JP2009000940A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーマルヘッド10の各発熱体9の奇数番目に当たる奇数ビット、および各発熱体9の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によってフィルムに形成される穿孔が主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した奇数ビットと偶数ビットとの発熱駆動によってフィルムに形成される各穿孔が主走査方向の同じ一列上に隣り合わないように、サーマルヘッド10の個々の発熱体9を制御することによって、マスタを製版する特殊製版モードを実行させる第1の制御手段を有し、ドクターローラギャップを0.2〜0.3mmに設定した。
【選択図】図5
Description
製版画像が転写された印刷物はその後、排紙台に向けて排出され該排紙台に順次積載されていく。一般の孔版印刷装置で使用されるインキは、エマルションインキ(以下、「エマルジョンインキ」ともいう)であり、用紙への転写後、そのインキは直ぐには定着しない。印刷物の乾燥は、通常、時間経過に伴うインキの用紙への吸収、すなわち自然乾燥に頼っている。つまり、孔版印刷を実行するに際して、通常の印刷インキを使用すると、インキは浸透乾燥されるために裏移りや沁み通しが生じるので、一般的に良好な両面印刷物等は得難く、また表面が光沢を有するアート紙やコート紙では容易に乾燥しないので、片面印刷であっても良好な印刷物を得難かった。
そこで、本願出願人は、上記印刷シワやマスタの寄りの発生を防止するために、「特殊製版」もしくは「特殊製版モード」に係る新規な技術を既に提案している。すなわち、「特殊製版」とは、サーマルヘッドに配列されている各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビット、および該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によってマスタのフィルムに形成される穿孔が主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した奇数ビットと偶数ビットとの発熱駆動によってマスタのフィルムに形成される各穿孔が主走査方向の同じ一列上に隣り合わないように、サーマルヘッドの個々の発熱体を制御する製版方式である。特殊製版によって得られたマスタに形成された穿孔パターンが亀の甲羅に似ている点から、特殊製版は俗に「亀甲製版」とも呼んでいる。
また、亀甲製版では、図13(b)に示すように、図13(a)に示す通常製版と比べて穿孔率(ある所定の面積範囲A1内における穿孔100,100’の数をいう)は変わらないが、亀甲製版のドットとなる穿孔100間の距離Lbが通常製版の穿孔100’間の距離Laよりも長くなる(Lb>La)ため、インキの埋まりが悪くなり、通常製版による印刷物と比べて印刷画像濃度が低くなってしまうという不具合があった。
図13(a),(b)において、一点鎖線で示す円は、通常製版および亀甲製版による製版済みのマスタ12,12’を使用してコート紙に印刷した場合のインキの拡がり範囲32を模式的に示している。マスタ12とマスタ12’とは、同じ仕様のものであり、同様に穿孔100と穿孔100’とは、同じ大きさのものである。これらの相違は何らなく、本発明による特殊製版と従来の通常製版とを区別するために各符号12,100に「’」を付加したに過ぎないことを付記しておく(以下、同様)。
請求項2、4記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加えて、被印刷媒体の種類等の条件に合わせて製版・印刷モードを変更可能とすることにある。
請求項6、7記載の発明の目的は、特殊製版モードの実行によりマスタの曲げ強度をアップすることによって、マスタとコート紙等の被印刷媒体との貼り付き・浮きによる印刷シワを抑制し、被印刷媒体の種類等の条件に合わせて製版・印刷モードを変更可能とし、もって従来の通常製版によるマスタを用いて印刷した場合と画像濃度が同等となる最適な印刷画像品質を得ることにある。
請求項9記載の発明の目的は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、マスタ自体の曲げ強度をアップすることによって、マスタとコート紙等の被印刷媒体との貼り付き・浮きによる印刷シワを抑制することにある。
請求項10記載の発明の目的は、特殊製版モードの実行とマスタ自体の曲げ強度をアップすることによって、マスタとコート紙等の被印刷媒体との貼り付き・浮きによる印刷シワを抑制し、またマスタの熱可塑性樹脂フィルム面での平滑性を向上させると共に穿孔不良を低減し、さらにインキの分散性も良好とすることにより、最適な印刷画像品質を得ることにある。
請求項11記載の発明の目的は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、マスタ自体の曲げ強度をアップすることによって、マスタとコート紙等の被印刷媒体との貼り付き・浮きによる印刷シワを抑制し、またマスタの熱可塑性樹脂フィルム面での平滑性を向上させると共に穿孔不良を低減し、さらにインキの分散性も良好とすることにより、最適な印刷画像品質を得ることにある。
請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内部に設けられ該印刷ドラムの内周面にインキを供給するインキ供給部材および該インキ供給部材に近接して設けられ該インキ供給部材上のインキ量を計量するインキ計量部材により上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、上記インキ供給部材とインキ計量部材との間のギャップが、0.2〜0.3mmに設定されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、上記構成により、特殊製版モードの実行によってマスタの曲げ強度がアップすると共に、インキ供給部材とインキ計量部材との間のギャップが0.2〜0.3mmに設定されていることにより画像濃度を高くすることが可能となるので、マスタとコート紙等の被印刷媒体との貼り付き・浮きによる印刷シワを抑制することができると共に、従来の通常製版によるマスタを用いて印刷した場合と画像濃度を同等もしくは近づけることが可能となり最適な印刷画像品質を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル感熱式の孔版印刷装置の全体構成を模式的に示し、図2は、図1における主としてデジタル感熱式の孔版印刷装置本体の全体構成を示している。
本実施形態では、活性エネルギー線硬化型インキの使用が可能であるため、その活性エネルギー線硬化型のインキを硬化させるための活性エネルギー線硬化定着装置201が図1の孔版印刷装置の排紙側に併設されている。活性エネルギー線硬化型インキとしては、その一例として紫外線硬化型インキが用いられ、活性エネルギー線硬化定着装置としては、その一例として紫外線硬化定着装置が用いられる。
活性エネルギー線硬化定着装置201の内部構成は、例えば本願出願人が提案した特開2006−281658号公報の図1に示されている紫外線照射装置としてのUV照射装置(2)と同様である。これとの関連で、図2に示す孔版印刷装置本体200側には、特許文献2に係る特開2006−281658号公報の図4等に記載されている孔版印刷制御装置(55)と同様の構成が配設されている。
先ず、使用者が、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に印刷すべき画像を持った原稿60を載置・セットし、図3に示す操作パネル90の製版スタートキー91を押す。この製版スタートキー91の押下に伴い、製版スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム20の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ12が装着されたまま残っている。印刷ドラム20は、図示しない駆動機構を介して印刷ドラム駆動手段(図示せず、例えばメインモータ等)に連結されていて、印刷ドラム駆動手段によって回転駆動される。
上側の後原稿搬送ローラ83aは、例えばステッピングモータからなる原稿搬送モータ(図示せず)によって回転駆動される。上側の前原稿搬送ローラ82aは、上側の搬送ローラ83aと搬送ローラ82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して上記原稿搬送モータによって回転駆動され、各ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。この際、図4に示すその他制御手段7に含まれている副走査方向送り速度制御手段からの指令により、上記原稿搬送モータは、原稿60の副走査送りピッチを副走査方向の解像度(ドット/インチ)に対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。また、これに限ったことではなく、所定の副走査送りピッチで読み込み、画像記憶手段としての原稿メモリに一度格納し、処理しても構わない。
原稿読取部80には、多色重ね刷り印刷に必要な色分解のための諸機能を有する構成、例えば特開昭64−18682号公報記載の複数の色フィルターを切換可能に制御できるフィルターユニットと同様の機能および構成を有するものが、ミラー87とレンズ88との間の光路上に配設されている。
以下、サーマルヘッド駆動制御部5内に具備されている製版方法選択手段によって、従来から周知の通常製版が初期設定され実行されるものとして説明する。「通常製版」とは、デジタル画像信号に応じて、サーマルヘッド10の個々の発熱体9の発熱駆動によってマスタ12の熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔がサーマルヘッド10の主走査方向の同一の一列上に形成される周知の製版方法を意味する。サーマルヘッド駆動制御部5内には、後で詳細に説明する本実施形態に特有の特殊製版モードを実行させる第1の制御手段の他に、上記製版方法選択手段からの信号に基づき、通常製版モードを実行するようにサーマルヘッド10の個々の発熱体9を制御する第2の制御手段が配設されている。
この際、図4に示したその他制御手段7内の副走査方向送り速度制御手段からの指令により、マスタ送りモータ11は、マスタ12の副走査送りピッチを副走査方向Yの解像度に対応した所定の副走査送りピッチに変えるように制御される。
搬送されるマスタ12に対して、サーマルヘッド10の主走査方向にライン状に並んで配列された多数の微小な発熱体9が、制御部2内のサーマルヘッド駆動制御部5から送られてくるデジタル画像データ信号に応じて各々位置選択的に発熱し、発熱した発熱体9に接触しているマスタ12のフィルム部分が加熱溶融穿孔される。このようにして、画像情報に応じたマスタ12の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ12に書き込まれる。
なお、上記電磁クラッチに代えて、反転ローラ17a,17bの駆動ローラを回転させるマスタ送りモータ11とは別のステッピングモータを配設した装置もある。
そして、装置本体50側に配設されマスタクランパ22を開閉する図示しない開閉装置の作動により、製版済みのマスタ12の先端が一定のタイミングでマスタクランパ22によってクランプ・保持されると、印刷ドラム20は図中矢印A方向(時計回り方向)に回転しつつ版胴21の外周面に製版済みのマスタ12を徐々に巻き付けていく。製版済みのマスタ12の後端部は、製版完了後にカッタ13により一定の長さに切断されて、1版の製版済みのマスタ12が版胴21の外周面に完全に巻装された段階で製版および給版工程が終了する。
なお、プラテンローラ14、テンションローラ対15a,15b、反転ローラ対17a,17bおよびマスタ送りモータ11は、マスタ12を搬送する手段を構成しており、図4においてこれらを総称してマスタ搬送手段19とする。
なお、押圧手段は、プレスローラ23に限らず、印刷ドラム(版胴)21の直径とほぼ同径の圧胴等も用いられ、このような圧胴方式の孔版印刷装置でも無論、本発明は適用される。
従来の普通紙や上質紙等を印刷する孔版印刷機や、本実施形態での通常製版モード実行時のドクターローラギャップ33は、例えば0.07〜0.1mm程度に設定されている。
従来の通常製版モード設定時であって、普通紙や上質紙等への非コート紙に印刷する場合に使用するインキとしては、例えばW/O型のエマルジョンインキが好ましく用いられていたが、本実施形態(本発明)では、上述したように用紙62への完全定着をするために活性エネルギー線硬化型インキとして例えば紫外線硬化型インキを用いている。以下、特に断らない限り、活性エネルギー線硬化型インキを単に「インキ」ともいう。
版付け印刷終了後、プレスローラ23は印刷ドラム20から離間し、印刷ドラム20は図2においてマスタクランパ22が略真上となる初期位置(ホームポジション)に復帰して、印刷待機状態となる。
本実施形態の図1および図2に示した孔版印刷装置で使用されるマスタ12としては、熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体とを貼り合わせた2層のラミネート構造のもの、および特開平10−147075号公報に記載されていると同様のマスタ、すなわち熱可塑性樹脂フィルムと少なくとも一層の多孔性樹脂膜と多孔性支持体とを有するマスタ、換言すれば熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からなる多孔性樹脂膜を設け、さらにその表面に繊維状物質からなる多孔性繊維膜からなる多孔質支持体を積層してなるものが挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものが用いられる。マスタ12の厚みとしては、20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜3.5μmの範囲のものである。
製版部1は、装置本体50に対して周知の着脱手段を介して着脱自在な製版ユニットを構成している。
また、サーマルヘッド10の発熱体9としては、通常、その平面視形状が矩形型のものを用いているが、熱集中型でもよい。
本実施形態の製版部1では、副走査方向Yにマスタ12を相対的に移動させる際の副走査方向Yの解像度が、サーマルヘッド10の解像度と同じ解像度となるように予め設定されている。マスタ12を副走査方向Yに搬送する送り動作は、上記例のように所定の送りピッチで間欠的に移動するものに限らず、連続的に送るようにしてもよい。また、原稿読取部80に限らず、原稿60をコンタクトガラス上に載置・固定し、蛍光灯およびミラー等を具備した走査光学系を駆動モータにより移動させつつ原稿の読み取りを行うスキャナ移動方式を採用してもよい。この場合、上記走査光学系の移動速度を、副走査方向Yの解像度に対応した所定の送りピッチに変えるように上記駆動モータを制御すればよい。
製版スタートキー91は、原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、給紙、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための動作起動手段としての機能を、テンキー93は、印刷枚数等を入力・設定する機能を、印刷スタートキー92は、テンキー93で入力・設定された印刷枚数分の印刷動作の起動等を行う機能を、試し刷りキー94は、試し刷り印刷動作を起動する機能を、それぞれ有する。エンターキー95は、各種設定時に数値等を確定・設定する機能を、モードクリアキー96は、各種モード設定状態を消去・クリアする機能を有し、それぞれそれらの機能を発揮させたい場合等に押下される。
コート紙/非コート紙設定手段は、用紙として、コート紙および非コート紙にそれぞれ対応した製版および印刷動作を実行する製版・印刷モードを選択設定することが可能なコート紙/非コート紙別製版・印刷モード選択設定手段としての機能を有し、具体的にはタッチパネル98に設けられたコート紙設定キー30、非コート紙設定キー31で構成されている。
上記構成のとおり、ドクターローラ26は、支点軸218aを中心に回転する一対のアーム218,218で回転自在に支持されており、引張バネ219によってアーム218とカムギヤ220とが当接するように付勢されている。カムギヤ220は、その軸220aが側板217に回転自在に支持されていて、その外周にはギヤ部220bと、3段階の段部220d,220e,220fを備えたカム部220cとが一体形成されている。アーム218の一端がカム部220cの段部220d,220e,220fとこの順に当接することにより、ドクターローラギャップ33がそれぞれ0.07〜0.1mm、0.2〜0.22mm、0.23〜0.3mmとなるようにカムギヤ220のカム部220c輪郭周面形状が設定されている。カムギヤ220には、カム部220cの何れの段部がアーム218の一端に当接しているかを把握するための、位置検出手段としてのポテンショメータが取り付けられている。このポテンショメータからの出力信号は、図4に示す制御部2のマイクロコンピュータ周辺回路3に送信・入力される。カムギヤ220の近傍には、その出力軸221aにギヤ部220bと噛み合うウォーム222が固着された正逆転可能なモータ221が配設されている。モータ221は、図4に示す制御部2のドクターローラギャップ可変制御手段7により制御される。
インキローラ25は、印刷時にはその外周面を版胴21の内周面に接触している。インキ供給管24から滴下されインキ溜まり27を形成したインキは、ドクターローラギャップを通る際に所定の厚さのインキ層をインキローラ25の外周面に付着形成すべく規制ないし計量され、次いで、外周面に所定の厚さのインキを付着したインキローラ25が印刷ドラム20の回転速度と同期して回転しながら版胴21の内周面にインキを塗布・供給することとなる。つまり、ドクターローラギャップ33が広ければ広いほど、多量のインキが版胴21から製版済みのマスタ12へ供給されることになる。
図14(a)、(b)を参照して、上述の内容をさらに具体的に説明する。図14(a)は、製版済みのマスタ12とコート紙等の用紙62との間にインキ34が少ない状態で、両者が強く密着している状態を示しており、図14(b)は、製版済みのマスタ12とコート紙等の用紙62との間にインキ34が多くある状態で、インキ34が同図の上下方向に伸びやすく、両者の密着力が弱い状態を示している。このように用紙62と製版済みのマスタ12との密着力を低減できるので、印刷時に製版済みのマスタ12が用紙62に貼りついて浮き、製版済みのマスタ12がシワになるのを抑制できる。また、インキ34を多量に供給できるので、製版済みのマスタ12の穿孔は小さくて済み、マスタ12の強度を保つことができる。
本実施形態では、図8および図9に示す一連の動作を説明する都合上からドクターローラギャップ可変機構212を有するものとして説明したが、これに限らず、本実施形態に特有の特殊製版モードで得られた製版済みのマスタのみを用いてコート紙にのみ印刷し完全定着するような孔版印刷装置・形態の場合には、ドクターローラギャップ可変機構212は必須の構成ではなく、ドクターローラギャップ33を可変にせず固定した構成にして、ドクターローラギャップ33を0.2〜0.3mm、より好ましくは0.2〜0.22mmに設定してもよい。
マイクロコンピュータ周辺回路3のCPUは、演算および制御機能を有し、それぞれ後述する画像処理部4、サーマルヘッド駆動制御部5、ドクターローラギャップ可変制御手段6、その他制御手段7を統括的に制御している。マイクロコンピュータ周辺回路3のROMには、マイクロコンピュータ周辺回路3の上記機能を発揮するための動作プログラムおよび関係データ等が予め記憶されている。マイクロコンピュータ周辺回路3のRAMは、各種センサからのデータやマイクロコンピュータ周辺回路3の演算結果を一時的に記憶する。
画像処理部4から順次送信されてくる黒画素や白画素のデータ信号は、サーマルヘッド10の主走査方向の一端部より他端部に向けて順に一列に配列された発熱体9に対応して1対1に予め割り当てられているため、黒画素や白画素のデータ信号に対応してサーマルヘッド10の奇数ビット(奇数番目の発熱体9)と偶数ビット(偶数番目の発熱体9)は一義的に定まることとなる。
サーマルヘッド駆動制御部5の印加エネルギー変更手段は、サーマルヘッド10の奇数ビットと偶数ビットとに対して印加する印加エネルギーを異ならせる機能を有する。
なお、図4に示した制御構成はあくまでも本実施形態の一例に過ぎず、例えばマイクロコンピュータ周辺回路3をサーマルヘッド駆動制御部5内に組み込んで一体化したような制御構成でもよいし、サーマルヘッド駆動制御部5内の各手段をマイクロコンピュータおよび制御回路等で構成しても構わない。
両穿孔パターンは共に次の仕様のサーマルヘッド10、製版部1の副走査送り解像度条件で穿孔・製版されるものである。両モード実行時、マスタは同一の仕様のものを使用し、環境条件の温湿度等も同一である。
サーマルヘッド仕様:600dpi(薄膜式かつ平面型で発熱体が矩形状)
副走査送り解像度(送りピッチ):600dpi
画像パターン(穿孔パターン):ベタ
図5(a)および図5(b)に示す穿孔状態としては、各穿孔100間および各穿孔100’間には離間部が形成されていて、互いに独立穿孔されている。また、図5(a)に示す穿孔状態としては、そのフィルムの互いに隣る穿孔100間の残存幅寸法が熱可塑性樹脂フィルムの厚みよりも広いことが特徴である。ちなみに、使用したマスタ12の熱可塑性樹脂フィルムの厚みが1.8μmのとき、その熱可塑性樹脂フィルムの溶融穿孔した際の残存幅寸法は副走査方向Yで隣り合う一番狭い幅の箇所において、1.8μmよりも広い幅寸法となっている。
なお、印加エネルギー(穿孔エネルギー)の調整・変更は、特許第2756219号公報に記載されているように、画像信号に応じてサーマルヘッド10の個々の発熱素子9に流す電流値もしくは発熱素子9に印加する電圧値の変化により行うようにしてもよいが、本実施形態においては、上記サーマルヘッド駆動回路を介してサーマルヘッド10の各発熱素子9へ供給する通電パルス幅の変化により行うのが一般的である。
先ず、図8に示すステップS1において、製版動作か印刷動作かを判断する。製版動作を実行する場合、ステップS2に進み、使用する用紙に関して上述で説明したコート紙/非コート紙設定手段(コート紙/非コート紙別製版・印刷モード選択手段)のコート紙設定キー30または非コート紙設定キー31をタッチして設定する。非コート紙設定キー31で非コート紙を設定したときには、ステップS3に進み、コート紙設定キー30でコート紙を設定したときには、ステップS4に進む。
通常製版モード:非コート紙に好適な製版方法が設定される場合であり、第2の制御手段によって従来と同様の通常製版(従来の製版)方法で穿孔・製版動作が実行されるモードである(ステップS3)。
特殊製版モード:コート紙に好適な製版方法が設定される場合であり、本発明での穿孔状態、すなわち第1の制御手段によってサーマルヘッド10における各発熱体9の奇数ビットおよび偶数ビットの発熱駆動によって穿孔が主走査方向Sの互いに異なる一列上に形成され、かつ、隣接する奇数ビットと偶数ビットとの発熱駆動によって各穿孔が主走査方向Sの同じ一列上に隣り合わない穿孔パターンとなる穿孔状態が得られるモードである(ステップS4)。
ここで、上記2種類のモード設定は、本実施形態(本発明)における初期設定であり変更可能である。また、上記2種類の製版モード設定は、図4に示したサーマルヘッド駆動制御部5の製版方法選択手段によりなされる。
すなわち、図9に示す印刷動作を実行する場合、ステップS7に進み、使用する用紙に関してコート紙および非コート紙のうちの何れが設定されたのかが判断される。非コート紙を設定したときには、ステップS8に進み、コート紙を設定したときには、ステップS9に進む。
通常印刷モード:非コート紙に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、本実施形態例では図4に示したドクターローラギャップ可変制御手段6によってドクターローラギャップ可変機構212のモータ221が制御されることで、ドクターローラギャップ33が0.07〜0.1mmに設定される(ステップS8)。
特殊印刷モード:コート紙設定に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、本実施形態例では図4に示したドクターローラギャップ可変制御手段6によってドクターローラギャップ可変機構212のモータ221が制御されることで、ドクターローラギャップ33が0.2〜0.3mm、より好ましくは0.2〜0.22mmに設定される(ステップS9)。
このとき、大きく用紙を区別して非コート紙、コート紙別でも構わないが、非コート紙、コート紙のさらなる区分けで細かく設定しても構わない(以下、同様)。
次いで、ステップS10に進み、通常印刷モードまたは特殊印刷モード内容で設定された各用紙に好適なマシン条件で印刷され、その印刷が完了したか否かが判断されることとなる(ステップS11)。
このように、第1の実施形態によれば、主として被印刷媒体の種類(以下、「用紙種類」ともいう)等による印刷条件に応じて印刷モードを変更することができるようになる。
環境条件:温度23℃、湿度41%RH
製版解像度:サーマルヘッドの解像度…600dpi、マスタの副走査方向の解像度ピッチ(送りピッチ)…600dpi
画像パターン(穿孔パターン):ベタ
使用マスタ:株式会社リコー製の「TypeIマスタ」…特開平10−147075号公報に記載されている熱可塑性樹脂フィルムと少なくとも一層の多孔性樹脂膜と多孔性支持体とを有するマスタである。
使用インキ:今回実験用に試作した孔版印刷用活性エネルギー線硬化型インキであって、紫外線硬化型インキを用いた。
印刷用紙:三菱製紙製パールコート紙68k
孔版印刷装置:株式会社リコー製の「サテリオA650改造品」
上記実験の結果から用紙とマスタとの密着力に関してまとめると、次のとおりである。すなわち、ドクターローラギャップが0.07〜0.1の範囲では、インキ不足となり、用紙とマスタとの密着力が大きくなり、マスタの浮きによる印刷シワを発生させてしまった。ドクターローラギャップが0.2以上であれば、インキ供給量は十分であり、用紙とマスタとの密着力は低下した。
上記実験の結果からその他の不具合に関してまとめると、次のとおりである。すなわち、ドクターローラギャップが不適切で発生する不具合としては、インキ不足による濃度不足の他に、インキの過多によるインキ尻漏れがある。必要以上に版胴上の製版済みのマスタにインキを供給してしまうと、印刷中にマスタの穿孔部以外、特にはマスタの尻側や画像後端側の部位からインキが染み出し、印刷画像を汚してしまう。特にインキが浸透しないコート紙などでは、このインキ尻漏れが発生しやすいことも分かった。上述したように、ドクターローラギャップを従来よりも広く設定することで、マスタと用紙との間のインキを増加させ、両者を剥離しやすくできるようになる。
図16を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。変形例1は、第1の実施形態の図2および図15等に示したドクターローラギャップ可変機構212を除去しこれに代えて、版胴21の内周面とインキローラ25の外周面とのギャップ(隙間:以下、「インキローラギャップ」ともいう)に関して、印刷時に、インキローラ25が版胴21の内周面に接触するように配設された構成(インキローラギャップが「0」)である点が主に相違する。
印刷ドラム20内の版胴21の近傍には、インキローラ25が設けられている。インキローラギャップは、一般に、普通紙や上質紙等の非コート紙を印刷するための従来の孔版印刷装置では0.1〜0.5mmに設定されている。このような従来の孔版印刷装置では、図16に示すように、印刷時に、プレスローラ23が用紙と製版済みのマスタ(共に図示せず)を介して印刷ドラム20の版胴21を押圧すると、版胴21は内側に変形する。この変形した版胴21の内周面が、定位置で回転するインキローラ25の外周面に接触し、版胴21の内周面にインキを供給する。
図17〜図19を参照して、図16に示した変形例1の別の変形例2を説明する。変形例2は、図16に示した変形例1における印刷時のインキローラギャップが「0」である構成に代えて、図17〜図19に示すようにインキローラギャップを変えるインキ供給部材ギャップ可変手段としてのインキローラギャップ可変機構36を用いている点、図4に示した制御構成に代えて、図19に示す制御構成を用いて印刷モードを変更できるようにした点が主に相違する。
インキローラギャップ可変機構36は、図17および図18に示すように、インキ供給管24に固着された固定側板37と、固定側板37に所定の角度範囲で回動自在に支持された回転軸38にその一端が固着されたインキ側板39と、インキ側板39の他端にその一端が係止され、他端が版胴21内の図示しない不動部材に係止されインキ側板39の他端を回転軸38を中心として常に時計回り方向に揺動する向きに付勢する引張バネ40と、インキ側板39の一端と他端との間のインキ側板39の一側上面に対向し接触可能に配設された偏心カム41と、偏心カム41の軸41aにギヤ等の図示しない駆動力伝達部材を介して連結されたカム駆動モータ42と、偏心カム41のホームポジションである大径部または小径部の回転位置(位相)を検知するための軸41aに固着された遮光板(図示せず)およびこの遮光板と選択的に係合することで透過型フォトセンサからなるホームポジション検知手段としてのホームポジション(図示せず)とから主に構成されている。インキローラギャップ可変機構36は、印刷ドラム20内部に配設されている。
インキローラギャップ可変機構36は、これに限らず、例えば特許第3806463号公報の図3および図4に開示されているものであってもよい。
インキローラギャップ可変制御手段43は、マイクロコンピュータ周辺回路3を介して送信されてくるコート紙設定キー30または非コート紙設定キー31からの信号およびホームポジションセンサ(図示せず)からの信号に基づいて、インキローラギャップ可変機構36のカム駆動モータ42を制御するインキ供給部材ギャップ量可変制御手段としての機能を有する。
図9に示したステップS8の通常印刷モード実行時では、非コート紙に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例では図19に示したインキローラギャップ可変制御手段43によって、マスタと密着しにくく、インキが浸透するためインキの量は少なくても良い普通紙や上質等への印刷時には、インキローラギャップ35を大きくするよう図17に示す偏心カム41の小径部がインキローラ側板39の一端上面と対向・接触する位置を占めるように、カム駆動モータ42が制御される。
一方、ステップS8の特殊印刷モード実行時では、コート紙設定に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例では図19に示したインキローラギャップ可変制御手段43によって、マスタと密着しやすく、インキが浸透しないためインキの量が多く必要とするコート紙等への印刷時には、インキローラギャップ35を小さく、「0」に近づけるかもしくは「0」にするよう図18に示す偏心カム41の大径部がインキローラ側板39の一端上面と対向・接触する位置を占めるように、カム駆動モータ42が制御される。
このように、変形例2によれば、主として用紙種類等による印刷条件に応じて印刷モードを変更することができるようになる。
図20〜図22を参照して、第1の実施形態の変形例3を説明する。変形例3は、第1の実施形態の図2および図15等に示したドクターローラギャップ可変機構212を除去しこれに代えて、図20〜図22に示すように、オフセット44を変えるオフセット可変手段としてのオフセット可変機構45を用いる点、図4に示した制御構成に代えて、図22に示す制御構成を用いて印刷モードを変更できるようにした点が主に相違する。
特にコート紙とマスタとは密着しやすいので、オフセット44の量は普通紙や上質紙等の非コート紙の場合よりも大きく設定しておくことが望ましい。そこで、本変形例では、オフセット可変機構45を採用して、印刷モードを変更できるようになっている。
オフセット可変機構45は、上記インキローラ移動手段(80)と比較して、ソレノイド310、プランジャ310pおよび戻しスプリング311の配置を左右反対にした点が主に相違し、これによってソレノイド310をオンした際にインキ供給手段390を構成するインキローラ25およびドクターローラ26をプレスローラ23に対して図21の左側に偏倚させる点が異なる。
図21において、21Cは版胴軸線、23Cはプレスローラ23の軸線25Cはインキローラ25の軸線をそれぞれ示す。オフセット可変機構45は、概略的に説明すると、インキ供給手段390を構成するインキローラ25およびドクターローラ26が移動側板306a,306bに回転自在に支持され、かつ、一体的にユニット化されていて、移動側板306a,306bおよび固定側板307a,307bに形成された移動側板長穴306s,306sおよび固定側板長穴307s,307sに緩く嵌入され連結リンク309に固設されている移動軸308を介して、連結リンク309に連結されたプランジャ310pを備えたソレノイド310のオン/オフによって、版胴軸線21Cを中心に移動側板306a,306bと共にインキローラ25およびドクターローラ26が揺動変位することで、オフセットが可変される構成である。オフセット可変機構45は、印刷ドラム20の内部に配設されている。
オフセット可変制御手段46は、マイクロコンピュータ周辺回路3を介して送信されてくるコート紙設定キー30または非コート紙設定キー31からの信号に基づいて、オフセット可変機構45のソレノイド310をオン/オフ制御する機能を有する。
図9に示したステップS8の通常印刷モード実行時では、非コート紙に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例では図22に示したオフセット可変制御手段46によって、マスタと密着しにくい普通紙や上質等への印刷時にはオフセット44を小さくするように、ソレノイド310がオフ制御される(図20(a)参照)。
一方、ステップS8の特殊印刷モード実行時では、コート紙設定に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例ではオフセット可変制御手段46によって、マスタと密着しやすいコート紙等への印刷時にはオフセット44を大きくするように、ソレノイド310がオン制御される(図20(b)参照)。
このように、変形例3によれば、主として用紙種類等による印刷条件に応じて印刷モードを変更することができるようになる。
図1および図23を参照して、第1の実施形態の変形例4を説明する。変形例4は、第1の実施形態の図2および図15等に示したドクターローラギャップ可変機構212を除去しこれに代えて、図1および図23に示すように、エアーナイフ125の風量を変える風量可変手段としてのエアーナイフ風量可変手段47を用いる点、図4に示した制御構成に代えて、図23に示す制御構成を用いて印刷モードを変更できるようにした点が主に相違する。
エアーナイフ風量可変制御手段47は、マイクロコンピュータ周辺回路3を介して送信されてくるコート紙設定キー30または非コート紙設定キー31からの信号に基づいて、エアーナイフ風量可変手段47のファンモータ126の回転数を制御する送風量可変制御手段としての機能を有する。エアーナイフ風量可変制御手段47は、例えば電圧変更で、ファンモータ126の回転数を制御し、風量を変更するものである。
図9に示したステップS8の通常印刷モード実行時では、非コート紙に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例では図22に示したエアーナイフ風量可変制御手段47によって、マスタと密着しにくい普通紙や上質等への印刷時にはエアーナイフ125の風量が弱くなるように、ファンモータ126の回転数を減少する制御がされる。
一方、ステップS8の特殊印刷モード実行時では、コート紙設定に好適なマシン条件が設定される印刷モードに見合った各種設定、すなわち本変形例ではエアーナイフ風量可変制御手段47によって、マスタと密着しやすいコート紙等への印刷時にはエアーナイフ125の風量が強くなるように、ファンモータ126の回転数を増加する制御がされる。
このように、変形例4によれば、主として用紙種類等による印刷条件に応じて印刷モードを変更することができるようになる。
コート紙/非コート紙設定手段(コート紙/非コート紙別製版・印刷モード選択手段)は、これに限らず、例えば反射型のフォトセンサを用いて反射光量の差異を検出し所定の閾値と比較することにより、コート紙および非コート紙を検知する被印刷媒体種類検知手段であってもよい。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
2 制御部
3 マイクロコンピュータ周辺回路(第1、第2の制御手段を構成)
4 画像処理部
5 サーマルヘッド駆動制御部(第1、第2の制御手段を構成)
6 ドクターローラギャップ可変制御手段
7 その他制御手段(報知制御手段)
9 発熱体(発熱素子)
10 サーマルヘッド(製版手段)
11 マスタ送りモータ
12 マスタ
14 プラテンローラ
20 印刷ドラム
21 版胴
23 プレスローラ(押圧手段)
25 インキローラ(インキ供給部材)
26 ドクターローラ(インキ計量部材)
30 コート紙設定キー(コート紙/非コート紙設定手段)
31 非コート紙設定キー(コート紙/非コート紙設定手段)
33 ドクターローラギャップ(インキ供給部材とインキ計量部材との間のギャップ)
35 インキローラギャップ(印刷ドラムの内周面とインキ供給部材との間のギャップ)
36 インキローラギャップ可変機構(インキ供給部材ギャップ可変手段)
43 インキローラギャップ可変制御手段(インキ供給部材ギャップ可変制御手段)
45 オフセット可変機構(オフセット可変手段)
46 オフセット可変制御手段
47 エアーナイフ風量可変制御手段(送風量可変制御手段)
62 用紙(被印刷媒体、シート状記録媒体)
90 操作パネル
98 タッチパネル
100、100’、106 マスタのフィルムに形成された穿孔
101 サーマルヘッドの奇数ビットで穿孔されるライン
102 サーマルヘッドの偶数ビットで穿孔されるライン
103 サーマルヘッドの奇数ビットで穿孔されるラインの副走査方向ピッチ
104 サーマルヘッドの奇数ビットと偶数ビットで穿孔させた場合の副走査方向のピッチ差
105 サーマルヘッドの主走査方向の解像度ピッチ
125 エアーナイフ(送風手段)
200 孔版印刷装置
201 活性エネルギー線硬化定着装置
202 給紙部
203 給紙台
204 排紙台
212 ドクターローラギャップ可変機構(インキ計量部材ギャップ可変手段)
S 主走査方向
Y 副走査方向・マスタ搬送方向
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内部に設けられ該印刷ドラムの内周面にインキを供給するインキ供給部材および該インキ供給部材に近接して設けられ該インキ供給部材上のインキ量を計量するインキ計量部材により上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
上記インキ供給部材とインキ計量部材との間のギャップが、0.2〜0.3mmに設定されていることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
上記各発熱体の発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に形成されるようにマスタを製版する通常製版モードも実行可能であり、
上記特殊製版モードおよび上記通常製版モードの何れか一方を選択的に設定するモード選択設定手段と、
上記ギャップを変えるインキ計量部材ギャップ可変手段と、
を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内部に設けられ該印刷ドラムの内周面にインキを供給するインキ供給部材により上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
印刷時には、上記インキ供給部材が上記印刷ドラムの内周面に接触することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項3記載の孔版印刷装置において、
上記各発熱体の発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に形成されるようにマスタを製版する通常製版モードも実行可能であり、
上記特殊製版モードおよび上記通常製版モードの何れか一方を選択的に設定するモード選択設定手段と、
上記印刷ドラムの内周面と上記インキ供給部材とのギャップを変えるインキ供給部材ギャップ可変手段と、
を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内部に設けられ該印刷ドラムの内周面にインキを供給するインキ供給部材により上記印刷ドラムの内周側からインキを供給しながら、上記インキ供給部材と対向して設けられた押圧部材により上記印刷ドラム上の製版済みのマスタに少なくともコート紙を含む被印刷媒体を相対的に押し付けることで、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を上記被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
上記押圧部材の中心に対する上記インキ供給部材の中心のズレ量であるオフセットを変えるオフセット可変手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能であり、上記印刷ドラム上の製版済みのマスタから上記被印刷媒体を剥離させる送風手段を具備する孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
上記送風手段の風量を変える風量可変手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項5または6記載の孔版印刷装置において、
上記各発熱体の発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に形成されるようにマスタを製版する通常製版モードも実行可能であり、
上記特殊製版モードおよび上記通常製版モードの何れか一方を選択的に設定するモード選択設定手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
上記マスタは、上記熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体との2層からなり、両者の接着強度が、6N/m以上であることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の孔版印刷装置において、
上記マスタは、上記熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体との2層からなり、両者の接着強度が、6N/m以上であることを特徴とする孔版印刷装置。 - 熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタの該熱可塑性樹脂フィルム側に、主走査方向に配列された多数の発熱体を備えたサーマルヘッドを直接的に接触させると共に、上記主走査方向と直交する副走査方向にマスタ搬送手段により上記マスタを移動させながら、画像信号に応じた上記各発熱体の位置選択的な発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔させて上記画像信号に応じた穿孔パターンを得、この穿孔パターンが形成された製版済みのマスタを印刷ドラムの外周面に巻装し、上記印刷ドラムの内周側からインキを供給し、上記穿孔パターンを介して滲み出たインキにより上記画像信号に応じたインキ画像を少なくともコート紙を含む被印刷媒体上に形成し、上記インキとして活性エネルギー線硬化型インキを使用することにより上記被印刷媒体への完全定着が可能である孔版印刷装置において、
上記各発熱体の奇数番目に当たる奇数ビットおよび該各発熱体の偶数番目に当たる偶数ビットの発熱駆動によって、上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される穿孔が上記主走査方向の互いに異なる一列上にそれぞれ形成されるように、かつ、隣接した上記奇数ビットと上記偶数ビットとの発熱駆動によって上記熱可塑性樹脂フィルムに形成される各穿孔が上記主走査方向の同じ一列上に隣り合わないようにマスタを製版する特殊製版モードが実行可能であり、
上記マスタは、上記熱可塑性樹脂フィルムと少なくとも1層の多孔性樹脂膜と多孔性支持体との少なくとも3層からなり、上記多孔性樹脂膜と上記多孔性支持体との接着強度が、6N/m以上であることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の孔版印刷装置において、
上記マスタは、上記熱可塑性樹脂フィルムと少なくとも1層の多孔性樹脂膜と多孔性支持体との少なくとも3層からなり、上記多孔性樹脂膜と上記多孔性支持体との接着強度が、6N/m以上であることを特徴とする孔版印刷装置。
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