JPWO2009090821A1 - Al系III族窒化物単結晶層を有する積層体の製造方法、該製法で製造される積層体、該積層体を用いたAl系III族窒化物単結晶基板の製造方法、および、窒化アルミニウム単結晶基板 - Google Patents

Al系III族窒化物単結晶層を有する積層体の製造方法、該製法で製造される積層体、該積層体を用いたAl系III族窒化物単結晶基板の製造方法、および、窒化アルミニウム単結晶基板 Download PDF

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Abstract

(1)形成しようとするAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板を準備する工程、(2)準備したベース基板の単結晶面上に厚さ10nm〜1.5μmのAl系III族窒化物単結晶層を形成する工程、(3)Al系III族窒化物単結晶層を破壊することなくAl系III族窒化物単結晶層上に、Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である非単結晶層を形成する工程、及び、(4)ベース基板を除去する工程、を含んでなる積層体の製造方法により、Al系III族窒化物単結晶自立基板を製造するためのベース基板として好適に使用できる表面がAl系III族窒化物の単結晶で構成され、ひびや反りが無い基板を提供する。

Description

本発明は、窒化アルミニウムなどのAl系III族窒化物の単結晶からなる基板を製造する方法に関する。
窒化アルミニウム(AlN)はその禁制帯幅が6.2eVと大きく、かつ直接遷移型の半導体であることから、AlNと同じIII族窒化物である窒化ガリウム(GaN)や窒化インジウム(InN)との混晶、特にIII族元素に占めるAlの割合が50原子%以上の混晶(以下、Al系III族窒化物単結晶ともいう。)を含めて紫外光発光素子材料として期待されている。
紫外発光素子などの半導体素子を形成するためには、n電極に電気的に接合したn形半導体層とp電極に電気的に接合したp形半導体層との間にグラッド層、活性層などを含む積層構造を形成する必要があり、発光効率の点から何れの層においても高い結晶性、すなわち、結晶の転位や点欠陥が少ないことが重要である。該積層構造は自立して存在するに十分な機械的強度を有する単結晶基板(以下、「自立基板」とも言う。)上に形成される。該積層構造形成用の自立基板としては、積層構造を形成する窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)との格子定数差や熱膨張係数差が小さいこと、さらには、素子の劣化を防ぐ観点から熱伝導率が高いことが要求される。そのため、窒化アルミニウムを含有する半導体素子を作製するためにはAl系III族窒化物単結晶基板上に上記層構造を形成するのが有利である。
Al系III族窒化物単結晶自立基板については現状では市販されているものが無いため、通常はサファイアなどの異種の単結晶基板(以下、その上に単結晶を成長させるために用いる基板を「ベース基板」とも言う)上に気相成長法によりAl系III族窒化物単結晶厚膜を形成して、それをベース基板から分離することによりAl系III族窒化物単結晶基板の形成が試みられている。このような気相成長法としてはハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属気相エピタキシー(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法が用いられる。他にも昇華再結晶法や液相を介した成長法が用いられている。中でもHVPE法は、MOVPE法やMBE法と比較すると膜厚を精密に制御することが困難であるため、半導体発光素子の結晶積層構造形成には向かないが、結晶性の良好な単結晶を速い成膜速度で得ることが可能であるため、単結晶厚膜の形成を目的とした気相成長においては該HVPE法が頻繁に用いられる。
ところが、Al系III族窒化物単結晶を含めてGaNなどのIII族窒化物単結晶を気相成長法により形成する場合には、基板と成長するIII族窒化物との格子不整合による界面からの転位の発生を防ぐことは困難である。さらに、1000℃近い高温で成長を行うため、厚い膜を成長した場合は、基板との熱膨張係数差により、成長後に反りが生じ、歪みによる転位の増加や、ひび割れ等が生じる問題点があった。割れやクラックの発生を回避して自立基板を得ることができた場合でも、反りを回避することは非常に困難であり、自立基板とするためには反りを低減させて表面を平滑化するための処理を行う必要があった。
GaNなどのIII族窒化物単結晶自立基板においては、このような問題を解決する手段として次のような方法が提案されている。即ち、GaAsなどの酸又はアルカリ溶液で溶解可能な単結晶基板上にGaNなどのIII族窒化物単結晶を成長させた後に引き続いて多結晶III族窒化物を成長させてから前記単結晶基板を酸又はアルカリ溶液で除去し、次いで残った部分の最初に形成したIII族窒化物単結層上に単結晶III族窒化物層を成長させるという方法が提案されている(特許文献1参照)。そして特許文献1の実施例には、該方法に従って裏面に保護層としてのSiO層を形成したGaAs(111)基板上に200nmのGaAsバッファ層及び20nmのGaNバッファ層を順次成長させた後に更に2μmの結晶性の良好なGaN層及び100μmの結晶性を重視しないGaN層(表面付近は多結晶となっている)を順次成長させてからGaAsを溶解除去してGaN基板を得、得られた基板のGaAs基板に接していた側の表面に15μmのGaN単結晶層を成長させたところ、得られたGaN単結晶層にはクラックがなく、転位数も10個/cm台であったことが記載されている。
特許第3350855号明細書
本発明者等はAlNなどのAl系III族窒化物単結晶自立基板を製造する場合にも特許文献1に記載された方法と同様の方法を適用すれば良好な自立基板を製造できるのではないかと考え、実際に試みた。しかし、前記実施例と同様の層構成の積層体を製造し、ベース基板を溶解除去した場合、割れやクラックの発生を回避するのは難しく、何とか割れやクラックの発生を回避して自立基板を得ることができた場合でも、反りを十分に抑制することはできなかった。
そこで、本発明は、Al系III族窒化物単結晶自立基板を製造するためのベース基板として好適に使用できる“表面がAl系III族窒化物の単結晶で構成され、ひびや反りが無い基板”を提供し、延いては高品質のAl系III族窒化物単結晶自立基板を効率良く製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、Al系III族窒化物について特許文献1に記載された方法と同様の方法を適用した場合にGaNの場合に確認されている効果が得られない原因は、Al系III族窒化物はAlの含有量が高いためGaNと比べて硬く弾性力が劣り、気相成長を行う時の温度も高いことにあるのではないかと考えた。即ち、サファイアやSiC、シリコン等のベース基板を用いてIII族窒化物単結晶の厚膜を成膜した場合には、ベース基板とIII族窒化物単結晶における格子定数差や熱膨張係数差に起因してIII族窒化物単結晶に応力(以下、「格子不整合応力」ともいう。)が発生する。GaNのように比較的弾性力に富む材料の場合には格子不整合応力が発生してもクラックや割れは発生し難いが、Al系III族窒化物のように硬い材料の場合にはクラックや割れが発生し易いと考えられる。また、結晶成長温度が例えば1100℃と高い場合には、成膜後の冷却過程に於いては収縮により格子不整合応力が増大するため問題が更に顕在化し易くなっていると考えられ、上記のような結果となったものと考えられる。
本発明者等はこのような推定に基づき、ベース基板上に形成するAl系III族窒化物単結晶層の厚さを薄くすれば格子不整合応力によるクラックや割れの発生が防止でき、更には反りも低減することができるのではないかと考え、ベース基板上に形成するAl系III族窒化物単結晶層及びAl系III族窒化物多結晶層の厚さ、並びに両層の厚さの割合の基板(ベース基板除去後に残った部分)の性状に及ぼす影響について検討を行った。その結果、ベース基板上に形成するAl系III族窒化物単結晶層の厚さを厚くし、その上にAl系III族窒化物多結晶層を形成することなしにそのまま冷却した場合にはクラックや割れ、反りが発生し易くなるが、その上にAl系III族窒化物多結晶層を形成してから冷却した場合には単結晶層の厚さを厚くしてもクラックや割れ、反りが発生し難くなる傾向があるという知見、別言すれば多結晶層は単に厚さを増すだけの働きをするだけではなく格子不整合応力を僅かに緩和する機能があるという知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、第一の本発明は、Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有するAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料からなる非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層の一方の主表面が表面に露出していることを特徴とする積層体を製造する方法であって、
(1) 形成しようとするAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板を準備する工程、
(2) 準備した上記ベース基板の単結晶面上に厚さ10nm〜1.5μmの前記Al系III族窒化物単結晶層を形成する工程、
(3) 上記工程で得られたAl系III族窒化物単結晶層を破壊することなく該Al系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である前記非単結晶層を形成することによりベース基板上に前記Al系III族窒化物単結晶層および前記非単結晶層が積層された積層基板を製造する工程、及び
(4) 前記工程で得られた積層基板から前記ベース基板を除去する工程
を含んでなることを特徴とする方法である。
該方法によれば、Al系III族窒化物単結晶自立基板製造用基板として好適に使用できる積層体(後述する第二の本発明である)を効率良く製造することができる。
上記第一の本発明の方法において、非単結晶層は、Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料の多結晶、非晶質、又はこれらの混合からなる層であることが好ましい。非単結晶層がこのような層である場合には、ベース基板とAl系III族窒化物単結晶との格子定数差に起因する応力を僅かではあるが緩和することができる。そのため、Al系III族窒化物単結晶層の厚さを1.5μm以下と薄くすると共に非単結晶層の厚さを単結晶層の厚さの100倍以上とすることによりAl系III族窒化物単結晶に大きな反りを発生させたりクラックを発生させたりすること無く成膜後の冷却を行うことが可能となる。このような効果が得られるのは、非単結晶層が多結晶層の場合には結晶粒子間の界面、すなわち粒界が存在するために、ベース基板との格子定数差や熱膨張係数差により発生する応力(格子不整合応力)が緩和されているためと考えられる。また、非単結晶層が非晶質層の場合には、非晶質層の状態そのものはAl系III族窒化物の結晶自体が極微細なものであり、原子配列の長周期的構造が形成されていない状態と考えられ、上記の極微細結晶どうしの境界付近で応力が緩和されているものと推測される。
なお、非単結晶層はAl系III族窒化物単結晶層を形成した後、その上に、該Al系III族窒化物単結晶層を破壊することなく形成する必要がある。このような条件を満足して非単結晶層を形成する方法としては、前記工程(2)におけるAl系III族窒化物単結晶層の形成と前記工程(3)における非単結晶層の形成とを共に気相成長法により行い、Al系III族窒化物単結晶層の形成と前記非単結晶層を形成とを同一装置を用いて連続して行う方法が好適に採用される。該方法を採用した場合にはAl系III族窒化物単結晶層と非単結晶層との密着性を高くすることができる。なお、非単結晶層を形成する場合には上記条件を満足する必要があるため、このような条件を満足することができない方法、たとえばセラミックス粉末を焼結して多結晶体を形成するような方法は採用することができない。
また、第二の本発明は、Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有する厚さ10nm〜1.5μmのAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする非焼結材料からなる非単結晶層であって、その厚さが前記Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層が表面に露出していることを特徴とする積層体である。該積層体は、Al系III族窒化物単結晶自立基板製造用基板として好適に使用できる。なお、該積層体における非単結晶層は、前記した理由から非焼結材料(本発明では、非焼結材料とは粉末材料を焼結した焼結体以外の材料を意味する。)で構成される。
また、第三の本発明は、Al系III族窒化物単結晶を製造する方法であって、前記第二の本発明の積層体のAl系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層を構成するAl系III族窒化物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶(「第二のAl系III族窒化物単結晶」ともいう。)をエピタキシャル成長させる工程を含むことを特徴とする方法である。
また、第四の本発明は、Al系III族窒化物単結晶基板を製造する方法であって、前記第二の本発明の積層体のAl系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層を構成するAl系III族窒化物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶(第二のAl系III族窒化物単結晶)をエピタキシャル成長させて第二のAl系III族窒化物単結晶層を形成する工程を含むことを特徴とする方法である。
以上説明したように、第一〜第四の本発明は互いに関連し、第四の本発明では、第一の本発明で製造される、第二の本発明の積層体をベース基板として用い、第三の本発明のAl系III族窒化物単結晶製造方法を利用して、Al系III族窒化物単結晶基板を製造している。この関係を図1に模式的に示す。
図1に示されるように、第一の本発明の方法では、工程(1)〜(3)によってベース基板11上にAl系III族窒化物単結晶層12および非単結晶層13が順次積層された積層基板を製造し、工程(4)で該積層基板からベース基板11を分離して、Al系III族窒化物単結晶層12と非単結晶層13とが接合した第二の本発明の積層体14を製造する。その後、第三本発明では、積層体14を、Al系III族窒化物単結晶層12を結晶成長面とするベース基板として使用して、第二のAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させる。そして、第四の本発明では、第二のAl系III族窒化物単結晶を層状に成長させて第二のAl系III族窒化物単結晶層15を得、さらに該Al系III族窒化物単結晶層15の少なくとも一部を分離して、自立基板として使用可能なAl系III族窒化物単結晶基板16を得ている。
本発明者等は、このようにして自立基板として使用可能なAlN単結晶基板を製造し、その分析を行ったところ、AlN単結晶の成長を1400℃〜1900℃という温度領域で行った場合には、得られるAlN単結晶基板に含まれる酸素や珪素などの不純物濃度が極めて低くなり、従来の方法で製造したAlN単結晶基板では達成されていないような極めて高い純度となることを見出した。
すなわち、本発明は、第五の本発明として、酸素濃度が2.5×1017atom/cm以下であり、23℃でのフォトルミネッセンス測定における発光波長が210nmのスペクトル強度(A)と360nmのスペクトル強度(B)との比(A/B)が0.50以上である窒化アルミニウム単結晶基板をも提供する。
一般に、ベース基板上に気相成長法によりAlN単結晶層を形成する場合、ベース基板を構成ずる材料に含まれる原子が熱拡散などにより不純物としてAlN単結晶層に取り込まれることが避けられない。また、気相成長の装置として石英など酸素源や珪素源となる材料を用いた装置を使用する場合には、結晶成長中に雰囲気からこれら元素が不純物として混入する。その結果、石英製の装置を用いてHVEPE法によりサファイアやシリコン基板上にAlN単結晶を成長させて得られるAlN単結晶基板は、1018〜19atom/cm程度の酸素および1018atom/cm程度の珪素を含むのが一般的であった。また、昇華法を用いてAlN単結晶基板を製造する場合でも酸素濃度の下限は3×1017atom/cm程度であった(Journal of Crystal Growth(2008),doi:10.1016/j.jcrysgro.2008.06032参照)。
これに対し、上記第五の本発明の窒化アルミニウム単結晶基板では、第二の本発明の積層体をベース基板として用い、特定の温度範囲でAlN単結晶の気相成長を行うことにより酸素や珪素といった不純物の混入を防止することに成功している。このような効果が得られる理由について、本発明者等は次のように推定している。すなわち、(i)使用するベース基板に含まれる不純物原子の濃度がもともと低いことに加えて、(ii)該ベース基板の結晶成長面は、通常の気相法ではその上にAlNが成長することのない「AlN単結晶のN極性面」であるため、該N極性面上にAlNが成長する際の初期段階において極性反転が起こることにより一種のバリアー層が形成され、ベース基板からの不純物原子の拡散が阻害されたと共に、(iii)1400℃〜1900℃という高温で成長を行うことにより雰囲気からの不純物の混入が阻害された結果、不純物濃度が著しく低下したものと推定している。
第一の本発明によれば、第二の本発明の積層体を効率良く製造することができる。また、該方法では、使用するベース基板の形状や大きさを制御することにより、得られる積層体の形状や大きさを容易に変更することができる。
第二の本発明の積層体は、表層部のみがAl系III族窒化物単結晶で構成され、しかも当該Al系III族窒化物単結晶は、クラックなどのマクロな欠陥がない良質のものである。また、該Al系III族窒化物単結晶で構成される主表面には反りがなく優れた平滑性を有する。このため、本発明の積層体は、Al系III族窒化物単結晶を成長させるベース基板として好適に使用できる。従来のベース基板はシリコン単結晶やサファイアなど、成膜するAl系III族窒化物単結晶とは格子定数が異なる異質の単結晶で構成されていたため、従来のベース基板を用いてAl系III族窒化物単結晶を成長させた場合には格子定数差に起因する様々な問題が避けられなかったのに対し、本発明の積層体をベース基板として用いた場合には、Al系III族窒化物単結晶は同質のAl系III族窒化物単結晶からなる面上に成長するため、このような問題は起こらない。
Al系III族窒化物単結晶基板を製造する方法に関する第三の本発明によれば、ベース基板として第二の本発明の積層体を使用することにより、反りやクラックが無く、しかも転位などのミクロな欠陥も少ない高品位のAl系III族窒化物単結晶を成長させることが可能になる。このような高品位なAl系III族窒化物単結晶からなる層(第二のAl系III族窒化物単結晶層)が形成された積層体は、それ自体をLEDなどの半導体素子となる積層構造を形成するための自立基板として使用することもできるし、第二のAl系III族窒化物単結晶層を分離してこれを自立基板とすることもできる。前記したように第二の本発明の積層体の形状および大きさは、該積層体を製造するときに使用するベース基板に応じて適宜設定できるため、結果として、高品位のAl系III族窒化物単結晶基板の大面積化と形状選択が容易になる。
第五の本発明である窒化アルミニウム単結晶基板は、不純物である酸素原子、および珪素原子の濃度を極めて低減したものであり、光学特性に優れた基板であるから、紫外発光素子用の基板として有効に利用することができる。
本図は本発明の概要と製造方法を示す概念図である。 本図は実施例で使用したHVPE装置の模式図である。 本図はELO法を採用した本発明の製造方法を模式的に示した図である。
符号の説明
11 ベース基板
12 Al系III族窒化物単結晶層
13 非単結晶層
14 本発明の積層体
15 第二のAl系III族窒化物単結晶層
16 第二のAl系III族窒化物単結晶からなる基板
21 石英ガラス製反応管
22 外部加熱装置
23 基板支持台
24 ベース基板
25 ノズル(III族金属含有ガスの導入)
26 基板支持台通電用電極
31 第二のAl系III族窒化物単結晶層
32 第二のAl系III族窒化物単結晶からなる基板
第一の本発明の製造方法では、下記(1)〜(4)に示す工程を経ることにより、Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有するAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料からなる非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層の一方の主表面が表面に露出していることを特徴とする積層体を製造する。
(1) 形成しようとするAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板を準備する工程;
(2) 準備した上記ベース基板の単結晶面上に厚さ10nm〜1.5μmの前記Al系III族窒化物単結晶層を形成する工程;
(3) 上記工程で得られたAl系III族窒化物単結晶層を破壊することなく該Al系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である前記非単結晶層を形成することによりベース基板上に前記Al系III族窒化物単結晶層および前記非単結晶層が積層された積層基板を製造する工程;及び
(4) 前記工程で得られた積層基板から前記ベース基板を除去する工程。
上記本発明の製法の目的物である積層体(第二の本発明の積層体でもある)は、Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有する厚さ10nm〜1.5μmのAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする非焼結材料からなる非単結晶層であって、その厚さが前記Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層が表面に露出している。
<Al系III族窒化物単結晶層>
上記Al系III族窒化物単結晶層を構成する化合物は、Al1−(x+y+z)GaInNで示される組成を有する。ここで、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満、好ましくは0.3未満、最も好ましくは0.2未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満、好ましくは0.3未満、最も好ましくは0.2未満である。なお、該Al系III族窒化物単結晶層には、結晶性に重大な悪影響を与えない範囲(通常5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下)であれば、遷移金属元素、Ti、Ni、Cr、Fe、Cuなどの不純物元素が含まれていてもよい。
該Al系III族窒化物単結晶層の厚さは、10nm〜1.5μmである必要がある。Al系III族窒化物単結晶層の厚さがこの範囲から外れる場合には、クラックおよび割れが無く、反りの少ない上記積層体を得ることが困難となる。このような製造上の理由からAl系III族窒化物単結晶層の厚さは、50nm〜1.0μmであることがより好ましい。
<非単結晶層>
また、前記非単結晶層は、前記Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料であって単結晶でない材料から構成される層であればよいが、製造の容易さ及び応力緩和の観点から、前記Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一又は類似の組成を有するAl系III族窒化物からなることが好ましい。ここで組成が類似するとは、両材料の組成を比較したときに、各III族元素の組成の差であるΔ{1−(x+y+z)}、Δx、Δy及びΔzの絶対値がいずれも0.1以下、好ましくは0.05以下であることを意味する。なお、組成の差とは、Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料の各III族元素組成と非単結晶層を構成するIII族窒化物の各III族元素組成との差を意味し、たとえばAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料の組成がAl0.7Ga0.2In0.1Nであり、非単結晶層を構成するIII族窒化物の組成がAl0.7Ga0.25In0.05Nであった場合には、Δ{1−(x+y+z)}=0.7−0.7=0、Δx=0.2−0.25=−0.05、Δy=0.1−0.05=0.05、Δz=0−0=0となる。
また、上記非単結晶の結晶構造は、多結晶、非晶質、又はこれらの混合からなることが好ましい。非単結晶層がこのような層である場合には、ベース基板とAl系III族窒化物単結晶との格子定数差に起因する応力を緩和することができる。
上記非単結晶層の厚さは、該非単結晶層形成することにより、環境温度が変わってもAl系III族窒化物単結晶層に大きな反りが生じたりクラックが発生したりしないような厚さで、且つ工程(4)においてベース基板を分離した後にも分離後の積層体が自立可能な強度を保てるという理由から、Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上、好ましくは300倍以上、更に好ましくはこれらの条件を満足し且つ100〜3000μmとなる厚さであることが好ましい。
なお、上記積層体において前記Al系III族窒化物単結晶層と前記非単結晶層は、必ずしも直接接合している必要はなく、薄い酸化物層などを介して接合していても良い。また、製造目的物である積層体においては、特に必要はないが、補強効果を高めたり工程(4)における分離の作業性を良くしたりするために非単結晶層上に他の層を形成してもよい。
<工程(1)>
このような積層体を製造するために本発明の方法では、先ず、形成しようとするAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板を準備する{工程(1)}。このとき使用するベース基板としては、従来からベース基板として使用できることが知られている単結晶材料からなる基板が特に制限なく使用できる。しかしながら、Al系III族窒化物単結晶を気相成長させるときの温度において分解したり昇華したりし易いガリウム砒素などの材料を用いた場合はその構成元素がAl系III族窒化物単結晶中に取り込まれて不純物となったり、Al系III族窒化物単結晶の組成を変えてしまうことがあるため、上記温度で安定な材料の単結晶基板を使用することが好ましい。このような基板を例示すれば、サファイア基板、窒化珪素単結晶基板、酸化亜鉛単結晶基板、シリコン単結晶基板、ホウ化ジルコニウム単結晶基板を挙げることができる。これらの中でも、工程(4)においてベース基板を分離する際に分離が容易であるという理由からシリコン単結晶基板を使用することが好ましい。シリコンは溶液による化学的エッチングが可能であるため、工程(4)において容易に除去することができる。なお、ベース基板の大きさや形状は、現実的には製造装置などの制約をうけるものの、原理的には任意に設定できる。
<工程(2)>
本発明の方法では工程(2)において、準備した上記ベース基板の単結晶面上にAl系III族窒化物単結晶層を形成する。Al系III族窒化物単結晶層の形成方法としては、Al系III族窒化物単結晶層を形成することができる方法として従来から知られている気相成長法、液相法等の各種方法が採用できるが、単結晶層を形成し易く膜厚の制御も容易であるという理由から気相成長法を採用することが好ましい。また、気相成長法を採用した場合には、次いで行われる非単結晶層の形成においても温度や原料供給条件などの軽微な条件変更のみで非単結晶層の形成を行うことができるというメリットがある。気相成長法としては、HVPE法、MOVPE法、MBE法等の他、スパッタリング法、PLD(Pulse Laser Deposition)法、昇華再結晶法などの公知の気相成長法を採用することができる。
これら方法によりIII族窒化物単結晶層を形成する場合の製造条件は、成長させる膜厚を前記した範囲とする他は従来法と特に変わる点はない。また、Al系III族窒化物単結晶層の形成は多段階に分けて行うこともできる。
ベース基板上に形成した膜が単結晶かどうかは、X線回折測定のθ−2θモード測定により判断することができる。θ−2θモード測定とは、サンプルに対する入射角をθとしたときに、2θの位置にディテクターを固定して回折を測定する測定法である。一般的には、2θを10〜100°の範囲でX線回折プロファイルを測定するものであり、Al系III族窒化物の場合であれば(002)回折、および(004)回折のみが観測されれば、得られたAl系III族窒化物は単結晶であると判断できる。例えば、AlNの場合(002)回折は2θ=36.039°付近、(004)回折は2θ=76.439°付近に観測され、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)の場合においても同様に(002)回折と(004)回折のみが観測されば単結晶と判断できる。その回折角2θはAlとGaの組成に応じて変化し、GaNの場合(002)回折は2θ=34.56°付近、(004)回折は2θ=72.91°付近に観測されるので、(002)回折は2θが34.56〜36.039°の範囲で、(004)回折は2θが72.91〜76.439°の範囲で観測される。なお、該Al系III族窒化物単結晶層は、通常、1018〜19atom/cm程度の酸素および1018atom/cm程度の珪素を含んでいる。
<工程(3)>
本発明の方法では、工程(3)として、上記工程で得られたAl系III族窒化物単結晶層上に前記非単結晶層を形成することによりベース基板上に前記Al系III族窒化物単結晶層および前記非単結晶層が順次積層された積層基板を製造する。
非単結晶層は、前記Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料であって単結晶でない材料から構成される層であればよいが、製造の容易さ及び応力緩和の観点から、前記Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一又は類似の組成を有するAl系III族窒化物の多結晶、非晶質、又はこれらの混合からなる層を形成することが好ましい。非単結晶層を形成することにより、成長中もしくは冷却中においても、Al系III族窒化物単結晶層と非単結晶層の反りやクラックが抑制される。これは、非単結晶層が多結晶層の場合には結晶粒子間の界面、すなわち粒界が存在するために、ベース基板との格子定数差や熱膨張係数差により発生する応力(格子不整合応力)が緩和されているためと考えられる。また、非単結晶層が非晶質層の場合には非晶質層を構成する結晶自体が極微細なものであり、原子配列の長周期的構造が形成されていない状態と考えられ、上記の極微細結晶どうしの境界付近で格子不整合応力が緩和されているものと推測される。
なお、非単結晶層が気相成長法により形成した多結晶である場合には、該非単結晶層にはAl系III族窒化物結晶の002方向に結晶配向し易い。ここで、結晶配向性とは非単結晶層を構成する各々の多結晶の結晶軸がある特定の方向に偏っていることを意味する。このような結晶配向性はX線回折のθ−2θモード測定から定性的に測定することができる。具体的には多結晶層が露出している方向からX線回折測定を行い、002面の回折強度(I002)と100面の回折強度(I100)との強度比(I002/I100)が1より大きく、より確実には1.5以上であれば、002方向に結晶配向性を有するということになる。一般に、粉体や粉体を焼結して得た多結晶体の場合には、このような結晶配向性を示さないことが知られており、X線回折データベース(JCPDS:25−1133)等に示される上記強度比は1未満となっている。
前記工程(3)では、非単結晶層の形成は、下地となるAl系III族窒化物単結晶層を破壊することなく行う必要がある。なお、ここでいう破壊とは、割れのように完全な分離を伴う態様に限らず、クラックの発生のように一部の連続性が大きく損なわれる態様も含む概念である。
Al系III族窒化物単結晶層の厚さが1μm程度と薄い場合には、冷却などを行ってもAl系III族窒化物単結晶層が破壊される危険性は少ないが、それを越えると厚さが厚くなるに従い、特に冷却工程で破壊が生じる危険性が高くなる。そのため、Al系III族窒化物単結晶層を破壊することなく非単結晶層を形成するためには、Al系III族窒化物結晶層形成後基板に冷却を加えないか、もしくは温度変動幅が500℃以内となる温度範囲で冷却を加えて非単結晶層の形成を行うことが好ましい。このような理由から、前記工程(2)におけるAl系III族窒化物単結晶層の形成と前記工程(3)における非単結晶層の形成とを共に気相成長法により行い、Al系III族窒化物単結晶層の形成と前記非単結晶層を形成とを同一装置を用いて連続して行うことが好ましい。ここで、「連続的に」とは「基板を室温付近まで冷却して装置外に出さずに」と同義である。このような条件を満たして十分な厚さの非単結晶層を形成させた場合には、Al系III族窒化物単結晶層を厚く形成しても格子不整合応力が小さい加熱状態を保ちながら格子不整合応力を緩和する非単結晶層を形成するので、非単結晶層の応力緩和効果により基板を冷却するときの格子不整合応力が(非単結晶層を形成しない場合と比べて)小さくなり、破壊および反りの発生を防止することができる。その結果、従来の気相成長法では反りの発生や破壊の発生を防止するのが困難であった1μmを越える厚さのAl系III族窒化物単結晶層の形成も可能になる。
非単結晶層の形成は、上記条件を満たせば、Al系III族窒化物単結晶層の形成後に直ちに成膜条件を変化させて非単結晶層を形成してもよいし、Al系III族窒化物単結晶層の形成後、所定の間隔をおいてから非単結晶層を形成してもよい。温度、圧力、時間、原料ガス供給量、キャリアガス流量などの成膜条件を変えて複数の非単結晶層を形成することも可能である。また、Al系III族窒化物単結晶層の形成後に酸素を含む原料ガスを供給して単結晶層の表面に薄い酸化膜を形成した後、非単結晶層を形成することも可能である。Al系III族窒化物単結晶層の表面に酸化皮膜が存在することにより、次いで形成する非単結晶層に対する結晶配向が阻害される。この現象は前記X線回折測定における強度比(I002/I100)が小さくなる結果として捉えられる。表面を酸化してIII族の酸化物を意図的に介在させることによりミスフィットの発生を増長するか、もしくは、酸化時に表面平坦性を悪化させる等のメカニズムにより非単結晶層の配向性を乱す要因となっていると考えられる。いずれにせよ、酸化皮膜が結晶配向性の不連続面としての役割を有し、非単結晶層により多くの粒界が導入され、結果として非単結晶層の応力緩和を高める効果が得られると考えられる。
<工程(4)>
本発明の方法では、このようにしてベース基板上に前記Al系III族窒化物単結晶層および前記非単結晶層が順次積層された積層基板を製造した後に、工程(4)として、得られた該積層基板から前記ベース基板を除去する。
ベース基板を除去する手段としては、ベース基板の材質がサファイア、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ化ジルコニウム等の比較的化学的耐久性を有するものである場合には、ベース基板と単結晶層の界面で切断する方法が好適に採用される。切断後に得られる積層体をLEDなどの半導体素子となる積層構造を形成するための自立基板製造用のベース基板として使用する場合には、切断面の表面の荒れにより成長させる結晶の品質が低下するおそれがあるので、切断面を研磨することが好ましい。この場合、Al系III族窒化物単結晶層を表面に残すためにベース基板が表面に残るようにして切断を行い、残ったベース基板部を研磨除去すれば平滑なAl系III族窒化物単結晶層を有する積層体を得ることができる。
また、ベース基板の材質がシリコンである場合には、化学エッチング処理によりベース基板を容易に除去することが可能である。化学エッチングには、例えばフッ酸および硝酸と酢酸の混合酸が好適に用いられ、混合酸に前記積層体を浸漬静置することによりベース基板であるシリコンが除去される。このようにしてベース基板を除去した後に得られる積層体のAl系III族窒化物単結晶層表面は、シリコン基板と同様の優れた表面平滑性を有する。このため、シリコン基板をベース基板として用いた場合にはAl系III族窒化物単結晶層表面の研磨処理を省略できるというメリットがある。同様の理由でベース基板の材質が酸化亜鉛である場合においても、酸化亜鉛が酸及びアルカリ溶液に可溶であるという理由からベース基板に用いることが可能である。
ベース基板を分離することにより得られた本発明の積層体は、必要に応じて、厚さ調整、形状調整、表面加工、裏面加工などの2次加工を適宜行った後、各種用途で使用される。
<Al系III族窒化物単結晶の製造方法>
このようにして得られた本発明の積層体は、Al系III族窒化物単結晶を成長させるためのベース基板、あるいはAl系III族窒化物単結晶からなる基板、特に自立基板を製造するためのベース基板として好適に使用することができる。
Al系III族窒化物単結晶を製造する際に、ベース基板の表面に多数の微小凹部または微小凸部をランダムに或いは規則的に配列して形成することにより基板表面に高低差をつけ、相対的に高い位置にある基板表面上から結晶成長を開始させることにより、単結晶をベース基板に対して垂直方向だけでなく水平方向(横方向)にも成長させ、横方向に成長するときに結晶欠陥を減少させるという技術が公知となっている。この技術は、ELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法と呼ばれており、該方法を採用することにより結晶欠陥が減少した高品位なIII族窒化物単結晶を得ることも可能となる。
本発明の積層体をこのようなベース基板として使用する場合にも、上記ELO法が適用できるように、表面に露出しているAl系III族窒化物単結晶層の一方の主表面に複数の凹部または凸部を設けることが可能である。図3に本発明の方法にELO法を適用した態様を模式的に示す。図3に示されるように第二の本発明の積層体14の表面に溝を形成して第二のAl系III族窒化物単結晶層31を形成させる、ベース基板に対して垂直方向だけでなく水平方向(横方向)にも成長するので、溝の上面に成長した結晶は連渇して単一の層を形成する。従って、図3に示すように溝の底面に非単結晶層が露出していてもELO法の効果を得ることができ、第二のAl系III族窒化物単結晶層31を分離することにより第二のAl系III族窒化物単結晶からなる基板32を得ることができる。このとき形成する凹部または凸部の形状、大きさ、更に凹部または凸部の分布状態(配列方式)などは、従来公知のELO法と特に変わる点はないが、一般には、凹部または凸部の表面高低差は100nm〜50000nmの範囲、凹部および凸部の幅はそれぞれ0.1μm〜20μmの範囲である。
本発明の積層体をベース基板としてAl系III族窒化物単結晶を製造する場合には、本発明の積層体のAl系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層を構成する化合物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させればよい。また、本発明の積層体をベース基板としてAl系III族窒化物単結晶基板を製造する場合には、上記方法により本発明の積層体のAl系III族窒化物単結晶層を構成する化合物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させて第二のIII族窒化物単結晶層を形成し、必要に応じて、切断などの方法により該第二のIII族窒化物単結晶層の少なくとも一部を分離すればよい。
ここで、組成が類似するとは、本発明の積層体の製造方法において説明した、Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と非単結晶層を構成する材料の組成が類似する場合と比べるとその範囲は広く、本発明の積層体の、Al系III族窒化物単結晶層を構成するAl系III族窒化物単結晶と第二のAl系III族窒化物単結晶との間の各III族元素の組成の差の絶対値がいずれも0.3以下であることを意味する。
本発明の積層体をベース基板として用いた場合には、その結晶成長面は、成長させる第二のAl系III族窒化物単結晶と同一または類似の組成を有するIII族窒化物単結晶で構成されるため、格子不整合応力が発生しないか、発生したとしても小さい。したがって、結晶を10μmをはるかに越えて、例えば200μm以上、好ましくは1000μm以上といった非常に厚い層状に成長させても、結晶成長時や、結晶成長が終了して基板を冷却する際に反り、クラック、割れなどが発生し難く、結果として、高品位な単結晶からなる自立基板として十分な厚さの第二のAl系III族窒化物単結晶を形成することができる。
第二のAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させる方法としては、HVPE法、MOVPE法、MBE法、スパッタリング法、PLD法、昇華再結晶法などの公知の気相成長法を用いることが可能である。その他、フラックス法などの溶液成長法といったあらゆる公知の方法を用いることも可能である。膜厚制御が容易で高品位の結晶を得ることができるという観点から気相成長法を採用するのが好ましく、中でも高速での成膜が可能であるという理由からHVPE法を採用するのが特に好ましい。
<窒化アルミニウム単結晶基板>
本発明の積層体をベース基板として用いる場合、その結晶成長面は、本発明の積層体の製造過程においてシリコンベース基板などの「Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板」と接していた面となり、通常の気相成長において表面に露出しない面となる。
ところで、六方晶系のウルツ鉱型構造をとるAlN単結晶においては、c軸方向に関して対象面がないため表裏の関係が生じ、一方がN極性面(窒素極性面)となり他方がAl極性面(アルミニウム極性)となり、気相成長はN極性面を下にAl極性面を上(露出面)として起こることが知られている。
なお、窒化アルミニウム単結晶おける窒素極性とは、特開2006−253462号公報に記載されている通り、原子配列の方向性を示すものである。アルミニウム原子に注目した場合、アルミニウム原子から垂直上側に窒素原子を配置する結晶をアルミニウム極性といい、反対に窒素原子から垂直上側にアルミニウム原子を配置する結晶を窒素極性という。この極性は、通常、水酸化カリウム水溶液を用いたエッチング処理によって判定することができる。この判定については、Applied Physics Letter,Vol.72(1998)2480、MRS Internet Journal Nitride Semiconductor Research,Vol.7,No.4,1−6(2002)、特開2006−253462号公報等に記載されている。つまり、窒化アルミニウム単結晶の膜において、窒素極性を有する面は、水酸化カリウム水溶液を用いたエッチングにより溶解し、一方、反対の面であるアルミニウム極性を有する面は、水酸化カリウム水溶液を用いてエッチング処理しても溶解することはない。そのため、たとえば50℃に加熱された50質量%濃度の水酸化カリウム水溶液に一方の面を5分間浸し、電子顕微鏡観察した際、該水酸化カリウム水溶液に浸す前後において、面形状が全く変化していない面がAl極性面であり、その裏側の面形状が変化している面がN極性面となる。
AlN単結晶の気相成長おいては上記したような特徴があるため、本発明の積層体のAl系III族窒化物単結晶層がAlNからなる場合には、結晶成長面はN極性面となり、その上にAlNを気相成長させる場合には極性反転が起こることになる。この極性反転によりベース基板からの不純物原子の拡散が阻害する一種のバリアー層が形成されるためと思われるが、気相成長により得られるAlNは純度が高いものとなる。そして、本発明の積層体をベース基板として用い、その結晶成長面上に第二のAl系III族窒化物単結晶としてAlN単結晶を気相法によりエピタキシャル成長する場合、結晶成長時のベース基板温度を1400℃〜1900℃、好ましくは1400℃〜1700℃、より好ましくは1450℃〜1600℃とすることにより、更なる高純度化を図ることが可能となる。その結果、第五の本発明である、「酸素濃度が2.5×1017atom/cm以下であり、23℃でのフォトルミネッセンス測定における発光波長が210nmのスペクトル強度(A)と360nmのスペクトル強度(B)との比(A/B)が0.50以上である窒化アルミニウム単結晶基板」を得ることが可能となる。ここで、上記スペクトル強度の比(A/B)は、不純物酸素と結晶欠陥とが複合化した状態を反映する指標であり、酸素濃度が低く且つ欠陥が少なく結晶状態が良好であるほど(A/B)は大きな値となる。
上記本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、酸素濃度が深さ方向に対して変化が無いものである。本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、さらに、酸素濃度を2.2×1017atom/cm以下とし、上記スペクトル強度の比(A/B)を0.80以上とすることもできる。このように本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は純度が非常に高く、光学特性に優れたものであることから、紫外発光素子等の用途に好適に使用できる。なお、上記酸素濃度は少なければ少ないほどよいものであり、(A/B)は高ければ高いほどよいものであるが、工業的な生産を考慮すると、酸素濃度の下限は1.0×1016atom/cmであり(A/B)の上限値は20.00である。すなわち、酸素濃度の好適な範囲は1.0×1016atom/cm〜2.2×1017atom/cmであり、(A/B)の好適な範囲は0.8〜20.00である。また、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、珪素濃度が好ましくは5.5×1017atom/cm以下、さらに好ましくは1.0×1016atom/cm〜5.0×1017atom/cmである。
なお、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板における、酸素濃度、珪素濃度および(A/B)は、以下に示す方法によって測定された値を意味する。
(1)酸素濃度、および珪素濃度の測定方法
酸素濃度、および珪素濃度の測定には、表面付近に存在する元素を高感度に検出できるという特徴から二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)法によって測定した。測定装置はCAMECA社製IMS−4fを使用した。測定は、加速電圧は14.5kvで、セシウムイオンの 一次イオンビームを、入射角60°(試料法線方向)から30μmφの領域に照射し、測定を行った。この時に得られた深さ方向のO およびSi 二次イオン強度プロファイルの平均値を酸素濃度、珪素濃度とした。
(2)23℃のフォトルミネッセンス測定によるスペクトル強度比の算出方法
測定装置として、堀場製作所製HR800 UV(レーザー光源: ExciStarS−200)を使用した。励起光源に193nmのArFレーザーを用いて、試料に照射し、試料を励起させた。この時、試料に対して垂直にArFレーザーを照射した。試料から発生したルミネッセンスを集束レンズにて結像した後、分光器にて検出し、波長に対するスペクトル強度を得た。測定条件は、測定温度は室温とし、照射時間は10秒として、積算回数は3回、ホール径は1000μm、グレーティングは300grooves/mmとした。測定時の温度は23℃である。
窒化アルミニウムのバンド端発光である210nmのスペクトル強度(A)と不純物である酸素に由来する360nmのスペクトル強度(B)に注目し、下記に示す式で規格化を行い、スペクトル強度比を算出した。
式:(スペクトル強度比(A/B))=(210nmのスペクトル強度(A))/(360nmのスペクトル強度(B))。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
気相成長法としてHVPE法を用いて自立基板製造用基板を作製した実施例である。本実施例においては、ベース基板にφ2インチ、厚さ280μmの(111)シリコン単結晶基板を用い、単結晶層および非単結晶層の材質は窒化アルミニウムを用いた。
図2に示すHVPE装置は、円筒状の石英ガラス反応管21からなる反応器本体と、該反応管21の外部に配置される外部加熱手段22と、該反応管21の内部に配置される支持台23と、を具備する。そして、反応管21の一方の端部からキャリアガス及び原料ガスを供給し、他方の端部近傍の側壁に設けられた開口部からキャリアガス及び未反応の反応ガスを排出する構造となっている。なお、上記外部加熱手段22は、基板24の加熱を目的とするものではなく、主として反応域の反応ガスの温度を所定温度に保持する目的で使用されるものであり、必ずしも必須のものではない。この外部加熱手段22としては、抵抗加熱式ヒータ、高周波加熱装置、高周波誘導加熱装置、ランプヒータなどが使用できるが、本実施例では抵抗加熱式ヒータを用いた。また、前記支持台23は、その上面に基板24を保持できるようになっている。
図2に示す装置における原料ガス供給側の反応管において、ノズル25からキャリアガスで希釈されたIII族金属含有ガスである三塩化物アルミニウムガスが供給され、ノズル25と反応管壁との間の空間を流路としてキャリアガスで希釈された窒素源ガスであるアンモニアガスが供給される。上記三塩化物アルミニウムガスの流路は、配管を通じて図示しない“III族金属含有ガス供給源”と接続されている。III族金属含有ガス供給源とは、石英ガラス製反応管内に金属アルミニウムを設置し、反応管外部に設置した抵抗加熱方式の電気炉により500℃に加熱し、そこに水素や窒素等のキャリアガスとともに塩化水素ガスを供給することにより、塩化水素ガスと金属アルミニウムの反応により三塩化アルミニウムが発生し、ノズル25に供給される。
一方、窒素源ガス流路は、配管により流量調節手段を介して図示しない“窒素源ガス供給源”と接続していると共に、該流量調節手段より下流側の配管には流量調節手段を介してキャリアガス供給源に接続する配管が接続され、窒素源ガスをキャリアガスで所望の希釈倍率に希釈できるようになっている。
図2に示すHVPE装置においては、支持台23としてカーボン発熱体を窒化ホウ素でコートした複合体ヒータを用い、支持台23上にベース基板24を設置して加熱する。ヒータの端面には電極部分を有しており、当該支持台には電極を介して外部から電力を印加する。当該支持台は発熱体をコートしている熱分解窒化ホウ素が水素ガスやIII族金属含有ガスである三塩化アルミニウム、窒素源ガスであるアンモニアガスに対する耐食性が良好であるため、室温から1700℃以下の温度において安定的に使用可能なものである。
上記の装置内の反応器内の支持台上にベース基板を設置した後に反応器内に水素と窒素の混合キャリアガスを流通させた。このときの系内の圧力は400Torrとした。その後、外部加熱手段を用いて反応管温度を500℃に加熱した。一方、支持台に電力を供給して支持台を加熱し、ベース基板を1100℃の温度に保持した。1分間保持した後、三塩化アルミニウムガスをノズル25から、アンモニアガスをノズル25と反応管壁の間から反応器内に導入して5分間保持し、ベース基板上に窒化アルミニウム単結晶層を0.5μm成長した。
次いで、三塩化アルミニウムガスの供給を一旦停止し、上記単結晶層上に非単結晶層として多結晶層を形成するため、異なる形成条件に変更した。具体的には、圧力は500Torr、外部加熱手段による反応管温度は500℃のまま保持した。支持台への供給電力を下げてベース基板温度を1000℃とした。これらの操作は三塩化アルミニウムの供給を一旦停止した後5分の間に行った。次いで三塩化アルミニウムガスを再供給し、120分間保持して窒化アルミニウム多結晶をさらに250μm成長した。
120分間保持後、支持台への電力供給を4時間かけて減少、停止し、さらに外部加熱手段の温度を3時間かけて室温に下げた。冷却後、ベース基板と単結晶層と多結晶層からなる積層体を反応管から取り出した。
次いで、上記の積層体をフッ化水素酸(濃度49%)、硝酸(濃度70%)、酢酸(濃度99%)、超純水を1:2:1:2の体積比で混合した化学エッチング用溶液200mlに12h浸漬し、ベース基板であるシリコンを溶解除去した。次いで超純水で洗浄して化学エッチング用溶液を除去し、自立基板製造用基板を得た。
自立基板製造用基板の多結晶層が露出されている側からX線回折のθ−2θ測定を行い、(002)面の強度I(002)と(100)面の強度I(100)を測定したところ、その強度比I(002)/I(100)は3.8であった。また、単結晶層が露出されている側の表面は、ベース基板に用いたシリコン基板と同様の鏡面であった。また、青紫色レーザー顕微鏡を用いた3次元形状測定により自立基板製造用基板の見掛けの反りを評価した。具体的には自立基板製造用基板の単結晶が露出している側を50倍の倍率でレーザー顕微鏡により高さ情報を取得し、球形近似の仮定のもとで自立基板製造用基板の曲率半径を算出して反りを評価した。自立基板製造用基板の単結晶面が下に凸となる状態をプラスの曲率半径、上に凸となる状態をマイナスの曲率半径とした。曲率半径が正であっても負であっても値が大きい方が反りが小さいと判断される。その結果、本実施例における自立基板製造用基板の曲率半径は−1.8mであり、実質的に問題のないレベルの反りであった。
さらに、本実施例の自立基板製造用基板の単結晶側に前記のHVPE法を用いて、第二のIII族窒化物単結晶層を形成した。前記の装置反応器内の支持台上に自立基板製造用基板の単結晶側を上面にして設置し、反応器内に水素と窒素の混合キャリアガスを流通させた。このときの系内の圧力は200Torrとした。その後、外部加熱手段を用いて反応管温度を500℃に加熱し、一方、支持台に電力を供給して支持台を加熱し、ベース基板を1500℃の温度に保持した。次いで、三塩化アルミニウムガス及びアンモニアガスを導入して6時間保持し、自立基板製造用基板上に窒化アルミニウム単結晶層を300μm成長した。その後、基板を室温まで冷却し、反応器から取り出した。
次いで、自立基板製造用基板と第二のIII族窒化物単結晶層である窒化アルミニウム単結晶層との界面付近をワイヤーソーにより切断し、厚さ260μmの窒化アルミニウム単結晶層を窒化アルミニウム単結晶自立基板として取り出した。得られた窒化アルミニウム単結晶自立基板を光学顕微鏡観察したところ、2インチ基板全面に渡りクラックは観察されなかった。また、該窒化アルミニウム単結晶自立基板の酸素濃度は2.1×1017atom/cmであり、珪素濃度は5.2×1017atom/cmであり、23℃でのフォトルミネッセンス測定における発光波長が210nmのスペクトル強度(A)と360nmのスペクトル強度(B)との比(A/B)は0.98であった。
実施例2
実施例1に記載した装置と基板を用いたが、実施例1の手順に加えて、ベース基板上に単結晶層を形成し、原料ガスである三塩化アルミニウムの供給を中断した後、さらに、酸素含有ガスとして0.1sccmの酸素ガスを10秒間供給する工程を追加した実施例である。単結晶層および、多結晶層の成長条件、シリコン基板の剥離条件は同様であり、実施例1と同程度の厚さを有する自立基板製造用基板を得た。
自立基板製造用基板の多結晶層が露出されている側からX線回折のθ−2θ測定を行ったところ、強度比I(002)/I(100)は1.5であった。また、単結晶層が露出されている側の表面は、ベース基板に用いたシリコン基板と同様の鏡面であり、クラックは観察されなかった。実施例1と同様の方法で自立基板製造用基板の反りを測定したところ、−3.2mであり、酸化層を設けたことにより反りが低減された。
さらに、本実施例の自立基板製造用基板の単結晶側に実施例1と同様の方法でHVPE法を用いて、窒化アルミニウム単結晶層を350μm成長した。基板を室温まで冷却後、反応器から取り出し、自立基板製造用基板と窒化アルミニウム単結晶層との界面付近をワイヤーソーにより切断し、厚さ300μmの窒化アルミニウム単結晶層を窒化アルミニウム単結晶自立基板として取り出した。得られた窒化アルミニウム単結晶自立基板を光学顕微鏡観察したところ、2インチ基板全面に渡りクラックは観察されなかった。また、該窒化アルミニウム単結晶自立基板の酸素濃度は2.0×1017atom/cmであり、珪素濃度は5.0×1017atom/cmであり、23℃でのフォトルミネッセンス測定における発光波長が210nmのスペクトル強度(A)と360nmのスペクトル強度(B)との比(A/B)は1.12であった。
実施例3
実施例1と同様の装置と基板を用い、実施例1における非単結晶層として非晶質層を形成した実施例である。ベース基板であるシリコン基板上に実施例1と同様の原料供給条件で2分間の第1層目の成長を行い、0.2μmの単結晶層を形成した。次いで、三塩化アルミニウムの供給を停止し、圧力を500Torrに変更した。外部加熱手段による反応管温度は500℃のまま保持した一方、支持台への供給電力を下げてベース基板温度を800℃とした。これらの操作は三塩化アルミニウムの供給を一旦停止した後10分の間に行った。次いで三塩化アルミニウムガスの供給を再開し、240分間保持して窒化アルミニウム非晶質層をさらに220μm成長した。化学エッチングによりシリコン基板を除去して自立基板製造用基板を得た。
自立基板製造用基板の非晶質層が露出されている側からX線回折のθ−2θ測定を行ったところ、ピークは観察されず、非晶質であることが確かめられた。また、単結晶層が露出されている側の表面は、ベース基板に用いたシリコン基板と同様の鏡面であり、クラックは観察されなかった。実施例1と同様の方法で自立基板製造用基板の反りを測定したところ、−2.3mであり、第1層目の単結晶層の厚さを薄く設定し、さらに非単結晶層として非晶質を設けたことにより反りが低減された。
さらに、本実施例の自立基板製造用基板の単結晶側に実施例1と同様の方法でHVPE法を用いて、窒化アルミニウム単結晶層を380μm成長した。基板を室温まで冷却後、反応器から取り出し、自立基板製造用基板の非晶質側から研磨して非晶質層を除去することにより、厚さ360μmの窒化アルミニウム単結晶層を窒化アルミニウム単結晶自立基板として取り出した。得られた窒化アルミニウム単結晶自立基板を光学顕微鏡観察したところ、2インチ基板全面に渡りクラックは観察されなかった。
実施例4
実施例1の方法で得られた自立基板製造用基板の単結晶側に凹凸加工しELO法を適用した実施例である。自立基板製造用基板の単結晶側にリソグラフ工程により3μm幅で3μm間隔のフォトレジストパターンを作製し、次いで誘導結合プラズマイオンエッチング装置によりフォトレジストの開口部から自立基板製造用基板を5μm深さでエッチングを行った。エッチング終了後、フォトレジストを有機溶剤洗浄により除去し、HVPE装置反応器内に設置し、第二のIII族窒化物単結晶層として窒化アルミニウムを形成した。反応器内に水素と窒素の混合キャリアガスを流通させ、系内の圧力を200Torrとした。外部加熱手段を用いて反応管温度を500℃に加熱し、一方、支持台に電力を供給して支持台を加熱し、ベース基板を1400℃の温度に保持した。次いで、三塩化アルミニウムガス及びアンモニアガスを導入して1時間保持し、自立基板製造用基板上に窒化アルミニウム単結晶層を10μm成長した。その後、基板を室温まで冷却し、反応器から取り出した。窒化アルミニウム単結晶層の表面は鏡面を有していた他、光学顕微鏡による観察からはクラックが見られなかった。また自立基板製造用基板と窒化アルミニウム単結晶層からなる積層体の断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、自立基板製造用基板の凸部から窒化アルミニウム単結晶層の成長が開始され、自立基板製造用基板に形成した凹部の上は窒化アルミニウム単結晶層の成長とともに覆われていることが確認され、ELO法を適用しても自立基板製造用基板として使用可能であることが示された。
比較例1
実施例1と同様にHVPE法を用い、基板にシリコン基板を用いたが、実施例1における非単結晶層の代替として、ベース基板上に形成した単結晶層をさらに厚く形成した比較例である。
シリコン基板上に実施例1と同様の条件で5分間AlNからなる単結晶層を成長し、その後、三塩化アルミニウムガスの供給を一旦停止し、外部加熱手段による反応管温度は500℃のまま、支持台への供給電力を上げてベース基板温度を1300℃とした。これらの操作は三塩化アルミニウムガスの供給を停止した後5分の間に行った。次いで、三塩化アルミニウムガスおよびアンモニアガスを導入し、360分間保持して窒化アルミニウム単結晶層の形成を継続した。成長後、基板の重量変化からAlN単結晶の膜厚は151μmと見積もられたが、AlN単結晶層にはクラックが発生した。さらに実施例1と同様にシリコン基板を化学エッチング処理により除去して自立基板製造用基板の作製を試みたがAlN単結晶層に発生したクラックが原因で自立基板製造用基板は元の基板寸法を維持することができなかった。
比較例2
特許文献1:特許第3350855号の実施例と膜厚条件を同一とした比較例である。シリコン基板を用いた他、単結晶層および多結晶層の成長条件は成長時間のみを特許文献1と同一となるように調整した。すなわち、AlN単結晶層を2μm成長し、次いで、多結晶層を100μm成長した。その結果、単結晶層とともに多結晶層にもクラックが発生しており、元の基板寸法を維持できなかった。破片を用いて前記方法で反りを評価した結果、−0.1mであり、実用できない程度の反りを確認した。
本発明の積層体は、Al系III族窒化物単結晶自立基板を製造するためのベース基板として好適に使用できる。本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、光学特性に優れ、紫外発光素子用の基板として有用である。

Claims (14)

  1. Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有するAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料からなる非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層の一方の主表面が表面に露出していることを特徴とする積層体を製造する方法であって、
    (1) 形成しようとするAl系III族窒化物単結晶層を構成する材料とは異なる材料の単結晶からなる表面を有するベース基板を準備する工程、
    (2) 準備した上記ベース基板の単結晶面上に厚さ10nm〜1.5μmの前記Al系III族窒化物単結晶層を形成する工程、
    (3) 上記工程で得られたAl系III族窒化物単結晶層を破壊することなく該Al系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である前記非単結晶層を形成することによりベース基板上に前記Al系III族窒化物単結晶層および前記非単結晶層が積層された積層基板を製造する工程、及び
    (4) 前記工程で得られた積層基板から前記ベース基板を除去する工程
    を含んでなることを特徴とする方法。
  2. 前記工程(3)の前に、前記工程(2)で形成した前記Al系III族窒化物単結晶層の表面の少なくとも一部を酸化する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(3)において、前記Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする材料の多結晶、非晶質、又はこれらの混合からなる非単結晶層を形成する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程(2)におけるAl系III族窒化物単結晶層の形成と前記工程(3)における非単結晶層の形成とを共に気相成長法により行い、Al系III族窒化物単結晶層の形成と前記非単結晶層を形成とを同一装置を用いて連続して行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
  5. 前記工程(1)で使用するベース基板としてシリコン単結晶基板を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
  6. Al1−(x+y+z)GaInN(但し、x、y及びzは夫々独立に0以上0.5未満の有理数であり、x、y及びzの和は0.5未満である。)で示される組成を有する厚さ10nm〜1.5μmのAl系III族窒化物単結晶層と、当該Al系III族窒化物単結晶層を構成する材料と同一の材料若しくは当該材料を主成分とする非焼結材料からなる非単結晶層であって、その厚さが前記Al系III族窒化物単結晶層の厚さの100倍以上である非単結晶層と、を含む積層構造を有し、前記Al系III族窒化物単結晶層が表面に露出していることを特徴とする積層体。
  7. 前記非焼結材料からなる非単結晶層が多結晶、非晶質、又はこれらの混合からなる請求項6に記載の積層体。
  8. 前記非焼結材料からなる非単結晶層が多結晶であり、かつ該多結晶層について、露出している前記Al系III族窒化物単結晶層とは反対側の方向からX線回折測定を行った002面の回折強度(I002)と100面の回折強度(I100)との強度比(I002/I100)が1以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の積層体。
  9. 表面に露出しているAl系III族窒化物単結晶層の主表面に複数の凹部又は凸部が設けられてなることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の積層体。
  10. Al系III族窒化物単結晶を製造する方法であって、請求項6乃至9の何れかに記載の積層体のAl系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層を構成するAl系III族窒化物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させる工程を含むことを特徴とする方法。
  11. Al系III族窒化物単結晶基板を製造する方法であって、請求項6乃至9の何れかに記載の積層体のAl系III族窒化物単結晶層上に、該Al系III族窒化物単結晶層を構成するAl系III族窒化物と同一又は類似する組成を有するAl系III族窒化物単結晶をエピタキシャル成長させて第二のAl系III族窒化物単結晶層を形成する工程を含むことを特徴とする方法。
  12. 第二のAl系III族窒化物単結晶層の少なくとも一部を分離する工程を更に含む請求項11に記載の方法。
  13. 酸素濃度が2.5×1017atom/cm以下であり、23℃でのフォトルミネッセンス測定における発光波長が210nmのスペクトル強度(A)と360nmのスペクトル強度(B)との比(A/B)が0.50以上である窒化アルミニウム単結晶基板。
  14. 珪素濃度が5.5×1017atom/cm以下である請求項13に記載の窒化アルミニウム単結晶基板。
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