JP2000158780A - 印刷装置における給紙装置 - Google Patents

印刷装置における給紙装置

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JP2000158780A
JP2000158780A JP10339279A JP33927998A JP2000158780A JP 2000158780 A JP2000158780 A JP 2000158780A JP 10339279 A JP10339279 A JP 10339279A JP 33927998 A JP33927998 A JP 33927998A JP 2000158780 A JP2000158780 A JP 2000158780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙クランパから用紙の先端部が抜けたりレ
ジスト精度が悪くなったりすることがないと共に、たわ
みが過大となって画像ダブリ等の不具合を生じない改良
された用紙搬送速度制御方式を提供する。 【解決手段】 本体給紙制御装置88は、バンク側給紙
時において、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接す
るまでは、第1の用紙搬送速度vp1=1.36×va
(va:圧胴20の周速度)で用紙Pの先端を送り出す
ようにレジストモータ58を制御し、用紙Pの先端が用
紙クランパ21に当接・保持されてから印圧開始の前ま
では、第2の用紙搬送速度vp2=1.03×vaで用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御し、印
圧開始の直前では、第3の用紙搬送速度vp3=0.9
5×vaで用紙Pを送り出すようにレジストモータ58
を制御し、印圧開始の後では、レジストローラ33bが
再び略第2の用紙搬送速度vp2≒1.03×vaで用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置における
給紙装置に関し、さらに詳しくは、マスタを版胴に巻装
し、用紙を圧胴または版胴で圧胴または版胴の何れか他
方に押し付けて印刷を行う孔版印刷装置等の印刷装置に
おける給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱デジタル式の孔版印刷機等の印刷装
置において、製版されたマスタを外周面に巻き付ける版
胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する用紙クラ
ンパ(保持手段)を備え版胴の外径と略同径の圧胴(押
圧手段)と、用紙クランパに向けて用紙の先端を送り出
す一対のレジストローラ(レジスト手段)とを具備した
印刷装置が知られている。このような印刷装置例として
は、例えば本願出願人が提案した特願平10−4824
4号等を挙げることができる。上記圧胴は、版胴の外周
に設けられているマスタの先端部をくわえるマスタクラ
ンパとの干渉を避けるために自身の外周部の一部に設け
られた凹部を有することで、版胴に対する印圧のオン/
オフ時の移動量を小さくすることができるため、印圧音
を小さくすることができ、ひいては孔版印刷装置の騒音
の低減を図ることができるという特長をもっている。
【0003】上記用紙クランパは、圧胴の上記凹部に配
設されていて、開閉自在になされている。このような用
紙クランパは、「くわえ爪」とも呼ばれていて、給送さ
れて来た用紙の先端部を挾持・保持する(以下、「くわ
える」もしくは「クランプ」と言い替えるときがある)
機能を有し、後述するクランプ装置を構成している。こ
の用紙クランパにより給送されて来た用紙の先端部をく
わえながら回転する圧胴で搬送しその用紙を版胴に押し
付けて印刷を行うことができる(版胴の外径と圧胴の外
径とが略同径なので用紙を1枚ずつクランプして印刷す
ることができる)ので、孔版印刷工程において、用紙の
先端部が版胴に貼り付いたまま排紙爪もしくは剥離爪で
剥離できずジャムになる、いわゆる「排紙(用紙)巻き
上がり」を防止したり、用紙の給紙方向に対する印刷画
像の位置精度(レジスト精度)の向上を図ったりするこ
とができる。
【0004】一方、上記版胴と、給送されて来た用紙を
版胴上のマスタに押し付けるプレスローラ(押圧手段)
と、版胴とプレスローラとの間に形成される印刷部(ニ
ップ部)に向けて用紙の先端を送り出す一対のレジスト
ローラと、圧胴の下方に設けられレジストローラ対に向
けて給紙するバンク給紙部とを具備した印刷装置が知ら
れている。このような印刷装置例としては、例えば特開
平6−40137号公報等を挙げることができる。前者
の上記特願平10−48244号や後者の印刷装置にお
ける給紙装置では、オペレータ等が装置の前面に対向し
て位置する姿勢でバンク給紙部の給紙トレイを引き出し
押し込んで用紙の補充・補給等の操作を行えるフロント
ローディング方式を用いている。
【0005】以下、図12、図38ないし図43を参照
して、圧胴におけるクランプ装置の用紙クランパによる
用紙のクランプおよび用紙搬送動作時の問題を説明す
る。例えば、図12に示すような孔版印刷装置において
は、その孔版印刷装置の騒音の低減および用紙Pのレジ
スト精度等を向上する目的で押圧手段として用紙クラン
パ21を備えた圧胴20、いわゆる「紙くわえ圧胴方
式」が用いられる。圧胴20は、図12に示されている
ように、その外径寸法D(直径)を版胴1の外径寸法D
(直径)と等しく形成されていて、版胴1が1回転した
とき、圧胴20も1回転する。このため、同図に示すよ
うに、給送されて来た用紙Pの先端部をクランプする用
紙クランパ21を圧胴20上に設けることができ、用紙
Pの先端を用紙クランパ21に突き当てながら給送する
ことで、用紙Pのレジスト精度を向上することができ
る。
【0006】図38ないし図40に示すように、クラン
プ装置160は、給送されて来た用紙Pの先端部をクラ
ンプする開閉自在な用紙クランパ21と、用紙クランパ
21の基端部をネジで固定し圧胴20の外周の一母線方
向に延びた用紙クランパ軸21aと、用紙クランパ21
を開閉駆動するための図示しないカムに係合するカムフ
ォロア167と、用紙クランパ軸21aとカムフォロア
167との間に固設され上記カムの動きを用紙クランパ
21に伝えるアーム169と、凹部20aに固設され用
紙クランパ軸21aの両端部を所定角度回動自在に支持
するベース165と、用紙クランパ21を閉じる位置に
その磁力で保持するマグネット164と、用紙クランパ
21を閉じる向きに付勢する引張りスプリング168と
から主に構成されている。用紙クランパ21は、例えば
ステンレス鋼等の強磁性体からできていて、用紙Pの先
端部をクランプする用紙爪161と、この用紙爪161
でクランプされて排紙爪81の位置に来たとき圧胴20
より印刷された用紙Pを剥す剥離爪162と、給送され
て来た用紙Pの先端に当接して用紙Pの先端の位置決め
をするストッパ爪163とからなり、板金の切り曲げ加
工によって一体成形されている。
【0007】マグネット164は、ベース165の上部
に固設されていて、その磁力によって用紙爪161によ
りクランプされた用紙Pの先端部を閉じ位置に保持す
る。ベース165には、開閉揺動動作する用紙クランパ
21における用紙爪161、ストッパ爪163および剥
離爪162が干渉しないように切欠部164aが複数箇
所形成されている。引張りスプリング168は、アーム
169のカムフォロア167寄りの部位と圧胴20の端
板20bに植設されたピン20cとの間に配設されてい
る。用紙クランパ21は、上記カムのカム曲線により開
閉するが、閉じるときは引張りスプリング168の付勢
力によって閉じられる。
【0008】上記したクランプ装置160の構造によ
り、用紙クランパ21は、上記カムの動きに合わせ用紙
クランパ軸21aを支点として揺動・開閉する。そし
て、用紙クランパ21は、上記カムによってレジストロ
ーラ対33a,33bから送られて来た用紙Pの先端部
をクランプすべく所定のタイミング、例えば図12に
で示す圧胴20における用紙クランパ21の回転位置
(以下、「用紙くわえ位置」もしくは「クランプ角度」
というときがある)で開き、用紙Pの先端を用紙クラン
パ21のストッパ爪163に突き当てた後、用紙Pの先
端部が用紙クランパ21の用紙爪161によりクランプ
され、用紙Pの先端が図38ないし図41に示されてい
る上下一対のガイド板38,40の下流端を出た後、所
定のタイミングで用紙クランパ21が閉じる。次いで、
圧胴20は用紙Pを圧胴20の外周面に保持したまま回
転し、図12にで示す回転位置近傍に至ると、用紙P
の先端部が版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に
搬送され、用紙Pの先端がマスタ2および用紙Pを介し
て版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧して形成
されるニップ部(以下、このニップ部が形成され始める
ときの圧胴20の回転位置を「印圧位置」もしくは「印
圧角度」というときがある)を通過した後、図12に
で示す回転位置(以下、「用紙排出位置」というときが
ある)である排紙爪81に至る直前の位置で再び用紙ク
ランパ21が開き、印刷された用紙Pを排紙部80の排
紙搬送装置へ送るように開閉動作するようになってい
る。
【0009】このように、圧胴20における用紙クラン
パ21の回転位置が、→→へと順次推移すること
で、インキが用紙Pに転写されるの回転位置よりすぎ
た位置で用紙Pの先端部が排出されるので、用紙Pがイ
ンキの粘着力により版胴1に巻き上がらない。このよう
な圧胴20の回転位置における用紙クランパ21の用紙
くわえ位置の開閉タイミング位置は、後述する用紙クラ
ンパ21による用紙Pの先端部のクランプミスを防止
し、かつ、上記ニップ部近傍における版胴1の外周面と
の干渉等を防止するために、できるだけガイド板対3
8,40の下流端に近くなるように設定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧胴2
0が用紙Pを圧胴20の外周面に保持したまま回転した
場合、以下の様な諸不具合や問題点が生じてしまう。図
38において、符号ALは用紙先端余白長さを示し、こ
の用紙先端余白長さALは、版胴1の外周面と圧胴20
の外周面とのニップ部Nにおける加圧点C1からストッ
パ爪163までの距離であり、これはまた図42に示す
ように、印刷された用紙Pにおける用紙搬送方向X(横
給紙方向Xでもある)の用紙Pの先端から印刷画像Gが
形成された印刷画像位置先端までの長さにも相当する。
用紙クランパ21は、用紙先端余白長さALを極力小さ
くするために、用紙爪161の先端を加圧点C1ぎりぎ
りまで近付けてレイアウト設計されていて、用紙の先端
部の数mm(大体2〜5mm)ほどの部位をクランプす
るようになっている場合、用紙Pの先端が用紙クランパ
21のストッパ爪163に突き当たり衝突(以下、単に
「用紙クランパ21に当接」というときがある)する際
の用紙搬送速度vpが圧胴20の周速度vaよりも遅い
ときには、用紙クランパ21にクランプされるべき用紙
Pの先端部が、版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが
押圧される前に用紙クランパ21から抜けたり(以下、
このような不具合現象を「クランプ抜け」というときが
ある)、ストッパ爪163と用紙Pの先端との間に隙間
を生じてストッパ爪163に対する用紙Pの先端位置が
ずれたりしてしまう。
【0011】用紙Pの先端部が上記したようにして用紙
クランパ21から完全に抜けてクランプされないとき、
用紙Pの先端部が版胴1の外周面に貼り付いたまま排紙
爪81もしくは剥離爪81で剥離できず、上記した「排
紙(用紙)巻き上がり」と呼ばれるジャムとなったり、
また、用紙Pの先端部が用紙クランパ21から完全に抜
けなくても、ストッパ爪163に対する用紙Pの先端位
置がずれたときには、印刷された用紙Pにおける用紙搬
送方向Xに対する印刷画像Gの位置制度(レジスト精
度)が悪化したりする不具合となる。
【0012】上述の不具合を解消するため、現実的には
後述するように、用紙Pの先端が用紙クランパ21のス
トッパ爪163に当接する際の用紙搬送速度vpを圧胴
20の周速度vaよりも速くなるように設定することに
より、例えば図39および図43(a),(b)に示す
ように、用紙クランパ21による用紙Pの先端部の保持
部近傍にたわみPB’を生成させて、用紙クランパ21
から用紙Pの先端部が抜けるような力が働かない用紙搬
送速度制御方式(vp>va)が採用される。
【0013】ここで、レジストローラ対33a,33b
のうちのレジストローラ33bは駆動ローラであり、レ
ジストローラ33bにはステッピングモータからなるレ
ジストモータ58が連結されていて、このレジストモー
タ58によりレジストローラ33bが回転駆動されるも
のとする。図43(a)には孔版印刷装置本体側(以
下、単に「本体側」という)の給紙部(例えば図1およ
び図2に示されている補助給紙部28参照)から給紙さ
れた場合の本体側給紙時の用紙搬送速度vp(mm/
s)の速度線図が、図43(b)にはバンク側の給紙部
(例えば図1および図2に示されているバンク給紙部2
00参照)から給紙された場合のバンク側給紙時の用紙
搬送速度vp(mm/s)の速度線図がそれぞれ表され
ている。図43(a),(b)において、縦軸にはレジ
ストモータ58の回転速度f(pps)に対応して換算
されるレジストローラ33bの用紙搬送速度vp(mm
/s)が、横軸には圧胴20の回転位置(θ’)がそれ
ぞれ取られていて、縦軸のvaの値は圧胴20の周速度
(mm/s)を表している。
【0014】上記した用紙搬送速度制御方式(vp>v
a)における本体側給紙時では、レジストモータ58の
回転速度f(pps)に対応したレジストローラ33b
の用紙搬送速度vp=1.4×vaの範囲における圧胴
20の回転位置(θ’)においてたわみPB’が形成さ
れ、同様にバンク側給紙時では、レジストモータ58の
回転速度f(pps)に対応したレジストローラ33b
の用紙搬送速度vp=1.36×vaの範囲における圧
胴20の回転位置(θ’)においてたわみPB’が形成
される。そして、図43(a),(b)に示されている
ように、圧胴20の回転位置にそれぞれ対応した「クラ
ンプ角度」で用紙クランパ21が閉じ、「印圧角度」で
印圧がオンするが、レジストローラ対33a,33bで
用紙Pの先端を用紙クランパ21に当接させクランプさ
せるように送った後も、用紙PのたわみPB’が消滅し
ないように用紙搬送速度vpを上記した用紙搬送速度v
p=1.4×vaの範囲に保っていた。
【0015】このような用紙搬送速度制御方式(vp>
va)を採用した場合、図39に示すように、用紙Pの
先端部近傍のたわみPB’形成部分が過大であると、ニ
ップ部Nで押圧される印圧オンの前に、版胴1の外周面
上の製版済みのマスタ2に接触することがあり、用紙P
のたわみPB’形成部分が製版済みのマスタ2から滲み
出たインキで汚れてしまう問題点となる。
【0016】一方、用紙先端余白長さALを小さくしよ
うとすると、用紙爪161の先端D1が圧胴20の外径
寸法Dから外側へ突出して版胴1の外周面に巻かれた製
版済みのマスタ2に接触し、用紙爪161の先端D1が
毎回転ごとに同じ部位の製版済みのマスタ2に当たるた
めに、当該部位の製版済みのマスタ2が破れてしまう。
このようにして製版済みのマスタ2が破れると、版胴1
の外周面に供給されたインキが当該部位の破れからはみ
出すことになる。そして、このはみ出したインキが用紙
爪161を汚すことで、用紙Pの先端部を汚してしまう
不具合になるので、用紙クランパ21の用紙爪161の
先端D1が版胴1上の製版済みのマスタ2に当たるのを
防止するために、用紙クランパ21は、用紙爪161の
先端D1が外径寸法D内に入るように、圧胴20の中心
側に傾けられて配設され、これにより用紙Pの先端部を
圧胴20に巻き付く内側の方へ若干曲げてクランプする
ようなレイアウト構造となっている。
【0017】このような用紙クランパ21の構造によ
り、用紙Pの先端部が圧胴20の内側の方へ曲げられて
クランプされると、以下のような問題点を生じる。図3
8に示すように、用紙搬送速度vpと圧胴20の周速度
vaとの関係が、vp≦vaのときには、用紙クランパ
21により用紙Pの先端部が圧胴20の内側の方へ若干
曲げられてクランプされていても、用紙Pは圧胴20の
外周面に保持されて、版胴1の外周面と圧胴20の外周
面とのニップ部N手前までは搬送される。ところが、上
述した事情から、用紙搬送速度vpと圧胴20の周速度
vaとはvp>vaという関係、すなわち上記した用紙
搬送速度制御方式(vp>va)の関係にあるので、用
紙Pの先端部が圧胴20の内側の方へ若干曲げられてク
ランプされていると、図39に示すように、用紙Pの先
端部近傍が加圧点C1を始点として版胴1の外周面寄り
に撓んだたわみPB’を形成する。ここで、図43
(a),(b)において説明したようなレジストモータ
58の回転速度に対応したレジストローラ33bの一定
の用紙搬送速度vp(図43(a)ではvp=1.4×
va、図43(b)ではvp=1.36×va)で用紙
Pが送られていると、圧胴20の回転位置が進むにつれ
て上記たわみPB’量が増大することとなり、このよう
な増大した過大なたわみPB’を形成されニップ部Nに
至る前の用紙Pの先端部近傍部分が、ニップ部Nで押圧
される前に、版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と
接触した時に、インキが製版済みのマスタ2の穿孔部分
から用紙Pの表面に転移してしまう。ストッパ爪163
との当接点における用紙Pの先端から用紙PのたわみP
B’が製版済みのマスタ2と接触した点までの用紙搬送
方向Xの用紙P上の長さは、用紙Pの先端部近傍にたわ
みPB’が形成されている場合ではたわみPB’を形成
せずに圧胴20の外周面に保持されて搬送された場合よ
りも若干長くなるので、用紙Pがニップ部Nで押圧され
てその正常な位置にインキが転移して形成された印刷画
像の後側(用紙搬送方向Xの上流側)に、上記したよう
にたわみPB’を形成された用紙Pの先端部近傍部分が
版胴1の外周面上の製版済みのマスタ2と接触した時に
できたインキ汚れが生じる(以下、この不具合現象を
「画像ダブリ」というときがある)という問題が発生す
る。
【0018】図41に示すクランプ装置160’は、例
えば画用紙や厚紙(上質135kg以上)あるいはハガ
キなどの厚手の用紙P’を用紙クランパ21でクランプ
した場合でも、用紙爪161の先端D1が版胴1上の製
版済みのマスタ2に接触しないように、用紙クランパ2
1を図39のレイアウトよりもさらに圧胴20の外径寸
法Dの内側へ入り込むようにレイアウトしたものであ
る。なお、用紙クランパ21と加圧点C1との位置関係
は誇張して図示している。このようにした場合では、用
紙クランパ21のマグネット164の上面と加圧点C1
との間に段差が生じるので、厚手の用紙P’の腰のため
に加圧点C1を始点としてたわみPB’が形成され、図
39を参照して説明したと同様の画像ダブリを生じる。
【0019】したがって、本発明は上述したような事情
に鑑みてなされたものであり、用紙の先端部を保持手段
(用紙クランパ)により保持(クランプ)しながら搬送
印刷する時に、用紙クランパから用紙の先端部が抜けた
りレジスト精度が悪くなったりすることがないと共に、
たわみが過大となって画像ダブリ等の不具合を生じない
適正かつ最小のたわみを形成できるような改良された用
紙搬送速度制御方式を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、製版されたマスタを外
周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先端部
を保持する保持手段を備え前記版胴の外径と略同径の圧
胴と、この圧胴を駆動する圧胴駆動手段と、前記保持手
段に向けて前記用紙の先端を送り出すレジスト手段と、
このレジスト手段を駆動するレジスト駆動手段とを具備
する印刷装置における給紙装置において、前記レジスト
手段から送り出された前記用紙の先端が前記保持手段に
当接するまでは、前記レジスト手段が前記圧胴の周速度
よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用紙の先端を送
り出すように前記レジスト駆動手段を制御し、その後、
前記保持手段と前記レジスト手段との間に形成される用
紙の先端部のたわみが前記版胴上の前記マスタに接触し
ない程度となるように前記圧胴の周速度よりもやや大き
く、かつ、第1の用紙搬送速度よりも小さい第2の用紙
搬送速度で前記用紙を送り出すように前記レジスト駆動
手段を制御するレジスト駆動制御手段を有することを特
徴とする。
【0021】請求項2記載の発明は、製版されたマスタ
を外周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先
端部を保持する保持手段を備え前記版胴の外径と略同径
の圧胴と、この圧胴を駆動する圧胴駆動手段と、前記保
持手段に向けて前記用紙の先端を送り出すレジスト手段
と、このレジスト手段を駆動するレジスト駆動手段とを
具備する印刷装置における給紙装置において、前記レジ
スト手段から送り出された前記用紙の先端が前記保持手
段に当接するまでは、前記レジスト手段が前記圧胴の周
速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用紙の先端
を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御し、前記
用紙の先端が前記保持手段に当接・保持されてから前記
版胴の外周面と前記圧胴の外周面とが押圧され始める印
圧開始の前までは、前記保持手段と前記レジスト手段と
の間に形成される用紙の先端部のたわみが前記版胴上の
前記マスタに接触しない程度となるように前記圧胴の周
速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送速度より
も小さい第2の用紙搬送速度で前記用紙を送り出すよう
に前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開始の直前
から前記印圧開始以降では、前記レジスト手段が前記圧
胴の周速度よりもやや小さい第3の用紙搬送速度で前記
用紙を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御する
レジスト駆動制御手段を有することを特徴とする。
【0022】請求項3記載の発明は、製版されたマスタ
を外周面に巻き付ける版胴と、給送されて来た用紙の先
端部を保持する保持手段を備え前記版胴の外径と略同径
の圧胴と、この圧胴を駆動する圧胴駆動手段と、前記保
持手段に向けて前記用紙の先端を送り出すレジスト手段
と、このレジスト手段を駆動するレジスト駆動手段とを
具備する印刷装置における給紙装置において、前記レジ
スト手段から送り出された前記用紙の先端が前記保持手
段に当接するまでは、前記レジスト手段が前記圧胴の周
速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用紙の先端
を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御し、前記
用紙の先端が前記保持手段に当接・保持されてから前記
版胴の外周面と前記圧胴の外周面とが押圧され始める印
圧開始の前までは、前記保持手段と前記レジスト手段と
の間に形成される用紙の先端部のたわみが前記版胴上の
前記マスタに接触しない程度となるように前記圧胴の周
速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送速度より
も小さい第2の用紙搬送速度で前記用紙を送り出すよう
に前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開始の直前
では、前記レジスト手段が前記圧胴の周速度よりもやや
小さい第3の用紙搬送速度で前記用紙を送り出すように
前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開始の後で
は、前記レジスト手段が再び略第2の用紙搬送速度で前
記用紙を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御す
るレジスト駆動制御手段を有することを特徴とする。
【0023】ここで、請求項1ないし3記載の発明等の
「版胴の外径と略同径の圧胴」とは、版胴の外径寸法が
圧胴の外径寸法と同じであるものの他、設計上の寸法公
差範囲内にある場合も含む。請求項1ないし記載の発明
等は、「版胴に対して圧胴を相対的に押し付けて印刷を
行う」方式であり、版胴に対して圧胴を押し付けて印刷
を行う圧胴接離方式と、圧胴に対して版胴を押し付けて
印刷を行う版胴接離方式と、それらの併用方式とがあ
る。圧胴接離方式の具体例としては、後述する発明の実
施の形態における圧胴およびその接離手段が挙げられ
る。一方、版胴接離方式には、版胴が圧胴側へ移動(版
胴内部のインキローラが圧胴側へ突出するタイプも含
む)して印刷を行う周知のものが挙げられる。また、請
求項1ないし3記載の発明等の「レジスト駆動制御手
段」の具体例としては、マイクロコンピュータやマイク
ロプロセッサ等が好ましく用いられる。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1,2また
は3記載の印刷装置における給紙装置において、前記印
刷装置側に設けられ前記レジスト手段に向けて給紙する
補助給紙部と、前記補助給紙部とは別に設けられ前記レ
ジスト手段に向けて給紙するバンク給紙部とを具備し、
前記レジスト駆動制御手段は、前記補助給紙部からの給
紙のときの第1の用紙搬送速度を前記バンク給紙部から
の給紙のときのそれよりも大きくするように前記レジス
ト駆動手段を制御することを特徴とする。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
または4記載の印刷装置における給紙装置において、用
紙の種類に応じて第2の用紙搬送速度を変える用紙搬送
速度可変手段を具備することを特徴とする。請求項5記
載の発明においては、前記用紙の種類を設定する用紙種
類設定手段または前記用紙の種類を検知する用紙種類検
知手段を具備する。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1,2,3
または4記載の印刷装置における給紙装置において、印
刷速度に応じて第2の用紙搬送速度を変える用紙搬送速
度可変手段を具備することを特徴とする。請求項6記載
の発明においては、前記版胴は、複数の印刷速度に対応
してその回転速度が可変であり、前記複数の印刷速度の
うちの設定印刷速度に対応して前記版胴を回転するよう
に印刷速度を設定する印刷速度設定手段を具備する。印
刷速度設定手段の具体例としては、操作パネル等に配設
される印刷速度設定キー等がある。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の印刷装置における給紙装置において、前記レジス
ト駆動制御手段は、前記用紙搬送速度可変手段の機能を
具備することを特徴とする。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
の何れか一つに記載の印刷装置における給紙装置におい
て、前記保持手段に対して前記用紙の先端を給送するタ
イミングを制御するための、前記圧胴における少なくと
も回転速度変動を検知するエンコーダセンサを備えたパ
ルスエンコーダと、前記圧胴と前記レジスト手段との間
の給紙路に配設され、前記用紙の先端を検知する用紙先
端検知手段とを具備し、前記レジスト駆動制御手段は、
前記各制御に加えて、前記用紙先端検知手段からの信号
に基づき、前記レジスト手段における前記用紙の滑りを
補償すべく前記レジスト駆動手段を制御した後、前記エ
ンコーダセンサからの出力パルス信号に基づき、前記保
持手段の回転位置にタイミングを合わせて前記用紙の先
端を給送すべく前記レジスト駆動手段を制御することを
特徴とする。ここで、「パルスエンコーダ」としては、
回転速度変動の検出が可能な相対的な回転量を検出する
インクリメンタル型と、回転速度変動の検出と位置の検
出とが可能な絶対的な回転量を検出するアブソリュート
型とがある。請求項8記載の発明のパルスエンコーダ
は、圧胴における少なくとも回転速度変動を検知するの
で、インクリメンタル型およびアブソリュート型の両方
を含む。また、パルスエンコーダとしては、その検出性
能の安定化および信頼性を上げるという点からはフォト
エンコーダが好ましいが、これを望まなくてもよいので
あれば磁気式エンコーダ等であってもよい。前記パルス
エンコーダは、圧胴側に配設することがより好ましく、
前記パルスエンコーダは、圧胴と同期回転される版胴を
回転駆動するメインモータや版胴側に配設してもよい。
なお、この場合の「圧胴側」とは、圧胴接離方式にあっ
ては、圧胴自体もしくは版胴に対しての圧胴の変位動作
と共に実質的に同期して変位する部材も含む圧胴の側を
いう。また、版胴接離方式にあっては、圧胴自体もしく
は圧胴近傍の装置本体側をも含む圧胴側をいう。用紙先
端検知手段の具体例としては、必要な検知動作の安定化
を図れ、安価であるという点から反射型の光学センサが
好ましく用いられ、さらなる検知動作の安定化および信
頼性向上(誤動作の防止)という点からは透過型の光学
センサ(フォトインタラプタ型のフォトセンサ)および
遮光部材を用いてもよい。また、検知動作の安定化およ
び信頼性をそれ程望まなくてもよいのであれば、機械的
接点を有するマイクロスイッチ等を用いてもよい。
【0029】請求項9記載の発明では、請求項8記載の
印刷装置における給紙装置において、前記レジスト駆動
手段が、ステッピングモータからなり、前記レジスト駆
動制御手段は、前記レジスト駆動手段へ出力される少な
くとも駆動パルス数を変えることにより前記レジスト駆
動手段を制御することを特徴とする。
【0030】請求項10記載の発明では、請求項9記載
の印刷装置における給紙装置において、前記レジスト駆
動制御手段は、前記用紙の滑り補償後、前記エンコーダ
センサからの出力パルス信号に応じながら、さらに前記
パルス幅を変えることにより、前記レジスト駆動手段を
フィードバック制御することを特徴とする。
【0031】請求項11記載の発明では、請求項9記載
の印刷装置における給紙装置において、前記レジスト駆
動制御手段は、前記レジスト駆動手段を起動させるため
の前記エンコーダセンサの出力パルス信号の出力開始時
点からの出力パルス数と、前記用紙先端検知手段により
用紙の先端が検知されたときから前記ステッピングモー
タに供給された駆動パルス数とから、前記たわみの量を
認識することを特徴とする。
【0032】なお、後述する発明の実施の形態では、次
のような新規な構成を含む技術構成を採用しているの
で、ここに記載しておく。すなわち、第1の技術構成
は、請求項1ないし11の何れかに記載の印刷装置にお
ける給紙装置において、前記保持手段に対して前記レジ
スト手段による前記用紙の先端を給送するタイミングを
とるためのタイミング検知手段を前記圧胴側に配設した
ことを特徴とする。タイミング検知手段の具体例として
は、検知動作の安定化および信頼性向上(誤動作の防
止)という点からは透過型の光学センサ(フォトインタ
ラプタ型のフォトセンサ)および遮光部材が好ましく用
いられ、必要な検知動作の安定化を図れ、安価であると
いう点から反射型の光学センサ等をを用いてもよい。ま
た、検知動作の安定化および信頼性をそれ程望まなくて
もよいのであれば、機械的接点を有するマイクロスイッ
チ等を用いてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)
を説明する。上述した従来の技術例および各実施形態等
に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部
品等については、同一符号を付すことによりその説明を
できるだけ省略する。図において一対で構成されていて
特別に区別して説明する必要がない部材や構成部品は、
説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載するこ
とでその説明に代えるものとする。また、図および説明
の簡明化を図るため、図に表されるべき部材や構成部品
であっても、その図において特別に説明する必要がない
部材や構成部品は適宜断わりなく省略することがある。
【0034】(実施形態1)以下、本発明の第1の実施
形態(以下、単に「実施形態1」という)について説明
する。図1において、符号100は、印刷装置の一例と
しての孔版印刷装置を示す。符号200は、孔版印刷装
置100の下方に孔版印刷装置100側の後述する補助
給紙部とは別に設けられたバンク給紙部を示す。符号1
00Aは孔版印刷装置100側の骨組みをなす本体フレ
ームを、符号200Aはバンク給紙部200側の骨組み
をなすバンク本体フレームをそれぞれ示す。以下、孔版
印刷装置100およびバンク給紙部200の構成を順次
説明する。
【0035】孔版印刷装置100は、図1および図2に
示すように、製版されたマスタ2を外周面に巻き付ける
円筒状の版胴1と、版胴1の左側に配設され既に版胴1
に巻装されている使用済みのマスタ2を版胴1の外周面
から剥離し収納する排版部18と、版胴1の右方に配設
されマスタ2を製版し搬送する製版書込み部19と、排
版部18、版胴1および製版書込み部19の上方に配設
され原稿の画像を読み取る原稿読み取り部3と、版胴1
の内部に配設され版胴1上のマスタ2にインキを供給す
るインキ供給装置22と、版胴1の下方に配設され給送
されて来た用紙Pの先端部を挾持・保持する保持手段と
しての用紙クランパ21を備え、版胴1の外周面上のマ
スタ2に用紙Pを押し付ける圧胴20と、圧胴20の右
方に配設され用紙Pの先端をレジスト手段としてのレジ
ストローラ対33a,33bに向けて給送する、本発明
における複数の給紙部の一つとしての補助給紙部28を
含む給紙装置と、圧胴20の左方に配設された排紙部8
0とを具備している。
【0036】版胴1は、図1、図2、図9および図12
等に示すように、多孔構造の支持円筒体とその外周面に
巻装された複数層のメッシュスクリーン(図示せず)と
を有し、支軸11の周りに回転可能に支持されている。
版胴1は、複数の印刷速度に対応してその回転速度を変
えることが可能なようにメインモータ150を含む版胴
1の駆動系を介して回転される。このメインモータ15
0は、例えばDCモータからなり、後述するように給紙
駆動系に駆動力を伝達しないようになされているので従
来のメインモータよりも小型化されている。
【0037】図2において、メインモータ150の出力
軸150aには、エンコーダ151が取り付けられてい
る。エンコーダ151は、インクリメンタル型のフォト
ロータリエンコーダからなる。エンコーダ151近傍の
本体フレーム100A側には、エンコーダ151を所定
の間隔をもって挾み付ける発光部および受光部を具備し
た透過型の光学センサからなるエンコーダセンサ152
が配設されている。メインモータ150の回転駆動によ
るエンコーダ151の回転動作に協働して発生された所
定のパルスをエンコーダセンサ152で検出することに
より、版胴1の回転速度が検出されるようになってい
る。これにより、メインモータ150を介して版胴1の
回転速度の制御がなされるようになっている。
【0038】版胴1の外周面には、製版書込み部19で
穿孔・製版されたマスタ2の先端部を挾持するマスタク
ランパ12が配置されている。マスタクランパ12は、
支持円筒体の外周面の母線に沿って設けられた強磁性体
よりなるステージ(図示せず)に対向し、マスタクラン
パ軸12aを介して回動可能に支持されていて、上記ス
テージと対向する面に磁石を貼着されて構成されてい
る。マスタクランパ12は、版胴1が所定の回転位置を
占めたときに、開閉装置(図示せず)により駆動力を伝
達されて開閉される。版胴1における図9に示す奥側の
端板1aに対向した本体フレーム100A側の所定位置
には、版胴1aが図13(a)に示すホームポジション
(同図にH・Pの略称を付してある)を占めたときに、
そのホームポジションを検知するためのホームポジショ
ンセンサ72が設けられている。ホームポジションセン
サ72は、発光部および受光部を具備した透過型の光学
センサからなる。版胴1の奥側の端板1aには、ホーム
ポジションセンサ72と選択的に係合する遮光板73が
外側に突出して設けられている。
【0039】製版書込み部19は、図2に示すように、
芯管10aにロール状に巻かれて形成されたマスタロー
ル10からマスタ2を繰り出し可能に支持する支持軸1
0bと、マスタ2を搬送するプラテンローラ9と、プラ
テンローラ9に対して接離自在に設けられたサーマルヘ
ッド17と、プラテンローラ9の下流側に設けられ、マ
スタ2を切断する上下一対のカッタ部材4と、マスタ2
の先端をマスタクランパ12へ向けて送り出す給版ロー
ラ対5a,5bとから主に構成されている。
【0040】プラテンローラ9は、その軸を回転自在に
支持されており、パルスモータ6により所定の周速度で
回転駆動され、マスタ2をサーマルヘッド17に押圧し
ながら搬送する。サーマルヘッド17は、マスタ2の幅
方向に1列に配列された複数の発熱素子を有し、周知の
接離機構(図示せず)によって、プラテンローラ9に接
離自在に設けられている。サーマルヘッド17は、原稿
読み取り部3のA/D変換部および製版制御部(図示せ
ず)で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき
マスタ2を選択的に加熱穿孔し、穿孔画像を形成する機
能を有する。上方のカッタ部材4は、カッタ駆動モータ
7で回転される偏心カム8により上下動され、マスタ2
を切断する。
【0041】インキ供給装置22は、図2に示すよう
に、版胴1と同方向に同期して回転し、版胴1の内周面
にインキを供給するインキローラ13と、インキローラ
13と僅かな間隙を置いて平行に配置され、インキロー
ラ13との間にインキ溜り16を形成するドクターロー
ラ15と、インキ溜り16へインキを供給するパイプ状
をなす支軸11とを有している。インキローラ13、ド
クターローラ15は、支軸11に固定された側板手前・
奥にそれぞれ回転自在に支持されている。インキ溜り1
6からインキローラ13の外周面に供給されたインキ
は、版胴1とインキローラ13の外周面とに僅かに隙間
を設けているために、版胴1の内周面に供給される。イ
ンキは、適宜の位置に配置されたインキパックからイン
キポンプにより圧送され、支軸11の供給穴よりインキ
溜り16へ供給される。
【0042】本実施形態1では、図12に示すように、
用紙Pに対する印刷レジスト精度の向上、画像濃度の安
定および印刷時の静音化を図る目的で押圧手段として用
紙クランパ21を備えた圧胴20を用いている。圧胴2
0の大きさは、実施例的にいうと外径寸法D=180m
m、その長さ300mmのものを採用している。なお、
押圧手段は、上記した圧胴20を用いる利点を望まなく
てもよいのであればこれに限らず、保持手段としての用
紙クランパ21を備えていない圧胴や、版胴1の下方近
傍において、マスタ2を介して版胴1に接離自在な版胴
1よりも小さなプレスローラ等であっても構わない。
【0043】圧胴20の両端部の端板20bは、図2、
図7および図8等に示すように、圧胴軸23に固定支持
されている。圧胴20の両端板20bの外側には、図7
および図11に示すように、軸受支持部25cおよびベ
アリングからなるカムフォロア27をそれぞれ有する一
対のアーム25a,25bが配設されている。これらの
アーム対25a、25bには、圧胴軸23が圧胴軸23
の両端部に装着された軸受23Aを介してそれぞれ回転
可能に支持されている。これにより、圧胴20は、その
圧胴軸23の両端部が各軸受23Aを介して軸受支持部
25cにそれぞれ回転可能に支持されていることによ
り、回転自在となっている。アーム対25a,25bの
一方のアーム25aの一端は、装置本体に配設された一
対の片方の本体側板手前(図示せず)に固定された支点
軸24aに軸受(図示せず)を介して支持されており、
他方のアーム25bの一端は、他方の本体側板奥に軸受
(図示せず)を介して回転可能に支持された支点軸24
bにより支持されている。両支点軸24a,24bは、
アーム対25a,25bに対して同軸上に配設されてい
る。
【0044】他方のアーム25bに回転可能に支持され
た支点軸24bの内側端部側には、圧胴20に回転を伝
える駆動ギア(図示せず)が固定されていて、アーム2
5b側の圧胴軸23には上記駆動ギアに噛み合う圧胴ギ
ア(図示せず)が固定されている。支点軸24bの外側
端部側には、版胴1の回転力を伝える歯付の圧胴側プー
リ(図示せず)が固定されていて、この圧胴側プーリと
版胴1の奥側の端板1aに取付けられた歯付の版胴側プ
ーリとの間には、歯付ベルト(図示せず)が巻き掛けら
れている。一方、版胴1の奥側の端板1aには、上記版
胴側プーリと同軸的に別のプーリが取付けられている。
これにより、メインモータ150の回転力が歯付ベルト
を介して上記別のプーリに伝達され、順次、上記版胴側
プーリ、上記歯付ベルト、上記圧胴側プーリ、上記駆動
ギヤ、上記圧胴ギヤと伝達されることによって、圧胴2
0は、版胴1との押圧位置が同じとなるように、かつ、
版胴1の周速度と同じ周速度で反時計回り方向に回転さ
れる。
【0045】圧胴20の外周部には、版胴1の外周面に
接触する円筒部と、版胴1におけるマスタクランパ12
との衝突を避けるためにD字状にくぼんだ凹部20aと
が形成されている。圧胴20は実施例的にいうと、その
本体部分には合成樹脂が使用されていて軽量化を図って
いると共に、上記円筒部の外周にはニトリルゴムが巻着
されていて圧胴20の回転ムラを低減している。圧胴2
0の凹部20aには、用紙Pの先端部を挾持・保持する
用紙クランパ21が設けられている。用紙クランパ21
にはマグネットを用いたクランプ方式が採用されている
と共に、用紙クランパ21およびその周りの構造は、従
来の技術で説明した図38ないし図40に示したと同様
のものを具備している。用紙Pが普通紙や薄紙等の場合
には、用紙クランパ21によりその用紙Pの先端から約
2mm位までの用紙Pの先端部がくわえられることによ
って、用紙Pが圧胴20の外周面上に保持される。一
方、用紙Pが厚紙等の場合には、クランプ時における用
紙Pの腰の強さが大きいことに伴うクランプ反力によっ
て用紙クランパ21が完全に閉じられずに、その用紙ク
ランパ21の先端部が版胴1の外周面上のマスタ2や上
記メッシュスクリーンに当たってインキが飛び散ったり
することを防止するために、用紙Pの先端部をくわえな
いで用紙Pを回転搬送するように制御される。
【0046】圧胴20は、後述する接離手段により、版
胴1の外周面に対して接離自在に構成されている。接離
手段は、支点軸24a、24bを中心として圧胴20を
搖動するアーム対25a,25bと、アーム対25a,
25bの他端にそれぞれ回転自在に支持されたベアリン
グからなる一対のカムフォロア27,27と、アーム対
25a,25bを版胴1に向けて付勢する一対の印圧ス
プリング26a,26bと、一対のカムフォロア27,
27に選択的にそれぞれ当接する一対のカム(図示せ
ず)とから主に構成される。上記一対のカムは、図示を
省略した歯付ベルトで版胴1とメインモータ150とに
連結されていて、版胴1の回転と同期して回転するよう
になされている。上記一対のカムは、版胴1におけるマ
スタクランパ12配設部位を除く所定の印刷開孔領域に
対して圧胴20における凹部20aを除く外周部が押圧
するように、その輪郭周面が一対のカムフォロア27,
27に摺接するように形成されている。 用紙Pの搬送
ミス時や製版時においては、圧胴20側の装置本体に配
設された圧解除ソレノイド(図示せず)等を具備した印
圧解除機構の作動によって、上記一対のカムと一対のカ
ムフォロア27,27とが摺接しないように印圧解除を
することで、版胴1と圧胴20とが押圧されずに圧胴2
0が版胴1から離間するようになされており、搬送ミス
等がない時に用紙Pを保持した圧胴20が一対の印圧ス
プリング26a,26bにより版胴1の外周面に押圧さ
れるようになっている。上記のとおり、圧胴20は、上
記印圧解除機構の作動および上記一対のカムの回転動作
によって、支点軸24a、24bを中心として、版胴1
に押圧した位置と、版胴1から離間した位置とに接離さ
れる。
【0047】印圧スプリング26a,26bは、圧胴2
0を版胴1に押圧する印圧力を発生させている。圧胴2
0の版胴1に対する押圧力を均一に働かせるために、圧
胴20の両端にあるアーム対25a,25bの1つ1つ
に印圧スプリング26a,26bをそれぞれ取り付けて
ある。なお、上記したメインモータ150を備えた駆動
系および上記接離手段等の詳細構成は、例えば特開平9
−216448号公報の図1ないし図5等に示されてい
るものと同じものを用いている。
【0048】圧胴20の左側近傍には、排紙部80が配
置されている。排紙部80は、排紙爪81と、排紙爪8
1で剥離・案内された用紙Pを搬送する、搬送ローラ前
83と搬送ローラ後84との間に張設された搬送ベルト
85と、吸引ファン(図示せず)とから構成されてい
る。搬送ベルト85は、モータ等により版胴1の周速度
よりも速い搬送速度で駆動されるように設定されてい
る。排紙部80の左側には、排出された用紙Pを積載す
る排紙台82が設けられている。
【0049】圧胴20の右方には、補助給紙部28を含
む給紙装置が配置されている。この給紙装置は、図1な
いし図4等に示すように、用紙Pの先端部にたわみを形
成した後、版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に
形成される印刷部に向けて用紙Pの先端を送り出すレジ
スト手段としての上下一対のレジストローラ33a,3
3bと、このレジストローラ対33a,33bに向けて
給紙する補助給紙部28と、レジストローラ対33a,
33bとバンク給紙部200との間の縦給紙路RZに設
けられバンク給紙部200から給送された用紙Pの先端
をレジストローラ対33a,33bに向けて送り出し、
レジストローラ対33a,33bに当接させてたわみを
形成する用紙搬送手段としての一対の中間搬送ローラ5
5a,55bと、この中間搬送ローラ対55a,55b
を駆動する用紙搬送駆動手段としての給紙モータ74
と、補助給紙部28とレジストローラ対33a,33b
との間の横給紙路RXに配設され、レジストローラ対3
3a,33bと圧胴20の用紙クランパ21とに用紙P
の先端を案内するガイド板38,39,40と、補助給
紙部28とレジストローラ対33a,33bとの間の横
給紙路RXに配設され、用紙Pの先端を検知する用紙先
端センサ51と、圧胴20とレジストローラ対33a,
33bとの間の横給紙路RXに配設され、用紙Pの先端
を検知する用紙先端検知手段としてのレジストセンサ5
2とを具備している。
【0050】補助給紙部28は、図1ないし図4等に示
すように、用紙Pを積載して水平に昇降可能な給紙台と
しての補助トレイ31と、補助トレイ31上の用紙Pを
1枚ずつ分離してレジストローラ対33a,33bに向
けて用紙Pの先端を給送する給紙手段29と、補助トレ
イ31上に積載された用紙Pの先端を突き当て揃える給
紙前面板35とを具備している。レジストローラ対33
a,33bの駆動は、従来の駆動方式であるセクタギヤ
方式に代えて、メインモータ150の回転駆動力とは独
立したレジストモータ58で回転されるレジストローラ
独立駆動方式を採用している。
【0051】給紙手段29は、これを上位概念的に言い
替えると、レジストローラ対33a,33bに向けて給
紙する機能を有するものである。給紙手段29は、ピッ
クアップローラあるいはピックアップコロとも呼ばれて
いる上記した呼出しローラ30、分離ローラ32および
分離パッド34からなる。給紙手段29の駆動は、従来
の給紙手段の駆動方式であるセクタギヤ方式に代えて、
メインモータ150の回転駆動力とは独立した給紙モー
タ74で回転される給紙手段独立駆動方式を採用してい
る。
【0052】補助トレイ31は、駆動装置(図示せず)
により、積載された用紙Pの最上位が、常に呼出しロー
ラ30に所定の押圧力(用紙Pが搬送可能な押圧力)を
もって接触するように昇降される。補助トレイ31は、
手差し給紙が可能な構造を有し、用紙の種類(以下、
「紙種」というときがある)を多く使用できる構造を有
すること、およびその用紙積載容量を用紙サイズA3や
A4の用紙Pで500枚を積載可能とする構造を有す
る。手差し給紙が可能な構造は、例えば実公平5−18
342号公報等に開示されている技術構成を採用してい
る。補助トレイ31には、図3および図14に示すよう
に、用紙サイズに応じて用紙Pの両側端を位置決め揃え
るための一対のサイドフェンス43a,43bが用紙幅
方向Yに移動自在に配設されている。図14に、用紙サ
イズ検出機構を示す。この用紙サイズ検出機構は、サイ
ドフェンス対43a,43bの用紙幅方向Yの移動に連
動して用紙Pの用紙サイズを決定するものである。この
用紙サイズ検出機構は、サイドフェンス対43a,43
bと、補助トレイ31の下部に配設されている不動部材
に回動自在に取り付け支持されたピニオン46と、サイ
ドフェンス43aの下部端縁部に形成されピニオン46
と噛合するラック部45と、サイドフェンス43bの下
部端縁部に形成されラック部45に対向してピニオン4
6と噛合するラック部44と、サイドフェンス43bの
ラック部44に対向する下部端縁部において下方に突出
して折り曲げられ適宜の間隔を持って切り欠かれた複数
の切欠きを備えた遮閉部44aと、補助トレイ31の上
記不動部材に適宜の間隔を持って固設され遮閉部44a
とそれぞれ選択的に係合する2つの横サイズ検知センサ
48a,48bと、補助トレイ31の上記不動部材にお
ける横給紙方向Xに適宜の間隔をあけて固設された縦サ
イズ検知センサ49とから主に構成されている。
【0053】各横サイズ検知センサ48a,48bは、
発光部および受光部を具備した透過型の光学センサであ
り、遮閉部44aとそれぞれ選択的に係合することによ
り用紙Pにおける用紙幅方向Yのサイズを検出する。縦
サイズ検知センサ49は、反射型の光学センサであり、
用紙Pにおける横給紙方向Xのサイズを検出する。各横
サイズ検知センサ48a,48bおよび縦サイズ検知セ
ンサ49は、補助給紙部用紙サイズ検知センサ群50を
構成しており、これらの用紙サイズ検知センサ群50で
検出されたサイズ信号データを組み合わせて後述する本
体給紙制御装置のCPUが判断することにより、用紙P
の用紙サイズを決定するものである。なお、このような
用紙サイズ検知方式の詳細としては、本願出願人が以前
に提案した、例えば特開平9−30714号公報等に開
示されている技術を挙げることができる。用紙サイズ検
知方式としては、上述したような方式に限定されず、他
の方式であってもよいことは言うまでもない。また、バ
ンク給紙部200の後述するトレイ上143およびトレ
イ下145にも、補助トレイ31における用紙サイズ検
出機構と同様の検出機構がそれぞれ配設されており、重
複説明を避ける上からここで説明する。すなわち、トレ
イ上143における用紙サイズ検出機構のバンク上用紙
サイズ検知センサ群を符号50−1とし、トレイ下14
5における用紙サイズ検出機構のバンク下用紙サイズ検
知センサ群を符号50−2として区別するに留めること
とする。
【0054】横給紙路RXは、図2、図4ないし図6等
に示されているように配設された各ガイド板38,3
9,40で郭定される空間に略水平状態に形成されてい
る。ガイド板38における横給紙方向Xの上流側端部
は、上方に湾曲していて、給紙手段29により横給紙方
向Xの下流側に給送された用紙Pの先端がレジストロー
ラ対33a,33bのニップ部直前の部位に突き当たる
ことで、図5に示すような湾曲した所定のたわみPAを
形成するように用紙Pの先端部を案内するようになって
いる。
【0055】一方、ガイド板40は、レジストローラ対
33a,33b配置部近傍の横給紙路RXから右下がり
斜め下方に折り曲げられていて、これに対向して配設さ
れた中間ガイド板41,42と共に郭定される空間に、
縦給紙路RZの上側部分を形成している。各中間ガイド
板41,42の相対向する一端部は、山形状に湾曲して
形成されていて、バンク給紙部200における後述する
各給紙手段29−1,29−2により後述する複数のロ
ーラ群を介して縦給紙方向Zの下流側に給送された用紙
Pの先端がレジストローラ対33a,33bのニップ部
直前の部位に突き当たることで、図6に示すような湾曲
したたわみPAを形成するように用紙Pの先端部を案内
するようになっている。
【0056】レジストローラ対33a,33bとバンク
給紙部200との間の縦給紙路RZの上側部分には、バ
ンク給紙部200における後述する各給紙手段29−
1,29−2から給送された用紙Pの先端をレジストロ
ーラ対33a,33bに向けて送り出し、その用紙Pの
先端をレジストローラ対33a,33bに当接させて、
より詳細に言えばレジストローラ対33a,33bのニ
ップ部直前の部位に突き当たることでたわみPAを形成
する中間搬送ローラ対55a,55bが配設されてい
る。図2および図4において右側に示す中間搬送ローラ
55aは、図3および図4に示すような駆動ローラであ
って、薄紙のシワを低減する目的でローラ軸55cに一
体的に取り付けられた3個のこま切れ状ローラからな
る。中間搬送ローラ55bは、バネ等の付勢手段により
中間搬送ローラ55aに常に圧接された従動ローラであ
り、3個のこま切れ状ローラからなる(図3には図示せ
ず)。ローラ軸55cおよび中間搬送ローラ55b側の
ローラ軸(図示せず)は、孔版印刷装置100本体側に
配設された本体側板手前89aと本体側板奥89bとの
間にそれぞれ延在して設けられていて、本体側板手前・
奥89a,89bに各転がり軸受86を介してそれぞれ
回転自在に支持されている。
【0057】図3および図4を参照して、中間搬送ロー
ラ55a,55bと給紙手段29とを切り換え駆動する
ローラ切換駆動系について、給紙手段29のより詳細な
構造を含めて説明する。分離ローラ32と軸32aとの
間、および呼出しローラ30と軸30aとの間には、ワ
ンウェイクラッチ67がそれぞれ介装されている。分離
ローラ32の軸32aには歯付きのプーリ32Aが、呼
出しローラ30の軸30aには歯付きのプーリ30Aが
それぞれ取り付けられている。プーリ32Aおよびプー
リ30Aには、タイミングベルト37が掛け渡されてい
て、呼出しローラ30と分離ローラ32とはタイミング
ベルト37を介して駆動力伝達関係にある。各ワンウェ
イクラッチ67のクラッチロック方向(回転駆動力の接
続方向)は、呼出しローラ30と分離ローラ32とが用
紙Pを1枚ずつ分離して給送するために回転される図中
矢印で示されている時計回り方向に設定されている。こ
れにより、呼出しローラ30と分離ローラ32とは、時
計回り方向のみに回転可能となっている。呼出しローラ
30の軸30aおよび分離ローラ32の軸32aは、共
に転がり軸受87を介して、下側に開口を有するコ字状
をなす給紙アーム35Aに回転自在に取り付けられてい
る。呼出しローラ30は、分離ローラ32の軸32aを
中心として自重および給紙アーム35Aの重さにより所
定角度揺動自在になされている。分離ローラ32の軸3
2aは、図3に示すように、本体側板奥89bの外側に
延び、転がり軸受86を介して本体側板奥89bに回転
自在に支持されている。本体側板奥89bの外側に延び
た軸32aの端部には、歯付きの従動プーリ56が固設
されている。従動プーリ56と軸32aとの間には、ワ
ンウェイクラッチ56Aが介装されている。ワンウェイ
クラッチ56Aのクラッチロック方向(回転駆動力の接
続方向)は、図4において軸32aを時計回り方向にの
み回転可能とするように設定されている。
【0058】給紙モータ74は、ステッピングモータか
らなり、分離ローラ32および呼出しローラ30を回転
する給紙駆動手段としての機能を有すると共に、中間搬
送ローラ対55a,55bを回転駆動する用紙搬送駆動
手段としての機能をも有する。給紙モータ74は、図3
および図4に示すように、本体側板奥89bにネジを介
して取り付け固定されたモータブラケット74Aに固設
されている。給紙モータ74の出力軸には、2連のプー
リからなる歯付きの駆動プーリ75a,75bがそれぞ
れ固設されている。従動プーリ56と駆動プーリ75b
との間には、タイミングベルト57が掛け渡されてい
て、駆動力伝達関係にある。駆動プーリ75aの近傍に
は、軸76aに固設された搬送駆動ギヤ78と、軸76
aに取り付けられた歯付きの従動プーリ76とがそれぞ
れ配設されている。従動プーリ76と駆動プーリ75a
とには、タイミングベルト77が掛け渡されていて、駆
動力伝達関係にある。中間搬送ローラ55aのローラ軸
55cの一端部には、搬送駆動ギヤ78と常に噛合する
搬送従動ギヤ79が固設されている。ローラ軸55cと
搬送従動ギヤ79との間には、ワンウェイクラッチ79
Aが介装されている。ワンウェイクラッチ79Aのクラ
ッチロック方向(回転駆動力の接続方向)は、搬送従動
ギヤ79を介して、中間搬送ローラ55aが用紙Pを搬
送する時計回り方向に設定されている。
【0059】ここで、説明の便宜上から上記ローラ切換
駆動系の詳細な動作を説明しておく。補助給紙部28か
らの給紙の場合には、給紙モータ74を図4において時
計回り方向に正転させることで、給紙モータ74の回転
駆動力が、駆動プーリ75bから、タイミングベルト5
7、従動プーリ56、ワンウェイクラッチ56Aのクラ
ッチロック作用により軸32aへと伝達され、次いでワ
ンウェイクラッチ67のクラッチロック作用によって分
離ローラ32が時計回り方向に回転する。これと同時
に、軸32aからプーリ32Aへ伝達された給紙モータ
74の回転駆動力が、タイミングベルト37を介してプ
ーリ30A、軸30aへと伝達され、ワンウェイクラッ
チ67のクラッチロック作用によって呼出しローラ30
が時計回り方向に回転する。これにより、分離ローラ3
2および呼出しローラ30が共に時計回り方向に回転
し、補助トレイ31上に積載された最上位の用紙Pがレ
ジストローラ対33a,33bに向けて給送されること
となる。この時、駆動プーリ75aから、タイミングベ
ルト77、従動プーリ76、搬送駆動ギヤ78および搬
送従動ギヤ79までは給紙モータ74の回転駆動力が伝
達されるが、ワンウェイクラッチ79Aの作用によって
搬送従動ギヤ79が空転するので、給紙モータ74の回
転駆動力が中間搬送ローラ対55a,55bへは伝達さ
れないこととなる。
【0060】一方、バンク給紙部200からの給紙の場
合には、給紙モータ74を図4において反時計回り方向
に逆転させることで、給紙モータ74の回転駆動力が駆
動プーリ75aから、タイミングベルト77、従動プー
リ76、搬送駆動ギヤ78、搬送従動ギヤ79へと伝達
され、次いでワンウェイクラッチ79Aのクラッチロッ
ク作用によって上記回転駆動力がローラ軸55cに伝達
され、これにより中間搬送ローラ55aが時計回り方向
に、これに圧接し合う中間搬送ローラ55bが反時計回
り方向にそれぞれ回転する。これにより、バンク給紙部
200から給送されて来た用紙Pが中間搬送ローラ対5
5a,55bの回転によってレジストローラ対33a,
33bに向けて給送されることとなる。この時、駆動プ
ーリ75bから、タイミングベルト57、従動プーリ5
6までは給紙モータ74の回転駆動力が伝達されて反時
計回り方向に回転するが、従動プーリ56側のワンウェ
イクラッチ56Aの作用によって従動プーリ56が空転
するので、給紙モータ74の回転駆動力が軸32aには
伝達されず、したがって分離ローラ32および呼出しロ
ーラ30は回転しないこととなる。
【0061】上述した構成のとおり、中間搬送ローラ対
55a,55bを駆動する用紙搬送駆動手段と給紙駆動
手段とが、単一の駆動手段としての給紙モータ74から
なり、中間搬送ローラ対55a,55bと給紙手段29
の分離ローラ32および呼出しローラ30とは単一の給
紙モータ74により正逆転切換作動させるだけでそれぞ
れ回転駆動されることとなる。したがって、例えば特開
平6−40137号公報に記載されているように中間搬
送ローラ対と給紙手段の分離ローラおよび呼出しローラ
とを別個の2つの駆動モータで回転駆動させる必要がな
いので、2つの駆動モータを配置するためのレイアウト
上の制約がなくなって省スペース化およびコストダウン
を図れる利点がある。
【0062】用紙先端センサ51と中間搬送ローラ対5
5a,55bとの間の縦給紙路RZ上であって、たわみ
形成部手前の中間ガイド板42上には、用紙Pの先端を
検知する中間センサ上53が配設されている。中間搬送
ローラ対55a,55bとバンク給紙部200側に配設
されたバンクレジストローラ対106a,106bとの
間の縦給紙路RZ上であって、中間ガイド板42の下端
部上には、用紙Pの先端を検知する中間センサ下54が
配設されている。これらの中間センサ上・下53,54
は、発光部および受光部を具備した反射型の光学センサ
からなる。中間ガイド板42には、図5にその一部を示
すように、上記発光部からの出射光および用紙Pの先端
表面からの反射光を通す開口部が開けられている。中間
センサ上53は、用紙Pの先端を検知することにより、
中間搬送ローラ対55a,55bを含む上流側の縦給紙
路RZで発生した用紙Pのジャムを検知するジャム検知
機能を有する。中間センサ下54は、用紙Pの先端を検
知することにより、所定の時間内にバンク給紙部200
から給紙されているか否かを検知すると共に、中間搬送
ローラ対55a,55bよりも上流側の縦給紙路RZで
発生した用紙Pのジャムを検知するジャム検知機能を有
する。
【0063】レジストモータ58は、ステッピングモー
タからなり、レジストローラ33bを回転・駆動するレ
ジスト駆動手段としての機能を有する。レジストモータ
58は、図4に示すように、レジストモータ58の出力
軸に設けられた駆動プーリ58Aとレジストローラ33
bの軸33cに設けられたレジスト従動プーリ33Aと
の間に掛け渡されたタイミングベルト59を介して、レ
ジストローラ33bに連結されている。駆動プーリ58
Aおよびレジスト従動プーリ33Aは、タイミングベル
ト59とスリップすることなく係合する歯付きのプーリ
である。
【0064】図10に示すように、上側のレジストロー
ラ33aは、薄紙のシワを低減する目的でローラ軸33
cに一体的に取り付けられた3個のこま切れ状ローラか
らなり、上方のガイド板38に形成された5つの開口部
38aのうちの中央部の3つの開口部38aに適宜の隙
間をもって挿入されている。レジストローラ33aは、
図示を省略したレジストローラ上下機構を介して5個の
こま切れ状ローラからなるレジストローラ33b(図1
0には図示せず)に接離自在に配設されている。
【0065】用紙先端センサ51は、実施例的にいう
と、図1および図10に示すように、ローラ軸33cの
中心から用紙搬送方向Xの上流側に19mm遡った位置
の上側のガイド板38に取り付けられている。同様に、
レジストセンサ52は、実施例的にいうと、ローラ軸3
3cの中心から用紙搬送方向Xの下流側に19mm下っ
た位置の上側のガイド板38に取り付けられている。こ
れらのセンサ51,52は、発光部および受光部を具備
した反射型の光学センサからなる。上側のガイド板38
には、図5および図6に示すように、上記発光部からの
出射光および用紙Pの先端表面からの反射光を通す開口
部が開けられている。
【0066】用紙先端センサ51は、用紙Pの先端を検
知することにより、給紙手段29を含む横給紙方向Xや
縦給紙方向Zの上流側で発生した用紙Pのジャムを検知
するジャム検知機能を有する他、レジストローラ対33
a,33bのニップ部直前の部位に用紙Pの先端を突き
当ててたわみPAを形成する時のたわみ量調整の一部の
機能をも有している。レジストセンサ52は、用紙Pの
先端を検知することにより、レジストローラ対33a,
33bを含む横給紙方向Xや縦給紙方向Zの上流側で発
生した用紙Pのジャムを検知するジャム検知機能を有す
る。
【0067】上記レジストローラ上下機構は、その一端
がローラ軸33cの両端に取り付けられローラ軸33c
を揺動自在に支持する一対のローラアーム33d,33
dと、各ローラアーム33d,33dの他端に取り付け
られ所定角度回動自在な揺動支軸36と、揺動支軸36
の奥側端部に取り付けられたベアリングを備えた圧解除
カムフォロア(図示せず)と、本体フレーム100A側
に設けられ上記圧解除カムフォロアに摺接するレジスト
ローラ開閉カム(図示せず)と、上側のレジストローラ
33aを下側のレジストローラ33bに圧接する向きに
付勢するスプリング(図示せず)とから構成されてい
る。なお、上記レジストローラ開閉カムの回転駆動力
は、版胴1を回転するメインモータ150の回転駆動力
からギヤ等の回転伝達部材を介して得ているが、従来の
技術で述べたようにメインモータ150の負荷をさらに
減らしたいのであれば、機械式の上記レジストローラ上
下機構に代えてソレノイドやステッピングモータ等の電
気式駆動力により制御するようにしてもよい。
【0068】ここで、用紙Pの搬送時(給紙工程時)に
おいて、版胴1および圧胴20の各回転位置を次のとお
り表すものとする。すなわち、図13(a),(b)に
おいて、版胴1の回転位置を、図13(a)に示す版胴
1のホームポジションから版胴1の時計回り方向に回転
したときのなす角度θをもって表し、圧胴20の回転位
置を、図13(a)に示すように、版胴20の凹部20
aが版胴1のマスタクランパ12と対向して直上に位置
する圧胴20のホームポジションから圧胴20の反時計
回り方向に回転したときになす角度θ’をもって表わす
ものとする。なお、版胴1および圧胴20は、各ホーム
ポジションを占めたときに装置本体から着脱可能となっ
ている。
【0069】上記レジストローラ上下機構の動作を前も
って説明しておく。上側のレジストローラ33aが下側
のレジストローラ33bに圧接するレジスト圧オンのタ
イミングは、実施例的にいうと図20に示すように、版
胴1が回転位置θ=257.5°を占めたときにオン
し、版胴1が回転位置θ=57.5°(417.5°)
を占めたときにオンからオフ(レジスト圧解除)に切り
替えられるようになっている。用紙Pの先端部が圧胴2
0の用紙クランパ21にくわえられた後、上記レジスト
ローラ開閉カムが回転して同開閉カムの凸部に上記圧解
除カムフォロアの上記ベアリングが摺接・位置すること
となり、これにより上記スプリングの付勢力に抗して上
側のレジストローラ33aを持ち上げ、上側のレジスト
ローラ33aを下側のレジストローラ33bから離間さ
せる。この離間動作は、上記レジストローラ開閉カムの
凸部と上記圧解除カムフォロアの上記ベアリングとの摺
接係合時間によって、用紙Pの後端がレジストローラ対
33a,33bの隙間を完全に抜けるまで継続するよう
に設定されている。
【0070】次に、バンク給紙部200側の細部構成に
ついて説明する。バンク給紙部200は、図1に示すよ
うに、本体フレーム100Aの下部にバンク本体フレー
ム200Aを介して着脱自在に配設されている。バンク
給紙部200は、バンク本体フレーム200A内に設け
られた上段の給紙部としてのバンク上給紙部201およ
び下段の給紙部としてのバンク下給紙部202と、後述
するガイド板で形成された縦給紙路RZの下側部分と、
縦給紙路RZの上から順に配設された、一対のバンクレ
ジストローラ106a,106bと、バンクレジストセ
ンサ135と、一対の中間ローラ118a,118b
と、バンクフィードセンサ136とを具備している。
【0071】バンク上給紙部201は、図1および図1
5に示すように、複数枚の用紙Pを積載し上昇して給紙
位置に臨む上限位置と最も下降した下限位置との間で昇
降自在なトレイ上143、およびトレイ上143を水平
状態に保ちながら上記上限位置と上記下限位置との間に
昇降させるバンク上水平昇降手段(図示せず)等を備え
たトレイユニット上144と、トレイ上143に積載さ
れた最上位の用紙Pの上限位置を検知するバンク上上限
センサ137と、トレイ上143の上記下限位置を検知
するバンク上下限センサ138と、トレイ上143の用
紙Pを1枚ずつ分離して横給紙方向X1に給紙する給紙
手段29−1と、バンク上用紙サイズ検知センサ群50
−1を備えた上記した用紙サイズ検出機構とを具備して
いる。
【0072】トレイ上143は、板金で形成されてい
て、バンク本体フレーム200Aに対して横給紙方向X
1と直交する図1および図15における紙面の手前方向
および奥方向に挿脱自在なトレイユニット上144の構
成部品として構成されている。トレイユニット上144
は、トレイ上143等を始めとして他の構成部品を組み
付けるための概略筐体状のトレイ上収納筐体144Aを
有する。トレイ上収納筐体144Aには、給紙手段29
−1の下方においてトレイ上143に積載された用紙P
の先端を揃えるための給紙前面壁144aが形成されて
いる。この実施形態1では、トレイ上143に積載可能
な用紙サイズがA3,A4の2サイズであり、普通紙で
1000枚を積載収容できるように構成されている。そ
の用途および必要に応じて、上記サイズ以外の用紙サイ
ズを積載収容することも可能である。
【0073】なお、バンク上給紙部201のトレイユニ
ット上144は、これに限らず、例えば特開平5−12
4737号、特開平5−221536号、特開平6−1
44600号および特開平7−137851号公報等で
開示されている給紙装置であってもよい。これらの給紙
装置は、オペレータ等が装置の前面に対向して位置する
姿勢で給紙等の操作を行なえるフロントローディング方
式を用いると共に、給紙動作を中断することなく用紙の
自動補給を可能とした、いわゆるタンデム給紙とノンタ
ンデム給紙とを切り換えて使用できる給紙装置である。
また、上記のものに限らず、上記各給紙装置を改良すべ
く本願出願人が特願平10−199188号で提案した
ような新規な給紙装置、すなわち、複数枚の用紙を積載
する昇降自在な第1給紙トレイと、この第1給紙トレイ
から用紙搬送方向に給紙する給紙手段と、第1給紙トレ
イに対して略水平に並設され複数枚の用紙を積載する第
2給紙トレイと、この第2給紙トレイの用紙を第1給紙
トレイへ一括して移送する移送手段とを有し、第1給紙
トレイと第2給紙トレイとに亘り少なくとも第1給紙ト
レイまたは第2給紙トレイに積載可能な用紙サイズより
も大きな大サイズ用紙を積載して上記給紙手段により給
紙可能である給紙装置において、第1給紙トレイを略水
平状態に保ちながら上昇させる水平昇降手段と、第1給
紙トレイと第2給紙トレイとに亘り大サイズ用紙が積載
されたとき、第2給紙トレイを、第1給紙トレイの少な
くとも上昇動作に連動して略水平状態に保ちながら上昇
させる昇降連動手段とを具備する給紙装置であっても構
わない。図1および図15では、上記タンデム給紙の概
要を表すためにトレイユニット上144およびトレイ上
143を2点鎖線で分割して示している。
【0074】バンク上上限センサ137は、給紙手段2
9−1の呼出しローラ30がトレイ上143に積載され
た最上位の用紙Pに適正な圧力で接触して給紙をするの
に適正な給紙位置を占めたことを検知する。バンク上上
限センサ137は、発光部と受光部とを有する遮光型の
光学センサであって、トレイ上143に積載された最上
位の用紙Pに揺動自在に当接する当接片(図示せず)を
図4に示した給紙アーム35Aに備え、この当接片と連
動して設けられた遮光板(図示せず)が上記発光部と上
記受光部との間で遮光動作を行うことにより、上記給紙
位置を検知するものである。バンク上上限センサ137
は、給紙手段29−1の呼出しローラ30近傍のバンク
本体フレーム200A側に設けられている。バンク上上
限センサ137は、例えば特開平2−265825号公
報記載の第3図等に示されている光学センサPS2と同
様の構成を有する。バンク上下限センサ138は、発光
部と受光部とを有する反射型の光学センサであって、バ
ンク本体フレーム200A内の所定位置に配置されてい
る。バンク上下限センサ138は、上記発光部から光を
トレイ上143の一側面に出射してその反射光を上記受
光部で検知することにより、トレイ上143の下限位置
を検知するものである。
【0075】バンク下給紙部202は、図1および図1
5に示すように、複数枚の用紙Pを積載し上昇して給紙
位置に臨む上限位置と最も下降した下限位置との間で昇
降自在なトレイ下145、およびトレイ下145を水平
状態に保ちながら上記上限位置と上記下限位置との間に
昇降させるバンク下水平昇降手段(図示せず)等を備え
たトレイユニット下146と、トレイ下145に積載さ
れた最上位の用紙Pの上限位置を検知するバンク下上限
センサ139と、トレイ下145の上記下限位置を検知
するバンク下下限センサ140と、トレイ下145の用
紙Pを1枚ずつ分離して横給紙方向X1に給紙する給紙
手段29−2と、バンク下用紙サイズ検知センサ群50
−2を備えた上記した用紙サイズ検出機構とを具備して
いる。
【0076】トレイ下145は、板金で形成されてい
て、バンク本体フレーム200Aに対して横給紙方向X
1と直交する図1および図15における紙面の手前方向
および奥方向に挿脱自在なトレイユニット下146の構
成部品として構成されている。トレイユニット下146
は、トレイ下145等を始めとして他の構成部品を組み
付けるための概略筐体状のトレイ下収納筐体146A有
する。トレイ下収納筐体146Aには、給紙手段29−
2の下方においてトレイ下145に積載された用紙Pの
先端を揃えるための給紙前面壁146aが形成されてい
る。この実施形態1では、トレイ下145に積載可能な
用紙サイズがA3,A4の2サイズであり、普通紙で5
00枚を積載収容できるように構成されている。その用
途および必要に応じて、上記サイズ以外の用紙サイズを
積載収容することも可能である。
【0077】バンク下上限センサ139は、給紙手段2
9−2の呼出しローラ30がトレイ下145に積載され
た最上位の用紙Pに適正な圧力で接触して給紙をするの
に適正な給紙位置を占めたことを検知するものであり、
バンク上上限センサ137と同様の構成を有している。
バンク下上限センサ139は、給紙手段29−2の呼出
しローラ30近傍のバンク本体フレーム200A側に設
けられている。バンク下下限センサ140は、バンク本
体フレーム200A内の所定位置に配置されていて、バ
ンク上下限センサ138と同様の構成および作用によっ
て、トレイ下145の下限位置を検知するものである。
【0078】上記バンク上水平昇降手段は、図19のみ
に示す駆動手段としてのバンク上上下移動モータ141
を備え、例えば、特開平6−40137号公報の図3お
よび図4等に開示されていると同様のワイヤー式昇降機
構を採用している。また、上記バンク下水平昇降手段
は、図19のみに示す駆動手段としてのバンク下上下移
動モータ142を備え、上記バンク上水平昇降手段と同
様のワイヤー式昇降機構を採用している。バンク上上下
移動モータ141およびバンク下上下移動モータ142
は、DCモータからなる。なお、特願平10−1991
88号で提案した新規な給紙装置におけるXアームを用
いたパンタグラフ式の昇降機構であっても勿論構わな
い。
【0079】なお、説明が前後したが、補助給紙部28
側にも、上記バンク下水平昇降手段と同様の昇降手段が
配設されていると共に、バンク下上限センサ139およ
びバンク下下限センサ140と同様のセンサがそれぞれ
配設されていて、補助トレイ31の昇降動作および昇降
制御が行われるようになっている。
【0080】図15において、縦給紙路RZの下側部分
は、孔版印刷装置100側(以下、単に「本体側」とい
うときがある)のガイド板40および中間ガイド板42
の下端部に連結すべく設けられた一対の連結ガイド板1
27,127と、バンク上給紙部201の給紙手段29
−1からの給紙を可能とすべく形成された一対のガイド
板上128,128と、このガイド板上対128,12
8から分岐して下方に延び、バンク下給紙部202の給
紙手段29−2からの給紙を可能とすべく形成された一
対のガイド板下129,129とからなる。連結ガイド
板対127,127、ガイド板上対128,128およ
びガイド板下対129,129が合流する縦給紙路RZ
であって、各給紙手段29−1,29−2の縦給紙方向
Zの下流側には、バンクレジストローラ対106a,1
06bが回転可能に配設されている。
【0081】バンクレジストローラ対106a,106
bは、このバンク給紙部200に特有のものであって、
本体側のレジストローラ対33a,33bに至る用紙P
の搬送経路が長いために発生するスキュー、シワや横レ
ジストズレを防止するために設けられているものであ
る。バンクレジストローラ対106a,106bは、本
体側のレジストローラ対33a,33bと比較すると、
給送されて来た用紙Pの先端部を若干噛み込むことによ
り、用紙Pの自重による落下を防ぐように動作させるよ
うになっていること、およびレジストローラ対33a,
33bのようなレジスト圧解除機構を備えておらずバネ
(図示せず)によって常時圧接状態にあることが主に相
違する。
【0082】バンクレジストローラ対106a,106
bよりも上流側の上記合流部の縦給紙路RZには、バン
クレジストセンサ135が配設されている。バンクレジ
ストセンサ135は、発光部および受光部を具備した反
射型の光学センサからなる。バンクレジストセンサ13
5は、用紙Pの先端および後端を検知することにより、
所定の時間内にバンクレジストローラ対106a,10
6b配置部位に用紙Pの先端が来ているか否かを検知す
ると共に、バンクレジストローラ対106a,106b
よりも上流側の縦給紙路RZで発生した用紙Pのジャム
を検知するジャム検知機能を有する。
【0083】給紙手段29−1と給紙手段29−2との
間の縦給紙路RZには、中間ローラ対118a,118
bが回転可能に配設されている。中間ローラ対118
a,118bは、給紙手段29−2から給送された用紙
Pを縦給紙路RZの下流側へ搬送するものである。中間
ローラ対118a,118b近傍の縦給紙路RZの上流
側には、バンクフィードセンサ136が配設されてい
る。バンクフィードセンサ136は、発光部および受光
部を具備した反射型の光学センサからなる。バンクフィ
ードセンサ136は、用紙Pの先端および後端を検知す
ることにより、所定の時間内に中間ローラ対118a,
118b配置部位に用紙Pの先端が来ているか否かを検
知すると共に、給紙手段29−2から中間ローラ対11
8a,118b配置部位に至る縦給紙路RZで発生した
用紙Pのジャムを検知するジャム検知機能を有する。
【0084】図16に、バンク給紙部200から給紙を
行うためのバンク給紙駆動機構125を示す。バンク給
紙駆動機構125は、バンクレジストローラ対106
a,106bを駆動するバンクレジストローラ駆動機構
125Aと、給紙手段29−1側の分離ローラ32およ
び呼出しローラ30、または中間ローラ対118a,1
18b、給紙手段29−2側の分離ローラ32および呼
出しローラ30を切り換え駆動するバンク上下給紙部切
換駆動機構125Bとからなる。なお、図16におい
て、各構成部品の回転方向は同図において右側から見た
ときの方向を指すものとする。
【0085】バンクレジストローラ駆動機構125A
は、バンクレジストローラ対106a,106bを回転
駆動する正逆転可能なバンクレジストモータ101と、
バンクレジストモータ101の回転駆動力をバンクレジ
ストローラ106bの軸106cに伝達するための、バ
ンクレジストモータ101の出力軸に固設された駆動ギ
ヤ102、この駆動ギヤ102と噛合するアイドルギヤ
103、およびこのアイドルギヤ103と噛合する従動
ギヤ105からなるギヤ列と、従動ギヤ105とバンク
レジストローラ106bの軸106cとの間に介装され
従動ギヤ105に伝達されたバンクレジストモータ10
1の回転駆動力を断接するレジストクラッチ104とを
具備している。
【0086】バンクレジストモータ101は、ステッピ
ングモータからなる。アイドルギヤ103は、軸をもっ
てバンク側板126に回転自在に支持されている。バン
クレジストローラ106bの軸106cは、転がり軸受
(図示せず)を介してバンク側板126に回転自在に支
持されている。レジストクラッチ104は、電磁クラッ
チからなる。
【0087】バンク上下給紙部切換駆動機構125B
は、給紙手段29−1側の分離ローラ32および呼出し
ローラ30、または中間ローラ対118a,118b、
給紙手段29−2側の分離ローラ32および呼出しロー
ラ30を回転駆動する正逆転可能なバンク給紙モータ1
07と、バンク給紙モータ107の正転時(時計回り方
向)の回転駆動力を給紙手段29−1側の分離ローラ3
2の軸32aに伝達するための後述する上段ギヤ列と、
中間ギヤ対109a,109bの軸と同軸的に設けられ
た駆動プーリ110との間に介装され時計回り方向にク
ラッチロックの方向性を有するワンウェイクラッチ11
0Aと、バンク給紙モータ107の逆転時(反時計回り
方向)の回転駆動力を中間ローラ118bの軸118c
に伝達するための後述する中段ギヤ列と、中間ローラ1
18bの軸118cと従動ギヤ116との間に介装され
従動ギヤ116に伝達されたバンク給紙モータ107の
回転駆動力を断接する中間クラッチ117と、駆動プー
リ110と従動プーリ119との間に掛け渡されたタイ
ミングベルト118Aと、このタイミングベルト118
Aに伝達されたバンク給紙モータ107の逆転時(反時
計回り方向)の回転駆動力を給紙手段29−2側の分離
ローラ32の軸32aに伝達するための後述する下段ギ
ヤ列と、給紙手段29−2側の分離ローラ32の軸32
aと従動ギヤ122との間に介装され従動ギヤ122に
伝達されたバンク給紙モータ107の回転駆動力を断接
する給紙クラッチ123とを具備している。
【0088】上記上段ギヤ列は、バンク給紙モータ10
7の出力軸に固設された駆動ギヤ108と、この駆動ギ
ヤ108と噛合する中間ギヤ109aと、この中間ギヤ
109aと同軸的に設けられた駆動プーリ110および
中間ギヤ109bと、この中間ギヤ109bと噛合する
アイドルギヤ111と、このアイドルギヤ111と噛合
するアイドル小径ギヤ112aと、このアイドル小径ギ
ヤ112aと同軸に設けられたアイドル大径ギヤ112
bと、このアイドル大径ギヤ112bと噛合する、給紙
手段29−1側の分離ローラ32の軸32aの端部に固
設された従動ギヤ113とからなる。中間ギヤ対109
a,109b、アイドルギヤ111、アイドル小径ギヤ
112aおよびアイドル大径ギヤ112bは、それぞれ
軸をもってバンク側板126に回転自在に支持されてい
る。給紙手段29−1側の分離ローラ32の軸32a
は、転がり軸受(図示せず)を介してバンク側板126
に回転自在に支持されている。上記中段ギヤ列は、駆動
ギヤ108と噛合するアイドル小径ギヤ114aと、こ
のアイドル小径ギヤ114aと同軸に設けられたアイド
ル大径ギヤ114bと、このアイドル大径ギヤ114b
と噛合するアイドルギヤ115と、このアイドルギヤ1
15と噛合する、中間ローラ118bの軸118cの端
部に固設された従動ギヤ116とからなる。アイドル小
径ギヤ114a、アイドル大径ギヤ114bおよびアイ
ドルギヤ115は、それぞれ軸をもってバンク側板12
6に回転自在に支持されている。中間ローラ118bの
軸118cは、転がり軸受(図示せず)を介してバンク
側板126に回転自在に支持されている。
【0089】上記下段ギヤ列は、従動プーリ119と同
軸に設けられた中間ギヤ120と、この中間ギヤ120
と噛合するアイドル小径ギヤ121aと、このアイドル
小径ギヤ121aと同軸に設けられたアイドル大径ギヤ
121bと、このアイドル大径ギヤ121bと噛合す
る、給紙手段29−2側の分離ローラ32の軸32aの
端部に固設された従動ギヤ122とからなる。中間ギヤ
120、アイドル小径ギヤ121aおよびアイドル大径
ギヤ121bは、それぞれ軸をもってバンク側板126
に回転自在に支持されている。給紙手段29−2側の分
離ローラ32の軸32aは、転がり軸受(図示せず)を
介してバンク側板126に回転自在に支持されている。
【0090】バンク給紙モータ107は、ステッピング
モータからなる。中間クラッチ117および給紙クラッ
チ123は、それぞれ電磁クラッチからなる。
【0091】ここで、バンク上下給紙部切換駆動機構1
25Bの動作を説明しておく。バンク上給紙部201の
給紙手段29−1からの給紙の場合には、バンク給紙モ
ータ107を図16において例えば時計回り方向に正転
させることで、バンク給紙モータ107の回転駆動力
は、上記上段ギヤ列による伝達を介して、給紙手段29
−1側の分離ローラ32の軸32aを時計回り方向に回
転させる駆動力として伝達され、次いで図3および図4
を参照して説明したと同様にして分離ローラ32および
呼出しローラ30が時計回り方向に回転される。これに
より、トレイ上143上に積載された最上位の用紙Pの
1枚だけがレジストローラ対33a,33bに向けて給
送されることとなる。この時、中間ギヤ109aは反時
計回り方向に回転されることにより、ワンウェイクラッ
チ110Aの作用によって中間ギヤ対109a,109
bの軸だけが反時計回り方向に回転するので、バンク給
紙モータ107の回転駆動力は駆動プーリ110には伝
達されないこととなる。
【0092】一方、バンク下給紙部202の給紙手段2
9−2からの給紙の場合には、バンク給紙モータ107
を図16において例えば反時計回り方向に逆転させる
と、中間ギヤ109aは時計回り方向に回転され、ワン
ウェイクラッチ110Aのクラッチロック作用によって
中間ギヤ対109a,109bの軸と駆動プーリ110
とが一体的に時計回り方向に回転することとなる。そし
て、バンク給紙モータ107の回転駆動力は、上記下段
ギヤ列による伝達を介して、給紙手段29−2側の分離
ローラ32の軸32aを時計回り方向に回転させる駆動
力として伝達され、次いで図3および図4を参照して説
明したと同様にして分離ローラ32および呼出しローラ
30が時計回り方向に回転する。これと並行して中間ギ
ヤ対109a,109bが時計回り方向に回転されるこ
とにより、上記上段ギヤ列による回転駆動力の伝達を介
して、給紙手段29−1側の分離ローラ32の軸32a
を今度は反時計回り方向に回転させる駆動力として伝達
されるが、ワンウェイクラッチ67の作用によって軸3
2aだけが回転するのみで、プーリ32Aにはその回転
駆動力が伝達されず、これによりバンク給紙モータ10
7の回転駆動力が分離ローラ32および呼出しローラ3
0には伝達されないこととなる。
【0093】図2ないし図19を参照して、上述したセ
ンサやモータ等の制御構成部品以外の、本実施形態1に
おける給紙制御に係る制御構成を説明する。図2および
図7に示すように、圧胴20における奥側の端板20b
の外側壁には、本体給紙用遮光板68と本体レジスト用
遮光板69とが圧胴20の同円周上に所定の間隔をおい
てそれぞれネジで取り付けられている。また、圧胴20
における奥側の端板20bの外側壁には、バンク給紙用
遮光板70とバンクレジスト用遮光板71とが上記した
各遮光板68,69の円周上よりも内側の同円周上に所
定の間隔をおいてそれぞれネジで取り付けられている。
各遮光板68,69,70,71は、例えばステンレス
スチール等の板金や適宜の合成樹脂でできていて、正面
視および側面視でL字形をなし、その先端が奥側に突出
して成形されている。
【0094】一方、アーム25bの内側には、図2、図
7および図11に示すように、本体給紙用遮光板68と
本体レジスト用遮光板69とが取り付けられている圧胴
20の同円周上に対向して給紙開始センサ65が、バン
ク給紙用遮光板70とバンクレジスト用遮光板71とが
取り付けられている圧胴20の同円周上に対向してバン
ク給紙開始センサ66が、センサブラケット64を介し
てネジ63で取り付けられている。給紙開始センサ65
およびバンク給紙開始センサ66は、発光部および受光
部を具備する透過型の光学センサである。
【0095】本体給紙用遮光板68と給紙開始センサ6
5とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した所定の回
転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取り付けら
れていて、レジストローラ対33a,33bに対して補
助給紙部28の給紙手段29による用紙Pの先端を給送
するタイミングをとるための給紙タイミング検知手段と
しての機能を有する。圧胴20の上記所定の回転位置
は、換言すれば本体給紙用遮光板68の圧胴20の端板
20bへの取り付け位置は、実施例的にいうと、図20
に示すように、圧胴20が反時計回り方向にθ’=19
4°に回転した位置で給紙開始センサ65がオンするよ
うに設定されている。この時には、前述したように、上
記レジストローラ上下機構が離間動作することにより、
上側のレジストローラ33aが下側のレジストローラ3
3bから離間されレジストローラ対33a,33bの間
に上記隙間が形成されている状態にあり、上記スプリン
グの付勢力によるレジストローラ対33a,33bの圧
接力が用紙Pにかからないようになっている。
【0096】本体レジスト用遮光板69と給紙開始セン
サ65とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した所定
の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取り付
けられていて、圧胴20の用紙クランパ21に向けてレ
ジストローラ対33a,33bによる用紙Pの先端の給
送を開始するタイミングをとるためのタイミング検知手
段としての機能を有する。圧胴20の上記所定の回転位
置は、換言すれば本体レジスト用遮光板69の圧胴20
の端板20bへの取り付け位置は、実施例的にいうと、
圧胴20が反時計回り方向にθ’=307°に回転した
位置で給紙開始センサ65がオンするように設定されて
いる。
【0097】バンク給紙用遮光板70とバンク給紙開始
センサ66とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した
所定の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取
り付けられていて、バンクレジストローラ対106a,
106bに対してバンク給紙部200の給紙手段29−
1または給紙手段29−2による用紙Pの先端を給送す
るタイミングをとるためのバンク給紙タイミング検知手
段としての機能を有する。圧胴20の上記所定の回転位
置は、換言すればバンク給紙用遮光板70の圧胴20の
端板20bへの取り付け位置は、実施例的にいうと、図
20に示すように、圧胴20が反時計回り方向にθ’=
0°(圧胴20がホームポジションを占めたとき)に回
転した位置でバンク給紙開始センサ66がオンするよう
に設定されている。
【0098】バンクレジスト用遮光板71とバンク給紙
開始センサ66とは、圧胴20が反時計回り方向に回転
した所定の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するよう
に取り付けられていて、本体側のレジストローラ対33
a,33bに向けてバンク給紙部200のバンクレジス
トローラ対106a,106bによる用紙Pの先端を給
送するタイミングをとるためのバンクレジストタイミン
グ検知手段としての機能を有する。圧胴20の上記所定
の回転位置は、換言すればバンクレジスト用遮光板71
の圧胴20の端板20bへの取り付け位置は、実施例的
にいうと、圧胴20が反時計回り方向にθ’=104°
に回転した位置でバンク給紙開始センサ66がオンする
ように設定されている。
【0099】図2、図7および図8に示すように、圧胴
20における奥側の端板20bには、2個のスペーサ6
2を介して、エンコーダ60がネジ63で取り付けられ
ている。エンコーダ60は、本実施形態1ではインクリ
メンタル型のフォトエンコーダであり、多数のスリット
が外周部に放射状に並べられた1チャンネルのフォトエ
ンコーダである。一方、エンコーダ60の近傍における
アーム25bの内側には、図2、図8および図11に示
すように、エンコーダセンサ61がエンコーダ60の外
周部を所定の間隔をもって挟むようにしてセンサブラケ
ット64を介してネジ63で取り付けられている。これ
らのエンコーダ60とエンコーダセンサ61とは、圧胴
20の用紙クランパ21に対してレジストローラ対33
a,33bによる用紙Pの先端を給送するタイミングを
制御するための、圧胴20における回転速度変動を検知
するパルスエンコーダの機能を有している。なお、エン
コーダ60の外径の大きさは、図7および図8に示すよ
うに圧胴20の外径と同じであり、図2等では図を見や
すくするために小さ目に描いている。また、エンコーダ
センサ61の図示は、上記と同様の趣旨から図7では省
略すると共に、図2および図8等ではセンサブラケット
64を省略して簡略的に描いている。
【0100】次に、図17を参照して操作パネル90の
細部構成を説明する。この操作パネル90は、原稿読み
取り部3の上部に配設されている。操作パネル90上に
は、原稿画像の画像読み取りから給版に至る各動作の起
動を設定・入力する製版スタートキー91と、印刷枚数
等を設定・入力するテンキー93と、このテンキー93
で設定・入力された印刷枚数の印刷動作の起動を行う印
刷スタートキー92と、原稿画像の画像読み取りから印
刷に至る各動作工程での設定・検知情報を随時表示する
ためのLCD(液晶表示装置)表示部94と、補助給紙
部28の補助トレイ31またはバンク給紙部200のト
レイ上143、トレイ下145の用紙サイズを選択・入
力するための用紙サイズ設定手段の機能を有するトレイ
選択兼用用紙サイズ入力キー98(以下、単に「用紙サ
イズ入力キー98」という)と、この用紙サイズ入力キ
ー98により選択・入力された何れかのトレイ31,1
43,145の用紙サイズや他の入力情報を確定するた
めの用紙サイズ設定手段の機能を有する設定キー95
と、LCD表示部94に表示されたジョブ情報を選択す
るために左方向に移行させるための左矢印キー99B
と、LCD表示部94に表示されたジョブ情報を選択す
るために右方向に移行させるための右矢印キー99C
と、LCD表示部94に表示されたジョブ情報を選択す
るために左右・上下の何れか一つの方向に移行させるた
めの4つの移行キー99Ac,99Aa,99Ab,9
9Adを備えた十字カーソルキー99Aと、印刷速度の
設定値としての印刷速度レベル1〜5の5段階の印刷速
度の中から1つの印刷速度を選択的に設定するための印
刷速度設定手段としての速度ダウンキー96aおよび速
度アップキー96bからなる印刷速度設定キー96と、
速度ダウンキー96aまたは速度アップキー96bによ
り設定された設定印刷速度を表示するためのLEDラン
プ群からなる速度表示器97と、用紙Pの種類を設定す
るための用紙種類設定手段としての紙種入力キー190
と、紙種入力キー190で選択的に設定された用紙Pの
種類(以下、「紙種」というときがある)、または後述
する用紙Pの種類を自動的に検知するための用紙種類検
知手段としての各紙種検知センサ195,195−1,
195−2(図19に仮想線で囲んで示す)により検出
された紙種を表示するための紙種表示用のLED(発光
ダイオード)からなるランプ群191等が配置されてい
る。
【0101】用紙サイズ入力キー98は、これを1回押
すことにより、LCD表示部94に表示されていた表示
画面上の表示を「用紙サイズ」から「キャンセル」に変
更することができ、用紙サイズ入力キー98を押す前の
元の表示画面に戻す機能を有するキャンセルキー98A
となる。図18の一番上には、LCD表示部94の一つ
の画面が示されていて、そのLCD表示部94の上部の
矩形欄にはオペレータの行うべきジョブ内容が表示され
る。ここでは、「製版・プリントできます」と表示され
ていて、製版から印刷に至る工程・動作が可能であるこ
とを表している。次いで、用紙サイズ入力キー98を押
下すると、上から2番目の表示画面に切り替わる。この
状態では、ハッチング表示が施された「自動」が自動的
に選択されていて、原稿用紙サイズに対応した用紙サイ
ズが自動的に選択設定されるので、オペレータは適宜そ
の内容にしたがってキー操作を行う。例えばここで、オ
ペレータがキャンセルキー98Aを押下すると用紙サイ
ズ入力キー98を押す前の元の初期画面に戻り、一方、
右矢印キー99Cまたは十字カーソルキー99Aの右カ
ーソルキー99Aaを押下すると、上から3番目の表示
画面に切り替わり、ハッチング表示が施されたバンク給
紙部200の「トレイ上」(トレイ上143)において
「(※A4□)」が、すなわち用紙サイズA4の用紙P
が選択された状態にあることが表示される。そしてここ
で、設定キー95を押下すると、上から4番目の表示画
面に切り替わり、「トレイ上」(トレイ上143)にお
いて「※A4□」が、すなわち用紙サイズA4の用紙P
が設定された状態にあることが表示される。
【0102】速度表示器97において、プリントスピー
ドと表示されている中央部のハッチングを施した「設定
印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応し
た標準印刷速度であって、速度ダウンキー96aまたは
速度アップキー96bを押下しなかった場合に自動的に
設定されるようになっている。ここで、例えば「おそ
く」と表示されている一番左側の「設定印刷速度:1
速」は印刷速度が最低速の60枚/min:60rpm
に、「設定印刷速度:2速」は印刷速度が75枚/mi
n:75rpmに、「設定印刷速度:3速」は印刷速度
が90枚/min:90rpmに、「設定印刷速度:4
速」は印刷速度が105枚/min:105rpmに、
「はやく」と表示されている一番右側の「設定印刷速
度:5速」は印刷速度が最高速の120枚/min:1
20rpmにそれぞれ対応して設定されている。
【0103】速度表示器97は、速度ダウンキー96a
または速度アップキー96bの1回ごとの押下により、
上記印刷速度を1から5までの5段階の設定印刷速度
(以下単に「設定印刷速度:1速〜5速」というときが
ある)に、切り換えられる印刷速度を点灯表示する。速
度ダウンキー96aまたは速度アップキー96bは、速
度表示器97の近傍に配置されていて、1回押すごと
に、設定印刷速度:1速〜5速の何れか1つの設定印刷
速度に対応した各LEDランプの点灯を順次切り換える
機能も有しており、これにより、オペレータが選択した
設定印刷速度が速度表示器97にて目視確認できるよう
になっている。
【0104】ランプ群191は、この例では3グループ
のうちの何れか一つの紙種が選択されていることを表示
する3つのランプ、すなわち、普通紙が選択されている
ことを表示するランプ191a、厚紙が選択されている
ことを表示するランプ191b、および薄紙が選択され
ていることを表示するランプ191cからなる。紙種入
力キー190を1回押すとランプ191aが点灯し、同
190を2回押すとランプ191bが、同190を3回
押すとランプ191cが点灯するというように、紙種入
力キー190を1回押すごとに順次ランプの点灯が切り
替わり、ユーザやオペレータが設定した紙種が、または
各紙種検知センサ195,195−1,195−2によ
り検知された紙種が選択されていることを表示するよう
になっている。
【0105】図19において、符号88は主として孔版
印刷装置100側の給紙制御を行うための本体給紙制御
装置を、符号148はバンク給紙部200側の給紙制御
を行うためのバンク給紙制御装置をそれぞれ示す。本体
給紙制御装置88およびバンク給紙制御装置148は、
共に図示を省略した、CPU(中央処理装置)、I/O
(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、
RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等をそ
れぞれ備え、それらが信号バスによって接続された構成
を有するマイクロコンピュータをそれぞれ具備してい
る。本体給紙制御装置88とバンク給紙制御装置148
とは、相互にシリアル通信を行うことにより、オン/オ
フ信号やデータ信号、あるいは指令信号を送受信してい
る。
【0106】本体給紙制御装置88の上記CPU(以
下、説明の簡明化を図るため、単に「本体給紙制御装置
88」というときがある)は、上記入力ポートを介し
て、操作パネル90の上記した各種キー等と電気的に接
続されていて、各種の出力信号を受信する。本体給紙制
御装置88は、上記出力ポートを介して、操作パネル9
0の上記した各表示部等と電気的に接続されていて、各
種の指令信号を送信してこれを制御する。
【0107】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、用紙先端センサ51と電気的に接続されてい
て、用紙先端センサ51から給紙モータ74を正転また
は逆転させて所定のたわみを作るための出力信号を受信
する。本体給紙制御装置88は、上記入力ポートを介し
て、レジストセンサ52と電気的に接続されていて、レ
ジストセンサ52からレジストローラ対33a,33b
における用紙Pの滑り補償のための出力信号を受信す
る。
【0108】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、給紙開始センサ65と電気的に接続されてい
て、給紙開始センサ65から給紙モータ74やレジスト
モータ58を回転駆動するための出力信号(スタート信
号)を受信する。
【0109】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、バンク給紙開始センサ66と電気的に接続さ
れていて、バンク給紙開始センサ66からバンク給紙モ
ータ107やバンクレジストモータ101を回転駆動す
るための出力信号(スタート信号)を受信して、これら
の信号をバンク給紙制御装置148に転送する。
【0110】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、中間センサ上53や中間センサ下54と電気
的にそれぞれ接続されていて、バンク給紙部200から
給送された用紙Pの先端検知に係るデータ信号を中間セ
ンサ上53や中間センサ下54から受信する。
【0111】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、エンコーダセンサ61と電気的に接続されて
いて、エンコーダセンサ61から圧胴20の回転速度変
動に係る出力パルス信号を受信する。
【0112】本体給紙制御装置88は、上記入力ポート
を介して、補助トレイ用紙サイズ検知センサ群50(図
の簡明化を図るため図19のブロック図に図示せず)と
電気的に接続されていて、補助トレイ用紙サイズ検知セ
ンサ群50から補助トレイ31上に積載されている用紙
サイズ検知に係るデータ信号を受信する。
【0113】本体給紙制御装置88は、上記出力ポート
を介して、給紙モータ74に電気的に接続されていて、
本体給紙用遮光板68と給紙開始センサ65との係合に
よる給紙開始センサ65からの出力信号(スタート信
号)に基づき、用紙Pの先端をレジストローラ対33
a,33bに対して給送すべく給紙モータ74を正転駆
動制御する給紙駆動制御手段としての機能を有する。
【0114】本体給紙制御装置88は、本体レジスト用
遮光板69と給紙開始センサ65との係合による給紙開
始センサ65からのオン出力信号に基づき、用紙クラン
パ21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙P
の先端を給送すべくレジストモータ58を起動制御した
後、レジストセンサ52からの信号に基づき、レジスト
ローラ対33a,33bにおける用紙Pの滑りを補償
(以下、単に「スリップ量補正」というときがある)す
べくレジストローラ対33a,33bの回転速度を速め
ると共に回転量を増加するようにレジストモータ58を
制御し、この後、エンコーダセンサ61からの出力パル
ス信号に基づき、用紙クランパ21の回転位置にタイミ
ングを合わせて用紙Pの先端を給送すべくレジストモー
タ58を制御すると共に、レジストローラ対33a,3
3bから送り出された用紙Pの先端が用紙クランパ21
に当接するまでは、レジストローラ33bが圧胴20の
周速度vaよりも大きい第1の用紙搬送速度vp1で用
紙Pの先端を送り出すようにレジストモータ58を制御
し、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保持され
てから版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧され
始める印圧開始の前までは、用紙クランパ21とレジス
トローラ対33a,33bとの間に形成される用紙Pの
先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触しない
程度となるように圧胴20の周速度vaよりもやや大き
く、かつ、第1の用紙搬送速度vp1よりも小さい第2
の用紙搬送速度vp2で用紙Pを送り出すようにレジス
トモータ58を制御し、印圧開始の直前では、レジスト
ローラ33bが圧胴20の周速度vaよりもやや小さい
第3の用紙搬送速度vp3で用紙Pを送り出すようにレ
ジストモータ58を制御し、印圧開始の後では、レジス
トローラ33bが再び略第2の用紙搬送速度vp2で用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御するレ
ジスト駆動制御手段としての機能を有する(請求項3、
請求項8参照)。
【0115】なお、用紙クランパ21とレジストローラ
対33a,33bとの間に形成される用紙Pの先端部の
たわみPBは、従来技術例として示した図40、図42
および図44における上記と略同部位に形成される用紙
Pの先端部のたわみPB’と比較して、版胴1の外周面
上のマスタ2と接触しない程度の制御されたたわみPB
であることが相違し、これを明確に区別するために、そ
の符号の相違をもって区別するものとする。
【0116】この時、本体給紙制御装置88は、レジス
トモータ58へ出力される駆動パルス数およびそのパル
ス幅を変えることによりレジストモータ58を制御し、
かつ、用紙Pのスリップ量補正後、エンコーダセンサ6
1からの出力パルス信号に応じながら、レジストモータ
58へ出力される駆動パルス幅をさらに変えることによ
りレジストモータ58をフィードバック制御する機能を
有する(請求項9、請求項10参照)。
【0117】本体給紙制御装置88は、補助給紙部28
からの給紙のときの第1の用紙搬送速度vp1をバンク
給紙部200からの給紙のときのそれよりも大きくする
ようにレジストモータ58を制御する機能を有する(請
求項4参照)。本体給紙制御装置88は、本体レジスト
用遮光板69と給紙開始センサ65との係合によるレジ
ストモータ58を起動させるための給紙開始センサ65
のオン時点に対応したエンコーダセンサ61からの出力
パルス数と、レジストセンサ52により用紙Pの先端が
検知された時点からレジストモータ58に供給された駆
動パルス数とを逐次比較することによって、用紙クラン
パ21とレジストローラ対33a,33bとの間に形成
される用紙Pの先端部のたわみの量を認識する機能を有
する(請求項11参照)。
【0118】バンク給紙制御装置148は、上記入力ポ
ートを介して、バンク上用紙サイズ検知センサ群50−
1やバンク下用紙サイズ検知センサ群50−2と電気的
に接続されていて、バンク上用紙サイズ検知群50−1
やバンク下用紙サイズ検知群50−2で検出された用紙
サイズ検知信号を本体給紙制御装置88に転送する。
【0119】バンク給紙制御装置148は、上記入力ポ
ートを介して、バンクレジストセンサ135やバンクフ
ィードセンサ136とそれぞれ電気的に接続されてい
て、バンクレジストセンサ135やバンクフィードセン
サ136で検知された用紙Pの先端検知に係るデータ信
号を受信する。
【0120】バンク給紙制御装置148は、上記入力ポ
ートを介して、バンク上上限センサ137やバンク上下
限センサ138とそれぞれ電気的に接続されていて、バ
ンク上上下移動モータ141を制御するためのトレイ上
143の上限位置や下限位置に係るオン/オフ信号を受
信する。同様に、バンク給紙制御装置148は、上記入
力ポートを介して、バンク下上限センサ139やバンク
下下限センサ140とそれぞれ電気的に接続されてい
て、バンク下上下移動モータ142を制御するためのト
レイ下145の上限位置や下限位置に係るオン/オフ信
号を受信する。
【0121】バンク給紙制御装置148は、上記出力ポ
ートを介して、バンク給紙モータ107と電気的に接続
されていて、本体給紙制御装置88より転送されてきた
バンク給紙開始センサ66からのバンク給紙モータ10
7を回転駆動するための出力信号(スタート信号)をバ
ンク給紙モータ107に送信して、これを制御する。こ
れと同様に、バンク給紙制御装置148は、上記出力ポ
ートを介して、バンクレジストモータ101と電気的に
接続されていて、本体給紙制御装置88より転送されて
きたバンク給紙開始センサ66からのバンクレジストモ
ータ101を回転駆動するための出力信号(スタート信
号)をバンクレジストモータ101に送信して、これを
制御する。
【0122】バンク給紙制御装置148は、上記出力ポ
ートを介して、バンク上上下移動モータ141と電気的
に接続されていて、バンク上上限センサ137やバンク
上下限センサ138からの上限位置や下限位置に係るオ
ン/オフ信号に基づいて、トレイ上143を昇降すべく
バンク上上下移動モータ141を制御する機能を有す
る。これと同様に、バンク給紙制御装置148は、上記
出力ポートを介して、バンク下上下移動モータ142と
電気的に接続されていて、バンク下上限センサ139や
バンク下下限センサ140からの上限位置や下限位置に
係るオン/オフ信号に基づいて、トレイ下145を昇降
すべくバンク下上下移動モータ142を制御する機能を
有する。
【0123】バンク給紙制御装置148は、上記出力ポ
ートを介して、レジストクラッチ104と電気的に接続
されていて、バンクレジストモータ101の回転駆動力
を適宜断接すべくレジストクラッチ104をオン/オフ
制御する。これと同様に、バンク給紙制御装置148
は、上記出力ポートを介して、中間クラッチ117と電
気的に接続されていて、バンク給紙モータ107の回転
駆動力を適宜断接すべく中間クラッチ117をオン/オ
フ制御する。また、バンク給紙制御装置148は、上記
出力ポートを介して、給紙クラッチ123と電気的に接
続されていて、バンク給紙モータ107の回転駆動力を
適宜断接すべく給紙クラッチ123をオン/オフ制御す
る。
【0124】本体給紙制御装置88内の上記ROMに
は、前もって実験等により求められた図20および図2
1に示すタイミングチャートの制御動作内容および図2
2に示すレジストモータ58や給紙モータ74にそれぞ
れ出力する駆動パルスの可変制御内容、ならびに図28
ないし図33に示すフローチャートの動作プログラムが
予め記憶されている。上記ROMには、用紙先端センサ
51からレジストローラ対33a,33bのニップ部ま
での一定の距離を給紙モータ74のパルス数に換算した
値がデータとして予め記憶されている。また、レジスト
ローラ対33a,33bのニップ部から圧胴20と版胴
1とのニップ部までの一定の距離をレジストモータ58
のパルス数に換算した値がデータとして予め記憶されて
いる。
【0125】また、上記ROMには、上記したようにレ
ジストモータ58を制御するためのデータ(後述する図
34(a),(b)に示す速度線図に係る用紙搬送速度
制御パターン参照)等が予め記憶されている。なお、本
体給紙制御装置88内の上記ROMに記憶されるデータ
等は、適宜バンク給紙制御装置148内の上記ROMに
分担させても構わない。
【0126】本体給紙制御装置88内の上記RAMは、
上記CPUでの計算結果を一時記憶したり、各センサ5
1,52,65,66,53,54あるいはエンコーダ
センサ61、あるいはバンク給紙制御装置148側から
の各センサ群50−1,50−2や各センサ135,1
36等の出力データ信号を随時記憶したりしてこれら信
号の入出力を行う。バンク給紙制御装置148内の上記
RAMは、本体給紙制御装置88から転送された出力デ
ータ信号や上記CPUでの計算結果を一時記憶したりす
る。本体給紙制御装置88内の上記タイマは、図20お
よび図21に示す各遅れ時間Da,Db,Dc,Dd,
De,Dfを設定したり計時・可変する機能を有する。
なお、図19に示した制御ブロック図には、上記した各
駆動部の制御対象構成要素は省略しており、本実施形態
1の給紙制御に係る主要な制御構成要素および制御対象
構成要素を図示している。
【0127】説明の便宜上から、まず、補助給紙部28
を備えた孔版印刷装置100側の動作について説明す
る。原稿読み取り部3に原稿がセットされ、製版スター
トキー91が押されることにより、ホームポジションを
占めていた版胴1が回転し、使用済みのマスタが版胴1
の外周面から排版装置18により剥離され廃棄される。
その後、版胴1は、マスタクランパ12が図2において
略右横に位置する給版位置を占めた位置で停止し、マス
タクランパ軸12aが回動されて、マスタクランパ12
が開かれ、給版待機状態となる。
【0128】次いで、製版書込み部19のパルスモータ
6が駆動されることにより、プラテンローラ9が回転さ
れ始め、マスタ2が繰り出されつつ搬送される。一方、
原稿読み取り部3においてスキャナ(図示せず)が作動
することにより、原稿の画像が読み取られ、上記A/D
変換部および上記製版制御部で処理されて送出されるデ
ジタル画像信号によって、サーマルヘッド17の発熱素
子が選択的に発熱され、マスタ2が画像情報に応じて選
択的に加熱穿孔され始める。
【0129】マスタ2が、プラテンローラ9の回転によ
り搬送され、マスタ2の先端部が、給版待機状態で拡開
しているマスタクランパ12へ向けて送出される。パル
スモータ6のステップ数がある設定値に達すると、マス
タクランパ軸12aが回動されることでマスタクランパ
12が閉じられて、製版済みのマスタ2の先端部がマス
タクランパ12に挾持される。
【0130】このクランプ動作と同時に版胴1と圧胴2
0とが、マスタ2の搬送速度と略同じ周速度で回転さ
れ、版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が巻装されて
いく。版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が所定長さ
巻装されると、版胴1、圧胴20、プラテンローラ9の
回転が停止する。この停止動作と同時に、カッタ駆動モ
ータ7が回転されて偏心カム8が上方のカッタ部材4を
下降させ、マスタ2を切断する。そして版胴1が再び時
計回り方向に回転され、切断されたマスタ2の後端(図
示せず)が、製版書込み部19から引き出され、版胴1
の外周面に製版済みのマスタ2が完全に巻き取られる。
【0131】続いて、用紙Pの搬送手順について、図2
0、図21のタイミングチャート、図23ないし図2
7、図28ないし図33のフローチャートおよび図34
を併用しながら説明する。なお、図20のタイミングチ
ャートでは、孔版印刷装置100側の補助給紙部28と
バンク給紙部200側との両方の給紙動作タイミングが
表されており、これを見やすくするために、版胴1がホ
ームポジションを占めると共に、圧胴20がホームポジ
ションを占める回転位置θ’=0°を境界として、孔版
印刷装置100側の補助給紙部28による給紙動作タイ
ミングを左側に、バンク給紙部200側の給紙動作タイ
ミングを右側にそれぞれ記載している。図21のタイミ
ングチャートでは孔版印刷装置100側における補助給
紙部28の詳細な給紙動作タイミングと上記各給紙部2
8,200に略共通するレジストローラ対33a,33
b回転以降の給紙動作タイミングとをそれぞれ表してい
て、図20のタイミングチャートと一部重複する部分を
含んでいる。
【0132】まず、図28のステップS1で、給紙開始
可能状態であるか否かが判断される。すなわち、図2に
おいて、版胴1内のインキ供給装置22により印刷が可
能となる適度なインキ溜り16が形成され、製版スター
トキー91を押下することで、印刷可能状態にあるかど
うかが判断される。ここで、印刷可能状態となっていれ
ば、ステップS2に進んで、バンク給紙部200から給
紙がなされるか否かが判断される。これは、操作パネル
90の用紙サイズ入力キー98および設定キー95の押
下によりまたは自動的に、補助給紙部28の補助トレイ
31、バンク上給紙部201のトレイ上143またはバ
ンク下給紙部202のトレイ下145からの給紙および
その用紙サイズの選択・設定を行うことでなされる。こ
こで、バンク給紙部200からの給紙ではない補助給紙
部28から給紙がなされるときにはステップS3に進
み、補助トレイ31からの給紙ルーチンの実行がなされ
る。以下、説明の都合から、補助トレイ31からの給紙
ルーチンの実行に係る給紙動作を述べた後、ステップS
30以降のバンク給紙部200内給紙ルーチンの実行に
係る給紙動作を述べる。
【0133】図30のフローチャートにおいて、圧胴2
0が、図20および図21(a)および図23に示すよ
うに、反時計回り方向に回転し、その圧胴20の回転位
置でθ’=194°を占めたとき、本体給紙用遮光板6
8が給紙開始センサ65を通過することにより、そのオ
ン出力信号が本体給紙制御装置88に入力されると、こ
のオン出力信号入力時から一定の遅れ時間(以下、「デ
ィレイ」と言い替えるときがある)Daを経過した後、
給紙モータ74が正転駆動される。これにより、分離ロ
ーラ32は時計回り方向に回転されると同時に、呼出し
ローラ30の同方向の回転により用紙Pが給送され、分
離ローラ32と分離パッド34とで用紙Pの重送が防止
されて、最上位の1枚の用紙Pだけがレジストローラ対
33a,33bに向けて送られる(ステップS4〜ステ
ップS6参照)。
【0134】そして、図21(b)に示すように、分離
ローラ32から横給紙路RXの下流側にXamm下った
部位に位置する用紙先端センサ51によって、用紙Pの
先端が検知されると、用紙先端センサ51がオンし、そ
のオン出力信号が本体給紙制御装置88に入力される。
このときの用紙Pの送り量は、図5および図24に示す
ように、用紙Pの先端がレジストローラ対33a,33
bのニップ部直前の部位に衝突して所定量の湾曲したた
わみPAが形成されるように、本体給紙制御装置88か
らの指令により、所定の駆動パルスが上記モータ駆動回
路を介して給紙モータ74に出力されることによってX
cmmだけ用紙Pを送り出すようになっている(たわみ
量調整)。これにより、用紙Pの先端が図24に示すよ
うに上方に所定量のたわみPAが形成された時点で、給
紙モータ74の回転が停止されることにより、分離ロー
ラ32と呼出しローラ30とが停止する。この所定量の
たわみPAは、レジストローラ対33a,33bの回転
による用紙Pのスキュー、不送りを発生することなく、
かつ、たわみ量が適正で静音化を図れる一定の範囲内に
予め実験等で設定されている。この所定量のたわみPA
は、本体給紙制御装置88からの指令によって、補助給
紙部28の給紙手段29による用紙Pの送り量をバンク
給紙部200からのそれよりも大きくするように給紙モ
ータ74を正転駆動制御することでなされる。
【0135】補助給紙部28の給紙手段29による用紙
Pの送り量をバンク給紙部200からのそれよりも大き
くするのは、補助給紙部28の補助トレイ31上からの
給紙であると、たわみPAの形成部が図5に示したよう
にスペース上広く、また横給紙路RXにおけるガイド板
38の湾曲部上方が開放されているためたわみ形成に十
分な余裕をもつことができること、および使用する紙種
が上述したように多種に亘ることからである。これに対
し、バンク給紙部200からの給紙であると、その用紙
搬送経路の制約上から、すなわちたわみPAの形成部が
図6に示したようにスペース上非常に狭く、また縦給紙
路RZの上部におけるたわみPAの形成部が閉ざされて
いる状態であり、このような条件の下で用紙Pの先端を
レジストローラ対33a,33bのニップ部直前の部位
に突き当ててたわみを形成しなければならないからであ
る。
【0136】この用紙Pの送り量Xcは、実施例的にい
うと、レジストローラ対33a,33bのニップ部と用
紙先端センサ51との間の横給紙路RX上の距離19m
mに+6mmを加えた25mmの送り量(給紙モータ7
4のパルス数に換算すると、用紙先端センサ51がオン
後、80パルスに相当する。但し、1パルス当たりその
送り量が0.314mmに相当する。)となるように設
定されている。本体給紙制御装置88では、上記送り量
に対応して給紙モータ74を制御するように、上記送り
量に対応したステップ数に変換する計算を行い、給紙モ
ータ74に指令信号を送出することで、所定のたわみP
Aが形成されるだけ用紙Pが分離ローラ32の回転によ
り送られる(ステップS7〜ステップS9参照)。
【0137】このような本体給紙制御装置88による特
有のたわみ量調整によって、用紙Pの先端が一定の送り
速度でレジストローラ対33a,33bのニップ部直前
の部位に衝突し、かつ、所定量のたわみPAを形成する
一定の用紙Pの送り量となるように給紙モータ74が制
御されるので、印刷速度に関係なく安定したたわみ量調
整を行うことができる。
【0138】ここで、上記した一定のディレイDaとし
ては、最大用紙長さ447mmの後端が給紙前面板35
を抜け切るのが圧胴20の回転位置でθ’=約200°
であり、このときの余裕度を考慮して圧胴20の回転角
度で約10°以上に設定することが望ましい。このよう
に、本体給紙用遮光板68との係合による給紙開始セン
サ65のオン出力信号の出力開始時点と、給紙モータ7
4が駆動開始される駆動開始時点との間に所定のディレ
イDaを設けたことにより、マシン間のバラツキの補正
をしやすくしたり、ソフトウェア的に制御をしやすい利
点がある。また、ディレイDaは、圧胴20の回転位置
θ’=194°における給紙開始センサ65のオンをト
リガにして、給紙モータ74の動作タイミングを作る上
で有益である。
【0139】次いで、図20、図21(a)および図2
5に示すように、圧胴20がさらに反時計回り方向に回
転し、その回転位置θ’=307°を占めたとき、本体
レジスト用遮光板69が給紙開始センサ65を通過する
ことにより、そのオン出力信号が本体給紙制御装置88
に入力され、このオン出力信号入力時から一定のディレ
イDbを経過した後、レジストモータ58と同時に給紙
モータ74がそれぞれ回転駆動される。この時、本体給
紙制御装置88からの指令により、図34(a)に示す
ように、レジストローラ対33a,33bから送り出さ
れた用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接するまで
は、レジストローラ33bが圧胴20の周速度vaより
も大きい第1の用紙搬送速度vp1=1.4×va(m
m/s)、すなわち圧胴20の周速度va(もしくは線
速度va)の1.4倍の用紙搬送速度vpで用紙Pの先
端を送り出すようにレジストモータ58を制御する。こ
こで、説明が前後するが、後述する実施形態2の一実施
例を示す図35(a),(b)や実施形態3の一実施例
を示す図36(a),(b)を含め、図34(a),
(b)の速度線図に係るグラフの概要を説明しておく。
各図において左側に示す図34(a)、図35(a)、
図36(a)には本体側給紙時の用紙搬送速度vp(m
m/s)の速度線図が、各図において右側に示す図34
(b)、図35(b)、図36(b)にはバンク側給紙
時の用紙搬送速度vp(mm/s)の速度線図がそれぞ
れ表されている。図34(a),(b)、図35
(a),(b)、図36(a),(b)において、縦軸
にはレジストモータ58の回転速度f(pps)に対応
して換算されるレジストローラ33bの用紙搬送速度v
p(mm/s)が、横軸には圧胴20の回転位置
(θ’)がそれぞれ取られていて、縦軸のvaの値は圧
胴20の周速度(mm/s)を表している。なお、図3
4(a),(b)、図35(a)(b)および図36
(a),(b)は、あくまでも各実施形態の一実施例で
あって、各実施形態がその実施例に限定されるものでは
ないことを付記しておく。
【0140】レジストモータ58が上記したように回転
駆動されることにより、レジストローラ33bが反時計
回り方向に回転され、圧胴20の用紙クランパ21に向
けて用紙Pの先端の給送を開始すると共に、給紙モータ
74が上記したように回転駆動されることにより、分離
ローラ32を同時に低速で少しの間(給紙モータ74の
回転数で30パルスの駆動パルス分に相当する)回転さ
せることで用紙Pのたわみが急激に消滅するときに生じ
る騒音を低減している(図30のフローチャートでは
(たわみ消し)と記載している)。給紙モータ74は、
30パルス回転した後、停止する(ステップS10〜S
15参照)。
【0141】上記したディレイDbは、圧胴20の回転
位置θ’=307°における給紙開始センサ65のオン
をトリガにして、レジストモータ58の動作タイミング
を作る上で有益である。
【0142】レジストローラ対33a,33bの回転に
より、図21(c)に示すように、用紙Pの先端がレジ
ストローラ対33a,33bのニップ部直前の部位に突
き当たっている位置から、Xbmm(実施例的には19
mmに相当する)分だけ横給紙路RXの下流側に搬送さ
れると、レジストセンサ52がオンし、そのオン出力信
号が本体給紙制御装置88に入力される(ステップS1
6参照)。この時、レジストローラ対33a,33bの
ニップにおける用紙Pの突き当て位置からレジストセン
サ52取り付け位置までの距離は一定であるため、レジ
ストモータ58の駆動パルスカウントは一定のはずであ
るが、特にレジストローラ対33a,33bの回転初期
はスリップが発生しやすい。このため、レジストセンサ
52がオンするまでの駆動パルスカウントは、1枚ごと
に変わる可能性がある。そこで、本体給紙制御装置88
は、レジストセンサ52がオンするまでの駆動パルスカ
ウントから、用紙Pの遅れを判断し、その後のレジスト
モータ58の回転速度を速めると共にその回転量を増加
させてスリップ量補正をしている。
【0143】換言すれば、本体給紙制御装置88は、レ
ジストモータ58の回転駆動により用紙Pを搬送してレ
ジストセンサ52をオンさせるのに要した駆動パルス数
のカウントを行い、レジストモータ58に対して、用紙
Pの先端をXdmm相当搬送させるための駆動パルスを
上記モータ駆動回路を介して出力するように制御したも
のとして、レジストローラ対33a,33bにおける用
紙Pのスリップ量=(Xd−Xb)mmに応じて、レジ
ストモータ58の回転量を増加させるべく駆動パルス数
を増加させる共に、併せてレジストモータ58の回転速
度(pps)を速めるべく駆動パルス幅を狭くするよう
に調節するスリップ量補正を行う。
【0144】これをさらに例示的に説明すると以下のと
おりである。上記したように、レジストセンサ52とレ
ジストローラ対33a,33bのニップ部までの横給紙
路RX上の距離は、一定で予め決められている。よっ
て、この距離に対応した分用紙Pを搬送すべくレジスト
ローラ33bを回転させるためのレジストモータ58の
駆動パルス数も一定である。例えば、紙質を変えること
で、レジストローラ33bが回転してから所定の駆動パ
ルス数になっても、レジストセンサ52がオンせず、用
紙Pがスリップした場合には、本体給紙制御装置88で
は、レジストセンサ52が実際にオンした駆動パルス数
から所定の駆動パルス数のその差分だけ多く送るように
レジストモータ58に指令信号を送出するのである。こ
れと併せて、レジストモータ58の回転速度を速めるべ
く駆動パルス幅を狭くするのである。
【0145】このスリップ量補正の制御は、図22に示
すように、本体給紙制御装置88は、レジストモータ5
8へ出力される駆動パルス数(p1〜p4)およびそのパ
ルス幅(t1〜t4)を共に変えることにより、レジスト
モータ58を制御することで行われる。
【0146】上記したスリップ量補正終了後、本体給紙
制御装置88は、エンコーダセンサ61からの出力パル
ス信号を取り込みつつこれに応じながら、用紙クランパ
21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙Pの
先端を給送すべくレジストモータ58を制御する、いわ
ゆるフィードバック制御(図21(a)では符号FBC
で表されている)を行う。
【0147】上述したように、レジストモータ58が1
パルスで用紙Pを送る用紙送り量と、エンコーダ60の
1パルス幅に対応する圧胴20の外周移動量とは、同じ
に設定されている。これにより、例えば、本体給紙制御
装置88は、圧胴20に固定されたエンコーダ60の1
パルス幅に要する時間を本体給紙制御装置88内の上記
タイマで検出し、圧胴20側の負荷変動等によりエンコ
ーダ60の1パルスに要する時間が長くなった場合、レ
ジストモータ58を減速する。これと反対に、本体給紙
制御装置88は、エンコーダ60の1パルスに要する時
間が短くなった場合、レジストモータ58を増速してや
るというフィードバック制御FBCを行っている。
【0148】換言すれば、本体給紙制御装置88は、圧
胴20の負荷変動等に伴う回転ムラとして圧胴20の周
速度vaをエンコーダセンサ61で検知されるパルス変
動で常に追跡し、このパルス変動に追従して、レジスト
モータ58の回転速度を可変制御するという上記パルス
エンコーダを用いたフィードバック制御FBCを行って
いる。この時、圧胴20の回転位置の検出は、エンコー
ダセンサ61で検知されるパルス数で検出し、圧胴20
の周速度vaの検出は、エンコーダセンサ61で検知さ
れる周期時間tで検出する。本体給紙制御装置88は、
図22に示すように、レジストモータ58へ出力される
駆動パルス幅(t1〜t4)をさらに変えることにより、
レジストモータ58をフィードバック制御FBCし、レ
ジストずれを少なくして印刷レジスト精度の向上を図っ
ている(ステップS17参照)。
【0149】圧胴20は、メインモータ150の駆動に
よって、操作パネル90に設けられている印刷速度設定
キー96によりまたは自動的に設定された設定印刷速度
値に応じた回転速度(周速度va)で回転している。用
紙Pは、上記したように圧胴20の周速度vaの1.4
倍の送り速度(第1の用紙搬送速度vp1でもある)で
搬送され、圧胴20の用紙クランパ21が閉じようとし
たとき、用紙クランパ21に追いつき(ステップS18
参照)、後述するように圧胴20の周速度vaと略同じ
第2の用紙搬送速度vp2になる。なお、図28ないし
図32の各フローチャートでは、説明の簡明化を図るた
め、用紙搬送速度vpを単に搬送速度と記載している。
【0150】圧胴20の用紙クランパ21は、図20お
よび図21(a)に示す所定のタイミング(実施例的に
は圧胴20が回転位置θ’=350.5°を占めたと
き)で開く。上記したような本体給紙制御装置88によ
るエンコーダ・フィードバック制御FBC下において、
レジストローラ33bが反時計回り方向に回転されるこ
とにより、上のレジストローラ33aが用紙Pを介して
時計回り方向に従動回転されることによって、図26に
示すように、用紙PのたわみPA(破線で示す)が消滅
していく。このとき、各ワンウェイクラッチ67の作用
により、分離ローラ32と呼出しローラ30とが用紙P
の搬送によって従動回転しながら、用紙Pの先端が圧胴
20の用紙クランパ21に向けて搬送され、用紙クラン
パ21のストッパ爪163に突き当たり衝突する。
【0151】このタイミングに合わせ、圧胴20の用紙
クランパ21は、図21(a)および図26ないし図2
7に示すように、用紙Pの先端部をくわえ・挾持した
後、用紙クランパ21は閉じられ(実施例的にいうと、
圧胴20が回転位置θ’=10°(370°)を占めた
とき)、こうして圧胴20は、用紙Pを圧胴20の外周
面に保持したまま回転し、用紙Pの先端部が版胴1の外
周面と圧胴20の外周面との間の印刷部に搬送される。
【0152】次いでステップS19に進み、本体給紙制
御装置88からの指令により、図34(a)に示すよう
に、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保持され
てから版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧され
始める印圧開始の前までは、用紙クランパ21とレジス
トローラ対33a,33bとの間に形成される用紙Pの
先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触しない
程度となるように圧胴20の周速度vaよりもやや大き
く、かつ、第1の用紙搬送速度vp1=1.4×va
(mm/s)よりも小さい第2の用紙搬送速度vp2=
1.03×va(mm/s)で用紙Pを送り出すよう
に、すなわち圧胴20の周速度vaの1.03倍の用紙
搬送速度vpで用紙Pの先端を送り出すようにレジスト
モータ58が制御される。
【0153】次いで、ステップS20において、圧胴2
0が、回転して印圧オンする圧胴20の回転位置(θ’
=42°)に至る手前の印圧開始の直前の回転位置
(θ’=30°)を占めたとき、図31に示すフローチ
ャートのステップS21に進む。ステップS21におい
て、本体給紙制御装置88は、レジストセンサ52によ
り用紙Pの先端が検知された後においては、本体レジス
ト用遮光板69と給紙開始センサ65との係合によるレ
ジストモータ58を起動させるための給紙開始センサ6
5のオン時点に対応したエンコーダセンサ61からの出
力パルス数と、レジストセンサ52により用紙Pの先端
が検知された時点からレジストモータ58に供給された
駆動パルス数とを逐次比較することによって、用紙クラ
ンパ21とレジストローラ対33a,33bとの間に形
成された用紙Pの先端部のたわみPBの量を計算し認識
している。そして、本体給紙制御装置88は、上記した
ようにして認識したたわみPBの量に応じて、レジスト
モータ58の回転速度を減速することにより、用紙Pの
先端部のたわみPBを消す制御を行う。これを具体的に
実施例的に述べると、本体給紙制御装置88からの指令
により、図34(a)に示すように、レジストローラ3
3bが圧胴20の周速度vaよりもやや小さい第3の用
紙搬送速度vp3=0.95×va(mm/s)で用紙
Pを送り出すようにレジストモータ58が制御されるこ
ととなる。なお、第3の用紙搬送速度vp3=0.95
×va(mm/s)は、あくまでも一例であって、上述
した本体給紙制御装置88によるたわみPB量の認識に
よって、例えばそのたわみPB量の大きさに応じて、
0.93〜0.95×va(mm/s)の範囲に可変制
御してもよい。
【0154】版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間
に搬送された用紙Pに対して、図27に示すように、上
記接離手段の印圧スプリング26a,26bにより圧胴
20が版胴1の外周面に押圧する上向きに揺動変位され
ることでニップ部が形成されると共に、圧胴20の外周
面が用紙Pを版胴1の外周面に対して押圧、すなわち印
圧オンする(ステップS22参照)。印圧オンした印圧
開始の後では、本体給紙制御装置88からの指令によ
り、図34(a)に示すように、レジストローラ33b
が再び略第2の用紙搬送速度vp2≒1.03×va
(mm/s)で用紙Pを送り出すようにレジストモータ
58が制御される(ステップS22、S23参照)。
【0155】こうして、圧胴20の外周面の押圧によっ
て、回転する版胴1の外周面に巻装された製版済みのマ
スタ2に用紙Pが連続的に押圧されることにより、製版
済みのマスタ2が版胴1の外周面に密着すると共に、版
胴1の開孔部分から製版済みのマスタ2の穿孔部分へと
インキが滲み出てきて用紙Pの表面に転移され、孔版印
刷が行われる。
【0156】このとき、インキローラ13も版胴1の回
転方向と同一方向に回転する。インキ溜り16のインキ
は、インキローラ13の回転によりインキローラ13の
表面に付着され、インキローラ13とドクターローラ1
5との間隙を通過する際にその量を規制され、版胴1の
内周面に供給される。
【0157】この間も、本体給紙制御装置88により、
上記したパルスエンコーダ・フィードバック制御FBC
が行われている。そして、本体給紙制御装置88によ
り、上記ROMに記憶された分だけレジストモータ58
が回転駆動された(実施例的には圧胴20が回転位置
θ’=75°(435°)を占めるまで)と判断される
と、レジストモータ58の回転が停止し、本体給紙制御
装置88によるフィードバック制御FBCが終了し、給
紙状態管理ルーチンへと移行する(ステップS24〜S
26参照)。圧胴20がさらに回転し、排紙爪81の手
前の用紙排出位置(実施例的には圧胴20が回転位置
θ’=81.2°(441.2°)を占める位置)で、
用紙クランパ21が開放されると、印刷された用紙Pが
排紙爪81により剥離され、搬送ベルト85で搬送され
て排紙台82上に排出積載される。こうして、製版済み
のマスタ2にインキを充填する所謂版付けが行われると
共に、版胴1が圧胴20から離間して初期状態に復帰
し、印刷待機状態となる。
【0158】印刷終了後、オペレータは排出された印刷
物を目視して、印刷画像品質の確認や印刷画像位置の確
認等を行い、これらがオーケーであれば、テンキー93
で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー92を押下する
ことにより、給紙、印刷および排紙の各工程が設定した
印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終
了する。この時の印刷速度は、印刷速度設定キー96を
押下しなかったので、通常使用される印刷速度に対応し
た標準印刷速度「設定印刷速度:3速」に自動的に設定
される。これにより、版胴1および圧胴20は、設定印
刷速度:3速に対応した印刷速度となるようにメインモ
ータ150により回転される。用紙Pの先端がレジスト
ローラ対33a,33bのニップ部より給送された後の
給紙および印刷の各工程は、「設定印刷速度:3速」に
対応した用紙搬送速度および印刷速度で、上述した用紙
Pの特有の搬送動作および印刷動作が行われる。
【0159】ここで、上記したように本体レジスト用遮
光板69と給紙開始センサ65とが係合することにより
生じるオン出力信号の出力開始時点と、レジストモータ
58が駆動開始される駆動開始時点との間に設けた一定
のディレイDbは、マシン間のバラツキの補正をしやす
くしたり、ソフトウェア的に制御をしやすくしたりする
のに利用することができる。
【0160】このように、本実施形態1およびその実施
例では、本体側給紙時において、上述したような特有の
用紙搬送速度制御方式を採用しているものである。そし
て、説明が前後するが、後述する実施形態3の実施例で
は、印圧開始の直前から印圧開始以降においてクランプ
抜けを防止するために若干のたわみPBを形成している
ため、機械間のバラツキにより、たわみPBを最小にす
るために第2の用紙搬送速度vp2を最適な特定値に設
定するのが難しいことや、用紙Pの先端部に画像ダブリ
を生じるおそれがあるが、本実施形態1の実施例では、
本体給紙制御装置88が、印圧開始の直前に、第3の用
紙搬送速度vp3=0.95×va(mm/s)で用紙
Pを送り出すようにレジストモータ58を制御するとい
うように、機械間のバラツキに対して余裕ある第2の用
紙搬送速度を設定することができると共に、用紙搬送速
度vpが圧胴20の周速度vaよりも減速されるので、
クランプ抜けを起こすことなく、上記若干のたわみPB
を消すことができる。また、後述する実施形態2では、
印圧開始の後において圧胴20の周速度vaよりも遅い
第3の用紙搬送速度vp3=0.95×va(mm/
s)のままで用紙Pを送り出しているので、用紙クラン
パ21のクランプ力が小さいと印圧が入っているときに
クランプ抜けを生じてしまうおそれがあるが、本実施形
態1では、そのようなことがないように、本体給紙制御
装置88が、印圧開始の後、レジストローラ33bが再
び略第2の用紙搬送速度vp2≒1.03×va(mm
/s)で用紙Pを送り出すようにレジストモータ58を
制御することにより、印圧が入った後用紙クランパ21
に対する負荷(ブレーキ)とならない。
【0161】したがって、本実施形態1によれば、本体
側給紙時において、用紙Pの先端部を用紙クランパ21
によりクランプしながら搬送印刷する時に、適正かつ最
小のたわみPBを形成できるので、クランプ抜けを生じ
たり、レジスト精度が悪くなったりすることを防止でき
ると共に、たわみPBが過大となって生じる画像ダブリ
等の不具合発生を防止できる利点があり、本実施形態1
の実施例は、後述する実施形態2や3等の実施例を含め
て、それらの中で最も好ましいと言える。
【0162】次に、図28のステップS30以降のバン
ク内給紙ルーチンの実行に係る給紙動作を述べる。バン
ク内給紙ルーチンの実行では、バンク給紙部200の内
部において用紙Pの搬送速度が一定の状態で給紙動作が
行われる。以下、図32および図33を参照して、バン
ク給紙部200内の給紙動作を述べる。バンク給紙部2
00内の給紙動作は、図32のステップS60以降に示
されている。まず、操作パネル90の用紙サイズ入力キ
ー98および設定キー95の押下によりまたは自動的
に、バンク上給紙部201のトレイ上143またはバン
ク下給紙部202のトレイ下145からの給紙およびそ
の用紙サイズの選択・設定が行われる。ここで、バンク
上給紙部201からの給紙であるか否かが判断され、用
紙サイズ入力キー98および設定キー95の押下により
または自動的に、バンク下給紙部202のトレイ下14
5およびこのトレイ下145に積載されている用紙Pの
用紙サイズが選択・設定されると、バンク下上下移動モ
ータ142の作動によってトレイ下145が上昇して、
バンク下上限センサ139によりトレイ下145の最上
位の用紙Pが給紙位置に臨んだことが検知され、これに
より給紙可能状態となる(ステップS61参照)。な
お、上述したように、用紙サイズ入力キー98および設
定キー95の押下によりまたは自動的に、バンク下給紙
部202のトレイ下145およびこのトレイ下145に
積載されている用紙Pの用紙サイズが選択・設定される
時には、前もって、トレイ下145に積載されている用
紙Pの用紙サイズが用紙サイズ検知センサ群50−2に
より検出されており、以下これと同様の動作段階でのそ
の説明を省略する。
【0163】そして、ステップS62において、圧胴2
0が回転始動時にあってそのホームポジションを占めて
いるか否かが判断され、圧胴20が図2および図13
(a)に示すようにその回転位置でθ’=0°を占めた
とき、バンク給紙用遮光板70がバンク給紙開始センサ
66を通過することにより、そのオン出力信号が本体給
紙制御装置88に入力され、本体給紙制御装置88から
バンク給紙制御装置148にシリアル送信でバンク給紙
開始センサ66(圧胴20の回転位置θ’=0°)がオ
ンしたことが通知される(ステップS63参照)。次い
で、ステップS64において、バンクフィードセンサ1
36がオンしているか否かが判断される。ここでは、給
紙開始2枚目以降の前に給送された用紙Pの後端がバン
クフィードセンサ136を抜けているか否かを判断する
ことによって、今、搬送している用紙Pの先端が前に給
送された用紙Pの後端に追いつき衝突してジャムするの
を防止する。バンクフィードセンサ136がオンしてい
れば、前に給送された用紙Pの後端がバンクフィードセ
ンサ136を抜けていないと判断されるので、前に給送
された用紙Pの後端がバンクフィードセンサ136を抜
けてバンクフィードセンサ136がオフするまで前に給
送された用紙Pの搬送が行われる。そして、バンクフィ
ードセンサ136がオンしていないオフのときには、前
に給送された用紙Pの後端がバンクフィードセンサ13
6を通過していると判断されるので、給紙クラッチ12
3をオンすることによりバンク給紙モータ107の回転
駆動力を給紙手段29−2に伝達可能状態にし、中間ク
ラッチ117をオンすることで、バンク給紙モータ10
7の回転駆動力を中間ローラ対118a,118bに伝
達可能状態にする(ステップS65,S66参照)。次
いで、バンク給紙モータ107を逆転駆動することによ
り、図15において、中間ローラ対118a,118b
が回転し、前に給送された用紙Pの後端が縦給紙路RZ
の下流側であるバンクレジストローラ対106a,10
6bへと搬送されていく。これと同時に、給紙手段29
−2によるピックアップが開始される。すなわち、図1
6におけるバンク上下給紙部切換駆動機構125Bの動
作を介して、給紙手段29−2の分離ローラ32および
呼出しローラ30を図16において時計回り方向(図1
5では反時計回り方向)に回転駆動することで、トレイ
下145に積載されている最上位の用紙Pの1枚だけが
横給紙方向X1に送り出される(ステップS67参
照)。なお、ステップS62においては、図20に示す
ように、バンク給紙開始センサ66(圧胴20の回転位
置θ’=0°)のオン出力信号入力時から一定のディレ
イDcを経過した後、バンク給紙モータ107が逆転駆
動される。
【0164】次いで、図33に示すフローチャートのス
テップS68に進み、バンクフィードセンサ136がオ
ンしているか否かが判断される。ここでは、今、搬送し
ている用紙Pの先端がバンクフィードセンサ136に到
達したか否かを判断している。バンクフィードセンサ1
36がオンしているときには、今、給送している用紙P
の先端がバンクフィードセンサ136を通過したと判断
されるので、バンク給紙モータ107を指定ステップ数
逆転駆動することにより、給紙手段29−2の分離ロー
ラ32および呼出しローラ30と中間ローラ対118
a,118bとがバンク給紙モータ107の指定ステッ
プ数の逆回転に対応した用紙搬送距離となる分だけ回転
した後、バンク給紙モータ107の駆動を停止し、次い
で給紙クラッチ117をオフする。この給紙クラッチ1
17のオフにより、これより以降の給紙動作ではバンク
給紙モータ107から分離ローラ32および呼出しロー
ラ30へはその回転駆動力は伝達されず、今、搬送され
ている用紙Pの後端部が分離ローラ32および呼出しロ
ーラ30の圧接下にあるときには、用紙Pの搬送によっ
て分離ローラ32および呼出しローラ30が連れ回りす
ることとなる。(ステップS68〜S70参照)。
【0165】次いで、ステップS71において、前に給
送された用紙Pの後端がバンクレジストセンサ135を
抜けたか否かが判断される。ステップS64で述べたと
同様の理由、すなわち、今、搬送している用紙Pの先端
が前に給送した用紙Pの後端に追いつき衝突してジャム
することがあるので、これを防止するための確認動作が
行われる。バンクレジストセンサ135がオンしていな
いオフのときには、前に給送された用紙Pの後端がバン
クレジストセンサ135を抜けていると判断されるの
で、レジストクラッチ104をオンし、一方、バンク給
紙モータ107を逆転駆動する(ステップS72,S7
3参照)。次いで、ステップS74に進み、バンクレジ
ストセンサ135がオンしているか否かが判断される。
ここでは、今、搬送している用紙Pの先端がバンクレジ
ストセンサ135に到達したか否かを判断している。バ
ンクレジストセンサ135がオンしているときには、
今、給送している用紙Pの先端がバンクレジストセンサ
135を通過したと判断されるので、バンク給紙モータ
107を指定ステップ数逆転駆動することにより、中間
ローラ対118a,118bを所定量回転させ、これに
より用紙Pの先端をバンクレジストローラ対106a,
106bのニップ部直前の部位に突き当て、バンクレジ
ストローラ対106a,106bにおける用紙Pの先端
部に適度なたわみを形成した後、バンク給紙モータ10
7の逆転駆動を停止する(ステップS74〜S76参
照)。次いで、バンクレジストモータ101を数ステッ
プ正転駆動することにより、用紙Pの先端部をバンクレ
ジストローラ対106a,106bのニップ部でくわえ
させ、用紙Pの先端部をその状態で保持・待機させ、中
間クラッチ117をオフする(ステップS77,S78
参照)。
【0166】次いで、圧胴20が反時計回り方向に回転
し、その圧胴20の回転位置でθ’=104°を占めた
とき、バンクレジスト用遮光板71がバンク給紙開始セ
ンサ66を通過することにより、そのオン出力信号が本
体給紙制御装置88に入力され、本体給紙制御装置88
からバンク給紙制御装置148にシリアル送信でバンク
給紙開始センサ66がオン(圧胴20の回転位置でθ’
=104°)したことが通知される(ステップS79,
S80参照)。この後、前に給送された用紙Pの後端に
追いつかないようにするために、ディレイDdが設定さ
れている(ステップS81参照)。次いで、バンクレジ
ストモータ101を指定ステップ数回転駆動させること
により、用紙Pの先端を中間搬送ローラ対55a,55
bおよびレジストローラ対33a,33bに向けて給送
する。そして、バンクレジストモータ101の回転駆動
を停止した後、レジストクラッチ104をオフして、バ
ンク給紙状態管理ルーチンへ移行する(ステップS82
〜S85参照)。ディレイDdは、バンク給紙開始セン
サ66のオン出力時点とバンクレジストモータ101の
回転駆動時点との間に設けられ、圧胴20の回転位置で
θ’=104°でのバンク給紙開始センサ66オンをト
リガにして、バンクレジストモータ101の動作タイミ
ングを作っているものである。
【0167】一方、ステップS60において、バンク上
給紙部201のトレイ上143およびこのトレイ143
に積載されている用紙Pの用紙サイズが上記したと同様
にして選択・設定されると、バンク上上下移動モータ1
41の作動によってトレイ上143が上昇して、バンク
上上限センサ137によりトレイ上143上の最上位の
用紙Pが給紙位置に臨んだことが検知され、これにより
給紙可能状態となる(ステップS86参照)。
【0168】そして、圧胴20がその回転位置でθ’=
0°を占めたとき、上記したステップS63の動作と同
様に、バンク給紙用遮光板70がバンク給紙開始センサ
66を通過することにより、そのオン出力信号が本体給
紙制御装置88に入力され、本体給紙制御装置88から
バンク給紙制御装置148にシリアル送信でバンク給紙
開始センサ66(圧胴20の回転位置θ’=0°)がオ
ンしたことが通知される(ステップS87,S88参
照)。次いで、ステップS89において、前に給送され
た用紙Pの後端がバンクレジストセンサ135を抜けた
か否かが判断される。ここでは、ステップS71で述べ
たと同様の理由により、前に給送された用紙Pの後端が
バンクレジストセンサ135を抜けたか否かをみている
ものである。バンクレジストセンサ135がオンしてい
ないオフのときには、前に給送された用紙Pの後端がバ
ンクレジストセンサ135を抜けていると判断されるの
で、用紙Pを給送しても問題がないので、バンク給紙モ
ータ107を正転駆動することにより、図15において
給紙手段29−1によるピックアップが開始される。す
なわち、図16におけるバンク上下給紙部切換駆動機構
125Bの動作を介して、給紙手段29−1の分離ロー
ラ32および呼出しローラ30を図16において時計回
り方向に回転駆動することで、トレイ143に積載され
ている最上位の用紙Pの1枚だけが横給紙方向X1に送
り出される(ステップS90参照)。
【0169】次いで、ステップS91に進み、バンクレ
ジストセンサ135がオンしているか否かが判断され
る。ここでは、今、搬送している用紙Pの先端がバンク
レジストセンサ135に到達したか否かを判断してい
る。バンクレジストセンサ135がオンしているときに
は、今、給送している用紙Pの先端がバンクレジストセ
ンサ135に到達していると判断されるので、バンク給
紙モータ107を指定ステップ数正転駆動することによ
り、分離ローラ32および呼出しローラ30を所定量回
転させ、これにより用紙Pの先端をバンクレジストロー
ラ対106a,106bのニップ部直前の部位に突き当
て、バンクレジストローラ対106a,106bにおけ
る用紙Pの先端部に適度なたわみを形成した後、バンク
給紙モータ107の正転駆動を停止する(ステップS9
2,S93参照)。次いで、バンクレジストモータ10
1を数ステップ正転駆動することにより、用紙Pの先端
部をバンクレジストローラ対106a,106bのニッ
プ部でくわえさせ、用紙Pの先端部をその状態で保持・
待機させる(ステップS94参照)。次いで、ステップ
S79に進み、以下上述したと同様の動作が行われる。
【0170】次に、図28のフローチャートのステップ
S31以降の給紙動作を図23ないし図27および図3
4(b)を併用しながら説明する。なお、図23ないし
図27において、バンク給紙部200からの用紙Pの搬
送状態を仮想線で表す。ステップS31ないしステップ
S33までの動作は、図33におけるステップS79な
いしステップS81までの動作と同様であるため、その
説明を省略する。ステップS34において、バンクレジ
ストモータ101を回転駆動させることにより、バンク
レジストローラ対106a,106bが回転され、用紙
Pの先端が図1における中間センサ下54近傍まで搬送
され、中間センサ下54がオンして用紙Pの先端が検知
されると、給紙モータ74が逆転駆動されることによ
り、図23および図24に示すように、中間搬送ローラ
対55a,55bが回転する(ステップS35,S36
参照)。
【0171】ここで、図20に示すように、バンクレジ
ストモータ101の回転駆動時点と給紙モータ74の逆
転駆動時点との間には、所定のディレイDfが設けられ
ている。このディレイDfは、給紙モータ74の回転駆
動時間をできるだけ短縮化して抑えるべく設けられてい
るものである。すなわち、本実施形態1では図20のタ
イミングチャートからも明らかなように、給紙モータ7
4が回転駆動する時間が比較的長くなることが容易に推
測され、これから生じるそのモータ駆動回路の過熱等に
よって給紙モータ74の脱調等が発生するのを防止する
ために、ディレイDfを設けている。給紙モータ74が
回転駆動する時間が短ければ、ディレイDfを設けなく
ても構わない。
【0172】次いで、中間搬送ローラ対55a,55b
の回転により、用紙Pの先端が縦給紙路RZの下流側へ
と搬送されて、中間センサ上53により用紙Pの先端が
検知され、さらに用紙Pの先端が縦給紙路RZの下流側
へと搬送される。そして、ステップS37において、用
紙先端センサ51により搬送されてきた用紙Pの先端が
検知される。用紙Pの先端が用紙先端センサ51に至る
と、用紙先端センサ51がオンし、そのオン出力信号が
本体給紙制御装置88に入力される。
【0173】このときの中間搬送ローラ対55a,55
bによる用紙Pの送り量は、図6に示すように、用紙P
の先端がレジストローラ対33a,33bのニップ部直
前の部位に衝突して所定量の湾曲したたわみPAが形成
されるように、本体給紙制御装置88からの指令によ
り、補助給紙部28、バンク上給紙部201およびバン
ク下202の何れの給紙部からの給紙であるか、また用
紙サイズに応じて、適度なたわみを作るような所定の駆
動パルスが上記モータ駆動回路を介して給紙モータ74
に出力されることによって、所定の送り量だけ用紙Pを
送り出すようになっている(ステップS38参照)。
【0174】この所定量のたわみPAは、レジストロー
ラ対33a,33bの回転による用紙Pのスキュー、不
送りを発生することなく、かつ、たわみ量が適正で静音
化を図れる一定の範囲内に予め実験等で設定されてい
る。この所定量のたわみPAは、本体給紙制御装置88
からの指令によって、バンク上給紙部201からの給紙
にける用紙Pの送り量をバンク下給紙部202からのそ
れよりも大きくするように給紙モータ74を逆転駆動制
御することでなされる。このような本体給紙制御装置8
8による特有のたわみ量調整によって、用紙Pの先端が
一定の送り速度でレジストローラ対33a,33bのニ
ップ部直前の部位に衝突し、かつ、所定量のたわみPA
を形成する一定の用紙Pの送り量となるように給紙モー
タ74が制御されるので、印刷速度に関係なく安定した
たわみ量調整を行うことができる。
【0175】次いで、図20および図21(a)に示す
ように、圧胴20がさらに反時計回り方向に回転し、そ
の回転位置θ’=307°を占めたとき、本体レジスト
用遮光板69が給紙開始センサ65を通過することによ
り、そのオン出力信号が本体給紙制御装置88に入力さ
れ、このオン出力信号入力時から一定のディレイDbを
経過した後、レジストモータ58が回転駆動される。こ
れにより、図25に示すように、レジストローラ33b
が反時計回り方向に回転され、圧胴20の用紙クランパ
21に向けて用紙Pの先端の給送を開始する(ステップ
S39参照)。
【0176】この時、本体給紙制御装置88からの指令
により、図34(b)に示すように、レジストローラ対
33a,33bから送り出された用紙Pの先端が用紙ク
ランパ21に当接するまでは、レジストローラ33bが
圧胴20の周速度vaよりも大きい第1の用紙搬送速度
vp1=1.36×va(mm/s)、すなわち圧胴2
0の周速度va(もしくは線速度va)の1.36倍の
用紙搬送速度vpで用紙Pの先端を送り出すようにレジ
ストモータ58を制御する。
【0177】上記したように、レジストローラ対33
a,33bから送り出された用紙Pの先端が用紙クラン
パ21に当接するまでにおいては、本体側給紙時では第
1の用紙搬送速度vp1=1.4×va(mm/s)で
用紙Pを搬送し、バンク側給紙時では第1の用紙搬送速
度vp1=1.36×va(mm/s)で用紙Pを搬送
するというように、レジストモータ58の回転速度に差
を設けている。これは、本体側給紙時の方がバンク給紙
時よりも用紙Pの搬送負荷が大きいことに基づくもので
あり、その理由は以下のようである。すなわち、特に孔
版印刷機等の印刷装置にあっては、補助給紙部28では
使用する紙種が多種に及んでおり、例えば更紙から上
質紙まで、のし紙や封筒、さらには薄紙から画用紙
やはがき等の厚紙に至るまで印刷に供される現状にあ
り、用紙Pの先端がレジストローラ対33a,33bに
より給送されている際、バンク給紙部200からの給紙
のときのように、用紙Pの後端部の曲がり角度に伴う搬
送負荷の増大は少ないものの、例えば用紙サイズがB5
やA4の用紙Pを使用する場合にあっても、これらの用
紙Pの後端部が分離ローラ32および呼出しローラ30
からなる給紙手段29の圧接下にあるため、レジストロ
ーラ対33a,33bに掛かる用紙Pの搬送負荷は、バ
ンク給紙部200からの給紙のときより相対的に大きく
なるからである。
【0178】次いで、ステップS42に進み、用紙サイ
ズA4以上の大きさの場合では、レジストローラ対33
a,33bにかかる搬送負荷を低減すると共に、用紙P
がレジストローラ対33a,33bのニップ部でスリッ
プするのを防止する目的で、給紙モータ74を少しの間
逆転駆動することにより中間搬送ローラ対55a,55
bを補助的に回転(アシスト回転)させる特有の動作が
行われる。なお、用紙サイズの大きさがB5以下の場合
では、中間搬送ローラ対55a,55bをアシスト回転
させなくても問題とならないことが実験等により分かっ
ている。
【0179】ここでは、レジストローラ対33a,33
bが用紙Pを送り出している最中に、バンク上給紙部2
01およびバンク下給紙部202のうちの何れかからの
給紙に応じて、また用紙サイズや印刷速度に応じて、レ
ジストローラ対33a,33bのニップ部直前の部位に
形成されたたわみPAを適度に維持すべく、中間搬送ロ
ーラ対55a,55bの用紙搬送速度を変えるように給
紙モータ74を制御する本体給紙制御装置88を有する
ので、従来のように、レジストローラ対33a,33b
だけの搬送力で用紙Pの先端を印刷部に搬送していたこ
とによる用紙搬送量のバラツキによって、画像位置がず
れたり、搬送可能な紙種が限定されたり、あるいは用紙
搬送の高速化に追従しきれず結果的にレジストローラ対
33a,33bによる用紙搬送速度を下げたりすること
がなくなった。また、給紙モータ74がステッピングモ
ータからなるので、その回転駆動時の応答性も良好とな
った。また、上記制御動作により、後述する動作時の用
紙PのたわみPAが急激に消滅するときに生じる騒音
や、用紙PのたわみPAが急激に消滅することによるレ
ジストローラ対33a,33bにかかる搬送負荷を低減
している。
【0180】この状態は、図20では破線で示されてい
て、レジストモータ58が回転駆動し始めるレジストロ
ーラ対33a,33bの起動時から一定のディレイDe
を経過した後、給紙モータ74がアシスト回転駆動する
ことにより中間搬送ローラ対55a,55bが起動され
る。つまり、ディレイDeは、レジストモータ58が回
転駆動するオン時点から給紙モータ74の逆転駆動によ
り中間搬送ローラ対55a,55bをアシスト回転開始
するまでの間に設定されていて、これにより給紙モータ
74の動作タイミング、換言すれば中間搬送ローラ対5
5a,55bの動作タイミングを作るために用紙搬送速
度(もしくは周速度あるいは線速)毎に設定される(ス
テップS43参照)。このディレイDeの設定理由は、
見方を変えて言うならば以下のようなことになる。すな
わち、中間搬送ローラ対55a,55bのニップ部では
用紙Pを確実に挾持している状態で用紙Pを搬送するの
に対し、レジストローラ対33a,33bのニップ部で
は用紙Pの先端部を挾持している状態ではなく、レジス
トローラ対33a,33bのニップ部直前の部位に用紙
Pの先端を突き当ててたわみを形成している状態で用紙
Pの先端部をそのニップ部でくわえながら送り出すため
に、このような状態で2つの上記ローラ対を回転させる
とたわみPAが過大となってしまうからである。
【0181】ディレイDeの値は、バンク上給紙部20
1およびバンク下給紙部202のうちの何れかからの給
紙に応じて、また用紙サイズや印刷速度に応じての、レ
ジストローラ対33a,33bと中間搬送ローラ対55
a,55bとの回転駆動開始時の用紙Pの送り量の違い
を補償して、レジストローラ対33a,33bのニップ
部直前の部位に形成されたたわみPAを適度に維持すべ
く設けられている。すなわち、従来の技術で述べたよう
に、バンク上給紙部201およびバンク下給紙部202
のうちの何れからの給紙か、また用紙サイズの大きさや
印刷速度の設定値によって用紙搬送負荷が上述したよう
にそれぞれ異なるため、これらのパラメータに対応して
ディレイDeの値を可変するものである。
【0182】このように、ステップS44では、中間搬
送ローラ対55a,55bによるアシスト回転動作が開
始され、このアシスト回転動作は、本体給紙制御装置8
8が、給紙部のうちの何れかからの給紙に応じて、また
用紙サイズや印刷速度に応じて、中間搬送ローラ対55
a,55bの用紙搬送速度を変えるように給紙モータ7
4を制御することでなされる。
【0183】レジストローラ対33a,33bの回転に
より、図21(c)に示すように、用紙Pの先端がレジ
ストローラ対33a,33bのニップ部直前の部位に突
き当たっている位置から、Xbmm(実施例的には19
mmに相当する)分だけ横給紙路RXの下流側に搬送さ
れると、レジストセンサ52がオンし、補助給紙部28
からの給紙動作と類似のスリップ量補正が行われる(ス
テップS45参照)。
【0184】上記したスリップ量補正を含め図29に示
すステップS45〜ステップS52に至るまでは、本体
給紙制御装置88は、エンコーダセンサ61からの出力
パルス信号を取り込みつつこれに応じながら、用紙クラ
ンパ21の用紙くわえ位置にタイミングを合わせて用紙
Pの先端を給送すべくレジストモータ58を制御するフ
ィードバック制御(図21(a)では符号FBCで表さ
れている)を行う。この時の制御動作は、補助給紙部2
8からの場合と異なる。すなわち、本体給紙制御装置8
8は、レジストモータ58を制御する上記したスリップ
量補正およびフィードバック制御FBCに加え、これと
同時に、エンコーダセンサ61からの出力パルス信号を
取り込みつつこれに応じながら、中間搬送ローラ対55
a,55bの回転により用紙PのたわみPAが大きくな
らず、かつ、消滅しない程度の適度のたわみ量を維持す
べく、給紙モータ74を制御するフィードバック制御を
行う。
【0185】圧胴20は、メインモータ150の駆動に
よって、操作パネル90に設けられている印刷速度設定
キー96によりまたは自動的に設定された設定印刷速度
値に応じた回転速度(周速度va)で回転している。上
記したような本体給紙制御装置88によるエンコーダ・
フィードバック制御FBC下において、用紙Pは、上記
したようにレジストモータ58や給紙モータ74の回転
駆動によって、圧胴20の周速度vaの1.36倍の送
り速度(第1の用紙搬送速度vp1でもある)で搬送さ
れ、圧胴20の用紙クランパ21が閉じようとしたと
き、用紙クランパ21に追いつき(ステップS47参
照)、後述するように圧胴20の周速度vaと略同じ第
2の用紙搬送速度vp2になる。圧胴20の用紙クラン
パ21は、図20および図21(a)に示す所定のタイ
ミング(実施例的には圧胴20が回転位置θ’=35
0.5°を占めたとき)で開く。
【0186】上述したように、レジストモータ58およ
び給紙モータ74が1パルスで用紙Pを送る用紙送り量
と、エンコーダ60の1パルス幅に対応する圧胴20の
外周移動量とは、同じに設定されている。これにより、
例えば、本体給紙制御装置88は、圧胴20に固定され
たエンコーダ60の1パルス幅に要する時間を本体給紙
制御装置88内の上記タイマで検出し、圧胴20側の負
荷変動等によりエンコーダ60の1パルスに要する時間
が長くなった場合、レジストモータ58および給紙モー
タ74をそれぞれ減速する。これと反対に、本体給紙制
御装置88は、エンコーダ60の1パルスに要する時間
が短くなった場合、レジストモータ58および給紙モー
タ74をそれぞれ増速してやるというフィードバック制
御を行っている。
【0187】換言すれば、レジストローラ対33a,3
3bから送り出された用紙Pの先端の進みまたは遅れを
逐次検知し、レジストローラ対33a,33bと中間搬
送ローラ対55a,55bとの用紙搬送速度(用紙Pの
送り速度)を両方共に補正するのである。本体給紙制御
装置88は、圧胴20の負荷変動等に伴う回転ムラとし
て圧胴20の周速度vaをエンコーダセンサ61で検知
されるパルス変動で常に追跡し、このパルス変動に追従
して、レジストモータ58と給紙モータ74との回転速
度を共に可変制御するという上記パルスエンコーダを用
いたフィードバック制御を行っている。この時、圧胴2
0の回転位置の検出は、エンコーダセンサ61で検知さ
れるパルス数で検出し、圧胴20の周速度vaの検出
は、エンコーダセンサ61で検知される周期時間tで検
出する。本体給紙制御装置88は、図22に示すよう
に、レジストモータ58および給紙モータ74へそれぞ
れ出力される駆動パルス幅(t1〜t4)をさらに変える
ことにより、レジストモータ58および給紙モータ74
をフィードバック制御し、レジストずれを少なくして印
刷レジスト精度の向上を図っている。
【0188】上記したような本体給紙制御装置88によ
るエンコーダ・フィードバック制御下において、レジス
トローラ33bが反時計回り方向に回転されることによ
り、上のレジストローラ33aが用紙Pを介して時計回
り方向に従動回転されることによって、またこれと同時
に、中間搬送ローラ55aが反時計回り方向に回転され
ることにより、中間搬送ローラ55bが用紙Pを介して
時計回り方向に従動回転されることによって、用紙Pの
たわみPAが徐々に消滅していく。
【0189】この動作と並列的に、用紙Pの後端が中間
センサ上53を抜けたか否かが判断される。そして、中
間センサ上53がオフしたとき、用紙Pの後端が中間セ
ンサ上53を抜けたと判断され、給紙モータ74の逆転
駆動が停止されることにより、中間搬送ローラ対55
a,55bのアシスト回転が停止する。
【0190】このタイミングに合わせ、圧胴20の用紙
クランパ21は、図21(a)および図26ないし図2
7に示すように、用紙Pの先端部をくわえ・挾持した
後、用紙クランパ21は閉じられ(実施例的にいうと、
圧胴20が回転位置θ’=10°(370°)を占めた
とき)、こうして圧胴20は、用紙Pを圧胴20の外周
面に保持したまま回転し、用紙Pの先端部が版胴1の外
周面と圧胴20の外周面との間のニップ部に搬送され
る。
【0191】次いでステップS48に進み、本体給紙制
御装置88からの指令により、図34(b)に示すよう
に、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保持され
てから版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧され
始める印圧開始の前までは、用紙クランパ21とレジス
トローラ対33a,33bとの間に形成される用紙Pの
先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触しない
程度となるように圧胴20の周速度vaよりもやや大き
く、かつ、第1の用紙搬送速度vp2=1.36×va
(mm/s)よりも小さい第2の用紙搬送速度vp2=
1.03×va(mm/s)で用紙Pを送り出すよう
に、すなわち圧胴20の周速度vaの1.03倍の用紙
搬送速度vpで用紙Pの先端を送り出すようにレジスト
モータ58が制御される。
【0192】以降のステップS49〜ステップS52に
おいては、図34(a)にも示すように、補助給紙部2
8からの給紙の場合と同様の用紙搬送制御、すなわち本
体給紙制御装置88によるレジストモータ58の駆動制
御が行われるため、その説明を省略する。そして、版胴
1の回転位置がθ=75°(圧胴20の回転位置でも
θ’=75°)を占めたことが検知されると、レジスト
モータ58の回転駆動が停止されることにより、レジス
トローラ対33a,33bの回転が停止し、給紙状態管
理ルーチンへ移行する。(ステップS53〜S55参
照)。
【0193】なお、ステップS42において、中間搬送
ローラ対55a,55bをアシスト回転させる必要のな
い用紙サイズの大きさがB5以下の場合では、ステップ
S47へ進んで、以下上記したと同様の動作が行われ
る。これ以降の動作は、補助給紙部28からの用紙搬送
動作および印刷工程と同様であるため、その説明を省略
する。
【0194】このように、本実施形態1およびその実施
例では、バンク側給紙時において、上述したような特有
の用紙搬送速度制御方式を採用していて、本実施形態1
およびその実施例における本体側給紙時と同様の利点を
有するものである。また、上述したとおり、実施形態1
によれば、上述した利点および後述する本発明の効果の
他、下記の諸利点を得ることができる。従来装置では、
分離ローラ32および呼出しローラ30を回転させるた
めに、版胴1および圧胴20を回転させるためのメイン
モータからの回転駆動力をベルトやクラッチ等を介して
のセクタギヤ方式により得ていたので、各給紙手段2
9,29−1,29−2の分離ローラ32および呼出し
ローラ30の回転周速度は絶えず微妙に変動する印刷速
度に依存していたことになり、その変動する印刷速度ご
とに上記したたわみPAのたわみ量が違ったものとなっ
てしまう。これによって、従来装置ではたわみ量不足で
スキューが発生したり、不送りが発生したり、あるいは
たわみ量過大で騒音が発生したりするという不具合が生
じていた。これに対して、本実施形態1では、第1に、
レジストローラ対33a,33bに対して用紙Pの先端
を給送するタイミングをとるための本体給紙用遮光板6
8および給紙開始センサ65を圧胴20側に配設し、メ
インモータ150とは独立して配設されたステッピング
モータからなる給紙モータ74により分離ローラ32お
よび呼出しローラ30や中間搬送ローラ対55a,55
bを回転させながら、用紙先端センサ51を用いてたわ
み量調整を行うことによって、印刷速度に関係なく安定
したたわみ量を調整することができる。これにより、ス
キューおよび不送りの低減、ならびに静音化が図れる。
【0195】第2に、紙質や紙厚等が相違するものを使
用することによりレジストローラ対33a,33bに対
する用紙Pの摩擦係数が異なったり、あるいはたとえ紙
質や紙厚等が同じ紙種のものを使用していても、温・湿
度等の環境条件の変化に伴う搬送条件の変化(例えばレ
ジストローラ対33a,33bと用紙Pとの間の摩擦係
数の変化や用紙Pの変形状態)により、あるいはレジス
トローラ対33a,33bが摩耗・消耗したり紙粉等に
より汚れたり経時的に劣化することによって、用紙Pの
スリップ量が大きくなった時(この用紙Pのスリップは
レジストローラ対33a,33bの回転により用紙Pの
先端部が搬送され始める時が最も大きい)における用紙
Pの先端位置の認識をレジストセンサ52で検知するこ
とができる。用紙クランパ21に対して用紙Pの先端を
給送するタイミングをとるための本体レジスト用遮光板
69および給紙開始センサ65を圧胴20側に配設する
と共に、本体給紙制御装置88がレジストセンサ52か
らの信号に基づきスリップ量補正を行うと共に、パルス
エンコーダ(エンコーダ60およびエンコーダセンサ6
1)によりレジストモータ58をフィードバック制御F
BCをすることによって、用紙Pの先端部が用紙クラン
パ21に正確かつ確実に挾持されるような安定した紙く
わえを実現し、用紙Pの巻き上がり等をさらに確実に防
止すると共に、用紙クランパ21に対して給送するタイ
ミングの安定化および信頼性の向上を図ることができ、
ひいてはレジスト精度を一層向上することができる。
【0196】第3に、レジスト駆動手段をステッピング
モータからなるレジストモータ58で構成したことによ
り、レジストローラ対33a,33bのブレーキや回転
方向を規制する機械式部品を不要として安価ですみ、レ
ジストモータ58の駆動時の応答性を良好にすることが
できる。また、レジストローラ対33a,33bを駆動
する駆動系を版胴1と圧胴20とを駆動するメインモー
タ150に対して独立させて駆動系の負荷を低減できる
と共に、メインモータ150のパワーをさらに小さくし
て安価に製作できる。また、制御装置のプログラムが簡
素化できると共に、演算処理を速くしてフィードバック
制御FBCの追従精度を高くすることができる。
【0197】第4に、給紙駆動手段や用紙搬送駆動手段
をステッピングモータからなる給紙モータ74で構成し
たことにより、分離ローラ32の回転方向を規制する機
械式部品を不要として安価ですみ、給紙モータ74の駆
動時の応答性を良好にすることができる。また、分離ロ
ーラ32および呼出しローラ30や中間搬送ローラ対5
5a,55bを駆動する駆動系を版胴1と圧胴20とを
駆動するメインモータ150に対して独立させて駆動系
の負荷を低減できると共に、メインモータ150のパワ
ーをさらに小さくして安価に製作できる。また、制御装
置のプログラムが簡素化できると共に、演算処理を速く
してフィードバック制御FBCの追従精度を高くするこ
とができる。
【0198】(実施形態2)実施形態1ほどの上記利
点、すなわち、印圧が入った後用紙クランパ21に対す
る負荷となることにより、用紙クランパ21のクランプ
力が小さい場合にクランプ抜けが生じるおそれを完全に
無くすことを望まなくてもよいのであれば、図35
(a),(b)に示す実施形態2であってもよい。この
実施形態2は、図1ないし図34(a),(b)に示し
た実施形態1と比較すると、本体給紙制御装置88に代
えて本体給紙制御装置88Aを有することが主に相違す
る。
【0199】実施形態2の本体給紙制御装置88Aは、
実施形態1の本体給紙制御装置88によるレジストモー
タ58の制御と比較すると、印圧開始の後では、レジス
トローラ33bが再び略第2の用紙搬送速度vp2で用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御する機
能を除去したことが主に相違する。すなわち、実施形態
2の本体給紙制御装置88Aは、レジストローラ対33
a,33bから送り出された用紙Pの先端が用紙クラン
パ21に当接するまでは、レジストローラ33bが圧胴
20の周速度vaよりも大きい第1の用紙搬送速度vp
1で用紙Pの先端を送り出すようにレジストモータ58
を制御し、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保
持されてから版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押
圧され始める印圧開始の前までは、用紙クランパ21と
レジストローラ対33a,33bとの間に形成される用
紙Pの先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触
しない程度となるように圧胴20の周速度vaよりもや
や大きく、かつ、第1の用紙搬送速度vp1よりも小さ
い第2の用紙搬送速度vp2で用紙Pを送り出すように
レジストモータ58を制御し、印圧開始の直前から印圧
開始以降では、レジストローラ33bが圧胴20の周速
度vaよりもやや小さい第3の用紙搬送速度vp3で用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御するも
のである(請求項2参照)。本体給紙制御装置88Aの
上記ROMには、上記したようにレジストモータ58を
制御するためのデータ(図35(a),(b)に示す速
度線図に係る用紙搬送速度制御パターン参照)等が予め
記憶されている。
【0200】本体給紙制御装置88Aによるレジストモ
ータ58の制御例が、図35(a),(b)に示されて
いて、実施形態1の実施例を示す図34(a),(b)
と相違する点を中心に説明をする。図35(a),
(b)にそれぞれ示されている本体側給紙時、バンク側
給紙時では、図34(a),(b)に示した実施形態1
の実施例と比較すると、本体給紙制御装置88Aからの
指令により、印圧開始の直前から印圧開始以降におい
て、レジストローラ33bが圧胴20の周速度vaより
もやや小さい第3の用紙搬送速度vp3=0.95×v
a(mm/s)で用紙Pを送り出すようにレジストモー
タ58を制御することのみ相違する。
【0201】本実施形態2における本体側給紙時の用紙
搬送動作は、図30および図30のフローチャートにお
いて、ステップS23のジョブ処理動作を除去したもの
に相当し、実施形態1における本体側給紙時の用紙搬送
動作から容易に推測・実施できるのでその説明を省略す
る。これと同様に、本実施形態2におけるバンク側給紙
時の用紙搬送動作は、図28および図29のフローチャ
ートにおいて、ステップS52のジョブ処理動作を除去
したものに相当し、実施形態1におけるバンク側給紙時
の用紙搬送動作から容易に推測・実施できるのでその説
明を省略する。
【0202】このように、本実施形態2における本体側
給紙時やバンク側給紙時では、上述したような特有の用
紙搬送速度制御方式を採用しているものである。そし
て、説明が前後するが、後述する実施形態3では、印圧
開始の直前においてクランプ抜けを防止するために若干
のたわみPBを形成しているため、機械間のバラツキに
より、たわみPBを最小にするために第2の用紙搬送速
度vp2を最適な特定値に設定するのが難しいことや、
用紙Pの先端部に画像ダブリを生じるおそれがあるが、
本実施形態2の実施例では、本体給紙制御装置88が、
印圧開始の直前に、第3の用紙搬送速度vp3=0.9
5×va(mm/s)で用紙Pを送り出すようにレジス
トモータ58を制御するというように、機械間のバラツ
キに対して余裕ある第2の用紙搬送速度vp2を設定す
ることができると共に、用紙搬送速度vpが圧胴20の
周速度vaよりも減速されるので、クランプ抜けを起こ
すことなく、上記若干のたわみPBを消すことができ
る。
【0203】したがって、本実施形態2によれば、本体
側給紙時やバンク側給紙時において、用紙Pの先端部を
用紙クランパ21によりクランプしながら搬送印刷する
時に、適正かつ最小のたわみPBを形成できるので、ク
ランプ抜けを生じたり、レジスト精度が悪くなったりす
ることを防止できると共に、たわみPBが過大となって
生じる画像ダブリ等の不具合発生を防止できる利点があ
り、後述する実施形態3よりも好ましいと言える。
【0204】(実施形態3)実施形態1や実施形態2ほ
どの上記各利点、すなわち、印圧が入った後用紙クラン
パ21に対する負荷となることにより、用紙クランパ2
1のクランプ力が小さい場合にクランプ抜けが生じるお
それを完全に無くすこと、および印圧開始の直前におい
てクランプ抜けを防止するために若干のたわみPBを形
成していることにより、用紙Pの先端部に画像ダブリが
生じるおそれを完全に無くすことを望まなくてもよいの
であれば、図36(a),(b)に示す実施形態3であ
ってもよい。この実施形態3は、図35(a),(b)
に示した実施形態2と比較すると、本体給紙制御装置8
8Aに代えて本体給紙制御装置88Bを有することが主
に相違する。
【0205】実施形態3の本体給紙制御装置88Bは、
実施形態2の本体給紙制御装置88Bによるレジストモ
ータ58の制御と比較すると、印圧開始の直前から印圧
開始以降では、レジストローラ33bが圧胴20の周速
度vaよりもやや小さい第3の用紙搬送速度vp3で用
紙Pを送り出すようにレジストモータ58を制御する機
能を除去したことが主に相違する。すなわち、実施形態
3の本体給紙制御装置88Bは、レジストローラ対33
a,33bから送り出された用紙Pの先端が用紙クラン
パ21に当接するまでは、レジストローラ33bが圧胴
20の周速度vaよりも大きい第1の用紙搬送速度vp
1で用紙Pの先端を送り出すようにレジストモータ58
を制御し、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保
持されてから版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押
圧され始める印圧開始以降では、用紙クランパ21とレ
ジストローラ対33a,33bとの間に形成される用紙
Pの先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触し
ない程度となるように圧胴20の周速度vaよりもやや
大きく、かつ、第1の用紙搬送速度vp1よりも小さい
第2の用紙搬送速度vp2で用紙Pを送り出すようにレ
ジストモータ58を制御するものである(請求項1参
照)。本体給紙制御装置88Bの上記ROMには、上記
したようにレジストモータ58を制御するためのデータ
(図36(a),(b)に示す速度線図に係る用紙搬送
速度制御パターン参照)等が予め記憶されている。
【0206】本体給紙制御装置88Bによるレジストモ
ータ58の制御例が、図36(a),(b)に示されて
いて、実施形態2の実施例を示す図35(a),(b)
と相違する点を中心に説明をする。図36(a),
(b)にそれぞれ示されている本体側給紙時、バンク側
給紙時では、図35(a),(b)に示した実施形態2
の実施例と比較すると、本体給紙制御装置88Aからの
指令により、用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・
保持されてから印圧開始以降において、用紙クランパ2
1とレジストローラ対33a,33bとの間に形成され
る用紙Pの先端部のたわみPBが版胴1上のマスタ2に
接触しない程度となるように圧胴20の周速度vaより
もやや大きく、かつ、第1の用紙搬送速度vp1よりも
小さい第2の用紙搬送速度vp2=1.03×va(m
m/s)で用紙Pを送り出すようにレジストモータ58
を制御することのみ相違する。
【0207】本実施形態3における本体側給紙時の用紙
搬送動作は、図30および図30のフローチャートにお
いて、ステップS20〜ステップS23の各ジョブ処理
動作を除去したものに相当し、実施形態2における本体
側給紙時の用紙搬送動作から容易に推測・実施できるの
でその説明を省略する。これと同様に、本実施形態3に
おけるバンク側給紙時の用紙搬送動作は、図28および
図29のフローチャートにおいて、ステップS49〜ス
テップS52の各ジョブ処理動作を除去したものに相当
し、実施形態2におけるバンク側給紙時の用紙搬送動作
から容易に推測・実施できるのでその説明を省略する。
【0208】このように、本実施形態3の本体側給紙時
やバンク側給紙時では、(vp>va)となる用紙搬送
速度制御方式を採用していて、レジストモータ58の回
転速度f(pps)に対応したレジストローラ33bの
第1の用紙搬送速度vp1=1.4×va(mm/s)
や1.36×va(mm/s)の範囲における圧胴20
の回転位置(θ’)において、たわみPBを形成させ
る。そして、図36(a)に示されているように、圧胴
20の回転位置に対応した「クランプ角度」で用紙クラ
ンパ21が閉じてから「印圧角度」で印圧がオンした以
降では、レジストモータ58の回転速度f(pps)を
減速することにより、これに対応したレジストローラ3
3bの第2の用紙搬送速度vp2=1.03×va(m
m/s)の範囲における圧胴20の回転位置(θ’)に
おいてたわみPBを減少させるものである。
【0209】したがって、本実施形態3によれば、本体
側給紙時やバンク側給紙時において、用紙Pの先端部を
用紙クランパ21によりクランプしながら搬送印刷する
時に、適正かつ最小のたわみPBを形成できるので、ク
ランプ抜けを生じたり、レジスト精度が悪くなったりす
ることを防止できると共に、たわみPBが過大となって
生じる画像ダブリ等の不具合発生を防止できる利点があ
ると言える。
【0210】(変形例1)本発明の実施形態は、上記し
た実施形態3に限定されず、以下のような変形例1であ
ってもよい。実施形態3の本体給紙制御装置88Bは、
用紙Pの先端が用紙クランパ21に当接・保持されてか
ら版胴1の外周面と圧胴20の外周面とが押圧され始め
る印圧開始以降では、用紙クランパ21とレジストロー
ラ対33a,33bとの間に形成される用紙Pの先端部
のたわみPBが版胴1上のマスタ2に接触しない程度と
なるように圧胴20の周速度vaよりもやや大きく、か
つ、第1の用紙搬送速度vp1よりも小さい第2の用紙
搬送速度vp2で用紙Pを送り出すようにレジストモー
タ58を制御するものであったが、印圧開始以降も第2
の用紙搬送速度vp2を維持するので、用紙の種類(紙
種)よってはたわみPB量の過大を招くおそれがある。
【0211】印刷装置の中でも取り分け孔版印刷装置に
おいては、使用する紙種が多種に及んでおり、更紙か
ら上質紙まで、のし紙や封筒、さらには薄紙から厚
紙まで対応している。これらの紙種の違いにより、用紙
クランパ21とレジストローラ対33a,33bとの間
に形成されるたわみPBの量にはかなりのバラツキが生
じるため、紙種を無視して、たわみPBを減少させ消す
ための第2の用紙搬送速度vp2を実施形態3で例示し
たように圧胴20の周速度vaの1.03倍に一律に設
定するだけでは、上記した利点を安定して得ることがで
きない。
【0212】この変形例1は、上記した点に着目して、
紙種に応じて、第2の用紙搬送速度vp2を変えるよう
にレジストモータ58を制御する用紙搬送速度可変手段
としての機能を本体給紙制御装置88Bに付加したもの
である。すなわち、この変形例1は、実施形態3と比較
すると、紙種に応じて、第2の用紙搬送速度vp2を変
える用紙搬送速度可変手段を具備することが相違する。
【0213】変形例1の制御内容を簡明に説明すると以
下のとおりである。例えば、紙種入力キー190を適宜
押下することにより使用する紙種を設定し、本体給紙制
御装置88Bに入力することで、本体給紙制御装置88
Bは、操作パネル90の紙種入力キー190からの紙種
入力設定信号に基づいて、レジストローラ対33a,3
3bの第2の用紙搬送速度vp2を変えるようにレジス
トモータ58を制御するものである。例えば、の用紙
Pを使用するときにおいては、本体給紙制御装置88B
が、薄紙から厚紙(但し、画用紙やハガキのような厚手
の腰のある用紙Pを除く)へとその用紙Pの厚さが厚く
なるにしたがって、用紙Pの腰が強くなり版胴1の外周
面への接触力が上がるので、第2の用紙搬送速度vp2
を圧胴20の周速度vaの1.03倍から1.02倍ま
たは1.01倍に可変するというように制御するのであ
る。なお、画用紙やハガキのような厚手の腰のある用紙
Pは、排紙巻き上がりを起こさないので、上述したよう
に用紙クランパ21でクランプしない特有の制御を行う
ようになっている。
【0214】変形例1は、上記例に限らず、紙種入力キ
ー190に代えて用紙Pの種類を自動的に検知するため
の用紙種類検知手段としての紙種検知センサ195、バ
ンク上紙種検知センサ195−1、バンク下紙種検知セ
ンサ195−2を(図19に仮想線でそれぞれ囲んで示
す)を具備していてもよい。
【0215】紙種検知センサ195の具体例としては、
例えば用紙Pの厚さを検知するために光学的に透過光の
強さを検出して判断するタイプや、メカニック的に紙厚
を測定するためにローラ間のギャップを拡大して電気的
センサで検知するタイプ等が挙げられる。
【0216】変形例1によれば、本体給紙制御装置88
Bが、紙種に応じて、第2の用紙搬送速度vp2を変え
るようにレジストモータ58を制御することにより、実
施形態3の利点に加えて、第2の用紙搬送速度vp2で
用紙Pを送り出しているときのたわみPB量の過大を防
止できる。なお、この変形例1は、実施形態3に限ら
ず、その利点の大きさが実施形態3ほどではないにして
も、実施形態1や2にも適用できることは言うまでもな
い。
【0217】(変形例2)本発明の実施形態は、実施形
態3や変形例1に限定されず、以下のような変形例2で
あってもよい。すなわち、この変形例2は、実施形態3
と比較すると、印刷速度に応じて第2の用紙搬送速度v
p2を変える用紙搬送速度可変手段を具備することが主
に相違する。
【0218】実施形態3では、印刷速度を5段階に可変
設定できるようになされているが、印圧開始以降も第2
の用紙搬送速度vp2を維持するので、印刷速度によっ
てはたわみPB量の過大を招くおそれがあり、印刷速度
を無視して、たわみPBを減少させ消すための第2の用
紙搬送速度vp2=1.03×va(mm/s)と一律
に設定するだけでは、上記した利点を安定して得ること
ができない。そこで、この変形例2では、上記した点に
着目して、印刷速度に応じて、第2の用紙搬送速度vp
2を変えるようにレジストモータ58を制御する用紙搬
送速度可変手段としての機能を本体給紙制御装置88B
に付加したものである。
【0219】変形例2の制御内容を簡明に説明すると以
下のとおりである。例えば、通常印刷時において、印刷
速度設定キー96の速度ダウンキー96aや速度アップ
キー96を押下しないで設定印刷速度:3速を自動的に
設定したときから、速度アップキー96を押下して最高
速の設定印刷速度:5速を設定したときには、本体給紙
制御装置88Bは、印刷速度設定信号に基づいて、レジ
ストローラ対33a,33bの第2の用紙搬送速度vp
2を変えるようにレジストモータ58を制御するもので
ある。例えば、設定印刷速度:5速を設定したときにお
いては、本体給紙制御装置88Bが、その印刷速度が上
がるにしたがって第1の用紙搬送速度vp1から第2の
用紙搬送速度vp2までのスローダウンの時間が長くな
ることにより、たわみPBの量が大きくなるので、第2
の用紙搬送速度vp2を圧胴20の周速度vaの1.0
3倍から1.02倍または1.01倍に可変するという
ように制御するのである。
【0220】変形例2によれば、本体給紙制御装置88
Bが、印刷速度に応じて、第2の用紙搬送速度vp2を
変えるようにレジストモータ58を制御することによ
り、実施形態3の利点に加えて、第2の用紙搬送速度v
p2で用紙Pを送り出しているときのたわみPB量の過
大を防止できる。なお、この変形例2は、実施形態3に
限らず、その利点の大きさが実施形態3ほどではないに
しても、実施形態1や2にも適用できることは言うまで
もない。また、変形例1や変形例2を単独で適用するも
のに限らず、より木目の細かい用紙搬送速度の制御を行
いたいのであれば、変形例1と変形例2とを組み合わせ
適用してもよく、例えば紙種と印刷速度との組み合わせ
パラメータに対して第2の用紙搬送速度vp2を可変し
てもよい。
【0221】(変形例3)図1ないし図36を借りて、
実施形態1の変形例3を説明する。この変形例3は、実
施形態1と比較すると、実施形態1における本体給紙用
遮光板68、本体レジスト用遮光板69、バンク給紙用
遮光板70,バンクレジスト用遮光板71、給紙開始セ
ンサ65、バンク給紙開始センサ66、インクリメンタ
ル型のエンコーダ60およびエンコーダセンサ61を除
去しこれらに代えて、図37に示すように、圧胴20の
回転速度変動の検出と位置の検出とが可能な絶対的な回
転量を検出するためのアブソリュート型のパルスエンコ
ーダ(以下、「アブソリュート型パルスエンコーダ」と
いう)を圧胴20側に配設したことのみ相違する。
【0222】上記アブソリュート型パルスエンコーダ
は、図37に示すように、圧胴20の端板20bに取り
付けられ、多数のスリットが外周部に放射状に複数段並
べられた多チャンネルのフォトエンコーダ220と、こ
のフォトエンコーダ220の外周部を挟んでアーム25
bに取り付けられた複数のエンコーダセンサ221とを
具備している。
【0223】この変形例3における制御動作は、実施形
態1および変形例1,2における本体給紙用遮光板6
8、本体レジスト用遮光板69、バンク給紙用遮光板7
0,バンクレジスト用遮光板71、給紙開始センサ6
5、バンク給紙開始センサ66、インクリメンタル型の
エンコーダ60およびエンコーダセンサ61の上述した
動作を1つの上記アブソリュート型パルスエンコーダで
行うことのみ相違し、技術的に自明なのでその説明を省
略する。なお、実施形態1ないし3および変形例1,2
に述べたことに準拠して、圧胴20が所定回転位置を占
めたときにおけるエンコーダセンサ221からの出力パ
ルス信号の出力開始時点と給紙モータ74が駆動開始さ
れる駆動開始時点との間に一定のディレイDaが、圧胴
20がさらに回転して上記したとは別の所定回転位置を
占めたときにおけるエンコーダセンサ221からの出力
パルス信号の出力開始時点とレジストモータ58が駆動
開始される駆動開始時点との間に一定のディレイDb
が、その他上記したディレイDc,Dd,De,Df等
がそれぞれ設けられることとなる。
【0224】したがって、この変形例3によれば、実施
形態1ないし3および変形例1,2における上記各利点
(但し、上記利点および後述する効果における本体給紙
用遮光板68、本体レジスト用遮光板69、バンク給紙
用遮光板70、バンクレジスト用遮光板71、給紙開始
センサ65、バンク給紙開始センサ66、インクリメン
タル型のエンコーダ60およびエンコーダセンサ61の
各用語を上記アブソリュート型パルスエンコーダのフォ
トエンコーダ220とエンコーダセンサ221とに適宜
置き換える)に加えて、現状の技術水準では高価かつ複
雑な制御を要するも、制御構成の部品点数を減らすこと
ができる。
【0225】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成
は、上述した実施形態1ないし3および変形例1ないし
3等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせ
て構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要
性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成
し得ることは当業者ならば明らかである。
【0226】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規
な印刷装置における給紙装置を提供することができる。
請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。請求項
1記載の発明によれば、レジスト駆動制御手段は、レジ
スト手段から送り出された用紙の先端が保持手段に当接
するまでは、レジスト手段が圧胴の周速度よりも大きい
第1の用紙搬送速度で用紙の先端を送り出すようにレジ
スト駆動手段を制御し、その後、保持手段とレジスト手
段との間に形成される用紙の先端部のたわみが版胴上の
マスタに接触しない程度となるように圧胴の周速度より
もやや大きく、かつ、第1の用紙搬送速度よりも小さい
第2の用紙搬送速度で用紙を送り出すようにレジスト駆
動手段を制御することにより、用紙の先端部を保持手段
により保持しながら搬送印刷する時に、適正かつ最小の
たわみを形成できるので、保持手段から用紙の先端部が
抜けたりレジスト精度が悪くなったりすることを防止で
きると共に、たわみが過大となって生じる画像ダブリ等
の不具合発生を防止できる。
【0227】請求項2記載の発明によれば、レジスト駆
動制御手段は、レジスト手段から送り出された用紙の先
端が保持手段に当接するまでは、レジスト手段が圧胴の
周速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で用紙の先端を
送り出すようにレジスト駆動手段を制御し、用紙の先端
が保持手段に当接・保持されてから版胴の外周面と圧胴
の外周面とが押圧され始める印圧開始の前までは、保持
手段とレジスト手段との間に形成される用紙の先端部の
たわみが版胴上のマスタに接触しない程度となるように
圧胴の周速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送
速度よりも小さい第2の用紙搬送速度で用紙を送り出す
ようにレジスト駆動手段を制御し、印圧開始の直前から
印圧開始以降では、レジスト手段が圧胴の周速度よりも
やや小さい第3の用紙搬送速度で用紙を送り出すように
レジスト駆動手段を制御することにより、用紙の先端部
を保持手段により保持しながら搬送印刷する時に、適正
かつ最小のたわみを形成できるので、保持手段から用紙
の先端部が抜けたりレジスト精度が悪くなったりするこ
とを防止できると共に、たわみが過大となって生じる画
像ダブリ等の不具合発生を防止できる。保持手段から用
紙の先端部が抜けたりレジスト精度が悪くなったりする
ことがないと共に、たわみが過大となって画像ダブリ等
の不具合を生じない。また、請求項1記載の発明におい
ては、機械間のバラツキにより、たわみを最小にするた
めに第2の用紙搬送速度を最適な特定値に設定するのが
難しいことがあるが、この発明では、印圧開始の直前か
ら印圧開始以降において、レジスト手段が圧胴の周速度
よりもやや小さい第3の用紙搬送速度で用紙を送り出す
ようにレジスト駆動手段を制御することにより、機械間
のバラツキに対して余裕ある第2の用紙搬送速度を設定
することができるので、請求項1記載の発明におけるた
わみ過大による画像ダブリ等の防止効果をより確実に奏
することができる。
【0228】請求項3記載の発明によれば、レジスト駆
動制御手段は、レジスト手段から送り出された用紙の先
端が保持手段に当接するまでは、レジスト手段が圧胴の
周速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で用紙の先端を
送り出すようにレジスト駆動手段を制御し、用紙の先端
が保持手段に当接・保持されてから版胴の外周面と圧胴
の外周面とが押圧され始める印圧開始の前までは、保持
手段とレジスト手段との間に形成される用紙の先端部の
たわみが版胴上のマスタに接触しない程度となるように
圧胴の周速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送
速度よりも小さい第2の用紙搬送速度で用紙を送り出す
ようにレジスト駆動手段を制御し、印圧開始の直前で
は、レジスト手段が圧胴の周速度よりもやや小さい第3
の用紙搬送速度で用紙を送り出すようにレジスト駆動手
段を制御し、印圧開始の後では、レジスト手段が再び略
第2の用紙搬送速度で用紙を送り出すようにレジスト駆
動手段を制御することにより、用紙の先端部を保持手段
により保持しながら搬送印刷する時に、適正かつ最小の
たわみを形成できるので、保持手段から用紙の先端部が
抜けたりレジスト精度が悪くなったりすることを防止で
きると共に、たわみが過大となって生じる画像ダブリ等
の不具合発生を防止できる。また、請求項1記載の発明
においては、機械間のバラツキにより、たわみを最小に
するために第2の用紙搬送速度を最適な特定値に設定す
るのが難しいことがあるが、この発明では、印圧開始の
直前において、レジスト手段が圧胴の周速度よりもやや
小さい第3の用紙搬送速度で用紙を送り出すようにレジ
スト駆動手段を制御することにより、機械間のバラツキ
に対して余裕ある第2の用紙搬送速度を設定することが
できるので、請求項1記載の発明におけるよりもさら
に、たわみ過大となって生じる画像ダブリ等の不具合発
生を確実に防止することができる。また、請求項2記載
の発明では、印圧開始の直前で、用紙の搬送速度を圧胴
の周速度よりもやや小さい第3の用紙搬送速度まで落
し、ブレーキをかけ、たわみを消すので、保持手段から
用紙の先端部が抜けたりレジスト精度が悪くなったりす
るおそれがあるが、この発明においては、印圧開始の後
では、ブレーキとならないように、レジスト手段が再び
略第2の用紙搬送速度で用紙を送り出すようにレジスト
駆動手段を制御するので、請求項2記載の発明における
よりもさらに、保持手段から用紙の先端部が抜けたりレ
ジスト精度が悪くなったりすることを確実に防止するこ
とができる。
【0229】請求項4記載の発明によれば、補助給紙部
からの給紙における搬送負荷がバンク給紙部からのそれ
よりも大きいことに鑑みて、レジスト駆動制御手段は、
補助給紙部からの給紙のときの第1の用紙搬送速度をバ
ンク給紙部からの給紙のときのそれよりも大きくするよ
うにレジスト駆動手段を制御することにより、レジスト
手段に対する搬送負荷を補償して上記各発明の効果を奏
する。
【0230】請求項5記載の発明によれば、保持手段と
レジスト手段との間に形成される用紙の先端部のたわみ
量が用紙の種類に応じて異なることに鑑みて、用紙搬送
速度可変手段が、用紙の種類に応じて第2の用紙搬送速
度を変えることにより、上記各発明の効果よりもさら
に、たわみ過大による画像ダブリ等の防止効果をより確
実に奏することができる。
【0231】請求項6記載の発明によれば、保持手段と
レジスト手段との間に形成される用紙の先端部のたわみ
量が印刷速度に応じて異なることに鑑みて、用紙搬送速
度可変手段が、印刷速度に応じて第2の用紙搬送速度を
変えることにより、上記各発明の効果よりもさらに、た
わみ過大による画像ダブリ等の防止効果をより確実に奏
することができる。
【0232】請求項7記載の発明によれば、レジスト駆
動制御手段は、用紙搬送速度可変手段の機能を具備する
ことにより、請求項5または6記載の発明の効果に加え
て、制御の汎用性を高めることができる。
【0233】請求項8記載の発明によれば、保持手段に
対して用紙の先端を給送するタイミングを制御するため
の、圧胴における少なくとも回転速度変動を検知するエ
ンコーダセンサを備えたパルスエンコーダと、圧胴とレ
ジスト手段との間の給紙路に配設され、用紙の先端を検
知する用紙先端検知手段とを具備し、レジスト駆動制御
手段は、各制御に加えて、用紙先端検知手段からの信号
に基づき、レジスト手段における用紙の滑りを補償すべ
くレジスト駆動手段を制御した後、エンコーダセンサか
らの出力パルス信号に基づき、保持手段の回転位置にタ
イミングを合わせて用紙の先端を給送すべくレジスト駆
動手段を制御することにより、上記各発明の効果に加え
て、保持手段に対して用紙の先端を給送するタイミング
の安定化・信頼性の向上を図ることができ、ひいてはレ
ジスト精度をさらに向上することができる。また、紙質
や紙厚等が相違するものを使用することによりレジスト
手段に対する用紙の摩擦係数が異なったり、あるいはた
とえ紙質や紙厚等が同じ用紙の種類(紙種)のものを使
用していても、温・湿度等の環境条件の変化に伴う搬送
条件の変化(例えばレジスト手段と用紙との間の摩擦係
数の変化や用紙の変形状態)により、あるいはレジスト
手段が摩耗・消耗したり紙粉等により汚れたり経時的に
劣化することによって、用紙のスリップ量が大きくなっ
た時における用紙の先端位置を用紙先端検知手段で検知
することが可能なので、用紙の先端部の安定した保持
(クランプ)を実現することができると共に、機械間の
メカニック的なバラツキに対しても安定した保持を実現
することができる。
【0234】請求項9記載の発明によれば、レジスト駆
動手段をステッピングモータで構成すると共に、レジス
ト駆動制御手段はレジスト駆動手段へ出力される少なく
とも駆動パルス数を変えることによりレジスト駆動手段
を制御するので、請求項8記載の発明の効果に加えて、
レジスト手段のブレーキや回転方向を規制する機械式部
品を不要として安価ですみ、レジスト駆動手段の駆動時
の応答性を良好にして、制御装置のプログラムを簡素化
できると共に、演算処理を速くしてフィードバック制御
の追従精度を高くすることができる。
【0235】請求項10記載の発明によれば、レジスト
駆動制御手段は、用紙の滑り補償後、エンコーダセンサ
からの出力パルス信号に応じながらさらにパルス幅を変
えることにより、レジスト駆動手段をフィードバック制
御するので、請求項9記載の発明の効果に加えて、その
フィードバック制御の追従精度をより高くすることがで
きる。
【0236】請求項11記載の発明によれば、レジスト
駆動制御手段は、レジスト駆動手段を起動させるための
エンコーダセンサの出力パルス信号の出力開始時点から
の出力パルス数と用紙先端検知手段により用紙の先端が
検知されたときからステッピングモータに供給された駆
動パルス数とから、たわみの量を認識することにより、
請求項9記載の発明の効果に加えて、たわみの量を正確
に認識してレジスト駆動手段を制御することができるの
で、保持手段から用紙の先端部が抜けたりレジスト精度
が悪くなったりすることをより確実に防止できると共
に、たわみが過大となって生じる画像ダブリ等の不具合
発生をより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す孔版印刷装置および
バンク給紙部の概略的な正面図である。
【図2】実施形態1における孔版印刷装置の概略的な拡
大正面図である。
【図3】実施形態1における孔版印刷装置の補助給紙部
周りの平面図である。
【図4】実施形態1における孔版印刷装置の補助給紙部
周りの一部断面正面図である。
【図5】補助給紙部から給送された用紙にたわみを形成
するたわみ形成部周りの要部の断面図である。
【図6】バンク給紙部から給送された用紙にたわみを形
成するたわみ形成部周りの要部の断面図である。
【図7】実施形態1における圧胴周りの制御構成部品の
取り付け構造を示す要部の分解斜視図である。
【図8】図7における要部の平面図である。
【図9】版胴におけるホームポジションセンサ周りの斜
視図である。
【図10】実施形態1におけるレジスト手段周りの制御
構成部品の取り付け構造を示す斜視図である。
【図11】実施形態1における圧胴のアーム対周りの制
御構成部品の取り付け構造を示す分解斜視図である。
【図12】実施形態1における圧胴の回転動作に伴う用
紙クランパの回転位置および用紙搬送動作を表す概略的
な正面図である。
【図13】(a)は実施形態1における版胴の回転位置
を、(b)は圧胴の回転位置をそれぞれ表す模式図であ
る。
【図14】実施形態1における補助トレイ等の用紙サイ
ズ検出機構を示す要部の斜視図である。
【図15】実施形態1におけるバンク給紙部の構成を示
す要部の正断面図である。
【図16】実施形態1におけるバンク給紙部のバンク給
紙駆動機構を示す要部の斜視図である。
【図17】実施形態1における操作パネルの要部の平面
図である。
【図18】図17における操作パネルのLCD表示部の
切り換え表示画面を示す平面図である。
【図19】実施形態1等における給紙制御構成を表すブ
ロック図である。
【図20】実施形態1における全体の給紙動作を表すタ
イミングチャートである。
【図21】実施形態1における補助給紙部からの給紙動
作を表すタイミングチャートである。
【図22】実施形態1における駆動パルス数およびその
パルス幅を可変する内容を説明する説明図である。
【図23】実施形態1における給紙手段や中間搬送ロー
ラ対の起動時の用紙搬送動作を表す要部の正面図であ
る。
【図24】実施形態1におけるレジスト手段と給紙手段
との間や、レジスト手段と中間搬送ローラ対との間に用
紙のたわみを形成する動作を表す要部の正面図である。
【図25】実施形態1におけるレジストローラの起動時
や中間搬送ローラ対のアシスト回転による用紙搬送動作
を表す要部の正面図である。
【図26】実施形態1における用紙クランパへの用紙の
先端の搬送動作を表す要部の正面図である。
【図27】実施形態1における印刷初期時の用紙搬送動
作を表す要部の正面図である。
【図28】実施形態1における全体の給紙動作のうち主
としてバンク給紙部からの給紙動作を表すフローチャー
トである。
【図29】図28の続きの給紙動作を表すフローチャー
トである。
【図30】実施形態1における補助給紙部からの給紙動
作を表すフローチャートである。
【図31】図30の続きの給紙動作を表すフローチャー
トである。
【図32】実施形態1におけるバンク給紙部内の給紙動
作を表すフローチャートである。
【図33】図30の続きの給紙動作を表すフローチャー
トである。
【図34】(a),(b)は実施形態1の実施例を示す
レジストモータによるレジストローラの各用紙搬送速度
の制御例を表わす速度線図であって、(a)は本体側給
紙時のレジストローラの用紙搬送速度を制御する例を、
(b)はバンク側給紙時のレジストローラの用紙搬送速
度を制御する例をそれぞれ表す速度線図である。
【図35】(a),(b)は実施形態2の実施例を示す
レジストモータによるレジストローラの各用紙搬送速度
の制御例を表わす速度線図であって、(a)は本体側給
紙時のレジストローラの用紙搬送速度を制御する例を、
(b)はバンク側給紙時のレジストローラの用紙搬送速
度を制御する例をそれぞれ表す速度線図である。
【図36】(a),(b)は実施形態3の実施例を示す
レジストモータによるレジストローラの各用紙搬送速度
の制御例を表わす速度線図であって、(a)は本体側給
紙時のレジストローラの用紙搬送速度を制御する例を、
(b)はバンク側給紙時のレジストローラの用紙搬送速
度を制御する例をそれぞれ表す速度線図である。
【図37】変形例3における圧胴周りの制御構成部品の
取り付け構造を示す要部の分解斜視図である。
【図38】従来の孔版印刷装置における圧胴の回転動作
に伴う用紙クランパの回転位置および用紙搬送動作を表
す概略的な正面図である。
【図39】従来の圧胴における用紙クランプおよび用紙
搬送動作の問題点を説明する簡略的な一部断面正面図で
ある。
【図40】従来の圧胴におけるクランプ装置周りの要部
の分解斜視図である。
【図41】従来の圧胴における用紙クランプおよび用紙
搬送動作の問題点を説明する簡略的な一部断面正面図で
ある。
【図42】印刷された用紙における用紙先端余白長さを
説明する平面図である。
【図43】(a),(b)は従来例を示すレジストモー
タによるレジストローラの各用紙搬送速度の制御例を表
わす速度線図であって、(a)は本体側給紙時のレジス
トローラの用紙搬送速度を制御する例を、(b)はバン
ク側給紙時のレジストローラの用紙搬送速度を制御する
例をそれぞれ表す速度線図である。
【符号の説明】
1 版胴 2 マスタ 20 圧胴 21 保持手段としての用紙クランパ 28 補助給紙部 29,29−1,29−2 給紙手段 33a,33b レジスト手段としてのレジストロー
ラ対 55a,55b 用紙搬送手段としての中間搬送ロー
ラ対 58 レジスト駆動手段としてのレジストモータ 65 タイミング検知手段としての給紙開始センサ 74 用紙搬送駆動手段としての給紙モータ 88,88A,88B レジスト駆動制御手段として
の本体給紙制御装置 100 印刷装置としての孔版印刷装置 148 バンク給紙制御装置 200 バンク給紙部 201 バンク給紙部を構成するバンク上給紙部 202 バンク給紙部を構成するバンク下給紙部 P 用紙 PA レジストローラ対における給紙方向の上流側
に形成される用紙の先端部のたわみ PB 用紙クランパとレジストローラ対との間に形
成される用紙の先端部のたわみ RX 給紙路としての横給紙路 RZ 給紙路としての縦給紙路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製版されたマスタを外周面に巻き付ける版
    胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段
    を備え前記版胴の外径と略同径の圧胴と、この圧胴を駆
    動する圧胴駆動手段と、前記保持手段に向けて前記用紙
    の先端を送り出すレジスト手段と、このレジスト手段を
    駆動するレジスト駆動手段とを具備する印刷装置におけ
    る給紙装置において、 前記レジスト手段から送り出された前記用紙の先端が前
    記保持手段に当接するまでは、前記レジスト手段が前記
    圧胴の周速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用
    紙の先端を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御
    し、その後、前記保持手段と前記レジスト手段との間に
    形成される用紙の先端部のたわみが前記版胴上の前記マ
    スタに接触しない程度となるように前記圧胴の周速度よ
    りもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送速度よりも小さ
    い第2の用紙搬送速度で前記用紙を送り出すように前記
    レジスト駆動手段を制御するレジスト駆動制御手段を有
    することを特徴とする印刷装置における給紙装置。
  2. 【請求項2】製版されたマスタを外周面に巻き付ける版
    胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段
    を備え前記版胴の外径と略同径の圧胴と、この圧胴を駆
    動する圧胴駆動手段と、前記保持手段に向けて前記用紙
    の先端を送り出すレジスト手段と、このレジスト手段を
    駆動するレジスト駆動手段とを具備する印刷装置におけ
    る給紙装置において、 前記レジスト手段から送り出された前記用紙の先端が前
    記保持手段に当接するまでは、前記レジスト手段が前記
    圧胴の周速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用
    紙の先端を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御
    し、前記用紙の先端が前記保持手段に当接・保持されて
    から前記版胴の外周面と前記圧胴の外周面とが押圧され
    始める印圧開始の前までは、前記保持手段と前記レジス
    ト手段との間に形成される用紙の先端部のたわみが前記
    版胴上の前記マスタに接触しない程度となるように前記
    圧胴の周速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送
    速度よりも小さい第2の用紙搬送速度で前記用紙を送り
    出すように前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開
    始の直前から前記印圧開始以降では、前記レジスト手段
    が前記圧胴の周速度よりもやや小さい第3の用紙搬送速
    度で前記用紙を送り出すように前記レジスト駆動手段を
    制御するレジスト駆動制御手段を有することを特徴とす
    る印刷装置における給紙装置。
  3. 【請求項3】製版されたマスタを外周面に巻き付ける版
    胴と、給送されて来た用紙の先端部を保持する保持手段
    を備え前記版胴の外径と略同径の圧胴と、この圧胴を駆
    動する圧胴駆動手段と、前記保持手段に向けて前記用紙
    の先端を送り出すレジスト手段と、このレジスト手段を
    駆動するレジスト駆動手段とを具備する印刷装置におけ
    る給紙装置において、 前記レジスト手段から送り出された前記用紙の先端が前
    記保持手段に当接するまでは、前記レジスト手段が前記
    圧胴の周速度よりも大きい第1の用紙搬送速度で前記用
    紙の先端を送り出すように前記レジスト駆動手段を制御
    し、前記用紙の先端が前記保持手段に当接・保持されて
    から前記版胴の外周面と前記圧胴の外周面とが押圧され
    始める印圧開始の前までは、前記保持手段と前記レジス
    ト手段との間に形成される用紙の先端部のたわみが前記
    版胴上の前記マスタに接触しない程度となるように前記
    圧胴の周速度よりもやや大きく、かつ、第1の用紙搬送
    速度よりも小さい第2の用紙搬送速度で前記用紙を送り
    出すように前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開
    始の直前では、前記レジスト手段が前記圧胴の周速度よ
    りもやや小さい第3の用紙搬送速度で前記用紙を送り出
    すように前記レジスト駆動手段を制御し、前記印圧開始
    の後では、前記レジスト手段が再び略第2の用紙搬送速
    度で前記用紙を送り出すように前記レジスト駆動手段を
    制御するレジスト駆動制御手段を有することを特徴とす
    る印刷装置における給紙装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の印刷装置にお
    ける給紙装置において、 前記印刷装置側に設けられ前記レジスト手段に向けて給
    紙する補助給紙部と、前記補助給紙部とは別に設けられ
    前記レジスト手段に向けて給紙するバンク給紙部とを具
    備し、 前記レジスト駆動制御手段は、前記補助給紙部からの給
    紙のときの第1の用紙搬送速度を前記バンク給紙部から
    の給紙のときのそれよりも大きくするように前記レジス
    ト駆動手段を制御することを特徴とする印刷装置におけ
    る給紙装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4記載の印刷装置
    における給紙装置において、 用紙の種類に応じて第2の用紙搬送速度を変える用紙搬
    送速度可変手段を具備することを特徴とする印刷装置に
    おける給紙装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4記載の印刷装置
    における給紙装置において、 印刷速度に応じて第2の用紙搬送速度を変える用紙搬送
    速度可変手段を具備することを特徴とする印刷装置にお
    ける給紙装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の印刷装置における
    給紙装置において、 前記レジスト駆動制御手段は、前記用紙搬送速度可変手
    段の機能を具備することを特徴とする印刷装置における
    給紙装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7の何れか一つに記載の印
    刷装置における給紙装置において、 前記保持手段に対して前記用紙の先端を給送するタイミ
    ングを制御するための、前記圧胴における少なくとも回
    転速度変動を検知するエンコーダセンサを備えたパルス
    エンコーダと、 前記圧胴と前記レジスト手段との間の給紙路に配設さ
    れ、前記用紙の先端を検知する用紙先端検知手段とを具
    備し、 前記レジスト駆動制御手段は、前記各制御に加えて、前
    記用紙先端検知手段からの信号に基づき、前記レジスト
    手段における前記用紙の滑りを補償すべく前記レジスト
    駆動手段を制御した後、前記エンコーダセンサからの出
    力パルス信号に基づき、前記保持手段の回転位置にタイ
    ミングを合わせて前記用紙の先端を給送すべく前記レジ
    スト駆動手段を制御することを特徴とする印刷装置にお
    ける給紙装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の印刷装置における給紙装置
    において、 前記レジスト駆動手段が、ステッピングモータからな
    り、 前記レジスト駆動制御手段は、前記レジスト駆動手段へ
    出力される少なくとも駆動パルス数を変えることにより
    前記レジスト駆動手段を制御することを特徴とする印刷
    装置における給紙装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の印刷装置における給紙装
    置において、 前記レジスト駆動制御手段は、前記用紙の滑り補償後、
    前記エンコーダセンサからの出力パルス信号に応じなが
    ら、さらに前記パルス幅を変えることにより、前記レジ
    スト駆動手段をフィードバック制御することを特徴とす
    る印刷装置における給紙装置。
  11. 【請求項11】請求項9記載の印刷装置における給紙装
    置において、 前記レジスト駆動制御手段は、前記レジスト駆動手段を
    起動させるための前記エンコーダセンサの出力パルス信
    号の出力開始時点からの出力パルス数と、前記用紙先端
    検知手段により用紙の先端が検知されたときから前記ス
    テッピングモータに供給された駆動パルス数とから、前
    記たわみの量を認識することを特徴とする印刷装置にお
    ける給紙装置。
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