JP2003092200A - 真空処理方法、真空処理装置、半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

真空処理方法、真空処理装置、半導体装置の製造方法および半導体装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空処理速度、真空処理特性の向上を達成す
るとともに真空処理特性の均一性を高める。 【解決手段】 互いに異なる周波数を有する少なくとも
2つの高周波電力を同一の高周波電極1114に同時に
供給することにより、反応容器1111内の円筒状基体
1113を処理する。2つの高周波電力のうちの一方の
高周波電力の周波数をf1、電力値をP1とし、他方の
高周波電力の周波数をf2、電力値をP2としたとき、
周波数f1、f2および電力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 を全て満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス、
電子写真用感光体、画像入力用ラインセンサー、撮影デ
バイス、および光起電力デバイス等における堆積膜形成
やエッチング等に用いられる、高周波電力を用いた真空
処理方法、真空処理装置、半導体装置の製造方法および
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子等を作成する際に用いられる真空処理方法として、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等が多
数知られており、そのための装置も実用に付されてい
る。中でも、高周波電力を用いたプラズマプロセスは、
放電の安定性が高く、様々な材料を用いた堆積膜作成や
エッチングに用いることができ、酸化膜や窒化膜の絶縁
性材料の形成にも使用できる等の様々な利点を有してい
る。プラズマプロセスの好適な使用例としては、例えば
電子写真用の水素化アモルファスシリコン堆積膜の形成
等があり、このプラズマプロセスの実用化が現在非常に
進んでおり、そのための装置も各種提案されている。
【0003】加えて、この高周波電力の供給方法を変え
ることにより、更に様々な改善を行うための様々な工夫
が為されている。
【0004】例えば、特開昭56−45760号公報に
は、反応ガスの励起用電源として周波数の異なる複数の
電源(一例として、13.56MHzと400kHz)
を同一の電極に印加して該反応ガスを励起し、被処理基
板上に堆積膜を形成する技術が開示されている。
【0005】また、特開昭60−160620号公報に
は、10MHz以上の高周波電力と1MHz以下の高周
波電力(一例として13.56MHzと100kHz)
を同一の電極に供給する構成のプラズマリアクタ装置が
開示されている。
【0006】さらに、特開昭62−188783号公報
には、低周波交流電力(20Hz〜1MHz)と高周波
交流電力(1MHz〜100GHz)とを重畳させた変
調周波電力を電極に供給することにより、ヒータを不要
にして成膜速度を速くし、基体上にアモルファス半導体
層を積層形成する静電潜像坦持体の製造方法が開示され
ている。
【0007】一方、近年では、より高い周波数の高周波
電源を用いたプラズマCVD法の報告(Plasma Chemistr
y and Plasma Processing、 Vol.7、 No.3、 (1987)、p
267-273)があり、放電周波数を従来の13.56MHz
より高くすることで、堆積膜の性能を落とさずに堆積速
度を向上させることができる可能性が示されており、注
目されている。この方法により、製品の低コスト化、高
品質化を同時に達成しうるものとして期待される。
【0008】例えば特開平6−287760号公報に
は、アモルファスシリコン系電子写真用光受容部材の形
成に用いうる周波数が30MHz以上300MHz以下
のVHF帯の周波数を用いたプラズマCVDを行う装置
および方法が開示されている。
【0009】また、上述した、2種類の高周波電力を用
いる方法と、より高い周波数の高周波電力を印加する方
法とを組み合わせた例として、特開平7−074159
号公報には、基板を清浄化するプラズマ処理方法におい
て、基板を載置する電極に比較的周波数が高い高周波電
力と比較的周波数が低い高周波電力(一例として60M
Hzと400kHzの高周波電力)を供給し、比較的周
波数が低い方の電力の電力値を変化させることで、プラ
スイオンの衝突エネルギーを決めるセルフバイアス電圧
を制御する技術が開示されている。
【0010】また、特開平7−321105号公報に
は、半導体装置の製造方法において、10MHzから1
GHzの範囲の比較的周波数が高い高周波電力(一例と
して13.56MHzの高周波電力)を供給する電源
と、300kHzから500kHzの範囲の比較的周波
数が低い高周波電力(一例として400kHzの高周波
電力)を供給する電源とを用いて層間絶縁膜を作成する
技術が開示されている。
【0011】また、特開平9−321031号公報に
は、UHF帯(300MHz以上、1GHz以下)の第
1の高周波電力と、それと2倍以上異なる周波数の第2
の高周波電力とを同時に印加する構成のプラズマ処理装
置が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法および
装置により、良好な堆積膜形成、即ち真空処理がなされ
る。しかしながら、このような真空処理を用いた製品に
対する市場の要求レベルは日々高まっており、この要求
に応えるべく、より高品質化、低コスト化が実現可能な
真空処理方法や真空処理装置、半導体装置やその製造方
法が求められるようになっている。
【0013】例えば、電子写真装置の場合、コピースピ
ードの向上、高画質化、低価格化の要求は非常に強く、
これらを実現するためには感光体特性、具体的には帯電
能や感度等の向上、画像上に白点あるいは黒点で現れる
感光体中構造欠陥に起因する画像欠陥の抑制、及び感光
体生産コストの低下が不可欠となっている。また、近年
その普及が目覚しいデジタル電子写真装置、カラー電子
写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、
デザイン画等のコピーも頻繁に為されるため、感光体の
光メモリの低減や画像濃度むらの低減のために膜厚およ
び膜質がともに均一な大面積の膜を形成することが従来
以上に強く求められるようになっている。
【0014】このような感光体特性の向上、感光体生産
コストの低下を目指し、堆積膜積層構成の最適化等も為
されているが、同時に、真空処理方法の面での改善も強
く望まれている。
【0015】このような状況下において、前述した従来
の真空処理方法や半導体装置の製造方法においても、真
空処理特性の向上、真空処理コストの低下に関して、ま
だ改善の余地が残されているのが現状である。
【0016】すでに述べたように、VHF帯、あるいは
その近傍の周波数の高周波電力を用いてプラズマを生成
して真空処理を施すことにより、真空処理速度の向上、
真空処理特性の向上が達成可能であり、そのための鋭意
研究がなされている。しかしながら、このような周波数
帯の高周波電力を用いた場合、反応容器中での高周波電
力の波長が反応容器、高周波電極、基板、あるいは基板
ホルダー等と同程度の長さとなり、反応容器中で高周波
電力が定在波を形成しやすくなる。この定在波によっ
て、反応容器中では場所ごとに電力の強弱が生じ、プラ
ズマ特性が異なってしまう。この結果、広い範囲で真空
処理特性をより一層均一化させることは難しかった。
【0017】また、電子写真感光体のようにその膜厚が
厚いデバイスの場合、膜を堆積させるに従ってプラズマ
の状態が変化してゆくことにより、基体の面内方向での
特性分布が膜厚方向で異なってしまって膜質の不均一性
が発生したり、その厚さ方向で膜質そのものが変わって
しまう場合があった。
【0018】このような不均一性は、電子写真感光体の
みならず、光起力デバイス、画像入力用ラインセンサ
ー、撮像デバイス等に用いられる結晶質または非単結晶
質の機能性堆積膜を形成する場合にも大きな問題とな
る。またドライエッチング、スパッタリング等のプラズ
マ処理プロセスにおいても、放電周波数を上げた場合に
同様の処理むらが生じ、このままでは実用上大きな問題
になってくる。
【0019】このような処理むらを低減して均一性を上
げるべく電極の形状や高周波電力の導入形態などの様々
な改良がなされてきたが、膜厚の均一性と膜質の均一性
とを両立すること、ならびに、均一性を維持したまま良
好な膜質の堆積膜を得るのは容易ではなかった。
【0020】特に、電極形状などの構造的な改良で均一
性を得ようとした場合、複数の層領域を有する積層デバ
イスでは、特定の層領域では有効な方法であっても、そ
の他の層領域では充分な効果が得られないことがあり、
層形成条件が異なる複数の層領域を有する場合に均一性
を保つための簡便で効果的な方法が求められていた。
【0021】このような問題を解決するための手段とし
て、複数の異なる周波数の高周波電力を反応容器中に同
時に供給することが考えられる。これによって、反応容
器中には、各々の周波数に応じた異なる波長の定在波が
複数形成されることとなるが、これらは同時に供給され
ているので、これら複数の定在波が合成され、結果とし
て明確な定在波が形成されなくなる。このような考えに
基づけば、異なる複数の高周波電力の周波数はどのよう
な値であっても定在波抑制効果は得られる。たとえば、
特開昭60−160620号公報に開示された技術を用
いることによって、反応容器中の高周波電力の定在波は
抑制され、真空処理の均一性が向上するものと考えられ
る。
【0022】しかしながら、本発明者らは、たとえば特
開昭60−160620号公報に開示された技術を用い
て真空処理特性の均一性に関する実験を行った結果、確
かにあるレベルまでは真空処理特性の均一性は向上でき
るものの、近年要求されている均一性のレベルを得るに
は至らなかった。即ち、電界強度的には均一化されてい
るはずの電力供給方法をもってしても、実際の真空処理
においては、ある程度の不均一性が残ってしまうことが
明らかとなった。
【0023】本発明の目的は、真空処理速度の向上およ
び真空処理特性の向上を達成し、更には真空処理特性の
均一性を極めて高いレベルとし、また、真空処理コスト
の低減が可能な真空処理方法および真空処理装置を提供
することにある。
【0024】もう一つの目的は、基体の表面上に該基体
のいずれの方向に関しても膜厚、膜質がともに均一で、
特性的に優れた半導体とその製造方法を提供することに
ある。
【0025】具体的には、 反応容器中に被処理物を設置し、互いに異なる周波
数を有する少なくとも2つの高周波電力を同一の高周波
電極に同時に供給することにより、該高周波電極から前
記反応容器内に導入された高周波電力によって前記反応
容器内にプラズマを生起させて前記被処理物を処理する
真空処理方法において、前記高周波電極に供給する少な
くとも2つの高周波電力のうちの一方の高周波電力の周
波数をf1、電力値をP1とし、他方の高周波電力の周
波数をf2、電力値をP2としたとき、前記周波数f
1、f2および前記電力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たすことを特徴と
する真空処理方法を提供することにある。
【0026】 反応容器中に基体を設置し、互いに異
なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電力を同一
の高周波電極に同時に供給することにより、該高周波電
極から前記反応容器内に導入された高周波電力によって
前記反応容器内にプラズマを生起させて前記基体に複数
の層領域を形成して半導体装置を製造する方法におい
て、前記高周波電極に供給する少なくとも2つの高周波
電力のうちの一方の高周波電力の周波数をf1、電力値
をP1とし、他方の高周波電力の周波数をf2、電力値
をP2としたとき、前記周波数f1、f2および前記電
力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たすことを特徴と
する半導体装置の製造方法を提供することにある。 反応容器中に基体を設置し、互いに異なる周波数を
有する少なくとも2つの高周波電力を同一の高周波電極
に同時に供給することにより、該高周波電極から前記反
応容器内に導入された高周波電力によって前記反応容器
内にプラズマを生起させて前記基体に複数の層領域を形
成させる半導体装置において、前記複数の層領域は、前
記高周波電極に供給する少なくとも2つの高周波電力の
うちの一方の高周波電力の周波数をf1、電力値をP1
とし、他方の高周波電力の周波数をf2、電力値をP2
としたとき、前記周波数f1、f2および前記電力値P
1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たし、形成される
ことを特徴とする半導体装置を提供することにある。 反応容器中に被処理物を設置し、互いに異なる周波
数を有する少なくとも2つの高周波電力を同一の高周波
電極に同時に供給することにより、該高周波電極から前
記反応容器内に導入された高周波電力によって前記反応
容器内にプラズマを生起させて前記被処理物を処理する
真空処理方法において、前記高周波電極に供給する高周
波電力を合成する工程と、前記合成された高周波電力を
分岐して、複数の前記高周波電極に各々印加する工程と
を含むことを特徴とする真空処理方法を提供することに
ある。 減圧可能な反応容器と、前記反応容器中に配置され
た被処理物支持手段とを有し、高周波電力によって、前
記反応容器内にプラズマを生起させて被処理物を処理す
る真空処理装置において、互いに異なる周波数を有する
少なくとも2つの高周波電力を高周波電極に供給する少
なくとも1つの高周波電力供給手段と、前記各高周波電
力の伝送経路のインピーダンスを調整するインピーダン
ス整合手段と、前記互いに異なる周波数の各高周波電力
を合成する合成手段と、前記合成手段によって合成され
た高周波電力を分岐する分岐手段と、前記分岐手段によ
り分岐された高周波電力が印加される複数の高周波電極
とを有することを特徴とする真空処理装置を提供するこ
とにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の装
置及び方法における前述の問題点を鋭意検討した結果、
VHF帯ならびにその近傍の高周波においては、電極の
大きさや放電条件に対してプラズマの分布が敏感であ
り、また反応容器中での高周波電力の波長が反応容器、
高周波電極、基板、あるいは基板ホルダー等と同程度の
長さとなるため定在波の影響が出現し、プラズマ特性の
分布が不均一になりやすく、その結果として処理むらが
発生することがわかった。
【0028】また、VHF帯の高周波を使用してプラズ
マを生成する場合には、表皮効果に起因した電極の表面
インピーダンスの問題も顕在化する。即ち、VHF帯の
ように周波数が高くなると、高周波電流は導体表面付近
のみを流れるようになり、電極表面におけるジュール損
が大きくなって、電力効率が低下するとともに、伝搬経
路の長さの相違によるプラズマ密度の不均一化の問題も
生じる。さらに、電極の表面インピーダンスは、電極表
面の荒さや汚れ等に左右され、一様な表面インピーダン
スを達成することは困難である。そして、上記のような
プラズマ密度の不均一化は表面処理の不均一化をもたら
すこともわかった。
【0029】本発明者らは、前述した課題を解決し、上
記目的を達成すべく、さらに検討を行った結果、同一の
電極に周波数が異なる複数の高周波電力を供給し、それ
らの周波数および電力値の関係を変化させることによっ
て、真空処理の均一化を図る効果が顕著に変化すること
を見出した。そして、それらの周波数および電力値を所
定の範囲内の数値とすることで、真空処理速度の向上、
真空処理特性の向上、真空処理特性の均一性の向上、真
空処理特性の安定性の向上、および真空処理コストの低
減化を同時に実現することができることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0030】本発明のように構成された真空処理方法に
よれば、高い真空処理速度を維持しながら、真空処理特
性の向上、真空処理特性の安定性の向上、および真空処
理コストの低減を実現し、同時に真空処理特性の均一性
を著しく向上させることが可能である。
【0031】周波数および電力値が本発明の範囲内にあ
る際に上記の効果が顕著に得られるメカニズムについて
は、現段階では明らかにはなっていないが、おおよそ以
下のような作用によるものと考えられる。
【0032】前述した通り、より高い周波数の高周波電
力を用いることで、高品質で高速に堆積膜を形成するこ
とができる。しかし、より高い周波数の高周波電力を用
いると、それにより生じる定在波の影響により、堆積膜
の品質に「むら」が生じる場合がある。これに対し、基
準となる第1の高周波電力に、それと異なる周波数の第
2の高周波電力を重畳させることにより、一方の周波数
の高周波電力による定在波の「節」に相当する部分に、
他方の周波数の高周波電力による定在波の振幅をもたせ
ることができるため、生成される定在波に「節」が生じ
ることが抑制されると考えられる。
【0033】ただし、これは非常に単純なモデルの場合
に言えることであり、実際には複雑な現象が起きている
ことは言うまでもない。例えばプラズマの状況、電磁波
の減衰や様々な反射面での反射等の要因がある。そのた
め、任意の周波数の高周波電力を任意の割合で重畳させ
ただけでは、この抑制効果は必ずしも得られない。つま
り、定在波抑制効果が顕著に現れるのは、所定の周波数
の第1の高周波電力に対し、一定の周波数範囲の第2の
高周波電力を一定の電力値の割合で組み合わせた場合で
ある。そのとき、特に、第1の高周波電力と第2の高周
波電力は、速い堆積速度を期待できる周波数範囲内で、
かつ共に同一の活性種を生成できる関係にある周波数範
囲内にある周波数を有し、また、それらの電力値のバラ
ンスが適切に設定されていることが最も望ましい。
【0034】そして、さらに適切な周波数と電力値を持
ったさらなる高周波電力を重ねることで、場合によって
は、さらに定在波抑制効果を高めたり、他の効果(たと
えばバイアス効果)を得ることも可能である。
【0035】ここでは、本発明の基本的な考え方および
作用を示すことを目的として、2つの異なる周波数を有
する高周波電力を用いた場合について説明する。
【0036】高周波電力の周波数は、堆積速度を向上さ
せる観点から、その下限を10MHz以上、好ましくは
30MHz以上とすることが望ましい。一方、その周波
数が250MHzよりも大きいと、電力の進行方向での
減衰が顕著となり、異なる周波数の高周波電力との減衰
率のずれが顕著となってしまい、十分な均一化効果が得
られなくなってしまうため、高周波電力同士の重畳効果
を有効に得る観点から、その上限を250MHzとする
ことが好ましい。
【0037】つまり、前記周波数f1、f2が、 250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 30MHz の条件を満たす構成とすることが好ましい。
【0038】また、周波数f1を有する第1の高周波電
力の電力値をP1とし、周波数f2を有する第2の高周
波電力の電力値をP2としたとき、合計電力値(P1+
P2)に対する第2の高周波電力の電力値P2の割合が
小さいと、第1の高周波電力のみを供給する場合に近く
なり、定在波抑制効果が小さくなる。逆に、電力値P2
の割合が大きくなりすぎると、第2の高周波電力のみを
供給する場合に近くなり、同様に定在波抑制効果が小さ
くなる。実験的事実から、合計電力(P1+P2)にお
ける高周波電力の電力値P2の割合を10%以上90%
以下にすることで、定在波抑制効果が顕著に得られるこ
とが判った。さらに、合計電力(P1+P2)における
電力値P2の割合を20%以上70%以下にすることが
最も好ましいことが、実験の結果から明らかとなった。
【0039】つまり、前記電力値P1、P2が、 0.7 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.2 の条件を満たす構成とすることが、より好ましい。
【0040】加えて、この2つの高周波電力の電力値の
割合には、別の観点、すなわち放電の経時的安定性の観
点から見ると、2つの高周波電力の周波数の関係によっ
て決まる望ましい範囲があり、具体的には、電力比P2
/(P1+P2)は、周波数の比(f2/f1)の値に
よって望ましい範囲の上限が決定されることがわかっ
た。電力比をこの範囲内に設定することで、均一な放電
が極めて安定的に得られる。
【0041】この理由としては、およそ次のように考え
られる。
【0042】高周波電力によって生起する放電では、周
波数に応じ、安定的な放電が生成される空間的領域が異
なる場合がある。本発明のように、2つの高周波電力を
用いて定在波を抑制する場合には、周波数が互いに近い
方が放電全体の分布が似通うので、広い電力値範囲で望
ましい放電分布を安定的に得ることが可能になると推測
される。よって、合計電力(P1+P2)における高周
波電力の電力値P2の電力比、すなわちP2/(P1+
P2)を、2つの周波数f1、f2の関係によって決定
される値「f2/f1」以下の範囲とすることで、均一
な放電分布が安定的に得られると考えられる。
【0043】つまり、前記周波数f1、f2および前記
電力値P1、P2が、 f2/f1 ≧ P2/(P1+P2) の条件を満たす構成とすることが好ましい。
【0044】また、周波数f1とf2とが1桁以上も異
なると、場合によっては原料ガスの分解の仕方が変わる
ことがあり、生成される活性種の種類、比率が異なって
しまうことがある。このため、電界強度的には均一化が
なされても、第1の高周波電力の定在波の腹部分ではそ
の周波数に応じた種類、比率の活性種が生成され、第2
の高周波電力の定在波の腹部分では第1の高周波電力の
定在波の腹部分とは異なった種類、比率の活性種が生成
されてしまう場合がある。その結果、活性種の種類、比
率に空間的な分布が生じてしまうことがあり、最悪の場
合、真空処理特性に不均一化をもたらしてしまう場合が
あると考えられる。これに対し、周波数f1、f2をf
2/f1 >0.5の関係に維持することで、このよう
な周波数の違いによる生成活性種の種類、比率の違いを
少なくすることができると考えられる。一方、f1とf
2とが互いに近すぎると、各々の定在波の節位置および
腹位置が近くなるため、十分な電界定在波抑制効果が得
られなくなってしまう。そのため、周波数f1、f2を
0.9 ≧ f2/f1の関係に維持することが必要であ
ると考えられる。
【0045】つまり、前記周波数f1、f2が、 0.9 ≧ f2/f1 >0.5 の条件を満たす構成とすることが好ましい。
【0046】本発明において、このような反応容器中へ
の高周波電力の導入は、同一の電極から行う必要があ
る。各々異なった周波数の高周波電力を各々別の電極か
ら供給した場合、各電極上には電極ごとに供給された高
周波電力の周波数に依存した波長の定在波が生じてしま
う。この結果、電極近傍に生起するプラズマの特性は、
この定在波に応じた形状をもってしまい、生成活性種の
種類・比率や、電極に入射するイオンのエネルギーが位
置によって異なってしまうため、電極上に付着する膜の
構造が電極上の位置に依存して異なってしまう。このた
め、電極上において剥がれ易い膜構造の部分が生じた
り、あるいは、膜の構造が位置的に変化する領域が生
じ、その領域での内部応力の違いが生じたりして付着膜
が剥がれやすい部分が生じてしまい、剥がれた膜が被処
理物上に付着して欠陥を生じさせやすくなってしまう。
このような問題を回避するために、本発明では周波数の
異なる複数の高周波電力を同一の電極に供給する必要が
ある。このようにすることにより、電極上においても定
在波は抑制され、上述したような問題が効果的に抑制さ
れる。
【0047】以上のように2つの高周波電力を組み合わ
せることにより本発明の効果は十分に得られるが、さら
に第3の高周波電力を組み合わせることも可能である。
第3の高周波電力の範囲としては、第1および第2の高
周波電力が適切な範囲に設定されている限りにおいては
特に限定はない。
【0048】第3の高周波電力の周波数f3をとし、電
力値をP3とするとき、f3が10MHz以上250M
Hz以下の範囲にある場合には、第1の高周波電力(f
1、P1)と第2の高周波電力(f2、P2)とを組み
合わせた場合と同様のメカニズムによる作用・効果が期
待できる。このとき、電力値P1〜P3の中で、電力値
が最も大きいものをP1、次に大きいものをP2とすれ
ば、P3は最も電力値が小さいものとなる。この場合に
は、第3の高周波電力によるマッチング不整合が起こり
にくく、かつ第3の高周波電力による定在波抑制効果が
加わるため、第1および第2の高周波電力を組み合わせ
た場合よりもさらに「むら」が抑制される場合がある。
そのため、上記のようなさらなる高周波電力を組み合わ
せることは好ましい。
【0049】また、たとえば、真空処理中のバイアス効
果を高めるために、本発明の範囲の高周波電力に加え
て、数十kHz〜数百kHz程度の周波数の電力を同時
に供給してもよい。このように、更なる電力を供給する
場合には、その電力を加えることで真空処理特性の均一
性が損なわれない程度の電力とする必要がある。
【0050】さらに、本発明では、前記高周波電極が棒
状に形成されている構成としてもよい。電極の形状が、
実質的に一次元として扱うことが可能な棒状形状である
場合には、電力が進行方向に対して横方向に回りこむこ
とが実質的に無いので、電力の横方向への回りこみによ
る二次的な定在波が生じすることがなく、本発明の効果
をより顕著に得ることが可能になる。
【0051】また、本発明においては、前記被処理物が
円筒状または円柱状に形成されている構成としてもよ
い。被処理物が円筒状または円柱状に形成されている場
合には、被処理物上の高周波電力の反射端は被処理物の
両端に限定される。そのため、多くの反射端による多く
の定在波が生じる場合に比べ、定在波の分布が比較的単
純になり、本発明の効果をより顕著に得ることが可能に
なる。
【0052】さらに、本発明は、前記被処理物の表面に
堆積膜を形成する場合に、特に顕著な効果を得ることが
可能である。本発明においては、電極上を含め反応容器
中の全領域の電界分布を均一化するため、膜付着を生ず
る部位の全領域にわたって、局所的な膜構造の変化が効
果的に抑制される。例えば、電界むらがあると、むら部
分で膜構造が変化し、その部分の内部応力が変化して剥
離しやすくなることがある。しかし、本発明の方法によ
り、膜剥がれが効果的に抑制され、そのような剥離した
ダストが被処理物上に付着することによって生じる構造
欠陥を低減することが可能となる。よって、歩留まりの
向上が図れ、コストダウンが可能となる。特に大面積が
要求される堆積膜応用分野においては、構造欠陥の抑制
の効果は大きい。
【0053】また、本発明は、前記被処理物の表面に電
子写真感光体用堆積膜を形成する場合に、より効果的で
ある。電子写真感光体を形成するには、大面積の堆積膜
を形成することが必要であり、さらにその全領域にわた
って構造欠陥が存在しない必要がある。その一方で、電
子写真感光体用堆積膜の形成では一般的に数十μmもの
厚さの堆積膜形成を行うため、反応容器壁面への膜付着
も多くなり、壁面に付着した膜に膜剥がれが生じやす
い。さらには、構造欠陥が生じた場合、電子写真感光体
では他のデバイスのように、構造欠陥の存在する部分の
みを不良として扱い、他の領域は良品として扱うといっ
たことができず、大面積にわたって形成した全体の堆積
膜が不良となってしまう。このため、電子写真用感光体
用堆積膜の形成においては、構造欠陥が生じた際にコス
トへ与える影響が非常に大きく、本発明によって構造欠
陥をも効果的に抑制することは、生産コストを低減させ
る上で極めて効果的となる。
【0054】さらに、電子写真感光体のような膜厚の厚
い堆積膜が形成されているデバイスの場合、基体への堆
積膜の形成と共に、反応容器の内壁や電極の表面に膜が
堆積する等の要因により、処理の経過と共にプラズマの
均一性を保つための最適条件が変化し、膜を堆積させる
のに従ってその厚さ方向によって基体面内方向の特性分
布状態が異なることがある。
【0055】そして、複数の層領域が形成されて成る積
層デバイスの場合には、各層領域に要求される機能が異
なるために層領域毎にその組成が異なり、層領域によっ
て均一性と良好な膜質とを両立する高周波電力の電力比
率の最適条件が異なることもある。
【0056】そこで、本発明のように供給する高周波電
力の電力比率を変化させ、電極表面に伝播する高周波電
力の分布を調整してやることにより、プラズマ処理の経
過による最適電力比率の変化に対応でき、膜厚方向にお
ける膜質の均一性が得られる。
【0057】また、堆積する膜の組成が異なる場合でも
対応できるので均一な膜質とすることが可能である。本
発明の構成は、電子写真感光体のみならず光起電力素子
用のような大型の基体に対して大きな効果を発揮する
が、基体が大きくなくても、高周波電極の大きさに対し
て相対的に短い波長の高周波を使用する場合には大きな
効果を発揮する。
【0058】本発明は、前述したa−Siやa−SiC
系の材料やそれら以外の材料から成る薄膜の作成や、ポ
リシリコン等のエッチング、表面酸化又は表面窒化等の
表面改質等にも適用することが可能である。例えば、本
発明の方法をエッチングに適用した場合、均一なプラズ
マによって均一なエッチング処理が進行するので、下地
材料を削ったり被エッチング材が残ってしまうことのな
い良質なエッチングが可能となる。
【0059】また、堆積膜を均一に効率よく形成するた
めには、原料ガスの流量を増やし、高周波電極に供給す
る高周波電力を大きくすることが考えられるが、そうし
た場合、周波数によっては正常な放電を維持できないこ
とがある。そこで本発明のように、複数の異なる周波数
の高周波電力を一旦合成した後に分岐し、複数のプラズ
マ発生用電極に印加することによって、各々のプラズマ
発生用電極に印加される電力値は正常な放電を維持する
程度の値であっても、反応容器内に導入される総電力値
は大きくすることができる。それにより、十分な定在波
抑制効果を維持した状態で、堆積膜形成速度および膜質
をさらに向上させることが可能となる。
【0060】また、本発明においては、高周波電力を分
岐した後、複数のプラズマ発生用高周波電極各々の給電
側に配置した、各高周波電力の伝送経路のインピーダン
スを調整する補助整合回路を介して、複数のプラズマ発
生用高周波電極に印加するすることで、より顕著な定在
波抑制効果を得ることができるため好ましい。その原因
は定かではないが、概ね以下のような理由によるものと
考えている。
【0061】周波数の異なる複数の高周波電力を一旦合
成した後に、複数の電極に分割して高周波電力を印加す
る場合、必然的に高周波電力の分岐点と各電極間の伝送
経路が長くなり、その間のL成分による高周波電力の減
衰がより大きくなると考えられる。その結果、周波数に
よって高周波電力の減衰率が異なるために、減衰率のず
れの影響が顕著となる場合があり、十分な定在波抑制効
果が得られない場合があると考えられる。しかし、高周
波電極の各々の給電点側に補助整合回路を配置すること
によって、L成分をキャンセルすることができ、その結
果、より顕著な定在波抑制効果を得ることができると考
えている。
【0062】また、本発明に使用する補助整合回路とし
ては、インピーダンス可変のLC回路を使用し、適宣、
位相調整を行ってもよく、また、容量固定のコンデンサ
を用いてもよい。ただし、装置取り扱い性およびコスト
といった観点から考えると容量固定のコンデンサを配置
するのみの構成であることが好ましい。
【0063】また、本発明においては、複数のプラズマ
発生用高周波電極を、同一円周上に配置することによ
り、より顕著な効果を得ることができる。その理由につ
いては、プラズマ発生用高周波電極を、同一円周上に配
置することにより、高周波電力の分岐点から各々の高周
波電極の距離を極力等しくすることができるため、ある
特定の電極に極端に偏って電力が分岐することがなく、
異常放電を生じることなく総電力を大きくするといった
本発明の効果を顕著にすることができるのではないかと
推察している。
【0064】また、各々の電極のプラズマへの寄与を均
一にすることを考慮すると、反応容器は円筒状であり、
かつ、反応容器と同一の中心軸である円周上に各々のプ
ラズマ発生用高周波電極各々を等間隔で配置することが
より好ましい。
【0065】また、本発明においては、複数のプラズマ
発生用高周波電極が、少なくとも一部分が誘電体部材で
構成された反応容器の外に設置されていることでより顕
著な効果を得ることができる。その原因は定かではない
が、概ね以下のような理由によるものと考えている。
【0066】複数のプラズマ発生用電極が反応容器内部
にある場合、ある電極の周囲の真空処理空間には、基体
以外にも、他の電極やアースシールドとなる反応容器外
壁等の導電性部材が必然的に存在することになる。その
ため、複数の異なる周波数の高周波電力を電極に印加す
る場合、高周波電力の周波数の違いによって、反応容器
内でのプラズマの広がり方に違いが生じ、プラズマに空
間的なむらが生じる場合があると考えられる。そのため
に十分な定在波抑制効果が得られないのではないかと考
えられる。しかし、高周波電極を反応容器の外に設置す
ることにより、真空処理空間における導電性部材を極力
減らすことができ、その結果、プラズマの空間的なむら
を発生させることなく、顕著な効果が得られるのではな
いかと推察している。
【0067】また、本発明においては、生産性の面で基
体支持手段を複数設置してもよい。ただし、複数の基体
支持手段を設置する場合においては、反応容器が円筒状
であり、かつ、各々のプラズマ発生用高周波電極と各々
の基体支持手段が、反応容器と同一の中心軸である円周
上にそれぞれ等間隔に配置されることによりより顕著な
効果を得ることができる。これは、基体支持手段、反応
容器、プラズマ発生用高周波電極の位置関係を極力対称
とすることにより、それぞれの基体支持手段上において
同様の定在波抑制効果を得ることができるためと推察し
ている。
【0068】また、本発明においては、電極上を含め反
応容器内の全領域の電界分布を均一化するため、従来の
ように、原料ガスに分布を持たせて反応容器内の電界分
布の不均一を補うというような手法をとる必要がなく、
原料ガス導入手段の数を極力減らすことが可能となる。
よって、装置コストおよび取り扱い性の面を考慮する
と、反応容器内へのガス導入手段の数は一つであること
がより好ましい。ただし、ガス導入手段を一つにした場
合においては、反応容器内のガス分布と基体支持手段、
反応容器、プラズマ発生用高周波電極の位置関係を極力
対称とすることにより、より顕著な本発明の効果が得ら
れると推察されるため、ガス導入手段は反応容器中央に
配置することがより好ましい。
【0069】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0070】図1は、本発明の真空処理方法に適用しう
る高周波電源を示すブロック図である。
【0071】本実施形態の高周波電源は2つの異なる周
波数の高周波電力を供給するものであり、例えば図1
(a)に示すような構成をとることができる。
【0072】図1(a)に示す例では、第1の高周波電
源321が、シグナルジェネレータ301と増幅器31
1とで構成されている。また第2の高周波電源322も
同様にシグナルジェネレータ302と増幅器312とで
構成されている。これらの高周波電源321、322
は、マッチングボックス341に接続されている。マッ
チングボックス341は、これらの電源から供給される
高周波電力のマッチングを個々に取るように別々の整合
回路をもつ構成でもよいし、合成したあとにマッチング
を取る整合回路を配しても構わない。また、各々の電源
に他方の電源からの高周波電力が回りこんでしまうのを
防ぐために、高周波電源321、322とマッチングボ
ックス341との間にフィルタ331、332をそれぞ
れ配してもよい。フィルタ331、332には、電源周
波数の関係に応じて、ローパスフィルタ、ハイパスフィ
ルタ、又はバンドパスフィルタを用いることができる。
【0073】また、他の構成として、図1(b)に示す
ような構成をとることができる。
【0074】図1(b)に示す例では、高周波電源32
1が、第1の高周波電力を発生させるシグナルジェネレ
ータ301と、第2の高周波電力を発生させるシグナル
ジェネレータ302とを広帯域に対応した増幅器311
にて合成し増幅することで予め2つの高周波電力を重畳
させた合成波を得ることが可能となる構成となってい
る。ここで、所望の電力比を得ることは、各シグナルジ
ェネレータ301、302の出力振幅を調整することで
実現できる。その後、これらの高周波電力を増幅器31
1にて合成することで、所望の電力比を持った2つの高
周波電力の合成波が生成されることとなる。このとき、
増幅器311は2つの高周波電力を歪みなく増幅できる
ことが望ましく、広い帯域に対応した増幅器であること
が必要である。加えて、生成された高周波電力は、互い
に異なる2つの周波数を合成してなる高周波電力である
ため、マッチングボックス341もそれに応じて整合回
路を調整する必要がある。なお、高周波電源321とマ
ッチングボックス341との間にフィルタ331を配し
てもよい。
【0075】また、互いに異なる3つの周波数の高周波
電力を用いる場合、図1(c)に示すような構成をとる
ことができる。
【0076】図1(c)に示す例では、図1(a)に示
した構成に、シグナルジェネレータ303および増幅器
313よりなる高周波電源323がさらに加えられてい
る。図1(a)に示した構成と同様に、高周波電源32
3とマッチングボックス341との間にフィルタ333
を適宜挿入してもよい。
【0077】また、さらに複数の高周波電力を合成する
場合には、図1(c)に示したような構成で拡張を随時
行ってもよいし、また図1(b)のような構成をとって
もよいし、あるいは、これらを組み合わせた構成として
もよい。なお、図1にはマッチングボックス341の内
部構造を示していないが、マッチングボックス341は
単一のシールドケースに収められていてもよいし、各周
波数の高周波電力毎にそれぞれ独立して分割させてもよ
い。
【0078】図2は、本発明の真空処理方法を行うこと
ができるプラズマ処理装置の一実施形態を示す模式図で
ある。
【0079】図2に示すプラズマ処理装置は平板状基体
2113の上に堆積膜を形成する装置であり、大別する
と、堆積装置2100、原料ガス供給装置2200、お
よび反応容器2111内を減圧するための排気装置(不
図示)から構成されている。
【0080】反応容器2111の側面には排気管211
2が一体的に形成されており、排気管2112の他端は
不図示の排気装置に接続されている。上面に堆積膜が形
成される平板状基体2113が、反応容器2111内に
配置されている。平板状基体2113は、基板ステージ
2120によって保持され、基体ステージ2120内に
設けられた発熱体2120aによって加熱されるように
なっている。
【0081】原料ガス供給装置2200は、SiH4
2、CH4、B26、PH3等の所望の真空処理に必要
な原料ガスのガスボンベ2221〜2225、ヘッダー
バルブ2231〜2235、ガス流入バルブ2241〜
2245、ガス流出バルブ2251〜2255、圧力調
整器2261〜2265、およびマスフローコントロー
ラ2211〜2215から構成され、各原料ガスのボン
ベは補助バルブ2260を有する原料ガス配管2119
を介して反応容器2111内にガスを導入する原料ガス
供給手段2118に接続されている。
【0082】図2に示す装置では、互いに異なる周波数
の高周波電力を供給するために、2つの高周波電源21
16、2117を用いている。各高周波電源2116、
2117から供給された高周波電力は、マッチングボッ
クス2115内においてそれぞれの整合回路を経て合成
され、高周波電極2114より反応容器2111内に供
給される。図2に示す構成では、基体ステージ2120
を通してアース電位に維持された基体2113が他方の
高周波電極として作用する。なお、高周波電源からマッ
チングボックスまでの構成には、図1(a)〜(c)に
示したような他の構成を用いてもよく、あるいは、さら
に多くの高周波電源を接続した構成としてもよい。
【0083】例えば高周波電源2116を第1の高周波
電力(周波数f1、電力値P1)を供給する第1の高周
波電源とし、高周波電源2117を第2の高周波電力
(周波数f2、電力値P2)を供給する第2の高周波電
源とした場合、各高周波電源2116、2117には、
各々の発振周波数の関係が、 10MHz ≦ f2 < f1 ≦ 250MHz 0.1 ≦ P2/(P1+P2) ≦ 0.9 とすることが可能である電源を用いる。
【0084】2つの高周波電力の電力値の和P(=P1
+P2)に関しては、如何なる値でもかまわないが、通
常の真空処理であれば、反応容器1111内に供給され
るガスの総流量をFとしたとき、単位流量あたりの電力
値P/Fは、6〜6000J/ml(normal)が
好ましく、さらに好ましくは、12〜3000J/ml
(normal)、最適には、60〜1800J/ml
(normal)である。
【0085】このP/Fが小さすぎると、単位ガス量あ
たりの電力が小さすぎ、分解があまり進行しないことが
考えられる。よって、ある程度以上P/Fが大きくない
と所望の真空処理がなされない可能性がある。一方、P
/Fがある程度以上大きくなりすぎると、単位ガス量あ
たりの電力が大きすぎることになり、所望の活性種より
もさらに分解が進みすぎて逆に所望の活性種が少なくな
ったり、電子温度やガス温度を過剰にして基板にダメー
ジを与えたりする可能性がある。
【0086】また、第1の高周波電源2116には、周
波数f1よりも低く周波数f2よりも高いカットオフ周
波数特性をもつハイパスフィルタを設けてもよい。ま
た、同様に第2の高周波電源2117には、周波数f2
よりも高く周波数f1よりも低いカットオフ周波数特性
をもつローパスフィルタを設けてもよい。それらの周波
数選択性は、より高い方が、それぞれの高周波電源に回
り込む他方の電力を小さくできるため好ましい。
【0087】また、図1(b)に示した構成により、複
数のシグナルジェネレータの出力を広帯域の増幅器で増
幅することで、本発明の条件を満たす高周波電力を生成
してもよい。
【0088】また、周波数f1、f2が 30MHz ≦ f2 < f1 ≦ 250MHz の範囲を満たすことは、例えば堆積膜を形成する場合に
堆積速度が著しく速くなるのでより好ましい。
【0089】また、電力値P1、P2が、 0.2 ≦ P2/(P1+P2) ≦ 0.7 の範囲を満たすことが好ましく、さらに、電力比の上限
をf2/f1に設定することにより放電の安定性を向上
させることができる。
【0090】さらに、周波数f1、f2を、 0.5< f2/f1 ≦ 0.9 の範囲に設定することにより、より高い定在波抑制効果
が得られる。
【0091】高周波電極2114の形状には特に制限は
なく、角形や円形の平板状あるいは棒状のいずれでも適
用可能である。特に、高周波電極が棒状である場合は、
反応容器2111内における高周波電力の横方向の2次
元的な定在波を考慮する必要がなく、本発明の効果を効
率的に得ることができる。
【0092】高周波電極2114の表面は、膜の密着性
を向上し、膜剥がれを防止し、成膜中のダストを抑制す
る目的から、粗面化されていることが望ましい。粗面化
の具体的な程度としては、2.5mmを基準とする10
点平均粗さ(Rz)で、5μm以上200μm以下の範
囲が好ましい。
【0093】さらに、膜の密着性向上の観点から、高周
波電極2114の表面はセラミックス材で被覆されてい
ることが効果的である。被覆の具体的手段に特に制限は
ないが、例えばCVD法、溶射等の表面コーティング法
により、高周波電極2114の表面をコーティングして
もよい。コーティング法の中でも溶射は、コスト面にお
いて、あるいはコーティング対象物の大きさや形状の制
限を受けにくいため好ましい。具体的なセラミックス材
料としては、アルミナ、二酸化チタン、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、ジルコン、コージェライト、ジルコン
−コージェライト、酸化珪素、および酸化ベリリウムマ
イカ系セラミックス等が挙げられる。高周波電極211
4の表面を被覆するセラミックス材の厚さに特に制限は
ないが、耐久性および均一性を増すため、また、高周波
電力の吸収量の観点や製造コストの面から、その厚さは
1μm〜10mmであることが好ましく、10μm〜5
mmであることがより好ましい。
【0094】このように構成された装置を用いて、プラ
ズマ処理として、平板状の基体上に例えば光起電力素子
のための堆積膜を形成することは、概略以下のような手
順により行うことができる。
【0095】まず、反応容器2111内の基板ステージ
2120上に平板状基体2113を設置し、不図示の排
気装置により排気管2112を通して反応容器2111
内を排気する。続いて、原料ガス供給手段2118を介
してArガスやHeガスなどの不活性ガス等を反応容器
2111内に導入し、ガスの供給量と排気速度とを調節
して一定の圧力になるように設定する。次に、発熱体2
120aにより平板状基体2113を200℃〜300
℃程度の所定の温度に加熱・制御し、温度が安定するま
で維持する。
【0096】基体2113が所定の温度となったところ
で、加熱に用いた不活性ガス等を十分排気した後、原料
ガス供給手段2118を介して、原料ガスを反応容器2
111内に導入する。原料ガスの流量が設定流量とな
り、また、排気速度を調整して反応容器2111内の圧
力が安定したことを確認した後、発振周波数が互いに異
なる2つの高周波電源2116、2117よりマッチン
グボックス2115を介して高周波電極2114へ所定
の高周波電力を供給する。これにより、反応容器211
1内にグロー放電が生起し、原料ガスが励起解離して基
体2113上に堆積膜が形成される。
【0097】所望の膜厚の層領域を形成した後、原料ガ
スの種類と各々の流量を所定の値に変え、高周波電力の
比率を所望の値に変えて次の層領域の形成を行う。
【0098】所望の層構成が形成されたところで電力の
供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止すると、多層
構造の半導体装置が形成される。
【0099】上記では堆積膜を形成する例について説明
したが、上記の装置は堆積膜形成だけでなくエッチング
等のプラズマ処理にも適用しうるものである。
【0100】また、多層構造のデバイスに限らず、単一
の層領域の形成中あるいはエッチング処理のようなプラ
ズマ処理中に高周波電力の比率を変えることも有効であ
るが、その際においても上記周波数および電力比率の関
係を満足するよう設定することが重要である。
【0101】図3は、本発明の真空処理方法を行うこと
ができるプラズマ処理装置の他の実施形態を示す模式図
である。
【0102】図3に示すプラズマ処理装置は円筒状基体
に堆積膜を形成する装置であり、大別すると、堆積装置
1100、原料ガス供給装置1200、および反応容器
1111内を減圧するための排気装置(不図示)から構
成されている。
【0103】反応容器1111の側面には排気管111
2が一体的に形成されており、排気管1112の他端は
不図示の排気装置に接続されている。反応容器1111
内には、堆積膜が形成される複数本の円筒状基体111
3が、反応容器1111の中心部1110を取り囲むよ
うに配置されている。各円筒状基体1113は、モータ
1123および減速ギア1122によって回転させられ
る回転軸1121によって保持され、発熱体1120に
よって加熱されるようになっている。回転軸1121は
モータ1123を駆動すると減速ギア1122を介して
回転し、これにより円筒状基体1113がその母線方向
中心軸のまわりを自転するようになっている。
【0104】原料ガス供給装置1200は、SiH4
2、CH4、B26、PH3等の所望の真空処理に必要
な原料ガスのガスボンベ1221〜1225、ヘッダー
バルブ1231〜1235、ガス流入バルブ1241〜
1245、ガス流出バルブ1251〜1255、圧力調
整器2261〜2265、およびマスフローコントロー
ラ1211〜1215から構成され、各原料ガスのボン
ベは補助バルブ1260を有する原料ガス配管1119
を介して反応容器1111内にガスを導入する原料ガス
供給手段1118に接続されている。
【0105】図3に示す装置では、互いに異なる周波数
の高周波電力を供給するために、2つの高周波電源11
16、1117を用いている。各高周波電源1116、
1117から供給された高周波電力は、マッチングボッ
クス1115内においてそれぞれの整合回路を経て合成
され、高周波電極1114より反応容器1111内に供
給される。図3に示す構成では、回転軸1121を通し
てアース電位に維持された円筒状基体1113が他方の
高周波電極として作用する。なお、高周波電源からマッ
チングボックスまでの構成には、図1(a)〜(c)に
示したような他の構成を用いてもよく、あるいは、さら
に多くの高周波電源を接続した構成としてもよい。
【0106】図3に示す構成の装置では、真空処理中に
回転軸1121を介して円筒状基体1113をモータ1
123および減速ギア1122により所定の速度で回転
させることにより、円筒状基体1113の表面全周にわ
たって均一に処理を行うことができる。
【0107】例えば高周波電源1116を第1の高周波
電力(周波数f1、電力値P1)を供給する第1の高周
波電源とし、高周波電源1117を第2の高周波電力
(周波数f2、電力値P2)を供給する第2の高周波電
源とした場合、各高周波電源1116、1117には、
各々の発振周波数の関係が、 10MHz ≦ f2 < f1 ≦ 250MHz 0.1 ≦ P2/(P1+P2) ≦ 0.9 とすることが可能である電源を用いる。
【0108】2つの高周波電力の電力値の和P(=P1
+P2)に関しては、如何なる値でもかまわないが、通
常の真空処理であれば、反応容器1111内に供給され
るガスの総流量をFとしたとき、単位流量あたりの電力
値P/Fは、6〜6000J/ml(normal)が
好ましく、さらに好ましくは、12〜3000J/ml
(normal)、最適には、60〜1800J/ml
(normal)である。
【0109】このP/Fが小さすぎると、単位ガス量あ
たりの電力が小さすぎ、分解があまり進行しないことが
考えられる。よって、ある程度以上P/Fが大きくない
と所望の真空処理がなされない可能性がある。一方、P
/Fがある程度以上大きくなりすぎると、単位ガス量あ
たりの電力が大きすぎることになり、所望の活性種より
もさらに分解が進みすぎて逆に所望の活性種が少なくな
ったり、電子温度やガス温度を過剰にして基板にダメー
ジを与えたりする可能性がある。
【0110】また、第1の高周波電源1116には、周
波数f1よりも低く周波数f2よりも高いカットオフ周
波数特性をもつハイパスフィルタを設けてもよい。ま
た、同様に第2の高周波電源1117には、周波数f2
よりも高く周波数f1よりも低いカットオフ周波数特性
をもつローパスフィルタを設けてもよい。それらの周波
数選択性は、より高い方が、それぞれの高周波電源に回
り込む他方の電力を小さくできるため好ましい。
【0111】また、図1(b)に示した構成により、複
数のシグナルジェネレータの出力を広帯域の増幅器で増
幅することで、本発明の条件を満たす高周波電力を生成
してもよい。
【0112】また、周波数f1、f2が 30MHz ≦ f2 < f1 ≦ 250MHz の範囲を満たすことは、例えば堆積膜を形成する場合に
堆積速度が著しく速くなるのでより好ましい。
【0113】また、電力値P1、P2が、 0.2 ≦ P2/(P1+P2) ≦ 0.7 の範囲を満たすことが好ましく、さらに、電力比の上限
をf2/f1に設定することにより放電の安定性を向上
させることができる。
【0114】さらに、周波数f1、f2を、 0.5< f2/f1 ≦ 0.9 の範囲に設定することにより、より高い定在波抑制効果
が得られる。
【0115】高周波電極1114の形状には特に制限は
ないが、真空処理特性の均一化効果をより顕著に得るた
めには、図3に示したような棒状、あるいは線状の形状
であることが好ましく、また、堆積膜形成時に高周波電
極1114に付着した膜が剥がれるのを防止する観点か
ら、高周波電極1114は可能な限り曲面により構成さ
れていることが好ましく、特に円柱状、円筒状が好まし
い。
【0116】高周波電極1114の表面は、膜の密着性
を向上し、膜剥がれを防止し、成膜中のダストを抑制す
る目的から、粗面化されていることが望ましい。粗面化
の具体的な程度としては、2.5mmを基準とする10
点平均粗さ(Rz)で、5μm以上200μm以下の範
囲が好ましい。
【0117】さらに、膜の密着性向上の観点から、高周
波電極1114の表面はセラミックス材で被覆されてい
ることが効果的である。被覆の具体的手段に特に制限は
ないが、例えばCVD法、溶射等の表面コーティング法
により、高周波電極1114の表面をコーティングして
もよい。コーティング法の中でも溶射は、コスト面にお
いて、あるいはコーティング対象物の大きさや形状の制
限を受けにくいため好ましい。具体的なセラミックス材
料としては、アルミナ、二酸化チタン、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、ジルコン、コージェライト、ジルコン
−コージェライト、酸化珪素、および酸化ベリリウムマ
イカ系セラミックス等が挙げられる。高周波電極111
4の表面を被覆するセラミックス材の厚さに特に制限は
ないが、耐久性および均一性を増すため、また、高周波
電力の吸収量の観点や製造コストの面から、その厚さは
1μm〜10mmであることが好ましく、10μm〜5
mmであることがより好ましい。
【0118】また、高周波電極1114に加熱手段また
は冷却手段を設けることにより、高周波電極1114の
表面における膜の密着性を更に高め、より効果的に膜剥
がれを防止できる。この場合、高周波電極1114を加
熱するか冷却するかは、堆積する膜材料、堆積条件に応
じて適宜決定する。具体的な加熱手段としては、発熱体
であれば特に制限はない。具体的にはシース状ヒータの
巻付けヒータ、板状ヒータ、セラミックヒーター等の電
気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱輻
射ランプ発熱体、液体、気体等を媒体とした熱交換手段
による発熱体等が挙げられる。一方、具体的な冷却手段
としては、吸熱体であれば特に制限はない。例えば、液
体・気体等を冷却媒体として流すことができる冷却コイ
ル、冷却板、冷却筒等が挙げられる。
【0119】このように構成された装置を用いて、例え
ば円筒状の電子写真感光体用の堆積膜を形成すること
は、概略以下のような手順により行うことができる。
【0120】まず、反応容器1111内に円筒状基体1
113を設置し、不図示の排気装置により排気管111
2を通して反応容器1111内を排気する。続いて、原
料ガス供給手段1118を介してArガスやHeガスな
どの不活性ガス等を反応容器1111内に導入し、ガス
の供給量と排気速度とを調節して一定の圧力になるよう
に設定する。次に、発熱体1120により円筒状基体1
113を200℃〜300℃程度の所定の温度に加熱・
制御し、温度が安定するまで維持する。
【0121】円筒状基体1113が所定の温度となった
ところで、加熱に用いた不活性ガス等を十分排気した
後、原料ガス供給手段1118を介して、原料ガスを反
応容器1111内に導入する。原料ガスの流量が設定流
量となり、また、反応容器1111内の圧力が安定した
ことを確認した後、発振周波数が互いに異なる2つの高
周波電源1116、1117よりマッチングボックス1
115を介して高周波電極1114へ所定の高周波電力
を供給する。これにより、反応容器1111内にグロー
放電が生起し、原料ガスが励起解離して円筒状基体11
13上に堆積膜が形成される。
【0122】さらに多層の形態を有する堆積膜を得るた
めには、所望の膜厚の層領域を形成した後、原料ガスの
種類や各々の流量等を所定の値に変えて次の層領域の形
成を行えばよい。
【0123】図8は、本発明により作成される電子写真
感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0124】図8(a)に示す感光体8500は、基体
8501の上に光受容層8502が設けられている。光
受容層8502は基体8501側から順にa−Si系電
荷注入阻止層8505と、水素原子(H)および/また
はハロゲン原子(X)を含有するアモルファスシリコン
(a−Si:H、X)からなり光導電性を有する光導電
層8503と、a−SiC系表面層8504とから構成
されている。
【0125】図8(b)に示す感光体8500は、基体
8501の上に光受容層8502が設けられている。光
受容層8502は基体8501側から順にa−Si系電
荷注入阻止層8505と、a−Si:H、Xからなり光
導電性を有する光導電層8503と、a−SiC系表面
層504とから構成され、光導電層8503は第1の層
領域8503aと第2の層領域8503bとからなって
いる。
【0126】図8(c)に示す感光体8500は、基体
8501の上に、光受容層8502が設けられている。
該光受容層8502は基体8501側から順にa−Si
系電荷注入阻止層8505と、a−Si:H、Xからな
り光導電性を有する光導電層8503と、a−SiC系
中間層8506と、a−SiC系表面層8504とから
構成されている。
【0127】<基体>本発明において使用される基体と
しては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性
基体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、
Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこ
れらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セル
ロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまた
はシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性基体の少
なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した基
体も用いることができる。
【0128】本発明において使用される基体の形状は平
滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または平板状であるこ
とができ、その厚さは、所望通りの半導体装置を形成し
得るように適宜決定するが、可撓性が要求される場合に
は、基体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な
限り薄くすることができる。しかしながら、製造上およ
び取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以
上とされる。
【0129】<光導電層>本発明において、その目的を
効果的に達成するために基体上に形成され、光受容層の
1部を構成する光導電層はプラズマCVD法によって、
所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値
条件が設定されて作成される。
【0130】光導電層を形成するには、基本的にはシリ
コン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガス
と、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスお
よび/またはハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用
の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望の
ガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起
させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の基
体上にa−Si:H、Xからなる層を形成すればよい。
【0131】また、本発明において光導電層中に水素原
子および/またはハロゲン原子が含有されることが必要
であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層
品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上さ
せるために必須不可欠であるからである。
【0132】よって、水素原子またはハロゲン原子の含
有量、または水素原子とハロゲン原子の和の量は、シリ
コン原子と水素原子および/またはハロゲン原子の和に
対して10〜40原子%とされるのが望ましい。
【0133】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素
化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げ
られ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙
げられる。
【0134】そして、形成される光導電層中に水素原子
を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を一層容
易になるように図り、本発明の目的を達成する膜特性を
得るために、これらのガスに更にH2および/またはH
eあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混
合して層形成することも好ましい。また、各ガスは単独
種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支え
ないものである。
【0135】また、本発明において使用されるハロゲン
原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロ
ゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状の
またはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、Br
F、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF
7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲ
ン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換
されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばS
iF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙
げることができる。
【0136】光導電層中に含有される水素原子および/
またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば基体の
温度、水素原子および/またはハロゲン原子を含有させ
るために使用される原料物質の反応容器内へ導入する
量、放電電力等を制御すればよい。
【0137】本発明において、光導電層には伝導性を制
御する原子を含有することが好ましい。
【0138】光導電層に含有される伝導性を制御する原
子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙
げることができ、本発明においては、p型伝導特性を与
える周期律表第13族に属する原子(以下、「第13族
原子」と略記する。)あるいはn型伝導特性を与える周
期律表第15族に属する原子(以下、「第15族原子」
と略記する。)を用いることができる。
【0139】このような第13族原子としては、具体的
には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等が
あり、特にB、Al、Gaが好適である。
【0140】第Vb族原子としては、具体的にはP(リ
ン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビス
マス)等があり、特にP、Asが好適である。
【0141】光導電層に含有される伝導性を制御する原
子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1×10
4原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103
子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppm
とされるのが望ましい。
【0142】伝導性を制御する原子を構造的に導入する
には、層形成の際に、伝導性を制御する原子の原料物質
をガス状態で、光導電層を形成するための他のガスと共
に反応容器中に導入してやればよい。
【0143】伝導性を制御する原子導入用の原料物質と
なり得るものとしては、常温常圧でガス状の、または、
少なくとも層形成条件下で容易にガス化しうるものが採
用されるのが望ましい。
【0144】そのような第13族原子導入用の原料物質
として具体的には、硼素原子導入用として、B26、B
410、B59、B511、B610、B612、B614
等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲ
ン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、GaC
3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3等も挙げ
ることができる。
【0145】第15族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3
24等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PC
3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン
化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsC
3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も第15族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。
【0146】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を、必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0147】さらに、光導電層に炭素原子および/また
は酸素原子および/または窒素原子を含有させることも
有効である。炭素原子および/または酸素原子および/
または窒素原子の含有量は、シリコン原子、炭素原子、
酸素原子及び窒素原子の和に対して好ましくは1×10
-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子
%、最適には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素原
子および/または酸素原子および/または窒素原子は、
光導電層中に万遍なく均一に含有されても良いし、光導
電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布
をもたせた部分があっても良い。
【0148】本発明において、光導電層の層厚は所望の
電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から
適宜所望にしたがって決定され、好ましくは10〜50
μm、より好ましくは15〜45μm、最適には20〜
40μmとされるのが望ましい。層厚が20μmより薄
くなると、帯電能や感度等の電子写真特性が実用上不充
分となり、50μmより厚くなると、光導電層の作製時
間が長くなって製造コストが高くなる。
【0149】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層を形成するには、Si供給用のガスと希釈
ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならび
に基体温度を適宜設定することが必要である。
【0150】反応容器内の圧力も同様に層設計にしたが
って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10
-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102
Pa、最適には1×10-1〜1×102Paとするのが
好ましい。
【0151】さらに、基体の温度は、層設計にしたがっ
て最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましく
は150〜350℃、より好ましくは180〜330
℃、最適には200〜300℃とするのが望ましい。
【0152】本発明においては、光導電層を形成するた
めの基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決
められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形
成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決
めるのが望ましい。
【0153】<電荷注入阻止層>本発明の感光体におい
ては、導電性基体と光導電層との間に、導電性基体側か
らの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を
設けるのが一層効果的である。すなわち、電荷注入阻止
層は光受容層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受
けた際、基体側より光導電層側に電荷が注入されるのを
阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際に
はそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性
を有している。そのような機能を付与するために、電荷
注入阻止層には伝導性を制御する原子を多く含有させる
ことも有効である。
【0154】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子は、電荷注入阻止層中に万偏なく均一に分布さ
れても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有され
てはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分
があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、基体側
に多く分布するように含有させるのが好適である。しか
しながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向
においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面
内方向における特性の均一化を図る点からも必要であ
る。
【0155】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、正帯電用感光体においては、p
型伝導特性を与える周期律表第13族に属する原子(以
下、「第13族原子」と略記する。)を用いることがで
きる。
【0156】このような第13族原子としては、具体的
には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等が
あり、特にB、Al、Gaが好適である。
【0157】また、負帯電用感光体においては、n型伝
導特性を与える周期律表第15族に属する原子(以下、
「第15族原子」と略記する。)を用いることができ
る。
【0158】第15族原子としては、具体的にはP(リ
ン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビス
マス)等があり、特にP、Asが好適である。
【0159】本発明において電荷注入阻止層中に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜
決定されるが、好ましくは10〜1×104原子pp
m、より好適には50〜5×103原子ppm、最適に
は1×102〜3×103原子ppmとされるのが望まし
い。
【0160】さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、
窒素原子及び酸素原子の少なくとも1種を含有させるこ
とによって、この電荷注入阻止層に直接接触して設けら
れる他の層との間の密着性の向上をより一層図ることが
できる。
【0161】電荷注入阻止層に含有される炭素原子また
は窒素原子または酸素原子は、電荷注入阻止層中に万偏
なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には
万偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で
含有している部分があってもよい。しかしながら、いず
れの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均
一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における
特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0162】本発明における電荷注入阻止層の全層領域
に含有される炭素原子および/または窒素原子および/
または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達
成されるように適宜決定されるが、1種の場合はその量
として、2種以上の場合はその総和量として、好ましく
は1×10-3〜30原子%、より好適には5×10-3
20原子%、最適には1×10-2〜10原子%とされる
のが望ましい。
【0163】また、本発明における電荷注入阻止層に含
有される水素原子および/またはハロゲン原子は、層内
に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏す
る。電荷注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あ
るいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適に
は1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適
には10〜30原子%とするのが望ましい。
【0164】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等
の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは
0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが
望ましい。層厚が0.1μmより薄くなると、基体から
の電荷の注入阻止能が不充分になって充分な帯電能が得
られなくなり、5μmより厚くしても電子写真特性の向
上は期待できず、作製時間の延長による製造コストの増
加を招く。
【0165】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層を形成するには、光導電層と同様に、Si
供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス
圧、放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することが
必要である。
【0166】反応容器内の圧力も同様に層設計にしたが
って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10
-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102
Pa、最適には1×10-1〜1×102Paとするのが
好ましい。
【0167】さらに、基体の温度は、層設計にしたがっ
て最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましく
は150〜350℃、より好ましくは180〜330
℃、最適には200〜300℃とするのが望ましい。
【0168】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、基体
温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられ
るが、これらの層作成ファクターは通常は独立的に別々
に決められるものではなく、所望の特性を有する表面層
を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて各層作
成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0169】<表面層>本発明においては、上述のよう
にして基体上に形成された光導電層の上に、更にアモル
ファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。
この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返
し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性にお
いて本発明の目的を達成するために設けられる。
【0170】また、本発明においては、光受容層を構成
する光導電層と表面層とを形成する非晶質材料の各々が
シリコン原子という共通の構成要素を有しているので、
積層界面において化学的な安定性の確保が十分成されて
いる。
【0171】表面層は、アモルファスシリコン系の材料
であればいれずの材質でも可能であるが、例えば、水素
原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有
し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以
下、「a−SiC:H、X」と表記する。)、水素原子
(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、更
に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下、
「a−SiO:H、X」と表記する。)、水素原子
(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、更
に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下、
「a−SiN:H、X」と表記する。)、水素原子
(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、更
に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも1つを含
有するアモルファスシリコン(以下、「a−SiCO
N:H、X」と表記する。)等の材料が好適に用いられ
る。
【0172】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層は真空堆積膜形成方法によって、所
望の特性が得られるように成膜パラメーターの数値条件
が適宜設定されて作成される。具体的には、例えばグロ
ー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイ
クロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放
電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数
々の薄膜堆積法によって形成することができる。これら
の薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程
度、製造規模、作成される感光体に所望される特性等の
要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体の生
産性から光導電層と同等の堆積法によることが好まし
い。
【0173】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H、Xよりなる表面層を形成するには、基本的には
シリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガ
スと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガス
と、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスお
よび/またはハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用
の原料ガスとを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望
のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生
起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層を
形成した基体上に「a−SiC:H、X」からなる層を
形成すればよい。
【0174】本発明において用いる表面層の材質として
は、シリコンを含有するアモルファス材料ならば何れで
も良いが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なく
とも1つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特に
a−SiCを主成分としたものが好ましい。
【0175】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子との和に対
して30%から90%の範囲が好ましい。
【0176】また、本発明において表面層中に水素原子
および/またはハロゲン原子が含有されることが必要で
あるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品
質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上
させるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原
子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適に
は35〜65原子%、最適には40〜60原子%とする
のが望ましい。また、弗素原子の含有量として、通常の
場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜10原
子%、最適には0.5〜5原子%とされるのが望まし
い。
【0177】これらの水素および/または弗素含有量の
範囲内で形成される感光体は、実際面において従来にな
い格段に優れたものとして充分適用させ得るものであ
る。すなわち、表面層内に存在する欠陥(主にシリコン
原子や炭素原子のダングリングボンド)は、電子写真感
光体としての特性に悪影響を及ぼすことが知られてい
る。例えば自由表面から電荷の注入による帯電特性の劣
化、使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化
することによる帯電特性の変動、更にコロナ帯電時や光
照射時に光導電層より表面層に電荷が注入され、前記表
面層内の欠陥に電荷がトラップされることによる繰り返
し使用時の残像現象の発生等が、この悪影響として挙げ
られる。
【0178】しかしながら、表面層内の水素含有量を3
0原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に
減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面及び高速
連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。
【0179】一方、前記表面層中の水素含有量が70原
子%を越えると表面層の硬度が低下するために、繰り返
し使用に耐えられなくなる。従って、表面層中の水素含
有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れた所望
の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つであ
る。表面層中の水素含有量は、原料ガスの流量(比)、
基体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0180】また、表面層中の弗素含有量を0.01原
子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン原
子と炭素原子との結合の発生をより効果的に達成するこ
とが可能となる。さらに、表面層中の弗素原子の働きと
して、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原
子との結合の切断を効果的に防止することができる。
【0181】一方、表面層中の弗素含有量が15原子%
を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子との結合
の発生の効果およびコロナ等のダメージによるシリコン
原子と炭素原子との結合の切断を防止する効果がほとん
ど認められなくなる。さらに、過剰の弗素原子が表面層
中のキャリアの走行性を阻害するため、残留電位や画像
メモリーが顕著に認められてくる。従って、表面層中の
弗素含有量を前記範囲内に制御することが所望の電子写
真特性を得る上で重要な因子の1つである。表面層中の
弗素含有量は、水素含有量と同様に原料ガスの流量
(比)、基体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御
し得る。
【0182】本発明の表面層の形成において使用される
シリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態
の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効
に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り
扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2
6が好ましいものとして挙げられる。また、これらの
Si供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、A
r、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0183】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C22、C26、C38、C410等のガス状態
の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるも
のとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si
供給効率の良さ等の点でCH4、C22、C26が好ま
しいものとして挙げられる。また、これらのC供給用の
原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガ
スにより希釈して使用してもよい。
【0184】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、CO、C
2、N2等のガス状態の、またはガス化し得る化合物が
有効に使用されるものとして挙げられる。また、これら
の窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH2、H
e、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよ
い。
【0185】また、形成される表面層中に導入される水
素原子の導入割合の制御が一層容易になるようにするた
めに、これらのガスに更に水素ガスまたは水素原子を含
む珪素化合物のガスをも所望量混合して層形成すること
が好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混
合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0186】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンを含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラ
ン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合
物が好ましく挙げられる。さらには、シリコン原子とハ
ロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し
得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なも
のとして挙げることができる。本発明において好適に使
用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス
(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、Br
5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げること
ができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハ
ロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的
には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪素が好ま
しいものとして挙げることができる。
【0187】表面層中に含有される水素原子および/ま
たはハロゲン原子の量を制御するには、例えば基体の温
度、水素原子および/またはハロゲン原子を含有させる
ために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、
放電電力等を制御すればよい。
【0188】炭素原子および/または酸素原子および/
または窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有され
ても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するよう
な不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0189】本発明における表面層の層厚としては、通
常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適
には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。
層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗
等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越え
ると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられ
る。
【0190】本発明による表面層は、その要求される特
性が所望通りに与えられるように注意深く形成される。
即ち、Si、Cおよび/またはNおよび/またはO、H
および/またはXを構成要素とする物質はその形成条件
によって構造的には結晶からアモルファスまでの形態を
とり、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性まで
の間の性質を、また、光導電的性質から非光導電的性質
までの間の性質を各々示すので、本発明においては、目
的に応じた所望の特性を有する化合物が形成されるよう
に、所望によりその形成条件の選択が厳密になされる。
【0191】例えば、表面層を耐圧性の向上を主な目的
として設けるには、使用環境において電気絶縁性的挙動
の顕著な非単結晶材料として作成される。
【0192】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的として表面層が設けられる場合に
は、上記の電気絶縁性の度合いはある程度緩和され、照
射される光に対して有る程度の感度を有する非単結晶材
料として形成される。
【0193】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層を形成するには、基体の温度、反応容器内のガス圧
を所望により適宜設定する必要がある。
【0194】基体温度(Ts)は、層設計にしたがって
最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは
150〜350℃、より好ましくは180〜330℃、
最適には200〜300℃とするのが望ましい。
【0195】反応容器内の圧力も同様に層設計にしたが
って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10
-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102
Pa、最適には1×10-1〜1×102Paとするのが
好ましい。
【0196】本発明においては、表面層を形成するため
の基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した
範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決め
られるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成
すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決め
るのが望ましい。
【0197】表面層と光導電層との間に炭素原子および
/または酸素原子および/または窒素原子の含有量が光
導電層に向かって減少するように変化する領域を設けて
も良い。これにより表面層と光導電層との密着性を向上
させ、光キャリアの表面への移動がスムーズになるとと
もに光導電層と表面層との界面での光の反射による干渉
の影響をより少なくすることができる。
【0198】<中間層>本発明の感光体においては、負
帯電の場合に光導電層と表面層との間に表面層側からの
電荷の注入を阻止する働きのある中間層(上部阻止層)
を設けるのが効果的である。
【0199】すなわち、中間層は光受容層が一定極性の
帯電処理をその自由表面に受けた際、表面層側より光導
電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆
の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮
されない、いわゆる極性依存性を有している。そのよう
な機能を付与するために、中間層には伝導性を制御する
原子を多く含有させることが有効である。
【0200】中間層に含有される伝導性を制御する原子
は、中間層中に万偏なく均一に分布されても良いし、あ
るいは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均
一に分布する状態で含有している部分があってもよい。
【0201】しかしながら、いずれの場合にも基体の表
面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含
有されることが面内方向における特性の均一化を図る点
からも必要である。
【0202】中間層に含有される伝導性を制御する原子
としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げ
ることができ、p型伝導特性を与える周期律表第13族
に属する原子(以下、「第13族原子」と略記する。)
を用いることができる。
【0203】このような第13族原子としては、具体的
には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等が
あり、特にB、Al、Gaが好適である。
【0204】本発明において中間層中に含有される伝導
性を制御する原子の含有量としては、本発明の目的が効
果的に達成できるように所望により適宜決定されるが、
好ましくは10〜1×104原子ppm、より好適には
50〜5×103原子ppm、最適には1×102〜3×
103原子ppmとされるのが望ましい。
【0205】中間層は、アモルファスシリコン系の材料
であればいずれの材質でも可能であるが、表面層と同様
の材料で構成することが好ましい。
【0206】すなわち、「a−SiC:H、X」、「a
−SiO:H、X」、「a−SiN:H、X」、「a−
SiCON:H、X」等の材料が好適に用いられる。
【0207】中間層に含有される炭素原子または窒素原
子または酸素原子は、該層中に万偏なく均一に分布され
ても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されて
はいるが、不均一に分布する状態で含有している部分が
あってもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく
含有されることが面内方向における特性の均一化を図る
点からも必要である。
【0208】本発明における中間層の全層領域に含有さ
れる炭素原子および/または窒素原子および/または酸
素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成される
ように適宜決定されるが、1種の場合はその量として、
2種以上の場合はその総和量として、10%から70%
の範囲とするのが好ましい。
【0209】また、本発明において中間層中に水素原子
および/またはハロゲン原子が含有されることが必要で
あるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品
質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上
させるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原
子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適に
は35〜65原子%、最適には40〜60原子%とする
のが望ましい。また、ハロゲン原子の含有量として、通
常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜1
0原子%、最適には0.5〜5原子%とされるのが望ま
しい。
【0210】本発明において、中間層の層厚は所望の電
子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から
好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.03
〜2μm、最適には0.05〜1μmとされるのが望ま
しい。層厚が0.01μmより薄くなると、表面側から
の電荷の注入阻止能が不充分になって充分な帯電能が得
られなくなり、3μmより厚くしても電子写真特性の向
上は期待できず、むしろ感度等の特性の低下を招くこと
がある。
【0211】本発明の目的を達成し得る特性を有する中
間層を形成するには、表面層と同様に、Si供給用のガ
スとCおよび/またはNおよび/またはO供給用のガス
との混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基
体の温度を適宜設定することが必要である。
【0212】反応容器内の圧力も同様に層設計にしたが
って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10
-2〜1×103Pa、好ましくは5×10-2〜5×102
Pa、最適には1×10-1〜1×102Paとするのが
好ましい。
【0213】さらに、基体の温度は、層設計にしたがっ
て最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましく
は150〜350℃、より好ましくは180〜330
℃、最適には200〜300℃とするのが望ましい。
【0214】本発明においては、中間層を形成するため
の希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、基体温度の望
ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、こ
れらの層作成ファクターは通常は独立的に別々に決めら
れるものではなく、所望の特性を有する表面層を形成す
べく相互的かつ有機的関連性に基づいて各層作成ファク
ターの最適値を決めるのが望ましい。
【0215】図9は、本発明により作成される光起電力
素子の層構成を説明するための模式的構成図である。図
9に示す光起電力素子9600は、基体9601上に、
光反射層9602、n型層9603、i型層9604、
p型層9605、透明電極層9606が順に積層され、
透明電極層9606上には集電電極9607が形成され
て構成されている。光起電力素子9600に対して、光
は透明電極9606側から照射される。
【0216】<基体>基体は導電材料単体で構成された
ものでもよく、絶縁性材料または導電性材料で構成され
た基体上に導電層を形成したものであってもよい。導電
性材料としては、例えば、めっき鋼板、NiCr、ステ
ンレス鋼、Al、Cr、Mo、Au、Nb、Ta、V、
Ti、Pt、Pb、Sn等の金属または、これらの合金
が挙げられる。
【0217】絶縁材料としては、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、ポリアミド、等の合成樹脂、または、ガ
ラス、セラミックスなどが挙げられる。これらの絶縁性
基体は、少なくともその一方の表面に導電層を形成し、
該導電層を形成した表面上に本発明の半導体層を形成す
る。
【0218】例えばガラスであれば、表面上にNiC
r、Al、Ag、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、
Ti、Pt、Pb、In203、ITO、ZnO等の材
料またはその合金からなる導電層を形成し、ポリエステ
ルフィルム等の合成樹脂シートであれば表面上にNiC
r、Al、Cr、Ag、Pb、Mo、Au、Nb、T
a、V、Ti、Pt等の材料またはその合金からなる導
電層を形成し、ステンレス鋼であればNiCr、Al、
Ag、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Ti、P
t、Pb、In203、ITO、ZnO等の材料または
その合金からなる導電層を形成する。形成方法としては
真空蒸着法、スパッタリング法、スクリーン印刷法が挙
げられる。
【0219】基体の表面形状は、平滑あるいは山の高さ
が最大0.1〜1.0μmの凹凸(テクスチャー)であ
ることが望ましい。例えば、ステンレス基体の表面をテ
クスチャー化する1つの方法として、被処理基体を酸性
溶液を用いてエッチング処理する方法が挙げられる。基
体の厚さは所望通りの光起電力素子を形成しえるように
適宜決定するが、光起電力素子としての柔軟性が要求さ
れる場合には、基体としての機能が十分発揮される範囲
で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、基
体の製造上および取り扱い上、機械的強度の点から、通
常10μmとされる。
【0220】<光反射層>本発明の光起電力素子におけ
る望ましい基体の形態としては、上記基体上に、Ag、
Al、Cu、AlSi、CuMg等の可視光から近赤外
で反射率の高い金属からなる導電層(光反射層)を形成
することである。光反射層は真空蒸着法、スパッタリン
グ法等、水溶液からの電解析出法で形成するのが適して
いる。光反射層としてのこれらの金属の層厚としては、
10nmから5000nmが適した層厚として挙げられ
る。
【0221】本発明の光起電力素子における更に望まし
い基体の形態としては、光反射層上にZnO、Sn
2、In203、ITO、TiO2、CdO、Cd2
nO4、Bi203、MoO3、NaxWO3等からなる透
明導電層を形成する。透明導電膜の形成方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、電解析出法、CVD
法、スプレー法、スピンオン法、ディッピング法等が適
した方法として挙げられる。また、層厚は、透明導電層
の屈折率により最適な層厚は異なるが、好ましい層厚の
範囲としては50nm〜10μmが挙げられる。更に、
透明導電層をテクスチャー化するには、例えば、スパッ
タリング法においては、透明導電層の形成温度を200
℃以上とすれば良い。また、いずれの形成方法において
も、該膜形成後に弱酸により表面をエッチングするの
も、テクスチャー化の効果を高める点で有効である。
【0222】<ドーピング層(n型層、p型層)>ドー
ピング層は非晶質シリコン系あるいは微結晶シリコン系
半導体から構成される。非晶質シリコン系半導体として
は、a−Si:H、a−SiC:H、a−SiO:H、
a−SiN:H、a−SiCO:H、a−SiON:
H、a−SiNC:H、a−SiCON:H等が挙げら
れ、微結晶シリコン系半導体としては、μc−Si:
H、μc−SiC:H、μc−SiO:H、μc−Si
N:H、μc−SiCO:H、μc−SiON:H、μ
c−SiNC:H、μc−SiCON:H等が挙げられ
る。
【0223】ドーピング層に含有される水素原子(H、
D)およびハロゲン原子(X)は未結合手を補償する働
きをし、ドーピング効率を向上させるものであり、その
素含有量は0.1〜30原子%が最適値として挙げられ
る。特にドーピング層が微結晶シリコンを含有する場
合、0.01〜10原子%が最適量として挙げられる。
【0224】一方、ドーピング層に炭素、酸素、窒素原
子を含有する場合には、その含有量として、0.1原子
ppm〜20原子%が好適な範囲として挙げられる。
【0225】ドーピング層には、伝導型をp型またはn
型にするために伝導性を制御する原子を含有させること
が必要であり、その導入量は、1000原子ppm〜1
0原子%が好ましい範囲として挙げられる。
【0226】光起電力素子に適したp型層またはn型層
を形成する場合、堆積室内の基体温度は100〜400
℃、圧力は0.05〜15Paとするのが好適である。
【0227】原料ガスとしては、シリコン原子を含有し
ガス化し得る化合物、例えば、SiH4、Si26、S
iF4、SiFH3、SiF22、SiF3H、SiH
3D、SiFD3、SiF22、SiD3H、Si233
等が挙げられ、これらに価電子制御をするための不純
物、たとえばn型用にはB26やBF3などのホウ素化
合物、p型用にはPH3等のリン化合物等を添加して用
いることができる。また、前記ガス化し得る化合物をH
2、He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈
して反応容器に導入してもよい。特に微結晶半導体やa
−SiC:H等の光吸収が少ないかバンドギャップが広
い層を堆積する場合は、水素ガスで2〜100倍に原料
ガスを希釈し、比較的高いパワーを導入するのが好まし
い。
【0228】<i型層>光起電力素子において、i型層
は照射光に対してキャリアを発生輸送する重要な層であ
り、非晶質シリコン系あるいは微結晶シリコン系半導体
から構成される。非晶質シリコン系半導体としては、a
−Si:H、a−SiC:H、a−SiO:H、a−S
iN:H、a−SiCO:H、a−SiON:H、a−
SiNC:H、a−SiCON:H等が挙げられる。微
結晶シリコン系半導体としては、μc−Si:H、μc
−SiC:H、μc−SiO:H、μc−SiN:H、
μc−SiCO:H、μc−SiON:H、μc−Si
NC:H、μc−SiCON:H等が挙げられる。i型
層としては、僅かにp型、僅かにn型の層も使用でき
る。
【0229】また、該i型層中にドナーとなる価電子制
御剤とアクセブターとなる価電子制御剤とが同時にドー
ピングされているものが好ましい。
【0230】i型層に含有される水素原子(H、D)ま
たはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手を補償す
る働きをし、i型層でのキャリアの移動度と寿命の積を
向上させるものである。またp型層/i型層の各界面の
界面準位を補償する働きをし、光起電力素子の光起電
力、光電流そして光応答性を向上させる効果のあるもの
である。i型層に含有される水素原子および/またはハ
ロゲン原子は1〜40原子%が最適な含有量として挙げ
られる。特に、p型層/i型層の各界面側で水素原子お
よび/またはハロゲン原子の含有量が多く分布している
ものが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍で
の水素原子および/またはハロゲン原子の含有量はバル
ク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲とし
て挙げられる。更にシリコン原子の含有量に対応して水
素原子および/またはハロゲン原子の含有量が変化して
いることが好ましいものである。シリコン原子の含有量
が最小のところでの水素原子および/またはハロゲン原
子の含有量は1〜10原子%が好ましい範囲で、水素原
子および/またはハロゲン原子の含有量の最大の領域の
0.3〜0.8倍が好ましい範囲である。
【0231】i型層の層厚は、光起電力素子の構造及び
i型層のバンドギャップに大きく依存するが0.05〜
1.0μmが最適な層厚として挙げられる。
【0232】光起電力素子に適したi型層を形成する場
合、反応容器内の基体温度は100〜400℃、圧力は
0.05〜15Paとするのが好適である。
【0233】原料ガスとしては、シリコン原子を含有し
ガス化し得る化合物、例えば、 SiH4、Si26、S
iF4、SiFH3、SiF22、SiF3H、SiH
3D、SiFD3、SiF22、SiD3H、Si233
等が挙げられる。これらに価電子制御をするための不純
物、たとえばB26やBF3などのホウ素化合物やPH3
等のリン化合物を添加して用いることができる。また、
前記ガス化し得る化合物をH2、He、Ne、Ar、X
e、Kr等のガスで適宜希釈して堆積室に導入してもよ
い。特に微結晶半導体やa−SiC:H等の光吸収が少
ないかバンドギャップが広い層を堆積する場合は、水素
ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、比較的高いパ
ワーを導入するのが好ましい。
【0234】<透明電極層>透明電極の材質としては、
インジウム酸化物(In23)、スズ酸化物(Sn
2)、ITO(In23−SnO3)が適した材料であ
り、これらの材料にフッ素を含有させても良い。透明電
極の堆積方法には、スパッタリング法または真空蒸着法
が最適である。
【0235】例えば、スパッタリング法で堆積する場
合、金属ターゲット、あるいは酸化物ターゲット等のタ
ーゲットを適宜組み合わせて用いいられ、基体温度は、
20℃〜600℃が好ましい温度範囲として挙げられ
る。また透明電極をスパッタリング法で堆積する場合の
スパッタリング用のガスとしては、Arガス等の不活性
ガスが挙げられる。透明電極の堆積速度は、放電空間内
の圧力や放電圧力に依存し、最適な堆積速度としては、
0.01〜10nm/secの範囲である。
【0236】透明電極の層厚は、反射防止膜の条件を満
たすような条件に堆積するのが好ましいものである。具
体的な該透明電極の層厚としては、50〜500nmが
好ましい範囲として挙げられる。
【0237】<集電電極>光起電力層であるi型層によ
り多くの光を入射させ、発生したキャリアを効率よく電
極に集めるためには、集電電極の形(光の入射方向から
見た形)および材質は重要である。通常、集電電極の形
は櫛型が使用され、その線幅、線数などは、光起電力素
子の光入射方向から見た形状および大きさ、集電電極の
材質などによって決定される。線幅は通常、0.1mm
〜5mm程度である。集電電極の材質としては、Fe、
Cr、Ni、Au、Ti、Pd、Ag、Al、Cu、A
lSi、C(グラファイト) 等が用いられ、通常、比抵
抗の小さい、Ag、Cu、Al、Cr、Cなどの金属、
あるいはこれらの合金が適している。集電電極の層構造
としては単一の層からなるものであってもよいし、さら
には複数の層からなるものであってもよい。これらの金
属は、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、印刷
法等で形成するのが好ましい。層厚としては10nm〜
0.5mmが適している。
【0238】図10は本発明で使用されるプラズマCV
D法による電子写真用感光体の製造装置の模式図の一例
であり、図10(a)は被処理物である基体101を収
納し、基体101に堆積膜を形成する反応容器102を
横から見た図であり、図10(b)はA−A’における
装置の横断面図である。反応容器102と同じ中心軸を
持つ円周上に、複数の原料ガス導入手段104、基体1
01が設置される放電電極を兼ね、基体加熱ヒータ10
6を内包するように内包するように配置され、回転機構
111によって回転可能な複数の基体支持手段105、
および複数のプラズマ発生用高周波電極103が反応容
器102内に配置されている。
【0239】図10に示した装置を使用して実施され
る、本発明による堆積膜形成方法の一例を以下に詳述す
る。
【0240】反応容器102内に基体101を設置した
後、排気装置(例えば真空ポンプ)を用いて反応容器1
02内を真空引きする。反応容器102内を十分排気し
た後、ガス供給装置(図示せず)内のHe、N2、Ar
およびH2等のガスボンベから供給される内の必要とさ
れる加熱用ガスが、圧力調整器およびマスフローコント
ローラ等を介することにより適切な流量に調節され、ガ
ス配管107、原料ガス導入手段104を介して反応容
器102内に送り込まれる。加熱用ガス導入後の反応容
器102内圧力は圧力測定手段108によってモニター
され、スロットルバルブ109の開度を調節すること等
によって、所定の値に制御される。所定の基体加熱環境
が整ったところで、基体101は基体加熱ヒータ106
によって間接的に所定の温度にまで加熱される。
【0241】所定の加熱終了後、ガス供給装置(図示せ
ず)内のSiH4、H2、CH4、B26、PH3等のガス
ボンベから供給されるうちの必要とされる堆積膜形成用
ガスが、圧力調整器およびマスフローコントローラ等を
介することにより適切な流量に調節され、ガス配管10
7、原料ガス導入手段104を介して、反応容器102
内に送り込まれる。堆積膜形成用ガス導入後の反応容器
102内圧力は圧力測定手段108によってモニターさ
れ、スロットルバルブ109の開度を調節すること等に
よって、所定の値に制御される。所定の堆積膜形成環境
が整ったところで、周波数の異なる第1の高周波電源1
10Aおよび第2の高周波電源110Bが接続され、そ
れぞれ第1の整合回路112A、第2の整合回路112
Bを介した後に一旦合成し、その後分岐して複数のプラ
ズマ発生用高周波電極103に印加することによりプラ
ズマを生起する。該プラズマにより堆積膜形成用ガスが
分解され、基体101上に堆積膜を形成する。
【0242】なお、図10においては、二つの異なる周
波数の高周波電力を出力可能な二つの電源を用いている
が三種類以上の周波数を用いる場合においては、電源は
三つ以上あってもよい。また、あらかじめ複数の周波数
を合成した高周波電力が出力可能な電源を用いた場合に
は、電源の数は一つであってもかまわない。しかしなが
ら、高周波電力の出力安定性等を考慮した場合、複数の
高周波電力それぞれにおいて第1および第2の整合回路
112A、112Bを介した後に、高周波電力を合成す
ることが好ましく、図10に示すように、使用するそれ
ぞれの周波数の高周波電力を出力可能な第1および第2
の高周波電源110A、110Bより高周波電力を供給
し、それぞれにおいて第1および第2の整合回路112
A、112Bを介した後に、高周波電力を合成する構成
が好ましい。
【0243】また、本発明で用いられる高周波電力を分
岐する手段としては、均等に電力を分割することができ
るものであれば、どのような手段を用いてもよいが、高
周波電力の分岐点から各々のプラズマ発生用高周波電源
までの距離を等しくすることが好ましい。
【0244】また、本発明においては、図11(a)に
示すように、プラズマ発生用高周波電極の各々の給電側
に補助整合回路401を配置することにより本発明の効
果をより顕著なものとすることができるが、補助整合回
路401として、容量固定のコンデンサを用いる場合に
おいては、セラミックスコンデンサ等一般に市販されて
いるコンデンサを用いればよいが、高周波電力を分岐し
た後の伝送経路にセラミックス等の絶縁性部材を挟むこ
とによって容量を持たせるような構成であってもよい。
図11(b)はB−B’における装置の横断面図であ
る。
【0245】また、本発明において使用されるプラズマ
発生用高周波電極の表面性としては特に制限がないが、
反応容器102内部にプラズマ発生用高周波電極103
が配置される構成においては膜剥がれ防止の観点から、
その表面性としては、粗面化されていることが望まし
く、具体的には、2.5mmを基準とする10点平均粗
さ(Rz)で5μm以上200μm以下の範囲が好まし
い。さらに、堆積膜の密着性向上の観点から、プラズマ
発生用高周波電極103の表面はセラミックス材で被覆
されていることが効果的である。被覆の具体的手段に特
に制限はないが、例えばCVD法、溶射によって、表面
をセラミックス材でコーティングしてもよく、また、セ
ラミックス製の防着部材等をプラズマ発生用高周波電極
103にかぶせる構成にしてもよい。具体的なセラミッ
クス材料としては、アルミナ、ジルコニア、ムライト、
コージュライト、炭化珪素、チッ化ホウ素、チッ化アル
ミ等が上げられるが、これらの中でも、アルミナ、チッ
化ホウ素、チッ化アルミは誘電正接や絶縁抵抗等の電気
特性にすぐれ、高周波電力の吸収が少ないことからより
好ましい。
【0246】また、本発明においては、図12(a)に
示すように、プラズマ発生用高周波電極103を一部誘
電体部材501で構成された反応容器102の外に設置
することにより本発明の効果をより顕著なものとするこ
とができる。図12(a)は、プラズマ発生用高周波電
極103を誘電体部材501で構成された反応容器10
2の外に配置した場合のプラズマCVD法による電子写
真用感光体の製造装置の模式図の一例であり、誘電体部
材501と同じ中心軸を持つ、誘電体部材501内の円
周上に、複数の原料ガス導入手段104、および基体1
01が設置される放電電極を兼ね、基体加熱ヒータ10
6を内包するように配置され、回転機構111によって
回転可能な複数の基体支持手段105が配置されてお
り、さらに、誘電体部材501と同じ中心軸を持つ、誘
電体部材501の外側の円周上に、複数のプラズマ発生
用高周波電極103が配置されている。また、プラズマ
発生用高周波電極103の外側には高周波電力の外部へ
の漏洩を防止するためのアースシールド502が配置さ
れている。図12(b)はC−C’における装置の横断
面図である。
【0247】また、本発明において使用される誘電体部
材がプラズマにさらされる側の表面性としては特に制限
がないが、膜剥がれ防止の観点から、粗面化されている
ことが望ましく、具体的には、2.5mmを基準とする
10点平均粗さ(Rz)で5μm以上200μm以下の
範囲が好ましい。また、誘電体部材501の材料として
はセラミックス材料が好ましく、具体的には、アルミ
ナ、ジルコニア、ムライト、コージュライト、炭化珪
素、チッ化ホウ素、チッ化アルミ等が上げられるが、こ
れらの中でも、アルミナ、チッ化ホウ素、チッ化アルミ
は誘電正接や絶縁抵抗等の電気特性にすぐれ、高周波電
力の吸収が少ないことからより好ましい。
【0248】また、本発明においては、本発明の効果に
よって、図13(a)に示すように原料ガス導入手段1
04を一つにすることが可能となる。図13は、原料ガ
ス導入手段104を一つにした場合のプラズマCVD法
による電子写真用感光体の製造装置の模式図の一例であ
り、反応容器を兼ねる誘電体部材501の中央に、一つ
の原料ガス導入手段104が配置され、原料ガス導入手
段104を中心軸とした、誘電体部材501内の円周上
に、基体101が設置される放電電極を兼ね、基体加熱
ヒータ106を内包するように配置され、回転機構11
1によって回転可能な複数の基体支持手段105が配置
されており、さらに、誘電体部材501と同じ中心軸を
持つ、誘電体部材の外側の円周上に、複数のプラズマ発
生用高周波電極103が配置されている。また、プラズ
マ発生用高周波電極103の外側には高周波電力の外部
への漏洩を防止するためのアースシールド502が配置
されている。図13(b)はD−D’における装置の横
断面図である。
【0249】また、本発明において使用される原料ガス
導入手段としては、膜厚むら防止の観点から、基体と平
行に設置されていることが好ましい。さらには、膜剥が
れ防止の観点から、原料ガス導入手段の表面は粗面化さ
れていることが望ましく、具体的には、2.5mmを基
準とする10点平均粗さ(Rz)で5μm以上200μ
m以下の範囲が好ましい。
【0250】
【実施例】以下、本発明の真空処理方法について実施例
を示して更に詳しく説明する。ただし、本発明の範囲
は、これらの実施例により何ら制限されるものではな
い。
【0251】まず、本発明により得られる効果を検証す
るために行った、以下の実験例1〜5について説明す
る。
【0252】(実験例1)本実験例では、図2に示す装
置を用い、表1に示す条件でアモルファスシリコン堆積
膜を形成した。被処理基板2113として、1×1.5
インチ(25×38mm)の研磨ガラス(コーニング社
製の#7059)を用い、これを長手方向に10枚を並
べた1×1.5インチ(25×380mm)分の基板と
して、長尺方向の長さが450mmである基板ステージ
2120の中央に設置した。高周波電極2114はステ
ンレス製の直径10mm、長さ500mmの金属棒にア
ルミナ溶射を施したものとし、基板2113に対して平
行にこれと60mmの距離を隔てて配置した。
【0253】各高周波電源2116、2117はそれぞ
れ、シグナルジェネレータと増幅器とからなり、発振周
波数を変化させることができるような構成とした。第1
の高周波電源2116の増幅器は50MHzを増幅でき
るように調整し、第2の高周波電源2117の増幅器は
30MHzを増幅できるように調整した。
【0254】このように構成した装置を用いて、概略以
下の通りに堆積膜の形成を行った。
【0255】まず、不図示の排気装置により排気管21
12を通して反応容器2111を排気した。続いて、原
料ガス供給手段2118より反応容器2111内に流量
が500ml/min(normal)のArガスを供
給しながら、発熱体2120aにより基板2113を2
50℃になるように加熱・制御した。
【0256】次いでArガスの供給を停止し、反応容器
2111を不図示の排気装置により排気した後、表1に
示した堆積膜形成条件で、水素化アモルファスシリコン
からなる堆積膜を基板2113上に1μm程度堆積させ
た。このとき、2つの高周波電源2116、2117の
電力の合計を500Wとし、合計の電力に対する第2の
高周波電源2117から供給される電力の割合(電力
比)を図4に示すように0〜1となるように変化させて
9通りの電力比で堆積膜を形成した。
【0257】堆積膜形成後に、反応容器2111をAr
ガスにてパージした後、N2ガスでリークして堆積膜を
取り出し、この堆積膜の上に、250μmのギャップを
もつ櫛形のマスクを載せて、通常の真空蒸着法によって
Crを1000Å堆積させ、この堆積膜の表面に櫛形電
極を形成した。
【0258】
【表1】 次に、作成した堆積膜の光感度を評価した。ここで、光
感度とは、明導電率σpと暗導電率σdとを用いて定義さ
れるものとする。
【0259】明導電率σpは、1mW/cm2の強度のH
e−Neレーザー(波長632.8nm)を照射したと
きの導電率とし、暗導電率σdは光を照射しないときの
導電率とする。このとき、光感度はこれらの比によって
表されるが、導電率の値は数桁の単位で変化する場合も
あり、単純に比較しにくいため、 光感度=log(σp/σd) と定義する。この光感度の値が大きいほど堆積膜特性が
良好であることを示す。
【0260】このような測定を10枚の基板2113に
ついて行うことで、長尺方向の堆積膜の均一性を評価す
ることができる。10枚の基板の測定値のうち、最も光
感度が良かった部分と悪かった部分との比を、光感度の
長尺方向のむらとして評価した。
【0261】得られた評価結果を図4に示す。図4で
は、P2/(P1+P2)=0、すなわち50MHzの
高周波電力のみを用いて作成した堆積膜の長尺方向のむ
らの値を基準とした、第2の高周波電力の割合を横軸に
取った際の「むら」の程度を表している。図4におい
て、光感度むらの値が1より小さい場合には「むら」の
程度が良好で、1より大きい場合には「むら」の程度が
悪いことを示している。
【0262】図4に示す結果から、第2の高周波電力2
117から供給される高周波電力(30MHz)の割合
が全体の電力に対して0.1〜0.9の範囲においては
「むら」が少なく、特にその割合が0.2〜0.7の範
囲においては「むら」が一層少なくなり、本発明の効果
を最大限に得られることがわかった。
【0263】また、本実験例で用いた装置および処理条
件では結果に影響はほとんど見られなかったが、第2の
高周波電力2117から供給される高周波電力の割合が
0.7以上の場合にはマッチング調整を何度か行う必要
があった。これは、放電状況が不安定になる兆候である
と考えられる。一方、上記割合が0.6以下の場合に
は、一度マッチング調整を行った後はほとんど調整が不
要であった。この実験から、周波数が異なる高周波電力
の好ましい割合が存在し、その値の範囲は「f2/f
1」以下であることが確かめられた。
【0264】以上のように、本発明により、堆積膜の特
性むらを低減させることが可能なことが確認された。
【0265】(実験例2)本実験例では、図2に示す装
置を用い、水素化アモルファスシリコンカーバイド膜の
形成を行った。このとき、基板2113や高周波電極2
114などの配置等は実験例1と同様にした。
【0266】高周波電源2116、2117には、実験
例1と同様に周波数を変化させることが可能なシグナル
ジェネレータと増幅器とからなるものを用い、本実験例
では、これらの発振周波数を様々に変えて実験を行っ
た。
【0267】本実験例では、第1の高周波電源2116
から供給される第1の高周波電力と、第2の高周波電源
2117から供給される第2の高周波電力との合計電力
を400Wとし、全体電力における第2の高周波電力の
割合を0.4とした。周波数に関しては、第1の高周波
電力の周波数f1を10MHz〜300MHzの範囲で
変化させ、その際、第2の高周波電力の周波数f2をf
1の0.6倍となるように順次変化させた。周波数を変
更する際には、増幅器およびマッチングボックス211
5の最適化を行った。
【0268】このように設定した高周波電源2116、
2117を用い、表2に示す条件で膜堆積を行い、基板
2113上に膜厚が約1μmの水素化アモルファスシリ
コンカーバイド膜を堆積させた。
【0269】
【表2】 まず、中央部の基板について、本実験例の場合の堆積速
度を見積もった。その結果を図5に示す。
【0270】図5において、横軸は周波数f1、f2、
縦軸は周波数f1が10MHz(f2が6MHz)の場
合の堆積速度を基準とした堆積速度の相対値を示してい
る。図5から判るように、周波数が高くなるにつれて堆
積速度が増大する。特に、2つの高周波f1、f2が共
に30MHzを超える範囲において、堆積速度が顕著に
増大することが判った。
【0271】つぎに、本実験例により作成した堆積膜の
光学的エネルギーバンドギャップ(Egopt)を評価
した。測定には紫外可視分光光度計(日本分光製のV−
570)を用い、波長範囲を250〜2500nmとし
た。得られた各波長における吸収係数αを元に、通常の
Taucプロット(hνと(αhν)1/2との関係を求
め、hν軸の切片の値をEgoptと定義する)を用い
てEgoptを得た。
【0272】この測定を10枚の基板2113に対して
行うことで、長尺方向の堆積膜の均一性を評価すること
ができる。10枚の基板2113の測定値のうち、最も
Egoptが大きい部分と小さい部分との差を、 Eg
optの長尺方向むらとし、形成時に用いた高周波電力
の周波数が異なる各々の堆積膜に関して評価した。
【0273】得られた評価結果を図6に示す。図6は、
高周波電力の周波数f1が10MHz(f2が6MH
z)の条件で作成した堆積膜の長尺方向むらの値を基準
とした、高周波電力の周波数(図6ではf1のみ示して
いる)を横軸に取った際の「むら」の程度を表してい
る。縦軸の「むら」の値が1より小さい場合には「む
ら」の程度が良好で、1より大きい場合には「むら」の
程度が悪いことを示している。
【0274】図6からわかるように、周波数f1、f2
が10MHz以上、250MHz以下の場合に「むら」
の程度が良好になり、特に周波数f1、f2が30MH
z以上、250MHz以下の場合に「むら」の程度が一
層良好になる。
【0275】以上のように、本発明を用いることによ
り、堆積速度を向上させつつ、堆積膜の特性むらを低減
させることが可能なことが確認され、このときの高周波
電力の周波数の範囲としては10MHz〜250MHz
が好ましく、特に30MHz〜250MHzの範囲にお
いて本発明の効果が最大限に得られることが判った。
【0276】(実験例3)本実験例では、図2に示す装
置を用い、アモルファスシリコン堆積膜を形成した。こ
のとき、基板2113や高周波電極2114などの配置
等は実験例1と同様にした。
【0277】本実験例では、第1の高周波電源2116
の発振周波数f1を100MHzに固定し、第2の高周
波電源2117の発振周波数f2を様々に変えて実験を
行った。高周波電源2116、2117には、実験例1
と同様に周波数を変化させることが可能なシグナルジェ
ネレータと増幅器とからなるものを用い、実験例2と同
様に、第2の高周波電源2117の発振周波数f2を変
えるごとに、増幅器およびマッチングボックス2115
の調整を行った。
【0278】本実験例では、第1の高周波電源2116
から供給される第1の高周波電力と、第2の高周波電源
2117から供給される第2の高周波電力との合計電力
を500Wとし、全体電力における第2の高周波電力の
割合を0.3とした。第2の高周波電源2117の発振
周波数f2を10MHz〜95MHzまで8通りに変化
させ、表3に示す条件で水素化アモルファスシリコン堆
積膜を形成し、実験例1と同様にしてこの堆積膜を取り
出した後に、堆積膜の上に櫛形電極を形成した。
【0279】
【表3】 (比較実験例1)これに対し、本比較実験例として、図
2に示す装置を用いて本実験例と同様にアモルファスシ
リコン膜の形成を行った。
【0280】このとき、第1の高周波電力に第2の高周
波電力を重畳させることによる効果を確かめるため、第
2の高周波電源2117を外して、印加する高周波電力
には発振周波数f1が100MHzの第1の高周波電源
2116のみを用いた。この場合の高周波電力の全電力
値、すなわち電力値P1は、本実験例と同じ条件の50
0Wとした。そして、表3に示した条件で膜堆積を行
い、基板2113上に厚さが約1μmのアモルファスシ
リコン膜を堆積させた。
【0281】次に、本実験例および比較実験例により作
成した堆積膜の光感度のむらを評価した。評価方法は実
験例1と同様とした。
【0282】得られた評価結果を図7に示す。図7で
は、本比較実験例により作成した堆積膜の長尺方向むら
の値を基準とした、第2の高周波電力の周波数を横軸に
取った際の「むら」の程度を表している。光感度むらの
値が1より小さい場合には「むら」の程度が比較実験例
に比べて良好で、1より大きい場合には比較実験例より
「むら」の程度が悪いことを示している。
【0283】図7に示す結果から、周波数f2が10〜
95MHzの範囲内にある場合に光感度むらを抑制で
き、特に周波数f2が53MHz以上90MHz以下の
領域では更に光感度むらを抑制できることがわかった。
【0284】以上の結果から、第2の高周波電力の周波
数が10MHz以上で、かつ第1の高周波電力の周波数
未満である場合に本発明の効果が得られること、また、
周波数f1、f2が、 0.5< f2/f1 ≦ 0.9 の関係を満たすことが望ましいことが確かめられた。
【0285】(実験例4)本実験例では、図2に示す装
置を用いて、アモルファスシリコン堆積膜を形成した。
このとき、不図示の第3の高周波電源をマッチングボッ
クス2115に更に接続した。また、基板2113や高
周波電極2114などの配置等は実験例1と同様にし
た。
【0286】本実験例では、表1に示した堆積条件(実
験例1の堆積条件)をそのまま用いた。ただし、全体電
力に対する第2の高周波電力(30MHz)の電力比
を、実験例1で最も「むら」の程度が低かった条件であ
る「0.6」に設定した。すなわち、第1の高周波電力
(50MHz)の電力を200Wとし、第2の高周波電
力(30MHz)の電力を300Wとした。
【0287】本実験例では、周波数が70MHzで電力
値が70Wの第3の高周波電力をさらに付加した状態
で、基板2113上に厚さが1μmのアモルファスシリ
コン膜を堆積させた。
【0288】これにより得られた膜に対し、実験例1と
同様の評価を行い、実験例1における同等条件の場合の
「むら」の評価結果と比較したところ、実験例1の同等
条件に比べて更に5%程度、むら特性が向上していた。
【0289】このことから、少なくとも2つの異なる周
波数の高周波電力を重畳させることで本発明の効果を得
ることができるが、更に周波数の異なる高周波電力を付
加しても本発明の効果が得られることが確かめられた。
【0290】(実験例5)本実験例では、図2に示す装
置を用いて、水素化アモルファスシリコンカーバイド膜
の形成を行った。このとき、基板2113や高周波電極
2114などの配置等は実験例1と同様にした。
【0291】高周波電源には、図2のような第1の高周
波電源2116および第2の高周波電源2117に加
え、不図示の第3の高周波電源を用いた。第1の高周波
電力は、周波数f1を120MHzとし、出力を400
Wとした。第2の高周波電力は、周波数f2を80MH
zとし、出力を600Wとした。これら2つの電力は、
図2に示したようにマッチングボックス2115を介し
て反応容器2111内の高周波電極2114に供給し
た。
【0292】一方、第3の高周波電源から供給される第
3の高周波電力は、周波数f3を400kHzとし、出
力を300Wとした。この第3の高周波電力は、マッチ
ングボックスを介さずに高周波電極2114に直接供給
する構成とした。
【0293】このように構成した装置を用い、表4に示
した条件で堆積膜の形成を行い、基板2113上に約1
μmの水素化アモルファスシリコンカーバイド膜を堆積
させた。また、第3の高周波電源を外した他は同様の構
成で、かつ上記と同様の堆積条件で、基板2113上に
水素化アモルファスシリコンカーバイドを堆積させた。
【0294】得られた堆積膜について、実験例2と同様
の方法で長尺方向のむらを評価した。しかし、第3の高
周波電力の印加の有無で結果に変化はなく、両者とも
「むら」のない均一性の高い堆積膜であることがわかっ
た。
【0295】一方、得られた膜の硬さを簡易的に調べる
ため、ダイヤモンドペンを用いて一定の力で引っかき、
削れの度合いを比較することによる引っかき試験を行っ
たところ、第3の高周波電力を印加して形成した膜の方
が硬いことが判った。
【0296】以上のことから、本発明における周波数範
囲を超えた高周波電力を、本発明の効果が得られる構成
に対してさらに付加しても、本発明の効果には何ら影響
がないことが確かめられた。例えば、本発明の効果以外
の効果(堆積膜の硬度を高めること等)を期待して、膜
形成時にさらなる高周波電力を付加することは、何ら問
題がないことが確かめられた。
【0297】
【表4】 次に、本発明を適用した実施例について説明する。
【0298】<実施例1>本実施例では、図3に示す装
置を用いて、アルミニウム製で直径80mm、長さ35
8mmの円筒状基体1113上に、多層構成の電子写真
用感光体を作成した。
【0299】高周波電極1114はSUS(ステンレス
鋼)製の直径20mmの円柱形状に形成されており、そ
の外部を内径21mm、外径24mmのアルミナ製のパ
イプで覆う構造とした。アルミナ製パイプの表面にブラ
スト加工を施して表面を粗くすることで、膜剥がれをな
るべく防止できるような構成とした。また、円筒状基体
1113を、高周波電極1114を中心とする同心円上
に等間隔に4本配置し、各基体1113を回転軸112
1を中心に回転させながら膜堆積を行った。
【0300】原料ガス導入管1118には、内径10m
m、外径13mmのアルミナ製のパイプからなり、端部
が封止され、パイプの側壁上に設けられた直径1.2m
mの10個のガス噴出口より原料ガスの供給を行う構造
のものを用いた。原料ガス導入管1118の設置位置は
円筒状基体1113が成す配置円の内側とし、高周波電
極1114を中心とする同心円上に等間隔に4本の原料
ガス導入管1118を配置した。なお、各原料ガス導入
管1118は、それらの配置円の周方向に関し、隣り合
う2つの円筒状基体1113の中間位置の近傍に位置す
るように配置した。なお、原料ガス導入管1118の表
面にも、高周波電極1114を覆うパイプと同様にブラ
スト加工を施し、その表面を粗くした。
【0301】このように構成した装置を用いて、表5に
示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、および表面層
からなる電子写真用感光体を作成した。
【0302】
【表5】 得られたアモルファスシリコン感光体を、キヤノン製複
写機(Image Runner 5000)を評価用に改造したものに
セットし、画像上の濃度むら、光メモリーの有無とその
軸方向位置依存性を調べた。
【0303】最初に、画像濃度むらの評価を行った。ま
ず、現像器位置での暗部電位が一定値となるように主帯
電器電流を調整した後、原稿に反射濃度0.1以下の所
定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が所定の値と
なるように像露光強度を調整した。次いでキヤノン製中
間調チャート(部品番号:FY9−9042)を原稿台
に置き、コピーしたときに得られたコピー画像上の全領
域における反射濃度を評価した。
【0304】その結果、印加する高周波電力が80MH
zのみである場合に生成すると予想される定在波の
「節」の位置においても感光体の特性劣化が無く、画像
濃度むらは極めて少ないことが判った。
【0305】次に、光メモリーについて評価を行った。
まず、現像器位置における暗部電位が所定の値となるよ
うに主帯電器を調整した後、所定の白紙を原稿とした際
の明部電位が所定の値となるように像露光強度を調整し
た。この状態でキヤノン製ゴーストチャート(部品番
号:FY9−9040)に反射濃度1.1、直径5mm
の黒丸を感光体の母線方向に10mm間隔で貼り付けた
ものを原稿台に置き、その上にキヤノン製中間調チャー
ト(部品番号:FY9−9042)を重ねておいた際の
コピー画像において、中間調コピー上に認められるゴー
ストチャートの直径5mmの黒丸の反射濃度と中間調の
反射濃度との差を測定することにより、評価を行った。
【0306】その結果、画像濃度むらと同じく、「節」
部分として予想される位置においても、感光体の特性劣
化に起因する光メモリーの増大が観測されず、全体とし
てメモリーが低減されていることが判った。
【0307】また、得られた画像は画像欠陥が観測され
なかった。これは反応容器1111の全体にわたって膜
剥がれが抑制されたためであると考えられる。
【0308】以上のように、本実施例で作成した感光体
は、極めて良好な画像特性をもつ感光体であることが確
かめられた。
【0309】<実施例2>本実施例では、図3に示した
装置を用いて、アルミニウム製の直径80mm、長さ3
58mmの円筒状基体1113上に、多層構成の電子写
真用感光体を作成した。このとき、円筒状基体1113
を、高周波電極1114を中心とする同心円上に等間隔
に4本配置し、各基体1113を回転軸1121を中心
に回転させながら膜堆積を行った。
【0310】また、原料ガス導入管1118の設置位置
は円筒状基体1113が成す配置円の内側とし、高周波
電極1114を中心とする同心円上に等間隔に4本の原
料ガス導入管1118を配置した。なお、各原料ガス導
入管1118は、それらの配置円の周方向に関し、隣り
合う2つの円筒状基体1113の中間位置の近傍に位置
するように配置した。なお、その他原料ガス導入管11
18の寸法や材料等は、実施例1と同様にした。
【0311】また、本実施例では、印加する高周波電力
として、図1(b)に示したような構成を用い、周波数
が100MHzと60MHzの2つの高周波電力を合成
し、パワー比(P2/(P1+P2))が0.2になる
ようにして、広帯域の増幅器にて増幅したものを用い
た。また、マッチングボックス1115は、この電源構
成にあわせた調整を施した。
【0312】このように構成した装置を用いて、表6に
示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、および表面層
からなる電子写真用感光体を作成した。
【0313】
【表6】 得られた感光体は、実施例1と同様に評価を行った。
【0314】その結果、本実施例によれば、画像濃度む
らがなく、光メモリー特性も母線方向に分布を持たずに
全面にわたって良好であり、膜剥がれによる画像欠陥の
ない良好な電子写真特性をもつ感光体を作成できること
が確かめられた。
【0315】<実施例3>本実施例では、図3に示す装
置を用いて、アルミニウム製の直径30mm、長さ35
8mmの円筒状基体1113上に、多層構成の電子写真
用感光体を作成した。このとき、円筒状基体1113
を、高周波電極1114を中心とする同心円上に等間隔
に10本配置し、各基体1113を回転軸1121を中
心に回転させながら膜堆積を行った。
【0316】また、原料ガス導入管1118の設置位置
は円筒状基体1113が成す配置円の内側とし、高周波
電極1114を中心とする同心円上に等間隔に5本の原
料ガス導入管1118を配置した。なお、各原料ガス導
入管1118は、それらの配置円の周方向に関し、隣り
合う2つの円筒状基体1113の中間位置の近傍に位置
するように配置した。なお、その他原料ガス導入管11
18の寸法や材料等は、実施例1と同様にした。
【0317】このように構成した装置を用いて、表7に
示す条件で、電子写真用感光体を作成した。
【0318】
【表7】 得られたアモルファスシリコン感光体を、キヤノン製複
写機GP−405を改造したものにセットし、実施例1
と同様の方法で画像上の濃度むら、光メモリーの有無と
その軸方向位置依存性を調べた。
【0319】その結果、本実施例によれば、画像濃度む
らがなく、光メモリー特性も母線方向に分布を持たずに
全面にわたって良好であり、膜剥がれによる画像欠陥の
ない良好な電子写真特性をもつ感光体を作成できること
が確かめられた。
【0320】<実施例4>本実施例では、図3に示す装
置を用いて、アルミニウム製の直径30mm、長さ35
8mmの円筒状基体1113上に、多層構成の電子写真
用感光体を作成した。このとき、円筒状基体1113
を、高周波電極1114を中心とする同心円上に等間隔
に10本配置し、各基体1113を回転軸1121を中
心に回転させながら膜堆積を行った。
【0321】また、原料ガス導入管1118の設置位置
は円筒状基体1113が成す配置円の内側とし、高周波
電極1114を中心とする同心円上に等間隔に5本の原
料ガス導入管1118を配置した。なお、各原料ガス導
入管1118は、それらの配置円の周方向に関し、隣り
合う2つの円筒状基体1113の中間位置の近傍に位置
するように配置した。なお、その他原料ガス導入管11
18の寸法や材料等は、実施例1と同様にした。
【0322】また、本実施例では、印加する高周波電力
として、第1の高周波電力の周波数f1を90MHz、
第2の高周波電力の周波数f2を60MHz、パワー比
(P2/(P1+P2))を0.5とした上で、周波数
が30MHzの第3の高周波電力をパワー比がP3/P
1が0.2となるようにしてさらに印加し、周波数が互
いに異なる3つの高周波電力を用いた。また、マッチン
グボックス1115は、この電源構成にあわせた調整を
施した。
【0323】このように構成した装置を用いて、表8に
示す条件で、電荷注入阻止層、第1の光導電層、第2の
光導電層、および表面層からなる電子写真用感光体を作
成した。
【0324】
【表8】 そして、得られたアモルファスシリコン感光体の画像上
の濃度むら、光メモリーの有無とその軸方向位置依存性
を調べた。まず、得られたアモルファスシリコン感光体
を、キヤノン製複写機GP−405を実験用に改造した
ものにセットした。複写に際して、像露光に655nm
のレーザーユニット、除電光に660nmのLEDアレ
イを用い、プロセススピード(感光体の回転に伴う他の
部材との相対速度)を265mm/secとした。この
ような複写プロセスにおいて、実施例1と同様の方法
で、画像上の濃度むら、光メモリーの有無とその軸方向
位置依存性を調べた。
【0325】その結果、本実施例により、画像濃度むら
がなく、光メモリー特性も母線方向に分布を持たずに全
面にわたって良好であり、膜剥がれによる画像欠陥のな
い良好な電子写真特性をもつ感光体を作成できることが
確かめられた。
【0326】<実施例5>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が105MHz(f1)と50MHz
(f2)との2種類の周波数の高周波電力を高周波電極
に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダ上に、表9に示す条件で、電荷注入阻
止層、光導電層、表面層からなる電子写真感光体を作製
した。そのとき、光導電層を形成する際には2つの高周
波電力の総和を一定とし、層形成中に電力比率を変える
ことによって層形成をし、正帯電用の電子写真感光体を
作製し、実施例5−1とした。
【0327】
【表9】 これに対する比較のため、光導電層を形成する際に2つ
の高周波電力の比率を0.4に固定した以外は実施例5
−1と同様にして、正帯電用の電子写真感光体を作製
し、実施例5−2とした。
【0328】このようにして作製した感光体を、キヤノ
ン製複写機IR−5000に設置して特性評価を行っ
た。評価項目は、「帯電能」、「感度」、「ゴースト」
とし、さらにそれぞれの母線方向のむらを測定した。
【0329】その際、プロセススピード265mm/s
ec、前露光(波長660nmのLED)光量4lx・
s、帯電器の電流値1000μAの条件にて電子写真装
置の帯電器位置にセットした表面電位計(TREK社の
Model344)の電位センサーにより非露光状態で
の感光体の表面電位を測定し、それを帯電能とした。
【0330】そして、非露光状態での表面電位が450
V(暗電位)になるように帯電器の電流値を調整した
後、像露光(波長655nmのレーザー)を照射した。
次いで像露光光源の光量を調整して、表面電位が50V
(明電位)となるようにし、そのときの露光量を感度と
した。
【0331】また、非露光状態で暗電位になるように帯
電させておき、いったん明電位となるような露光量で露
光し、再度非露光状態としたときの表面電位と露光直前
の表面電位との差を光メモリーとした。
【0332】これらの項目について感光体の母線方向全
域にわたって測定し、平均値に対する最大値と最小値と
の差の割合を「母線方向むら」として評価した。
【0333】その評価結果を表10に示す。表10にお
いて、実施例5−2の結果を基準とし、15%以上の良
化を◎、5%以上15%未満の良化を○、5%未満の良
化を△で示している。
【0334】
【表10】 表10から明らかなように、いずれの項目においても実
施例5−1の方が優れている。
【0335】また、実施例5で作製された電子写真感光
体を用いて形成された画像は、ゴーストや画像濃度む
ら、画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好なものであ
った。
【0336】<実施例6>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz
(f2)との2種類の周波数の高周波電力を高周波電極
に供給し、直径80mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダ上に、表11に示す条件で、電荷注入
阻止層、光導電層、表面層からなる電子写真感光体を作
製した。その際、各層毎に2つの高周波の電力比率を変
えて層形成をし、正帯電用の電子写真感光体を作製し、
実施例6−1とした。
【0337】
【表11】 これに対し、比較のため、全ての層で高周波電力の比率
を0.3に固定した以外は実施例6と同様にして、正帯
電用の電子写真感光体を作製し、実施例6−2とした。
【0338】このようにして作製した感光体について、
実施例5と同様の評価を行った結果を表10に示す。表
10においては、実施例6−2の結果を基準とし、15
%以上の良化を◎、5%以上15%未満の良化を○、5
%未満の良化を△で示した。
【0339】表10から明らかなように、いずれの項目
においても実施例6−1と実施例6−2との間に差が認
められた。また、実施例6で作製された電子写真感光体
を用いて形成された画像は、ゴーストや画像濃度むら、
画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好なものであっ
た。
【0340】<実施例7>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が80MHz(f1)と50MHz(f
2)との2種類の高周波電力に加えて不図示の電源より
第3の高周波電力300KHz(f3)をマッチングボ
ックスを介さずに直接高周波電極に供給し、直径80m
m、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダ上
に、表12に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる電子写真感光体を作製した。その際、各
層毎に周波数がf1の高周波電力と周波数がf2の高周
波電力との電力比率(P2/(P1+P2))を変えて
層形成をし、正帯電用の電子写真感光体を作製した。
【0341】
【表12】 このようにして作製した感光体について、実施例5と同
様の評価を行った結果、何れの項目においても実施例5
と同様に良好な結果が得られた。本実施例で作製された
電子写真感光体を用いて形成された画像は、ゴーストや
画像濃度むら、画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好
なものであった。
【0342】<実施例8>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が200MHz(f1)と105MHz
(f2)との2種類の高周波電力を高周波電極に供給
し、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニ
ウムシリンダ上に、表13に示す条件で、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる電子写真感光体を作製し
た。その際、光導電層では総電力は一定として層形成中
に2つの高周波の電力比率を変えて層形成し、更に各層
毎に2つの高周波の電力比率を変えて層形成をし、正帯
電用の電子写真感光体を作製し、実施例8−1とした。
【0343】
【表13】 これに対し、比較のため、全ての層で高周波電力の比率
を0.3に固定した以外は実施例8と同様にして、正帯
電用の電子写真感光体を作製し、実施例8−2とした。
【0344】このようにして作製した感光体を、キヤノ
ン製複写機GP−605に設置して特性評価を行った。
その際、プロセススピード300mm/sec、前露光
(波長700nmのLED)光量4lx・s、帯電器の
電流値1000μAの条件にて電子写真装置の帯電器位
置にセットした表面電位計(TREK社のModel3
44)の電位センサーにより非露光状態での感光体の表
面電位を測定し、それを帯電能とした。
【0345】そして、非露光状態での表面電位が400
V(暗電位)になるように帯電器の電流値を調整した
後、像露光(波長680nmのレーザー)を照射した。
次いで、像露光光源の光量を調整して、表面電位が50
V(明電位)となるようにし、そのときの露光量を感度
とした。
【0346】また、非露光状態で暗電位になるように帯
電させておき、いったん明電位となるような露光量で露
光し、再度非露光状態としたときの表面電位と露光直前
の表面電位との差を光メモリーとした。
【0347】これらの項目について感光体の母線方向全
域にわたって測定し、平均値に対する最大値と最小値と
の差の割合を「母線方向むら」として評価した。
【0348】評価結果を表10に示す。表10において
は、実施例8−2の結果を基準とし、15%以上の良化
を◎、5%以上15%未満の良化を○、5%未満の良化
を△で示した。
【0349】表10から明らかなように、いずれの項目
においても実施例8−1と実施例8−2との間に差が認
められた。
【0350】また、実施例8で作製された電子写真感光
体を用いて形成された画像は、ゴーストや画像濃度む
ら、画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好なものであ
った。
【0351】<実施例9>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が105MHz(f1)と60MHz
(f2)との2種類の高周波電力を高周波電極に供給
し、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニ
ウムシリンダ上に、表14に示す条件で、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる電子写真感光体を作製し
た。その際、光導電層と表面層では総電力は一定として
層形成中に2つの高周波の電力比率を変えて層形成し、
更に各層毎に2つの高周波の電力比率を変えて層形成を
し、正帯電用の電子写真感光体を作製し、実施例9−1
とした。
【0352】
【表14】 これに対し、比較のため、全ての層で高周波電力の比率
を0.3に固定した以外は実施例5と同様にして、正帯
電用の電子写真感光体を作製し、実施例9−2とした。
【0353】このようにして作製した感光体を、キヤノ
ン製複写機GP−605に設置して、実施例8と同様の
特性評価を行った。
【0354】その評価結果を表10に示す。表10から
明らかなように、いずれの項目においても実施例9−1
と実施例9−2との間に差が認められた。
【0355】また、実施例9で作製された電子写真感光
体を用いて形成された画像は、ゴーストや画像濃度む
ら、画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好なものであ
った。
【0356】<実施例10>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が80MHz(f1)と50MHz(f
2)との2種類の高周波電力に加えて不図示の電源より
第3の高周波電力500KHz(f3)をマッチングボ
ックスを介さずに直接高周波電極に供給し、直径108
mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダ上
に、表15に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる電子写真感光体を作製した。その際、各
層領域毎に周波数がf1の高周波電力と周波数がf2の
高周波電力との電力比率(P2/(P1+P2))を変
えて層形成をし、正帯電用の電子写真感光体を作製し
た。
【0357】
【表15】 このようにして作製した感光体について、実施例8と同
様の評価を行った結果、何れの項目においても実施例8
と同様に良好な結果が得られた。また、本実施例で作製
された電子写真感光体を用いて形成された画像は、ゴー
ストや画像濃度むら、画像欠陥、画像流れ等のない極め
て良好なものであった。
【0358】<実施例11>図3に示す構成の装置を用
い、発振周波数が150MHz(f1)と60MHz
(f2)との2種類の高周波電力を高周波電極に供給
し、直径30mm、長さ358mmの円筒状アルミニウ
ムシリンダ上に、表16に示す条件で、電荷注入阻止
層、光導電層、中間層、表面層からなる電子写真感光体
を作製した。その際、各層毎に2つの高周波電力の電力
比率を変えて層形成をし、負帯電用の電子写真感光体を
作製し、実施例11−1とした。
【0359】
【表16】 これに対し、比較のため、全ての層で2つの高周波電力
の比率を0.25に固定した以外は実施例7と同様にし
て、負帯電用の電子写真感光体を作製し、実施例11−
2とした。
【0360】このようにして作製した感光体を、キヤノ
ン製複写機GP−215に設置して特性評価を行った。
【0361】その際、プロセススピード200mm/s
ec、前露光(波長680nmのLED)光量4lx・
s、帯電器の電流値1000μAの条件にて電子写真装
置の帯電器位置にセットした表面電位計(TREK社の
Model344)の電位センサーにより非露光状態で
の感光体の表面電位を測定し、それを帯電能とした。
【0362】そして、非露光状態での表面電位が400
V(暗電位)になるように帯電器の電流値を調整した
後、像露光(波長660nmのレーザー)を照射した。
次いで、像露光光源の光量を調整して、表面電位が50
V(明電位)となるようにし、そのときの露光量を感度
とした。
【0363】また、非露光状態で暗電位になるように帯
電させておき、いったん明電位となるような露光量で露
光し、再度非露光状態としたときの表面電位と露光直前
の表面電位との差を光メモリーとした。
【0364】これらの項目について感光体の母線方向全
域にわたって測定し、平均値に対する最大値と最小値と
の差を「母線方向むら」として評価した。
【0365】その評価結果を表10に示す。表10にお
いては、実施例11―2の結果を基準とし、15%以上
の良化を◎、5%以上15%未満の良化を○、5%未満
の良化を△で示した。
【0366】表10から明らかなように、いずれの項目
においても実施例11−1と実施例11−2との間に差
が認められた。
【0367】また、実施例11で作製された電子写真感
光体を用いて形成された画像は、ゴーストや画像濃度む
ら、画像欠陥、画像流れ等のない極めて良好なものであ
った。
【0368】<実施例12>図2に示す構成の装置を用
い、図9の構成を有する太陽電池セルを作製した。
【0369】まず、厚さ0.5mm、縦300mm×横
300mmのステンレス板をアセトンとイソプロピルア
ルコールとを混合させたものに浸漬して超音波洗浄を行
った後、温風乾燥させた。そして、DCマグネトロンス
パッタ法を用い、形成温度300℃でテクスチャリング
構造を有する膜厚0.8μmのAgを堆積させ、続いて
形成温度300℃でテクスチャリング構造を有する膜厚
4.0μmのZnOの透明導電膜を堆積させた。
【0370】次に、図2に示す構成の装置を用い、発振
周波数が105MHz(f1)と60MHz(f2)との
2種類の高周波電力を高周波電極2114に供給し、表
17に示す条件で、ZnO透明導電膜上にpin層を形
成した。その際、各層毎に上記2つの高周波電力の電力
比率を変えて層形成をした。
【0371】続いて、抵抗加熱を用いた真空蒸着法によ
り、透明電極としてITOを約600Åの厚さに堆積
し、さらに、電子ビームを用いた真空蒸着法により、集
電電極としてAuを約8000Åの厚さに堆積して光起
電力素子を作製し、実施例12−1とした。
【0372】
【表17】 また、比較のため、各層での高周波の電力比率を全て
0.3に固定した以外は同条件にて光起電力素子を作製
し、実施例12−2とした。
【0373】このようにして得られた光起電力素子につ
いて、AM1.5の光を照射したときの解放電圧の前記
基板内における分布状態を調べたところ、本発明のごと
く各層で電力比率を変えたことによって、電力比率が一
定の場合の実施例12−2に比べて解放電圧の基板面内
での最大値と最小値との差が10%低減されることが確
認された。
【0374】<実施例13>図2に示す構成の装置を用
い、発振周波数が105MHz(f1)と70MHz
(f2)との2種類の高周波電力を高周波電極2114
に供給し、表18に示す条件で基板ステージ上に設置し
た直径200mmのSiウェハ上に形成したSiO2
のエッチング処理を行い、そのエッチングレートの分布
状態を基板全面にわたって調べた。この際、エッチング
中に高周波電力の電力比率を変えてエッチング処理を行
い、実施例13−1とした。
【0375】
【表18】 また、比較のため、同条件で電力比率を0.5に固定し
て同様にエッチング処理を行い、実施例13−2とし
た。
【0376】その結果、エッチング処理中に高周波電力
の電力比率を変えることによって、電力比率が一定の場
合に比べて基板面内のエッチングレートの最大と最小と
の差が15%低減され、基板内においてより均一にエッ
チング処理されていることが確認された。
【0377】<実施例14−1>図10に示した真空処
理装置を用い、第1の高周波電源110Aの発振周波数
f1を105MHz、第2の高周波電源110Bの発振
周波数f2を50MHzとし、それらから供給された高
周波電力を第1および第2の整合回路112A、112
Bを介した後に一旦合成し、その後六方向に分岐して六
本のプラズマ発生用高周波電極103に印加することに
より、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニ
ウムシリンダ製の基体101上に、表19に示す条件の
うち光導電層形成条件のみを用いて、堆積膜速度評価用
のサンプルを作成した。
【0378】また、同様に、図10に示した真空処理装
置を用い、第1の高周波電源110Aの発振周波数f1
を105MHzとし、第2の高周波電源110Bの発振
周波数f2を50MHzとし、それらから供給された高
周波電力を第1および第2の整合回路112A、112
Bを介した後に一旦合成し、その後六方向に分岐して六
本のプラズマ発生用高周波電極103に印加することに
より、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニ
ウムシリンダ製の基体101上に、表19に示す条件で
電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる電子写真用
感光体を作成した。
【0379】
【表19】
【0380】<実施例14−2>本例では、実施例14
−1で使用した図10の真空処理装置に代えて、図15
に示すように反応容器602の中央に一本のプラズマ発
生用高周波電極603を配置した真空処理装置を用い、
第1の高周波電源610Aの発振周波数を105MHz
とし、第2の高周波電源610Bの発振周波数を50M
Hzとし、それらから供給された高周波電力を第1およ
び第2の整合回路612A、612Bを介した後に合成
し、一本のプラズマ発生用高周波電極603に印加する
ことにより、直径80mm、長さ358mmの円筒状ア
ルミニウムシリンダ製の基体601上に、表20に示す
条件のうち、光導電層形成条件のみを用いて、堆積膜速
度評価用のサンプルを作成した。
【0381】また、同様に、図15に示した堆積膜形成
装置を用い、第1の高周波電源610Aの発振周波数を
105MHzとし、第2の高周波電源610Bの発振周
波数を50MHzとし、それらから供給された高周波電
力を第1および第2の整合回路612A、612Bを介
した後に合成し、一本のプラズマ発生用高周波電極60
3に印加することにより、直径80mm、長さ358m
mの円筒状アルミニウムシリンダ製の基体601上に、
表20に示す条件を用いて電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる電子写真用感光体を作成した。
【0382】
【表20】 実施例14−1および実施例14−2において作製した
二種類のサンプルから光導電層形成時の堆積膜形成速度
および電子写真特性を以下に記載した方法で評価し、実
施例14−1で作製したサンプルと実施例14−2で作
製したサンプルとの比較を行った。その結果を表21に
示す。
【0383】
【表21】 『堆積膜形成速度評価方法』作成した堆積膜形成速度評
価用サンプルの軸方向中心位置において円周方向等間隔
に八点の膜厚を、渦電流式膜厚測定器(HELMUT
FICHER社製のtype E111)を用いて測定
しその平均値を求め、堆積膜形成時間より堆積膜形成速
度を求める。
【0384】実施例14−2を基準とし、それと比較す
ることにより以下のランクに区分した。
【0385】 A:50%以上の向上 B:25%以上の向上 C:同等以下 『電子写真特性評価方法』作成した各々の電子写真用感
光体を本評価用に改造されたキヤノン製の複写機NP−
6750に設置し、評価項目は、『帯電能』、『感
度』、『光メモリ』、三項目とし、以下の具体的評価法
により各項目の評価を行った。 『帯電能』複写機の主帯電器に一定の電流を流したとき
の現像器位置での暗部電位を『帯電能』とする(ただ
し、周方向一周の平均値とする)。従って、数値が大き
いほど良好である。電子写真用感光体の母線方向全域に
わたって『帯電能』を測定し、最も大きい値について、
実施例14−2を基準とし、それと比較することにより
以下のランクに区分した。
【0386】 A:10%以上の向上 B:10%未満の向上 C:同等以下 『感度』現像器位置における暗部電位が所定の値となる
ように、主帯電器の電流値を調整した後、像露光を照射
する。ついで像露光光源の光量を調整して、現像器位置
における表面電位(明電位)が所定の値となるように
し、そのときの露光量を『感度』とする(ただし、周方
向一周の平均値とする)。従って数値が小さいほど良好
である。電子写真用感光体の母線方向全域にわたって
『感度』を測定し、最も小さい値について、実施例14
−2を基準とし、それと比較することにより以下のラン
クに区分した。
【0387】 A:10%以上の向上 B:10%未満の向上 C:同等もしくは悪化 『光メモリ』現像器位置における暗部電位が所定の値と
なるように、主帯電器の電流値を調整した後、現像器位
置における表面電位(明電位)が所定の値となるよう光
量が調整された像露光を照射し、その後再度先と同じ電
流値で帯電したときの現像位置での表面電位と、先の非
露光状態での表面電位(暗部電位)との電位差を測定し
『光メモリ』とする(ただし、周方向一周の平均値とす
る)。従って数値が小さいほど良好である。電子写真用
感光体の母線方向全域にわたって『光メモリ』を測定
し、最も小さい値について、実施例14−2を基準と
し、それと比較することにより以下のランクに区分し
た。
【0388】 A:10%以上の向上 B:10%未満の向上 C:同等もしくは悪化
【0389】(実施例14−3)本例では、実施例14
−2と同じく図15に示した堆積膜形成装置を用い、第
1の高周波電源610Aの発振周波数を105MHzと
し、第2の高周波電源610Bの発振周波数を50MH
zとし、それらから供給された高周波電力を第1および
第2の整合回路612A、612Bを介した後に合成
し、一本のプラズマ発生用高周波電極603に印加する
ことにより、直径80mm、長さ358mmの円筒状ア
ルミニウムシリンダ製の基体601上に、実施例14−
1で使用した表19に示す条件を用いて電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる電子写真用感光体を作成
した。
【0390】実施例14−1および実施例14−3にお
いて作製した電子写真用感光体の電子写真特性むらを以
下に記載した方法で評価し、実施例14−1で作製した
サンプルと実施例14−3で作製したサンプルとの比較
を行った。その結果を表22に示す。
【0391】
【表22】 『電子写真特性むら評価方法』作成した各々の電子写真
用感光体を本評価用に改造されたキヤノン製の複写機N
P−6750に設置し、評価項目は、『帯電能母線方向
むら』、『感度母線方向むら』、『光メモリ母線方向む
ら』、『画像濃度むら』の四項目とし、以下の具体的評
価法により各項目の評価を行った。 『帯電能母線方向むら』電子写真用感光体の母線方向全
域にわたって『帯電能』を測定し、平均値に対する最大
値と最小値の差を帯電能むらとして評価した。従って、
数値が小さいほど良好である。それぞれについて実施例
14−3を基準とし、それと比較することにより以下の
ランクに区分した。
【0392】 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『感度母線方向むら』電子写真用感光体の母線方向全域
にわたって『感度』を測定し、平均値に対する最大値と
最小値の差を感度むらとして評価した。従って数値が小
さいほど良好である。それぞれについて実施例14−3
を基準とし、それと比較することにより以下のランクに
区分した。
【0393】 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『光メモリ母線方向むら』電子写真用感光体の母線方向
全域にわたって『光メモリ』を測定し、平均値に対する
最大値と最小値の差を感度むらとして評価した。従って
数値が小さいほど良好である。それぞれについて実施例
14−3を基準とし、それと比較することにより以下の
ランクに区分した。
【0394】 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『画像濃度むら』現像器位置での暗部電位が一定値とな
るよう主帯電器の電流値を調整した後、原稿に反射濃度
0.1以下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電
位が所定の値となるよう像露光光量を調整した。ついで
キヤノン製中間調チャート(部品番号:FY9−904
2)を原稿台に置き、コピーしたときに得られたコピー
画像上全領域における反射濃度の最高値と最低値の差に
より評価した。従って数値が小さいほど良好である。そ
れぞれについて実施例14−3を基準とし、それと比較
することにより以下のランクに区分した。
【0395】 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 表21および表22から明らかなように、周波数の異な
る複数の高周波電力を一旦合成した後に分岐して、複数
のプラズマ発生用高周波電極各々に印加することによ
り、印加する高周波電力を大きくした条件においても、
十分な定在波抑制効果を得ることができ、極めて良質な
堆積膜を均一かつ高速で形成することが可能となること
がわかる。また、本例においては、実施例14−1と実
施例14−2において作成した電子写真用感光体の電子
写真特性むらの比較も同時に行っているが、共に十分な
定在波抑制効果を得ることができており、ほぼ同等の結
果であったことから表21には記載していない。
【0396】<実施例15>本例では、実施例14−1
で使用した図10の真空処理装置に代えて図11に示す
ように、各々のプラズマ発生用高周波電極の給電点側
に、補助整合回路401としてインピーダンス可変のL
C回路を配置した真空処理装置を用い、第1の高周波電
源110Aの発振周波数f1を105MHz、第2の高
周波電源110Bの発振周波数f2を50MHzとし、
それらから供給された高周波電力を第1および第2の整
合回路112A、112Bを介した後に一旦合成し、そ
の後六方向に分岐し、補助整合回路401を介して六本
のプラズマ発生用高周波電極103に印加することによ
り、直径80mm、長さ358mmの円筒状アルミニウ
ムシリンダ製の基体101上に、表19に示す条件で電
荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる電子写真用感
光体を作成した。なお、堆積膜形成中は適宜LC回路の
インピーダンスを変化させた。
【0397】<実施例16>本例では、実施例15で使
用した図11の真空処理装置において、各々のプラズマ
発生用高周波電極の給電点側に、補助整合回路401と
して30pFのコンデンサを配置した真空処理装置を用
い、第1の高周波電源110Aの発振周波数f1を10
5MHz、第2の高周波電源110Bの発振周波数f2
を50MHzとし、それらから供給された高周波電力を
第1および第2の整合回路112A、112Bを介した
後に一旦合成し、その後六方向に分岐し、コンデンサを
介して六本のプラズマ発生用高周波電極103に印加す
ることにより、直径80mm、長さ358mmの円筒状
アルミニウムシリンダ製の基体101上に、表19に示
す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる電
子写真用感光体を作成した。
【0398】実施例15および実施例16において作製
した電子写真用感光体の電子写真特性むらを評価し、実
施例14−2で作製した電子写真用感光体との比較を行
った。その結果を表23に示す。表23から明らかなよ
うに、各々のプラズマ発生用高周波電極の給電点側に補
助整合回路を配置し、周波数の異なる高周波電力を一旦
合成した後に分岐し、さらに補助整合回路を介した後に
プラズマ発生用高周波電極印加することによって、より
顕著な定在波抑制効果を得ることができ、膜質の均一性
をさらに高めることが可能となることがわかる。
【0399】また、実施例15および実施例16におい
て作成した電子写真用感光体の堆積膜形成速度および電
子写真特性に関しては実施例14−1において作成した
電子写真用感光体と同等であった。また、実施例16に
おいて、コンデンサを使用した場合では、装置の組み上
げ等の作業性が向上した。
【0400】
【表23】 なお、評価方法は前述した方法を用い、実施例14−2
と比較し、ランクは以下のとおりとした。 『帯電能母線方向むら』 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『感度母線方向むら』 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『光メモリ母線方向むら』 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 『画像濃度むら』 A:50%未満に良化 B:50%以上75%未満に良化 C:75%以上同等以下に良化 D:悪化 <実施例17>本例では、実施例16で使用した図11
の真空処理装置に代えて図12に示すように、各々のプ
ラズマ発生用高周波電極をアルミナセラミックス製の誘
電体部材501の外に配置し、さらに各々のプラズマ発
生用高周波電極の給電点側に、補助整合回路401とし
て20pFのコンデンサを配置した真空処理装置を用
い、第1の高周波電源110Aの発振周波数f1を10
5MHz、第2の高周波電源110Bの発振周波数f2
を50MHzとし、それらから供給された高周波電力を
第1および第2の整合回路112A、112Bを介した
後に一旦合成し、その後六方向に分岐し、コンデンサを
介して六本のプラズマ発生用高周波電極103に印加す
ることにより、直径80mm、長さ358mmの円筒状
アルミニウムシリンダ製の基体101上に、表19に示
す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる電
子写真用感光体を作成した。
【0401】実施例17において作製した電子写真用感
光体の電子写真特性むらを評価し、実施例14−2で作
製した電子写真用感光体との比較を行った。その結果を
表24に示す。表24から明らかなように、各々のプラ
ズマ発生用高周波電極を誘電体部材の外に配置すること
によって、より顕著な定在波抑制効果を得ることがで
き、膜質の均一性をさらに高めることが可能となること
がわかる。また、実施例17において作成した電子写真
用感光体の堆積膜形成速度および電子写真特性に関して
は実施例14−1において作成した電子写真用感光体と
同等であった。
【0402】
【表24】 なお、評価方法は前述した方法を用い、比較ランクは実
施例15と同様である。
【0403】<実施例18>本例では、実施例17で使
用した図12の真空処理装置に代えて図13に示すよう
に、各々のプラズマ発生用高周波電極をアルミナセラミ
ックス製の誘電体部材501の外に配置し、さらに一本
の原料ガス導入手段104を誘電体部材501の中央に
配置し、各々のプラズマ発生用高周波電極の給電点側
に、補助整合回路401として20pFのコンデンサを
配置した真空処理装置を用い、第1の高周波電源110
Aの発振周波数f1を105MHz、第2の高周波電源
110Bの発振周波数f2を70MHzとし、それらか
ら供給された高周波電力を整合回路112A、112B
を介した後に一旦合成し、その後六方向に分岐し、コン
デンサを介して六本のプラズマ発生用高周波電極103
に印加することにより、直径108mm、長さ358m
mの円筒状アルミニウムシリンダ製の基体101上に、
表25に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層
からなる電子写真用感光体を作成した。
【0404】作成した各々の電子写真用感光体を本評価
用に改造されたキヤノン製の複写機GP−605に設置
し、電子写真特性および電子写真特性むらについて評価
したところ、いずれの電子写真用感光体も良好な結果が
得られた。
【0405】さらに文字原稿を複写したところ、黒濃度
が高く鮮明な画像が得られた。また、写真原稿の複写に
おいても原稿に忠実で鮮明な画像を得ることができた。
【0406】
【表25】 <実施例19>本例では、実施例18で使用した図13
の真空処理装置に代えて図14に示したように、三つの
高周波電源を配置した真空処理装置を用い、第1の高周
波電源110Aの発振周波数f1を105MHz、第2
の高周波電源110Bの発振周波数f2を50MHz、
第3の高周波電源801の発振周波数f3を400kH
zとし、それらから供給された高周波電力をそれぞれ第
1の整合回路112A、第2の整合回路112B、およ
び第3の整合回路802を介した後に一旦合成し、その
後六方向に分岐し、コンデンサを介して六本のプラズマ
発生用高周波電極103に印加することにより、直径1
08mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリン
ダ製の基体101上に、実施例18で使用した表25に
示す条件に代えて表26に示す条件を用いて電荷注入阻
止層、光導電層、表面層からなる電子写真用感光体を作
成した。なお、表26に示す条件においては、基準とな
る電力値上位二つの高周波電力の周波数は105MHz
および50MHzとなっている。
【0407】作成した各々の電子写真用感光体を本評価
用に改造されたキヤノン製の複写機GP−605に設置
し、電子写真特性および電子写真特性むらについて評価
したところ、いずれの電子写真用感光体も良好な結果が
得られた。
【0408】さらに文字原稿を複写したところ、黒濃度
が高く鮮明な画像が得られた。また、写真原稿の複写に
おいても原稿に忠実で鮮明な画像を得ることができた。
【0409】
【表26】
【0410】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空処理
方法は、高周波電極に供給される少なくとも2つの高周
波電力のうちの一方の高周波電力の周波数をf1、電力
値をP1とし、他方の高周波電力の周波数をf2、電力
値をP2としたとき、周波数f1,f2および電力値P
1,P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)電力値P1,P2は、高周波電極に供給される高
周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲内にある高周
波電力が有する電力値の中で、最も大きい電力値とその
次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たすので、真空処
理速度を高く維持しながらも、真空処理特性の向上を達
成し、さらには真空処理特性の均一性を極めて高いレベ
ルとすることができる。したがって、高品質で均一性が
高い大面積を有する堆積膜等を短時間で形成することが
できるので、製品品質の向上とともに良品率の向上を実
現することができ、真空処理のコストの低減を図ること
が可能となる。
【0411】さらに、本発明の真空処理方法は、互いに
異なる周波数を有する複数の高周波電力を高周波電極に
同時に供給し、被処理物の処理中に複数の高周波電力の
各高周波電力の電力比率を変えるので、従来のプラズマ
プロセスでは達成できなかった処理速度で大面積の基体
を均一にプラズマ処理することが可能になる。さらに、
基体の面内方向において、膜厚、膜質が共に極めて均一
な堆積膜を高速で形成することが可能になる。
【0412】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
互いに異なる周波数を有する複数の高周波電力を高周波
電極に同時に供給し、複数の層領域のうちの少なくとも
2つの層領域に関して、一方の層領域を形成するときと
他方の層領域を形成するときとで複数の高周波電力の各
高周波電力の電力比率を変え、また、これに加えて、あ
るいはこれに代えて、複数の層領域のうちの少なくとも
1つの層領域の形成中に複数の高周波電力の各高周波電
力の電力比率を変えるので、円筒状基体または平面状基
体の表面上に該基体のいずれの方向に関しても膜厚、膜
質が共に均一でしかも特性的に優れた、本発明の半導体
装置を製造することが可能になる。
【0413】また、本発明の真空処理装置は、互いに異
なる周波数の高周波電力を一旦合成した後に分岐し、複
数の高周波電極に印加することによって、各々の高周波
電極に印加される電力値は正常な放電を維持する程度の
値であっても、反応容器内に導入される総電力値は大き
くすることができ、それにより、十分な定在波抑制効果
を維持した状態で、堆積膜形成速度および膜質をさらに
向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理方法に適用しうる高周波電源
を示すブロック図である。
【図2】本発明の真空処理方法を行うことができるプラ
ズマ処理装置の一実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明の真空処理方法を行うことができるプラ
ズマ処理装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図4】本発明の実験例1による堆積膜の長尺方向のむ
らの程度を示すグラフである。
【図5】本発明の実験例2における、第1の高周波電力
の周波数f1が10MHz(f2が6MHz)の場合の
堆積速度を基準とした堆積速度の相対値を示すグラフで
ある。
【図6】本発明の実験例2による堆積膜の長尺方向のむ
らの程度を示すグラフである。
【図7】本発明の実験例3による堆積膜の長尺方向のむ
らの程度を示すグラフである。
【図8】本発明により作成される電子写真感光体の層構
成を説明するための模式的構成図である。
【図9】本発明により作成される光起電力素子の層構成
を説明するための模式的構成図である。
【図10】本発明における真空処理装置の一例で、プラ
ズマCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置の
模式的説明図である。
【図11】本発明における真空処理装置の他の例の、プ
ラズマCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置
の模式的説明図である。
【図12】本発明における真空処理装置の、さらに他の
例の、プラズマCVD法による電子写真用光受容部材の
製造装置の模式的説明図である。
【図13】本発明における真空処理装置の、またさらに
他の例の、プラズマCVD法による電子写真用感光体の
製造装置の模式的説明図である。
【図14】本発明における真空処理装置の、さらなる他
の例の、プラズマCVD法による電子写真用感光体の製
造装置の模式的説明図である。なお、(b)はE−E’
における装置の横断面図である。
【図15】本発明における真空処理装置で、プラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的
説明図である。なお、(b)はF−F’における装置の
横断面図である。
【符号の説明】
101、601 基体 102、602、1111、2111 反応容器 103、603 プラズマ発生用高周波電極 104、604 原料ガス導入手段 105、605 基体支持手段 106、606 基体加熱ヒータ 107、607 ガス配管 108、608 圧力測定手段 109、609 スロットルバルブ 110A、610A 第1の高周波電源 110B、610B 第2の高周波電源 111、611 回転機構 112A、612A 第1の整合回路 112B、612B 第2の整合回路 301、302、303 シグナルジェネレータ 311、312、313 増幅器 321、322、323、701 高周波電源 331、332、333 フィルタ 341 マッチングボックス 401 補助整合回路 501 誘電体部材 502 アースシールド 702 整合回路 801 第3の高周波電源 802 第3の整合回路 1100、2100 堆積装置 1110 中心部 1112、2112 排気管 1113 円筒状基体 1114、2114 高周波電極 1115、2115 マッチングボックス 1116、1117、2116、2117 高周波電
源 1118、2118 原料ガス供給手段 1119、2119 原料ガス配管 1120、2120a 発熱体 1121 回転軸 1122 減速ギア 1123 モータ 1221〜1225、2221〜2225 ガスボン
ベ 1231〜1235、2231〜2235 ヘッダー
バルブ 1241〜1245、2241〜2245 ガス流入
バルブ 1251〜1255、2251〜2255 ガス流出
バルブ 1260、2260 補助バルブ 1261〜1265、2261〜2265 圧力調整
器 2113 平板状基体 2120 基板ステージ 8500 感光体 8501 基体 8502 光受容層 8503 光導電層 8504 表面層 8505 電荷注入阻止層 8506 中間層 8510 自由表面 9600 光起電力素子 9601 基体 9602 光反射層 9603 n型層 9604 i型層 9605 p型層 9606 透明電極層 9607 集電電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 村山 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田澤 大介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 土田 伸史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 秋山 和敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 阿部 幸裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA00 EA24 EA36 4K030 AA06 AA17 BA30 BA37 BB12 CA02 CA16 FA01 JA18 KA05 KA30 LA17 5F045 AB03 AB04 AB06 AC01 AC07 AC11 AC19 CA16 DA52 DP25 DP27 EH01 EH02 EH15

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器中に被処理物を設置し、互いに
    異なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電力を同
    一の高周波電極に同時に供給することにより、該高周波
    電極から前記反応容器内に導入された高周波電力によっ
    て前記反応容器内にプラズマを生起させて前記被処理物
    を処理する真空処理方法において、前記高周波電極に供
    給する少なくとも2つの高周波電力のうちの一方の高周
    波電力の周波数をf1、電力値をP1とし、他方の高周
    波電力の周波数をf2、電力値をP2としたとき、前記
    周波数f1、f2および前記電力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
    される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
    内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
    電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たすことを特徴と
    する真空処理方法。
  2. 【請求項2】 前記周波数f1、f2が、 250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 30MHz の条件を満たす、請求項1に記載の真空処理方法。
  3. 【請求項3】 前記電力値P1、P2が、 0.7 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.2 の条件を満たす、請求項1または2に記載の真空処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記周波数f1、f2および前記電力値
    P1、P2が、 f2/f1 ≧ P2/(P1+P2) の条件を満たす、請求項1から3のいずれか1項に記載
    の真空処理方法。
  5. 【請求項5】 前記周波数f1、f2が、 0.9 ≧ f2/f1 > 0.5 の条件を満たす、請求項1から4のいずれか1項に記載
    の真空処理方法。
  6. 【請求項6】 前記高周波電極が棒状に形成されてい
    る、請求項1から5のいずれか1項に記載の真空処理方
    法。
  7. 【請求項7】 前記被処理物が円筒状または円柱状に形
    成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の
    真空処理方法。
  8. 【請求項8】 前記被処理物の表面に堆積膜を形成す
    る、請求項1から7のいずれか1項に記載の真空処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記被処理物の表面に電子写真感光体用
    堆積膜を形成する、請求項1から7のいずれか1項に記
    載の真空処理方法。
  10. 【請求項10】 前記被処理物の処理中の前記高周波電
    力の電力比率を変える、請求項1から9のいずれか1項
    に記載の真空処理方法。
  11. 【請求項11】 反応容器中に基体を設置し、互いに異
    なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電力を同一
    の高周波電極に同時に供給することにより、該高周波電
    極から前記反応容器内に導入された高周波電力によって
    前記反応容器内にプラズマを生起させて前記基体に複数
    の層領域を形成して半導体装置を製造する方法におい
    て、 前記高周波電極に供給する少なくとも2つの高周波電力
    のうちの一方の高周波電力の周波数をf1、電力値をP
    1とし、他方の高周波電力の周波数をf2、電力値をP
    2としたとき、前記周波数f1、f2および前記電力値
    P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
    される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
    内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
    電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たすことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記複数の層領域のうちの少なくとも
    1つの層領域の形成中に前記高周波電極に供給する複数
    の高周波電力の電力比率を変える、請求項11に記載の
    半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の層領域のうちの少なくとも
    2つの層領域に関して、一方の前記層領域を形成すると
    きと他方の前記層領域を形成するときとで、前記高周波
    電極に供給する複数の高周波電力の電力比率を変える、
    請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 反応容器中に基体を設置し、互いに異
    なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電力を同一
    の高周波電極に同時に供給することにより、該高周波電
    極から前記反応容器内に導入された高周波電力によって
    前記反応容器内にプラズマを生起させて前記基体に複数
    の層領域を形成させる半導体装置において、 前記複数の層領域は、前記高周波電極に供給する少なく
    とも2つの高周波電力のうちの一方の高周波電力の周波
    数をf1、電力値をP1とし、他方の高周波電力の周波
    数をf2、電力値をP2としたとき、前記周波数f1、
    f2および前記電力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
    される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
    内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
    電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たし、形成される
    ことを特徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の層領域のうちの少なくとも
    1つの層領域は、該層領域の形成中に前記高周波電極に
    供給する複数の高周波電力の電力比率を変えて形成され
    ている、請求項14に記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記複数の層領域のうちの少なくとも
    2つの層領域は、一方の前記層領域を形成するときと他
    方の前記層領域を形成するときとで、前記高周波電極に
    供給する複数の高周波電力の電力比率を変えて形成され
    ている、請求項14に記載の半導体装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の層領域がシリコン原子を母
    体とし、水素原子および/またはハロゲン原子を含有す
    る非単結晶材料を含んでいる、請求項14から16のい
    ずれか1項に記載の半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記半導体装置は電子写真感光体であ
    る、請求項17に記載の半導体装置。
  19. 【請求項19】 反応容器中に被処理物を設置し、互い
    に異なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電力を
    同一の高周波電極に同時に供給することにより、該高周
    波電極から前記反応容器内に導入された高周波電力によ
    って前記反応容器内にプラズマを生起させて前記被処理
    物を処理する真空処理方法において、 前記高周波電極に供給する高周波電力を合成する工程
    と、 前記合成された高周波電力を分岐して、複数の前記高周
    波電極に各々印加する工程とを含むことを特徴とする真
    空処理方法。
  20. 【請求項20】 前記高周波電極に供給する各高周波電
    力をそれぞれの高周波電源より供給する工程と、 前記各高周波電力を整合回路を介した後に合成する工程
    とを含む、請求項19に記載の真空処理方法。
  21. 【請求項21】 前記高周波電極に供給する少なくとも
    2つの高周波電力のうちの一方の高周波電力の周波数を
    f1、電力値をP1とし、他方の高周波電力の周波数を
    f2、電力値をP2としたとき、前記周波数f1、f2
    および前記電力値P1、P2が、 (a)250MHz ≧ f1 > f2 ≧ 10MHz (b)前記電力値P1、P2は、前記高周波電極に供給
    される前記高周波電力のうちの上記(a)の周波数範囲
    内にある高周波電力が有する電力値の中で、最も大きい
    電力値とその次に大きい電力値である (c)0.9 ≧ P2/(P1+P2) ≧ 0.1 の3つの条件(a)〜(c)を全て満たす、請求項19
    または20に記載の真空処理方法。
  22. 【請求項22】 前記被処理物の処理中に前記高周波電
    力の電力値の比率を変える工程を含む、請求項21に記
    載の真空処理方法。
  23. 【請求項23】 前記高周波電極の各々の給電側に補助
    整合回路を配置し、前記補助整合回路を用いてインピー
    ダンスを調整する工程を含む、請求項19から22のい
    ずれか1項に記載の真空処理方法。
  24. 【請求項24】 前記補助整合回路として容量可変では
    ないコンデンサを用意する工程と、 前記容量可変ではないコンデンサにより前記インピーダ
    ンスを固定する工程とを含む、請求項23に記載の真空
    処理方法。
  25. 【請求項25】 前記反応容器内に原料ガスを導入し、
    前記原料ガスをプラズマにより分解して前記被処理物上
    に堆積膜を形成する工程を含む、請求項19から24の
    いずれか1項に記載の真空処理方法。
  26. 【請求項26】 前記反応容器内に原料ガスを導入し、
    前記原料ガスをプラズマにより分解して前記被処理物上
    に堆積膜を形成し、電子写真用感光体を形成する工程を
    含む、請求項19から25のいずれか1項に記載の真空
    処理方法。
  27. 【請求項27】 減圧可能な反応容器と、前記反応容器
    中に配置された被処理物支持手段とを有し、高周波電力
    によって、前記反応容器内にプラズマを生起させて被処
    理物を処理する真空処理装置において、 互いに異なる周波数を有する少なくとも2つの高周波電
    力を高周波電極に供給する少なくとも1つの高周波電力
    供給手段と、 前記各高周波電力の伝送経路のインピーダンスを調整す
    るインピーダンス整合手段と、 前記互いに異なる周波数の各高周波電力を合成する合成
    手段と、 前記合成手段によって合成された高周波電力を分岐する
    分岐手段と、 前記分岐手段により分岐された高周波電力が印加される
    複数の高周波電極とを有することを特徴とする真空処理
    装置。
  28. 【請求項28】 前記インピーダンス整合手段が、前記
    高周波電力供給手段と前記合成手段との間に設置されて
    いる、請求項27に記載の真空処理装置。
  29. 【請求項29】 インピーダンス補助整合手段が、前記
    高周波電極の各々の給電側に設置されている、請求項2
    7または28に記載の真空処理装置。
  30. 【請求項30】 前記インピーダンス補助整合手段が、
    容量可変ではないコンデンサである、請求項29に記載
    の真空処理装置。
  31. 【請求項31】 前記高周波電極が棒状である、請求項
    27から30のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  32. 【請求項32】 前記被処理物が円筒状である、請求項
    27から31のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  33. 【請求項33】 前記反応容器が円筒状であり、該反応
    容器と同一の中心軸を有する円周上に前記高周波電極が
    等間隔で配置されている、請求項27から32のいずれ
    か1項に記載の真空処理装置。
  34. 【請求項34】 前記高周波電極が、少なくとも一部分
    が誘電体部材で構成された前記反応容器の外に設置され
    ている、請求項33に記載の真空処理装置。
  35. 【請求項35】 前記反応容器と同一の中心軸を有する
    円周上に、複数の前記被処理物支持手段が等間隔で配置
    されている、請求項34に記載の真空処理装置。
  36. 【請求項36】 前記反応容器の中央に一つの原料ガス
    導入手段が配置されている、請求項35に記載の真空処
    理装置。
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