JP2005138550A - 印圧部材可変機構及び孔版印刷装置 - Google Patents

印圧部材可変機構及び孔版印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 インキ供給ローラと印圧部材となるプレスローラとのオフセット量の調整に際し、騒音や振動が少なくインキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止して、所定の画像品質を得ることの可能な印圧部材可変機構を提供する。
【解決手段】 版胴1に印刷用紙Pを介して圧接する印刷位置と版胴から離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材9を回転自在に支持する揺動可能なアーム部材25L、25Rを、機枠29L,29Rに回転自在に支持された中心軸24に設けられ軸部24Cよりも大径の偏心円で構成された係合部24A、24Bに固定し、駆動モータ61を備えた駆動手段60で中心軸24を回転駆動することで、偏心量分だけアーム部材25L、25Rを移動させることで、版胴内部に設けられ版胴内周面1bにインキを供給するインキ供給ローラ5と印圧部材9の水平方向へのオフセット量δを調整する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、版胴の内部に設けられ版胴内周面にインキ供給源からのインキを供給するインキ供給ローラと版胴に印刷用紙を介して圧接する印圧部材とのオフセット量を調整する印圧部材可変機構および、それを有する孔版印刷装置に関する。
孔版印刷装置は、外周面に印刷用原紙が巻着される回転自在な版胴と、この版胴に対して印刷用紙を介して印圧部材としてのプレスローラを圧接させることで、版胴内部でプレスローラとの対向位置に設けられたインキ供給ローラによって版胴内周面に供給されるインキを版胴外周面、原紙から滲み出させて印刷用紙に原紙に製版された画像を印刷している。
プレスローラは、接離機構によって版胴外周面に対して接触する印刷位置と、離間する非印刷位置とを閉めるように構成されている。特許文献1には、独立して揺動する一対のアーム部材の基端部に支持されたプレスローラを、版胴の両端に設けられた一対の同一形状で、かつ同位相の印圧カムにより直接駆動して接離駆動する接離機構が記載されている。特許文献1には、印刷遠度とインク温度の変化に伴う画像濃度変化の補正手段として、プレスローラの版胴に対する圧接力を可変することが記載されている。
特許文献2には、印刷開始時及びインク温度に応じた画像濃度補正手段として、プレスローラとインキ供給ローラとのオフセット量を、インクローラを変移させる事により可変とする構成が記載されている。
特許第2857558号公報 特許第3222581号公報
特許文献1に記載の接離方式では、プレスローラとインキ供給ローラとの水平方向へのオフセット量(図1符合δ参照)が常に一定であった。このオフセット量は、プレスローラ押圧によって版胴内部から外部へ滲出するインク量(インク供給量)に大きな影響を及ぼす特性値で、オフセット量が小さい程インクのインク供給量は多く、逆に大きい程インク供給量少なくなる事が知られている。特許文献1においては、オフセット量が固定であるため、印刷速度、環境温度、インク種類等の、孔版印刷装置における代表的な印刷条件を想定し、その条件の元で一元的にオフセット量を定めざるを得なかった。
このため、例えば印刷最高速度と最低速度、夏場と冬場(気温の差異)、黒インクと各種カラーインク等々のインク供給量が異なる様な条件においては、同じ画質(濃度、ベタ埋まり等)が得られないおそれがあった。このような不具合を解消するためには、プレスローラの押圧力を変化させることが考えられるが、押圧力の増大に伴い騒音/振動が悪化するおそれがあり、更には押圧力の増大に伴う負荷増大により耐久性を損なうことが懸念される。
特許文献2においては、インクローラの位置を変移させることにより、プレスローラとのオフセット量を可変としているので、オフセット量を変化させて濃度補正を行う場合には、特許文献1のように押圧負荷が増大するおそれは極めて少ない。しかしながら、インキ供給ローラの近傍には、これと近接/協同してインク溜まりを形成し、且つインキ供給ローラとの隙間を利用して供給するインク量を計量/規制するドクタローラが設けられている。インクの通過を過不足なく円滑に供給するためにはインキ及びドクタの両ローラの隙間を厳しく規制する必要があり、両ローラ間の隙間が設定値以上になった場合には。所謂、尻漏れ/脇漏れ等のインク漏れが、同設定値以下となった場合には濃度低下や画像擦れが生じてしまうことが知られている。このため、インキ供給ローラとドクタローラの隙間は、通常0.07mm〜0.09mmと公差±0.01mmで厳密に管理されている。特許文献2では、インキ供給ローラとドクタローラとを一対の側板で支持し、その側板を移動させてオフセット量を調整するが、側板を移動する際に用いる駆動系のガタ等により一対の側板自体に捩じれが生じ、ローラ端部付近の隙間に特に変化が生じてしまうおそれがある。ここで発生する捩じれは微小ではあるが、隙間管理として要求されている精度が0.01mm単位のため、このような捩れによる隙間変化の発生も避けなければならない技術的要素である。
本発明は、インキ供給ローラとプレスローラとのオフセット量の調整に際し、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止して、所定の画像品質を得ることの可能な印圧部材可変機構及び孔版印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、インキ供給ローラとプレスローラとのオフセット量の調整に際し、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止して、所定の画像品質を得るとともに、所望の画質に合わせてインク供給量を調整可能な印圧部材可変機構及び孔版印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、外周面に印刷用原紙が巻着される回転自在な版胴に印刷用紙を介して圧接する印刷位置と版胴から離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材と、版胴の内部に設けられ版胴内周面にインキ供給源からのインキを供給するインキ供給ローラとの水平方向へのオフセット量を調整可能とする印圧部材可変機構を提案するものである。
請求項1に記載の印圧部材可変機構は、印圧部材の両端を回転自在に支持する揺動可能な一対のアーム部材と、この一対のアーム部材の揺動中心を貫通し、各アーム部材と係合する係合部を有し、この係合部がそれ以外の軸部よりも大径の偏心円でなり、アーム部材以外の部材に回転自在に支持された中心軸と、印圧部材に対して印刷位置への移動習性を与える部材と、中心軸を回転駆動する駆動モータを備えた駆動手段と、中心軸の回転角を検出する回転角検出手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、駆動機構が、中心軸に設けられたウォームホイールと、駆動モータの出力軸に設けられていてウォームホイールと噛み合うウォームギアとを備え、回転角検出手段が、中心軸と一体回転可能に設けらたれた回転角度検知用部材と、回転角度検知用部材の回転から中心軸の回転角度を検出するセンサとを有することを特徴としている。
請求項3に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、入力される印刷速度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有し、請求項4に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、入力される気温情報又はインク温度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することをそれぞれ特徴としている。
請求項5に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、入力される印刷濃度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有し、請求項6に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、入力される印刷枚数情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有し、請求項7に記載の印圧部材可変機構は、請求項1記載の印圧部材可変機構において、入力されるインキ種類情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することをそれぞれ特徴としている。
本発明は、外周面に印刷用原紙が巻着される回転自在な版胴と、この版胴に印刷用紙を介して圧接する印刷位置と版胴から離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材とを備え、版胴の内部に設けられ版胴内周面にインキ供給源からのインキを供給するインキ供給ローラと印圧部材との水平方向へのオフセット量を調整可能とする孔版印刷装置を提案するものである。
請求項8に記載の孔版印刷装置は、請求項1又は2に記載の印圧部材可変機構を有し、請求項9記載の孔版印刷装置は、請求項8記載の孔版印刷装置において、印刷速度情報を設定する印刷速度設定手段と、印刷速度設定手段によって設定された印刷速度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段とを有し、請求項10に記載の孔版印刷装置は、請求項8記載の孔版印刷装置において、気温又はインク温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された温度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することをそれぞれ特徴としている。
請求項11に記載の孔版印刷装置は、請求項8記載の孔版印刷装置において、印刷濃度を設定する印刷濃度設定手段と、印刷濃度設定手段で設定された印刷濃度情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有し、請求項12に記載の孔版印刷装置は、請求項8記載の孔版印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、印刷枚数計数手段によって計数された印刷枚数情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有し、請求項13に記載の孔版印刷装置は、請求項8記載の孔版印刷装置において、インキの種類を設定/記憶するインキ情報設定手段と、インキ情報設定手段によって設定されたインキ種類情報に応じて駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することをそれぞれ特徴としている。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量の調整を、印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながら所定の画像品質を得ることができる。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量の調整を、印刷速度に応じて駆動モータを制御することで印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながら、印刷速度に因らず所定の画像品質を得ることができるとともに、ユーザーが所望の画質に合わせてインク供給量を調整することができる。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量を、気温やインキ温度に応じて駆動モータを制御することで印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながら、温度条件に因らずに所定の画像品質を得ることができるとともに、ユーザーが所望の画質に合わせてインク供給量を調整することができる。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量の調整を、印刷濃度情報に応じて駆動モータを制御することで印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながら、印刷濃度に対応する所定の画像品質を得ることができるとともに、ユーザーが所望の画質に合わせてインク供給量を調整することができる。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量の調整を、印刷枚数に応じて駆動モータを制御することで印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながら、印刷枚数に因らずに所定の画像品質を得ることができるとともに、ユーザーが所望の画質に合わせてインク供給量を調整することができる。
本発明によれば、印圧部材と版胴内のインク供給ローラとの水平方向へのオフセット量を、制御手段でインキ種類に応じて駆動モータを制御することで印刷部材側を移動させることで行えるので、騒音や振動が少なく、インキ供給ローラとドクタローラとの隙間変化の発生を防止しながらインキ種類に因らずに所定の画像品質を得ることができるとともに、ユーザーが所望の画質に合わせてインク供給量を調整することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図5は、本発明の一実施例を適用した孔版印刷装置の要部構成図である。図5において、孔版印刷装置の要部は、図示しない機体部の中央部に配置され印刷用原紙となる製版済みマスタ(以下「マスタ」と記す)のマスタ3が外周面1aに装着された円筒状の版胴1を備えた印刷装置10と、版胴1の左下方に配置されていて、給紙台11上に積層された印刷用紙Pを版胴1に送出する給紙装置20と、この給紙装置20に対向する図示しない機体部の下方に配置されていて、版胴1で印刷された印刷用紙Pを排紙台16に排出する排紙装置30とを備えている。
先ず印刷装置10、給紙装置20及び排紙装置30について順次説明する。同図に示すように、印刷装置10は、図示しない駆動モータにより回転中心軸2の周りに矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される版胴1と、版胴1の外周面1aの一部にその軸線方向に延在してマスタ3の先端部を挟持する開閉可能なクランパ4と、版胴1の内周面1bにインキを供給するインキ供給ローラ5と、インキ供給ローラ5と微小間隙を置いて平行に配置されていて、インキ供給ローラ5との間に図示しないインキ溜まりを形成するドクタローラ6と、版胴1の回転中心軸を兼ねるとともに、図示しないインキ溜まりへインキを供給するインキ供給部としてのインキ供給管7とを有する。本形態において、インキ供給管7、インキ供給ローラ5及びドクタローラ6がインキ供給装置8を構成する。インキ供給ローラ5に対向する版胴1の外周面1aの下方近傍には、印刷用紙Pを介して外周面1aに圧接する印刷位置と外周面1aから離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材としてのプレスローラ9が配設されている。
給紙装置20は、積層された印刷用紙Pを積載する給紙台11と、印刷用紙Pを送出す給紙コロ12と、印刷用紙Pを一枚ずつ分離する一対の分離コロ対13a,13bと、外周面1aとプレスローラ9とが圧接する印刷部に所定タイミングで印刷用紙Pを送出する一対のレジストローラ対14a,14bとを有する。
排紙装置30は、版胴1で印刷された印刷済の印刷用紙Paを順次積載する排紙台16と、版胴1の外周面近傍に配置され印刷用紙Paを外周面1aから剥離する分離爪15と、分離爪15によって剥離された印刷用紙Paを排紙台16上へ搬送するための搬送手段21とを備えている。搬送手段21は、吸着部ローラ17,18と吸着部ローラ17,18間に掛け渡された無端状で多孔性の搬送ベルト19と、図示しない吸引ファンとを備えている。
図1に示すように、版胴1は、回転中心軸2と平行な方向に延在したステンレス製の多孔性の円筒体からなり、図示しないフレームに取り付けられたインキ供給管7に回転可能に支持されている周知のものである。版胴1の両端部には、回転中心軸2と同軸に、一対の互いに同輪郭形状のカム22L,22Rがそれぞれ実質一体的に取り付けられている。これらのカム22L,22Rは、合成樹脂製で大略円板形状に成形されていて、各カム22L,22Rの輪郭周面には同一直径からなる同径輪郭周面部22cと、同径輪郭周面部22c及びクランパ4の最外周輪郭よりも径が大きい大径部としての凸状径部22aとがそれぞれ形成されている。カム22L,22Rは、これらの凸状径部22aが版胴1上のクランパ4を挟んで左右同一の位相位置になるように版胴1の端部にそれぞれ取り付けられている。各カム22L,22Rにおける凸状径部22aの輪郭周面は非画像印刷範囲に、カム22L,22Rにおける同径輪郭周面部22c(凸状径部22aを除く)は画像印刷範囲にそれぞれ対応して設定されている。
図1において、プレスローラ9は、版胴1の回転中心軸2と平行な方向に延在した合成ゴム性の周知のものであり、その軸9aに実質一体的に取り付けられている。この軸9sの両端近傍には、カム22L,22Rと選択的に従動する、すなわち凸状径部22aとのみ係合する互いに同一形状の一対のカムフォロア9L,9Rが、プレスローラ9を挟んでそれぞれ実質一体的に取り付けられている。各カムフォロア9L,9Rの外径は、プレスローラ9の外径よりもやや小さく形成されていて、画像印刷範囲において外周面1aとプレスローラ9との間で印刷用紙Pが押圧され印刷画像が転写でき得る程度の隙間が付与されている。
図1において、軸9sにおける各カムフォロア9L,9Rの外側端部には、軸受9jがそれぞれ設けられている。これら軸受9jは、左右において互いに同一形状の一対のアーム部材となるプレスローラアーム25L,25Rに保持されている。各プレスローラアーム25L,25Rの基端部は、各機枠29L,29Rの他端においてプレスローラアーム25L,25Rの揺動中心を構成する中心軸24で枢着され、上下方向にそれぞれ独立して揺動自在に支持されている。各プレスローラアーム25L,25Rの自由端には、後述するプレスローラ係止手段と係止する切欠き爪25aがそれぞれ形成されている。この中心軸24は、プレスローラアーム25L,25R以外の部材となる機枠29L、29Rに回転自在に支持されている。
各プレスローラアーム25L,25Rは、その略中央部においてその一端が係止され他端が図示しない孔版印刷装置の不動部材に係止された左右一対の、付勢手段としての引張りコイルバネ26により、常に矢印上向き方向、すなわち各カムフォロア9L,9Rを各カム22L,22Rに圧接させる向きの付勢、及びプレスローラ9に対して外周面1aに圧接させる向き、すなわち印圧位置への移動習性がそれぞれ与えられている。引張りコイルバネ26のバネ特性は、その荷重、高さ及びバネ定数等が通常の品質規格よりも厳しく設定されている。
プレスローラ9は、以上の構成により、その左右両端部において同一位相で回転可能に支持され、かつ、左右一対の引張りコイルバネ26により外周面1aに圧接させられる向き(印圧位置)への移動習性が与えられている。したがって、プレスローラ9は、常に版胴1に密接する方向に各プレスローラアーム25L,25Rの基端部を中心に揺動自在に付勢されており、版胴1の印圧カム22L、22Rとプレスローラ5のカムフォロア9L、9Rとが夫々係合し且つ版胴1が回転駆動されることにより、版胴1に対し印刷位置と非印刷位置とに選択的に変位され、印刷位置においてその軸9s方向の全領域に渡って外周面1aに等分布荷重で均一に圧接されることで、印刷位置において版胴1を介してインキ供給ローラ5を圧接する。
各プレスローラアーム25L,25Rの近傍には、プレスローラアーム25L,25Rの揺動を選択的に係止する左右一対の印圧解除爪部材28L,28Rが、各機枠29L,29Rにおいて回動自在に支持された連結軸28sの両端にそれぞれ固着されている。各印圧解除爪部材28L,28Rの自由端には、各プレスローラアーム25L,25Rの切欠き爪25aと選択的に係止する係止爪28aがそれぞれ形成されている。各印圧解除爪部材28L,28Rの基端における図において右側には、機枠29L,29Rに植設された左右一対のピン32にその一端が係止された引張りコイルバネ31の他端がそれぞれ係止されていて、常に反時計回り方向、すなわち切欠き爪25aと係止爪28aとが係止する向きの揺動習性が与えられている。印圧解除爪部材28Lの基端における図において左側は、機枠29Lに固設されたソレノイド33のプランジャ33pに連結されている。
次に、この孔版印刷装置における要部の動作について以下に説明する。以下、参照する図面の動作説明において、左右両側に存在する構成要素の動作は特に断らない限りその片側のみについて説明する。図5において、給紙台11上に積載されている印刷用紙Pが、給紙コロ12及び分離コロ対13a,13bによりレジストローラ対14a,14bへ向けて送られ、さらにレジストローラ対14a,14bにより版胴1の回転と同期した所定のタイミングで版胴1とプレスローラ9との間の印刷部に送出される。この時、図1に示すように、矢印方向(反時計回り方向)に回転する版胴1の外周面1aに巻装されたマスタ3に対して、左右一対の引張りコイルバネ26により軸9s方向の全領域において均一に付勢されたプレスローラ9が印刷用紙Pを介して押圧することにより、版胴1内のインキがマスタ3の穿孔部分から印刷用紙Pの表面に転移されて、印刷用紙Pに所望の画像が印刷される。この時、インキ供給ローラ5も版胴1の回転方向と同一方向に回転し、インキを版胴1の内周面1bに供給する。印刷された印刷用紙Paは、分離爪15によって外周面1aから剥離され、図5において、回転する吸着部ローラ17,18間に掛け渡され回り動く搬送ベルト19に沿って案内され、排紙台16上に落下し、印刷用紙1枚目の印刷工程が終了する。
版胴1がさらに矢印方向(反時計回り方向)に回転されカム22Lの凸状径部22aが下方近傍、すなわち非印刷位置に到ると、凸状径部22aとカムフォロア9Lとが摺接し、プレスローラアーム25Lが中心軸24を中心として下方に揺動されることにより、プレスローラ9は引張りコイルバネ26の付勢力に抗して外周面1a及びクランパ4の輪郭外周面から離間される。こうして、クランパ4とプレスローラ9との干渉が回避される。さらに版胴1が矢印方向に回転されクランパ4が分離爪15の先端近傍、すなわち非分離位置に近付くと、凸状径部22aに同図に図示しないコロが接触して転動し、分離爪軸34が反時計回り方向に回転されることによって、分離爪15の先端がクランパ4の輪郭外周面から離間される。このようにして、クランパ4部位と分離爪15の先端との干渉が回避される。版胴1がさらに回転され凸状径部22aが下方から遠ざかると、印刷用紙2枚目の印刷工程が開始されて、上記動作と同様の動作が所定印刷枚数分繰り返されて印刷が終了する。
印刷を終了させるときには、図1において、版胴1に最後の印刷用紙Pを介してプレスローラ9を圧接している間に、それまで励磁状態を保持していたソレノイド33を非励磁状態とする。すると、印圧解除爪部材28Lが揺動し、印圧解除爪部材28Lの自由端面部28bがプレスローラアーム25Lの自由端突出面25bに当接する。やがて、上記最後の印刷用紙Pが排出され、かつ、版胴1の回転に伴いカム22Lの凸状径部22aが下方近傍に到って凸状径部22aとカムフォロア9Lとが摺接して行くことにより、プレスローラアーム25Lの自由端突出面25bが印圧解除爪部材28Lの自由端面部28bを摺接しつつ、プレスローラアーム25Lが中心軸24Lを中心として下方に揺動する。そして、カム22Lの凸状径部22aの頂点付近が最下方に位置する回転位置において、プレスローラアーム25Lの切欠き爪25aと印圧解除爪部材28Lの係止爪28aとが、噛み合う。なお、このままの状態で版胴1が1回転以上回転されてもその噛み合いが外れることはない。したがって、上記状態においては、プレスローラ9は版胴1の外周面1a及びクランパ4の輪郭外周面から離間された状態が維持される。
印刷時には、版胴1を回転させながらソレノイド33に印圧オン指令が送出されて励磁される。この時、カム22Lの凸状径部22aの頂点付近が下方に位置し、凸状径部22aの頂点とカムフォロア9Lとが摺接すると、引張りコイルバネ26の付勢力に抗してプレスローラアーム25Lが若干下方に押し下げられ、これにより、互いに当接していた切欠き爪25aの上面と係止爪28aの下面とが離間する。すると、ソレノイド33に印圧オン指令が送出されて励磁されていたプランジャ33pが吸引移動され、印圧解除爪部材28Lが実線位置に変位されて切欠き爪25aと係止爪28aとの噛み合いが解除される。以後、再び、ソレノイド33が非励磁状態となる非印刷時までは、版胴1の回転と同期して版胴1の非画像印刷範囲及び画像印刷範囲に対するプレスローラ9の圧接と離間とが繰り返される。
本形態にかかる孔版印刷装置は、プレスローラ9とインキ供給ローラ5との水平方向へのオフセット量を調整する印圧部材可変機構50を備えている。印圧部材可変機構50は、図2に示すように、プレスローラ9の両端を回転自在に支持する各プレスローラアーム25L,25Rと、各プレスローラアーム25L,25Rの揺動中心を貫通し、各プレスローラアーム25L,25Rと係合する係合部24A、24Bが形成された中心軸24と、引張りコイルバネ26,26と、中心軸24を回転駆動する駆動モータ61を備えた駆動手段60と、中心軸24の回転角を検出する回転角検出手段70とで構成されている。
回転角検出手段70は、中心軸24の略中央に軸と一体回転可能に設けらたれた回転角度検知用部材となるパルスエンコーダ71と、パルスエンコーダ71の回転から中心軸24の回転角度を検出するセンサとなるフォトセンサ72とを備えている。パルスエンコーダ71には、等長のパルスを発生させるスリット部71Aと、スリット部71Aよりも長いパルスを発生させる非スリット部71Bとが形成されていて、これら各部により発生されるパルス長の差異より中心軸24の初期設定位置が検出可能とされている。
駆動機構60は、機枠29Rの外方にまで延在されている中心軸24の一端24Dに一体的に設けられたウォームホイール62と、正/逆両方向に回転可能な駆動モータ61の出力軸61aに設けられ、ウォームホイール62と噛み合うウォームギア63とを備えている。ウォームギア63は、駆動モータ61が駆動されることで出力軸61aと一体回転するようになっている。ウォームギア63は、その進み角をγ、摩擦係数をμ、歯直角圧力角をαnとした場合、γ≦μ/cosαなる所謂、自動シマリの条件を満足するものである。すなわち、駆動機構60は、ウォームホイール62側からウォームギア63を駆動出来ない、逆転防止構成を備えている。中心軸24の係合部24A、24Bは、図3に示すように、中心軸24の係合部以外の軸部24Cよりも大径の偏心円として形成されており、プレスローラアーム25L、25Rの基端部に固定されている。係合部24A、24Bの中心80は、図4に示すように、中心軸24の中心81に対して寸法eだけ偏心するように形成されている。
図6に示すように、駆動モータ61とフォトセンサ72は制御手段90に接続されている。制御手段90は、周知のCPUやメモリ等を備えたコンピュータであって、フォトセンサ72からのパスル信号に応じて駆動モータ61の駆動方向と駆動時間を制御する。
図4はプレスローラ9が版胴1を介してインク供給ローラ5に圧接されている状態、すなわち印刷位置を示し、この時のインク供給ローラの中心82とプレスローラ5の中心83との水平方向距離をオフセット量δと称する。オフセット量δは、その値が小さくなるにつれて外周面1aに供給されるインク量が増えて行く特性を有し、通常は使用されるインク/マスタ等に合わせ2mm〜4mm程度に設定される。また、孔版印刷装置の機種により多少は異なるが、オフセット量δを1mm増減した場合、インク供給量は約10%程増減する事が知られている。
図4において、中心軸24は初期設定位置にあり、中心軸24の軸部24Cの中心81とプレスローラアーム25L、25Rに固定された係合部24A、24Bの中心80は、水平方向には一致しているが垂直方向には寸法eだけ偏心している。このため、初期設定状態から駆動モータ61が駆動されて中心軸24が時計方向に回転駆動されると、軸部24Cの中心位置は中心軸24の両端が機枠29L、29Rに回転自在に支持されているため不変であるが、各プレスローラアームを軸支する係合部24A、24Bの中心81は、初期設定位置から回転角θ=90度に至るまで偏心eの効果で徐々に図右方に位置を変えて行く。このため、プレスローラアーム25L、25R及びこれらアームに回転自在に支持されているプレスローラ9も図右方に移動して行く事になり、インキ供給ローラ5とのオフセット量δは狭小化される。
中心軸24は初期設定位置にある状態で、駆動モータ61が逆方向に駆動されて中心軸24が反時計回りに回転駆動された場合には、同様にして初期設定位置から回転角θ=−90度に至るまで、オフセット量δは徐々に大きくなって行く。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は2mm<δ<4mmの範囲で変位して行くことになる。
中心軸24の駆動は、逆転防止の条件を満たすウォームギア63を介して行われるので、中心軸24が駆動モータ61側からのみ回転可能とすることができ、ウォームホイール62側から回転することを防止することがない。このため、版胴1の回転力及び引っ張りコイルバネ26,26の付勢力の反力により、意図しない方向に中心軸24が回転し、初期のオフセット量が変位してしまう事を防止できる。
図7は、図5に示す孔版印刷装置が印刷速度情報を設定する印刷速度設定手段91を有する場合の制御系を示す。印刷速度設定手段91は、標準速度を設定する標準スイッチ91b、標準速度よりも遅い速度を設定する低速スイッチ91a、標準速度よりも早い速度を設定する高速スイッチ91cを備えている。これら各スイッチは図6と同一機能を有する制御手段90に接続されている。ここでの制御手段90は、印刷速度設定手段90が操作されて印刷速度が選択されると、設定速度情報をメモリに記憶し、設定された印刷速度情報に応じて駆動モータ61の駆動時間及び回転方向を制御するように機能する。
本形態では、標準スイッチ91aが操作されて標準速度情報が設定された場合には、駆動モータを駆動して中心軸24を初期設定位置とする。低速スイッチ91bが操作されて低速速度情報が設定された場合には、オフセット量δが大きくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。高速スイッチ91cが操作されて高速速度情報が設定された場合には、オフセット量δが小さくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は、低速スイッチ91bが操作された場合には4mmに設定され、高速スイッチ91cが操作された場合には2mmに設定されことになる。
本形態によると、インク供給量が減少する高速印刷時には、オフセット量δが小さくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が大きくなり、版胴内部から外部へのインク供給量を増加させる事ができ、印刷濃度の低下を補正する事ができる。インク供給量が増加する低速印刷時には、オフセット量δが大きくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が小さくなり、版胴内部から外部へのインク供給量を低減させる事ができる。すなわち、印刷速度に因らず安定した濃度の印刷画像を得られる。
図8は、図5に示す孔版印刷装置が気温を検出する温度検出手段としての温度センサ92を有する場合の制御系を示す。温度センサ92は図6と同一機能を有する制御手段90に接続されている。ここでの制御手段90には、基準温度情報と低温度情報及び高温度情報の第1〜第3の温度情報がメモリに記憶されていて、検出された温度情報に応じて駆動モータ61の駆動時間及び回転方向を制御するように機能する。
本形態では、温度センサ92で検出された温度情報が第1の温度情報となる基準温度情報の場合には、駆動モータを駆動して中心軸24を初期設定位置とする。温度センサ92で検出された温度情報が第2の温度情報となる低温度情報の場合には、オフセット量δが小さくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。温度センサ92で検出された温度情報が第3の温度情報となる高温度情報の場合には、オフセット量δが大きくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は、検知温度が低温度情報の場合には2mmに設定され、検知温度が高温度情報の場合には4mmに設定されことになる。
本形態によると、インク供給量が減少する低温度の環境時には、オフセット量δが小さくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が大きくなり、版胴内部から外部へのインク供給量を増加させる事ができ、印刷濃度の低下を補正する事ができる。インク供給量が増加する高温度環境時には、オフセット量δが大きくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が小さくなり、版胴内部から外部へのインク供給量を低減させる事ができる。すなわち、温度に因らず安定した濃度の印刷画像を得られる。
本形態では、温度情報と気温を検知しているが、版胴内部のインキ溜まりのインキ温度や孔版印刷装置の内部温度を検出してもよい。制御手段90に予め記憶した第1〜第3の温度情報は特定の温度情報であっても良いし、特定の温度範囲であっても良い。例えば、第1の温度情報となる基準温度情報は摂氏25℃±5℃とし、第2の温度情報となる低温度情報を19℃以下とし、第3の温度情報となる高温度情報を36℃以上とする。あるいは第1の温度情報となる基準温度情報は摂氏25℃とし、第2の温度情報となる低温度情報を15℃とし、第3の温度情報となる高温度情報を40℃とする。
図9は、図5に示す孔版印刷装置が印刷濃度を設定する印刷濃度設定手段93を有する場合の制御系を示す。印刷濃度設定手段93は、標準濃度を設定する標準スイッチ93b、標準濃度よりも薄い濃度を設定する薄いスイッチ93a、標準濃度よりも濃い濃度を設定する濃いスイッチ93cを備えている。これら各スイッチは図6と同一機能を有する制御手段90に接続されている。ここでの制御手段90は、印刷濃度設定手段93が操作されて印刷濃度が設定されると、設定印刷濃度情報をメモリに記憶し、設定された印刷濃度情報に応じて駆動モータ61の駆動時間及び回転方向を制御するように機能する。
本形態では、標準スイッチ93aが操作されて標準濃度情報が設定された場合には、駆動モータ61を駆動して中心軸24を初期設定位置とする。低いスイッチ93bが操作されて低濃度情報が設定された場合には、オフセット量δが大きくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。濃いスイッチ93cが操作されて高濃度情報が設定された場合には、オフセット量δが小さくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は、低いスイッチ93bが操作された場合には4mmに設定され、濃いスイッチ93cが操作された場合には2mmに設定されことになる。
本形態によると、濃い印刷状態を希望する場合には、オフセット量δが小さくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が大きくなり、版胴内部から外部へのインク供給量が増加され、印刷濃度を濃い側に補正することができる。薄い印刷状態を希望する場合には、オフセット量δが大きくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が小さくなり、版胴内部から外部へのインク供給量が低減され、印刷濃度を薄い側に補正することができる。すなわち、希望の印刷濃度の印刷画像を得られる。
図10は、図5に示す孔版印刷装置が印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段となる印刷枚数カウンター94を有する場合の制御系を示す。印刷枚数カウンター94は、印刷前に図示しないテンキーによって設定される印刷枚数をカウントするものであり、図6と同一機能を有する制御手段90に接続されている。ここでの制御手段90には、基準枚数情報がメモリに記憶されていて、カウントされた印刷枚数情報に応じて駆動モータ61の駆動時間及び回転方向を制御するように機能する。
本形態では、印刷枚数カウンター94でカウントされた印刷枚数が基準枚数情報を超えるまでは、オフセット量δが最小になる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御し、カウントされた印刷枚数が基準枚数情報を超えると、オフセット量δが大きくなる方向に徐々に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は、印刷枚数が基準枚数情報を超えるまでは2mmに設定され、印刷枚数が基準枚数情報を超えると、2mm〜4mmに向かって徐々に移動されことになる。
本形態によると、基準枚数情報を5枚とすると、インク供給量が少ない製版直後、すなわち印刷開始直後5枚までは、オフセット量δが最小とされるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が大きく、版胴内部から外部へのインク供給量を増加させることができ、印刷所における印刷濃度の低下を補正することができる。また、印刷が進んでインキが版胴外周やマスタに馴染んでくると、オフセット量δが徐々に大きくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が小さくなり、版胴内部から外部へのインク供給量を低減し、機械設定の印刷濃度で印刷を行うことができる。すなわち、印刷初期から印刷終了に渡って印刷濃度のバラツキを低減することができる。
本形態では、基準枚数情報を5枚としたが、この枚数に限定されるものではなく、装置構成やインキ粘性などを考慮して適宜設定すればよい。この基準枚数情報は装置出荷時から予め設定しても良いし、図示しない基準枚数設定手段を設け、この手段により装置使用者が任意に基準枚数情報、すなわちオフセット量切換え枚数を設定できるようにしても良い。カウントされた印刷枚数が基準枚数情報を超えるとオフセット量δを徐々に大きくする方向に移動させる場合、基準枚数経過後、所定枚数毎に駆動モータ61の駆動を制御して段階的にオフセット量δを所定の印刷濃度になるように大きくしても良いし、基準枚数経過後、例えば中心軸24の回転角を、カウント枚数が1枚増加する度に、数度ずつ−90度に向かって移動するように駆動モータ61の駆動を段階的に制御してもよい。
図11は、図5に示す孔版印刷装置がインキの種類を設定/記憶するインキ情報設定手段95を有する場合の制御系を示す。インキ情報設定手段95は、標準粘度を設定する標準スイッチ95b、標準粘度よりも緩い低粘度を設定する低粘度スイッチ95a、標準濃度よりも硬い濃度を設定する高濃度スイッチ95cを備えている。これら各スイッチは図6と同一機能を有する制御手段90に接続されている。ここでの制御手段90は、インキ情報設定手段95が操作されてインキ粘度、すなわちインキ種類情報が設定されると、インキ種類情報をメモリに記憶し、設定されたインキ種類情報に応じて駆動モータ61の駆動時間及び回転方向を制御するように機能する。
本形態では、標準スイッチ95aが操作されて標準濃度情報が設定された場合には、駆動モータ61を駆動して中心軸24を初期設定位置とする。低粘度スイッチ95bが操作されて低粘度インキ情報が設定された場合には、インキ供給量が多くなりがちなので、オフセット量δが大きくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。高粘度スイッチ95cが操作されて高粘度インキ情報が設定された場合には、インキ供給量が少なくなりがちなので、オフセット量δが小さくなる方向に中心軸24を移動させるように駆動モータ61の駆動を制御する。つまり、オフセット量δの初期設定量を3mm、中心軸24の偏心量eを1mmとした場合には、中心軸24が回転角90度<θ<−回転角90度の範囲で回転することにより、オフセット量は、低粘度スイッチ95bが操作された場合には4mmに設定され、高粘度スイッチ95cが操作された場合には2mmに設定されことになる。
本形態によると、使用されるインキの種類、すなわちインキ粘度が低粘度の場合には、オフセット量δが大きくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が小さくなり、版胴内部から外部へのインク供給量が低減され、印刷濃度を薄い側に補正することができる。インキ粘度が高粘度の場合には、オフセット量δが小さくなるのでインク供給ローラ5とプレスローラ5との圧接力が大きくなり、版胴内部から外部へのインク供給量が増加され、印刷濃度を濃い側に補正することができる。すなわち、インキの種類に因らず安定した濃度の印刷画像を得られる。
各形態において、インク供給量の増減はオフセット量δの変位量1mmに対し10%程度と比較的緩やかであるため、インク供給ローラ5とドクタローラ6との隙間の如く0.01mm単位で管理する必要が無く、オフセット量δを変移させた時に画像の左右(プレスローラの軸線方向)での濃度差等を生じることが極めて少なくなり、安定した印刷画像を得ることができる。
本発明の一実施の形態を示す印圧部材可変機構の概略構成を示す斜視図である。 印圧部材可変機構の詳細な構成を示す斜視図である。 印刷部材を支持する中心軸と係合部の構成を示す拡大斜視図である。 印圧部材可変機構によるオフセット量変化の原理を説明するための拡大図である。 印圧部材可変機構が適用される孔版印刷装置の一例を示す概略構成図である。 印圧部材可変機構の駆動モータを制御する制御系の一形態を示すブロック図である。 印圧部材可変機構の駆動モータを印刷速度に応じて制御する制御系の一形態を示すブロック図である。 印圧部材可変機構の駆動モータを温度に応じて制御する制御系の一形態を示すブロック図である。 印圧部材可変機構の駆動モータを印刷濃度に応じて制御する制御系の一形態を示すブロック図である。 印圧部材可変機構の駆動モータを印刷枚数に応じて制御する制御系の一形態を示すブロック図である。 印圧部材可変機構の駆動モータをインキ種類に応じて制御する制御系の一形態を示すブロック図である。
符号の説明
1 版胴
1a 外周面
1b 版胴内周面
3 印刷用原紙
5 インキ供給ローラ
7 インキ供給源
9 印圧部材
24 中心軸
24A、24B 係合部
24C 係合部がそれ以外の軸部
25L、25R 一対のアーム部材
26、26 移動習性を与える部材
50 印圧部材可変機構
60 駆動手段
61 駆動モータ
61A 駆動モータの出力軸
62 ウォームホイール
63 ウォームギア
70 回転角検出手段
71 回転角度検知用部材
72 回転角度を検出するセンサ
90 制御手段
91 印刷速度設定手段
92 温度検出手段
93 印刷濃度設定手段
94 印刷枚数計数手段
95 インキ情報設定手段
P 印刷用紙
δ オフセット量

Claims (13)

  1. 外周面に印刷用原紙が巻着される回転自在な版胴に印刷用紙を介して圧接する印刷位置と前記版胴から離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材と、前記版胴の内部に設けられ前記版胴内周面にインキ供給源からのインキを供給するインキ供給ローラとの水平方向へのオフセット量を調整する印圧部材可変機構であって、
    前記印圧部材可変機構は、前記印圧部材の両端を回転自在に支持する揺動可能な一対のアーム部材と、前記一対のアーム部材の揺動中心を貫通し、各アーム部材と係合する係合部を有し、この係合部がそれ以外の軸部よりも大径の偏心円でなるアーム部材以外の部材に回転自在に支持された中心軸と、前記印圧部材に対して前記印刷位置への移動習性を与える部材と、前記中心軸を回転駆動する駆動モータを備えた駆動手段と、前記中心軸の回転角を検出する回転角検出手段とを備えたことを特徴とする印圧部材可変機構。
  2. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    前記駆動機構は、前記中心軸に設けられたウォームホイールと、前記駆動モータの出力軸に設けられていて前記ウォームホイールと噛み合うウォームギアとを備え、
    前記回転角検出手段は、前記中心軸と一体回転可能に設けらたれた回転角度検知用部材と、前記回転角度検知用部材の回転から前記中心軸の回転角度を検出するセンサとを有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  3. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    入力される印刷速度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  4. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    入力される気温情報又はインク温度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  5. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    入力される印刷濃度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  6. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    入力される印刷枚数情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  7. 請求項1記載の印圧部材可変機構において、
    入力されるインキ種類情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする印圧部材可変機構。
  8. 外周面に印刷用原紙が巻着される回転自在な版胴と、この版胴に印刷用紙を介して圧接する印刷位置と前記版胴から離間する非印刷位置とを選択的に占める印圧部材とを備えた孔版印刷装置において、
    前記版胴の内部に設けられ前記版胴内周面にインキ供給源からのインキを供給するインキ供給ローラと前記印圧部材との水平方向へのオフセット量を調整する印圧部材可変機構として、請求項1または2記載の印圧部材可変機構を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  9. 請求項8記載の孔版印刷装置において、
    印刷速度情報を設定する印刷速度設定手段と、前記印刷速度設定手段によって設定された印刷速度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段とを有することを特徴とする孔版印刷装置。
  10. 請求項8記載の孔版印刷装置において、
    気温又はインク温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出された温度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  11. 請求項8記載の孔版印刷装置において、
    印刷濃度を設定する印刷濃度設定手段と、前記印刷濃度設定手段で設定された印刷濃度情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  12. 請求項8記載の孔版印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、前記印刷枚数計数手段によって計数された印刷枚数情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
  13. 請求項8記載の孔版印刷装置において、
    インキの種類を設定/記憶するインキ情報設定手段と、前記インキ情報設定手段によって設定されたインキ種類情報に応じて前記駆動モータの駆動時間及び回転方向を制御する制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。
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