JPH0719809U - 磁気ヘッドユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気カードリーダに於て、磁気ヘッドと対向
ローラの相対位置関係の調整作業を熟練していなくて
も、容易に調整が可能な磁気ヘッドユニットを提供する
ことにあり、熟練を必要としていた調整作業を単純かつ
短時間で出来るようにすることを目的とする。 【構成】 磁気ヘッド１に対向する対向ローラ３を揺動
する揺動アーム４の揺動軸６と、対向ローラ３を磁気ヘ
ッド１の直前で停止させるためのストッパ８を偏心構造
としたことで、磁気ヘッド１と対向ローラ３の位置決め
調整を簡略化した磁気ヘッドユニット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気カード等の磁気記録媒体への記録または再生を行う磁気ヘッド に係り、磁気ヘッドの調整機構を含む磁気ヘッドユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より磁気カードリーダの磁気ヘッドの位置調整は、磁気ヘッドのギャップ 面に対して搬送される磁気カードの磁性面が確実に接触するようにすることで正 確な磁気データの記録あるいは再生が可能である。 そのために磁気カードを磁気ヘッドのギャップ部に押し付けるように対向ロー ラが存在している。

【０００３】 しかしながら、磁気ヘッドの製作精度や磁気ヘッドの取付台の精度あるいは部 品のばらつき、さらには磁気ヘッドを装置へ組込む時の誤差などで磁気ヘッドの ギャップ部と対向ローラの位置が合わない事がしばしば起こっている。このよう な場合には良好な出力データを得ることができない。従って磁気ヘッドと対向ロ ーラとの相対位置決めを行う必要があり、磁気ヘッドと対向ローラの位置関係を 調整する作業は非常に困難でかつ熟練を要する作業であった。

【０００４】 また、対向ローラは、ある一定の与圧で磁気カードを介して磁気ヘッドのギャ ップ部に押し付けられるように設置されており、磁気カードが搬送され磁気ヘッ ドと対向ローラの間に突入してきた場合、磁気カードが対向ローラを押上げなが ら搬送される。この時、磁気ヘッドと磁気カード及び対向ローラ間の押し圧を低 減するために予め磁気ヘッドと対向ローラとの間に若干量のクリアランスを設け るが、適正量のクリアランスを設けるための作業は非常に困難であり、熟練を必 要とする作業である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 このように磁気カードを磁気ヘッドのギャップ部に押し付けるように対向ロー ラが存在している磁気ヘッドユニットにおいては、磁気ヘッドの製作精度や磁気 ヘッドの取付台の精度あるいは部品のばらつきや装置への組込み時の誤差などで 磁気ヘッドのギャップ部と対向ローラの位置が合わないため、良好な出力データ が得られないことがしばしば起こっており、良好な出力データを得るために磁気 ヘッドと対向ローラとの相対位置決め調整作業を行う必要がる。この調整作業は 非常に困難で熟練を要する作業であるという問題があった。

【０００６】 また、通常対向ローラは、ある一定の予圧で磁気ヘッドのギャップ部に押し付 けられているため、磁気カードが搬送されると磁気ヘッドと対向ローラの間の押 し圧のために磁気ヘッドと磁気カードとが摩擦し、モータに大きな負荷が掛かる 。その為に磁気カードの搬送速度が遅くなり出力が低下する等の問題があった。

【０００７】 さらには、磁気ヘッドと対向ローラの押し圧が高すぎると磁気ヘッドの摩耗が 促進されたり、磁気ヘッドに使用している磁性材の歪により、出力データにノイ ズが重畳したり、或は磁気カードを早く損傷してしまう等の問題がある。この様 な場合の対策として、予め磁気ヘッドと対向ローラとの間に若干量のクリアラン スを設けるが、この場合、適正量のクリアランスを設けるための作業は非常に困 難であり、熟練を必要とする作業であるという問題があった。

【０００８】 本考案は、この事情に鑑みて成されたもので、磁気ヘッドと対向ローラの相対 位置関係に於て、調整作業に熟練していなくても、容易にかつ短時間で調整が可 能な磁気ヘッドユニットを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するための本考案の構成は、図１に示すように磁気ヘッド１に 対向する対向ローラ３を揺動する揺動アーム４の揺動軸６と、対向ローラ３を磁 気ヘッド１の直前で停止させるためのストッパ８を偏心構造としたことで、磁気 ヘッドまわりの位置決め調整を簡略化した事で実現できる。 即ち、本考案によれば、磁気カードリーダ用磁気ヘッドユニットにおいて、磁 気ヘッド１のギャップ部に対向する対向ローラ３を有し、該対向ローラ３は磁気 ヘッド１から離脱、近接が可能ならしめる揺動アーム４に固定されており、該揺 動アーム４の揺動支点となる揺動軸６がベース７と嵌合する部分及び揺動アーム ４に嵌合される部分を偏心構造としたことを特徴とする磁気ヘッドユニットが得 られる。

【００１０】 また対向ローラ３を、磁気ヘッド１に当接する直前で停止させるストッパ８を 有し、かつ該ストッパ８は一端がベース７に嵌合され、他端は揺動アーム４に当 接されるように配置されかつストッパ８のベース７に嵌合される部分と揺動アー ム４に当接する部分を偏心構造としたことを特徴とする磁気ヘッドユニットが得 られる。

【００１１】

【作用】

この構成に基づく本考案の作用は、図２に示すごとく磁気ヘッドに対向する対 向ローラーを磁気ヘッドの磁気ギャップに対して行う前後及び上下の位置調整を 揺動軸及びストッパを回転させるだけで調整できるようにしたことにある。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案による実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１３】 図１に本考案による磁気ヘッドユニットの組立体の説明図を示し、図１（ａ） は平面図、図１（ｂ）は正面図、図１（ｃ）はＡ−Ａ′線断面図である。

【００１４】 図１に於て、磁気ヘッド１は磁気ヘッド固定具２によってベース７に固定され ている。また、磁気ヘッド１のギャップ面上（磁気ヘッドのＲ曲面）に揺動アー ム４のローラ支軸９を中心に回転自由の対向ローラ３が磁気ヘッド１に当接して 配置され、ばね５によって与圧が掛けられている。揺動軸６は揺動アーム４を介 して対向ローラ３が揺動し得るように軸支されている。 ストッパ８はベース７に嵌合されているが偏心構造を持つストッパ８の先端部 １８は、揺動アーム４の対向ローラ３が付いていない他端の下面と当接している 。 揺動軸６及びストッパ８は両者ともベース７に嵌合されている部分で揺動軸６ は割り締め、ストッパ８は止めネジで固定されている。 以下、図２により揺動軸６及びストッパ８の締結をそれぞれ緩めて調整を行っ た場合について説明する。 図２に於て、図２（ａ）の状態より揺動軸６を９０゜右回転した状態が図２（ ｂ）であり、この図２（ｂ）の状態が磁気ヘッド１に対して対向ローラ３が最も 右側に寄った状態であって、揺動軸６の中心位置ＡはＢの位置まで移動したこと になる。また、図２（ｂ）の状態より揺動軸６の矢印のごとく徐々に左側に回転 して行くと、それに伴って対向ローラ３も徐々に左方向へ移動し、最大で図２（ ｃ）の状態まで移動する。即ち、図２（ｂ）の揺動軸６の中心の位置Ｂから図２ （ｃ）の揺動軸６の中心の位置Ｃまでの距離分だけ移動したことになり揺動アー ム４に取り付けてある対向ローラ３も左側に移動したことになる。 次に揺動アーム４に取り付けられている対向ローラ３と磁気ヘッド１の距離を 調整するための揺動アーム４を支えているストッパー８の調整機構について説明 する。 図２（ａ）の状態よりストッパ８を徐々に回転して行くと前記回転軸６の中心 位置の移動の説明と同様の原理でストッパ８もまた偏心し揺動アーム４と当接し ている部分で揺動アーム４を上方に持ち上げ移動するため、磁気ヘッド１と対向 ローラ３との間にクリアランスが生じることとなり、図２（ｄ）はクリアランス が最大の状態を示している。尚、図２（ａ）および図２（ｄ）の揺動アーム４の 一部をストッパ８の説明のために破断している。

【００１５】 即ち、揺動軸６およびストッパ８はそれぞれ偏心しており、回転させるとその 偏心している部分は遊星運動を行うためその横方向あるいは縦方向の移動成分を 利用して変位量を得ることで微調整を容易なら占めている。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたごとく本考案によれば、従来非常に高度な技術と熟練を必要とした 磁気ヘッドのギャップ部と対向ローラの位置合わせや磁気ヘッドと対向ローラ間 のクリアランスの調整を容易に行うことの出来る磁気ヘッドユニットの提供が可 能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による磁気ヘッドユニットの組立体の説
明図を示し、図１（ａ）は平面図、図１（ｂ）は正面
図、図１（ｃ）はＡ−Ａ′線断面図。

【図２】本考案の磁気ヘッドユニットの調整機構を説明
するための説明図であり、図２（ａ）は通常状態、図２
（ｂ）揺動軸を９０゜右回転させた状態、図２（ｃ）は
揺動軸を左回転させた状態、図２（ｄ）はストッパを９
０゜回転させた状態を示す説明図。

【符号の説明】

１ 磁気ヘッド ２ 磁気ヘッド固定具 ３ 対向ローラ ４ 揺動アーム ５ ばね ６ 揺動軸 ７ ベース ８ ストッパ ９ ローラ支軸 １０ 矢印 Ａ，Ｂ，Ｃ 揺動軸６の中心位置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気カードリーダ用磁気ヘッドユニット
   において、磁気ヘッド１のギャップ部に対向する対向ロ
   ーラ３を有し、該対向ローラ３は磁気ヘッド１から離
   脱、近接が可能ならしめる揺動アーム４に固定されてお
   り、該揺動アーム４の揺動支点となる揺動軸６がベース
   ７と嵌合する部分及び揺動アーム４に嵌合される部分を
   偏心構造としたことを特徴とする磁気ヘッドユニット。
2. 【請求項２】 前記対向ローラ３は、磁気ヘッド１に当
   接する直前で停止させるストッパ８を有し、かつ該スト
   ッパ８は一端がベース７に嵌合され、他端は揺動アーム
   ４に当接されるように配置され、ストッパ８のベース７
   に嵌合される部分と揺動アーム４に当接する部分を偏心
   構造としたことを特徴とする請求項１に記載の磁気ヘッ
   ドユニット。