JP2003089283A - 感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂か
らなる多孔性樹脂を有し、更にその表面に繊維状物質
からなる多孔性繊維を積層してなる感熱孔版印刷用原
紙において、多孔性樹脂と多孔性繊維の接着をイン
キ通過性を妨げない接着剤の付着量範囲で行ない、且つ
接着強度を高めることで、印刷時の原紙伸び、切れを防
止する支持体を有する感熱孔版印刷用原紙及び製造方法
を提供でき、また同時に少ないインキ付着量で印刷ムラ
がなく、印刷物の裏汚れが少ない感熱孔版印刷用原紙及
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多
孔性樹脂を有し、更にその表面に繊維状物質からなる
多孔性繊維が接着剤を介して接合されてなる感熱孔版
印刷用原紙において、該接着剤の付着量が0.05〜
1.5g/mの範囲であり、且つ該多孔性樹脂と該
多孔性繊維の接着強度が0.8〜50.0N/mの範
囲であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンランプ、
キセノンランプ、フラッシュバルブなどによる閃光照射
や赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるい
はサーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印
刷用原紙並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性フィルムにインキ通過性
の支持体として、天然繊維、合成繊維の単独又は混抄し
た多孔性薄葉紙を接着剤で貼り合わせた感熱孔版原紙が
用いられている。しかし、こうした繊維から成る多孔性
薄葉紙を支持体として用いた感熱孔版印刷用原紙は、次
のような問題点がある。 (1)接着剤を用い多孔性薄葉紙とフィルムを貼り合わ
せることにより、接着剤が多孔性薄葉紙の繊維間に鳥の
水掻きのように集積し、その部分がサーマルヘッドによ
る穿孔が行なわれにくくなり、インキの通過が妨げられ
印刷ムラが発生しやすくなる。 (2)多孔性薄葉紙の繊維自体がインキの通過を妨げ、
印刷ムラが発生しやすくなる。 (3)多孔性薄葉紙の繊維目によりフィルム面の平滑性
が低下しサーマルヘッドとの密着が悪く未穿孔部ができ
るため印刷ムラが発生する。
【0003】こうした問題を改善するためにいくつかの
提案がなされているが、いまだ満足するものは得られて
いない。例えば、特開平3−193445号公報に、多
孔性支持体として、繊度1デニール以下の合成繊維から
成る薄葉紙を用いることが提案されているが前記の問題
解決には充分とはいえない。特開昭62−198459
号公報に、熱可塑性フィルムに実質的に閉じた形状の放
射線硬化型樹脂パターンをグラビア、オフセット、フレ
キソ等の印刷により多孔性支持体を形成する方法が提案
されている。しかし、印刷法では樹脂パターンの線幅を
50μm以下にすることは困難であり、印刷部が穿孔で
きず、印刷ムラとなる。
【0004】また、特開平3−240596号公報に
は、水分散性ポリマーとコロイダルシリカから成る分散
液を熱可塑性フィルムの表面に塗布、乾燥し、多孔性支
持体を設け、粘度の低いインキジェット用インキで印刷
する方法が提案されている。しかし、この方法では多孔
層の開孔径が小さく、従来用いられている孔版用印刷イ
ンキではインキの通過が悪く、充分な印刷濃度が得られ
ない。一方、特開昭54−33117号公報には、多孔
性支持体を用いない実質的に熱可塑性フィルムのみから
成る感熱孔版印刷用原紙が提案されている。この方法で
は熱収縮率が高く、フィルム厚み3μm以下のフィルム
ではサーマルヘッドによる穿孔性も良好で印刷品質は優
れているが、腰が低く印刷機での搬送ができない問題が
ある。搬送をよくするため厚いフィルムを使用するとサ
ーマルヘッドによる穿孔性が低下し、印刷ムラが発生す
る。
【0005】また、穿孔性を改善するため接着層として
微多孔性樹脂を含む接着層を設けることが提案されてい
る(特開平9−52469号公報記載)。しかし、接着
層として微多孔性層を塗布後直ちに多孔性支持体とウエ
ットラミネート法により貼り合わされるため、微多孔層
ができにくいと共に、印刷時、ベタ画像に多孔性支持体
の繊維による白抜けが発生し易い問題点がある。
【0006】熱可塑性フィルムの片面に多孔性樹脂層を
設けた感熱孔版原紙が従来から公表(特許第26122
66号公報、特開平11−309954号公報)されて
いるが、これらは、熱可塑性フィルムの片面に多孔性樹
脂層を介して多孔性樹脂層を設けるものではない。本発
明者等は、先に熱可塑性フィルムの片面に多孔性樹脂層
を設けた感熱孔版原紙を提案した(特開平8−3327
85号公報、特開平10−24667号公報、特開平1
1−235885号公報記載)。しかしながら、樹脂膜
のみでコシ(Stiffness)を強くすることは困難であ
り、印刷機上で搬送時にシワが入る等の問題があった。
この問題を解決すべく、本発明者等はその後に特開平1
0−147075号公報、特開平10−236011号
公報にて、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂か
らなる多孔性樹脂層を有し、更にその表面に繊維状物質
からなる多孔性繊維層を積層してなる感熱孔版印刷用原
紙を提案した。この感熱孔版印刷用原紙は、従来の感熱
孔版印刷用原紙の多孔性支持体部分の機能分離をすると
いう考えから発案されたもので、多孔性樹脂層でインキ
制御を行ない、多孔性繊維層で搬送性や耐刷性に必要な
コシ・強度を補強するというものである。
【0007】しかしながら特開平10−236011号
公報に開示されている、多孔性樹脂層の多孔層形成過程
で多孔性繊維層を重ね合せ該多孔性樹脂層を接着剤とし
て用いるという方法においては、多孔性膜の形成を妨げ
てしまい、目的とする多孔層が得られないという問題が
あった。また、特開平10−147075号公報に開示
されている、接着剤を用いて多孔性樹脂層と多孔性繊維
層を貼り合せる方法においては、高粘度の接着剤を使用
することで多孔性樹脂層の開口部を埋めることなく貼り
合せることは可能であったが、実施例で使用されている
ポリエチレン系等の熱可塑性型の接着剤では、耐刷時に
必要な多孔性樹脂層と多孔性繊維層の接着強度を得るた
めには、接着剤付着量を多くする必要があり、インキ通
過性が悪化してしまい、また、インキ通過性を向上させ
るために接着剤の付着量を減らしていくと、耐刷時に多
孔性樹脂層と多孔性繊維層が剥がれてしまい版が破れて
しまう等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、本発明
の目的は熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂から
なる多孔性樹脂層を有し、更にその表面に繊維状物質か
らなる多孔性繊維層を積層してなる感熱孔版印刷用原紙
において、多孔性樹脂層と多孔性繊維層の接着をインキ
通過性を妨げない接着剤の付着量範囲で行ない、且つ接
着強度を高めることで、印刷時の原紙伸び、切れを防止
する支持体を有する感熱孔版印刷用原紙及び製造方法を
提供でき、また同時に少ないインキ付着量で印刷ムラが
なく、印刷物の裏汚れが少ない感熱孔版印刷用原紙及び
その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、該
多孔性樹脂層と多孔性繊維層との接着に関して検討して
きた結果、本発明の感熱孔版印刷用原紙の層構成は、熱
可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂層が隣接してなり、更
に、該多孔性樹脂層の反対側の面に多孔性繊維層が積層
されているため、本発明の課題である多孔性樹脂層と多
孔性繊維層との接着に関しては、従来の熱可塑性樹脂フ
ィルムと多孔性繊維層との接着のように穿孔性への影響
を考慮する必要がなく、多孔性樹脂層の開口部を埋める
ことなく耐刷時にハガレの発生しない接着力が要求され
ることが判明した。本発明はそれによりなされたもので
ある。
【0010】ここで言う“多孔性樹脂層”とは、溶剤に
溶かした樹脂を析出させる等により形成される多孔性の
膜で、フィルム上にフィルムを床に例えると図1の多数
の天井のあるセルの集合体、又は図2のハニカム状のセ
ルの集合体、図3の連泡状セルの集合体からなる泡状皮
膜、図4の粒形状の樹脂がくっつきあってできている集
合体状皮膜などによって形成される膜を意味している。
上記した多孔性樹脂層の平均開孔径は、従来の繊維より
なる多孔性支持体に比べ小さくすることが可能であり、
特に5〜20μmの範囲においては、一般に孔版印刷用
として用いられるW/O型エマルションインキの分散性
に優れ、高画質、特にベタ埋りの優れた印刷物を得るこ
とができる。また、多孔性樹脂層の一つ一つの孔は厚み
方向には連続しているが、ヨコ方向への繋がりは少な
く、インキの回り込みを少なくできるので、従来の繊維
よりなる多孔性支持体と同じ平均開孔径であっても過剰
なインキ通過を抑制でき、裏移りに対して効果がある。
また多孔性樹脂層の形状としては、インキ分散性の点で
ハニカム状のセルの集合体が最も好ましいが、製法面か
らするとW/O型エマルションを主体とする流動体を熱
可塑性樹脂フィルム上に塗布、乾燥して形成する方法が
塗工安定性の面で好ましく、また形状も泡状皮膜ではあ
るがハニカム状に限りなく近づけることが可能であり好
ましい。
【0011】また多孔性繊維層とは、図5に示すような
繊維状物質が多数重なり合うことで形成される多孔性の
膜を意味している。この多孔性繊維層は従来の孔版印刷
用原紙の多孔性支持体と同じ構造であり、多孔性樹脂層
に比べ機械的な強度が得られやすいという特徴がある。
多孔性繊維層の平均開孔径は使用する繊維の太さ、坪量
等により影響を受けるが、上記した多孔性樹脂層より大
きく、通常25〜60μm程度である。
【0012】而して、上記課題は、本発明の(1)「熱
可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多孔性樹脂層を有
し、更にその表面に繊維状物質からなる多孔性繊維層が
接着剤を介して接合されてなる感熱孔版印刷用原紙にお
いて、該接着剤の付着量が0.05〜1.5g/m
範囲であり、且つ該多孔性樹脂層と該多孔性繊維層の接
着強度が0.8〜50.0N/mの範囲であることを特
徴とする感熱孔版印刷用原紙」、(2)「前記接着剤が
主として湿気硬化型ウレタン接着剤であることを特徴と
する前記第(1)項に記載の感熱孔版印刷用原紙」、
(3)「前記接着剤が主として電離放射線硬化型接着剤
であることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱孔
版印刷用原紙」、(4)「前記多孔性樹脂層の乾燥後の
付着量が0.5g/m〜10.0g/mの範囲であ
ることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱孔版印
刷用原紙」、(5)「前記多孔性樹脂層の乾燥後の付着
量が1.0g/m〜5.0g/mの範囲であること
を特徴とする前記第(1)項に記載の感熱孔版印刷用原
紙」、(6)「前記多孔性樹脂層がW/O型樹脂エマル
ジョンを塗布乾燥して形成された泡状皮膜であることを
特徴とする前記第(1)項に記載の感熱孔版印刷用原
紙」、(7)「前記多孔性繊維層の坪量が1.0g/m
〜15.0g/mの範囲であることを特徴とする前
記第(1)項に記載の感熱孔版印刷用原紙」、(8)
「前記多孔性繊維層の坪量が3.0g/m〜10.0
g/mの範囲であることを特徴とする前記第(1)項
に記載の感熱孔版印刷用原紙」により達成される。
【0013】また、上記課題は、本発明の(9)「熱可
塑性樹脂フィルムの一方の面上に多孔性樹脂層を形成す
るための塗布液を塗布し、少なくとも該多孔性樹脂層の
最外表層が乾燥・皮膜化した後に、接着剤が塗布された
多孔性繊維層と貼り合せることを特徴とする前記第
(1)項及至第(8)項の何れか1に記載の感熱孔版印
刷用原紙の製造方法」、(10)「感熱孔版印刷用原紙
から作成された感熱孔版原版を用いる感熱孔版印刷方法
であって、感熱孔版印刷用原紙として前記第(1)項乃
至第(8)項の何れか1に記載の原紙を使用し、この原
紙に模様状に熱を適用することにより孔版印刷インキが
通過する孔部を穿孔し、孔部が穿孔された原紙を介して
孔版印刷インキを被印刷表面に模様状に供給することを
特徴とする感熱孔版印刷方法」により達成される。
【0014】更にまた、上記課題は、本発明の(11)
「感熱孔版印刷用原紙から作成された感熱孔版原版を搭
載した感熱孔版印刷装置であって、感熱孔版印刷用原紙
として前記第(1)項乃至第(8)項の何れか1に記載
の記載の原紙が用いられることを特徴とする感熱孔版印
刷装置」、(12)「感熱孔版印刷用原紙が装着される
多孔性の印刷ドラムと、印刷インクを該印刷ドラムの印
圧部の胴内裏側に供給する印刷インク供給手段と、印刷
ドラムの該印圧部で、該印刷ドラムの非圧接位置から圧
接位置に移動して印刷インクを胴外に排出可能な印刷ド
ラムプレス手段と、印刷ドラムの該印圧部に印刷用紙を
搬送する印刷用紙搬送手段とを有することを特徴とする
前記第(11)項に記載の感熱孔版印刷装置」により達
成される。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。上記のよ
うに、第(1)の本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの一
方の面上に多孔性樹脂層を有し、更にその表面に繊維状
物質からなる多孔性繊維層が接着剤を介して接合されて
なる感熱孔版印刷用原紙において、該接着剤の付着量が
0.05〜1.5g/mの範囲であり、且つ多孔性樹
脂層と該多孔性繊維層の接着強度が0.8〜50.0N
/mの範囲であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙
である。
【0016】この感熱孔版印刷用原紙においては、種々
検討の結果、インキ通過機能を有する多孔質体同士の多
孔性樹脂層と多孔性繊維層を接着剤により接着するた
め、必要以上の接着剤が存在するとインキ通過の妨げと
なり、また、少なすぎると均一の塗工が困難でありデラ
ミ等の問題や、また搬送時・耐刷時に多孔性樹脂層と多
孔性繊維層がハガレてしまいトラブルの原因となるの
で、接着剤の付着量範囲は0.05〜1.5g/m
あることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0g
/m、更に好ましくは0.15〜0.8g/mの範
囲であることを知見した。また、前記した搬送時・耐刷
時に多孔性樹脂層と多孔性繊維層がハガレるという問題
に対しては、接着強度が重要となる。この接着強度は
0.8N/m以上が好ましく、更に好ましくは1.6N
/m以上である。接着強度が0.8N/mより小さい
と、ハンドリング及び搬送時に多孔性樹脂層と多孔性繊
維層間で剥離が発生し、シワの原因となるばかりでな
く、耐刷時に伸び、ハガレ、破れといった問題も引き起
こす。接着強度の上限に関しては、多孔性樹脂層と多孔
性繊維層の接着強度が多孔性樹脂層内部の層内接着強度
以上になれば飽和するため、多孔性樹脂層内部の層内接
着強度に依存するが、通常50N/m以下程度である。
また、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂層間の接着強
度も重要であり、0.8N/m以上が好ましい。0.8
N/m以下では上記と同様な問題が発生する。さらに種
々検討の結果、この多孔性樹脂層と該多孔性繊維層の接
着強度が0.8〜50.0N/mの範囲は、接着剤の付
着量の範囲0.05〜1.5g/m、で良好に実現さ
れることを知見した。
【0017】これら特性の測定は、以下の方法による。 1)接着剤付着量の測定方法 接着剤を塗布・乾燥した多孔性繊維層25×25cm
と、塗布していない多孔性繊維層25×25cmとの重
量差を求めg/mに換算したものを接着剤付着量とす
る。 2)接着強度の測定方法 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性樹脂層との接着強度 感熱孔版印刷用原紙から多孔性繊維層のみを剥離し、多
孔性樹脂層の多孔性繊維層を剥離した面にセロハンテー
プ(登録商標)を空気が入らないように貼付け、JIS
K6854−1に準拠した90度剥離試験により測定
する。なお、この際、セロハンテープを貼り付けた多孔
性樹脂層を固定し、熱可塑性樹脂フィルムを引張り測定
を行なう。多孔性繊維層のみを剥離できない場合は、セ
ロハンテープを貼り付けず、多孔性繊維層と多孔性樹脂
層の積層物を固定して測定する。なお、サンプルの幅は
25mmとし、1m幅当りの接着強度に換算しN/mと
して表示する。 多孔性樹脂層と多孔性繊維層との接着強度 感熱孔版印刷用原紙から熱可塑性樹脂フィルムのみを剥
離し、多孔性樹脂層の熱可塑性樹脂フィルムを剥離した
面にセロハンテープを空気が入らないように貼付け、J
IS K6854−1に準拠した90度剥離試験により
測定する。なお、この際、セロハンテープを貼り付けた
多孔性樹脂層を固定し、多孔性繊維層を引張り測定を行
なう。熱可塑性樹脂フィルムのみを剥離できない場合
は、セロハンテープを貼り付けず、熱可塑性樹脂フィル
ムと多孔性繊維層の積層物を固定して測定する。なお、
サンプルの幅は25mmとし、1m幅当りの接着強度に
換算しN/mとして表示する。
【0018】第(1)の本発明は、湿気硬化型ウレタン
接着剤を主として用いた第(2)の本発明により、好適
に実現することができる。ここで、「主とする」とは上
記条件を満たす接着剤樹脂のうち、硬化が簡便かつ確実
に進行するに必要な量であり、フィラー等の樹脂成分以
外の成分含有量、硬化条件等にもよるが、一般的には硬
化後の接着剤樹脂成分のうち40%以上がウレタン接着
剤であることを意味する。多孔性樹脂層に使用されるポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポ
リマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、ス
チレン−アクリロニトリルコポリマー等のようなビニル
系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミド、ポリ
フェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エステル、
ポリカーボネート、ポリウレタン、アセチルセルロー
ス、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピルセル
ロース等のセルロース誘導体等の樹脂と多孔性繊維層に
使用されるガラス、セピオライト、各種金属などの鉱
物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、綿、マニラ麻、
コウゾ、ミツマタ、パルプ等の天然繊維、スフ、レー
ヨンなどの再生繊維、ポリエステル、ポリビニルアル
コール、アクリルなどの合成繊維、カーボンファイバ
などの半合成繊維、ウィスカ構造を有する無機繊維等
の物質を接着させるに際し、特に湿気硬化型ウレタン接
着剤を用いることで、少ない付着量で効率的に所望の接
着強度を得ることが判明した。この要因はいくつか考え
られるが、上記基材表面に介在する水成分と本発明に用
いられる湿気硬化型ウレタン接着剤のイソシアネート成
分との反応により得られる化学的な結合力によるものが
最も寄与の高いものと考えられる。
【0019】本発明に用いられる湿気硬化型ウレタン接
着剤としては、両末端に水酸基を有するポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリオール等のポリオール成分
とイソシアネート成分の反応により得られる一液湿気硬
化型のウレタンプレポリマーや、またはポリオール成分
とイソシアネート成分に分かれた二液硬化型の接着剤が
挙げられるが特に限定されるものではない。イソシアネ
ート成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、2,4−ジイソシアネート−1−メチル
シクロヘキサン、2,6−ジイソシアネート−1−メチ
ルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロブタン、テ
トラメチレンジイソシアネート、O−、m−、およびp
−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、ヘキサヒドロメタキシリ
デンジイソシアネート(HXDI)、およびリジンジイ
ソシアネートアルキルエステル(該アルキルエステルの
アルキル部分は1〜6個の炭素原子を有することが望ま
しい)等のような樹脂族または脂環式ジイソシアネー
ト:トルイレン−2,4−ジイソシアネート(TD
1)、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、ク
ロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタリ
ン1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−
ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−
4,4’−ジイソシアネート、1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートおよびジフ
ェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート:並びにこれらの混合物が用いられる。
【0020】湿気硬化型ウレタン接着剤を用いた場合、
ロール状に巻かれた感熱孔版印刷用原紙を反応を促進さ
せる目的で、キュアを行なうことが好ましい。キュアの
温度として好ましくは50℃以下であり、更に好ましく
は40℃以下である。50℃以上では、熱可塑性樹脂フ
ィルムの収縮が発生しカールの問題が起こる。キュア時
間は、目的とする接着力が得られるまで行なわれれば良
く、特に限定させるものではない。
【0021】第(3)の本発明は、硬化型接着剤が主と
して電離放射線硬化性接着剤であることを特徴とする前
記第(1)記載の感熱孔版印刷用原紙である。この本発
明によれば、湿気硬化型ポリウレタン接着剤と同様に低
付着量で所望の接着強度を得ることができ、更にキュア
時間を短縮することが可能となる。
【0022】電離放射線硬化性接着剤は主として、その
構造中にラジカル重合性の二重結合を有するポリマー、
例えば比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の(メ
タ)アクリレートとラジカル重合性の単官能モノマーや
多官能モノマー等を含有するものであって、更に必要に
応じて光重合開始剤を含有し電子線や紫外線によって重
合架橋するものであり、これら従来の電離放射線硬化性
接着剤はいずれも本発明で使用することができるが、接
着強度及び柔軟性の面から主としてウレタンアクリレー
ト系オリゴマ−からなる電離放射線硬化型接着剤を用い
るのが特に好ましい。
【0023】本発明に用いられるウレタンアクリレート
は、多価アルコール、多価イソシアネートおよび水素基
含有アクリレートを反応させることによって得ることが
でき、例えばアジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、テ
レフタル酸などの有機多塩基酸とエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコール類とのポ
リエステルジオールと、トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添
加トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジ
イソシアネートと、2−ヒドキシエチルアクリレートと
の不可反応生成物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の
ポリエーテルジオールと、トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添
加トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジ
イソシアネートと、2−ヒドロキシエチルアクリレート
との付加反応生成物等を挙げることができる。
【0024】単官能モノマーとしては、ビニル系モノマ
ー、例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アク
リルアミド、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニル
エステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合物、
スチレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(β−(メ
タ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等が挙
げられる。
【0025】また、光重合開始剤としては、単官能のも
のとしては2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフ
ェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、テチ
ラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフル
フリール誘導体のアクリレートが挙げられる。また、多
官能のものとしては、ジシクロベンテニルアクリレー
ト、ジシクロベンテニルオキシエチルアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジアール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ネオベンチルグリコール400ジアクリレート、ポ
リエチレングリコール400ジアクリレート、ヒドロキ
シビバリン酸エステルネオベンチルグリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
1,3−ビス(3’−アクリルオキシエトキシ−2’−
ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイ
ン、ヒドロキシビバリン酸エステルネオベンチルグリコ
ール誘導体のジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が
挙げられる。
【0026】電離放射線硬化性接着剤の場合には、ラミ
ネートしながら或いはラミネート後に熱可塑性樹脂フィ
ルム側もしくは多孔性繊維層側から電離放射線を照射し
て接着層を硬化させることにより、本発明の感熱孔版印
刷用原紙が得られるが、電離放射線を有効に当てるため
に多孔性繊維層側から照射する方が好ましい。使用する
電離放射線としては電子線が好ましく使用されるが、上
記接着剤中に光重合開始剤を配合することで紫外線も使
用できる。
【0027】放射線照射には従来技術がそのまま使用で
き、例えば電子線硬化の場合には、コックロフトワルト
ン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器
型、直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50
〜1000keV、好ましくは100〜300keVの
エネルギーを有する電子線等が使用される。また、紫外
線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水
銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライ
ドランプ等の光源から発する紫外線等が利用され、特に
320〜450nmの発光波長の間に連続波長を有する
メタルハライドランプまたは無電極放電ランプDバルブ
を用いると硬化速度を向上できるので好ましい。これら
放射線を照射すると雰囲気温度が上昇し、熱可塑性樹脂
フィルム等が収縮する恐れがあるので、冷却装置を有す
るものが好ましい。本発明において電離放射線により硬
化されるべき接着剤は多孔性繊維層と多孔性樹脂層に挟
まれており、どちらも光の透過性はそれほど良くないた
め、電子線による硬化方法が最も好ましい。
【0028】第(9)の本発明は、熱可塑性樹脂フィル
ムの一方の面上に多孔性樹脂層を形成するための塗布液
を塗布し、少なくとも該多孔性樹脂層の最外表層が乾燥
・皮膜化した後に、接着剤が塗布された多孔性繊維層と
貼り合わせることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(8)項の何れか1に記載の感熱孔版印刷用原紙の製造
方法である。
【0029】多孔性樹脂層と多孔性繊維層との接合時に
多孔性樹脂層の形成を妨げないようにするためには、少
なくとも熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多孔性樹
脂層を形成するための塗布液を塗布してから、該多孔性
樹脂層の最外表層が乾燥・皮膜化した後に接合させるこ
とが好ましく、更に好ましくは、多孔性樹脂層の形成が
完了してから接合させる。
【0030】また、接着剤を塗布する面としては、多孔
性樹脂層の開口部を閉塞しないために多孔性繊維層側に
塗工することが好ましい。硬化により接着剤は収縮して
体積減少するが、その割合は一般的に多くはないので、
閉塞された開口部を硬化反応のみにより再度開くのは困
難である。
【0031】したがって、塗工する接着剤の粘度は、多
孔性樹脂層と多孔性繊維層の積層後に多孔性樹脂層の孔
に入り込まないような高粘度のものが良く、好ましくは
接着剤が完全に硬化するまでの粘度が300cps以上
であり、更に好ましくは500cps以上である。粘度
が300cps以下であると多孔性樹脂層と貼り合せ後
に開口部を閉塞しインキ通過性を阻害してしまう。
【0032】接着剤を多孔性繊維層に塗工する場合、塗
工時の接着剤粘度が3000cps以上であると多孔性
繊維層の繊維脱落が起こり易くなり塗工不良が発生する
ので、塗工ロールを加熱する等で粘度を下げ、3000
cps以下に調整し塗工するのが好ましい。
【0033】接着剤を上記した粘度範囲で多孔性繊維層
側に塗布することで、多孔性繊維層の極表面にのみ接着
剤を介在させることができ、インキの通過をほとんど妨
げることなく接着を行なうことができる(図6、図7の
電顕写真参照)。いわゆる点状での接着である。
【0034】接着剤の塗工方法としては、酢酸エチル等
の有機溶剤で希釈された塗工液を多孔性繊維層に塗布し
乾燥した後、多孔性樹脂層と貼り合せる方法もあるが、
環境面及び残留溶剤の問題より、無溶剤のまま塗工する
方法が好ましい。
【0035】接着剤の塗布方法は、ブレードコーティン
グ方法、リバースロールコーティング方法、グラビアコ
ーティング方法、ナイフコーティング方法、スプレーコ
ーティング方法、オフセットグラビアコーティング方
法、キスコーティング方法、バーコーティング方法、ロ
ールコーティング方法等いずれの方法でも良く、特に限
定されない。
【0036】以下、その他本発明に関する孔版材料の材
料について記載する。本発明における基材となる熱可塑
性樹脂フィルムは、例えばポリエステル、ポリアミド、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデンまたはその共重合体など従来公知のもの
が用いられるが、穿孔感度の点からポリエステルフィル
ムが特に好ましく用いられる。
【0037】ポリエステルフィルムに用いられるポリエ
ステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を挙
げることができる。穿孔感度を向上するために特に好ま
しくは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等
を挙げることができる。
【0038】本発明における熱可塑性樹脂フィルムには
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤
等を配合することができる。更には、必要に応じて易滑
性を付与することもできる。易滑性付与方法としては特
に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは
乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等
を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、内部粒子
による方法、界面活性剤を塗布する方法等がある。
【0039】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚
さは、通常好ましくは0.1〜5.0μmであり、更に
好ましくは0.1〜3.0μmである。厚さが5.0μ
mを超えると穿孔性を低下する場合があり、0.1μm
より薄いと製膜安定性が悪化したり、耐刷性が低下する
場合がある。
【0040】本発明における多孔性樹脂層は、層の内部
及び表面に多数の空隙を持つ構造を有するものであれば
良く、該空隙がインキの通過性の点から多孔性層内にお
いて厚さ方向に連続構造であるものが望ましい。
【0041】本発明において、多孔性樹脂層の平均孔径
は一般に1μm以上50μm以下、好ましくは3μm以
上30μm以下、更に好ましくは5μm以上20μm以
下である。平均孔径が1μmに満たない場合には、イン
キ通過性が悪い。そのため、充分なインキ通過量を得る
ために低粘度インキを用いると、画像にじみや印刷中に
印刷ドラムの側部や巻装されている原紙の後端から印刷
インキがしみ出す現象が発生する。また、多孔質樹脂層
内の空膜率が低くなることが多く、サーマルヘッドによ
る穿孔を阻害しやすくなる。一方、平均孔径が50μm
を越える場合には、多孔性樹脂層によるインキの抑制効
果が低くなり、印刷時に印刷ドラムとフィルムの間のイ
ンキが過剰に押し出され、裏汚れやにじみ等の不具合が
発生する。即ち、平均孔径は小さすぎても大きすぎても
良好な印刷品質が得られない。
【0042】特に、多孔性樹脂層内の空隙の平均孔径が
20μm以下である場合、多孔性樹脂膜層が厚いほど印
刷インキが通りにくくなるので、この層の厚みによって
インキの印刷用紙への転写量を制御することができる。
そして、層の厚さが不均一であると印刷むらを生じるこ
とがあるので、厚みは均一であることが望ましい。
【0043】本発明の多孔性樹脂層の厚みは、2μm以
上、100μm以下、望ましくは5μm以上、50μm
以下である。5μmに満たない場合は、サーマルヘッド
による穿孔後に穿孔部の背後に多孔性樹脂層が残りにく
く、インキ転写量が制御されずに印刷物の裏汚れが発生
しやすい。また、多孔性樹脂層のインキ転写量抑制効果
は膜が厚いほど大きく、印刷時の紙へのインキ転写量は
多孔性樹脂層の厚みによって調節できる。
【0044】多孔性樹脂層の密度は、通常0.01g/
cm以上、1g/cm以下で、望ましくは0.1g
/cm以上、0.7g/cm以下である。密度が
0.01g/cm未満だと膜の強度が不足し、また膜
自体も壊れやすい。多孔性樹脂層の付着量は0.5〜1
0.0g/mの範囲内であればインク通過性が良くベ
タ埋り品質に優れ、1.0〜5.0g/mでは更にベ
タ埋り品質が向上する。付着量が10.0g/m以上
ではインキの通過を妨げて印刷立上りを悪くし、0.5
g/m以下ではインキ転写量の制御が困難となる。
【0045】多孔性樹脂層を構成する樹脂材料として
は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のような
ビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミ
ド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アセチルセ
ルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピ
ルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。各
樹脂は2種以上を混合して用いても良い。
【0046】なお、多孔性樹脂層の形成、強度、孔径の
大きさ等を調節するために、多孔性樹脂層中に必要に応
じてフィラーなどの添加剤を添加することが望ましい。
ここにおいてフィラーとは顔料、粉体や繊維状物質も含
まれる概念である。その中で特に針状のフィラーが好ま
しい。その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、セピ
オライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、ゾノ
トライト、石膏繊維、等の鉱物系針状フィラー、非酸化
物系針状ウイスカ、酸化物系ウイスカ、複酸化物系ウイ
スカ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラスフレ
ーク、タルク等の板状フィラーが挙げられる。
【0047】顔料は無機のみならず有機の顔料、あるい
はポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メ
チル等の有機ポリマー粒子そして酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、シリカである。松本油脂製薬株式
会社のマイクロカプセル、マツモトマイクロスフィアー
も有効に利用できる。これら添加剤の添加量としては好
ましくは樹脂に対して5%〜200%である。5%以下
では、添加剤を加えることによる曲げ剛度が高くならな
い。逆に200%以上では、フィルムとの接着性が悪く
なる。
【0048】本発明の多孔性樹脂層には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防止剤、
界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用することができ
る。
【0049】次に、本発明の感熱孔版印刷用原紙の多孔
性樹脂層の形成方法について説明する。第1の多孔性樹
脂層の形成方法は、樹脂を良溶媒と貧溶媒との混合溶媒
中に溶解及び/又は分散して得た塗工液を塗布し乾燥過
程で多孔質層を形成するものである。このとき、良溶媒
は相対的に貧溶媒より低温で蒸発しやすい組み合わせが
必要である。良溶媒と貧溶媒をそれぞれ一種ずつ用いる
場合には、良溶媒の沸点は相対的に貧溶媒の沸点より低
くなければならない。良溶媒と貧溶媒の選定は任意であ
るが、一般には沸点差が15〜40℃である場合に所望
の特性を持つ多孔性樹脂層が形成されやすい。沸点差が
10℃未満の場合には、両溶媒の蒸発時間差が小さく、
形成される膜が多孔性構造になリにくい。貧溶媒の沸点
が高すぎる場合には、乾燥に時間がかかり生産性に劣る
ため、貧溶媒の沸点は150℃以下であることが望まし
い。
【0050】塗布液中の樹脂濃度は使用する材料によっ
て異なるが5〜30%である。5%未満では開口径が大
きくなりすぎたり、多孔性樹脂層の厚みのむらが生じや
すい。逆に、30%を超えると多孔性樹脂層が形成され
にくく、あるいは形成されても孔径が小さくなり所望の
特性は得られにくい。
【0051】多孔性樹脂層の平均孔径の大きさは雰囲気
中の貧溶媒の影響を受け、一般にその良溶媒に対する割
合が高いほど凝結量が多くなり、平均孔径は大きくな
る。貧溶媒の添加比率は樹脂、溶媒により異なるので受
験により適宜決定する必要がある。一般的に、貧溶媒の
添加量が多くなるに従い多孔質樹脂層の孔径が大きくな
る。貧溶媒の添加量が多すぎると樹脂が析出し塗布液が
不安定になる。
【0052】第2の多孔性樹脂層の形成方法としては、
特開平11−235885号公報にて開示されている、
W/O型エマルジョンを主体とする流動体を薄層上に塗
布、乾燥して形成されるものであり、主として水の部分
が乾燥後インクが通過する孔となり、溶剤中の樹脂(フ
ィラー、乳化剤等の添加物が含まれていてもよい)が構
造体となる方法である。この方法においても多孔膜の形
成、強度、孔径の大きさ、コシ等を調節するために、多
孔膜中に必要に応じて前記フィラーなどの添加剤を添加
することができる。その中で特に針状、板状、もしくは
繊維状のフィラーが好ましい。
【0053】W/O型エマルジョンの形成には比較的親
油性の強い、HLB(Hydrophiric-Lyophiric Balance)
が4〜6の界面活性剤が有効であるが、水層にもHLB
が8〜20の界面活性剤を使用するとより安定で均一な
W/Oエマルジョンが得られる。高分子界面活性剤の使
用も、より安定で均一なエマルジョンを得る方法の一つ
である。また、水系にはポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸等の増粘剤の添加がエマルジョンの安定化に有
効である。本発明の多孔性樹脂層の形成方法は上記に例
示した方法に限定されるものではない。
【0054】本発明の多孔性樹脂層形成用塗布液の熱可
塑性樹脂フィルムへの塗布方式としてはブレード、トラ
ンスファーロール、ワイヤーバー、リバースロール、グ
ラビア、ダイ等の従来一般的に用いられている塗布方式
が使用でき、特に限定されるものではない。
【0055】本発明における多孔性繊維層としては、
ガラス、セピオライト、各種金属などの鉱物繊維、羊
毛、絹などの動物繊維、綿、マニラ麻、コウゾ、ミツ
マタ、パルプ等の天然繊維、スフ、レーヨンなどの再
生繊維、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アク
リルなどの合成繊維、カーボンファイバなどの半合成
繊維、ウィスカ構造を有する無機繊維などの薄葉紙が
挙げられる。
【0056】この場合、繊維状物質の太さは熱可塑性樹
脂フィルムの穿孔直径、フィルムの厚さなどにより適当
なものを選択する必要があるが、直径20μm以下、好
ましくは1〜10μmである。直径が1μmより小さい
と引張り強度が弱く、20μmより大きいとインキ通過
が妨げられて画像にいわゆる繊維による白抜けが現われ
たりする。また、繊維状物質の長さは0.1〜10mm
程度が好ましく、更に好ましくは1〜6mm程度であ
る。0.1mmより短いと引張り強度が弱くなり、10
mmより長いと分散が均一に行ないづらくなる。
【0057】発明における多孔性繊維層の坪量は、1〜
20g/mの範囲内であれば搬送性・耐刷性に必要な
コシ・強度及び優れたインキ通過性が得られ、2〜15
g/mではインキ通過性が更に向上する。また、3〜
10g/mの範囲では加えてインクの付着ムラが少な
くなり画像上のベタ均一性が向上する。坪量が15g/
を超えると,インキの通過性が低下して画像鮮明性
が低下する。また坪量が1g/mより少ないと支持体
として充分な強度を得られない場合がある。
【0058】本発明における繊維状物質からなる多孔性
繊維層は、短繊維を抄紙した抄造紙であっても良いし、
不織布や織物であっても良いし、スクリーン紗などであ
っても良いが、生産性、コスト面等より抄造紙が好まし
く用いられる。
【0059】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、フィルム
のサーマルヘッドに接触すべき片面に穿孔時の融着を防
止するため、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フ
ッソ系樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、耐熱剤、酸化防
止剤、有機粒子、無機粒子、顔料、分散助剤、防腐剤、
消泡剤等からなる薄層を設けることが望ましい。該融着
防止の薄層の厚みは好ましくは0.005〜0.4μ
m、より好ましくは0.01〜0.4μmである。
【0060】本発明の感熱孔版印刷用原紙において、融
着防止の薄層を設ける方法は特に限定されないが、水、
溶剤等に希釈した溶液をロールコーター、グラビアコー
ター、リバースコーター、バーコーター等を用いて塗布
し、乾燥するのが好ましい。
【0061】図8は、本発明の一実施例である感熱孔版
印刷装置を示している。まず、同図を参照してこの感熱
孔版印刷装置の全体構成と孔版印刷のプロセスを簡単に
説明する。
【0062】同図において、符号(50)は装置本体キ
ャビネットを示す。装置本体キャビネット(50)の上
部にある、符号(80)で示す部分は原稿読取部を構成
し、その下方の符号(90)で示す部分は製版給版部、
その左側に符号(100)で示す部分は多孔性の印刷ド
ラム(101)が配置された印刷ドラム部、その左の符
号(70)で示す部分は排版部、製版給版部(90)の
下方の符号(110)で示す部分は給紙部、印刷ドラム
(101)の下方の符号(120)で示す部分は印圧
部、装置本体キャビネット(50)の左下方の符号(1
30)で示す部分は排紙部をそれぞれ示している。
【0063】次に、この感熱孔版印刷装置の動作につい
てその細部構成を含めて以下に説明する。
【0064】先ず、原稿読取部(80)の上部に配置さ
れた原稿積載台(図示せず)に、印刷すべき画像を持っ
た原稿(60)を載置し、図示しない製版スタートキー
を押下する。この製版スタートキー押下に伴い、先ず、
排版工程が実行される。すなわち、この状態において
は、印刷ドラム部(100)の印刷ドラム(101)の
外周面に前回の印刷で使用された使用済感熱孔版印刷用
原紙(61b)が装着されたまま残っている。
【0065】先ず、印刷ドラム(101)が反時計回り
方向に回転し、印刷ドラム(101)の外周面に装着さ
れていた使用済感熱孔版印刷用原紙(61b)の後端部
が排版部(70)の排版剥離ローラ対(71a),(7
1b)に近づくと、同ローラ対(71a),(71b)
は回転しつつ一方の排版剥離ローラ(71b)で使用済
感熱孔版印刷用原紙(61b)の後端部をすくい上げ、
排版剥離ローラ対(71a),(71b)の左方に配設
された排版コロ対(73a),(73b)と排版剥離ロ
ーラ対(71a),(71b)との間に掛け渡された排
版搬送ベルト対(72a),(72b)で構成される排
版剥離搬送部により、使用済感熱孔版印刷用原紙(61
b)は印刷ドラム(101)の外周面から漸次剥され、
矢印(Y1)方向へ搬送されつつ排版ボックス(74)
内へ排出されていわゆる排版が終了する。このとき印刷
ドラム(101)は反時計回り方向への回転を続けてい
る。排出された使用済感熱孔版印刷用原紙(61b)
は、その後、圧縮板(75)により排版ボックス(7
4)の内部で圧縮される。
【0066】排版工程と並行して、原稿読取部(80)
では原稿読み取りが行われる。すなわち、上記原稿載置
台に載置された原稿(60)は、分離ローラ(81)、
前原稿搬送ローラ対(82a),(82b)及び後原稿
搬送ローラ対(83a),(83b)のそれぞれの回転
により矢印(Y2)から矢印(Y3)方向に搬送されつ
つ露光読み取りに供される。このとき、原稿(60)が
多数枚あるときは、分離ブレード(84)の作用でその
最下部の原稿のみが搬送される。なお、後原稿搬送ロー
ラ(83a)は、原稿搬送ローラ用モータ(83A)に
よって回転駆動されると共に、前原稿搬送ローラ(82
a)は後原稿搬送ローラ(83a)と前原稿搬送ローラ
(82a)との間に掛け渡されたタイミングベルト(図
示せず)を介して回転駆動され、前原稿搬送ローラ(8
2b)及び後原稿搬送ローラ(83b)はそれぞれ従動
回転する。原稿(60)の画像読み取りは、コンタクト
ガラス(85)上を搬送させつつ、蛍光灯(86)によ
り照明された原稿(60)の表面からの反射光を、ミラ
ー(87)で反射させレンズ(88)を通して、CCD
(光電変換素子)等から成る画像センサ(89)に入射
させることにより行われる。すなわち、原稿(60)の
読み取りは、公知の「縮小式の原稿読取方式」で行なわ
れ、その画像が読み取られた原稿(60)は原稿トレイ
(80A)上に排出される。画像センサ(89)で光電
変換された電気信号は、装置本体キャビネット(50)
内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板
に入力されデジタル画像信号に変換される。
【0067】一方、この画像読み取り動作と並行して、
デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工
程が行われる。芯管(61s)の周りにロール状に巻か
れたロール原紙(61R)の芯管(61s)が、製版給
版部(90)の所定部位に配設された図示しない回転支
持部材により回転自在に支持されていて、感熱孔版印刷
用原紙(61)がロール原紙(61R)から引き出さ
れ、サーマルヘッド(30)に感熱孔版印刷用原紙(6
1)を介して押圧しているプラテンローラ(92)、及
び送りローラ対(93a),(93b)の回転により、
間欠的に原紙搬送路の下流側に搬送される。このように
搬送される感熱孔版印刷用原紙(61)に対して、サー
マルヘッド(30)の主走査方向に一列に配列された多
数の微小な発熱体部(33)が、上記A/D変換基板及
びその後の図示しない製版制御基板で各種処理を施され
て送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に
発熱し、発熱した発熱体部(33)に接触している感熱
孔版印刷用原紙(61)の熱可塑性樹脂フィルムが溶融
穿孔される。このようにして、画像情報に応じた感熱孔
版印刷用原紙(61)の位置選択的な溶融穿孔により、
画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。なお、プ
ラテンローラ(92)は、図示しないタイミングベルト
を介して駆動手段としての原紙送りモータ(92A)に
連結されている。原紙送りモータ(92A)は、ステッ
ピングモータからなり、間欠的又は連続的に回転駆動さ
れる。故に、感熱孔版印刷用原紙(61)は、上記原紙
送りモータ(92A)によりプラテンローラ(92)を
介して所定の送りピッチをもって上記主走査方向と直交
する副走査方向(F)に移動される。
【0068】画像情報が書き込まれた製版済感熱孔版印
刷用原紙(61a)の先端は、給版ローラ対(94
a),(94b)により印刷ドラム(101)の外周面
側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により
進行方向を下方へ変えられ、図示の給版位置状態にある
印刷ドラム(101)の拡開した原紙クランパ(10
2)(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき
印刷ドラム(101)は、排版工程により使用済感熱孔
版印刷用原紙(61b)を既に除去されている。
【0069】そして、製版済感熱孔版印刷用原紙(61
a)の先端が、一定のタイミングで原紙クランパ(10
2)によりクランプされると、印刷ドラム(101)は
図中矢印(A)方向(時計回り方向)に回転しつつ外周
面に製版済感熱孔版印刷用原紙(61a)を徐々に巻き
付けていく。製版済感熱孔版印刷用原紙(61a)の後
端部は、製版終了後にカッタ(95)により一定の長さ
に切断される。
【0070】一版の製版済感熱孔版印刷用原紙(61
a)が印刷ドラム(101)の外周面に完全に巻装され
ると製版及び給版が終了し、印刷工程が開始される。先
ず、給紙台(51)上に積載された印刷用紙(62)の
内の最上位の1枚が、給紙コロ(111)及び分離コロ
対(112a),(112b)によりレジストローラ対
(113a),(113b)に向けて矢印(Y4)方向
に送り出され、さらにレジストローラ対(113a),
(113b)により印刷ドラム(101)の回転と同期
した所定のタイミングで印圧部(120)に送られる。
こうして送り出された印刷用紙(62)が、印刷ドラム
(101)とプレスローラ(103)との間にくると、
印刷ドラム(101)の外周面下方に離間していたプレ
スローラ(103)が上方に移動されることにより、印
刷ドラム(101)の外周面に巻装された製版済感熱孔
版印刷用原紙(61a)に押圧される。こうして、印刷
ドラム(101)の多孔部及び製版済感熱孔版印刷用原
紙(61a)の穿孔パターン部(共に図示せず)からイ
ンキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙(6
2)の表面に転移されて、印刷画像としてのインキ画像
が形成される。
【0071】このとき、印刷ドラム(101)の内周側
では、それぞれインキ供給手段を構成する、インキ供給
管(104)からインキローラ(105)とドクターロ
ーラ(106)との間に形成されたインキ溜り(10
7)にインキが供給され、印刷ドラム(101)の回転
方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム(101)の回転
速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキロ
ーラ(105)により、インキが印刷ドラム(101)
の内周面に供給される。なお、インキはW/O型のエマ
ルジョンインキである。
【0072】印圧部(120)において印刷画像が形成
された印刷用紙(62)は、それぞれ排紙部(130)
を構成する、排紙剥離爪(114)により印刷ドラム
(101)から剥がされ、吸着用ファン(118)によ
り吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ(115)及び吸
着排紙出口ローラ(116)に掛け渡された搬送ベルト
(117)の反時計回り方向の回転により、矢印(Y
5)方向へ搬送され、排紙台(52)上に落下して順次
排出積載される。このようにして所謂試し刷りが終了す
る。
【0073】次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセ
ットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記
試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程
がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の
全工程が終了する。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 [実施例1] (処方A) ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0重量部 酢酸エチル 18.6重量部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15重量部 タルク 0.5重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)1
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が4.5g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。続いて多孔性繊維層として天然
繊維100%からなる抄造紙(坪量10g/m、厚み
33μm)に、100℃に加温したロールコーターを用
いて一液型ウレタン接着剤(武田薬品工業社製 タケネ
ートA260)を塗布量が0.2g/mとなるように
延転後塗布し、先に作成したロールの多孔性樹脂層面と
ラミネートを行なった。塗布時の接着剤の粘度は約10
00cpsであった。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5重量部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5重量部 トルエン 100.0重量部 次いで、以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多
孔性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて塗布
し、乾燥した後巻取り、これを30℃で3日間キュアし
本発明の感熱孔版印刷原紙を得た。作成した感熱孔版印
刷用原紙を前記した評価方法にて評価を行なった。結果
を表1に示す。
【0075】[実施例2]多孔性繊維層として麻とポリ
エステル繊維の混抄紙(坪量9.0g/m、厚み35
μm)を用い、接着剤の塗布量が0.7g/mとなる
ようにした以外は実施例1と同様にして本発明の感熱孔
版印刷用原紙を得た。評価結果を表1に示す。
【0076】 [実施例3] (処方B) アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 2.5重量部 タルク 1.9重量部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1重量部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1重量部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2重量部 酢酸エチル 43.0重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が2.0g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。続いて多孔性繊維層として天然
繊維100%からなる抄造紙(坪量10g/m、厚み
33μm)に、100℃に加温したロールコーターを用
いて一液型ウレタン接着剤(武田薬品工業社製 タケネ
ートA260)を塗布量が1.3g/mとなるように
延転後塗布し、先に作成したロールの多孔性樹脂層面と
ラミネートを行なった。塗布時の接着剤の粘度は約10
00cpsであった。その他は実施例1と同様にして本
発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。
【0077】[実施例4]接着剤として2液反応型ウレ
タン接着剤(武田薬品工業社製ポリオール成分:タケラ
ックA230、イソシアネート成分:A30、混合比率
10:8)を70℃に加熱したロールコーターを用いて
塗布量が0.7g/mとなるように塗布した以外は、
実施例3と同様にして本発明の感熱孔版印刷用原紙を得
た。塗布時の接着剤の粘度は約800cpsであった。
評価結果を表1に示す。
【0078】 [実施例5] (処方B) アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 2.5重量部 タルク 1.9重量部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1重量部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1重量部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2重量部 酢酸エチル 43.0重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が2.0g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 70.0重量部 (荒川化学工業社製 ビームセット 504H) アクリル酸エステルモノマー 30.0重量部 (東亜合成社製 アロニックス M−101) 続いて、以上を約80℃で溶融混合を行ない、80℃で
粘度1300cpsの電離放射線硬化性接着剤を調整し
た。上記の電離放射線硬化性接着剤を80℃に加熱した
ロールコーターを用い付着量が0.7g/mとなるよ
うに、多孔性繊維層として天然繊維100%からなる抄
造紙(坪量10g/m、厚み33μm)の一方の面に
延転後塗布し、先に作成したロールの多孔性樹脂層面と
ラミネートを行ない、5Mradの電子線を照射した
後、実施例1と同様に融着防止剤を熱可塑性樹脂フィル
ムの多孔性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて
塗布し、乾燥した後巻取り本発明の感熱孔版印刷原紙を
得た。
【0079】 [実施例6] (処方C) アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 2.5重量部 タルク 0.8重量部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1重量部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1重量部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2重量部 酢酸エチル 43.0重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が5.0g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。多孔性繊維層として繊度0.2
デニールと1.1デニールの2種類のポリエステル繊維
からなる抄造紙(坪量8g/m、厚み25μm)を用
い、接着剤の付着量を0.2g/mとした以外は実施
例5と同様にして、本発明の感熱孔版印刷用原紙を得
た。評価結果を表1に示す。
【0080】 [実施例7] ポリウレタンアクリレート樹脂 68.0重量部 (荒川化学工業社製 ビームセット 510) 光重合性モノマー 2.0重量部 (メルク・ジャパン社製 ダロキュアー1173) アクリル酸エステルモノマー 30.0重量部 (東亜合成社製 アロニックス M−101) 接着剤として以上を約40℃で溶融混合を行ない、40
℃で粘度約500cpsの電離放射線硬化性接着剤を調
整した。上記の電離放射線硬化性接着剤を40℃に加熱
したロールコーターを用い付着量が0.5g/mとな
るように、多孔性繊維層として天然繊維100%からな
る抄造紙(坪量10g/m、厚み33μm)の一方の
面に延転後塗布し、実施例1で作成した、熱可塑性樹脂
フィルムの片面に多孔性樹脂層を塗布したシートの多孔
性樹脂層面とラミネートを行ない、60w/cmの出力
を有するメタルハライドランプから紫外線を照射した
後、実施例1と同様に融着防止剤を熱可塑性樹脂フィル
ムの多孔性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて
塗布し、乾燥した後巻取り本発明の感熱孔版印刷原紙を
得た。評価結果を表1に示す。
【0081】[実施例8]多孔性樹脂層と多孔性繊維層
の接着剤付着量を0.07g/mとした以外は実施例
5と同様にして、本発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。
評価結果を表1に示す。
【0082】 [実施例9] (処方D) アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 1.5重量部 アセタール樹脂(積水化学社製 KS−3) 1.0重量部 タルク 1.9重量部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1重量部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1重量部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2重量部 酢酸エチル 43.0重量部 以上を溶解、分散し、これに 水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルション塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にダイコーティング方式にて乾燥後付着量が
2.5g/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層
を形成しロール状に巻き取った。多孔性繊維層として繊
度0.2デニールと1.1デニールの2種類のポリエス
テル繊維からなる抄造紙(坪量5g/m、厚み21μ
m)を用い、接着剤の付着量を0.2g/mとした以
外は実施例5と同様にして、本発明の感熱孔版印刷用原
紙を得た。評価結果を表1に示す。
【0083】[実施例10]多孔性繊維層として繊度
0.2デニールのポリエステル繊維のみからなる抄造紙
(坪量3.5g/m、厚み18μm)を180度で熱
圧着したものを用いた以外は実施例9と同様にして、本
発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表1に示
す。
【0084】[実施例11]多孔性樹脂層の乾燥後付着
量が7.5g/mとなるようにした以外は実施例9と
同様にして、本発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価
結果を表1に示す。
【0085】[実施例12]多孔性繊維層として麻と繊
度0.2デニールのポリエステル繊維の混抄紙(坪量1
3.0g/m、厚み51μm)を用い、接着剤付着量
を0.30g/mとした以外は実施例9と同様にし
て、本発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表
1に示す。
【0086】[実施例13]多孔性樹脂層の乾燥後付着
量が1.0g/mとなるようにした以外は実施例9と
同様にして、本発明の感熱孔版印刷用原紙を得た。評価
結果を表1に示す。
【0087】[比較例1]多孔性繊維層として天然繊維
100%からなる抄造紙(坪量10g/m、厚み33
μm)に、100℃に加温したロールコーターを用いて
一液型ウレタン接着剤(武田薬品工業社製 タケネート
A260)を塗布量が0.2g/mとなるように延転
後塗布し、実施例1で使用した厚さ2.0μmの熱可塑
性樹脂フィルムとラミネートを行なった。塗布時の接着
剤の粘度は約1000cpsであった。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5重量部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5重量部 トルエン 100.0重量部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し、
乾燥した後巻取り、これを30℃で3日間キュアし、感
熱孔版印刷原紙を得た。
【0088】[比較例2]多孔性繊維層として繊度0.
2デニールと1.1デニールの2種類のポリエステル繊
維からなる抄造紙(坪量8g/m、厚み25μm)を
用いた以外は比較例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙
を得た。
【0089】 [比較例3] (処方A) ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0重量部 酢酸エチル 18.6重量部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15重量部 タルク 0.5重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)1
0.0重量部を撹拌しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が4.5g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5重量部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5重量部 トルエン 100.0重量部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し、
乾燥した後巻取り、感熱孔版印刷原紙を得た。結果を表
1に示す。
【0090】 [比較例4] (処方B) アセタール樹脂(積水化学社製 KS−1) 2.5重量部 タルク 1.9重量部 界面活性剤(日光ケミカル社製 SO15U) 0.1重量部 界面活性剤(信越化学社製 KF6012) 0.1重量部 界面活性剤(ジョンソン社製 J711) 0.2重量部 酢酸エチル 43.0重量部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹拌しながらゆっくり添加して白濁した
エマルジョン塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が2.0g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂層を形成し
ロール状に巻き取った。 飽和ポリエステル接着剤(ユニチカ社製 UE3500) 15.0重量部 トルエン 75.0重量部 以上を溶解、混合した塗工液を、ダイレクトグラビアコ
ーターを用いて乾燥後の塗布量が0.2g/mとなる
ように天然繊維100%からなる抄造紙(坪量10g/
、厚み33μm)に塗布し、先に作成したロールの
多孔性樹脂層面と重ね合わせた後、50℃で乾燥を行な
った。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5重量部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5重量部 トルエン 100.0重量部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し、
乾燥した後巻取り感熱孔版印刷原紙を得た。評価結果を
表1に示す。
【0091】 [比較例5] ポリエチレン系エマルジョン型接着剤 100.0重量部 (サイデン化学社製 PN−200) 上記塗工液を、ダイレクトグラビアコーターを用いて乾
燥後の塗布量が1.0g/mとなるように天然繊維1
00%からなる抄造紙(坪量10g/m、厚み33μ
m)に塗布し50℃で半乾燥させた後、比較例4で作成
したロールの多孔性樹脂層面と重ね合わせ再度50℃で
乾燥を行なった。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5重量部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5重量部 トルエン 100.0重量部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂層と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し、
乾燥した後巻取り感熱孔版印刷原紙を得た。評価結果を
表1に示す。
【0092】[比較例6]接着剤の付着量を2.5g/
とした以外は比較例5と同様にして感熱孔版印刷用
原紙を得た。評価結果を表1に示す。
【0093】[比較例7]多孔性樹脂層と多孔性繊維層
の接着剤付着量を1.60g/mとした以外は実施例
5と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を
表1に示す。
【0094】[比較例8]多孔性樹脂層の乾燥後付着量
が0.3g/mとなるようにした以外は実施例13と
同様にして、感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表
1に示す。
【0095】[比較例9]多孔性繊維層の坪量を16.
0g/mとなるようにした以外は実施例12と同様に
して、感熱孔版印刷用原紙を得た。評価結果を表1に示
す。
【0096】(特性の評価方法) 1)印刷性の評価 作成した原紙を(株)リコー製“プリポートJP400
0”(サーマルヘッド解像度400dpi)に供給して
サーマルヘッド式製版方式により、50mm×50mm
の黒べたを有する原稿を用い製版、印刷を行なった。印
刷の速度は標準で100枚印刷した。該印刷物を目視判
定により、黒べた部で白抜けの目立つものを×、○と×
の中間程度で実用上なんとか使用できるレベルのものを
△として評価した。また裏うつりのないものを○、両面
印刷に耐えられないレベルの裏うつりのものを×、その
中間程度で実使用上なんとか使用できるレベルのものを
△として評価した。 2)耐刷性の評価 作成した原紙を(株)リコー製“プリポートJP400
0”に供給して、サーマルヘッド式製版方式により、6
ポイントの文字と50mm×50mmの黒べたを有する
原稿を用い製版、印刷を行なった。印刷の速度は標準で
印刷した。フィルム剥がれ、多孔性樹脂層と多孔性繊維
層とのハガレによる画像伸び等の異常画像が発生した時
点の枚数を評価した。 3)搬送性の評価 上記した1)及び2)の評価を行なう際、問題なく搬送
できたものを○、搬送時にシワ等が発生した場合を×、
搬送時にシワは発生したが画像上には影響のなかったも
のは△として評価した。
【0097】
【表1−1】
【0098】
【表1−2】
【0099】
【表1−3】 ※1:比較例1及び2の接着強度は熱可塑性樹脂フィル
ムと多孔性繊維層の接着強度である。 :F−Pはフィルムと多孔性樹脂層の接着強度を示し、
P−Wは多孔性樹脂層と多孔性繊維層の接着強度を示
す。
【0100】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば熱可塑性樹脂フィルムの一方
の面上に樹脂からなる多孔性樹脂層を有し、更にその表
面に繊維状物質からなる多孔性繊維層を積層してなる感
熱孔版印刷用原紙において、多孔性樹脂層と多孔性繊維
層の硬化型接着剤により少ない接着剤付着量で接着強度
を高めることで、印刷時の原紙伸び、切れを防止する支
持体を有する感熱孔版印刷用原紙及び製造方法を提供す
ることができ、少ないインキ付着量で印刷ムラがなく、
印刷物の裏汚れが少ない感熱孔版印刷用原紙及びその製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱孔版印刷用原紙の一例の模式断面
図である。
【図2】本発明の感熱孔版印刷用原紙を構成する多孔性
樹脂層の一例の斜視図である。
【図3】本発明の感熱孔版印刷用原紙の別の一例の模式
断面図である。
【図4】本発明の感熱孔版印刷用原紙の更に別の一例の
模式断面図である。
【図5】本発明の感熱孔版印刷用原紙を構成する多孔性
繊維層の一例の平面図である。
【図6】本発明における多孔性繊維層の表面に接着剤を
介して多孔性樹脂層が積層された積層体の電子顕微鏡写
真の図である(多孔性樹脂層の表面からはフィルムを除
去してある)。
【図7】本発明における多孔性繊維層の表面に接着剤を
介して多孔性樹脂層が積層された積層体の電子顕微鏡写
真の図である(多孔性樹脂層の表面からはフィルムを除
去してある)。
【図8】本発明の一実施例である感熱孔版印刷装置を示
した図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂フィルム 2 多孔性樹脂層 2a 多孔性樹脂層を構成する構成要素中の壁状皮膜 2b 多孔性樹脂層を構成する構成要素 3 接着剤 4 多孔性繊維層 4a 多孔性繊維層を構成する構成要素 4b 多孔性繊維層の空隙部分 30 サーマルヘッド 33 発熱体部 50 装置本体キャビネット 51 給紙台 52 排紙台 60 原稿 61 感熱孔版印刷用原紙 61a 製版済感熱孔版印刷用原紙 61b 使用済感熱孔版印刷用原紙 61s 芯管 61R ロール原紙 62 印刷用紙 70 排版部 71a 排版剥離ローラ 71b 排版剥離ローラ 72a 排版搬送ベルト 72b 排版搬送ベルト 73a 排版コロ 73b 排版コロ 74 排版ボックス 75 圧縮板 80 原稿読取部 80A 原稿トレイ 81 分離ローラ 82a 前原稿搬送ローラ 82b 前原稿搬送ローラ 83a 後原稿搬送ローラ 83b 後原稿搬送ローラ 83A原稿搬送ローラ用モータ 84 分離ブレード 85 コンタクトガラス 86 蛍光灯 87 ミラー 88 レンズ 89 画像センサ 90 製版給版部 92 プラテンローラ 92A 原紙送りモータ 93a 送りローラ 93b 送りローラ 94a 給版ローラ 94b 給版ローラ 95 カッタ 100 印刷ドラム部 101 多孔性の印刷ドラム 102 原紙クランパ 103 プレスローラ 104 インキ供給管 105 インキローラ 106 ドクターローラ 107 インキ溜り 110 給紙部 111 給紙コロ 112a 分離コロ 112b 分離コロ 113a レジストローラ 113b レジストローラ 114 排紙剥離爪 115 吸着排紙入口ローラ 116 吸着排紙出口ローラ 117 搬送ベルト 118 吸着用ファン 120 印圧部 130 排紙部 A 矢印(時計回り方向) F 副走査方向 Y1 矢印方向 Y2 矢印方向 Y3 矢印方向 Y4 矢印方向 Y5 矢印方向

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多
    孔性樹脂層を有し、更にその表面に繊維状物質からなる
    多孔性繊維層が接着剤を介して接合されてなる感熱孔版
    印刷用原紙において、該接着剤の付着量が0.05〜
    1.5g/mの範囲であり、且つ該多孔性樹脂層と該
    多孔性繊維層の接着強度が0.8〜50.0N/mの範
    囲であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 前記接着剤が主として湿気硬化型ウレタ
    ン接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の感熱
    孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 前記接着剤が主として電離放射線硬化型
    接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の感熱孔
    版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】 前記多孔性樹脂層の乾燥後の付着量が
    0.5g/m〜10.0g/mの範囲であることを
    特徴とする請求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  5. 【請求項5】 前記多孔性樹脂層の乾燥後の付着量が
    1.0g/m〜5.0g/mの範囲であることを特
    徴とする請求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  6. 【請求項6】 前記多孔性樹脂層がW/O型樹脂エマル
    ジョンを塗布乾燥して形成された泡状皮膜であることを
    特徴とする請求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  7. 【請求項7】 前記多孔性繊維層の坪量が1.0g/m
    〜15.0g/m の範囲であることを特徴とする請
    求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  8. 【請求項8】 前記多孔性繊維層の坪量が3.0g/m
    〜10.0g/m の範囲であることを特徴とする請
    求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に多
    孔性樹脂層を形成するための塗布液を塗布し、少なくと
    も該多孔性樹脂層の最外表層が乾燥・皮膜化した後に、
    接着剤が塗布された多孔性繊維層と貼り合せることを特
    徴とする請求項1及至8の何れか1に記載の感熱孔版印
    刷用原紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 感熱孔版印刷用原紙から作成された感
    熱孔版原版を搭載した感熱孔版印刷装置であって、感熱
    孔版印刷用原紙として請求項1乃至8の何れか1に記載
    の原紙が用いられることを特徴とする感熱孔版印刷装
    置。
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