル(Aerosil)5g及び単分散の充填剤A
1 9g、粒径100nm、をカンフルキノン0.03
8重量%と一緒に配合する。形成されたペーストを光
(デグラックス(Degulux(登録商標))で硬化させ
た。
【0079】透明度:20.3% 。
【0080】実施例4:実施例3と同様であるが、しか
し、充填剤A1の粒径は、80nmである。
【0081】透明度:24.1% 。
【0082】実施例5:ビス(GMA)20部、UDM
A55部及びTEDMA25部からなるモノマー混合物
18.2g中に、シラン化されたBa珪酸塩ガラス76
4g、シラン化されたアエロジル(Aerosil)10.7
g及び1000nmの直径を有する充填剤A1 7.1
gをカンフルキノン0.038重量%と一緒に配合す
る。可撓性の材料が形成される。
【0083】透明度:11.9% 。
【0084】実施例6:実施例1のものと同様のモノマ
ー混合物21g中にシラン化された珪酸バリウムガラス
69g、アエロジル(Aerosil)5g及び単分散の凝集
されていない球状充填剤A1 5g、粒径95nm、を
カンフルキノン0.038重量%と一緒に配合する。顔
料の添加後、ペーストは、歯の色を呈した外観を生じ
る。形成されたペーストを光(デグラックス(Degulux
(登録商標))で硬化させた。得られた材料は、前方及
び側方の歯領域のための歯の色を呈した光硬化する充填
材料として適しており、ならびにインレー及びアンレー
のための材料として適している。
【0085】透明度:23.0% 圧縮強さ:420MPa。
【0086】比較例7:ビス(GMA)42.2部、U
DMA36.4部及びTEDMA21.4部からなるモ
ノマー混合物17.3g中に、珪酸バリウムガラス4
6.8g、アエロジル(Aerosil)3.8g、弗化イッ
テルビウム(III)15.4g及びドイツ連邦共和国
特許第4029230号明細書に記載の球状充填剤1
6.5gを配合する。付加的に、少量の着色顔料を添加
する。
【0087】透明度:21.0% 。
【0088】圧縮強さ:300MPa 実施例8: 基礎ペースト:UDMA54.9部、ビス(GMA)2
0.1部及びTEDMA25部からなるモノマー混合物
22.4g中に、シラン化された珪酸バリウムガラス5
9.5g、アエロジル(Aerosil)7.2g、活性剤/
安定剤0.5g及び充填剤A1もしくはA2もしくはA
3又はこれらの組合せ物 10.4gを配合する。少量
の顔料の添加後、歯の色を呈した高粘稠なペーストが形
成される。
【0089】触媒ペースト:UDMA54.9部、ビス
(GMA)20.1部及びTEDMA25部からなるモ
ノマー混合物22.4g中に、シラン化された珪酸バリ
ウムガラス59.5g、アエロジル(Aerosil)7.2
g、過酸化ベンゾイル0.5g及び充填剤A1もしくは
A2もしくはA3又はこれらの組合せ物 10.4gを
配合する。少量の顔料の添加後、高粘稠な歯の色を呈し
たペーストが形成され、このペーストは、等分量の基礎
ペーストとの混合後に、自己硬化性材料として適当であ
るか、又は熱硬化性インレーの調製に適当である。
【0090】透明度:21.2% 。
【0091】実施例9: 基礎ペースト:TEDMA28.9部及びUDMA7
1.1部からなるモノマー混合物30g中に、シラン化
された珪酸バリウムガラス59g、球状充填剤A1 6
g及びシラン化されたアエロジル(Aerosil)5gを、
活性剤/安定剤混合物1.15%及びカンフルキノン
0.09%と一緒に配合する。少量の顔料の添加後、歯
の色を呈した粘稠なペーストが形成される。
【0092】触媒ペースト:TEDMA28.9部及び
UDMA71.1部からなるモノマー混合物30g中
に、シラン化された珪酸バリウムガラス59g、球状充
填剤A1 6g及びシラン化されたアエロジル(Aerosi
l)5gを、過酸化ベンゾイル0.6%と一緒に配合す
る。少量の顔料の添加後、歯の色を呈した粘稠なペース
トが形成される。 2つのペーストを混合した後、光硬
化性で自己硬化性の歯科用ペーストが得られる。
【0093】透明度:22.0% 。
【0094】実施例10:ビス(GMA)60部及びT
EDMA40部からなるモノマー混合物96g中に、球
状で単分散でありかつ材料中で離散した粒子として存在
する充填剤A13g及び二酸化チタン1gをカンフルキ
ノン0.12%と一緒に配合する。白色の低粘稠な材料
が形成され、これは、1年間の貯蔵後に、充填剤の沈降
を示していない。得られた歯科材料は、割れ目及び歯の
表面の目止めに適している。
【0095】透明度:30.3%(層厚0.5mm)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 4/02 PDS C09D 4/02 PDS

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤としての重合可能なエチレン性不
    飽和モノマー、低温重合、熱重合及び/又は光重合のた
    めの触媒及び無機充填剤を基礎とし、 A)SiO2を基礎とする球状粒子、 B)1.50ないし1.58の屈折率及び0.5ないし
    5.0μmの平均粒径を有する石英、ガラスセラミック
    及び/又はガラスの破砕された球状粉末の混合物から形
    成されている歯科材料において、充填剤の量が歯科材料
    に対して1ないし95%であり、最終的に重合された歯
    科材料中の成分A)としては、この成分A)が A1)約1.38ないし1.50未満の間の屈折率及び
    約0.04μmないし1.5μmの平均一次粒径を有す
    るSiO2、 A2)その被覆された粒子が1.45ないし1.62の
    屈折率及び0.04ないし1.5μmの平均粒径を有
    し、かつその被覆の厚さが約15ないし40nmの間に
    ある、周期律表の第I族、第II族、第III族及び第
    IV族の少なくとも1つの元素の酸化物で被覆されてい
    るSiO2芯粒子、及び/又は A3)被覆層の層厚は、5nmないし50nmの範囲内
    にあるけれども、重合可能な結合剤層を備えている粒子
    の一次粒径が約0.04ないし1.5μmの間にあり、
    かつ被覆された粒子の屈折率が1.40ないし1.52
    の範囲内にある、一官能価又は多官能価(メト)アクリ
    レート及び/又はイソシアネートとOH基を有するメト
    アクリレートとの反応生成物を基礎とする重合可能な有
    機結合剤の1つの層で付加的に被覆されているA1)ま
    たはA2)に記載の粒子の中の別々の粒子を有している
    ことを特徴とする、歯科材料。
  2. 【請求項2】 そのつど歯科材料に対して、充填剤
    (A)の重量による割合が1ないし60重量%であり、
    かつ充填剤(B)の場合には、15ないし85重量%で
    ある、請求項1記載の歯科材料。
  3. 【請求項3】 充填剤(A)対充填剤(B)の比は、充
    填剤(A)の凝集が回避されるように調節されている、
    請求項1または2に記載の歯科材料。
  4. 【請求項4】 (A)対(B)の比は、圧縮強さに基づく
    歯科材料の強度が320MPaを超えて480MPaま
    でであるように1:85ないし4:1の範囲内に調節さ
    れている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の
    歯科材料。
  5. 【請求項5】 (A)対(B)の比が1以上対10であ
    る、請求項1から4までのいずれか1項に記載の歯科材
    料。
JP8052064A 1995-03-13 1996-03-08 重合可能な歯科材料 Pending JPH08259415A (ja)

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