JP4213788B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に関し、マスタを版胴に巻装し、用紙を圧胴または版胴で押し付けて印刷を行う孔版印刷装置等の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置の一つである孔版印刷装置において、製版されたマスタを外周面に巻き付けた版胴に対して、印刷用の用紙を押圧手段で押し付け印刷画像形成を行なうための印圧装置として、版胴の外径と略同径で、版胴と反対方向に版胴の周速度と略同周速度で回転する圧胴を使用する例はすでに知られている。この圧胴は、版胴の外周に設けられているマスタの先端部をくわえるマスタクランパとの干渉を避けるために自身の外周部の一部に設けられた凹部を有することで、版胴に対する印圧のオン/オフ時の移動量を小さくすることができるため、印圧音を小さくすることができ、ひいては孔版印刷装置の騒音の低減を図ることができるという特長をもっている。
【0003】
通常、圧胴の上記凹部には、給送されて来た用紙の先端部を挾持・保持する(以下、「くわえる」もしくは「クランプ」と言い替えるときがある)開閉自在なくわえ爪を具備するクランプ装置が配設されている。このくわえ爪により給送されて来た用紙の先端部をくわえながら回転する圧胴で搬送しその用紙を版胴に押し付けて印刷を行なうことができる(版胴の外径と圧胴の外径とが略同径なので用紙を1枚ずつクランプして印刷することができる)ので、孔版印刷工程において、用紙の先端部が版胴に貼り付いたまま排紙爪もしくは剥離爪で剥離できずジャムになる、いわゆる「排紙(用紙)巻き上がり」を防止したり、用紙の用紙搬送方向に対する印刷画像の位置精度(レジスト精度)の向上を図ったりすることができる。
【0004】
以下、図21ないし図26を参照して、圧胴におけるクランプ装置のくわえ爪による用紙のクランプおよび用紙搬送動作時の問題を説明する。
例えば、図21に示すような孔版印刷装置においては、その孔版印刷装置の騒音の低減および用紙3のレジスト精度等を向上する目的で押圧手段としてくわえ爪21を備えた圧胴20、いわゆる「紙くわえ圧胴方式」が用いられる。圧胴20は、図21に示すように、その外径寸法Da(直径)を版胴1の外径寸法Da(直径)と等しく形成されていて、版胴1が1回転したとき、圧胴20も1回転する。このため、同図に示すように、給送されて来た用紙3の先端部をクランプするくわえ爪21を圧胴20上に設けることができ、用紙3の先端をくわえ爪21に突き当てながら給紙することで、用紙3のレジスト精度を向上することができる。なお、図21においては、くわえ爪21および排紙爪44等を簡略的に示している。
図22および図26に示すように、クランプ装置150は、給送されて来た用紙3の先端部をクランプする開閉自在なくわえ爪21と、くわえ爪21の基端部をネジで固定し圧胴20の外周の一母線方向に延びた軸156と、くわえ爪21を開閉駆動するための図示しないカムに係合するカムフォロア157と、軸156とカムフォロア157との間に固設され上記カムの動きをくわえ爪21に伝えるアーム159と、凹部22に固設され軸156の両端部を所定角度回動自在に支持するベース155と、くわえ爪21を閉じる位置にその磁力で保持するマグネット154と、くわえ爪21を閉じる向きに付勢する引張りスプリング158とから主に構成されている。
くわえ爪21は、図22に示すように、用紙3の先端部をクランプする用紙爪151と、この用紙爪151でクランプされて排紙爪44の位置に来たとき圧胴20より印刷された用紙3を剥す剥離爪152と、給送されて来た用紙3の先端に当接して用紙3の先端の位置決めをするストッパ爪153とからなり、板金の切り曲げ加工によって一体成形されている。
【0005】
マグネット154は、ベース155の上部に固設されていて、その磁力によって用紙爪151によりクランプされた用紙3の先端部を閉じ位置に保持する。ベース155には、開閉揺動動作するくわえ爪21における用紙爪151、ストッパ爪153および剥離爪152が干渉しないように切欠部154aが複数箇所形成されている。引張りスプリング158は、アーム159のカムフォロア157寄りの部位と圧胴20の端板20aに植設されたピン20bとの間に配設されている。くわえ爪21は、上記カムのカム曲線により開閉するが、閉じるときは引張りスプリング158の付勢力によって閉じられる。
【0006】
上記したクランプ装置150の構造により、くわえ爪21は、上記カムの動きに合わせ軸156を支点として揺動・開閉する。そして、くわえ爪21は、上記カムによりレジストローラ対33a,33bから送られて来た用紙3の先端部をクランプすべく所定のタイミング、例えば図21に▲1▼で示す圧胴20におけるくわえ爪21の回転位置(以下、「用紙くわえ位置」というときがある)で開き、用紙3の先端をくわえ爪21のストッパ爪153に突き当てた後、用紙3の先端部がくわえ爪21の用紙爪151によりクランプされ、用紙3の先端が図21および図22に示されている上下一対のガイド板38,38の下流端を出た後の所定のタイミングでくわえ爪21が閉じる。
次いで、圧胴20は用紙3を圧胴20の外周面に保持したまま回転し、図21に▲2▼で示す回転位置近傍に至ると、用紙3の先端部が版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に搬送され、用紙3の先端がマスタ2および用紙3を介して版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧して形成されるニップ部Nを通過した後、図21に▲3▼で示す回転位置(以下、「用紙排出位置」というときがある)である排紙爪44に至る直前の位置で再びくわえ爪21が開き、印刷された用紙3を排紙搬送装置49へ送るように開閉動作するようになっている。
【0007】
このように、圧胴20におけるくわえ爪21の回転位置が、▲1▼→▲2▼→▲3▼へと順次推移することで、インキが用紙3に転写される▲2▼の回転位置よりすぎた位置で用紙3の先端部が排出されるので、用紙3がインキの粘着力により版胴1に巻き上がらない。このような圧胴20の回転位置におけるくわえ爪21の用紙くわえ位置の開閉タイミング位置は、後述するくわえ爪21による用紙3の先端部のクランプミスを防止し、かつ、ニップ部N近傍における版胴1の外周面との干渉等を防止するために、できるだけガイド板対38,38の下流端に近くなるように設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧胴20が用紙3を圧胴20の外周面に保持したまま回転した場合、以下の様な諸不具合や問題点が生じてしまう。
図22において、符号Aは用紙先端余白長さを示し、この用紙先端余白長さAは、版胴1の外周面と圧胴20の外周面とのニップ部Nにおける加圧点Cからストッパ爪153までの距離であり、これはまた図23に示すように、印刷された用紙3における用紙搬送方向Xの用紙3の先端から印刷画像Gが形成された印刷画像位置先端までの長さにも相当する。
くわえ爪21は、用紙先端余白長さAを極力小さくするために、用紙爪151の先端を加圧点Cぎりぎりまで近付けてレイアウト設計されていて、用紙の先端部の数mm(大体2〜5mm)ほどの部位をクランプするようになっている場合、用紙3の先端がくわえ爪21のストッパ爪153に突き当たり衝突(以下、単に「当接」というときがある)する際の用紙搬送速度V’が圧胴20の周速度Vよりも遅いときには、くわえ爪21にクランプされるべき用紙3の先端部が、版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧される前にくわえ爪21から抜けたり、ストッパ爪153と用紙3の先端との間に隙間を生じてストッパ爪153に対する用紙3の先端位置がずれたりしてしまう。
【0009】
用紙3の先端部が上記したようにしてくわえ爪21から完全に抜けてクランプされないとき、用紙3の先端部が版胴1の外周面に貼り付いたまま排紙爪44もしくは剥離爪152で剥離できず、上記した「排紙(用紙)巻き上がり」と呼ばれるジャムとなったり、また、用紙3の先端部がくわえ爪21から完全に抜けなくても、ストッパ爪153に対する用紙3の先端位置がずれたときには、印刷された用紙3における用紙搬送方向Xに対する印刷画像Gの位置精度(レジスト精度)が悪化したりする不具合となる。
【0010】
上述の不具合を解消するために、現実的には後述するように、用紙3の先端がくわえ爪21のストッパ爪153に当接する際の用紙搬送速度V’を圧胴20の周速度Vよりも速くなるように設定することにより、例えば図24に示すように、くわえ爪21による用紙3の先端部の保持部近傍に撓み3Bを生成させて、くわえ爪21から用紙3の先端部が抜けるような力が働かない用紙搬送速度制御方式(V’>V)が採用される。
このような用紙搬送速度制御方式(V’>V)を採用した場合、図24に示すように、用紙3の先端部近傍の撓み3B生成部分がニップ部Nで押圧される前に、版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2に接触することがあり、用紙3の上記撓み3B生成部分が製版済みのマスタ2から滲み出たインキで汚れてしまう問題点となる。
【0011】
一方、用紙先端余白長さAを小さくしようとすると、用紙爪151の先端Dが圧胴20の外径寸法Daから外側へ突出して版胴1の外周面に巻かれた製版済みのマスタ2に接触し、用紙爪151の先端Dが毎回転ごとに同じ部位の製版済みのマスタ2に当たるために、当該部位の製版済みのマスタ2が破れてしまう。このようにして製版済みのマスタ2が破れると、版胴1の外周面に供給されたインキが当該部位の破れからはみ出すことになり、はみ出したインキが用紙爪151を汚すことで、用紙3の先端部を汚してしまう不具合になるので、くわえ爪21の用紙爪151の先端Dが版胴1上の製版済みのマスタ2に当たるのを防止するために、くわえ爪21は、用紙爪151の先端Dが外径寸法Da内に入るように、圧胴20の中心側に傾けられて配設され、これにより用紙3の先端部を圧胴20に巻き付く内側の方へ若干曲げてクランプするようなレイアウト構造となっている。
【0012】
このようなくわえ爪21の構造により、用紙3の先端部が圧胴20の内側の方へ曲げられてクランプされると、以下のような問題点を生じる。
図22に示すように、用紙搬送速度V’と圧胴20の周速度Vとの関係が、V’≦Vのときには、くわえ爪21により用紙3の先端部が圧胴20の内側の方へ若干曲げられてクランプされていても、用紙3は圧胴20の外周面に保持されて、版胴1の外周面と圧胴20の外周面とのニップ部N手前までは搬送される。
ところが、上述した事情から、用紙搬送速度V’と圧胴20の周速度VとはV’>Vという関係、すなわち上記した用紙搬送速度制御方式(V’>V)の関係にあるので、用紙3の先端部が圧胴20の内側の方へ若干曲げられてクランプされていると、図24に示すように、用紙3の先端部近傍が加圧点Cを始点として版胴1の外周面寄りにたわんだ撓み3Bを生成する。このように撓み3Bを生成されニップ部Nに至る前の用紙3の先端部近傍部分が、ニップ部Nで押圧される前に、版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と接触した時に、製版済みのマスタ2の穿孔部分から用紙3の表面に転移してしまう。
ストッパ爪153との当接点における用紙3の先端から用紙3の撓み3Bが製版済みのマスタ2と接触した点までの用紙搬送方向Xの用紙3上の長さは、用紙3の先端部近傍に撓み3Bが生成されている場合では撓み3Bを生成せずに圧胴20の外周面に保持されて搬送された場合よりも若干長くなるので、用紙3がニップ部Nで押圧されてその正常な位置にインキが転移して形成された印刷画像の後側(用紙搬送方向Xの上流側)に、上記したように撓み3Bを生成された用紙3の先端部近傍部分が版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と接触した時にできたインキ汚れが生じるという問題が発生する。
【0013】
図25に示すクランプ装置150’は、例えば画用紙や厚紙(上質135kg以上)あるいはハガキなどの厚手の用紙3’をくわえ爪21でクランプした場合でも、用紙爪151の先端Dが版胴1上の製版済みのマスタ2に接触しないように、くわえ爪21を図24のレイアウトよりもさらに圧胴20の外周寸法Daの内側へ入り込むようにレイアウトしたものである。なお、くわえ爪21と加圧点Cとの位置関係は誇張して図示している。このようにした場合では、くわえ爪21のマグネット154の上面と加圧点Cとの間に段差が生じるので、厚手の用紙3’の腰のために加圧点Cを始点として撓み3B’が生成され、図24を参照して説明したと同様の問題点を生じる。
【0014】
したがって、本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、用紙の先端部をクランプしながら搬送印刷することが可能なくわえ爪を備えた圧胴、いわゆる「紙くわえ圧胴方式」を用いた孔版印刷装置等において、用紙の先端がくわえ爪に当接する際の用紙搬送速度を圧胴の周速度よりも速く設定することにより、くわえ爪による用紙の先端部の保持部近傍に撓みを生成させて、くわえ爪から用紙の先端部が抜けるような力が働かない用紙搬送速度制御方式を採用した場合でも、ニップ部に至る前の用紙の撓み生成部分が製版済みのマスタと接触しないようにして用紙のインキ汚れを未然に防止することのできる改良された孔版印刷装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決して上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、製版されたマスタを外周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段を備え上記版胴の外径と略同径の圧胴と、該圧胴を回転する圧胴駆動手段と、上記版胴の外周面と上記圧胴の外周面とで形成されるニップ部に至る前の用紙搬送路上に設けられ、上記保持手段に向けて用紙の先端を送り出すレジストローラと、該レジストローラを回転するレジストローラ駆動手段とを有し、用紙の先端が上記保持手段に当接する際の用紙搬送速度は、上記圧胴の周速度よりも速く設定されていて、上記保持手段による用紙の先端部の保持部近傍に撓みが生成されるようになっており、用紙を介して上記版胴に対して上記圧胴を相対的に押し付けて用紙に印刷を行う印刷装置において、上記保持手段は、開閉自在なくわえ爪を有し、該くわえ爪が閉じたとき、その先端が上記圧胴の外径より該圧胴の内側に配置されるよう構成されており、上記ニップ部に至る前の用紙搬送路上に、上記ニップ部に至る前の上記撓みを生成された用紙部分が上記版胴上の製版されたマスタと接触しないように用紙を案内する用紙案内手段を設け、かつ、該用紙案内手段の上記用紙搬送路の下流側端部に可撓性部材を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、上記レジストローラ駆動手段が、ステッピングモータであることを特徴とする。
【0019】
請求項1記載の発明における「版胴の外径と略同径の圧胴」とは、版胴の外径寸法が圧胴の外径寸法と同じであるものの他、設計上の寸法公差範囲内にある場合も含む。
【0020】
請求項1記載の発明における「用紙を介して版胴に対して圧胴を相対的に押し付けて用紙に印刷を行う」方式には、版胴に対して圧胴を押し付けて印刷を行う圧胴接離方式と、圧胴に対して版胴を押し付けて印刷を行う版胴接離方式と、その併用方式とがある。圧胴接離方式の具体例としては、後述する発明の実施の形態における圧胴およびその接離手段が挙げられる。一方、版胴接離方式としては、版胴が圧胴側へ移動(版胴内部のインキローラが圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周知のものが挙げられる。
【0021】
請求項1記載の発明における保持手段は、後述する実施形態で説明するものの他、くわえ爪を有するものとしては、例えば特開平5−201115号公報の図1および図2等に記載された技術等を挙げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態」という)を説明する。各実施の形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。
【0023】
(参考例1)
以下、本発明に係る第1の参考例(以下、単に「参考例1」という)について説明する。
この参考例1には、本発明の上記課題を解決するための一部構成を含む他、別の新規な技術を含んでいるので、先ず、その新規な技術の方から説明する。この新規な技術は、以下のような従来技術の事情に鑑みてなされたものである。
【0024】
孔版印刷装置における給紙機構およびそれを用いた用紙の搬送方法の一例について、図を参照しながら説明する。図15に示すように、孔版印刷装置における給紙装置29’は、エレベータ方式の給紙台31と、側板(図示せず)に回転自在に支持された呼出しローラ30および給紙ローラ32と、給紙ローラ32に圧接し重送を防止する分離ローラ34と、用紙3の先端を、多孔性円筒状の版胴1の外周面と押圧手段としてのプレスローラ40との間へ所定のタイミングで送るレジストローラ対33a,33bと、用紙3の先端をレジストローラ対33a,33bのニップ部および版胴1の外周面とプレスローラ40の外周面との間へ案内する一対のガイド板38’,38’とを有している。
【0025】
給紙台31は、駆動装置(図示せず)により、積載された用紙3の最上位が、常に呼出しローラ30に所定の押圧力(用紙3が搬送可能な押圧力)をもって接触するように昇降される。給紙台31の左側には、給紙台31上に積載された用紙3の先端を突き当て揃える給紙前面板35が配設されている。
給紙ローラ32は、版胴1と同期して回転するカム(図示せず)と、このカムに係合するカムフォロアを有するセクタギアと、ワンウェイクラッチが組み込まれ上記セクタギアと噛合する給紙ローラギアとにより、時計回り方向に回転される。呼出しローラ30と給紙ローラ32とは無端ベルト37により連結されていて、駆動力伝達関係にある。
【0026】
レジストローラ対33a,33bは、分離ローラ34よりも用紙搬送方向X前方(下流側)の上記側板に回転自在に支持されている。レジストローラ対33a,33bも給紙ローラ32と同様に、版胴1と同期して回転する図19および図20に示すカム50と、支軸部51bの周りに揺動するセクタ51と、セクタ51の一端部に配設されカム50に係合するカムフォロア53と、セクタ51の他端部に形成されたセクタギヤ51aと、ワンウェイクラッチ52が組み込まれセクタギヤ51aと噛合するレジストローラギア54とにより、レジストローラ対33a,33bの下方側のレジストローラ33bが反時計回り方向に回転される。レジストローラ対33a,33bの用紙送り速度は、版胴1の周速度と同じに設定されている。以下、上記したようなセクタギヤ51a等を用いて給紙する方式をセクタギヤ方式という。
【0027】
版胴1の下方近傍には、マスタ2を介して版胴1に接離自在な押圧手段としてのプレスローラ40が一対のローラアーム41,41の自由端に回転可能に配設されている。ローラアーム対41,41は、上記側板に回転可能に支持された支軸42にその基端部を固定されていて、支軸42端部に取付けられたカム(図示せず)等の駆動部材により版胴1の回転に合わせて自由端部を揺動されるようになっている。
版胴1の左下方には、排紙装置43’が配設されている。排紙装置43’は、インキの付着力により版胴1上のマスタ2に貼り付いた用紙3の先端部を版胴1の外周面から剥離する揺動自在な剥離爪49と、剥離爪49により剥離された印刷済みの用紙3を排紙台(図示せず)に吸着・搬送するための搬送ベルト48と、搬送ローラ前46等を具備している。
【0028】
続いて用紙3の搬送手順について説明する。
【0029】
図15に示すように、呼出しローラ30により用紙3が給送され、給紙ローラ32と分離ローラ34とで用紙3の重送が防止されて、最上位の1枚の用紙3だけがレジストローラ対33a,33bに送られる。用紙3の先端がレジストローラ対33a,33bのニップ部に衝突し、さらに搬送されて、図16に示すように上方に所定量の湾曲撓み3Aが形成された時点で、給紙ローラ32と呼出しローラ30との回転が停止する。その後、図19および図20に示すカム50の作動によって所定タイミングでレジストローラ対33a,33bが回転し、図17に示すように用紙3の湾曲撓み3A(破線で示す)が消滅する。そして、ワンウェイクラッチ56の作用により給紙ローラ32と呼出しローラ30とが用紙3の搬送によって従動回転しながら、用紙3は版胴1の外周面とプレスローラ40の外周面との間に搬送される。レジストローラ対33a,33bの回転によって、図18に示すように、用紙3の先端部が版胴1の外周面とプレスローラ40の外周面との間に搬送されると同時に、プレスローラ40が上昇してきて、プレスローラ40が用紙3を版胴1の外周面に押圧することで、周知の孔版印刷が行われていた。
【0030】
しかしながら、上述したセクタギヤ方式には、下記の諸不具合点があった。
【0031】
(1)用紙3が、図17に示す状態から図18に示す状態に搬送される際、ワンウェイクラッチ56の作用により給紙ローラ32と呼出しローラ30とが用紙3の搬送によって従動回転しているとはいえ、用紙3への負荷となる。さらには、分離ローラ34は回転しないため、これも用紙3への負荷となり、用紙3に対する負荷が大きくなってしまう。この結果、用紙3の先端が自由なので、用紙3はレジストローラ対33a,33bのニップ部の間で滑ってしまい、用紙搬送方向Xの位置精度(レジスト精度)がばらついてしまうという不具合点があった。
【0032】
(2)用紙3の搬送の際には、図15に示したように、用紙3の先端をレジストローラ対33a,33bのニップ部で一度停止させるために、レジストローラ対33a,33bの間には図示を省略したスプリングにより圧をかけてある。そして、次の用紙3が搬送されてくるまで、レジストローラ対33a,33bの回転を停止させておかなければならないため、セクタギヤ51aが往復運動後にレジストローラ対33a,33bがすぐ回転停止するように、駆動側である下方のレジストローラ33bの駆動機構にブレーキをかけるようになっている。セクタギヤ51aを動かすカム50は、版胴1側のメインモータから駆動力を得ており、上記したようにレジストローラ対33a,33bには常にブレーキがかかっている状態なので、メインモータへの負荷が増大してしまい、メインモータのパワーを大きいものにしなくてはいけないという不具合点があった。
【0033】
一方、上述した紙くわえ圧胴方式によれば、次のような不具合点があった。
紙くわえ圧胴方式を用いた従来の印刷装置においては、例えば本願出願人が提案した特願平8−25194号に示した孔版印刷装置のように、版胴と圧胴との間の回転駆動伝達系が多くの構成部品からなる天地調整機構を介していること、およびメインモータに連結された長い経路の回転駆動伝達系となっていることのために、せっかく紙くわえ圧胴方式を採用しても、天地調整機構のギヤ列のバックラッシュあるいはタイミングベルトの緩みや伸びによって、紙くわえクランパ(くわえ爪とも呼ばれている)に対するレジストローラ対33a,33bからの用紙3の搬送タイミングが若干ずれてしまい、用紙3の巻き上がりとなってしまう不具合点があった。
【0034】
そこで、本願出願人は、上記諸不具合点を解決するために、紙くわえ圧胴方式を用いた印刷装置において給紙制御に係る新規な技術を特願平9−145518号、特願平9−310716号で提案した。この新規な技術を図4、図5および図7を借りて要約的に説明すると、圧胴20のくわえ爪21に対して用紙3の先端を給送するタイミングを取るためのタイミング検知手段(遮光板106およびフォトセンサ107)を圧胴20側に配設し、フォトセンサ107からの出力信号に基づき、くわえ爪21の回転位置(用紙くわえ位置)にタイミングを合わせて用紙3の先端を給送すべくレジストローラ下ステッピングモータ102を駆動制御するレジストローラ駆動制御手段としての制御装置110等を有するものであった。上記技術は、図4、図5および図7に示されている構成から、エンコーダ120、エンコーダセンサ121およびレジストローラ電磁クラッチ122を除去すると共に、制御装置111に代えて制御装置110を有する制御構成に略相当するものである。
【0035】
しかし、上記技術においても改良すべき下記に述べるような不具合点がある。これを図12および図13を借りて説明すると、用紙3の先端がレジストローラ対33a,33bから送られたとき、圧胴20は上述したようなメインモータの駆動力伝達機構を介して、通紙の1枚ごとに揺動変位して版胴1の外周面に押圧されることにより、版胴1の外周面に押圧されるまで負荷変動が伴い速度変動が大きくなり、このような状態で用紙3の先端部がくわえ爪21にくわえられることになる。すなわち、圧胴20自身の外周の周速度が常に変動している状態にあるため、圧胴20に設けた遮光板106の回転位置をフォトセンサ107で検知するだけで、くわえ爪21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙3の先端を給送するようにレジストローラ下ステッピングモータ102を駆動制御する上記給紙制御方式では、用紙3の先端部をくわえ爪21に確実にくわえさせてクランプミスを完全に無くすることは難しい。
【0036】
したがって、この新規な技術は上述したような諸不具合点を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、保持手段に対して用紙の先端を給送するタイミングを制御するための、圧胴における少なくとも回転速度変動を検知するパルスエンコーダを圧胴側に配設することにより、圧胴におけるくわえ爪のクランプミスを無くして、用紙の巻き上がり等をさらに確実に防止すると共に、保持手段に対して用紙の先端を給送するタイミングの安定化・信頼性の向上を図ることができ、ひいてはレジスト精度をさらに向上することのできる印刷装置を提供することにある。
第2の目的は、第1の目的に加えて、エンコーダセンサからの出力パルス信号に基づき、保持手段の回転位置にタイミングを合わせて用紙の先端を給送すべくレジストローラ駆動手段を駆動制御することにより、レジストローラを駆動する駆動系を版胴と押圧手段(圧胴等)とを駆動するメインモータに対して独立させて駆動系の負荷を低減すると共に、メインモータのパワーを小さくして安価に製作できる印刷装置を提供することにある。
【0037】
第3の目的は、第2の目的に加えて、レジストローラ駆動手段をステッピングモータで構成することにより、レジストローラのブレーキや回転方向を規制する機械式部品を不要として安価ですみ、制御装置のプログラムが簡素化できると共に、演算処理を速くしてフィードバック制御の追従精度が高くなる印刷装置を提供することにある。
第4の目的は、第1、第2または第3の目的に加えて、保持手段に対して用紙の先端を給送するタイミングをとるためのタイミング検知手段を圧胴側に配設することにより、給送するタイミングの安定化・信頼性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0038】
第5の目的は、第1の目的に加えて、レジストローラに対して用紙の先端を給送するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段を圧胴側に配設することにより、給送タイミングの安定化・信頼性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
第6の目的は、第2または第3の目的に加えて、レジストローラに対して用紙の先端を給送するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段を圧胴側に配設することにより、給送タイミングの安定化・信頼性の向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0039】
そして、上記新規な技術は、次のような技術構成を採っていた。
第1の技術構成は、上記した第1の目的を達成するために、製版されたマスタを外周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段を備え上記版胴の外径と略同径の圧胴とを有し、上記版胴に対して上記圧胴を相対的に押し付けて印刷を行う印刷装置において、上記保持手段に対して上記用紙の先端を給送するタイミングを制御するための、上記圧胴における少なくとも回転速度変動を検知するパルスエンコーダを上記圧胴側に配設したことを特徴とする。
パルスエンコーダとしては、回転速度変動の検出が可能な相対的な回転量を検出するインクリメンタル型と、回転速度変動の検出と位置の検出とが可能な絶対的な回転量を検出するアブソリュート型とがある。請求項1記載のパルスエンコーダは、圧胴における少なくとも回転速度変動を検知するので、インクリメンタル型およびアブソリュート型の両方を含む。また、パルスエンコーダとしては、その検出性能の安定化および信頼性を上げるという点からはフォトエンコーダが好ましいが、これを望まなくても良いのであれば磁気式エンコーダ等であってもよい。
「圧胴側」とは、圧胴接離方式にあっては、圧胴自体もしくは版胴に対しての圧胴の変位動作と共に実質的に同期して変位する部材も含む圧胴の側をいう。また、版胴接離方式にあっては、圧胴自体もしくは圧胴近傍の装置本体側をも含む圧胴側をいう。
【0040】
第2の技術構成は、上記した第2の目的を達成するために、第1の技術構成において、上記保持手段に向けて上記用紙の先端を送り出すレジストローラと、上記レジストローラを回転するレジストローラ駆動手段と、上記パルスエンコーダは、上記圧胴に設けられたエンコーダとこのエンコーダの近傍に設けられたエンコーダセンサとからなり、上記エンコーダセンサからの出力パルス信号に基づき、上記保持手段の回転位置にタイミングを合わせて上記用紙の先端を給送すべく上記レジストローラ駆動手段を駆動制御するレジストローラ駆動制御手段とを有することを特徴とする。
レジストローラ駆動制御手段の具体例としては、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が好ましく用いられる。
【0041】
第3の技術構成は、上記した第3の目的を達成するために、第2の技術構成において、上記レジストローラ駆動手段が、ステッピングモータからなり、上記パルスエンコーダの1パルス幅に対応する上記圧胴の外周移動量を、上記ステッピングモータが1パルスで上記用紙を送る用紙送り量と同じに設定したことを特徴とする。
第4の技術構成は、上記した第4の目的を達成するために、第1,2または3の技術構成において、上記保持手段に対して上記用紙の先端を給送するタイミングをとるためのタイミング検知手段を上記圧胴側に配設したことを特徴とする。
【0042】
第5の技術構成は、上記した第5の目的を達成するために、第1の技術構成において、上記保持手段に向けて上記用紙の先端を送り出すレジストローラを有し、上記レジストローラに対して上記用紙の先端を給送するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段を上記圧胴側に配設したことを特徴とする。
第6の技術構成は、上記した第6の目的を達成するために、第2または3の技術構成において、上記レジストローラに対して上記用紙の先端を給送するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段を上記圧胴側に配設したことを特徴とする。
【0043】
第4の技術構成におけるタイミング検知手段、第5および第6の技術構成における給紙タイミング検知手段の具体例としては、検知動作の安定化および信頼性という点から、透過型の光学センサ(フォトインタラプタ型のフォトセンサ)および遮光部材が好ましく用いられる。検知動作の安定化および信頼性をそれ程望まなくても良いのであれば、反射型の光学センサ等あるいは機械的接点を有するマイクロスイッチ等を用いてもよい。
【0044】
図4に印刷装置の一例としての孔版印刷装置を示す。この孔版印刷装置は、製版されたマスタ2を外周面に巻き付ける円筒状の版胴1と、版胴1の右方に配設されマスタ2を製版し搬送する製版書込み装置19と、版胴1の内部に配設され版胴1上のマスタ2にインキを供給するインキ供給装置28と、版胴1の下方に配設され給送されて来た用紙3の先端部を挾持・保持する保持手段としてのくわえ爪21を備え、版胴1の外周面上のマスタ2に用紙3を介して押し付ける圧胴20と、圧胴20の右方に配設され用紙3を圧胴20のくわえ爪21に給送する給紙装置29と、圧胴20の左方に配設された排紙装置43とを具備している。版胴1は、図4等に示すように、多孔構造の円筒体とその外周面に巻装された複数層のメッシュスクリーン(図示せず)とを有し、軸パイプ11の周りに回転可能に支持されている。版胴1は、図示を省略した駆動系を介して圧胴駆動手段を兼ねるメインモータ60により回転される。このメインモータは、例えばDCモータからなり、後述するように給紙駆動系に駆動力を伝達しないようになされているので従来のメインモータよりも小型化されている。版胴1の外周面には、製版書込み装置19で穿孔・製版されたマスタ2の先端部を挾持するマスタクランパ12が配置されている。
マスタクランパ12は、円筒体の外周面の母線に沿って設けられた強磁性体よりなるステージ(図示せず)に対向し、クランパ軸を介して回動可能に支持されていて、上記ステージと対向する面に磁石を貼着されて構成されている。マスタクランパ12は、版胴1が所定の回転位置を占めたときに、開閉装置(図示せず)により駆動力を伝達されて開閉される。
【0045】
製版書込み装置19は、芯管10aにロール状に巻かれて形成されたマスタロール10からマスタ2を繰り出し可能に支持する支持軸10bと、マスタ2を搬送するプラテンローラ9と、プラテンローラ9に対して接離自在に設けられたサーマルヘッド17と、プラテンローラ9の下流側に設けられ、マスタ2を切断する上下一対のカッタ部材4と、マスタ2の先端をマスタクランパ12へ向けて送り出す給版ローラ対5a,5bとから主に構成されている。
プラテンローラ9は、その軸を回転自在に支持されており、パルスモータ6により所定の周速度で回転駆動され、マスタ2をサーマルヘッド17に押圧しながら搬送する。
サーマルヘッド17は、マスタ2の幅方向に1列に配列された複数の発熱素子を有し、周知の接離機構(図示せず)によって、プラテンローラ9に接離自在に設けられている。サーマルヘッド17は、図示しない原稿を読み取る原稿読み取り部のA/D変換部および製版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づきマスタ2を選択的に加熱穿孔し、穿孔画像を形成する機能を有する。
上方のカッタ部材4は、カッタ駆動モータ7で回転される偏心カム8により上下動され、マスタ2を切断する。
【0046】
インキ供給装置28は、版胴1と同方向に同期して回転し、版胴1の内周面にインキを供給するインキローラ13と、インキローラ13と僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ13との間にインキ溜り16を形成するドクターローラ15と、インキ溜り16へインキを供給する軸パイプ11とを有している。インキローラ13、ドクターローラ15は、軸パイプ11に固定された側板にそれぞれ回転自在に支持されている。インキ溜り16からインキローラ13の外周面に供給されたインキは、版胴1とインキローラ13の外周面とに僅かに隙間を設けているために、版胴1の内周面に供給される。インキは、適宜の位置に配置されたインキパックからインキポンプにより圧送され、軸パイプ11の供給穴よりインキ溜り16へ供給される。
【0047】
本参考例1では、従来の技術でも述べたように、排紙の巻き上り、用紙3のレジスト精度の向上や騒音の低減を図る目的で、押圧手段としてくわえ爪21を備えた圧胴20を用いている。なお、図4および図9ないし図13に示すアーム対25a、25bによる圧胴軸23の支持構造部の図示や印圧スプリング26a,26bの係止構造部の図示は、簡略的に示している。
【0048】
圧胴20の両端部の端板20aは、図4および図5に示すように、圧胴軸23に固定支持されている。圧胴20の両端板20a外側には、軸受支持部25cおよびベアリングからなるカムフォロア27をそれぞれ有する一対のアーム25a,25bが配設されている。これらのアーム対25a、25bには、圧胴軸23が圧胴軸23の両端部に装着された軸受23Aを介してそれぞれ回転可能に支持されている。これにより、圧胴20は、その圧胴軸23の両端部が各軸受23Aをを介して軸受支持部25cにそれぞれ回転可能に支持されていることにより、回転自在となっている。アーム対25a,25bの一方のアーム25aの一端は、装置本体の一対の片方の側板(図示せず)に固定された支点軸24aに軸受(図示せず)を介して支持されており、他方のアーム25bの一端は、上記他方の側板に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持された支点軸24bにより支持されている。両支点軸24a,24bは、アーム対25a,25bに対して同軸上に配設されている。
【0049】
他方のアーム25bに回転可能に支持された支点軸24bの内側端部側には、圧胴20に回転を伝える駆動ギア(図示せず)が固定されていて、アーム25b側の圧胴軸23には上記駆動ギアに噛み合う圧胴ギア(図示せず)が固定されている。支点軸24bの外側端部側には、版胴1の回転力を伝える歯付の圧胴側プーリ(図示せず)が固定されていて、この圧胴側プーリと版胴1の一端部に固定されている端板に取付けられた歯付の版胴側プーリとの間には、歯付ベルト(図示せず)が巻き掛けられている。一方、版胴1の上記端板には、上記版胴側プーリと同軸的に別のプーリが取付けられている。これにより、メインモータ60の回転力が上記歯付ベルトを介して上記別のプーリに伝達され、順次、上記版胴側プーリ、上記歯付ベルト、上記圧胴側プーリ、上記駆動ギヤ、上記圧胴ギヤと伝達されることによって、圧胴20は、版胴1との押圧位置が同じとなるように、かつ、版胴1の周速度と同じ周速度で反時計回り方向に回転される。
【0050】
圧胴20の外周部には、版胴1の外周面に接触する円筒部と、版胴1におけるマスタクランパ12との衝突を避けるためにD字状にくぼんだ凹部22とが形成されている。圧胴20は実施例的にいうと、その本体部分には合成樹脂が使用されていて軽量化を図っていると共に、上記円筒部の外周にはニトリルゴムが巻着されていて圧胴20の回転ムラを低減している。
圧胴20の凹部22には、図1に詳しく示すように、用紙3の先端部をクランプするくわえ爪21を具備したクランプ装置150が配設されている。クランプ装置150の構造および動作は、従来の技術で詳述したものと同様であり、重複説明を避けるためその説明を省略する。なお、図4および図21では、くわえ爪21を幾分簡略的に示すのみにとどめ、図5および図14を含めクランプ装置150の詳細構造の図示を省略している。
【0051】
用紙3が普通紙や薄紙等の場合には、用紙クランパ21によりその用紙3の先端から約2mm位までの用紙2の先端部がくわえられることによって、用紙3が圧胴20の外周面上に保持される。一方、用紙3が厚紙等の場合には、クランプ時における用紙3の腰の強さが大きいことに伴うクランプ反力によって用紙クランパ21が完全に閉じられずに、その用紙クランパ21の先端部が版胴1の外周面上のマスタ2や上記メッシュスクリーンに当たってインキが飛び散ったりすることを防止するために、用紙3の先端部をくわえないで用紙3を回転搬送するように制御される場合もある。
【0052】
圧胴20は、後述する接離手段により、版胴1の外周面に対して接離自在に構成されている。接離手段は、支点軸24a、24bを中心として圧胴20を揺動するアーム対25a,25bと、アーム対25a,25bの他端にそれぞれ回転自在に支持されたベアリングからなる一対のカムフォロア27,27と、アーム対25a,25bを版胴1に向けて付勢する一対の印圧スプリング26a,26bと、一対のカムフォロア27,27に選択的にそれぞれ当接する一対のカム(図示せず)とから主に構成される。
【0053】
上記一対のカムは、図示を省略した歯付ベルトで版胴1とメインモータ60とに連結されていて、版胴1の回転と同期して回転するようになされている。上記一対のカムは、版胴1におけるマスタクランパ12配設部位を除く所定の印刷開孔領域に対して圧胴20における凹部20aを除く外周部が押圧するように、その輪郭周面が一対のカムフォロア27,27に摺接するように形成されている。用紙3の搬送ミス時や製版時においては、圧胴20側の装置本体に配設された圧解除ソレノイド(図示せず)等を具備した印圧解除機構の作動によって、上記一対のカムと一対のカムフォロア27,27とが摺接しないように印圧解除をすることで、版胴1と圧胴20とが押圧されずに圧胴20が版胴1から離間するようになされており、搬送ミス等がない時に用紙3を保持した圧胴20が一対の印圧スプリング26a,26bにより版胴1の外周面に押圧されるようになっている。上記のとおり、圧胴20は、上記印圧解除機構の作動および上記一対のカムの回転動作によって、支点軸24a、24bを中心として、版胴1に押圧した位置と、版胴1から離間した位置とに接離される。
【0054】
印圧スプリング26a,26bは、圧胴20を版胴1に押圧する印圧力を発生させている。圧胴20の版胴1に対する押圧力を均一に働かせるために、圧胴20の両端にあるアーム対25a,25bの1つ1つに印圧スプリング26a,26bをそれぞれ取り付けてある。
なお、上記したメインモータ60を備えた駆動系および上記接離手段等の詳細構成は、例えば特開平9−216448号公報の図1ないし図5等に示されているものと同じものを用いている。
【0055】
版胴1の左側には排版装置18が配設されており、この排版装置18は、すでに版胴1に巻装されている使用済みのマスタ2を版胴1の外周面から剥離し、収納する。
【0056】
圧胴20の左側近傍には、排紙装置43が配置されている。排紙装置43は、図15等に示した従来の排紙装置43’に対して、剥離爪49に代えて、印刷された用紙3を剥離・案内する排紙爪44を有することのみ相違する。排紙装置43は、排紙爪44と、排紙爪44で剥離・案内された用紙3を搬送する、搬送ローラ前46、搬送ローラ後47との間に張設された搬送ベルト48および吸引ファン(図示せず)から構成されている。搬送ベルト48は、モータ等により版胴1の周速度よりも速い搬送速度で駆動されるように設定されている。排紙装置43の左側には、排出された用紙3を積載する排紙台45が設けられている。
【0057】
圧胴20の右方には、給紙装置29が配置されている。給紙装置29は、図15等に示した従来の給紙装置29’に対して、従来の給紙ローラ32の駆動方式であるセクタギヤ方式に代えて、メインモータ60の回転駆動力とは独立した給紙ローラステッピングモータ100で回転される給紙ローラ独立駆動方式としたこと、レジストローラ対33a,33bの従来の駆動方式であるセクタギヤ方式に代えて、メインモータ60の回転駆動力とは独立したレジストローラ下ステッピングモータ102で回転されるレジストローラ独立駆動方式としたこと、一対のガイド板38’,38’に代えて、圧胴20のくわえ爪21に向けて用紙3の先端を案内する一対のガイド板38,38を有すること、および版胴1の外周面と圧胴20の外周面とで形成されるニップ部に至る前の用紙部分である図2に示す撓み3Bが版胴1上のマスタ2と接触しないように用紙3を案内する用紙案内手段としてのガイド部材160を新たに付設したことが主に相違する。
【0058】
上記構成のとおり本参考例1では、レジストローラ対33a,33bは、所定の回転位置を占めた圧胴20のくわえ爪21に向けて所定のタイミングで用紙3の先端を送り出すように構成されている。レジストローラ対33a,33bのニップ部から圧胴20と版胴1とのニップ部までの距離は、常に一定となるように予め定められている。
【0059】
給紙ローラステッピングモータ100は、給紙ローラ32を回転する給紙ローラ駆動手段としての機能を有する。給紙ローラステッピングモータ100は、給紙ローラステッピングモータ100の出力軸に設けられた駆動プーリと給紙ローラ32の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト101を介して、給紙ローラ32に連結されている。これにより、給紙ローラ32は、給紙ローラステッピングモータ100の回転駆動によって、時計回り方向に回転される。給紙ローラ32および呼出しローラ30の各軸には、ワンウェイクラッチ(図示せず)がそれぞれ組み込まれていて、給紙ローラ32および呼出しローラ30は時計回り方向のみに回転するようになっている。
【0060】
レジストローラ下ステッピングモータ102は、レジストローラ33bを回転するレジストローラ駆動手段としての機能を有する。レジストローラ下ステッピングモータ102は、レジストローラ下ステッピングモータ102の出力軸に設けられた駆動プーリとレジストローラ33bの軸に設けられたレジストプーリとの間に掛け渡された歯付の無端ベルト103を介して、レジストローラ33bに連結されている。
【0061】
上記レジストプーリとレジストローラ33bの軸との間には、レジストローラ下ステッピングモータ102の回転駆動力を断接するレジストローラ電磁クラッチ122が介装されている。レジストローラ電磁クラッチ122がオンされたとき、上記レジストプーリとレジストローラ33bの軸とが接続されて、レジストローラ下ステッピングモータ102の回転駆動力がレジストローラ33bへ伝達される。これにより、レジストローラ33bは、反時計回り方向に回転されると共に、用紙3の搬送を介してレジストローラ33aは時計回り方向に従動回転される。レジストローラ電磁クラッチ122がオフされたときには、上記レジストプーリとレジストローラ33bの軸との接続が断たれて、レジストローラ下ステッピングモータ102の回転駆動力がレジストローラ33bへ伝達されない。
【0062】
ガイド部材160は、図1および図4に示すように、例えば、鋼板や、ABS樹脂(ABS)あるいはポリカーボネート樹脂(PC)等の合成樹脂で板状に形成されていて、用紙3の撓み3B生成部分が接触押圧する程度の外力で永久変形を生じないような適宜の厚さに形成されている。ガイド部材160は、上記ニップ部に至る前の用紙搬送路R上であって、版胴1の外周面から外側に突出したマスタクランパ12、版胴1の外周面および圧胴20の外周面と接触しない位置に設けられている。また、くわえ爪21の開放タイミング位置は、ガイド部材160と接触しない圧胴20の回転上流側位置に設定されており、さらに詳しくはガイド部材160の用紙搬送路Rの下流端と下側のガイド板38の用紙搬送路Rの下流端との間の圧胴20の回転位置に設定されている。
後述するように、用紙3の先端が上下一対のガイド板38,38の用紙搬送路Rの下流端を出た後の所定のタイミングでくわえ爪21が用紙3の先端部をクランプして閉じ、圧胴20が用紙3を搬送するのであるが、このとき、ガイド部材160は、版胴1の外周面と圧胴20の外周面との上記ニップ部により用紙3の先端部が押圧される直前まで、用紙3の先端部近傍を案内するようになされている。ガイド部材160の用紙搬送方向Xと直交する幅方向の大きさは、この孔版印刷装置で使用する最大用紙サイズ(例えばA3サイズ)に合わせて、これよりもやや大きく設定されている。
【0063】
図4ないし図8を参照して、本参考例1における孔版印刷装置の給紙制御に係る制御構成を説明する。
図4および図5に示すように、圧胴20における手前側の端板20aの外側壁には、遮光板105と遮光板106とが圧胴20の半径方向および周方向に所定の間隔をおいてそれぞれネジで取付けられている。各遮光板105,106は、例えば板金や合成樹脂でできていて、正面視および側面視でL字形をなし、その先端が手前側に突出して成形されている。
一方、アーム25aの内側壁には、圧胴20の半径方向に所定の間隔をおいて、フォトインタラプタ型のフォトセンサ104およびフォトセンサ107がそれぞれネジで取付けられている。フォトセンサ104およびフォトセンサ107は、発光部および受光部を具備する周知の光透過型の光学センサである。
【0064】
遮光板105とフォトセンサ104とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した所定の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取付けられていて、レジストローラ対33a,33bに対して用紙3の先端を給送するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段としての機能を有する。遮光板105の圧胴20の端板20aへの取付け位置は、A3サイズの用紙3の後端がレジストローラ対33a,33bのニップ部を抜けたとき、フォトセンサ104と係合してオン出力信号を生成し、給紙ローラステッピングモータ100を回転駆動させて給紙ローラ32を回転する位置となるように取付けられている。この時には、後述するように、レジストローラ電磁クラッチ122がオフしていて、レジストローラ33bは反時計回り方向には回転せず、停止したままとなるように制御される。
【0065】
遮光板106とフォトセンサ107とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した所定の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取付けられていて、レジストローラ電磁クラッチ122をオン起動し、圧胴20のくわえ爪21に向けて用紙3先端の給送を開始するタイミングをとるためのタイミング検知手段としての機能を有する。遮光板106の圧胴20の端板20aへの取付け位置は、レジストローラ対33a,33bのニップ部からくわえ爪21に用紙3の先端が突き当たるまでの用紙搬送路R上の距離と、遮光板106がフォトセンサ107と係合してオン出力信号を生成する圧胴20の回転位置から、用紙3の先端を突き当てたくわえ爪21に至る圧胴20の外周面上の距離とが、同じ距離となる位置に取付けられている。これにより、常に用紙3の送り量と圧胴20の回転移動量とを同じに制御することが可能となり、用紙3の先端をくわえ爪21に正確にタイミングを合わせて突き当て、確実にくわえて挾持させることができる。
【0066】
図5および図6等に示すように、圧胴20における奥側の端板20aには、2個のスペーサ123を介して、エンコーダ120がネジ124で取付けられている。エンコーダ120は、本参考例1ではインクリメンタル型のフォトエンコーダであり、多数のスリットが外周部に放射状に並べられた1チャンネルのフォトエンコーダである。一方、エンコーダ120の近傍におけるアーム25bの内側壁には、エンコーダ120の外周部を挟んでエンコーダセンサ121がネジ等で取付けられている。これらのエンコーダ120とエンコーダセンサ121とは、圧胴20のくわえ爪21に対して用紙3の先端を給送するタイミングを制御するための、圧胴20における回転速度変動を検知するパルスエンコーダの機能を有している。
エンコーダ120の1パルス幅に対応する圧胴20の外周移動量は、レジストローラ下ステッピングモータ102が1パルスで用紙3を送る用紙送り量と同じに設定されている。
【0067】
図7において、符号111は、本参考例1における孔版印刷装置の給紙制御を行うための制御装置を示す。制御装置111は、図示を省略した、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポートおよびROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータからなる。
【0068】
制御装置111の上記CPU(以下、説明の簡明化を図るため、単に「制御装置111」というときがある)は、上記入力ポートを介して、フォトセンサ104と電気的に接続されていて、フォトセンサ104から給紙ローラステッピングモータ100およびレジストローラ下ステッピングモータ102を回転駆動するための出力信号を受信する。
制御装置111は、上記入力ポートを介して、フォトセンサ107と電気的に接続されていて、フォトセンサ107からレジストローラ電磁クラッチ122をオン起動するための出力信号を受信する。
制御装置111は、上記入力ポートを介して、エンコーダセンサ121と電気的に接続されていて、エンコーダセンサ121から圧胴20の回転速度変動に係る出力パルス信号を受信する。
制御装置111は、上記出力ポートを介して、給紙ローラステッピングモータ100に電気的に接続されていて、フォトセンサ104からの出力信号に基づき、用紙3の先端をレジストローラ対33a,33bに対して給送すべく給紙ローラステッピングモータ100を駆動制御する機能を有する。
制御装置111は、上記出力ポートを介して、レジストローラ電磁クラッチ122に電気的に接続されていて、フォトセンサ107からの出力信号に基づき、レジストローラ電磁クラッチ122をオン起動制御する機能を有する。
制御装置111は、上記出力ポートを介して、レジストローラ下ステッピングモータ102に電気的に接続されていて、エンコーダセンサ121からの出力パルス信号に基づき、くわえ爪21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙3の先端を給送すべくレジストローラ下ステッピングモータ102を駆動制御するレジストローラ駆動制御手段としての機能を有する。
【0069】
制御装置111内の上記ROMには、前もって実験等により求められた図8に示すタイミングチャートの制御動作内容が予め記憶されている。上記ROMには、レジストローラ対33a,33bのニップ部から圧胴20と版胴1とのニップ部までの一定の距離をレジストローラ下ステッピングモータ102のパルス数に換算した値がデータとして予め記憶されている。
制御装置111内の上記RAMは、上記CPUでの計算結果を一時記憶したり、フォトセンサ104やフォトセンサ107あるいはエンコーダセンサ121からの出力信号や出力パルス信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
【0070】
上述のように構成された孔版印刷装置の動作について説明する。
原稿読み取り部に原稿がセットされ、スタートボタンが押されることにより、版胴1が回転し、使用済みのマスタが版胴1の外周面から排版装置18により剥離され廃棄される。その後、版胴1は、マスタクランパ12が図4において略右横に位置する給版位置を占めた位置で停止し、クランパ軸が回動されて、マスタクランパ12が開かれ、給版待機状態となる。
【0071】
次いで、パルスモータ6が駆動されることにより、プラテンローラ9が回転され始め、マスタ2が繰り出されつつ搬送される。一方、原稿読み取り部においてスキャナ(図示せず)が作動することにより、原稿の画像が読み取られ、上記A/D変換部および上記製版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号によって、サーマルヘッド17の発熱素子が選択的に発熱され、マスタ2が画像情報に応じて選択的に加熱穿孔され始める。
【0072】
マスタ2が、プラテンローラ9の回転により搬送され、マスタ2の先端部が、給版待機状態で拡開しているマスタクランパ12へ向けて送出される。パルスモータ6のステップ数がある設定値に達すると、クランパ軸が回動されることでマスタクランパ12が閉じられて、製版済みのマスタ2の先端部がマスタクランパ12に挾持される。
【0073】
このクランプ動作と同時に版胴1と圧胴20とが、マスタ2の搬送速度と略同じ周速度で回転され、版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が巻装されていく。版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が所定長さ巻装されると、版胴1、圧胴20、プラテンローラ9の回転が停止する。この停止動作と同時に、カッタ駆動モータ7が回転されて偏心カム8が上方のカッタ部材4を下降させ、マスタ2を切断する。そして版胴1が再び時計回り方向に回転され、切断されたマスタ2の後端(図示せず)が、製版書込み装置19から引き出され、版胴1の外周面に製版済のマスタ2が完全に巻き取られる。
【0074】
続いて、図4ないし図13を参照して用紙3の搬送手順について説明する。
圧胴20が、図8および図9に示すように、反時計回り方向に回転し、遮光板105がフォトセンサ104を通過すると、そのオン出力信号が制御装置111に入力され、給紙ローラステッピングモータ100が回転駆動される。これにより、給紙ローラ32は時計回り方向に回転されると同時に、呼出しローラ30の同方向の回転により用紙3が給送され、給紙ローラ32と分離ローラ34とで用紙3の重送が防止されて、最上位の1枚の用紙3だけがレジストローラ対33a,33bに送られる。そして、用紙3の先端がレジストローラ対33a,33bのニップ部に衝突し、さらに搬送されて、図8および図10に示すように上方に所定量の湾曲撓み3Aが形成された時点で、給紙ローラ32と呼出しローラ30とが停止する。
【0075】
このときの用紙3の送り量は、レジストローラ対33a,33bのニップ部と給紙前面板35との間の用紙搬送路R上の距離に+5〜6mmを加えた送り量となるように設定されている。制御装置111では、上記送り量に対応して給紙ローラステッピングモータ100を駆動制御するように、上記送り量に対応したステップ数に変換する計算を行い、給紙ローラステッピングモータ100に指令信号を送出することで、湾曲撓み3Aが形成されるだけ用紙3が給紙ローラ32により送られる。
また、遮光板105がフォトセンサ104を通過すると、レジストローラ下ステッピングモータ102が回転駆動されると共に、この時、レジストローラ電磁クラッチ122がオフしているので、レジストローラ33bは回転せず停止している。
【0076】
次いで、圧胴20のくわえ爪21は、図8に示す所定のタイミングで開く。
図8および図11に示すように、圧胴20がさらに反時計回り方向に回転し、遮光板106が所定タイミングでフォトセンサ107を通過すると、そのオン出力信号が制御装置111に入力されて、レジストローラ電磁クラッチ122がオンする。これに伴い、レジストローラ下ステッピングモータ102の回転により、レジストローラ33bが反時計回り方向に回転され、圧胴20のくわえ爪21に向けて用紙3先端の給送を開始する。この時、制御装置111は、レジストローラ下ステッピングモータ102をしてレジストローラ33bを圧胴20の周速度と同じ周速度で回転させるように回転駆動制御しているので、レジストローラ33bが圧胴20の周速度と同じ周速度で反時計回り方向に回転される。
【0077】
遮光板106がフォトセンサ107を通過してからは、制御装置111が、エンコーダセンサ121からの出力パルス信号を取り込んで、くわえ爪21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙3の先端を給送すべくレジストローラ下ステッピングモータ102を駆動制御する、いわゆるフィードバック制御が行われる。
【0078】
上述したように、レジストローラ下ステッピングモータ102が1パルスで用紙3を送る用紙送り量と、エンコーダ120の1パルス幅に対応する圧胴20の外周移動量とは、同じに設定されている。これにより、例えば、制御装置111は、圧胴20に固定されたエンコーダ120の1パルス幅に対応して圧胴20の外周移動に要する時間を制御装置111内の上記タイマで検出し、レジストローラ下ステッピングモータ102が1パルスで回転される時間との差を計算して求め、圧胴20側の負荷変動等によりレジストローラ下ステッピングモータ102の1パルスに要する時間が長かった場合、その時間差分をレジストローラ下ステッピングモータ102の速度に換算してレジストローラ下ステッピングモータ102を増速する。これと反対に、制御装置111は、レジストローラ下ステッピングモータ102の1パルスに要する時間が短かった場合、その時間差分をレジストローラ下ステッピングモータ102の速度に換算してレジストローラ下ステッピングモータ102を減速してやるというフィードバック制御を行っている。換言すれば、制御装置111は、圧胴20の負荷変動等に伴うエンコーダセンサ121で検知されるパルス変動を常に追跡し、このパルス変動に追従して、レジストローラ下ステッピングモータ102の速度を可変制御するという上記パルスエンコーダを用いたフィードバック制御(図8ではエンコーダ・フィードバック制御で表されている)を行っている。
【0079】
制御装置111による上記したようなエンコーダ・フィードバック制御によって、遮光板106がフォトセンサ107を通過してから、圧胴20の外周移動量と用紙3を送る用紙送り量とは常に同じとなる。
上記したような制御装置111によるエンコーダ・フィードバック制御下において、レジストローラ33bが反時計回り方向に回転されることにより、上のレジストローラ33aが用紙3を介して時計回り方向に従動回転されることによって、図12に示すように、用紙3の湾曲撓み3A(破線で示す)が消滅する。このとき、各ワンウェイクラッチの作用により、給紙ローラ32と呼出しローラ30とが用紙3の搬送によって従動回転しながら、用紙3の先端が圧胴20のくわえ爪21に向けて搬送され、くわえ爪21に突き当たり衝突する。
【0080】
このタイミングに合わせ、圧胴20のくわえ爪21は、図8および図12ないし図13に示すように、用紙3の先端部をくわえ・挾持した後、くわえ爪21は閉じられ、こうして圧胴20は、用紙3を圧胴20の外周面に保持したまま回転し、用紙3の先端部が版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に搬送される。このとき、上記したように、遮光板106の圧胴20の端板20aへの取付け位置は、レジストローラ対33a,33bのニップ部からくわえ爪21に用紙3の先端が突き当たるまでの用紙搬送路R上の距離と、遮光板106がフォトセンサ107と係合してオン出力信号を生成する圧胴20の回転位置から、用紙3の先端を突き当てたくわえ爪21に至る圧胴20の外周面上の距離とが、同じ距離となる位置に取付けられていることに伴い、用紙3の送り量は、圧胴20の外周移動量と同じとなるように、制御装置111よりレジストローラ下ステッピングモータ102に指令信号が送出されることによって、用紙3の先端部がクランプミス等を生じることなく確実にくわえ爪21に挾持されくわえられる。
【0081】
版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に搬送された用紙3に対して、図13に示すように、上記接離手段の印圧スプリング26a,26bにより圧胴20が版胴1の外周面に押圧する上向きに揺動変位されることでニップ部Nが形成されると共に、圧胴20の外周面が用紙3を版胴1の外周面に対して押圧(図8では圧胴20の印圧オンで示されている)する。
【0082】
こうして、圧胴20の外周面の押圧によって、回転する版胴1の外周面に巻装された製版済みのマスタ2に用紙3が連続的に押圧されることにより、製版済みのマスタ2が版胴1の外周面に密着すると共に、版胴1の開孔部分から製版済みのマスタ2の穿孔部分へとインキが滲み出てきて用紙3の表面に転移され、孔版印刷が行われる。
このとき、インキローラ13も版胴1の回転方向と同一方向に回転する。インキ溜り16のインキは、インキローラ13の回転によりインキローラ13の表面に付着され、インキローラ13とドクターローラ15との間隙を通過する際にその量を規制され、版胴1の内周面に供給される。
【0083】
この間も、制御装置111により、上記したパルスエンコーダ・フィードバック制御が行われている。そして、制御装置111により、上記ROMに記憶された、レジストローラ対33a,33bのニップ部から圧胴20と版胴1とのニップ部までの距離に対応したレジストローラ下ステッピングモータ102の設定パルス数に至るまで、レジストローラ下ステッピングモータ102が回転駆動制御されたと判断されると、レジストローラ下ステッピングモータ102の回転が停止すると同時に、レジストローラ電磁クラッチ122がオフされ、制御装置111による上記したパルスエンコーダ・フィードバック制御が終了する。
【0084】
圧胴20がさらに回転し、排紙爪44の手前の用紙排出位置でくわえ爪21が開放されると、印刷された用紙3が排紙爪44により剥離され、搬送ベルト48で搬送されて排紙台45上に排出積載される。こうして、製版済みのマスタ2にインキを充填する所謂版付けが行われると共に、版胴1が圧胴20から離間して初期状態に復帰し、印刷待機状態となる。
【0085】
印刷終了後、オペレーターは排出された印刷物を目視して、印刷画像品質の確認や印刷画像位置の確認等を行い、これらがオーケーであれば、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0086】
したがって、本参考例1によれば、下記の諸利点を得ることができる。
第1に、紙くわえ圧胴方式を用いた孔版印刷装置において、くわえ爪21に対して用紙3の先端を給送するタイミングを制御するための、圧胴20における回転速度変動を検知するパルスエンコーダ(エンコーダ120およびエンコーダセンサ121)を圧胴20側に配設したことにより、用紙3の先端部をくわえ爪21に確実に挾持・保持させて、用紙3の巻き上がり等をさらに確実に防止すると共に、くわえ爪21に対して給送するタイミングの安定化および信頼性の向上を図ることができ、ひいてはレジスト精度を一層向上することができる。
第2に、制御装置111は、エンコーダセンサ121からの出力パルス信号に基づき、くわえ爪21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙3の先端を給送すべくレジストローラ下ステッピングモータ102をフィードバック制御することにより、レジストローラ対33a,33bを駆動する駆動系を版胴1と圧胴20とを駆動するメインモータ60に対して独立させて駆動系の負荷を低減すると共に、メインモータ60のパワーを小さくして安価に製作できる。
【0087】
第3に、レジストローラ駆動手段をレジストローラ下ステッピングモータ102で構成したことにより、レジストローラ対33a,33bのブレーキや回転方向を規制する機械式部品を不要として安価ですみ、制御装置のプログラムが簡素化できると共に、演算処理を速くしてフィードバック制御の追従精度を高くすることができる。
第4に、くわえ爪21に対して用紙3の先端を給送するタイミングをとるための遮光板106およびフォトセンサ107を圧胴20側に配設したことにより、給送するタイミングの安定化および信頼性の向上を図ることができる。
第5に、レジストローラ対33a,33bに対して用紙3の先端を給送するタイミングをとるための遮光板105およびフォトセンサ104を圧胴20側に配設したことにより、給送タイミングの安定化および信頼性の向上を図ることができる。
第6に、給紙ローラ駆動手段を給紙ローラステッピングモータ100で構成したことにより、給紙ローラ32の回転方向を規制する機械式部品を不要として安価ですみ、また給紙ローラ32および呼出しローラ30を駆動する駆動系を版胴1と圧胴20とを駆動するメインモータ60に対して独立させて駆動系の負荷を低減すると共に、メインモータ60のパワーをさらに小さくして安価に製作できる。
【0088】
なお、以上説明した制御装置111によるレジストローラ下ステッピングモータ102の速度可変制御は、上記パルスエンコーダを用いたいわば理想的なフィードバック制御が実施された場合の説明であったが、レジストローラ対33a,33bのニップ部から版胴1の外周面と圧胴20のニップ部までの距離が例えば100mmというように非常に短いことで、急激なパルス変動にレジストローラ下ステッピングモータ102の増速、減速が間に合わない等の理由により、制御装置111によるレジストローラ下ステッピングモータ102の速度可変制御が、圧胴20の負荷変動等に伴うエンコーダセンサ121で検知されるパルス変動に追従しきれない場合がある。
このような場合は、制御装置111による上記フィードバック制御に加えて、用紙3の先端がくわえ爪21のストッパ爪153に当接する際の用紙搬送速度V’を圧胴20の周速度Vよりも速くなるように設定することにより、図1に示すように、くわえ爪21による用紙3の先端部の保持部近傍に撓み3Bを生成させて、くわえ爪21から用紙3の先端部が抜けるような力が働かない用紙搬送速度制御方式(V’>V)が採用される。用紙搬送速度V’は、印刷速度に応じて、通常、圧胴20の周速度Vの1.01〜1.03倍に設定される。
【0089】
参考例1において、上記の用紙搬送速度制御方式(V’>V)が採用された場合であっても、ガイド部材160を上記したように設けたことにより、用紙3の先端部の保持部近傍に生成された撓み3B生成部分がガイド部材160により案内されながら圧胴20の回転と共に搬送されることで、上記ニップ部に至る前の用紙3の撓み3B生成部分が版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と接触するのを防ぐため、用紙3の表面にインキ汚れを生じるようなことがない。
【0090】
(参考例2)
図4ないし図13を借りて、参考例2を説明する。
この参考例2は、参考例1に対して、図4ないし図13に適宜示した参考例1におけるフォトセンサ104、遮光板105、フォトセンサ107、遮光板106、インクリメンタル型のエンコーダ120およびエンコーダセンサ121を除去しこれらに代えて、図14に示すように、圧胴20の回転速度変動の検出と位置の検出とが可能な絶対的な回転量を検出するためのアブソリュート型のパルスエンコーダ(以下、「アブソリュート型パルスエンコーダ」という)を圧胴20側に配設したことのみ相違する。
【0091】
上記アブソリュート型パルスエンコーダは、図14に示すように、圧胴20の端板20aに取付けられ、多数のスリットが外周部に放射状に複数段並べられた多チャンネルのフォトエンコーダ220と、このフォトエンコーダ220の外周部を挟んでアーム25bに取付けられた複数のエンコーダセンサ221とを具備している。
この参考例2における制御動作は、参考例1におけるフォトセンサ104、遮光板105、フォトセンサ107、遮光板106、インクリメンタル型のエンコーダ120およびエンコーダセンサ121の上述した動作を1つの上記アブソリュート型パルスエンコーダで行うことのみ相違し、技術的に自明なのでその説明を省略する。
【0092】
したがって、この参考例2によれば、参考例1における上記利点(但し、上記利点におけるフォトセンサ104、遮光板105、フォトセンサ107、遮光板106、インクリメンタル型のエンコーダ120およびエンコーダセンサ121の用語を上記アブソリュート型パルスエンコーダのフォトエンコーダ220とエンコーダセンサ221とに適宜置き換える)に加えて、制御構成の部品点数を減らすことができる。
【0093】
(実施形態1)
図2および図3に実施形態1を示す。この実施形態1は、参考例1の構成と比較して、参考例1のガイド部材160に代えて、用紙案内手段としてのガイド部材160aを有し、このガイド部材160aの用紙搬送路Rの下流側端部に可撓性部材161を設けたことのみ相違する。
【0094】
ガイド部材160aは、ガイド部材160と同様の材料で形成され、このガイド部材160aの用紙搬送路Rの下流側端部がガイド部材160のそれよりも短く形成されている。可撓性部材161は、への字状をなすガイド部材160aの下流側裏面に適宜の接着剤や両面接着テープ等で貼り付けられている。
可撓性部材161は、例えば、板ばねやポリエステル等の合成樹脂でシート状に形成されていて、用紙3の撓み3B生成部分が接触押圧するときの外力で適度の弾性変形を生じるようにその弾性力および厚さ等が決められる。この可撓性部材161の弾性力および厚さは、用紙搬送速度V’が参考例1のそれよりもさらに大きくなる(圧胴20の周速度Vの約1.03倍)ことにより、その撓み3Bが大きくなっても、用紙3に過大なストレスをかけることなく搬送できて、用紙3に傷や折れ等を生じさせない程度に設定される。この点からは、可撓性部材161がポリエステルで形成されているとき、可撓性部材161の厚さは、好ましくは0.1〜0.6mmの範囲に設定される。ガイド部材160は、上記ニップ部に至る前の用紙搬送路R上であって、版胴1の外周面から外側に突出したマスタクランパ12、版胴1の外周面および圧胴20の外周面と接触しない位置であって、かつ自身の弾性変形によって版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2に接触しない位置に設けられている。
実施形態1によれば、用紙搬送速度V’が参考例1のそれよりもさらに大きく設定され、用紙3の撓み3B生成部分が大きくなっても、ガイド部材160aの可撓性部材161が用紙3の撓み3B生成部分に上記したような一定の弾性力で作用することで、用紙3に過大なストレスをかけることなく用紙3を搬送できるため、用紙3に傷や折れ等を生じさせることなく、かつ、上記ニップ部に至る前の撓み3B生成部分が版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と接触するのを防ぐことができ、用紙3の表面にインキ汚れを生じるようなことがない。
【0095】
なお、参考例1におけるガイド部材160および実施形態1におけるガイド部材160aおよび可撓性部材161は、従来採用されていたレジストローラ対33a,33bの駆動手段としてカムを用いた上述したセクタギヤ方式において、上記した用紙搬送速度制御方式(V’>V)を採用した場合でも、有効に機能することは言うまでもない。セクタギヤ方式においては、参考例1や実施形態1のレジストローラステッピングモータ駆動方式に比べて、その制御の際の速度変動のバラツキが比較的小さいので、参考例1におけるガイド部材160の採用で十分であるが、レジストローラステッピングモータ駆動方式においてはその制御の際の速度変動のバラツキが比較的大きい場合もあるので、実施形態1におけるガイド部材160aおよび可撓性部材161の採用がより有効である。
【0096】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0097】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、上記構成により、用紙の先端が保持手段に当接する際の用紙搬送速度が圧胴の周速度よりも速く設定されていることによって、保持手段による用紙の先端部の保持部近傍に撓みが生成されるような場合、換言すれば保持手段から用紙の先端部が抜けるような力が働かない用紙搬送速度制御方式を採用した場合に、用紙案内手段の用紙搬送路の下流側端部に設けられた可撓性部材の弾性的な力が用紙の先端部の撓み生成部分に一定に作用することで、ニップ部に至る前の用紙の撓み生成部分が製版されたマスタと接触させないように用紙が案内されるので、用紙のインキ汚れを未然に防止することができると共に、この際に用紙に過大なストレスをかけることなく用紙を搬送することができるので、用紙に傷や折れ等を生じさせることもない。
【0098】
請求項2記載の発明によれば、レジストローラ駆動手段がステッピングモータであることにより、用紙搬送機構をシンプルにでき、さらに用紙搬送制御の幅を拡げることができると共に、たとえその用紙搬送速度の制御の際の速度変動のバラツキが比較的大きい場合であっても、上記用紙案内手段の可撓性部材による効果をより有効に奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1を示す孔版印刷装置の版胴および圧胴周りの要部の一部断面正面図である。
【図2】 本発明の実施形態1を示す孔版印刷装置の版胴および圧胴周りの要部の一部断面正面図である。
【図3】 図2における版胴および圧胴周りの要部の斜視図である。
【図4】 参考例1を適用した孔版印刷装置の概略的な一部断面正面図である。
【図5】 参考例1における圧胴周りの制御構成部品の取付け構造を示す要部の分解斜視図である。
【図6】 図5における要部の平面図である。
【図7】 参考例1における給紙制御構成を表すブロック図である。
【図8】 参考例1における給紙動作のタイミングチャートである。
【図9】 参考例1における給紙ローラの起動時の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図10】 参考例1におけるレジストローラと給紙ローラとの間に用紙の湾曲撓みを形成する動作を表す要部の正面図である。
【図11】 参考例1におけるレジストローラの起動時の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図12】 参考例1におけるくわえ爪への用紙の先端の搬送動作を表す要部の正面図である。
【図13】 参考例1における印刷初期時の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図14】 参考例2における圧胴周りの制御構成部品の取付け構造を示す要部の分解斜視図である。
【図15】 従来の孔版印刷装置における給紙機構の構成および給紙ローラの起動時の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図16】 従来の孔版印刷装置におけるレジストローラと給紙ローラとの間に用紙の湾曲撓みを形成する動作を表す要部の正面図である。
【図17】 従来の孔版印刷装置におけるレジストローラの起動直後の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図18】 従来の孔版印刷装置における印刷初期時の用紙搬送動作を表す要部の正面図である。
【図19】 従来の孔版印刷装置における給紙駆動機構の一例およびその動作を表す要部の正面図である。
【図20】 従来の孔版印刷装置における給紙駆動機構の一例およびその動作を表す要部の正面図である。
【図21】 従来の孔版印刷装置における圧胴の回転動作に伴うくわえ爪の回転位置および用紙搬送動作を表す概略的な正面図である。
【図22】 従来の圧胴におけるくわえ爪周りの一部断面正面図である。
【図23】 印刷された用紙における用紙先端余白長さを説明する平面図である。
【図24】 従来の圧胴における用紙クランプおよび用紙搬送動作の問題点を説明する簡略的な一部断面正面図である。
【図25】 従来の圧胴における用紙クランプおよび用紙搬送動作の問題点を説明する簡略的な一部断面正面図である。
【図26】 従来の圧胴におけるクランプ装置周りの要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 マスタ
3 用紙
3B 用紙の撓み
20 圧胴
21 保持手段としてのくわえ爪
29 給紙装置
33a,33b レジストローラ対
60 圧胴駆動手段としてのメインモータ
100 給紙ローラステッピングモータ
102 レジストローラ駆動手段としてのレジストローラ下ステッピングモ ータ
160,160a 用紙案内手段としてのガイド部材
161 可撓性部材
R 用紙搬送路
V 圧胴の周速度
V’ 用紙搬送速度
X 用紙搬送方向
Claims (2)
- 製版されたマスタを外周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段を備え上記版胴の外径と略同径の圧胴と、該圧胴を回転する圧胴駆動手段と、上記版胴の外周面と上記圧胴の外周面とで形成されるニップ部に至る前の用紙搬送路上に設けられ、上記保持手段に向けて用紙の先端を送り出すレジストローラと、該レジストローラを回転するレジストローラ駆動手段とを有し、
用紙の先端が上記保持手段に当接する際の用紙搬送速度は、上記圧胴の周速度よりも速く設定されていて、上記保持手段による用紙の先端部の保持部近傍に撓みが生成されるようになっており、
用紙を介して上記版胴に対して上記圧胴を相対的に押し付けて用紙に印刷を行う印刷装置において、
上記保持手段は、開閉自在なくわえ爪を有し、該くわえ爪が閉じたとき、その先端が上記圧胴の外径より該圧胴の内側に配置されるよう構成されており、
上記ニップ部に至る前の用紙搬送路上に、上記ニップ部に至る前の上記撓みを生成された用紙部分が上記版胴上の製版されたマスタと接触しないように用紙を案内する用紙案内手段を設け、かつ、該用紙案内手段の上記用紙搬送路の下流側端部に可撓性部材を設けたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
上記レジストローラ駆動手段が、ステッピングモータであることを特徴とする印刷装置。
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